説明

硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法とその装置

【課題】硼酸及びヨウ化アルカリ金属塩を含む溶液を使用する加工処理工程から排出される、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含有する排液に含まれる硼酸とヨウ化アルカリ金属塩を、高純度で効率的に回収する方法を提供する。
【解決手段】硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液を、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、前記排液を通液した前記分離塔に溶離液を通液し、前記硼酸塩を主として含む流出分と前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とに分離するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液から硼酸とヨウ化アルカリ金属塩を高純度で回収する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の製品の製造工程から排出される排水中に含まれる硼素化合物、ヨウ素化合物等は、所定のイオン交換樹脂を用いて排水から分離されている。
例えば、ヨウ素化合物については、特許文献1に、廃棄物を還元性雰囲気下でガス化改質処理する際にガス処理系で発生する塩水中に含まれるヨウ素をヨウ素イオンの状態に保持した状態で、塩水を陰イオン交換樹脂と接触させることにより塩水中のヨウ素イオンをイオン交換樹脂により除去する方法が記載されている。
また、硼素化合物については、特許文献2に、鉄等の多価金属が併存する硼素含有排水を処理し、硼素を吸着した硼素選択性樹脂から、吸着した硼素を鉱酸溶液により溶離させて得た溶離液を、遊離塩基形弱塩基性陰イオン交換樹脂層に通液し、硼素溶液と鉱酸溶液に分画して硼素溶液を回収する方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−305265号公報
【特許文献2】特開2006−326488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶表示装置に使用されている偏光フィルムは、一般にポリビニルアルコール(以下、PVA)を使用する偏光層の両面または片面に保護フィルムを貼り合わせている。偏光層用の偏光膜は、PVAフィルムを一軸延伸し、ヨウ素−ヨウ化カリウム等で染色し、さらにホウ素化合物で架橋することにより形成される。
このようなPVAを使用する偏光フィルムの製造工程から排出される排水には、硼酸カリウム及びヨウ化カリウムが含まれる。
【0005】
この排液中に含まれるヨウ化カリウムは、比較的に高額であるから、ブローアウト法、イオン交換樹脂法、活性炭法などにより、ヨウ素を回収し、再利用することが行われているが、硼素成分は、比較的に低額であるため、硼素成分の回収再利用は行われずに、硼素選択性樹脂を用いる回収方法等によって回収後、セメント等により固形化し破棄されることが多い。
ところが、硼素化合物は、人体への悪影響が懸念される物質であるから、系外に排出することは好ましいことではなく、硼素化合物の排出規制も年々厳しくなっている。
また、上述した処理方法では、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩のそれぞれの組成について吸着/溶離/精製工程が必要となる。また、吸着された各物質は、無機酸等により溶離/回収する必要があり、実用上の工程が煩雑である。
【0006】
そこで、この発明は、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含有する排液に含まれる硼酸とヨウ化アルカリ金属塩を、高純度で効率的に回収する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、硼酸及びヨウ化アルカリ金属塩を含む溶液を使用する加工処理工程から排出される、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液を、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、前記排液を通液した前記分離塔に溶離液を通液し、前記硼酸塩を主として含む流出分と前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とに分離するようにしたものである。
【0008】
そして、分離したヨウ化アルカリ金属塩を、前記加工処理工程又はヨウ素化合物供給メーカーに戻して再利用できるようにしたものである。
【0009】
また、この発明では、前記両性イオン交換樹脂によって分離した硼酸塩を主として含む流出分から、硼酸を次のようにして回収することもできる。
【0010】
両性イオン交換樹脂を充填した分離塔から流出する硼酸塩を主として含む流出分に、硫酸、塩酸等の鉱酸を加えて、硼酸塩を硼酸とアルカリ金属塩の混合溶液に変化させる硼酸化処理を行い、その後、硼酸とアルカリ金属塩の混合溶液を、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、その後溶離液を通液し、アルカリ金属塩を含む流出分と硼酸を含む流出分とに分離するようにしたものである。
【0011】
分離回収した硼酸溶液又は硼酸溶液から得られる粉末硼酸は、前記加工処理工程に戻して再利用することが好ましい。
【0012】
さらに、硼酸及びヨウ化アルカリ金属塩を含む溶液を使用する加工処理工程から排出される、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液に、硫酸、塩酸等の鉱酸を加えて、排液中の硼酸塩を硼酸とアルカリ金属塩に変化させる硼酸化処理を行った後、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、その後溶離液を通液し、アルカリ金属塩を含む流出分と、硼酸を含む流出分と、ヨウ化アルカリ金属塩を含む流出分とに分離するようにしてもよい。
分離した硼酸溶液又は硼酸溶液から得られる粉末硼酸、及びヨウ化アルカリ金属塩溶液は、前記加工処理工程に戻して再利用することが好ましい。
【0013】
前記両性イオン交換樹脂は、架橋共重合体に結合した下記(1)式で示されるイオン交換基を有するものを使用することができる。
【化1】

(式(1)において、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表し、m及びnは各々独立に1〜4の整数を表す。)
【0014】
前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む前記流出分中の当該ヨウ化アルカリ金属塩の濃度が10(mS/cm)以下の当該流出分の一部を回収し、前記溶離液として循環使用するようにしてもよい。
【0015】
前記分離塔から流出する前記流出分の通液倍量(BV)が2.5〜4の範囲の当該流出分を回収し、前記溶離液として循環使用するようにしてもよい。
【0016】
前記硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液としては、ポリビニルアルコールフィルムを含む光学フィルムの製造工程から排出される濃縮排水がある。
【0017】
次に、この発明では、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排水と溶離液とを貯留する供給系と、前記排水中に含まれる前記硼酸塩及び前記ヨウ化アルカリ金属塩を、前記溶離液を流下させて分離する両性イオン交換樹脂を充填した分離塔を有する分離系と、前記分離系により分離された前記硼酸塩を主として含む流出分と前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とを貯留する回収系と、を備えることを特徴とする分離装置を採用することができる。
【0018】
前記分離系は、前記分離塔の排出側から流出する前記流出分の通液倍量(BV)と硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度を検出する検出器を有することが好ましい。
【0019】
前記供給系は、前記分離塔から流出する前記流出分の一部を前記溶離液と共に循環使用するために回収貯留する溶離液回収貯槽をさらに有することが好ましい。
【0020】
前記分離塔は、スチレン及びジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体に下記(1)式で示されるイオン交換基が結合した前記両性イオン交換樹脂からなるクロマトグラム分離充填層を有することが好ましい。
【0021】
【化2】

(式(1)において、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表し、m及びnは各々独立に1〜4の整数を表す。)
【発明の効果】
【0022】
この発明は、以上のように、両性イオン交換樹脂を使用して、液晶表示装置に使用されている偏光フィルムを製造する際に、排出される硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液から硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を効率良く分離でき、回収した硼酸とヨウ化アルカリ金属塩を再利用することができるので、加工処理工程の系外への硼酸化合物の排出がなく、環境保全効果が高く、資源の有効利用を図ることができる。また、流出分の後半部分を溶離液と共に、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用することにより、溶離液の使用量を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、この発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面はこの実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0024】
図1は、この実施の形態が適用される硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の分離装置(以下、単に「分離装置A」と記す。)の一例を説明するフローシートである。図1に示すように、分離装置Aは、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液を貯留する供給系Iと、両性イオン交換樹脂を用いて水溶液中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を分離する分離系IIと、分離された硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩をそれぞれ回収し貯留する回収系IIIとから構成されている。また、各部の動作を制御する制御部9を有している。
ここで、両性イオン交換樹脂は、所定の樹脂母体に結合した陰イオン交換基と陽イオン交換基とが内部塩を形成しているものが挙げられる。
【0025】
供給系Iは、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液を貯留する原液貯槽1と、分離系IIに送液される溶離液を貯留する溶離液貯槽2とを有する。また、分離系IIから流出する流出分の一部を回収するための溶離液回収貯槽3を有している。さらに、原液貯槽1の排出側に設けた排出バルブ11と、溶離液貯槽2の排出側に設けた排出バルブ21と、溶離液回収貯槽3の排出側に設けた排出バルブ32とを有する。
【0026】
分離系IIは、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔5と、分離塔5に原液貯槽1内の原液を送液するための送液ポンプ4とを有する。また、分離塔5の排出側の配管5bには、分離塔5の排出側から流出する流出分中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度と、流出量を測定するための検出器6を備えている。さらに、分離された硼酸塩を主として含む流出分を回収系IIIに送液する配管7aに設けられたバルブ71と、分離されたヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分を回収系IIIに送液する配管8aに設けられたバルブ81と、流出分の一部を溶離液回収貯槽3に送液する配管3aに設けられたバルブ31とを有する。
【0027】
回収系IIIは、分離塔5により分離された硼酸塩を主として含む流出分を回収貯留する硼酸塩回収貯槽7と、ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分を回収貯留するヨウ化アルカリ金属塩回収貯槽8とを有している。また、硼酸塩回収貯槽7の排出側に設けた排出バルブ72と、ヨウ化アルカリ金属塩回収貯槽8の排出側に設けた排出バルブ82とを有する。
【0028】
制御部9は、分離塔5からの流出分中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度と、流出量に基づき、送液ポンプ4、バルブ11,21,31,71,81の動作を制御する。
【0029】
図1に示すように、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液は、原液供給配管1aを介して供給系Iの原液貯槽1に供給される。尚、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液としては、例えば、PVAを使用する偏光板の製造工程から排出される排水等が挙げられる。この実施の形態では、硼酸塩濃度が約3%、ヨウ化アルカリ金属塩濃度が約10%程度の偏光板の製造工程から排出される濃縮排水が使用される。
尚、偏光板の製造工程から排出される濃縮排水中には、無機物成分として硼素やヨウ素の無機化合物が、水素イオン、カリウムイオン、硼酸イオン、ヨウ化物イオン、次亜ヨウ素酸イオン等の無機イオンに解離していると考えられる。
【0030】
硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液を分離塔5に通液する通液量は、水溶液中に含まれる硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度により適宜選択され特に限定されない。この実施の形態では、通常、分離塔5に通液する1回の通液量は、分離塔5に充填した両性イオン交換樹脂の容積の0.1BV〜1.0BV、好ましくは、0.4BV〜0.6BVの範囲から選択される。ここで、BVは通液倍量(BV:BED VOLUME)である。
また、通液速度は、通常、空間速度(SV)が1/時〜5/時であり、通液温度は、通常10℃〜80℃、好ましくは20℃〜40℃である。ここで空間速度(SV)は、1時間当たりの通液倍量(BV)である。
【0031】
溶離液は、溶離液供給配管2aを介して供給系Iの溶離液貯槽2に供給される。溶離液としては、軟水または脱塩水が挙げられる。ここで、軟水は、通常、ナトリウム形カチオン交換樹脂等によりカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを低減した水として得られる。また、脱塩水は、水素形強酸性陽イオン交換樹脂と水酸形弱塩基性陰イオン交換樹脂とにより無機酸塩類を除去した水として得られるものである。溶離液は、通常、1μm程度のフィルムでろ過した後に使用される。
【0032】
この実施の形態では、溶離液として脱塩水を使用する。また、溶離液の通液量、通液速度及び通液温度は、前述した硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液の場合と同様な条件であることが好ましい。
【0033】
さらに、この実施の形態では、水溶液中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を分離した後、続いて分離塔5の排出側から流出する流出分の後半部分を回収し、次サイクルの溶離液として使用することが好ましい。具体的には、所定の通液倍量(BV)の範囲の流出分を配管3aを介して溶離液回収貯槽3に回収し、溶離液貯槽2中の溶離液と共に、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用する。これにより、水溶液中に含まれる各イオンを分離するために必要な溶離液の使用量を大幅に削減することができる。
回収する流出分の通液倍量(BV)の範囲は、検出器6により検出された分離塔5の排出側から流出する流出分中のヨウ化アルカリ金属塩の濃度により適宜決定される。この実施の形態では、通常、通液倍量(BV)2.5〜4の範囲が好ましい。また、回収する流出分中のヨウ化アルカリ金属塩の濃度は、電気伝導度(EC)の測定値範囲で、通常、10(mS/cm)以下であることが好ましい。
【0034】
分離塔5に充填する両性イオン交換樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン系またはアクリル系の架橋共重合体からなる樹脂母体に下記式(1)で示されるイオン交換基が直接結合した樹脂が挙げられる。
【0035】
【化3】

【0036】
ここで、式(1)において、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表し、m及びnは各々独立に1〜4の整数を表す。この実施の形態では、R1及びR2は各々メチル基、m及びnは各々1であることが好ましい。
【0037】
式(1)で示されるイオン交換基を有する両性イオン交換樹脂は、例えば、特公昭60−45942号公報に記載されている方法に従い、スチレン系の架橋共重合体にハロメチル基等のハロアルキル基を導入し、次いで、N,N−ジメチルグリシンの酸無水物、酸アマイド、酸ハロゲン化物、低級アルキルエステル等のN−置換−アミノ酸の酸誘導体を反応させた後、加水分解する方法及びこれに準ずる方法により製造される。
【0038】
スチレン系の架橋共重合体としては、スチレン及びジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体が好ましい。このような架橋共重合体は公知の方法によって、例えば、スチレン及びこれに対しジビニルベンゼン2〜16重量%、好ましくは3〜8重量%を主成分とするモノマー混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下重合することにより得られる。重合方法は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合その他任意の重合法が挙げられ、通常、懸濁重合により粒状の樹脂を得ることが好ましい。
また、モノマー混合物には、ビニルトルエン、エチルスチレンなどのモノビニル化合物;トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン等のポリビニル化合物が含まれていてもよい。また重合時に、多孔質化剤を使用して得られる多孔性の架橋共重合体も使用することができる。
【0039】
また、他の内部塩を形成している両性イオン交換樹脂としては、一般に、スネイクケイジ型と呼ばれている樹脂が挙げられる。ここで、スネイクケイジ型樹脂とは、スチレン系またはアクリル系の強塩基性陰イオン交換樹脂にアクリル酸を含浸し、重合させて得られる複合体である。スネイクケイジ型の両性イオン交換樹脂としては、例えば、リターデイオン11A−8(ダウケミカル株式会社製)、ダイヤイオンSR−1(三菱化学株式会社製)等の名称で市販されている。
【0040】
上述した式(1)のイオン交換基を有する両性イオン交換樹脂は、樹脂中の陰イオン交換基と陽イオン交換基との数が同じで互いに会合して内部塩を形成して、過剰の陰イオン交換基または陽イオン交換基が存在しない。このため、分離能が高く、溶離流出液のpHが一定であるという利点がある。また、スネイクケイジ型樹脂は長期に使用すると強塩基性樹脂からポリアクリル酸が脱離する場合があるが、式(1)のイオン交換基を有する両性イオン交換樹脂は長期間安定に使用できる等、種々の利点を有している。
【0041】
この実施の形態で使用する両性イオン交換樹脂は球状樹脂であることが好ましい。また、その粒径は、通常、100μm〜1200μm、好ましくは、150μm〜350μmである。
両性イオン交換樹脂の内部塩を形成する交換容量は、通常、1.0meq/g樹脂〜6.0meq/g樹脂、好ましくは2.0meq/g樹脂〜4.5meq/g樹脂である。また、両性イオン交換樹脂の水分は、通常、20重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜60重量%である。
【0042】
両性イオン交換樹脂の樹脂母体としての網目構造は、ゲル型、ポーラス型またはハイポーラス型のいずれでも良い。スチレン及びジビニルベンゼンの架橋共重合体を樹脂母体とする場合は、ジビニルベンゼン重量%が2%〜16%、好ましくは3%〜8%である。
分離塔5に充填する両性イオン交換樹脂の層高は、両性イオン交換樹脂の種類、処理する水溶液中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度によって適宜選択され、特に限定されないが、通常1m〜4m程度が良い。
【0043】
このような両性イオン交換樹脂は、同一樹脂内の陽イオン交換基と陰イオン交換基とによって内部塩を形成し、イオン排除とは反対に電解質を非電解質よりも強く吸着する性質を有し、電解質と非電解質とを分離し得る性質を有する。両性イオン交換樹脂を使用し、水で溶離展開を行うと、吸着力が強い電解質は、非電解質よりも遅れて溶離される(イオン・リターデション)。この実施の形態では、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液を両性イオン交換樹脂によって処理すると、硼酸塩に富む画分とヨウ化アルカリ金属塩に富む画分とに分離される。すなわち、ヨウ化アルカリ金属塩は両性イオン交換樹脂に吸着され、水によって溶離させることができる。
【0044】
次に、図1に示す分離装置Aの作用について説明する。
図1に示す分離装置Aにおいて、原液貯槽1中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液は、送液ポンプ4の駆動により配管5aを介して両性イオン交換樹脂を充填した分離塔5に送液される。次に、溶離液貯槽2に供給された溶離液が同様に分離塔5内に送液され、両性イオン交換樹脂を充填して形成したクロマトグラム分離充填槽により、硼酸塩とヨウ化アルカリ金属塩とが順番に分離される。
具体的には、分離塔5の排出側の配管5bに設けられた検出器6の検出結果に基づき、所定の通液倍量(BV)の範囲で先に流出する硼酸塩を配管7aを介して硼酸塩回収貯槽7に回収する。続いて、所定の通液倍量(BV)の範囲で後に流出するヨウ化アルカリ金属塩を配管8aを介してヨウ化アルカリ金属塩回収貯槽8に回収する。このとき、検出器6により、通液倍量(BV)または溶離液中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩濃度を検出することが好ましい。
【0045】
続いて、水溶液中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を分離回収した後、所定の通液倍量(BV)の範囲の流出分を配管3aを介して溶離液回収貯槽3に回収し、溶離液貯槽2中の溶離液と共に、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用する。
このような操作が繰り返し行われる。即ち、分離塔5のクロマトグラム分離充填層に硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む水溶液と溶離液とを交互に通液し、硼酸塩を主として含む流出分とヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とに分離して回収する。尚、分離装置Aの各部分の動作は、制御部9により制御される。
【0046】
図2は、制御部9における分離装置Aの制御ステップを説明するフローチャートである。分離装置Aの各部の符号は、図1に示すものを使用する。
初めに、バルブ11が開けられ送液ポンプ4が駆動して原液貯槽1中の水溶液が分離塔5に形成したクロマトグラム分離充填層に通液される(ステップ101)。分離塔5には所定量の水溶液が塔頂から通液される(ステップ102)。本実施の形態では、通常150mlが通液される。
【0047】
所定量の水溶液が通液されると、バルブ11が閉じられ、バルブ21が開けられて溶離液貯槽2中の溶離液が、同様に分離塔5中のクロマトグラム分離充填層に通液される(ステップ103)。続いて、分離塔5の排出側に設けた検出器6により、分離塔5から流出する流出分が、硼酸液が流出される通液倍量(BV1)に達したことが検出される(ステップ104)。
【0048】
分離塔5からの流出分が通液倍量(BV1)に達すると、バルブ71が開けられ、配管7aを介して硼酸塩を主として含む流出分(硼酸塩)が硼酸塩回収貯槽7に分離回収される(ステップ105)。硼酸塩を主として含む流出分の分離回収は、分離塔5から流出する流出分が所定の通液倍量(BV2)に達するまで行われる(ステップ106)。
【0049】
分離塔5からの流出分が通液倍量(BV2)に達すると、バルブ71が閉じられると共にバルブ81が開けられ、配管8aを介してヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分(ヨウ素塩)がヨウ化アルカリ金属塩回収貯槽8に分離回収される(ステップ107)。ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分の分離回収は、分離塔5から流出する流出分が所定の通液倍量(BV3)に達するまで行われる(ステップ108)。
【0050】
分離塔5からの流出分が通液倍量(BV3)に達すると、バルブ81が閉じられると共にバルブ31が開けられ、配管3aを介して分離塔5から流出する流出分の後半部分が溶離液回収貯槽3に回収される(ステップ109)。回収された流出分の後半部分は、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用される。流出分の後半部分の回収は、所定の通液倍量(BV)に達するまで行われる。尚、検出器6の検出結果に基づく各制御は、所定の通液倍量(BV)に代えて流出分中のヨウ化アルカリ金属塩の濃度に基づき行われてもよい。
上述した操作が繰り返し行われ、分離塔5のクロマトグラム分離充填層に水溶液と溶離液とが交互に通液され、硼酸塩を主として含む流出分とヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とに分離される。また、分離塔5から流出する流出分の後半部分は、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用される。
【0051】
次に、上記の実施形態は、硼酸及びヨウ化アルカリ金属塩を含む溶液を使用する加工処理工程から排出される、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液を、分離塔5に通液して、硼酸塩を主として含む流出分と前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とに分離するようにしたものであるが、分離塔5に硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液を通液する前工程として、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液に、硫酸、塩酸等の鉱酸を加えて、排液中の硼酸塩を硼酸とアルカリ金属塩に変化させる硼酸化処理を行った後、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔5に通液し、その後溶離液を通液することにより、アルカリ金属塩を含む流出分と、硼酸を含む流出分と、ヨウ化アルカリ金属塩を含む流出分とに分離することができる。
【0052】
さらに、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔5から流出する硼酸塩を主として含む流出分に、硫酸、塩酸等の鉱酸を加えて、硼酸塩を硼酸とアルカリ金属塩の混合溶液に変化させる硼酸化処理を行い、その後、硼酸とアルカリ金属塩の混合溶液を、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、その後溶離液を通液し、アルカリ金属塩を含む流出分と硼酸を含む流出分とに分離することができる。
【実施例】
【0053】
以下、実施例及び比較例に基づきこの発明をより具体的に説明する。尚、この発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
図1に示した分離装置Aにより、偏光板の製造工程から排出される濃縮排水中に含まれる硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を分離した。分離塔5としては、内径20mmのジャケットカラム中に両性イオン交換樹脂(三菱化学株式会社製:ダイヤイオンAMP02)300mlを充填し、層高960mmのクロマトグラム分離充填層を形成したものを使用した。濃縮排水としては、硼素イオン濃度6.2g/l、ヨウ素イオン濃度65.6g/l、pH13.1であるものを使用した。
【0055】
先ず、濃縮排水150mlを分離塔5の塔頂から上記クロマトグラム分離充填層に下降流で通水した。通水の空間速度(SV)は2/時(通液量0.5倍容量/樹脂容量)であり、通水温度は25℃である。次に、脱塩水1050mlを濃縮排水と同様な条件で通水し、分離塔5の排出側に設けた検出器6により、流出分中の硼素イオンとヨウ素イオンとを測定した。図3に、流出分中の硼素イオン及びヨウ素イオンの各濃度と流出水量との関係を示す。図3中、横軸は脱塩水の通液倍量(BV:BED VOLUME)であり、縦軸は、流出分中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度(K,I,B濃度(g/L))である。
【0056】
図3に示す結果から、溶離液である脱塩水の通液倍量(BV)が、約0.4〜0.8程度の範囲で、硼酸塩が硼素イオン及びカリウムイオンとして分離され、続いて、脱塩水の通液倍量(BV)が、約1.0〜1.7程度の範囲で、ヨウ化アルカリ金属塩がヨウ素イオン及びカリウムイオンとして分離されることが分かる。
ここで、各組成の回収率は、脱塩水の通液倍量(BV)0.39〜0.86の範囲において、硼素イオンの回収濃度が2.3(g/L)(回収率96%)であり、ヨウ素(I)イオンの回収濃度が16.3(g/L)(回収率89%)である。ただし、ヨウ化カリウム(KI)としての回収濃度は21.3(g/L)である。
【0057】
(実施例2)
実施例1と同様な操作により、偏光板の製造工程から排出される濃縮排水中に含まれる硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を分離した。続いて、分離塔5の排出側から流出する流出分の通液倍量(BV)が2.5〜4の範囲を配管3aを介して溶離液回収貯槽3に回収し、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用した。さらに、この操作を10回(10サイクル)繰り返した。図4に、循環使用した溶離液による流出分中の硼素イオン及びヨウ素イオンの各濃度と流出水量との関係を示す。図4中、横軸は脱塩水の通液倍量(BV)であり、縦軸は、流出分中の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度(EC(mS/cm))である。尚、図4に示した流出曲線のサイクル数は、1(RUN−9−1),2(RUN−9−2),7(RUN−9−7),8(RUN−9−8),9(RUN−9−9),10(RUN−9−10)である。
【0058】
図4に示す結果から、通液倍量(BV)が2.5〜4の範囲を回収し、次のサイクルにおける溶離液の一部として循環使用した場合は、サイクル数(1〜10)を重ねても実施例1と同様に硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩が分離されることが分かる。このため、濃縮排水中に含まれる各イオンを分離するために必要な溶離液の使用量を大幅に削減することができた。
以上、両性イオン交換樹脂により、偏光板の製造工程から排出される排水中に含まれる硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の除去が可能であることが確認された。
【0059】
(硼酸の回収)
分離した硼酸塩を含む流出分から硼酸を回収するには、硼酸塩を含む分離液に硫酸を添加し、90℃で60分間攪拌した後、20℃まで冷却して結晶を析出させ、結晶をろ過して、60℃で乾燥させると、針状結晶物が得られた。この針状結晶物は、マンニトールを添加して中和滴定したところ、99.8%の硼酸であることが確認された。
【0060】
(ヨウ素の回収)
分離したヨウ化アルカリ金属塩、上記の実施例では、ヨウ化カリウムからヨウ素を分離回収する方法としては、ブローアウト法、イオン交換樹脂法、活性炭法などがあり、ブローアウト法により、ヨウ素を回収する方法について説明する。
ヨウ化カリウム液に塩素を吹き込み、ヨウ素イオンをすべて分子状ヨウ素として遊離させる。
2KI+Cl→I+2KCl
次いで、放散塔で反応液を分散硫化させ、向流の空気でストリッピングし分子状ヨウ素を追い出し、空気相に移送させる。
ヨウ素を含んだ空気は、重亜硫酸ソーダNaHSOと接触させてヨウ素をヨウ化水素に還元し、吸収塔で水に吸収させる。
+NaHSO+HO→2HI+NaHSO
吸収液に塩素を吹き込んでヨウ化水素を再びヨウ素に酸化し析出沈降させる。
2HI+Cl→I+2HCl
結晶化したヨウ素は上澄みを除き、加熱溶融後、フレーカー等により冷却・固化させフレーク状あるいはプリル状の製品とする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の実施の形態が適用される硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の分離装置の一例を説明するフローシートである。
【図2】制御部における分離装置の制御ステップを説明するフローチャートである。
【図3】実施例1における流出分中の硼素イオン及びヨウ素イオンの各濃度と流出水量との関係を示す図である。
【図4】実施例2における循環使用した溶離液による流出分中の硼素イオン及びヨウ素イオンの各濃度と流出水量との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1…原液貯槽、2…溶離液貯槽、3…溶離液回収貯槽、4…送液ポンプ、5…分離塔、6…検出器、7…硼酸塩回収貯槽、8…ヨウ化アルカリ金属塩回収貯槽、9…制御部、11,21,31,71,81…バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硼酸及びヨウ化アルカリ金属塩を含む溶液を使用する加工処理工程から排出される、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液を、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、前記排液を通液した前記分離塔に溶離液を通液し、前記硼酸塩を主として含む流出分と前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とに分離することを特徴とする硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項2】
分離したヨウ化アルカリ金属塩を、前記加工処理工程又はヨウ素化合物供給メーカーに戻して再利用することを特徴とする請求項1記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項3】
前記両性イオン交換樹脂を充填した分離塔から流出する硼酸塩を主として含む流出分に、硫酸、塩酸等の鉱酸を加えて、硼酸塩を硼酸とアルカリ金属塩の混合溶液に変化させる硼酸化処理を行い、その後、硼酸とアルカリ金属塩の混合溶液を、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、その後溶離液を通液し、アルカリ金属塩を含む流出分と硼酸を含む流出分とに分離することを特徴とする請求項1記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項4】
分離回収した硼酸溶液又は硼酸溶液から得られる粉末硼酸を、前記加工処理工程に戻して再利用することを特徴とする請求項3記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項5】
硼酸及びヨウ化アルカリ金属塩を含む溶液を使用する加工処理工程から排出される、硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液に、硫酸、塩酸等の鉱酸を加えて、排液中の硼酸塩を硼酸とアルカリ金属塩に変化させる硼酸化処理を行った後、両性イオン交換樹脂を充填した分離塔に通液し、その後溶離液を通液し、アルカリ金属塩を含む流出分と、硼酸を含む流出分と、ヨウ化アルカリ金属塩を含む流出分とに分離することを特徴とする硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項6】
分離した硼酸溶液又は硼酸溶液から得られる粉末硼酸、及びヨウ化アルカリ金属塩溶液を、前記加工処理工程に戻して再利用することを特徴とする請求項5記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項7】
前記両性イオン交換樹脂は、架橋共重合体に結合した下記(1)式で示されるイオン交換基を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【化1】

(式(1)において、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表し、m及びnは各々独立に1〜4の整数を表す。)
【請求項8】
前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む前記流出分中の当該ヨウ化アルカリ金属塩の濃度が10(mS/cm)以下の当該流出分の一部を回収し、前記溶離液として循環使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項9】
前記分離塔から流出する前記流出分の通液倍量(BV)が2.5〜4の範囲の当該流出分を回収し、前記溶離液として循環使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項10】
前記硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液は、ポリビニルアルコールフィルムを含む光学フィルムの製造工程から排出される濃縮排水であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排液の処理方法。
【請求項11】
硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩を含む排水と溶離液とを貯留する供給系と、前記排液中に含まれる前記硼酸塩及び前記ヨウ化アルカリ金属塩を、前記溶離液を流下させて分離する両性イオン交換樹脂を充填した分離塔を有する分離系と、前記分離系により分離された前記硼酸塩を主として含む流出分と前記ヨウ化アルカリ金属塩を主として含む流出分とを貯留する回収系と、を備えることを特徴とする分離装置。
【請求項12】
前記分離系は、前記分離塔の排出側から流出する前記流出分の通液倍量(BV)と硼酸塩及びヨウ化アルカリ金属塩の濃度を検出する検出器を有することを特徴とする請求項11に記載の分離装置。
【請求項13】
前記供給系は、前記分離塔から流出する前記流出分の一部を前記溶離液と共に循環使用するために回収貯留する溶離液回収貯槽をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の分離装置。
【請求項14】
前記分離塔は、スチレン及びジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体に下記(1)式で示されるイオン交換基が結合した前記両性イオン交換樹脂からなるクロマトグラム分離充填層を有することを特徴とする請求項11に記載の分離装置。
【化2】

(式(1)において、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜炭素数3のアルキル基を表し、m及びnは各々独立に1〜4の整数を表す。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−90256(P2009−90256A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265699(P2007−265699)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(594146179)株式会社新菱 (19)
【出願人】(000232863)日本錬水株式会社 (75)
【Fターム(参考)】