着色図面作成装置及び方法並びにそのプログラム
【課題】本発明は、コンピュータを用いて図面の区分に応じた着色を簡単に行うことができるとともに様々な模様画像を用いることが可能な着色図面作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【解決手段】着色レイヤCL1では、基盤レイヤBLにおいて表示される地図の山に関する区分を囲むように閉領域を設定したり、ブラシ機能で塗りつぶすように操作して選択されたマスク情報M1の選択範囲R11及びR12に着色画像C1が表出する。着色レイヤCL2では、地図の市街地に関する区分に対して着色レイヤCL1と同様の操作をして選択されたマスク情報M2の選択範囲R21に着色画像C2が表出する。そして、表出した着色画像を移動、回転又は拡大・縮小して調整し、地図及び表出した着色画像を合成して着色図面を生成する。
【解決手段】着色レイヤCL1では、基盤レイヤBLにおいて表示される地図の山に関する区分を囲むように閉領域を設定したり、ブラシ機能で塗りつぶすように操作して選択されたマスク情報M1の選択範囲R11及びR12に着色画像C1が表出する。着色レイヤCL2では、地図の市街地に関する区分に対して着色レイヤCL1と同様の操作をして選択されたマスク情報M2の選択範囲R21に着色画像C2が表出する。そして、表出した着色画像を移動、回転又は拡大・縮小して調整し、地図及び表出した着色画像を合成して着色図面を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図、見取り図、鳥瞰図といった種々の図面を色分けして着色する着色図面作成装置及び方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図、見取り図、鳥瞰図といった図面では、一般に線図として描画されている場合が多いため、描画されている部分を色分けして見やすくすることが行われている。近年、こうした図面データがコンピュータを用いて描画されるようになってきており、それに伴いコンピュータで表示された図面に彩色を施すことが行われるようになってきている。例えば、特許文献1では、描画した地形図に標高に応じた等高線に基づいて着色を行うようにした点が記載されている。また、特許文献2では、図形情報の土地区画の部分に対して当該土地区画に付加された属性情報の公共物種類に対応するペイント処理を施す点が記載されている。
【0003】
また、こうしたカラー画像をコンピュータ上で作成する方法としては、複数の画像レイヤを作成してこれらの画像レイヤの画像を重ね合わせることでカラー画像を作成することが行われている(特許文献3参照)。各画像レイヤでは、適当な領域を閉曲線又は閉多角形で描画してその領域内を任意の色で着色することができる。また、適当な領域を複数のレイヤに取り分けて部分領域に設定し、各部分領域に任意の着色を行い、着色した色の明暗や濃度の設定、線の太さや種類等を適宜設定することができ、処理された部分領域を合成して彩色を施すといったことも可能である。
【特許文献1】再公表特許2003/090184号公報
【特許文献2】特開2001−357177号公報
【特許文献3】特開平10−134171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1及び2では、基本的に単色表示で彩色を施すようになっているため、河川、山、道路、住宅地、商業地、水田、畑といった種々の区分で色分けすることを想定されていない。すなわち、上述した図面の色分けは、用途に応じて様々な区分の仕方があり、そうした幅広い用途に対応するものとはなっていない。
【0005】
また、色分けを行う際に単色を用いて色分けすると区分が細分化されて色数が増加するに従い非常に見難くなってしまう。そのため、さらに見やすくするためにはそうした区分を想起するような模様や色調を設定して彩色することが考えられるが、こうした手法をコンピュータ上で使用するにはグラフィックソフトウェアを習得する必要がある。しかしながら、こうしたソフトウェアを習得するためには時間がかかる上に、見やすくするための模様や色調をどのようにカラーデザインするかは才能と経験が必要となって一朝一夕で習得できるものではない。
【0006】
例えば、複雑な濃淡や複数の色彩を有する模様を作成する場合には、単色を複数回重ねていく必要があり、どの色をどのように組み合せていくかは相当な熟練と能力がなければできない。また、予め作成された画像を用いてカット&ペーストにより任意の領域に貼り付けることも考えられるが、任意の領域に切り出した画像を当て込むためには、切り出した画像の変形等の加工が必要となり、そのための操作の熟練や試行錯誤のために相当な時間がかかる。また、予め準備された画像パターンを展開して所定の領域に着色を施すテクスチャマッピングといった手法もあるが、画像パターンを単純に展開した模様は幾何学的な印象が強くなり、そうした模様以外の質感のある模様を作成する場合にはそのための熟練と才能が必要とならざるを得ない。
【0007】
そこで、本発明は、コンピュータを用いて図面の区分に応じた着色を簡単に行うことができるとともに様々な模様画像を用いることが可能な着色図面作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る着色図面作成装置は、基盤図情報及び当該基盤図情報に着色するための着色画像情報を記憶する画像記憶手段と、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する図面設定手段と、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する着色設定手段と、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する着色編集手段と、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する図面生成手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記図面生成手段は、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させることを特徴とする。さらに、前記着色編集手段は、前記選択範囲のマスク情報の透過度を調整することを特徴とする。さらに、前記着色設定手段は、前記着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することを特徴とする。さらに、前記図面生成手段により生成された着色図面の着色画像情報部分を合成して着色画像情報として保存することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る着色図面作成方法は、コンピュータを用いて基盤図情報に着色画像情報により着色する着色図面作成方法であって、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成し、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成し、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整し、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るプログラムは、記憶された着色画像情報を用いて基盤図情報に着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、前記着色図面作成装置を、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する手段、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する手段、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する手段、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成を有するので、基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成し、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成し、2つのレイヤを重ね合せた状態で、利用者が選択した範囲のマスク情報を透過させるように変更することで基盤図の区分に応じて着色画像を表出させることができ、簡単な操作で区分に応じた着色を行うことができる。この場合、着色画像は、専門家が予め作成した模様画像を記憶して使用すれば誰でも基盤図の選択した区分にきれいな模様画像で着色することができる。例えば、画家やデザイナーといった専門家が描画した色彩画を着色画像として複数登録しておけば、利用者が好みの着色画像を選択して着色を行うことができる。着色画像は、例えば、山や河川の場合には森林や川の流れのイメージで作成された着色画像を用いればよく、住宅の見取り図の場合には植栽イメージや駐車場の自動車のイメージの着色画像を用いればよい。このように用途に合わせたイメージを複数種類登録するとよい。そして、利用者が選択した範囲のマスク情報を透過するように処理するだけで、選択範囲に着色画像をきれいに表出させることができ、カット&ペーストや画像の変形といった操作を行うことなく簡単な操作で着色操作を行うことが可能となる。
【0012】
また、着色レイヤの着色画像情報の表示状態をマスク情報とは独立して変更することで選択範囲における表示状態を調整することで、選択した着色画像を移動させてその中で好みの部分をマスク情報が透過する選択範囲に表出するように調整することができ、このように着色画像の回転、移動、拡大・縮小、濃淡調整及び明暗調整といった様々な表示状態の調整を行って利用者の好みに合わせた着色画像に調整して選択範囲に表示させることが可能となる。したがって、簡単な操作により用途に応じた着色画像の調整をきめ細かく行うことができ、幅広い用途に容易に対応することができる。
【0013】
そして、基盤レイヤの基盤図情報に複数の着色レイヤの透過された着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成すれば、容易に着色状態を確認することが可能となり、重ね合わせた状態で各着色レイヤの編集を行うことで全体の着色イメージを調整することもできる。
【0014】
また、着色図面を生成する場合、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させるようにすれば、着色画像が重なり合うことなくなり、基盤図に各着色レイヤの着色画像を表出させて着色を行うことができる。
【0015】
また、着色レイヤを編集する場合に、選択範囲のマスク情報の透過度を調整すれば、例えば、選択範囲の周縁部において半透過にマスク情報を設定することで、隣接する他の着色レイヤの着色画像と周縁部で着色画像が重なり合うように表出し、隣接する着色画像の間の境界部分が自然な色合いで変化するように表示させることができる。
【0016】
また、着色レイヤを設定する場合に、着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することで、様々なバリエーションを持たせて着色画像を表示させることができる。
【0017】
また、生成された着色図面の着色画像情報部分を合成して着色画像情報として用いるようにすれば、用途に応じた着色画像のバリエーションを大幅に増加させることができ、利用者の好みに応じた着色画像を作成して登録することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明に係る実施形態に関するシステム構成図を示しており、着色図面作成装置1は、公知のコンピュータにアプリケーションソフトとしてインストールされた着色図面作成プログラム100を作動させてその機能が実現される。コンピュータの基本構成は公知のものであり、論理演算を処理するCPU10、論理演算に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するRAM11、論理演算を実行するためのプログラム等を記憶するROM12、アプリケーションソフトや各種画像情報を記憶する記憶部13、処理結果を表示するディスプレイ14、処理結果を出力するプリンタ15、処理に必要なデータや指令を入力する入力部16を備えており、これらを送受信用のバス17で接続してデータの送受信を行う。
【0020】
図2は、着色図面作成装置1で実現される着色処理に関する説明図である。着色すべき基盤図として白地図を表示する基盤レイヤBLに対して、複数の着色レイヤCL1、CL2、・・・CLnを作成し、これらを重ね合わせて着色処理を行う。図3は、この例で用いる基盤レイヤBLの白地図(図3(a))、着色レイヤCL1の着色画像C1(図3(b))及び着色レイヤCL2の着色画像C2(図3(c))を示している。
【0021】
着色レイヤCL1は、着色画像C1及びマスク情報M1で構成されており、着色画像C1は、予め記憶された複数の着色画像から選択する。これらの着色画像は、画家やデザイナー等の専門家が描写した絵画を、例えばBMP形式やJPG形式等の画像情報として記憶しておけばよい。紙等に手描きされた絵画の場合にはスキャナで読み取って電子データ化すればよく、グラフィックソフトにより作成した画像を用いてもよい。マスク情報M1は、着色画像C1を不透過とするための情報であり、画素毎に設定される。不透過のレベルは、透過率100%から0%まで適当な値に設定することができる。他の着色レイヤについても同様に選択された着色画像情報及びマスク情報で構成されている。
【0022】
着色レイヤを設定された当初の状態では、マスク情報により着色画像情報は表示されないため基盤レイヤと重ね合わせても着色画像が表出することはない。次に、マウス等を操作して着色レイヤの編集処理を行う。
【0023】
まず、基盤レイヤBLに表示される白地図の区分に応じてマスク情報に選択範囲を設定して透過率を変更する。選択範囲を設定する場合、着色画像情報の表示領域において所定の閉領域を描画して選択し、選択された範囲のマスク情報を透過率100%に設定することで選択範囲に着色画像を表出させることができる。選択範囲は、いわゆるブラシ機能によりブラシで塗布するように描画して所定幅の領域のマスク情報を透過率100%に設定してもよい。ブラシ機能を用いると、描画した所定幅の周辺部の透過率が次第に低下するように設定されて、選択範囲の周縁部を着色画像がぼけた状態で表出される。操作者は、基盤レイヤに表示された地図を見ながら着色画像を表出する領域をマウス等により選択操作すればよく、地図の区分に対して簡単かつ正確に着色操作を行うことが可能となる。
【0024】
図4は、マスク情報の一部を選択して着色画像を表出させる処理に関する説明図である。着色レイヤCL1では、基盤レイヤBLにおいて表示される地図の山に関する区分を囲むように閉領域を設定したり、ブラシ機能で塗りつぶすように操作して選択されたマスク情報M1の選択範囲R11及びR12に着色画像C1が表出する。着色レイヤCL2では、地図の市街地に関する区分に対して着色レイヤCL1と同様の操作をして選択されたマスク情報M2の選択範囲R21に着色画像C2が表出する。地図の他の区分についても着色レイヤを作成して区分に該当する範囲を選択して着色画像を表出させればよい。
【0025】
次に、着色画像情報の表示状態を変更する。表示状態の変更は、マスク情報と独立して行われ、着色画像の回転、移動、拡大・縮小、濃淡、彩度、色度、明暗、コントラストといった公知の画像調整を行う。このような変更処理を行うことで、選択範囲に表出される着色画像を利用者が自由に調整することができる。図5は、着色画像の変更処理の一例を示す説明図である。この例では、着色レイヤCLのマスク情報Mの一部を選択して選択範囲Rを設定し、選択範囲R内の透過率が100%となって着色画像Cが表出するようになっている(図5(a)参照)。そして、着色画像Cを回転及び縮小して選択範囲Rに表出する着色画像を調整する(図5(b)参照)。その際に、マスク情報は、基盤レイヤBLとの間の位置関係が固定されて着色画像とともに変更されることはない。こうして利用者は、用途や好みに応じて選択範囲に表出する着色画像を自由に変更して様々な色合いの着色処理を行うことが可能となる。すなわち、マスク情報を透過させて設定した選択範囲に対して利用者がマウス等の操作によって着色画像の移動や回転等を行って直感的に着色処理を行うことができ、初心者でも効率よく操作することが可能となる。
【0026】
図6は、基盤レイヤBLと着色レイヤCL1及びCL2とを重ね合わせて表示する処理に関する説明図である。基盤レイヤBLでは、白地図の輪郭部分以外の白地の部分が透過率100%で着色レイヤの着色画像が表出するように設定される。そして、着色レイヤCL1のマスク情報において選択範囲R11及びR12以外の透過率0%の領域では着色画像C1が不透過であるが、他の着色レイヤの着色画像が透過率100%で透過されるようになっている。同様に他の着色レイヤにおいても選択範囲以外の透過率0%の領域では当該着色レイヤの着色画像は不透過でそれ以外の着色レイヤの着色画像が透過するようになっている。
【0027】
こうした着色レイヤの表示処理は、例えば、マスク情報が透過率0%を「1」、透過率0%以外を「0」に設定して、複数の着色レイヤを重ね合わせた場合に同じ画素位置における値を掛け合わせる処理を行う。そして、透過率0%以外が設定されている着色レイヤが存在するとその部分の画素では処理結果が「0」となって当該着色レイヤの着色画像が表出されるようになる。また、すべての着色レイヤの透過率が0%となる部分の画素では処理結果が「1」となって着色画像が表出されず、白地のままで表示される。
【0028】
図7は、基盤レイヤBLと着色レイヤCL1及びCL2とを重ね合わせて合成した着色図面の画像を示す概略図である。基盤レイヤBLで表示された白地図上の山の区分には選択範囲R11及びR12で表出した着色画像C1による着色処理が行われ、市街地の区分には選択範囲R21で表出した着色画像C2による着色処理が行われた合成画像からなる着色図面を得ることができ、これらの着色処理を施した区分以外についても適当な着色画像を選択して着色レイヤを作成し、簡単に着色処理を行うことができる。
【0029】
こうして作成された着色図面の着色処理に用いた着色画像部分だけを合成した合成画像を記憶しておき、別途着色画像として用いるようにしてもよい。着色処理に用いた着色画像は、着色レイヤの編集処理において利用者自身が画像調整したものであるから、以後の着色処理に使用できるようにすれば、そのまま使用することも可能となり、以後の着色処理作業を効率的に行うことができる。
【0030】
以上説明した着色レイヤは着色画像及びマスク情報をセットにしたものであるが、マスク情報以外に着色画像に、布地やカンバスのような質感を与えるテクスチャ情報といった画質を変化させる種々の情報を付加してもよい。例えば、図8に示すように、着色画像Cにテクスチャ情報Tを重ね合わせて設定し、さらにマスク情報Mを重ね合せ選択範囲Rを設定すれば、選択範囲Rからテクスチャ情報Tにより画質を変化させた着色画像Cを表出させることができる。この場合複数種類の情報を付加して画質を変化させてもよい。
【0031】
以上のような着色処理を行うために、記憶部13には、基盤図及び着色に使用する着色画像情報を記憶している。また、CPU10では、着色図面作成プログラム100を読み込むことで、基盤図を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する図面設定機能、入力部16の操作により選択された着色画像を表示領域内に設定しマスク情報を付加して着色レイヤを作成する着色設定機能、入力部16の操作により選択された着色レイヤの選択範囲における着色画像情報を透過させるようにマスク情報を変更し着色レイヤの着色画像の表示状態をマスク情報とは独立して変更することで選択範囲における表示状態を調整する着色編集機能、及び、基盤レイヤの基盤図に複数の着色レイヤの透過された着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する図面生成機能が実現される。また、図面生成機能では、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させて着色図面が生成されるようになっており、着色編集機能では、選択範囲のマスク情報の透過度を調整することができるようになっている。また、着色設定機能では、着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することができるようになっている。さらに、CPU10は、生成された着色図面の着色画像部分を合成して着色画像として記憶部13に保存する機能を備えている。
【0032】
図9は、着色図面の作成処理フローである。まず、記憶部に記憶された基盤図から着色する基盤図を選択し(S100)、基盤図を所定の表示領域に表示する基盤レイヤを作成する(S101)。次に、記憶部に記憶された複数の着色画像から着色に使用する着色画像を選択し(S102)、選択された着色画像とともにマスク情報を重ねて着色レイヤを作成する(S103)。選択された着色画像は、基盤図の表示領域と同一の領域に重ねて設定される。次に、着色レイヤを編集する(S104)。まず、基盤図の着色区分に対応してマスク情報の選択範囲を描画して透過率を100%に設定し、選択範囲に着色画像を表出させる。そして、選択範囲に表出された着色画像の表示状態を変更して画像調整を行い、用途又は利用者の好みに応じて着色編集する。
【0033】
基盤図の別の着色区分に着色する場合には、新たな着色レイヤを追加するためにステップS102戻り、着色レイヤの作成及び編集処理を繰返し行う。すべての着色レイヤを作成・編集した後、基盤図及び着色レイヤを重ね合わせて表示し、着色レイヤ相互の調整を行う(S106)。着色レイヤの境界部分を合わせるためにマスク情報の選択範囲の輪郭形状を調整する。例えば、図10に示すように、マスク情報M1の選択範囲R1の周縁部に透過率50%の選択部分SR1が設定された着色レイヤC1(図10(a))及びマスクM2選択範囲R2の周縁部に透過率50%の選択部分SR2が設定された着色レイヤC2(図10(b))を重ね合わせた場合、着色レイヤC1の優先順位が高いと、選択範囲R1から表出される着色画像が優先して表示されるようになり、選択部分SR1では透過率が50%に設定されているため選択範囲R2に表出される着色画像と重複して表示されるようになる。このように2つの着色レイヤの境界部分で着色画像が重複して表示させることで、境界部分において2つの着色画像が混合して色合いがぼかされ自然に遷移する着色処理を行うことができる。境界部分の着色処理としては、優先順位の高い着色レイヤの選択範囲の境界部分の透過率を変化させたり、隣接する着色レイヤの優先順位を入れ替えたりすることできめ細かく調整することができる。
【0034】
こうした着色図面に全体調整を行った後基盤レイヤ及び着色レイヤの画像を合成して着色図面を完成させプリンタにより出力する(S107)。そして、着色図面の着色結果画像を新たな着色画像として記憶部に保存し(S108)着色処理を終了する。
【0035】
図11は、以上説明した着色処理を行うための処理表示画面の一例である。表示画面中央には、着色処理結果を表示する領域W1が設定されており、右側には設定された領域W2には基盤レイヤ及び着色レイヤの一覧が表示されており、優先順位の高いレイヤが上に配置されるように表示される。そして、編集処理するレイヤを選択してアクティブ状態にし、編集操作を行う。領域W2の上部にはマスク情報の選択範囲を設定するブラシ機能を一覧表示する領域W3が設定されており、表示画面の上部には、着色画像の変更処理を行うメニューバーW4が設定されている。画面の左側には、マスク情報の選択範囲を描画するためのツールの一覧を表示する領域W5、領域W1内の表示状態を調整するツールを表示する領域W6が設定されている。こうした処理表示画面を用いることでマウス等を操作して簡単に着色処理を行うことができる。
【0036】
例えば、領域W5の描画ツールを選択して、矩形の描画、複数の頂点を指定することによる閉多角形の描画、ペンツールによる任意の閉曲線の描画等を簡単に行うことができ、マスク情報の選択範囲を自由に設定することができる。また、領域W3のブラシ機能を用いることで、図10で説明した境界部分の透過度を自由に設定することができ、隣接する着色画像の重なり部分の違和感を緩和するように処理することが可能となる。また、領域W2の着色レイヤ一覧では、着色レイヤの優先順位を変更することや着色レイヤの表示・非表示を設定することも可能となっており、着色処理結果を見ながら着色レイヤ間の編集作業を容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明した例では、基盤レイヤに白地図を表示するようしているが、こうした白地図や測量図のような地形図の場合、開発地域の現況測量図に開発・建設計画に基づく設計図を重ねて完成予想図を作成する際に、いわゆる着色パース図の作成に有効である。こうした図面は、周辺住民への説明資料として作成されるため、計画の構造物として、公園、建物、道路、砂防堰堤、流路といった構造物をわかりやすく着色する際に特に効果的である。また、住宅地の見取り図の場合には、住居、庭、植栽、カーポート、道路といったものをわかりやすく着色して新築又は改築の際のイメージを説明する資料作成にも有効である。
【0038】
これ以外にも、生地のデザインを取り込んで服飾等のデザインの検討を行う場合に生地のデザインをデジタルカメラ等で撮影して着色画像として登録しておけば、基盤図に服飾等のデザインの輪郭を設定して生地のデザインを簡単に重ね合わせることができ、その位置調整(回転や移動)も簡単に操作できる。同様に、おもちゃ等の娯楽製品や食器等の生活用品のデザインについても基盤図に製品の輪郭デザインを設定して種々の図柄や模様を着色画像として重ね合わせれば、デザインの様々なシミュレーションを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る実施形態に関するシステム構成図である。
【図2】着色図面作成装置で実現される着色処理に関する説明図である。
【図3】白地図及び着色画像の表示例を示す図である。
【図4】マスク情報の一部を選択して着色画像を表出させる処理に関する説明図である。
【図5】着色画像の変更処理の一例を示す説明図である。
【図6】基盤レイヤ及び着色レイヤを重ね合わせて表示する処理に関する説明図である。
【図7】基盤レイヤ及び着色レイヤを重ね合わせて合成した着色図面の画像を示す概略図である。
【図8】着色レイヤの変形例を示す説明図である。
【図9】着色図面の作成処理フローである。
【図10】着色レイヤの境界部分の処理に関する説明図である。
【図11】処理表示画面の一例を示すレイアウト図である。
【符号の説明】
【0040】
1 着色図面作成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 記憶部
14 ディスプレイ
15 プリンタ
16 入力部
17 バス
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図、見取り図、鳥瞰図といった種々の図面を色分けして着色する着色図面作成装置及び方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図、見取り図、鳥瞰図といった図面では、一般に線図として描画されている場合が多いため、描画されている部分を色分けして見やすくすることが行われている。近年、こうした図面データがコンピュータを用いて描画されるようになってきており、それに伴いコンピュータで表示された図面に彩色を施すことが行われるようになってきている。例えば、特許文献1では、描画した地形図に標高に応じた等高線に基づいて着色を行うようにした点が記載されている。また、特許文献2では、図形情報の土地区画の部分に対して当該土地区画に付加された属性情報の公共物種類に対応するペイント処理を施す点が記載されている。
【0003】
また、こうしたカラー画像をコンピュータ上で作成する方法としては、複数の画像レイヤを作成してこれらの画像レイヤの画像を重ね合わせることでカラー画像を作成することが行われている(特許文献3参照)。各画像レイヤでは、適当な領域を閉曲線又は閉多角形で描画してその領域内を任意の色で着色することができる。また、適当な領域を複数のレイヤに取り分けて部分領域に設定し、各部分領域に任意の着色を行い、着色した色の明暗や濃度の設定、線の太さや種類等を適宜設定することができ、処理された部分領域を合成して彩色を施すといったことも可能である。
【特許文献1】再公表特許2003/090184号公報
【特許文献2】特開2001−357177号公報
【特許文献3】特開平10−134171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1及び2では、基本的に単色表示で彩色を施すようになっているため、河川、山、道路、住宅地、商業地、水田、畑といった種々の区分で色分けすることを想定されていない。すなわち、上述した図面の色分けは、用途に応じて様々な区分の仕方があり、そうした幅広い用途に対応するものとはなっていない。
【0005】
また、色分けを行う際に単色を用いて色分けすると区分が細分化されて色数が増加するに従い非常に見難くなってしまう。そのため、さらに見やすくするためにはそうした区分を想起するような模様や色調を設定して彩色することが考えられるが、こうした手法をコンピュータ上で使用するにはグラフィックソフトウェアを習得する必要がある。しかしながら、こうしたソフトウェアを習得するためには時間がかかる上に、見やすくするための模様や色調をどのようにカラーデザインするかは才能と経験が必要となって一朝一夕で習得できるものではない。
【0006】
例えば、複雑な濃淡や複数の色彩を有する模様を作成する場合には、単色を複数回重ねていく必要があり、どの色をどのように組み合せていくかは相当な熟練と能力がなければできない。また、予め作成された画像を用いてカット&ペーストにより任意の領域に貼り付けることも考えられるが、任意の領域に切り出した画像を当て込むためには、切り出した画像の変形等の加工が必要となり、そのための操作の熟練や試行錯誤のために相当な時間がかかる。また、予め準備された画像パターンを展開して所定の領域に着色を施すテクスチャマッピングといった手法もあるが、画像パターンを単純に展開した模様は幾何学的な印象が強くなり、そうした模様以外の質感のある模様を作成する場合にはそのための熟練と才能が必要とならざるを得ない。
【0007】
そこで、本発明は、コンピュータを用いて図面の区分に応じた着色を簡単に行うことができるとともに様々な模様画像を用いることが可能な着色図面作成装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る着色図面作成装置は、基盤図情報及び当該基盤図情報に着色するための着色画像情報を記憶する画像記憶手段と、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する図面設定手段と、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する着色設定手段と、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する着色編集手段と、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する図面生成手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記図面生成手段は、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させることを特徴とする。さらに、前記着色編集手段は、前記選択範囲のマスク情報の透過度を調整することを特徴とする。さらに、前記着色設定手段は、前記着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することを特徴とする。さらに、前記図面生成手段により生成された着色図面の着色画像情報部分を合成して着色画像情報として保存することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る着色図面作成方法は、コンピュータを用いて基盤図情報に着色画像情報により着色する着色図面作成方法であって、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成し、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成し、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整し、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るプログラムは、記憶された着色画像情報を用いて基盤図情報に着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、前記着色図面作成装置を、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する手段、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する手段、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する手段、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成を有するので、基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成し、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成し、2つのレイヤを重ね合せた状態で、利用者が選択した範囲のマスク情報を透過させるように変更することで基盤図の区分に応じて着色画像を表出させることができ、簡単な操作で区分に応じた着色を行うことができる。この場合、着色画像は、専門家が予め作成した模様画像を記憶して使用すれば誰でも基盤図の選択した区分にきれいな模様画像で着色することができる。例えば、画家やデザイナーといった専門家が描画した色彩画を着色画像として複数登録しておけば、利用者が好みの着色画像を選択して着色を行うことができる。着色画像は、例えば、山や河川の場合には森林や川の流れのイメージで作成された着色画像を用いればよく、住宅の見取り図の場合には植栽イメージや駐車場の自動車のイメージの着色画像を用いればよい。このように用途に合わせたイメージを複数種類登録するとよい。そして、利用者が選択した範囲のマスク情報を透過するように処理するだけで、選択範囲に着色画像をきれいに表出させることができ、カット&ペーストや画像の変形といった操作を行うことなく簡単な操作で着色操作を行うことが可能となる。
【0012】
また、着色レイヤの着色画像情報の表示状態をマスク情報とは独立して変更することで選択範囲における表示状態を調整することで、選択した着色画像を移動させてその中で好みの部分をマスク情報が透過する選択範囲に表出するように調整することができ、このように着色画像の回転、移動、拡大・縮小、濃淡調整及び明暗調整といった様々な表示状態の調整を行って利用者の好みに合わせた着色画像に調整して選択範囲に表示させることが可能となる。したがって、簡単な操作により用途に応じた着色画像の調整をきめ細かく行うことができ、幅広い用途に容易に対応することができる。
【0013】
そして、基盤レイヤの基盤図情報に複数の着色レイヤの透過された着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成すれば、容易に着色状態を確認することが可能となり、重ね合わせた状態で各着色レイヤの編集を行うことで全体の着色イメージを調整することもできる。
【0014】
また、着色図面を生成する場合、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させるようにすれば、着色画像が重なり合うことなくなり、基盤図に各着色レイヤの着色画像を表出させて着色を行うことができる。
【0015】
また、着色レイヤを編集する場合に、選択範囲のマスク情報の透過度を調整すれば、例えば、選択範囲の周縁部において半透過にマスク情報を設定することで、隣接する他の着色レイヤの着色画像と周縁部で着色画像が重なり合うように表出し、隣接する着色画像の間の境界部分が自然な色合いで変化するように表示させることができる。
【0016】
また、着色レイヤを設定する場合に、着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することで、様々なバリエーションを持たせて着色画像を表示させることができる。
【0017】
また、生成された着色図面の着色画像情報部分を合成して着色画像情報として用いるようにすれば、用途に応じた着色画像のバリエーションを大幅に増加させることができ、利用者の好みに応じた着色画像を作成して登録することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明に係る実施形態に関するシステム構成図を示しており、着色図面作成装置1は、公知のコンピュータにアプリケーションソフトとしてインストールされた着色図面作成プログラム100を作動させてその機能が実現される。コンピュータの基本構成は公知のものであり、論理演算を処理するCPU10、論理演算に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するRAM11、論理演算を実行するためのプログラム等を記憶するROM12、アプリケーションソフトや各種画像情報を記憶する記憶部13、処理結果を表示するディスプレイ14、処理結果を出力するプリンタ15、処理に必要なデータや指令を入力する入力部16を備えており、これらを送受信用のバス17で接続してデータの送受信を行う。
【0020】
図2は、着色図面作成装置1で実現される着色処理に関する説明図である。着色すべき基盤図として白地図を表示する基盤レイヤBLに対して、複数の着色レイヤCL1、CL2、・・・CLnを作成し、これらを重ね合わせて着色処理を行う。図3は、この例で用いる基盤レイヤBLの白地図(図3(a))、着色レイヤCL1の着色画像C1(図3(b))及び着色レイヤCL2の着色画像C2(図3(c))を示している。
【0021】
着色レイヤCL1は、着色画像C1及びマスク情報M1で構成されており、着色画像C1は、予め記憶された複数の着色画像から選択する。これらの着色画像は、画家やデザイナー等の専門家が描写した絵画を、例えばBMP形式やJPG形式等の画像情報として記憶しておけばよい。紙等に手描きされた絵画の場合にはスキャナで読み取って電子データ化すればよく、グラフィックソフトにより作成した画像を用いてもよい。マスク情報M1は、着色画像C1を不透過とするための情報であり、画素毎に設定される。不透過のレベルは、透過率100%から0%まで適当な値に設定することができる。他の着色レイヤについても同様に選択された着色画像情報及びマスク情報で構成されている。
【0022】
着色レイヤを設定された当初の状態では、マスク情報により着色画像情報は表示されないため基盤レイヤと重ね合わせても着色画像が表出することはない。次に、マウス等を操作して着色レイヤの編集処理を行う。
【0023】
まず、基盤レイヤBLに表示される白地図の区分に応じてマスク情報に選択範囲を設定して透過率を変更する。選択範囲を設定する場合、着色画像情報の表示領域において所定の閉領域を描画して選択し、選択された範囲のマスク情報を透過率100%に設定することで選択範囲に着色画像を表出させることができる。選択範囲は、いわゆるブラシ機能によりブラシで塗布するように描画して所定幅の領域のマスク情報を透過率100%に設定してもよい。ブラシ機能を用いると、描画した所定幅の周辺部の透過率が次第に低下するように設定されて、選択範囲の周縁部を着色画像がぼけた状態で表出される。操作者は、基盤レイヤに表示された地図を見ながら着色画像を表出する領域をマウス等により選択操作すればよく、地図の区分に対して簡単かつ正確に着色操作を行うことが可能となる。
【0024】
図4は、マスク情報の一部を選択して着色画像を表出させる処理に関する説明図である。着色レイヤCL1では、基盤レイヤBLにおいて表示される地図の山に関する区分を囲むように閉領域を設定したり、ブラシ機能で塗りつぶすように操作して選択されたマスク情報M1の選択範囲R11及びR12に着色画像C1が表出する。着色レイヤCL2では、地図の市街地に関する区分に対して着色レイヤCL1と同様の操作をして選択されたマスク情報M2の選択範囲R21に着色画像C2が表出する。地図の他の区分についても着色レイヤを作成して区分に該当する範囲を選択して着色画像を表出させればよい。
【0025】
次に、着色画像情報の表示状態を変更する。表示状態の変更は、マスク情報と独立して行われ、着色画像の回転、移動、拡大・縮小、濃淡、彩度、色度、明暗、コントラストといった公知の画像調整を行う。このような変更処理を行うことで、選択範囲に表出される着色画像を利用者が自由に調整することができる。図5は、着色画像の変更処理の一例を示す説明図である。この例では、着色レイヤCLのマスク情報Mの一部を選択して選択範囲Rを設定し、選択範囲R内の透過率が100%となって着色画像Cが表出するようになっている(図5(a)参照)。そして、着色画像Cを回転及び縮小して選択範囲Rに表出する着色画像を調整する(図5(b)参照)。その際に、マスク情報は、基盤レイヤBLとの間の位置関係が固定されて着色画像とともに変更されることはない。こうして利用者は、用途や好みに応じて選択範囲に表出する着色画像を自由に変更して様々な色合いの着色処理を行うことが可能となる。すなわち、マスク情報を透過させて設定した選択範囲に対して利用者がマウス等の操作によって着色画像の移動や回転等を行って直感的に着色処理を行うことができ、初心者でも効率よく操作することが可能となる。
【0026】
図6は、基盤レイヤBLと着色レイヤCL1及びCL2とを重ね合わせて表示する処理に関する説明図である。基盤レイヤBLでは、白地図の輪郭部分以外の白地の部分が透過率100%で着色レイヤの着色画像が表出するように設定される。そして、着色レイヤCL1のマスク情報において選択範囲R11及びR12以外の透過率0%の領域では着色画像C1が不透過であるが、他の着色レイヤの着色画像が透過率100%で透過されるようになっている。同様に他の着色レイヤにおいても選択範囲以外の透過率0%の領域では当該着色レイヤの着色画像は不透過でそれ以外の着色レイヤの着色画像が透過するようになっている。
【0027】
こうした着色レイヤの表示処理は、例えば、マスク情報が透過率0%を「1」、透過率0%以外を「0」に設定して、複数の着色レイヤを重ね合わせた場合に同じ画素位置における値を掛け合わせる処理を行う。そして、透過率0%以外が設定されている着色レイヤが存在するとその部分の画素では処理結果が「0」となって当該着色レイヤの着色画像が表出されるようになる。また、すべての着色レイヤの透過率が0%となる部分の画素では処理結果が「1」となって着色画像が表出されず、白地のままで表示される。
【0028】
図7は、基盤レイヤBLと着色レイヤCL1及びCL2とを重ね合わせて合成した着色図面の画像を示す概略図である。基盤レイヤBLで表示された白地図上の山の区分には選択範囲R11及びR12で表出した着色画像C1による着色処理が行われ、市街地の区分には選択範囲R21で表出した着色画像C2による着色処理が行われた合成画像からなる着色図面を得ることができ、これらの着色処理を施した区分以外についても適当な着色画像を選択して着色レイヤを作成し、簡単に着色処理を行うことができる。
【0029】
こうして作成された着色図面の着色処理に用いた着色画像部分だけを合成した合成画像を記憶しておき、別途着色画像として用いるようにしてもよい。着色処理に用いた着色画像は、着色レイヤの編集処理において利用者自身が画像調整したものであるから、以後の着色処理に使用できるようにすれば、そのまま使用することも可能となり、以後の着色処理作業を効率的に行うことができる。
【0030】
以上説明した着色レイヤは着色画像及びマスク情報をセットにしたものであるが、マスク情報以外に着色画像に、布地やカンバスのような質感を与えるテクスチャ情報といった画質を変化させる種々の情報を付加してもよい。例えば、図8に示すように、着色画像Cにテクスチャ情報Tを重ね合わせて設定し、さらにマスク情報Mを重ね合せ選択範囲Rを設定すれば、選択範囲Rからテクスチャ情報Tにより画質を変化させた着色画像Cを表出させることができる。この場合複数種類の情報を付加して画質を変化させてもよい。
【0031】
以上のような着色処理を行うために、記憶部13には、基盤図及び着色に使用する着色画像情報を記憶している。また、CPU10では、着色図面作成プログラム100を読み込むことで、基盤図を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する図面設定機能、入力部16の操作により選択された着色画像を表示領域内に設定しマスク情報を付加して着色レイヤを作成する着色設定機能、入力部16の操作により選択された着色レイヤの選択範囲における着色画像情報を透過させるようにマスク情報を変更し着色レイヤの着色画像の表示状態をマスク情報とは独立して変更することで選択範囲における表示状態を調整する着色編集機能、及び、基盤レイヤの基盤図に複数の着色レイヤの透過された着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する図面生成機能が実現される。また、図面生成機能では、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させて着色図面が生成されるようになっており、着色編集機能では、選択範囲のマスク情報の透過度を調整することができるようになっている。また、着色設定機能では、着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することができるようになっている。さらに、CPU10は、生成された着色図面の着色画像部分を合成して着色画像として記憶部13に保存する機能を備えている。
【0032】
図9は、着色図面の作成処理フローである。まず、記憶部に記憶された基盤図から着色する基盤図を選択し(S100)、基盤図を所定の表示領域に表示する基盤レイヤを作成する(S101)。次に、記憶部に記憶された複数の着色画像から着色に使用する着色画像を選択し(S102)、選択された着色画像とともにマスク情報を重ねて着色レイヤを作成する(S103)。選択された着色画像は、基盤図の表示領域と同一の領域に重ねて設定される。次に、着色レイヤを編集する(S104)。まず、基盤図の着色区分に対応してマスク情報の選択範囲を描画して透過率を100%に設定し、選択範囲に着色画像を表出させる。そして、選択範囲に表出された着色画像の表示状態を変更して画像調整を行い、用途又は利用者の好みに応じて着色編集する。
【0033】
基盤図の別の着色区分に着色する場合には、新たな着色レイヤを追加するためにステップS102戻り、着色レイヤの作成及び編集処理を繰返し行う。すべての着色レイヤを作成・編集した後、基盤図及び着色レイヤを重ね合わせて表示し、着色レイヤ相互の調整を行う(S106)。着色レイヤの境界部分を合わせるためにマスク情報の選択範囲の輪郭形状を調整する。例えば、図10に示すように、マスク情報M1の選択範囲R1の周縁部に透過率50%の選択部分SR1が設定された着色レイヤC1(図10(a))及びマスクM2選択範囲R2の周縁部に透過率50%の選択部分SR2が設定された着色レイヤC2(図10(b))を重ね合わせた場合、着色レイヤC1の優先順位が高いと、選択範囲R1から表出される着色画像が優先して表示されるようになり、選択部分SR1では透過率が50%に設定されているため選択範囲R2に表出される着色画像と重複して表示されるようになる。このように2つの着色レイヤの境界部分で着色画像が重複して表示させることで、境界部分において2つの着色画像が混合して色合いがぼかされ自然に遷移する着色処理を行うことができる。境界部分の着色処理としては、優先順位の高い着色レイヤの選択範囲の境界部分の透過率を変化させたり、隣接する着色レイヤの優先順位を入れ替えたりすることできめ細かく調整することができる。
【0034】
こうした着色図面に全体調整を行った後基盤レイヤ及び着色レイヤの画像を合成して着色図面を完成させプリンタにより出力する(S107)。そして、着色図面の着色結果画像を新たな着色画像として記憶部に保存し(S108)着色処理を終了する。
【0035】
図11は、以上説明した着色処理を行うための処理表示画面の一例である。表示画面中央には、着色処理結果を表示する領域W1が設定されており、右側には設定された領域W2には基盤レイヤ及び着色レイヤの一覧が表示されており、優先順位の高いレイヤが上に配置されるように表示される。そして、編集処理するレイヤを選択してアクティブ状態にし、編集操作を行う。領域W2の上部にはマスク情報の選択範囲を設定するブラシ機能を一覧表示する領域W3が設定されており、表示画面の上部には、着色画像の変更処理を行うメニューバーW4が設定されている。画面の左側には、マスク情報の選択範囲を描画するためのツールの一覧を表示する領域W5、領域W1内の表示状態を調整するツールを表示する領域W6が設定されている。こうした処理表示画面を用いることでマウス等を操作して簡単に着色処理を行うことができる。
【0036】
例えば、領域W5の描画ツールを選択して、矩形の描画、複数の頂点を指定することによる閉多角形の描画、ペンツールによる任意の閉曲線の描画等を簡単に行うことができ、マスク情報の選択範囲を自由に設定することができる。また、領域W3のブラシ機能を用いることで、図10で説明した境界部分の透過度を自由に設定することができ、隣接する着色画像の重なり部分の違和感を緩和するように処理することが可能となる。また、領域W2の着色レイヤ一覧では、着色レイヤの優先順位を変更することや着色レイヤの表示・非表示を設定することも可能となっており、着色処理結果を見ながら着色レイヤ間の編集作業を容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明した例では、基盤レイヤに白地図を表示するようしているが、こうした白地図や測量図のような地形図の場合、開発地域の現況測量図に開発・建設計画に基づく設計図を重ねて完成予想図を作成する際に、いわゆる着色パース図の作成に有効である。こうした図面は、周辺住民への説明資料として作成されるため、計画の構造物として、公園、建物、道路、砂防堰堤、流路といった構造物をわかりやすく着色する際に特に効果的である。また、住宅地の見取り図の場合には、住居、庭、植栽、カーポート、道路といったものをわかりやすく着色して新築又は改築の際のイメージを説明する資料作成にも有効である。
【0038】
これ以外にも、生地のデザインを取り込んで服飾等のデザインの検討を行う場合に生地のデザインをデジタルカメラ等で撮影して着色画像として登録しておけば、基盤図に服飾等のデザインの輪郭を設定して生地のデザインを簡単に重ね合わせることができ、その位置調整(回転や移動)も簡単に操作できる。同様に、おもちゃ等の娯楽製品や食器等の生活用品のデザインについても基盤図に製品の輪郭デザインを設定して種々の図柄や模様を着色画像として重ね合わせれば、デザインの様々なシミュレーションを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る実施形態に関するシステム構成図である。
【図2】着色図面作成装置で実現される着色処理に関する説明図である。
【図3】白地図及び着色画像の表示例を示す図である。
【図4】マスク情報の一部を選択して着色画像を表出させる処理に関する説明図である。
【図5】着色画像の変更処理の一例を示す説明図である。
【図6】基盤レイヤ及び着色レイヤを重ね合わせて表示する処理に関する説明図である。
【図7】基盤レイヤ及び着色レイヤを重ね合わせて合成した着色図面の画像を示す概略図である。
【図8】着色レイヤの変形例を示す説明図である。
【図9】着色図面の作成処理フローである。
【図10】着色レイヤの境界部分の処理に関する説明図である。
【図11】処理表示画面の一例を示すレイアウト図である。
【符号の説明】
【0040】
1 着色図面作成装置
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 記憶部
14 ディスプレイ
15 プリンタ
16 入力部
17 バス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤図情報及び当該基盤図情報に着色するための着色画像情報を記憶する画像記憶手段と、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する図面設定手段と、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する着色設定手段と、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する着色編集手段と、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する図面生成手段とを備えていることを特徴とする着色図面作成装置。
【請求項2】
前記図面生成手段は、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させることを特徴とする請求項1に記載の着色図面作成装置。
【請求項3】
前記着色編集手段は、前記選択範囲のマスク情報の透過度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の着色図面作成装置。
【請求項4】
前記着色設定手段は、前記着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の着色図面作成装置。
【請求項5】
前記図面生成手段により生成された着色図面の着色画像情報部分を合成して着色画像情報として保存することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の着色図面作成装置。
【請求項6】
コンピュータを用いて基盤図情報に着色画像情報により着色する着色図面作成方法であって、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成し、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成し、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整し、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成することを特徴とする着色図面作成方法。
【請求項7】
記憶された着色画像情報を用いて基盤図情報に着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、
前記着色図面作成装置を、
前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する手段、
選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する手段、
前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する手段、
基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
基盤図情報及び当該基盤図情報に着色するための着色画像情報を記憶する画像記憶手段と、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する図面設定手段と、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する着色設定手段と、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する着色編集手段と、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する図面生成手段とを備えていることを特徴とする着色図面作成装置。
【請求項2】
前記図面生成手段は、任意の着色レイヤのマスク情報により不透過とされた範囲において他の着色レイヤで透過された着色画像情報を透過させることを特徴とする請求項1に記載の着色図面作成装置。
【請求項3】
前記着色編集手段は、前記選択範囲のマスク情報の透過度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の着色図面作成装置。
【請求項4】
前記着色設定手段は、前記着色画像情報に所定の質感を与えるテクスチャ情報を付加することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の着色図面作成装置。
【請求項5】
前記図面生成手段により生成された着色図面の着色画像情報部分を合成して着色画像情報として保存することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の着色図面作成装置。
【請求項6】
コンピュータを用いて基盤図情報に着色画像情報により着色する着色図面作成方法であって、前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成し、選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成し、前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整し、基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成することを特徴とする着色図面作成方法。
【請求項7】
記憶された着色画像情報を用いて基盤図情報に着色する着色図面作成装置を機能させるためのプログラムであって、
前記着色図面作成装置を、
前記基盤図情報を所定の表示領域に設定して基盤レイヤを作成する手段、
選択された前記着色画像情報を前記表示領域内に設定するとともに当該着色画像情報を不透過とするマスク情報を付加して着色レイヤを作成する手段、
前記着色レイヤの選択範囲における前記着色画像情報を透過させるように前記マスク情報を変更するとともに前記着色レイヤの前記着色画像情報の表示状態を前記マスク情報とは独立して変更することで前記選択範囲における表示状態を調整する手段、
基盤レイヤの前記基盤図情報に複数の前記着色レイヤの透過された前記着色画像情報を重ね合わせて着色図面を生成する手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−181168(P2008−181168A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12090(P2007−12090)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(301069650)株式会社 システムラン (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(301069650)株式会社 システムラン (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]