説明

確認された生理学的パラメータに基づいて患者が臨床事象または臨床的無症状事象を有する可能性を決定するデバイスおよび方法

標準的血管内超音波法(IVUS)を仮想組織構造(VH)と組み合わせて使用して確認された患者の生理学的パラメータを使用して、これらの生理学的パラメータは、患者生理機能が臨床事象または無症状臨床事象をもたらす危険が増加しているか否かを予測するために評価される。一実施形態では、以下の3つの生理学的パラメータ(プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAまたは複数のVH−TCFAの有無)が、標的値および範囲と比較される。標的範囲内にある生理学的パラメータに関する値の同時発生は、それぞれ、患者生理機能が臨床事象または無症状臨床事象をもたらす危険が増加していることを示す。他の実施形態では、前述に列挙された3つの生理学的パラメータのうちの任意の2つの組み合わせが、標的値および範囲と比較される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本願は、米国仮特許出願第61/246,043号(2009年9月25日出願)の米国特許法第119条第(e)項の優先権の利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に参照によって援用される。
【0002】
(1.発明の分野)
本発明は、アテローム性動脈硬化症を治療するための改良型デバイスおよび方法に関し、具体的には、アテローム性動脈硬化症に関連する確認された生理学的パラメータの評価に基づいて、患者に対する臨床転帰を予測するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の記載)
冠動脈疾患(「CAD」)は、最も一般的種類の心臓病であって、男性および女性ともに、米国における主要死亡原因である。CADは、プラークが冠動脈(酸素が豊富な血液を心臓に供給する動脈)内に蓄積する症状の発現である。プラークは、脂肪、コレステロール、カルシウム、および血液中に見られる他の物質から成り、動脈壁に炎症をもたらす。プラークが動脈内に蓄積すると、その症状は、アテローム性動脈硬化症と呼ばれる。プラークの蓄積は、動脈を狭窄させ、心筋への血流を減少させる。プラークは、動脈を狭窄させるため、また、血塊が動脈中に形成される可能性が高まる。これらの血塊は、部分的または完全に血流を遮断する可能性がある。
【0004】
また、冠動脈が狭窄または遮断されると、酸素が豊富な血液が、心筋に到達することができない。これは、狭心症と呼ばれる症状を引き起こし、さらには、心臓発作をもたらす可能性がある。狭心症は、十分な酸素が豊富な血液が心筋領域に流動していないときに生じる胸痛または不快感である。心臓発作は、心筋領域への血流が完全に遮断されるときに生じる。これは、酸素が豊富な血液が、心筋領域に到達することを妨害し、その結果、酸素欠乏心臓領域は死亡する。経時的に、CADは、心筋を弱らせ、心不全および不整脈につながる可能性がある。心不全は、心臓が弱まり、その結果、適切な量の血液を体内に送ることができない症状である。
【0005】
前述のように、アテローム性動脈硬化症は、プラークが動脈内に蓄積する症状である。動脈を狭窄させるだけではなく、アテローム性動脈硬化症は、慢性炎症性疾患でもある。本疾患は、血管、代謝、および免疫系に関与し、局所性および全身性として発現する。加えて、プラーク自体、その形態(プラークの組成物)に大きなばらつきがある。主なプラーク成分は、線維性、より高い脂質または脂肪含有量の繊維質、濃厚カルシウム、または壊死性コアとして特性化することができる。これらのプラーク成分のうちの2つ以上またはさらに全部を単一病変中にともに有するのが一般的である。
【0006】
冠動脈およびプラークの蓄積に関連するいくつかの生理学的および解剖学的パラメータが存在する。プラーク負荷は、これらの解剖学的パラメータのうちの1つである。プラーク負荷は、((血管面積−内腔面積)/血管面積)100として定義され、パーセンテージで表される。血管面積は、いかなるプラークの蓄積も考慮しない血管の断面積である。内腔面積は、内腔面積が血流のために利用可能な面積であるように、プラークの蓄積を考慮した血管の断面積である。例えば、血管面積が、5mmであって、3mmの内腔面積を生成するために十分なプラーク蓄積が存在する場合、結果として生じるプラーク負荷は、40%((5mm−3mm)/5mm100である。プラーク負荷に対する臨床的に有用な限界値は、約70%である。この「70%」という数字は、中等度病変を示す量として、当技術分野において認識されている。また、約55%のプラーク負荷は、有意でない病変の境界として、当該技術分野において認識されている。
【0007】
別の着目パラメータは、最小内腔面積「MLA」である。最小内腔面積は、本質的に、動脈の長さに沿った、着目面積内の最小内腔断面積である。着目面積は、典型的には、撮像される動脈の断面である。最小内腔面積に対する臨床的に有用な限界値は、約4mmである。約4mm以下の最小内腔面積は、小さく、故に、心筋への血流(酸素)を低減させる可能性があると見なされる。
【0008】
プラーク要素の特に危険な組み合わせは、薄被膜型線維粥腫(「TCFA」)として知られている。TCFAは、大きな壊死性コアを覆う線維性組織の薄被覆を有するプラーク病変である。壊死性コアと動脈の内腔との間の薄被膜である。TCFAが問題となるのは、薄い線維性被覆(「薄被膜」)が破裂すると、壊死性コアの下層材料が、下流へと移動し得る血流中に自由に排出され、動脈の狭窄区画または別のプラーク病変に付着し、血栓または血塊形成をもたらし、それによって、部分的または全体的に、動脈を流れる血流を閉塞させることである。狭小動脈内に狭窄が既に存在するとき、万が一、TCFAが破裂し、動脈中に壊死性コアが排出されると、望ましくない事象が発生する可能性がより高くなる。
【0009】
さらに、TCFAが破裂するとき、多くの場合、破裂部位自体に血栓の蓄積が存在する。この血栓の蓄積もまた、動脈の内腔を狭窄させる。これは、冠動脈の最小内腔面積を有意に狭窄またはさらに遮断し得る血栓の沈着が存在するように、特定の部位に一連のTCFA破裂が存在する場合、特に問題である。その結果、MLAが狭小である場合、TCFA破裂およびその場所における対応する血栓の蓄積は、望ましくない事象をもたらす可能性がより高い。
【0010】
前述のTCFAの定義は、病理学的な定義である。しかしながら、VH−IVUSの現在の分解能は、約200ミクロンであるので、この病理学的な定義は、VH−IVUS撮像に対して実践的ではない。TCFAは、通常、約65ミクロンの被膜厚を有するように病理的に定義されるので、この被膜厚は、現在のVH−IVUSによって検出可能ではないであろう。その結果、VH−TCFAは、壊死性コアがプラークの10%以上であって、動脈の長さに沿って、少なくとも3回連続のVH−IVUS画像に対して、壊死性コアの外観が、内腔の中心から30度の弧にわたって血管内腔と直接接触している線維粥腫として定義される。
【0011】
冠動脈の狭小またはさらに閉塞によって生じ得る望ましくない事象は、いわゆる臨床事象である。「臨床事象」は、患者の死亡、心臓発作を有する患者、あるいは3年以内に不安定狭心症または狭心症の悪化を有する患者として定義される可能性がある。その結果、治療または予防処置を予防的に投与し、臨床事象が生じることを防止するために、臨床事象をもたらす可能性がある生理機能を検出することが可能であることが、非常に望ましいであろう。
【0012】
生じ得る別の望ましくない事象は、いわゆる無症状臨床事象である。「無症状臨床事象」は、プラークが破裂するときに生じ得る。プラークが破裂すると、血栓(赤血球の沈着)が、典型的には、破裂部位の周囲およびその下流に生じる。破裂部位またはその下流における本血栓の蓄積は、血管内腔の狭窄をもたらす(すなわち、破裂部位近傍の最小内腔面積の縮小)が、臨床事象として発現する量ではない。この狭窄は、臨床的に検出できる態様で発現しないが(十分に大量の冠動脈内腔を遮断しないため)、この狭窄によって、この部位は、特に、付加的破裂、またはさらなる狭窄、あるいはさらに閉塞を受けやすくなる。その結果、無症状臨床事象は、臨床事象としての分類を是認することに十分に重症な症状ではないが、無症状臨床事象は、最終的に、臨床事象として発現する危険性が高い症状である。その結果、治療または予防処置を予防的に投与し、臨床事象が生じることを防止するために、同様に、無症状臨床事象をもたらす生理機能も検出可能であることが非常に望ましいであろう。
【0013】
血管内超音波法(「IVUS」)は、仮想組織学(「VH」)と呼ばれる技法と組み合わせて、特に、プラークの形態(すなわち、患者の体内のプラークの量および組成物)をインビボで認識することに成功している。IVUSとVHを併用して、プラークを検出および特性化するための以下のシステムは、発明者としてのD.Geoffrey Vince、Barry D.Kuban、およびAnuja Nairによる特許文献1(2001年3月13日発行、名称「VASCULAR PLAQUE CHARACTERIZATION」)、発明者としてのJon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、およびRaj Shekharによる特許文献2(2002年4月30日発行、名称「INTRAVASCULAR ULTRASONIC ANALYSIS USING ACTIVE CONTOUR METHOD AND SYSTEM」)、発明者としてのAnuja Nair、D.Geoffrey Vince、Jon D.Klingensmith、およびBarry D.Kubanによる特許文献3(2006年7月11日発行、名称「SYSTEM AND METHOD OF CHARACTERIZING VASCULAR TISSUE」)、発明者としてのD.Geoffrey Vince、Anuja Nair、およびJon D.Klingensmithによる特許文献4(2007年2月13日発行、名称「NON−INVASIVE TISSUE CHARACTERIZATION SYSTEM AND METHOD」)、発明者としてのJon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、およびD.Geoffrey Vinceによる特許文献5(2007年5月8日発行、名称「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」)、発明者としてのJon D.Klingensmith、D.Geoffrey Vince、Anuja Nair、およびBarry D.Kubanによる特許文献6(2008年4月15日発行、名称「SYSTEM AND METHOD FOR IDENTIFYING A VASCULAR BORDER」)、ならびに発明者としてのJon D.Klingensmith、Anuja Nair、Barry D.Kuban、およびD.Geoffrey Vinceによる特許文献7(2008年 12月9日発行、名称「SYSTEM AND METHOD FOR VASCULAR BORDER DETECTION」)に開示されており、その教示は、参照することによって全体として本明細書に組み込まれる。
【0014】
図1は、IVUSとVHと(いわゆる「VH−IVUS」)を使用する典型的な組織特性化システム10を例示する。典型的な組織特性化システム10では、血管内超音波(IVUS)コンソール110は、IVUSカテーテル120に電気的に接続され、血管からRF後方散乱データ(すなわち、IVUSデータ)を捕捉するために使用される。VH−IVUSコンソール110は、典型的には、データベース134と、データベース134に電気的に接続され、IVUSコンソール110から、または変換器122から直接、IVUSデータを受信するように適応される特性化アプリケーション132とを備えるコンピューティングデバイス130を含む。具体的には、変換器122は、カテーテル120の端部に取着され、患者の動脈を通して動脈に沿って着目点へと慎重に操作される。次いで、変換器は、血管対象の組織から反射された高周波音波エコーまたは後方散乱信号を捕捉するようにパルスが発せられる。異なる種類および密度の組織が、超音波パルスを異なるように吸収かつ反射させるため、反射されたデータ(すなわち、IVUSデータ)は、血管対象を撮像するために使用される。言い換えると、IVUSデータを使用して(例えば、IVUSコンソール110または別個のコンピューティングデバイス130によって)、IVUS画像を生成することができる。例示的IVUS画像20は、図2に示されており、明暗領域は、異なる組織の種類および/または密度を示す。本明細書に図示されるIVUSコンソール110は、任意の特定の種類のIVUSコンソールに限定されず、当業者に周知のあらゆる超音波デバイスを含むことを理解されたい(例えば、s5TMIVUS撮像システムと併用される、Revolution(登録商標)またはEagleEye(登録商標)IVUSカテーテル、それらはすべて、Volcano Corporation(SanDiego、California)から市販されている)。さらに、本明細書に図示されるIVUSカテーテル120は、任意の特定の種類のカテーテルに限定されず、当業者に周知のあらゆる超音波カテーテルを含むことを理解されたい。したがって、例えば、単一変換器(例えば、回転のために適応される)または変換器のアレイ(例えば、カテーテルの周囲に円周方向に、またはカテーテル120に沿って長手方向に位置付けられる)を有するカテーテルは、典型的な組織特性化システム10と併用することができる。
【0015】
本明細書に図示されるデータベース134は、概して、当業者に周知のRAM、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、光ディスク、リムーバブルディスク、SCSIディスク、IDEハードドライブ、テーブドライブ、およびあらゆる他の種類のデータ記憶デバイス(ならびに、RAIDデバイス等のそれらの組み合わせ)を含むが、それらに限定されないことを理解されたい。さらに、特性化アプリケーション132は、本明細書において図示および議論されるように、単一アプリケーションまたは複数アプリケーションとして存在し、ローカルおよび/または遠隔に記憶されてもよいことを理解されたい。また、図1に図示される構成要素の数および場所は、典型的組織特性化システム10を限定するものではなく、単に、典型的組織特性化システム10を例示するために提供されることを理解されたい。したがって、例えば、複数のデータベース134、または遠隔に位置する特性化アプリケーション132(部分的または全体的のいずれかとして)、あるいはこれらの任意の組み合わせを有するコンピューティングデバイス130もまた、典型的な組織特性化システム10において見出され得る。
【0016】
典型的な組織特性化システム10の一実施形態では、特性化アプリケーション132は、特性化データ(例えば、組織の種類等)を受信し、記憶するように適応される。特性化データは、以下のように、組織特性化システム10を使用する前に決定されている。試料血管対象が照合された(例えば、IVUSデータが収集された)後、組織構造的相関が調製される。言い換えると、試料血管対象は、組織構造に対して解離または切断される。特性化データを生成する方法の1つでは、断面は、組織構造が、IVUS画像の一部に対応し得るように、例えば、縫合糸によって前もってマークされている。次いで、断面は、当技術分野において周知の固定および染色プロセスによって調製される。染色プロセスによって、臨床医は、その中で見出される組織の種類または化学物質(例えば、特定の組織の種類に対応する化学物質等)を識別することが可能となる。次いで、識別された組織の種類または複数の種類は、以下に説明されるように、IVUSデータと相関される。
【0017】
前述の方法に加えて、当技術分野において理解されるように、断面対象を識別または特性化するために使用される、多くの方法が存在し得ることを理解されたい。したがって、概して、当業者に周知の任意の識別/特性化方法を使用して、組織を特性化してもよい。次いで、識別された組織の種類または特性化(すなわち、特性化データ)は、特性化アプリケーション132に提供される。一実施形態では、図1に示されるように、特性化データは、コンピューティングデバイス130に電気的に接続された入力デバイス140を介して提供される。次いで、特性化データは、好ましくは、データベース134に記憶される。本明細書に図示される入力デバイスは、概して、当業者に周知のキーボード、マウス、スキャナ、およびあらゆる他のデータ収集および/またはデータ入力デバイスを含むが、それらに限定されないことを理解されたい。さらに、用語「組織の種類または特性化」とは、これらの用語が本明細書で使用されるように、概して、当業者に周知の線維性組織、線維脂質性組織、石灰化壊死性組織、石灰化組織、コラーゲン組成物、コレステロール、血栓、組成物構造(例えば、内腔、血管壁、外膜内側境界等)、およびあらゆる他の識別可能特色を含むが、それらに限定されないことを理解されたい。
【0018】
組織を特性化する方法の1つでは、特性化アプリケーション132は、VH画像を生成するように適応され、具体的には、特性化された組織は、IVUS画像上のその対応する領域と関連付けられる。具体的には、デジタル化されたデータは、特性化アプリケーション132に提供され(例えば、IVUSカテーテル120を介して)、デジタル化されたデータは、患者の血管の生理機能に対応する。特性化アプリケーション132は、データベース134からのデータを使用して、IVUSカテーテル120からのデジタル化されたデータに対応する組織を特性化し、VH画像(すなわち、血管対象に実質的に対応するデジタル画像または輪郭であって、具体的組織の種類が識別される)を生成する。次いで、VH画像上の着目領域(ROI)は、オペレータによって識別することができる。好ましくは、ROIは、以前に提供されたように、特性化データによって特性化され、VH画像全体またはその一部であってもよい。次いで、特性化アプリケーション132は、IVUS画像上の対応する領域(例えば、x、y座標等)を識別するように適応され、対応する領域は、具体的に識別されてもよい(例えば、対応する領域を所定の色で着色することによって)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,200,268号明細書
【特許文献2】米国特許第6,381,350号明細書
【特許文献3】米国特許第7,074,188号明細書
【特許文献4】米国特許第7,175,597号明細書
【特許文献5】米国特許第7,215,802号明細書
【特許文献6】米国特許第7,359,554号明細書
【特許文献7】米国特許第7,463,759号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前述に照らして、患者の生理機能が患者に臨床事象または無症状臨床事象を経験させる可能性が高い状態にある指標によって、医療提供者に警告するための有効なデバイスおよび方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の実施形態によると、患者の生理学的パラメータは、標準的血管内超音波法(IVUS)を仮想組織構造(VH)と組み合わせて使用して確認され、次いで、これらの生理学的パラメータを評価し、人口全般と比較して、患者の生理機能が臨床事象または無症状臨床事象をもたらす臨床的に有意に危険が増加した状態にあるか否かを予測する。特に、一実施形態では、以下の3つの生理学的パラメータ(プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAまたは複数のVH−TCFAの有無)が、標的値および範囲と比較される。標的範囲内にある生理学的パラメータに関する値の同時発生は、それぞれ、人口全般より、患者の生理機能が臨床事象または無症状臨床事象をもたらす危険が増加した状態にあることを示す。他の実施形態では、前述に列挙された3つの生理学的パラメータのうちの任意の2つの組み合わせが、標的値および範囲と比較される。標的範囲内にある生理学的パラメータのうちの2つに関する値の同時発生は、患者の生理機能がまた、人口全般より臨床事象をもたらす危険が増加した状態にあることを示す。なおも他の実施形態では、前述に列挙された3つの生理学的パラメータのうちのいずれかが、標的値および範囲と比較される。標的範囲内にある生理学的パラメータの値のいずれかは、患者の生理機能が人口全般より臨床事象をもたらす危険が増加した状態にあることを示す。
【0022】
1つ以上の実施形態における本発明の目的は、患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にあるか否かを確認することである。
【0023】
1つ以上の実施形態における本発明の目的は、患者の生理機能が患者に無症状臨床事象を経験させる危険が増加した状態にあるか否かを確認することである。
【0024】
本発明は、特に図面を参照して、以下に詳細に説明される。本説明を通して、同様要素は、どの実施形態において説明される場合でも、言及され、同一参照番号によって参照される場合は常に、共通要素を指す。ある場所における特定の要素に帰する特色、属性、機能、相関は、具体的にそうでないことが言及されない限り、別の場所における同一参照番号によって参照されるとき、その要素にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、IVUSおよびVHを使用した典型的組織特性化システムの概略図である。
【図2】図2は、例示的IVUS画像である。
【図3】図3は、例示的VH画像である。
【図4】図4は、図1の組織特性化システムに適用される、本発明の実施形態の概略図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図6】図6は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件の同時発生を示す、図5のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図8】図8は、条件「無症状臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件の同時発生を示す、図7のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図10】図10は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件の同時発生を示す、図9のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図12】図12は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件の同時発生を示す、図11のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図13】図13は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図14】図14は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件の同時発生を示す、図13のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図15】図15は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図16】図16は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件を示す、図15のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図17】図17は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図18】図18は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件を示す、図17のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【図19】図19は、本発明の別の実施形態のアルゴリズムを示す、流れ図である。
【図20】図20は、条件「臨床事象の危険増加」をもたらすために必要とされる条件を示す、図19のアルゴリズムと関連付けられたベン図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照すると、臨床転帰予測デバイス(COPD)が、図に示され、概して、参照番号100によって参照される。COPD100は、前述のように、コンソール110と、IVUSカテーテル120と、データベース134と、データベース134に電気的に接続され、典型的には、コンピューティングデバイス130上で作動する特性化アプリケーション132とを備えるコンピューティングデバイス130とを含む、組織特性化システム10を含むか、またはその付属であってもよい。COPD100は、IVUSコンソール110、またはコンピューティングデバイス130、あるいは両方からのデータおよび情報を通信する、すなわち、送受信の両方を行うように適応される。COPD100は、好ましくは、コンピューティングデバイス130上で動作するが、また、別個に動作し、コンソール110、コンピューティングデバイス130、特性化アプリケーション132、またはデータベース134、あるいはこれらの任意の組み合わせに動作可能に接続されてもよい。
【0027】
COPD100は、患者の生理機能が、患者が人口全般と比較して、臨床事象または無症状臨床事象を有する危険が増加した状態にあるかことを示すか否かを決定するために使用される。危険の増加とは、危険率が2.0を超えることを意味する。危険率は、経時的に、別の群において生じる頻度と比較して、ある群における特定の事象が生じる頻度の評価基準である。ここでは、1の危険率は、2つの群間の臨床事象または無症状臨床事象の発生に差異がないことを意味する。2を超える危険率は、臨床事象または無症状臨床事象の発生が、群のうちの1つにおいて有意に可能性が高いことを意味する。ここでは、対照群は、人口全般であって、比較群は、以下に説明される各方法およびデバイスに帰する特定の生理機能を有する群である。危険率が高いほど、特定の生理機能を有する患者が、人口全般と比較して、臨床事象または無症状臨床事象を有する可能性が高い。
【0028】
組織特性化システム10は、当業者によって理解されるように、標準的プロセスおよびアルゴリズムに従って、患者の標的冠動脈のプラーク負荷、冠動脈の最小内腔面積、および冠動脈内のVH−TCFAの有無を確認するために使用される。そのデータは、以下に説明されるように、典型的には、使用されるデータベース134に記憶される。
【0029】
次いで、COPD100は、確認されたプラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無を評価し、患者の生理機能が臨床事象を有する危険が増加した状態にあるか否かを決定する。COPD100の好ましい実施形態では、COPD100は、コンピューティングデバイス130上で作動するソフトウェアアプリケーションである。
【0030】
この評価を行う方法の1つは、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを作動することによるものである。図5は、アルゴリズムの実施例を例示する、流れ図である。図5のステップ200では、プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無に関する値が、前述のように、組織特性化システム10の使用によって決定される。次いで、プログラムは、ステップ210に進み、プラーク負荷に関する確認された値は、プラーク負荷の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約70%乃至100%である。この範囲は、プラークが動脈の内腔を実質的に完全に閉塞するプラーク負荷を表す。確認されたプラーク負荷がこの範囲内にない場合、プログラムは、ステップ220に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にない、したがって、患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が低いことの決定が、医療提供者に通信される。
【0031】
確認されたプラーク負荷がこの標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ230に進み、確認された最小内腔着目面積は、所定または標的最小内腔面積と比較される。ステップ230における標的最小内腔面積は、約4mm以下である。本標的最小内腔面積は、着目動脈区画内の比較的に小さい開放内腔を表す。これらの冠動脈は、少なくとも、比較的に広いプラーク負荷が存在する地点に比較的に小さい最小内腔面積を有するので、壊死性コア、血栓、または冠動脈内腔を閉塞することが可能な他の材料の存在によって影響を受ける可能性が高い。比較的に大きい最小内腔面積を有する冠動脈は、これらの閉塞実体の存在によって臨床的に有意に閉塞される可能性が低い。確認された最小内腔面積がこの範囲内にない場合、プログラムは、ステップ220に進む。
【0032】
冠動脈の最小内腔面積が標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ240に進み、VH−TCFAの有無が決定される。組織特性化システム10によって確認されるように、VH−TCFAが存在しない場合、プログラムは、ステップ220に進む。VH−TCFAが存在する場合、プログラムは、ステップ250に進む。
【0033】
プログラムが、ステップ250に進むためには、全3つの確認された生理学的パラメータが、標的範囲内にある値を有している必要がある。これは、患者の生理学的条件が臨床事象として発現する危険が増加した状態にあることを示す。ステップ250は、適切な医療措置が講じられ得るように、本決定を医療提供者に通信する。
【0034】
同様に、前述のように、ステップ220は、任意の生理学的着目パラメータが標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が、その標的範囲内にあるこれらのパラメータの同時発生がもたらす臨床事象として発現する危険が増加した状態にないことを示す。その結果、本情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0035】
前述のアルゴリズムでは、プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無を比較するステップは、特定の順番で行われるように説明された。しかしながら、本発明の実施形態に対して、これらのステップは、任意の順番で行われてもよい。
【0036】
実際は、プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無に関する値は、特定の着目動脈に沿った場所に伴って変動する。これらの値を決定するためのデータは、IVUSカテーテル120を着目動脈に挿入し、次いで、データを収集しながら、IVUSカテーテル120を引き抜くことによって、組織特性化システム10によって収集される。収集されたデータの各ビットは、着目動脈に沿った特定の場所に特異的である。その場所に対して、臨床事象の危険増加が存在すると決定するためには、着目動脈に沿った少なくとも1つの場所に対して、全3つの「標的」が、少なくともその場所に対して満たされなければならない。言い換えると、その場所に対して、患者の生理機能が臨床事象に対して危険が増加した状態にあることを決定するためには、着目動脈に沿った少なくとも1つの場所に対して、プラーク負荷が、約70%以上でなければならず、最小内腔面積が、約4mm以下である必要があり、VH−TCFAが存在する必要がある。
【0037】
その結果、患者の生理機能が臨床事象に対して危険が増加した状態にあるか否かの決定は、ベン図(図6)に照らして、検討することができ、条件「臨床事象の危険増加」プラーク負荷が約70%以上であること、最小内腔面積が約4mm以下であること、およびVH−TCFAが存在することの同時発生である。条件「臨床事象の危険増加」についての決定の具体的実装が前述されたが、条件「臨床事象の危険増加」が記述された「標的」範囲または値を満たすこれらの生理学的パラメータの同時発生によって存在するか否かを決定するためのいずれのシステムも、発明の範囲内にあることが意図される。
【0038】
前述の本発明の実施形態では、アルゴリズムは、患者の生理学的パラメータが臨床事象として発現する危険が増加した状態にあるか否かを決定するためにのみ使用された。本発明の代替実施形態では、COPD100は、患者の生理機能が患者に臨床的に無症状事象を経験させる危険が増加した状態にあるか否か、単独で、または生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にあることの検出と組み合わせてのいずれかにおいて、検出するために使用される。
【0039】
この評価を行う方法の1つは、COPD100上でアルゴリズムを作動することによるものである。図7は、そのようなアルゴリズムを例示する流れ図である。図7では、プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無に関する値は、ステップ200において、組織特性化システム10の使用によって決定される。同様に、患者の標的冠動脈のプラーク負荷、冠動脈の最小内腔面積、およびその冠動脈内のVH−TCFAの有無に関するこれらの値は、当業者によって理解されるように、標準的プロセスおよびアルゴリズムによって確認される。そのデータは、以下に説明されるように、使用されるデータベース134に記憶される。
【0040】
次いで、プログラムは、ステップ310に進み、プラーク負荷に関して確認された値は、プラーク負荷の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約30%乃至約70%である。この範囲は、プラークが動脈の内腔の閉塞を開始しているが、動脈を未だ有意に閉塞していないプラーク負荷を表す。確認されたプラーク負荷が本範囲内にない場合、プログラムは、ステップ210に進み、患者の生理機能が、患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にあるか否かの分析が、前述のように行われる。ステップ210において、患者のプラーク負荷が70%以上ではないことが決定されると、これは、患者のプラーク負荷が約30%以下であることを示す。その結果、以下に説明されるように、プログラムは、ステップ210から両ステップ220および360に進む。図7に示される実施形態におけるステップ210、230、および240によって行われる分析の転帰は、患者の生理機能が臨床事象を経験させる危険が増加した状態に患者を置くか(ステップ250)、またはステップ220で通信されるように、標的値内のパラメータまたはステップ210、230、および240の同時発生を要求する臨床事象を経験する危険が増加した状態に患者がないかのいずれかである。
【0041】
ステップ310において、確認されたプラーク負荷が30%から70%の標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ330に進み、着目冠動脈の確認された最小内腔面積は、その冠動脈の所定または標的最小内腔面積と比較される。ステップ330における標的最小内腔面積は、同様に、約4mm以下である。約4mmより大きい最小内腔面積は、比較的に大きい冠動脈を表す。そのような冠動脈は、比較的に大きい最小内腔面積を有するため、前述のように、より小さい最小内腔面積を伴う冠動脈と比較して、壊死性コア、血栓、または冠動脈内腔を閉塞することが可能な他の材料の存在によって影響を受ける可能性は低い。確認された冠動脈最小内腔面積が本範囲内ではない(すなわち、最小内腔面積が、約4mmより大きい)場合、プログラムは、ステップ360に進み、これは、患者の生理学的条件が、その標的範囲内にあるこれらのパラメータの同時発生がもたらす無症状臨床事象として発現する危険が増加した状態にないことを示す。
【0042】
冠動脈の最小内腔面積が標的範囲内にある(すなわち、最小内腔面積が、約4mmより小さい)場合、プログラムは、ステップ340に進み、複数のVH−TCFAの有無が決定される。組織特性化システム10によって確認されるように、複数のVH−TCFAが存在しない場合、プログラムは、ステップ360に進む。複数のVH−TCFAが存在する場合、プログラムは、ステップ350に進む。
【0043】
プログラムがステップ350に進むためには、全3つの確認された生理学的パラメータが、標的範囲内にある値を有している必要がある。これは、患者の生理学的条件が「無症状臨床事象」と呼ばれる条件にあることを示す。ステップ350は、適切な医療措置が講じられ得るように、本決定を医療提供者に通信する。
【0044】
同様に、ステップ360は、患者の生理機能が、その標的範囲内にあるこれらのパラメータの同時発生がもたらす無症状臨床事象として発現する危険が増加した状態にないことを示すための任意の生理学的着目パラメータが標的範囲内にない場合、到達される。これは、患者の生理学的条件が、無症状臨床事象として発現する危険が増加した状態にないことを示す。その結果、本情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0045】
同様に、実際は、プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無に関する値は、特定の着目動脈に沿った場所に伴って変動する。これらの値を決定するためのデータは、IVUSカテーテル120を着目動脈に挿入し、次いで、データを収集しながら、IVUSカテーテル120を引き抜くことによって組織特性化システム10によって収集される。収集されたデータの各ビットは、着目動脈に沿った特定の場所に特異的である。その場所に対して、患者の生理機能が患者を無症状臨床事象の危険増加状態にすると決定するためには、着目動脈に沿った少なくとも1つの場所に対して、全3つの「標的」が満たされなければならない。言い換えると、その場所に対して、無症状臨床事象の危険増加が存在すると決定するために、着目動脈に沿った少なくとも1つの場所に対して、プラーク負荷は、約30%乃至約70%でなければならず、最小内腔面積は、約4mm以下である必要があり、複数のVH−TCFAが存在する必要がある。
【0046】
その結果、無症状臨床事象の危険増加が存在するか否かの決定は、ベン図(図8)に照らして検討することができ、条件「無症状臨床事象の危険増加」は、プラーク負荷が約30%乃至約70%であること、最小内腔面積が約4mm以下であること、および複数のVH−TCFAが存在することの同時発生である。条件「無症状臨床事象の危険増加」についての決定の具体的実装が前述されたが、記述された「標的」範囲または値を満たすこれらの生理学的パラメータの同時発生によって、条件「無症状臨床事象の危険増加」が存在するか否かを決定するためのいずれのシステムも、発明の範囲内にあることが意図される。
【0047】
さらに、「無症状臨床事象の危険増加」が存在するか否かの決定は、「臨床事象の危険増加」が存在するか否かの決定と別個の本アルゴリズムの改良型において決定されてもよい。「臨床事象の危険増加」が存在するか否かの決定と別個に「無症状臨床事象の危険増加」が存在するか否かを決定することは、「臨床事象の危険増加」が存在するか否かを決定するステップに関連した前述の図7のステップを除去することによって、簡易に行われてもよい。
【0048】
前述の本発明の実施形態では、3つの生理学的パラメータ(プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAまたは複数のVH−TCFAの有無)の同時発生が、標的の値および範囲と比較される。説明されるように、標的範囲内にある生理学的パラメータに関する値の同時発生は、患者の生理機能が患者をそれぞれ臨床事象または無症状臨床事象を経験させる危険が増加した状態にあることを示す。しかしながら、また、標的の値および範囲と個々に比較される前述に列挙された3つの生理学的パラメータのうちの任意の2つの組み合わせも、本発明の範囲内にある。
【0049】
特に、臨床事象を有する可能性が増加しているか否かを決定するための別の方法は、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを作動することによって行われる。図9は、アルゴリズムの実施例を例示する流れ図である。図9のステップ200において、以下の患者生理学的パラメータ(プラーク負荷およびVH−TCFAの有無)に関する値は、前述のように、組織特性化システム10の使用によって決定される。次いで、プログラムは、ステップ410に進み、プラーク負荷に関して確認された値が、プラーク負荷の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約70%乃至100%である。この範囲は、動脈の内腔を実質的に完全に閉塞するプラーク負荷を表す。確認されたプラーク負荷がこの範囲内にはない場合、プログラムは、ステップ420に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にないこと、したがって、患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にないことの決定が、医療提供者に通信される。
【0050】
ステップ410において、確認されたプラーク負荷がこの標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ440に進み、VH−TCFAの有無が決定される。VH−TCFAが存在しない場合、プログラムは、ステップ420に進む。VF−TCFAが存在する場合、プログラムは、ステップ450に進み。
【0051】
プログラムがステップ450に進むためには、確認された生理学的パラメータが両方とも、標的範囲内にある値を有している必要がある(図10)。これは、患者の生理学的条件が臨床事象として発現する危険が増加した状態にあることを示す。ステップ450は、適切な医療措置が講じられ得るように、本決定を医療提供者に通信する。
【0052】
同様に、前述のように、ステップ420は、任意の生理学的着目パラメータが標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が、臨床事象を発現する危険性が有意に増加した状態にないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0053】
前述のアルゴリズムでは、プラーク負荷およびVH−TCFAの有無を比較するステップは、特定の順番で行われるように説明された。しかしながら、本発明の実施形態に対して、これらのステップは、任意の順番で行われてもよい。
【0054】
臨床事象を経験する危険が増加した状態にあるか否かを決定するための別の方法は、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを実行することによって行われる。図11は、アルゴリズムの実施例を例示する流れ図である。図11のステップ200では、以下の患者生理学的パラメータに関する値(プラーク負荷および最小内腔面積)は、前述のように、組織特性化システム10の使用によって決定される。次いで、プログラムは、ステップ510に進み、プラーク負荷に関して確認された値は、プラーク負荷の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約70%乃至100%である。この範囲は、プラークが動脈の内腔を実質的に完全に閉塞するプラーク負荷を表す。確認されたプラーク負荷がこの範囲内にはない場合、プログラムは、ステップ520に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にないこと、したがって、患者の生理機能が臨床事象を経験させる危険が増加した状態に患者を置かないことの決定が、医療提供者に通信される。
【0055】
確認されたプラーク負荷がこの標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ530に進み、確認された最小内腔着目面積が、所定または標的の最小内腔面積と比較される。ステップ530における標的最小内腔面積は、約4mm以下である。この標的最小内腔面積は、着目動脈区画内の比較的に小さい開放内腔を表す。これらの冠動脈は、比較的に小さい最小内腔面積を有するので、少なくとも、比較的に広いプラーク負荷が存在する地点において、壊死性コア、血栓、または冠動脈内腔を閉塞することが可能な他の材料の存在によって影響を受ける可能性が高い。比較的に大きい最小内腔面積を有する冠動脈は、これらの閉塞実体の存在によって、臨床的に有意に閉塞される可能性が低い。確認された最小内腔面積がこの範囲内ではない場合、プログラムは、ステップ520に進む。冠動脈の最小内腔面積が標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ550に進む。
【0056】
プログラムがステップ550に進むためには、両方の確認された生理学的パラメータが、標的範囲内にある値を有している必要がある(図12)。これは、患者の生理学的条件が、臨床事象として発現する危険が増加した状態にあることを示す。ステップ550は、適切な医療措置が講じられ得るように、この決定を医療提供者に通信する。
【0057】
同様に、前述のように、ステップ520は、任意の生理学的着目パラメータが標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が患者に臨床事象を発現させる危険が増加した状態にないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0058】
前述のアルゴリズムでは、プラーク負荷および最小内腔面積を比較するステップは、特定の順番で行われるように説明された。しかしながら、本発明の実施形態に対して、これらのステップは、任意の順番で行われてもよい。
【0059】
臨床事象を経験する可能性が増加したか否かを決定するためのなおも別の方法は、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを実行することによって行われる。図13は、アルゴリズムの実施例を例示する流れ図である。図13のステップ200では、以下の患者生理学的パラメータに関する値(最小内腔面積およびVH−TCFAの有無は、前述のように、組織特性化システム10の使用によって決定される。次いで、プログラムは、ステップ630に進み、最小内腔面積に関する確認された値は、最小内腔面積の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約4mm以下である。確認された最小内腔面積が本範囲内ではない場合、プログラムは、ステップ620に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にないこと、したがって、患者の生理機能が臨床事象を経験させる危険が増加した状態に患者を置かないことの決定が、医療提供者に通信される。
【0060】
確認された最小内腔面積がこの標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ640に進み、VH−TCFAの有無が決定される。VH−TCFAが存在しない場合、プログラムは、ステップ620に進む。VH−TCFAが存在する場合、プログラムは、ステップ650に進む。
【0061】
プログラムがステップ650に進むためには、両方の確認された生理学的パラメータが、標的範囲内にある値を有している必要がある(図14)。これは、患者の生理学的条件が臨床事象として発現する危険が増加した状態にあることを示す。ステップ650は、適切な医療措置が講じられ得るように、この決定を医療提供者に通信する。
【0062】
同様に、前述のように、ステップ620は、任意の生理学的着目パラメータが標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が臨床事象として発現する危険が有意に増加していないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。前述のアルゴリズムでは、最小内腔面積を比較し、VH−TCFAの有無を決定するステップは、特定の順番で行われるように説明された。しかしながら、本発明の実施形態に対して、これらのステップは、任意の順番で行われてもよい。
【0063】
前述の本発明の実施形態では、3つの生理学的パラメータ(プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAまたは複数のVH−TCFAの有無)のうちの2つの種々の組み合わせが、標的の値および範囲と比較され、その対応する標的範囲を伴うこれらの生理学的パラメータのうちの任意の2つの同時発生は、患者の生理機能が、それぞれ、臨床事象または無症状臨床事象をもたらす可能性があることを示す。しかしながら、また、前述に列挙された3つの生理学的パラメータのうちのいずれかが、標的の値および範囲と比較されることも、本発明の範囲内にある。
【0064】
その結果、臨床事象を経験する可能性の増加が存在するか否かを決定するための別の方法は、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを実行することによって行われる。図15は、アルゴリズムの実施例を例示する流れ図である。図15のステップ200において、プラーク負荷に関する値が、前述のように、組織特性化システム10の使用によって決定される。次いで、プログラムは、ステップ710に進み、プラーク負荷に関して確認された値は、プラーク負荷の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約70%乃至100%である。確認されたプラーク負荷がこの範囲内にない場合、プログラムは、ステップ720に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にないこと、したがって、患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にないことの決定が、医療提供者に通信される。確認されたプラーク負荷がこの標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ750に進む。
【0065】
プログラムがステップ750に進むためには、プラーク負荷に対して確認された値は、標的範囲内にある値を有していなければならない(図16)。これは、患者の生理学的条件が、患者に臨床事象を発現させる危険が増加した状態にないことを示す。ステップ750は、適切な医療措置が講じられ得るように、この決定を医療提供者に通信する。
【0066】
同様に、前述のように、ステップ720は、プラーク負荷が標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が、患者に臨床事象を発現させる危険が増加した状態にないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0067】
臨床事象を経験する可能性の増加を決定するなおもさらなる方法は、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを実行することによって行われる。図17は、アルゴリズムの実施例を例示する流れ図である。図17のステップ200では、最小内腔面積に関する値が、前述のように、組織特性化システム10の使用によって決定される。次いで、プログラムは、ステップ830に進み、最小内腔面積に関して確認された値が、最小内腔面積の確立または標的範囲と比較される。確立または標的範囲は、約4mm以下である。確認された最小内腔面積がこの範囲内にない場合、プログラムは、ステップ830に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にないこと、したがって、患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にないことの決定が、医療提供者に通信される。確認された最小内腔面積がこの標的範囲内にある場合、プログラムは、ステップ850に進む。
【0068】
プログラムがステップ850に進むためには、最小内腔面積は、標的範囲内にある値を有している必要がある(図18)。これは、患者の生理学的条件が臨床事象として発現する危険が増加した状態にあることを示す。ステップ850は、適切な医療措置が講じられ得るように、この決定を医療提供者に通信する。
【0069】
同様に、前述のように、ステップ820は、最小内腔面積が標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が、患者に臨床事象を発現させる危険が増加した状態にないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0070】
臨床事象を経験する可能性の増加が存在するか否かを決定する別の方法は、以下に説明されるように、COPD100上でアルゴリズムを実行することによって行われる。図19は、アルゴリズムの実施例を例示する流れ図である。図19のステップ200では、VH−TCFAの有無を決定するために必要なデータは、述のように、組織特性化システム10の使用によって収集される。次いで、プログラムは、ステップ940に進み、VH−TCFAの有無が決定される。VH−TCFAが存在しない場合、プログラムは、ステップ920に進み、生理学的パラメータが標的範囲内にないこと、したがって、患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる危険が増加した状態にないことの決定が、医療提供者に通信される。VH−TCFAが存在する場合、プログラムは、ステップ950に進む。
【0071】
プログラムがステップ950に進むためには、VH−TCFAが存在しなければならない(図20)。これは、患者の生理学的条件が臨床事象として発現する危険が増加した状態にあることを示す。ステップ950は、適切な医療措置が講じられ得るように、この決定を医療提供者に通信する。
【0072】
同様に、前述のように、ステップ920は、VH−TCFAが存在しない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が、患者に臨床事象を発現させる危険が増加した状態にないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。
【0073】
ステップ250、450、550、650、750、850、および950は、医療提供者に、それぞれのパラメータまたは複数のパラメータがすべて、標的範囲内にあることを通信し、それによって、適切な医療措置が講じられ得るように、患者の生理機能が臨床事象をもたらす危険が増加していることを示す。ステップ250、450、550、650、750、850、および950における通信は、コンソール110上に表示されるメッセージの形態をとってもよく、コンソール110上に表示される冠動脈の画像の修飾は、動脈上のその場所における患者の生理機能が患者に臨床事象を経験させる可能性が高いものであることのテキストまたはカラーインジケータを付加することによる等であってもよく、パラメータ値の通信自体は、別個に、または以前のメッセージのうちの1つの一部として、あるいはそのような決定を通信するための当業者に周知の任意の他の手段によるものでもよい。
【0074】
同様に、前述のように、ステップ220、420、520、620、720、820、および920は、任意の生理学的着目パラメータが標的範囲内にない場合に到達される。これは、患者の生理学的条件が、臨床事象を発現する危険が増加した状態にないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。ステップ220、420、520、620、720、820、および920におおける通信もまた、コンソール110上に表示されるメッセージの形態をとってもよく、コンソール110上に表示される冠動脈の画像の修飾は、動脈上のその場所における患者の生理機能が、患者が臨床事象を経験する危険が増加していないようなテキストまたはカラーインジケータを付加することによる等であってもよく、パラメータ値自体の通信は、別個に、または以前のメッセージのうちの1つの一部として、あるいはそのような決定を通信するための当業者に周知の任意の手段によるものであってもよい。
【0075】
ステップ350は、医療提供者に、プラーク負荷、最小内腔面積、およびVH−TCFAまたは複数のVH−TCFAの有無がすべて、ステップ310、330、および340の標的範囲内にあることを通信し、それによって、適切な医療措置が講じられ得るように、患者の生理機能が無症状臨床事象をもたらす危険が増加していることを示す。ステップ350における通信は、コンソール110上に表示されるメッセージの形態をとってもよく、コンソール110上に表示される冠動脈の画像の修飾は、動脈上のその場所における患者の生理機能が患者に無症状臨床事象を経験させる危険が増加しているものであることのテキストまたはカラーインジケータの付加等であってもよく、パラメータ値自体の通信は、別個に、または以前のメッセージのうちの1つの一部として、あるいはそのような決定を通信するために当業者に周知の任意の他の手段によるものでもよい。
【0076】
さらに、前述のように、ステップ360は、それぞれの生理学的パラメータがステップ310、330、および340の標的内にない場合に到達され、図7に示される実施形態では、ステップ210、230、および240を有することは、ステップ210、230、および240の標的内ではなく、したがって、標的範囲内にない。これは、患者の生理学的条件が、無症状臨床事象を発現する危険が増加していないことを示す。その結果、この情報は、同様に、医療提供者に通信されるべきである。ステップ360における通信もまた、コンソール110上に表示されるメッセージの形態をとってもよく、コンソール110上に表示される冠動脈の画像の修飾は、動脈上のその場所における患者の生理機能が患者に無症状臨床事象を経験させる危険が増加していないものであることのテキストまたはカラーインジケータの付加等であってもよく、パラメータ値自体の通信は、別個に、または以前のメッセージのうちの1つの一部として、あるいはそのような決定を通信するために当業者に周知の任意の他の手段によるものでもよい。
【0077】
本発明の種々の実施形態が、COPD100内のマイクロプロセッサによって、アルゴリズムの演算として実行されるように説明されたが、アルゴリズムは、論理またはニューラルネットワークの使用を介して実装される可能性がある。代替として、アルゴリズムは、COPD100の一部として、別々のアナログまたはデジタル構成要素上に確立される可能性がある。
【0078】
本明細書の実施形態のうちのいくつかにおけるプラーク負荷に対する標的範囲は、約70%以上であると説明されている。前述のように、この「70%」という数字は、当技術分野において中等度病変を示す量として認識されている。また、約55%のプラーク負荷は、有意でない病変の境界として認識されている。その結果、実施形態で使用される「70%」という数字は、「55%」と交換される可能性があり、それぞれの実施形態における本発明は、依然として、2.0を超える危険率を有する事象の予測をもたらすであろう。「55%」および「70%」は、プラーク負荷の臨床的に使用される測定値の境界として与えられるが、約55%を超える境界の限界値として任意の数を使用するために、プラーク負荷の測定値を使用する本発明のそれらの実施形態も、本発明の範囲内にある。
【0079】
本発明は、ある実施形態、組み合わせ、構成、および相対的寸法と関連して説明された。しかしながら、本明細書に与えられる説明は、本発明を説明および例示する目的のために与えられており、発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。加えて、開示される発明の形態および機能に対して、略無限の数の小変更が行われる可能性があり、また、依然として、発明の範囲内にあることは明白である。その結果、本発明は、開示される本発明の具体的実施形態および変形例に限定されることを意図するものではない。さらに、本明細書に与えられる説明に対する変更および修正が、当業者に想起されるであろうことを理解されたい。したがって、発明の範囲は、請求項の範囲によってのみ限定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の生理機能が、臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定する方法であって、該方法は、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、該動脈のプラーク負荷、該動脈の最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無を確認するステップと、
該プラーク負荷が約70%以上であること、該最小内腔面積が約4mm以下であること、およびVH−TCFAが存在することに関する値の同時発生が存在するか否かを決定するステップと、
そのような同時発生が生じているか否かを通信するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
患者の生理機能が、無症状臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定する方法であって、該方法は、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、該動脈のプラーク負荷、該動脈の最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無を確認するステップと、
該プラーク負荷が約30%乃至約70%であること、該最小内腔面積が約4mm以下であること、および複数のVH−TCFAが存在することに関する値の同時発生が存在するか否かを決定するステップと、
そのような同時発生が生じているか否かを通信するステップと
を含む、方法。
【請求項3】
患者の生理機能が、臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定する方法であって、該方法は、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、次のパラメータのうちの2つが、選択された標的内(該動脈のプラーク負荷が約70%以上であること、該動脈の最小内腔面積が約4mm以下であること、およびVH−TCFAの有無)にあるか否かを確認するステップと、
該2つの確認されたパラメータに対して、該2つの選択されたパラメータが両方とも、それらのそれぞれの選択された標的内にあるか否かを決定するステップと、
該2つの選択されたパラメータが両方とも、それらのそれぞれの選択された標的内にあるか否かを通信するステップと
を含む、方法。
【請求項4】
前記選択されたパラメータは、前記動脈のプラーク負荷および該動脈の最小内腔面積である、請求項4に記載の方法。
【請求項5】
前記選択されたパラメータは、前記動脈のプラーク負荷およびVH−TCFAの有無である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたパラメータは、前記動脈の最小内腔面積およびVH−TCFAの有無である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
患者の生理機能が、臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定する方法であって、該方法は、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、着目パラメータが選択された標的内にあるか否かを確認するステップと、
該選択されたパラメータがそれの選択された標的内にあるか否かを通信するステップと
を含む、方法。
【請求項8】
前記着目パラメータは、前記プラーク負荷であり、前記選択された標的は、該プラーク負荷が約70%以上であることである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記着目パラメータは、前記動脈の最小内腔面積であり、前記選択された標的は、該最小内腔面積が約4mm以下であることである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記着目パラメータおよび選択された標的は、VH−TCFAの有無である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
患者の生理機能が、臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定するデバイスであって、該デバイスは、
組織特性化システムと、
臨床転帰予測デバイスであって、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、該動脈のプラーク負荷、該動脈の最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無を確認するステップと、
該プラーク負荷が約70%以上であること、該最小内腔面積が約4mm以下であること、およびVH−TCFAが存在することに関する値の同時発生が存在するか否かを決定するステップと、
そのような同時発生が生じているか否かを通信するステップと
に従って作動する臨床転帰予測デバイスと
を含む、デバイス。
【請求項12】
患者の生理機能が、無症状臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定するデバイスであって、該デバイスは、
組織特性化システムと、
臨床転帰予測デバイスであって、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、該動脈のプラーク負荷、該動脈の最小内腔面積、およびVH−TCFAの有無を確認するステップと、
該プラーク負荷が約30%乃至約70%であること、該最小内腔面積が約4mm以下であること、および複数のVH−TCFAが存在することに関する値の同時発生が存在するか否かを決定するステップと、
そのような同時発生が生じているか否かを通信するステップと
に従って作動する臨床転帰予測デバイスと
のステップを含む、デバイス。
【請求項13】
患者の生理機能が、臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定するデバイスであって、該デバイスは、
組織特性化システムと、
臨床転帰予測デバイスであって、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、次のパラメータのうちの2つが、選択された標的内(該動脈のプラーク負荷が約70%以上であること、該動脈の最小内腔面積が約4mm以下であること、およびVH−TCFAの有無)にあるか否かを確認するステップと、
該2つの確認されたパラメータに対して、該2つの選択されたパラメータが両方とも、それらのそれぞれの選択された標的内にあるか否かを決定するステップと、
該2つの選択されたパラメータが両方とも、それらのそれぞれの選択された標的内にあるか否かを通信するステップと
に従って作動する臨床転帰予測デバイスと
のステップを含む、デバイス。
【請求項14】
前記選択されたパラメータは、前記動脈のプラーク負荷および該動脈の最小内腔面積である、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記選択されたパラメータは、前記動脈のプラーク負荷およびVH−TCFAの有無である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記選択されたパラメータは、前記動脈の最小内腔面積およびVH−TCFAの有無である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
患者の生理機能が、臨床事象を経験する危険が増加した状態に該患者を置くか否かを決定するデバイスであって、該デバイスは、
組織特性化システムと、
臨床転帰予測デバイスであって、
着目動脈に沿った1つ以上の場所に対して、着目パラメータが、選択された標的内にあるか否かを確認するステップと、
該選択されたパラメータが、それの選択された標的内にあるか否かを通信するステップと
に従って作動する臨床転帰予測デバイスと
のステップを含む、デバイス。
【請求項18】
前記着目パラメータは、前記プラーク負荷であり、前記選択された標的は、該プラーク負荷が約70%以上であることである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記着目パラメータは、前記動脈の最小内腔面積であり、前記選択された標的は、該最小内腔面積が約4mm以下であることである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記着目パラメータおよび選択された標的は、VH−TCFAの有無である、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2013−505792(P2013−505792A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531089(P2012−531089)
【出願日】平成22年9月25日(2010.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/050316
【国際公開番号】WO2011/038305
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(503071772)ボルケーノ コーポレイション (6)
【Fターム(参考)】