説明

研磨粒子を留置した研削型洗浄クロス

【課題】 水を介在させて研削・洗浄作業に使用したときに、研磨粒子の脱落を生じることなく、汚れた面の汚れとりや光沢復活が可能になる研磨粒子を留置した研削型洗浄クロスを提供する。
【解決手段】 洗浄用基布に研磨粒子分散液を含浸させて乾燥させてなる基布中に、その重量の0.1〜1.5倍の研磨粒子分散液の乾燥残渣を留置させる。研磨粒子分散液の主成分を、研磨剤としての研磨粒子と、その研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤と、研磨粒子間を液架橋するためのジオルガノポリシロキサンオイルと、上記三者を溶解・分散する溶剤とする。その主成分に、水やW/O型に乳化するための油性系の界面活性剤を追加してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車やバイク、自転車、家屋、建築物などの塗装面、ガラスや金属、化粧ボード、石、陶磁器、プラスチックなどでの、水を吸収しないかもしくは吸収しても悪い影響が見られない硬質表面などの汚れ取りや光沢復活に用いることのできる研磨粒子を留置した研削型洗浄クロスに関し、詳しくは、上掲の対象物表面を研削・洗浄する際、研磨粒子の脱落を生じることなく連続して研削・洗浄することのできる上記研削型洗浄クロスに関する。また、本発明は、研削・洗浄された汚れや研削カスをクロスに吸収させることと併せて、対象物表面(洗浄面:作業面)に水はじき性を与え、光沢面を得ることのできる上記研削型洗浄クロスに関する。
【背景技術】
【0002】
古くから、塗装面やガラス、金属、プラスチック、陶磁器等の研削・洗浄する際には、研磨粒子と界面活性剤を主成分とする液体クレンザーや、これらに溶剤を含んだラビングコンパウンド、さらに、ワックスやシリコーンを含んだつや出し液体ワックスなどを、スポンジや布、フェルトなどに含ませて汚れた作業面を擦り、洗浄カスを水で流したり拭き取ったりしていた。
【0003】
一方、最近では、不織布やスポンジ、プラスチックなどに研削・洗浄液を含浸させたり、研磨粒子を接着剤で固定したりしたもので、作業面を研削・洗浄することが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0004】
さらには、不織布に予め含浸させたシリコーン系撥水剤を、含浸後に乾燥させてシリコーン成分を不織布に密着させてなるクロスを用いて作業面を磨き上げたり、洗浄後の水切りと同時に撥水性の被膜を形成したりすることも提案されていた(たとえば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2005−87487号公報
【特許文献2】特開昭60−28584号公報
【特許文献3】特開平5−285854号公報
【特許文献4】特開2002−264026号公報
【特許文献5】特開平11−152462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、古くからの研磨粒子を含んだ液体クレンザーやラビングコンパウンド、つや出し液体ワックスなどをスポンジや布、フェルトなどに含ませて洗浄作業を行うと、研磨粒子が作業面に必ず残ったり、周辺に飛び散ったり、作業面の隅々に入り込んだりして白残を起こすという問題があった。そのため、水をたっぷり使って作業面に残った研磨粒子を洗い流したり、乾いた跡の白残を入念に拭き取ったりすることが必要になって、作業に手間がかかり面倒であった。また、作業環境を逆に汚すことから室内では使いにくいものであった。特に、これらの洗浄液に含まれる溶剤や界面活性剤成分は環境汚染に結びつくものとして問題であった。
【0006】
特許文献1は、研磨粒子を含んだ液体洗浄剤を布に含浸させた水垢除去クロスであるに過ぎないために上記と同様の現象や問題が発生すると云える。
【0007】
特許文献2には、金属メッキ製品の表面仕上げや金型等の精密仕上げ等に用いられる研磨布についての記述があり、この研磨布は、研磨剤と軟化剤を加えたウレタン樹脂溶液に綿布を浸渣した後、その綿布を加熱乾燥することによって得られるとされている。したがって、この研磨布は、織物の表面や繊維間に研磨剤と軟化剤がウレタン樹脂で付着しているものである。
【0008】
特許文献3には、不織布表面の10〜80%の面積に、粒径0.5〜10μmの砥粒が水分散性ポリエステル系ウレタン樹脂などで固着されている研磨用不織布についての記述があり、この研磨用不織布では、磁気テープなどの表面仕上げに用いられ、研磨時に生じる砥粒の脱落や研磨屑などの悪影響を解消するために研磨部とクリーニング部とを分離させている。
【0009】
特許文献4には、プリント配線基板などのバイブレーション研磨に使用される研磨布についての記述がある。この研磨布では、研磨中に発生するバフカスによる穴詰まり問題を解消するために、エポキシ樹脂等の接着剤で研磨剤をブロック状集合体に固着させている。
【0010】
特許文献5には、トリメチルシロキシケイ酸のオルガノポリシロキサン溶液とアミノ変性ジメチルポリシロキサンを主成分とし、シリコーン化合物の担持剤として有機、無機の微粉体が添加された処理剤を、不織布や繊維性織物の表面に処理して乾燥させてなる撥水性付与クロスについての記述があり、この撥水性付与クロスによると、自動車の塗膜を磨き上げたり洗浄後の水滴を拭き取ったりする作業を行うだけで、その塗膜に撥水性を付与することができるとされている。
【0011】
しかしながら、特許文献1の水垢除去クロスは、研磨粒子を含んだ液体洗浄剤を布に含ませたもので、研磨粒子自体を不織布繊維上や繊維間に留めていないため、研磨粒子が流動的で布から流出しやすい。そのため、白残が起こりやすく、入念な拭き取り作業が必要であるだけでなく、連続して同じ面を用いて作業を行うことができない。
【0012】
特許文献2,3,4によって提案されているものでは、研磨粒子が脱落しないようにウレタン樹脂やエポキシ樹脂等を用いて固着させたり付着させたりしているけれども、それによっても研磨中の砥粒の脱落やバフカスが起こることが問題となっている。そこで、この問題に対処するために、特許文献2の研磨布では、軟化剤として高級脂肪酸又は金属石けんが用いられ、特許文献3の研磨用不織布では、研磨部と被研磨部を分離して交互に設けてクリーニング効果を具備させており、特許文献4の研磨布では、研磨材のブロック状集合状態を形成するという対策を講じている。
【0013】
特許文献5によって提案されている撥水性付与クロスは、作業面に撥水性を付与することが目的になっていて、担持体として用いられている無機・有機の微粒子が研削性を示すような効果は示されておらず、あくまでシリコーン化合物の担持体として用いられているために微粒子の脱落はないが、塗面の汚れを研削除去することはできない。
【0014】
本発明は、特許文献2,3,4に示されているような研磨粒子をウレタン樹脂やエポキシ樹脂などのような樹脂接着剤を用いて研磨粒子が脱落しないように固定する手段を用いず、特許文献1のもののように流動的な洗浄液の含浸だけに頼ることなく、しかも、特許文献5の撥水性付与クロスによっては発揮され得ない研削性を持つ研磨粒子を留置した研削型洗浄クロスを提供することを目的としている。
【0015】
加えて、本発明は、水を介在させて研削・洗浄し、研磨粒子の脱落を生じることなく、汚れた面の汚れとりや光沢復活が可能になる研磨粒子を留置した研削型洗浄クロスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る研磨粒子を留置した研削型洗浄クロスは、洗浄用基布に研磨粒子分散液を含浸させて乾燥させてなり、その基布中に、その重量の0.1〜1.5倍の研磨粒子分散液の乾燥残渣が留置されている、というものである。
【0017】
この研削型洗浄クロスによれば、対象物表面である作業面に水をかけたり当該クロスに水を含ませたりすることによって水を介在させた状態で、汚れた個所を擦ることによる研削・洗浄の作業により汚れを落すことができ、しかも、落ちた汚れが元のクロスに吸収されてきれいな面を得ることができる。また、作業面に水滴状に残っている水をタオルなどで拭き上げることにより仕上げとなる。特に、この研削・洗浄の作業中には、上記研削型洗浄クロスから研磨粒子が脱落するという事態が生じないため、作業者にとっては、作業中に作業面がクリアーに保たれて汚れがとれてきれいになっていく状況の変化を見ながら作業を続けられることにより、作業効率が上がるだけでなく、手作業で行った際の作業フィーリングの快適性がきわめて優れたものになる。さらに、一般的には作業後の作業面に研磨粒子が残ったり水だけで擦ったときの擦り跡が濡れるようになるということが云えるけれども、本発明の上記研削型洗浄クロスを用いると、作業後は、汚れが取れて作業面がきれいになって光沢面を得るだけでなく、作業面に撥水性が付与されるために、作業面に残っている水分が水滴状になり、タオルでの仕上げ拭きでスムーズに水切りが行われ、作業フィーリングの快適性がいっそう高まることになる。
【0018】
本発明にあっては、研磨粒子分散液の主成分が、研磨剤としての研磨粒子と、その研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤と、研磨粒子間を液架橋するためのジオルガノポリシロキサンオイルと、上記三者を溶解・分散する溶剤とを含んでいることが望ましい。また、その研磨粒子分散液の主成分に、上記研磨粒子と上記表面活性剤と上記ジオルガノポリシロキサンオイルとに加えて、これら三者と研磨粒子を分散するための水とが含まれているものであってもよく、このものでは、研磨粒子分散液の主成分に、W/O型に乳化するための油性系の界面活性剤が追加されているものであってもよい。本発明に係る上記研削型洗浄クロスは、上記した主成分を含む研磨粒子分散液を洗浄用基布に含浸させて乾燥することによって得られる。特に、主成分にW/O型に乳化するための油性系の界面活性剤が追加されている研磨粒子分散液を洗浄用基布に含浸させて乾燥するという方法で当該研削型洗浄クロスを製作すると、溶剤系の界面活性剤で研磨粒子分散液を製造するよりも溶剤の必要量が少なくて済むので、研磨粒子分散液をスムーズに製造することが可能になり、しかも、溶剤系の界面活性剤に比べて危険性や毒性が少なくなるので有利であるということが云える。
【0019】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスに用いる研磨粒子分散液は、溶剤にジオルガノポリシロキサンオイルと表面活性剤とを溶解し、この中に研磨粒子を均一に分散させることによって得られるけれども、親水性の研磨粒子は溶剤に分散しにくいという性質を有する点を勘案すると、まず、親水性の研磨粒子を水の中に均一に分散して、次に、溶剤にジオルガノポリシロキサンオイルと油性系の界面活性剤を溶解し、その中に、攪拌しながら研磨粒子の水中分散液を加えて、W/O型に乳化し、最後にこの中に油性化する表面活性剤を加えてよく攪拌することによって研磨粒子分散液を得ることが望ましい。
【0020】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスでは、上記ジオルガノポリシロキサンオイルが、研磨粒子分散液中に含有された1〜10重量%のジメチルシリコーンオイルであることが好ましい。ジオルガノポリシロキサンオイルとして使用されるジメチルシリコーンオイルの含有量は、液架橋や研磨粒子の脱落度合、ジメチルシリコーンオイルの洗浄面へのはみ出しや残存度合などに影響を及ぼす。ジメチルシリコーンオイルの含有量が1重量%より少ないと、液架橋が十分にできず、研磨粒子が脱落しやすくなり、10重量%より多くなると、過剰のジメチルシリコーンオイルが洗浄面にはみ出たり、研磨粒子と共にはみ出たりするので作業がスムーズにできず、洗浄面に残存するものが多くなってムラができたりするので好ましくない。
【0021】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスは、特許文献2,3,4に示されるような研磨粒子が脱落しないように研磨粒子を固定したり付着させたりするための樹脂接着剤を必要とせず、かつ、そのための樹脂の軟化剤を加えたり、研磨部と非研磨部とを分離して両者のバランスを調節するといった複雑な構造を必要としない。また、特許文献1のように研磨粒子を含む洗浄液が流動的ではなく、特許文献5のように研削効果を発揮し得ないものでもない。
【0022】
本発明の上記研削型洗浄クロスは、元の洗浄用基布と同じような柔軟性に富むため、対象物表面、すなわち作業面の形状の相違に関係なく、広い範囲で、手作業だけでなく機械作業で使用することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスによれば、水を介在させて研削・洗浄作業を行った際に、研磨粒子が脱落しないために白残現象が生じず、汚れをよく取り除いて光沢面を復活させることが可能であるという効果が奏される。また、洗浄作業後、残っている水分が水玉状になり、簡単にきれいな布で水滴を拭き取って仕上げることができるという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスに用い得る洗浄用基布は、洗浄作業に一般に汎用されている天然や合成の親水性又は親油性のいずれかの繊維を用いた織布又は不織布であっても、それらの混合繊維を用いた織布又は不織布であっても、さらには、それらの層状構造をもつ織布又は不織布であってもよい。他方、これら以外にスポンジやフェルト状のものについてもそれを処理して効果を発揮させることができるけれども、それらの内部深くに研磨粒子が閉じ込められて表面層のみが効果を示すことになるおそれがあり、効率が悪く割高になってしまうこともあり得る。しかし、スポンジやフェルト状のものについても洗浄面の性質や洗浄目的によってはこれらを用いることが可能である。
【0025】
繊維の大きさは特に限定がなく、天然のパルプや綿などと同様の扱いをする慣用サイズであっても構わないが、好ましくは、研磨粒子分散液の含浸時の滲透拡散がスムーズで含浸液保持能力のある方がよい。たとえば、洗浄用基布の重量の1〜25倍の重量の含浸液保持能力を有しているものが適している。含浸液保持能力が洗浄用基布の重量の1倍より少ないと、研磨粒子分散液の含浸量が少なくなりすぎて留置される研磨粒子の量が不足したり、留置状態が不安定になったり、研削効果を十分発揮できなくなる。含浸液保持能力が洗浄用基布の重量の25倍より多いと、研磨粒子分散液の滲透拡散性が悪くなり、留置される研磨粒子の分布状態が不均一になって研削効果を十分発揮できなくなるおそれがある。
【0026】
一方、洗浄用基布は、スポンジやフェルト状のように厚みを持たせる必要はなく、厚みを持たせすぎると、内部に留置された研磨粒子の効果を失うことになり、また、紙のように薄いと研磨粒子を留置するスペースが小さくなるために研磨粒子の留置される量が少なくなり、留置状態も不安定になってしまうことが懸念されるけども、紙のように薄いものであっても使用目的により選択することは可能である。
【0027】
研削・洗浄作業は、水を介在させて対象物表面を擦る作業であるため、耐水性と機械的強度に強い織布や不織布を洗浄用基布として用いることが好ましく、そのためには、ポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維などで一部を溶着して強度を増すことが有益である。
【0028】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスに用い得る研磨粒子分散液は、主成分として、研磨剤として慣用されるアルミナ等の研磨粒子と、その研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤と、これらの粒子間を液架橋するためのジオルガノポリシロキサンオイルと、これらを溶解又は分散する溶剤、又は、これらと研磨粒子を分散するための水と、必要に応じて追加されるW/O型に乳化するための油性系の界面活性剤とからなる。
【0029】
研磨剤として慣用されるアルミナなどの研磨粒子としては、アルミナがもっとも好ましいが、その他にシリカ、炭化ケイ素、ケイ酸金属塩、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどを上げられる。平均粒径は0.5〜10μmが適しているが、これに限定されることはなく、使用目的によりさらに使用可能な平均粒径の範囲を広くすることはできる。平均粒径が0.5μmより小さいと研削性が十分発揮されなくなって研削・洗浄効率が悪くなる。平均粒径が10μmより大きいと、研削性は向上するけれども、対象物表面に深いこすり傷が付きやすくなる。上掲のアルミナなどの研磨粒子は、単独で使用しても、それらを混合して使用しても構わない。研磨粒子の含有量の適否は洗浄用基布の含浸液保持能力に関係し、含浸液保持能力が低い洗浄用基布では多くすることができ、含浸液保持能力が高い洗浄用基布では少なくすることができる。標準的には、研磨粒子分散液中に5〜35重量%を加えることが好ましいが、これに限定されることはなく、使用目的によりさらにその範囲を広くすることができる。研磨粒子の含有量が5重量%より少ないと、研磨粒子分散液の含浸量を増す必要から含浸効率が悪くなったり、研磨粒子の留置分布濃度が薄くなったりするので、結果として研削・洗浄効果を十分発揮できなくなるおそれがある。研磨粒子の含有量が35重量%より多いと、研磨粒子分散液の洗浄用基布への滲透拡散が悪くなって研磨粒子の分布が不均一になってしまうおそれがある。
【0030】
研磨粒子の表面を油性化するために使用する表面活性剤としては高級脂肪酸が好ましく、特に、常温で液状であるオレイン酸を主成分とする高級脂肪酸が望ましい。その他に、高級アミンや高級アルコールも使用できるが、これらは皮膚に対する刺激や刺激臭があることから好ましくはない。さらに、油溶性の界面活性剤、たとえば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのHLBが10以下の常温で液状の非イオン性界面活性剤を用いることができ、この場合、W/O型に乳化する際に兼用することができるので、用いる研磨粒子の性質に相性のよい方を選ぶべきである。これらは単独で用いても混合して用いてもよい。使用量は、研磨粒子の表面吸着量によって異なるため、研磨粒子の種類と粒度に適した量を選ぶことになる。表面活性剤の含有量は、研磨粒子分散液中0.1〜1重量%が好ましい。0.1%より少ないと研磨粒子を十分に油性化することができず、白残が生じやすくなり、1%より多いと過剰の表面活性剤が対象物に付着して汚れ等の再付着や、仕上げにムラが生じたりして研削・洗浄作業を困難にしてしまう。
【0031】
表面活性剤を用いて油性化された研磨粒子間を液架橋するためのジオルガノポリシロキサンオイルには、25℃での平均粘度10〜500mm2 /sのジメチルシリコーンオイルを好ましく用い得る。ジメチルシリコーンオイルは、油性で水に対する反発作用が強く表面張力が低いために離型性に優れていることは公知のことである。
【0032】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスは、水を介在させた研削・洗浄作業に用いるのであるけれども、ジメチルシリコーンオイルによって研磨粒子間並びに研磨粒子と繊維間で液架橋して留置されている研磨粒子は、洗浄作業に際して水の作用の影響を受けにくい。そのため、液架橋が軟化したり切れたりすることがないので、水中で研削・洗浄作業を行っても留置状態の研磨粒子が脱落することはない。さらに、研磨粒子間並びに研磨粒子と繊維間に於ての架橋がオイル状の液架橋であるため、柔軟性に富み、研磨粒子が留置状態のままアメーバ状に動くことができて、対象物表面の状態や汚れの状態に応じて自在にその研磨粒子の働きかけが行われる。アメーバ状に動く研磨粒子間、研磨粒子と繊維間の隙間は、研削・洗浄して除去した汚れを取り込み、脱落しないようにしてしまい、白残を起こりにくくすることに役立つ。さらには、研削・洗浄作業が機械的な擦り作業であるため、汚れの激しい状況に応じて強くこすることが行われて、研磨粒子間、研磨粒子と繊維間の液架橋が切れて研磨粒子が留置状態から脱落しても、研磨粒子の表面は研削・洗浄によって除去されたと同様に元の液架橋の中にアメーバ状に取り込まれることは容易に考えられることである。これにより、研削・洗浄作業により消耗する研磨粒子がきわめて少なくなり、効率よく継続して広い面を研削・洗浄することができる。
【0033】
ジメチルシリコーンオイルの25℃での平均粘度について、ジメチルシリコーンオイルは揮発性であるので、それが10mm2 /sより低いと、当該研削型洗浄クロスを製造する際、研磨粒子分散液を布に含浸させて乾燥する工程で揮発して損失が発生することになるため好ましくなく、500mm2 /sより高いと研削・洗浄作業がスムーズにできにくくなり、洗浄作業面に作業ムラを起こしたりして好ましくない。ジメチルシリコーンオイル以外の変性シリコーンやシリコーン樹脂、反応性シリコーンなどについては、研削・洗浄効果が発揮できなかったり、汚れと共に油性化処理研磨粒子が洗浄作業面に凝集付着して均一な作業や光沢面が得られなかったりする。
【0034】
一方、研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤としてジオルガノポリシロキサンオイル以外の動植物油脂や鉱物油、合成油などを用いると、離型性や架橋性が不足して油性化処理された研磨粒子が研削・洗浄された汚れと共に凝集して布に留置することができなくなって作業面の方に移動し、その固まりが対象物表面に付着するようになるため、均一な作業や光沢面が得られなくなる。
【0035】
ジメチルシリコーンオイルを用いない上記研削型洗浄クロスでは、油性化処理された研磨粒子は、研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤の働きで洗浄用基布の中に一旦留置されるものの、研磨粒子間並びに研磨粒子と繊維間とのつながりが弱いために元の粒子粉体状に戻ろうとして、研削・洗浄作業と同時に基布中から脱落してしまいやすい。そして、脱落した微粒子は表面に粘着性を持たないため、元の基布に留置されている研磨粒子とつながることができなくなって完全に脱落し、研削・洗浄効果を失ってしまうことになる。
【0036】
本発明に係る研磨粒子の表面は油性化され、さらにジメチルシリコーンオイルで包まれているので、研磨粒子間並びに研磨粒子と繊維間に液架橋が働いて、研磨粒子はしっかりと洗浄用基布中に留置されて脱落することなく、水中に分散されることなく、強い水はじき性と離型性を発揮して、水中での機械的なこすり作業に対して液架橋による強い集合体を作り、元の洗浄用基布の留置個所にしっかり留まろうとする。
【0037】
本発明に用いるジメチルシリコーンオイルの含有量は、研磨粒子分散液中1〜10重量%が好ましく、特には2〜7重量%がよい。1重量%より少ないと、液架橋が十分にできず、研磨粒子が脱落しやすくなり、10重量%より多くなると、過剰のジメチルシリコーンオイルが洗浄面にはみ出たり、研磨粒子と共にはみ出たりするので作業がスムーズにできず、洗浄面に残存するものが多くなってムラができたりするので好ましくない。
【0038】
さらに、本発明に係る研削型洗浄クロスによると、洗浄しようとする汚れが水になじまない油性の固着した汚れであり、研削・洗浄作業と同時に除去された汚れも研削型洗浄クロスの中に取り込まれて、作業面は、こすり作業をするほどにクリアーになる。そして、汚れと共に液架橋した集合体は、強いジメチルシリコーンオイルの離型性で、洗浄作業面に移ることはない。
【0039】
本発明に係る研削型洗浄クロスに用いる溶剤は、上記したジメチルポリシロキサンオイル、表面活性剤、油溶性界面活性剤を溶解し、W/O型用の乳化剤を用いてW/O型に乳化でき、これらの中に研磨粒子、又はこれと水を分散できるもので、洗浄用基布に含浸させて乾燥する際、大きな不都合なく安価に製造できるものであることが好ましい。たとえば炭化水素系脂肪族溶剤で蒸留範囲80〜250℃のものが好ましく、特に140〜220℃のものを好ましく用い得る。具体的には、工業ガソリン、ミネラルスピリット、ドライクリーニング用溶剤、ノルマルパラフィン系、イソパラフィン系、ナフテン系といった溶剤を単独又は混合して用いるのがよい。また、この中に一部、芳香族溶剤が混合されていても構わない。
【0040】
この溶剤は、研磨粒子の表面から内部にジメチルポリシロキサンオイルが行き渡るようにする役割を持っている。そのために研磨粒子の表面が油性になってよくジメチルポリシロキサンオイルを吸着する性質を備えるものがよい。ジメチルポリシロキサンオイルを溶解した溶剤の中に研磨粒子を均一に分散して、乾燥することにより簡単に研磨粒子の表面にジメチルポリシロキサンオイルを付着させ、研磨粒子間にジメチルポリシロキサンオイルで液架橋させて、研磨粒子の粉体状から集合体に固めることができる。この際、ジメチルポリシロキサンオイルの量バランスにより、少ないと硬い固まりに、多いと柔らかい固まりになることが明らかである。これを洗浄用基布において行えば、洗浄用基布の繊維とも液架橋を起こして、この洗浄用基布の中に集合体ができる。この状態が研磨粒子を基布の中に留置している状態である。
【0041】
本発明に係る研削型洗浄クロスに用いる溶剤は、このように研磨粒子を基布の中に留置するためのキャリアとして極めて重要な成分である。この溶剤の含有量は、研磨粒子分散液中、溶剤系では64〜94重量%を全て溶剤とし、W/O型乳化系では10〜40重量%が好ましい。10重量%より少ないと、研磨粒子分散液を布へ滲透拡散する際、W/O型に乳化された分散液が高粘性になって洗浄用基布への含浸処理がスムーズに進行しない。40重量%より多いとW/O型に乳化された研磨粒子分散液の粘性が低くなり、洗浄用基布に含浸させるにはスムーズになるが、比重の重い無機性の研磨粒子が分散液の中で下層に沈降して分散液中の研磨粒子の均一分散を一定に保つことが難しくなり、基布への安定した含浸処理作業が困難になる。したがって、研磨粒子の種類と使用量に応じてW/O型エマルジョンの粘性が変化することを勘案して、重い研磨粒子が激しく沈降しない程度の粘性で基布への含浸がスムーズに進行する特性を求め、そのときの溶剤の使用量のバランスを求めることによって適性量が得られる。また、溶剤の種類の違いによっても分散液の粘性が変わり、併用する油溶性乳化剤の種類によっても変わるため、これらの最適な組み合わせでのバランスを求めればよい。このように溶剤は、研磨粒子の液架橋のためのキャリアとして働いており、研削型洗浄クロスでは残存しないものであるために毒性が低くて安全性が高く、揮発性の高いものが適しており、かつ、安価であることが望まれる。一方、溶剤系では研磨粒子を分散した溶剤をW/O型に乳化をせず、溶剤単独分散ででも研削型洗浄クロスは得られるが、製造現場での環境毒性や引火による危険性、経済的に高価であること、重い研磨粒子は溶剤中で容易に沈降しやすいことなどから好ましくないことが明らかであり、さらに困難なことは、研磨粒子は親水性であり、簡単に溶剤中に均一に分散することが難しいことである。以上より、溶剤は、水でうすめられた状態で用いるのがもっとも望ましいことになる。
【0042】
W/O型に乳化する油溶性乳化剤としては、慣用されるHLBの低い非イオン性界面活性剤を用いることができる。たとえば、研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤として上掲のソルビタン脂肪酸エステル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルといったHLBが10以下の常温で液状の界面活性剤を用いることが好ましい。
【0043】
表面が親水性の研磨粒子は水中に分散することによって簡単に均一に分散できるため、予め研磨粒子を水中に分散して粒子表面を完全に水に濡らすことになるため、水との反発性の強いジメチルポリシロキサンオイルとは結びつきにくくなるのは当然である。そこで、W/O型に乳化する必要性については、研磨粒子分散液をW/O型に乳化することにより、ジメチルポリシロキサンオイルを含んだ溶剤は、水に濡れた研磨粒子を乳化粒子として包み込むことになり、この状態で乾燥すれば、研磨粒子の表面にジメチルポリシロキサンオイルが吸着されるようになることによる。この際、この研磨粒子をジメチルポリシロキサンオイルで油性化することをより確実に行うには、研磨粒子の表面に吸着してW/O型エマルジョンの中ですでに油性化の構造ができていることである。そのためには、W/O型に乳化する油溶性乳化剤でも構造はできているけれども、高級脂肪酸を用いることにより確実にすることができる。W/O型に乳化する油溶性乳化剤は、基本的には水ともなじみのある成分であり、多量に用いることは、水中に広がりやすく、また、洗浄面への移行などが起こりやすいために、多くを用いることはできない。W/O型に乳化する油溶性乳化剤の含有量は、研磨粒子分散液中0.1〜0.7重量%が好ましい。0.1重量%より少ないと、W/O型の乳化と研磨粒子の分散が均一にならず、洗浄用基布へ含浸する際にスムーズに滲透拡散が進行しなくなる。0.7重量%より多くなると、研磨粒子が研削・洗浄された汚れと共に集合して、洗浄面に再付着してとれにくくなり、均一に仕上がりにくくなる。
【0044】
研磨粒子分散液に用いる水は、親水性の研磨粒子を予め均一に分散する際に必要であり、また、研磨粒子分散液の粘性を出して研磨粒子の沈降防止を行う上で必要であり、研磨粒子分散液の希釈剤として有効である。使用量が少ないとW/O型エマルジョンの粘性が低くなり、重い研磨粒子がこの分散液中で沈降して分散液の含浸工程を困難にし、多すぎると粘性が高くなり、この分散液の洗浄用基布への滲透拡散がスムーズに進行しなくなるため30〜80重量%が好ましい。
【0045】
研磨粒子分散液は、予め脂肪族溶剤にジメチルシリコーンオイルとW/O型乳化剤を溶解した中に、攪拌をしながら研磨粒子を水に均一に分散したものを加えて、均一なW/O型のエマルジョンを作り、この中に高級脂肪酸を徐々に加えてよく攪拌することによって製造される。また、脂肪族溶剤にジメチルシリコーンオイルと表面活性剤を溶解し、その中に攪拌しながら研磨粒子を分散する方法によることもできる。しかし、研磨粒子の沈降速度が早いため、洗浄用基布への含浸は注意して攪拌する必要がある。一方、この場合、表面活性剤を用いなくても含浸処理した研削型洗浄クロスからの研磨粒子の脱落や白残はなくなるけれども、研磨粒子を均一な状態に分散することが難しくなるため好ましくないと云える。
【0046】
研削型洗浄クロスは、洗浄用基布に研磨粒子分散液を均一に含浸させ、その後、乾燥させて、分散液に含まれる溶剤と水を揮発させることによって製造される。研磨粒子分散液の含浸方法は慣例的方法、たとえば、ディピング、スプレー、ロールコート、転写などの方法を用いることができる。また、乾燥方法も、慣例的方法、たとえば加熱乾燥、熱風乾燥などの方法を用いることができる。研削型洗浄クロスの製造方法は、これらの製造方法に限定されることはなく、効率のよいいかなる方法であっても、研削型洗浄クロスが確実に製造できればよい。
【0047】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスは、洗浄用基布に留置された研磨粒子がパラパラと脱落することなく、風合いが元の基布の状態と殆ど同じで感触がよく、製品としての取扱いはきわめて楽である。また、研削・洗浄作業時に留置された研磨粒子が脱落しないため、あるいは一旦脱落してもすぐ元の基布に吸収されるため、研削・洗浄効果を継続して広い面積で発揮させことができる。これにより基布の使用面積は、液含浸タイプのウェット型クロス製品より小さくてもよく、また、洗浄作業中にクロスの面を頻繁に変える必要もなくなって洗浄作業もスムーズに行いやすくなる。
【0048】
研磨粒子について、本発明では、高級脂肪酸や油溶性界面活性剤でその表面を疎水化してあるけれども、この方法の代用として予め油性化された研磨剤を用いてもよく、一部混合しても構わない。
【0049】
本発明の研削型洗浄クロスには、上記成分以外に慣用されるメチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、アラルキル変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン等の疎水性で離型性のあるシリコーンオイル、洗浄用ビルダー、PH調整剤、着色剤、香料等を必要に応じて添加することもできる。
【0050】
本発明に係る研削型洗浄クロスは、研磨粒子分散液を不織布や織布に含浸、乾燥処理して得られるだけでなく、ウレタンスポンジや、PVAスポンジ、フェルト、紙状のものにも含浸・乾燥処理して得ることができ、それらは、対象物表面の様々の形状の違いにも追従できる不織布や布などに比べて研削・洗浄効率は劣るけれども、特殊な目的、用途に於ては十分に用いることができる。
【0051】
研削・洗浄作業は、上記研削型洗浄クロスで汚れが固着した対象物表面(作業面)を水を介在して直接にこすることによって行われる。汚れている作業面は、予め水で砂やどろ、ホコリなどの落とせるものを流しておく。水で流されずに固着している汚れは、研削型洗浄クロスに水を含ませるか、汚れ面に水をかけて擦って落とす。この研削・洗浄作業は、作業面に残っている水がはじかれて同じような水滴になるまで行い、同じような水滴になると、そのことによって汚れが取れたと判断することができる。落とされた汚れは、研削型洗浄クロスに取り込まれて洗浄作業面はきれいになる。このとき、研削型洗浄クロスから研磨粒子が脱落しないので、作業面がクリアーな面に復活する。汚れの除去が不十分な場合には、さらに研削型洗浄クロスでその箇所を擦ればよい。残っている水滴をきれいな布で拭き上げると仕上がりである。残っている水滴が乾いて水跡ができた時には、水で湿らした布で拭き上げるときれいに仕上がる。研削型洗浄クロスの使用面には、除去された汚れを取り込んで汚れが集ってくるが、その状態でも研削効果を発揮するので、そのまま次の個所の研削・洗浄に用いることができる。したがって、研削・洗浄効果が、汚れの多量の集合で弱くなった時点で新しい面を使えばよい。
【0052】
一方、水を流すことができないような個所では、研削型洗浄クロスに垂れない程度に水を含ませて汚れている面を擦って、残っている水滴を別の布で拭き取るときれいに作業ができて仕上がる。さらに、研削型洗浄クロスに含ませる水の量を、研削・洗浄作業で水のはみ出しがない程度に少なくすると、汚れている面を、研削型洗浄クロスで擦るだけで、汚れを取り込み、跡に水滴を残さず、仕上げの水拭き取り作業が不要になる。したがって、この方法によると、研削・洗浄作業を1工程で終了することができて、簡単な洗浄方法を行うだけで済む。
【0053】
本発明に係る上記研削型洗浄クロスは、汚れが固着している自動車の塗装やプラスチック、金属メッキ、ガラスなどの外装部の洗浄作業にきわめて優れた効果を発揮し、その他に、バイクや自転車、家屋、建築物などの家庭用又は産業用などの塗装、ガラス、金属、化粧ボード、陶磁器、プラスチックなどの製品、さらに台所のステンレス流し台や電気製品の外装、水屋、洗面台、浴槽や洗面道具、トイレ便器などの家庭用品、楽器やゴルフ用品などの手入れに用いることも可能である。
【実施例】
【0054】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0055】
1.実施例用研磨粒子分散液
〔研磨粒子分散液1〕
成分名 配合割合(重量%)
水 60.0
微粒アルミナA−32 13.0
ペガソール3040 22.3
シリコーンKF96 50cs 4.0
ノニオンOP−83RAT 0.2
ルナックO−P 0.5
100.0
ペガソールにシリコーンとノニオンを溶かし、アルミナを水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、最後にルナックを加えてよく攪拌して、乳白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0056】
〔研磨粒子分散液2〕
成分名 配合割合(重量%)
水 53.5
微粒アルミナA−34 17.0
ペガソール3040 25.0
シリコーンKF96 500cs 2.0
シリコーンKF96 100cs 2.0
ノニオンLP−20R 0.5
100.0
ペガソールにシリコーンとノニオンを溶かし、アルミナを水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、よく攪拌して乳白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0057】
〔研磨粒子分散液3〕
成分名 配合割合(重量%)
水 62.0
ケイセキ YS−48 10.0
シェルソルTK 24.1
シリコーンKF96 10cs 3.0
ノニオンOP−83RAT 0.3
エマルゲン 404 0.2
ルナックO−P 0.4
100.0
シェルソルにシリコーンとノニオンとエマルゲンを溶かし、ケイセキを水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、最後にルナックを加え、よく攪拌して乳白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0058】
〔研磨粒子分散液4〕
成分名 配合割合(重量%)
水 42.0
セポール120 24.0
アイソパーG 25.0
シリコーンKF96 100cs 5.0
シリコーンKF414 3.0
エマルゲン 404 0.4
ルナックO−A 0.6
100.0
アイソパーにシリコーンとエマルゲンを溶かし、セポール120を水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、最後にルナックを加え、よく攪拌して淡乳黄白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0059】
〔研磨粒子分散液5〕
成分名 配合割合(重量%)
水 65.0
GC微粉#8000 6.0
ペガソール3040 26.3
シリコーンKF96 50cs 2.0
エマゾールMO−50 0.4
ルナックO−A 0.3
100.0
ペガソールにシリコーンとエマゾールを溶かし、GC微粉を水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、最後にルナックを加え、よく攪拌して淡乳緑灰色のW/O型エマルジョンを得た。
【0060】
〔研磨粒子分散液6〕
成分名 配合割合(重量%)
ペガソール1725 75.3
微粒アルミナA−34 20.0
シリコーンKF96 350cs 4.0
ルナックO−P 0.7
100.0
ペガソールにシリコーンとルナックを溶かし、この中へ攪拌しながらアルミナを分散して溶剤分散液を得た。
【0061】
〔研磨粒子分散液7〕
成分名 配合割合(重量%)
水 35.0
微粒アルミナA−34 34.0
ペガソール3040 23.3
シリコーンKF96 50cs 6.6
ノニオンOP−83RAT 0.3
ルナックO−P 0.8
100.0
ペガソールにシリコーンとノニオンを溶かし、水によく分散したアルミナをその中へ攪拌しながら加え、最後にルナックを加え、よく攪拌して乳白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0062】
2.比較例用比較液
〔比較液1〕
成分名 配合割合(重量%)
ペガソール3040 70.8
微粒アルミナA−32 28.0
ノニオンLP−20R 1.2
100.0
ペガソールにノニオンを溶かし、この中へ攪拌しながらアルミナを分散して溶剤分散液を得た。
【0063】
〔比較液2〕
成分名 配合割合(重量%)
KM9736 10.0
微粒アルミナA−32 15.0
水 75.0
100.0
攪拌中水にアルミナをよく分散し、次いでKM9736を分散して水中分散液を得た。
【0064】
〔比較液3〕
成分名 配合割合(重量%)
ペガソール1725 80.0
シリコーンKF96 50cs 2.0
微粒アルミナA−34 18.0
100.0
ペガソールにシリコーンを溶かし、この中へ攪拌しながらアルミナを分散して溶剤分散液を得た。
【0065】
〔比較液4〕
成分名 配合割合(重量%)
水 50.0
ケイセキYS−48 23.0
シェルソルTK 25.8
ノニオンOP−83RAT 0.3
ルナックO−A 0.4
シリコーンKF96 500cs 0.5
100.0
シェルソルにシリコーンとノニオンを溶かし、ケイセキを水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、最後にルナックを加え、よく攪拌して乳白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0066】
〔比較液5〕
成分名 配合割合(重量%)
水 56.0
セポール120 6.0
アイソパーG 25.2
エマルゲン404 0.8
シリコーンKF96 100cs 12.0
100.0
アイソパーにシリコーンとエマルゲンを溶かし、セポールを水によく分散したものをその中へ攪拌しながら加え、よく攪拌して淡乳黄白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0067】
〔比較液6〕
成分名 配合割合(重量%)
水 50.0
ケイセキYS−48 15.0
シェルソルTK 28.2
シリコーンKF410 5.0
エマゾールMO−50 0.6
ルナックO−P 1.2
100.0
シェルソルにシリコーンとエマゾールを溶かし、この中へ攪拌中ケイセキを水によく分散したものを加え、最後にルナックを加えてよく攪拌して、乳白色のw/o型エマルジョンを得た。
【0068】
〔比較液7〕
成分名 配合割合(重量%)
水 60.0
ペガソール3040 35.0
シリコーンKF96 500cs 2.0
シリコーンKF96 100cs 2.0
ノニオンLP−20R 1.0
100.0
ペガソールにシリコーンとノニオンを溶かし、その中へ攪拌しながら水を加え、よく攪拌して乳白色のW/O型エマルジョンを得た。
【0069】
上記の研磨粒子分散液に用いた原料成分の内容は以下の通りである。
・微粒アルミナA−32(研磨粒子)
アルミナ,平均粒子径1μm
日本軽金属(株)製
・微粒アルミナA−34(研磨粒子)
アルミナ,平均粒子径4μm
日本軽金属(株)製
・ケイセキYS−48(研磨粒子)
硅石,平均粒子径10μm
(株)ピュアミック製
・セポール120(研磨粒子)
酸化セリウム,累積高さ50%点の粒子径2.88μm
不二見研磨材工業(株)製
・GC微粉#8000(研磨粒子)
炭化ケイ素,累積高さ50%点の粒子径1.2±0.3μm
南興セラミックス(株)製
・ルナックO−P(表面活性剤)
オレイン酸,中和価200〜206
花王(株)製
・ルナックO−A(表面活性剤)
オレイン酸,中和価200〜204
花王(株)製
・ノニオンLP−20R(表面活性剤兼油溶性乳化剤)
ソルビタンモノラウレート,HLB8.6
日本油脂(株)製
・ノニオンOP−83RAT(表面活性剤兼油溶性乳化剤)
セスキオレイン酸ソルビタン,HLB3.7
日本油脂(株)製
・エマルゲン404(表面活性剤兼油溶性乳化剤)
ポリオキシエチレンオレイルエーテル,HLB8.8
花王(株)製
・エマゾールMO−50(表面活性剤兼油溶性乳化剤)
グリセロールモノオレエート,HLB2.8
花王(株)製
・シリコーンKF96 10cs(ジオルガノポリシロキサンオイル)
ジメチルシリコーンオイル,粘度10mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・シリコーンKF96 50cs(ジオルガノポリシロキサンオイル)
ジメチルシリコーンオイル,粘度50mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・シリコーンKF96 100cs(ジオルガノポリシロキサンオイル)
ジメチルシリコーンオイル,粘度100mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・シリコーンKF96 350cs(ジオルガノポリシロキサンオイル)
ジメチルシリコーンオイル,粘度350mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・シリコーンKF96 500cs(ジオルガノポリシロキサンオイル)
ジメチルシリコーンオイル,粘度500mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・シリコーンKF414(アルキル変性シリコーンオイル)
長鎖アルキル変性シリコーンオイル,粘度100mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・シリコーンKF410(アラルキル変性シリコーンオイル)
メチルスチリル変性シリコーンオイル,粘度900mm2 /s(25℃)
信越化学工業(株)製
・ペガソール3040(溶剤)
石油系脂肪族溶剤,蒸留範囲150〜200℃,密度(15℃)0.78
エクソンモービル化学(有)製
・シェルソルTK(溶剤)
イソパラフィン,蒸留範囲170〜215℃ 密度(15℃) 0.77
昭和シェル石油(株)製
・アイソパーG(溶剤)
イソパラフィン,蒸留範囲150〜183℃
密度(15℃)0.740〜0.760
エクソンモービル化学(有)製
・ペガソール1725(溶剤)
ゴム用揮発油,蒸留範囲85〜123℃
密度(15℃)0.717 エクソンモービル化学(有)製
・KM9736(ジオルガノポリシロキサンオイル水性乳化物)
ジメチルシリコーンオイル乳化物,基油粘度400mm2 /s(25℃)
有効分33%
信越化学工業(株)製
【0070】
上記の各研磨粒子分散液を、下記の通り各不織布、織布に含浸させ、それを熱風乾燥して研削型洗浄クロスと比較品を得た。
【0071】
1.実施例
〔研削型洗浄クロス1〕
研磨粒子分散液1を中層のレーヨンを外層のコットンとPP/PEバインダー繊維とで包んだ3層構造の不織布(目付65g/m2 、サイズ180×220mm、含浸液保持能力が洗浄用基布の18倍、ダイワボウポリテック株式会社製)に不織布重量2.57gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量3.93gの研削型洗浄クロス1を得た(基布の0.53倍留置)。
【0072】
〔研削型洗浄クロス2〕
研磨粒子分散液2をレーヨン、コットン、PP/PEバインダー繊維の1層混合構造の不織布(目付68g/m2 、サイズ165×240mm、含浸液保持能力が洗浄用基布の18倍、ダイワボウポリテック株式会社製)に不織布重量2.69gの4倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量5.06gの研削型洗浄クロス2を得た(基布の0.88倍留置)。
【0073】
〔研削型洗浄クロス3〕
研磨粒子分散液3を中層のレーヨンを外層のスパイラル構造のポリエステル繊維で包んだ3層構造の不織布(目付70g/m2 、サイズ165×130mm、含浸液保持能力が洗浄用基布の12倍、ダイワボウポリテック株式会社製)に不織布重量1.50gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量2.12gの研削型洗浄クロス3を得た(基布の0.41倍留置)。
【0074】
〔研削型洗浄クロス4〕
研磨粒子分散液4を汎用の綿織布(目付203g/m2 、サイズ155×125mm、含浸液保持能力が洗浄用基布の6倍)に織布重量3.93gの2倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量6.52gの研削型洗浄クロス4を得た(基布の0.66倍留置)。
【0075】
〔研削型洗浄クロス5〕
研磨粒子分散液5を羊毛70%のフェルト(直径42mm、厚み10mm、含浸液保持能力が洗浄用基布の4倍、日本フェルト工業株式会社製プレスフェルト)にフェルト重量2.84gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量3.58gの研削型洗浄クロス5を得た(基布の0.26倍留置)。
【0076】
〔研削型洗浄クロス6〕
研磨粒子分散液6をエステル系ウレタンスポンジ(直径100mm、厚み10mm、含浸液保持能力が洗浄用基布の23倍、イノアックコーポレーション製)にスポンジ重量2.03gの4倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量4.04gの研削型洗浄クロス6を得た(基布の0.99倍留置)。
【0077】
〔研削型洗浄クロス7〕
研磨粒子分散液7を、研削型洗浄クロス7に用いた不織布に、不織布重量2.60gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量5.85gの研削型洗浄クロス7を得た(基布の1.25倍留置)。
【0078】
2.比較例
〔比較品1〕 ジオルガノポリシロキサンオイルを用いない場合
比較液1を研削型洗浄クロス6に用いたウレタンスポンジに、スポンジ重量2.05gの4倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量4.44gの比較品1を得た(基布の1.17倍含む)。
【0079】
〔比較品2〕 研磨粒子を水性シリコーンエマルジョンに分散した場合
比較液2を、研削型洗浄クロス3に用いた不織布に、不織布重量1.50gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量2.32gの比較品2を得た(基布の0.55倍含む)。
【0080】
〔比較品3〕 表面活性剤、界面活性剤を用いない場合
比較液3を研削型洗浄クロス5に用いたフェルトに、フェルト重量2.84gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量4.54gの比較品3を得た(基布の0.60倍含む)。
【0081】
〔比較品4〕 ジオルガノポリシロキサンオイルが少なすぎる場合
比較液4を研削型洗浄クロス4に用いた綿織布に、綿織布重量3.90gの2倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量5.79gの比較品4を得た(基布の0.48倍含む)。
【0082】
〔比較品5〕 ジオルガノポリシロキサンオイルが多すぎる場合
比較液5を研削型洗浄クロス1に用いた不織布に、不織布重量2.60gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量4.07gの比較品5を得た(基布の0.57倍含む)。
【0083】
〔比較品6〕 アラルキル変性シリコーンによる場合
比較液6を研削型洗浄クロス2に用いた不織布に、不織布重量2.65gの4倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量4.96gの比較品6を得た(基布の0.87倍含む)。
【0084】
〔比較品7〕 研磨粒子を用いない場合
比較液7を研削型洗浄クロス1に用いた不織布に、不織布重量2.58gの3倍重量を含浸させ、熱風で乾燥して重量2.97gの比較品7を得た(基布の0.15倍含む)。
【0085】
実施例1〜7として上記の各研削型洗浄クロス1〜7と比較例1〜7として比較品1〜7を比較評価して本発明の効果を実証した。
A.留置性
各研削型洗浄クロスと比較品を黒色の塗装面上にそれぞれ叩いて研磨粒子が脱落するかどうかを調べた。
◎:研磨粒子が脱落せず、留置されている。
○:極くわずか脱落があるが、実用上問題にならない。
×:研磨粒子が脱落し、留置が悪い。
B.白残性
各研削型洗浄クロスと比較品を、黒色の焼付塗装面に、水をかけて擦り込み、残っている水を自然乾燥で乾かし、擦り込んだ後に研磨粒子の白い状態が残っているかどうかを調べた。
◎:水滴跡の痕跡は見られるが、白い紛状は見られない。
○:白い粉状は見られないが、水滴跡と油分残りが少しある。
×:一面に白い粉が残っている。
C.洗浄性
屋外駐車で汚れがこびり付き、一般の自動車用の洗浄剤(界面活性剤主成分)で洗っても落ちない状態の白色系自動車の塗面と、台所の流し台で汚れがこびり付いて一般の台所洗剤(界面活性剤主成分)で洗っても落ちない状態のステンレス製流し台に用いて、それぞれにこびり付いている汚れを、各研削型洗浄クロスと比較品のそれぞれで、水を十分かけて擦って汚れの取れ具合を調べた。
◎:広い面を安定してよく汚れを取る。
○:少し強くこすることによって汚れが取れる。
×:こすっても元の状態と変わらず、汚れが取れない。
D.光沢増加
JISK2236自動車用つや出しワックスに使用される黒色の焼付塗装板を用いて、予め、粒子の粗い研磨剤で表面光沢値を55±2に下げ、この面に水をかけて各研削型洗浄クロスと比較品のそれぞれで擦って残っている水滴を拭き上げ、70°鏡面光沢値をHORIBA IG310で測定し、光沢増加を調べた。
E.作業性
各研削型洗浄クロスと比較品を、黒色の焼付塗装面とステンレス面に、水をかけて擦りり込み、残っている水分をきれいな乾布で拭き上げ、研削・洗浄の作業を行って作業のしやすさについて調べた。
◎:粉や汚れの再付着がなく、水が簡単に吸い取られてきれいに仕上がる。
○:粉の再付着はないが、汚れや油分が少し残り、水を吸い取る時に同時に拭き取れてきれいに仕上がる。
×:粉や汚れが再付着して残ったり、水分を吸い取っても簡単に拭き切れないことが起こり、作業性が悪い。
F.含浸性
各研磨粒子分散液と比較液をそれぞれに洗浄用基布に含浸させるとき、スムーズに滲透拡散するかどうかを調べた。
◎:スムーズに滲透して均一に拡散する。
○:滲透拡散するが、少し押圧を必要とする。
×:滲透が悪く、表面に研磨粒子が固りとなって残る。
【0086】
評価
┌──────┬───────────────────────────┐
│ │ 実 施 例 │
├──────┼───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┤
│ │ 1 │ 2 │ 3 │ 4 │ 5 │ 6 │ 7 │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│A.留置性 │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ ◎ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│B.白残性 │ ◎ │ ◎ │ ○ │ ◎ │ ◎ │ ◎ │ ◎ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│C.洗浄性 │ ○ │ ◎ │ ◎ │ ○ │ ◎ │ ○ │ ◎ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│D.光沢増加│+34 │+34 │+33 │+35 │+38 │+30 │+34 │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│E.作業性 │ ◎ │ ◎ │ ○ │ ◎ │ ◎ │ ○ │ ◎ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F.含浸性 │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
└──────┴───┴───┴───┴───┴───┴───┴───┘
【0087】
┌──────┬───────────────────────────┐
│ │ 比 較 例 │
├──────┼───┬───┬───┬───┬───┬───┬───┤
│ │ 1 │ 2 │ 3 │ 4 │ 5 │ 6 │ 7 │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│A.留置性 │ × │ ○ │ × │ × │ ◎ │ ◎ │ ◎ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│B.白残性 │ × │ × │ ◎ │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│C.洗浄性 │ ○ │ ○ │ ○ │ ◎ │ ○ │ ◎ │ × │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│D.光沢増加│+28 │+28 │+26 │+20 │+15 │+27 │ +3 │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│E.作業性 │ × │ × │ ◎ │ × │ × │ × │ ○ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┤
│F.含浸性 │ ○ │ ○ │ × │ ○ │ ○ │ ○ │ ○ │
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【0088】
上記の自動車や、ステンレス流し台以外に、日常生活の中で自然に汚れた台所用電気製品の外装、水屋、洗面台やガラス、浴室のプラスチック製品、ビニール製カベ紙、トイレ便器、楽器やゴルフ用品などの手入れに用いて、研磨粒子が脱落せず、安心して隅々まで作業でき、汚れを取って光沢を復活させることが上記同様にできた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄用基布に研磨粒子分散液を含浸させて乾燥させてなり、その基布中に、その重量の0.1〜1.5倍の研磨粒子分散液の乾燥残渣が留置されていることを特徴とする研磨粒子を留置した研削型洗浄クロス。
【請求項2】
研磨粒子分散液の主成分が、研磨剤としての研磨粒子と、その研磨粒子の表面を油性化する表面活性剤と、研磨粒子間を液架橋するためのジオルガノポリシロキサンオイルと、上記三者を溶解・分散する溶剤とでなる請求項1に記載した研磨粒子を留置した研削型洗浄クロス。
【請求項3】
研磨粒子分散液の主成分に、上記研磨粒子と上記表面活性剤と上記ジオルガノポリシロキサンオイルとに加えて、これら三者と研磨粒子を分散するための水とが含まれている請求項2に記載した研磨粒子を留置した研削型洗浄クロス。
【請求項4】
研磨粒子分散液の主成分に、W/O型に乳化するための油性系の界面活性剤が追加されている請求項3に記載した研磨粒子を留置した研削型洗浄クロス。
【請求項5】
上記ジオルガノポリシロキサンオイルが、研磨粒子分散液中に含有された1〜10重量%のジメチルシリコーンオイルである請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載した研磨粒子を留置した研削型洗浄クロス。

【公開番号】特開2008−284102(P2008−284102A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130806(P2007−130806)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】