説明

硬化した場整列特殊効果フレークのコーティングの打ち抜き加工およびそれによって形成される画像

【課題】コーティングされる第1基板上の解放層上に磁気整列した顔料コーティングが、別の基板または物体の上に打ち抜かれ、または例えばホットスタンプされる、セキュリティー・デバイスとして特に有用な画像の形態のデバイスを形成する装置および方法が開示される。
【解決手段】多重打抜き整列領域は、他の基板または物体上に、パッチワークまたはモザイクの形態で異なって配向することができる。例えば、南北の向きで配向されたフレークを有する、打ち抜かれた整列フレークの一領域を、物体または基板の一領域上に貼ることができ、同じ基板から除去された、打ち抜かれた同じフレークの別の領域を、東西の向きで配向された同じ物体上に貼ることができる。これらのフレークは、解放可能な基板上に最初に整列し硬化するフレークによって、様々な形状および寸法のパッチの状態で打ち抜かれて、別の基板または物体に接着固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光学的可変顔料、フィルム、デバイス、および画像に関し、より詳細には、例えばセキュリティー用途に有用な所望の光学的効果を得るために、塗装または印刷プロセス中などに、場(field)整列可能な顔料フレークを整列または配向させ、続いて場整列した顔料フレークの一領域を、物体または基板に転写させることに関する。
【0002】
本発明は、また、磁場または電場で整列または配向することができる場整列可能な顔料、例えば、配向可能な回折顔料フレークなどの、回折光学的可変画像デバイス(「DOVID」)を形成する光回折構造を有するフレーク、ならびにステレオグラム、キネグラム、グラフィック要素配向デバイス、ドット配向デバイス、およびピクセル配向デバイスに関し、配向した光学的可変顔料フレークに関する。
【背景技術】
【0003】
光学的可変顔料(「OVP」(商標))は、多種多様な用途に使用されている。これらは、塗料またはインクとして、あるいはプラスチックと混合して使用することができる。このような塗料またはインクは、装飾目的で、または通貨の偽造防止措置として使用される。OVPの1つのタイプは、光学的干渉構造を形成するいくつかの薄膜層を、基板上に使用する。一般に、誘電体スペーサ層がしばしば反射体上に形成され、次いで、光学的吸収材料の層がスペーサ層上に形成される。さらなる効果のために、さらなるスペーサ−吸収体層の組を追加するなど、追加層を加えてもよい。あるいは、(高−低−高)もしくは(低−高−低)誘電体材料、または両方の組み合わせからなる光学スタックを調製してもよい。
【0004】
米国特許第6,902,807号ならびに米国特許出願第2007/0058227号、同第2006/0263539号、同第2006/0097515号、同第2006/0081151号、同第2005/0106367号、および同第2004/0009309号には、セキュリティー用途に利用することができる画像を提供するための、顔料フレークの生成および整列に関係する様々な実施形態が開示されている。
【0005】
前記特許および特許出願のすべては、あらゆる点で、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0006】
キャリアビヒクルに懸濁したいくつかの顔料フレークは、電場に整列することができるが、一般に、磁場に整列する磁気配向可能なフレークが、より実用的である。以下使用される磁気フレークという用語は、磁場に整列することができるフレークを意味する。これらのフレークは、それ自体磁性であってもなくてもよい。
【0007】
光学的可変デバイスは、様々な用途に、装飾および実用の両方に使用され、例えば市販製品に付けるセキュリティー・デバイスとして使用される。光学的可変デバイスは、様々な効果を実現するために、数多くのやり方で製造することができる。光学的可変デバイスの具体例には、クレジット・カードおよび認証ソフトウェア文書にインプリントされたホログラム、紙幣に印刷されたカラーシフト画像、ならびにオートバイ用ヘルメットおよびホイール・カバーなどの物品の表面の外観を向上するものが含まれる。
【0008】
光学的可変デバイスは、物体に取り付けられるフィルムまたは箔として製造することができ、光学的可変顔料を使用して製造することもできる。光学的可変顔料の1つのタイプは、一般にカラーシフト顔料と呼ばれる。というのは、このような顔料で適切に印刷された画像の見かけ上の色が、視角および/または照明の角度が傾くにつれて変化するからである。一般例としては、米国の20ドル札の右下隅にカラーシフト顔料で印刷されている「20」があり、これが偽造防止デバイスとして働いている。
【0009】
偽造防止デバイスは隠されているものもあるが、一方で認められるようにされているものもある。残念ながら、認められるようにされているいくつかの光学的可変デバイスは広く知られてはいない。というのは、デバイスの光学的可変の様相が十分に劇的ではないからである。例えば、カラーシフト顔料で印刷された画像の色の変化は、均質な蛍光天井灯の下では認められないことがあるが、直射日光または一点照明の下ではより認められやすい。このことは、偽造者に、光学的可変特性のない偽造紙幣を容易に製造させてしまう可能性がある。というのは、受取人が光学的可変特性に気づかないことがあり、またはある状況下では、偽造紙幣が真札にかなり類似して見えることがあるためである。
【0010】
偽造が困難で、認証が容易であるデバイスの設計が依然として必要とされていることから、より興味深い有用なデバイスが利用可能となる。
【0011】
例えば、Raksha等の米国特許出願公開第20060194040号には、磁気整列可能なフレークの第1コーティングを施し、整列可能なフレークの第1コーティングを磁気整列させ、整列したフレークを硬化させ、さらに、磁気整列可能なフレークの第2コーティングを、フレークの第1の硬化整列コーティング上に施し、フレークの第2コーティングを磁場で整列させ、続いて第2コーティングを硬化させるステップを反復する方法、ならびにそれによって形成される画像が開示されている。この2ステップの、コーティング、整列、および硬化の一連によって、最初に施されたフレークは、次に施されるフレークとは異なる向きで磁気整列することが可能となる。
【0012】
特許出願第20060194040号は有用な結果をもたらすものの、画像内部の場を異なって配向することができ、この2ステップのコーティングの一連を必要としない、類似するが異なる画像を実現することが望ましいであろう。
【0013】
さらに、元の整列画像とは異なる所望のパターンまたは画像を形成するために、場整列するフレークによって形成された画像領域を利用してモザイクを形成し、整列画像の打ち抜いた整列部分を再配向し、物体または基板に施すことができる方法およびそれによって得られる画像を提供することが有用である。
【特許文献1】米国特許第6,902,807号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、場整列したフレークの画像の1つまたは複数の領域が打ち抜かれ、好ましい向きで基板に付着される光学的可変画像を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、
1.場整列可能なフレークを有する顔料で、基板をコーティングするステップ、
2.および前記場整列可能なフレークに場を印加し、印加される場の線に沿ってフレークを整列させるステップ、
3.ステップ(2)の実施後、顔料を硬化させるステップ、および
4.硬化しコーティングされた基板の一領域を、所定の形状を有する打抜き器で打ち抜いて、整列したフレークから形成された打ち抜かれた転写可能な画像を得るステップ
を含む、画像形成方法が提供される。
【0016】
本発明の一態様によれば、
1.場整列可能なフレークを有する顔料で、基板を解放可能にコーティングするステップ、
2.および前記場整列可能なフレークに場を印加し、印加される場の線に沿ってフレークを整列させるステップ、
3.ステップ(2)の実施後、顔料を硬化させるステップ、
4.硬化したコーティングの一領域を、所定の形状を有する打抜き器で打ち抜いて、整列したフレークから形成された打ち抜かれた画像を得るステップ、および
5.打ち抜かれた画像を基板または物品に施すステップ
を含む、画像形成方法が提供される。
【0017】
本発明の一態様によれば、磁場または電場で整列した後に基板に施されるフレークの第1領域、および、磁場または電場で整列した後に同じ基板に施されるフレークの第2領域を含み、基板上のフレークの第1領域が、同じ基板上のフレークの第2領域とは異なって配向される画像が提供される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、第1パッチが施された基板を備え、第1パッチがビヒクルで硬化した整列顔料フレークを含み、前記整列したフレークが識別できるパターンを形成するものであり、および前記基板に施されたビヒクルで硬化した整列した顔料フレークの第2領域を有し、基板に施された第1パッチ内のフレークが、同じ基板上の第2領域のフレークとは異なって配向され、第1パッチおよび第2の異なる領域のフレークが、同時に可視可能である画像が提供される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、磁場または電場で整列したフレークの第1領域を含む画像が提供され、フレークの第1領域は、第1基板上に整列し硬化し、整列したフレークのパッチの形態で第1基板から除去され、第2の物体または基板に転写される。
【0020】
本発明の別の態様によれば、
1.基板によって支持された解放コーティングを、場整列可能なフレークでコーティングするステップ、
2.場整列可能なフレークを磁場または電場に曝露させて、場整列したフレークを形成するステップ、
3.場整列したフレークを硬化させるステップ、
4.場整列したフレークを、それらの整列を保護しながら基板から除去するステップ、および、
5.場整列したフレークを、物体または別の基板に、所定の向きで転写するステップ
を含む、画像形成方法が提供される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、第2の打ち抜かれた画像が、第1の打ち抜かれた画像の少なくとも一部分上に施される。
【0022】
ここで、本発明の例示的な実施形態を、以下の図と共に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以後、より詳細に記載される具体的な一実施形態では、本発明は、画像を印刷するために、磁場に配置し、続いて硬化させる、磁気整列した回折顔料フレークを利用する。回折顔料フレークは、一般に視角および入射光角度に応じて、可変の知覚色、明度、色相、および/または彩度を提供する塗料、インク、フィルム、ならびにプラスチックに使用される小粒子である。ファブリペロータイプの干渉構造を含めたものなど、いくつかの回折顔料は、観測される色を変化させ、ならびに回折効果を提供する。誘電体層を使用する薄膜干渉構造も、微細構造の回折パターンと組み合わせることができる。本発明のいくつかの実施形態は、回折および薄膜干渉の両方を有するフレークを形成するために、回折反射体層を、スペーサ層および吸収体層と組み合わせて含む。
【0024】
周波数によっては、回折格子を有する顔料は、光をプリズムに類似したスペクトル成分に分離し、その結果、認知される色が視角に伴って変化する。顔料フレークが磁性材料を含む場合、顔料フレークは、磁場を用いて配向し得ることが見出されている。本出願では、「磁性」材料は、フェロ磁性でもフェリ磁性でもよい。ニッケル、コバルト、鉄、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウム、ならびにそれらの合金および酸化物、Fe/Si、Fe/Ni、Fe/Co、Fe/Ni/Mo、SmCo、NdCo、SmCo17、NdFe14B、TbFe、Fe、NiFe、およびCoFeは、磁性材料のいくつかの具体例である。磁性層、または磁性層の磁性材料は、必ずしも永久磁化される必要はないが、そうすることもできる。いくつかの実施形態では、永久磁化できる磁性材料をフレーク中に含めるが、画像を形成するためにそれが施される後まで、磁化されないままである。別の一実施形態では、永久磁性材料を有するフレークが基板に施されて視覚画像を形成し、続いて磁化されて磁気画像を形成し、さらに視覚画像を形成する。いくつかの磁性フレークは、画像形成前、あるいは塗料またはインクのビヒクルとの混合前に残留磁気が多すぎる場合、凝集する傾向がある。
【0025】
例示的なフレーク構造は、参照によって本明細書に組み込まれる、2006年8月2日出願のArgoitiaの米国特許出願公開第20060263539号に記載されており、インクビヒクル中の回折顔料フレークを支持するのに適した様々な基板が記載されている。
【0026】
ここで図1を参照すると、キャリアで一緒に固定され、セキュリティー用途に使用することができるリボン14を形成する、溝付き配向回折フレーク20のコーティングでコーティングされた、薄いPET基板10が示されている。各フレークは、それぞれのフレーク上の溝が互いに平行になるように整列される、図1に示す溝の回折パターンを有する。フレーク20のこの溝の整列は、回折フレークを含有する透明キャリアを有するインクで基板をコーティングし、続いて、磁力線がほぼ平行であり、かつ基板10の長手方向軸に直角である磁場をコーティングに印加することによって実現した。磁場が印加されると、フレークの溝または線が磁力線に沿うように、フレークそれら自体が整列する。続いてコーティングが硬化し、その結果、フレーク20がこの好ましい整列で固定される。印加される場に応じて、フレーク20は、基板10と同一平面上に置かれて平らであってもよく、またはフレークが基板10に対して部分的もしくは完全に直立してもよい。
【0027】
このやり方でリボンを形成する1つの制限は、フレークのパターンによって基板上に形成される画像が、印加される場の形態に依存することである。好都合には、本発明は、整列した固定フレークの領域を、整列フレークのパッチのモザイク様パターンの状態で組み合わせて、より複雑で興味深い画像およびセキュリティー・デバイスを得ることができる方法および画像を提供する。
【0028】
図1で、基板10をインクでコーティングする前に、基板は解放(release)層でコーティングされるが、この解放層は、インク層を、整列したフレークを有する硬化インクからなる除去可能なシートまたはコーティングされた領域として除去することができる。このコーティングは、ホットスタンプまたは他の類似の転写方法に適している。
【0029】
ホットスタンプ転写箔は、画像を、紙、プラスチック・フィルム、さらには剛性基板などの様々な基板上に付着させるために、ホットスタンプ機と共に提供されてきた。ホットスタンプは、乾燥プロセスである。画像を基板上にホットスタンプするための1つの市販の機械は、Malahide Design and Manufacturing Inc製のMalahide E4−PKである。このタイプの機械は、インターネット上のwww.hotstamping.com.で示され、説明されている。簡単にいえば、ホットスタンプのプロセスでは、ダイを加熱したプレートに取り付け、それをホットスタンプ箔の負荷ロールに押圧して、その箔を物品または基板に付着させる。転写プロセスのロールを、本発明で使用することもできる。この場合、物品基板および接着剤(UVまたは加熱活性化される)は、ホットスタンプ層を物品基板に転写するために、ニップで一緒にされる。
【0030】
画像は、一般に、所望の画像が刻み込まれた金属またはシリコーンゴムのダイを利用することによって形成される。このダイは、ホットスタンプ機に置かれ、熱および圧力の組み合わせを利用して画像をホットスタンプ箔に押圧するために使用される。箔の裏面は、一般に、加熱乾燥活性化した熱硬化性接着剤、例えばアクリレート・ベースの接着剤でコーティングされる。熱の適用の際、加熱された画像の領域の接着剤が粘着質になり、紙またはプラスチック基板に接着する。ホットスタンプは、カリフォルニア、サンタローザのFlex Products Inc.からRoger Phillipsの米国特許第5,002,312号、同第5,059,245号、同第5,135,812号、同第5,171,363号、同第5,186,787号、同第5,279,657号、および同第7,005,178号に記載または言及されている。
【0031】
図2aは、図2bに示す、打ち抜かれた(stamped)コーティングを製造するために使用される、矢印の形状の、本発明による第1打抜き(stamping)ダイ30の平面図である。リボン14が打抜きステーションを通過するとき、打抜きダイ30が、図示の矢印の形状のコーティングを、基板に転写するために打ち抜く。矢印は、図示のように配向することができ、フレークの溝は矢印の方向に整列し、あるいは他の向きを使用できる可能性もある。
【0032】
したがって、打抜きダイ30は、リボン14の打抜き後、リボン14が打抜き装置を通過するにつれて、上下に配向した回折溝を有する、矢印の形状の整列フレークのパッチを製造する。本発明の好ましい一実施形態では、これが、ホットスタンプ・プロセスの第1ステップである。この矢印型のパッチは、熱および圧力の存在下で基板にホットスタンプされる。
【0033】
ここで図3を参照すると、第2の打抜きステーションで、打抜きダイ40の下を移動することによって整列フレークがダイ40で切り抜かれた矢印に対して直角に配向される、同じリボン14が示されている。これによって、ある特定の向きに配向されたフレークを有する単一リボン14は、リボンが送り込まれる打抜き装置の角度を変化させるだけで異なる角度で配向する溝を備えるフレークを有する、打ち抜かれた領域を提供することができる。その他の点では本質的に同じフレークの、2つの領域のこの異なる向きは、直入射以外の光条件下で、2つの領域からの異なる視覚効果を提供するものであり、合成画像が施される物品または製品の認証手段としても有用である。
【0034】
図4bに示されるように、打抜きダイ40は、リボン14を打ち抜いた後、溝が左から右に配向された矢印を取り囲む円形領域の形状の、整列フレークのパッチを製造する。ダイ40によって打ち抜かれるリボン14は、回折フレークの溝がリボン14と同じように配向した、14と同じリボンまたは異なるリボンでよい。したがって、両方の打抜きステーションでは、同じリボンを使用することができ、または同じやり方で配向されたフレークを有する異なるリボンを使用することもできる。
【0035】
これまでに記載された実施形態では、溝または線を有する回折フレークを、基板に対してある特定の方向で整列させるやり方で使用してきた。次いで、硬化したコーティングの領域を打ち抜き、ホットスタンプまたは他のプロセスを介して、異なる基板に施した。当然のことながら、打ち抜かれた回折基板と、打ち抜かれた領域が接合される物体または基板との間の接着の、他の適切な形態を利用することもできる。回折顔料の光分散の方向は、格子周波数の関数である。低周波数では、観測者は、色相の変化の代わりに明暗のコントラストのみを観測することになろう。周波数は、所望の動的効果に応じて変化させることができる。
【0036】
一代替実施形態では、非回折平面フレークを使用することができ、フレークは、基板の解放層上に場整列し、硬化する。次いで、これらの整列した非回折フレークは、すでに記載されたのと同じやり方で、整列フレークの硬化領域として基板から除去することができ、異なる基板または物体に再び施される。このことは、直立フレークを生ずる磁場を印加することによって、平面でない整列が利用される場合には、特に興味深い。平面ではない回折フレークを提供し、続いて異なる基板に再び施すために、これらのフレークの硬化領域を打ち抜くことも可能である。
【0037】
次に図5では、平面ではない直立フレークを有する画像50が示され、あるフレーク53は、基板に対して平行な平面内にあり、他のフレーク55は、それにほぼ直角に基板上に直立している。
【0038】
図6は、解放可能な硬質コートを含むリボン60が、円形磁石66を中に有する回転シリンダ64上で運搬されるときに、磁性顔料63で塗装される構成を示している。磁性顔料63のフレークが、シリンダ内の磁石から生成される場によって整列し、顔料で形成された生成した3D画像68が硬化する。次いで硬化した3D画像68は、打ち抜かれ、リボン基板から解放された後、他の物体または基板に施される。
【0039】
要約すれば、本発明は、転写の際、磁気的に整列したフレークを、ある基板からある基板上に、または物品上に施すために、整列したフレークの向きを変えることができる、新規かつ発明性のあるやり方を提供する。当然のことながら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多数の他の実施形態を想定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】回折フレーク内の溝が互いに平行であり、リボンの長手方向軸に対して直角になるように磁気整列した可変形状の回折顔料フレークを、上に有する第1のリボン様基板の平面図である。
【図2】図2aは、矢印の形状の打抜きダイの平面図である。図2bは、図2aに示すダイを用いて、図1に示す第1のリボン様基板から打ち抜かれた矢印の形状の、整列フレークの打ち抜かれた箔のパッチの平面図である。
【図3】図2bの打ち抜いた領域に対して90度で配向された、フレークを備える打ち抜いた領域を好都合に有する第2打抜きダイに対して、図1に示す基板の向きに90度で配向された第1のリボン様基板の平面図である。
【図4】図4aは、中心に矢印の形状の開口を有する円形打抜きダイの平面図である。図4bは、図4aに示す円形打抜きダイを用いて第1のリボン様基板から打ち抜かれた円形打抜き領域である。図4cは、打抜き円形領域上に置かれた、打ち抜かれた矢印の箔を有する最終画像の平面図であり、矢印の箔を形成する回折顔料フレーク中の回折格子の向きは、円形の打ち抜かれた箔領域内の回折構造に対して直角である。
【図5】フレークのいくつかが、基板とは平面ではない3D画像を得るように整列した、磁気整列したフレークの一領域の写真である。
【図6】解放可能な硬質コートを有する移動するリボンが、磁性フレークを有するインクまたは塗料でコーティングされ、そのリボンが、所望の向きで磁性フレークを整列させる磁石を中に有するシリンダ上を通過する、塗装ステーションまたは印刷ステーションの図である。
【符号の説明】
【0041】
10 PET基板
14 リボン
20 溝付き配向回折フレーク
30 打抜きダイ
40 打抜きダイ
50 画像
53 フレーク
55 フレーク
60 リボン
63 磁性顔料
64 回転シリンダ
66 円形磁石
68 3D画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)場整列可能なフレークを有する顔料コーティングで第1基板をコーティングするステップ、
b)前記顔料コーティングに磁場または電場を印加し、前記磁場または電場の場の線に沿って前記フレークを整列させるステップ、
c)ステップ(b)の実施後、前記顔料コーティングを硬化させるステップ、および
d)硬化しコーティングされた前記第1基板の一領域を、第1の形状を有する打抜き器で打ち抜いて、整列したフレークから形成された第1の打ち抜かれた転写可能な画像を得るステップ
を含む、画像形成方法。
【請求項2】
前記第1の打ち抜かれた転写可能な画像が、前記第1基板から除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の打ち抜かれた転写可能な画像が、物体または第2基板に転写される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の打ち抜かれた転写可能な画像が、打ち抜かれると同時に、物体または第2基板に転写される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
硬化しコーティングされた前記第1基板の異なる一領域を、第2の形状を有する打抜き器で打ち抜いて、前記打抜き器の形状の第2の打ち抜かれた転写可能な画像を、前記物体または第2基板に転写することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の打ち抜かれた画像と前記第2の打ち抜かれた画像とを相対的に配向し、それによって、前記第1の打ち抜かれた画像の整列フレークを、前記第2の打ち抜かれた画像のフレークの整列に対して平行にならないようにすることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の打ち抜かれた転写可能な画像が、ホットスタンプによって前記物体または第2基板に転写される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の打ち抜かれた画像が、前記物体または第2基板に接着転写される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記場整列可能なフレークが、回折パターンを有する回折フレークであり、ステップ(b)によって、前記場の線に対して平行な回折パターンで整列した回折フレークが得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板が、解放コーティングをその上に有し、前記打ち抜かれた画像を解放コーティングから解放できるようにする、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記整列したフレークが、回折パターンを有する回折整列フレークであり、打ち抜かれた複数の画像を得るために、ステップ(b)を複数回実施し、打ち抜かれた複数の画像を異なる基板に施し、前記施された打ち抜かれた画像の少なくとも一部を、異なる基板上に隣同士に置き、それによってそれらの回折パターンが平行にならないようにする、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)が複数回実施され、続いて前記打ち抜かれた画像が、1種または複数の異なる基板あるいは同じ基板に転写され、1つの打ち抜かれた画像が、少なくとも一部分、別の打ち抜かれた画像上に施される、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記場整列可能なフレークが、カラーシフトフレーク、回折フレーク、またはカラーシフト回折フレークである、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(b)によって、前記基板に対してある角度で整列するフレークが得られ、それによってフレークの少なくともいくつかが、その表面を前記基板に対して直角に、実質上直立している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(d)が複数回実施され、前記打ち抜かれた画像が基板または物体に転写される、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記打ち抜かれた画像が、異なる形状または寸法を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
a)バインダ内で硬化した磁気整列フレークのコーティングを上に有する基板を提供するステップ、ここで前記コーティングは前記基板から解放可能であり、
b)前記基板の一領域をダイで打ち抜き、前記打ち抜かれた領域内の前記コーティングを別の物体または基板に転写するステップ
を含む、画像形成方法。
【請求項18】
接着固定される第1パッチを有する基板を備え、前記第1パッチが前記基板に施される前にビヒクルで硬化した整列顔料フレークから形成され、前記整列フレークが識別できるパターンを形成するものであり、および、前記基板に接着固定される整列フレークの第2パッチを有し、前記基板に施された前記第1パッチ内のフレークが、前記同じ基板上の前記第2領域のフレークとは異なって配向され、前記第1パッチおよび前記第2パッチの少なくとも一部分のフレークが同時に可視可能であり、互いに識別可能である画像。
【請求項19】
前記第1パッチ内の整列顔料フレークが、回折パターンを中または上に有する回折フレークを含む、請求項18に記載の画像。
【請求項20】
前記第2パッチに施されたフレークが、異なるパターンをその中またはその上に有する回折フレークである、請求項19に記載の画像。
【請求項21】
前記第1パッチおよび前記第2パッチが、同じ組成のフレークを有するフレークを含む、請求項18に記載の画像。
【請求項22】
前記第1パッチ内のフレークおよび前記第2領域内のフレークが、基板上で異なって配向される、請求項18に記載の画像。
【請求項23】
前記フレークが回折性またはカラーシフト性の磁気整列可能なフレークである、請求項18に記載の画像。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−18427(P2008−18427A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182240(P2007−182240)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】