説明

硬質ポリウレタンフォームの製造方法

官能基数が3.5〜5.5であり水酸基価が350〜550mgKOH/gである1種以上の高官能ポリエーテルアルコール、官能基数が3〜4であり水酸基価が150〜800mgKOH/gである、脂肪族及び/又は芳香族アミンを基礎とする1種以上のポリエーテルアルコール、OH基含有脂肪酸エステル、及び必要により、官能基数が2〜3であり分子量Mが<400g/molである1種以上の低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤、の混合物をポリオール成分b)として使用する硬質ポリウレタンフォームの製造方法が記載されている。得られる硬質ポリウレタンフォームは良好な表面性質を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質ポリウレタンフォームは以前から知られており文献に広く記載されている。硬質ポリウレタンフォームは、例えば、冷却装置、輸送手段又は建物の断熱のため、また、構造素材、特にサンドイッチ素材を製造するために主に使用されている。
【0003】
硬質ポリウレタンフォームの重要な使用分野は、複合素材(composite elements)である。特に、金属製カバー層と、イソシアネートを基礎とするフォーム、通常はポリウレタン(PUR)又はポリイソシヌレート(PIR)フォームのコア(芯部)とから構成される複合素材(しばしばサンドイッチ素材と呼ばれる)の、連続的に稼動するダブルベルト設備での製造は、現在大規模で実用化されている。冷却貯蔵設備の断熱用サンドイッチ素材は別として、着色したカバー層を有する素材は、様々な建物の壁面の構築にとってこれまで以上に重要になりつつある。塗装されたスチールシートは別として、ステンレススチールシート、銅シート又はアルミニウムシートはカバー層として使用されている。
【0004】
硬質ポリウレタンフォームを空洞スペースに隙間なく均一に埋めることは重要であるため、カバー層に対する接着性が非常に良好であれば、良好な断熱性が確保される安定的な構造が得られる。フォームの不良を防止するためには、発泡可能なPU反応混合物を断熱すべき空洞スペースに短時間で導入しなければならない。このような物品をフォームで埋めるために低圧又は好ましくは高圧機器が使用されるのが通常である。
【0005】
硬質ポリウレタンフォームの製造の概要並びにこれを複合素材内においてカバー層又はコア層としての使用すること及び冷却又は加熱技術において断熱層として使用することは、例えば、非特許文献1("Polyurethane", Kunststoff-Handbuch, 第7巻、第3版、1993年、Dr. Gunter Oertel編, Carl-Hanser-Verlag, Munich/Vienn)に記載されている。
【0006】
好適な硬質ポリウレタンフォームは、有機ポリイソシアネートと、少なくとも2個の反応性水素原子を有する1種以上の化合物を、発泡剤、触媒及び、必要により助剤及び/又は添加剤の存在下で反応させることによる公知の方法で製造することができる。
【0007】
イソシアネート基に対して反応性である少なくとも2個の水素原子を有する化合物として、ポリエーテルアルコール及び/又はポリエステルアルコールをポリウレタンを製造するために使用することが好ましい。ポリオールの選択は、特に、費用及び所望とする用途の特性に基づいて行われる(例えば、特許文献1(EP−A−1632511)、特許文献2(US−B−6495722)、特許文献3(WO2006/108833))。
【0008】
特許文献4(EP−A−728783)には、有機ポリイソシアネートを、異なる官能基数の少なくとも3種の異なる比較的高分子量のポリエーテルアルコールb1)〜b3)及びOH基を含む脂肪酸エステルb4)(8〜20質量部)、特にヒマシ油、の混合物と、発泡剤及び触媒の存在下で反応させることにより硬質ポリウレタンフォームを製造する方法が記載されている。20〜60質量部の割合で存在するポリエーテルアルコールb1)は、官能基数が6〜8であり、平均等価質量(average equivalent mass)が125〜200である。5〜30質量部の割合で存在するポリエーテルアルコールb2)は、脂肪族アミンを基礎とするものであり、官能基数が3〜4であり、平均等価質量が70〜130である。3〜25質量部の割合で存在するポリエーテルアルコールb3)は、官能基数が2〜3であり、平均等価質量が67〜250である。ポリオール成分は、好ましくは、平均水酸基価が350〜390mg/KOHである。
【0009】
表面特性はカバー層のフォームに対する接着性に大きな影響を及ぼすので、特に複合素材の製造においては、公知の硬質ポリウレタンフォームの表面特性は未だ改善の余地がある。スプレー発泡処理によりフォームを製造する場合においても、表面が良好であることは非常に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP−A−1632511
【特許文献2】US−B−6495722
【特許文献3】WO2006/108833
【特許文献4】EP−A−728783
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、接着性及び表面の質が向上したフォームがもたらされ、そのポリオール成分が低い粘度を有し、これにより良好な処理性、特に良好な流動性及び硬化性を有する、硬質ポリウレタンフォームの製造方法を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、上記目的は、硬質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
官能基数が3.5〜5.5であり水酸基価が350〜550mgKOH/gである1種以上の高官能ポリエーテルアルコール、
官能基数が3〜4であり水酸基価が150〜800mgKOH/gであり、脂肪族及び/又は芳香族アミンを基礎とする1種以上のポリエーテルアルコール、
OH基含有脂肪酸エステル、及び
必要により、官能基数が2〜3であり分子量Mwが<400g/molである1種以上の低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤、
の混合物をポリオール成分として使用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法により達成することができる。
【0013】
本発明は、
a)有機ポリイソシアネートを、
b)イソシアネート基に対して反応性である少なくとも2個の水素原子を有する化合物と、
c)発泡剤、
d)触媒並びに、
e)必要により助剤及び添加剤、
の存在下で反応させることにより硬質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
b1)官能基数が3.5〜5.5であり水酸基価が350〜550mgKOH/gである1種以上の高官能ポリエーテルアルコール、
b2)官能基数が3〜4であり水酸基価が150〜800mgKOH/gである、脂肪族及び/又は芳香族アミンを基礎とする1種以上のポリエーテルアルコール、
b3)少なくとも1種のOH基含有脂肪酸エステル、及び
b4)必要により、官能基数が2〜3であり分子量Mwが<400g/molである1種以上の低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤、
の混合物をポリオール成分b)として使用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【0014】
ポリオール成分b)は、触媒、安定剤並びに慣用の助剤及び添加剤を含んでいてもよい。
【0015】
本発明は更に、本発明の方法により製造された硬質ポリウレタンフォームを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特に有利な実施の形態では、ポリオール成分(b)は、
b1)官能基数が3.5〜5.5であり水酸基価が350〜550mgKOH/gである1種以上の高官能ポリエーテルアルコール20〜70質量部、特に20〜60質量部、
b2)官能基数が3〜4であり水酸基価が150〜800mgKOH/gである、脂肪族及び/又は芳香族アミンを基礎とする1種以上のポリエーテルアルコール5〜30質量部、特に5〜25質量部、
b3)OH基含有脂肪酸エステル5〜30質量部、特に5〜20質量部、及び
b4)官能基数が2〜3であり分子量Mwが<400g/molである1種以上の低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤1〜20質量部、特に2〜10質量部、
の混合物を含んでいる。
【0017】
グリセロールとOH基含有脂肪酸のエステルb3)として、ヒマシ油を使用することが好ましい。
【0018】
本発明において使用するポリオール成分b)は、平均水酸基価が300〜600mgKOH/g、特に400〜550mgKOH/gであることが好ましい。
【0019】
水酸基価はDIN53240に従って測定される。
【0020】
本発明の方法で使用する各成分について以下に説明する:
a)使用可能な有機ポリイソシアネートはそれ自体公知の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族(アラリファティック)、好ましくは芳香族多官能イソシアネートである。
【0021】
具体的な例は:アルキレン基に4〜12個の炭素原子を有するアルキレンジイソシアネート、例えばドデカン1,12−ジイソシアネート、2−エチルテトラメチレン1,4−ジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチレン1,4−ジイソシアネート及び好ましくはヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート;脂環式ジイソシアネートは例えば、シクロヘキサン1,3−及び1,4−ジイソシアネート及びこれらの異性体混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、ヘキサヒドロトリレン2,4−及び2,6−ジイソシアネート及び対応する異性体混合物、ジシクロヘキシルメタン4,4’−、2,2’−及び2,4’−ジイソシアネート及びその対応する異性体混合物、及び好ましくは芳香族ジイソシアネート及びポリイソシアネート、例えばトリレン2,4−及び2,6−ジイソシアネート及びその対応する異性体混合物、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート及びその異性体混合物、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート及びその対応する異性体混合物、ジフェニルメタン4,4’−及び2,4’−ジイソシアネートの混合物、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネートとポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートの混合物(粗製MDI)及び粗製MDIとトリレンジイソシアネートとの混合物である。有機ジイソシアネート及びポリイソシアネートは単独でもその混合物としても使用することができる。
【0022】
多官能変性イソシアネート、即ち、有機ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートの化学的反応により得られる生成物もしばしば使用する。例えば、エステル、ウレア、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、イソシアヌレート、ウレトジオン及び/又はウレタン基を含むジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートが挙げられる。
【0023】
具体的な例は:ウレタン基を含み、NCO含有量が総質量に対して33.6〜15質量%、好ましくは31〜21質量%である、有機、好ましくは芳香族ポリイソシアネート、例えば分子量が6000以下、特に1500以下の低分子量のジオール、トリオール、ジアルキレングリコール、トリアルキレングリコール又はポリオキシアルキレングリコールの反応生成物、変性ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、変性ジフェニルメタン4,4’−及び2,4’−ジイソシアネート混合物若しくは変性粗製MDI又はトリレン2,4−若しくは2,6−ジイソシアネートであり、単独で又は混合物として使用することができるジアルキレングリコール又はポリオキシアルキレングリコールの例は、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール、トリオール及び/又はテトロールである。更に好適なものは、NCO基を含み、総質量に対して25〜3.5質量%、好ましくは21〜14質量%のNCO含有量を有し、後述するポリエステルポリオール及び/又は好ましくはポリエーテルポリオールとジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4’−及び4,4’−ジイソシシアネートの混合物、トリレン2,4及び/又は2,6−ジイソシアネート又は粗製MDIとから調製されるプレポリマーである。
【0024】
カルボジイミド基及び/又はイソシアヌレート環を含み、NCO含有量が全質量に対して33.6〜15質量%、好ましくは31〜21質量%である液状ポリイソシアネート、例えば、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び/又は2,2’−ジイソシアネート及び/又はトリレン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネートを基礎とする化合物も有用であることが見出されている。
【0025】
変性ポリイソシアネートは、必要により、互いに又は、ジフェニルメタン2,4’−、4,4’−ジイソシアネート、粗製MDI、トリレン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネート等の未変性の有機ポリイソシアネートと混合してよい。
【0026】
特に有用であると見出されており、それ故好ましく採用される有機ポリイソシアネートは:トリレンジイソシアネートと粗製MDIの混合物又はウレタン基を含み且つNCO含有量が33.6〜15質量%である変性有機ポリイソシアネートの混合物、特にトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体混合物又は粗製MDI(特にジフェニルメタンジイソシアネート異性体の含有量が25〜80質量%、好ましくは30〜55質量%である粗製MDI)を基礎とする上記変性有機ポリイソシアネートの混合物である。
【0027】
b) 使用するポリエーテルポリオールb1)及びb2)は公知の方法で製造される。例えば、2〜8個、好ましくは2〜6個の反応性水素原子を結合形態で含む少なくとも1種の開始分子(開始剤)を添加し、触媒として水酸化ナトリウム若しくはカリウム等の水酸化アルカリ金属又はナトリウムメトキシド、ナトリウム若しくはカリウムエトキシド又はカリウムイソプロポキシド等のアルカリ金属アルコキシドを使用するアニオン重合によって、又は五塩化アンチモン、フッ化ホウ素エーテラート等のルイス酸又は活性白土を触媒として使用するカチオン重合によって、アルキレン基に2〜4個の炭素原子を有する1種以上のアルキレンオキシドから製造される。DMC触媒として知られている複合金属シアン化物を使用することもできる。トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン及び/又はジメチルシクロヘキシルアミン等の第三級アミンも触媒として使用することができる。
【0028】
ポリエーテルポリオールb1)とb2)を製造するのに好適なアルキレンオキシドは、例えば、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、1,3−プロピレンオキシド、1,2−若しくは2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド及び1,2−プロピレンオキシドである。アルキレンオキシドは単独で、交互に連続して又は混合物として使用することができる。
【0029】
本発明に使用するポリエーテルアルコールに使用することができる開始分子は次の化合物である:
b1)ヒドロキシル基含有高官能化合物、特に糖類、デンプン又はリグニンを開始剤として使用する。この場合、グルコース、スクロール及びソルビトールが特に実用的に重要である。これらの化合物はアルコキシル化の通常の反応条件下において固体状態で存在するので、共開始剤(coinitiator)と共にこれらの化合物をアルコキシル化することが通常慣用である。好適な共開始剤は、特に、水及び多官能低級アルコール、例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びこれらの同族体である。
【0030】
b2)分子内に少なくとも2個の第1級アミノ基を有する開始分子として、芳香族ジアミン及び/又はポリアミン、例えば、フェニレンジアミン、2,3−、2,4−、3,4−及び2,6−トリレンジアミン(TDA)及び4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジアミノジフェニルメタンを使用することができる。
【0031】
使用する脂肪族の開始分子は、特に、アンモニア、多官能脂肪族アミン、特に2〜6個の炭素原子及び第1級及び第2級アミノ基を有する多官能脂肪族アミン、更に主鎖に2〜6個の炭素原子を有するアミノアルコールである。エチレンジアミン、モノアルキルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン及び種々のブチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン;及びアミノアルコールとしてエタノールアミン、ジエタノオールアミン及びトリエタノールアミンを使用することが好ましい。
【0032】
ポリエーテルアルコールb1)は、官能基数が3.7〜5.2であり水酸基価が370〜500mgKOH/gであることが好ましい。
【0033】
芳香族又は芳香脂肪族アミンを基礎とするポリエーテルアルコールb2)が好ましい。官能基数が3〜4であり、水酸基価が150〜500mgKOH/gである、芳香族アミンを基礎とするポリエーテルアルコールb2)が極めて特に好ましい。
【0034】
使用するポリエーテルアルコールb1)及びb2)に関する更なる情報及びその製造については、例えば、非特許文献「Kunststoffhandbuch, volume 7, "Polyurethane", Gunter Oertel, Carl-Hanser-Verlag, Munich, 3rd edition, 1993」に記載されている。
【0035】
ポリオール成分b)は、低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤b4)を併用して有利に製造することができる。鎖延長剤及び/又は架橋剤b4)として、分子量が400未満、好ましくは60〜300であるジオール及び/又はトリオール並びにアミノアルコールを使用する。
【0036】
例えば、2〜14個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式及び/又は芳香脂肪族(アラリファティック)ジオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、o−、m−、p−ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びビス(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、1,2,4−、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセロール及びトリメチロールプロパン等のトリオール、及びエチレンオキシド及び/又は1,2−プロピレンオキシドを基礎とする低分子量のヒドロキシル基含有ポリアルキレンオキシド、及び上述した開始分子としてのジオール及び/又はトリオール、更にジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアミノアルコールを使用することができる。
【0037】
鎖延長剤b4)として、2〜6個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、特に1,2−プロピレングリコールを使用することが特に好ましい。
【0038】
上述の低分子量鎖延長剤、架橋剤又はこれらの混合物をポリオールb)を調製するために使用する場合、これらは、ポリオール化合物(b)の質量に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%の量で使用することが有利である。
【0039】
本発明の方法における発泡剤として、硬質ポリウレタンフォームの製造に慣用の発泡剤を使用することができる。
【0040】
発泡剤c)として、水及び追加的に一般に公知の化学的及び/又は物理的作用をする化合物を使用することができる。本発明において、化学的発泡剤は、イソシアネートと反応してガス状生成物を生成する化合物、例えば水又はギ酸である。物理的発泡剤は、ポリウレタン製造用出発材料に溶解又は乳化し、ポリウレタン形成条件下で蒸発(気化)する化合物である。これらは、例えば、炭化水素、ハロゲン化炭化水素及び他の化合物、例えば、パーフルオロヘキサン、クロロフルオロカーボン等の全フッ素化アルカン、及びエーテル、エステル、ケトン、アセタール、更に加熱して窒素を遊離する無機及び有機化合物、又はこれらの混合物、例えば4〜8個の炭素原子を有する(シクロ)脂肪族炭化水素又はフッ素化炭化水素、例えば1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC 245 fa)、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC 365 mfc)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン及びヘプタフルオロプロパンである。
【0041】
低沸点の脂肪族炭化水素、好ましくはn−ペンタン及び/又はイソペンタン、特にn−ペンタンを発泡剤として使用することが有利である。
【0042】
n−ペンタンは沸点が36℃であり、イソペンタンは沸点が28℃である。そのため、この沸点は、発泡処理にとって有利な範囲内である。
【0043】
発泡剤として好適な脂肪族炭化水素は可燃性で爆発性であるため、発泡設備は適切な安全装置を備えていなければならず、また発泡剤としてシクロペンタンを使用する場合にも必要である。
【0044】
発泡剤として脂肪族炭化水素を水と共に使用することが有利である。使用する脂肪族炭化水素の量は、成分b)に対して2〜25質量%、好ましくは5〜15質量%である。水の割合は、所望とする硬質ポリウレタンフォームのフォーム密度に依存する。
【0045】
d) 硬質ポリウレタンフォームの製造に使用する使用する触媒(d)は、特に、成分(b)の反応性水素原子、特にヒドロキシル基を含む化合物と、有機変性又は未変性ポリイソシアネート(a)との反応を強く促進させる化合物である。
【0046】
好適な触媒(d)は、強塩基性アミン、例えば、2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン等のアミジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアミノ(エチルエーテル)、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア、ジメチルピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン及び好ましくは1,4−ジアザビシクロ[2.2.0]オクタン等の第3級アミン、及びトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン及びN−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン及びジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミン化合物である。
【0047】
更に使用可能な触媒は:トリス(ジアルキルアミノアルキル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、特にトリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属及びナトリウムメトキシド及びカリウムイソプロポキシド等のアルカリ金属アルコキシド、更に10〜20個の炭素原子、及び場合によりOH側基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩である。
【0048】
イソシアヌレート基を硬質フォームに組み込む場合には、特定の触媒が必要となる。イソシアヌレート触媒として、通常、カルボン酸金属塩、特に酢酸カリウム及びその溶液を使用する。触媒は、条件にもよるが、単独で又はあらゆる互いの混合物として使用することができる。
【0049】
成分(b)の質量を基準として0.001〜7質量%、特に0.05〜5質量%の触媒又は触媒混合物を使用することが好ましい。
【0050】
e) 任意の助剤及び/又は添加剤(e)を、硬質ポリウレタンフォームを製造するために反応混合物に導入してよい。例えば、界面活性剤、フォーム安定剤、気泡調整剤、フィラー、染料、顔料、難燃剤、加水分解阻害剤、静真菌性及び静菌性物質が挙げられる。
【0051】
使用可能な界面活性剤は、例えば、出発材料の均質化を補助する役割をし、プラスチックの気泡構造を調整するのに好適であり得る化合物である。例えば、ヒマシ油硫酸エステルの若しくは脂肪酸のナトリウム塩、及び脂肪酸とアミンの塩、例えばオレイン酸ジエチルアミン、ステアリン酸ジエタノールアミン、リシノール酸ジエタノールアミン、スルホン酸の塩、例えばドデシルベンゼンスルホン酸若しくはジナフチルメタンジスルホン酸のアルカリ金属若しくはアンモニウム塩並びにリシノール酸等の乳化剤;フォーム安定剤は例えば、シロキサン−オキシアルキレン共重合体及び他の有機ポリシロキサン、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステル及びリシノール酸エステル、ロート油、ピーナッツ油、気泡調整剤は例えば、パラフィン、脂肪アルコール及びジメチルポリシロキサンである。側基としてポリオキシアルキレン及びフルオロアルカン基を有する上述のアクリレートオリゴマーも乳化作用、気泡構造を改善するのに、また/あるいはフォームを安定化するのに好適である。界面活性物質は、通常、成分(b)100質量部に対して0.01〜5質量部の量で使用する。
【0052】
本発明において、フィラー、特に強化フィラーは、それ自体知られている慣用の有機及び無機フィラー、強化材、増量剤、塗装の摩耗性を改善するための材料、コーティング組成物等である。具体的な例は:無機フィラーは例えばシリカ鉱物、例えばアンチゴライト、セルペンチン、ホルンブレンド、角閃石、クリソタイル、タルク等の層状ケイ酸塩;カオリン、アルミニウム酸化物、チタン酸化物及び鉄酸化物等の金属酸化物、チョーク、バライト等の金属塩及び硫化カドミウム、硫化亜鉛等の無機顔料、更にガラス等である。カオリン(チャイナクレー)、ケイ酸アルミニウム及び硫酸バリウムとケイ酸アルミニウムの共沈物、更に天然及び合成繊維性鉱物、例えば珪灰石、金属繊維及び特にサイズで被覆されていてよい種々の長さのガラス繊維を使用することが好ましい。使用可能なフィラーは、例えば:炭素、メラミン、ロジン、シクロペンタジエニル樹脂及びグラフトポリマー、更にセルロース繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリウレタン繊維、芳香族及び/又は脂肪族ジカルボン酸エステルを基礎とするポリエステル繊維、特に炭素繊維である。
【0053】
無機及び有機フィラーは、単独で又は混合物として使用することができ、成分(a)及び(b)の質量に対して0.5〜50質量%、好ましくは1〜40質量%の量で反応混合物に導入することが有利である。しかし、天然及び合成繊維のマット、不織布及び織物の繊維体は80質量%の値まで至ることができる。
【0054】
難燃剤として、有機リン酸エステル及び/又はホスホン酸エステルを使用することができる。イソシアネート基に対して反応性でない化合物を使用することが好ましい。塩素含有リン酸エステルも好ましい化合物である。好適な難燃剤は、例えば、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレシルホスフェート、ジエチルエタンホスフィネート、トリクレシルホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、ジメチルメタンホスホネート、ジエチルジエタノールアミノメチルホスホネート、更に市販のハロゲン含有難燃性ポリオールである。
【0055】
更に、臭素含有難燃剤を使用することもできる。臭素含有難燃剤として、イソシアネート基に対して反応性である化合物を使用することが好ましい。このような化合物は、例えば、テトラブロモフタル酸と脂肪族ジールとのエステル、ジブロモブテンジオールのアルコキシル化生成物である。OH基を含む臭素化ネオペンチル化合物の群から誘導される化合物も使用することができる。
【0056】
上述のハロゲンで置換されたホスフェートとは別に、無機又は有機難燃剤、例えば赤リン、酸化アルミニウム水和物、三酸化アンチモン、酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウム及び硫酸カルシウム、膨張性黒鉛又は、メラミン等のシアヌル酸誘導体、又は少なくとも2種の難燃剤、例えばポリリン酸アンモニウム及びメラミン及び、必要により、トウモロコシデンプン又はポリリン酸アンモニウム、メラミン及び膨張性黒鉛及び/又はポリイソシアネート重付加生成物を難燃性とするための芳香族又は非芳香族のポリエステルの混合物を使用することも可能である。通常、成分(b)100質量部に対して、上記難燃剤を5〜50質量部、好ましくは5〜25質量部で使用することが有利であることが見出されている。
【0057】
上述した他の慣用の助剤及び添加剤に関する更なる詳細は、専門書、例えば、J.H. Saunders及びK.C. Frischによるモノグラフ「High Polymers」のXVI巻、ポリウレタンパート1及び2、Interscience Publishers 1962年及び1964年、又はKunststoff-Handbuch, Polyurethane, VII巻, Hanser-Verlag, Munich, Vienna, 3版、1993年に記載されている。
【0058】
硬質ポリウレタンフォームを製造するためには、ポリイソシアネートa)及びポリオール成分b)を、イソシアネートインデックスが100〜150、好ましくは105〜140、特に好ましくは110〜130となる量で反応させる。イソシアネートインデックスは、イソシアネート基に対して反応性である基に対するイソシアネート基のモル比に100を乗じたものである。
【0059】
本発明の硬質フォームは、連続的に稼働するダブルベルト設備で製造することが好ましい。この場合、ポリオール成分及びイソシアネート成分は高圧機を用いて計量し、ミキシングヘッド内で混合する。触媒及び/又は発泡剤は、分離ポンプ(separate pump)を用いて事前にポリオール混合物に加えることができる。反応混合物は下側カバー層に連続的に施す。反応混合物を有する下側カバー層と上側カバー層をダブルベルトに送らせる。ここで反応混合物は発泡し硬化する。ダブルベルトから除去した後、連続的な細長状物(strip)を所望とする寸法に切断する。このようにして、金属カバー層を有するサンドイッチ素材又は軟質カバー層を有する断熱構成部材を製造することができる。
【0060】
出発成分は15〜90℃、好ましくは20〜60℃、特に20〜45℃で混合する。反応混合物は、高圧又は低圧計量機を用いて密閉サポートツール(支持具)に流し込んでもよい。例えば、非連続的なサンドイッチ素材はこの技術で製造される。
【0061】
本発明の方法により製造される硬質ポリウレタンフォームは、密度が0.02〜0.75g/cm3、好ましくは0.025〜0.24g/cm3、特に0.03〜0.1g/cm3である。これらは、建築及び冷却設備分野における断熱材として、例えば、サンドイッチ素材用の中間層として又は冷蔵庫及び冷凍庫のハウジング(枠組み)をフォームで埋めるために好適である。
【0062】
本発明の方法により製造された硬質ポリウレタンフォームは欠点が殆ど無い良好な表面を有し、良好な硬化性を示す。OH基含有脂肪酸エステルb3)及び低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤b4)を使用することにより、ポリオール成分b)の粘度を低下させることができる。ポリオール成分b)が低粘度であることにより、ダブルベルト設備における処理が簡素化される。
【実施例】
【0063】
以下に本発明を実施例により説明する。
【0064】
硬質フォームを40℃に設定したダブルベルト設備で製造した。
【0065】
比較例
プロピレンオキシド及び開始剤としてのスクロースとグリセロールの混合物を基礎とする、水酸基価が490mgKOH/gであるポリエーテルアルコール71.5質量部、
エチレンオキシド/プロピレンオキシド及び開始剤としてのビシナルTDAを基礎とする、水酸基価が390mgKOH/gであるポリエーテルアルコール15質量部、
トリス−2−クロロイソプロピルホスフェート10質量部
Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8496を2質量部、
エチレングリコール溶液(50%濃度)中の酢酸カリウム0.5質量部、及び水1質量部、
を混合することによりポリオール成分を調製した。
【0066】
これを、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミン及び水の存在下でイソシアネートインデックス120において、NCO含有量が31.5質量%のポリメリックMDI(Lupranat(登録商標)M50、BASF SE製)と反応させた。ジメチルシクロヘキシルアミンと水の量は、ゲルタイムが45秒、得られるフォームの密度が36g/lとなるように選択した。
【0067】
実施例1
プロピレンオキシド及び開始剤としてのスクロースとグリセロールの混合物を基礎とする、水酸基価が490mgKOH/gであるポリエーテルアルコール46.5質量部、
エチレンオキシド/プロピレンオキシド及び開始剤としてのビシナルTDAを基礎とする、水酸基価390mgKOH/gのポリエーテルアルコール15質量部、
トリス−2−クロロイソプロピルホスフェート10質量部、
ヒマシ油25質量部、
Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8496を2質量部、
エチレングリコール溶液(50%濃度)中の酢酸カリウム0.5質量部、及び水1質量部
を混合することによりポリオール成分を調製した。
【0068】
これを、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミン及び水の存在下でイソシアネートインデックス120において、NCO含有量が31.5質量%のポリメリックMDI(Lupranat(登録商標)M50、BASF SE製)と反応させた。ジメチルシクロヘキシルアミンと水の量は、ゲルタイムが45秒、得られるフォームの密度が36g/lとなるように選択した。
【0069】
実施例2
プロピレンオキシド及び開始剤としてのスクロースとグリセロールの混合物を基礎とする水酸基価490mgKOH/gのポリエーテルアルコール38.5質量部、
エチレンオキシド/プロピレンオキシド及び開始剤としてのビシナルTDAを基礎とする水酸基価390mgKOH/gのポリエーテルアルコール15質量部、
トリス−2−クロロイソプロピルホスフェート10質量部、
ヒマシ油25質量部、
1,2−プロピレングリコール8質量部、
Goldschmidt製Tegostab(登録商標)B8496を2質量部
エチレングリコール溶液(50%濃度)中の酢酸カリウム0.5質量部、及び水1質量部
を混合することによりポリオール成分を調製した。
【0070】
これを、n−ペンタン(7.5質量部)、ジメチルシクロヘキシルアミン及び水の存在下でイソシアネートインデックス120において、NCO含有量が31.5質量%のポリメリックMDI(Lupranat(登録商標)M50、BASF SE製)と反応させた。ジメチルシクロヘキシルアミンと水の量は、ゲルタイムが45秒、得られるフォームの密度が36g/lとなるように選択した。
【0071】
硬化度は圧子試験(indenter test)により測定した。このため、10mmの半径を有する半球状の末端を有するスチール圧子を、ポリスチレンカップの中で成分を混合した後3,4,5及び6分の時点において、引張/圧縮試験機を用いて形成したフォームに10mmの深さまで押し込んだ。必要とされる最大力(N)はフォームの硬化度の尺度である。測定した3,4,5及び6分後の最大値及び3,4,5及び6分後の硬化度の合計をそれぞれ示している。
【0072】
接着性の実験のため、金属製カバー層を有するサンドイッチ素材(200×200×80mm)を実験室において加熱した密閉モールド内で発泡させた。モールドの温度は40度であり、フォームの総密度は36g/lであった。このシステム(材料)を硬化させた後、100×100×80mmの寸法を有する試験試料を切り、フォームのカバー層に対する接着性を、DIN EN ISO527−1/DIN53292に従って測定した。
【0073】
表面の欠陥の発生度を光学的方法により定量的に測定した。このため、下側カバー層、すなわちダブルベルト処理においてポリウレタン反応溶液が施されたカバー層から1ミリメートル面材状に切り落とした。
【0074】
表面の定量的評価において、フォームの表面に右側から、次いで左側から光を当て、それぞれ撮影した。その画像を重ね合わせ、画像分析ソフトウエアを用いて分析した。表面上の欠点は黒い領域として現れた。全表面積に対する黒い領域の百分率はフォームの表面欠点の発生度の尺度である。
【0075】
また、フォームの表面の性質の更なる定性的評価を、1m×2mのフォーム試料からカバー層を除去し、その表面を視覚的に評価することにより行った。
【0076】
結果を表1に示す
【0077】
【表1】

【0078】
表1の結果では、フォームの表面の性質と接着性が本発明の方法により著しく向上したことが示されている。また、ポリオール成分の粘度は顕著に低下したので、良好な流動性及び同様に十分な硬化性により決定される処理性が改善された(処理が簡素化された)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)有機ポリイソシアネートを、
b)イソシアネート基に対して反応性である少なくとも2個の水素原子を有する化合物と、
c)発泡剤、
d)触媒並びに、
e)必要により助剤及び添加剤、
の存在下で反応させることにより硬質ポリウレタンフォームを製造する方法であって、
b1)官能基数が3.5〜5.5であり水酸基価が350〜550mgKOH/gである1種以上の高官能ポリエーテルアルコール、
b2)官能基数が3〜4であり水酸基価が150〜800mgKOH/gである、脂肪族及び/又は芳香族アミンを基礎とする1種以上のポリエーテルアルコール、
b3)少なくとも1種のOH基含有脂肪酸エステル、及び
b4)必要により、官能基数が2〜3であり分子量Mwが<400g/molである1種以上の低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤、
の混合物をポリオール成分b)として使用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項2】
b1)官能基数が3.5〜5.5であり水酸基価が350〜550mgKOH/gである1種以上の高官能ポリエーテルアルコール20〜70質量部、
b2)官能基数が3〜4であり水酸基価が150〜800mgKOH/gであり、脂肪族及び/又は芳香族アミンを基礎とする1種以上のポリエーテルアルコール5〜30質量部、
b3)OH基含有脂肪酸エステル5〜30質量部、及び
b4)必要により、官能基数が2〜3であり分子量Mwが<400g/molである1種以上の低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤1〜20質量部、
の混合物であって、平均水酸基価が300〜600mgKOH/gである混合物をポリオール成分b)として使用する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低分子量の鎖延長剤及び/又は架橋剤b4)を2〜10質量部使用する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ヒマシ油を、グリセロールとOH基含有脂肪酸のエステルとして使用する請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
低分子量の鎖延長剤b4)として1,2−プロピレングリコールを使用する請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
芳香族アミンを基礎とするポリエーテルアルコールb2)を使用する請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記反応を、イソシアネートインデックス100〜150で行う請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
発泡剤としてn−ペンタン及び/又はイソペンタンを使用する請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法により製造された硬質ポリウレタンフォーム。

【公表番号】特表2012−520915(P2012−520915A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500220(P2012−500220)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053392
【国際公開番号】WO2010/106067
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】