説明

研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ

【課題】被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、ブラシ片が毛切れする事が無く、ブラシ片が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無いと共に、構造及び製造手順が簡易なブラシを提供する。
【解決手段】被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記ブラシは芯線4、ブラシ片3、及び帯状体5よりなるチャンネルブラシ2を有すると共に、前記ブラシ片3は撚り線状あるいはロープ状の繊維集合体にて形成されてあり、前記帯状体5は断面が概コの字形状に形成されてあると共に、前記ブラシ片3が前記芯線4及び前記帯状体5にて挟み込まれて形成されてあるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする為に使用するブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする為に使用するブラシに関しては、使用目的に応じて、さまざまな改良がなされ、例えば、円盤状の基台の表面に、無数のブラシ毛を植設したリング状のブラシ素材を同心状にして複数設け、最外周側に位置するブラシ素材のブラシ毛を、その内側のブラシ素材のブラシ毛より硬質であって、最外周側のブラシ素材のブラシ毛は回転の遠心力で外側に倒れたり湾曲することがなく、その内側のブラシ素材のブラシ毛が回転の遠心力で外側に倒れようとしても最外周側のブラシ素材が保持するようにしたことを特徴とするカップ型のブラシが、カップ型ブラシとして、特許第3030539号に開示されてある。
【0003】
また、例えば、断面が多角形をなす鋼線材を屈曲成形した円環状であって、少なくとも1本の稜線が外向きとなるようにした研磨部を設けると共にその端部を支持部とした研磨部材の2本を、前記支持部から研磨部に向かって次第に離反するようにして支持部の基端を保持部材に固定してなることを特徴とする研磨具が、研磨具として、特許第3241799号に開示されてある。
【0004】
さらにまた、例えば、捻りブラシ部とこの捻りブラシ部に結束部を介して連続する平形ブラシ部とを有し、前記捻りブラシ部は、多数本の第1のブラシ毛を複数本の芯線で挟み芯線を束ねて捻ることにより前記芯線に固着すると共に、この芯線を捻ることにより第1のブラシ毛を螺旋状に並べて構成しており、前記平形ブラシ部は、前記芯線に挟み込んだ第1のブラシ毛に対して略十文字を呈するように第2のブラシ毛を前記芯線に挟み込んだ後、前記第2のブラシ毛を前記芯線の先端方に倒して筆状にまとめ、首部と出っ張り部とをワイヤーにて結束して前記結束部を形成し、且つ、筆状にまとめられた第2のブラシ毛を、平形加工により広げ、且つ、外形部を所定の長さに毛刈りして所定の直径を有する円板状に形成し、さらに、前記結束部を接着剤にて固めると共に、前記平形加工された第2のブラシ毛の中心部を接着剤で固めて保形して構成したことを特徴とするばり等の除去工具が、ばり等の除去方法とその除去工具として、特許第3514814号に開示されてある。
【0005】
【特許文献1】 特許第3030539号
【特許文献2】 特許第3241799号
【特許文献3】 特許第3514814号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする為に使用するブラシに関しては、例えば、上記の如くの各種の特徴を有する技術が、開示されてあるが、特許第3030539号においては、無数のブラシ毛を植設したリング状のブラシ素材を同心状にして複数設け、最外周側に位置するブラシ素材のブラシ毛を、その内側のブラシ素材のブラシ毛より硬質にする事により、毛倒れを抑制する事ができるが、被加工面を加工する時に発生する毛切れについて、防止する方法は開示されていなかった。また、特許第3241799号においては、断面が多角形をなす鋼線材を屈曲成形した円環状に形成する事により、被加工面を研磨する研磨具が開示されてあるが、前記研磨具の研磨部を構成する鋼線材は、2本の鋼線材を保持部材に固定した構成となっている為、適切に使用できる被加工面の形状が限定されると共に、鋼線材が変形した時には、研磨性能が劣化するという課題を有していた。さらにまた、特許第3514814号においては、ばり等の除去工具を構成する捻りブラシ部と平形ブラシ部の構造及び製造手順が、上記に記載の如く、複雑、かつ手間を要する構成となっているという課題を有していた。本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、ブラシ片が毛切れする事が無く、ブラシ片が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無いと共に、構造及び製造手順が簡易なブラシを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシは、次のように構成したものである。
(1)被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記ブラシは芯線、ブラシ片、及び帯状体よりなるチャンネルブラシを有すると共に、前記ブラシ片は撚り線状あるいはロープ状の繊維集合体にて形成されてあり、前記帯状体は断面が概コの字形状に形成されてあると共に、前記ブラシ片が前記芯線及び前記帯状体にて挟み込まれて形成されてあるものである。
【0008】
(2)上記(1)記載の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記ブラシ片は撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体及び複数の単繊維が混在して形成されてあるものである。
【0009】
(3)上記(1)あるいは(2)記載の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記繊維集合体は合成繊維、研削材入り繊維、通電性複合繊維、無機繊維、あるいは天然繊維より形成されてあるものである。
【0010】
(4)上記(1)から(3)記載のいずれかの研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記繊維集合体は断面が多角形あるいは凹凸形状にて形成されてあるものである。
【0011】
(5)上記(1)から(4)記載のいずれかの研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記繊維集合体はコーティング層が形成されてあるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシは、次に示すような効果を得ることができる。なお、説明にあたっては、請求項の番号と同じ番号を付して説明する。
【0013】
(1)ブラシは、芯線、ブラシ片、及び帯状体よりなるチャンネルブラシが形成されてある。その為、ブラシは、使用目的に応じて、最適のブラシ片の毛量を設定できると共に、ブラシ片を密集させて形成する事ができる為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、使用目的に応じて、最適の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り性能を有する事ができる。また、ブラシは、帯状体の断面が、概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片が、芯線、及び帯状体にて挟み込まれて形成されてある為、平線植毛、あるいは丸線植毛等の植毛方法に比べて、構造及び製造手順を簡易にする事ができる。また、ブラシ片は、複数の繊維集合体にて形成されてあり、繊維集合体は、複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある為、ブラシは、被加工面からブラシ片が受ける衝撃力等の反力を、繊維集合体に形成されてある撚り線状の繊維が、吸収、及び分散させる事ができる。その為、ブラシ片が、毛切れする事が無く、ブラシ片が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無い。さらにまた、ブラシは、ブラシ片が撚り線状の繊維集合体にて形成されてある為、例えば、直径0.1mm以下の極細繊維を、使用目的に応じて、最適になるように設定して使用する事もできる。
【0014】
(1)他の実施の形態として、複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて形成した繊維束を複数、束ねた後、捩りを加えてロープ状になるように形成されてある繊維集合体を使用した場合においては、ブラシ片は、ロープ状の繊維集合体にて形成されてある。その為、ブラシは、被加工面からブラシ片が受ける衝撃力等の反力を、繊維集合体に形成されてあるロープ状の繊維が、吸収、及び分散させる事ができると共に、破断等にたいする高い耐久性を有する事ができる。その為、ブラシ片が、毛切れする事が無く、ブラシ片が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無いと共に、高い耐久性を有する事ができる。
【0015】
(1)他の実施の形態として、ブラシが、チャンネルブラシ、台座、及び止め金具より構成されてあり、台座は、略円筒形状からなり、外周の両端部には、止め金具が組みつけられて形成されてあり、チャンネルブラシは、ブラシ片を、芯線、及び帯状体にて挟みつけて折り込んだ後、台座の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されてあり、止め金具にて固定されてあり、ブラシ片は、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体にて形成されてある場合においては、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体にて形成されてあるブラシ片を、略円筒形状からなる台座の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成する事ができる。その為、被加工面が、例えば、液晶板、半導体ウェハー板、自動車の鋼板等の平滑な形状を有する場合であっても、略円筒形状からなる台座の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されたブラシ片が、被加工面にたいして、均一な圧力にて接触する事ができる。その為、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシは、高い加工性能を有する事ができる。
【0016】
(2)ブラシ片は、複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある複数の繊維集合体、及び直線状に形成されてある複数の単繊維が混在して形成されてある。その為、ブラシは、被加工面にたいして、複数の撚り線状の繊維集合体、及び複数の単繊維を、接触させる事ができる。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面が、さまざまな異なる加工条件を有する場合においても、異なる加工性能を有する複数の撚り線状の繊維集合体、及び複数の単繊維を、接触させる事ができる為、使用目的に応じて、最適の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り性能を有する事ができる。
【0017】
(3)ブラシ片は、複数の無機繊維を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある繊維集合体が、複数、形成されてある。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面にたいして、高い機械的強度、かつ細部まで、ブラシ片を接触させる事が必要な場合であっても、繊維集合体の材質として、例えば、SUS304等の高い機械的強度を有する無機繊維を使用する事により、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシは、使用目的に応じて、高い機械的強度にて、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りをする事ができる。また、繊維集合体は、複数の無機繊維を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある為、ブラシは、使用目的に応じて、細部まで、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りをする事ができる。
【0018】
ブラシ片の形成状態について、繊維集合体の材質として、合成繊維、研削材入り繊維、通電性複合繊維、あるいは天然繊維を使用できる。通電性複合繊維を使用した場合においては、ブラシは、通電する能力を有する事ができる為、被加工面に付着している電荷を除去する事ができる。
【0019】
(3)他の実施の形態として、複数の無機繊維、及び複数の研削材入り繊維を、束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある繊維集合体を使用した場合においては、無機繊維は、高い機械的強度を有すると共に、研削材入り繊維は、研削能力を有している為、繊維集合体は、被加工面にたいして、高い機械的強度にて、細部まで接触する事ができると共に、研削をする事ができる。
【0020】
(4)ブラシ片は、断面が多角形にて形成されてある複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて、撚り線状になるように形成されてある繊維集合体が、複数、形成されてある。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面にたいして、高い研削、研磨、ばり取り能力が必要な場合であっても、ブラシは、ブラシ片を構成する複数の繊維に形成されてある多角形の断面の角部が、被加工面にたいして、掻き出すように接触する事ができる為、使用目的に応じて、高い研削、研磨、ばり取りをする事ができる。また、繊維集合体は、複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある為、ブラシは、使用目的に応じて、細部まで、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りをする事ができる。
【0021】
(4)他の実施の形態として、断面が凹凸形状にて形成されてある繊維集合体を構成する繊維を使用した場合においては、繊維に形成されてある凹部は、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、掻き出した研削片、研磨片、表面処理片、洗浄剤、ばり等を、一時的に保持する事ができる。また、繊維に形成されてある凸部は、被加工面にたいして、掻き出すように接触する事ができる。その為、繊維を使用した繊維集合体にて構成されてある研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシは、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の加工を、高い能力にて実施する事ができると共に、掻き出した研削片、研磨片、表面処理片、洗浄剤、ばり等が、被加工面に残る事を抑制、あるいは防止する事ができる。
【0022】
(5)ブラシ片は、芯部、及びコーティング層より構成されてあり、芯部の外周にたいして、コーティング層が形成されてある繊維を、複数、束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように、繊維集合体が形成されてある。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面にたいして、高い研削、研磨、ばり取り能力が必要な場合であっても、コーティング層が、芯部の破断、劣化を、抑制、あるいは防止する事ができる為、ブラシは、高い耐久性を有することができる。
【0023】
(5)他の実施の形態として、繊維、及びコーティング層より構成されてあり、複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成した後、複数の繊維の外周にたいして、コーティング層が形成されてある繊維集合体を使用した場合においては、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、コーティング層が、捩りを加えて撚り線状に形成されてある複数の繊維の形状の変形、劣化を、抑制、あるいは防止する事ができる。その為、繊維集合体を使用したブラシ片より構成されてあるブラシは、高い耐久性を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、ブラシ片が毛切れする事が無く、ブラシ片が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無いと共に、構造及び製造手順が簡易なブラシを提供するという目的を、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記ブラシは芯線、ブラシ片、及び帯状体よりなるチャンネルブラシを有すると共に、前記ブラシ片は撚り線状あるいはロープ状の繊維集合体にて形成されてあり、前記帯状体は断面が概コの字形状に形成されてあると共に、前記ブラシ片が前記芯線及び前記帯状体にて挟み込まれて形成されてある構成において実現した。
【実施例1】
【0025】
図1から図5にて実施例1を示す。図1は、本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。図1において、1はブラシ、2はチャンネルブラシ、3はブラシ片、5は帯状体、6は台座、7は勘合部、8は繊維集合体、10は接合部である。図2は、図1の断面図である。図2において、4は芯線である。図3は、図1のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図3において、9は繊維である。図4は、図1のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図4において、18は繊維集合体、19は繊維束である。図5は、本発明の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。図5において、61はブラシ、62はチャンネルブラシ、63はブラシ片、65は帯状体、66は台座、68は繊維集合体、70は止め金具である。
【0026】
本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ1は、図1の如く、チャンネルブラシ2、及び台座6にて形成されてある。チャンネルブラシ2は、図2の如く、芯線4、ブラシ片3、及び帯状体5より形成されてあり、帯状体5は、断面が概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片3は、芯線4、及び帯状体5にて、挟み込まれて形成されてある。台座6は、概円柱形状に形成されてあり、下部に勘合部7を有すると共に、チャンネルブラシ2が、台座6の上面にたいして一体的に形成されるように、接合部10にて接合されてある。接合方法は、溶接、接着等、使用目的に応じて、適時、設定できる。また、ブラシ片3は、複数の繊維集合体8にて形成されてあり、繊維集合体8は、図3の如く、複数の繊維9を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。
【0027】
次に、ブラシ片に使用する繊維集合体について、撚り線状からなる繊維集合体、及び単繊維を使用した比較耐久試験について説明する。まず、撚り線状からなる繊維集合体には、直径0.14mmのSUS304の単線を3本撚って、撚り径0.3mmとした繊維集合体を使用した。また、直径0.1mmのSUS304の単線を7本撚って、撚り径0.3mmとした繊維集合体も使用した。また、単繊維には、直径0.3mmのSUS304の単線を使用した。次に、上記の繊維集合体、及び単繊維を、それぞれ、3.7kg使用して、毛丈30mmのチャンネルブラシを製作後、略円筒形状の台座の外周の周りに捩りを加えて、ブラシ外径が286mmになるよう螺旋状に、試験ブラシを製作した。その後、回転試験機に試験ブラシを設置して、ばりを有するエッジを想定した鋼板にたいして、試験ブラシが2mm押込まれた状態にて、毎分8リットルの水を噴射させながら、600rpmの回転数にて、連続回転させて、24時間後の重量変化、及び毛切れの状態を確認した。上記の如くの手順にて、比較耐久試験を実施した結果、直径0.14mmのSUS304の単線を3本撚って、撚り径0.3mmとした繊維集合体、及び直径0.1mmのSUS304の単線を7本撚って、撚り径0.3mmとした繊維集合体は、重量変化、及び毛切れが無かった。また、直径0.3mmのSUS304の単線は、毛切れが発生した事により、重量が25g減少した。上記の比較耐久試験の結果により、撚り線状からなる繊維集合体は、単繊維に比べて、毛切れする事が無く、高い耐久性能を有している事が判明した。
【0028】
また、本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、研削とは、被加工面の表面をブラシで削って滑らかにする加工である。また、研磨とは、被加工面の表面をブラシで砥き磨いて滑らかにする加工である。また、表面処理とは、被加工面の表面をブラシで硬化、美化、平滑化、耐食化させる等、被加工面の状態を改善させるための加工である。また、洗浄とは、被加工面の表面をブラシで洗い清める加工である。また、ばり取りとは、製品の縁等にできた余分な部分を、ブラシで削って除去する加工である。
【0029】
また、繊維集合体の材質としては、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシとして使用可能な材質であるならば、天然繊維、あるいは化学繊維を、使用目的に応じて、適時、設定して使用する事ができる。なお、天然繊維とは、植物、動物、鉱物を原料とする繊維であり、植物繊維には、例えば、シダ、シュロ等の靭皮繊維、パッキン、サイザル等の葉脈繊維、パーム等の果実繊維、綿、麻、石綿等がある。動物繊維には、例えば、硬毛として、豚毛、馬毛、猪毛があり、軟毛として、山羊毛、人毛、狸毛があり、他にも羊毛、絹等がある。また、化学繊維とは、石油、石炭などから化学的な合成や加工により作られる繊維であり、合成繊維、研削材入り繊維、通電性複合繊維、無機繊維、再生繊維、半合成繊維がある。合成繊維とは、合成高分子化合物から紡糸した繊維であり、フッ素系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニール系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、アラミド系等の各合成繊維がある。研削材入り繊維とは、例えば、炭化珪素、アルミナ、ダイヤモンド等の各種鉱物、シリカ、セラミック等の研削性能を有する材質を、ナイロン、PBT等の基材の繊維にたいして付着、練込み、あるいは混入させて形成した繊維である。通電性複合繊維とは、電流を流す事ができる性能を有する繊維であり、各種炭素繊維、硫化銅複合繊維、銀複合繊維がある。無機繊維とは、無機化合物からなる繊維であり、例えば、ピアノ線、硬鋼線、ステンレス鋼線、オイルテンパー線等の各種鋼線、真鍮線、りん青銅線等の非鉄金属線等がある。
【0030】
実施例1の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ1は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ1は、芯線4、ブラシ片3、及び帯状体5よりなるチャンネルブラシ2が形成されてある。その為、ブラシ1は、使用目的に応じて、最適のブラシ片3の毛量を設定できると共に、ブラシ片3を密集させて形成する事ができる為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、劣悪な加工条件の場合においても、使用目的に応じて、最適の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り性能を有する事ができる。また、ブラシ1は、帯状体5の断面が、概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片3が、芯線4、及び帯状体5にて挟み込まれて形成されてある為、平線植毛、あるいは丸線植毛等の植毛方法に比べて、構造及び製造手順を簡易にする事ができる。また、ブラシ片3は、複数の繊維集合体8にて形成されてあり、繊維集合体8は、複数の繊維9を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある為、ブラシ1は、被加工面からブラシ片3が受ける衝撃力等の反力を、繊維集合体8に形成されてある撚り線状の繊維9が、吸収、及び分散させる事ができる。その為、ブラシ片3が、毛切れする事が無く、ブラシ片3が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無い。さらにまた、ブラシ1は、ブラシ片3が撚り線状の繊維集合体にて形成されてある為、例えば、直径0.1mm以下の極細繊維を、使用目的に応じて、最適になるように設定して使用する事もできる。
【0031】
実施例1の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ1は、上記の如くの構成となっているが、ブラシの構造については、上記の如くの構成以外にも、芯線、ブラシ片、及び帯状体よりなるチャンネルブラシを有すると共に、ブラシ片が、撚り線状の繊維集合体にて形成されてあり、帯状体の断面が、概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片が、芯線及び帯状体にて挟み込まれて形成されてある構成であるならば、例えば、台座の無い構成を採用したり、例えば、直線状のチャンネルブラシのみの構成を採用する等、使用目的に応じて、最適になるように、適時、設定する事もできる。
【0032】
次に、実施例1のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を説明する。実施例1の他の実施の形態の繊維集合体18は、図4の如く、複数の繊維を束ねた後、捩りを加えて形成した繊維束19を、複数、束ねた後、捩りを加えてロープ状になるように形成されてある。
【0033】
実施例1の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシのブラシ片に使用する繊維集合体は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ片は、ロープ状の繊維集合体にて形成されてある。その為、ブラシは、被加工面からブラシ片が受ける衝撃力等の反力を、繊維集合体18に形成されてあるロープ状の繊維19が、吸収、及び分散させる事ができると共に、破断等にたいする高い耐久性を有する事ができる。その為、ブラシ片が、毛切れする事が無く、ブラシ片が変形した時であっても加工性能が劣化する事が無いと共に、高い耐久性を有する事ができる。
【0034】
また、実施例1の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを説明する。実施例1の他の実施の形態のブラシ61は、図5の如く、チャンネルブラシ62、台座66、及び止め金具70より構成されてある。台座66は、略円筒形状からなり、外周の両端部には、止め金具70が組みつけられて形成されてある。チャンネルブラシ62は、ブラシ片63を、芯線、及び帯状体65にて挟みつけて折り込んだ後、台座66の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されてあり、止め金具70にて固定されてある。また、ブラシ片63は、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体68にて形成されてある。
【0035】
実施例1の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ61は、上記の如くの構成となっているので、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体68にて形成されてあるブラシ片63を、略円筒形状からなる台座66の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成する事ができる。その為、被加工面が、例えば、液晶板、半導体ウェハー板、自動車の鋼板等の平滑な形状を有する場合であっても、略円筒形状からなる台座66の外周の周りに捩りを加えて螺旋状に形成されたブラシ片63が、被加工面にたいして、均一な圧力にて接触する事ができる。その為、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ61は、高い加工性能を有する事ができる。
【実施例2】
【0036】
図6から図9にて実施例2を示す。図6は、本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを、前面側から見た斜視図である。図6において、11はブラシ、12はチャンネルブラシ、13はブラシ片、15は帯状体、16は台座、17は勘合部、20は単繊維、28は繊維集合体である。図7は、図6のチャンネルブラシの断面図である。図7において、14は芯線である。図8は、図6のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図8において、29は繊維である。図9は、図6のブラシ片に使用する単繊維を前面側から見た拡大斜視図である。
【0037】
本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ11は、図6の如く、チャンネルブラシ12、及び台座16にて形成されてある。チャンネルブラシ12は、図7の如く、芯線14、ブラシ片13、及び帯状体15より形成されてあり、帯状体15は、断面が概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片13は、芯線14、及び帯状体15にて、挟み込まれて形成されてある。台座16は、概円柱形状に形成されてあり、下部に勘合部17を有すると共に、チャンネルブラシ12が、台座16の上面にたいして一体的に形成されるように、接合されてある。また、ブラシ片13は、撚り線状からなる複数の繊維集合体28、及び複数の単繊維20が混在して形成されてある。繊維集合体28は、図8の如く、複数の繊維29を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。また、単繊維20は、図9の如く、直線状に形成されてある。
【0038】
実施例2の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ11は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ片13は、複数の繊維29を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある複数の繊維集合体28、及び直線状に形成されてある複数の単繊維20が混在して形成されてある。その為、ブラシ11は、被加工面にたいして、複数の撚り線状の繊維集合体28、及び複数の単繊維20を、接触させる事ができる。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面が、さまざまな異なる加工条件を有する場合においても、異なる加工性能を有する複数の撚り線状の繊維集合体28、及び複数の単繊維20を、接触させる事ができる為、使用目的に応じて、最適の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り性能を有する事ができる。
【0039】
実施例2の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ11は、上記の如くの構成となっているが、ブラシ片13の形成状態については、上記の構成以外にも、例えば、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体28の毛丈を、複数の単繊維20の毛丈にたいして所定の長さだけ長く設定するように、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体28、及び複数の単繊維20が混在して形成する等、使用目的に応じて、最適になるように、適時、設定する事ができる。前記の如く、ブラシ片13の形成状態を設定した場合においては、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ11は、被加工面にたいして、ブラシ片13の先端部にて、撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体28が接触できると共に、繊維集合体28の毛丈にたいして所定の長さだけ短く設定されてある単繊維20が、繊維集合体28の毛倒れを補強、あるいは防止する事ができる為、高い耐久性を有する事ができる。
【実施例3】
【0040】
図10から図12にて実施例3を示す。図10は、本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。図10において、21はブラシ、22はチャンネルブラシ、23はブラシ片、25は帯状体、26は台座、27は勘合部、38は繊維集合体である。図11は、図10のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図11において、39は無機繊維である。図12は、図10のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図12において、48は繊維集合体、49は研削材入り繊維である。
【0041】
本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ21は、図10の如く、チャンネルブラシ22、及び台座26にて形成されてある。チャンネルブラシ22は、芯線、ブラシ片23、及び帯状体25より形成されてあり、帯状体25は、断面が概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片23は、芯線、及び帯状体25にて、挟み込まれて形成されてある。台座26は、概円柱形状に形成されてあり、下部に勘合部27を有すると共に、チャンネルブラシ22が、台座26の上面にたいして一体的に形成されるように、接合されてある。また、ブラシ片23は、撚り線状からなる複数の繊維集合体38が、形成されてある。繊維集合体38は、図11の如く、複数の無機繊維39を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。
【0042】
実施例3の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ21は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ片23は、複数の無機繊維39を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある繊維集合体38が、複数、形成されてある。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面にたいして、高い機械的強度、かつ細部まで、ブラシ片23を接触させる事が必要な場合であっても、繊維集合体38の材質として、例えば、SUS304等の高い機械的強度を有する無機繊維39を使用する事により、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ21は、使用目的に応じて、高い機械的強度にて、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りをする事ができる。また、繊維集合体38は、複数の無機繊維39を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある為、ブラシ21は、使用目的に応じて、細部まで、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りをする事ができる。
【0043】
実施例3の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ21は、上記の如くの構成となっているが、ブラシ片23の形成状態については、上記の構成以外にも、繊維集合体38の材質として、合成繊維、研削材入り繊維、通電性複合繊維、あるいは天然繊維を使用できる。通電性複合繊維を使用した場合においては、ブラシ21は、通電する能力を有する事ができる為、被加工面に付着している電荷を除去する事ができる。前記の如くのブラシは、一般に除電ブラシと呼ばれている。
【0044】
次に、実施例3のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を説明する。実施例3の他の実施の形態の繊維集合体48は、図12の如く、複数の無機繊維39、及び複数の研削材入り繊維49を、束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。
【0045】
実施例3の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシのブラシ片に使用する繊維集合体48は、上記の如くの構成となっているので、繊維集合体48は、複数の無機繊維39、及び複数の研削材入り繊維49を、束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。無機繊維39は、高い機械的強度を有すると共に、研削材入り繊維49は、研削能力を有している為、繊維集合体48は、被加工面にたいして、高い機械的強度にて、細部まで接触する事ができると共に、研削をする事ができる。
【実施例4】
【0046】
図13から図15にて実施例4を示す。図13は、本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。図13において、31はブラシ、32はチャンネルブラシ、33はブラシ片、35は帯状体、36は台座、37は勘合部、58は繊維集合体である。図14は、図13のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図14において、59は繊維である。図15は、図13のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を構成する繊維の断面図である。図15において、50は凹部、60は凸部、69は繊維である。
【0047】
本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ31は、図13の如く、チャンネルブラシ32、及び台座36にて形成されてある。チャンネルブラシ32は、芯線、ブラシ片33、及び帯状体35より形成されてあり、帯状体35は、断面が概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片33は、芯線、及び帯状体35にて、挟み込まれて形成されてある。台座36は、概円柱形状に形成されてあり、下部に勘合部37を有すると共に、チャンネルブラシ32が、台座36の上面にたいして一体的に形成されるように、接合されてある。また、ブラシ片33は、撚り線状からなる複数の繊維集合体58が、形成されてある。繊維集合体58は、図14の如く、断面が多角形にて形成されてある複数の繊維59を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。
【0048】
実施例4の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ31は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ片33は、断面が多角形にて形成されてある複数の繊維59を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある繊維集合体38が、複数、形成されてある。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面にたいして、高い研削、研磨、ばり取り能力が必要な場合であっても、ブラシ31は、ブラシ片33を構成する複数の繊維59に形成されてある多角形の断面の角部が、被加工面にたいして、掻き出すように接触する事ができる為、使用目的に応じて、高い研削、研磨、ばり取りをする事ができる。また、繊維集合体58は、複数の繊維59を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある為、ブラシ31は、使用目的に応じて、細部まで、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りをする事ができる。
【0049】
次に、実施例4のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を構成する繊維69を説明する。実施例4の他の実施の形態の繊維集合体を構成する繊維69は、図15の如く、断面が凹凸形状にて形成されてある。
【0050】
実施例4の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシのブラシ片に使用する繊維集合体を構成する繊維69は、上記の如くの構成となっているので、繊維69に形成されてある凹部50は、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、掻き出した研削片、研磨片、表面処理片、洗浄剤、ばり等を、一時的に保持する事ができる。また、繊維69に形成されてある凸部60は、被加工面にたいして、掻き出すように接触する事ができる。その為、繊維69を使用した繊維集合体にて構成されてある研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシは、研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り等の加工を、高い能力にて実施する事ができると共に、掻き出した研削片、研磨片、表面処理片、洗浄剤、ばり等が、被加工面に残る事を抑制、あるいは防止する事ができる。
【実施例5】
【0051】
図16から図18にて実施例5を示す。図16は、本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。図16において、41はブラシ、42はチャンネルブラシ、43はブラシ片、45は帯状体、46は台座、47は勘合部、78は繊維集合体である。図17は、図16のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図17において、77は芯部、79は繊維、80はコーティング層である。図18は、図16のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。図18において、88は繊維集合体、89は繊維、90はコーティング層である。
【0052】
本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ41は、図16の如く、チャンネルブラシ42、及び台座46にて形成されてある。チャンネルブラシ42は、芯線、ブラシ片43、及び帯状体45より形成されてあり、帯状体45は、断面が概コの字形状に形成されてあると共に、ブラシ片43は、芯線、及び帯状体45にて、挟み込まれて形成されてある。台座46は、概円柱形状に形成されてあり、下部に勘合部47を有すると共に、チャンネルブラシ42が、台座46の上面にたいして一体的に形成されるように、接合されてある。また、ブラシ片43は、撚り線状からなる複数の繊維集合体78が、形成されてある。繊維集合体78は、図17の如く、複数の繊維79を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成されてある。また、繊維79は、芯部77、及びコーティング層80より構成されてあり、芯部77の外周にたいして、コーティング層80が形成されてある。また、コーティング層80を形成する方法としては、各種被膜加工、接着加工、メッキ加工、静電植毛加工等の方法を、使用目的に応じて、適時、設定できる。
【0053】
実施例5の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ41は、上記の如くの構成となっているので、ブラシ片43は、芯部77、及びコーティング層80より構成されてあり、芯部77の外周にたいして、コーティング層80が形成されてある繊維79を、複数、束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように、繊維集合体78が形成されてある。その為、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、被加工面にたいして、高い研削、研磨、ばり取り能力が必要な場合であっても、コーティング層80が、芯部77の破断、劣化を、抑制、あるいは防止する事ができる為、ブラシ41は、高い耐久性を有することができる。
【0054】
次に、実施例5のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体88を説明する。実施例5の他の実施の形態の繊維集合体88は、図18の如く、繊維89、及びコーティング層90より構成されてあり、複数の繊維89を束ねた後、捩りを加えて撚り線状になるように形成した後、複数の繊維89の外周にたいして、コーティング層90が形成されてある。
【0055】
実施例5のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体88は、上記の如くの構成となっているので、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする時において、コーティング層90が、捩りを加えて撚り線状に形成されてある複数の繊維89の形状の変形、劣化を、抑制、あるいは防止する事ができる。その為、繊維集合体88を使用したブラシ片より構成されてあるブラシは、高い耐久性を有することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のブラシは、主に、被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取りのいずれかの加工をする為に使用するものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】 本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。
【図2】 図1の断面図である。
【図3】 図1のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図4】 図1のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。
【図6】 本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを、前面側から見た斜視図である。
【図7】 図6のチャンネルブラシの断面図である。
【図8】 図6のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図9】 図6のブラシ片に使用する単繊維を前面側から見た拡大斜視図である。
【図10】 本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。
【図11】 図10のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図12】 図10のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図13】 本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。
【図14】 図13のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図15】 図13のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を構成する繊維の断面図である。
【図16】 本発明の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシを前面側から見た斜視図である。
【図17】 図16のブラシ片に使用する繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【図18】 図16のブラシ片に使用する他の実施の形態の繊維集合体を前面側から見た拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1、11、21、31、41、61 ブラシ
2、12、22、32、42、62 チャンネルブラシ
3、13、23、33、43、63 ブラシ片 4、14 芯線
5、15、25、35、45、65 帯状体
6、16、26、36、46、66 台座 7、17、27、37、47 嵌合部
8、18、28、38、48、58、68、78、88 繊維集合体
9、29、59、69、79、89 繊維 10 接合部 19 繊維束
20 単繊維 39 無機繊維 49 研削材入り繊維 50 凹部 60 凸部
70 止め金具 77 芯部 80、90 コーティング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工面の研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記ブラシは芯線、ブラシ片、及び帯状体よりなるチャンネルブラシを有すると共に、前記ブラシ片は撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体にて形成されてあり、前記帯状体は断面が概コの字形状に形成されてあると共に、前記ブラシ片が前記芯線及び前記帯状体にて挟み込まれて形成されてあることを特徴とする研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ。
【請求項2】
請求項1記載の構成よりなる研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記ブラシ片は撚り線状あるいはロープ状からなる複数の繊維集合体及び複数の単繊維が混在して形成されてあることを特徴とする研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ。
【請求項3】
請求項1あるいは2記載の構成よりなる研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記繊維集合体は合成繊維、研削材入り繊維、通電性複合繊維、無機繊維、あるいは天然繊維より形成されてあることを特徴とする研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ。
【請求項4】
請求項1から3記載のいずれかの構成よりなる研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記繊維集合体は断面が多角形あるいは凹凸形状にて形成されてあることを特徴とする研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ。
【請求項5】
請求項1から4記載のいずれかの構成よりなる研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシにおいて、前記繊維集合体はコーティング層が形成されてあることを特徴とする研削、研磨、表面処理、洗浄、ばり取り用ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−116687(P2006−116687A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333748(P2004−333748)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】