着座家具のためのリクライニング機構
着座家具(1)であって、フレーム(5,6,7)と、使用中にユーザに支持を提供するよう適合された支持部材(2,3)と、該支持部材をフレーム(5,6,7)に結合しているリクライン機構(4)とを有しており、該リクライン機構が、支持部材(2,3)又はフレーム(5,6,7)のうちの一方に位置決めされたハウジングと、支持部材又はフレームのうちの他方に位置決めされた、フレーム(5,6,7)の延長部分(11)であって、前記ハウジングが、キャビティ壁によって画成されたキャビティ(10)内に当該延長部分を収容している延長部分と、前記キャビティの内部でキャビティ壁の少なくとも一部と延長部分(11)との間に設置された付勢手段(12)とを有しており、支持部材(2,3)の傾斜運動によって、キャビティ(10)と延長部分(11)との間で回動が惹起され、これにより、延長部分が付勢手段(12)に係合し、該付勢手段(12)に、回動に抗する回復性の付勢力が生ぜしめられるようになっていることを特徴とする着座家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家具に関し、それのみというわけではないが、特に、シート又は椅子(seats or chairs)のシート背部(背もたれ)及び/又は基部の傾斜調節を可能にするシート内又は椅子内で使用するためのリクライン機構に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子、シート又はソファのような着座家具は、固定された構成を有していてよく、シートの基部(以下、シート基部、基部又は単にシートと称する)は(クッションも含むことがあるとはいえ)実質的に不動であるだけでなく、家具のアイテムのフレームに対して傾斜可能とされていない。同様に、着座家具の定置のフレームアイテム内で、椅子のシート背部はさらに実質的に不動であり、それゆえ家具のアイテムは、ユーザの変化する着座位置に容易に調節可能というわけではない。したがって、着座家具のそのような定置のアイテム内で長期間使用した後には、ユーザが快適ではなくなり、かつ/又は着座位置を変化させてしまうことが頻繁にある。変化した着座位置は着座家具の構造体によって支持されず、最終的には、姿勢問題、すなわち例えば腰痛を生ぜしめてしまうことがある。
【0003】
着座家具は、さらに、多様な調節可能性を有していてよく、これにより、椅子のシート及び/又は背部は、ユーザの姿勢又は着座位置に適合するために当該椅子のフレームに対して調節可能である。例えば、多くの事務用椅子は、シート及びシート背部の角度調節を含む、ユーザに変更可能な多数の特徴を有している。通常、一旦適当な角度がユーザによって達成された後にシート及び/又はシート背部を定位置にロックするために、複雑化された機構が設けられている。シート及び/又は背部の動作に対してその動作範囲にわたって抵抗を提供し、これにより、ユーザが調節プロセス中、完全に支持を失わないようにするために、ばね又はこれに代わる付勢機構(biasing mechanism)が、通常、要求される。
【0004】
したがって、着座家具のアイテムのシート及び/又は背部を調節するための既存の機構は比較的に複雑であり、それゆえ製造及び購入には高くつく。あまり複雑化されておらずかつ製造がより容易であり、それゆえ、市場の末端においてあまり費用がかかることなく着座家具内に組み込まれることができ、この結果、当該シートのユーザに、着座中の改良された快適性及び支持が提供されるようになっている、着座家具のアイテムのためのリクライン機構を提供することは、有利であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の課題は、前記欠点を克服するための又は前記問題に取り組むための少なくとも幾つかの手段を提供するか、又は少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【0006】
これにより、本願明細書内で引用されるいかなる特許又は特許出願をも含む全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれている。いかなる参考文献も先行技術を構成すると認めるものではない。参考文献の議論はその著者が主張することを述べているものであり、出願人は、引用された文献の正確さ及び適切さを問題にする権利を留保する。多数の先行技術出版物が本願において言及されているが、このような言及が、前記文献のいずれかがニュージーランド又はどこか他の国において技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成していると認めるものではないことは、明白に理解されるであろう。
【0007】
「備える(comprise)」という用語は、様々な法域下で、排他的又は包括的な意味を持つものであることが認められる。本願明細書の目的のためには、別様に言及されていない限りは、「備える」という用語は、包括的な意味を有するものとする。すなわち、当該用語は、その用語が直接的に参照する記載の構成部材だけでなく、他の非特定の構成部材又は要素の包含を意味するものと考えられたい。この解釈は、さらに、「備えられる(comprised)」又は「備えている(comprising)」という用語が1つの方法又はプロセス内の2つ以上のステップに関して使用される場合にも、同様に妥当するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施態様では本発明は概して、着座家具であって、
フレームと、
使用中にユーザに支持を提供するよう適合された少なくとも1つの支持部材と、
該支持部材をフレームに結合しているリクライン機構とを有しており、該リクライン機構が、
支持部材又はフレームのうちの一方に位置決めされたハウジングと、
支持部材又はフレームのうちの他方に位置決めされた、フレームの延長部分であって、前記ハウジングが、キャビティ壁によって画成されたキャビティ内に当該延長部分を収容している延長部分と、
キャビティの内部でキャビティ壁の少なくとも一部と延長部分との間に設置された付勢手段とを有しており、
支持部材の傾斜運動によって、キャビティと延長部分との間で回動が惹起され、これにより、延長部分が付勢手段に係合し、該付勢手段に、回動に抗する回復性の付勢力が生ぜしめられるようになっていることを特徴とする着座家具であってよい。
【0009】
ハウジング/キャビティ及び延長部分はそれぞれ支持部材及びフレームに位置決めされているか又はその逆であってよいとはいえ、本発明は、明確さ及び読みやすさのために支持部材に位置決めされているハウジングを参照しつつ説明される。これは単に例示的なものであって、かつ本発明がこの構成に制限されていないことが、理解されるであろう。
【0010】
好ましくは、フレームの延長部分は、支持部材が結合されている当該フレームの少なくとも一部に対して相対的に定置である。
【0011】
一実施態様によれば、付勢手段は弾性材料、好ましくは弾性的に圧縮可能又は延伸可能な材料を備えて成っている。
【0012】
同様に、前記付勢手段が、延伸又は圧縮の作用に回復性の反力を加えるよう構成されていてよいことが、容易に理解されるであろう。延長部分は、例えば、少なくとも部分的に付勢手段によって包囲されていてよいか又は付勢手段に位置固定されていてよく、付勢手段もやはりキャビティ壁に位置固定されている。したがって、延長部分のいかなる回動も付勢手段の延伸を惹起し、ひいては、回動に抗する反動的な回復性の付勢力を生ぜしめるようになっている。
【0013】
本発明は、以後、圧縮可能な付勢手段を参照しつつ説明される。とはいえ、このことは例示的な目的のためにすぎず、延伸可能な付勢手段の利用から本発明を排除するわけではない。好ましくは、付勢手段は円筒形又は管状の形状である。
【0014】
別の実施態様では本発明は概して、着座家具であって、
フレームと、
使用中にユーザに支持を提供するよう適合された少なくとも1つの支持部材と、
該支持部材をフレームに結合しているリクライン機構とを有しており、該リクライン機構が、
支持部材に位置決めされたハウジングであって、フレームの延長部分を収容しているキャビティを有しているハウジングと、
キャビティの壁と延長部分との間に組み付けられた付勢手段とを有しており、
該付勢手段が、弾性的に圧縮可能な一体状の材料を備えて成っており、
支持部材の傾斜運動によってキャビティが延長部分を中心として移動させられるのに対して、付勢手段の圧縮状態が前記移動に応じて調節されるようになっていることを特徴とする着座家具であってよい。好ましくは、フレームの延長部分は板状の形状であり、かつ付勢手段は延長部分の少なくとも1つの側とキャビティ壁との間に設置されている。
【0015】
あるいは、フレームの延長部分の少なくとも一方の端部は棒状の形状であり、かつ付勢手段は延長部分の周囲に位置決めされている。
【0016】
好ましくは、ハウジング内のキャビティは、横断面で見てほぼ三角形である。
【0017】
あるいは、ハウジング内のキャビティは、横断面で見て中央がくびれた構成、すなわち、ほぼ“蝶ネクタイ”形状の、共通の頂部で互いに結合された互いに対向する2つの三角形部分を有している。
【0018】
好ましくは、板状の延長部分は縦方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として横方向で旋回可能とされている。
【0019】
あるいは、棒状の延長部分は横方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として縦方向で旋回可能とされている。
【0020】
好ましくは、付勢手段は、フレームの延長部分の、棒状形状を成す端部部分の両端部の周囲に設けられている。
【0021】
好ましくは、前記ハウジングは前記支持部材と一体である。
【0022】
あるいは、前記ハウジングは前記支持部材に結合可能とされている。
【0023】
あるいは、前記ハウジングは、支持部材と一体に形成された第1のセクションと、第1のセクションに結合可能な第2のセクションとを備えて成っており、キャビティは第1のセクションと第2のセクションとの間に形成されている。
【0024】
好ましくは、前記支持部材はシートを有している。
【0025】
あるいは、前記支持部材はシート背部を有している。
【0026】
好ましくは、支持部材は、フレームに接触するよう適合されたストッパ手段を備えている。
【0027】
あるいは、フレームは、支持部材が接触するようになっているストッパ手段を備えている。
【0028】
好ましくは、前記付勢手段はエラストマ材料又は天然ゴムから形成されている。
【0029】
好ましくは、付勢手段によって提供される付勢力は、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の長さを変化させることによって調節可能とされている。
【0030】
あるいは、付勢手段によって提供される付勢力は、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の密度を変化させることによって調節可能とされている。
【0031】
本発明のさらなる実施態様は以下の説明から明らかになるであろう。以下の記載は、例示のために説明しているにすぎず、添付の図面参照しつつ説明するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図面を参照すれば、特に図1A、図1B及び図1Cには、本発明による椅子又はシート1を、3つの異なる位置でユーザによって使用されている状態で示してある。椅子は、使用中にユーザに支持を提供する支持部材を有している。該支持部材はシート背部2及びシート又はシート基部3を有している。
【0033】
図1Aには、もたれているユーザを示してあるので、シート背部2は後方へ傾斜させられ、かつシート3の前端部は下方へ傾斜させられている。図1Bでは、シートは「ニュートラル」位置にあり、ユーザの胴体がほぼ鉛直であるので、シート背部2もほぼ鉛直であり、かつシート3はほぼ水平である。図1Cでは、ユーザがやや前方へ身を乗り出しているので、シート背部2は実質的にユーザに接触しておらず、図1Bに示した位置と類似の位置にある。これに対してシート3は、図1Aの図示と同様の形式で前方へ傾斜させられている。
【0034】
したがって、図1A〜図Cにおける一連の図には、本発明の好ましい実施形態によるリクライン機構4が組み込まれている椅子の背部2及びシート3の運動の範囲を示してある。リクライン機構4がシート背部2又はシート3に関連付けられていてよいか又は択一的に、図示のように、シート背部2及びシート3が共に、関連付けられたリクライン機構4を有していてよいということに、留意されたい。さらに、本発明を標準的な四脚付き椅子に関して説明するとはいえ、本発明が例えば事務用椅子、ソファ、スツール、ベンチにおいて、又はそれどころかソファのような安楽用家具において同様に利用され得るということも理解されたい。
【0035】
シート1は、シート背部支持部分5を有しているフレームと、シート基部支持部分6と、脚7とを有している。フレームは、例えば、中実又は中空の管状鋼のような金属から、木材から又はそれどころか適当な頑丈なプラスチック材料から構成されていてよい。
【0036】
図2を参照しつつ、シート基部3に関連付けられたリクライン機構4の構成及び作動を説明する。
【0037】
シート基部3は、ポリプロピレンのような適当な可撓性のプラスチック材料から構成されていてよく、ユーザの臀部及び上部大腿部を受容するよう輪郭付与されていてよい。シートは、さらに、合板のような木材又は金属から形成されていてよいであろう。前記木材及び金属も共に、ユーザの身体形状に対して適当に(しかもより永続的に)変形させられてよい。
【0038】
図2に示した例では、リクライン機構4が2つの部分、すなわち、第1のセクション8及び第2のセクションを備えて成っていることが理解され得る。第1のセクション8がシート基部3と一体に形成されているのに対して、第2のセクション9は別個に形成されていて、第1のセクション8に連結されるように又は取り付けられるように適合されている。しかしながら、リクライン機構4は、シート基部3に取り付けられるよう適合されている一体状の構成部材から形成されていてよいか、又は択一的に、シート基部3と完全に一体であってよいであろう。あるいは、リクライン機構4は、アルミニウム押出成形材から、又は加圧成形された鋼又は鋳造鋼から形成されていてよく、これらの材料はプラスチックのシート基部3内で成形されてよい。
【0039】
図3A〜図3Cには、シート基部3に関連付けられたリクライン機構の作動を詳細に示してある。図3Aでは、シート基部3の前端部は、図1A〜図1Cに示した位置と同様に、下方へ傾斜させられている。図3Bでは、シート基部3は、シートにユーザが着座していない静止位置にある。図3Cでは、シート基部3は、ユーザが普通に着座している図1Bに示した位置と同様の位置にある。
【0040】
図2及び図3A〜図Cでは、リクライン機構4が、キャビティ10を有するハウジングを備えて成っていることが理解され得る。フレームのシート支持部分の延長部分11は、キャビティ10内に収容されている。延長部分11はフレームに対して実質的に不動であり、ユーザの着座位置及びシート基部の位置に拘わらず定位置に位置固定されている。これとは対照的に、リクライン機構4のハウジングはシート基部3に取り付けられているか又はシート基部3と一体に形成されていて、それゆえシート基部3と共に運動するようになっている。これにより、キャビティ10は、シート基部3の傾斜運動中、延長部分11を中心として有効に移動するようになっている。延長部分11が一旦キャビティ10内に拘束されると、シート基部がフレームに有効に結合されることが、理解されるであろう。
【0041】
延長部分11は、シート基部3の下方でほぼ水平にかつ横方向に延在する平板を備えて成っていてよい。リクライン機構4のハウジングは、横方向で実質的にシート基部3の全幅にわたって延在していてよいか、又はシート基部3の幅の一部だけにわたって延在していてよい。あるいは、複数の別個のハウジングがシート基部3の下側の幅に対して横方向で位置合わせされていてよく、各ハウジングを通って延長部分11が延在している。延長部分11は、択一的に、“T”又は“I”形状を成すロッドを備えて成っていてよく、該ロッドは横方向でシート基部3の下方に延在していて、垂直に取り付けられた両端部を有しており、一方の端部は図3A〜図3Cに示してあり、短い長さの例えば鋼棒を備えて成っている。延長部分11が、実際に、フレームとハウジングとの間の回動運動を伝達し得るいかなる形状であってもよいことが、理解されるであろう。したがって、延長部分は正方形、長方形、六角形、楕円形又は他の非円形の横断面を有していてよく、中実又は中空であってよい。
【0042】
さらに、付勢手段12がキャビティ10内でキャビティの壁とフレームの延長部分11との間に設けられている。図3A〜図3Cにおけるキャビティ10の形状は、“蝶ネクタイ”と類似の中央がくびれた形状であり、延長部分11はキャビティ10の中央領域13を中心として旋回するようになっている(もっとも、先述のように、延長部分を中心として運動又は移動するのはキャビティである)。したがって、キャビティは、ほぼ三角形状を成す2つのローブ(lobes)を有しており、これらのローブはその頂部で旋回点に結合されており、付勢手段12は、延長部分11がシート基部3の前方傾斜及び後方傾斜に応じてキャビティの両側壁の間で運動する際に、当該延長部分11の運動を緩衝するようになっている。
【0043】
付勢手段12は、エラストマ又は天然ゴムのような弾性的に圧縮可能な一体状の材料である。図3A〜図3Cにおける付勢手段12は、エラストマ材料から成る4つの別個の部分を備えて成っていてよく、キャビティを形成する各ローブ内で延長部分の両側に一つずつ存在する。付勢手段12は中実又は中空であってよく、例えば、各ハーフローブ(それぞれの半ローブ)の形状にほぼ整合するよう楔形状を成していてよい。したがって、延長部分11を形成している平板は、縦方向(長手方向)でキャビティ10を通って延在しており、該キャビティは旋回点を中心として横方向に旋回するようになっている。
【0044】
あるいは、付勢手段12は、延長部分11の端部部分を成すロッドの端部にわたって容易に摺動させられる管状形状に形成されていてよい。したがって、図3A〜図3Cに示してあるように、付勢手段12は、エラストマ材料から成る管状の2つのセクションを備えて成っていてよく、各セクションは、延長部分11の端部部分を形成するロッドのそれぞれの端部にわたって位置決めされている。この事例では、延長部分を形成するロッドは、横方向でキャビティ内へ延在していてよく、キャビティの旋回点を中心として縦方向で旋回するようになっていてよい。
【0045】
付勢手段12は、ユーザがシート基部をその静止位置の前方及び後方に傾斜させる際に、延長部分の運動を緩衝するよう作用する。付勢手段は、さらに、シート基部が圧縮緩和される際にその静止位置又はニュートラル位置に復帰するのを補助するための回復力を提供する。
【0046】
シート背部2に関するリクライン機構4の構成及び作動を、図4及び図5A〜図5Cを参照しつつ説明する。
【0047】
シート背部2は支持表面14を有しており、該支持表面に対して、使用中、ユーザの背部がもたせかけられる。シート背部2の背面はリクライン機構4を有しており、該リクライン機構は、シート基部3を参照しつつ先述したように、キャビティ10を有するハウジングを備えて成っている。該ハウジングは、図4に示してあるように、第1のセクション8及び第2のセクション9を備えた2つの部分から成るハウジングであってよいか、又はシート背部2に取り付けられた又はシート背部2と一体の一体状ハウジングであってよい。シート基部の場合のように、シート背部2はポリプロピレンのようなプラスチック材料から、又は択一的には合板のような木材から又はそれどころかアルミニウム又は鋼のような金属から形成されていてよい。さらに、先述したように、リクライン機構4は、アルミニウム押出成形材として形成されていてよいか、又は加圧成形された鋼又は鋳造鋼から形成されていてよく、これらの材料はプラスチックのシート背部2内に一体成形されてよい。
【0048】
リクライン機構4のハウジングは、シート背部2の全幅を横切って横方向に延在していてよいか、又はシート背部の幅の一部だけにわたって延在していてよい。複数の別個のハウジングが、互いに位置合わせされた複数のキャビティ10を備えて、シート背部の幅に対して横方向で離間設置されていてよい。ハウジング内に形成された単数(又は複数)のキャビティを通って延在するシートのフレームの延長部分11と付勢手段12とが、キャビティの壁とフレームの延長部分11との間に設けられている。図4では、付勢手段12が好ましくは管状であってエラストマ材料又は天然ゴムから形成されているが、同様に、中央の開口なしに形成されていてよいか又は楔形状のような異なる形状に形成されていてよいことが、理解され得る。しかしながら、図4に示した管状形状が本発明内で満足のいく結果をもたらすことが判っている。
【0049】
図4では、さらに、キャビティ10の形状がほぼ三角形であることが判る。また、シート基部3とは異なって、シート背部2の静止位置又はユーザなしの位置が、シート背部2の運動範囲の一方の極限端にある(これとは対照的に、シート基部3の静止位置は、シート基部3の運動範囲の2つの極限端の間にある)ことが、理解されるであろう。したがって、図5A(及び図4)には、ユーザがシートに存在しない状態のシート基部3の静止位置を示してある。
図5Bには、ユーザが標準的な着座位置に存在する(すなわち、ややリクライニングされている)状態のハウジング及びひいてはシート背部の位置を示してあり、図5Cには、ほぼ完全にリクライニングされた位置におけるハウジング及びひいてはシート背部の位置を示してある。
【0050】
フレームの延長部分11は、フレームのシート背部支持部分4から横方向で延在する板を備えて成っていてよく、該板はフレームに堅固に結合されている。これにより、当該板は、リクライン機構4のハウジングが当該板を中心として移動するにも拘わらず、運動しないようになっている。図5A〜図5Cにおける一連の図からは、ユーザがさらにシート背部2をリクライニングするに連れて、付勢手段12が中に位置決めされているキャビティ10の部分の容積が減少され、かつひいては付勢手段の圧縮状態が変化させられることが理解され得る。したがって、シート背部2の全運動範囲の間、付勢手段はその運動に対して多少の抵抗を提供するか、又は、シート背部がリクライニングされた位置からその静止位置に向かって運動する場合には、付勢手段は、圧縮緩和される際にシート背部の位置を復元するのを補助する。
【0051】
付勢手段が支持部材2,3に提供する付勢量を調節するために、キャビティ10内に位置決めされた管の長さは、より長い管が当然のことながら付勢手段12によって提供される抵抗及び回復力を増大させ、より短い長さの管が提供される抵抗及び回復力の量を減少させるように、調節されていてよい。シート背部及び基部の傾斜運動の最終的な限界が、単純に付勢手段の圧縮限界とキャビティの形状とによって規制されてよいとはいえ、ストッパが、シート背部及び/又はシート基部に接触するようフレームに設けられていてよく、さらなる運動は、付勢手段がその圧縮性限界に到達するより前に停止させられ、これにより、付勢手段への早期損傷が回避されるようになっている。あるいは、支持部材2,3は、運動中、フレームに接触するように位置決めされた単数又は複数のストッパを備えていてよい。
【0052】
図6A〜図6Fには、本発明の別の実施形態を示してあり、先述の実施形態と共通する同じ構成部材は同じ符号が付してある。図6に示した実施形態では、椅子1の各側におけるシート基部支持部分6及び一対の脚7は、単一の連続管から‘n’形状に曲げ加工されて形成されている。シート3は、シート支持部分6の、先述の実施形態の場合よりもやや高い上方に組み付けられており、これにより、ユーザが傾斜中にフレームとシート3との間に指を挟んでしまうか場合によっては傷つけてしまう可能性が低下させられる。さらに、ストッパ15が、リクライン機構4の両側でシート基部支持部分6に位置決めされており、これにより、シート3の傾斜の最大範囲が制限される。
【0053】
図7A〜図7Fにおける実施形態は、図1〜図6の実施形態の別の変形実施例を示すものである。図1〜図6における実施形態で利用される従来式の四脚付き構成とは異なって、図7A〜図7Fに示した実施形態は、スキッド脚構成(skid leg configuration)を利用するものである。この構成は、椅子1の対向面に一対の‘C’形状フレーム17を備えた典型的なシートの角隅に設置された従来式の四脚に代わるものである。前脚7は、C形状を成す脚17の下面を形成する床接触部分16によって代替され、該床接触部分16は、起立した後方脚部分17に結合されており、該後方脚部分17もやはりシート基部支持セクション18に結合されており、該シート基部支持セクションは、床接触部分16に対してほぼ平行に方向付けられている。椅子前部に特別な脚空間を提供するほか、C形状を成す脚構成は、多数の椅子(multiple chair)1を、1つの椅子を別の椅子の上へ積み重ねる前に完全に持ち上げる必要なしに、入れ子状に重ねることを可能にする。このことは、学校及びこれに類する場所では特に実用的であり得る。
【0054】
本発明の実施形態は単に例として説明したものであり、変更及び付加が本発明の範囲を逸脱することなく行われてよいことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1A】ユーザによって1つの着座位置で利用されている、本発明によるリクライン機構が組み込まれている椅子を示す側面立面図である。
【図1B】ユーザによって別の着座位置で利用されている、本発明によるリクライン機構が組み込まれている椅子を示す側面立面図である。
【図1C】ユーザによってさらに別の着座位置で利用されている、本発明によるリクライン機構が組み込まれている椅子を示す側面立面図である。
【図2】図1A〜図1Cに示したシートのシート基部を示す側面立面図である。
【図3A】図2に示したリクライン機構を明確さのためにシート基部が取り除かれた状態で1つの位置で示す1つの横断面側面立面図である。
【図3B】図2に示したリクライン機構を明確さのためにシート基部が取り除かれた状態で別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図3C】図2に示したリクライン機構を明確さのためにシート基部が取り除かれた状態でさらに別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図4】図1A〜図1Cに示したシートのシート背部を示す側面立面図である。
【図5A】図4に示したリクライン機構を明確さのためにシート背部が取り除かれた状態で1つの位置で示す横断面側面立面図である。
【図5B】図4に示したリクライン機構を明確さのためにシート背部が取り除かれた状態で別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図5C】図4に示したリクライン機構を明確さのためにシート背部が取り除かれた状態でさらに別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図6A】本発明による椅子の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6B】図6Aに示した椅子の側面立面図である。
【図6C】図6Aに示した椅子の下側平面図である。
【図6D】図6Aに示した椅子の上側平面図である。
【図6E】図6Aに示した椅子の背面立面図である。
【図6F】図6Aに示した椅子の前面立面図である。
【図7A】本発明による椅子の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図7B】図7Aに示した椅子の側面立面図である。
【図7C】図7Aに示した椅子の下側平面図である。
【図7D】図7Aに示した椅子の上側平面図である。
【図7E】図7Aに示した椅子の背面立面図である。
【図7F】図7Aに示した椅子の前面立面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 椅子又はシート
2 シート背部
3 シート基部
4 リクライン機構
5 シート背部支持部分
6 シート基部支持部分
7 脚
8 第1のセクション
9 第2のセクション
10 キャビティ
11 延長部分
12 付勢手段
13 中央領域
14 支持表面
16 床接触部分
17 起立した後方脚部分
18 シート基部支持セクション
27 C形状フレーム
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【技術分野】
【0001】
本発明は家具に関し、それのみというわけではないが、特に、シート又は椅子(seats or chairs)のシート背部(背もたれ)及び/又は基部の傾斜調節を可能にするシート内又は椅子内で使用するためのリクライン機構に関する。
【背景技術】
【0002】
椅子、シート又はソファのような着座家具は、固定された構成を有していてよく、シートの基部(以下、シート基部、基部又は単にシートと称する)は(クッションも含むことがあるとはいえ)実質的に不動であるだけでなく、家具のアイテムのフレームに対して傾斜可能とされていない。同様に、着座家具の定置のフレームアイテム内で、椅子のシート背部はさらに実質的に不動であり、それゆえ家具のアイテムは、ユーザの変化する着座位置に容易に調節可能というわけではない。したがって、着座家具のそのような定置のアイテム内で長期間使用した後には、ユーザが快適ではなくなり、かつ/又は着座位置を変化させてしまうことが頻繁にある。変化した着座位置は着座家具の構造体によって支持されず、最終的には、姿勢問題、すなわち例えば腰痛を生ぜしめてしまうことがある。
【0003】
着座家具は、さらに、多様な調節可能性を有していてよく、これにより、椅子のシート及び/又は背部は、ユーザの姿勢又は着座位置に適合するために当該椅子のフレームに対して調節可能である。例えば、多くの事務用椅子は、シート及びシート背部の角度調節を含む、ユーザに変更可能な多数の特徴を有している。通常、一旦適当な角度がユーザによって達成された後にシート及び/又はシート背部を定位置にロックするために、複雑化された機構が設けられている。シート及び/又は背部の動作に対してその動作範囲にわたって抵抗を提供し、これにより、ユーザが調節プロセス中、完全に支持を失わないようにするために、ばね又はこれに代わる付勢機構(biasing mechanism)が、通常、要求される。
【0004】
したがって、着座家具のアイテムのシート及び/又は背部を調節するための既存の機構は比較的に複雑であり、それゆえ製造及び購入には高くつく。あまり複雑化されておらずかつ製造がより容易であり、それゆえ、市場の末端においてあまり費用がかかることなく着座家具内に組み込まれることができ、この結果、当該シートのユーザに、着座中の改良された快適性及び支持が提供されるようになっている、着座家具のアイテムのためのリクライン機構を提供することは、有利であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の課題は、前記欠点を克服するための又は前記問題に取り組むための少なくとも幾つかの手段を提供するか、又は少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【0006】
これにより、本願明細書内で引用されるいかなる特許又は特許出願をも含む全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれている。いかなる参考文献も先行技術を構成すると認めるものではない。参考文献の議論はその著者が主張することを述べているものであり、出願人は、引用された文献の正確さ及び適切さを問題にする権利を留保する。多数の先行技術出版物が本願において言及されているが、このような言及が、前記文献のいずれかがニュージーランド又はどこか他の国において技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成していると認めるものではないことは、明白に理解されるであろう。
【0007】
「備える(comprise)」という用語は、様々な法域下で、排他的又は包括的な意味を持つものであることが認められる。本願明細書の目的のためには、別様に言及されていない限りは、「備える」という用語は、包括的な意味を有するものとする。すなわち、当該用語は、その用語が直接的に参照する記載の構成部材だけでなく、他の非特定の構成部材又は要素の包含を意味するものと考えられたい。この解釈は、さらに、「備えられる(comprised)」又は「備えている(comprising)」という用語が1つの方法又はプロセス内の2つ以上のステップに関して使用される場合にも、同様に妥当するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施態様では本発明は概して、着座家具であって、
フレームと、
使用中にユーザに支持を提供するよう適合された少なくとも1つの支持部材と、
該支持部材をフレームに結合しているリクライン機構とを有しており、該リクライン機構が、
支持部材又はフレームのうちの一方に位置決めされたハウジングと、
支持部材又はフレームのうちの他方に位置決めされた、フレームの延長部分であって、前記ハウジングが、キャビティ壁によって画成されたキャビティ内に当該延長部分を収容している延長部分と、
キャビティの内部でキャビティ壁の少なくとも一部と延長部分との間に設置された付勢手段とを有しており、
支持部材の傾斜運動によって、キャビティと延長部分との間で回動が惹起され、これにより、延長部分が付勢手段に係合し、該付勢手段に、回動に抗する回復性の付勢力が生ぜしめられるようになっていることを特徴とする着座家具であってよい。
【0009】
ハウジング/キャビティ及び延長部分はそれぞれ支持部材及びフレームに位置決めされているか又はその逆であってよいとはいえ、本発明は、明確さ及び読みやすさのために支持部材に位置決めされているハウジングを参照しつつ説明される。これは単に例示的なものであって、かつ本発明がこの構成に制限されていないことが、理解されるであろう。
【0010】
好ましくは、フレームの延長部分は、支持部材が結合されている当該フレームの少なくとも一部に対して相対的に定置である。
【0011】
一実施態様によれば、付勢手段は弾性材料、好ましくは弾性的に圧縮可能又は延伸可能な材料を備えて成っている。
【0012】
同様に、前記付勢手段が、延伸又は圧縮の作用に回復性の反力を加えるよう構成されていてよいことが、容易に理解されるであろう。延長部分は、例えば、少なくとも部分的に付勢手段によって包囲されていてよいか又は付勢手段に位置固定されていてよく、付勢手段もやはりキャビティ壁に位置固定されている。したがって、延長部分のいかなる回動も付勢手段の延伸を惹起し、ひいては、回動に抗する反動的な回復性の付勢力を生ぜしめるようになっている。
【0013】
本発明は、以後、圧縮可能な付勢手段を参照しつつ説明される。とはいえ、このことは例示的な目的のためにすぎず、延伸可能な付勢手段の利用から本発明を排除するわけではない。好ましくは、付勢手段は円筒形又は管状の形状である。
【0014】
別の実施態様では本発明は概して、着座家具であって、
フレームと、
使用中にユーザに支持を提供するよう適合された少なくとも1つの支持部材と、
該支持部材をフレームに結合しているリクライン機構とを有しており、該リクライン機構が、
支持部材に位置決めされたハウジングであって、フレームの延長部分を収容しているキャビティを有しているハウジングと、
キャビティの壁と延長部分との間に組み付けられた付勢手段とを有しており、
該付勢手段が、弾性的に圧縮可能な一体状の材料を備えて成っており、
支持部材の傾斜運動によってキャビティが延長部分を中心として移動させられるのに対して、付勢手段の圧縮状態が前記移動に応じて調節されるようになっていることを特徴とする着座家具であってよい。好ましくは、フレームの延長部分は板状の形状であり、かつ付勢手段は延長部分の少なくとも1つの側とキャビティ壁との間に設置されている。
【0015】
あるいは、フレームの延長部分の少なくとも一方の端部は棒状の形状であり、かつ付勢手段は延長部分の周囲に位置決めされている。
【0016】
好ましくは、ハウジング内のキャビティは、横断面で見てほぼ三角形である。
【0017】
あるいは、ハウジング内のキャビティは、横断面で見て中央がくびれた構成、すなわち、ほぼ“蝶ネクタイ”形状の、共通の頂部で互いに結合された互いに対向する2つの三角形部分を有している。
【0018】
好ましくは、板状の延長部分は縦方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として横方向で旋回可能とされている。
【0019】
あるいは、棒状の延長部分は横方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として縦方向で旋回可能とされている。
【0020】
好ましくは、付勢手段は、フレームの延長部分の、棒状形状を成す端部部分の両端部の周囲に設けられている。
【0021】
好ましくは、前記ハウジングは前記支持部材と一体である。
【0022】
あるいは、前記ハウジングは前記支持部材に結合可能とされている。
【0023】
あるいは、前記ハウジングは、支持部材と一体に形成された第1のセクションと、第1のセクションに結合可能な第2のセクションとを備えて成っており、キャビティは第1のセクションと第2のセクションとの間に形成されている。
【0024】
好ましくは、前記支持部材はシートを有している。
【0025】
あるいは、前記支持部材はシート背部を有している。
【0026】
好ましくは、支持部材は、フレームに接触するよう適合されたストッパ手段を備えている。
【0027】
あるいは、フレームは、支持部材が接触するようになっているストッパ手段を備えている。
【0028】
好ましくは、前記付勢手段はエラストマ材料又は天然ゴムから形成されている。
【0029】
好ましくは、付勢手段によって提供される付勢力は、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の長さを変化させることによって調節可能とされている。
【0030】
あるいは、付勢手段によって提供される付勢力は、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の密度を変化させることによって調節可能とされている。
【0031】
本発明のさらなる実施態様は以下の説明から明らかになるであろう。以下の記載は、例示のために説明しているにすぎず、添付の図面参照しつつ説明するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図面を参照すれば、特に図1A、図1B及び図1Cには、本発明による椅子又はシート1を、3つの異なる位置でユーザによって使用されている状態で示してある。椅子は、使用中にユーザに支持を提供する支持部材を有している。該支持部材はシート背部2及びシート又はシート基部3を有している。
【0033】
図1Aには、もたれているユーザを示してあるので、シート背部2は後方へ傾斜させられ、かつシート3の前端部は下方へ傾斜させられている。図1Bでは、シートは「ニュートラル」位置にあり、ユーザの胴体がほぼ鉛直であるので、シート背部2もほぼ鉛直であり、かつシート3はほぼ水平である。図1Cでは、ユーザがやや前方へ身を乗り出しているので、シート背部2は実質的にユーザに接触しておらず、図1Bに示した位置と類似の位置にある。これに対してシート3は、図1Aの図示と同様の形式で前方へ傾斜させられている。
【0034】
したがって、図1A〜図Cにおける一連の図には、本発明の好ましい実施形態によるリクライン機構4が組み込まれている椅子の背部2及びシート3の運動の範囲を示してある。リクライン機構4がシート背部2又はシート3に関連付けられていてよいか又は択一的に、図示のように、シート背部2及びシート3が共に、関連付けられたリクライン機構4を有していてよいということに、留意されたい。さらに、本発明を標準的な四脚付き椅子に関して説明するとはいえ、本発明が例えば事務用椅子、ソファ、スツール、ベンチにおいて、又はそれどころかソファのような安楽用家具において同様に利用され得るということも理解されたい。
【0035】
シート1は、シート背部支持部分5を有しているフレームと、シート基部支持部分6と、脚7とを有している。フレームは、例えば、中実又は中空の管状鋼のような金属から、木材から又はそれどころか適当な頑丈なプラスチック材料から構成されていてよい。
【0036】
図2を参照しつつ、シート基部3に関連付けられたリクライン機構4の構成及び作動を説明する。
【0037】
シート基部3は、ポリプロピレンのような適当な可撓性のプラスチック材料から構成されていてよく、ユーザの臀部及び上部大腿部を受容するよう輪郭付与されていてよい。シートは、さらに、合板のような木材又は金属から形成されていてよいであろう。前記木材及び金属も共に、ユーザの身体形状に対して適当に(しかもより永続的に)変形させられてよい。
【0038】
図2に示した例では、リクライン機構4が2つの部分、すなわち、第1のセクション8及び第2のセクションを備えて成っていることが理解され得る。第1のセクション8がシート基部3と一体に形成されているのに対して、第2のセクション9は別個に形成されていて、第1のセクション8に連結されるように又は取り付けられるように適合されている。しかしながら、リクライン機構4は、シート基部3に取り付けられるよう適合されている一体状の構成部材から形成されていてよいか、又は択一的に、シート基部3と完全に一体であってよいであろう。あるいは、リクライン機構4は、アルミニウム押出成形材から、又は加圧成形された鋼又は鋳造鋼から形成されていてよく、これらの材料はプラスチックのシート基部3内で成形されてよい。
【0039】
図3A〜図3Cには、シート基部3に関連付けられたリクライン機構の作動を詳細に示してある。図3Aでは、シート基部3の前端部は、図1A〜図1Cに示した位置と同様に、下方へ傾斜させられている。図3Bでは、シート基部3は、シートにユーザが着座していない静止位置にある。図3Cでは、シート基部3は、ユーザが普通に着座している図1Bに示した位置と同様の位置にある。
【0040】
図2及び図3A〜図Cでは、リクライン機構4が、キャビティ10を有するハウジングを備えて成っていることが理解され得る。フレームのシート支持部分の延長部分11は、キャビティ10内に収容されている。延長部分11はフレームに対して実質的に不動であり、ユーザの着座位置及びシート基部の位置に拘わらず定位置に位置固定されている。これとは対照的に、リクライン機構4のハウジングはシート基部3に取り付けられているか又はシート基部3と一体に形成されていて、それゆえシート基部3と共に運動するようになっている。これにより、キャビティ10は、シート基部3の傾斜運動中、延長部分11を中心として有効に移動するようになっている。延長部分11が一旦キャビティ10内に拘束されると、シート基部がフレームに有効に結合されることが、理解されるであろう。
【0041】
延長部分11は、シート基部3の下方でほぼ水平にかつ横方向に延在する平板を備えて成っていてよい。リクライン機構4のハウジングは、横方向で実質的にシート基部3の全幅にわたって延在していてよいか、又はシート基部3の幅の一部だけにわたって延在していてよい。あるいは、複数の別個のハウジングがシート基部3の下側の幅に対して横方向で位置合わせされていてよく、各ハウジングを通って延長部分11が延在している。延長部分11は、択一的に、“T”又は“I”形状を成すロッドを備えて成っていてよく、該ロッドは横方向でシート基部3の下方に延在していて、垂直に取り付けられた両端部を有しており、一方の端部は図3A〜図3Cに示してあり、短い長さの例えば鋼棒を備えて成っている。延長部分11が、実際に、フレームとハウジングとの間の回動運動を伝達し得るいかなる形状であってもよいことが、理解されるであろう。したがって、延長部分は正方形、長方形、六角形、楕円形又は他の非円形の横断面を有していてよく、中実又は中空であってよい。
【0042】
さらに、付勢手段12がキャビティ10内でキャビティの壁とフレームの延長部分11との間に設けられている。図3A〜図3Cにおけるキャビティ10の形状は、“蝶ネクタイ”と類似の中央がくびれた形状であり、延長部分11はキャビティ10の中央領域13を中心として旋回するようになっている(もっとも、先述のように、延長部分を中心として運動又は移動するのはキャビティである)。したがって、キャビティは、ほぼ三角形状を成す2つのローブ(lobes)を有しており、これらのローブはその頂部で旋回点に結合されており、付勢手段12は、延長部分11がシート基部3の前方傾斜及び後方傾斜に応じてキャビティの両側壁の間で運動する際に、当該延長部分11の運動を緩衝するようになっている。
【0043】
付勢手段12は、エラストマ又は天然ゴムのような弾性的に圧縮可能な一体状の材料である。図3A〜図3Cにおける付勢手段12は、エラストマ材料から成る4つの別個の部分を備えて成っていてよく、キャビティを形成する各ローブ内で延長部分の両側に一つずつ存在する。付勢手段12は中実又は中空であってよく、例えば、各ハーフローブ(それぞれの半ローブ)の形状にほぼ整合するよう楔形状を成していてよい。したがって、延長部分11を形成している平板は、縦方向(長手方向)でキャビティ10を通って延在しており、該キャビティは旋回点を中心として横方向に旋回するようになっている。
【0044】
あるいは、付勢手段12は、延長部分11の端部部分を成すロッドの端部にわたって容易に摺動させられる管状形状に形成されていてよい。したがって、図3A〜図3Cに示してあるように、付勢手段12は、エラストマ材料から成る管状の2つのセクションを備えて成っていてよく、各セクションは、延長部分11の端部部分を形成するロッドのそれぞれの端部にわたって位置決めされている。この事例では、延長部分を形成するロッドは、横方向でキャビティ内へ延在していてよく、キャビティの旋回点を中心として縦方向で旋回するようになっていてよい。
【0045】
付勢手段12は、ユーザがシート基部をその静止位置の前方及び後方に傾斜させる際に、延長部分の運動を緩衝するよう作用する。付勢手段は、さらに、シート基部が圧縮緩和される際にその静止位置又はニュートラル位置に復帰するのを補助するための回復力を提供する。
【0046】
シート背部2に関するリクライン機構4の構成及び作動を、図4及び図5A〜図5Cを参照しつつ説明する。
【0047】
シート背部2は支持表面14を有しており、該支持表面に対して、使用中、ユーザの背部がもたせかけられる。シート背部2の背面はリクライン機構4を有しており、該リクライン機構は、シート基部3を参照しつつ先述したように、キャビティ10を有するハウジングを備えて成っている。該ハウジングは、図4に示してあるように、第1のセクション8及び第2のセクション9を備えた2つの部分から成るハウジングであってよいか、又はシート背部2に取り付けられた又はシート背部2と一体の一体状ハウジングであってよい。シート基部の場合のように、シート背部2はポリプロピレンのようなプラスチック材料から、又は択一的には合板のような木材から又はそれどころかアルミニウム又は鋼のような金属から形成されていてよい。さらに、先述したように、リクライン機構4は、アルミニウム押出成形材として形成されていてよいか、又は加圧成形された鋼又は鋳造鋼から形成されていてよく、これらの材料はプラスチックのシート背部2内に一体成形されてよい。
【0048】
リクライン機構4のハウジングは、シート背部2の全幅を横切って横方向に延在していてよいか、又はシート背部の幅の一部だけにわたって延在していてよい。複数の別個のハウジングが、互いに位置合わせされた複数のキャビティ10を備えて、シート背部の幅に対して横方向で離間設置されていてよい。ハウジング内に形成された単数(又は複数)のキャビティを通って延在するシートのフレームの延長部分11と付勢手段12とが、キャビティの壁とフレームの延長部分11との間に設けられている。図4では、付勢手段12が好ましくは管状であってエラストマ材料又は天然ゴムから形成されているが、同様に、中央の開口なしに形成されていてよいか又は楔形状のような異なる形状に形成されていてよいことが、理解され得る。しかしながら、図4に示した管状形状が本発明内で満足のいく結果をもたらすことが判っている。
【0049】
図4では、さらに、キャビティ10の形状がほぼ三角形であることが判る。また、シート基部3とは異なって、シート背部2の静止位置又はユーザなしの位置が、シート背部2の運動範囲の一方の極限端にある(これとは対照的に、シート基部3の静止位置は、シート基部3の運動範囲の2つの極限端の間にある)ことが、理解されるであろう。したがって、図5A(及び図4)には、ユーザがシートに存在しない状態のシート基部3の静止位置を示してある。
図5Bには、ユーザが標準的な着座位置に存在する(すなわち、ややリクライニングされている)状態のハウジング及びひいてはシート背部の位置を示してあり、図5Cには、ほぼ完全にリクライニングされた位置におけるハウジング及びひいてはシート背部の位置を示してある。
【0050】
フレームの延長部分11は、フレームのシート背部支持部分4から横方向で延在する板を備えて成っていてよく、該板はフレームに堅固に結合されている。これにより、当該板は、リクライン機構4のハウジングが当該板を中心として移動するにも拘わらず、運動しないようになっている。図5A〜図5Cにおける一連の図からは、ユーザがさらにシート背部2をリクライニングするに連れて、付勢手段12が中に位置決めされているキャビティ10の部分の容積が減少され、かつひいては付勢手段の圧縮状態が変化させられることが理解され得る。したがって、シート背部2の全運動範囲の間、付勢手段はその運動に対して多少の抵抗を提供するか、又は、シート背部がリクライニングされた位置からその静止位置に向かって運動する場合には、付勢手段は、圧縮緩和される際にシート背部の位置を復元するのを補助する。
【0051】
付勢手段が支持部材2,3に提供する付勢量を調節するために、キャビティ10内に位置決めされた管の長さは、より長い管が当然のことながら付勢手段12によって提供される抵抗及び回復力を増大させ、より短い長さの管が提供される抵抗及び回復力の量を減少させるように、調節されていてよい。シート背部及び基部の傾斜運動の最終的な限界が、単純に付勢手段の圧縮限界とキャビティの形状とによって規制されてよいとはいえ、ストッパが、シート背部及び/又はシート基部に接触するようフレームに設けられていてよく、さらなる運動は、付勢手段がその圧縮性限界に到達するより前に停止させられ、これにより、付勢手段への早期損傷が回避されるようになっている。あるいは、支持部材2,3は、運動中、フレームに接触するように位置決めされた単数又は複数のストッパを備えていてよい。
【0052】
図6A〜図6Fには、本発明の別の実施形態を示してあり、先述の実施形態と共通する同じ構成部材は同じ符号が付してある。図6に示した実施形態では、椅子1の各側におけるシート基部支持部分6及び一対の脚7は、単一の連続管から‘n’形状に曲げ加工されて形成されている。シート3は、シート支持部分6の、先述の実施形態の場合よりもやや高い上方に組み付けられており、これにより、ユーザが傾斜中にフレームとシート3との間に指を挟んでしまうか場合によっては傷つけてしまう可能性が低下させられる。さらに、ストッパ15が、リクライン機構4の両側でシート基部支持部分6に位置決めされており、これにより、シート3の傾斜の最大範囲が制限される。
【0053】
図7A〜図7Fにおける実施形態は、図1〜図6の実施形態の別の変形実施例を示すものである。図1〜図6における実施形態で利用される従来式の四脚付き構成とは異なって、図7A〜図7Fに示した実施形態は、スキッド脚構成(skid leg configuration)を利用するものである。この構成は、椅子1の対向面に一対の‘C’形状フレーム17を備えた典型的なシートの角隅に設置された従来式の四脚に代わるものである。前脚7は、C形状を成す脚17の下面を形成する床接触部分16によって代替され、該床接触部分16は、起立した後方脚部分17に結合されており、該後方脚部分17もやはりシート基部支持セクション18に結合されており、該シート基部支持セクションは、床接触部分16に対してほぼ平行に方向付けられている。椅子前部に特別な脚空間を提供するほか、C形状を成す脚構成は、多数の椅子(multiple chair)1を、1つの椅子を別の椅子の上へ積み重ねる前に完全に持ち上げる必要なしに、入れ子状に重ねることを可能にする。このことは、学校及びこれに類する場所では特に実用的であり得る。
【0054】
本発明の実施形態は単に例として説明したものであり、変更及び付加が本発明の範囲を逸脱することなく行われてよいことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1A】ユーザによって1つの着座位置で利用されている、本発明によるリクライン機構が組み込まれている椅子を示す側面立面図である。
【図1B】ユーザによって別の着座位置で利用されている、本発明によるリクライン機構が組み込まれている椅子を示す側面立面図である。
【図1C】ユーザによってさらに別の着座位置で利用されている、本発明によるリクライン機構が組み込まれている椅子を示す側面立面図である。
【図2】図1A〜図1Cに示したシートのシート基部を示す側面立面図である。
【図3A】図2に示したリクライン機構を明確さのためにシート基部が取り除かれた状態で1つの位置で示す1つの横断面側面立面図である。
【図3B】図2に示したリクライン機構を明確さのためにシート基部が取り除かれた状態で別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図3C】図2に示したリクライン機構を明確さのためにシート基部が取り除かれた状態でさらに別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図4】図1A〜図1Cに示したシートのシート背部を示す側面立面図である。
【図5A】図4に示したリクライン機構を明確さのためにシート背部が取り除かれた状態で1つの位置で示す横断面側面立面図である。
【図5B】図4に示したリクライン機構を明確さのためにシート背部が取り除かれた状態で別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図5C】図4に示したリクライン機構を明確さのためにシート背部が取り除かれた状態でさらに別の位置で示す横断面側面立面図である。
【図6A】本発明による椅子の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6B】図6Aに示した椅子の側面立面図である。
【図6C】図6Aに示した椅子の下側平面図である。
【図6D】図6Aに示した椅子の上側平面図である。
【図6E】図6Aに示した椅子の背面立面図である。
【図6F】図6Aに示した椅子の前面立面図である。
【図7A】本発明による椅子の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図7B】図7Aに示した椅子の側面立面図である。
【図7C】図7Aに示した椅子の下側平面図である。
【図7D】図7Aに示した椅子の上側平面図である。
【図7E】図7Aに示した椅子の背面立面図である。
【図7F】図7Aに示した椅子の前面立面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 椅子又はシート
2 シート背部
3 シート基部
4 リクライン機構
5 シート背部支持部分
6 シート基部支持部分
7 脚
8 第1のセクション
9 第2のセクション
10 キャビティ
11 延長部分
12 付勢手段
13 中央領域
14 支持表面
16 床接触部分
17 起立した後方脚部分
18 シート基部支持セクション
27 C形状フレーム
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座家具であって、
フレームと、
使用中にユーザに支持を提供するよう適合された支持部材と、
該支持部材をフレームに結合しているリクライン機構とを有しており、該リクライン機構が、
支持部材又はフレームのうちの一方に位置決めされたハウジングと、
支持部材又はフレームのうちの他方に位置決めされた、フレームの延長部分であって、前記ハウジングが、キャビティ壁によって画成されたキャビティ内に当該延長部分を収容している延長部分と、
キャビティの内部でキャビティ壁の少なくとも一部と延長部分との間に設置された付勢手段とを有しており、
支持部材の傾斜運動によって、キャビティと延長部分との間で回動が惹起され、これにより、延長部分が付勢手段に係合し、該付勢手段に、回動に抗する回復性の付勢力が生ぜしめられるようになっていることを特徴とする着座家具。
【請求項2】
フレームの延長部分が、支持部材が結合されている当該フレームの少なくとも一部に対して相対的に定置である、請求項1記載の着座家具。
【請求項3】
付勢手段が、弾性的に圧縮可能又は延伸可能な材料を備えて成っている、請求項1又は2記載の着座家具。
【請求項4】
付勢手段が円筒形又は管状の形状である、請求項1から3までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項5】
フレームの延長部分が板状の形状であり、かつ付勢手段が延長部分の少なくとも1つの側とキャビティ壁との間に設置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項6】
フレームの延長部分の少なくとも一方の端部が棒状の形状であり、かつ付勢手段が延長部分の周囲に位置決めされている、請求項1から4までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項7】
ハウジング内のキャビティが、横断面で見てほぼ三角形である、請求項1から6までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項8】
キャビティ壁構成が、横断面で見て中央がくびれている、請求項1から6までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項9】
板状の延長部分が縦方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として横方向で旋回可能とされている、請求項8記載の着座家具。
【請求項10】
棒状の延長部分が横方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として縦方向で旋回可能とされている、請求項8記載の着座家具。
【請求項11】
前記付勢手段が、フレームの延長部分の、棒状形状を成す端部部分の両端部の周囲に設けられている、請求項6記載の着座家具。
【請求項12】
前記ハウジングが前記支持部材と一体である、請求項1から11までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項13】
前記ハウジングが前記支持部材に結合可能とされている、請求項1から11までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項14】
前記ハウジングが、支持部材と一体に形成された第1のセクションと、第1のセクションに結合可能な第2のセクションとを備えて成っており、キャビティが第1のセクションと第2のセクションとの間に形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項15】
前記支持部材がシートを有している、請求項1から14までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項16】
前記支持部材がシート背部を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項17】
支持部材が、フレームに接触するよう適合されたストッパ手段を備えている、請求項1から16までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項18】
フレームが、支持部材が接触するようになっているストッパ手段を備えている、請求項1から17までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項19】
前記付勢手段がエラストマ材料又は天然ゴムから形成されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項20】
付勢手段によって提供される付勢力が、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の長さを変化させることによって調節可能とされている、請求項1から19までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項21】
付勢手段によって提供される付勢力が、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の密度を変化させることによって調節可能とされている、請求項1から19までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項1】
着座家具であって、
フレームと、
使用中にユーザに支持を提供するよう適合された支持部材と、
該支持部材をフレームに結合しているリクライン機構とを有しており、該リクライン機構が、
支持部材又はフレームのうちの一方に位置決めされたハウジングと、
支持部材又はフレームのうちの他方に位置決めされた、フレームの延長部分であって、前記ハウジングが、キャビティ壁によって画成されたキャビティ内に当該延長部分を収容している延長部分と、
キャビティの内部でキャビティ壁の少なくとも一部と延長部分との間に設置された付勢手段とを有しており、
支持部材の傾斜運動によって、キャビティと延長部分との間で回動が惹起され、これにより、延長部分が付勢手段に係合し、該付勢手段に、回動に抗する回復性の付勢力が生ぜしめられるようになっていることを特徴とする着座家具。
【請求項2】
フレームの延長部分が、支持部材が結合されている当該フレームの少なくとも一部に対して相対的に定置である、請求項1記載の着座家具。
【請求項3】
付勢手段が、弾性的に圧縮可能又は延伸可能な材料を備えて成っている、請求項1又は2記載の着座家具。
【請求項4】
付勢手段が円筒形又は管状の形状である、請求項1から3までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項5】
フレームの延長部分が板状の形状であり、かつ付勢手段が延長部分の少なくとも1つの側とキャビティ壁との間に設置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項6】
フレームの延長部分の少なくとも一方の端部が棒状の形状であり、かつ付勢手段が延長部分の周囲に位置決めされている、請求項1から4までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項7】
ハウジング内のキャビティが、横断面で見てほぼ三角形である、請求項1から6までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項8】
キャビティ壁構成が、横断面で見て中央がくびれている、請求項1から6までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項9】
板状の延長部分が縦方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として横方向で旋回可能とされている、請求項8記載の着座家具。
【請求項10】
棒状の延長部分が横方向で前記中央がくびれたキャビティ内に延在していて、キャビティの中央の旋回点を中心として縦方向で旋回可能とされている、請求項8記載の着座家具。
【請求項11】
前記付勢手段が、フレームの延長部分の、棒状形状を成す端部部分の両端部の周囲に設けられている、請求項6記載の着座家具。
【請求項12】
前記ハウジングが前記支持部材と一体である、請求項1から11までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項13】
前記ハウジングが前記支持部材に結合可能とされている、請求項1から11までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項14】
前記ハウジングが、支持部材と一体に形成された第1のセクションと、第1のセクションに結合可能な第2のセクションとを備えて成っており、キャビティが第1のセクションと第2のセクションとの間に形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項15】
前記支持部材がシートを有している、請求項1から14までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項16】
前記支持部材がシート背部を有している、請求項1から15までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項17】
支持部材が、フレームに接触するよう適合されたストッパ手段を備えている、請求項1から16までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項18】
フレームが、支持部材が接触するようになっているストッパ手段を備えている、請求項1から17までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項19】
前記付勢手段がエラストマ材料又は天然ゴムから形成されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項20】
付勢手段によって提供される付勢力が、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の長さを変化させることによって調節可能とされている、請求項1から19までのいずれか1項記載の着座家具。
【請求項21】
付勢手段によって提供される付勢力が、キャビティ内のエラストマ材料又は天然ゴム材料の密度を変化させることによって調節可能とされている、請求項1から19までのいずれか1項記載の着座家具。
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図7e】
【図7f】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図7d】
【図7e】
【図7f】
【公表番号】特表2007−508891(P2007−508891A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536474(P2006−536474)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/NZ2004/000262
【国際公開番号】WO2005/039361
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506138340)ファーンウェア・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/NZ2004/000262
【国際公開番号】WO2005/039361
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(506138340)ファーンウェア・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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