砂質地盤におけるグラウト注入工法
【課題】グラウトの浸透性に優れた注入工法を提供する。
【解決手段】砂質注入対象領域にグラウト材を、その注入圧力を周期的に変動させながら注入するものであって、長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって前記グラウト材を注入する。
【解決手段】砂質注入対象領域にグラウト材を、その注入圧力を周期的に変動させながら注入するものであって、長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって前記グラウト材を注入する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂質地盤におけるグラウト注入工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
都市の軟弱地盤における注入と異なり、岩盤でのグラウト注入は、亀裂が小さく、かつその亀裂が注入に伴って膨張するものではないので、まったく異なる注入形態が必要になる。
近年、岩盤におけるグラウト注入工法において、いわゆる「動的注入」の有効性が確認されており、その工事数が増加傾向にある。
動的注入の代表例は特許文献1に開示されたもので、グラウト材を注入ポンプにより所定の注入圧力で圧送し、末端の注入管を介して亀裂性岩盤に穿設された注入孔にグラウト材を注入するに際し、前記注入圧力に5Hz〜30Hzの周波数域から選択された特定の周波数を持つ脈動圧力を重畳的に付加し、前記グラウト材の構成粒子を励起させるものである。
しかし、その後の本発明者らは、かかる方法ではグラウト材の浸透性が充分でないことが知見し、これを解決すべく鋭意検討したところ、長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもってグラウト材を注入することにより、グラウトの浸透性に優れた、特に、微細な亀裂に対しても優れた浸透性を示す注入工法を開発した。
この方法は、砂質地盤にも友好であることが判明しているが、より詳細に検討すると、注入後の改良効果を確認した結果によれば、場合により、注入管の周囲に小さな脈状注入がみられ、さらなる検討が必要であることが判明した。
【特許文献1】特許第3096244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、砂質地盤において、より均質なほぼ球状の改良体を造成できるグラウト注入工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
砂質注入対象領域にグラウト材を、その注入圧力を周期的に変動させながら注入するものであって、
長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって前記グラウト材を注入することを特徴とする砂質地盤におけるグラウト注入工法。
なお、本発明における「砂質」とは、土の粒度試験により得られる粒度分布において、0.075mm以上の粒子が50%を超える土質をいう。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
前記長波の周波数が0.04〜0.08Hzの周期である請求項1記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【0006】
〔請求項3記載の発明〕
前記短波の周波数が1〜6Hzの周期である請求項1または2記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、後記の実施例のように、従来例のものの短波と言うべき圧力変動のみのものとは異なり、長波の注入圧力の周期的変動に対して短波の注入圧力の周期的変動を重畳させているので、グラウトの浸透性に優れたものとなる。特に、後述の実施例で明らかにしたように、砂質地盤において、浸透性に優れ、均質なほぼ球状の改良体を造成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の概要及び実施の形態を示めす。
<本発明の概要>
図1は、本発明の概念図を示したもので、0.05〜0.5Hz(より好適には0.04〜0.3Hz、さらに好適には0.04〜0.08Hz)の長波(一次低周波)の注入圧力の周期的変動に、1〜6Hz(より好適には1.5〜3Hz)の短波(二次高周波)の注入圧力の周期的変動を重畳した複合波を示す注入圧力の変動をもって対象領域、たとえば砂質地盤にグラウト材を注入するものである。なお、0.04Hz未満では機械的な観点から長波の制御が困難であるため、0.04Hz以上が好ましい。
本発明において、注入開始当初から完了まですべての時間的期間において複合波による注入を必須とするものではなく、少なくとも注入の最終段階で複合波による注入を確保されればよい。したがって、注入開始段階あるいは注入最終段階では、注入圧力を一定としたり、長波(一次低周波)あるいは短波(高周波)のみによる注入圧力の周期的変動による注入などでもよい。また、注入圧力の振幅としては、ある時点の圧力Pに対し、±(0.1〜0.7P)の変動を生じるような振幅が好ましい、±(0.3〜0.5P)の変動を生じるような振幅が特に好ましいことを知見している。
【0009】
<実施の形態>
以下、本発明における砂質注入対象領域へのグラウト注入の例を挙げて実施の形態を説明すると、図2に示すように、地盤Eの砂質注入対象領域に注入管装置1を設置する。この図2には注入管装置1として概略的に示しており、必ずしも限定されるものではないが、具体的には本出願人の一人が開発した装置及び注入方法を使用するのが望ましい。
すなわち、特許3313351号に開示されているように、「軸方向に間隔を置いて複数のパッカーを外面部に有し、かつ隣接するパッカー間の注入口を有する注入外管と、吐出口を有し前記注入外管内に挿入し移動可能な注入内管とを用い、対象地盤を所定深度まで掘削して挿入孔を形成するとともに、前記注入外管を前記挿入孔内に相対的に挿入し、前記隣接する両パッカーを膨出させて前記挿入孔壁面に密着させ、このとき前記隣接パッカーと挿入孔壁面と注入外管外面とで囲まれる領域を充填材が存在しない空間とした状態で、前記注入内管に薬液を圧送し、この薬液を前記吐出口から吐出させ、前記注入口から薬液を前記空間に満たしつつ砂質地盤に注入する」方法及び装置が望ましい。
【0010】
図2において、1aは前記の注入管装置1のパッカーを示している。
注入プラントとして、グラウト材料撹拌機2から、長波の注入圧力の周期的変動を与えながら圧送する低周波(長波)圧送手段を構成する、インバータ制御を行う注入ポンプ(一次低周波発生器)3、並びにグラウト材の流れの下流側にあって短波の注入圧力の周期的変動を重畳させる高周波(短波)重畳手段を構成する、回転盤を備えた二次高周波発生器4を通して、注入管装置1にグラウト材Gを圧送するようにしてある。
二次高周波発生器4を通るグラウト材Gの一部はリターンバルブ5によりグラウト材料撹拌機2へ流路11を通して返送するようにしてある。
注入時の圧力は、1次圧力計6により検出し、流量は流量計7により検出し、所定の圧力を超えた時点でコントローラ8によりリターンバルブ5を操作し、グラウト材料撹拌機2へ返送するようにしてある。また、流量が過大となった時点においてもリターンバルブ5を操作し、グラウト材料撹拌機2へ返送するようにしてある。これらのリターン系は、通常のダムグラウトで行われているのと同様の方法であるので詳細の説明を省略する。
【0011】
流量計7と注入管装置1との間には2次圧力計9が設けられ、また、グラウト材を送給する流路10において、二次高周波発生器4の前後にバイパス路12が設けられ、そのバイパス路12にバイパス量調整用の調整弁14が設けられている。2次圧力計9で圧力変動に応じて、二次高周波振幅調整器13により、調整弁14の開度を調整し、二次高周波の振幅の調節を行うようにしてある。
かかる設備では、注入ポンプ3、たとえばピストン型の注入ポンプ3を、これに付属のインバータ制御器により回転数制御を行い、グラウト材の送給圧力を長波(一次低周波)で周期的に変動させる。その後において、後に詳しい構造例を説明する二次高周波発生器4により、短波(二次高周波)で周期的に変動させる。その結果、長波(一次低周波)に短波(二次高周波)が重畳された、図1に示す複合波が生じ、かかる複合波の、経時的な圧力変動を示す注入圧力の周期的変動(注入流量も変動する。)をもって、注入管装置1を通してグラウト材Gを岩盤EのクラックCに注入する。
他方、図3に示すように、二次高周波振幅調整器13、バイパス路12及び調整弁14は、流量計7の後段に設けてもよい。
【0012】
二次高周波発生器4としては、特許文献1のように油圧サーボアクチュエータとその油圧サーボアクチュエータにより駆動される容積型のポンプ、たとえばピストンポンプにより、発振器により二次高周波をもって圧力変動させることもできるが、図4に示す装置構成のほうが、装置が簡素となる。
図4に示す二次高周波発生器4は、モータ4Aの出力軸に、同軸心回りに連続的に回転する回転盤4Bを設け、その回転盤4Bの周囲円に適宜の数で透過孔4b、4b…を等間隔で形成したものである。前記周囲円の一部に対して流路10が連なるよう構成してある。
【0013】
流路10を通して送給されるグラウトGは、流路10に対して透過孔4bが一致したときはその透過孔4bを通して下流に流れ、その後、回転盤4Bが回転し、透過孔4b、4b間の位置においては流れが遮断される。このように、グラウトGの流れと遮断とが繰り返される。そして、上流側からグラウトGが注入ポンプ3により圧送されているので、遮断時においては、圧力が高まり、連通して下流に流れる時点で圧力が低下する。また、遮断から連通、連通から遮断の移行期においては、圧力変動があるので、図1に示す圧力変動を生じさせることができるのである。
ここで、透過孔4bの数は、透過孔4bの直径を25mmにした場合、本発明で規定する条件を得るためには、6孔では大きな振幅を得ることが困難であり、2孔では遮断時間が長すぎるので、3〜5孔、特に4孔が最適であることを知見している。また、透過孔4bの直径を20mmにした場合、6孔でも良好であり、図5に示す圧力振幅及び流量振幅が得られる。
【0014】
また、二次高周波振幅調整器13、バイパス路12及び調整弁14を設けない場合、図4の二次高周波発生器4自体の構造が原因となって、モータ4Aの回転数が一定の場合には、透過孔4bの直径、及び透過孔4b、4b間の距離により、圧力振幅及び流量振幅は一定である。しかし、圧力振幅及び流量振幅が過度に大きいと、浸透性が良好でない。そこで、圧力振幅及び流量振幅を調整するために、二次高周波振幅調整器13により調整弁14の開度を調節し、バイパス路12に流れる流量を高めることで、圧力振幅及び流量振幅を低減させ、砂質地盤への良好な浸透性を確保できる。
【0015】
一方、本発明において、低周波圧送手段としては、ピストンポンプやスクイズポンプなどモータを駆動力とする場合に、そのモータの回転周波数を制御する装置(インバータ制御装置)を付加したもの、またはモータの回転数をパルス的に増加減させるもの、ピストンポンプの駆動軸に電気−油圧アクチュエータを連結し、電気−油圧アクチュエータを通す油量を電気信号に応じて増加減することによりピストンポンプの往復動速度を調整するものなどを使用できる。
また、高周波重畳手段としては、前掲例のほか、特許第2948881号公報の第2図、あるいは特開昭52−53504号公報に示されたダイヤフラムポンプを使用する形態、特開昭51−88810号公報に示された超音波振動子を使用する形態、特許第2952324号公報に示された振動媒体又は衝撃媒体を使用する形態、特開2002−13130号公報に開示されたアキュムレータを使用する形態など適宜の手段を採用できる。
本発明のグラウト材を吐出する注入管装置しては、前掲例のほか単管又は二重管のほか、適宜の流路を有する公知のものを使用できる。
グラウト材としては、砂質地盤への浸透性及び経時的に安定した強度の発現を確保する限り、適宜選択できる。
【0016】
一方、上記例では、注入管類(注入管装置1)一つ当たり、一つの注入ポンプ(一次低周波発生器)3と一つの二次高周波(低周波)発生器4が直列に設けられている例であるが、図6に示すように、高周波重畳手段(たとえば二次高周波(低周波)発生器4)が複数直列に設けられている、図7に示すように、高周波重畳手段が複数並列に設けられている、図8に示すように、低周波圧送手段が複数直列に設けられている、図9に示すように、低周波圧送手段が複数並列に設けられている、あるいはこれらの適宜の組み合わせによる装置構成としてもよい。
ここで、高周波重畳手段として、たとえば二次高周波(低周波)発生器4を複数直列に設ける場合、二次高周波(低周波)発生器4の透過孔2bの大きさ(面積)、透過孔2bの形成間隔を異ならせると、より複雑な振幅変動又は周波数変動を示すものを構成できる。
【実施例】
【0017】
次に実施例(実験例)を示し、本発明の効果を明らかにする。
砂質地盤においては、図10に示すように、注入圧力と注入速度との関係グラフにおいて、直線的に圧力が上昇する領域Z1では、脈の発生がなく良好な浸透注入が可能であり、目的の改良形状(たとえば球状)を得ることができる。曲線的に圧力が上昇する領域Z2では脈の発生があるものの、それなりの浸透注入が可能であり、ほぼ目的の改良形状(たとえば球状)を得ることができる。注入速度が速め、直線的に圧力が上昇する領域Z3では脈状の割裂注入となり、浸透注入が困難であり、目的の改良形状が得られない。
かかる一般的な知見を背景に、注入材として、12000以上のブレーン値を示す超微粒子セメント350kg、水酸化ナトリウム30kg、分散剤1kg、残留水、1000リットルを使用した。初期粘性は20mPa・sで、ゲルタイムは数時間のものである。一軸圧縮強度100〜400kn/m2である。かかる注入材により、前述の次の「マックスパーム工法」に使用される注入管装置を使用し、注入実験を行った。なお、いずれも注入速度は6.0リットル/分とした。
(1)実験1:長波及び短波の注入圧力の周期的変動がいずれもなし(静的な注入)。結果を図11及び図12に示す。
(2)実験2:長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が6Hz。結果を図13及び図14に示す。
(3)実験3:長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hz。結果を図15及び図16に示す。
【0018】
<考察>
実験1の結果によれば、注入孔付近に大きな4本の脈が発生しており、改良体も注入孔付近に留まり、球状のものではなかった。
実験2の結果によれば、注入孔付近に細かい無数の脈が形成され、改良体は多少いびつであるがほぼ球形であった。
実験3の結果によれば、注入孔付近に大きな脈がほとんど発生しておらず、改良体も理想的な球状のものであった。
これらを総合的にみると、本願発明に従う、長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって注入する方法の有効性は顕著である。
また、岩盤に対する注入では、短波の周波数が6〜8Hzが特に最適であったのに対し、砂質地盤では短波の周波数が2Hzの方が良好であることが判る。
【0019】
上記の実験及び結果に加えて、さらなる実験を行った。すなわち、注入材料の粘性が複合動的注入に及ぼす影響について検討した。
すなわち、内径79mmφ、高さ1.5mの一次元浸透試験用モールド内に東北6号及び8号珪砂を詰めて、0.1MPaの注入圧力をもって、水(1.0mPa)及び(水+水ガラス)(2.98mPa)を注入し、通過量の経時的変化を観察した。この注入形態として、静的(一定圧力)注入と、長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hzの本発明に係る複合動的注入とを行った。しかし、粘性の相違、周波数による相違はいずれも観察できなかった。
【0020】
他方で、内径79mmφ、高さ1.5mの一次元浸透試験用モールドとして透明塩化ビニル製のものに換え、その内部に東北6号を1.74g/cm3の量で詰めて、注入材料の到達距離を測定した。試験条件は次記のとおりである。
注入材料:12000以上のブレーン値を示す超微粒子セメント350kg、水酸化ナトリウム30kg、分散剤1kgのもの。
注入材料の粘度:すべて約3.9mPa
注入圧力:0.1MPa
注入形態:(1)静的(一定圧力)注入
(2)単動的注入:0.1Hz及び2Hz(それぞれ両振幅60%)
(3)複合動的注入:長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hz(それぞれ両振幅60%)
結果を図17に示す。この結果から、注入形態の相違により、未固結砂において、到達距離については明確に相違がみられることが確認された。
【0021】
長波の周波数として、0Hz、0.05Hz、0.1Hz、及び0.3Hz:短波の周波数として、0Hz、2Hz、4Hz、6Hz、及び8Hzの組合せによって、前記到達距離実験を繰り返した。その結果、これらの組合せの系内では、長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hz(それぞれ両振幅60%)の複合動的注入が最適なものであることを確認した。次に、長波の周波数が0.05Hz、短波の周波数が2Hzの複合動的注入も遜色はないものであることを確認した。
【0022】
上記の実験結果を踏まえて、
次に実施例(実験例)を示し、本発明の効果を明らかにする。
現実の砂質地盤を模擬的に再現させるために、図18に示す被注入器に対して、図2に示す装置を使用して、注入材料の通過量の変化を調べる注入実験を行った。
被注入器は、上下の圧肉鉄板(肉厚50mm)の間に狭い間隔S(30μm)の流路を形成し、その流路内に邪魔板スペーサを設け、グラウト材の入口P1から出口に向かって邪魔板スペーサを巡りながら注入するようにしたものである。注入条件は次記のとおりである。
注入材料:超微粒子セメント「日鉄スーパーファイン」、分散剤0.7%配合のW/C:200%のセメントミルク。
注入形態:複合動的注入:短波の周波数が6Hz、長波の周波数を変化させる(それぞれ片振幅30%、両振幅60%)
結果を図19に示す。この結果から、長波の周波数としては、0.04〜0.08Hzの場合において通過量が高く、浸透性が良好であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明の実施の形態の概要図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の概要図である。
【図4】二次高周波発生器の説明図である。
【図5】圧力振幅及び流量振幅変動のグラフである。
【図6】注入プラントの他の例の説明図である。
【図7】注入プラントの他の例の説明図である。
【図8】注入プラントの他の例の説明図である。
【図9】注入プラントの他の例の説明図である。
【図10】注入圧力と注入速度との関係グラフ。
【図11】実験1の結果の写真である。
【図12】実験1の結果の写真である。
【図13】実験2の結果の写真である。
【図14】実験2の結果の写真である。
【図15】実験3の結果の写真である。
【図16】実験3の結果の写真である。
【図17】実験結果のグラフである。
【図18】被注入器の形態の説明図である。
【図19】実験結果のグラフである。
【符号の説明】
【0024】
1…注入管、2…グラウトラウト材料撹拌機、3…注入ポンプ(一次低周波発生器)、4…二次高周波発生器、5…リターンバルブ、10…流路、12…バイパス路、13…二次高周波振幅調整器、14…調整弁。
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂質地盤におけるグラウト注入工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
都市の軟弱地盤における注入と異なり、岩盤でのグラウト注入は、亀裂が小さく、かつその亀裂が注入に伴って膨張するものではないので、まったく異なる注入形態が必要になる。
近年、岩盤におけるグラウト注入工法において、いわゆる「動的注入」の有効性が確認されており、その工事数が増加傾向にある。
動的注入の代表例は特許文献1に開示されたもので、グラウト材を注入ポンプにより所定の注入圧力で圧送し、末端の注入管を介して亀裂性岩盤に穿設された注入孔にグラウト材を注入するに際し、前記注入圧力に5Hz〜30Hzの周波数域から選択された特定の周波数を持つ脈動圧力を重畳的に付加し、前記グラウト材の構成粒子を励起させるものである。
しかし、その後の本発明者らは、かかる方法ではグラウト材の浸透性が充分でないことが知見し、これを解決すべく鋭意検討したところ、長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもってグラウト材を注入することにより、グラウトの浸透性に優れた、特に、微細な亀裂に対しても優れた浸透性を示す注入工法を開発した。
この方法は、砂質地盤にも友好であることが判明しているが、より詳細に検討すると、注入後の改良効果を確認した結果によれば、場合により、注入管の周囲に小さな脈状注入がみられ、さらなる検討が必要であることが判明した。
【特許文献1】特許第3096244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明は、砂質地盤において、より均質なほぼ球状の改良体を造成できるグラウト注入工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
砂質注入対象領域にグラウト材を、その注入圧力を周期的に変動させながら注入するものであって、
長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって前記グラウト材を注入することを特徴とする砂質地盤におけるグラウト注入工法。
なお、本発明における「砂質」とは、土の粒度試験により得られる粒度分布において、0.075mm以上の粒子が50%を超える土質をいう。
【0005】
〔請求項2記載の発明〕
前記長波の周波数が0.04〜0.08Hzの周期である請求項1記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【0006】
〔請求項3記載の発明〕
前記短波の周波数が1〜6Hzの周期である請求項1または2記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、後記の実施例のように、従来例のものの短波と言うべき圧力変動のみのものとは異なり、長波の注入圧力の周期的変動に対して短波の注入圧力の周期的変動を重畳させているので、グラウトの浸透性に優れたものとなる。特に、後述の実施例で明らかにしたように、砂質地盤において、浸透性に優れ、均質なほぼ球状の改良体を造成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の概要及び実施の形態を示めす。
<本発明の概要>
図1は、本発明の概念図を示したもので、0.05〜0.5Hz(より好適には0.04〜0.3Hz、さらに好適には0.04〜0.08Hz)の長波(一次低周波)の注入圧力の周期的変動に、1〜6Hz(より好適には1.5〜3Hz)の短波(二次高周波)の注入圧力の周期的変動を重畳した複合波を示す注入圧力の変動をもって対象領域、たとえば砂質地盤にグラウト材を注入するものである。なお、0.04Hz未満では機械的な観点から長波の制御が困難であるため、0.04Hz以上が好ましい。
本発明において、注入開始当初から完了まですべての時間的期間において複合波による注入を必須とするものではなく、少なくとも注入の最終段階で複合波による注入を確保されればよい。したがって、注入開始段階あるいは注入最終段階では、注入圧力を一定としたり、長波(一次低周波)あるいは短波(高周波)のみによる注入圧力の周期的変動による注入などでもよい。また、注入圧力の振幅としては、ある時点の圧力Pに対し、±(0.1〜0.7P)の変動を生じるような振幅が好ましい、±(0.3〜0.5P)の変動を生じるような振幅が特に好ましいことを知見している。
【0009】
<実施の形態>
以下、本発明における砂質注入対象領域へのグラウト注入の例を挙げて実施の形態を説明すると、図2に示すように、地盤Eの砂質注入対象領域に注入管装置1を設置する。この図2には注入管装置1として概略的に示しており、必ずしも限定されるものではないが、具体的には本出願人の一人が開発した装置及び注入方法を使用するのが望ましい。
すなわち、特許3313351号に開示されているように、「軸方向に間隔を置いて複数のパッカーを外面部に有し、かつ隣接するパッカー間の注入口を有する注入外管と、吐出口を有し前記注入外管内に挿入し移動可能な注入内管とを用い、対象地盤を所定深度まで掘削して挿入孔を形成するとともに、前記注入外管を前記挿入孔内に相対的に挿入し、前記隣接する両パッカーを膨出させて前記挿入孔壁面に密着させ、このとき前記隣接パッカーと挿入孔壁面と注入外管外面とで囲まれる領域を充填材が存在しない空間とした状態で、前記注入内管に薬液を圧送し、この薬液を前記吐出口から吐出させ、前記注入口から薬液を前記空間に満たしつつ砂質地盤に注入する」方法及び装置が望ましい。
【0010】
図2において、1aは前記の注入管装置1のパッカーを示している。
注入プラントとして、グラウト材料撹拌機2から、長波の注入圧力の周期的変動を与えながら圧送する低周波(長波)圧送手段を構成する、インバータ制御を行う注入ポンプ(一次低周波発生器)3、並びにグラウト材の流れの下流側にあって短波の注入圧力の周期的変動を重畳させる高周波(短波)重畳手段を構成する、回転盤を備えた二次高周波発生器4を通して、注入管装置1にグラウト材Gを圧送するようにしてある。
二次高周波発生器4を通るグラウト材Gの一部はリターンバルブ5によりグラウト材料撹拌機2へ流路11を通して返送するようにしてある。
注入時の圧力は、1次圧力計6により検出し、流量は流量計7により検出し、所定の圧力を超えた時点でコントローラ8によりリターンバルブ5を操作し、グラウト材料撹拌機2へ返送するようにしてある。また、流量が過大となった時点においてもリターンバルブ5を操作し、グラウト材料撹拌機2へ返送するようにしてある。これらのリターン系は、通常のダムグラウトで行われているのと同様の方法であるので詳細の説明を省略する。
【0011】
流量計7と注入管装置1との間には2次圧力計9が設けられ、また、グラウト材を送給する流路10において、二次高周波発生器4の前後にバイパス路12が設けられ、そのバイパス路12にバイパス量調整用の調整弁14が設けられている。2次圧力計9で圧力変動に応じて、二次高周波振幅調整器13により、調整弁14の開度を調整し、二次高周波の振幅の調節を行うようにしてある。
かかる設備では、注入ポンプ3、たとえばピストン型の注入ポンプ3を、これに付属のインバータ制御器により回転数制御を行い、グラウト材の送給圧力を長波(一次低周波)で周期的に変動させる。その後において、後に詳しい構造例を説明する二次高周波発生器4により、短波(二次高周波)で周期的に変動させる。その結果、長波(一次低周波)に短波(二次高周波)が重畳された、図1に示す複合波が生じ、かかる複合波の、経時的な圧力変動を示す注入圧力の周期的変動(注入流量も変動する。)をもって、注入管装置1を通してグラウト材Gを岩盤EのクラックCに注入する。
他方、図3に示すように、二次高周波振幅調整器13、バイパス路12及び調整弁14は、流量計7の後段に設けてもよい。
【0012】
二次高周波発生器4としては、特許文献1のように油圧サーボアクチュエータとその油圧サーボアクチュエータにより駆動される容積型のポンプ、たとえばピストンポンプにより、発振器により二次高周波をもって圧力変動させることもできるが、図4に示す装置構成のほうが、装置が簡素となる。
図4に示す二次高周波発生器4は、モータ4Aの出力軸に、同軸心回りに連続的に回転する回転盤4Bを設け、その回転盤4Bの周囲円に適宜の数で透過孔4b、4b…を等間隔で形成したものである。前記周囲円の一部に対して流路10が連なるよう構成してある。
【0013】
流路10を通して送給されるグラウトGは、流路10に対して透過孔4bが一致したときはその透過孔4bを通して下流に流れ、その後、回転盤4Bが回転し、透過孔4b、4b間の位置においては流れが遮断される。このように、グラウトGの流れと遮断とが繰り返される。そして、上流側からグラウトGが注入ポンプ3により圧送されているので、遮断時においては、圧力が高まり、連通して下流に流れる時点で圧力が低下する。また、遮断から連通、連通から遮断の移行期においては、圧力変動があるので、図1に示す圧力変動を生じさせることができるのである。
ここで、透過孔4bの数は、透過孔4bの直径を25mmにした場合、本発明で規定する条件を得るためには、6孔では大きな振幅を得ることが困難であり、2孔では遮断時間が長すぎるので、3〜5孔、特に4孔が最適であることを知見している。また、透過孔4bの直径を20mmにした場合、6孔でも良好であり、図5に示す圧力振幅及び流量振幅が得られる。
【0014】
また、二次高周波振幅調整器13、バイパス路12及び調整弁14を設けない場合、図4の二次高周波発生器4自体の構造が原因となって、モータ4Aの回転数が一定の場合には、透過孔4bの直径、及び透過孔4b、4b間の距離により、圧力振幅及び流量振幅は一定である。しかし、圧力振幅及び流量振幅が過度に大きいと、浸透性が良好でない。そこで、圧力振幅及び流量振幅を調整するために、二次高周波振幅調整器13により調整弁14の開度を調節し、バイパス路12に流れる流量を高めることで、圧力振幅及び流量振幅を低減させ、砂質地盤への良好な浸透性を確保できる。
【0015】
一方、本発明において、低周波圧送手段としては、ピストンポンプやスクイズポンプなどモータを駆動力とする場合に、そのモータの回転周波数を制御する装置(インバータ制御装置)を付加したもの、またはモータの回転数をパルス的に増加減させるもの、ピストンポンプの駆動軸に電気−油圧アクチュエータを連結し、電気−油圧アクチュエータを通す油量を電気信号に応じて増加減することによりピストンポンプの往復動速度を調整するものなどを使用できる。
また、高周波重畳手段としては、前掲例のほか、特許第2948881号公報の第2図、あるいは特開昭52−53504号公報に示されたダイヤフラムポンプを使用する形態、特開昭51−88810号公報に示された超音波振動子を使用する形態、特許第2952324号公報に示された振動媒体又は衝撃媒体を使用する形態、特開2002−13130号公報に開示されたアキュムレータを使用する形態など適宜の手段を採用できる。
本発明のグラウト材を吐出する注入管装置しては、前掲例のほか単管又は二重管のほか、適宜の流路を有する公知のものを使用できる。
グラウト材としては、砂質地盤への浸透性及び経時的に安定した強度の発現を確保する限り、適宜選択できる。
【0016】
一方、上記例では、注入管類(注入管装置1)一つ当たり、一つの注入ポンプ(一次低周波発生器)3と一つの二次高周波(低周波)発生器4が直列に設けられている例であるが、図6に示すように、高周波重畳手段(たとえば二次高周波(低周波)発生器4)が複数直列に設けられている、図7に示すように、高周波重畳手段が複数並列に設けられている、図8に示すように、低周波圧送手段が複数直列に設けられている、図9に示すように、低周波圧送手段が複数並列に設けられている、あるいはこれらの適宜の組み合わせによる装置構成としてもよい。
ここで、高周波重畳手段として、たとえば二次高周波(低周波)発生器4を複数直列に設ける場合、二次高周波(低周波)発生器4の透過孔2bの大きさ(面積)、透過孔2bの形成間隔を異ならせると、より複雑な振幅変動又は周波数変動を示すものを構成できる。
【実施例】
【0017】
次に実施例(実験例)を示し、本発明の効果を明らかにする。
砂質地盤においては、図10に示すように、注入圧力と注入速度との関係グラフにおいて、直線的に圧力が上昇する領域Z1では、脈の発生がなく良好な浸透注入が可能であり、目的の改良形状(たとえば球状)を得ることができる。曲線的に圧力が上昇する領域Z2では脈の発生があるものの、それなりの浸透注入が可能であり、ほぼ目的の改良形状(たとえば球状)を得ることができる。注入速度が速め、直線的に圧力が上昇する領域Z3では脈状の割裂注入となり、浸透注入が困難であり、目的の改良形状が得られない。
かかる一般的な知見を背景に、注入材として、12000以上のブレーン値を示す超微粒子セメント350kg、水酸化ナトリウム30kg、分散剤1kg、残留水、1000リットルを使用した。初期粘性は20mPa・sで、ゲルタイムは数時間のものである。一軸圧縮強度100〜400kn/m2である。かかる注入材により、前述の次の「マックスパーム工法」に使用される注入管装置を使用し、注入実験を行った。なお、いずれも注入速度は6.0リットル/分とした。
(1)実験1:長波及び短波の注入圧力の周期的変動がいずれもなし(静的な注入)。結果を図11及び図12に示す。
(2)実験2:長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が6Hz。結果を図13及び図14に示す。
(3)実験3:長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hz。結果を図15及び図16に示す。
【0018】
<考察>
実験1の結果によれば、注入孔付近に大きな4本の脈が発生しており、改良体も注入孔付近に留まり、球状のものではなかった。
実験2の結果によれば、注入孔付近に細かい無数の脈が形成され、改良体は多少いびつであるがほぼ球形であった。
実験3の結果によれば、注入孔付近に大きな脈がほとんど発生しておらず、改良体も理想的な球状のものであった。
これらを総合的にみると、本願発明に従う、長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって注入する方法の有効性は顕著である。
また、岩盤に対する注入では、短波の周波数が6〜8Hzが特に最適であったのに対し、砂質地盤では短波の周波数が2Hzの方が良好であることが判る。
【0019】
上記の実験及び結果に加えて、さらなる実験を行った。すなわち、注入材料の粘性が複合動的注入に及ぼす影響について検討した。
すなわち、内径79mmφ、高さ1.5mの一次元浸透試験用モールド内に東北6号及び8号珪砂を詰めて、0.1MPaの注入圧力をもって、水(1.0mPa)及び(水+水ガラス)(2.98mPa)を注入し、通過量の経時的変化を観察した。この注入形態として、静的(一定圧力)注入と、長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hzの本発明に係る複合動的注入とを行った。しかし、粘性の相違、周波数による相違はいずれも観察できなかった。
【0020】
他方で、内径79mmφ、高さ1.5mの一次元浸透試験用モールドとして透明塩化ビニル製のものに換え、その内部に東北6号を1.74g/cm3の量で詰めて、注入材料の到達距離を測定した。試験条件は次記のとおりである。
注入材料:12000以上のブレーン値を示す超微粒子セメント350kg、水酸化ナトリウム30kg、分散剤1kgのもの。
注入材料の粘度:すべて約3.9mPa
注入圧力:0.1MPa
注入形態:(1)静的(一定圧力)注入
(2)単動的注入:0.1Hz及び2Hz(それぞれ両振幅60%)
(3)複合動的注入:長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hz(それぞれ両振幅60%)
結果を図17に示す。この結果から、注入形態の相違により、未固結砂において、到達距離については明確に相違がみられることが確認された。
【0021】
長波の周波数として、0Hz、0.05Hz、0.1Hz、及び0.3Hz:短波の周波数として、0Hz、2Hz、4Hz、6Hz、及び8Hzの組合せによって、前記到達距離実験を繰り返した。その結果、これらの組合せの系内では、長波の周波数が0.1Hz、短波の周波数が2Hz(それぞれ両振幅60%)の複合動的注入が最適なものであることを確認した。次に、長波の周波数が0.05Hz、短波の周波数が2Hzの複合動的注入も遜色はないものであることを確認した。
【0022】
上記の実験結果を踏まえて、
次に実施例(実験例)を示し、本発明の効果を明らかにする。
現実の砂質地盤を模擬的に再現させるために、図18に示す被注入器に対して、図2に示す装置を使用して、注入材料の通過量の変化を調べる注入実験を行った。
被注入器は、上下の圧肉鉄板(肉厚50mm)の間に狭い間隔S(30μm)の流路を形成し、その流路内に邪魔板スペーサを設け、グラウト材の入口P1から出口に向かって邪魔板スペーサを巡りながら注入するようにしたものである。注入条件は次記のとおりである。
注入材料:超微粒子セメント「日鉄スーパーファイン」、分散剤0.7%配合のW/C:200%のセメントミルク。
注入形態:複合動的注入:短波の周波数が6Hz、長波の周波数を変化させる(それぞれ片振幅30%、両振幅60%)
結果を図19に示す。この結果から、長波の周波数としては、0.04〜0.08Hzの場合において通過量が高く、浸透性が良好であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明の実施の形態の概要図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の概要図である。
【図4】二次高周波発生器の説明図である。
【図5】圧力振幅及び流量振幅変動のグラフである。
【図6】注入プラントの他の例の説明図である。
【図7】注入プラントの他の例の説明図である。
【図8】注入プラントの他の例の説明図である。
【図9】注入プラントの他の例の説明図である。
【図10】注入圧力と注入速度との関係グラフ。
【図11】実験1の結果の写真である。
【図12】実験1の結果の写真である。
【図13】実験2の結果の写真である。
【図14】実験2の結果の写真である。
【図15】実験3の結果の写真である。
【図16】実験3の結果の写真である。
【図17】実験結果のグラフである。
【図18】被注入器の形態の説明図である。
【図19】実験結果のグラフである。
【符号の説明】
【0024】
1…注入管、2…グラウトラウト材料撹拌機、3…注入ポンプ(一次低周波発生器)、4…二次高周波発生器、5…リターンバルブ、10…流路、12…バイパス路、13…二次高周波振幅調整器、14…調整弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂質注入対象領域にグラウト材を、その注入圧力を周期的に変動させながら注入するものであって、
長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって前記グラウト材を注入することを特徴とする砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【請求項2】
前記長波の周波数が0.04〜0.08Hzの周期である請求項1記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【請求項3】
前記短波の周波数が1〜6Hzの周期である請求項1または2記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【請求項1】
砂質注入対象領域にグラウト材を、その注入圧力を周期的に変動させながら注入するものであって、
長波の注入圧力の周期的変動に、短波の注入圧力の周期的変動を重畳した注入圧力の変動をもって前記グラウト材を注入することを特徴とする砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【請求項2】
前記長波の周波数が0.04〜0.08Hzの周期である請求項1記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【請求項3】
前記短波の周波数が1〜6Hzの周期である請求項1または2記載の砂質地盤におけるグラウト注入工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2008−231907(P2008−231907A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41911(P2008−41911)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000115463)ライト工業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000115463)ライト工業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】
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