説明

着座動作支援装置

【課題】イスの座面高さが不明であっても適切に着座動作を支援することのできる着座動作支援装置を提供する。
【解決手段】支援装置は、大腿リンク、下腿リンク、ジョイント、モータ、及び、コントローラを備える。大腿リンクと下腿リンクは、ユーザの大腿と下腿にそれぞれ装着される。ジョイントは、大腿リンクに下腿リンクを揺動可能に連結する。モータは、ジョイントを駆動し、大腿リンクに対して下腿リンクを揺動させるトルクを発生する。コントローラは、膝角度が目標膝角度に一致するようにモータを制御する。コントローラは、さらに、目標膝角度が経時的に小さくなる目標膝角度パターンに実際の膝角度が追従するようにモータを制御するとともに、目標膝角度パターンへの追従制御中に所定の着座判定条件が成立したときに追従制御を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの脚の関節にトルクを加えてユーザの動作を支援する装置に関する。特に、ユーザの着座動作を支援する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの脚に装着され、脚の関節にトルクを加えることによってユーザの動作を支援する装置が開発されている。そのような装置は、例えば、ユーザの大腿に装着される大腿リンクと下腿に装着される下腿リンクが膝のピッチ軸回りに揺動可能に連結されている構造を有する。そして、大腿リンクと下腿リンクの連結部にトルクを発生させるアクチュエータを備え、アクチュエータの駆動力によって下腿の揺動動作を支援する。或いは、膝関節に加わる負荷を軽減する。同様に、大腿を揺動させるアクチュエータや足を揺動させるアクチュエータを供えた支援装置も開発されている。
【0003】
その典型的な例は歩行支援装置であるが、支援する動作は歩行に限られず、着座動作や立ち上がり動作も支援の対象となり得る。例えば特許文献1には、歩行動作、立ち上がり動作、及び、着座動作を支援する装置が開示されている。特許文献1の技術は、装置が脚の関節に加えるトルクの経時的変化を規定する目標トルクパターンを定め、その目標トルクパターンに従ってアクチュエータを制御し、脚の動きを支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−329520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書が開示する技術は、ユーザの着座動作を支援する装置に関する。本明細書ではそのような装置を着座動作支援装置と称する。着座支援装置は、アクチュエータの制御アルゴリズムを変更することによって、同じ機構で歩行支援や立ち上がり支援も可能であることに留意されたい。即ち、本明細書でいう着座動作支援装置は、着座動作を支援するための専用装置だけなく、着座動作支援も可能な歩行支援装置も含む。なお、簡単のため、以下では、着座動作支援装置を単に支援装置と称する場合がある。
【0006】
着座動作時に負荷が大きい関節は膝関節である。本明細書が開示する支援装置は、膝の関節にトルクを加え、膝関節の負荷を軽減しつつ、円滑な着座動作が実現されるように脚の動きを支援する。その支援装置は、前述したように、ユーザの大腿に装着される大腿リンクと下腿に装着される下腿リンクが膝ピッチ軸回りに回転するジョイントで連結されている機構を備えるとともに、ジョイントを駆動するアクチュエータを備える。なお、「ジョイントを駆動する」とは、大腿リンクと下腿リンクの間にジョイントの軸周りにトルクを発生させることを意味する。以下では、説明を簡単にするため、脚に装着する上記機構を脚装具と称し、大腿リンクと下腿リンクを膝ピッチ軸回りに揺動可能に連結するジョイントを膝ジョイントと称し、膝ジョイントを駆動する(トルクを発生させる)アクチュエータを膝アクチュエータと称する場合がある。膝アクチュエータは典型的にはモータであるが、油圧や空気圧を利用したアクチュエータであってもよい。
【0007】
特許文献1の技術によると、支援装置は、目標トルクパターンに従って膝アクチュエータを制御する。即ち、特許文献1の技術はいわゆるトルク制御で膝アクチュエータを制御する。ロボットの制御分野においてよく知られているように、トルク制御(力制御)の場合は角度(位置)が不定となり、逆に角度制御(位置制御)の場合は出力トルク(並進出力)が不定となる。従って着座動作を支援する際、膝アクチュエータにトルク制御を適用すると、膝角度が不定となり、その結果、腰の高さが不定となる。その場合、ユーザの腰が下がるタイミングや速度が予想できず、ユーザが困惑してしまう虞がある。
【0008】
そこで、着座動作支援の場合、膝アクチュエータを、膝角度の経時的変化を規定する目標膝角度パターンに追従するように制御するのが好ましい。ここで、説明をさらに明確にするため、本明細書で用いる膝角度(大腿と下腿のなす角度)を定義しておく。本明細書では、大腿と下腿が膝の裏側でなす角度を「膝角度」と定義する。当然に、「膝角度」は大腿リンクと下腿リンクが膝の裏側でなす角度にも相当する。なお、この定義は、腰位置の上昇下降と膝角度の増加減少の向きを対応付けるための便宜上の定義である。大腿と下腿が膝前方でなす角度を膝角度と定義しても差し支えない。前述の定義によると、膝角度が小さくなると腰位置が下がる。また、膝角度の経時的変化を記述した目標パターンが目標膝角度パターンに相当する。
【0009】
膝アクチュエータを、膝角度が目標膝角度パターンに追従するように制御する場合、着座動作では、腰高さが徐々に低下するように、目標膝角度が経時的に小さくなる目標膝角度パターンが採用される。追従制御中、ユーザの自重によって、膝関節には膝角度を小さくする向きに負荷トルクが作用する。しかし、膝アクチュエータが、膝角度を目標膝角度に追従させるようにトルクを発生する。出力トルクが負荷トルクに抗する。その結果、膝への負荷が軽減される。
【0010】
膝角度が目標膝角度パターンに追従するように膝アクチュエータを制御すると、腰高さが下がる経時的変化が規定されるので、腰高さの滑らかな変化を予め規定することができる。即ちそのような支援装置は、滑らかな着座動作が実現されるようにユーザを支援することができる。ここで、膝角度は概ね一意に腰高さに対応するから、膝アクチュエータを角度制御する場合、イスの座面高さが既知であれば、予め目標膝角度パターンの終端のタイミングと角度を定めることができる。しかしながら、イスの座面高さが不明であると、そのタイミングと角度は予め定めることができない。従って、座面高さが未知の場合、目標膝角度パターンに追従するように膝アクチュエータを制御する追従制御は、単純には着座動作支援に適用することができない。
【0011】
本明細書は、目標膝角度パターンに追従するように膝アクチュエータを制御しつつ、座面高さが不明であっても適切に着座動作を支援することのできる支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
通常、一般に、目標角度パターン(目標位置パターン)に追従するようにアクチュエータを制御する場合、目標角度パターン(目標位置パターン)の終点のタイミングと角度(位置)は定められていなければならないとされる。本明細書が開示する技術は、発想を転換し、目標膝角度パターンにおいて着座のタイミングと角度は定めない。目標膝角度パターンには当然に終点が存在するが、終点のタイミングと角度は仮の値であり、着座のタイミングと角度に相当しない。別言すると、目標膝角度パターンへの追従制御を開始した時点では、着座タイミング(即ち座面高さ)は不明でよい。その代わり、本明細書が開示する支援装置は、別のトリガによって追従制御を終了させる。そのような手法を導入することによって、本明細書が開示する技術は、座面高さが未知のイスにも対応できる着座動作支援装置を提供する。
【0013】
本明細書が開示する技術の一態様は、前述したように、大腿リンク、下腿リンク、ジョイント(膝ジョイント)、アクチュエータ(膝アクチュエータ)、及び、コントローラを備える。大腿リンクと下腿リンクは、ユーザの大腿と下腿にそれぞれ装着される。膝ジョイントは、大腿リンクと下腿リンクを、ユーザの膝関節のピッチ軸回りに相互に揺動可能に連結する。膝アクチュエータは、大腿リンクに対して下腿リンクを揺動させるトルクを発生する。即ち、膝アクチュエータは膝ジョイントを駆動する。コントローラは、膝角度が目標膝角度に一致するようにアクチュエータを制御する。前述したように、膝角度は、大腿リンクと下腿リンクが膝の裏側でなす角度として定義される。この支援装置のコントローラは、目標膝角度が経時的に小さくなる目標膝角度パターンに実際の膝角度(計測される膝角度)が追従するようにアクチュエータを制御するとともに、目標膝角度パターンへの追従制御中に着座判定条件が成立したときに追従制御を終了する。
【0014】
ここで、着座判定条件とは、その条件が成立するとき、ユーザが着座した蓋然性が極めて高いことが知見によって得られている条件である。別言すれば、着座判定条件とは、ユーザが着座したことを示す蓋然性が高い条件であり、予め定められている。即ち、本明細書が開示する支援装置は、着座タイミングを定めずに膝ジョイントを目標膝角度に追従するように制御しつつ、ユーザが着座した蓋然性が極めて高いことを示す条件(着座判定条件)が成立したときに追従制御を停止する。別の観点で表現すると、この支援装置は、腰位置が徐々に低くなるように膝アクチュエータを角度制御しながら、ユーザが着座したであろうと判定したときにその角度制御(追従制御)を終了する。
【0015】
なお、コントローラは、着座判定条件が成立したときに、前記した追従制御を終了するとともに、アクチュエータからジョイントへのトルク供給(トルクの印加)を停止することが好ましい。例えば、コントローラは、アクチュエータへの電力供給を停止することによって、トルク供給を停止する。そのような構成を備える支援装置は、着座したとき、即ち、ユーザの尻がイスの座面に到達したと判断したときにアクチュエータからジョイントへのトルク供給を停止する。トルク供給を停止すると膝ジョイントが出力トルクを発生しなくなるので、ユーザの尻は自然に座面に落ちる。即ち、自然な動きとなるように着座動作が支援される。ジョイントには粘性抵抗があるので、トルク供給を停止すると自重による負荷トルクによって膝角度は徐々に小さくなる。即ち、トルク供給を停止すると、完全に着座するまで出力トルクがゼロまで漸減する。
【0016】
着座判定条件とは、典型的には次の6つのいずれかである。(1)ユーザの自重に抗するアクチュエータの出力トルクの時間変化が、予め定められたトルク閾値を、トルクの大きい側から小さい側へ横切ること。(2)床面から足裏が受ける足裏荷重が予め定められた荷重閾値を下回ること。(3)大腿裏側が外部から受ける圧力が予め定められた圧力閾値を上回ること。(4)大腿の前後方向の厚みが予め定められた厚み閾値を下回ること。(5)大腿の表側と裏側の間の電気抵抗が予め定められた電気抵抗閾値を下回ること。(6)大腿リンクをユーザの大腿に取り付けるベルトの歪みの時間変化が予め定められた歪み閾値を横切ること。
【0017】
(1)の条件は次の技術的事項を意味する。腰が低くなるにつれて、自重に起因する膝への負荷トルクが増大する。それに伴って、目標膝角度を維持するために負荷トルクに抗するアクチュエータ出力トルクが増大する。ユーザの尻が座面に接すると、座面がユーザの自重を受け始めるので、アクチュエータの出力トルクは急減する。アクチュエータの出力トルクが急減するタイミング、別言すれば、負荷トルクに抗するアクチュエータ出力トルクの時間変化が、予め定められたトルク閾値を、トルクの大きい側から小さい側へ横切るタイミングが、着座タイミングである蓋然性が極めて高い。
【0018】
(2)の条件は、着座すると座面がユーザの自重に抗するようになるので、足裏荷重が急減することに対応する。(3)の条件は、大腿の裏側が座面に接することによって、外部から受ける圧力が増大することに対応する。(4)の条件は、大腿の裏側が座面に接することによって、大腿の前後方向の厚みが薄くなることに対応する。(5)の条件も(4)の条件と同じ技術的意味を有している。大腿の厚みが薄くなると、大腿の表と裏の間の距離が小さくなり、従って電気抵抗が小さくなるからである。(6)の条件は、大腿の裏側が座面に接すると、大腿の断面形状が変化することに対応する。いずれの条件も、着座したときに極めて高い確率で成立することは明らかである。
【0019】
あるいは、着座判定条件は、(a)大腿の鉛直方向に対するピッチ軸回りの傾斜角が予め定められた傾斜角閾値を上回ること、かつ、(b)ユーザの自重に抗するアクチュエータの出力トルクが予め定められたトルク閾値を下回ること、であってもよい。即ち、上記(a)と(b)の条件が共に成立した場合に、着座と判定することも好適である。大腿傾斜角が傾斜閾値を超えるタイミングは、ユーザが中腰程度の姿勢をとっているタイミングに相当する。そのような姿勢では、自重によって膝関節に加わる負荷トルクが大きくなっている。その後に条件(b)を監視することは、出力トルクがトルク閾値を大きい側から小さい側に横切るタイミングを判定することに他ならない。
【発明の効果】
【0020】
本発明が開示する技術によれば、イスの座面の高さが未知であってもユーザの着座動作を適切に支援することのできる着座動作支援装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】着座動作支援装置の模式的側面図を示す(起立姿勢)。
【図2】着座動作支援装置の模式的側面図を示す(着座動作途中)。
【図3】着座動作支援装置の模式的側面図を示す(着座姿勢)。
【図4】コントローラが実行する処理のフローチャートを示す。
【図5】図5(A)は、目標膝角度パターンの一例を示し、図5(B)は出力トルクの時間変化の一例を示す。
【図6】第2実施例のコントローラが実行する処理のフローチャートを示す。
【図7】第2実施例における膝角度、出力トルク、及び、大腿傾斜角の時間変化を示す。
【図8】第3実施例における膝角度と足裏荷重の時間変化を示す。
【図9】第4実施例における膝角度と大腿裏側圧力の時間変化を示す。
【図10】第4実施例における膝角度と大腿電気抵抗の時間変化を示す。
【実施例1】
【0022】
図1から図3に、第1実施例の着座動作支援装置100(以下、支援装置100と簡略化して記す)の模式的側面図を示す。図1は起立姿勢におけるユーザと支援装置100の姿勢を示しており、図2は着座動作途中のユーザと支援装置100の姿勢を示しており、図3は着座動作完了時におけるユーザと支援装置100の姿勢を示している。ここでいう起立姿勢とは、膝を真っ直ぐに伸ばして体全体が鉛直方向に沿っている状態を意味する。
【0023】
支援装置100は、ユーザの脚に沿って装着される脚装具12を備えている。本実施例の支援装置100の脚装具12は、ユーザの右脚に装着される。なお、脚装具12は、ユーザの左脚に装着されてもよい。また支援装置100は、両脚の夫々に装着される一対の脚装具を有していてもよい。
【0024】
脚装具12は、ユーザの大腿から足に亘って装着される。脚装具12は、大腿リンク14、下腿リンク16、及び足リンク18が回転ジョイント24、26によって揺動可能に連結された多関節リンク機構を構成している。大腿リンク14は、ユーザの大腿に装着される。下腿リンク16は、ユーザの下腿に装着される。足リンク18は、ユーザの足に装着される。夫々のリンクはベルトによってユーザに固定されるが、図では大腿リンク14のベルト20のみを示しており、他のベルトは図示を省略している。大腿リンク14と下腿リンク16は、回転ジョイント24によって相互に揺動可能に連結されている。足リンク18は、回転ジョイント26によって下腿リンク16の下端に揺動可能に連結されている。回転ジョイント24は、脚装具12をユーザが装着したときに、膝関節のピッチ軸と同軸に位置する。回転ジョイント26は、足首関節のピッチ軸と同軸に位置する。なお、「ピッチ軸」とは、ユーザの横方向に伸びる軸を意味する。回転ジョイント24が、前述した膝ジョイントに相当するので以下では膝ジョイント24と称することがある。大腿リンク14には、モータ28(後述)を制御するためのコントローラ30が取り付けられている。
【0025】
各回転ジョイントはエンコーダ21を備えている。膝ジョイント24のエンコーダ21aは、大腿リンク14と下腿リンク16の相対回転角を検出する。エンコーダ21aが検出する角度は、ピッチ軸周りの膝角度θkに相当する。足首ジョイント26のエンコーダ21bは、下腿リンク16と足リンク18の相対回転角を検出する。エンコーダ21bが検出する角度は、ピッチ軸周りの足首角度に相当する。図1−図3に示すように、膝角度θkは、大腿リンク14と下腿リンク16が膝の裏側でなす角度を表す。膝角度θkはまた、ユーザの大腿と下腿の間の回転角(膝角度)にも相当する。上記の通りに膝角度θkを定義すると、着座動作中、膝角度θkが小さくなるにつれて腰高さが低くなる。逆に、立ち上がり動作中、膝角度θkが大きくなるにつれて腰高さが高くなる。起立姿勢のとき、膝角度θkはほぼ180度となる。着座姿勢のときの膝角度θkは、イスCの座面Caの高さに依存する。
【0026】
ユーザの膝関節に対応する膝ジョイント24にはモータ28が取り付けられている。モータ28は、膝ジョイント24を駆動し、大腿リンク14に対して下腿リンク16をピッチ軸周りに揺動させることができる。大腿リンク14がユーザの大腿に装着されており、下腿リンク16がユーザの下腿に装着されているので、モータ28の出力トルクはユーザの膝関節に加えられる。モータ28は、ユーザの膝関節にトルクを加える膝アクチュエータの一例に相当する。
【0027】
着座動作を支援するためのアルゴリズムを説明する。コントローラ30が実行する処理(着座動作支援のための処理)のフローチャートを図4に示す。コントローラ30はまず、フラグにゼロを設定する(S2)。このフラグの意味は後に説明する。次いでコントローラ30は、膝角度θkが目標膝角度パターンrθkに追従するようにモータ28を制御する(S3)。膝角度を目標膝角度パターンに追従させる制御を追従制御という。前述したように膝角度θkはエンコーダ21aによって計測される。目標膝角度パターンrθkは、目標膝角度の時系列データであり、目標膝角度が経時的に小さくなるパターンが規定されている。目標膝角度パターンrθkは、予め定められている。目標膝角度パターンrθkの一例を図5(A)に示す。図5(A)の破線が目標膝角度パターンrθkを示す。図5(A)の実線はエンコーダ21aによって計測される実際の膝角度θkを示す。タイミングt1以降で計測される膝角度θkと目標膝角度パターンrθkが乖離している理由は後述する。
【0028】
目標膝角度パターンrθkは、起立姿勢に対応する180度で始まり、経時的に小さくなり、最終的にθminに収束するパターンを有している。なお、θminは、90度よりも十分に小さい値に設定されている。後述するように、計測される膝角度θkが90度の付近で着座判定がなされ、コントローラ30は追従制御を停止するので膝角度θkがθminまで減じることはなく、また、膝角度θkはユーザが着座することによって一定の値に保持されることに留意されたい。
【0029】
追従制御を開始した時点ではフラグはゼロに設定されているのでステップS5に移行する(S4:NO)。コントローラ30は、追従制御を行っている間、モータ28の出力トルクTaを監視している(S5)。モータ28の出力トルクTaは、モータ28に流れる電流の大きさから求められる。モータ電流と出力トルクTaの間には、比例関係が成立するからである。なお、その比例定数はモータのトルク定数と呼ばれる。別言すれば、支援装置100は、モータの出力トルクTaを検知するセンサを有している。図5(B)に、モータ28の出力トルクTaのグラフを示す。なお、図5の(A)と(B)は、時間軸を一致させてある。膝角度θkが180度から小さくなるにつれて、腰高さが下がり、ユーザの自重に起因する膝周りの負荷モーメントが増大する。モータ28は、負荷モーメントに抗して膝角度θkを目標膝角度rθkに維持するために出力トルクを増大させる。ユーザの腰高さがさらに下がり、尻がイスの座面に着くと、イスがユーザの自重を支え始める。そのため、モータの出力トルクTaは急激に小さくなる。
【0030】
コントローラ30は、出力トルクTaがトルク閾値Tthを超えたときに、フラグに1を設定する(S5:YES、S6)。図5(B)は、時刻t0で出力トルクTaがトルク閾値Tthを超えていることを示している。フラグに1が設定された後は、コントローラ30は、ステップS7にて出力トルクTaの監視を続ける(S4:YES、S7)。コントローラ30は、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回るまで追従制御を続ける(S7:NO、S3)。出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回ったとき(S7:YES)、コントローラ30は、追従制御を終了するとともに、モータ28への電力供給を停止する(S8)。モータ28への電力供給の停止は、モータ28から膝ジョイント24へのトルク供給の停止を意味する。
【0031】
ステップS7の処理は、モータ28の出力トルクTaがトルク閾値Tthを超えた後に実行される。即ち、ステップS7の判定処理がYESの結果を出すときは、モータ28の出力トルクTaの時間変化が、予め定められたトルク閾値Tthを、トルクの大きい側から小さい側へ横切るときである。ステップS7の処理は、着座判定処理と表現することができる。条件:「モータ28の出力トルクTaの時間変化が、予め定められたトルク閾値Tthを、トルクの大きい側から小さい側へ横切ること」が、着座判定条件の一例に相当する。上記したフラグは、出力トルクTaがトルク閾値Tthを上回ったことを示すフラグであり、ステップS7の処理を、着座判定条件が成立するか否かを監視する処理として実現させるためのフラグである。
【0032】
前述したように、ユーザの尻がイスの座面に到達すると、出力トルクTaは急激に低下する。別言すると、モータの出力トルクが急激に低下するタイミングが、ユーザの尻がイスの座面に達したことを示す。コントローラ30は、モータの出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回ったときに、即ち、着座判定条件が成立したときに、追従制御を停止するとともにモータ28への電力供給を停止する。別言すると、支援装置100は、そのタイミングで膝へのトルク付加を停止し、着座動作の支援を終了する。このとき、ユーザの尻は既に座面に到達しているので、支援装置100のトルク付加が終了すると、ユーザは安全に完全に着座する。
【0033】
図5のグラフにおいて、時刻t1が、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回るタイミングに相当する。このタイミングで支援装置100は追従制御を停止するとともにモータへの電力供給を停止する。膝関節θkは、時刻t1の後、僅かに低下するが、尻が座面に完全に着いた後は一定となる。
【0034】
このように支援装置100は、計測される膝角度θkが目標膝角度パターンに追従するようにモータ28(膝アクチュエータ)を制御する。追従制御を行っている間、コントローラ30は、出力トルクTaの時間変化がトルク閾値Tthをトルクの大きい側から小さい側へ横切った時点で追従制御を停止するとともにモータ28への電力供給を停止する。支援装置100にはイスの座面高さの情報は必要ない。支援装置100は、座面高さの情報を用いることなく、目標膝角度パターンへの追従制御によって適切に着座動作を着座完了までスムーズに支援することができる。なお、トルク閾値Tthは、例えばユーザの体重に基づき、予め定められる。
【実施例2】
【0035】
第2実施例の支援装置を説明する。第2実施例の支援装置は、ユーザの大腿の鉛直方向に対するピッチ軸回りの傾斜角θhを計測する傾斜角センサ(不図示)を備えている。その他の構成は第1実施例の支援装置100と同じである。第2実施例の支援装置を支援装置100aと称する。以下の説明における支援装置100aの各部品の参照番号は図1にて付した参照番号を用いる。
【0036】
大腿傾斜角θhは、ユーザが直立姿勢をとっているときにはほぼゼロである。大腿が鉛直方向から傾くほど、大腿傾斜角θhは大きくなる。別言すれば、腰高さが低くなるほど、大腿傾斜角θhは大きくなる。傾斜センサは、大腿リンク14に搭載されている。
【0037】
支援装置100aは、傾斜角センサが計測する大腿傾斜角θhを使って着座判定する。支援装置100aのコントローラ30が実行する処理のフローチャートを図6に示す。図4のフローチャートと図6のフローチャートを比較すると明らかなとおり、大腿傾斜角θhを用いることによって、第1実施例のアルゴリズムで利用した「フラグ」が不要となり、アルゴリズムが簡略化される。
【0038】
コントローラ30が実行する処理を説明する。コントローラ30は、着座支援の開始として、膝角度θkを目標膝角度パターンrθkに追従させる追従制御を開始する(S12)。この処理は、第1実施例と同じである。コントローラ30は、追従制御を実行している間、大腿傾斜角θhとモータ出力トルクTaを監視する(S14、S16)。コントローラ30は、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回り、かつ、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回るまで追従制御を継続する(S14:NO、S16:NO)。そして、コントローラ30は、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回り、かつ、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回ったとき(S14:YES、S16:YES)、追従制御を終了するとともに、モータ28への電力供給を停止する(S18)。ステップS18の処理は、第1実施例のステップS8の処理と同じである。
【0039】
別言すれば、コントローラ30は、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回り、かつ、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回るタイミングを判定する。傾斜角閾値θthは、たとえば45度に設定されている。大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回ることは、ユーザが中腰姿勢であることを示している。即ち、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回るタイミングは、着座動作が半分程度まで進んでいることを示している。着座動作が半分程度まで進むと、ユーザの自重に起因して膝に加わる負荷トルクが大きくなっている。従って、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回るタイミングを判断することが、第1実施例の「フラグ」の代りとなっている。即ち、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回り、かつ、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回るタイミングが、第1実施例における着座判定タイミングに相当する。別言すれば、「大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回り、かつ、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回ること」が着座判定条件の他の例に相当する。
【0040】
図7に、第2実施例における膝角度θk、出力トルクTa、及び、大腿傾斜角θhの時間変化を示す。図7(A)が膝角度θkを示しており、図7(B)が出力トルクTaを示している。図7(A)、(B)は、図5(A)、(B)と同じである。図7(C)が大腿傾斜角θhを示している。タイミングt3にて、大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを超える。このタイミングt3において、出力トルクTaは既にトルク閾値Tthを超えている。従って、「大腿傾斜角θhが傾斜角閾値θthを上回り、かつ、出力トルクTaがトルク閾値Tthを下回ること」という着座判定条件は、第1実施例における着座判定条件、即ち、「モータ28の出力トルクTaの時間変化が、予め定められたトルク閾値Tthを、トルクの大きい側から小さい側へ横切ること」と実質的に等価である。
【実施例3】
【0041】
第3実施例の支援装置を説明する。第3実施例の支援装置は、ユーザの足裏が床面から受ける足裏荷重Wを計測する荷重センサ(不図示)を備えている。その他の構成は第1実施例の支援装置100と同じである。第3実施例の支援装置を支援装置100bと称する。支援装置100bの各部品の参照番号は図1にて付した参照番号を用いる。荷重センサは、足リンク18に搭載されている。
【0042】
支援装置100bは、荷重センサが計測する足裏荷重Wを使って着座判定する。支援装置100bのコントローラ30が実行する処理のフローチャートは、図6のフローチャートにおいて、ステップS12とS14の代わりに、次の処理を行うフローチャートに相当する。即ちコントローラ30は、足裏荷重Wが予め定められた荷重閾値Wthを下回るまで追従制御を実行する。そして、コントローラ30は、足裏荷重Wが荷重閾値Wthを下回ったとき、追従制御を終了するとともに、モータ28への電力供給を停止する。即ち、第3実施例では、「足裏荷重Wが予め定められた荷重閾値Wthを下回ること」が着座判定条件に相当する。
【0043】
図8に第3実施例における膝角度θkと足裏荷重Wの時間変化を示す。図8(A)が膝角度θkを示しており、図8(B)が足裏荷重Wを示している。図8(A)は、図5(A)と同じである。足裏荷重Wは、ユーザの尻が座面に着くまではほぼ一定である。尻が座面に到達すると、イスがユーザの自重を支え始めるので足裏荷重Wは急激に低下する。コントローラ30は、足裏荷重Wが荷重閾値Wthを下回ったタイミングt1で追従制御を停止するとともにモータ28への電力供給を停止する。電力供給を停止すると、膝ジョイント24は出力トルクを失うが、ユーザの尻は既に座面に到達しているのでイスがユーザの自重を完全に支えるようになる。即ち、モータへの電力供給を停止すると、尻が完全に座面に乗り、着座動作が完了する。
【実施例4】
【0044】
第4実施例の支援装置を説明する。第4実施例の支援装置は、ユーザの大腿の裏側が外部から受ける圧力Pを計測する圧力センサを備えている。その他の構成は第1実施例の支援装置100と同じである。第4実施例の支援装置を支援装置100cと称する。支援装置100cの各部品の参照番号は図1にて付した参照番号を用いる。圧力センサ(不図示)は、大腿リンク14をユーザの大腿に固定するベルト20に取り付けられている。圧力センサは、支援装置100cをユーザに装着したときに、大腿の裏に相当する位置に取り付けられている。
【0045】
支援装置100cは、圧力センサが計測する大腿裏側圧力Pを使って着座判定する。支援装置100cのコントローラ30が実行する処理のフローチャートは、図6のフローチャートにおいて、ステップS12とS14の代わりに、次の処理を行うフローチャートに相当する。即ちコントローラ30は、大腿裏側圧力Pが予め定められた圧力閾値Pthを上回るまで追従制御を実行する。そして、コントローラ30は、大腿裏側圧力Pが圧力閾値Pthを上回ったとき、追従制御を終了するとともに、モータ28への電力供給を停止する。即ち、第4実施例では、「大腿裏側が外部から受ける圧力が予め定められた圧力閾値を上回ること」が着座判定条件に相当する。
【0046】
図9に、第4実施例における膝角度θkと大腿裏側圧力Pの時間変化を示す。図9(A)が膝角度θkを示しており、図9(B)が大腿裏側圧力Pを示している。図9(A)は、図5(A)と同じである。大腿裏側圧力Pは、ユーザの尻が座面に着くまではほぼゼロである。尻が座面に到達すると、大腿の裏側も座面に接するので、大腿裏側圧力Pは急激に増加する。コントローラ30は、大腿裏側圧力Pが圧力閾値Pthを上回ったタイミングt1で追従制御を停止するとともにモータ28への電力供給を停止する。電力供給を停止すると、膝ジョイント24は出力トルクを失うが、ユーザの尻は既に座面に到達しているのでイスがユーザの自重を完全に支えるようになる。即ち、モータへの電力供給を停止すると、尻が完全に座面に乗り、着座動作が完了する。
【実施例5】
【0047】
第5実施例の支援装置を説明する。第5実施例の支援装置は、ユーザの大腿の表側と裏側の間の電気抵抗Rを計測するための一対の電極を備えている。その他の構成は第1実施例の支援装置100と同じである。第5実施例の支援装置を支援装置100dと称する。支援装置100dの各部品の参照番号は図1にて付した参照番号を用いる。一対の電極(不図示)は、大腿リンク14をユーザの大腿に固定するベルト20に取り付けられている。一方の電極は、支援装置100cをユーザに装着したときに、大腿の表(前)に相当する位置に取り付けられており、他方の電極は、大腿の裏(後ろ)に相当する位置に取り付けられている。コントローラ30は、一対の電極間の電気抵抗Rを計測する。
【0048】
支援装置100dは、一対の電極の間の電気抵抗R(即ち、大腿の表と裏の間の電気抵抗)を使って着座判定する。電気抵抗Rは、大腿の表側と裏側との間の厚み(大腿の前後方向の厚み)に依存する。大腿の前後方向の厚みが薄くなるほど、電気抵抗Rは小さくなる。ユーザが着座すると、大腿の裏側が座面から圧迫されるので、大腿の厚みが薄くなり、電気抵抗Rが小さくなる。
【0049】
支援装置100dのコントローラ30が実行する処理のフローチャートは、図6のフローチャートにおいて、ステップS12とS14の代わりに、次の処理を行うフローチャートに相当する。即ちコントローラ30は、電気抵抗Rが予め定められた抵抗閾値Rthを下回るまで追従制御を実行する。そして、コントローラ30は、電気抵抗Rが抵抗閾値Rthを下回ったとき、追従制御を終了するとともに、モータ28への電力供給を停止する。即ち、第5実施例では、「大腿の表側と裏側の間の電気抵抗が予め定められた電気抵抗閾値を下回ること」が着座判定条件に相当する。
【0050】
図10に第5実施例における膝角度θkと電気抵抗Rの時間変化を示す。図10(A)が膝角度θk、目標膝角度パターンrθkを示しており、図10(B)が大腿の表側と裏側の間の電気抵抗Rを示している。図10(A)は、図5(A)と同じである。電気抵抗Rは、ユーザの尻が座面に着くまではほぼ一定である。尻が座面に到達すると、大腿の裏側が座面から圧迫され、大腿の厚みが薄くなるので、電気抵抗Rは急激に減少する。コントローラ30は、電気抵抗Rが抵抗閾値Rthを下回ったタイミングt1で追従制御を停止するとともにモータ28への電力供給を停止する。電力供給を停止すると、膝ジョイント24は出力トルクを失うが、ユーザの尻は既に座面に到達しているのでイスがユーザの自重を完全に支えるようになる。即ち、モータへの電力供給を停止すると、尻が完全に座面に乗り、着座動作が完了する。
【0051】
着座動作支援装置の変形例を説明する。第5実施例の説明で述べたように、大腿の表側と裏側の間の電気抵抗Rは、大腿の表側と裏側の間の厚み(前後方向の厚み)と対応している。従って、第5実施例の支援装置100dにおける着座判定条件は、「大腿の前後方向の厚みが予め定められた厚み閾値を下回ること」と別言することができる。
【0052】
また、大腿の厚みが変化するということは、大腿リンク14を大腿に取り付けているベルト20の形状が変化することを意味する。従って、大腿の厚みの変化は、ベルト20の歪みの変化となって表れる。従って、別の着座動作支援装置では、「大腿リンクをユーザの大腿に取り付けるベルトの歪みの時間変化が予め定められた歪み閾値を横切ること」を着座判定条件として採用してもよい。この場合、大腿リンク14をユーザの大腿に固定するベルト20に歪センサが取り付けられる。
【0053】
いずれの実施例でも、着座判定条件が成立したとき、追従制御を終了するとともに、モータ(膝アクチュエータ)への電力の供給を停止した。電力の供給を停止する代わりに、着座判定条件が成立したとき、膝ジョイントを受動回転自在としてもよい。例えば、支援装置に、膝ジョイントとモータの出力軸の間の係合と解放を切り換えるクラッチを配置し、着座判定条件が成立したとき、クラッチを解放するようにしてもよい。或いは、そのときの膝角度を維持するようにモータを制御するようにしてもよい。また、電力の供給を停止する代わりに、着座判定条件が成立したとき、ジョイントにブレーキをかけて膝角度を固定するようにしてもよい。
【0054】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0055】
12:脚装具
14:大腿リンク
16:下腿リンク
18:足リンク
20:ベルト
21:エンコーダ
24:膝ジョイント
26:足首ジョイント
28:モータ
30:コントローラ
100:着座動作支援装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの着座動作を支援する着座動作支援装置であり、
ユーザの大腿に装着される大腿リンクと、
ユーザの下腿に装着される下腿リンクと、
大腿リンクに下腿リンクを揺動可能に連結するジョイントと、
ジョイントを駆動するアクチュエータと、
大腿リンクと下腿リンクが膝の裏側でなす膝角度が目標膝角度に一致するようにアクチュエータを制御するコントローラと、
を備えており、
コントローラは、目標膝角度が経時的に小さくなる目標膝角度パターンに膝角度が追従するようにアクチュエータを制御するとともに、目標膝角度パターンへの追従制御中に、ユーザが着座したことを示す予め定められた着座判定条件が成立したときに、前記追従制御を終了することを特徴とする着座動作支援装置。
【請求項2】
前記着座判定条件は、
(1)アクチュエータの出力トルクの時間変化が、予め定められたトルク閾値を、トルクの大きい側から小さい側へ横切ること、
(2)床面から足裏が受ける足裏荷重が予め定められた荷重閾値を下回ること、
(3)大腿裏側が外部から受ける圧力が予め定められた圧力閾値を上回ること、
(4)大腿の前後方向の厚みが予め定められた厚み閾値を下回ること、
(5)大腿の表側と裏側の間の電気抵抗が予め定められた電気抵抗閾値を下回ること、
(6)大腿リンクをユーザの大腿に取り付けるベルトの歪みの時間変化が予め定められた歪み閾値を横切ること、
のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の着座動作支援装置。
【請求項3】
前記着座判定条件は、(a)大腿の鉛直方向に対するピッチ軸回りの傾斜角が予め定められた傾斜角閾値を上回ること、かつ、(b)アクチュエータの出力トルクが予め定められたトルク閾値を下回ること、であることを特徴とする請求項1に記載の着座動作支援装置。
【請求項4】
コントローラは、前記着座判定条件が成立したときに、前記追従制御を終了するとともに、アクチュエータからジョイントへのトルク供給を遮断することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の着座動作支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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