硬化性製品の収容および分配用容器
製品を収容する内側の貯蔵室を形成する容器本体、および容器本体に設けられた分配用の孔を備える、CAなどの、分配可能な湿気に影響を受けやすい硬化性製品を分配するのに適した容器(1)である。対向する側壁(63、64)は、前後の壁(61、62)の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、その湾曲した輪郭は、前後の壁(61、62)のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動するのに必要な圧縮力と、前記少なくとも一方の壁の移動の圧縮分配範囲内で、容器を圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に達しないように圧縮される距離との間の圧縮性の比率を規制するように配置される。必要な分配の力は予測可能かつ一定であり、その一方で所望の可撓性が達成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性製品を収容および分配するのに適した容器に関し、特に湿気などの環境条件の影響を受けやすい硬化性製品を収容および分配するのに適した容器に関する。本発明は容器および容器内に保持された硬化性製品を有するパックにも関する。
【背景技術】
【0002】
湿気の影響を受けやすい硬化性製品など大気条件の影響を受けやすい製品に関しては、製品が貯蔵(容器は通常少なくとも部分的に製品で満たされている)およびその後の分配のために収容される容器は、注意深く選択される必要がある。
【0003】
一般に、容器からの中身の分配は、手で圧搾することによって、また制御されかつ予測可能な方法で実行できることが望ましい。
【0004】
容器が形成される材料は、容器の重要な特徴のうちの1つである。特に、容器内の硬化性製品の影響を受けやすい性質により、材料は通常、たとえば湿気が容器を通過して、内側に収容される製品に入るのを防止する十分なバリアを形成する必要がある。製品内に入っていく湿気に対する十分なバリアがないと、製品は尚早に硬化する可能性があり、したがって貯蔵期間および消費者などのエンドユーザーによる最終的な使用可能性に支障をきたす。さらに、選択される材料およびそれから構成された容器は、制御された分配に使用するのに適している必要がある。
【0005】
特開2001−88815号の英文アブストラクトは、内側に収容された製品の保護の問題に対処するように構成され、容器内に保持される製品に優れた貯蔵安定性を与えるように構成された容器を記載している。容器は、2−シアノアクリレート組成のためにポリエチレンから作られ、多層押出ブロー成形の容器を形成することによって、貯蔵安定性およびスクイーズ性および改善された耐光性を有する。容器の壁は、低密度ポリエチレン層(LD)および高密度ポリエチレン層(HD)の両方の層を有し、さらに中密度ポリエチレン層(MD)を含む。容器内の製品安定性を改善することに向けられた別の容器が、特開平11−49198号の英文アブストラクトに記載されている。容器本体は射出成形されたポリエチレンによって形成され、キャップ部材は成形ポリプロピレンによって形成されている。
【0006】
容器は、要求されるバリアの効果を有することに加えて、圧搾すること(たとえば手によって人力で圧搾するなど)によって容器から製品を分配できるようにするために可撓性であることが望ましい。分配は、制御されかつ予測可能な方法で行えるることが望ましい。さらに、容器の材料が中に収容される硬化性製品に適合していることが望ましい。
【0007】
CAボトルなどのシアノアクリレート(「CA」)容器に関しては、特に防湿バリアが製品の貯蔵期間にとって重要である。一般に、優れたバリアを得るために(費用および適合性の理由から)HDPE(高密度ポリエチレン)が使用される。一般に、容器はこの材料から成形される。バリアの要件のため、および(たとえば、材料が角の周りで伸長される場合など)プラスチック材料のある部分が成形プロセス中にその他の部分よりも伸長される可能性があることから、容器を実質的に均一の壁の厚さを有して形成することにより、製品の貯蔵期間が改善できることが理解されている。これは、特に湿気に対してより低いバリアを形成し、製品の貯蔵期間に支障をきたす容器の領域が全くないからである。
【0008】
しかし、尚早な硬化を招くことにより製品寿命に支障をきたす容器の部分をなくす、均一の厚さの要件は、ボトルの可撓性を犠牲にして達成できる。所望の可撓性がないことにより、容器を圧搾するのにより弾力があり、および/またはその結果、要求される量の制御された分配が困難になるため、エンドユーザーがたとえば手で製品を絞り出すことがより困難になることが分かるなど、エンドユーザーが使用することの容易さが低下する可能性がある。
【0009】
CAなど影響を受けやすい製品に通常使用される容器の形状には、円形および卵形/楕円の形状が含まれ、それは、これらの形状が、たとえば長方形など平らな壁になった形状と比較して鋭い角が最も少ない(大部分丸みを帯びている)傾向があるからである。そのような製品のパックのうちの1つに、CAを含む20gボトルの卵形のボトルがあり、それはHenkel(登録商標)−Loctite(登録商標)worldwideから販売され、アイルランド共和国 ダブリン タラのヘンケル アイルランド リミテッドから入手することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、湿気の影響を受けやすい分配可能な硬化性製品を分配するのに適した容器であって、
製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
容器本体内に設けられた分配用の孔と、
容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
容器本体は、ベース部、ベース部上の対向する前後の壁、および対向する(左右の)側壁を備え、(壁が貯蔵室を形成するように)各側壁は前後の壁の中間およびベース部上にあり、容器本体は孔を通して製品を分配できるように圧搾可能であり、
各側壁は前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、その湾曲した輪郭は、前後の壁のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動する(そうして前後の壁が互いに向かって圧搾する)のに必要な圧縮力と、容器を圧縮するのが実質的により容易になり、または実質的により困難になる降伏点に達しないように壁の移動の圧縮分配範囲内で圧縮される距離との間の圧縮性の比率を規制するように(前後の壁と共に)配置される
容器を提供する。
【0011】
したがって、湾曲した輪郭は圧縮力の吸収部または緩衝部として効果的に働くように配置され、それは、その圧縮の下で、加えられた力に比較して容器を圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に(分配圧縮力の範囲内で)達しないように、前後の壁を互いに向かって圧搾するのに必要な圧縮力を増加させるように働く。
【0012】
たとえば、側壁の湾曲した輪郭は、内側に(貯蔵室に向かって)曲がり、再び外側に曲がるように方向を変更する経路を辿ることができる。
【0013】
一般に、側壁は弾性変形可能であり、前後の壁を共に圧搾するように働く圧縮力に対して前後の壁を離すように付勢する付勢手段を形成するように配置されるように考えることもできる。
【0014】
望ましくは、湾曲した輪郭は、実質的に各側壁の全体を通って延びる。一般に、側壁の輪郭は互いの鏡像になる。
【0015】
前後の壁は、平坦または実質的に平坦であることができる。これによって、容器の取り扱いおよび製品の分配を優れたものにすることができる。
【0016】
これに関連して、平坦なまたは実質的に平坦な手段は湾曲が全くなく、または湾曲の量が少ない。たとえば、約40mmまたはそれ以上の半径が、手持ち式であることができるタイプの容器に使用できる。
【0017】
本発明は、分配可能な(湿気に影響を受けやすい)硬化性製品を分配するのに適した容器にも関し、その容器は、
製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
容器本体内に設けられた分配用の孔と、
容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
容器本体は、ベース部と、ベース部上の対向する前後の壁、および対向する(左右の)側壁を備え、(壁が貯蔵室を形成するように)各側壁は前後の壁の中間およびベース部上にあり、容器本体は孔を通して製品を分配できるように圧搾可能であり、
容器は、前後の壁のうちの少なくとも一方を他方に向かって移動する(そうしてそれらを共に圧搾する)ことによって容器を圧縮するのに必要な力の、達成される圧縮の量に対する比率が比較的一定に保たれる圧縮プロファイルを有する。
【0018】
これによって、加えられる力に比較して容器を圧縮するのが実質的に容易になる降伏点に達する従来技術の容器と比較して、容器からの特に優れた分配の制御が可能になる。
【0019】
上述のような湾曲した側壁の輪郭を有することは、所望の圧縮性の特性を有する1つの形状である。
【0020】
さらに、本発明の容器は、たとえば、5から25N、より好ましくは10から20N、たとえば13から18Nの範囲の力によって(少なくとも初期の)圧縮を可能にする可撓性など、適切な可撓性を示すことが望ましい。
【0021】
一般に、本発明の容器は人の手で圧搾できるので、通常の分配の範囲と考えられる圧縮の範囲が比較的少なめであることが普通である。通常の分配に関する一般的な距離は、5mmまで、望ましくは4mmまでなど4.5mmまで、たとえば3.5mmまで、特に3mmまでの圧縮になる。本発明の容器は、これらの範囲内で降伏点を全く示さないことが望ましい。実際に、上述のような従来技術の容器は、約2mmの圧縮の後に降伏点を示し、その後、圧縮された距離に対する力の比率がかなり低下する。
【0022】
本発明の1つの態様によれば、容器は、(前壁または後壁のうちの1つを他方に向かって圧搾することによって)容器を約1mm圧縮させるのに約6から約11Nの力が必要になるように構成されることが望ましい。圧縮するための力の別の適切な相関関係は、約11から約18Nによって達成可能な約2mmの圧縮である。別の望ましい寸法は、約18から約25Nの加えられた力から生じる約3mmの圧縮である。別の望ましいパラメータは、約25から約36Nの力によって約4mmの圧縮が達成されることである。たとえば、約5mmの圧縮を達成するのに、約36から約48Nの力が必要になる可能性がある。望ましくは、本発明の容器は前記範囲の任意の所与の組合せに適合し、少なくともいくつかの場合には容器が前記範囲全体の中に収まることが望ましい。
【0023】
本発明の別の態様は、本発明による容器、および容器内に収容されるCAなどの湿気に影響を受けやすい硬化性製品を備えるパックである。
【0024】
本発明の容器は、たとえばHDPE(高密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、およびPP(ポリプロピレン)、ならびにその組合せなどのポリオレフィン材料からなる群から選択される材料から構成できる。たとえば、ポリオレフィン材料の混合物が使用できる。
【0025】
容器は、ボトルの形であることができる。そのような構成では、容器は貯蔵室から分配用の孔への導管を形成するネックを有することができる。分配用の孔は、ネックの口の形をとることができる。ショルダ部が容器のネックをその壁に連結することができる。
【0026】
望ましくは、容器の全て、および少なくとも製品を収容する貯蔵室の部分は、適切には、0.4から1.5mm、より好ましくは0.6から1.2mm、たとえば0.75から1.1mmの範囲の壁の厚さを有する。これらの厚さは、優れたバリア特性を可能にする。
【0027】
たとえば、防湿バリアの特性は、約2から約8℃で貯蔵された場合、性能を著しく損なうことなくシアノアクリレート製品を約18ヶ月以上保持するのに適しているべきである。
【0028】
本発明を用いることにより、本発明者等は、所与の壁の厚さに対してかなり大きな可撓性(スクイーズ性)を達成した。本発明者等はさらに、(より優れたバリアの質に関して必要とされる可能性があるような)容器(ボトル)の重量/本体の壁の厚さの所与の増加に関連して、可撓性の低下がより少ないことを発見した。たとえば、本発明の容器を上述のHenkel(登録商標)−Loctite(登録商標)の20gボトルと比較した場合、可撓性が改善されたことが分かる。また、発明者等は、本発明がより望ましい圧縮力の特性(減衰効果)をもたらすことを発見した。たとえば、本発明の容器では、圧縮の距離が増加すると、圧縮を続けるのに必要な力も実質的に直線的に上昇する傾向があり、したがって、加えられる力と圧縮される距離との間に、より一定になった比率が達成される。これによって、圧搾による分配の制御および予測性が可能になる。
【0029】
従来技術の卵形のボトルでは、一般にある圧縮力で初期の降伏点に達し、その場合、この距離の後、容器を圧縮するのに必要な力の上昇が比例して低くなる(圧搾するのがより容易になり、したがって制御を失うことになる)。本発明の容器は、圧縮比に対して実質的に直線的な力を有する。
【0030】
さらに、本発明の容器は、費用効果の高い充填、ラベリング、一般的な取り扱い、および顧客への提示を促進する。本発明を用いないと、効果を損なうことなく必要な可撓性を達成することが極めて困難である。
【0031】
たとえば、本発明者等は、容器の重量を0.5gだけ減少させること(それは重量の7%の減少を示す可能性がある)によっても、可撓性が21%だけ増加できることを発見した。
【0032】
多くのタイプの製品を本発明の容器内に配置できるが、本発明の容器は特にCAに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、添付図を参照して、本発明による容器のいくつかの実施形態、特に図5〜12を説明する。
【0034】
これらの図は本発明による容器1を示す。容器1は、分配可能な硬化性製品、特に湿気の影響を受けやすい製品を分配するのに適している。容器は、容器本体51を有する。容器本体51は、論じられている製品を収容するための内側の貯蔵室52を形成する。分配孔53が容器本体に設けられ、分配孔は特に容器の口54によって形成される。口54は、図9〜12に最もよく示され、そこではキャップ/ノズル栓アセンブリ55が取り外されている。
【0035】
容器1は、容器本体を閉鎖する栓55をさらに備える。図では栓55は、キャップ/ノズルアセンブリである。キャップ57およびノズル56は、本明細書に対して2005年2月9日に出願された同時係属の国際出願第PCT/IE2005/000010号に記載されるようなものである。その国際出願に記載され、とりわけその特許請求の範囲に記載されるようなキャップ/ノズルアセンブリは、参照によって本明細書に組み込まれる。キャップ/ノズルアセンブリおよびその機能は関連する同時係属の出願に詳細に示されているので、その機能はここには再び詳細には記載されない。要約すると、キャップ57がノズル56に相対的に回転することよって取り外されると、ノズル56は、製品を分配するのに利用できる。製品の分配が完了すると、キャップはスナップ嵌めまたは相対的な回転によって再び嵌合される。
【0036】
容器本体はベース部60を備え、(対向する)前側壁61および後側壁62を有する。容器本体は、対向する側壁、すなわち左側壁63および右側壁64を備える。各側壁は、前壁および後壁に対して中間にある。全ての壁は、ベース部60上にあり、図面から理解することができるように、容器本体は一体に成形されている(1個に形成される)。図に示される容器50は、以下の実験の詳細に記載されるように成形され、試験された。
【0037】
図面、特に図5、7、8、9、11、および12から分るように、各側壁は前後の壁の中間にある。各側壁63、64は、前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有する。この湾曲した輪郭は、前壁61および後壁62を互いに向かって圧搾するのに必要な圧縮力を増加するように配置されている。容器1は、分配の圧縮力の範囲内で、容器を圧縮するのが実質的により容易になる(またはより困難になる)降伏点に達しないように構成される(壁が互いに向かって移動するさらなる距離は、さらに加えられた圧縮力の等しい量に対して実質的に一定に保たれる)。
【0038】
図示された実施形態では、容器1はボトルの形である。この構成では、容器50は貯蔵室52から分配孔53への導管を形成するネック70を有する。分配孔53は、ネック70の口54の形をとる。ショルダ部71が容器のネック70を前後の壁および側壁61から64に連結する。さらに、ネック70には、キャップ/ノズルアセンブリ55に対するストッパを形成するカラー72が設けられる。ねじ山73がネック70に設けられ、キャップ/ノズルアセンブリ55に逆のねじ山によって係合できるようにする。
【0039】
図5、7、8、9、11、および12から最もよく分るように、側壁63および64は、湾曲した輪郭を有する。図では、前壁61および後壁62は実質的に平坦である。特に、この実施形態では、容器は、側壁は前後の壁よりもかなり短い、全体的に長方形のものである。ベース部60は、高くなったリム75によって縁取られた凹部74を有する。リム75は、壁61から64およびベース部60の接合部に形成される。
【0040】
側壁63および64は湾曲した輪郭を有して形成される。湾曲した輪郭はS字状または波状の形によって形成される。S字状の輪郭は、壁61から64とショルダ部71との間にある接合部82によって例示される。特に側壁63および64はそれぞれ、中間の(凹型の)皿型部分81を備える2つの(凸型の)丸い突出した部分80を有する。図から分るように、突出した部分80および皿型部分81は、実質的に側壁の全体に沿って延びている。特に、突出した部分80および皿型部分81はそれぞれ、それぞれの長手方向軸が、容器1の長手方向の軸と平行に延びて配置されている。突出した部分から皿型の部分に移動する際に、側壁は内側に(容器の貯蔵室または中央に向かって)曲がり、次いで外側に(容器の貯蔵室または中央から離れるように)再び曲がるように方向を変える経路を辿ることが明らかになる。
【0041】
容器が前後の壁のうちの一方または両方を(図5および7で矢印「C」で示されるように)圧縮させると、内容物を絞り出すことができる。一般に、容器は従来の任意の充填プロセスによって所望の範囲に部分的にまたは完全に充填することができる。容器は、ブロー射出成形またはブロー押出成形などによって成形できる。この実施形態では、容器は成形されたHDPEを使用して構成される。HDPEは特にCAと共に用いるのに適している。
【0042】
「備える/備えている」および「有する/含む」は、本発明を参照して本明細書に使用される場合に、述べられた特徴、完全なもの、ステップ、または構成要素の存在を特定するのに使用されるが、1つまたは複数のその他の特徴、完全なもの、ステップ、構成要素、またはその群の存在または追加を排除しない。
【0043】
明確にするために、別個の実施形態の関連で述べられる本発明のいくつかの特徴は、1つの実施形態に組み合わせて提供することもできることが理解される。それとは反対に、簡潔さのために、1つの実施形態の文脈で述べられる本発明の様々な特徴は、別個または任意の適切なサブコンビネーション(sub−combination)で提供することもできる。
【0044】
実験データ
壁の厚さの測定値
以下の表は、シアノアクリレートを収容するのに使用される現行のボトルに関連する壁の厚さのデータを示す。全ての場合に使用される測定の単位はミリメートルであった。特に、表1のデータは、上述の20gのボトルに関連して測った一連の壁の厚さの測定値である。ボトルは、HDPEから構成される(ロックタイト製品401が製品コード番号135428で欧州市場で販売されているボトルの米国の同等物である(ヘンケル ロックタイト アイルランド リミテッドから入手可能な製品))。本明細書では、このボトルを標準USのボトル(「Std.US」と略す)と呼ぶ。
【0045】
測定値は適切な任意の装置を使用してとることができる。適切な装置の1つは、ソフトウェアTexture Expert Version 1.17.を作動させるStable Micro Systems社 モデルXT2iによって提供される「テクスチャーアナライザー」装置である。
【0046】
ボトルなどの容器を試験するための(テクスチャーアナライザーを使用して実施できる)標準的な方法は、容器を試験台などの平坦な支持部に(通常はその側面を)配置し、試験される容器の壁を上方に向け、試験される壁の中央の上方に10mmのプローブが配置されるようにする。プローブ(機器によって制御される)は、(実質的に容器の長手方向軸に垂直に)垂直に下降し、ボトルの表面を次第に押し(ボトルを圧縮し)、必要とされる力が連続的に測定される(ニュートンで測定される)。
【0047】
結果
【0048】
【表1】
【0049】
参照番号1から12は、ボトルの前後の壁から測定値を測った、図1Aに示される位置を示す。図1Bは、容器の側面の測定値を測った位置を示す。
【0050】
以下の表2は、上述の20gのボトルから同じ方式で測った測定値を示す。ボトルはHDPEから構成され、製品コード番号135428で欧州市場で販売されているロックタイト製品401(ヘンケル ロックタイト アイルランド リミテッドから入手可能な製品)が販売されるボトルである。本明細書では、このボトルを標準ヨーロピアンボトル(「Std.Euro」)と呼ぶ。
【0051】
【表2】
【0052】
以下の表3から5は、本発明によるボトルの3つの変形に関して上記に与えられたものに対する同等のデータを示す。ボトルは上記に示したようにHDPEから製造された。本発明のボトルは、「シグマ」ボトルとラベル標示され、それぞれ「プロトタイプ1(Prototype 1)」、「プロトタイプ2(Prototype 2)」、「プロトタイプ3(Prototype 3)」にラベル標示された3つの異なるバリエーションがある。これらの3つの容器の間の違いは、表に示されるように壁の厚さと重量にある。
【0053】
参照番号1から12は、ボトルの前後の壁から測定値を測った、図1Aに示される位置を示す。図1Bは、容器の側面の測定値を測った位置を示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
以下の表6は、現行の容器および本発明による同等の容器を示すことに留意されたい。「同等性」は、壁の厚さの点で考慮される。容器はほぼ同じ(平均の)壁の厚さで構成され、同じ材料のものであり、この実施例では使用される材料はHDPEである。
【0058】
【表6】
【0059】
可撓性の測定値
図3および4は、壁の厚さの測定値を測る容器の可撓性の測定値を示す。図3は、従来技術の容器と本発明の容器の比較を示す。図4は、本発明による容器の比較した可撓性を示す。
【0060】
結論
壁の厚さおよび可撓性の測定値は、本発明者等が、より優れた分配を伴う比較的一貫した壁の厚さを達成できることを示し、それは、最小の壁の厚さが調査した現行のボトルの最小の壁の厚さと比較してより大きく、全体の平均の壁の厚さが同等であることができることを意味する。これは、所望の可撓性の特性を生じながら達成される。その一方で、保たれる製品の安定性に関して必要なバリアの特性も達成される(下記を参照されたい)。
【0061】
特に、バリア特性を以下に述べる。
【0062】
添付の図面に示されるような可撓性の特性に注目すると、本発明の容器は、圧縮される距離に対する必要な力のはるかに高い直線関係を示すことが明らかである。たとえば、図3では、標準USおよび標準ヨーロピアンのボトルのそれぞれは、ボトルを圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に達し、降伏点に達する前の状況と比べて、その圧縮を達成するのに必要な追加量の力の量よりも圧縮される距離がはるかに早く増加することが明らかに理解できる。標準USのボトルに関しては、約26Nで降伏点に達し、それは約2mmの圧縮に相当し、標準ヨーロピアンのボトルに関しては、約43Nで降伏点に達し、それは同じく約2mmの圧縮に相当する。
【0063】
対照的に、本発明のプロトタイプは、加えられる力と圧縮される距離との間の関係に実質的に一定の比例関係を示す。これは、本発明の容器の間に達成される実質的に同じ圧縮性の特性を示す図4から最もよく理解される。
【0064】
安定性測定
プロトタイプ2の2つのボトルの中に、それぞれ20gのロックタイト製品番号401および406(両方の製品が、アイルランド共和国 ダブリン、タラ、タラ ビジネス パークのヘンケル ロックタイト(アイルランド) リミテッドから市販されている)を入れた。
【0065】
加速エージング条件が適用される前に、製品の含水率(ppmで測定された)を、カールフィッシャー試験により測定した。
【0066】
次いで、ボトルに蓋をし、それぞれを40℃および90%RH(相対湿度)の加速エージング条件に3週間さらした。ここでも同様にカールフィッシャー法を利用して製品に存在する水分の量を再計算することによって、CAによって吸収された水分の量を定めることができた。このようにして、容器の外側から来たと予測されるさらなる湿気として、容器のバリアを越えた湿気の量を定めることができる。
【0067】
詳細な手順
使用装置
メトローム社 756 KF 電量計
【0068】
この方法は、ヨウ素、二酸化硫黄のメタノール溶液および塩基をバッファとして利用した。いくつかの反応が、水分を含む試料の滴定で行われ、以下の全体的な滴定によってまとめられる。
H2O+I2+[RNH]SO3CH3+2RN<=>[RNH]SO4CH3+2[RNH]I
【0069】
上記の式によれば、I2がH2Oと量的に反応する。この化学的な関係は、水分を定める基を形成する。
【0070】
方法の説明
既知の量のテストサンプルを計量し、25mlのメスフラスコに入れる。次いで1.0mlのこの溶液を電量計に注入する。約3分遅れて、サンプルの含水率が表示される。
【0071】
結果
結果を以下の表7にまとめる。
【0072】
【表7】
【0073】
結論
表8の結果から分るように、プロトタイプ2のボトルはその中に保たれるCA製品の十分な貯蔵期間を提供するのに十分なバリアを形成する。それは、平均壁厚さの点でほぼ等しい標準USのボトルに対して性能においてより優れ、より大きな平均壁厚さを有する標準ヨーロピアンのボトルに対して性能において匹敵する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1Aおよび図1Bは、表1および表2に示されるボトルの前後の壁および側壁から測定値を測る位置を示す。
【図2】図2Aおよび図2Bは、表3から5に示されるボトルの前後の壁から測定値を測る位置を示す。
【図3】いくつかの従来技術のボトルを含む様々なボトル容器に関する圧縮される距離に対して必要な力のグラフを示す。
【図4】本発明の範囲内の様々なボトル容器に関する圧縮される距離に対して必要な力のグラフを示す。
【図5】本発明の容器に嵌合されたノズル/キャップアセンブリを備える本発明の容器の上面図である。
【図6】図5の容器の正面図を示す。
【図7】図5の容器の側面図を示す。
【図8】図5の容器の下側の平面図を示す。
【図9】嵌合されたノズルまたはキャップを備えない本発明の容器の上側の平面図である。
【図10】図9の容器の正面図を示す。
【図11】図9の容器の側面図を示す。
【図12】図9の容器の下側の平面図を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性製品を収容および分配するのに適した容器に関し、特に湿気などの環境条件の影響を受けやすい硬化性製品を収容および分配するのに適した容器に関する。本発明は容器および容器内に保持された硬化性製品を有するパックにも関する。
【背景技術】
【0002】
湿気の影響を受けやすい硬化性製品など大気条件の影響を受けやすい製品に関しては、製品が貯蔵(容器は通常少なくとも部分的に製品で満たされている)およびその後の分配のために収容される容器は、注意深く選択される必要がある。
【0003】
一般に、容器からの中身の分配は、手で圧搾することによって、また制御されかつ予測可能な方法で実行できることが望ましい。
【0004】
容器が形成される材料は、容器の重要な特徴のうちの1つである。特に、容器内の硬化性製品の影響を受けやすい性質により、材料は通常、たとえば湿気が容器を通過して、内側に収容される製品に入るのを防止する十分なバリアを形成する必要がある。製品内に入っていく湿気に対する十分なバリアがないと、製品は尚早に硬化する可能性があり、したがって貯蔵期間および消費者などのエンドユーザーによる最終的な使用可能性に支障をきたす。さらに、選択される材料およびそれから構成された容器は、制御された分配に使用するのに適している必要がある。
【0005】
特開2001−88815号の英文アブストラクトは、内側に収容された製品の保護の問題に対処するように構成され、容器内に保持される製品に優れた貯蔵安定性を与えるように構成された容器を記載している。容器は、2−シアノアクリレート組成のためにポリエチレンから作られ、多層押出ブロー成形の容器を形成することによって、貯蔵安定性およびスクイーズ性および改善された耐光性を有する。容器の壁は、低密度ポリエチレン層(LD)および高密度ポリエチレン層(HD)の両方の層を有し、さらに中密度ポリエチレン層(MD)を含む。容器内の製品安定性を改善することに向けられた別の容器が、特開平11−49198号の英文アブストラクトに記載されている。容器本体は射出成形されたポリエチレンによって形成され、キャップ部材は成形ポリプロピレンによって形成されている。
【0006】
容器は、要求されるバリアの効果を有することに加えて、圧搾すること(たとえば手によって人力で圧搾するなど)によって容器から製品を分配できるようにするために可撓性であることが望ましい。分配は、制御されかつ予測可能な方法で行えるることが望ましい。さらに、容器の材料が中に収容される硬化性製品に適合していることが望ましい。
【0007】
CAボトルなどのシアノアクリレート(「CA」)容器に関しては、特に防湿バリアが製品の貯蔵期間にとって重要である。一般に、優れたバリアを得るために(費用および適合性の理由から)HDPE(高密度ポリエチレン)が使用される。一般に、容器はこの材料から成形される。バリアの要件のため、および(たとえば、材料が角の周りで伸長される場合など)プラスチック材料のある部分が成形プロセス中にその他の部分よりも伸長される可能性があることから、容器を実質的に均一の壁の厚さを有して形成することにより、製品の貯蔵期間が改善できることが理解されている。これは、特に湿気に対してより低いバリアを形成し、製品の貯蔵期間に支障をきたす容器の領域が全くないからである。
【0008】
しかし、尚早な硬化を招くことにより製品寿命に支障をきたす容器の部分をなくす、均一の厚さの要件は、ボトルの可撓性を犠牲にして達成できる。所望の可撓性がないことにより、容器を圧搾するのにより弾力があり、および/またはその結果、要求される量の制御された分配が困難になるため、エンドユーザーがたとえば手で製品を絞り出すことがより困難になることが分かるなど、エンドユーザーが使用することの容易さが低下する可能性がある。
【0009】
CAなど影響を受けやすい製品に通常使用される容器の形状には、円形および卵形/楕円の形状が含まれ、それは、これらの形状が、たとえば長方形など平らな壁になった形状と比較して鋭い角が最も少ない(大部分丸みを帯びている)傾向があるからである。そのような製品のパックのうちの1つに、CAを含む20gボトルの卵形のボトルがあり、それはHenkel(登録商標)−Loctite(登録商標)worldwideから販売され、アイルランド共和国 ダブリン タラのヘンケル アイルランド リミテッドから入手することができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、湿気の影響を受けやすい分配可能な硬化性製品を分配するのに適した容器であって、
製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
容器本体内に設けられた分配用の孔と、
容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
容器本体は、ベース部、ベース部上の対向する前後の壁、および対向する(左右の)側壁を備え、(壁が貯蔵室を形成するように)各側壁は前後の壁の中間およびベース部上にあり、容器本体は孔を通して製品を分配できるように圧搾可能であり、
各側壁は前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、その湾曲した輪郭は、前後の壁のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動する(そうして前後の壁が互いに向かって圧搾する)のに必要な圧縮力と、容器を圧縮するのが実質的により容易になり、または実質的により困難になる降伏点に達しないように壁の移動の圧縮分配範囲内で圧縮される距離との間の圧縮性の比率を規制するように(前後の壁と共に)配置される
容器を提供する。
【0011】
したがって、湾曲した輪郭は圧縮力の吸収部または緩衝部として効果的に働くように配置され、それは、その圧縮の下で、加えられた力に比較して容器を圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に(分配圧縮力の範囲内で)達しないように、前後の壁を互いに向かって圧搾するのに必要な圧縮力を増加させるように働く。
【0012】
たとえば、側壁の湾曲した輪郭は、内側に(貯蔵室に向かって)曲がり、再び外側に曲がるように方向を変更する経路を辿ることができる。
【0013】
一般に、側壁は弾性変形可能であり、前後の壁を共に圧搾するように働く圧縮力に対して前後の壁を離すように付勢する付勢手段を形成するように配置されるように考えることもできる。
【0014】
望ましくは、湾曲した輪郭は、実質的に各側壁の全体を通って延びる。一般に、側壁の輪郭は互いの鏡像になる。
【0015】
前後の壁は、平坦または実質的に平坦であることができる。これによって、容器の取り扱いおよび製品の分配を優れたものにすることができる。
【0016】
これに関連して、平坦なまたは実質的に平坦な手段は湾曲が全くなく、または湾曲の量が少ない。たとえば、約40mmまたはそれ以上の半径が、手持ち式であることができるタイプの容器に使用できる。
【0017】
本発明は、分配可能な(湿気に影響を受けやすい)硬化性製品を分配するのに適した容器にも関し、その容器は、
製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
容器本体内に設けられた分配用の孔と、
容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
容器本体は、ベース部と、ベース部上の対向する前後の壁、および対向する(左右の)側壁を備え、(壁が貯蔵室を形成するように)各側壁は前後の壁の中間およびベース部上にあり、容器本体は孔を通して製品を分配できるように圧搾可能であり、
容器は、前後の壁のうちの少なくとも一方を他方に向かって移動する(そうしてそれらを共に圧搾する)ことによって容器を圧縮するのに必要な力の、達成される圧縮の量に対する比率が比較的一定に保たれる圧縮プロファイルを有する。
【0018】
これによって、加えられる力に比較して容器を圧縮するのが実質的に容易になる降伏点に達する従来技術の容器と比較して、容器からの特に優れた分配の制御が可能になる。
【0019】
上述のような湾曲した側壁の輪郭を有することは、所望の圧縮性の特性を有する1つの形状である。
【0020】
さらに、本発明の容器は、たとえば、5から25N、より好ましくは10から20N、たとえば13から18Nの範囲の力によって(少なくとも初期の)圧縮を可能にする可撓性など、適切な可撓性を示すことが望ましい。
【0021】
一般に、本発明の容器は人の手で圧搾できるので、通常の分配の範囲と考えられる圧縮の範囲が比較的少なめであることが普通である。通常の分配に関する一般的な距離は、5mmまで、望ましくは4mmまでなど4.5mmまで、たとえば3.5mmまで、特に3mmまでの圧縮になる。本発明の容器は、これらの範囲内で降伏点を全く示さないことが望ましい。実際に、上述のような従来技術の容器は、約2mmの圧縮の後に降伏点を示し、その後、圧縮された距離に対する力の比率がかなり低下する。
【0022】
本発明の1つの態様によれば、容器は、(前壁または後壁のうちの1つを他方に向かって圧搾することによって)容器を約1mm圧縮させるのに約6から約11Nの力が必要になるように構成されることが望ましい。圧縮するための力の別の適切な相関関係は、約11から約18Nによって達成可能な約2mmの圧縮である。別の望ましい寸法は、約18から約25Nの加えられた力から生じる約3mmの圧縮である。別の望ましいパラメータは、約25から約36Nの力によって約4mmの圧縮が達成されることである。たとえば、約5mmの圧縮を達成するのに、約36から約48Nの力が必要になる可能性がある。望ましくは、本発明の容器は前記範囲の任意の所与の組合せに適合し、少なくともいくつかの場合には容器が前記範囲全体の中に収まることが望ましい。
【0023】
本発明の別の態様は、本発明による容器、および容器内に収容されるCAなどの湿気に影響を受けやすい硬化性製品を備えるパックである。
【0024】
本発明の容器は、たとえばHDPE(高密度ポリエチレン)、MDPE(中密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、およびPP(ポリプロピレン)、ならびにその組合せなどのポリオレフィン材料からなる群から選択される材料から構成できる。たとえば、ポリオレフィン材料の混合物が使用できる。
【0025】
容器は、ボトルの形であることができる。そのような構成では、容器は貯蔵室から分配用の孔への導管を形成するネックを有することができる。分配用の孔は、ネックの口の形をとることができる。ショルダ部が容器のネックをその壁に連結することができる。
【0026】
望ましくは、容器の全て、および少なくとも製品を収容する貯蔵室の部分は、適切には、0.4から1.5mm、より好ましくは0.6から1.2mm、たとえば0.75から1.1mmの範囲の壁の厚さを有する。これらの厚さは、優れたバリア特性を可能にする。
【0027】
たとえば、防湿バリアの特性は、約2から約8℃で貯蔵された場合、性能を著しく損なうことなくシアノアクリレート製品を約18ヶ月以上保持するのに適しているべきである。
【0028】
本発明を用いることにより、本発明者等は、所与の壁の厚さに対してかなり大きな可撓性(スクイーズ性)を達成した。本発明者等はさらに、(より優れたバリアの質に関して必要とされる可能性があるような)容器(ボトル)の重量/本体の壁の厚さの所与の増加に関連して、可撓性の低下がより少ないことを発見した。たとえば、本発明の容器を上述のHenkel(登録商標)−Loctite(登録商標)の20gボトルと比較した場合、可撓性が改善されたことが分かる。また、発明者等は、本発明がより望ましい圧縮力の特性(減衰効果)をもたらすことを発見した。たとえば、本発明の容器では、圧縮の距離が増加すると、圧縮を続けるのに必要な力も実質的に直線的に上昇する傾向があり、したがって、加えられる力と圧縮される距離との間に、より一定になった比率が達成される。これによって、圧搾による分配の制御および予測性が可能になる。
【0029】
従来技術の卵形のボトルでは、一般にある圧縮力で初期の降伏点に達し、その場合、この距離の後、容器を圧縮するのに必要な力の上昇が比例して低くなる(圧搾するのがより容易になり、したがって制御を失うことになる)。本発明の容器は、圧縮比に対して実質的に直線的な力を有する。
【0030】
さらに、本発明の容器は、費用効果の高い充填、ラベリング、一般的な取り扱い、および顧客への提示を促進する。本発明を用いないと、効果を損なうことなく必要な可撓性を達成することが極めて困難である。
【0031】
たとえば、本発明者等は、容器の重量を0.5gだけ減少させること(それは重量の7%の減少を示す可能性がある)によっても、可撓性が21%だけ増加できることを発見した。
【0032】
多くのタイプの製品を本発明の容器内に配置できるが、本発明の容器は特にCAに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、添付図を参照して、本発明による容器のいくつかの実施形態、特に図5〜12を説明する。
【0034】
これらの図は本発明による容器1を示す。容器1は、分配可能な硬化性製品、特に湿気の影響を受けやすい製品を分配するのに適している。容器は、容器本体51を有する。容器本体51は、論じられている製品を収容するための内側の貯蔵室52を形成する。分配孔53が容器本体に設けられ、分配孔は特に容器の口54によって形成される。口54は、図9〜12に最もよく示され、そこではキャップ/ノズル栓アセンブリ55が取り外されている。
【0035】
容器1は、容器本体を閉鎖する栓55をさらに備える。図では栓55は、キャップ/ノズルアセンブリである。キャップ57およびノズル56は、本明細書に対して2005年2月9日に出願された同時係属の国際出願第PCT/IE2005/000010号に記載されるようなものである。その国際出願に記載され、とりわけその特許請求の範囲に記載されるようなキャップ/ノズルアセンブリは、参照によって本明細書に組み込まれる。キャップ/ノズルアセンブリおよびその機能は関連する同時係属の出願に詳細に示されているので、その機能はここには再び詳細には記載されない。要約すると、キャップ57がノズル56に相対的に回転することよって取り外されると、ノズル56は、製品を分配するのに利用できる。製品の分配が完了すると、キャップはスナップ嵌めまたは相対的な回転によって再び嵌合される。
【0036】
容器本体はベース部60を備え、(対向する)前側壁61および後側壁62を有する。容器本体は、対向する側壁、すなわち左側壁63および右側壁64を備える。各側壁は、前壁および後壁に対して中間にある。全ての壁は、ベース部60上にあり、図面から理解することができるように、容器本体は一体に成形されている(1個に形成される)。図に示される容器50は、以下の実験の詳細に記載されるように成形され、試験された。
【0037】
図面、特に図5、7、8、9、11、および12から分るように、各側壁は前後の壁の中間にある。各側壁63、64は、前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有する。この湾曲した輪郭は、前壁61および後壁62を互いに向かって圧搾するのに必要な圧縮力を増加するように配置されている。容器1は、分配の圧縮力の範囲内で、容器を圧縮するのが実質的により容易になる(またはより困難になる)降伏点に達しないように構成される(壁が互いに向かって移動するさらなる距離は、さらに加えられた圧縮力の等しい量に対して実質的に一定に保たれる)。
【0038】
図示された実施形態では、容器1はボトルの形である。この構成では、容器50は貯蔵室52から分配孔53への導管を形成するネック70を有する。分配孔53は、ネック70の口54の形をとる。ショルダ部71が容器のネック70を前後の壁および側壁61から64に連結する。さらに、ネック70には、キャップ/ノズルアセンブリ55に対するストッパを形成するカラー72が設けられる。ねじ山73がネック70に設けられ、キャップ/ノズルアセンブリ55に逆のねじ山によって係合できるようにする。
【0039】
図5、7、8、9、11、および12から最もよく分るように、側壁63および64は、湾曲した輪郭を有する。図では、前壁61および後壁62は実質的に平坦である。特に、この実施形態では、容器は、側壁は前後の壁よりもかなり短い、全体的に長方形のものである。ベース部60は、高くなったリム75によって縁取られた凹部74を有する。リム75は、壁61から64およびベース部60の接合部に形成される。
【0040】
側壁63および64は湾曲した輪郭を有して形成される。湾曲した輪郭はS字状または波状の形によって形成される。S字状の輪郭は、壁61から64とショルダ部71との間にある接合部82によって例示される。特に側壁63および64はそれぞれ、中間の(凹型の)皿型部分81を備える2つの(凸型の)丸い突出した部分80を有する。図から分るように、突出した部分80および皿型部分81は、実質的に側壁の全体に沿って延びている。特に、突出した部分80および皿型部分81はそれぞれ、それぞれの長手方向軸が、容器1の長手方向の軸と平行に延びて配置されている。突出した部分から皿型の部分に移動する際に、側壁は内側に(容器の貯蔵室または中央に向かって)曲がり、次いで外側に(容器の貯蔵室または中央から離れるように)再び曲がるように方向を変える経路を辿ることが明らかになる。
【0041】
容器が前後の壁のうちの一方または両方を(図5および7で矢印「C」で示されるように)圧縮させると、内容物を絞り出すことができる。一般に、容器は従来の任意の充填プロセスによって所望の範囲に部分的にまたは完全に充填することができる。容器は、ブロー射出成形またはブロー押出成形などによって成形できる。この実施形態では、容器は成形されたHDPEを使用して構成される。HDPEは特にCAと共に用いるのに適している。
【0042】
「備える/備えている」および「有する/含む」は、本発明を参照して本明細書に使用される場合に、述べられた特徴、完全なもの、ステップ、または構成要素の存在を特定するのに使用されるが、1つまたは複数のその他の特徴、完全なもの、ステップ、構成要素、またはその群の存在または追加を排除しない。
【0043】
明確にするために、別個の実施形態の関連で述べられる本発明のいくつかの特徴は、1つの実施形態に組み合わせて提供することもできることが理解される。それとは反対に、簡潔さのために、1つの実施形態の文脈で述べられる本発明の様々な特徴は、別個または任意の適切なサブコンビネーション(sub−combination)で提供することもできる。
【0044】
実験データ
壁の厚さの測定値
以下の表は、シアノアクリレートを収容するのに使用される現行のボトルに関連する壁の厚さのデータを示す。全ての場合に使用される測定の単位はミリメートルであった。特に、表1のデータは、上述の20gのボトルに関連して測った一連の壁の厚さの測定値である。ボトルは、HDPEから構成される(ロックタイト製品401が製品コード番号135428で欧州市場で販売されているボトルの米国の同等物である(ヘンケル ロックタイト アイルランド リミテッドから入手可能な製品))。本明細書では、このボトルを標準USのボトル(「Std.US」と略す)と呼ぶ。
【0045】
測定値は適切な任意の装置を使用してとることができる。適切な装置の1つは、ソフトウェアTexture Expert Version 1.17.を作動させるStable Micro Systems社 モデルXT2iによって提供される「テクスチャーアナライザー」装置である。
【0046】
ボトルなどの容器を試験するための(テクスチャーアナライザーを使用して実施できる)標準的な方法は、容器を試験台などの平坦な支持部に(通常はその側面を)配置し、試験される容器の壁を上方に向け、試験される壁の中央の上方に10mmのプローブが配置されるようにする。プローブ(機器によって制御される)は、(実質的に容器の長手方向軸に垂直に)垂直に下降し、ボトルの表面を次第に押し(ボトルを圧縮し)、必要とされる力が連続的に測定される(ニュートンで測定される)。
【0047】
結果
【0048】
【表1】
【0049】
参照番号1から12は、ボトルの前後の壁から測定値を測った、図1Aに示される位置を示す。図1Bは、容器の側面の測定値を測った位置を示す。
【0050】
以下の表2は、上述の20gのボトルから同じ方式で測った測定値を示す。ボトルはHDPEから構成され、製品コード番号135428で欧州市場で販売されているロックタイト製品401(ヘンケル ロックタイト アイルランド リミテッドから入手可能な製品)が販売されるボトルである。本明細書では、このボトルを標準ヨーロピアンボトル(「Std.Euro」)と呼ぶ。
【0051】
【表2】
【0052】
以下の表3から5は、本発明によるボトルの3つの変形に関して上記に与えられたものに対する同等のデータを示す。ボトルは上記に示したようにHDPEから製造された。本発明のボトルは、「シグマ」ボトルとラベル標示され、それぞれ「プロトタイプ1(Prototype 1)」、「プロトタイプ2(Prototype 2)」、「プロトタイプ3(Prototype 3)」にラベル標示された3つの異なるバリエーションがある。これらの3つの容器の間の違いは、表に示されるように壁の厚さと重量にある。
【0053】
参照番号1から12は、ボトルの前後の壁から測定値を測った、図1Aに示される位置を示す。図1Bは、容器の側面の測定値を測った位置を示す。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
以下の表6は、現行の容器および本発明による同等の容器を示すことに留意されたい。「同等性」は、壁の厚さの点で考慮される。容器はほぼ同じ(平均の)壁の厚さで構成され、同じ材料のものであり、この実施例では使用される材料はHDPEである。
【0058】
【表6】
【0059】
可撓性の測定値
図3および4は、壁の厚さの測定値を測る容器の可撓性の測定値を示す。図3は、従来技術の容器と本発明の容器の比較を示す。図4は、本発明による容器の比較した可撓性を示す。
【0060】
結論
壁の厚さおよび可撓性の測定値は、本発明者等が、より優れた分配を伴う比較的一貫した壁の厚さを達成できることを示し、それは、最小の壁の厚さが調査した現行のボトルの最小の壁の厚さと比較してより大きく、全体の平均の壁の厚さが同等であることができることを意味する。これは、所望の可撓性の特性を生じながら達成される。その一方で、保たれる製品の安定性に関して必要なバリアの特性も達成される(下記を参照されたい)。
【0061】
特に、バリア特性を以下に述べる。
【0062】
添付の図面に示されるような可撓性の特性に注目すると、本発明の容器は、圧縮される距離に対する必要な力のはるかに高い直線関係を示すことが明らかである。たとえば、図3では、標準USおよび標準ヨーロピアンのボトルのそれぞれは、ボトルを圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に達し、降伏点に達する前の状況と比べて、その圧縮を達成するのに必要な追加量の力の量よりも圧縮される距離がはるかに早く増加することが明らかに理解できる。標準USのボトルに関しては、約26Nで降伏点に達し、それは約2mmの圧縮に相当し、標準ヨーロピアンのボトルに関しては、約43Nで降伏点に達し、それは同じく約2mmの圧縮に相当する。
【0063】
対照的に、本発明のプロトタイプは、加えられる力と圧縮される距離との間の関係に実質的に一定の比例関係を示す。これは、本発明の容器の間に達成される実質的に同じ圧縮性の特性を示す図4から最もよく理解される。
【0064】
安定性測定
プロトタイプ2の2つのボトルの中に、それぞれ20gのロックタイト製品番号401および406(両方の製品が、アイルランド共和国 ダブリン、タラ、タラ ビジネス パークのヘンケル ロックタイト(アイルランド) リミテッドから市販されている)を入れた。
【0065】
加速エージング条件が適用される前に、製品の含水率(ppmで測定された)を、カールフィッシャー試験により測定した。
【0066】
次いで、ボトルに蓋をし、それぞれを40℃および90%RH(相対湿度)の加速エージング条件に3週間さらした。ここでも同様にカールフィッシャー法を利用して製品に存在する水分の量を再計算することによって、CAによって吸収された水分の量を定めることができた。このようにして、容器の外側から来たと予測されるさらなる湿気として、容器のバリアを越えた湿気の量を定めることができる。
【0067】
詳細な手順
使用装置
メトローム社 756 KF 電量計
【0068】
この方法は、ヨウ素、二酸化硫黄のメタノール溶液および塩基をバッファとして利用した。いくつかの反応が、水分を含む試料の滴定で行われ、以下の全体的な滴定によってまとめられる。
H2O+I2+[RNH]SO3CH3+2RN<=>[RNH]SO4CH3+2[RNH]I
【0069】
上記の式によれば、I2がH2Oと量的に反応する。この化学的な関係は、水分を定める基を形成する。
【0070】
方法の説明
既知の量のテストサンプルを計量し、25mlのメスフラスコに入れる。次いで1.0mlのこの溶液を電量計に注入する。約3分遅れて、サンプルの含水率が表示される。
【0071】
結果
結果を以下の表7にまとめる。
【0072】
【表7】
【0073】
結論
表8の結果から分るように、プロトタイプ2のボトルはその中に保たれるCA製品の十分な貯蔵期間を提供するのに十分なバリアを形成する。それは、平均壁厚さの点でほぼ等しい標準USのボトルに対して性能においてより優れ、より大きな平均壁厚さを有する標準ヨーロピアンのボトルに対して性能において匹敵する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1Aおよび図1Bは、表1および表2に示されるボトルの前後の壁および側壁から測定値を測る位置を示す。
【図2】図2Aおよび図2Bは、表3から5に示されるボトルの前後の壁から測定値を測る位置を示す。
【図3】いくつかの従来技術のボトルを含む様々なボトル容器に関する圧縮される距離に対して必要な力のグラフを示す。
【図4】本発明の範囲内の様々なボトル容器に関する圧縮される距離に対して必要な力のグラフを示す。
【図5】本発明の容器に嵌合されたノズル/キャップアセンブリを備える本発明の容器の上面図である。
【図6】図5の容器の正面図を示す。
【図7】図5の容器の側面図を示す。
【図8】図5の容器の下側の平面図を示す。
【図9】嵌合されたノズルまたはキャップを備えない本発明の容器の上側の平面図である。
【図10】図9の容器の正面図を示す。
【図11】図9の容器の側面図を示す。
【図12】図9の容器の下側の平面図を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配可能な硬化性製品を分配するのに適した容器であって、
前記製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
前記容器本体内に設けられた分配用の孔と、
前記容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
前記容器本体は、ベース部、前記ベース部上の対向する前後の壁、および対向する側壁を備え、各側壁は前記前後の壁の中間および前記ベース部上にあり、前記容器本体は前記孔を通して前記製品を分配できるように圧搾可能であり、
各側壁は、前記前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、
その湾曲した輪郭が、前記前後の壁のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動するのに必要な圧縮力と、前記容器を圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に達しないように前記少なくとも一方の壁の移動の圧縮分配範囲内で圧縮される距離と、の間の圧縮性の比率を規制するように配置される容器。
【請求項2】
前記容器は、前記前後の壁のうちの少なくとも一方を他方に向かって移動することによって前記容器を圧縮するのに必要な力の、達成される圧縮量に対する比率が比較的一定に保たれる圧縮プロファイルを有する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
分配可能な硬化性製品を分配するのに適した容器であって、
前記製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
前記容器本体内に設けられた分配用の孔と、
前記容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
前記容器本体は、ベース部、前記ベース部上の対向する前後の壁、および対向する側壁を備え、各側壁は前記前後の壁の中間および前記ベース部上にあり、前記容器本体は前記孔を通して前記製品を分配できるように圧搾可能であり、
前記容器は、前記前後の壁のうちの少なくとも一方を他方に向かって移動することによって前記容器を圧縮するのに必要な力の、達成される圧縮量に対する比率が比較的一定に保たれる圧縮プロファイルを有する容器。
【請求項4】
各側壁は前記前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、その湾曲した輪郭は、前記前後の壁のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動するのに必要な圧縮力と、容器を圧縮するのが実質的により容易になり、または実質的により困難になる降伏点に達しないように前記少なくとも一方の壁の移動の圧縮分配範囲内で圧縮される距離との間の圧縮性の比率を規制するように配置される、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記側壁の湾曲した輪郭は、内側に曲がり、再び外側に曲がるように方向を変更する経路を辿る、請求項1、2、または4に記載の容器。
【請求項6】
前記湾曲した輪郭は実質的に各側壁の全体に沿って延びる、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記前後の壁が平坦または実質的に平坦である、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
前記壁の移動の圧縮分配範囲は5mmまでの圧縮である、請求項1、2、および4から6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記容器は、たとえばHDPE、MDPE、LLDPEを含むLDPE、およびPP、ならびにその組合せなどのポリオレフィン材料からなる群から選択される材料から構成される、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
前記容器がボトルの形である、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
少なくとも、前記製品を収容する前記貯蔵室の部分が、0.4から1.5mmの範囲の壁の厚さを有する、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
少なくとも、前記前後の壁が5から25Nの範囲の力によって初期の圧縮ができるようにする可撓性を有する、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項13】
前記容器は、約6から約11Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約1mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
前記容器は、約11から約18Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約2mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項15】
前記容器は、約18から約25Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約3mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項16】
前記容器は、約25から約36Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約4mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
前記容器は、約36から約48Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約5mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項18】
前記硬化性製品がシアノアクリレート製品である、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項19】
HDPEから構成された前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項20】
(i)前記請求項のいずれかに記載の容器と、
(ii)前記容器内に収容された硬化性製品とを備えるパック。
【請求項21】
前記容器がHDPEから構成され、前記容器内に収容された前記硬化性製品がシアノアクリレートである、請求項20に記載のパック。
【請求項22】
実質的に、添付の図面を参照して明細書に記載され、そこに例示されるような容器。
【請求項23】
実質的に、添付の図面を参照して明細書に記載され、そこに例示されるようなパック。
【請求項1】
分配可能な硬化性製品を分配するのに適した容器であって、
前記製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
前記容器本体内に設けられた分配用の孔と、
前記容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
前記容器本体は、ベース部、前記ベース部上の対向する前後の壁、および対向する側壁を備え、各側壁は前記前後の壁の中間および前記ベース部上にあり、前記容器本体は前記孔を通して前記製品を分配できるように圧搾可能であり、
各側壁は、前記前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、
その湾曲した輪郭が、前記前後の壁のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動するのに必要な圧縮力と、前記容器を圧縮するのが実質的により容易になる降伏点に達しないように前記少なくとも一方の壁の移動の圧縮分配範囲内で圧縮される距離と、の間の圧縮性の比率を規制するように配置される容器。
【請求項2】
前記容器は、前記前後の壁のうちの少なくとも一方を他方に向かって移動することによって前記容器を圧縮するのに必要な力の、達成される圧縮量に対する比率が比較的一定に保たれる圧縮プロファイルを有する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
分配可能な硬化性製品を分配するのに適した容器であって、
前記製品を収容するための内側の貯蔵室を形成する容器本体と、
前記容器本体内に設けられた分配用の孔と、
前記容器本体を閉鎖する任意の栓とを備え、
前記容器本体は、ベース部、前記ベース部上の対向する前後の壁、および対向する側壁を備え、各側壁は前記前後の壁の中間および前記ベース部上にあり、前記容器本体は前記孔を通して前記製品を分配できるように圧搾可能であり、
前記容器は、前記前後の壁のうちの少なくとも一方を他方に向かって移動することによって前記容器を圧縮するのに必要な力の、達成される圧縮量に対する比率が比較的一定に保たれる圧縮プロファイルを有する容器。
【請求項4】
各側壁は前記前後の壁の間のその経路に沿って湾曲した輪郭を有し、その湾曲した輪郭は、前記前後の壁のうちの少なくとも一方が他方に向かって移動するのに必要な圧縮力と、容器を圧縮するのが実質的により容易になり、または実質的により困難になる降伏点に達しないように前記少なくとも一方の壁の移動の圧縮分配範囲内で圧縮される距離との間の圧縮性の比率を規制するように配置される、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記側壁の湾曲した輪郭は、内側に曲がり、再び外側に曲がるように方向を変更する経路を辿る、請求項1、2、または4に記載の容器。
【請求項6】
前記湾曲した輪郭は実質的に各側壁の全体に沿って延びる、請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記前後の壁が平坦または実質的に平坦である、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項8】
前記壁の移動の圧縮分配範囲は5mmまでの圧縮である、請求項1、2、および4から6のいずれか一項に記載の容器。
【請求項9】
前記容器は、たとえばHDPE、MDPE、LLDPEを含むLDPE、およびPP、ならびにその組合せなどのポリオレフィン材料からなる群から選択される材料から構成される、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
前記容器がボトルの形である、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項11】
少なくとも、前記製品を収容する前記貯蔵室の部分が、0.4から1.5mmの範囲の壁の厚さを有する、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項12】
少なくとも、前記前後の壁が5から25Nの範囲の力によって初期の圧縮ができるようにする可撓性を有する、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項13】
前記容器は、約6から約11Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約1mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
前記容器は、約11から約18Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約2mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項15】
前記容器は、約18から約25Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約3mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項16】
前記容器は、約25から約36Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約4mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
前記容器は、約36から約48Nの力が前記少なくとも一方の壁を他方に向かって約5mmの距離だけ移動させるように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項18】
前記硬化性製品がシアノアクリレート製品である、前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項19】
HDPEから構成された前記請求項のいずれかに記載の容器。
【請求項20】
(i)前記請求項のいずれかに記載の容器と、
(ii)前記容器内に収容された硬化性製品とを備えるパック。
【請求項21】
前記容器がHDPEから構成され、前記容器内に収容された前記硬化性製品がシアノアクリレートである、請求項20に記載のパック。
【請求項22】
実質的に、添付の図面を参照して明細書に記載され、そこに例示されるような容器。
【請求項23】
実質的に、添付の図面を参照して明細書に記載され、そこに例示されるようなパック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−544928(P2008−544928A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519131(P2008−519131)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【国際出願番号】PCT/IE2006/000070
【国際公開番号】WO2007/004203
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(501194879)ロックタイト (アール アンド ディー) リミテッド (25)
【氏名又は名称原語表記】LOCTITE (R & D) LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【国際出願番号】PCT/IE2006/000070
【国際公開番号】WO2007/004203
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(501194879)ロックタイト (アール アンド ディー) リミテッド (25)
【氏名又は名称原語表記】LOCTITE (R & D) LIMITED
【Fターム(参考)】
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