説明

磁場を用いた試料中の標的分子の検出

本出願は標的を含んでいる疑いのある試料中での前記標的の検出方法に関する。当該方法は、前記試料及び磁性粒子に付着する第1結合分子を固体支持体に付着する第2結合分子と接触させる手順を有する。前記第1結合分子は前記第2結合分子と結合する能力を有し、前記標的はこの結合を妨害する能力を有する。磁力が印加されることで、前記磁性粒子は前記固体支持体付近へ移動する。前記固体支持体と結合する磁性粒子数が検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料中の標的の検出方法に関する。本発明は特に、1つのエピトープを有する標的分子の検出を行うための競合アッセイ法の構成に関する。競合アッセイ法では、標的は、磁性粒子又は固定した表面に付着する分子と溶液中で競合する。
【背景技術】
【0002】
医療研究には、DNA、RNA、ホルモン、代謝体、薬等の特定化合物の存否を決定する診断手法の開発が含まれる。イムノアッセイ法は、体液中の特定タンパク質の量を決定することで、さらに診断及び治療の手助けを行うのに一般的に用いられている。最も良く知られた検出手法はサンドイッチアッセイ法である。試料流体中の関心分子が、生物学的に活性なセンサと生物学的に活性なラベル(たとえば磁性粒子)との間に捕らえられる(「挟まれる」)。従ってサンドイッチアッセイ法は、少なくとも2つのエピトープを有する標的を必要とする。しかし乱用された薬物のような小さな分子は一般的に1つのエピトープしか有していないため、通常のサンドイッチアッセイ法では検出が不可能である。
【0003】
競合又は阻害アッセイ法は、これらのような分子を検出する方法である。周知の競合アッセイ法は、関心標的分子を表面上に結合させ、かつ抗体を検出タグ(酵素/蛍光プローブ/磁気ビーズ)に結びつけることより構成される。このシステムは、タグが付された抗体を用いて、試料中の標的分子と表面上の標的分子との間で競合アッセイ法を実行するのに用いられる(たとえば特許文献1-2を参照のこと)。
【0004】
溶液中で自由な標的分子と表面又はラベルに束縛された標的分子との間には移動度の差異が存在するので、競合はあまり起こらず、かつ投与量応答曲線は線形にならない。このため、定量測定に競合アッセイ法を用いるのは難しいと考えられる。さらに表面又はラベルに束縛された標的分子の移動度が制限される結果、反応時間が相対的に遅くなる。
【特許文献1】英国特許第2404022号明細書
【特許文献2】英国特許第2404023号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は上記問題点のうちの少なくとも1つを解決することである。
【0006】
本発明の他の目的は、試料中の標的分子を検出するための競合アッセイ法であって一チャンバ形式での実行に適した方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一の態様では、標的を含んでいる疑いのある試料中での前記標的の検出方法に関する。当該方法は:
a)前記試料及び磁性粒子に付着する第1結合分子を、同時又はそれぞれ異なる時期に、固体支持体に付着する第2結合分子と接触させる手順であって、前記第1結合分子は前記第2結合分子と結合する能力を有し、前記標的はこの結合を妨害する能力を有する手順;及び、前記磁性粒子が前記固体支持体付近へ移動するように磁力を印加する手順;並びに
b)前記第1結合分子の前記第2結合分子への結合によって前記固体支持体と結合する磁性粒子数を検出する手順;
を有する。
【0008】
請求項に係る発明の手順b)で検出される粒子数は試料中での標的濃度に関連する。たとえばその数が参照値と比較して減少していれば、分析された試料が標的を含んでいることが示唆される。その参照値は既知の値であって良い。あるいはその代わりに、標的を含まない試料を同時又はそれぞれ異なる時期に用いて実行されるコントロールアッセイ法によって得られても良い。
【0009】
他の態様では、本発明は、第1結合分子に付着する磁性粒子に磁力を印加して、前記粒子を第2結合分子が付着する固体支持体付近へ移動させるマグネットの使用に関する。ここで、前記第1結合分子は前記第2結合分子と結合する能力を有し、標的分子はこの結合を妨害する能力を有する。
【0010】
本発明のこれら及び他の態様は、後述する(複数の)実施例を参照することにより明らかとなる。
【発明の効果】
【0011】
上記目的のうちの少なくとも1つは、請求項1及びその従属請求項に記載の方法によって満たされることが分かった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
「標的」とは分子であってその濃度又は存在が決定されるべきものであれば如何なる分子であっても良い。本発明の文脈において適切な標的の例は、たとえば小さな分子、薬、タンパク質、酵素、ホルモン、ペプチド、及び核酸である。分子標的は通常、たとえば細胞、ウイルス、又は、細胞若しくはウイルスの一部、細胞組織等のもっと大きな構成部分の濃度及び/又は存在を決定する。
【0013】
特に好適な標的は、1つしかエピトープを有していない標的である。そのような標的には、単一エピトープの小さな分子、薬、ホルモン、及びペプチドが含まれる。標的として特に好適なものは中毒性の薬物である。標的として好適な中毒性の薬物の例はモルヒネである。標的として好適な他の中毒性の薬物の例はコカイン、THC、同化剤、又はアンフェタミン/メタアンフェタミン基の薬物である。標的はたとえば分析される試料中に存在して良いし、又はたとえば接触させる段階中に起こる反応を介してその場で生成されても良い。センサが反応を観察するのに用いられる場合、標的はたとえば反応の開始物質又は反応生成物であって良い。
【0014】
本発明による方法によって検出される標的は、競合するようにして、第1結合分子と第2結合分子との間での結合を妨害するものである。さらに第1及び第2結合分子は、検出される標的が、競合するようにして互いに結合するのを妨害するように選ばれる。反応生成物は、検知法によって直接的に検出されて良い。また反応生成物は、検出前にさらに処理されても良い。さらなる処理の例は、材料が付加されること、又は検出を手助けするように、標的の(生)化学若しくは物理特性が改質されることである。
【0015】
上述のように、本発明による方法は、試料及び磁性粒子に付着する第1結合分子を固体支持体に付着する第2結合分子に接触させる手順を有する。その接触は溶液中で起こる。
【0016】
本明細書中において「溶液中」という語は、本明細書中で(結合)反応又はアッセイ法と呼ばれる手順が液体環境中で行われることを意味する。液体環境は水の液体環境であることが好ましい。関与する試薬は、実際に液体環境中で溶解している必要はなく、懸濁又は分散状態で存在しても良い。
【0017】
試料及び磁性粒子に付着する第1結合分子の固体支持体に束縛された第2結合分子への接触は、同時又はそれぞれ異なる時期に起こって良い。たとえば、試料は固体支持体上の第2結合分子と接触して良く、すぐその後に磁性粒子に付着した第1結合分子が加えられて良い。あるいはその代わりに、磁性粒子に付着した第1結合分子が固体支持体上の第2結合分子と接触して良く、すぐその後に試料が加えられても良い。
【0018】
本発明の特に好適な実施例では、試料及び磁性粒子に付着した第1結合分子は、固体支持体に束縛された第2結合分子と接触する。これはたとえば、試料及び磁性粒子に付着した第1結合分子が混合し、その後固体支持体に束縛された第2結合分子と接触するように行われても良い。あるいはその代わりに、試料及び磁性粒子に付着した第1結合分子が別々だが同時に、固体支持体に束縛された第2結合分子へ加えられても良い。
【0019】
本発明の方法はさらに、磁性粒子を固体支持体付近へ移動させるため、手順a)において磁力を印加する手順を有する。換言すれば、粒子は強制的に固体支持体上へ設けられる。磁気作用のこの手順は一般的に、アッセイの競合的結合事象に関与する成分の結合に関する反応時間を短縮する。さらに驚くべきことに、本発明のある特定の実施例では、上述のようにすることで、アッセイの感度が影響を受け得ることが分かった。作用段階中での磁力は、結合中での、標的と結合した磁気ラベルに付着する第1結合分子との間での移動度の差異による効果を緩和又は除去するように印加されることが好ましい。よって磁力は、磁性粒子に付着した第1結合分子の移動度の減少を補償するため、固体支持体-たとえばセンサ表面-に磁性粒子を集中させるように印加される。
【0020】
磁力は電磁マグネットによって印加されて良い。しかし空心コイル又は永久磁石も適している。
【0021】
本発明の方法に係る一の実施例では、第1結合分子は、試料中の標的と第2結合分子の両方を選択的に結合する能力を有する。接触手順はさらに、前記の第1結合分子への選択的結合のために第2結合分子と標的とが競合することを可能にする手順を有する。
【0022】
適切な第1結合分子の例は、アフィボディーズ(Affibodies)(商標)、抗体、受容体分子、アプタマー、及びキレート剤である。
【0023】
標的が核酸である場合、第1結合分子は、標的の配列の一部に対して相補的な塩基配列を有する核酸を有する。
【0024】
第1結合分子として特に好適なものは、特に標的と結合する抗体である。
【0025】
第1結合分子が試料中の標的と第2結合分子の両方を選択的に結合する能力を有する場合、第2結合分子は標的と同一であるか、又は標的ホモログである。本明細書において「標的ホモログ」は、標的の少なくとも一部-好適には標的と他の関連する分子とを区別する一部-を含む成分、又は第1結合分子が標的と同程度の強さで結合する成分のいずれかを意味する。同程度の強さの結合とは、Kaの差異が好適には103で、より好適には102で、最も好適には10以下であるものと定義される。自己の理論に束縛されることを望んでいる訳ではないが、ほとんどの場合、標的と標的ホモログとは、結合位置へ結合するため同一のエピトープを共有している。
【0026】
本発明の方法によると、第1結合分子は磁性粒子に付着する。本発明の方法に用いられるのに適切な磁性粒子は、磁力によって作用することのできるものである。磁性粒子は如何なる形状又は形態であっても良い。磁性粒子は、磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、フェリ磁性、又は強磁性であって良い。つまり磁性粒子は、電場中に永久又は一時的な磁気双極子を発生させる如何なる形式の磁性であっても良い。
【0027】
本発明の方法に係る他の実施例では、第2結合分子が試料中の標的と第1結合分子の両方を選択的に結合する能力を有する。接触手順はさらに、前記の第2結合分子への選択的結合のために第1結合分子と標的とが競合することを可能にする手順を有する。
【0028】
この実施例は典型的な方法で図1に図示されている。図1は、(2つ以上のエピトープを有する分子も検出可能ではあるが)単一エピトープを有する分子を定量的に検出するのに用いることのできる競合アッセイ法の構成を図示している。その構成は、それぞれの試薬を事前に混ぜることを要しない。つまり一チャンバ競合アッセイ形式での動作に適している。この構成は、溶液中での、標的(a)と、磁性粒子に付着する第1結合分子(d)との競合を可能にする。特に標的分子(a)は、固体支持体(c)-たとえばセンサ表面-上の第2結合分子との結合を巡って、磁性粒子と直接的又は間接的に付着する標的分子又は標的ホモログ(d)と競合する。自由な標的分子(a)と磁性粒子に束縛された標的分子又は標的ホモログ(d)との移動度の差異は、磁力(磁気作用)の印加によって解決されて良い。このようにして投与量応答曲線は驚くべきことに曲線となるように改善することができる。このアッセイ法の構成は特に試料中での標的分子の定量的測定に適している。
【0029】
適切な第2結合分子の例は繰り返しになるが、アフィボディーズ(Affibodies)(商標)、抗体、受容体分子、アプタマー、及びキレート剤である。
【0030】
標的が核酸である場合、第2結合分子は、標的の配列の一部に対して相補的な塩基配列を有する核酸を有する。
【0031】
第2結合分子として特に好適なものは、特に標的と結合する抗体である。
【0032】
第2結合分子が試料中の標的と第1結合分子の両方と結合する能力を有する場合、その第1結合分子はその標的と同一であるか、又は標的ホモログである。ここで「標的ホモログ」という語は上で定義した意味を有する。
【0033】
本発明の方法での使用に適切な磁性粒子は、約10nmから数μmの大きさを有して良く、約50nmから約1μmの大きさを有することがより好ましい。また約100nmから約500nmの大きさを有する粒子-たとえば約200nm又は約300nm大きさを有する粒子-も好ましい。好適実施例では、磁性粒子は、本発明のアッセイ法で分析される試料中の個々の標的分子よりも大きい。
【0034】
磁性粒子への第1結合分子の付着は、その第1結合分子によるその粒子のコーティングによって行われて良い。付着はまた、直接的又はスペーサ分子の助けを借りた共有結合により行われても良い。適切なスペーサ分子は当業者には既知であり、たとえばアルキレンジアミン又はエチレンジアミンを含む。
【0035】
好適実施例では、付着は強結合対を介して行われる。この実施例では、強結合対の一の結合相手は磁性粒子に付着し、かつ強結合対の他の結合相手は第1結合分子に付着するか、又は第1結合分子それ自身である。
【0036】
好ましい強結合対の例は、アビジン/ビオチン、ハプテン/抗体、タンパク質又はペプチド/抗体、タンパク質/カーボハイドレート、タンパク質/タンパク質、核酸/核酸、タンパク質/核酸、及びハプテン/核酸である。
【0037】
タンパク質アビジンと分子ビオチンとの相互作用は、生体分子と他の構成要素との結合に広く用いられている。ビオチンに対するアビジンの親和定数(Ka)で知られた値の内の最高値の1つは約1015L/molで、結合は通常のアッセイ条件下では不可逆的であるとみなされる。高い親和性に加えて、各アビジン分子にはビオチンが利用できる4つの結合位置が存在する。アビジンはまた、カルボジイミドを含む標準的な結合剤を介して他のタンパク質と化学結合しても良い。市販されているアビジンにはストレプトアビジンやニュートラアビジンを含む多数の種類が存在する。これら多数の種類のアビジンではそれぞれ、グリコシル化、等電点、及び非選択結合特性の程度が異なっている。他にはストレプ-タグII
(strep-tagII)(登録商標)/ストレプ-タクチン(strep-tactin)(登録商標)対がある。
【0038】
高親和性抗体は、ハプテン又は小さな分子に集まって良い。小さな分子には、色素、薬、ホルモン、及びビタミンが含まれる。一般的には、ほぼ如何なるハプテンに対しても抗体を生成することが可能であり、かつたとえばジゴキシゲニン、2,4-ジニトロフェニル(DNP)、及びフルオレセイン-5-イソチオシアネート(FITC)のような分子について1011L/molよりも大きなKaを有する高親和性抗体は多数存在する。ハプテンによって分子を化学的にラベリングする単純なハプテン化方法には既知の方法が複数存在する。抗体の付着はまた、アビジンについて記載された化学的方法と同様の方法によって、又はタンパク質への結合に用いられる組み換え方法によって実現されて良い。
【0039】
タンパク質又はペプチドの抗体に対するそれらの選択性及び高結合親和性は多くのイムノアッセイの基礎である。係る相互作用の親和定数は1013L/molであって良く、かつ用いられる特定のペプチド又はタンパク質に依存して何桁も変化して良い。
【0040】
タンパク質-タンパク質結合は、特定種類のタンパク質間で生じる。たとえばタンパク質Aとタンパク質Gは、イムノグロブリンのFc部分に対する高い親和性を有することで知られている。同様にコンカナバリンAは、タンパク質A及びGがイムノグロブリンに対して結合するほどには強くないとはいえ、糖タンパク質のカーボハイドレート部分と結合するレクチンである。これらの相互作用は選択的ではない。またこれらの相互作用は、試料がFc領域を含まないアッセイ法、又は試料が糖タンパク質ではないアッセイ法でしか使えない。所望の選択性の実現、及び交叉反応の減少のため、抗体及びタンパク質の相互作用を起こすことが意図されていないアッセイ法での抗体及びタンパク質は修飾されて良い。たとえばFc領域又はグロコシル化された領域が除去された組み換え抗体を合成しても良い。
【0041】
他の好適実施例では、マイクロ粒子への第1結合分子の付着は、結合分子が結合するタンパク質(たとえばウシ血清アルブミン、BSA)をその粒子にコーティングすることによって行われる。たとえば第1結合分子がモルヒネ又はモルヒネホモログである場合、又は他の常習性の薬の場合、BSAはこれらの薬と結合することのできる有用なタンパク質である。BSA-モルヒネ、BSA-モルヒネホモログ、又はBSA-常習性の薬の接合物が粒子にコーティングされる。
【0042】
本発明の方法は典型的には検出手順の前に実行される洗浄手順を有する。その洗浄手順の間、手順a)の間に第2結合分子とは結合しなかった第1結合分子が除去される。未結合の第1結合分子を除去する好適方法は、電磁石、空心コイル、又は永久磁石によって発生する磁力の印加によって行う方法である。しかし洗浄溶液を用いた洗浄も可能である。
【0043】
前述したように、第2結合分子は固体支持体に付着する。好適実施例では、固体支持体はセンサ素子の表面である。そのセンサ素子はラベルを検出する如何なる適切な検出を有しても良い。適切な検出器とは、磁気検出器、光検出器、音波検出器、放射線検出器、又は電気検出器である。検出器は、センサ表面上(付近)の磁性粒子の存在を、その粒子の特性に基づいて検出するのに適した如何なるセンサであっても良い。たとえば検出器は、磁気的方法(たとえば磁気抵抗、ホール効果、コイル)、光学的方法(たとえば可視化、蛍光、化学発光、吸収、散乱、エバネッセント場による方法、表面プラズモン共鳴、ラマンなど)、音響的方法(たとえば表面弾性波、バルク弾性波、カンチレバー、石英結晶など)、電気的方法(コンダクタンス、インピーダンス、電流測定、酸化還元サイクル)などによって検出して良い。
【0044】
本発明において特に好適なのは磁気検出器である。
【0045】
検出器はセンサ表面上(付近)の粒子の磁気特性の検出に基づいた如何なる検出器であっても良い。センサとはたとえば、コイル、ワイヤ、磁気抵抗センサ、ホールセンサ、平面型ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQUID、磁気共鳴センサ等である。しかしたとえば光検出器のような他の検出器も同様に用いられて良い。
【0046】
特に好適な実施例では、表面は、金、ガラス、又は透明プラスチック表面で、特に第2結合分子と結合するタンパク質でコーティングされた金、ガラス、又は透明プラスチック表面である。
【0047】
一般に、たとえばセンサ表面のような固体支持体への第2結合分子の付着は、磁性粒子への第1結合分子の付着に関連して適していると上述した方法で実現されて良い。たとえばその付着は、第2結合分子による固体支持体へのコーティングを介して行われて良い。また付着はまた、直接的又はスペーサ分子の助けを借りた共有結合により行われても良い。適切なスペーサ分子は当業者には既知であり、たとえばアルキレンジアミン又はエチレンジアミンを含む。
【0048】
好適実施例では、付着は強結合対を介して行われる。この実施例では、強結合対の一の結合相手は磁性粒子に付着し、かつ強結合対の他の結合相手は第1結合分子に付着するか、又は第1結合分子それ自身である。
【0049】
好ましい強結合対の例は、アビジン/ビオチン、ハプテン/抗体、タンパク質又はペプチド/抗体、タンパク質/カーボハイドレート、タンパク質/タンパク質、核酸/核酸、タンパク質/核酸、及びハプテン/核酸である。
【0050】
上述したように、この点で適した種類には、ストレプトアビジンやニュートラアビジンが含まれる。他にはストレプ-タグII(strep-tagII)(登録商標)/ストレプ-タクチン(strep-tactin)(登録商標)対がある。
【0051】
適切な高親和性抗体はハプテン又は小さな分子に集まるようなものである。上述したように、係る抗体には、ジゴキシゲニン、2,4-ジニトロフェニル(DNP)、及びフルオレセイン-5-イソチオシアネート(FITC)に対する抗体が含まれる。
【0052】
タンパク質-タンパク質結合も、たとえばイムノグロブリンのFc部分を介したタンパク質A又はタンパク質Gの結合のように適切である。たとえば糖タンパク質のカーボハイドレート部分と結合するコンカナバリンAのようなレクチンも同様に適切である。
【0053】
他の好適実施例では、固体支持体への第2結合分子の付着は、結合分子が結合するタンパク質(たとえばウシ血清アルブミン、BSA)をその粒子にコーティングすることによって行われる。たとえば第2結合分子がモルヒネ又はモルヒネホモログである場合、又は他の常習性の薬の場合、BSAはこれらの薬と結合することのできる有用なタンパク質である。BSA-モルヒネ、BSA-モルヒネホモログ、又はBSA-常習性の薬の接合物が粒子にコーティングされる。
【0054】
本発明の方法の手順b)による結合反応の検出は様々な方法で実現されて良い。たとえば第2結合分子への第1結合分子の結合によって固体支持体に結合する磁性粒子の数の検出は磁気センサ素子によって行われて良い。
【0055】
それに加えて、センサは、センサ表面上(付近)の磁性粒子の存在を、その粒子の特性に基づいて検出するのに適した如何なるセンサであっても良い。たとえばセンサは、磁気的方法(たとえば磁気抵抗、ホール効果、コイル)、光学的方法(たとえば可視化、蛍光、化学発光、吸収、散乱、エバネッセント場による方法、表面プラズモン共鳴、ラマンなど)、音響的方法(たとえば表面弾性波、バルク弾性波、カンチレバー、石英結晶など)、電気的方法(コンダクタンス、インピーダンス、電流測定、酸化還元サイクル)などによって検出して良い。センサはセンサ表面上(付近)の粒子の磁気特性の検出に基づいた如何なる検出器であっても良い。センサとはたとえば、コイル、ワイヤ、磁気抵抗センサ、ホールセンサ、平面型ホールセンサ、フラックスゲートセンサ、SQUID、磁気共鳴センサ等である。
【0056】
検出は、バイオセンサ表面に対してセンサを走査して行っても良いし、走査しなくても良い。
【0057】
本発明に記載された検出用センサ及び方法は、迅速で、堅固で、使いやすい、小さな体積に用いられるポイント・オブ・ケアのバイオセンサとして用いられて良い。反応チャンバは小型読み取り装置と共に用いられる使い捨ての道具であって良く、1つ以上の磁場発生手段及び1つ以上の検出手段を有する。また本発明の検出用センサ及び方法は自動高速処理検査に用いられて良い。この場合、反応チャンバはたとえばウエルプレート又はキューベットのように、自動用装置に適する。測定データは、信号を連続的又は間断的に記録することによるだけでなく、端点測定として得られても良い。
【0058】
標的は検出方法によって直接的に検出されて良い。同様に粒子は検出前にさらに処理されて良い。さらなる処理の一例は、材料が加えられること、又は標的の(生)化学若しくは物理的特性が検出しやすくなるように改質されることである。
【0059】
さらに本発明の検出用アッセイ法、素子、センサ、及び/又は方法は、センサの多重化(つまり各異なるセンサ及びセンサ表面の並列使用)、ラベルの多重化(つまり各異なる種類のラベル又は標的の並列使用)、及びチャンバの多重化(つまり各異なる反応チャンバの並列使用)に適している。
【0060】
あるいはその代わりに、第2結合分子へ第1結合分子が結合することで固体支持体へ結合する磁性粒子の検出は、これらの粒子に付着する第1結合分子へ第3結合分子を結合させ、その後この結合を検出することによって行われて良い。第3結合分子は第1結合分子へ選択的に結合することのできる分子である。一の実施例では、磁性粒子上の第1結合分子はこの段階で検出される。この検出される第1結合分子は固体支持体上の如何なる第2結合分子への結合にも関与しない。
【0061】
上述の実施例における第1結合分子への第3結合分子の結合は、検出可能なラベルを利用して行われる。このラベルは第3結合分子へ直接結合しても良い。あるいはその代わりに検出可能なラベルは第3結合分子へ付着しても良い。その付着は、検出可能なラベルと結合し、かつ第3結合分子に対して選択的に結合できる薬剤が、第3結合分子と結合できるようにすることによって行われて良い。
【0062】
ラベルは検知方法によって直接検出されて良い。同様に粒子は、検出前にさらに処理されても良い。さらなる処理の例は、材料が付加されること、又は検出を手助けするように、標的の(生)化学若しくは物理特性が改質されることである。さらに本発明の検出用アッセイ法、素子、センサ、及び/又は方法は、ラベルの多重化に適している。
【0063】
この点で適切なラベルは、蛍光ラベル、比色ラベル、化学発光ラベル、酵素ラベル(たとえばホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)又はアルカリフォスファターゼ(AP))、放射線ラベル、静電ラベル、及び供与体/受容体ラベルである。好適なラベルはHRPである。他の好適なラベルはAPである。
【0064】
本発明の方法は様々な種類の試料に適用可能である。たとえば当該方法は、尿試料、血液試料、汗試料、眼の流体試料、口の流体(唾液)試料又は髪の試料に適用されて良い。本発明のアッセイ法が適切に行えるような状態にするために、体液、組織、又は細胞を処理することによって、上で挙げた試料から得られた試料も同様に用いられて良い。係る処理は、化学的又は機械的手段によって行われる、適切な緩衝溶液若しくは塩化物溶液、カオトロピック剤、洗浄剤、又は溶媒と試料との混合、攪拌、抽出等を含む。
【0065】
他の態様では、本発明は、第1結合分子、磁性粒子と結合する第1結合分子、第2結合分子、又は固体支持体に付着する第2結合分子を、本明細書で記載及び/又は主張されている方法に使用することに関する。第1結合分子、磁性粒子、第2結合分子、及び固体支持体は、本明細書及び「特許請求の範囲」で定義された任意の第1結合分子、磁性粒子、第2結合分子、及び固体支持体であって良い。
【0066】
以降で与えられる図及び例は、本発明の技術的範囲を限定することなく、本発明の原理を例示するものである。
【実施例1】
【0067】
例1:試料中のモルヒネの定量化
A. 抗モルヒネ抗体(Ab)に付着する磁性粒子(MP)の調製
磁性粒子回収装置(MPC)では、MPsは、100μlの磁性粒子溶液(アデムテック(Ademtech)社製、200nmのタンパク質GでコーティングされたMPs、製造番号0433)から回収されて、100μlのPBS+0.65%のTween20(商標)内で溶解された。10μlの単クローン性のマウスの抗体(1mg/mlの原液)を加えた後、混合物は室温で1時間混合され、それに続いて100μlのPBS+0.65%のTween20(商標)内のMPCを用いて2回洗浄して100μlのトリエタノールアミン(0.2M,pH8)で1回洗浄された。MPsは1mlトリエタノールアミン(0.2M,pH8)中のDMP(20mM)で溶解し、その溶液は室温で30分間混合された。架橋反応は、50μlのトリス(1M、pH7.5、最終濃度50mM)を加え、室温で15分間混合を続けることによって止まった。MPsは、100μlのトリス(50mM、pH7.5)と共にMPCを1回用い、そしてMPC中の貯蔵緩衝剤を1回用いて分離及び洗浄し、最終的に100μlの貯蔵緩衝材中で溶解させた。
【0068】
B. アッセイ法
金のディスクが、コーティング緩衝材(15mMの炭酸ナトリウム、35mMの炭酸水素ナトリウム、0.05%のアジ化ナトリウム、pH〜9.6)中のBSA又はBSA-OPI(3μg/ml)によってエッチング及びコーティングされた。コーティングされたディスクは洗浄緩衝材(PBS中の0.05%Tween20(商標))によって3回洗浄された。希釈緩衝材には一連のモルヒネ希釈溶液が反応管内で調製された。事前に混合したMP溶液(緩衝材中で0.1%w/v=1mg/mlのMP)が管内の各希釈溶液に加えられた。50μlのこれらの各溶液はウエルに入れられ、かつMPsは30秒間の磁力の印加(6-24fN)によって作動し、又は30分間沈降可能となる。従って、未結合MPsが30秒間の磁力印加によって除去され、かつ100μlの抗マウスIgG-HRP(希釈緩衝材中で原液を1/3000に希釈)が各ウエルに加えられた。その後室温で60分間培養された。ディスクはウエル毎に200μlの洗浄緩衝材で4回洗浄され、洗浄緩衝材を含むウエルから白のマイクロタイタープレートへ移送された。洗浄緩衝材は除去された。100μlのAB混合物(ECL;A+Bは1:1で混合された)が加えられ、室温で5分間培養された。発光が読み取られた。
【0069】
このアッセイ法の設定を用いることによって、担体としてのBSAと結合するモルヒネは金表面上でコーティングされた(物理吸着)。抗モルヒネ抗体(単クローン性)は、タンパク質Gによってコーティングされた磁性粒子(MPs)と結合した。ウエルプレートを用いることによって、投与量応答曲線は、ビーズ上の抗体結合位置を巡って表面上のモルヒネと競合する自由モルヒネを用いて得られた(図2に図示されている)。上で説明した通り、ビーズは、金表面の下で永久磁石を用いることによって生体活性表面に引き付けられるか、又は表面上への沈降が可能となる。未結合ビーズは、溶液中であって金表面の上に永久磁石を設けることによって溶液からつり上げられた。表面に結合するMPsの量を測定するため、HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)と結合する2次抗体(ヤギ抗マウス抗体)による培養が行われた。その後未結合2次抗体は洗い流された。よって結合HRPの量が、ルミノール(HRP用基板)及び測定された発光を用いて決定された。
【0070】
図2から分かるように、磁気作用が投与量応答曲線を作るので、アッセイ法はより敏感となる。
【実施例2】
【0071】
例2
A. 金表面へのAbのコーティング
本発明の方法に係る代替実施例では、最初にAbを金表面上に設ける必要がある。図3に図示されているように、これは、表面上にタンパク質G(pG)が設けられるときに最も良く機能する。ここで金表面をコーティングするのに50μg/mlのタンパク質Gが用いられた。続いて様々な量のAbで表面を洗浄して培養した。その後、モルヒネ-HRPで表面を培養して、洗浄した。それに続いて、結合モルヒネの量がルミノール/発光を用いて決定された。得られた信号は表面上で機能するAbの量を反映する。図3に示された暗いグレーの棒は、タンパク質Gが取り除かれたときに、金表面上に直接結合(物理吸着)するAbを表す。白の棒は、非選択結合のチェックを行うためのBSA(Abもタンパク質Gも含まない)でコーティングされた金表面を表す。
【0072】
B. このアッセイ形式でもまた、MPsに結合したモルヒネが必要となる。ここではアダムテック社から購入したCOOH MPsが用いられた(200nm及び300nmのビーズが用いられた)。モルヒネ-3-グルコロナイドは、最初にEDC/NHSによってCOOH基が活性化することによってCOOH粒子へ結合した。続いて活性化した基は、(自由NH2結合位置を得るために)エチレンジアミンと反応した。モルヒネ-3-グルコロナイドはEDC/NHSによって活性化され、処理されたMPsと反応した。図4はこれらのビーズの機能試験の結果を図示している。上述したように抗モルヒネAbは(タンパク質Gを介して)表面上に設けられ、モルヒネと結合するビーズは、表面付近の永久磁石を用いることによって表面に引き付けられた。未結合ビーズは、溶液中であって金表面の上に永久磁石を設けることによって溶液からつり上げられた。その後ビオチン化された2次Abによる培養が行われ(恐らく高レベルのビオチン化が起こっているため、このAbがタンパク質(G)と結合しない様子が観測される)、かつ洗浄手順後、ストレプトアビジン-HRPによる培養が行われた。その後、表面に結合するHRPの量を定量化するためのルミノール/発光が測定された。
【0073】
その結果が図4に示されている。最初の2つの棒は2つの異なる希釈のMPsを表す。3番目の棒は、(表面へのMP-モルヒネの非選択的結合をチェックするため)Abが表面に結合しない並列アッセイ法を表し、第4の棒はモルヒネと結合しないMPsが同時に存在したまま行われる同じアッセイ法を表す。
【0074】
このアッセイ法の設定を用いて観測される利点の1つは、モルヒネで覆われるビーズが(凝集しがちである、Absで覆われたMPsとは対照的に)凝集しにくいということである。ビーズの凝集は、単一ビーズの検出を意図しているときには大抵問題である。
【0075】
C. 競合アッセイ法
競合アッセイ法は、上述したようにMPsと表面を用いてウエルプレート内で行われた。その結果は図5に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明による一チャンバ競合アッセイ法の構成の概略図である。関心標的分子(a)は、固体支持体表面に付着する抗体に結合する標的又は磁性粒子に付着する標的ホモログ分子(d)と競合する。
【図2】抗OPI抗体でコーティングされた磁気ビーズをBSA-OPIでコーティングされた表面に集中させるために磁気作用を利用する場合としない場合での、モルヒネに関する競合結合アッセイ法の投与量応答曲線を図示している。
【図3】モルヒネ-HRP及びルミノール/発光によって検出される、金表面への抗モルヒネ抗体のコーティングの有効性を示す。
【図4】表面に付着する抗モルヒネAbsへのMP-モルヒネの結合によって検出される、モルヒネに結合したマイクロ粒子(MPs)の機能を示す。
【図5】競合アッセイ法の結果を示している。ここでは、表面に付着する抗モルヒネAbsに結合するMP-モルヒネは、溶液中に様々な量モルヒネが存在している中で検出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的を含んでいる疑いのある試料中での前記標的の検出方法であって:
a)前記試料及び磁性粒子に付着する第1結合分子を、同時又はそれぞれ異なる時期に、固体支持体に付着する第2結合分子と接触させる手順であって、前記第1結合分子は前記第2結合分子と結合する能力を有し、前記標的はこの結合を妨害する能力を有する手順;及び、前記磁性粒子が前記固体支持体付近へ移動するように磁力を印加する手順;並びに
b)前記第1結合分子の前記第2結合分子への結合によって前記固体支持体と結合する磁性粒子数を検出する手順;
を有する方法。
【請求項2】
前記第1結合分子が前記の試料中での標的及び前記第2結合分子と選択的に結合する能力を有し、かつ
接触手順a)が、前記の第1結合分子との選択結合を行うため、前記第2結合分子と前記標的との競合を可能にする手順を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2結合分子が前記標的と同一であるか、又は標的ホモログである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2結合分子が前記の試料中での標的及び前記第1結合分子と選択的に結合する能力を有し、かつ
接触手順a)が、前記の第2結合分子との選択結合を行うため、前記第1結合分子と前記標的との競合を可能にする手順を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1結合分子が前記標的と同一であるか、又は標的ホモログである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記標的が、小さな分子、薬、タンパク質、酵素、ホルモン、ペプチド、及び核酸からなる群から選ばれる、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記標的がたとえば常習性の薬のような薬である、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記常習性の薬が、モルヒネ、コカイン、THC、アナボリック、又はアンフェタミン/メタアンフェタミン基の薬である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記磁力は、前記第2結合分子への結合中、前記磁気ラベルに付着する前記標的と前記第1結合分子との間での移動度の差異の効果を緩和又は除去するように印加される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記磁力は、電磁石、空心コイル、又は永久磁石によって印加される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
検出手順b)の前に、手順a)の間に前記第2結合分子と結合していない第1結合分子を除去する手順をさらに有する、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2結合分子と結合していない前記第1結合分子が磁力の印加によって除去される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1結合分子が、スペーサ分子、タンパク質、又は強結合対を介して前記磁性粒子に付着する、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スペーサ分子がアルキレンジアミン又はエチレンジアミンである、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記固体支持体が、たとえば磁気センサ素子のようなセンサ素子の表面である、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記センサ素子の表面が金の表面である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記金の表面は、前記第2結合分子が結合するタンパク質でコーティングされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記タンパク質がタンパク質A又はタンパク質Gで、かつ
前記第2結合分子は、タンパク質A又はタンパク質Gによって結合されることのできる抗体である、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
磁性粒子の数は、手順b)において磁気センサ素子によって決定される、請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記磁性粒子の数は、
前記第1結合分子との選択的結合の可能な第3結合分子を、前記磁性粒子に付着する前記第1結合分子と結合可能にし、かつ
前記第1結合分子と結合する前記第3結合分子を検出することによって、
決定される、
請求項1から18までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第3結合分子が結合可能な前記第1結合分子は、前記第2結合分子との結合に関与しない前記第1結合分子である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記検出が、前記第3結合分子と結合する検出可能なラベルを介して行われる、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記検出は、
検出可能なラベルと結合し、かつ前記第3結合分子に対して選択的に結合できる薬剤が、前記第1結合分子と結合する前記第3結合分子との結合を可能にさせ、かつ
前記検出可能なラベルを検出する、
ことによって行われる、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項24】
前記検出可能なラベルは、蛍光ラベル、比色ラベル、化学発光ラベル、酵素ラベル(たとえばホースラディッシュペルオキシダーゼ)、放射線ラベル、静電ラベル、及び供与体/受容体ラベルであるからなる群から選ばれる、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記試料が、尿試料、血液試料、汗、眼の流体、口の流体(唾液)、又は髪からなる、又は尿試料、血液試料、汗、眼の流体、口の流体(唾液)、又は髪から得られる、請求項1から24までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第1結合分子に付着する磁性粒子へ磁力を印加することで、前記粒子を、第1結合分子が付着する固体支持体へ近づけるための磁石の使用であって、
前記第1結合分子は前記第2結合分子への結合が可能で、かつ
前記結合を妨害することのできる標的分子が存在する、
磁石の使用。
【請求項27】
請求項1から25までのいずれか一項に記載の方法において、前記磁力を印加することで、前記磁性粒子を前記固体支持体へ近づけるための磁石の使用。
【請求項28】
前記磁石が電磁石、空心コイル、又は永久磁石である、請求項26又は27に記載の使用。
【請求項29】
前記磁性粒子は、磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、フェリ磁性、又は強磁性粒子からなる群から選ばれる、上記請求項のいずれ一項に記載の方法又は使用。
【請求項30】
前記磁性粒子は、約10nmから約10μm、約50nmから約1μm、約100nmから約500nm、約300nm、又は約300nmの大きさを有する、上記請求項のいずれ一項に記載の方法又は使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−536344(P2009−536344A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508593(P2009−508593)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051578
【国際公開番号】WO2007/132373
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】