説明

着色組成物の製造方法

【課題】微小異物の存在を最小限にとどめることができる着色組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】染料溶液(A)を第1のフィルタに通す第1工程と、第1のフィルタを通過した染料溶液(A)、顔料又は顔料分散液(B)及び溶剤(C)を含む混合液を、第2のフィルタに通す第2工程とを含む着色組成物の製造方法。第1のフィルタの孔径は、0.01〜0.5μmであり、第1のフィルタの孔径と第2のフィルタの孔径との比は、1:1.1〜1:500である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置及び固体撮像素子等に用いられているカラーフィルタの画素は、例えば、着色組成物を用いて形成される。具体的には、基板上に、塗布装置を用いて、赤、緑、青の3色のうちいずれかの1色を含む着色組成物を塗布し、揮発成分を加熱等により除去する。その後、マスクを介して露光し、次いでネガ型の場合は未露光部分を、ポジ型の場合は露光部分をアルカリ水溶液等の現像液により現像して除去し、着色パターンを形成する。得られた着色パターンは、加熱処理(以下、ポストベークと呼ぶことがある。
)することにより、画素を形成する。そして、残る2色の画素についてもそれぞれ同様の操作を行い、最終的に、赤、緑及び青の3色の画素を有するカラーフィルタを形成する。
着色組成物には、通常、ラジカル重合性モノマー、染料、光重合開始剤等が含まれているものが使用されている。
【0003】
一方、近年、種々の用途において、さらなるカラーフィルタの高精細化等が求められている。
そのために、着色組成物の調製後、この着色組成物を複数回フィルタリングすることにより、微細な異物の発生及び混入を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−58642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は微小異物の存在を最小限にとどめることができる着色組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の着色組成物の製造方法は、
染料溶液(A)を第1のフィルタに通す第1工程と、
第1のフィルタを通過した染料溶液(A)、顔料又は顔料分散液(B)及び溶剤(C)を含む混合液を、第2のフィルタに通す第2工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
この着色組成物の製造方法では、
第1のフィルタの孔径と第2のフィルタの孔径との比が、1:1.1〜1:500であることが好ましい。
また、第1のフィルタの孔径が、0.01〜0.5μmであるか、第2のフィルタの孔径が、0.5〜5.0μmであることが好ましい。
混合液が、さらに、樹脂(D)、光重合性化合物(E)及び光重合開始剤(F)からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む混合液であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の着色組成物の製造方法によれば、微小異物の存在を最小限にとどめることができる。これにより、均一な膜厚で、高精細なカラーフィルタを得るために、有利に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の着色組成物の製造方法は、染料溶液(A)を第1のフィルタに通す第1工程と、第1のフィルタを通過した染料溶液(A)、顔料又は顔料分散液(B)及び溶剤(C)を含む混合液を、第2のフィルタに通す第2工程とを含む。
まず、第1工程において、染料溶液(A)を調製した段階で、第1のフィルタに通す。
ここで、染料溶液(A)とは、溶剤可溶性の染料が単独又は2種以上組み合わせられて、溶剤に溶解された溶液を意味する。
【0010】
染料としては、特に限定されず、従来カラーフィルタ用途として公知の染料等から選択できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に記載の染料/色素のうち、溶剤可溶性のもの、特に、酸性染料、塩基性染料、直接染料、硫化染料、建染染料、ナフトール染料、反応染料、分散染料等が挙げられる。
【0011】
染料の化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、アリールアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、ポリメチン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、キノフタロン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ジオキサジン系、クマリン系、スクアリリウム系等いずれであってもよい。なかでも、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、キサンテン系が挙げられる。特に、ピラゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、フタロシアニン系、キノフタロン系、キサンテン系等が好ましく用いられる。
【0012】
具体的な染料としては、例えば、
Acid alizarin violet N;
C.I.Acid black 1、2、24、48等;
C.I.Acid blue 1、7、9、120、138、335、340等;
C.I.Acid chrome violet K等;
Acid Fuchsin;
C.I.Acid green 1、3、5、58、80、106、109等;
C.I.Acid orange 6〜8、62〜64、169、173等;
C.I.Acid red 1、4、8、50〜52、111、257、426等;
C.I.Acid violet 6B、7、9、17、19等;
C.I.Acid yellow 1、3、7、123、202〜205、251等;
C.I.Direct Yellow 2、33〜35、93〜95、141等;
C.I.Direct Orange 34、39、41、97、106、107等;
C.I.Direct Red 79、82〜84、96〜99、220〜234等;
C.I.Direct Violet 47、52、84、103、104等;
C.I.Direct Blue 57、97〜101、158〜164、275、293等;
C.I.Direct Green 25、63、77、79、82等;
C.I.Mordant Yellow 5、8、33、50、62、65等;
C.I.Mordant Orange 3、36、47、48等;
C.I.Mordant Red 1〜4、22〜26、63、71、88、95等;
C.I.Mordant Violet 2、4、30〜32、53、58等;
C.I.Mordant Blue 2、30、53、61、74、84等;
C.I.Mordant Green 1、26、53等;
C.I.Food Yellow 3等及びこれらの染料の誘導体;
C.I.Solvent Blue 44,38;
C.I.Solvent Orange45;
Rhodamine B,
Rhodamine 110、
3−[(5−クロロ−2−フェノキシフェニル)ヒドラゾノ]−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−5−[(フェニルスルフォニル)アミノ]−2,7−ナフタレンジスルフォニックアシッド等が例示される。
【0013】
また、染料としては、以下の式(1)に示す化合物(「染料(1)」という場合がある)を用いることができる。この染料(1)は、特に、着色組成物中に含まれる溶剤に充分な溶解度を有するとともに、パターン形成時の現像工程でパターン形成ができる程度に現像液に対して充分な溶解度を有する。
【0014】

【0015】
(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、−R又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。該炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R、−OH、−OR、−SO、−SONa、−COH、−COR、−SOH、−SOR又は−SONHRで置換されていてもよい。
は、−SO、−SONa、−COH、−COR、−SOH又は−SONHRを表す。mは、0〜5の整数を表す。mが2以上の整数であるとき、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
Rは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の飽和炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい総炭素数1〜10のアルコキシ置換飽和炭化水素基を表す。
は、水素原子、−R、−COR又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−R又は−ORで置換されていてもよい。
Xは、ハロゲン原子を表す。aは、0又は1の整数を表す。)
【0016】
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0017】
−CORとしては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピロキシカルボニル基、イソプロピロキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、シクロヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デカニルオキシカルボニル基、トリシクロデカニルオキシカルボニル基、メトキシプロピルオキシカルボニル基、エトキシプロピルオキシカルボニル基、ヘキシロキシプロピルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシプロピルオキシカルボニル基、メトキシヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0018】
−SORとしては、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、ヘキシロキシスルホニル基、デカニロキシスルホニル基等が挙げられる。
−SONHRとしては、スルファモイル、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−イソペンチルスルファモイル基、N−ネオペンチルスルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルンスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−シクロヘプチルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N−シクロオクチルスルファモイル基、N−ノニルスルファモイル基、N−デカニルスルファモイル基、N−トリシクロデカニルスルファモイル基、N−メトキシプロピルスルファモイル基、N−エトキシプロピルスルファモイル基、N−プロポキシプロピルスルファモイル基、N−イソプロポキシプロピルスルファモイル基、N−ヘキシロキシプロピルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシロキシプロピル)スルファモイル基、N−(メトキシヘキシル)スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−メチルプロピル)スルファモイル基等が挙げられる。
【0019】
飽和炭化水素基としては、アルキル及びシクロアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、ノニル基、デカニル基、トリシクロデカニル基等が例示される。
アルコキシ置換飽和炭化水素基としては、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、ヘキシロキシプロピル基、2−エチルヘキシロキシプロピル基、メトキシヘキシル基、エトキシプロピル基等が挙げられる。
【0020】
特に、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、−SOR又は−SONHRが好ましい。
【0021】
具体的な置換基を有する炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、デカニルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ヘキシロキシフェニル基、デカニロキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられる。
【0022】
及びRの中の少なくとも1つ又はR及びRの中の少なくとも1つが、炭素数1〜4のアルキル基又は置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
及びRの中の少なくとも1つ、かつ、R及びRの中の少なくとも1つが、炭素数1〜4のアルキル基又は置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。
及びRの中の少なくとも1つ、かつ、R及びRの中の少なくとも1つが、置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることがさらに好ましい。
特に、Rは、カルボキシ基、エトキシカルボニル、スルホ基、N−(2−エチルヘキシロキシプロピル)スルファモイル、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル、N−(3−フェニル−1−メチルプロピル)スルファモイル、N−(イソプロポキシプロピル)スルファモイル等であることが好ましい。
【0023】
また、式(1)で表される化合物は、式(1−1)で表される化合物であることが好ましい。

(式(1−1)中、R10及びR11は、それぞれ独立に、フェニル基を表す。該フェニル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R、−OR、−COR、−SOR又は−SONHRに置換されていてもよい。
12は、−SO又は−SONHRを表す。
13は、水素原子、−SO又は−SONHRを表す。
R及びRは、上記と同じ意味を表す。)
【0024】
式(1)で表される化合物としては、例えば式(1a)〜式(1f)で表される化合物が挙げられる。

(式(1a)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、−SO、−COH又は−SONHRを表す。Rは、2−エチルヘキシル基を表す。X及びaは、上記と同じ意味を表す。)
【0025】

(式(1b)中、Rは、上記と同じ意味を表す。)
【0026】
式(1b)で表される化合物は、式(1b−1)で表される化合物の互変異性体である。

(式(1b−1)中、R、X及びaは、上記と同じ意味を表す。)
【0027】

(式(1c)及び式(1d)中、Rは、それぞれ独立に、−SO、−SONa又は−SONHRを表す。Rは、2−エチルヘキシル基を表す。)
【0028】

(式(1e)及び式(1f)中、Rは、水素原子、−SO、−SOH又は−SONHRを表す。Rは、2−エチルヘキシル基を表す。)
【0029】
式(1)で表される化合物は、例えば、−SOHを有する染料(色素)または染料中間体を常法によりクロル化して、得られた−SOClを有する染料または染料中間体をR−NHで表されるアミンと反応させることにより製造することができる。
また、特開平3−78702号公報3頁の右上欄〜左下欄に記載の方法により製造された染料を、上記と同様、クロル化後、アミンと反応させることにより製造することができる。
【0030】
染料溶液(A)における染料を溶解するための溶剤は、水であってもよいが、有機溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、特に限定されないが、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等;
【0031】
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
【0032】
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等;
【0033】
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が例示される。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
染料溶液(A)には、通常、染料溶液の全重量に対して、例えば、染料が1〜30重量%程度で溶解している。
【0035】
染料溶液(A)を通す第1のフィルタは、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。
【0036】
第1のフィルタの孔径は、0.01〜0.5μm程度が適しており、好ましくは0.01〜0.2μm程度、さらに好ましくは0.01〜0.1μm程度である。この範囲とすることにより、溶解した染料に混入しており、後工程でおいて均一及び平滑な着色組成物の調製を阻害する、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
【0037】
なお、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
【0038】
染料溶液(A)を第1のフィルタに通す際、例えば、圧力を0.01〜1.0MPa程度の範囲に調整することが適している。
【0039】
次いで、第1のフィルタを通過させた染料溶液(A)を、顔料又は顔料分散液(B)及び溶剤(C)と混合し、得られた混合液を、第2のフィルタに通す。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。第2のフィルタの孔径は、0.5〜5.0μm程度が適しており、好ましくは0.5〜2.5μm程度、さらに好ましくは0.5〜1.5μm程度である。この範囲とすることにより、混合液に含有されている成分粒子を残存させたまま、混合液に混入しており、後工程でおいて均一及び平滑な着色組成物の調製を阻害する異物を除去することができる。
【0040】
顔料又は顔料分散液(B)における顔料としては、当該分野において使用されているものであれば特に限定されるものではなく、いずれの顔料をも用いることができる。
顔料は、有機顔料及び無機顔料のいずれでもよく、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
【0041】
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12〜17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
【0042】
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料などが挙げられる。
これらの顔料は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
【0043】
これらの顔料のうち有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体又は顔料分散剤等を用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理又は不純物を除去するための有機溶剤又は水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理などが施されていてもよい。
【0044】
均一な分散状態の着色組成物を容易に調製することができることから、顔料は分散剤に分散されていることが好ましい。
顔料を分散させるための分散剤としては、界面活性剤を用いることが適している。例えば、シリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性などの界面活性剤などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。
【0045】
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等、具体的には、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株))、メガファック(DIC(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード(旭硝子(株)製)、サーフロン(AGCセイミケミカル(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。
【0046】
分散剤は、顔料1重量部あたり、1重量部程度以下が適しており、0.05〜0.5重量部程度が好ましい。分散剤の使用量をこの範囲にすることにより、均一な分散状態の顔料分散液を得ることができる。
【0047】
溶剤(C)としては、染料溶液(A)の溶剤として例示された水又は有機溶剤と同様のものが挙げられる。
染料溶液(A)と、顔料又は顔料分散液(B)と、溶剤(C)との混合液においては、染料溶液(A)、顔料又は顔料分散液(B)、溶剤(C)の総重量に対して、染料及び顔料の総重量を、1〜30重量%の範囲に調整することが好ましい。この場合、染料と顔料とは、1:99から99:1程度の割合で含有されていることが好ましい。
このような範囲に調整することにより、着色組成物をカラーフィルタの製造に用いた場合に、得られるカラーフィルタの高明度化及び高コントラスト化等を実現することができる。
【0048】
上述した混合液を第2のフィルタに通す際の圧力は、第1のフィルタの通過と同様に、0.01〜1.0MPa程度の範囲に調整することが適している。
【0049】
混合液には、さらに、樹脂(D)、光重合性化合物(E)及び光重合開始剤(F)からなる群から選択される少なくとも1種を含有していることが好ましい。これら成分の混合液への添加は、第2のフィルタに通す前後のいずれ又は双方でもよいが、有効かつ簡便に異物を除去するために、これら成分を混合液に添加して着色組成物とした後に、得られた混合液を第2のフィルタに通すことが好ましい。
【0050】
樹脂(D)としては、必ずしもポリマーのみを意味するものではなく、コポリマー、オリゴマー等及び/又は重合性もしくは架橋性等のモノマー(ただし、以下の光重合性化合物(E)を除く)が含まれていてもよく、樹脂を構成し得る単位であればよい。
樹脂(D)としては、例えば、アルカリ可溶性であるものが好ましい。また、耐熱性を有するものが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、これらの共重合体樹脂等が例示される。なかでも、アルカリ可溶性樹脂として、酸性官能基を有するものが好ましく、酸性官能基を有する樹脂は、例えば、酸性官能基を有する不飽和化合物に由来する構造単位を含む樹脂等が挙げられる。なお、本明細書では、(メタ)アクリルは、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
【0051】
酸性官能基としては、カルボキシ基が挙げられる。例えば、酸性官能基を有する不飽和化合物としては、不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸等のように、分子中に単数又は複数のカルボキシ基を有する不飽和カルボン酸等が例示される。具体的には、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、桂皮酸、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕又はω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0052】
樹脂(D)は、上述した酸性官能基を有する不飽和化合物に加えて、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸エステル類、不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、カルボン酸ビニルエステル類、不飽和エーテル類、シアン化ビニル化合物、不飽和アミド類、不飽和イミド類、脂肪族共役ジエン類、重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類のモノマーが共重合されていてもよい。
【0053】
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどが挙げられる。好ましくはスチレン、p−ビニルトルエンである。
【0054】
不飽和カルボン酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、O−(メタ)アクリロイルグリセリンなどが挙げられる。好ましくはメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートである。
【0055】
不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類としては、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは2−アミノエチル(メタ)アクリレートである。
【0056】
不飽和カルボン酸グリシジルエステル類としては、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくはグリシジルメタクリレートである。
【0057】
カルボン酸ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられる。好ましくはプロピオン酸ビニルである。
【0058】
不飽和エーテル類としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。好ましくはアリルグリシジルエーテルである。
【0059】
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。好ましくはアクリロニトリルである。
【0060】
不飽和アミド類としては、(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。好ましくはN−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドである。
【0061】
不飽和イミド類としては、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。好ましくはN−フェニルマレイミドである。
【0062】
脂肪族共役ジエン類としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。好ましくはイソプレンである。
【0063】
重合体分子鎖の末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するマクロモノマー類としては、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンなどの末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するマクロモノマー類が挙げられる。好ましくはポリスチレンの末端にアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するマクロモノマーである。
【0064】
また、例えば、式(V)で表される単位および式(VI)で表される単位等を用いてもよい。

[式(V)および式(VI)中、R21およびR22は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
【0065】
21およびR22としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基などが挙げられる。好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
【0066】
樹脂(D)としては、具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、メタクリル酸/式(V)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(V)中、R21はメチル基を表し、R22は水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、式(V)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(V)中、R21はメチル基を表し、R22は水素原子を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/式(VI)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(VI)中、R21はメチル基を表し、R22は水素原子を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体などが好ましい。
【0067】
樹脂(D)の含有量は、着色組成物の固形分に対して重量分率で、好ましくは12〜30重量%であり、より好ましくは16〜24重量%であり、とりわけ好ましくは18〜22重量%である。樹脂(D)の含有量が、この範囲にあると、パターンが形成でき、また解像度および残膜率が向上する傾向にあり好ましい。
【0068】
式(V)で表される構成成分を有する樹脂は、前記で挙げた不飽和モノカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸に由来する構成単位を含む樹脂に、式(V−1)で表される化合物を反応させて得ることができる。例えば、メタクリル酸/式(V)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(V)中、R21はメチル基を表し、R22は上記と同じ意味を表す。)/ベンジルメタクリレート共重合体は、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとを重合させて2成分共重合体を得て、得られた2成分共重合体と式(V−1)で表される化合物(ただし、ここでは、式(V−1)中、R22は上記と同じ意味を表す。)とを反応させて得ることができる。
【0069】

【0070】
メタクリル酸/式(VI)で表される構成成分(ただし、ここでは、式(VI)中、R21はメチル基を表し、R22はメチル基を表す。)/スチレン共重合体/トリシクロデカニルメタクリレート共重合体は、ベンジルメタクリレート、メタクリル酸、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート共重合体に、グリシジルメタクリレートを反応させて得ることができる。
【0071】
樹脂(D)のポリスチレン換算重量平均分子量が、好ましくは5,000〜100,000であり、より好ましくは6,000〜90,000であり、とりわけ好ましくは7,000〜80,000である。分子量がこの範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、解像度が向上する傾向にあり、好ましい。
【0072】
光重合性化合物(E)としては、光を照射されることによって後述する光重合開始剤(F)から発生した活性ラジカル、酸等によって重合しうる化合物であって、例えば、重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
【0073】
光重合性化合物(E)は、3官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0074】
光重合性化合物(E)の含有量は、着色組成物の固形分に対して、重量分率で、7〜65重量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60重量%であり、さらに好ましくは17〜55重量%である。光重合性化合物(E)の含有量が、この範囲にあると、カラーフィルタを製造する際に、硬化が十分におこり、現像前後での膜厚比率が向上し、パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があることから好ましい。
【0075】
光重合開始剤(F)は、g線、i線、h線などの紫外線が照射されることにより、ラジカルを発生させる機能を有するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、アセトフェノン系化合物、活性ラジカル発生剤、酸発生剤などが挙げられる。
【0076】
アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンなどが挙げられる。
【0077】
活性ラジカル発生剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する。
活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物などが挙げられる。
【0078】
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0079】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0080】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0081】
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0082】
オキシム系化合物としては、例えば、O−アシルオキシム系化合物が挙げられる。具体的には、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1,2−ジオン2−オキシム−O−ベンゾアート、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン 1−O−アセテート、1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン 1−O−アセテート等が挙げられる。
【0083】
さらに、活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いてもよい。
【0084】
酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。
【0085】
活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0086】
光重合開始剤(F)の含有量は、樹脂(D)及び光重合性化合物(E)の合計量に対して重量分率で、好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量%である。光重合開始剤の含有量が、この範囲にあると、高感度化して露光時間が短縮され生産性が向上することから好ましい。
【0087】
本発明の着色組成物には、さらに光重合開始助剤が含まれていてもよい。
光重合開始助剤は、通常、光重合開始剤(F)と組み合わせて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進させる。
光重合開始助剤としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
【0088】
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。なかでも、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
【0089】
アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0090】
チオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始助剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光重合開始助剤として、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などの市販のものを用いることもできる。
【0091】
光重合開始助剤は、光重合開始剤(F)1モルに対して、さらに0.01〜10モル、特に0.01〜5モルで用いることが好ましい。
【実施例】
【0092】
以下、実施例によって本発明の着色組成物の製造方法をより詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
【0093】
合成例1
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、スルホローダミンB(関東化学製)15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド9.8部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル12.0部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン13.9部及びトリエチルアミン24.5部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶剤留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、染料A1 14.7部を得た。
【0094】

【0095】
合成例2
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式A0−2で示される色素(中外化成製)15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド7.1部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル8.7部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン10部及びトリエチルアミン17.7部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶剤留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、染料A2(染料A2−1〜染料A2−7の混合染料) 12.7部を得た。
【0096】

(式(A2)中、Rは、それぞれ独立に、−SO、−SONa又は−SONHRを表す。Rは、2−エチルヘキシル基を表す。)
【0097】

【0098】
合成例3
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式A0−3で示される色素(中外化成製)15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド8.9部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル10.9部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン12.5部及びトリエチルアミン22.1部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで、得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶剤留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、染料A3(染料A3−1〜染料A3−8の混合染料) 11.3部を得た。
【0099】

(式(A3)中、Rは、それぞれ独立に、−SONH−R、−SOH、−SO又は−Hを表す。Rは、2−エチルヘキシル基を表す。)
【0100】

【0101】
合成例4
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、乳酸エチル100質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60質量部及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(B1−1−1)で表される化合物及び式(B1−2−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合)200質量部を乳酸エチル100質量部に溶解して溶液を調製した。この溶液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部を乳酸エチル190質量部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、重量平均分子量Mwは、7,700、分散度は2.5、固形分40質量%、酸価42mg−KOH/gの樹脂溶液D1を得た。

【0102】
上記の樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固型分濃度;0.001〜0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
【0103】
合成例5
2,2’−ベンジジンジスルホン酸(水30%含有)100部に水1000部を加えた。その後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7〜8に調節し、亜硝酸ナトリウムを56.1部加えて30分攪拌した。35%塩酸148部を少量ずつ加えて褐色溶液とし、2時間攪拌した。アミド硫酸38.3部を水383部に溶解した水溶液を反応溶液に加えて攪拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液A0−4を得た。
1−エチル−3−シアノ−4−メチル−6−ヒドロキシピリド−2−オン76.1部に水761部を加えた。その後、氷冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節し、攪拌して無色溶液とした。さらに、得られた溶液を、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調節しながら、ジアゾニウム塩を含む懸濁液A0−4をポンプで滴下した。滴下終了後、さらに3時間攪拌することで黄色懸濁液を得た。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(A0−5)で表される化合物を157部得た。

【0104】
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A0−5)で表される化合物5部、クロロホルム50部及びN,N−ジメチルホルムアミド2.1部を投入し、攪拌下、20℃以下を維持しながら、塩化チオニル3部を滴下して加えた。滴下終了後50℃に昇温して、同温度で5時間維持して反応させ、20℃に冷却した。冷却した反応溶液を攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン4部及びトリエチルアミン14部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で終夜攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去し、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、酢酸29部及びイオン交換水300部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、染料A5 5.6部を得た。

【0105】
実施例1
染料溶液(A)の調製1
染料A1 3.5 部
乳酸エチル 35 部
を混合し、窒素圧(0.3MPa)にて、第1のフィルタ(φ0.1μm、マイクロリス社製、型番;PTVW04700、材質;ポリエチレン)に通し、染料溶液1を得た。
【0106】
顔料分散液(B)の調製1
C.I.ピグメントブルー15:6 20 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、顔料分散液1を得た。
【0107】
着色組成物1の調製
染料溶液(A) :染料溶液1 35 部
顔料分散液(B) :顔料分散液1 162 部
溶剤(C) :乳酸エチル 300 部
樹脂(D) :樹脂溶液D1 105 部
光重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)
50 部
光重合開始剤(F) :イルガキュアOXE 01
(チバ・ジャパン社製) 15 部
を混合して、混合液1を得た。得られた混合液1を、窒素圧(0.3MPa)にて第2のフィルタ(φ4.5μm、ポール社製、型番;HDCII J045047100、材質;ポリプロピレン)に通すことにより、着色組成物1を得た。
【0108】
実施例2
染料A1を染料A2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色組成物2を得た。
【0109】
実施例3
染料A1を染料A3に変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色組成物3を得た。
【0110】
実施例4
染料A1をローダミンB(田岡化学製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色組成物4を得た。
【0111】
実施例5
染料A1をローダミンBベース(アルドリッチ製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして着色組成物5を得た。
【0112】
実施例6
染料溶液(A)の調製6
染料A5 5 部
乳酸エチル 95 部
を混合し、第1のフィルタ(φ0.45μm、関東化学社製、型番;HLC−DISK96911−00、材質;ポリビニルジフルオライド)に通し、染料溶液6を得た。
【0113】
顔料分散液(B)の調製2
C.I.ピグメントレッド177 31 部
C.I.ピグメントレッド254 58 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 137 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、顔料分散液2を得た。
【0114】
着色組成物6の調製
染料溶液(A) :染料溶液6 190 部
顔料分散液(B):顔料分散液2 384 部
溶剤(C) :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 198 部
樹脂(D) :樹脂溶液D1 50 部
光重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 25 部
光重合開始剤(F) :イルガキュアOXE 01(チバ・ジャパン社製) 10 部
を混合して、混合液6を得た。得られた混合液6を、第2のフィルタ(φ0.5μm、ADVANTEC社製、型番;LABODISC−50JP 50JP050AN、材質;ポリテトラフルオロエチレン)に通すことにより、着色組成物6を得た。
【0115】
実施例7
染料溶液(A)の調製7
Neozapon yellow073(BASF社製) 5 部
乳酸エチル 95 部
を混合し、第1のフィルタ(φ0.45μm、関東化学社製、型番;HLC−DISK96911−00、材質;ポリビニルジフルオライド)に通し、染料溶液7を得た。
【0116】
顔料分散液(B)の調製3
C.I.ピグメントグリーン58 12 部
アクリル系顔料分散剤 5 部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 128 部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、顔料分散液3を得た。
【0117】
着色組成物7の調製
染料溶液(A) :染料溶液7 255 部
顔料分散液(B) :顔料分散液3 271 部
溶剤(C) :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 26部
溶剤(C) :プロピレングリコールモノメチルエーテル 66 部
樹脂(D) :樹脂溶液D1 50 部
光重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 25 部
光重合開始剤(F) :イルガキュアOXE 01(チバ・ジャパン社製) 10 部
を混合して、混合液7を得た。得られた混合液7を、第2のフィルタ(φ0.5μm、ADVANTEC社製、型番;DISMIC−50JP、材質;ポリテトラフルオロエチレン)に通すことにより、着色組成物7を得た。
【0118】
比較例1
染料溶液(A)を第1のフィルタに通さなかったこと、及び、混合液1を第2のフィルタに2回通したこと以外は、実施例1と同様にして着色組成物H1を得た。
【0119】
〔異物観察〕
2インチ角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークした。冷却後、この着色組成物を塗布した基板を、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射し、オーブン中、220℃で20分間ポストベークを行った。
得られたガラス基板上の塗膜について、光学顕微鏡(250倍(透過測定))にて観察し、一定面積当たりの微小異物数を目視でカウントした。10個以下である場合、合格と判断し、表に○で示す。
結果を表1に示す。
【0120】
【表1】

【0121】
実施例1〜7の着色組成物を用いて形成された塗膜において、異物の発生が少なく、良好な塗膜状態が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明の着色組成物の製造方法は、複数の成分、例えば、染料、顔料等の溶解性又は非溶解性の成分を含有する組成物溶液を用いる各種フィルム又は膜等の製造方法において、広範に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
染料溶液(A)を第1のフィルタに通す第1工程と、
第1のフィルタを通過した染料溶液(A)、顔料又は顔料分散液(B)及び溶剤(C)を含む混合液を、第2のフィルタに通す第2工程と、
を含む着色組成物の製造方法。
【請求項2】
第1のフィルタの孔径と第2のフィルタの孔径との比が、1:1.1〜1:500である請求項1記載の着色組成物の製造方法。
【請求項3】
第1のフィルタの孔径が、0.01〜0.5μmである請求項1又は2記載の着色組成物の製造方法。
【請求項4】
第2のフィルタの孔径が、0.5〜5.0μmである請求項1〜3のいずれかに記載の着色組成物の製造方法。
【請求項5】
混合液が、さらに、樹脂(D)、光重合性化合物(E)及び光重合開始剤(F)からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む混合液である請求項1〜4のいずれかに記載の着色組成物の製造方法。

【公開番号】特開2010−132874(P2010−132874A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239656(P2009−239656)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】