説明

硬質表面用洗浄剤組成物

【課題】頑固な油汚れの洗浄に効果があり、汚れの再付着防止性能が高く、且つ製品安定性の高い洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)酸性基及び/又はアニオン性基と、カチオン性基及び/又はアミノ基とを含有する両性ポリマー、(B)カルボン酸型両性界面活性剤、(C)ノニオン界面活性剤、(D)アルカリ剤および(E)水を含有し、(A)/(B)=1/0.2〜1/100(質量比)の割合であることを特徴とする硬質表面用洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質表面に付着した頑固な油汚れを除去した後、汚れの再付着を防止することができる再付着防止性に優れた硬質表面洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭における台所の換気扇やガスレンジ、風呂釜、トイレ、食器類、あるいは車両、建築物等は、金属、プラスチック、ガラス、陶磁器、コンクリート等の硬質素材によってできている。これらの硬質表面には、風雨、食物類、排出物、油類、排気ガス等によって様々な汚れが付着する。こうした汚れを除去するために様々な洗浄剤が使用されているが、洗浄後に汚れの再付着を防止(防汚効果)するため、洗浄剤にポリマーを配合した洗浄剤が知られている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【0003】
しかしながら、ポリマーの配合量が多すぎると洗浄剤の製品安定性が悪くなって凝集や沈殿を生じてしまい、その結果、洗浄力が劣ってしまう場合がある。一方、洗浄剤の製品安定性を高めるために、あるいは洗浄力を維持するためにポリマーの配合量を一定量以下に減らすと、ポリマーによって得られる防汚効果が十分に発揮されないという問題があった。
【0004】
そこで、本発明者らは特定の両性ポリマーと特定の両性界面活性剤とを、特定の比率で配合した硬質表面用の洗浄剤を発明した(特許文献4を参照)。この発明による洗浄剤は、製品安定性が高く、且つ高い防汚効果を有しており、洗面台、トイレ及び浴室等の水廻り施設と呼ばれている場所の、石鹸かすによる黒ずみ、黄ばみ、あるいはスケール等の除去及びそれらの汚れの再付着防止に効果を発揮するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−146395号公報
【特許文献2】特表2003−505535号公報
【特許文献3】特開2008−169361号公報
【特許文献4】特願2010−022295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
台所の換気扇やガスレンジ等の場所においては、石鹸かす等による汚れよりもむしろ頑固な油汚れが問題となる。換気扇やガスレンジに付着する油汚れは劣化による重合等の反応が起きており、非常に洗浄が困難な汚れとなっている。また、こうした油汚れの付着する箇所においては、防汚の処置を施しても汚れの付着を完全に阻止することは困難であるが、防汚の処置を施した後に付着した油汚れ等は除去することが容易になる。したがって、頑固な油汚れが付着する場所においてより有効な洗浄機能および防汚機能を持つ洗浄剤が望まれていた。
従って、本発明が解決しようとする課題は、頑固な油汚れの洗浄に効果があり、汚れの再付着防止性能が高く、且つ製品安定性の高い洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者等は鋭意検討して本発明に至った。即ち、本発明は、(A)酸性基及び/又はアニオン性基と、カチオン性基及び/又はアミノ基とを含有する両性ポリマー、(B)カルボン酸型両性界面活性剤、(C)ノニオン界面活性剤、(D)アルカリ剤および(E)水を含有し、(A)/(B)=1/0.2〜1/100(質量比)の割合であることを特徴とする硬質表面用洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果は、頑固な油汚れの洗浄に効果があり、汚れの再付着防止性能が高く、且つ製品安定性の高い洗浄剤組成物を提供したことにある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の(A)成分は、酸性基及び/又はアニオン性基と、カチオン性基及び/又はアミノ基とを含有する両性ポリマーである。酸性基とは、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン基等の酸性を示す基が挙げられ、アニオン性基とは、前述の酸性基のアンモニウム塩、アミン塩、アルカリ金属塩等が挙げられる。一方、カチオン性基とは、対イオンとしてはCl、Br、ジアルキル硫酸イオン等を使用した4級アンモニウム塩が挙げられる。アミノ基とは、例えば−NH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(C)、−N(C等の1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基が挙げられる。
【0010】
(A)成分の両性ポリマーは、上記の酸性基及び/又はアニオン性基を必須成分としてポリマー内に含有し、更にカチオン性基又はアミノ基も必須成分としてポリマー内に含有するポリマーである。(A)成分の両性ポリマーは、前記の必須となる基を含有していればよく、その製造方法やモノマーの割合、原料等について限定するものではないが、容易に製造でき、防汚効果の高い両性ポリマーを得ることができることから、下記の一般式(2)〜(4)のモノマーを組み合わせて反応させることにより得られる両性ポリマーが好ましい。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して−COOH、−SOH、−PO、−CO−A−SOH、−CO−A’−POで表される酸性基、又はそのアンモニウム塩若しくはアルカリ金属塩からなるアニオン性基、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基から選択されるいずれかの基を表し、A及びA’はそれぞれ炭素数1〜3のアルキレン基を表す。但し、R〜Rのいずれか1つ以上は酸性基又はアニオン性基でなければならない。)
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、−COOR12−、−CONHR13−、−OCOR14、及び−R15OCOR16−から選択されるいずれかの基を表し、R12〜R16はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R、R10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は−R−C(R)=CR1011を表し、Xは陰イオン基を表す。)
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、R17は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R19は炭素数1〜8のアルキレン基、−COOR23−、−CONHR24−、−OCOR25、及び−R26OCOR27−から選択されるいずれかの基を表し、R23〜R27はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R20、R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R18は炭素数1〜3のアルキル基又は−R19−C(R20)=CR2122を表す。)
【0017】
一般式(2)で表される化合物(以下、(a−1)とする)のR〜Rのいずれか1つ以上は、−COOH、−SOH、−PO、−CO−A−SOH、−CO−A’−POで表される酸性基、又はこれらの酸性基をアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等にしたアニオン性基でなければならない。R〜Rの中で、酸性基あるいはアニオン性基でないものは、水素原子あるいは炭素数1〜6の炭化水素基となる。炭素数1〜6の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。
【0018】
具体的な(a−1)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、ジメチルアクリル酸、メチレンマロン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、エチリデン酢酸、プロピリデン酢酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、N−メタクリロイルアラニン、N−アクリロイルヒドロキシグリシン、アクリル酸スルホプロピル、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホプロピル、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸等の酸性基を含有するモノマー;これらの酸性基を、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等に中和したアニオン性基を含有すモノマーが挙げられる。これらの中でも防汚性に優れることから、アニオン性基を含有するモノマーが好ましく、アクリル酸塩、メタクリル酸塩がより好ましい。
【0019】
一般式(3)で表される化合物(以下、(a−2)とする)のR及びRは、炭素数1〜3のアルキル基を表し、こうしたアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。Rは炭素数1〜8のアルキレン基、−COOR12−、−CONHR13−、−OCOR14、及び−R15OCOR16−のいずれかを表し、炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−メチルプロピレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1,3−ジメチルプロピレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、4−メチルブチレン基、2,4−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基等が挙げられ、R12〜R16はそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、2−メチルプロピレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1,3−ジメチルプロピレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、4−メチルブチレン基、2,4−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基等が挙げられる。R、R10及びR11はそれぞれ水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表し、炭素数1〜3のアルキル基としては、上記に記載したものが挙げられる。Rは炭素数1〜3のアルキル基又は−R−C(R)=CR1011を表し、炭素数1〜3のアルキル基としては、上記に記載したものが挙げられる。また、Xは陰イオン基を表し、陰イオン基としては、例えば、Cl、Br、ジメチル硫酸イオン、ジエチル硫酸イオン等が挙げられる。
【0020】
好ましい(a−2)としては、例えば、アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜8)−N,N,N,−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、メタクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜8)−N,N,N,−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N−(ω−アルキル(炭素数3〜10))−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N,N−ジ(ω−アルキル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジ(ω−アルキル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩がより好ましく、N,N−ジアリル−N,N−ジメチル4級アンモニウム塩が更に好ましい。また、塩の種類(Xの種類)については、Cl、ジメチル硫酸イオンが好ましく、Clがより好ましい。
【0021】
一般式(4)で表される化合物(以下、(a−3)とする)のR17は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、こうしたアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。R19は炭素数1〜8のアルキレン基、−COOR23−、−CONHR24−、−OCOR25、及び−R26OCOR27−のいずれかを表し、炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−メチルプロピレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1,3−ジメチルプロピレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、4−メチルブチレン基、2,4−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基等が挙げられ、R23〜R27はそれぞれ炭素数1〜6のアルキレン基を表し、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、2−メチルプロピレン基、1,2−ジメチルプロピレン基、1,3−ジメチルプロピレン基、1−メチルブチレン基、2−メチルブチレン基、3−メチルブチレン基、4−メチルブチレン基、2,4−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基等が挙げられる。R20、R21及びR22はそれぞれ水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表し、炭素数1〜3のアルキル基としては、上記に記載したものが挙げられる。R18は炭素数1〜3のアルキル基又は−R19−C(R20)=CR2122を表し、炭素数1〜3のアルキル基としては、上記に記載したものが挙げられる。
【0022】
好ましい(a−3)としては、例えば、アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜8)−N,N,−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、メタクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜8)−N,N,−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N−(ω−アルキル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N,N−ジ(ω−アルキル(炭素数3〜10))−N−アルキル(炭素数1〜3)アミンが挙げられる。これらの中でも、N,N−ジ(ω−アルキル(炭素数3〜10))−N−アルキル(炭素数1〜3)アミンがより好ましく、N,N−ジアリル−N−メチルアミンが更に好ましい。
【0023】
上記の(a−1)と(a−2)を共重合させる、または(a−1)と(a−3)を共重合させる、あるいは(a−1)と(a−2)と(a−3)を共重合させることにより(A)成分の両性ポリマーを得ることができるが、製造が容易で性能も良好なことから、(a−1)と(a−2)を共重合、または(a−1)と(a−3)を共重合させた両性ポリマーが好ましい。両性ポリマーを得るにあたり、(a−1)、(a−2)及び(a−3)は1種でも2種以上のモノマーを使用してもよく、(a−1)と(a−2)の反応比率あるいは(a−1)と(a−3)の反応比率は限定されず、任意の比で反応させればよい。しかし、防汚性が好ましいことから(a−1)/(a−2)=50/50〜5/95(モル比)で反応させることが好ましく、(a−1)/(a−2)=40/60〜10/90(モル比)で反応させることがより好ましい。モノマーとして(a−3)を使用したときも同様に、(a−1)/(a−3)=50/50〜5/95(モル比)で反応させることが好ましく、(a−1)/(a−3)=40/60〜10/90(モル比)で反応させることがより好ましい。(a−1)の割合が50モル%を超えたり、あるいは5モル%未満になったりすると、両性ポリマーの防汚効果が低くなる場合がある。また防汚効果が高いことから、(a−3)を含有する両性ポリマーより、(a−2)を含有する両性ポリマーが好ましい。なお、(a−1)と(a−2)と(a−3)を共重合させる場合は(a−1)/(a−2)+(a−3)=50/50〜5/95(モル比)で反応させることが好ましく、(a−1)/(a−2)+(a−3)=40/60〜10/90(モル比)で反応させることがより好ましい。
【0024】
両性ポリマーの重合方法としては公知の重合方法を用いればよく、特にラジカル重合が好ましい。具体的には、例えば、重合するモノマー全量を20〜60質量%程度の水溶液にし、開始剤をモノマー全量に対して0.1〜5質量%添加して40〜80℃で1〜30時間重合すればよい。このとき、モノマーを分割添加しても、開始剤を分割添加してもよい。使用できる開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤、過酸化水素及び過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、過安息香酸等の有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素−Fe3+等のレドックス開始剤、その他既存のラジカル開始剤を使用してもよい。
【0025】
反応条件及びモノマーの添加方法により、得られる両性ポリマーはブロック重合体やランダム重合体、あるいはブロック/ランダム重合体の形態となる。重合形態はいずれでもよいが、防汚性が良好なことや、最終的に配合した洗浄剤の製品安定性が良好であることからランダム重合体であることが好ましい。得られる両性ポリマーの分子量は反応条件によって変化するが、重量平均分子量として1000〜3000000が好ましく、10000〜2000000がより好ましい。重量平均分子量が小さいと防汚効果が得られない場合があり、重量平均分子量が大きすぎると、粘度が大きくなって取扱いが困難になる場合や、最終的に配合した洗浄剤の製品安定性が悪くなる場合がある。
【0026】
本発明の(B)成分はカルボン酸型両性界面活性剤である。カルボン酸型両性界面活性剤とは、分子中にカルボキシル基及び/又はその塩、並びにアミノ基又は4級アンモニウムを含有するものであり、一般的にはアミノ酸型両性界面活性剤あるいはベタイン型両性界面活性剤と呼ばれている。こうしたカルボン酸型両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルベタイン、ラウリルジエチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、オレイルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤;N−ヤシ脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン)、N−ヤシ脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−牛脂脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−牛脂脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリウムベタイン型両性界面活性剤;ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ステアリン酸アミドプロピルベタイン、オレイン酸アミドプロピルベタイン等のアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアミノ酸型両性界面活性剤が挙げられる。
【0027】
これらの両性界面活性剤の中でも、(A)成分と配合したときの防汚性における相乗効果が大きいことから、アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤およびアミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、アミドプロピルベタイン型の両性界面活性剤がより好ましい。また、これらカルボン酸型両性界面活性剤は洗浄性にも関与しており、添加することで油汚れに対する洗浄性も向上する。なお、アミンオキシド型やスルホベタイン型、ホスホベタイン型等の他の両性界面活性剤を使用すると、被洗浄物の材質によって良好な防汚効果が得られない。
【0028】
本発明の(C)成分はノニオン界面活性剤である。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態は、ランダム状、ブロック状の何れでもよい。)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸−N−メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N−長鎖アルキルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、洗浄効果と防汚効果のバランスが良好なことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリアルキレンオキサイド付加物が好ましく、下記の一般式(1)で表されるノニオン界面活性剤がより好ましい。
【0029】
R−(OC−OH (1)
(式中、Rは炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜15の数を表す。)
【0030】
一般式(1)のRは炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基を表し、こうした基としては、例えば、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;デセニル基、ぺンタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基が挙げられる。これらの中でも洗浄力が大きいことから炭素数12〜16のアルキル基が好ましい。また、nは1〜15の数であるが、3〜12の数が好ましく、5〜10の数がより好ましい。nの値が小さいほど洗浄の効果が高いが防汚効果が低くなり、nの値が大きいほど防汚効果が高くなるが、nの値が15を超えると頑固な油汚れを効率よく洗浄できない場合がある。
【0031】
本発明の(D)成分はアルカリ剤である。具体的なアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム等の強アルカリ剤;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラ硼酸ソーダ等の弱アルカリ剤が挙げられる。これらの中でも、安価なアルカリ剤である水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましく、洗浄効果が高いことから水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミンがより好ましい。なおアルカリ剤を配合した場合の本発明の硬質表面用洗浄剤組成物のpHは、10以上が好ましく、11以上がより好ましい。
【0032】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の(A)成分と(B)成分の比は、(A)/(B)=1/0.2〜1/100(質量比)でなければならず、好ましくは(A)/(B)=1/0.5〜1/50(質量比)、より好ましくは(A)/(B)=1/1〜1/20(質量比)である。(A)成分は防汚機能を持ち、(B)成分を配合すると相乗効果によって防汚効果が更に高まる。しかし(B)成分が少なすぎるとその相乗効果が低下してしまい、(B)成分が多すぎてもその相乗効果は低下してしまう。
【0033】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は(E)成分である水を含む水溶液であるが、(A)成分と(B)成分の配合比が上記の範囲内であれば(A)〜(D)の各成分の配合量は特に規定されない。しかし、各成分の配合量によっては製品安定性や洗浄性等が低下する場合もあるため、洗浄剤組成物全量に対する各成分の配合割合は以下の割合であることが好ましい。
【0034】
(A)成分は、洗浄剤全量に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.03〜4質量%がより好ましく、0.05〜2質量%が更に好ましく、0.1〜1質量%最も好ましい。0.01質量%未満になると防汚効果が得られない場合があり、5質量%を超えると洗浄剤の製品安定性が悪くなる場合がある。
【0035】
(B)成分は、洗浄剤全量に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましく、0.08〜5質量%が更に好ましく、0.1〜1質量%が最も好ましい。0.01質量%未満になると(A)成分との防汚性における相乗効果が得られない場合があり、10質量%を超えると(A)成分との相乗効果が低下する場合や、配合量に見合った効果が得られない場合がある。
【0036】
(C)成分は、洗浄剤全量に対して0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜12質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましく、2〜8質量%が最も好ましい。0.1質量%未満になると必要な洗浄力が得られない場合があり、15質量%を超えると洗浄剤の製品安定性が悪くなる場合がある。
【0037】
(D)成分は、洗浄剤全量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が更に好ましく、2〜8質量%が最も好ましい。0.1質量%未満になると必要な洗浄力が得られない場合があり、20質量%を超えると洗浄剤の製品安定性が悪くなる場合がある。
【0038】
なお(E)成分の水は、上記(A)〜(D)成分の合計量に対する残部、あるいは(A)〜(D)成分及び他の成分(下記の配合することができる成分等)の合計量に対する残部となる。
【0039】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、キレート剤、有機溶剤、ビルダー、防腐剤、色素、香料等の他の成分を配合することができる。実際の洗浄においては様々な種類の水を使用し、硬度の高い水を使用する場合もある。こうした高硬度の水に対応させるためにも、硬水においても良好な洗浄力を維持させることができるキレート剤を添加することが好ましい。また殺菌効果を付与させる目的でカチオン界面活性剤を添加することが好ましい。なお、カチオン界面活性剤を配合する場合、アニオン界面活性剤を共に配合すると製品安定性が悪くなる場合や殺菌効果が低下する場合があるので、アニオン界面活性剤はカチオン界面活性剤と一緒に配合してはならない。
【0040】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキル(アルケニル)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(アルケニル)ジメチルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、エーテル基或いはエステル基或いはアミド基を含有するモノ或いはジアルキル(アルケニル)四級アンモニウム塩、アルキル(アルケニル)ピリジニウム塩、アルキル(アルケニル)ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(アルケニル)イソキノリニウム塩、ジアルキル(アルケニル)モルホニウム塩、ポリオキシエチレンアルキル(アルケニル)アミン、アルキル(アルケニル)アミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。これらのカチオン界面活性剤を配合すると、洗浄剤組成物に殺菌性を付与できるが、その配合量は洗浄剤組成物全量に対して0.01〜2質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい。0.01質量%未満になると殺菌剤として効果が出ない場合があり、2質量%超えるとガラスや磁器タイルに対する防汚効果が得られなくなる場合や製品安定性が悪くなる場合がある。
【0041】
アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシン又はその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤は、カチオン界面活性剤を配合しないときに洗浄力を上げるための洗浄剤として、洗浄剤組成物全量に対して0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜15質量%配合することができる。
【0042】
キレート剤としては、例えば、オルトリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン酸塩;ニトリロ三酢酸塩(NTA)、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸塩(DTPA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸塩(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、メチルグリシン二酢酸塩(MGDA)、グルタミン酸二酢酸塩(GLDA)、アスパラギン酸二酢酸塩(ASDA)、β-アラニン二酢酸塩(ADA)、セリン二酢酸(SDA)等のアミノポリ酢酸塩;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸や、グルコール酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸;ポリアクリル酸又はその塩、ポリフマル酸又はその塩、ポリマレイン酸又はその塩、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸又はその塩、ポリアセタールアクリル酸又はその塩等の高分子が挙げられる。これらのキレート剤は、洗浄剤組成物全量に対して0.1〜10質量%配合することが好ましい。
【0043】
有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、(モノ、ジ、トリ)エチレングリコール(モノ、ジ、トリ)プロピレングリコールモノメチルエーテル、(モノ、ジ、トリ)エチレングリコール(モノ、ジ、トリ)プロピレングリコールモノエチルエーテル、(モノ、ジ、トリ)エチレングリコール(モノ、ジ、トリ)プロピレングリコールモノプロピルエーテル、(モノ、ジ、トリ)エチレングリコール(モノ、ジ、トリ)プロピレングリコールモノブチルエーテル等の低級アルコールやグリコール化合物が挙げられる。これらの有機溶剤は、洗浄剤組成物全量に対して1〜10質量%配合することが好ましい。
【0044】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は洗浄箇所を選ばず、例えば、レンジ、流し、換気扇、調理台、調理機器、便器、便座、洗面台、鏡、浴槽、テーブル、椅子、床、窓及び壁等の硬質表面の洗浄に用いることができる。また、これらの硬質表面の材質についても種類を選ばず、例えば、ステンレス、銅、鉄等の金属、磁器、セラミック、ガラス、プラスチック等の材質を挙げることができる。これらの硬質表面に付着する汚れとしては、油汚れ、水垢、タンパク汚れ、無機物の汚れ等様々であり、いずれの汚れに対しても洗浄及び再付着防止効果があるが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は油汚れに対する洗浄及び再付着防止効果が高いことから、油で汚れる可能性の高いレンジ、流し、換気扇、調理台及び調理機器等の台所や、台所周りの壁、床及び窓等に用いることが好ましい。
【0045】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、公知の洗浄方法であればいずれの方法で使用してもよく、上記の好ましい配合割合で配合されている場合に好ましく使用することができる。また、上記の好ましい配合割合の範囲内であれば水で希釈して使用してもよい。使用方法としては、例えば、洗浄対象となる硬質表面に本発明の硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーで噴霧した後、布やスポンジで擦り洗いする方法や、布やスポンジに直接本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を染み込ませてから硬質表面を擦り洗いする方法等で汚れを除去し、その後水で洗浄剤と除去した汚れを洗い流すか、乾いた布等で拭き取ればよい。
【実施例】
【0046】
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。洗浄試験、防汚試験、安定性試験の3種類の試験方法およびその試験結果を下記に記す。
【0047】
(洗浄試験)
ステンレス板(10cm×5cm)の片面に大豆油が0.1±0.01gになるように均一に塗布し、170℃のオーブン内で30分焼き付けを行った。このステンレス板を、表1〜表3に記載の洗浄剤サンプルの入ったビーカー内に室温で10分間完全に浸漬した。浸漬後のテストピースをビーカーから取り出し、流水で軽く洗浄した後に乾燥させ、洗浄前後の重量変化より下記の式にて洗浄率を算出した。
洗浄率(%)={((大豆油を塗布して焼付けた後のステンレス板)−(洗浄後のステンレス板))/塗布した大豆油の実際の質量}×100
【0048】
(防汚試験)
ステンレス板、陶磁器製タイル、ガラス板の3種類のテストピース(いずれも15cm×15cm)をそれぞれ、表1〜表3に記載の洗浄剤サンプルを十分に染み込ませたスポンジで、テストピースの片面全体を5往復擦り洗いし、流水で30秒間すすいだ後に乾燥させた。乾燥後のテストピースの洗浄面に、大豆油2mlをへらで均一に塗布し、その後流水で30秒間すすぎ、乾燥させた。この「大豆油塗布→すすぎ→乾燥」の工程を合計で2回行い、終了後のテストピースの表面状態を下記の指標に従って評価した。なお、表中の防汚試験1はステンレス板、防汚試験2は陶磁器製タイル、防汚試験3はガラス板での結果である。
A:汚れの付着が見当たらない。
B:汚れがテストピースの面積の1割未満だが、汚れは目視で確認できる。
C:汚れがテストピースの面積の1割〜5割に付着している。
D:汚れがテストピースの面積の5割より多く付着している。
【0049】
(安定性試験)
表1および表2に示した各組成物を密閉したガラス容器に入れ、40℃の恒温槽内に30日放置し、30日後の状態を下記の指標に従って目視で安定性を評価した。
A:安定性試験前と同じ状態(均一状態)
B:溶液が不均一
C:溶液が完全に分離
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3】

【0053】
(配合に使用した各成分の詳細)
非イオン(ノニオン)界面活性剤1:ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル
非イオン界面活性剤2:ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル
非イオン界面活性剤3:ポリオキシエチレン(7)ラウリルエーテル
非イオン界面活性剤4:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル
非イオン界面活性剤5:ポリオキシエチレン(13)ラウリルエーテル
非イオン界面活性剤6:ポリオキシエチレン(18)ラウリルエーテル
非イオン界面活性剤7:ポリオキシエチレン(9)オクチルエーテル
【0054】
両性界面活性剤1:ラウリン酸アミドプロピルベタイン
両性界面活性剤2:2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン
両性界面活性剤3:ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム
両性界面活性剤4:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン
両性界面活性剤5:ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン
両性界面活性剤6:ラウリルジメチルアミンオキサイド
両性界面活性剤7:ミリスチルジメチルアミンオキサイド
【0055】
ポリマー1:塩化ジアリルジメチルアンモニウム/アクリル酸(70/30(モル比))の重合体:重量平均分子量1200000
ポリマー2:塩化ジアリルジメチルアンモニウム/マレイン酸(60/40(モル比))の重合体:重量平均分子量1700000
ポリマー3:ジアリルモノメチルアミン/アクリル酸(70/30(モル比))の重合体:重量平均分子量800000
ポリマー4:塩化ジアリルジメチルアンモニウムの重合体:重量平均分子量40000
アルカリ剤1:水酸化ナトリウム
【0056】
アルカリ剤2:モノエタノールアミン
キレート剤1:EDTA(エチレンジアミン4酢酸)
カチオン界面活性剤1:塩化ベンザルコニウム
有機溶剤1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)酸性基及び/又はアニオン性基と、カチオン性基及び/又はアミノ基とを含有する両性ポリマー、(B)カルボン酸型両性界面活性剤、(C)ノニオン界面活性剤、(D)アルカリ剤および(E)水を含有し、(A)/(B)=1/0.2〜1/100(質量比)の割合であることを特徴とする硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(B)成分がアミドプロピルベタイン型またはアミノ酸型の両性界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記硬質表面が台所の硬質表面であることを特徴とする、請求項1または2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項4】
(C)成分が下記の一般式(1)で表されるノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
R−(OC−OH (1)
(式中、Rは炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜15の数を表す。)
【請求項5】
(A)成分が、下記の一般式(2)で表される酸性基及び/又はアニオン性基を含有するモノマー(a−1)、及び一般式(3)で表されるカチオン性基を含有するモノマー(a−2)又は一般式(4)で表されるアミノ基を含有するモノマー(a−3)を、(a−1)/(a−2)=50/50〜5/95(モル比)又は(a−1)/(a−3)=50/50〜5/95(モル比)の割合で反応させた両性ポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【化1】

(式中、R〜Rはそれぞれ独立して−COOH、−SOH、−PO、−CO−A−SOH、−CO−A’−POで表される酸性基、又はそのアンモニウム塩若しくはアルカリ金属塩からなるアニオン性基、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基から選択されるいずれかの基を表し、A及びA’はそれぞれ炭素数1〜3のアルキレン基を表す。但し、R〜Rのいずれか1つ以上は酸性基又はアニオン性基でなければならない。)
【化2】

(式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜8のアルキレン基、−COOR12−、−CONHR13−、−OCOR14、及び−R15OCOR16−から選択されるいずれかの基を表し、R12〜R16はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R、R10及びR11はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は−R−C(R)=CR1011を表し、Xは陰イオン基を表す。)
【化3】

(式中、R17は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R19は炭素数1〜8のアルキレン基、−COOR23−、−CONHR24−、−OCOR25、及び−R26OCOR27−から選択されるいずれかの基を表し、R23〜R27はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R20、R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R18は炭素数1〜3のアルキル基又は−R19−C(R20)=CR2122を表す。)
【請求項6】
(A)成分が0.01〜5質量%、(B)成分が0.01〜10質量%、(C)成分が0.1〜15質量%、(D)成分が0.1〜20質量%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2011−219652(P2011−219652A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91342(P2010−91342)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【出願人】(593085808)ADEKAクリーンエイド株式会社 (25)
【Fターム(参考)】