説明

短期就労者・パート・アルバイトの補償方法

【課題】
短期就労者の労働災害事故の補償算定は出勤時間・出勤日数で算定するものであるが、勤務体制が流動的であるためと、雇用側の管理休制も曖昧で社会的な制度も厳守されていないのが実情である。
【解決手段】
個人識別手段1により個人識別データをデータベース6に記憶させ、個人識別データに出退勤管理手段3の出退勤データを蓄積させ、データベース6の個人識別データ及び/又は出退勤データはIDカード2を用いて別の企業の出退勤管理手段を介してデータ表示手段に表示させることを可能とし、IDカードを用いて別の出退勤管理手段からの出退勤データを個人識別データに蓄積することを可能とし、労働災害事故が発生した場合に予め設定された救済補償条件とデータベースに登録された個人識別データと蓄積された出退勤データとをデータ表示手段に表示させて照合算定するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は短期就労者・パート・アルバイトの補償方法に関するものであり、更に詳細には、短期就労者・パート・アルバイトの就労時間・就労日数の就労データを管理して、労働災害事故時に予め設定した大きな補償をする救済補償条件により補償費用算定をする短期就労者・パート・アルバイトの補償方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、短期就労者・パート・アルバイトのための労働災害事故の場合の補償算定は出勤時間・出勤日数で算定するものであるが、勤務体制が流動的であるためと、特に、個人企業を含む多数の中小企業では、雇用側の管理休制も曖昧で又大きな問題であるにかかわらず社会的な制度も厳守されていないのが実情である。
【0003】
つまり、雇用側は短期就労者・パート・アルバイトであっても労働災害保険に加入する義務があるが、在社期間が短く出入りの激しいためと経費節減をするために短期就労者・パート・アルバイトには労働災害保険に加入していないのが実態である。
【0004】
その為に出退社管理するものとしては各種のシステムや方法が用いられているが、一つの企業内で行われているもので、例えば、出勤登録手段13はバーコード読み取り装置3によって読み取られた従業員IDを伴う携帯電話装置2からの出勤登録要求に基づいてDB11に従業員IDに該当する従業員の出勤登録を行い、退勤登録手段14はバーコード読み取り装置3によって読み取られた従業員IDを伴う携帯電話装置2からの退勤登録要求に基づいてDB11に従業員IDに該当する従業員の退勤登録を行い、給与明細作成手段15はDB11に蓄積された各従業員の出退勤に関する情報に基づいて各従業員の給与明細に関する情報を作成し、DB11に記録し、給与明細検索手段16はバーコード読み取り装置3によって読み取られた従業員IDを伴う携帯電話装置2からの給与明細要求に対し、DB11から従業員IDに該当する従業員の給与明細に関する情報を取得し返信するもの(特許文献1参照)や、出退勤者が携行可能とされた情報端末とサーバコンピュータがインターネットを介して通信可能な出退勤時刻管理システムで、サーバコンピュータは出退勤者を特定可能な特定情報と該出退勤者の出退勤時刻とを関連付けて記憶可能な出退勤時刻管理データベースとその時点での時刻情報を出力可能な時刻情報出力手段とを有し、サーバコンピュータは出退勤者から特定情報と出勤或いは退勤のいずれであるかを示す出退勤情報とを少なくとも受け付ける情報受付けステップと受付けた特定情報が存在するか否かを判定する認証判定ステップと時刻情報出力手段から出力されるその時点の時刻情報を情報受付けステップにて受付けた出退勤情報に該当する出勤或いは退勤を特定可能に受付けた特定情報に関連付けて出退勤時刻管理データベースに登録、管理するもの(特許文献2参照)や、本出願人と協力関係の出願人が先に開示した、短期就労者を識別すると共にその個人を識別するIDカード1aを発行する個人識別手段1と、個人識別手段で識別された個人識別データを通信手段5を介して記憶させるデータベース2と、データベースに記憶させた個人識別データを表示させるデータ表示手段3と、短期就労者の就労時間、就労日数を入力する就労管理手段4とを備え、就労管理手段の就労データをデータベースに蓄積すると共に、短期就労者に労働災害事故が発生した場合に予め設定された救済補償条件とデータベースに蓄積された個人識別データと就労データとをデータ表示手段に表示させて照合するもの(特許文献3参照)がある。
【特許文献1】特開2003−281586号公報
【特許文献2】特開2003−216790号公報
【特許文献3】特開2005−293542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然し乍ら、特許文献1や特許文献2に記載のものは、一企業内における出退勤の管理は可能なものの短期就労者・パート・アルバイトのための労働災害事故の場合の補償算定は念頭にないものであり、特許文献3に記載のものは、本願と同じ発明者の発明によるものであり、一企業における短期就労者・パート・アルバイトのための労働災害事故の場合の補償算定を念頭に出願したものであるが、短期間で就職、転職を繰り返す短期就労者・パート・アルバイトでは、効果が薄く、又、短期就労者・パート・アルバイトは、転職するたびに履歴書等記載して面接を受けるものであった。
【0006】
つまり、従来は、労働災害事故が発生しても雇用者側が短期就労者・パート・アルバイトの出勤・出杜データーの作成を無視していたことや充実させていなかったため雇用における補償の基準が曖昧であり就労時間・就労日数による補償算定の計算ができない場合が多く、又、雇用者側は経費節減のため短期就労者・パート・アルバイトの補償に関しての責任感が希薄であり、更には、補填できる制度もなく、その為、短期就労者・パート・アルパイトに労働災害事故が発生した場合には、就労時間・労働に見合った保証がなく安心した就労ができず生活の場においても大きな不安をかかえ、正式な社員とは、保証という点において格差があり差別感を感じながら就労している実情である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償システムは、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、複数の企業に配設された短期就労者・パート・アルバイトの個人を識別するための個人識別手段と、個人識別手段により識別された個人識別データにより個人別に発行されたIDカードと、IDカードを使用して各個人の出退勤を管理する複数の企業に配設された出退勤管理手段と、複数の企業が所有するデータ表示手段と、個人識別手段と出退勤管理手段とデータ表示手段とを通信手段を介して接続させた管理側に配設されたデータベースと、を用いて、個人識別手段により識別された個人識別データを通信手段を介してデータベースに記憶させ、データベースに記憶させた個人識別データに出退勤管理手段の出退勤データを通信手段を介して一定期間毎に蓄積させ、データベースに記憶又は蓄積させた個人識別データ及び/又は出退勤データは個人が所有するIDカードを用いて別の企業の出退勤管理手段を介してデータ表示手段に表示させることを可能とし、IDカードを用いて別の出退勤管理手段からの出退勤データを通信手段を介して個人識別データに蓄積することを可能とし、短期就労者・パート・アルバイトに労働災害事故が発生した場合に予め設定された救済補償条件とデータベースに登録された個人識別データと蓄積された通算の出退勤データとをデータ表示手段に表示させて照合算定するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償システムは、現在我が国には1,200万人にいると言われている短期就労者・パート・アルバイトの就労者に対して、簡単・スピーディーに雇用者と就労者との相互の不安材料であった労働災害事故の補償問題の一部を解消することができ、また、正式社員と短期就労者・パート・アルバイトとの間にあった社会的にも大きな問題であった就労上の格差・差別感をなくするものであり、雇用者側にとっても不安要素であった労働災害補償の問題の一部を解消して安心公平な就労環境にて就業させることができると共に、短期就労者・パート・アルバイトが転職した場合でも、過去の出退勤状態が直ぐに把握でき、また、短期就労者・パート・アルバイトは所有するIDカードを提出するだけで履歴書等は不要であり、相互に信頼感を抱くことができ画期的で実用性の高い発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は短期就労者・パート・アルバイトの補償方法に関するものであり、更に詳細には、短期就労者・パート・アルバイトの就労時間・就労日数の就労データを管理して、労働災害事故時に予め設定した大きな補償をする救済補償条件により補償費用算定をする短期就労者・パート・アルバイトの補償方法に関するものであり、複数の企業に配設された短期就労者・パート・アルバイトの個人を識別するための夫々の個人識別手段1a.1b.1c・・・1nと、該夫々の個人識別手段1a.1b.1c・・・1nにより識別された個人識別データにより個人別に発行されたIDカード2a.2b.2c・・・2nと、前記IDカード2a.2b.2c・・・2nを使用して各個人の出退勤を管理する複数の企業に配設された出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nと、複数の企業が所有するデータ表示手段4a.4b.4c・・・4nと、前記夫々の個人識別手段1a.1b.1c・・・1nと前記夫々の出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nと前記夫々のデータ表示手段4a.4b.4c・・・4nとを通信手段5を介して接続させた管理側に配設されたデータベース6と、を用いて、前記個人識別手段1a.1b.1c・・・1nにより識別された個人識別データを通信手段5を介してデータベース6に記憶させ、前記データベース6に記憶させた個人識別データに前記出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nの出退勤データを通信手段5を介して一定期間毎に蓄積させ、前記データベース6に記憶又は蓄積させた個人識別データ及び/又は出退勤データは個人が所有する前記IDカード2a.2b.2c・・・2nを用いて別の企業の前記出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nを介して前記データ表示手段4a.4b.4c・・・4nに表示させることを可能とし、前記IDカード2a.2b.2c・・・2nを用いて別の出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nからの出退勤データを通信手段5を介して前記個人識別データに蓄積することを可能とし、短期就労者・パート・アルバイトに労働災害事故が発生した場合に予め設定された救済補償条件と前記データベース6に登録された個人識別データと蓄積された通算の出退勤データとをデータ表示手段4a.4b.4c・・・4nに表示させて照合算定することを特徴とするものである。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償方法を実施例の図面を用いて詳細に説明すると、図1は本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償方法の実施例の構成図である。
【0011】
即ち、個人識別手段1a.1b.1c・・・1nは複数の企業に配設され、夫々の個人識別手段1a.1b.1c・・・1nは短期就労者・パート・アルバイトの個人を識別するもので、免許書、身分証明書等の提示を求め姓名、誕生日、現住所等により短期就労者・パート・アルバイトの個人を識別する個人識別データを作成するものである。
【0012】
そして、IDカード2a.2b.2c・・・2nは個人識別手段1a.1b.1c・・・1nにより発行されるもので、予めIDカード2a.2b.2c・・・2nに備えた磁気又はICチップ等の情報記憶部に個人の識別に必要とする数字又は符号等の情報を記憶させると共に、IDカード2a.2b.2c・・・2nの管理は短期就労者・パート・アルバイト自身が行い出退勤の際の入力用、或いは、個人を識別する身分証明としても用いられるものである。
【0013】
次に、IDカード2a.2b.2c・・・2nは、夫々の個人識別手段により識別された個人識別データ1a.1b.1c・・・1nにより個人別にその個人に対して発行するもので、IDカード2a.2b.2c・・・2nには、後述する出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nを用いて後述するデータベース6に接続することにより、データ表示手段4a.4b.4c・・・4nで個人識別データを表示可能なものである。
【0014】
次いで、出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nは複数の企業に配設されており、短期就労者・パート・アルバイトの就労時間、就労日数を入力するもので、短期就労者・パート・アルバイトが出退勤時に自ら操作して入力するものであり、例えば、出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nに出退勤時にIDカード2a.2b.2c・・・2nを通すことで就労日時、就労時間、就労日数を出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nに入力するものである。
【0015】
更に、データ表示手段4a.4b.4c・・・4nは複数の企業が所有している汎用のパーソナルコンピュータ等の端末機器で良く、後述するデータベース6に記憶又は蓄積させた個人識別データ及び出退勤データをインターネット、通信回線等の通信手段5を介して表示させるものである。
【0016】
更には、データベース6は管理側に配設されているもので、個人識別手段1a.1b.1c・・・1nで識別された個人識別データをインターネット、通信回線等の通信手段5を介して記憶させるものであり、そして、夫々の個人識別データに出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nの夫々の出退勤データを一日に一回等の一定期間毎に通信手段5により送信して蓄積するものである。
【0017】
本発明は、夫々の個人識別手段1a.1b.1c・・・1nと夫々の出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nと夫々のデータ表示手段4a.4b.4c・・・4nとを通信手段5を介して接続させたデータベース6とを用いるものである。
【0018】
先ず、短期就労者・パート・アルバイトを雇用する複数の企業は採用する場合に、個人識別手段1a.1b.1c・・・1nにより個人を識別して、個人識別データを作成するもので、作成された個人識別データは通信手段5を介してデータベース6に記憶させるものである。
【0019】
次に、短期就労者・パート・アルバイトの日々の出退勤データは就労際に、出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nとIDカード2a.2b.2c・・・2nを用いて短期就労者・パート・アルバイト自らが行うことで作成し、作成した出退勤データは通信手段5を介して一定期間毎に前記データベース6の夫々の個人識別データに蓄積させるものである。
【0020】
そして、短期就労者・パート・アルバイトに労働災害事故が発生した場合にはデータベース6に蓄積された個人識別データと出退勤データとをデータ表示手段4a.4b.4c・・・4nに表示させて、予め設定された救済補償条件と照合することで短期就労者・パート・アルバイトの補償をするものである。
【0021】
更には、短期就労者・パート・アルバイトが転職した場合、従来、個人識別データ及び出退勤データは各企業別に管理されていたため白紙の状態から始めていたものであるが、本発明では、データベース6に記憶させた個人識別データ及び/又は出退勤データは個人が所有するIDカード2a.2b.2c・・・2nを用いて別の企業の出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nを介してデータ表示手段4a.4b.4c・・・4nに表示させることを可能としているもので、雇用側は短期就労者・パート・アルバイトの勤務履歴等が的確に把握できるものである。
【0022】
つまり、IDカード2aを用いて別の出退勤管理手段3nからの出退勤データを通信手段5を介して個人識別データに蓄積することを可能としているもので、短期就労者・パート・アルバイトに労働災害事故が発生した場合に予め設定された救済補償条件とデータベース6に登録された個人識別データと蓄積された通算の出退勤データとをデータ表示手段4nに表示させて照合算定するものであり、転職した直後であっても手厚い補償が得られるものである。
【0023】
本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償方法は、先ず、就労者の個人の識別を個人識別手段1a.1b.1c・・・1nにより識別して、個人識別データの画像又はデータを通信手段5を介してデータベース6に記憶させるもので、就労者は就労に伴って出退勤管理手段3a.3b.3c・・・3nを操作して就労データを入力するものである。
【0024】
そして、入力された就労データは一定の期間毎にまとめてデータベース6に送信するもので、送信された就労データは夫々の就労者別に個人識別データに蓄積されているものである。
【0025】
次いで、労働災害事故が発生した場合には、データ表示手段4a.4b.4c・・・4nで個人識別データと就労データとを表示させて予め設定された大きな補償をする救済補償条件と照合させて補償を決定するものである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償方法は、短期就労者の雇用の割合が多い、飲食業、小売業、ビル管理、警備業等に好適に使用できるもので、労働災害事故の救済が可能となり、正式社員と短期就労者・パート・アルバイトとの間にあった社会的にも大きな問題であった就労上の格差・差別感をなくするものであり、雇用者側にとっても不安要素であった労働災害補償の問題の一部を解消して安心公平な就労環境にて就業させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明の短期就労者・パート・アルバイトの補償方法の実施例の構成図である。
【符号の説明】
【0028】
1a.1b.1c・・・1n 個人識別手段
2a.2b.2c・・・2n IDカード
3a.3b.3c・・・3n 出退勤管理手段
4a.4b.4c・・・4n データ表示手段
5 通信手段
6 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の企業に配設された短期就労者・パート・アルバイトの個人を識別するための夫々の個人識別手段と、該夫々の個人識別手段により識別された個人識別データにより個人別に発行されたIDカードと、前記IDカードを使用して各個人の出退勤を管理する複数の企業に配設された出退勤管理手段と、複数の企業が所有するデータ表示手段と、前記夫々の個人識別手段と前記夫々の出退勤管理手段と前記夫々のデータ表示手段とを通信手段を介して接続させた管理側に配設されたデータベースと、を用いて、前記個人識別手段により識別された個人識別データを通信手段を介してデータベースに記憶させ、前記データベースに記憶させた個人識別データに前記出退勤管理手段の出退勤データを通信手段を介して一定期間毎に蓄積させ、前記データベースに記憶又は蓄積させた個人識別データ及び/又は出退勤データは個人が所有する前記IDカードを用いて別の企業の前記出退勤管理手段を介して前記データ表示手段に表示させることを可能とし、前記IDカードを用いて別の出退勤管理手段からの出退勤データを通信手段を介して前記個人識別データに蓄積することを可能とし、短期就労者・パート・アルバイトに労働災害事故が発生した場合に予め設定された救済補償条件と前記データベースに登録された個人識別データと蓄積された通算の出退勤データとをデータ表示手段に表示させて照合算定することを特徴とする短期就労者・パート・アルバイトの補償方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−140410(P2009−140410A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318520(P2007−318520)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(305051978)株式会社DAYJOBシステム (4)
【Fターム(参考)】