説明

硬質表面用液体洗浄剤組成物

【課題】油汚れ等に対して優れた洗浄力を有し、且つ優れた殺菌効力を示す硬質表面用液体洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(a)ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤0.01〜5質量%、(b)炭素数6〜16の炭化水素基を1つ又は2つ有する4級アンモニウム塩型の殺菌性を有するカチオン性界面活性剤、(c)下記一般式(c1)で表されるポリエーテル化合物の幹鎖に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を主体とするモノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合した高分子化合物、並びに水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物。Y−O(CH2CH2O)nH(c1)(式中、Yは水素原子、メチル基、フェニル基、又はベンジル基、nは平均付加モル数であり、2〜200の数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に硬質表面用の洗浄剤は、浴室、台所、床等の処理対象の異なる汚れを除去するため、それぞれに適した組成のものが用いられている。例えば、レンジ、オーブン、レンジまわりの壁や床、換気扇といった台所まわりに用いられる台所まわり用洗浄剤としては、熱、日光、空気中の酸素等の作用により変質した油汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤及びアルカリ剤等を含む洗浄剤が用いられている。また、浴槽、浴室の壁及び床といった浴室に用いられる浴室用洗浄剤としては、金属石鹸、特に脂肪酸のカルシウム塩の汚れを除去するため、界面活性剤、溶剤、金属イオン封鎖剤等を含む洗浄剤が用いられている。
【0003】
また、近年の衛生意識及び清潔志向の高まりから、洗浄剤を使用することによる除菌作用が強く望まれるようになっている。洗浄剤には元来、物理的に菌を洗浄除去するという効果はあるものの、表面の微細な傷などの凹凸面に付着した菌を物理的な力のみで除去するには限界がある。そこで、洗浄剤に殺菌剤を添加することが好ましい。この場合、殺菌剤として最も効果的な化合物はカチオン性界面活性剤である。カチオン性界面活性剤は抗菌スペクトルが広くかつ速効性があるため、衛生分野などで広く利用されている。ところが、カチオン性界面活性剤を洗浄成分であるカチオン性以外の界面活性剤と併用すると様々な不都合が生じる。例えば、アニオン性界面活性剤と組み合わせる場合にはカチオン性界面活性剤の殺菌効力が失活してしまう。このため、共界面活性剤としてノニオン性界面活性剤を多く使用しなければならず、そのことで泡質が変化してしまう。一方、ノニオン性界面活性剤や両性界面活性剤との組み合わせにおいて、カチオン性界面活性剤の殺菌効力は保持されることが多いが、カチオン性界面活性剤の影響で起泡力が損なわれてしまうため、それを補うために界面活性剤の総配合量が増え、経済的な不都合が生じるだけでなく、結果的に組成物の殺菌効力低下を引き起こす。
【0004】
一方、硬質表面用洗浄剤組成物にアニオン性ポリマーを配合する技術も知られている。特許文献1には、非イオン界面活性剤および水溶性の陰イオン性ポリマーを含有する組成物が開示されている。特許文献1では、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ無水マレイン酸由来のポリマーおよびそれらのコポリマーがノニオン性界面活性剤の洗浄性能に良い影響を示すことが述べられている。特許文献1における記載によれば、一般的なアルカリ性の硬質表面洗浄組成物にある種のポリマーを加えて、組成物を最初に表面で使用するときの第一の洗浄効果、あるいは表面の改良により汚れ付着を防止しまたは防止できない場合繰り返される洗浄を容易にする第二洗浄効果の一方が得られるようにすることは公知であるとされている。また、特許文献2には、非イオン界面活性剤、水溶性の陰イオンポリマーおよび陽イオン界面活性剤を含有する組成物が開示されている。特許文献2では、陽イオン界面活性剤を存在させることによって、ポリマーによる利益を失うことなく非イオン界面活性剤およびポリマー含有生成物のpHを高めることができたとされている(特許文献2の5頁19〜21行)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平8−510276号公報
【特許文献2】特表2001−514693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献に記載されたように、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸由来のポリマーおよびそれらのコポリマー、また上記カルボン酸モノマーとエチレン、スチレン、メチルビニルエーテルとのコポリマーのような一般的なポリカルボン酸と、殺菌性のあるカチオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を併用すると、再付着防止効果や易洗浄性については効果を発現しうる。ところが、上記組成物においては殺菌性能が不十分であり、特にポリマー量がカチオン性界面活性剤量に対して一定量比以上配合されるようになると、カチオン性界面活性剤濃度が低い場合の殺菌性能が、ポリマーのない場合よりも低下してしまう。
【0007】
本発明は、汚れの再付着防止性や易洗浄性を有し、かつカチオン性界面活性剤濃度が低い場合においても優れた殺菌性能を有する硬質表面用液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題に対し、本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のポリエーテル化合物を幹鎖として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を主体とする不飽和単量体をグラフト重合した特定構造の高分子化合物を用いることで、殺菌性を有するカチオン性界面活性剤濃度が低い場合にも優れた殺菌効果を示すことが見出された。
【0009】
本発明は、(a)ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤〔以下、(a)成分という〕0.01〜5質量%、(b)炭素数6〜16の炭化水素基を1つ又は2つ有する4級アンモニウム塩型の殺菌性を有するカチオン性界面活性剤〔以下、(b)成分という〕0.001〜2質量%、(c)下記一般式(c1)で表されるポリエーテル化合物の幹鎖に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を主体とするモノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合した高分子化合物〔以下、(c)成分という〕、並びに水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
Y−O(CH2CH2O)nH (c1)
(式中Yは水素原子、メチル基、フェニル基又はベンジル基、nは平均付加モル数であり、2〜200の数である。)
【0010】
また、本発明は、上記本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物からなる又は該組成物から調製した(b)の濃度が0.0001〜0.01質量%の殺菌洗浄液を、硬質表面に適用する、硬質表面の殺菌洗浄方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、高い殺菌効力を有するだけでなく、優れた洗浄力を有している。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、カチオン性界面活性剤濃度が低い状態で用いられた場合でも、洗浄性能は良好であり、且つ殺菌性能は従来のアニオン性ポリマーを用いた場合よりも格段に向上する。本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、種々の硬質表面に適用できるが、特に台所まわりの硬質表面に好適であるため、台所用液体洗浄剤組成物として適している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(a)成分として、ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤を含有する。
【0013】
ノニオン性界面活性剤としては特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル、アルキレンオキシド付加アルキル基又はアルケニル基含有ノニオン性界面活性剤混合物、蔗糖脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アミンオキサイド、酸化エチレン縮合型界面活性剤及びアルキル(ポリ)グリコシドの中から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。かかるノニオン性界面活性剤を更に具体的に示すと以下の(1)〜(11)を挙げることができる。
【0014】
(1)ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルであって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、エチレンオキサイド(以下EOと表記する)付加モル数が平均で1〜30モルであるもの。
【0015】
(2)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであって、アルキル基の平均炭素数が6〜12であり、エチレンオキサイド付加モル数が平均で1〜25モルであるもの。
【0016】
(3)ポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテルであって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、プロピレンオキサイド(以下POと表記する)付加モル数が平均で1〜20モルであるもの。
【0017】
(4)ポリオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテルであって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、ブチレンオキサイド付加モル数が平均で1〜20モルであるもの。
【0018】
(5)アルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(EO/POモル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)又はエチレンオキサイドとブチレンオキサイド(EO/POモル比:0.1/9.9〜9.9/0.1)が付加されてなるノニオン性界面活性剤混合物であって、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が10〜20であり、1分子当たりのアルキレンオキサイド付加モル数が平均で1〜30モルであるもの。
【0019】
(6)下記の一般式(a1−1)で表される高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物。
【0020】
【化1】

【0021】
(式中、R1aは炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2a、R3aは同一又は異なる水素原子又はCH3を示し、p は1〜3の数、q は0〜3の数を示す。)
【0022】
(7)蔗糖脂肪酸エステルであって、脂肪酸部分の平均炭素数が10〜20であるもの。
【0023】
(8)脂肪酸グリセリンモノエステルであって、脂肪酸部分の平均炭素数が10〜20であるもの。
【0024】
(9)アミンオキサイド。例えば炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミンオキサイドを挙げることができる。より好ましいアミンオキサイドとしては、下記の一般式(a1−2)で表されるアルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
【0025】
【化2】

【0026】
(式中、R4aは炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R5a及びR6aは同一又は異なる炭素数1〜3のアルキル基を示し、Dは−NHC(=O)−基又は−C(=O)NH−基を示し、Eは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、m及びnはm=0かつn=0又はm=1かつn=1を示す。)
上記一般式(a1−2)において、R4aは炭素数8〜24のアルキル基又はアルケニル基であるが、炭素数12〜18のアルキル基が好ましく、炭素数12〜14のアルキル基がより好ましく、炭素数12のアルキル基がさらに好ましい。R5a、R6aは炭素数1〜3のアルキル基であるが、特に炭素数1のメチル基が好ましい。
【0027】
(10)酸化エチレン及び酸化プロピレンを縮合して得られる「プルロニック」(旭電化(株))の商品名のノニオン性界面活性剤。
【0028】
(11)アルキル(ポリ)グリコシド。例えば、下記の一般式(a1−3)で表されるアルキル(ポリ)グリコシド。
7a(OR8a)xy (a1−3)
(式中、R7aは、直鎖又は分岐鎖の総炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示し、R8aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基を示し、x(平均値)は0〜5を示し、y(平均値)は1〜5を示す。)
【0029】
式中のxはその平均値が0〜5であるが、この値を変えることにより、洗浄剤組成物の水溶性及び結晶性を調整できる。つまり、xの値が大きいもの程、水溶性が高くなり、かつ結晶性が低くなる傾向にある。好ましいxの値は0〜2であり、特に好ましくは0である。
【0030】
式中のyは、その平均値が1より大きい場合、つまり2糖類以上の糖鎖を親水性基とする場合、糖鎖の結合様式が1−2、1−3、1−4、1−6結合のもの、更にα−、β−ピラノシド結合又はフラノシド結合及びこれらの混合された結合様式を有する任意の混合物を含むことが可能である。また、一般式(a1−3)中のyの平均値は1〜5、好ましくは1〜1.5、より好ましくは1.1〜1.4である。なお、yの測定値はプロトンNMR法によるものである。
【0031】
式中のR7aは、溶解性及び洗浄性の点から炭素数10〜14のアルキル基が好ましい。R8aは、水溶性の点から炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。
【0032】
式中のGは単糖類若しくは2糖類以上の原料によってその構造が決定されるが、このGの原料としては、単糖類ではグルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース及びこれらの混合物等を挙げることができ、2糖類以上ではマルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチビオース、ラクトース、スクロース、ニゲロース、ツラノース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース及びこれらの混合物等を挙げることができる。これらのうち、好ましい原料は、それらの入手容易性及びコストの点から、単糖類ではグルコース及びフルクトースであり、2糖類以上ではマルトース及びスクロースである。これらの中でも特に入手容易性の点からグルコースが好ましい。
【0033】
更に、次の一般式(a1−4)
【0034】
【化3】

【0035】
(式中、R9aは炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
【0036】
で表されるアルキルメチルグルカミド、ペンタエリスリトール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、ソルビトール・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、マンニトール・2−オクチルドデシルグリシジルエーテルの1モル付加体、メチルグルコシド・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、ジグリセリン・イソステアリルグリシジルエーテルの1モル付加体、フィタントリオール等の1分子中に少なくとも1個の長鎖分岐アルキル基又はアルケニル基及び少なくとも3個の水酸基を有するノニオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0037】
これらのノニオン性界面活性剤の中でも、アミンオキサイド及びアルキル(ポリ)グリコシドから選ばれるノニオン性界面活性剤が好ましく、アミンオキサイドがより好ましい。
【0038】
両性界面活性剤としては特に限定されないが、本発明においては下記の一般式(a2−1)、(a2−2)、(a2−3)及び(a2−4)で表されるベタインから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
【0039】
【化4】

【0040】
(式中、R10aは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R11a、R12aは同一又は異なって水酸基が置換していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を示し、R13aは炭素数7〜21の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Yは水素原子又は水酸基を示し、r、s、tは1〜3の数を示し、uは1〜5の数を示し、vは1以上の数を示し、w、xは、0≦w+x≦4である数を示す。)
【0041】
一般式(a2−1)中、R10aは洗浄力の点で炭素数8〜18の飽和アルキル基が好ましく、特に炭素数10〜16の飽和アルキル基が好ましい。同様の理由で、R11a、R12aはそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、rは1が好ましい。
【0042】
一般式(a2−2)中、R10aは洗浄力の点で炭素数8〜18の飽和アルキル基が好ましく、特に炭素数10〜16の飽和アルキル基が好ましい。同様の理由で、R11a、R12aはそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、sは1が好ましく、tは1が好ましい。
【0043】
一般式(a2−3)及び(a2−4)中、R13aは洗浄力の点で炭素数9〜15の飽和アルキル基が好ましい。同様の理由で、R11a、R12aはそれぞれメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、uは2又は3が好ましく、vは1が好ましく、wは1が好ましく、xは1が好ましい。これらの具体例として、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルスルホベタイン、アルキルアミドプロピル−N,N−ジメチル−プロピルスルホベタイン等を挙げることができる。これらの中でも、洗浄力、起泡力の点で、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、コカミドアミドプロピル−N,N−ジメチル酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピル−N,N−ジメチル−2−ヒドロキシプロピルベタイン等が好ましい。
【0044】
(a)成分としては、上記したものの中でも洗浄性の点からノニオン性界面活性剤が好ましい。また、(a)成分としてアミンオキサイドを含むことが好ましく、(a)成分中、アミンオキサイドの割合が95〜20質量%、更に90〜50質量%であることが好ましい。例えば、アミンオキサイドを過剰にしてアルキル(ポリ)グリコシドを併用すると、(a)成分の総量を低減しても十分な効果を奏することができる。アミンオキサイドとアルキル(ポリ)グリコシドとを併用する場合、アミンオキサイド/アルキル(ポリ)グリコシドの質量比は95/5〜20/80、更に95/5〜50/50が好ましい。(a)成分の含有量は、充分な洗浄力を付与し、使用後のすすぎによる洗浄成分の易除去性を考慮すると、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中において0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.2〜5質量%である。
【0045】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分として、炭素数6〜16の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基)を1つ又は2つ有する4級アンモニウム塩型の殺菌性を有するカチオン性界面活性剤を含有する。
【0046】
(b)成分としては、下記一般式(b1)で表される化合物及び一般式(b2)で表される化合物から選ばれるカチオン性界面活性剤、並びに、アルキルピリジニウム塩などが挙げられ、下記一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物から選ばれるカチオン性界面活性剤が好ましい。
【0047】
【化5】

【0048】
(式中、R1b及びR2bは同一又は異なって、各炭素数8〜16で合計炭素数16〜26の長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基又は長鎖ヒドロキシアルキル基を示し、R3b及びR4bは同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は平均付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Z-はハロゲン原子、又は炭素数1〜5のスルホン酸エステルもしくは硫酸エステルのアニオン残基を示す。)
【0049】
【化6】

【0050】
(式中、R5bは炭素数8〜16の炭化水素基又は
【0051】
【化7】

【0052】
で表わされる基を示し、Z-は前記と同じ意味を示す。)
【0053】
(b)成分の含有量は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中0.001〜2質量%であり、0.001〜1.5質量%、更に0.01〜1質量%が好ましい。
【0054】
また、本発明では、(a)成分と(b)成分の質量比は、洗浄性の観点から、(a)成分/(b)成分で0.1〜500、更に1〜100、更に1〜50、より更に5〜50であることが好ましい。
【0055】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(c)成分として、下記一般式(c1)で表されるポリエーテル化合物の幹鎖に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を主体とするモノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合した高分子化合物を含有する。
Y−O(CH2CH2O)nH (c1)
(式中Yは水素原子、メチル基、フェニル基又はベンジル基、nは平均付加モル数であり、2〜200の数である。)
【0056】
一般式(c1)中、本発明の効果を奏する観点から、Yはフェニル基が好ましく、また、nは5〜100が好ましく、10〜50がより好ましい。
【0057】
(c)成分は、アクリル酸及び/又はメタアクリル酸を必須にしたものにその他不飽和カルボン酸を加え、一般式(c1)のポリエーテル化合物にグラフト重合して得られるものである。すなわち、(c)成分はモノエチレン性不飽和単量体としてアクリル酸及び/又はメタクリル酸を含む。アクリル酸及び/又はメタアクリル酸以外に使用できるモノエチレン性不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等が挙げられる。重合開始剤としては、公知のラジカル開始剤を使用することができる。(c)成分としては、幹鎖である一般式(c1)のポリエーテル化合物に対して、アクリル酸及び/又はメタアクリル酸を含むモノエチレン性不飽和単量体を質量比(モノエチレン性不飽和単量体/ポリエーテル化合物の質量比)で少なくとも1/4以上の割合で反応させることによって得られるものが好ましく、上限は特に限定されないが、好ましくは4/4以下、より好ましくは3/4以下である。具体的な(c)成分の製造方法としては、窒素気流下で、90℃以上、好ましくは100〜200℃で一般式(c1)のポリエーテル化合物を攪拌しながら、モノエチレン性不飽和単量体と開始剤を別々に、且つゆっくりと滴下することによって、酸型の本発明の(c)成分を得ることができる。塩にする場合は、冷却後水酸化ナトリウム等のアルカリ剤で中和することによって、容易に得ることができ、また陰イオン界面活性剤と同じく、酸型のままで組成中に添加し、組成中で中和してもよい。
【0058】
(c)成分である高分子化合物の重量平均分子量は、本発明の効果を奏する観点から、好ましくは2,000〜200,000、より好ましくは5,000〜100,000であるのが好ましい。更に好ましくは8,000〜50,000である。この重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(以下「GPC」という)により測定されたものである。
【0059】
(c)成分の含有量は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中0.01〜10質量%が好ましく、更に0.02〜8質量%、より更に0.05〜5質量%が好ましい。
【0060】
また、本発明では、(b)成分と(c)成分の質量比は、洗浄性及び殺菌効力の観点から、(b)成分/(c)成分で0.01〜10、更に0.02〜2、より更に0.02〜0.5の範囲が好ましい。
【0061】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、洗浄力と殺菌効力を両立させるという格別顕著な効果が奏される。このような格別顕著な効果が発現される理由は定かではないが、以下の機構に基づくものと考えられる。(a)成分と(b)成分は混合ミセルを形成すると考えられるが、(b)成分における親水基部分のイオン性反発力の強さ、及び親水基部分の窒素に結合しているベンジル基や低級アルキル基による立体障害の大きさのため、ミセル構造が疎になる傾向になると考えられ、このことが洗浄力の低下をもたらすと考えられる。ところが、ポリアニオンである(c)成分を添加することで(b)成分同士のイオン性反発力が弱められるためにミセル構造が密になり、乳化分散性が増大し、洗浄力の向上につながると考えられる。ここで、(c)成分は一般的なポリアクリル酸やアクリル酸−マレイン酸コポリマーとは構造が異なり、ポリエーテル化合物の幹鎖が存在する。この幹鎖が存在することで(c)成分のカルボン酸部分と(b)成分のカチオン性部分との相互作用が強固になりすぎず適度に保たれるため、(b)成分の殺菌作用を維持できると考えられる。
【0062】
また、(c)成分はポリカルボン酸の一種であることから、一般的なポリアクリル酸等に関して上述の先行文献に記載されているように、再付着防止性や易洗浄性の効果を有しうると考えられる。(c)成分は期待通りに洗浄力の向上に寄与するが、その効果は一般的なポリアクリル酸等に比較するとより好ましい結果を与える。この理由は定かではないが、(c)成分の幹鎖が界面活性剤ミセル〔(a)成分と(b)成分の混合ミセル〕と相互作用することで、硬質表面や汚れに対して効率的に(a)成分、(b)成分の界面活性剤と(c)成分を集めるためではないかと考えられる。
【0063】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、(d)成分として、アルカノールアミンを含有することができる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられ、洗浄力の点から、モノエタノールアミンが好ましい。
【0064】
(d)成分の含有量は、充分な洗浄力を付与するため、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中において0.01〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜30質量%、更に好ましくは0.1〜20質量%、最も好ましくは0.3〜10質量%である。
【0065】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、(e)成分として、(a)成分以外の界面活性剤を配合することができる。(e)成分としては、特開平11−189796号公報に「(b)成分」として列挙されている化合物のうち、本発明の(a)成分に該当しないものを1種又は2種以上用いることができる。ただし、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物においては、殺菌効力と洗浄性能の観点から、炭素数8以上のアニオン性界面活性剤の含有量が1質量%以下、更に0.5質量%以下であることが好ましい。なお、(a)成分と(e)成分の合計量は、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物中、0.1〜5質量%、更に0.2〜3質量%が好ましい。また、この合計量には、(b)成分の量は含まないものとする。
【0066】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、(f)成分としてビルダー成分を配合することができる。ビルダー成分としては、下記に挙げる1種又は2種以上を用いることができる。
【0067】
(1)オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸等のリン酸系化合物のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0068】
(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0069】
(3)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0070】
(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0071】
(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0072】
(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0073】
(7)ゼオライトAに代表されるアルミノケイ酸のアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0074】
(8)アミノポリ(メチレンホスホン酸)及びそのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩、ポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)及びそのアルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩。
【0075】
これらの中でも、クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、ピロリン酸等の縮合リン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸等のアミノカルボン酸又はこれらの塩が好ましい。塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が好ましい。
【0076】
(f)成分の組成物中の含有量は、洗浄力の点から、0.01〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%である。
【0077】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物には、上記成分以外にも、本発明の目的を損なわない範囲の他の成分を配合することができる。例えば、エタノール、プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、アルキル基の炭素数が3〜8のアルキルモノグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(n=1〜5)フェニルエーテル(あるいはベンジルエーテル)等の溶剤、BHT等の酸化防止剤、防カビ・防菌剤、及び防腐剤を挙げることができる。なお、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物では、任意成分としてポリアクリル酸及びその塩、オレフィンと無水マレイン酸との共重合物及びその塩、その他、特開平7−292398号の段落0035〜0038に記載されたカルボン酸系ポリマーやスルホン酸系ポリマーなどの有機顔料のための分散剤を配合することができる。
【0078】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物においては、上記各成分とともに水を配合する。水の配合量は、合計で100質量%となるように調整する量である。つまり、組成物の残部は水である。また、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の25℃でのpHは、高い洗浄力を得るためにpH8以上が好ましく、より好ましくはpH10以上であり、また好ましくはpH14以下であり、より好ましくはpH13以下である。pHは、(株)堀場製作所製pHメータD−52S、pH電極6367−10Dを用いて測定したものである。
【0079】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、容器に充填した容器入り洗浄剤として用いることができる。審美的観点から透明又は半透明の容器に充填することが好ましい。容器は、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンから選ばれる1種以上から製造され得る。本発明でいう透明又は半透明とは、660nmの光透過率が10%以上を意味するが、本発明においては、容器の透明性を重視するという観点からは、前記光透過率が30%以上の容器が好ましく、60%以上の容器がより好ましい。光透過率は、島津製作所製のUV−2500PC型測定器を用い、660nmの波長の光透過率により求めることができる。透明又は半透明の容器は、液体洗浄剤組成物の収容部が透明又は半透明であればよく、他の部分は透明又は半透明でない部材からなるものであってもよい。
【0080】
本発明は、硬質表面を対象とした液体洗浄剤組成物に関するものであるが、ここで「硬質表面」とは、平面的であるか又は立体的であるかを問わず、一定の形状を保持しているものを意味するものであり、洗浄処理ができるものであれば、硬さの程度は限定されるものではない。この硬質表面としては、プラスチック、ゴム、金属、タイル、レンガ、コンクリート、セメント、ガラス、木等からなる床、階段、壁等の固定物のほか、それらからなる各種器械、器具、道具、家具、食器等の人が接触するもの全般を挙げることができる。
【0081】
よって、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、台所まわり用洗浄剤、浴室用洗浄剤、床用洗浄剤、食器用洗浄剤、全自動洗濯機洗濯槽の洗浄剤、排水パイプの洗浄剤、台所や洗面所の小物の洗浄剤等として適用することができるが、特に好ましくは台所まわり用洗浄剤として適用できる。
【0082】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、(b)成分の濃度が低濃度、例えば、0.0001〜0.01質量%でも優れた殺菌効果を得ることができる。(b)成分の含有量がこの範囲にある組成物はそのまま、(b)成分の含有量がこの範囲よりも多い組成物は水により希釈して用いることができる。よって、本発明により、本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物からなる又は該組成物から調製した(b)の濃度が0.0001〜0.01質量%の殺菌洗浄液を、硬質表面に適用する、硬質表面の殺菌洗浄方法が提供される。
【実施例】
【0083】
実施例1〜5、比較例1〜3
表1に示す各成分を用い、実施例、比較例の各硬質表面用液体洗浄剤組成物を得た。pH(25℃)は必要に応じ6N−水酸化ナトリウム水溶液又は6N−塩酸で調整した。各硬質表面用液体洗浄剤組成物を用い、下記の方法により、洗浄性能、殺菌効力の各試験を行った。結果を表1に示す。
【0084】
(洗浄性能)
(b)成分の濃度が0.001質量%となるように組成物をイオン交換水で希釈し、洗浄性能を評価した。菜種油0.01gをポリプロピレン板(70mm×20mm)にできるだけ均一に塗布してモデル汚染板を作成した。希釈した液体洗浄剤組成物約0.5gを、水平に固定したモデル汚染板に滴下し、脱脂綿で洗浄液を全面に馴染ませた後、流水ですすいだ。この操作をモデル汚染板10枚について行い、油の残留によって表面にヌルつき感を感じる板の枚数により、下記基準によって評価した。
4:ヌルつき感を感じる板が2枚以下
3:ヌルつき感を感じる板が3〜4枚
2:ヌルつき感を感じる板が5〜6枚
1:ヌルつき感を感じる板が7枚以上
【0085】
(殺菌効力)
(b)成分の濃度が0.001質量%となるように組成物をイオン交換水で希釈し、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する殺菌効力を調べた。具体的方法としては、日本石鹸洗剤工業会が管轄する洗剤・石けん公正取引協議会の定める「住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法(平成19年7月31日改正)」に従って試験を行い、除菌活性の値によって下記基準を設け、評価した。
4:除菌活性3.0以上
3:除菌活性2.5以上3.0未満
2:除菌活性2.0以上2.5未満
1:除菌活性2.0未満
【0086】
【表1】

【0087】
*1 アンヒトール20N、花王株式会社製
*2 マイドール12、花王株式会社製
*3 アンヒトール20AB、花王株式会社製
*4 サニゾールC、花王株式会社製
*5 コータミンD10E、花王株式会社製
*6 下記合成例の方法で合成した高分子化合物
<合成例>
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量1500のフェノキシポリエチレングリコール100質量部、マレイン酸5質量部を仕込んで、窒素気流下、加熱して溶解させ、撹拌下150℃まで昇温した。次に、温度を150〜151℃に保ちながら、アクリル酸30質量部、ジ−t−ブチルパーオキシド4.5質量部を別々に、1時間にわたって連続的に滴下し、その後40分間撹拌を続けた。冷却後、純水135質量部を加え、高分子化合物1を得た。
*7 アクアリックDL−100、株式会社日本触媒製(平均分子量5000)
*8 6N−水酸化ナトリウム水溶液又は6N−塩酸であり、適量は、表中のpHとなるための量である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤0.01〜5質量%、(b)炭素数6〜16の炭化水素基を1つ又は2つ有する4級アンモニウム塩型の殺菌性を有するカチオン性界面活性剤0.001〜2質量%、(c)下記一般式(c1)で表されるポリエーテル化合物の幹鎖に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を主体とするモノエチレン性不飽和単量体をグラフト重合した高分子化合物、並びに水を含有する、硬質表面用液体洗浄剤組成物。
Y−O(CH2CH2O)nH (c1)
(式中Yは水素原子、メチル基、フェニル基又はベンジル基、nは平均付加モル数であり、2〜200の数である。)
【請求項2】
(a)が、アミンオキサイド及びアルキル(ポリ)グリコシドから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(b)が、下記一般式(b1)で表される化合物及び一般式(b2)で表される化合物から選ばれるカチオン性界面活性剤である、請求項1又は2に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【化1】


(式中、R1b及びR2bは同一又は異なって、各炭素数8〜16で合計炭素数16〜26の長鎖アルキル基、長鎖アルケニル基又は長鎖ヒドロキシアルキル基を示し、R3b及びR4bは同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又は平均付加モル数10以下のポリオキシエチレン基を示し、Z-はハロゲン原子、又は炭素数1〜5のスルホン酸エステルもしくは硫酸エステルのアニオン残基を示す。)
【化2】


(式中、R5bは炭素数8〜16の炭化水素基又は
【化3】


で表わされる基を示し、Z-は前記と同じ意味を示す。)
【請求項4】
(a)/(b)の質量比が0.1〜500である、請求項1〜3の何れか1項記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(b)/(c)の質量比が0.01〜5である、請求項1〜4の何れか1項記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物からなる又は該組成物から調製した(b)の濃度が0.0001〜0.01質量%の殺菌洗浄液を、硬質表面に適用する、硬質表面の殺菌洗浄方法。

【公開番号】特開2010−168428(P2010−168428A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10147(P2009−10147)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】