研磨製品用高性能樹脂
研磨製品は、複数の研磨粒子およびポリチオール基で硬化した樹脂を含む。研磨製品の調製方法は、複数の研磨粒子と、樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物とを接触させること、そして硬化性組成物を硬化させて、研磨製品を製造することを含む。加工物表面の研磨方法は、研磨製品を、研磨動作中の加工物の表面に適用して、加工物の表面の一部分を除去することを含む。硬化性組成物は、ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基を含む。ホルムアルデヒド樹脂は、ポリチオール基によって架橋する。ホルムアルデヒド樹脂の架橋方法は、ポリチオール基とホルムアルデヒド樹脂とを反応させることを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2005年6月29日に出願された米国特許仮出願第60/695,233号明細書の利益を主張し、参照によりそれらの全教示を本明細書中に取り込む。
【背景技術】
【0002】
多くの研磨製品は、バインダー中に研磨粒子、例えば、紙やすりにおける紙に結合した研磨粒子、または研磨粒子およびバインダーで形成された砥石車等の結合した研磨品を含む。
【0003】
そうしたバインダーための望ましい特徴は、結合強度、強靱性、柔軟性、硬化の容易さ、着色剤等の添加物取り込みの容易さ、最小限のコスト、およびその同類のものを含む。1種または2種以上のそうした特徴を有する研磨剤バインダーは、より長い研磨寿命、より良い研磨性能、粒子の動作、およびその同類のものによる加工中の製品上での減少したランダムな擦り傷形成を示すことができる。
【0004】
例えば、フェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、それらの混合物、並びにその同類のものといった多数のバインダーは、研磨製品において用いられ、または試されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、改善された特性を有する研磨剤バインダーへの技術的要求が依然ある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポリチオール添加物は、研磨剤樹脂バインダーために改善された特性を提供することが見いだされた。
【0007】
研磨製品は、複数の研磨粒子およびポリチオール基で硬化した樹脂を含む。
研磨製品の調製方法は、複数の研磨粒子と、樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物とを接触させること、および研磨製品を製造するために、硬化性組成物を硬化させることを含む。
【0008】
加工物の表面の研磨方法は、加工物の表面の一部分を除去するために、研磨動作中の加工物の表面、研磨製品に適用することを含む。研磨製品は、架橋樹脂に埋め込まれた研磨剤材料を含み、架橋樹脂は、ポリチオール架橋基によって架橋させることを含む。
ホルムアルデヒド樹脂は、ポリチオール基によって架橋する。
硬化性組成物は、ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール架橋剤を含む。
ホルムアルデヒド樹脂の架橋方法は、ポリチオール架橋剤と、ホルムアルデヒド樹脂とを反応させることを含む。
【0009】
特別な態様において、架橋樹脂は、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および尿素ホルムアルデヒドから選択される、樹脂は、少なくとも3つのチオール部分を有するポリチオール基によって架橋し、ポリチオール基は架橋樹脂の少なくとも約1wt%であり、ポリチオール基を有さない同一の樹脂に比べて、架橋樹脂は、架橋樹脂が増加した透明性を有すること、架橋樹脂が増加した貯蔵弾性率を有すること、架橋樹脂が増加した損失弾性率を有すること、および架橋樹脂が減少したtanδを有すること、からなる群から選択される少なくとも1つの基準を満たす。特定の実施例では、研磨製品は、この樹脂に埋め込まれた研磨粒子を含む。
【0010】
架橋樹脂等の開示された硬化樹脂は、他の樹脂と比較して、色安定的である。例えば、フェノール性樹脂で観察された典型的な暗色化は、メラミンの使用なしで架橋したポリチオールで緩和可能であり、透明な樹脂に、透明性から恩恵を得る用途での使用、例えば、着色剤、またはその同類のものとの使用を可能とする。
【0011】
開示された樹脂は、改善された機械的特性、例えば、増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、減少した平均tanδ、およびその同類のものを有する。改善された機械的特性は、研磨製品における等の改善された用途となることができる。例えば、紙やすり等のコートされた研磨剤においては、開示された樹脂は、ランダムな擦り傷形成を減らすようにより良好に砥粒を保持し、製品の寿命および性能を改善できる割れ/脆化を減らすようにより柔軟であり、または同一寿命で通常のより大きい切断力を維持でき、およびその同類のものができる、製品を生じることが可能である。
【0012】
さらに、架橋樹脂等の開示された硬化樹脂の使用は、例えば、メーク層と支持層との間の界面の接着を同時に改善しながら、コートされた研磨剤の柔軟性を著しく改善できる。
【0013】
理論に拘束されるわけではないが、ポリチオールは、いくつかの方法で架橋樹脂等の硬化樹脂の特性を改善できると考えられている。ポリチオールは、ポリチオールと反応する場合に、樹脂の速い重合速度を減速できる連鎖移動剤として作用すると考えられている。ポリチオールを有さないいくつかの樹脂の硬化は、直ちにまたはほとんど直ちに、低い転化パーセンテージおよび貧弱な機械的特性を有することができる高分子量の"ガラス化した"ポリマーになると考えられる。ポリチオールは、分子内連鎖延長を生じ、ガラス化効果のいくつかを避け、そしてより良い特性となるいくつかの樹脂モノマーのより高い転化%を生じると考えられている。また、−S−部分周りの回転自由度は、機械的特性を改善できる砥粒の辺りの応力を緩和できると考えられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の先のおよび他の目的、特徴および利点は、類似の参照文字が、異なる図面で同じ物を示す添付図面中で具体的に説明されるように、本発明の好ましい態様の以下のさらに特定の記載から明らかであろう。図は必ずしも一定縮尺ではなく、代わりに本発明の原理の具体的な説明で強調される。
【0015】
開示された態様は、一般的に、ポリマーおよび樹脂と組み合わされた、特に研磨製品の中に取り込まれるバインダーとして使用される、ポリチオール基に関する。
【0016】
一つの形態では、本発明は、ポリチオール基で硬化した樹脂を含む研磨製品を対象にする。いくつかの態様では、硬化樹脂は、ポリチオール基で架橋した樹脂を含む。
【0017】
本明細書中で使用される場合、未架橋または未架橋の"樹脂"は、モノマー類、オリゴマー類、およびポリマー類から選択される1種または2種以上の成分を含む硬化用または架橋用組成物であり、そして任意選択的に着色剤、安定剤、可塑剤、フィラー、溶媒、アンチローディング(antiloading)剤またはその同類のもの等の他の添加物を含んでもよい。一般的に、樹脂は、典型的には架橋反応の結果である硬化で硬くなる部分的に重合された成分の混合物を含む。硬化したまたは未架橋の樹脂は、光、電子ビーム照射、酸、塩基、熱、それらの組み合わせ、または架橋樹脂を生成するその同類のものでの開始によって硬化できる。典型的には本発明において、アルデヒド樹脂等の未架橋または未架橋樹脂は、ポリチオール基で硬化または架橋する。
【0018】
本明細書中で使用される場合、"ポリチオール架橋剤"または"ポリチオール基"は、架橋する場合、チオールが硫黄エーテル基−S−の形である少なくとも2つのチオール(−SH)基を含む有機部分である。ポリチオールは、2,5,10,20,50,100以上のチオール基を有するオリゴマーまたはポリマーであることができる。一般的に、ポリチオール基は、2〜6チオール基を含む。一実施態様では、ポリチオール基は、ポリマーでない有機化合物である。本明細書中で使用される場合、"ポリマーでない"有機化合物は、繰り返し単位を含まないか、または典型的にポリマーが含む繰り返し単位で10繰り返し単位以下(好ましくは5繰り返し単位以下)を含むか、のいずれかの有機化合物を意味する。具体的な実施形態では、ポリチオール基は、トリチオールまたはテトラチオールである。さらに具体的な実施形態において、トリチオールまたはテトラチオールは、ポリマーでない。好ましい態様において、ポリチオール基は、トリ(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリ(3−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、テトラ(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラ(3−メルカプトアセテート)ペンタエリスリトール,3−メルカプトプロピオン酸ポリオール、3−メルカプト酢酸ポリオール、3−メルカプトプロピオン酸ポリエステル、3−メルカプト酢酸ポリエステル、ETTMP1300(Chemical Abstract Service Registry No.345352−19−4)、他のポリオールエステルチオール、他のポリオールチオール、またはその同類のものから選択できる。さらに好ましい態様において、ポリチオールは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール(C(CH2OOCCH2CH2−SH)4)を含む。多数のポリチオールは、BRUNO BOCK Chemische Fabrik GmbH & Co.KG、Marschacht Germanyから市販されている。
【0019】
具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、ポリチオール基で架橋したアルデヒド樹脂、好ましくはホルムアルデヒド樹脂を含む。本明細書中で使用される場合、未架橋または未架橋の"アルデヒド樹脂"は、アルデヒドと、アミノ化合物またはフェノール性化合物等の求核試薬と、の縮合反応によって生成され、副生成物として水を生成するポリマーまたは部分的に重合された組成物を含む。本明細書中で使用される場合、"アミノ化合物"は、少なくとも1つのアミノ基(−NH2)を有するモノマー化合物を意味する。本発明中で使用できるアミノ化合物の例は、尿素;メラミン等のアミノトリアジン;およびそれらの混合物を含む。本明細書中で使用される場合、"フェノール性化合物"は、少なくとも1つのフェノール性の単位を有するモノマー化合物を意味する。本発明中で使用されるフェノール性化合物の例は、フェノール;クレゾール(例えばO−クレゾール、m−クレゾールおよびp−クレゾール)、キシレノール(例えば2,4−キシレノール)、カージノール(cardinol)、エチルフェノール、プロピルフェノール、ヘキシルフェノール、ノニルフェノールまたはカシューナットシェル液等のアルキルフェノール;イソプロペニルフェノール等のアルケニルフェノール;レゾルシン等の多価−O−フェノール;フェニルフェノール等のアリールフェノール;CH2(C6H4OH)2またはC(CH3)2(C6H4OH)2等のフェノール性ジオール;およびそれらの混合物を含む。本明細書中で使用される場合、"アルデヒド"は、上記の様にフェノール性化合物と反応できる、少なくとも1つのアルデヒド基またはアルデヒド基に転化できる官能基を有する有機化合物を意味する。そうしたアルデヒドの例は、ホルムアルデヒド;パラホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等のホルムアルデヒドを与える材料;フルフラール;ブチルアルデヒド;およびそれらの混合物を含む。
【0020】
具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、フェノールアルデヒド、メラミンアルデヒド、尿素アルデヒド樹脂、またはそれらの混合物を含む。またさらに具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド樹脂、またはそれらの混合物を含む。いくつかの好ましい態様において、硬化または架橋される樹脂は、フェノールホルムアルデヒド樹脂を含む。本発明において用いることができるそうしたフェノールホルムアルデヒドの具体例は、例えば、米国特許第4,130,550号明細書;米国特許第4,289,814号明細書;および米国特許第4,578,425号明細書に技術的に見出すことができ、それらの全ての教示は、参照により本明細書中に取り込まれる。
【0021】
別の具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、チオールエンポリマーが、ポリチオール基で硬化または架橋するチオールエンポリマーを含み、言い換えればチオールエンポリマーのチオール部分は、ポリチオール基のチオール基を含む。特定の態様において、硬化または架橋される樹脂は、トリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む。
【0022】
別の態様において、硬化または架橋される樹脂は、フェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、並びにそれらの混合物から選択される架橋したまたは架橋可能な成分を含むか、または任意選択的にさらに化合している。
【0023】
一般的に、ポリチオール基は、硬化または架橋樹脂の少なくとも約1%〜約99wt%、典型的には少なくとも約5%、さらに典型的には約5%〜約50%、特に約5%〜約40%、または特異的に約10%〜約40%を形成できる。
【0024】
本発明の研磨品は、コート研磨品、ラップされたまたは構造的研磨品、結合された研磨品、および不織研磨品を含む。
【0025】
一実施態様では、本発明の研磨品は、コートされた研磨品である。典型的には、本発明のコートされた研磨品は、第1の主表面および第2の主表面を有する支持基材;複数の研磨粒子等の研磨剤材料;複数の研磨粒子を基材の第1の主表面に接着する樹脂バインダー、および任意選択的にアンチローディング成分を含んで成る周囲被膜を含む。砥粒、研磨粒子またはそれらの凝集体等の研磨剤材料は、コートされた研磨品の1つの層(例えば樹脂研磨剤層)または2つの層(例えば、メークコート(make coat)およびサイズコート(size coat))中に存在できる。本発明のコートされた研磨品は、バインダー研磨剤層、バックサイズコート、プレサイズコート、メークコート、サイズコートおよびスーパーサイズコート(super size coat)からなる群から選択される少なくとも1つの層中に、上記の様にポリチオールと硬化したまたは架橋した樹脂バインダーを含む。そうした樹脂バインダーは、一般的に未架橋樹脂または部分的に架橋樹脂、およびポリチオール基を含む樹脂バインダー組成物を、上記の様に硬化させることによって、生成できる。
【0026】
いくつかの具体的な実施形態において、本発明のコートされた研磨品は、第1の主表面および第2の主表面を有する支持基材;複数の研磨粒子;複数の研磨粒子を基材の第1の主表面に接着させる、メークコートと呼ぶことができる樹脂バインダーを含む。1つの例において、そうしたメークコートは、支持基材に、砥粒を有さない樹脂バインダーを含侵させることによって形成可能である。任意選択的に、それらの特異的適用によって、コートされた研磨製品は、他のコート、例えば、サイズコート、スーパーサイズコート、またはその同類のものをさらに含むことができる。これらの態様において、研磨剤材料は、ポリウレタン接着組成物と共に重力、静電堆積によってまたは空気流中で、またはスラリーとして別々に適用できる。
【0027】
他の具体的な実施形態において、支持基材は、バインダー研磨剤層を形成するために、上記の様に仕上げられたコートされた研磨剤工具に必要とされる攻撃性によっては、研磨粒子、および樹脂バインダー等の研磨剤材料を含む樹脂研磨剤スラリーで含侵してもよい。
【0028】
本発明のコートされた研磨品に好適な支持基材は、紙、布、フィルム、高分子発泡体、繊維、加硫処理した繊維、織られたおよび不織材料、金属、木材、プラスチック、セラミック、もしくはその同類のもの、またはこれらの材料もしくはそれらの処理された類のもの、の2種または3種以上の組み合わせ等のコートされた研磨剤の製造において、基材として通常使用されるいくつもの種々の材料を含む。基材は、紙/フィルム、布/紙、フィルム/布、またはその同類のもののラミネートであってもよい。基材は、比較的柔軟な薄い紙、フィルム、布、またはその同類のものから、比較的剛体金属、セラミック、木材、またはその同類のものまで様々な程度の柔軟性を有することができる。基材材料の選択は、研磨品の意図された用途によるであろう。基材の強度は、使用時の引き裂きまたは他の損傷に耐えるのに充分であることが好ましく、そして基材の厚さおよび平滑性は、意図された用途に所望の製品厚みおよび平滑性を達成できることが好ましい。
【0029】
コートされた研磨品中の基材は、追加の飽和剤/サイズコート、プリサイズコートおよび/またはバックサイズコートを有してもよい。そうしたコートは、基材を密閉するためにおよび/または基材中で糸または繊維を保護するために用いることができる。基材が布材料である場合、これらのコートの少なくとも一つが、必須であってもよい。プリサイズコートまたはバックサイズコートを加えることで、基材の表面および/または裏側のいずれかの上の"より滑らかな"表面をさらに生じてもよい。
【0030】
さらに、帯電防止材料が、これらの布処理コートのいずれかに含まれてもよい。帯電防止材料の添加は、木材または木材のような材料を紙やすりでサンディング(sanding)する場合に、コートされた研磨品が静電気を蓄積する傾向を低下できる。帯電防止基材および基材コート(処理)に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,108,463号明細書;米国特許第5,137,542号明細書(Buchananら);米国特許第5,328,716号明細書(Buchanan);および米国特許第5,560,753号明細書(Buchananら)に見出すことができる。
【0031】
基材は、例えば、米国特許第5,417,726号明細書(Stoutら)中で開示されるような線維強化熱可塑性物、または例えば、米国特許第5,573,619号明細書(Benedictら)中に開示されるようなエンドレスで接合部のないベルトであってもよい。同様に、基材は、例えば、米国特許第5,505,747号明細書(Chesleyら)に開示されるような、張り出したフック脚部を有するポリマー基材であってもよい。同様に、基材は、例えば、米国特許第5,565,011(Follettら)号明細書中で記載されたような輪状の織物であってもよい。
【0032】
いくつかの例において、生じるコートされた研磨剤を補強パッドに固定できるように、コートされた研磨剤の裏側の上へ感圧接着剤を取り込むことは好ましいであろう。この発明に好適な感圧接着剤の代表的な例は、ラテックスクレープ、松やに、ポリアクリレートエステル、例えばポリアクリル酸ブチルを含むアクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルエーテル、例えばポリビニルn−ブチルエーテル、アルキド接着剤、ゴム接着剤、例えば天然ゴム、合成ゴム、塩素化ゴム、およびそれらの混合物を含む。好ましい感圧接着剤は、アクリル酸イソオクチル。アクリル酸コポリマーである。
【0033】
コートされた研磨剤は、米国特許第3,849,949号明細書(Stemhauserら)中に記載されたような、研磨剤ディスクのロールの形であることができる。コートされた研磨剤をベルト、ディスク、シート、テープ、連鎖物(daisies)およびその同類のもの等の種々の異なる形および形体に転換してもよい。ベルトは、接合または接続を含んでもよい、あるいはベルトは、米国特許第号明細書5,573,619(Benedictら)中で教示された等の接合部なしの物でもよい。
【0034】
あるいは、コートされた研磨剤は、補強パッドにコートされた研磨剤を固定するフックおよび輪状型の取り付けシステムを含んでもよい。輪状織物は、補強パッド上のフックを有するコートされた研磨剤の裏側上にあってもよい。あるいは、フックは、補強パッド上にある輪を有するコートされた研磨剤の裏側上にあってもよい。
【0035】
フックおよび輪状タイプ取り付けシステムは、米国特許第4,609,581号明細書(Ott)、米国特許第5,254,194号明細書(Ottら)および米国特許第5,505,747号明細書(Chesleyら)にさらに記載される。あるいは、メークコート前駆体は、例えば、米国特許第5,565,011号明細書(Follettら)で開示されたような輪状織物の上へ直接にコートされてもよい。
【0036】
主表面または作業表面および基材の反対表面の両方に、研磨粒子を接着することも実現可能である。研磨粒子は、同一または互いに相違することができる。この形態において、研磨品には本質的に2つの側があり;片側は、反対側上の複数の研磨粒子と異なる複数の研磨粒子を含むことができる。あるいは、片側は、反対側上の物と異なる粒径を有する複数の研磨粒子を含むことができる。ある例において、研磨品のこの2つの側は、研磨品の両側を同時に研磨する方式で使用できる。例えば、角などの小さい範囲においては、研磨品の片側は、反対側が下降中の製品の表面の底部を研磨しながら、加工中の製品の表面上部を研磨することができる。
【0037】
不織研磨剤は本発明の範囲内に含まれる。不織研磨剤は、米国特許第2,958,593号明細書(Hooverら)および米国特許第4,991,362号明細書(Heyerら)に記載される。
【0038】
結合された研磨品も本発明の範囲内である。結合された研磨品は典型的には、成型品、例えば砥車、砥石、またはその同類のものの形で、共に研磨粒子を接着する樹脂バインダーを含む。結合された研磨品は、研磨剤および上記の硬化樹脂からなることができ、または任意選択的にハンドル、アクセル、車輪、またはその同類のもの等の支持体に結合または成型できる。結合された研磨品は、米国特許第4,800,685号明細書(Haynes)中に一般的に記載される。本発明によれば、アンチローディング成分は、少なくとも樹脂バインダーの一部分上の周囲被膜中に、または結合された研磨品のマトリックス中に存在する。
【0039】
図1は、紙等の支持基材102を含むコートされた研磨製品100の図である。上記の様にポリチオール基で硬化した樹脂は、支持基材102上のメークコート104、サイズコート106、スーパーサイズコート108等の1種または2種以上のコートまたは層、またはその同類のもの中に存在できる。典型的には、硬化樹脂は、支持基材に研磨粒子110を結合でき、支持基材上に研磨被膜を形成する。コートされた研磨剤は、任意選択的に追加のフィラー112を含むことができる。
【0040】
基材102は、剛体または柔軟物、多孔性または非多孔性、およびその同類のものであることができる。例えば、種々の態様において、支持基材は、ロフティー(lofty)、不織織物;剛体基材;主表面を有する柔軟な基材;またはその同類のものであることができる。特定の態様において、支持基材は、柔軟であり、そして硬化樹脂は、実質的に基材の屈曲に沿う。
【0041】
ある場合には、スーパーサイズコート108は、バインダーと共にまたはバインダーなしで、堆積できる。一般的に、スーパーサイズコート108の機能は、コートされた研磨剤材料の表面上に、高められた研削(grinding)能力、表面潤滑、帯電防止特性またはアンチローディング特性等の特別な特徴を提供する添加物を配置することである。好適な研削助剤の例は、KBF4を含む物である。スーパーサイズコート108のための好適な滑剤の例は、ステアリン酸リチウムおよびラウレル硫酸ナトリウムを含む。好適な帯電防止剤の例は、アルカリ金属スルホン酸、第三級アミンおよびその同類のものを含む。好適なアンチローディング剤の例は、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸リチウムおよびその同類のものを含む。アニオン性有機界面活性剤は、また効果的なアンチローディング剤として使用できる。そうしたアニオン界面活性剤を含むそうしたイオン界面活性剤およびアンチローディング組成物の種々の例は、米国特許出願公開第2005/0085167Al号明細書中に記載され、それらの全ての教示は、参照により本明細書中に取り込まれる。好適なアンチローディング剤の他の例は、金属シリケート、シリカ、金属炭酸塩および金属サルフェート等の無機アンチローディング剤を含む。そうした無機アンチローディング剤の例は、国際公開第02/062531号パンフレットおよび米国特許第6,835,220号明細書に見出すことができ、それらの全教示は参照により本明細書中に取り込まれる。
【0042】
特定の態様において、研磨製品は、支持基材102と(示されている)研磨被膜104との間のにあることができる追加の柔軟なエネルギー分散層114を含むことができ、または支持基材102は、研磨被膜104と柔軟なエネルギー分散層114との間にあることができる。いくつかの態様において、支持基材は、単一の層、例えばエラストマーのポリマーフィルム、またはその同類のものにおいて、支持基材の機能および柔軟なエネルギー分散機能の両者を提供する材料でできていることが可能である。柔軟なエネルギー分散層は、研磨粒子を硬化または架橋樹脂バインダーから放出させると考えられている研磨作用力の効果を少なくとも部分的に軽減すると考えられている。従って、そうした層を有さない以外は同一の製品と比較して、柔軟なエネルギー分散層を有する製品は、改善された摩耗性能、改善された摩耗寿命、またはその同類のものを有することができる。
【0043】
研磨製品は、着色剤、例えば、染料または顔料を含むことができる。一般的に、着色剤の一部分は、架橋樹脂等の硬化樹脂を通して見ることができ、例えば、いくつかの態様では、着色剤の一部分は、硬化樹脂中、追加の支持基材中、および/または追加の支持基材と硬化樹脂との間の被膜中に含まれる。特別な態様では、着色剤は、有機ポリ環状染料、有機モノアゾ染料、有機ジアゾ染料、有機金属錯体、金属酸化物または錯体等の無機顔料を含むことができる。染料は、ペリノン、アントラキノン、アゾ染料錯体およびチオインジゴイドに分類できる。
【0044】
蛍光性着色剤は、蛍光性有機分子を含有する染料または顔料である。蛍光性着色剤の詳細な記載は、Zollinger、H.、"Color Chemistry: Synthesis、 Properties、and Applications of Organic Dyes and Pigmentss"、2ndEd.、VCH、New York、1991に見出すことができ、それらの全ての教示は参照により本明細書中に取り込まれる。本明細書中で使用される場合、蛍光性着色剤は、例えば、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン(例えばフルオレセシン(fluoresceins)、ローダミン、エオシン、フロキシン、ウラニン、スクシネイン(succineins)、サッカレイン(sacchareins)、ローサミン、およびロードール)、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム(naphtholactum)、アザラクトン(azalactone)、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン(anthrapyridone)、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン(benzothiazene)、ペリレン、またはチオインジゴイドであることができる。さらに好ましくは、蛍光性着色剤は、キサンテン、チオキサンテン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン(anthrapyridones)、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼネン(benzothiazenes)、チオインジゴイドおよびフルオレンからなる群から選択される。最も好ましくは、蛍光性着色剤は、チオキサンテンまたはチオキサンテンである。
【0045】
当業者は、多くの市販されている着色剤のためには、同族、例えばチオキサンテン誘導体の中での個々の誘導体の特異的化学的構造が、公には有用でない場合があることを知っている。従って、特異的蛍光性着色剤は、典型的には"Colour Index International"、4thEd.American Association of Textile Chemists and Colorists、Research Triangle Park、NC、2002中で規定されるカラーインデックス(CI.)名で示される。カラーインデックスは、またwww.color−index.orgでオンラインでも利用できる。カラーインデックスの全ての教示は、参照により本明細書中により、取り込まれる。
【0046】
好ましい蛍光性着色剤の例は、C.I.Solvent Orange 63(Hostasol Red GG、Hoechst AG、Frankfurt、Germany)、C.I.Solvent Yellow 98(Hostasol Yellow 3G、Hoechst AG、Frankfurt、Germany)、およびC.I.Solvent Orange 118(FL Orange SFR、Keystone Aniline Corporation、Chicago、Illinois)を含む。
【0047】
用いることができる着色剤の量は、意図された使用の詳細、着色剤の特徴、組成物中の他の成分、およびその同類のものによる。当業者は、これらの詳細を判断して、特別な使用ために着色剤の量の決定の仕方を知るであろう。典型的には、着色剤の量は、約0.01および約2%、さらに好ましくは約0.05および約0.5%、そして最も好ましくは、約0.2%の全着色剤組成物の重量留分であろう。
【0048】
具体的な実施形態において、着色剤は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、または紫色である。具体的な実施形態において、着色剤は、蛍光性、例えば、蛍光性赤色、蛍光性橙色(ブレーズ橙色)、蛍光性黄色、蛍光性緑色、またはその同類のものである。いくつかの好ましい態様において、着色剤は、蛍光性橙色(ブレーズ橙色)である。
【0049】
種々の態様において、特に着色剤、硬化樹脂または架橋樹脂の存在を含むいくつかの態様は、メラミンを含まない。種々の態様において、研磨製品、例えば商業的ブランド設定ため、濡れた、乾燥した、木材、金属、またはその同類のもの等を示す使用のため、または粒度、またはその同類のものの識別のために、着色剤を用いて、研磨製品を識別することができる。
【0050】
種々の態様において、着色剤は、例えば、ロゴ、記載部数、品番、使用説明、安全上の警告、摩耗表示、目詰まり指標、またはその同類のものを示すための印刷パターンとして生成できる。例えば、切りくずがついた研磨剤または消耗した研磨剤は、より効果的でないことができ、従って有効性を改善する研磨剤中の変化をユーザーに示すのに有用な消耗表示または目詰まり表示を作る。本明細書中で使用される場合、"切りくず(swarf)”は、研磨剤に接触して"載っており(load)"または留まることができ、研磨剤の有効性を減少させる傾向がある、研磨される加工中の製品材料を言う。
【0051】
いくつかの態様において、硬化樹脂は、例えば、350nm以上の波長で、0.1超、一般的に0.15超、典型的には0.2超、さらに典型的には0.25超、または特に0.3超の吸収値を有する光開始剤によって架橋して、硬化できる。
【0052】
典型的には、波長350nm以上での吸収値は、少なくとも約10nmの波長範囲、さらに典型的には少なくとも約25nm、特に少なくとも約40nm、または具体的な実施形態において約50nmにわたる。波長範囲は、350nm以上に始まり、典型的には350nm〜800nm、さらに典型的には350nm〜500nm、またはいくつかの態様において、350nm〜450nmに位置することができる。特定の態様において、波長範囲は、350nm〜400nmに位置し、典型的には350nmに始まることができる。
【0053】
いくつかの態様において、硬化樹脂は、例えばビスアシルホスフィンオキサイドおよびα−ヒドロキシケトンから選択される光開始剤によって架橋して、硬化できる。
【0054】
いくつかの態様において、研磨製品は、例えば350nm以上の波長で、0.9未満、一般的に0.8未満、典型的には0.7未満、さらに典型的には0.6未満、または特に0.5未満の吸収値を有する少なくとも部分的に、紫外線に透明であることができる砥粒を含む。典型的には、波長350nm以上での吸収値は、少なくとも約10nm、さらに典型的には少なくとも約25nm、特に少なくとも約40nm、または具体的な実施形態において約50nmの波長範囲にわたる。
【0055】
同様に、いくつかの態様において、研磨製品は、紫外線に透明であることができる支持基材を含む。
【0056】
また、種々の態様において、硬化または架橋樹脂および/または研磨製品は、紫外線透過フィラー例えば炭酸カルシウムおよびシリカ等の標準の不透明フィラーよりさらに紫外線を透過するフィラーを含むことができる。特定の態様において、紫外線透過フィラーは、アルミニウム三水和物である。種々の態様において、本発明の研磨製品は、それ以外は同一である製品と比較して改善された特性を、特に有することができる。
【0057】
いくつかの態様において、架橋樹脂等の本発明の硬化樹脂は、それ以外は同一であるが、ポリチオール基で硬化しない樹脂と比較して、さらなる可視光を透過する。本明細書中で使用される場合、"可視光"は、波長約400nm〜約800nmの範囲である。硬化樹脂の透明性は、適当に調製された標準サンプルの標準可視スペクトルを使用して測定できる。例えば、同一の寸法で形成された薄膜として2つのサンプルを比較でき、そしてそれぞれの%透過率を測定した。
【0058】
いくつかの態様において、架橋樹脂等の本発明の硬化樹脂は、それ以外は同一であるが、ポリチオール基で硬化していない樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、減少した平均tanδを有することができる。
【0059】
いくつかの態様において、本発明の研磨製品は、硬化樹脂以外は同一である、すなわち製品が、それ以外は同一であるがポリチオール基で硬化していない樹脂を含む研磨製品と比較して、減少したランダムな擦り傷形成を示すことができる。
【0060】
いくつかの態様において、ポリチオール基で硬化した樹脂を含む本発明の研磨製品は、硬化樹脂以外は同一である、すなわち製品がそれ以外は同一であるがポリチオール基で硬化していない樹脂を含む研磨製品と比較して、例えば少なくとも約5%または少なくとも約10%、増加した柔軟性を有する。柔軟性は、好適な公知の方法によって、例えば、Karl Frank in GermanyまたはGurley Precision Instruments in U.S.Aから入手可能であるFrank剛性計(Stiffness meter)の使用によって測定できる。典型的には、そうしたFrank剛性計と柔軟性テストは、固定半径でサンプルを5°単位で10°〜60°等の基準角度まで曲げるのに必要な力の量を測定する。これは、サンプルの巻き付け方向および横糸(weft)方向で行うことができる。それぞれのサンプルでの%力(y−軸)対角度(x−軸)のプロットの勾配は、"フレックス勾配(Flex Slope)"として公知の物を与える。勾配がきつい程、一般的により堅い製品を示す。
【0061】
またさらにいくつかの態様において、ポリチオール基で架橋した樹脂等のポリチオール基で硬化した樹脂を含む本発明の研磨製品では、硬化樹脂は、ポリチオールで硬化していない以外は同一である樹脂と比較して、例えば、少なくとも約5%または少なくとも約10%、増加した界面の接着強度を提供する。界面の接着強度(または剥離力)は、好適な公知の方法によって、例えば、インストロン(Instron)引っ張り試験機の使用を通して、決定できる。例えば、インストロン引っ張り試験機を使用するそうしたテストにおいて、架橋樹脂を含むメークコートを含むコートされた研磨製品の支持材料は、本質的に等しい剛性の別の要素に結合される。接着的に支持材料からメークコート層を剥離するために必要な力が測定された。剥離力のフレックス勾配への比は、一般的により大きい値がより大きい接着力を表すメークコートの支持材料への接着強度の尺度である。
【0062】
本発明のコートされた研磨製品は、例えば、スチールおよび他の金属、木材、木材のような積層品、プラスチック、グラスファイバー、皮またはセラミックの種々の表面の、サンディング(sanding)、研削(grinding)または磨き(polishing)のために使用できる。
【0063】
別の形態では、本発明は、ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物を含む。ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基の好ましい例を含む特徴および例は、上記の様である。いくつかの態様において、硬化性組成物は、チオールエンポリマーがポリチオール基で架橋するなどして硬化することができる上記のチオールエンポリマーをさらに含む。他の態様において、硬化性組成物は、任意選択的にフェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、並びにそれらの混合物から選択される架橋したもしくは架橋可能な成分をさらに含むか、またはこれらとさらに化合する。任意選択的に、本発明の硬化性組成物は、それらの特異的適用によって着色剤、フィラーおよび添加物をさらに含むことができる。着色剤、フィラーおよび添加物の例は、上記の様である。
【0064】
本発明は、ポリチオール基によって架橋したホルムアルデヒド樹脂も含む。ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基の好ましい例を含む特徴および例は、上記の様である。
【実施例】
【0065】
例1:架橋したフェノール樹脂の調製
以下の例ための架橋樹脂を、標準の市販されている(例えばOxychem、Borden、Bakelite−Hexion−、Durez and Dynea)フェノールホルムアルデヒドレゾール樹脂と、全wt%で0%,5%,10%、および20wt%の範囲のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(polythiol pentaerythritol tetra−(3−mercaptopropionate)と、を混合することによって調製した。混合物を、最初に2時間200°Fで乾燥し、次に250°Fで5時間、例えば樹脂を架橋させるといった硬化をさせた。
【0066】
以下の例ためのコートされた研磨剤を、上記未架橋樹脂の1つと、1.6ポンドリーム(ream)で(23.7gsm)砥粒(Pl80粒BFRPL酸化アルミニウム)をコートしたエポキシアクリル樹脂とを混合すること、そして連続的な被膜工程中で5−milポリエチレンテレフタレート表面処理フィルムに適用するによって調製した。コートされた混合物を、上記のように硬化させて、樹脂を架橋させ、従って研磨剤コートを基材に固定した。他の任意選択的添加物を特定例に記載のように追加した。
【0067】
例2:開示された架橋したフェノール樹脂が透明性を改善する
0%,5%,10%、および20wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールを有するフェノール性樹脂のサンプルの透明性は、ポリチオールのパーセンテージの増加と共に増加した。例えば、0wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールを有するサンプルはほとんど黒色であったが20wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールを有するサンプルは、非常に明るい黄橙色であり、20wt%のポリチオールを有するサンプルの透明性が、0%のポリチオールを有するサンプルよりはっきりと高いことを示す。
【0068】
また、2つの蛍光性橙色染料を含有する以外は同一のコートされた研磨剤、すなわちポリチオール基を有さないで硬化したフェノール性樹脂バインダーを有する物、および10wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで硬化したフェノール性樹脂バインダーを有する物を比較した場合、ポリチオール基を有さないで硬化したフェノール樹脂バインダーを有するコートされた研磨剤は、ずっと暗く、したがって、ポリチオール基で硬化したフェノール樹脂バインダーを有するコートされた研磨剤よりずっと透明でなかった。
【0069】
例3:"Grain Shadowing"効果が開示された研磨剤によって克服される
光開始剤を使用する場合、ある樹脂は、紫外線照射で硬化できる。図2は、コートされた研磨剤100の紫外線硬化の間に起こると考えられる"grain shadowing"効果を示す。この効果は、硬化、従ってそうした樹脂と結合した研磨剤の性能を損なうと考えられている。短波長紫外線402は、砥粒110によって覆われることができ、粒で影となったメークコート104中の樹脂および領域404中のサイズコート106の部分を影で覆うことができ、硬化して粒子104が基材102適切に結合することを妨げる。理論に拘束されることを望むわけではないが、種々の態様において、"grain shadowing"効果は、光の散乱および/または拡散を増加させて影ができるのを減らすことができるアルミニウムトリ水和物等の紫外線透過フィラーを用いて、より長波長の光が研磨粒子の辺りでさらに容易に拡散して影ができるのを減らす、より長波長側に吸光度を有する光開始剤を用いて、樹脂が硬化する被膜またはその同類のものから基材の反対側に向けられた紫外線によって硬化できるコートされた研磨剤に紫外線透過基材を用いて、砥粒が少なくとも部分的に透明である、波長領域において吸収を有する光開始剤を用いることによって緩和できると考えられている。
【0070】
例4:開示された研磨剤で用いられる光開始剤が、硬化を改善する砥粒から照射されたした光を吸収する
図3は、本発明500の長波長の光開始剤、短波長の開始剤502、並びに3つの異なる砥粒504,506および508の紫外線吸光度のグラフである。図に示すように、短波長の開始剤502、特に粒504を用いると、砥粒によってかなりの影ができる、長波長の光開始剤500を用いることによって、系は、粒の主吸光度より上の波長領域の光、例えば光開始剤500が、短波長開始剤502より大きい吸光度を有する、粒504で350ナノメートルを照射されることができる。また、砥粒は、短波長開始剤502、特に粒504の吸収帯におけるより比較的小さい吸収を有することができる。
【0071】
例5:チオール架橋樹脂が、改善された機械的特性を有する
機械的分析用硬化ポリマーのサンプルを、70/30比のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートまたはTMPTA/ICTA樹脂(Sartomer 368D、Sartomer、Exton、PA)と、光開始剤、アルミニウムトリ水和物フィラー、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトールとを混合して調製し、次に未処理のマイラー上にフィルムを鋳込み、それぞれサンプル@30FPMを硬化するために、"V"および"D"電球を利用する600ワット/インチおよび300ワット/インチ電源の両者を備えるFusion lab Unit (Fusion UV Systems、Inc、Gaithersburg、MD)中で紫外線硬化した。マイラーフィルムからサンプルを除去し、そして整え且つ清掃して、動的機械的分析(DMA)試験(〜1/16’’厚、X1/4幅’’、Xl’’長の)好適なサンプルとした。
【0072】
正弦関数力を上記サンプルにかけ、そして生じる正弦関数変形をモニターした。動ひずみに対する動力学的応力の比は、複素弾性率、E*を与え、複素弾性率はさらに分解して貯蔵弾性率、E’、および損失弾性率、E’’を与えることができる。貯蔵弾性率は、貯蔵エネルギーへの材料の能力をいい、そして材料の剛性に関連付けできる。損失弾性率は、材料の所定の分子運動の結果としてサンプルによって消散した熱を表すことができ、そしてポリマーの減衰特性を反映できる。損失弾性率と貯蔵弾性率との比は、値tanδである。ポリマーの粘弾性の性質により、これらの粘弾性の特性(E’、E’’およびtanδ)は、温度、および時間の関数であることができる。
【0073】
図4A、4B、および4Cは、それぞれ−150℃〜250℃の温度範囲にかけて測定された、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂の増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの改善された機械的特性を示す。
【0074】
例6:開示された研磨製品が改善された仕上げ特性を有する
図5は、加工中の製品仕上げにおける望ましくないランダムな擦り傷を示す写真である。理論に拘束されることを望まないが、そうしたランダムな擦り傷は、樹脂バインダーの貧弱な機械的特性から生じる研磨粒子の貧弱な接着により起こると考えられている。
【0075】
図6Aおよび6Bは、ポリチオール(6B)を有さない同一の樹脂を有する研磨剤と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(6A)で架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の加工中の製品の表面仕上げにおける違いを示す写真である。図に示すように、ポリチオール研磨剤は、より少ない深いランダムな擦り傷を有する、より滑らかな仕上げを有するようである。
【0076】
この明らかな違いを定量化できる。特に、ポリチオール研磨剤は、表1に示すように表面粗さパラメーターRa、Rz、およびRtの改善された(減少した)値を有する。
表1
【表1】
【0077】
表面粗さパラメーターを、表面における変化を測定するプローブ(例えば機械的または光学プローブ)が取った直線的な経路を含む評価長さにかけて測定した。Raは、表面の平均ピーク高さおよび谷の深さまたは平均振幅を記述する、表面上の評価長さにわたる平均粗さ値である。Rzは、評価長さにおいて5つの最も高いピークと5つの最も低い谷との間の高さの違いを記述するISO10点高さパラメーターである。Rtは、全評価長さにかけて最も高いピーク最も低い谷との間の違いに関する最大粗さまたは"最上位粗さ"の尺度である。
【0078】
例7:開示された研磨製品が改善された耐久力を有する
図7Aおよび7Bは、同一の使用条件後のコートされた研磨剤の写真である。図7Aは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の写真であり;図7Bはポリチオールを有さない同一の樹脂を有する研磨剤の写真である。図に示すように、ポリチオールを有さない樹脂は、ポリチオールでコートされた研磨剤と比較して、多くの恐らくゆるくなったまたは無くなった砥粒で、比較的より粗くそしてより品質が低い。
【0079】
この発明が、それらの好ましい態様を参照して、特に示されそして記載される一方で、当然のことながら、当業者は、形態および詳細における種々の改変が、請求項に包含された本発明の範囲を離れることなくなされることができる。さらに、あらかじめ上記に示したそれぞれの米国特許は、本明細書中に取り込まれるその教示を有する。
【0080】
例8:開示された研磨製品が、改善された柔軟性および接着を有する
ポリチオール改質剤(PTM)で改質したコートされた研磨剤構造を、この例の柔軟性、剥離強度および接着で評価した。メーク層またはサイズ層のいずれか中のPTMの量を、下記に詳細を示すように、0〜10%で変化させながら、コート重量定数を保って、テストサンプルを同一の工程条件下で調製した。
【0081】
PTMコートされた研磨剤組成物および工程
柔軟性および接着テストためのコートされた研磨剤構造を、完成された布の連続的な織物に、5.70%PTMを含有する24ポンド/リーム(330フィート2)のフェノールホルムアルデヒドのメーク調合物でコーティングすることによって調製した。全ての成分および対応するレベルを、表2中に詳細に記す。メークコートを有する織物を次に32ポンド/リームのBFRPL酸化アルミニウム粒を適用する静電の堆積工程にかけた。メークコートされた織物および粒のこの部分的な構造を、次に80℃のオーブンで2時間乾燥させて、染料およびそれらフェノールホルムアルデヒドプレポリマーのB−stagingを与えた。
表2:PTM改質されたメーク調合物
【表2】
【0082】
コートされた研磨剤構造を、次に13ポンド/リームのフェノールホルムアルデヒドサイズコートでコートした。サイズコートの詳細な組成物を表3中に示す。織物を次に乾球温度を120℃に設定した乾燥機を2時間通して搬送した。
表3:PTM改質されたサイズ調合物
【表3】
【0083】
材料を次にロールを形成するコアに巻いた。コートされた研磨製品のロールを、次にオーブン温度が125℃である大型対流オーブンに12時間入れ、後硬化ステップを経させた。
【0084】
柔軟性、接着および剥離テスト
柔軟性を、ドイツ国のKarl Frank から入手可能であるFrank剛性計を使用して確かめた。このテストは、5°刻みで10°〜60°にサンプルを曲げるのに必要な力の量を測定した。それぞれのサンプルの%力(y−軸)対角度(x−軸)のプロットの勾配は、"Flex勾配"として公知である物を与える。フレックス勾配が高いほど、一般的により堅い製品を示す。それぞれ1"幅x3"長さである3つの(3)テストサンプルピースを使用した。
【0085】
剥離力を、インストロン引っ張り試験機の使用を通して決定した。この機械的特性のために、コートした研磨剤織物を、高い強度の2液エポキシ接着の使用を通して等しい剛性の別の要素に結合した。1.00インチ/分のクロスヘッド速度のインストロン引っ張り試験機での制限されたT剥離を通して、接着的に支持材料からメークコート層を分離するために必要な力を測定した。フレックス勾配に対する剥離力の比は、より大きな値がより大きな接着を表す、メークコートの完成された布コーティング基材に対する接着強度の尺度であった。
【0086】
Frank剛性およびインストロン剥離テストから生成されたデータを表4に示す。この表から、0%PTMサンプルの平均フレックス勾配は、21.1のフレックス比に対し、平均剥離で1.26であった。メークコートPTMを5%添加すると、フレックス勾配は、フレックス比にする剥離の23.0または10%の増加に応じて、11%減少した。したがって剥離接着の対応する増加とともに、製品柔軟性の増加を観察した。典型的にはさらに柔軟な製品は、より低い剥離接着値を有するので、これは予期しなかった。サイズ層に対するPTMの添加を増加させると構造の柔軟性または接着特性にはっきりと影響した。これらの結果は、メーク層中のPTMの存在が、メーク層と支持層との間の界面接着を同時に改善しながら、コートされた研磨剤の柔軟性を明らかに改善できることを示す。
表4:フレックス勾配および剥離強度値へのPTMの効果。
【表4】
【0087】
均等
この発明が、それらの好ましい態様を参照して、特に示され、そして記載される一方で、当然のことながら、当業者は形態および詳細における種々の変更が、請求項に包含される本発明の範囲を離れることなく、そこで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、紙やすり、エメリー布、またはその同類のもの等の支持基材102を含むコートされた研磨製品100の図である。
【図2】図2は、コートされた研磨剤100の紫外線硬化の間に起こると考えられる"grain shadowing"効果を示す。
【図3】図3は、本発明500の長波長光開始剤、短波長開始剤502、および3つの異なる砥粒504,506、および508の紫外線吸光度のグラフである。
【図4A】それぞれは、−150℃〜250℃の温度範囲にかけて、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂で測定された改善された増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの機械的特性を示す。
【図4B】それぞれは、−150℃〜250℃の温度範囲にかけて、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂で測定された改善された増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの機械的特性を示す。
【図4C】それぞれは、−150℃〜250℃の温度範囲にかけて、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂で測定された改善された増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの機械的特性を示す。
【図5】図5は、加工中の製品仕上げで望ましくないランダムな擦り傷を示す写真である。
【図6A】ポリチオール(6B)を有さない同一の樹脂を有する研磨剤と比較して、70/30比のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(TMPTA/ICTA樹脂)で架橋したテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(6A)を有するコートされた研磨剤との加工中の製品の表面仕上げにおける違いを示す写真である。
【図6B】ポリチオール(6B)を有さない同一の樹脂を有する研磨剤と比較して、70/30比のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(TMPTA/ICTA樹脂)で架橋したテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(6A)を有するコートされた研磨剤との加工中の製品の表面仕上げにおける違いを示す写真である。
【図7A】同一の使用条件後のコートされた研磨剤の写真である。図7Aは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の写真であり;図7Bは、ポリチオールを有さない同一の樹脂を有する研磨剤の写真である。
【図7B】同一の使用条件後のコートされた研磨剤の写真である。図7Aは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の写真であり;図7Bは、ポリチオールを有さない同一の樹脂を有する研磨剤の写真である。
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、2005年6月29日に出願された米国特許仮出願第60/695,233号明細書の利益を主張し、参照によりそれらの全教示を本明細書中に取り込む。
【背景技術】
【0002】
多くの研磨製品は、バインダー中に研磨粒子、例えば、紙やすりにおける紙に結合した研磨粒子、または研磨粒子およびバインダーで形成された砥石車等の結合した研磨品を含む。
【0003】
そうしたバインダーための望ましい特徴は、結合強度、強靱性、柔軟性、硬化の容易さ、着色剤等の添加物取り込みの容易さ、最小限のコスト、およびその同類のものを含む。1種または2種以上のそうした特徴を有する研磨剤バインダーは、より長い研磨寿命、より良い研磨性能、粒子の動作、およびその同類のものによる加工中の製品上での減少したランダムな擦り傷形成を示すことができる。
【0004】
例えば、フェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、それらの混合物、並びにその同類のものといった多数のバインダーは、研磨製品において用いられ、または試されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、改善された特性を有する研磨剤バインダーへの技術的要求が依然ある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポリチオール添加物は、研磨剤樹脂バインダーために改善された特性を提供することが見いだされた。
【0007】
研磨製品は、複数の研磨粒子およびポリチオール基で硬化した樹脂を含む。
研磨製品の調製方法は、複数の研磨粒子と、樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物とを接触させること、および研磨製品を製造するために、硬化性組成物を硬化させることを含む。
【0008】
加工物の表面の研磨方法は、加工物の表面の一部分を除去するために、研磨動作中の加工物の表面、研磨製品に適用することを含む。研磨製品は、架橋樹脂に埋め込まれた研磨剤材料を含み、架橋樹脂は、ポリチオール架橋基によって架橋させることを含む。
ホルムアルデヒド樹脂は、ポリチオール基によって架橋する。
硬化性組成物は、ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール架橋剤を含む。
ホルムアルデヒド樹脂の架橋方法は、ポリチオール架橋剤と、ホルムアルデヒド樹脂とを反応させることを含む。
【0009】
特別な態様において、架橋樹脂は、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および尿素ホルムアルデヒドから選択される、樹脂は、少なくとも3つのチオール部分を有するポリチオール基によって架橋し、ポリチオール基は架橋樹脂の少なくとも約1wt%であり、ポリチオール基を有さない同一の樹脂に比べて、架橋樹脂は、架橋樹脂が増加した透明性を有すること、架橋樹脂が増加した貯蔵弾性率を有すること、架橋樹脂が増加した損失弾性率を有すること、および架橋樹脂が減少したtanδを有すること、からなる群から選択される少なくとも1つの基準を満たす。特定の実施例では、研磨製品は、この樹脂に埋め込まれた研磨粒子を含む。
【0010】
架橋樹脂等の開示された硬化樹脂は、他の樹脂と比較して、色安定的である。例えば、フェノール性樹脂で観察された典型的な暗色化は、メラミンの使用なしで架橋したポリチオールで緩和可能であり、透明な樹脂に、透明性から恩恵を得る用途での使用、例えば、着色剤、またはその同類のものとの使用を可能とする。
【0011】
開示された樹脂は、改善された機械的特性、例えば、増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、減少した平均tanδ、およびその同類のものを有する。改善された機械的特性は、研磨製品における等の改善された用途となることができる。例えば、紙やすり等のコートされた研磨剤においては、開示された樹脂は、ランダムな擦り傷形成を減らすようにより良好に砥粒を保持し、製品の寿命および性能を改善できる割れ/脆化を減らすようにより柔軟であり、または同一寿命で通常のより大きい切断力を維持でき、およびその同類のものができる、製品を生じることが可能である。
【0012】
さらに、架橋樹脂等の開示された硬化樹脂の使用は、例えば、メーク層と支持層との間の界面の接着を同時に改善しながら、コートされた研磨剤の柔軟性を著しく改善できる。
【0013】
理論に拘束されるわけではないが、ポリチオールは、いくつかの方法で架橋樹脂等の硬化樹脂の特性を改善できると考えられている。ポリチオールは、ポリチオールと反応する場合に、樹脂の速い重合速度を減速できる連鎖移動剤として作用すると考えられている。ポリチオールを有さないいくつかの樹脂の硬化は、直ちにまたはほとんど直ちに、低い転化パーセンテージおよび貧弱な機械的特性を有することができる高分子量の"ガラス化した"ポリマーになると考えられる。ポリチオールは、分子内連鎖延長を生じ、ガラス化効果のいくつかを避け、そしてより良い特性となるいくつかの樹脂モノマーのより高い転化%を生じると考えられている。また、−S−部分周りの回転自由度は、機械的特性を改善できる砥粒の辺りの応力を緩和できると考えられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の先のおよび他の目的、特徴および利点は、類似の参照文字が、異なる図面で同じ物を示す添付図面中で具体的に説明されるように、本発明の好ましい態様の以下のさらに特定の記載から明らかであろう。図は必ずしも一定縮尺ではなく、代わりに本発明の原理の具体的な説明で強調される。
【0015】
開示された態様は、一般的に、ポリマーおよび樹脂と組み合わされた、特に研磨製品の中に取り込まれるバインダーとして使用される、ポリチオール基に関する。
【0016】
一つの形態では、本発明は、ポリチオール基で硬化した樹脂を含む研磨製品を対象にする。いくつかの態様では、硬化樹脂は、ポリチオール基で架橋した樹脂を含む。
【0017】
本明細書中で使用される場合、未架橋または未架橋の"樹脂"は、モノマー類、オリゴマー類、およびポリマー類から選択される1種または2種以上の成分を含む硬化用または架橋用組成物であり、そして任意選択的に着色剤、安定剤、可塑剤、フィラー、溶媒、アンチローディング(antiloading)剤またはその同類のもの等の他の添加物を含んでもよい。一般的に、樹脂は、典型的には架橋反応の結果である硬化で硬くなる部分的に重合された成分の混合物を含む。硬化したまたは未架橋の樹脂は、光、電子ビーム照射、酸、塩基、熱、それらの組み合わせ、または架橋樹脂を生成するその同類のものでの開始によって硬化できる。典型的には本発明において、アルデヒド樹脂等の未架橋または未架橋樹脂は、ポリチオール基で硬化または架橋する。
【0018】
本明細書中で使用される場合、"ポリチオール架橋剤"または"ポリチオール基"は、架橋する場合、チオールが硫黄エーテル基−S−の形である少なくとも2つのチオール(−SH)基を含む有機部分である。ポリチオールは、2,5,10,20,50,100以上のチオール基を有するオリゴマーまたはポリマーであることができる。一般的に、ポリチオール基は、2〜6チオール基を含む。一実施態様では、ポリチオール基は、ポリマーでない有機化合物である。本明細書中で使用される場合、"ポリマーでない"有機化合物は、繰り返し単位を含まないか、または典型的にポリマーが含む繰り返し単位で10繰り返し単位以下(好ましくは5繰り返し単位以下)を含むか、のいずれかの有機化合物を意味する。具体的な実施形態では、ポリチオール基は、トリチオールまたはテトラチオールである。さらに具体的な実施形態において、トリチオールまたはテトラチオールは、ポリマーでない。好ましい態様において、ポリチオール基は、トリ(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリ(3−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、テトラ(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラ(3−メルカプトアセテート)ペンタエリスリトール,3−メルカプトプロピオン酸ポリオール、3−メルカプト酢酸ポリオール、3−メルカプトプロピオン酸ポリエステル、3−メルカプト酢酸ポリエステル、ETTMP1300(Chemical Abstract Service Registry No.345352−19−4)、他のポリオールエステルチオール、他のポリオールチオール、またはその同類のものから選択できる。さらに好ましい態様において、ポリチオールは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール(C(CH2OOCCH2CH2−SH)4)を含む。多数のポリチオールは、BRUNO BOCK Chemische Fabrik GmbH & Co.KG、Marschacht Germanyから市販されている。
【0019】
具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、ポリチオール基で架橋したアルデヒド樹脂、好ましくはホルムアルデヒド樹脂を含む。本明細書中で使用される場合、未架橋または未架橋の"アルデヒド樹脂"は、アルデヒドと、アミノ化合物またはフェノール性化合物等の求核試薬と、の縮合反応によって生成され、副生成物として水を生成するポリマーまたは部分的に重合された組成物を含む。本明細書中で使用される場合、"アミノ化合物"は、少なくとも1つのアミノ基(−NH2)を有するモノマー化合物を意味する。本発明中で使用できるアミノ化合物の例は、尿素;メラミン等のアミノトリアジン;およびそれらの混合物を含む。本明細書中で使用される場合、"フェノール性化合物"は、少なくとも1つのフェノール性の単位を有するモノマー化合物を意味する。本発明中で使用されるフェノール性化合物の例は、フェノール;クレゾール(例えばO−クレゾール、m−クレゾールおよびp−クレゾール)、キシレノール(例えば2,4−キシレノール)、カージノール(cardinol)、エチルフェノール、プロピルフェノール、ヘキシルフェノール、ノニルフェノールまたはカシューナットシェル液等のアルキルフェノール;イソプロペニルフェノール等のアルケニルフェノール;レゾルシン等の多価−O−フェノール;フェニルフェノール等のアリールフェノール;CH2(C6H4OH)2またはC(CH3)2(C6H4OH)2等のフェノール性ジオール;およびそれらの混合物を含む。本明細書中で使用される場合、"アルデヒド"は、上記の様にフェノール性化合物と反応できる、少なくとも1つのアルデヒド基またはアルデヒド基に転化できる官能基を有する有機化合物を意味する。そうしたアルデヒドの例は、ホルムアルデヒド;パラホルムアルデヒド;アセトアルデヒド等のホルムアルデヒドを与える材料;フルフラール;ブチルアルデヒド;およびそれらの混合物を含む。
【0020】
具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、フェノールアルデヒド、メラミンアルデヒド、尿素アルデヒド樹脂、またはそれらの混合物を含む。またさらに具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド樹脂、またはそれらの混合物を含む。いくつかの好ましい態様において、硬化または架橋される樹脂は、フェノールホルムアルデヒド樹脂を含む。本発明において用いることができるそうしたフェノールホルムアルデヒドの具体例は、例えば、米国特許第4,130,550号明細書;米国特許第4,289,814号明細書;および米国特許第4,578,425号明細書に技術的に見出すことができ、それらの全ての教示は、参照により本明細書中に取り込まれる。
【0021】
別の具体的な実施形態において、硬化または架橋される樹脂は、チオールエンポリマーが、ポリチオール基で硬化または架橋するチオールエンポリマーを含み、言い換えればチオールエンポリマーのチオール部分は、ポリチオール基のチオール基を含む。特定の態様において、硬化または架橋される樹脂は、トリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む。
【0022】
別の態様において、硬化または架橋される樹脂は、フェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、並びにそれらの混合物から選択される架橋したまたは架橋可能な成分を含むか、または任意選択的にさらに化合している。
【0023】
一般的に、ポリチオール基は、硬化または架橋樹脂の少なくとも約1%〜約99wt%、典型的には少なくとも約5%、さらに典型的には約5%〜約50%、特に約5%〜約40%、または特異的に約10%〜約40%を形成できる。
【0024】
本発明の研磨品は、コート研磨品、ラップされたまたは構造的研磨品、結合された研磨品、および不織研磨品を含む。
【0025】
一実施態様では、本発明の研磨品は、コートされた研磨品である。典型的には、本発明のコートされた研磨品は、第1の主表面および第2の主表面を有する支持基材;複数の研磨粒子等の研磨剤材料;複数の研磨粒子を基材の第1の主表面に接着する樹脂バインダー、および任意選択的にアンチローディング成分を含んで成る周囲被膜を含む。砥粒、研磨粒子またはそれらの凝集体等の研磨剤材料は、コートされた研磨品の1つの層(例えば樹脂研磨剤層)または2つの層(例えば、メークコート(make coat)およびサイズコート(size coat))中に存在できる。本発明のコートされた研磨品は、バインダー研磨剤層、バックサイズコート、プレサイズコート、メークコート、サイズコートおよびスーパーサイズコート(super size coat)からなる群から選択される少なくとも1つの層中に、上記の様にポリチオールと硬化したまたは架橋した樹脂バインダーを含む。そうした樹脂バインダーは、一般的に未架橋樹脂または部分的に架橋樹脂、およびポリチオール基を含む樹脂バインダー組成物を、上記の様に硬化させることによって、生成できる。
【0026】
いくつかの具体的な実施形態において、本発明のコートされた研磨品は、第1の主表面および第2の主表面を有する支持基材;複数の研磨粒子;複数の研磨粒子を基材の第1の主表面に接着させる、メークコートと呼ぶことができる樹脂バインダーを含む。1つの例において、そうしたメークコートは、支持基材に、砥粒を有さない樹脂バインダーを含侵させることによって形成可能である。任意選択的に、それらの特異的適用によって、コートされた研磨製品は、他のコート、例えば、サイズコート、スーパーサイズコート、またはその同類のものをさらに含むことができる。これらの態様において、研磨剤材料は、ポリウレタン接着組成物と共に重力、静電堆積によってまたは空気流中で、またはスラリーとして別々に適用できる。
【0027】
他の具体的な実施形態において、支持基材は、バインダー研磨剤層を形成するために、上記の様に仕上げられたコートされた研磨剤工具に必要とされる攻撃性によっては、研磨粒子、および樹脂バインダー等の研磨剤材料を含む樹脂研磨剤スラリーで含侵してもよい。
【0028】
本発明のコートされた研磨品に好適な支持基材は、紙、布、フィルム、高分子発泡体、繊維、加硫処理した繊維、織られたおよび不織材料、金属、木材、プラスチック、セラミック、もしくはその同類のもの、またはこれらの材料もしくはそれらの処理された類のもの、の2種または3種以上の組み合わせ等のコートされた研磨剤の製造において、基材として通常使用されるいくつもの種々の材料を含む。基材は、紙/フィルム、布/紙、フィルム/布、またはその同類のもののラミネートであってもよい。基材は、比較的柔軟な薄い紙、フィルム、布、またはその同類のものから、比較的剛体金属、セラミック、木材、またはその同類のものまで様々な程度の柔軟性を有することができる。基材材料の選択は、研磨品の意図された用途によるであろう。基材の強度は、使用時の引き裂きまたは他の損傷に耐えるのに充分であることが好ましく、そして基材の厚さおよび平滑性は、意図された用途に所望の製品厚みおよび平滑性を達成できることが好ましい。
【0029】
コートされた研磨品中の基材は、追加の飽和剤/サイズコート、プリサイズコートおよび/またはバックサイズコートを有してもよい。そうしたコートは、基材を密閉するためにおよび/または基材中で糸または繊維を保護するために用いることができる。基材が布材料である場合、これらのコートの少なくとも一つが、必須であってもよい。プリサイズコートまたはバックサイズコートを加えることで、基材の表面および/または裏側のいずれかの上の"より滑らかな"表面をさらに生じてもよい。
【0030】
さらに、帯電防止材料が、これらの布処理コートのいずれかに含まれてもよい。帯電防止材料の添加は、木材または木材のような材料を紙やすりでサンディング(sanding)する場合に、コートされた研磨品が静電気を蓄積する傾向を低下できる。帯電防止基材および基材コート(処理)に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,108,463号明細書;米国特許第5,137,542号明細書(Buchananら);米国特許第5,328,716号明細書(Buchanan);および米国特許第5,560,753号明細書(Buchananら)に見出すことができる。
【0031】
基材は、例えば、米国特許第5,417,726号明細書(Stoutら)中で開示されるような線維強化熱可塑性物、または例えば、米国特許第5,573,619号明細書(Benedictら)中に開示されるようなエンドレスで接合部のないベルトであってもよい。同様に、基材は、例えば、米国特許第5,505,747号明細書(Chesleyら)に開示されるような、張り出したフック脚部を有するポリマー基材であってもよい。同様に、基材は、例えば、米国特許第5,565,011(Follettら)号明細書中で記載されたような輪状の織物であってもよい。
【0032】
いくつかの例において、生じるコートされた研磨剤を補強パッドに固定できるように、コートされた研磨剤の裏側の上へ感圧接着剤を取り込むことは好ましいであろう。この発明に好適な感圧接着剤の代表的な例は、ラテックスクレープ、松やに、ポリアクリレートエステル、例えばポリアクリル酸ブチルを含むアクリルポリマーおよびコポリマー、ビニルエーテル、例えばポリビニルn−ブチルエーテル、アルキド接着剤、ゴム接着剤、例えば天然ゴム、合成ゴム、塩素化ゴム、およびそれらの混合物を含む。好ましい感圧接着剤は、アクリル酸イソオクチル。アクリル酸コポリマーである。
【0033】
コートされた研磨剤は、米国特許第3,849,949号明細書(Stemhauserら)中に記載されたような、研磨剤ディスクのロールの形であることができる。コートされた研磨剤をベルト、ディスク、シート、テープ、連鎖物(daisies)およびその同類のもの等の種々の異なる形および形体に転換してもよい。ベルトは、接合または接続を含んでもよい、あるいはベルトは、米国特許第号明細書5,573,619(Benedictら)中で教示された等の接合部なしの物でもよい。
【0034】
あるいは、コートされた研磨剤は、補強パッドにコートされた研磨剤を固定するフックおよび輪状型の取り付けシステムを含んでもよい。輪状織物は、補強パッド上のフックを有するコートされた研磨剤の裏側上にあってもよい。あるいは、フックは、補強パッド上にある輪を有するコートされた研磨剤の裏側上にあってもよい。
【0035】
フックおよび輪状タイプ取り付けシステムは、米国特許第4,609,581号明細書(Ott)、米国特許第5,254,194号明細書(Ottら)および米国特許第5,505,747号明細書(Chesleyら)にさらに記載される。あるいは、メークコート前駆体は、例えば、米国特許第5,565,011号明細書(Follettら)で開示されたような輪状織物の上へ直接にコートされてもよい。
【0036】
主表面または作業表面および基材の反対表面の両方に、研磨粒子を接着することも実現可能である。研磨粒子は、同一または互いに相違することができる。この形態において、研磨品には本質的に2つの側があり;片側は、反対側上の複数の研磨粒子と異なる複数の研磨粒子を含むことができる。あるいは、片側は、反対側上の物と異なる粒径を有する複数の研磨粒子を含むことができる。ある例において、研磨品のこの2つの側は、研磨品の両側を同時に研磨する方式で使用できる。例えば、角などの小さい範囲においては、研磨品の片側は、反対側が下降中の製品の表面の底部を研磨しながら、加工中の製品の表面上部を研磨することができる。
【0037】
不織研磨剤は本発明の範囲内に含まれる。不織研磨剤は、米国特許第2,958,593号明細書(Hooverら)および米国特許第4,991,362号明細書(Heyerら)に記載される。
【0038】
結合された研磨品も本発明の範囲内である。結合された研磨品は典型的には、成型品、例えば砥車、砥石、またはその同類のものの形で、共に研磨粒子を接着する樹脂バインダーを含む。結合された研磨品は、研磨剤および上記の硬化樹脂からなることができ、または任意選択的にハンドル、アクセル、車輪、またはその同類のもの等の支持体に結合または成型できる。結合された研磨品は、米国特許第4,800,685号明細書(Haynes)中に一般的に記載される。本発明によれば、アンチローディング成分は、少なくとも樹脂バインダーの一部分上の周囲被膜中に、または結合された研磨品のマトリックス中に存在する。
【0039】
図1は、紙等の支持基材102を含むコートされた研磨製品100の図である。上記の様にポリチオール基で硬化した樹脂は、支持基材102上のメークコート104、サイズコート106、スーパーサイズコート108等の1種または2種以上のコートまたは層、またはその同類のもの中に存在できる。典型的には、硬化樹脂は、支持基材に研磨粒子110を結合でき、支持基材上に研磨被膜を形成する。コートされた研磨剤は、任意選択的に追加のフィラー112を含むことができる。
【0040】
基材102は、剛体または柔軟物、多孔性または非多孔性、およびその同類のものであることができる。例えば、種々の態様において、支持基材は、ロフティー(lofty)、不織織物;剛体基材;主表面を有する柔軟な基材;またはその同類のものであることができる。特定の態様において、支持基材は、柔軟であり、そして硬化樹脂は、実質的に基材の屈曲に沿う。
【0041】
ある場合には、スーパーサイズコート108は、バインダーと共にまたはバインダーなしで、堆積できる。一般的に、スーパーサイズコート108の機能は、コートされた研磨剤材料の表面上に、高められた研削(grinding)能力、表面潤滑、帯電防止特性またはアンチローディング特性等の特別な特徴を提供する添加物を配置することである。好適な研削助剤の例は、KBF4を含む物である。スーパーサイズコート108のための好適な滑剤の例は、ステアリン酸リチウムおよびラウレル硫酸ナトリウムを含む。好適な帯電防止剤の例は、アルカリ金属スルホン酸、第三級アミンおよびその同類のものを含む。好適なアンチローディング剤の例は、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸リチウムおよびその同類のものを含む。アニオン性有機界面活性剤は、また効果的なアンチローディング剤として使用できる。そうしたアニオン界面活性剤を含むそうしたイオン界面活性剤およびアンチローディング組成物の種々の例は、米国特許出願公開第2005/0085167Al号明細書中に記載され、それらの全ての教示は、参照により本明細書中に取り込まれる。好適なアンチローディング剤の他の例は、金属シリケート、シリカ、金属炭酸塩および金属サルフェート等の無機アンチローディング剤を含む。そうした無機アンチローディング剤の例は、国際公開第02/062531号パンフレットおよび米国特許第6,835,220号明細書に見出すことができ、それらの全教示は参照により本明細書中に取り込まれる。
【0042】
特定の態様において、研磨製品は、支持基材102と(示されている)研磨被膜104との間のにあることができる追加の柔軟なエネルギー分散層114を含むことができ、または支持基材102は、研磨被膜104と柔軟なエネルギー分散層114との間にあることができる。いくつかの態様において、支持基材は、単一の層、例えばエラストマーのポリマーフィルム、またはその同類のものにおいて、支持基材の機能および柔軟なエネルギー分散機能の両者を提供する材料でできていることが可能である。柔軟なエネルギー分散層は、研磨粒子を硬化または架橋樹脂バインダーから放出させると考えられている研磨作用力の効果を少なくとも部分的に軽減すると考えられている。従って、そうした層を有さない以外は同一の製品と比較して、柔軟なエネルギー分散層を有する製品は、改善された摩耗性能、改善された摩耗寿命、またはその同類のものを有することができる。
【0043】
研磨製品は、着色剤、例えば、染料または顔料を含むことができる。一般的に、着色剤の一部分は、架橋樹脂等の硬化樹脂を通して見ることができ、例えば、いくつかの態様では、着色剤の一部分は、硬化樹脂中、追加の支持基材中、および/または追加の支持基材と硬化樹脂との間の被膜中に含まれる。特別な態様では、着色剤は、有機ポリ環状染料、有機モノアゾ染料、有機ジアゾ染料、有機金属錯体、金属酸化物または錯体等の無機顔料を含むことができる。染料は、ペリノン、アントラキノン、アゾ染料錯体およびチオインジゴイドに分類できる。
【0044】
蛍光性着色剤は、蛍光性有機分子を含有する染料または顔料である。蛍光性着色剤の詳細な記載は、Zollinger、H.、"Color Chemistry: Synthesis、 Properties、and Applications of Organic Dyes and Pigmentss"、2ndEd.、VCH、New York、1991に見出すことができ、それらの全ての教示は参照により本明細書中に取り込まれる。本明細書中で使用される場合、蛍光性着色剤は、例えば、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン(例えばフルオレセシン(fluoresceins)、ローダミン、エオシン、フロキシン、ウラニン、スクシネイン(succineins)、サッカレイン(sacchareins)、ローサミン、およびロードール)、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム(naphtholactum)、アザラクトン(azalactone)、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン(anthrapyridone)、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン(benzothiazene)、ペリレン、またはチオインジゴイドであることができる。さらに好ましくは、蛍光性着色剤は、キサンテン、チオキサンテン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン(anthrapyridones)、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼネン(benzothiazenes)、チオインジゴイドおよびフルオレンからなる群から選択される。最も好ましくは、蛍光性着色剤は、チオキサンテンまたはチオキサンテンである。
【0045】
当業者は、多くの市販されている着色剤のためには、同族、例えばチオキサンテン誘導体の中での個々の誘導体の特異的化学的構造が、公には有用でない場合があることを知っている。従って、特異的蛍光性着色剤は、典型的には"Colour Index International"、4thEd.American Association of Textile Chemists and Colorists、Research Triangle Park、NC、2002中で規定されるカラーインデックス(CI.)名で示される。カラーインデックスは、またwww.color−index.orgでオンラインでも利用できる。カラーインデックスの全ての教示は、参照により本明細書中により、取り込まれる。
【0046】
好ましい蛍光性着色剤の例は、C.I.Solvent Orange 63(Hostasol Red GG、Hoechst AG、Frankfurt、Germany)、C.I.Solvent Yellow 98(Hostasol Yellow 3G、Hoechst AG、Frankfurt、Germany)、およびC.I.Solvent Orange 118(FL Orange SFR、Keystone Aniline Corporation、Chicago、Illinois)を含む。
【0047】
用いることができる着色剤の量は、意図された使用の詳細、着色剤の特徴、組成物中の他の成分、およびその同類のものによる。当業者は、これらの詳細を判断して、特別な使用ために着色剤の量の決定の仕方を知るであろう。典型的には、着色剤の量は、約0.01および約2%、さらに好ましくは約0.05および約0.5%、そして最も好ましくは、約0.2%の全着色剤組成物の重量留分であろう。
【0048】
具体的な実施形態において、着色剤は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、または紫色である。具体的な実施形態において、着色剤は、蛍光性、例えば、蛍光性赤色、蛍光性橙色(ブレーズ橙色)、蛍光性黄色、蛍光性緑色、またはその同類のものである。いくつかの好ましい態様において、着色剤は、蛍光性橙色(ブレーズ橙色)である。
【0049】
種々の態様において、特に着色剤、硬化樹脂または架橋樹脂の存在を含むいくつかの態様は、メラミンを含まない。種々の態様において、研磨製品、例えば商業的ブランド設定ため、濡れた、乾燥した、木材、金属、またはその同類のもの等を示す使用のため、または粒度、またはその同類のものの識別のために、着色剤を用いて、研磨製品を識別することができる。
【0050】
種々の態様において、着色剤は、例えば、ロゴ、記載部数、品番、使用説明、安全上の警告、摩耗表示、目詰まり指標、またはその同類のものを示すための印刷パターンとして生成できる。例えば、切りくずがついた研磨剤または消耗した研磨剤は、より効果的でないことができ、従って有効性を改善する研磨剤中の変化をユーザーに示すのに有用な消耗表示または目詰まり表示を作る。本明細書中で使用される場合、"切りくず(swarf)”は、研磨剤に接触して"載っており(load)"または留まることができ、研磨剤の有効性を減少させる傾向がある、研磨される加工中の製品材料を言う。
【0051】
いくつかの態様において、硬化樹脂は、例えば、350nm以上の波長で、0.1超、一般的に0.15超、典型的には0.2超、さらに典型的には0.25超、または特に0.3超の吸収値を有する光開始剤によって架橋して、硬化できる。
【0052】
典型的には、波長350nm以上での吸収値は、少なくとも約10nmの波長範囲、さらに典型的には少なくとも約25nm、特に少なくとも約40nm、または具体的な実施形態において約50nmにわたる。波長範囲は、350nm以上に始まり、典型的には350nm〜800nm、さらに典型的には350nm〜500nm、またはいくつかの態様において、350nm〜450nmに位置することができる。特定の態様において、波長範囲は、350nm〜400nmに位置し、典型的には350nmに始まることができる。
【0053】
いくつかの態様において、硬化樹脂は、例えばビスアシルホスフィンオキサイドおよびα−ヒドロキシケトンから選択される光開始剤によって架橋して、硬化できる。
【0054】
いくつかの態様において、研磨製品は、例えば350nm以上の波長で、0.9未満、一般的に0.8未満、典型的には0.7未満、さらに典型的には0.6未満、または特に0.5未満の吸収値を有する少なくとも部分的に、紫外線に透明であることができる砥粒を含む。典型的には、波長350nm以上での吸収値は、少なくとも約10nm、さらに典型的には少なくとも約25nm、特に少なくとも約40nm、または具体的な実施形態において約50nmの波長範囲にわたる。
【0055】
同様に、いくつかの態様において、研磨製品は、紫外線に透明であることができる支持基材を含む。
【0056】
また、種々の態様において、硬化または架橋樹脂および/または研磨製品は、紫外線透過フィラー例えば炭酸カルシウムおよびシリカ等の標準の不透明フィラーよりさらに紫外線を透過するフィラーを含むことができる。特定の態様において、紫外線透過フィラーは、アルミニウム三水和物である。種々の態様において、本発明の研磨製品は、それ以外は同一である製品と比較して改善された特性を、特に有することができる。
【0057】
いくつかの態様において、架橋樹脂等の本発明の硬化樹脂は、それ以外は同一であるが、ポリチオール基で硬化しない樹脂と比較して、さらなる可視光を透過する。本明細書中で使用される場合、"可視光"は、波長約400nm〜約800nmの範囲である。硬化樹脂の透明性は、適当に調製された標準サンプルの標準可視スペクトルを使用して測定できる。例えば、同一の寸法で形成された薄膜として2つのサンプルを比較でき、そしてそれぞれの%透過率を測定した。
【0058】
いくつかの態様において、架橋樹脂等の本発明の硬化樹脂は、それ以外は同一であるが、ポリチオール基で硬化していない樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、減少した平均tanδを有することができる。
【0059】
いくつかの態様において、本発明の研磨製品は、硬化樹脂以外は同一である、すなわち製品が、それ以外は同一であるがポリチオール基で硬化していない樹脂を含む研磨製品と比較して、減少したランダムな擦り傷形成を示すことができる。
【0060】
いくつかの態様において、ポリチオール基で硬化した樹脂を含む本発明の研磨製品は、硬化樹脂以外は同一である、すなわち製品がそれ以外は同一であるがポリチオール基で硬化していない樹脂を含む研磨製品と比較して、例えば少なくとも約5%または少なくとも約10%、増加した柔軟性を有する。柔軟性は、好適な公知の方法によって、例えば、Karl Frank in GermanyまたはGurley Precision Instruments in U.S.Aから入手可能であるFrank剛性計(Stiffness meter)の使用によって測定できる。典型的には、そうしたFrank剛性計と柔軟性テストは、固定半径でサンプルを5°単位で10°〜60°等の基準角度まで曲げるのに必要な力の量を測定する。これは、サンプルの巻き付け方向および横糸(weft)方向で行うことができる。それぞれのサンプルでの%力(y−軸)対角度(x−軸)のプロットの勾配は、"フレックス勾配(Flex Slope)"として公知の物を与える。勾配がきつい程、一般的により堅い製品を示す。
【0061】
またさらにいくつかの態様において、ポリチオール基で架橋した樹脂等のポリチオール基で硬化した樹脂を含む本発明の研磨製品では、硬化樹脂は、ポリチオールで硬化していない以外は同一である樹脂と比較して、例えば、少なくとも約5%または少なくとも約10%、増加した界面の接着強度を提供する。界面の接着強度(または剥離力)は、好適な公知の方法によって、例えば、インストロン(Instron)引っ張り試験機の使用を通して、決定できる。例えば、インストロン引っ張り試験機を使用するそうしたテストにおいて、架橋樹脂を含むメークコートを含むコートされた研磨製品の支持材料は、本質的に等しい剛性の別の要素に結合される。接着的に支持材料からメークコート層を剥離するために必要な力が測定された。剥離力のフレックス勾配への比は、一般的により大きい値がより大きい接着力を表すメークコートの支持材料への接着強度の尺度である。
【0062】
本発明のコートされた研磨製品は、例えば、スチールおよび他の金属、木材、木材のような積層品、プラスチック、グラスファイバー、皮またはセラミックの種々の表面の、サンディング(sanding)、研削(grinding)または磨き(polishing)のために使用できる。
【0063】
別の形態では、本発明は、ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物を含む。ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基の好ましい例を含む特徴および例は、上記の様である。いくつかの態様において、硬化性組成物は、チオールエンポリマーがポリチオール基で架橋するなどして硬化することができる上記のチオールエンポリマーをさらに含む。他の態様において、硬化性組成物は、任意選択的にフェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、並びにそれらの混合物から選択される架橋したもしくは架橋可能な成分をさらに含むか、またはこれらとさらに化合する。任意選択的に、本発明の硬化性組成物は、それらの特異的適用によって着色剤、フィラーおよび添加物をさらに含むことができる。着色剤、フィラーおよび添加物の例は、上記の様である。
【0064】
本発明は、ポリチオール基によって架橋したホルムアルデヒド樹脂も含む。ホルムアルデヒド樹脂およびポリチオール基の好ましい例を含む特徴および例は、上記の様である。
【実施例】
【0065】
例1:架橋したフェノール樹脂の調製
以下の例ための架橋樹脂を、標準の市販されている(例えばOxychem、Borden、Bakelite−Hexion−、Durez and Dynea)フェノールホルムアルデヒドレゾール樹脂と、全wt%で0%,5%,10%、および20wt%の範囲のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(polythiol pentaerythritol tetra−(3−mercaptopropionate)と、を混合することによって調製した。混合物を、最初に2時間200°Fで乾燥し、次に250°Fで5時間、例えば樹脂を架橋させるといった硬化をさせた。
【0066】
以下の例ためのコートされた研磨剤を、上記未架橋樹脂の1つと、1.6ポンドリーム(ream)で(23.7gsm)砥粒(Pl80粒BFRPL酸化アルミニウム)をコートしたエポキシアクリル樹脂とを混合すること、そして連続的な被膜工程中で5−milポリエチレンテレフタレート表面処理フィルムに適用するによって調製した。コートされた混合物を、上記のように硬化させて、樹脂を架橋させ、従って研磨剤コートを基材に固定した。他の任意選択的添加物を特定例に記載のように追加した。
【0067】
例2:開示された架橋したフェノール樹脂が透明性を改善する
0%,5%,10%、および20wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールを有するフェノール性樹脂のサンプルの透明性は、ポリチオールのパーセンテージの増加と共に増加した。例えば、0wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールを有するサンプルはほとんど黒色であったが20wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールを有するサンプルは、非常に明るい黄橙色であり、20wt%のポリチオールを有するサンプルの透明性が、0%のポリチオールを有するサンプルよりはっきりと高いことを示す。
【0068】
また、2つの蛍光性橙色染料を含有する以外は同一のコートされた研磨剤、すなわちポリチオール基を有さないで硬化したフェノール性樹脂バインダーを有する物、および10wt%のテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで硬化したフェノール性樹脂バインダーを有する物を比較した場合、ポリチオール基を有さないで硬化したフェノール樹脂バインダーを有するコートされた研磨剤は、ずっと暗く、したがって、ポリチオール基で硬化したフェノール樹脂バインダーを有するコートされた研磨剤よりずっと透明でなかった。
【0069】
例3:"Grain Shadowing"効果が開示された研磨剤によって克服される
光開始剤を使用する場合、ある樹脂は、紫外線照射で硬化できる。図2は、コートされた研磨剤100の紫外線硬化の間に起こると考えられる"grain shadowing"効果を示す。この効果は、硬化、従ってそうした樹脂と結合した研磨剤の性能を損なうと考えられている。短波長紫外線402は、砥粒110によって覆われることができ、粒で影となったメークコート104中の樹脂および領域404中のサイズコート106の部分を影で覆うことができ、硬化して粒子104が基材102適切に結合することを妨げる。理論に拘束されることを望むわけではないが、種々の態様において、"grain shadowing"効果は、光の散乱および/または拡散を増加させて影ができるのを減らすことができるアルミニウムトリ水和物等の紫外線透過フィラーを用いて、より長波長の光が研磨粒子の辺りでさらに容易に拡散して影ができるのを減らす、より長波長側に吸光度を有する光開始剤を用いて、樹脂が硬化する被膜またはその同類のものから基材の反対側に向けられた紫外線によって硬化できるコートされた研磨剤に紫外線透過基材を用いて、砥粒が少なくとも部分的に透明である、波長領域において吸収を有する光開始剤を用いることによって緩和できると考えられている。
【0070】
例4:開示された研磨剤で用いられる光開始剤が、硬化を改善する砥粒から照射されたした光を吸収する
図3は、本発明500の長波長の光開始剤、短波長の開始剤502、並びに3つの異なる砥粒504,506および508の紫外線吸光度のグラフである。図に示すように、短波長の開始剤502、特に粒504を用いると、砥粒によってかなりの影ができる、長波長の光開始剤500を用いることによって、系は、粒の主吸光度より上の波長領域の光、例えば光開始剤500が、短波長開始剤502より大きい吸光度を有する、粒504で350ナノメートルを照射されることができる。また、砥粒は、短波長開始剤502、特に粒504の吸収帯におけるより比較的小さい吸収を有することができる。
【0071】
例5:チオール架橋樹脂が、改善された機械的特性を有する
機械的分析用硬化ポリマーのサンプルを、70/30比のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートまたはTMPTA/ICTA樹脂(Sartomer 368D、Sartomer、Exton、PA)と、光開始剤、アルミニウムトリ水和物フィラー、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトールとを混合して調製し、次に未処理のマイラー上にフィルムを鋳込み、それぞれサンプル@30FPMを硬化するために、"V"および"D"電球を利用する600ワット/インチおよび300ワット/インチ電源の両者を備えるFusion lab Unit (Fusion UV Systems、Inc、Gaithersburg、MD)中で紫外線硬化した。マイラーフィルムからサンプルを除去し、そして整え且つ清掃して、動的機械的分析(DMA)試験(〜1/16’’厚、X1/4幅’’、Xl’’長の)好適なサンプルとした。
【0072】
正弦関数力を上記サンプルにかけ、そして生じる正弦関数変形をモニターした。動ひずみに対する動力学的応力の比は、複素弾性率、E*を与え、複素弾性率はさらに分解して貯蔵弾性率、E’、および損失弾性率、E’’を与えることができる。貯蔵弾性率は、貯蔵エネルギーへの材料の能力をいい、そして材料の剛性に関連付けできる。損失弾性率は、材料の所定の分子運動の結果としてサンプルによって消散した熱を表すことができ、そしてポリマーの減衰特性を反映できる。損失弾性率と貯蔵弾性率との比は、値tanδである。ポリマーの粘弾性の性質により、これらの粘弾性の特性(E’、E’’およびtanδ)は、温度、および時間の関数であることができる。
【0073】
図4A、4B、および4Cは、それぞれ−150℃〜250℃の温度範囲にかけて測定された、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂の増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの改善された機械的特性を示す。
【0074】
例6:開示された研磨製品が改善された仕上げ特性を有する
図5は、加工中の製品仕上げにおける望ましくないランダムな擦り傷を示す写真である。理論に拘束されることを望まないが、そうしたランダムな擦り傷は、樹脂バインダーの貧弱な機械的特性から生じる研磨粒子の貧弱な接着により起こると考えられている。
【0075】
図6Aおよび6Bは、ポリチオール(6B)を有さない同一の樹脂を有する研磨剤と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(6A)で架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の加工中の製品の表面仕上げにおける違いを示す写真である。図に示すように、ポリチオール研磨剤は、より少ない深いランダムな擦り傷を有する、より滑らかな仕上げを有するようである。
【0076】
この明らかな違いを定量化できる。特に、ポリチオール研磨剤は、表1に示すように表面粗さパラメーターRa、Rz、およびRtの改善された(減少した)値を有する。
表1
【表1】
【0077】
表面粗さパラメーターを、表面における変化を測定するプローブ(例えば機械的または光学プローブ)が取った直線的な経路を含む評価長さにかけて測定した。Raは、表面の平均ピーク高さおよび谷の深さまたは平均振幅を記述する、表面上の評価長さにわたる平均粗さ値である。Rzは、評価長さにおいて5つの最も高いピークと5つの最も低い谷との間の高さの違いを記述するISO10点高さパラメーターである。Rtは、全評価長さにかけて最も高いピーク最も低い谷との間の違いに関する最大粗さまたは"最上位粗さ"の尺度である。
【0078】
例7:開示された研磨製品が改善された耐久力を有する
図7Aおよび7Bは、同一の使用条件後のコートされた研磨剤の写真である。図7Aは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の写真であり;図7Bはポリチオールを有さない同一の樹脂を有する研磨剤の写真である。図に示すように、ポリチオールを有さない樹脂は、ポリチオールでコートされた研磨剤と比較して、多くの恐らくゆるくなったまたは無くなった砥粒で、比較的より粗くそしてより品質が低い。
【0079】
この発明が、それらの好ましい態様を参照して、特に示されそして記載される一方で、当然のことながら、当業者は、形態および詳細における種々の改変が、請求項に包含された本発明の範囲を離れることなくなされることができる。さらに、あらかじめ上記に示したそれぞれの米国特許は、本明細書中に取り込まれるその教示を有する。
【0080】
例8:開示された研磨製品が、改善された柔軟性および接着を有する
ポリチオール改質剤(PTM)で改質したコートされた研磨剤構造を、この例の柔軟性、剥離強度および接着で評価した。メーク層またはサイズ層のいずれか中のPTMの量を、下記に詳細を示すように、0〜10%で変化させながら、コート重量定数を保って、テストサンプルを同一の工程条件下で調製した。
【0081】
PTMコートされた研磨剤組成物および工程
柔軟性および接着テストためのコートされた研磨剤構造を、完成された布の連続的な織物に、5.70%PTMを含有する24ポンド/リーム(330フィート2)のフェノールホルムアルデヒドのメーク調合物でコーティングすることによって調製した。全ての成分および対応するレベルを、表2中に詳細に記す。メークコートを有する織物を次に32ポンド/リームのBFRPL酸化アルミニウム粒を適用する静電の堆積工程にかけた。メークコートされた織物および粒のこの部分的な構造を、次に80℃のオーブンで2時間乾燥させて、染料およびそれらフェノールホルムアルデヒドプレポリマーのB−stagingを与えた。
表2:PTM改質されたメーク調合物
【表2】
【0082】
コートされた研磨剤構造を、次に13ポンド/リームのフェノールホルムアルデヒドサイズコートでコートした。サイズコートの詳細な組成物を表3中に示す。織物を次に乾球温度を120℃に設定した乾燥機を2時間通して搬送した。
表3:PTM改質されたサイズ調合物
【表3】
【0083】
材料を次にロールを形成するコアに巻いた。コートされた研磨製品のロールを、次にオーブン温度が125℃である大型対流オーブンに12時間入れ、後硬化ステップを経させた。
【0084】
柔軟性、接着および剥離テスト
柔軟性を、ドイツ国のKarl Frank から入手可能であるFrank剛性計を使用して確かめた。このテストは、5°刻みで10°〜60°にサンプルを曲げるのに必要な力の量を測定した。それぞれのサンプルの%力(y−軸)対角度(x−軸)のプロットの勾配は、"Flex勾配"として公知である物を与える。フレックス勾配が高いほど、一般的により堅い製品を示す。それぞれ1"幅x3"長さである3つの(3)テストサンプルピースを使用した。
【0085】
剥離力を、インストロン引っ張り試験機の使用を通して決定した。この機械的特性のために、コートした研磨剤織物を、高い強度の2液エポキシ接着の使用を通して等しい剛性の別の要素に結合した。1.00インチ/分のクロスヘッド速度のインストロン引っ張り試験機での制限されたT剥離を通して、接着的に支持材料からメークコート層を分離するために必要な力を測定した。フレックス勾配に対する剥離力の比は、より大きな値がより大きな接着を表す、メークコートの完成された布コーティング基材に対する接着強度の尺度であった。
【0086】
Frank剛性およびインストロン剥離テストから生成されたデータを表4に示す。この表から、0%PTMサンプルの平均フレックス勾配は、21.1のフレックス比に対し、平均剥離で1.26であった。メークコートPTMを5%添加すると、フレックス勾配は、フレックス比にする剥離の23.0または10%の増加に応じて、11%減少した。したがって剥離接着の対応する増加とともに、製品柔軟性の増加を観察した。典型的にはさらに柔軟な製品は、より低い剥離接着値を有するので、これは予期しなかった。サイズ層に対するPTMの添加を増加させると構造の柔軟性または接着特性にはっきりと影響した。これらの結果は、メーク層中のPTMの存在が、メーク層と支持層との間の界面接着を同時に改善しながら、コートされた研磨剤の柔軟性を明らかに改善できることを示す。
表4:フレックス勾配および剥離強度値へのPTMの効果。
【表4】
【0087】
均等
この発明が、それらの好ましい態様を参照して、特に示され、そして記載される一方で、当然のことながら、当業者は形態および詳細における種々の変更が、請求項に包含される本発明の範囲を離れることなく、そこで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、紙やすり、エメリー布、またはその同類のもの等の支持基材102を含むコートされた研磨製品100の図である。
【図2】図2は、コートされた研磨剤100の紫外線硬化の間に起こると考えられる"grain shadowing"効果を示す。
【図3】図3は、本発明500の長波長光開始剤、短波長開始剤502、および3つの異なる砥粒504,506、および508の紫外線吸光度のグラフである。
【図4A】それぞれは、−150℃〜250℃の温度範囲にかけて、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂で測定された改善された増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの機械的特性を示す。
【図4B】それぞれは、−150℃〜250℃の温度範囲にかけて、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂で測定された改善された増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの機械的特性を示す。
【図4C】それぞれは、−150℃〜250℃の温度範囲にかけて、ポリチオールを有さない同一のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂と比較して、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋したトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート樹脂で測定された改善された増加した平均貯蔵弾性率、増加した平均損失弾性率、および減少した平均tanδの機械的特性を示す。
【図5】図5は、加工中の製品仕上げで望ましくないランダムな擦り傷を示す写真である。
【図6A】ポリチオール(6B)を有さない同一の樹脂を有する研磨剤と比較して、70/30比のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(TMPTA/ICTA樹脂)で架橋したテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(6A)を有するコートされた研磨剤との加工中の製品の表面仕上げにおける違いを示す写真である。
【図6B】ポリチオール(6B)を有さない同一の樹脂を有する研磨剤と比較して、70/30比のトリメチロールプロパントリアクリレート/トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(TMPTA/ICTA樹脂)で架橋したテトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトール(6A)を有するコートされた研磨剤との加工中の製品の表面仕上げにおける違いを示す写真である。
【図7A】同一の使用条件後のコートされた研磨剤の写真である。図7Aは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の写真であり;図7Bは、ポリチオールを有さない同一の樹脂を有する研磨剤の写真である。
【図7B】同一の使用条件後のコートされた研磨剤の写真である。図7Aは、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ポリチオールペンタエリスリトールで架橋した(TMPTA/ICTA樹脂)を有するコートされた研磨剤の写真であり;図7Bは、ポリチオールを有さない同一の樹脂を有する研磨剤の写真である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数の研磨粒子と、
b)ポリチオール基で硬化した樹脂と、
を含んで成る研磨製品。
【請求項2】
硬化される該樹脂が、アルデヒド樹脂を含む請求項1の研磨製品。
【請求項3】
該アルデヒド樹脂が、ホルムアルデヒド樹脂である請求項2の研磨製品。
【請求項4】
硬化される該樹脂が、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドおよび尿素ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む請求項3の研磨製品。
【請求項5】
硬化される該樹脂が、チオールエンポリマーを含む請求項1の研磨製品。
【請求項6】
硬化される該樹脂が、トリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む請求項5の研磨製品。
【請求項7】
硬化される該樹脂が、フェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、並びにそれらの混合物から選択される、任意選択的に架橋したまたは架橋可能な樹脂成分を含む請求項1の研磨製品。
【請求項8】
該ポリチオール基が、2〜6のチオール部分を含む請求項1の研磨製品。
【請求項9】
該ポリチオール基が、トリチオールまたはテトラチオールである請求項8の研磨製品。
【請求項10】
該ポリチオール基が、トリ(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリ(3−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、テトラ(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラ(3−メルカプト酢酸)ペンタエリスリトール、3−メルカプトプロピオン酸ポリオール、3−メルカプト酢酸ポリオール、3−メルカプトプロピオン酸ポリエステル、3−メルカプト酢酸ポリエステル、およびETTMP1300から選択される請求項9の研磨製品。
【請求項11】
該ポリチオール基が、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトールである請求項10の研磨製品。
【請求項12】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の少なくとも約1wt%を形成する請求項1の研磨製品。
【請求項13】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の少なくとも約5wt%を形成する請求項12の研磨製品。
【請求項14】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の約5%〜約50wt%を形成する請求項13の研磨製品。
【請求項15】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の約5%〜約40wt%を形成する請求項14の研磨製品。
【請求項16】
着色剤をさらに含んで成る請求項1の研磨製品。
【請求項17】
該硬化樹脂が、メラミンを含まない請求項16の研磨製品。
【請求項18】
該着色剤の一部分が、該硬化樹脂を通して見える請求項16の研磨製品。
【請求項19】
該着色剤の一部分が、該硬化樹脂、追加の支持基材、および/または該追加の支持基材と該硬化樹脂との間の被膜の中に含まれる請求項18の研磨製品。
【請求項20】
該着色剤が、染料または顔料である請求項19の研磨製品。
【請求項21】
該着色剤が、印刷パターンを形成する請求項19の研磨製品。
【請求項22】
該着色剤の外観が、該研磨製品の使用に応じて変化する請求項19の研磨製品。
【請求項23】
該着色剤が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、または紫色である請求項19の研磨製品。
【請求項24】
該着色剤が、蛍光性である請求項23の研磨製品。
【請求項25】
該硬化樹脂が、光、電子ビーム照射、酸、塩基、熱、またはそれらの組み合わせによる開始により硬化する請求項1の研磨製品。
【請求項26】
該硬化樹脂が、波長350nm以上で0.1超の吸収を有する光開始剤により硬化する請求項25の研磨製品。
【請求項27】
該硬化樹脂が、ビスアシルホスフィンオキサイドおよびα−ヒドロキシケトンから選択される光開始剤によって硬化する請求項25の研磨製品。
【請求項28】
紫外線透過フィラーをさらに含んで成る請求項25の研磨製品。
【請求項29】
紫外線透過支持基材をさらに含んで成る請求項25の研磨製品。
【請求項30】
結合された研磨品を形成するために、該硬化樹脂が該研磨粒子を結合している、請求項1の研磨製品。
【請求項31】
該支持基材上のメークコート、サイズコート、またはスーパーサイズコート中に該硬化樹脂が存在する、支持基材をさらに含んで成る請求項1の研磨製品。
【請求項32】
該支持基材が、紙、布、フィルム、高分子発泡体、繊維、加硫処理した繊維、織布、不織材料、金属、木材、プラスチック、セラミック、紙/フィルムラミネート、布/紙ラミネート、またはフィルム/布ラミネートである請求項31の研磨製品。
【請求項33】
該硬化樹脂が実質的に該基材の屈曲に従う請求項32の研磨製品。
【請求項34】
該支持基材に研磨被膜を形成するために、該硬化樹脂が、該支持基材に該研磨粒子を結合している請求項31の研磨製品。
【請求項35】
該支持基材と該研磨被膜との間に柔軟なエネルギー分散層を、さらに含んで成る請求項34の研磨製品。
【請求項36】
該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、該硬化樹脂が、さらに可視光を透過させる請求項1の研磨製品。
【請求項37】
該硬化樹脂が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均貯蔵弾性率を有する請求項1の研磨製品。
【請求項38】
該硬化樹脂が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均損失弾性率を有する請求項1の研磨製品。
【請求項39】
該硬化樹脂が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、減少した平均tanδを有する請求項1の研磨製品。
【請求項40】
該研磨製品が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂を含む同一の研磨製品と比較して、減少したランダムな擦り傷形成を示す請求項1の研磨製品。
【請求項41】
ポリチオール基によって架橋したホルムアルデヒド樹脂。
【請求項42】
該ポリチオール基が、非ポリマーである請求項41の架橋樹脂。
【請求項43】
該ホルムアルデヒド樹脂が、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および尿素ホルムアルデヒドからなる群から選択される請求項41の架橋樹脂。
【請求項44】
架橋したチオールエンポリマーをさらに含んで成る請求項41の架橋樹脂。
【請求項45】
該ポリチオール基によって架橋したトリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートをさらに含んで成る請求項44の架橋樹脂。
【請求項46】
該ポリチオール基が、2〜6チオール基を含む請求項41の架橋樹脂。
【請求項47】
該ポリチオール基が、トリチオールまたはテトラチオールである請求項46の架橋樹脂。
【請求項48】
該ポリチオール基が、トリ(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリ(3−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、テトラ(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラ(3−メルカプト酢酸)ペンタエリスリトール、3−メルカプトプロピオン酸ポリオール、3−メルカプト酢酸ポリオール、3−メルカプトプロピオン酸ポリエステル、3−メルカプト酢酸ポリエステル、およびETTMP1300から選択される請求項47の架橋樹脂。
【請求項49】
該ポリチオール基が、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトールである請求項47の架橋樹脂。
【請求項50】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の少なくとも約1wt%を形成する請求項41の架橋樹脂。
【請求項51】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の少なくとも約5wt%を形成する請求項50の架橋樹脂。
【請求項52】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の約5%〜約50wt%を形成する請求項51の架橋樹脂。
【請求項53】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の約5%〜約40wt%を形成する請求項52の架橋樹脂。
【請求項54】
着色剤をさらに含んで成る請求項41の架橋樹脂。
【請求項55】
該架橋樹脂が、メラミンを含まない請求項54の架橋樹脂。
【請求項56】
該着色剤の一部分が、該架橋樹脂を通して見える請求項54の架橋樹脂。
【請求項57】
該着色剤は、染料または顔料である請求項54の架橋樹脂。
【請求項58】
該着色剤が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、または紫色である請求項54の架橋樹脂。
【請求項59】
該着色剤が、蛍光性である請求項54の架橋樹脂。
【請求項60】
該樹脂が、光、電子ビーム照射、または熱による開始によって架橋する請求項41の架橋樹脂。
【請求項61】
該樹脂が、波長350nm以上で0.1超の吸収を有する光開始剤によって架橋される請求項60の架橋樹脂。
【請求項62】
該樹脂が、ビスアシルホスフィンオキサイドおよびαヒドロキシケトンから選択される光開始剤によって架橋する請求項60の架橋樹脂。
【請求項63】
該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、該架橋樹脂が、さらに可視光を透過する請求項41の架橋樹脂。
【請求項64】
該架橋樹脂が、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均貯蔵弾性率を有する請求項41の架橋樹脂。
【請求項65】
該樹脂が、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均損失弾性率を有する請求項41の架橋樹脂。
【請求項66】
該架橋樹脂が、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、減少した平均tanδを有する請求項41の架橋樹脂。
【請求項67】
a)ホルムアルデヒド樹脂;および
b)ポリチオール基
を含んで成る硬化性組成物。
【請求項68】
ポリチオール架橋剤と、ホルムアルデヒド樹脂とを反応させることを含むホルムアルデヒド樹脂の架橋方法。
【請求項69】
a)複数の研磨粒子と、樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物とを接触させること;および
b)該研磨製品を製造するために、該硬化性組成物を硬化させること
を含んで成る研磨製品の調製方法。
【請求項70】
該研磨製品が、架橋樹脂に埋め込まれた研磨剤材料を含み、該架橋樹脂が、ポリチオール架橋基による架橋を含み、該加工物の表面の一部分を除去するために、研磨製品を研磨動作中の加工物の表面に適用することを含んで成る加工物の表面の研磨方法。
【請求項71】
樹脂が少なくとも3つのチオール部分を有するポリチオール基によって架橋し、該ポリチオール基が該架橋樹脂の少なくとも約1wt%であり、該架橋樹脂は、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、該架橋樹脂が増加した透明性を有すること;該架橋樹脂が増加した貯蔵弾性率を有すること、該架橋樹脂が増加した損失弾性率を有すること、および該架橋樹脂が減少したtanδを有することからなる群から選択される少なくとも1つの基準を満たす、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および尿素ホルムアルデヒドから選択される架橋樹脂。
【請求項72】
着色剤をさらに含んで成る請求項71の架橋樹脂。
【請求項73】
該樹脂中に埋め込まれた研磨粒子をさらに含んで成る請求項71の架橋樹脂。
【請求項74】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の少なくとも約5wt%を形成する請求項71の架橋樹脂。
【請求項75】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の約5%〜約50wt%を形成する請求項71の架橋樹脂。
【請求項1】
a)複数の研磨粒子と、
b)ポリチオール基で硬化した樹脂と、
を含んで成る研磨製品。
【請求項2】
硬化される該樹脂が、アルデヒド樹脂を含む請求項1の研磨製品。
【請求項3】
該アルデヒド樹脂が、ホルムアルデヒド樹脂である請求項2の研磨製品。
【請求項4】
硬化される該樹脂が、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドおよび尿素ホルムアルデヒド樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの要素を含む請求項3の研磨製品。
【請求項5】
硬化される該樹脂が、チオールエンポリマーを含む請求項1の研磨製品。
【請求項6】
硬化される該樹脂が、トリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートを含む請求項5の研磨製品。
【請求項7】
硬化される該樹脂が、フェノール樹脂、ペンダントα,β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アクリル樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、ビスマレインイミド樹脂、膠、セルロース誘導体、ラテックス類、カゼイン、大豆タンパク質、ナトリウムアルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアクリルエステル、およびポリエチレンビニルアセテート、ポリスチレンブタジエン、並びにそれらの混合物から選択される、任意選択的に架橋したまたは架橋可能な樹脂成分を含む請求項1の研磨製品。
【請求項8】
該ポリチオール基が、2〜6のチオール部分を含む請求項1の研磨製品。
【請求項9】
該ポリチオール基が、トリチオールまたはテトラチオールである請求項8の研磨製品。
【請求項10】
該ポリチオール基が、トリ(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリ(3−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、テトラ(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラ(3−メルカプト酢酸)ペンタエリスリトール、3−メルカプトプロピオン酸ポリオール、3−メルカプト酢酸ポリオール、3−メルカプトプロピオン酸ポリエステル、3−メルカプト酢酸ポリエステル、およびETTMP1300から選択される請求項9の研磨製品。
【請求項11】
該ポリチオール基が、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトールである請求項10の研磨製品。
【請求項12】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の少なくとも約1wt%を形成する請求項1の研磨製品。
【請求項13】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の少なくとも約5wt%を形成する請求項12の研磨製品。
【請求項14】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の約5%〜約50wt%を形成する請求項13の研磨製品。
【請求項15】
該ポリチオール基が、該硬化樹脂の約5%〜約40wt%を形成する請求項14の研磨製品。
【請求項16】
着色剤をさらに含んで成る請求項1の研磨製品。
【請求項17】
該硬化樹脂が、メラミンを含まない請求項16の研磨製品。
【請求項18】
該着色剤の一部分が、該硬化樹脂を通して見える請求項16の研磨製品。
【請求項19】
該着色剤の一部分が、該硬化樹脂、追加の支持基材、および/または該追加の支持基材と該硬化樹脂との間の被膜の中に含まれる請求項18の研磨製品。
【請求項20】
該着色剤が、染料または顔料である請求項19の研磨製品。
【請求項21】
該着色剤が、印刷パターンを形成する請求項19の研磨製品。
【請求項22】
該着色剤の外観が、該研磨製品の使用に応じて変化する請求項19の研磨製品。
【請求項23】
該着色剤が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、または紫色である請求項19の研磨製品。
【請求項24】
該着色剤が、蛍光性である請求項23の研磨製品。
【請求項25】
該硬化樹脂が、光、電子ビーム照射、酸、塩基、熱、またはそれらの組み合わせによる開始により硬化する請求項1の研磨製品。
【請求項26】
該硬化樹脂が、波長350nm以上で0.1超の吸収を有する光開始剤により硬化する請求項25の研磨製品。
【請求項27】
該硬化樹脂が、ビスアシルホスフィンオキサイドおよびα−ヒドロキシケトンから選択される光開始剤によって硬化する請求項25の研磨製品。
【請求項28】
紫外線透過フィラーをさらに含んで成る請求項25の研磨製品。
【請求項29】
紫外線透過支持基材をさらに含んで成る請求項25の研磨製品。
【請求項30】
結合された研磨品を形成するために、該硬化樹脂が該研磨粒子を結合している、請求項1の研磨製品。
【請求項31】
該支持基材上のメークコート、サイズコート、またはスーパーサイズコート中に該硬化樹脂が存在する、支持基材をさらに含んで成る請求項1の研磨製品。
【請求項32】
該支持基材が、紙、布、フィルム、高分子発泡体、繊維、加硫処理した繊維、織布、不織材料、金属、木材、プラスチック、セラミック、紙/フィルムラミネート、布/紙ラミネート、またはフィルム/布ラミネートである請求項31の研磨製品。
【請求項33】
該硬化樹脂が実質的に該基材の屈曲に従う請求項32の研磨製品。
【請求項34】
該支持基材に研磨被膜を形成するために、該硬化樹脂が、該支持基材に該研磨粒子を結合している請求項31の研磨製品。
【請求項35】
該支持基材と該研磨被膜との間に柔軟なエネルギー分散層を、さらに含んで成る請求項34の研磨製品。
【請求項36】
該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、該硬化樹脂が、さらに可視光を透過させる請求項1の研磨製品。
【請求項37】
該硬化樹脂が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均貯蔵弾性率を有する請求項1の研磨製品。
【請求項38】
該硬化樹脂が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均損失弾性率を有する請求項1の研磨製品。
【請求項39】
該硬化樹脂が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、減少した平均tanδを有する請求項1の研磨製品。
【請求項40】
該研磨製品が、該ポリチオール基を有さないで硬化した同一の樹脂を含む同一の研磨製品と比較して、減少したランダムな擦り傷形成を示す請求項1の研磨製品。
【請求項41】
ポリチオール基によって架橋したホルムアルデヒド樹脂。
【請求項42】
該ポリチオール基が、非ポリマーである請求項41の架橋樹脂。
【請求項43】
該ホルムアルデヒド樹脂が、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および尿素ホルムアルデヒドからなる群から選択される請求項41の架橋樹脂。
【請求項44】
架橋したチオールエンポリマーをさらに含んで成る請求項41の架橋樹脂。
【請求項45】
該ポリチオール基によって架橋したトリメチロールプロパントリアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレートをさらに含んで成る請求項44の架橋樹脂。
【請求項46】
該ポリチオール基が、2〜6チオール基を含む請求項41の架橋樹脂。
【請求項47】
該ポリチオール基が、トリチオールまたはテトラチオールである請求項46の架橋樹脂。
【請求項48】
該ポリチオール基が、トリ(3−メルカプトプロピオン酸)トリメチロールプロパン、トリ(3−メルカプト酢酸)トリメチロールプロパン、テトラ(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトール、テトラ(3−メルカプト酢酸)ペンタエリスリトール、3−メルカプトプロピオン酸ポリオール、3−メルカプト酢酸ポリオール、3−メルカプトプロピオン酸ポリエステル、3−メルカプト酢酸ポリエステル、およびETTMP1300から選択される請求項47の架橋樹脂。
【請求項49】
該ポリチオール基が、テトラ−(3−メルカプトプロピオン酸)ペンタエリスリトールである請求項47の架橋樹脂。
【請求項50】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の少なくとも約1wt%を形成する請求項41の架橋樹脂。
【請求項51】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の少なくとも約5wt%を形成する請求項50の架橋樹脂。
【請求項52】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の約5%〜約50wt%を形成する請求項51の架橋樹脂。
【請求項53】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の約5%〜約40wt%を形成する請求項52の架橋樹脂。
【請求項54】
着色剤をさらに含んで成る請求項41の架橋樹脂。
【請求項55】
該架橋樹脂が、メラミンを含まない請求項54の架橋樹脂。
【請求項56】
該着色剤の一部分が、該架橋樹脂を通して見える請求項54の架橋樹脂。
【請求項57】
該着色剤は、染料または顔料である請求項54の架橋樹脂。
【請求項58】
該着色剤が、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色、または紫色である請求項54の架橋樹脂。
【請求項59】
該着色剤が、蛍光性である請求項54の架橋樹脂。
【請求項60】
該樹脂が、光、電子ビーム照射、または熱による開始によって架橋する請求項41の架橋樹脂。
【請求項61】
該樹脂が、波長350nm以上で0.1超の吸収を有する光開始剤によって架橋される請求項60の架橋樹脂。
【請求項62】
該樹脂が、ビスアシルホスフィンオキサイドおよびαヒドロキシケトンから選択される光開始剤によって架橋する請求項60の架橋樹脂。
【請求項63】
該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、該架橋樹脂が、さらに可視光を透過する請求項41の架橋樹脂。
【請求項64】
該架橋樹脂が、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均貯蔵弾性率を有する請求項41の架橋樹脂。
【請求項65】
該樹脂が、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、増加した平均損失弾性率を有する請求項41の架橋樹脂。
【請求項66】
該架橋樹脂が、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、約−150℃〜250℃の温度範囲において、減少した平均tanδを有する請求項41の架橋樹脂。
【請求項67】
a)ホルムアルデヒド樹脂;および
b)ポリチオール基
を含んで成る硬化性組成物。
【請求項68】
ポリチオール架橋剤と、ホルムアルデヒド樹脂とを反応させることを含むホルムアルデヒド樹脂の架橋方法。
【請求項69】
a)複数の研磨粒子と、樹脂およびポリチオール基を含む硬化性組成物とを接触させること;および
b)該研磨製品を製造するために、該硬化性組成物を硬化させること
を含んで成る研磨製品の調製方法。
【請求項70】
該研磨製品が、架橋樹脂に埋め込まれた研磨剤材料を含み、該架橋樹脂が、ポリチオール架橋基による架橋を含み、該加工物の表面の一部分を除去するために、研磨製品を研磨動作中の加工物の表面に適用することを含んで成る加工物の表面の研磨方法。
【請求項71】
樹脂が少なくとも3つのチオール部分を有するポリチオール基によって架橋し、該ポリチオール基が該架橋樹脂の少なくとも約1wt%であり、該架橋樹脂は、該ポリチオール基を有さない同一の樹脂と比較して、該架橋樹脂が増加した透明性を有すること;該架橋樹脂が増加した貯蔵弾性率を有すること、該架橋樹脂が増加した損失弾性率を有すること、および該架橋樹脂が減少したtanδを有することからなる群から選択される少なくとも1つの基準を満たす、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、および尿素ホルムアルデヒドから選択される架橋樹脂。
【請求項72】
着色剤をさらに含んで成る請求項71の架橋樹脂。
【請求項73】
該樹脂中に埋め込まれた研磨粒子をさらに含んで成る請求項71の架橋樹脂。
【請求項74】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の少なくとも約5wt%を形成する請求項71の架橋樹脂。
【請求項75】
該ポリチオール基が、該架橋樹脂の約5%〜約50wt%を形成する請求項71の架橋樹脂。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2008−544869(P2008−544869A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519511(P2008−519511)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025133
【国際公開番号】WO2007/005452
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(391010770)サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/025133
【国際公開番号】WO2007/005452
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(391010770)サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】
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