説明

着脱自在式ハンガー

【課題】 バッグ等にアクセサリーとして付けて所持するなど、携帯に適した美観を有し、また、操作性に優れ、コンパクトでありながらも引っ掛ける対象の多様な厚みに対応もできる着脱自在式ハンガーを提供すること。
【解決手段】 建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、ハンガーの略全体を、動物の身体を模した形状とし、建造固定物縁辺に掛ける設置部と、携帯可能物品を掛けられる被係留部と、その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、設置部と被係留部の少なくとも一方を、動物において耐荷重な身体部位を模した形状とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルや棚などの建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それにバッグや傘などの携帯可能物品を掛けて使用する携帯に便利な着脱自在式ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
レストランの席などで、バッグや傘など携帯物の置き場に困ることがある。そのような時、バッグ等をぶらさげられるハンガーが、テーブルに付設されていると便利である。
しかし、常時設置されていると、邪魔になる場合がないわけではない。また、美観を損ねかねない危惧から、設置を躊躇することもありうる。
そこで、使用者自身が、ハンガーを携帯することが考えられる。
【0003】
テーブルや棚などの建造固定物の縁辺に引っ掛けて使えるハンガーの従来技術には、次のようなものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−17553「脱着自在フック」
【特許文献2】特開2004−89663「折り畳み式携帯バッグハンガー」
【特許文献3】特開平10−113275「ハンガー装置」
【特許文献4】実用新案登録第3142266号「テーブル掛バッグハンガー」
【特許文献5】実用新案登録第3032833号「テーブル掛バッグハンガー」
【0005】
しかし、従来技術によるハンガーは、携帯に適した美観を有するとは言い難い。
【0006】
また、テーブルなど、引っ掛ける対象の厚みは多様である。厚くても引っ掛けられるようにすると、ハンガーは大きくなり携帯しにくくなってしまう。逆に、携帯しやすくするために小さくすると、引っ掛けられない場合が生じてしまう。
このような使用機会増加と小型化を両立させるハンガーも、従来技術にはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、バッグ等にアクセサリーとして付けて所持するなど、携帯に適した美観を有し、また、操作性に優れ、コンパクトでありながらも引っ掛ける対象の多様な厚みに対応もできる着脱自在式ハンガーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の着脱自在式ハンガーは、次の構成を備える。
すなわち、建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、ハンガーの略全体を、動物の身体を模した形状とし、建造固定物縁辺に掛ける設置部と、携帯可能物品を掛けられる被係留部と、その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、設置部と被係留部の少なくとも一方を、動物において耐荷重な身体部位を模した形状とすることを特徴とする。
なお、建造固定物とは、棚やテーブルなど、建造物とほぼ一体的に固定された設置物一般を指す。
また、動物における耐荷重な身体部位とは、手足、尾、顎、口など、重量物を保持可能な部位、或いは、その部位によってぶら下がって自身の体重を支えられる部位を指す。
【0009】
また、建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、建造固定物縁辺に掛ける設置部と、携帯可能物品を掛けられる被係留部と、その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、胴部に、設置部と被係留部との距離を直線的に変化させる伸縮手段を設けることを特徴としてもよい。
【0010】
また、建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、建造固定物縁辺に掛ける設置部と、携帯可能物品を掛けられる被係留部と、その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、胴部に、設置部と被係留部との距離を曲線的に変化させる回動手段を設けることを特徴としてもよい。
【0011】
ここで、ハンガーの略全体を、動物の身体を模した形状とし、設置部と被係留部の少なくとも一方を、動物において耐荷重な身体部位を模した形状としてもよい。
【0012】
動物において耐荷重な身体部位としては、手、足、尾、顎、口のいずれかが好適である。
【0013】
ハンガーの略全体を、コンパクトな平板状とし、更に、プラスチック製として、携帯性や操作性等に寄与させてもよい。
【0014】
ハンガーの略全体を、骨格を内設されたぬいぐるみ状として、美観等に寄与させてもよい。
【0015】
設置部の建造固定物縁辺に接する掛止部に、摩擦機能部材を設けて、操作性等に寄与させてもよい。
【0016】
胴部に孔を設け、その孔にストラップを装着して、携帯所持の利便に寄与させてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記構成を備えることにより次の効果を奏する。
すなわち、動物の身体を模した形状であることによって、携帯に適した美観を有し、バッグ等にアクセサリーとして付けて所持しやすくなる。使用時には、動物が、設置部によって建造固定物の縁辺にぶら下がり、被係留部によって携帯可能物品を保持している美観でもある。
【0018】
また、胴部の伸縮手段や回動手段によっては、ハンガーの大きさを変えられるので、非使用時にはコンパクトにでき、使用時には引っ掛ける対象の多様な厚みに対応させられる。
【0019】
また、全体をプラスチック製とすることによっては、軽量化や、所持時における周辺物品への損傷抑止が図られる。
【0020】
掛止部に摩擦機能部材を備えることによっては、安定設置や、引っ掛ける対象への損傷抑止が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記の例示に限らず、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で、前記特許文献など従来公知の技術を用いて適宜設計変更可能である。
例えば、ここでは、ハンガーを掛けて設置する対象となる建造固定物の縁辺として、テーブルを例示するが、建造物とほぼ一体的に固定された設置物一般に使用可能であり、その用途によっては、形状も適宜設計変更可能である。
【0022】
図1は、本発明による着脱自在式ハンガー(10)の使用様態を示す斜視図であり、図2は、その要部を示す一部断面側面図である。
ハンガー(10)の略全体は、犬の身体を模した形状であり、前足近傍より前部の設置部(11)と、後足近傍より後部の被係留部(12)と、それら設置部(11)と被係留部(12)の間の胴部(13)とを備える。
それに用いる材料としては、スチロール樹脂、ABS樹脂、ポリカーボ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、PET樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、PBT樹脂などが挙げられる。
【0023】
設置部(11)は、テーブル(20)の縁辺(21)に、ハンガー(10)を掛ける機能を有する部位であり、被係留部(12)は、バッグ(30)の把持部(31)を掛けられる機能を有する部位である。
図示の例では、犬が、筋力を有する部位である前足近傍の設置部(11)で、テーブル(20)にぶら下がり、同様に筋力を有する部位である後足近傍の被係留部(12)で、バッグ(30)を持ってくれている。
【0024】
テーブル(20)の縁辺(21)に接する部位である設置部(11)の掛止部(14)には、ゴム等の摩擦機能部材が備わり、テーブル(20)に対する安定設置と、テーブル(20)への損傷抑止が図られている。
同様の摩擦機能部材や緩衝部材を、胴部(13)や被係留部(12)に付設してもよい。
それに用いる材料としては、シリコンゴム、エラストマー樹脂、ウレタンゴム樹脂、スーパーゲルなどが挙げられる。
【0025】
胴部(13)には、孔部(15)が備わり、ストラップ類(16)が装着され、バッグ(30)への装着の利便が図られている。
なお、孔部(15)の設置位置は、設置部(11)や被係留部(12)でもよい。
【0026】
また、ハンガー(10)の略全体の形状を平板状にしてコンパクト化が図られ、プラスチック製にすることで、従来の金属製テーブルハンガーより軽量で、また周囲に損傷を与えにくく設計されている。
【0027】
図3は、別実施例の着脱自在式ハンガー(10)の使用様態を示す一部断面側面図である。
図示の例では、猫が、筋力を有する部位である前足近傍の設置部(11)で、テーブル(20)にぶら下がり、同様に筋力を有する部位である尾近傍の被係留部(12)で、バッグ(30)を持ってくれている。
設置部(11)や被係留部(12)に対応させる動物の耐荷重な身体部位には、手、足、尾、顎、口、腰部など、適宜適用可能である。
更に、1本の指や、鼻、髭など、微小の荷重に耐えうる部位を用いて、ユーモア性ももたせてもよい。
【0028】
図4(イ)(ロ)も、別実施例の着脱自在式ハンガー(10)の使用様態を示す一部断面側面図である。
どちらも、略S字状に形成されている。
設置部(11)に曲面があると、図4(イ)のように、棒状の縁辺(21)に掛止しやすい。また、被係留部(12)に曲面があると、物品を安定にぶら下げやすい利点がある。
このように、設置部(11)に曲面があっても、図4(ロ)のように、平板状の縁辺(21)にも掛止容易である。
【0029】
図4(イ)(ロ)は、それぞれ、猫と猿を模した形状であるが、他に、イルカ等の魚や、鳥、ワニ、パンダ、人魚など、様々な動物類に適用できる。
【0030】
図5(イ)は、別実施例の着脱自在式ハンガー(10)の使用様態を示す一部断面側面図であり、図5(ロ)は、その機能を示す側面説明図である。
胴部(13)に、設置部(11)と被係留部(12)との距離を直線的に変化させる伸縮手段(17)が備わる。
図示の伸縮手段(17)は、2部材に分かれた略棒状の胴部(13a)(13a)と、その両者に嵌合する略S字状の接続部材(17a)(17a)とから構成される。これにより、2つの胴部(13a)(13a)を相対的に上下させることで、設置部(11)と被係留部(12)との距離を直線的に変化させられる。そのため、厚みの大きな縁辺(21)にぶら下げられると共に、携帯時のコンパクト化が図られる。
この場合も、ハンガー(10)の略全体を、動物の身体を模した形状としたり、動物の身体を模した模様を設けてもよい。
【0031】
図6(イ)も、別実施例の着脱自在式ハンガー(10)の使用様態を示す一部断面側面図であり、図6(ロ)は、その機能を示す側面説明図である。
胴部(13)に、設置部(11)と被係留部(12)との距離を曲線的に変化させる回動手段(18)が備わる。
図示の回動手段(18)においても、胴部(13a)が2部材に分かれている。その両者は軸部(18a)及びそれに呼応する穴によって連結され、2つの胴部(13a)(13a)を相対的に回動させることで、設置部(11)と被係留部(12)との距離を曲線的に変化させられる。
【0032】
図7(イ)(ロ)(ハ)は、別実施例の着脱自在式ハンガー(10)の斜視説明図、側面説明図、正面説明図であり、図7(ニ)は、その内部に設けられる骨格の斜視図である。
立体的なぬいぐるみ状の熊のハンガー(10)の内部に、鋼材等の骨格(19)が内設されている。骨格(19)には、設置部(11)の腕部に呼応する部位(19a)と、被係留部(12)の足部に呼応する部位(19b)と、胴部(13)の胴体部に呼応する部位(19c)とを備える。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によると、手荷物等をレストランのテーブル等に容易にぶら下げられるので、実用的で便利である。また、動物の身体を模した形状であることによって、携帯に適した美観を有し、バッグ等にアクセサリーとして付けて所持しやすく、使用時には、動物が、設置部によって建造固定物の縁辺にぶら下がり、被係留部によって携帯可能物品を保持している美観でもあり、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による着脱自在式ハンガーの使用様態を示す斜視図
【図2】同、要部を示す一部断面側面図
【図3】別実施例の着脱自在式ハンガーの使用様態を示す一部断面側面図
【図4】(イ)、(ロ)別実施例の着脱自在式ハンガーの使用様態を示す一部断面側面図
【図5】(イ)伸縮手段を有する別実施例の着脱自在式ハンガーの使用様態を示す一部断面側面図、(ロ)同、機能を示す側面説明図
【図6】(イ)回動手段を有する別実施例の着脱自在式ハンガーの使用様態を示す一部断面側面図、(ロ)同、機能を示す側面説明図
【図7】(イ)別実施例の着脱自在式ハンガーの斜視説明図、(ロ)同、側面説明図、(ハ)同、正面説明図、(ニ)同、内部に設けられる骨格の斜視図
【符号の説明】
【0035】
10 着脱自在式ハンガー
11 設置部
12 被係留部
13 胴部
13a 2部材に分かれた胴部
14 掛止部
15 孔部
16 ストラップ類
17 伸縮手段
17a 接続部材
18 回動手段
18a 軸部
19 骨格
19a〜19c 骨格の部位
20 テーブル
21 縁辺
30 バッグ
31 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、
ハンガーの略全体を、動物の身体を模した形状とし、
建造固定物縁辺に掛ける設置部と、
携帯可能物品を掛けられる被係留部と、
その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、
設置部と被係留部の少なくとも一方を、動物において耐荷重な身体部位を模した形状とする
ことを特徴とする着脱自在式ハンガー。
【請求項2】
建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、
建造固定物縁辺に掛ける設置部と、
携帯可能物品を掛けられる被係留部と、
その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、
胴部に、設置部と被係留部との距離を直線的に変化させる伸縮手段を設ける
ことを特徴とする着脱自在式ハンガー。
【請求項3】
建造固定物の縁辺に掛けて設置し、それに携帯可能な物品を掛けて使用する着脱自在なハンガーにおいて、
建造固定物縁辺に掛ける設置部と、
携帯可能物品を掛けられる被係留部と、
その設置部と被係留部との間の胴部とを備え、
胴部に、設置部と被係留部との距離を曲線的に変化させる回動手段を設ける
ことを特徴とする着脱自在式ハンガー。
【請求項4】
ハンガーの略全体を、動物の身体を模した形状とし、
設置部と被係留部の少なくとも一方を、動物において耐荷重な身体部位を模した形状とする
請求項2または3に記載の着脱自在式ハンガー。
【請求項5】
動物において耐荷重な身体部位が、
手、足、尾、顎、口のいずれかである
請求項1ないし4に記載の着脱自在式ハンガー。
【請求項6】
ハンガーの略全体が、
コンパクトな平板状であり、
更に、プラスチック製である
請求項1ないし5に記載の着脱自在式ハンガー。
【請求項7】
ハンガーの略全体が、
骨格を内設されたぬいぐるみ状である
請求項1ないし5に記載の着脱自在式ハンガー。
【請求項8】
設置部の建造固定物縁辺に接する掛止部に、摩擦機能部材を備える
請求項1ないし7に記載の着脱自在式ハンガー。
【請求項9】
胴部に、孔を有し、
その孔に、ストラップを装着された
請求項1ないし8に記載の着脱自在式ハンガー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75240(P2010−75240A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244002(P2008−244002)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(301051725)東京メタル株式会社 (2)
【出願人】(507286806)有限会社テックメック (3)
【Fターム(参考)】