説明

睡眠関連呼吸障害に関する患者を観察することに併せて生理的測定信号を滴定するための方法及び装置

本発明は、生理的測定信号を滴定するための方法及び装置に関する。特に、本発明は、睡眠関連呼吸障害の観察に関連する、睡眠中の人の呼吸ガス流量に関する表示をする測定信号の検出及び評価のための方法及び装置に関する。本発明の目的は、調査される人の生理的状態を高いレベルの信頼性で判定し、必要とされる任意の治療境界条件に正確に合うことを可能にするように、睡眠相中の呼吸に関連する生理的特性を検出することを可能にする解決策を提供することである。本発明の第1の態様によれば、その目的は、人の呼吸に関連する測定信号に基づいて、生理的状態に関した表示をする評価結果を提供する方法によって達成され、評価特徴は、複数の評価システムを使用して、上記測定信号から生成され、評価特徴に基づく結果生成ステップのフレームワークにおいて、少なくとも1つの評価結果は、評価特徴が相互リンク型検討に委ねられることによって生成され、測定信号は、患者に加えられた呼吸ガス圧レベルに関して異なる滴定シーケンスにおいて検出され、評価特徴又は評価結果の少なくとも一部の生成は、各滴定シーケンス圧を考慮して達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的測定信号を滴定するための方法及び装置に関する。特に、本発明は、睡眠関連呼吸障害の観察に関連し、睡眠中の人の呼吸ガス流量に関する表示である測定信号を検出し且つ評価するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる睡眠ポリグラフ計装置は、睡眠関連呼吸障害を調査するためとして知られており、通常、患者の生理的状態パラメータのための測定信号を検出する複数の測定チャネルを有する。本出願人に対するドイツ国特許出願10164445.0を見てわかるように、睡眠相中に、患者の呼吸特性に関して患者を診断するために、ECG信号及び血圧信号を検出し、それらの信号を、患者の呼吸活動を記述する信号と共に記録することが知られている。患者の呼吸活動を記述するこうした信号は、いわゆるサーミスタによって、又は、呼吸流量計によって生成される。検出された信号は、互いに時間に関連してグラフで再生され、専門家の検査のフレームワークにおいて評価される。専門家の評価に基づいて、増加した圧力レベルで呼吸ガスを供給することによって、任意の呼吸障害が取り除かれる可能性があるかどうかを決めることが可能である。適した治療パラメータはまた、専門家の評価のフレームワークにおいて確定される。
【0003】
睡眠関連呼吸障害の徴候を有する人の検査において、或る状況下での実施の際に生成された測定信号の検討によって、特に、気道の閉塞関連特性の性質及び重症度、患者の全体の生理的状態に関して異なる調査結果がもたらされる。一連の徴候が不適切に評価される場合、生じる問題としては、おそらく必要とされる治療に対して、実際の生理的要件を適切に考慮しない境界条件か、又は、治療についての苦痛のない状態のレベルを少なくとも制限する境界条件が選択されることである。
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、高い信頼性レベルで調査される人の生理的状態を判定し、必要とされる任意の治療境界条件に正しく合うことを可能にするように、睡眠相中の呼吸に関連する生理的特性を検出することを可能にする解決策を提供することである。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、その目的は、人の呼吸に関連する測定信号に基づいて、生理的状態に関する特有の評価結果を提供する方法によって本発明に合致して達成され、評価特徴は、複数の評価システムを使用して、上記測定信号から生成され、評価特徴に基づく結果生成ステップのフレームワークにおいて、少なくとも1つの評価結果は、評価特徴が相互リンク型検討に委ねられることによって生成され、測定信号は、患者に加えられた呼吸ガス圧レベルに関連して異なる滴定シーケンスにおいて検出され、評価特徴の少なくとも一部又は評価結果の生成は、各滴定シーケンス圧に関連して実施される。
【0006】
こうして、約6〜8時間続く患者監視手法において、その情報の重要性の点で取得されることが有利な或る量のデータから、評価特徴が確定されることが可能である点で有利であり、こうした評価特徴から、情報の重要性の高いレベルで、標準化された再現性のある方法で、評価結果を得ることが可能である。評価結果は、おそらく必要とされる増加式圧力人工呼吸システムの構成又は特性フィールド整合に使用される点で効果があり、あるいは、医師による診断の基礎をも形成し、したがって、標準化された判定に寄与する。
【0007】
滴定シーケンス圧という用語は、患者に加えられる呼吸ガスの静圧を指すのに使用される。滴定シーケンスという用語は、たとえば、その継続時間、所与の呼吸数に関し、又は、他の基準に関しても規定される滴定部分を指すのに使用される。滴定シーケンス圧は、滴定シーケンス内でほぼ一定に保たれることが可能である点で有利である。
【0008】
滴定シーケンス圧に対する代替として、又は、選択されたシーケンスのために、たとえば、弱い交互基準圧設定、又は、2レベル概念に従う基準圧設定を規定する圧力制御概念に従って、滴定シーケンス圧が、滴定シーケンス内で制御されることも可能である。滴定シーケンス内での圧力の設定又は制御は、選択された適応基準に従って適応的に実施される。しかしながら、圧力適応は、好ましくは、滴定シーケンス内で起こる圧力変化が、連続する滴定シーケンスの圧力の平均間隔より小さい帯域で許容されるだけであるように実施される。
【0009】
滴定シーケンスの時間に関する長さは、シーケンス長の基準によって決定されることが好ましい。こうしたシーケンス長の基準は、最小の長さと最大の長さとの両方を含む。複数のシーケンス長の基準を提供することが可能であり、後に続く滴定シーケンス又は検証シーケンスへの変化が実施されるべきか、実施されないべきかは、その基準を達成することによって決まる。
【0010】
極端に短い滴定シーケンスを回避するために、シーケンス長の基準の形態で、少なくとも1つの最小継続時間及び/又は最小呼吸数が決められることが好ましい。各滴定シーケンスにおいて、又は、少なくとも選択された滴定シーケンスにおいて、待ち時間を設けることも可能であり、その場合、少なくとも所与の評価運用について、その待ち時間内に検出される測定信号を無視すること、優先度を下げてその測定信号を処理すること、又は、その測定信号に特有の検証手法を受けさせることが可能である。こうして、圧力の変化によって引き起こされる任意の反応をよりよく考慮することが可能である。
【0011】
シーケンス長は、滴定シーケンスの過程で特定の特徴が発生すると、その長さが増減されるように動的に合わせられることが可能である。シーケンスの過程で発生する特徴に応じて、シーケンス長の基準の優先度が動的に変わるか、又は、さらなるシーケンス長の基準が一時的にオフに切り換えられる(優先度0)ことが可能である。シーケンス長の基準に関する完成した調査はまた、閉塞性インジケータに関する運用を調査することを含む。
【0012】
1つの滴定シーケンスから次の滴定シーケンスへの変化はまた、他の前方向切り換え基準に依存する可能性がある。しかしながら個々の滴定シーケンスの所定の最小数が実行されるように、予防処置がとられることが好ましい。
【0013】
本発明の特定の態様によれば、情報の重要性の高いレベルでインジケータが確定されるように、一つの滴定シーケンス内の圧力制御は所与のインジケータの検出に合わされる。無呼吸インジケータ、低呼吸インジケータ、及び流量制限インジケータが判定されることが好ましい。
【0014】
滴定シーケンスの作動は、シーケンス制御概念に従って実施されることが好ましい。そのシーケンス制御概念は、連続して上昇する圧力ステージ及び連続して下降する圧力ステージの少なくとも1つの期間を提供することが好ましい。
【0015】
シーケンス制御概念は、異なる滴定シーケンス圧で複数の滴定シーケンスを提供するように設計されることも可能であり、こうした滴定シーケンス圧の作動時に、中間相圧が作動され、中間相圧において、呼吸ガス圧レベルは、先行する滴定シーケンスと後続の滴定シーケンスの滴定シーケンス圧より高いレベルにある。その場合、中間相圧はそれぞれ、同じ各圧力レベルにあることが好ましく、特に予想される適した治療圧レベルにあることが特に好ましい。
【0016】
シーケンス制御概念は、複数の滴定シーケンスを含む期間にわたって、また、検証期間にわたって拡大適用するようなものである。呼吸ガス圧レベルのためのシーケンス制御概念の使用が、滴定動作に使用される期間及びそれに続く検証期間に制限されることも可能である。滴定に使用されるその期間の継続時間は、所与の連続して生成される評価結果に応じて決められるか、又は、同様に、その継続時間は、少なくとも最小継続時間及び最大継続時間に関して固定して予め決められる。
【0017】
検証期間においての圧力設定は、以前に取得した評価結果に基づく点で有利である。圧力制御は、検証期間のフレームワーク内でそれほど圧力変動が起こらないように選択されることが好ましい。
【0018】
手法は、検証期間のフレームワーク内で、評価結果の適応性調査又は妥当性調査、及び、患者特有の圧力制御構成の適否調査を実施することを含む点で有利である。
【0019】
本発明の特定の態様によれば、個々の滴定シーケンス中に生成される評価特徴は、相互リンク型検討に委ねられ、相互リンク型検討のために提供される相互リンク時間窓は、評価特徴に関連する測定信号が評価特徴に関して処理された時間窓より大きいことが好ましい。
【0020】
個々の滴定シーケンスの評価は、各呼吸ガス圧レベルについての特に指標評価特徴を生成すること、及び、滴定シーケンス内の呼吸のこうして確定された特性を複数の滴定シーケンスの評価特徴についての相互リンク型検討を規定する評価に、及び評価結果の生成に基礎付かせることが可能である点で有利であることを意味する。
【0021】
本発明による滴定概念によって、増加式圧力呼吸ユニット、特に、CPAPユニットの圧力制御デバイスを構成するためにパラメータ設定を提供することができる。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、調査される人の存在するであろう徴候についての生理的類型化は、本発明に従って生成される評価結果に基づいて実現される。本発明に従って生成される評価結果に基づいて、呼吸ガス圧を制御するために提供される圧力制御デバイスの調節特性を自動的に最適化することが可能であり、それにより、たとえば、たった1晩の使用期間の後に、圧力制御系の調節特性が既に患者に対して正しく合わされている。整合はまた、監視のための夜に検証される。必要とされる電子部品は患者ユニット内に集積化される。
【0023】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、治療装置、特に、CPAP装置の呼吸ガス調節の構成のための構成データセットは、相互リンク型検討に基づいて生成される。構成データセットは、インタフェースデバイスによって、治療CPAP装置に送信される可能性があり、又は、メモリスティック又はPCMCIAカードの形態のモバイルデータキャリアによっても、治療CPAP装置に送信される可能性がある点で有利である。構成データセットは、滴定に使用されないCPAP装置のあるシステム特性を特に考慮するように、適応手法の挿入によって、必要である場合に修正される可能性がある。後続の検証を伴う本発明による調査は、患者ユニットと直接実施されることも可能であり、本発明に従って圧力制御概念を実現するために提供される制御デバイスは、患者ユニットのインタフェースデバイスにドッキングされることが好ましい。本発明に従って圧力制御及び測定値取得概念を実行するために提供される制御デバイスを、必要であれば患者ユニットのコンベアブロワについての作動及び電力供給のための電力回路の挿入と共に使用することも可能である。患者ユニット又は調査を実行するために提供されるユニットを、マスク圧測定デバイスが、マスク圧測定ホースなどによっていろいろな圧力によって作用を受けるような手法によって、所望の圧力レベルを制御するのに使用することも可能である。
【0024】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、評価特徴は相関基準に基づいて生成される。相関基準によって、たとえば、先行する呼吸又は基準呼吸に関する一般相が判定される。相関基準は特に、検出される呼吸ガス流量の1次導関数及び/又は2次導関数にも適用される。各呼吸で固有の特徴の生成は、統計的方法を使用して実施される。各呼吸について確定される特性の相互リンク型検討はまた、統計的方法を使用して実現される。
【0025】
各呼吸について、又は、同様に所与の呼吸の連続物について滴定シーケンス内で生成される評価特徴に基づいて、選択された相互リンク基準に従って項目が読み取られる可能性がある特徴アレイを引き続いて埋めることが可能である。
【0026】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、評価特徴が生成され、その評価特徴には、たとえば、呼吸の継続時間に関する情報及び/又は、たとえば、正常と思われる呼吸に固有の情報を含む評価特徴が含まれる。相互リンク型検討において、これらの評価特徴に基づいて、正常な呼吸についての期間に関する長さを決定することが可能である。
【0027】
本発明の特定の態様によれば、評価特徴に含まれる特徴寄与部は、相互リンク型検討のために提供される相互リンク時間窓より小さい時間窓内で決定される。こうして、各呼吸に対して、呼吸の高分解能検討において典型的な特性を検出し、こうした状況で確定される呼吸の特性を、複数の呼吸を考慮する検討に委ねることが可能である点で有利である。
【0028】
本発明による評価概念は、増加式圧力人工呼吸システムによって患者に供給される呼吸ガス圧の制御に使用される。その点で、不正確に高いと主観的に認識される調節動態によって、睡眠パターンが悪影響を受けることなく、呼吸ガス圧が、患者の瞬時の生理的要求に正確に合わせられることが可能である。
【0029】
個々の呼吸について確定される呼吸特性の相互リンク型検討は、たとえば、所定の数の、たとえば、30回の呼吸又は適応的に最適化された回数の呼吸を観察する時間窓にわたる可能性がある。たとえば、医師による診断のための基礎として、特に、患者の生理的状態を判定するために、睡眠相に関連する期間、選択された時間間隔、又は、同様に、全体の測定を含む時間窓の間で、所与の相互リンク動作を実行することも可能である。本発明の特に好ましい実施形態によれば、特性値、特に指数を、特に確実に生成することを可能にする未処理データ及び/又は中間結果は、相互リンク動作に基づいて選択される。
【0030】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、調査される人の存在するであろう徴候についての生理的類型化は、相互リンク型検討に基づいて実施される。本発明に従って生成される評価結果に基づいて、呼吸ガス圧を制御するために提供される圧力制御デバイスの調節特性を適応的に最適化することが可能であり、それにより、たとえば、数日の使用期間の後に、圧力制御系の調節特性が患者に対して最適に合わせられる。
【0031】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、CPAP装置の呼吸ガス調節の構成のために、構成データセットは、相互リンク型検討に基づいて生成される。構成データセットは、インタフェースデバイスによって、CPAP装置に送信される可能性があり、又は、たとえば、PCMCIAカードの形態のモバイル記憶媒体によっても、CPAP装置に送信される可能性がある点で有利である。構成データセットは、CPAP装置のあるシステム特性を特に考慮するような適応手法の挿入によって、必要である場合に修正される可能性がある。
【0032】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、評価特徴は、相関基準、特に統計的評価システムに基づいて生成される。その相関基準によって、たとえば、先行する呼吸に関する一般相、又はたとえば、基準呼吸に関して好ましく適応的に最適化された参考基準が判定される。相関基準はまた、検出される呼吸ガス流量の1次導関数及び/又は2次導関数に特に適用される可能性がある。各呼吸に固有の特徴の生成は、統計的方法を使用して実施される可能性がある。各呼吸について確定される特性の相互リンク型検討はまた、統計的方法を使用して実施される可能性がある。
【0033】
各呼吸について、又は、所与の連続する呼吸についても生成される評価特徴に基づいて、特徴アレイを引き続いて埋めることが可能であり、その特徴フィールドは、少なくとも選択された評価特徴に関して、評価特徴の相互リンク型検討のために提供される最小の相互リンク時間窓と少なくとも同じ大きさの時間窓を記述する。
【0034】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、評価特徴が生成され、その評価特徴には、たとえば、呼吸の継続時間に関する情報及び/又は、たとえば、正常と思われる呼吸における情報を含む評価特徴が含まれる。相互リンク型検討において、これらの評価特徴に基づいて、正常な呼吸についての期間に関する長さを決定することが可能である。
【0035】
さらに、評価特徴は個々の呼吸における任意の流量制限現象の発生を含むように生成される点で有利であり、好ましくは、流量制限を表す特有の情報をも含むように生成される点で有利である。そのため、こうした種類の、流量制限された呼吸に関して検出される評価特徴の相互リンク型検討に基づいて、少なくとも部分的に流量制限される呼吸シーケンスの所与の特性の継続時間を記述することが可能である。
【0036】
呼吸活動が検出されない期間の間、評価特徴を生成することも可能であり、その評価特徴に基づいて、任意の無呼吸シーケンス及び/又はその無呼吸相の特性に固有の特徴の相長が、相互リンク型検討において生成される。こうした評価特徴は、無呼吸相の性質に関する情報、たとえば、無呼吸相が、中枢性、閉塞性として、又は、組み合わせ(複合型無呼吸相)であるとして分類されるかに関する情報を含むことが好ましい。
【0037】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、この種類の評価特徴はまた、いびき相、チェーンストークス呼吸を有する相、及び低換気相について生成される。
【0038】
評価特徴はまた、詳細又は情報を含むことが好ましく、この詳細又は情報から、患者の体の位置、頭の位置を導出することが可能であり、また、患者の首のねじれの程度をも導出することが可能であることが好ましい。睡眠相が表示する情報は、既に、評価特徴に含まれる可能性がある。
【0039】
生成された評価特徴は、検出された呼吸に関する関連性と共に、又は、時間に関する検出された評価特徴の位置を考慮して記憶されることが好ましい。換言すれば、生成された評価特徴は、正常呼吸の各呼吸についての規定の時間窓と関連付けられる。
【0040】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、相互リンク型検討において、以下で流量制限指数と呼ぶ、流量制限を分類する指数が生成される。その流量制限指数は、たとえば、以下の評価規則に基づいて決定される。
【0041】
滴定間隔に特有な流量制限指数(FLI(p))の計算:
FLIp A/tinterval=[l]/[h]
ここで:
FLIp=圧力レベル当たりの流量制限を与える指数
A=流量制限された呼吸の数
interval=滴定シーケンスの継続時間
この指数に対する代替として、又は、それと組み合わせて、以下で流量制限関係(FLR)と呼ぶパラメータの形態などの、流量制限の潜在性を特徴付ける詳細を確定することも可能である。
【0042】
流量制限関係(FLR)の計算:
FLRi=tflow limitation/tinterval*100%=[%]
ここで:
FLRi=有効に呼吸された吸気時間当たりの流量制限された吸気時間の割合
flow limitation=流量制限された呼吸の吸気時間
interval=或る時間間隔の全吸気時間(時間単位);この時間間隔は、たとえば、圧力ステージ、睡眠相等その他もろもろを含む。
【0043】
FLI及びFLRによって、流量制限された呼吸を種々の依存状態とすることが可能であり、加えられる治療圧が見極められる。
【0044】
流量制限に関する計算は、検出された容積による呼吸ガス流量に基づいて実施される。
・呼吸相の検出、すなわち、呼吸の呼気相と吸気相の検出
・吸気時間の調査
・以下のものに依存する呼吸の評価:
逆相関による呼吸の規則性、たとえば、安定又は不安定な呼吸
時間間隔、たとえば、5/10/30/60/90分
圧力ステージ、たとえば、4/5/6/7…mbars
睡眠相、たとえば、覚醒、REM、NREM 1−4
睡眠特性、たとえば、無呼吸、低呼吸などの検出された事象の性質による
概要、検出された乱れの数による
体の位置、たとえば、仰向けに寝ること、横向きに寝ること
呼吸の特徴、たとえば、吸気的/呼気的呼吸容積、最大吸気/呼気容積流量、呼吸レ ート、
吸気/呼気/及び/又は全体の呼吸長、呼吸レート変化、曲率変化、指数変化、全体 の呼吸長変化、及び全体の呼吸長の間の種々の時間関係
こうして確定された関係は、表にプロットされ、その後、解析される。
【0045】
【表1】

【0046】
さらに、相互リンク型検討において、いびき指数を生成することが可能である。いびきシーケンスを確定するために使用される信号は、呼吸ガス圧検出デバイスから、モータ電力関連から生成される可能性があり、また、呼吸ガス流量信号又は特に聴覚ピックアップシステムからも生成される可能性がある。
【0047】
さらに、相互リンク型検討において、口呼吸指数/鼻呼吸指数を生成することが可能である。さらに、相互リンク型検討において、睡眠時間指数を生成することが可能である。
【0048】
さらに、相互リンク型検討において、睡眠相指数を生成することが可能である。呼吸相検討と共に、吸気(閉塞性に関連する)いびきと呼気(閉塞性にあまり関連しない)いびきとを区別をすることが可能である。さらに、相互リンク型検討において、周期的呼吸指数を生成することが可能である。さらに、相互リンク型検討において、呼吸容積指数を生成することが可能である。
【0049】
体の位置に関連する情報とは別に、評価特徴は、呼吸ガス流量の容積流量測定に基づいて生成されることが好ましく、こうした測定は、以下で、v測定と呼ばれる。呼吸ガス流量の測定は、周囲温度で、又ははっきりと変わった呼吸ガス圧下でも実施される。
評価特徴の少なくとも一部は、呼吸ガス流量の時間に関するパターンの1次導関数又は2次導関数を考慮して生成されることが好ましい。
【0050】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書の序盤で述べられた目的は、また、上述の方法を実行する装置によって達成される。ここで上記装置は、複数の評価システムを提供するための測定信号入力デバイス及びコンピューティングデバイスを含む。ここで、評価特徴は、評価システムによる上記測定信号から生成され、少なくとも1つの評価結果は、ある手法によって、評価特徴に基づく結果生成ステップにおいて生成される。この、ある手法とは、この手法によってコンピューティングデバイスが評価特徴を相互リンク型検討に委ねるように構成され、測定信号が、患者に加えられる呼吸ガス圧レベルに関して異なる滴定シーケンスにおいて検出され、評価特徴の少なくとも一部又は評価結果の少なくとも一部の生成が、各滴定シーケンス圧に関連して実施されるような手法のことである。
【0051】
呼吸ガス流量に関連する表示をするデータに基づいて患者の呼吸活動を検出する時に、個々の呼吸自体を認識することが可能である。呼吸の吸気相及び呼気相の開始及び終了は、たとえば、呼吸ガス流量信号の1次導関数及び2次導関数に関する調査とともに、また、可能な呼吸流量を考慮することによっても決定される。呼吸相の継続時間、呼吸の実際の流量、及び呼吸パターンは、これらの評価結果に基づいて決定される。
【0052】
調査される人の瞬時の生理的状態は、複数の連続する呼吸の特性を統計的に解析することによってさらに決定される。滴定シーケンス内のそれぞれの個々の呼吸についての特徴の抽出に基づいて、未処理データの削減を招くことが可能である。複数の連続する呼吸の特性を統計的に評価することによって、閉塞性に関連するいびきと閉塞性に関連しないいびきとの区別がもたらされる。いびき事象に伴う振動特性の類型化は、マイクロフォンデバイスを使用することなく、統計的な評価によって実施される。
【0053】
いびきによって生じる任意の振動の発生は、呼吸ガス圧の時間に関する構成に基づいて検出される。そのため、たとえば、いびきによって生じる呼吸ガス圧振動を、対応する呼吸ガス圧センサデバイスによって生成される信号から抽出することが可能である。特に、周波数及び振幅解析、たとえば、高速フーリエ解析に基づいて、いびき事象を、その発生源の場所(軟口蓋、咽頭…)の観点で分類することが可能である。
【0054】
連続する呼吸の統計的評価に照らして、それぞれの滴定シーケンスに対して、呼吸の安定性に関した表示をする呼吸指数を生成することが可能である。その呼吸指数は、好ましくは、以下の規則に従って決定される。
【0055】
それぞれの滴定シーケンスに対する呼吸指数(At−I)の計算:
At−I=A/tinterval=[l]/[h]
At−I=特定の種類の呼吸パターン、たとえば、1時間当たりの不安定呼吸、安定呼吸、口呼吸、鼻呼吸を特定する指数
A=所与の呼吸パターンの数、たとえば、不安定呼吸の数
interval=時間単位による測定間隔の時間;この時間間隔は、たとえば、圧力ステージ、睡眠ステージ等その他もろもろを含む。
【0056】
その点に関し、安定呼吸は、呼吸安定指数が0.9以上のときに発生し、そして、不安定呼吸は、呼吸安定指数が0.9以下である場合発生すると思われる。
【0057】
特に、以下の閉塞性呼吸の乱れ(OSA)は、以下の評価特徴の相互リンク型検討に基づいて認識される。
【0058】
無呼吸、低呼吸、流量制限呼吸、安定呼吸及び不安定呼吸、並びに任意の漏出事象。
【0059】
呼吸の乱れは、その長さが、たとえば10秒という所定の継続時間を越える呼吸停止が検出される場合、無呼吸事象で分類される。
【0060】
低呼吸事象は、たとえば、正常として分類される3回の呼吸後に、少なくとも2回であって最大3回のより大きな呼吸が検出される場合に、存在すると考えることができる。考慮されている複数の呼吸の吸気差容積は、低呼吸事象に関するさらなる基準として採用される。
【0061】
調査される各呼吸において、呼吸ガス流量が吸気相中に所与の平坦ゾーン又は複数の最大を有する場合に、流量制限は認識される。
【0062】
安定呼吸は、所定の時間間隔内において、呼吸流量又は呼吸回数及び呼吸ガス流量の振幅が規則的であると考えられる場合に存在すると考えることができる。呼吸は、特に、呼吸安定性について規定される呼吸安定性指数の大きさが、0.911以上の値の大きさである時に、安定であると考えることができる。安定呼吸の間は呼吸乱れ(OSA)は起こらない。
【0063】
不安定呼吸は、上述の呼吸安定性指数の値が、0.911より小さい値であり、且つ、呼吸流量が、相応して不規則である場合に存在すると考えることができる。
【0064】
その種類の不規則呼吸は呼吸乱れとして分類され、その点に関して、その種類の相に対する呼吸ガス圧制御の場合に、呼吸ガス圧制御は、感度レベルが上がった状態で起こる。
【0065】
圧力信号内で発生する任意の高周波振動は、呼吸流量信号に伴って、吸気いびき又は呼気いびきであるとして分類される。いびきの発生に関して生成される評価特徴は、評価結果の生成のために提供される相互リンク型検討内に取り入れられる。
【0066】
経鼻的接続である呼吸ガス流量の時間に関する構成に基づいて、たとえばマスク装着アーチファクト(マクス問題)又は口呼吸呼気によって引き起こされる、呼吸ガスミスフロー(漏出)の変形等、及び、永続的な口呼吸等の、システム状態を特定することも可能である。漏出の場合、経鼻的接続である呼吸ガス流量の時間に関するパターンは、参考値(たとえば、ゼロライン)に関して定量的な変化を示す。呼気口呼吸の場合、吸気量と呼気量との間で、少なくとも一部のガス交換が口で起こる。さらなる重要な特徴は、吸気フランク/呼気フランクの傾斜、及び、それぞれの呼吸相における極値の時間に関する相対位置に存在する。
【0067】
呼吸ガス圧の制御のための関連する滴定シーケンス圧を考慮する、滴定シーケンス内の評価特徴の相互リンク型検討に基づいて、本発明に従う呼吸結果の生成を行うことに関して、たとえば、異なる圧力調整モード間での圧力制御の切り換え特性等の装置動作パラメータを整合させることが可能である。そのため、たとえば、判定された評価結果に基づいて、標準ダイナミックス又はより高い「敏感ダイナミックス」の下で、どの基準に基づいて呼吸ガス圧調節が実施されるかを決めることが可能である。
【0068】
圧力制御デバイスの調節性能は、通常ダイナミックモードすなわち標準ダイナミックモードに適応することが好ましく、このことによって、任意の認識される事象又は規定される事象チェーンによって圧力が増加する。いわゆる敏感モードにおいて、呼吸ガス圧は、連続して徐々に減少し、その場合、システムは、調節ダイナミックスが高いレベルにある状態で、低い呼吸ガス圧で起こる任意の事象に反応するように適応する。敏感モードへの変更は、複数の基準に応じて、特に、状況が安定呼吸(呼吸安定指数が0.911以上)を含むかどうかに応じて実施される。上で特定した調節基準の下での装置の動作は、検証相において滴定期間の終了後に実施される点で有利である。
【0069】
通常モード中に、圧力制御デバイスの調節性能は、無呼吸状態、低呼吸状態、又は同様に流量制限が検出されると圧力増加が起こるように適応することが好ましい。かなり長い継続時間の2つの無呼吸シーケンスの場合、又は、たとえば同様に、短い継続時間の3つの無呼吸相の場合、呼吸ガス圧は、連続して増加することが可能である。呼吸ガス圧の増加はまた、呼吸停止が、たとえば1、2分という所定の継続時間にわたって検出されると実施される可能性がある。呼吸ガス圧の増加は、連続してか、又は段階的にも実施され、その点で、圧力増加傾斜は、1分当たり4mbarという最大値を超えないことが好ましい。4〜10hPaの範囲に最小圧限界を、8〜18hPaの範囲に最大圧限界を設けることが可能である。4〜8hPaの範囲の圧力が、アルゴリズム開始圧に対して提供されることが好ましい。低呼吸状態が検出される場合、たとえば、1mbarというかなり小さな圧力ステージの圧力増加が存在することが好ましく、その場合、圧力増加ステージの数は、制限されることが好ましい。
【0070】
0.911以上の呼吸安定性指数である流量制限相の場合、それぞれ1mbarの圧力ステージによって、圧力増加が引き起こされる場合がある。たとえば、9分という所定の時間窓内で安定呼吸が検出され、呼吸安定性指数が0.911以上の値である場合に、圧力減少が起こる可能性がある。その場合、たとえば2mbarの圧力減少が許容される。一定の時間期間の間、呼吸ガス圧の変化を抑制するか、又は、この変化をかなり狭い圧力変化領域に制限することも可能である。圧力変化の実施態様は、たとえば、基準の所与の組み合わせが起こったとき、中でも、呼吸が不安定として分類され、且つ、呼吸安定性指数が0.911以下である時に、妨げられる可能性がある。
【0071】
敏感モードにおける呼吸ガス圧調節の動作から、無呼吸状態が所定の時間パターンに従って起こる時に圧力の増加が起こるという結果になる。そのため、たとえば、2分を超える継続時間の呼吸停止が検出されるか、又は、2つの大きな無呼吸状態(少なくとも25秒)又は3つの小さな無呼吸状態(最大25秒)が検出され、その時の呼吸ガス圧が14mbar未満であるかのいずれかの時に2mbarの圧力増加を引き起こすことが可能である。1mbarの値だけの圧力増加は、低呼吸シーケンスが、少なくとも3分の時間間隔にわたって起こる場合に引き起こされる。
【0072】
それぞれの場合における1mbarの圧力増加は、敏感モードにおいて、A回の呼吸の中のA回が流量制限特徴を示し、且つ、呼吸安定性指数が0.911以上であるか、又は、C回の呼吸の中のB回が流量制限特徴を示し、且つ、呼吸安定性指数が0.911以下であるか、又は同様に、D回の呼吸の中のC回が流量制限特徴を示し、且つ、その場合の呼吸安定性指数がまた0.96以下である時に引き起こされる。
【0073】
圧力減少は、敏感モードにおいて、その状況が安定呼吸を含み、その安定呼吸のための期間が少なくとも3分であり、同時に、呼吸安定性指数が0.911以上である時に引き起こされることが好ましい。その場合、最初に2mbarの圧力減少が引き起こされる可能性がある。敏感モードにおいて、相ごとの圧力変化が許容されないことが好ましく、好ましくは狭い圧力変化領域に圧力変化を制限できることが好ましい。特に、呼吸が不安定であるとして分類され、閉塞状態が認識される時に、圧力変化は許容されないことが好ましい。
【0074】
低呼吸相は、3回の通常呼吸終了した後に、少なくとも2回であるが最大3回の大きな呼吸が続く場合に存在すると考えられる。その点に関し、所定の限界値(たとえば、平均呼吸容積の50%)を超える吸気差容積ΔVが存在するはずである。
【0075】
本発明による呼吸ガス流量に関する表示をする信号に従う検討に基づいて、呼吸ガス圧の変化を少なくとも最初は必要としない、呼吸乱れを検出することが可能である。こうした呼吸の乱れは、たとえば、嚥下、咳、口呼吸、呼気性口呼吸、覚醒、及び会話である。
【0076】
本発明に従い呼吸ガス流量について表示する信号を検出し、且つ評価することは、特に、睡眠関連呼吸障害に関する疾患について、人の生理的状態を描写し、且つ可視化するための情報を与えることができる。本発明による信号検出及び評価は、人工呼吸装置の構成のために使用される。本発明による信号検出及び評価はさらに、呼吸ガス供給装置、特に、自己整合式圧力調節を有する増加式圧力人工呼吸装置の実施に利用される。
【0077】
本発明の特定の態様によれば、以下の手法の少なくとも2つが組み合わせて実施される。すなわち、
−呼吸ガス圧は、最初に滴定相、次に検証相が実施されるように、調査の一晩の間に設定される。
−滴定相中に、圧力制御は、圧力制御概念に従って実施され、圧力制御概念は、できる限り情報量が多く且つ正確である呼吸ガス流量信号を検出するように設計される。
−滴定相中の圧力制御は、滴定手法基準によって規定された標準に従って再現性のある方法で実施される。
−滴定手法基準は、高いレベルの統計的確実性を有して、患者の生理的状態の判定又は分類を可能にする測定信号の検出に適応する。
−確定される判定又は分類の結果の統計的確実性の程度が確定される。
−それぞれの呼吸について、呼吸に特有の特徴は、規定の解析手法に従って確定される。
−解析手法は、特に、吸気プロセス、呼気プロセス、上記プロセス間での移行、それぞれの呼吸サイクル内での呼吸ガス流量パターンの曲線特性、或る呼吸内での呼吸ガス流量パターンの特徴の組み合わせ式検討を考慮する。
−一般的な呼吸ファクタが確定される。
−呼吸特徴での差又は時間変化は、患者の生理的状態を評価する時に、確定され且つ考慮される。
−評価結果は、個々の特徴についての複数の相互リンク型検討から生成され、結果は、パラメータ方式で標準化されると、生理的状態又は生理的特性を描写する。
−滴定相中の圧力制御は、患者の生理的状態が高いレベルの情報の重要性を有して確定されるように、自己調節モードにおいて実施される。
−滴定相中の圧力制御は、自己調節モードにおいて、患者の生理的状態が、抵抗のない滴定の高いレベルで確定されるように実施される。
−滴定相中の圧力制御は、自己調節モードにおいて、患者の生理的状態が、時間に対する要件が最低の状態で確定されるように実施される。
−検証相中の圧力制御又は圧力設定は、自己調節モードにおいて、確定される呼吸ガス圧調節概念の妥当性、特に、確定されるCPAP治療圧の妥当性又は正確さが、高いレベルの統計的確実性を有して調べられるように実施される。
−中間評価結果は、規定された標準に従って得られる。
−上述した標準は、中間評価結果を、たとえば、気道弾性、気道閉鎖圧、気道抵抗指数、最大吸気流量、最大呼気流量、及び過換気安全性等の、他の好ましく標準化されたパラメータの患者特性に変換できるように適応する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0078】
本発明のさらなる詳細及び特徴は、図面を参照して、以降の説明から明らかになるであろう。
【0079】
図1aは、圧力を示す非常に簡略された図であり、或る圧力に対して適用される呼吸ガスの連続して続く滴定シーケンス1、2、3にわたって、呼吸マスク装置によって圧力は変えられる。この例では、設定された呼吸ガス圧は、3mbar〜16mbarに延びる範囲にある。ここでは、滴定シーケンス1、2、3に細分される滴定期間Pの総継続時間は、この実施形態では、5時間である。
【0080】
患者に加えられる呼吸ガス圧レベルに関して異なる滴定シーケンスを連続して作動するため、呼吸ガス流量信号から評価特徴を抽出し、相互リンク型検討においてこれらの評価特徴から評価結果を生成することが可能になり、評価結果によって、たとえば、有効なCPAP圧を決めることが可能になり、又は、評価結果が、おそらくは存在する1組の徴候の類型化に寄与する。
【0081】
この変形において、示す実施形態の圧力制御について重要である圧力制御概念によって、それぞれの個々の滴定シーケンスが待ちシーケンスを含み、呼吸ガス流量又は呼吸ガス圧信号はその待ちシーケンスの終了後にだけ考慮される。この実施形態では、個々の滴定シーケンスの継続時間は境界値によって決められ、これらの境界値内で所定の前方向切り換え基準が満たされると、後続の滴定シーケンスへの移行も起こる。これらの基準は、特に、瞬時の呼吸が、乱されているとして分類されるかどうかについての情報を与える基準を含む。瞬時の呼吸が乱されているとして分類される場合、検出される乱れの特徴に応じて、瞬時の滴定シーケンスの残りの継続時間及び/又は次の滴定シーケンスへの圧力の飛び移りを決めることが可能である。特に、無呼吸事象、低呼吸事象、及び流量制限事象は、圧力を増加させる呼吸障害として使用される。好ましくは待ち時間によって決められる個々の滴定シーケンスの最小継続時間によって、呼吸ガス圧の許容できない急速な増加を回避することができる。患者の呼吸ガス流量が、個々の滴定シーケンスに含まれる待ち時間期間の間で評価されることも可能である。呼吸ガス流量の待ち時間内での評価によって確定される評価特徴は、特に、関係する呼吸が、待ち時間の終了後に所定の基準を満足する場合に、さらなる信号処理のための基礎を形成する。
【0082】
図1bは、滴定期間P内での呼吸ガス圧の時間に関するパターンを示し、この場合、図1aに示す実施形態と同様に、呼吸ガス圧は、連続する滴定シーケンス1、2、3…にわたって段階的に増加する。この実施形態の圧力範囲はまた、約3mbarの最小圧から16mbarの最大圧に渡っている。ここに示す実施形態では、それぞれの個々の滴定シーケンスの継続時間は、固定して決められるか、又は瞬時呼吸ガス流量とは関係なしに決められる。換言すれば、圧力は、一定の時間間隔で連続して増加する点で好ましい。
【0083】
図1cはまた、圧力制御概念のさらなる変形に従って変化する滴定期間中の呼吸ガス圧を、時間/圧力チャートの形態で示す。ここで示す圧力制御概念によれば、患者に加えられる呼吸ガス圧は、滴定期間の開始時に、たとえば、16mbarの妥当な最大圧力に設定される。いくつかの連続する滴定シーケンス1、2、3にわたって、呼吸ガス圧は連続して減少し滴定期間Pの終了時に3mbarのレベルになる。
【0084】
図1dは、滴定期間Pについて、本発明による圧力制御概念の第4の変形に従う、呼吸ガス圧の時間に関するパターンを示す。ここで実行される圧力制御概念によれば、手法は、高い呼吸ガス圧レベルから所定の滴定圧への呼吸ガス圧の減少を含み、個々の滴定シーケンス1、2、3のそれぞれの間に、増加した初期圧レベルへの戻りがそれぞれの所定の期間の間で存在する。ここで示す滴定期間Pの継続時間は、たとえば、3〜5時間である。個々の滴定シーケンスの時間の長さは、好ましくは、約18〜32分である。後に続く滴定シーケンスとの間又は中間圧レベルへの戻りの間の呼吸ガス圧の変化は、徐々に起こり、複数の呼吸にわたって延びる。呼吸ガス圧の変化は、特に圧力の増加が、所与の呼吸相中、たとえば、呼気相中にのみ起こるように実施される。
【0085】
図1eは、複数の滴定シーケンスを含む滴定期間の一部を示すタイムチャートを示し、滴定圧は、低い初期圧レベルから段階的に上昇し、それぞれの圧力増加の間に、先行する圧力ステージの初期圧レベルと先行する圧力ステージの目標圧との間にある圧力レベルへの圧力の一時的な低下が存在する。個々の滴定シーケンスt1、t2、…、tnは、その継続時間、調査される呼吸数、又は他の滴定シーケンス長基準に関して固定される。個々の圧力ステージの間で起こる圧力変化は、比較的速く、吸気相から呼気相への移行の間に起こることが好ましい。圧力ステージを有する滴定相TPの終了後に、検証相VLが実現され、検証相VLにおいて、滴定相の間に確定された評価結果に基づいて決められる呼吸ガス圧が設定され、さらなる判定特徴によって、その妥当性に関して評価される。
【0086】
図1fは、複数の滴定シーケンスを有する滴定期間の一部を示すタイムチャートを示し、滴定圧は、低い初期圧レベルから段階的に上昇し、それぞれの圧力増加の間に、先行する圧力ステージの初期圧レベルとその先行する圧力ステージの目標圧との間にある圧力レベルへの圧力の一時的な低下が存在し、圧力変化は、図1eに示す圧力制御概念と比較して、広がった期間にわたって起こる。それぞれの圧力変化は、約10〜15呼吸の間にわたって実施されることが好ましい。図1eに関するさらなる説明が、ここの形態に対応して当てはまる。
【0087】
4つの段階に分割された図2は、4つの代替の形態で先に説明した滴定モード及び以降で本発明に従って述べる治療モードを示す、較正モードに関する詳細を示す。
【0088】
滴定モードの前に実施される較正モード中に、測定用装置及び特に睡眠研究所システムの較正が実施され、並びに、電子評価システムの基本的な構成が提供される。その較正モードは、たとえば30分間にわたって延び、検出システムが、たとえば自己診断を手法として順調であるとして分類されるとすぐ自動的に終了することが好ましい。呼吸ガス圧及び呼吸ガス流量を検出する測定用装置の較正は、呼吸用マスク装置を患者に装着する時点で既に実施されていることが好ましい。
【0089】
較正モードの終了後に、滴定モードの開始が圧力制御概念によって実施される。その滴定モードにおいて、呼吸ガス圧は、図1a〜1dを参照して例として先に述べたように、複数の連続する滴定シーケンスにわたって段階的に変えられる。滴定モードにおいて、所定の評価基準を使用して、呼吸ガス流量の瞬時構成が解析される。これらの評価基準を適用することによって、個々の滴定シーケンスについて、特に、滴定モードで機能する圧力ステージについて、評価特徴を生成することが可能である。これらの評価特徴は、データフィールドに記憶される。確定された評価特徴の組み合わせ解析処理手続によって、存在するであろう任意の一連の徴候に関して指標評価結果が生成される。
【0090】
評価特徴が生成された後、呼吸障害は、呼吸ガス流量及び呼吸ガス圧の解析によって示され、また、血中酸素飽和濃度、患者の体の位置、並びにEEG、ECG及び/又はEOG信号等のさらなる睡眠ポリグラフパラメータも共に示されることが好ましい。
【0091】
構成情報は、確定された評価特徴及び評価特徴から導出された評価結果に基づいて確定され、治療モードは構成情報に従って、その後滴定モードに続いて実施される。
【0092】
その治療モードは、先に述べた滴定モードの次に起こる。治療モードにおいて、患者の呼吸は、特に、呼吸ガス流量信号及び呼吸ガス圧信号の評価によってさらに監視される。この監視結果に基づいて、その後、滴定モードの過程で確定された設定の妥当性を調べることが可能である。治療モードにおいて解明された測定信号の評価によって治療の質を示すこともさらに可能である。
【0093】
滴定モードは、特に、CPAP治療に必要とされ、また、滴定モードに続いて依然として検証されるCPAP圧を確定するように実行される。その状況において、治療モードは、患者に加えられる呼吸ガス圧が、複数の滴定シーケンスにわたって与えられた所与の圧力制御概念に従って連続して増加するように、圧力制御デバイスによって実行される。圧力の増加は、固定して予め決められた時間パターンに従って、又は患者の呼吸に関して表示する信号の連続した解析に基づいても起こる。
【0094】
患者に加えられる呼吸ガス圧は、途切れのない連続する滴定シーケンスにわたって、呼吸障害が起こることが予想されない高圧レベルから、所定の最小レベルへ減らされることも可能である。先に述べた圧力制御概念は、組み合わせて使用されることも可能である。そのため、たとえば、圧力は、複数の滴定シーケンスにわたって妥当な最大レベル(図1a)に連続して上昇し、その後、複数の滴定シーケンスにわたって初期圧レベル(図1c)に再び低下する可能性がある。図1a、図1b、図1c、及び図1dに示す圧力制御概念が組み合わされることも可能である。
【0095】
滴定モードでは、滴定モードで検出された測定信号が、乱れた呼吸に関して、そのモードに含まれる任意の表示に関連して評価されることが好ましい。呼吸の乱れの性質及びおそらく乱れの程度は、評価特徴として蓄積され、その状況で設定される呼吸ガス圧と関連して、特性フィールドに蓄積されることが好ましい。その特性フィールドにおける項目は、同時に、又は後続の評価手法においても、組み合わせて評価される可能性がある。全てが実行される評価動作に基づいて、その後、おそらく存在する一連の徴候に関する指標指数及びおそらく必要とされる治療圧を決めることが可能である。
【0096】
滴定アルゴリズムは、以下の特徴によって特徴づけられることが好ましい。すなわち、
−滴定動作のプロセスは、標準化された圧力制御概念に従って実施される。
−呼吸障害の検出は、標準化された評価基準を適用することによって実施され、したがって、再現性がある。
−呼吸障害の検出は、種々の医療標準に従って選択的に設定される。
−呼吸障害の検出は、流量、圧力、酸素飽和、体の位置、EOG、及びEEGに関する信号からもたらされることが好ましい。
−おそらく患者が必要とする有効治療圧は、記録された測定信号の解析から得られる。
−滴定アルゴリズムは、較正モード及び治療モード又は検証モードに組み込まれることが好ましい。
−調査プロセスでは、滴定モードが、調査の一晩の最初の半分にわたって延びる点で好ましく、患者の残りの睡眠期間において、呼吸ガスの供給が、治療モードとの関連で確定された治療条件下で実施されていることが好ましい。
−滴定モードから治療モード又は検証モードへの変化は、複数の切り換え基準に関連してプログラム制御下で実施される。プログラムの実行は、手動で、半自動で、又は全自動でも決定される。
【0097】
滴定モードにおいて、有効な治療圧を調べることは、所与の間隔及び/又は所与の呼吸数に対して規定の方法で減少する圧力によって影響される。圧力の降下は、参考圧レベルへの戻りを伴う階段関数によって、又は、参考圧レベルへの戻りを伴う相によって実施される。
【0098】
図3は、睡眠関連呼吸障害を有する患者30を調査する装置を示す。患者30は、鼻装着式呼吸マスク31を着用する。その呼吸マスク31によって、少なくとも相ごとに周囲圧力を超える圧力レベルの周囲空気を患者30に供給することが可能である。呼吸ガス流量は、呼吸流量計33によって患者自身のCPAP装置34に連結される柔軟性のある呼吸ガス導管32によってもたらされる。
【0099】
CPAP装置は、空気加湿器35及び内部圧力調節デバイスを備える。内部圧力調節デバイスは、圧力測定ホース36を経由して周知の方法で作用される圧力測定センサを有する。圧力調節デバイスはそのように構成されるため、圧力測定ホースに加えられる圧力を実際の圧力として解釈し、また、設定された参考圧に応じて、CPAP装置のブロアの回転速度を調節する。
【0100】
示す装置では、圧力測定ホース36は、圧力モジュール37に接続される。圧力モジュール37を経由して、規定の圧力が、付属圧力源38を用いて圧力測定ホース36に加えられる。圧力モジュール33によって、圧力測定ホース36を、呼吸マスクにつながる圧力測定ホース部36aに切り換え可能に連結することもさらに可能である。圧力モジュール36及び付属圧力源を用いて、CPAP装置34のブロアの回転速度が、装置の内部にある調節システムに介入することなく制御されること、したがって、それぞれ所望の滴定シーケンス圧レベルに圧力を調整することが可能になる。その代替として、CPAP装置のインタフェースが利用可能である時に、データライン39を経由して滴定制御ユニット40にインタフェースを結合することも可能である。CPAP装置が、十分に正確なガス流量測定デバイス及びガス圧測定デバイスを有する場合、部品33、37、及び38は取り除かれ、対応する測定信号は、CPAP装置によって直接得られる。
【0101】
処理データ及び測定データの取得は、先に述べた圧力制御概念に従って、滴定制御ユニット40によって実施される。
【0102】
取得された測定データは、プログラム実施式評価手法によって連続して評価される。連続して確定される点で好ましく、おそらく連続して改善される可能性があり、特に、CPAP装置について適した動作設定であると考えられる評価結果はおそらく、表示デバイス41上に、特に関連する呼吸パターンと共に表示される。たとえば、キーボード及び/又はマウスの形態の入力デバイス42によって、信号滴定の進行及び測定値の取得に影響を与えることが可能である。
【0103】
滴定モードが実施された後、示される装置は、滴定モードにおいて確定された設定で動作する。呼吸ガス圧設定の特質は、特に特性値によって表され、且つ表示される。
【0104】
特に、個々の滴定シーケンスにおける呼吸の分類及び自動的判定に関するさらなる詳細が、以降の説明から明らかになるであろう。
【0105】
呼吸ガス流量の時間に関する構成に対する図4aに示す呼吸1は、吸気相I及び呼気相Eを含む。吸気相と呼気相の間の呼吸相境界Gを確定することは、特に、瞬間的な現行の呼吸パターン、呼吸ガス流量の極値、及び確定された呼吸容積パターンに関連して、また、先行する呼吸の呼吸相期間に関連して、複数の曲線考察基準の評価を重ね合わせることによって実施される。図4aに示す呼吸ガス流量の構成は、乱れのない呼吸における呼吸ガス流量パターンを表す。
【0106】
呼吸評価は、時間に関する状態に基づいて成立する。時間とは、例えば、互いに相対的である呼気時間と吸気時間、又は、総呼吸長などの他の特性と相対的である呼気時間と吸気時間とのことである。本発明の特に好ましい実施形態では、吸気時間と総呼吸長との率は、呼吸の変化を検出するために計算される。
【0107】
図4bは、長い時間窓にわたる呼吸ガス流量の構成を示す。この図を見てわかるように、個々の呼吸は、特に、この状況で起こる最小/最大という点から見ると異なる。この図にプロットされた水平ライン2は、吸気相の間で統計的に考えられた最も高い確率で起こる最大呼吸ガス流量を明確に特徴付ける。さらに、複数回の呼吸(好ましくは10回の呼吸)にわたる吸気時間、呼気時間及び総呼吸時間の統計的解析が実施される。
【0108】
図4cは、呼吸ガス圧に関して表示する信号の時間に関するパターンを示し、その信号は、いびきによって引き起こされる振動シーケンス3a、3b、3c、3d、及び3eを有する。いびきによって引き起こされる圧力変動は、患者に近接する圧力検出デバイス、たとえば、呼吸ガス圧測定ホースによって検出される。この種の圧力変動は、マイクロフォンデバイスによって、又は呼吸ガス送出デバイスの電力吸引に基づいても検出される。
【0109】
図4dは、呼吸停止期間5によって妨げられた複数の呼吸1についての呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示す。呼吸ガス流量に基づいて検出された呼吸停止期間5は、たとえば10秒という所定の限界値を超える継続時間であり、したがって、無呼吸相として分類される。この説明で検出される呼吸停止期間5以前の呼吸、及び後続の呼吸の両方が、それぞれの呼吸に関連してプロットされる流量制限特徴を示す。
【0110】
図5は、呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示し、低呼吸相6がそこに含まれる。低呼吸相6は、正常であるとして分類される3つの呼吸1が、最大3回であるが少なくとも2回の大きな呼吸を伴う場合に存在すると考えられ、その吸気差容積は、3回の先行する呼吸と比較すると、所定の限界値を超える。
【0111】
図6は、複数の呼吸についての、呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示し、ここで視認できる最初の4回の呼吸1は、流量制限特徴を示す。これらの流量制限特徴は、内部に形成される平坦域7及び複数の極大値8によって、示される呼吸ガス流量の構成において認識される。示される呼吸では、流量制限特徴は、各呼吸1の吸気相でそれぞれ起こる。ここで示す最初の4回の呼吸1の後に、部分的に依然として流量制限され、低呼吸相と関連し、部分的に依然として流量制限特徴を示す3回の呼吸14が続く。
【0112】
図7は、安定しているとして分類される呼吸期間における呼吸ガス流量のパターンを示す。呼吸ガス流量、呼吸レート、振幅及びパターンは、時間範囲として又は呼吸数によっても規定される所定の範囲内で規則的である。ここで示す呼吸ガス流量の構成では、呼吸安定性は、0.86の呼吸安定性限界値を超える。さらに、吸気時間/呼気時間及び総呼吸時間の統計的解析は、複数の呼吸(好ましくは10回の呼吸)にわたって実施される。ここで示される安定呼吸相中には呼吸障害(OSA)は起こらない。
【0113】
図8は、複数の呼吸についての、呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示し、呼吸流量は、示される時間セクションの間では不規則であり、いくつかの呼吸について呼吸障害(OSA)が起こる。さらに、吸気時間/呼気時間及び総呼吸時間の統計的解析は、複数の呼吸(好ましくは10回の呼吸)にわたって実施される。ここで示す実施形態では、呼吸安定性指数は、0.911の限界値未満である。
【0114】
図9は、呼吸ガス圧信号と共に呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示す。呼吸ガス圧信号は、本例では、吸気いびきと関連しうる相ごとの高周波振動を含む。
【0115】
図10は、複数の呼吸についての、呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示し、呼吸は、相が不規則であり、時間T1の瞬間から、たとえば、マスク漏出によって、又は、口が開けられることによって引き起こされる乱れが存在する。口呼吸又はマスク漏出によるシステムの乱れの示度として判定される所定の限界値が、時間T1から超えられる。
【0116】
患者の生理的状態について表示する評価結果の本発明による生成は、過剰圧人工呼吸において呼吸ガス圧を制御するのに使用される。その種類の使用の状況は、以降で、図11〜図21を参照して述べられる。患者への呼吸ガスの供給は、可変に調整可能な圧力レベルで呼吸ガスを提供する呼吸ガス源に、呼吸ガスホースを経由して接続される鼻装着式呼吸マスクを使用して実施される。その呼吸ガス供給装置は、呼吸ガス圧に関する表示をする信号を生成する圧力検出デバイスと、呼吸ガス流量に関する表示をする信号を検出する呼吸ガス流量検出デバイスとを含む。呼吸ガス流量に関する表示をする信号は、所定の評価システムを使用して評価特徴を生成する評価デバイスによって解析される。これらの評価特徴は、相互リンク型の点から考察され、所定の相互リンク型基準が満たされると、評価特徴は、呼吸ガス圧の変化又は患者の分類のための詳細をもたらす。
【0117】
呼吸ガス流量に関する表示をする信号の図11に示すパターンの、ここで示される10番目の呼吸後では、無呼吸相として分類される最初の呼吸乱れが存在し、その継続時間は約15秒である。その無呼吸相が終了すると、部分的に流量制限特徴を有する一連の呼吸に続く。これらの部分的に流量制限された呼吸が終了すると、呼吸の乱れる第2相が続き、第2相は、無呼吸相として分類され、同様に15秒間にわたる。その第2無呼吸相が終了すると、部分的に流量の制限を表示する特徴を有する複数(ここでは、6回)の呼吸が続く。その呼吸シーケンスが終了すると呼吸が乱れる相が続き、この相は、ここでは、第3無呼吸相として分類される。その第3無呼吸相に続いて、3回の呼吸が存在し、その呼吸容積は、順応して適応した限界値を超え、したがって、3回の呼吸は、低呼吸相と関連する。上述した3つの無呼吸相の特有の発生、互いに対する無呼吸相の時間に関する間隔に起因して、及び第3無呼吸相に続く低呼吸相を考慮することによって、相互リンク型基準が満たされ、それ故に、これまで調整された呼吸ガス圧を過剰に低いと判定し、また、2mbarの圧力レベルだけの圧力増加を引き起こす評価結果が生成される。呼吸ガス圧が11mbarの圧力に増加した後に起こる呼吸は、その中に含まれる特徴に関してさらに解析され、より大きな時間窓にわたって相互リンク型において考えられる。
【0118】
図12は、呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示し、検出された呼吸流量信号の評価によって、流量制限された呼吸が検出され、正常であるとして分類される呼吸が発生するまで、所定の時間間隔で連続して、呼吸ガス圧の増加がもたらされる。
【0119】
呼吸ガス流量に関する表示をする信号について図13に示す構成では、最初の呼吸シーケンスが安定呼吸シーケンスとして分類され、所定の期間にわたって続く安定呼吸状態によって、呼吸ガス圧の減少がもたらされる。その減少した呼吸ガス圧で生成され、呼吸ガス圧に関する表示をする信号によって、部分的に流量制限された呼吸についての結論が引き出される。
【0120】
この呼吸において検出される流量制限特徴に関連して、呼吸ガス圧が再び増加する。しかしながら、新たな呼吸ガス圧レベルは、少なくとも一時的に、安定した呼吸が以前に検出された圧力レベル未満である。
【0121】
呼吸ガス流量に関した表示をする信号について図14に示すパターンは、複数の無呼吸相を示し、部分的に後続の低呼吸相を有する。互いに対する無呼吸相と低呼吸相の時間に関する位置から、現行の呼吸ガス圧が不適切であるとして分類され、呼吸ガス圧の増加をもたらす評価結果が導かれる。
【0122】
呼吸ガス流量に関した表示をする信号について図15に示すパターンは、低呼吸シーケンスとして分類される可能性がある3つの呼吸シーケンスを示す。互いに対する低呼吸シーケンスの時間に関する位置から、現行の呼吸ガス圧が不適切であるとして分類され、呼吸ガス圧の増加をもたらす評価結果が導かれる。呼吸ガス圧の増加後に、呼吸ガス流量に関した表示をする信号の構成は、正常であるとして分類される呼吸を表す。
【0123】
図16は、呼吸ガス流量に関した表示をし、個々の呼吸について流量制限特徴を示す信号のシーケンスを示し、吸気いびきとして分類される可能性がある振動が、呼吸ガス圧信号における呼吸の流量制限特徴の発生と同時に起こる。
【0124】
呼吸ガス圧信号において検出される振動と共に個々の呼吸において起こる流量制限特徴は、現行の呼吸ガス圧を不適切であるとして表示し、その結果として呼吸ガス圧の増加をもたらす評価結果を導く。
【0125】
呼吸ガス圧の増加後に検出される呼吸は、正常呼吸作用の呼吸として分類される。
【0126】
正常呼吸の状態が、図17に示すように、所定の期間にわたって持続するとすぐに、呼吸ガス圧は、たとえば、2mbar減少する。個々の呼吸において流量制限特徴が検出される限りは、その減少した呼吸ガス圧レベルは維持される。その圧力レベルにおいて、正常であるとして分類される呼吸が所定の期間にわたって起こる場合は、呼吸ガス圧はさらに減少する。
【0127】
正常呼吸のその相後に、呼吸ガス圧は、図18に示すようにさらに減少する可能性がある。検出される個々の呼吸において、さらに減少したその呼吸ガス圧で流量制限特徴が生じる場合、個々の呼吸について確定された呼吸特徴の相互リンク型検討に基づいて、呼吸ガス圧が再び増加される。
【0128】
図18は、たとえばマスク漏出によって引き起こされるシステムの乱れがある場合の、呼吸ガス流量に関した表示をする信号の構成をさらに示す。その状況で検出される呼吸ガス圧降下、及び、それと同時に起こる呼吸ガス流量の上昇によって、瞬間的なシステムの状態を乱れているとして判定する評価結果の生成がもたらされる。マスク漏出として分類された乱れがある場合に、乱れの発生が続くときまでに現行の呼吸ガス圧が実質的に維持されるように呼吸ガス源の送出出力が合うように、本発明によるシステムは適応される。
【0129】
図19の図を見てわかるように、たとえば、一時的な呼吸マスクの変位によって起こっておりマスク漏出として分類されるシステムの乱れは、たとえば、患者の頭の位置を変えた後に再び除去され、システムの乱れの間に同様に維持された呼吸ガス圧下で呼吸が続けられる。呼吸ガス流量を表示する信号に基づいて、図20を見てわかるように、口呼吸を含む状況であるかどうかを確定することも可能である。
【0130】
図21は、呼吸ガス流量に関した表示をする信号Sの時間に関する構成を示す。その信号は、たとえば10〜500Hzの間のサンプリング周波数で、動的圧力測定ロケーションに接続された圧力センサによって、たとえば、いわゆる未処理データ信号として記録される。未処理データ信号Sは、内部で実施される近似手法、たとえば、高速フーリエ解析の形態の級数展開、(たとえば)MP3圧縮、圧縮形態のラプラス級数展開、二項級数展開、相関級数展開、その他の圧縮形態等を使用して、近似システム20によって記録される。
【0131】
信号Sの圧縮されたであろう未処理データは、データシーケンスD内に記録される。
【0132】
データシーケンスDでは、複数の評価システム21を使用して、評価特徴Mがさらに生成され、その特徴は、たとえば、一定の呼吸の特性又は期間の特性を表す。
【0133】
信号Sの圧縮されたであろう未処理データ及び/又は評価特徴Mに基づいて、評価特徴Mが相互リンク型検討に委ねられることによって、結果生成ステップにおいて、少なくとも1つの評価結果が生成される。
【0134】
本発明によるシステムの使用を含む呼吸ガス圧を設定する状況では、評価結果のうちの1つは、たとえば、瞬時呼吸ガス圧を、適切であるか、低過ぎか又は高過ぎると特定する信号である。呼吸ガス圧に関して必要とされるであろう変化の値は、さらなる評価結果として確定される。呼吸ガス圧を2レベル圧制御で設定し、且つ同期化するための調節用パラメータはまた、評価結果として確定される。
【0135】
評価特徴Mの相互リンク型検討は、ブール演算の組み込みによって実施されることが好ましい。この検討では、ブール変数A1、A2、B1、…、E2、…は、個々の評価特徴Mから、及び/又は、たとえば、評価特徴グループa1、a2、b1、c2などの評価特徴Mの組み合わせ式評価によって、生成される。評価結果は、複数のOR相互リンク型演算システムの結果である可能性がある。
【0136】
評価結果に基づいて、たとえば、圧力変化値及び類型化指数(FLI、いびき指数、…)等の所望の情報を生成するのに使用される未処理データセット又は評価特徴セットを選択することが可能である。
【0137】
近似システム20、評価システム21、並びに、評価特徴Mの相互リンク型検討及びブール変数の予備生成のためのシステムは、プログラムデータセットによって構成されるコンピュータデバイスによって与えられることが好ましい。
【0138】
評価結果は、データ後処理手法のフレームワークで生成されるか、又は、呼吸ガス圧の設定又は圧力制御システムの構成時に、リアルタイムか又は十分に近い時間関係で使用される可能性がある。
【0139】
評価結果は、圧力制御アルゴリズムに都合がよい形に作られ、圧力制御アルゴリズムは、呼吸ガス圧調節手法において、その反応作動に関して異なる少なくとも2つの圧力調節モードを与えるようなものであることが好ましい。そのため、呼吸ガス圧制御システムを、所与の事象又は事象の合計が呼吸ガス圧の増加をもたらすベースモードで作動させることが可能である。
【0140】
敏感モードにおいて、圧力制御は、わずかな遅延で検出されるであろう事象に反応するように実施されることが可能である。その敏感モードは、安定呼吸相(RS≧0.911)後などに、特に、呼吸ガス圧が減少した時に設定される。
【0141】
ベースモードによれば、2回の大きな無呼吸又は3回の小さな無呼吸が起き、呼吸ガス圧が14mbar未満であるか、又は、たとえば2分の所定の継続時間を超える呼吸停止が検出される時に、圧力増加が起こることが好ましい。その場合、2mbarだけの圧力増加が生じる。
【0142】
ベースモードでは、3つの低呼吸シーケンスが所定の連続した時間で検出される時に、1mbarだけの圧力増加が生じることが好ましい。1mbarの圧力レベルの圧力増加は、呼吸安定性指数が0.911以上である状態で、流量制限が、B回の呼吸の中のA回か、又は同様に、D回の呼吸の中のC回で起こる時に生じることが好ましい。
【0143】
ベースモードは、さらに、呼吸安定性指数RSが0.911以上の状態で少なくとも9分間にわたって安定呼吸が起こる時に圧力減少を引き起こすように適応することが好ましい。その場合、2mbarの圧力減少が生じることが好ましい。ベースモードにおいて、特に、呼吸安定性指数が0.911以下であり、且つ、個々の呼吸においてその場合に検出される制限現象が所定の深刻さ基準を超えない時に、圧力の変化は抑制される。
【0144】
敏感モードにおける、たとえば2mbarの呼吸ガス圧の増加は、2回の大きな無呼吸又は3回の小さな無呼吸が起こり、且つ、呼吸ガス圧が14mbar以下である時に生じる。3つの低呼吸シーケンスが起こる時、1mbarの呼吸ガス圧の増加が起こる。
【0145】
調査される呼吸における流量制限特徴の発生の後であって、B回の呼吸の中の4つの呼吸が流量制限特徴を有し、且つ、呼吸安定性指数が0.87以上である時に、1mbarの呼吸ガス圧の増加が生じる。1mbarの呼吸ガス圧の増加はまた、D回の呼吸の中のC回の呼吸が流量制限特徴を有し、且つ、呼吸安定性指数が0.911以下である時に生じる。B回の呼吸の中のD回の呼吸が流量制限特徴を有し、且つ、呼吸安定性指数が0.911の値未満である場合、1mbarの呼吸ガス圧の増加はまた、敏感モードで起こる。
【0146】
安定呼吸が3分間にわたって起こり、且つ、呼吸安定性指数が0.911以上である時に、敏感モードにおいて、呼吸ガス圧の減少が既に起こっている。その場合、呼吸ガス圧は、たとえば、2mbarだけ減少する。
【0147】
上述したベースモードの場合とも同様に、呼吸が不安定であるとして分類され、且つ、呼吸安定性指数が0.911以下で、ある個々の呼吸において流量制限特徴が検出される場合は、敏感モードにおいて圧力変化は生じない。
【0148】
通常モードとさらに敏感モードの両方において、少なくとも、呼吸ガス圧がたとえば14mbarの限界値未満である時には、嚥下、咳、口呼吸、特に、呼気口呼吸、覚醒、及び会話等の事象が、呼吸ガス圧の変化を生じないことが好ましい。
【0149】
相互リンク型検討は、たとえば、圧力変化をもたらすことができる。相互リンク型検討はまた、関連する測定データが検討によって選択される手法によって、患者に典型的な指数の計算をもたらすことができる。関連する測定データは、各指数に関連し、情報を提供するための大きな能力を有する患者調査において確定された。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1a】個々の滴定シーケンスの継続時間が動的に適応する複数の滴定シーケンスを含む滴定期間を示すタイムチャートである。
【図1b】前もってその継続時間について決められる滴定シーケンスを有する本発明による滴定方法の第2の変形を示すタイムチャートである。
【図1c】滴定圧は高圧レベルから段階的に減少し、個々のステージの時間に関する長さは圧力制御概念に従って決められる、複数の滴定シーケンスを有する滴定期間の一部を示すタイムチャートである。
【図1d】複数の滴定シーケンスに細分された滴定期間の一部を示す図である。
【図1e】滴定圧は低い初期圧レベルから段階的に増加し、それぞれの圧力増加の間で、先行する圧力ステージの初期圧レベルと先行する圧力ステージの目標圧の間にある圧力レベルへの圧力の一時的な低下が存在する、複数の滴定シーケンスを有する滴定期間の一部を示すタイムチャートである。
【図1f】滴定圧は、低い初期圧レベルから段階的に上昇し、それぞれの圧力増加の間に、先行する圧力ステージの初期圧レベルと先行する圧力ステージの目標圧の間にある圧力レベルへ圧力の一時的な低下が存在し、圧力変化は、図1eに示す圧力制御概念と比較してより広範な期間にわたって起こる、複数の滴定シーケンスを有する滴定期間の一部を示すタイムチャートである。
【図2】較正モード、滴定モード、及び検証モードにおける圧力制御を示す外観図である。
【図3】本発明による信号滴定のための本発明による装置を示す略図である。
【図4a】ある特定の呼吸についての呼吸ガス流量を示す図である。
【図4b】複数の呼吸についての呼吸ガス流量の時間に関するパターンを記述する図である。
【図4c】いびきによって引き起こされた個々の圧力振動を有する呼吸ガス圧の時間に関するパターンを表す図である。
【図4d】無呼吸期間によって妨げられた複数の呼吸についての呼吸ガス流量の時間に関するパターンを表す図である。
【図5】低呼吸事象を有する呼吸ガス流量の時間に関するパターンを表す図である。
【図6】部分的に流量制限された複数の呼吸についての呼吸ガス流量の時間に関するパターンを表す図である。
【図7】ほぼ乱れのない安定呼吸の場合の呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示す図である。
【図8】不安定な乱れた呼吸の場合の呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示す図である。
【図9】呼吸ガス流量の時間に関するパターン、及び、同時に、それと関連して、いびきによって引き起こされた圧力信号振動がその中で起こる呼吸ガス圧のパターンを表す図である。
【図10】たとえば、口呼吸又はマスク漏出によって引き起こされるシステムの乱れがある場合の呼吸ガス流量の時間に関するパターンを表す図である。
【図11】呼吸パターンの検出及び相互リンク型検討に関連して引き起こされる呼吸ガス圧変化を説明する図である。
【図12】呼吸ガス流量の時間に関するパターン、及び、呼吸ガス流量に基づいて実施される呼吸ガス圧の変化を説明する図である。
【図13】呼吸ガス流量の時間に関するパターンと、それに併せて、上記ガス流量に基づいて引き起こされる呼吸ガス圧変化を説明する図である。
【図14】呼吸ガス流量の時間に関するパターンと、それに併せて、その呼吸ガス流量に基づいて引き起こされる呼吸ガス圧の変化を説明する図である。
【図15】低呼吸シーケンスがその中で検出され、呼吸ガス圧変化が上記低呼吸シーケンスの検出に基づいて引き起こされる呼吸ガス流量の時間に関するパターンを説明する図である。
【図16】流量が制限された呼吸がその中で起こっている、呼吸ガス流量の時間に関するパターンを示す図、及び、呼吸ガス流量に関して設定された呼吸ガス圧を説明するグラフである。
【図17】呼吸ガス流量の時間に関するパターンと、それに併せて、その場合に得られる呼吸ガス圧とを説明するグラフである。
【図18】呼吸ガス流量の時間に関するパターンと、それと共に、その場合に得られる呼吸ガス圧と併せて、そのガス流量で起こる正常呼吸相、流量が制限された呼吸相、後続の低呼吸相、及びマスク漏出によって引き起こされた乱れた相とを説明する図である。
【図19】呼吸ガス流量の時間に関するパターンと、それに併せて、その場合に得られる呼吸ガス圧とを説明する図である。
【図20】正常呼吸シーケンス及び付加的な口呼吸を有する後続のシーケンスについての呼吸ガス流量の時間に関するパターンを説明する図である。
【図21】人の呼吸に関連する測定信号に基づいて、患者の生理的状態に関して特有の評価結果の生成を説明する図であり、評価特徴は、複数の評価システムを使用して上記測定信号から生成され、少なくとも1つの評価結果は、評価特徴が相互リンク型検討に委ねられることによって、評価特徴に基づく結果生成ステップにおいて生成されることを説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の呼吸に関連する測定信号に基づいて前記人の生理的状態について特有の評価結果を生成する方法であって、評価特徴は複数の評価システムを使用して前記測定信号から生成され、少なくとも1つの評価結果は、相互リンク型検討に委ねられる前記評価特徴によって、前記評価特徴に基づく結果生成ステップにおいて生成され、前記測定信号は、患者に加えられた呼吸ガス圧レベルに関して異なる滴定シーケンスにおいて検出され、前記評価特徴又は前記評価結果の少なくとも一部の前記生成は、前記各滴定シーケンス圧を考慮して達成されることを特徴とする評価結果を生成する方法。
【請求項2】
前記滴定シーケンス圧は、滴定シーケンス内で実質的に一定であることを特徴とする請求項1に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項3】
前記滴定シーケンス圧は、滴定シーケンス内で圧力制御概念に従うことを特徴とする請求項1に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項4】
前記滴定シーケンスの時間に関する長さは、シーケンス長基準によって決定されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項5】
前記シーケンス長基準は、最小継続時間の基準を含むことを特徴とする請求項4に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項6】
前記シーケンス長基準は、最小呼吸数に関する基準を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項7】
前記シーケンス長基準は、閉塞インジケータを含むことを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項8】
前記シーケンス長基準は、前方向切り換え基準を含むことを特徴とする請求項4から7までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項9】
滴定シーケンス内の圧力制御は、所与のインジケータの検出に適合され、前記インジケータに含まれるのは、中枢性呼吸障害及び/又は閉塞性呼吸障害及び/又は患者特有の呼吸パターンのためのインジケータであることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項10】
無呼吸インジケータが前記インジケータのうちの一つであることを特徴とする請求項9に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項11】
低呼吸インジケータが前記インジケータのうちの一つであることを特徴とする請求項9又は10に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項12】
流量制限インジケータが前記インジケータのうちの一つであることを特徴とする請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項13】
前記滴定シーケンスの作動は、シーケンス制御概念に従って実施されることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項14】
前記シーケンス制御概念が連続して上昇する圧力ステージの少なくとも1つの期間を含むか、又は、前記シーケンス制御概念が連続して下降する圧力ステージの少なくとも1つの期間を含むことを特徴とする請求項13に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項15】
前記シーケンス制御概念は、複数の滴定シーケンスに異なる滴定シーケンス圧を提供し、前記滴定シーケンス圧の作動に関連して中間相圧が生じ、この場合に、前記呼吸ガス圧レベルは、先行する滴定シーケンスと後続の滴定シーケンスとの滴定シーケンス圧より高いレベルにあることを特徴とする請求項13に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項16】
前記中間相圧はそれぞれ、同じ各圧力レベルにあることを特徴とする請求項15に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項17】
前記中間相圧は、期待される適切な治療圧にあることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項18】
前記シーケンス制御概念は、滴定期間及び前記滴定期間に続く検証期間にわたっていることを特徴とする請求項13から請求項17までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項19】
前記評価結果の適応性調査又は妥当性調査は、検証期間中に実施されることを特徴とする請求項18に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項20】
前記検証期間において、患者特有の圧力制御構成の適切な検査が実施されることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項21】
前記評価特徴に主に含まれる特徴寄与部は、前記相互リンク型検討に提供される相互リンク型時間窓より短い生成時間窓内で生成されることを特徴とする請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項22】
閉塞性、中枢性、及び/又は複合型呼吸障害に関する前記患者の生理的類型化は、前記相互リンク型検討に基づいて実施されることを特徴とする請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項23】
構成データネットワークは、呼吸ガス供給デバイスの呼吸ガス圧調節の前記構成のために、前記相互リンク型検討に基づいて生成されることを特徴とする請求項1から請求項22までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項24】
前記評価特徴は、呼吸安定性基準に基づいて生成されることを特徴とする請求項1から請求項23までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項25】
前記評価特徴は、統計評価手法に基づいて生成されることを特徴とする請求項1から請求項24までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項26】
前記評価特徴は、特徴フィールドとして生成されることを特徴とする請求項1から請求項25までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項27】
正常呼吸相長及び/又は正常な呼吸に固有の特徴及び/又は規則的又は不規則的呼吸相長のための特徴及び/又は規則的及び/又は不規則的特徴、固有の評価特徴は、前記評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項26までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項28】
流量制限相長及び/又は流量の制限に固有の特徴又は、閉塞性呼吸障害のためのデータセット及び/又は特徴及び/又は閉塞性に固有の特徴は、前記評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項27までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項29】
無呼吸相長及び/又は無呼吸に固有の特徴又はデータセットは、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項28までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項30】
いびき相長及び/又はいびきの相に固有の特徴は、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項29までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項31】
中枢性及び/又は複合型呼吸障害の発生に関した、又は、中枢性呼吸障害の中心又は複合型呼吸障害の中心への継続時間の割合に関した、又は中枢性呼吸障害の中心又は複合型呼吸障害の中心の配分の割合に関した表示をする特徴は、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項30までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項32】
チェーンストークス相長についての特徴、チェーンストークスに固有の特徴又はデータセットは、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項31までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項33】
周期的プロセスに関する特徴、たとえば、周期的プロセスの相長は、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項32までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項34】
低換気相長についての特徴又は過換気に固有の特徴あるいはデータセットは、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項33までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項35】
呼吸に特有の時間に関する特徴、たとえば、吸気時間、呼気時間及び全体サイクルに関する特徴は、評価特徴として確定されることを特徴とする請求項1から請求項34までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項36】
吸気及び呼気の最大呼吸容積流量に関する特徴は、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項25までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項37】
吸気及び/又は呼気の口呼吸を表示する特徴は、評価特徴として確定されることを特徴とする請求項1から請求項36までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項38】
肺吸引の容積を表示する特徴又は肺吸引の容積を表示するデータセットは、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項37までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項39】
体の位置を表示する特徴又は体の位置を表示するデータセットは、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項38までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項40】
睡眠の相に固有の特徴又は睡眠の相に固有のデータセットは、評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項39までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項41】
滴定に固有の特徴、たとえば、滴定モード相、又は滴定に固有のデータセット、あるいは、滴定に固有の滴定測定値は、評価特徴として使用されることを特徴とする請求項1から請求項40までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項42】
前記滴定シーケンスの特別な間隔又は前記滴定シーケンスの特別なデータセットは、前記評価特徴として生成され、又は前記特徴として記録されることを特徴とする請求項1から請求項41までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項43】
漏出の割合又は漏出の程度に関する特徴は、前記評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項42までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項44】
漏出時間は、前記評価特徴として記憶されることを特徴とする請求項1から請求項43までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項45】
前記滴定の差圧は、前記評価特徴として記憶されることを特徴とする請求項1から請求項44までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項46】
前記開始時の滴定圧力及び/又は終了時の滴定圧力は、前記評価特徴として、確定され、且つ、又は記録されることを特徴とする請求項1から請求項45までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項47】
滴定圧力パターンは、前記評価特徴として記憶されることを特徴とする請求項1から請求項46までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項48】
検出された呼吸障害に依存する吸気流量図又は吸気圧力図は、前記評価特徴として生成されることを特徴とする請求項1から請求項47までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項49】
生成された評価特徴は、測定信号取得期間の時間に関する前記評価特徴の位置の関連性と共に記憶されることを特徴とする請求項1から請求項48までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項50】
流量制限指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項49までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項51】
無呼吸指数又は低呼吸指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項50までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項52】
いびき指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項51のいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項53】
口呼吸指数又は鼻呼吸指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項52までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項54】
睡眠時間指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項53までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項55】
睡眠相指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項54までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項56】
周期的呼吸指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項55までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項57】
呼吸容積指数は、前記相互リンク型検討において生成されることを特徴とする請求項1から請求項56までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項58】
前記相互リンク型検討において、前記評価特徴は、前記それぞれの相互リンクについて決定される重要性と共に考慮されることを特徴とする請求項1から請求項57までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項59】
前記評価特徴は、v測定値に基づいて生成されることを特徴とする請求項1請求項58までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項60】
前記評価特徴の少なくとも一部は、前記呼吸ガス流量の時間に関する前記構成の1次導関数及び/又は2次導関数を考慮して生成されることを特徴とする請求項1から請求項59までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項61】
v信号の検出に関連して、前記患者に流れる前記呼吸ガスの圧力は、周囲圧力に対応することを特徴とする請求項1から請求項60までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項62】
前記v信号の検出に関連して、前記呼吸ガス圧は、前記周囲圧力と異なる圧力レベルに設定されることを特徴とする請求項1から請求項61までのいずれか1項に記載の評価結果を生成する方法。
【請求項63】
人の呼吸に関連する測定信号に基づいて前記呼吸する人の生理的状態に関して特有の評価結果を生成するための装置であって、複数の評価システムを提供するための測定信号入力デバイス及びコンピューティングデバイスを備え、前記コンピューティングデバイスは、前記評価システムによる前記測定信号から評価特徴を生成するように構成され、前記評価特徴は、前記評価特徴に基づく結果生成ステップにおいて相互リンク型検討に委ねられ、前記評価結果を含む出力信号又は出力データセットは前記相互リンク型検討に基づいて生成され、前記測定信号は、前記患者に加えられた呼吸ガス圧レベルに関して異なる滴定シーケンスで検出され、前記評価特徴又は前記評価結果の少なくとも一部の前記生成は、前記各滴定シーケンス圧を考慮して実施されることを特徴とする評価結果を生成する装置。
【請求項64】
人の生理的状態に関する滴定期間で、前記人の呼吸に関連する測定信号に基づいて特有の評価結果が得られる、CPAP装置の患者特有の構成のための方法であって、評価特徴は、複数の評価手法を使用して前記測定信号から生成され、前記CPAP装置の前記患者に固有の設定は、前記評価特徴に応じて実施され、前記滴定期間に続いて前記CPAP装置の動作は、適切であると確定される治療条件下で実施され、滴定モード制御で、呼吸ガス圧の制御はプログラム制御下の圧力調節概念に従って実施され、このことが、前記患者に加えられる前記呼吸ガス圧レベルに関して異なる滴定シーケンスにおいて前記測定信号が検出されるように、異なる呼吸ガス圧レベルの設定をもたらし、前記評価特徴の少なくとも一部の前記生成は、前記それぞれの滴定シーケンス圧を考慮して実施されることを特徴とする方法。
【請求項65】
前記滴定期間は、前記患者の睡眠期間の最初の30%にわたっていることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記滴定期間及び後続の検証期間は、睡眠研究所の前記患者が滞在する間に実行されることを特徴とする請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記滴定期間は、前記治療のために提供される前記CPAP装置を使用して導入されることを特徴とする請求項64から請求項66までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記治療装置は、少なくとも前記滴定期間中に、複数の滴定シーケンス圧レベルを作動させるための圧力制御概念に従って前記装置の作動を引き起こす制御ユニットに結合されることを特徴とする請求項67に記載の方法。
【請求項69】
患者に特有の有効な治療圧は、滴定方法によって確定されることを特徴とする請求項64から請求項68までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
呼吸に関連する疾患の予後についての判定の基礎は、前記滴定方法によって与えられることを特徴とする請求項64から請求項69までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
評価結果は前記滴定方法によって生成され、その結果は、閉塞性、中枢性、及び/又は複合型呼吸障害、あるいは、治療推奨の提供に関しての患者の分類又は判定を可能にすることを特徴とする請求項64から請求項70までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
標準化され、且つ、プロトコル化された診断手法は、前記滴定方法によって行われることを特徴とする請求項64から請求項71までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
前記評価特徴は、医療が規定する種々の標準判定に変えられることを特徴とする請求項64から請求項72までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
判定の基礎は、(実際の疾患の前に)生成され、診断され、又は、予後判定されることを特徴とする請求項64から請求項73までのいずれか1項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2006−520227(P2006−520227A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504713(P2006−504713)
【出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002781
【国際公開番号】WO2004/082751
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(502257591)エムアーペー メディツィンテクノロジー ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (3)
【Fターム(参考)】