説明

磁気シールド装置

【課題】出来るだけ少ない磁性体で、出来るだけ確実に磁界をシールドすることができるようにする。
【解決手段】磁気シールド装置3の前面(MRI2と操作領域1bとの間の面)に第1のシールド部材3aを設けると共に、第1のシールド部材3aの両端から、MRI2が備える励磁コイルの側方(好ましくは励磁コイルの中心の側方)まで延設される第2のシールド部材3bを設けるようにした。このようにすることによって、出来るだけ少ないシールド板で、実用上十分な磁気シールド性能が得ることができる。したがって、実用上十分な磁気シールド性能を有する磁気シールド装置を低コストで構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気シールド装置に関し、特に、磁界をシールドするために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
MRI(Magnetic Resonance Imaging)等、例えば1[T]〜3[T]程度の強磁場を利用する電子機器は、人体や精密機器に悪影響を与える虞がある。そこで、従来から、そのような電子機器を磁気シールド装置の内部に設置し、電子機器から発生する磁界が磁気シールド装置の外部に漏洩することをシールド(低減)するようにしている。また、磁気シールド装置の近くに大電流が流れていたり、残留磁場のある磁性体があったりする場合には、そこから磁界が発生する。磁気シールド装置を用いれば、このような磁界が磁気シールド装置の内部に進入することを防止することもできる。
【0003】
このような磁気シールド装置として、シールドルームの全面を磁性体の板で覆う密閉型の磁気シールド装置がある。この密閉型の磁気シールド装置は、通気性が悪く、内部温度が非常に高くなるという問題点を有する。そこで、特許文献1には、複数の磁性体の板を、シールドルームの全面に亘ってすだれ状に並べて構成された開放型の磁気シールド装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、前述した従来の技術では、シールドルームの各面全体に亘って磁性体を設けるようにしている。したがって、磁気シールド装置のコストが高くなる。また、不必要な部分まで磁性体で覆ってしまう場合がある。このような場合には、磁性体を無駄に使用してしまうことになり、効率良く磁界をシールドすることができない。
そこで、特許文献2のごとく、シールドルームの各面のうち、磁界を発生する電子機器とその磁界による影響を防ぎたい精密機器との間の面にだけ磁性体を設けることパネル式が考えられる。このようにすると、磁気シールド装置のコストを低下させることができる。しかしながら、このような構成では、必ずしも電子機器から発生する磁界を確実に防ぐことができない。
【0005】
また、こうしたパネル式の構造としては、特許文献3のごとく、コの字に配置することが考えられるが、磁場発生装置であるMRI等の電子機器との位置関係が不明である。また、特許文献4では、パネル式と磁場発生装置である電子機器との位置関係が必ずしも適切な位置関係にあるとはいえず、電子機器から発生した磁場を効率よくシールドする構造になっていない。
【0006】
【特許文献1】特開2002−164686号公報
【特許文献2】特開平3−228944号公報
【特許文献3】国際公開第2004/084603号パンフレット
【特許文献4】特開平3−77173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、磁気シールドルームの構造をできるだけ簡便にし、かつ、磁場を発生する電子機器と磁気シールドパネルとの構造、位置関係を適切にすることで、出来るだけ少ない磁性体で、出来るだけ確実に磁界をシールドすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の磁気シールド装置は、磁界発生源から外部に漏洩する磁界をシールドする磁気シールド装置であって、前記磁気シールド装置の前面に、磁性体を用いて構成された第1の磁気シールド部材と、前記磁気シールド装置の側面に、磁性体を用いて構成された第2の磁気シールド部材とを有し、前記第2の磁気シールド部材を構成する磁性体は、前記第1の磁気シールド部材を構成する磁性体の両端から、前記磁界発生源の側方まで延設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、側面に設ける磁性体を、前面に設けられた磁性体の両端から、磁界発生源の側方まで延設するようにした。これにより、出来るだけ少ない磁性体で、出来るだけ確実に磁界をシールドすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の磁気シールド装置が設けられたシールドルームの概略構成の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示すシールドルームをA方向及びB方向から見た場合のシールドルームの概略構成の一例を示す図である。尚、図1及び図2では、説明の都合上、シールドルーム及び磁気シールド装置を簡略化して示している。また、本実施形態では、MRIによる診断を行うためのシールドルームを例に挙げて説明する。
【0011】
図1、図2において、シールドルーム1には、MRI2による測定を行う測定領域1aと、MRI2の操作等を行う操作領域1bとがある。測定領域1aには、MRI2が設置されている。MRI2が動作すると、その中心部には、例えば1.5[T]程度の磁界が発生する。一方、操作領域1bには、MRI2を操作するための装置等が設置されている。
【0012】
また、測定領域1aには、磁気シールド装置3が設置されている。この磁気シールド装置3は、その前面(MRI2と操作領域1b(点A)との間の面)に設けられた第1のシールド部材3aと、その側面に設けられた第2のシールド部材3bとを備えている。これら第1のシールド部材3aと第2のシールド部材3bは、夫々、複数の磁性体の板(例えば電磁鋼鈑)を備えて構成される。
【0013】
本実施形態において、第1及び第2のシールド部材3a、3bは、厚さが0.35[mm]の磁性体の板を、その面がシールドルーム1の底面と平行になるようにして20枚積み重ねたものを、概ね300[mm]間隔で、高さ方向に9つ配設することにより構成される。尚、以下の説明では、磁性体の板を、必要に応じてシールド板と称する。また、積み重ねたシールド板を、必要に応じてシールド板群と称する。
【0014】
図2に示すように、第2のシールド部材3bを構成する各シールド板群の一端は、夫々、第1のシールド部材3aを構成するシールド板群の一端と他端に接続される。第2のシールド部材3bを構成する各シールド板群の他端は、MRI2が備える励磁コイル(磁界発生源)の中心点Oの側方に達する位置まで延設されている。具体的に、図1、図2に示す例では、第2のシールド部材3bを構成するシールド板群の長手方向の長さは、4.5[m]である。
以上のように本実施形態では、シールドルーム1の内外の磁界をシールド(遮蔽)するためのシールド板を、前面と側面にだけ設けるようにしている。しかも、本実施形態では、側面に設けたシールド板が、前面に設けたシールド板の両端から、MRI2が備える励磁コイルの中心点Oの側方まで延設されるようにし、シールド板を、シールドルーム1の測定領域1aの側面全体に設けるようにしていない。
このように本実施形態では、第1のシールド部材3aにより第1の磁気シールド部材が構成され、第2のシールド部材3bにより第2の磁気シールド部材が構成される。
【0015】
本願発明者らは、電磁場解析を行うことにより、このようにしてシールド板を配設して磁気シールド装置3を構成しても、実用上十分な磁気シールド性能が得られることを、今回初めて見出した。
図3は、シールド板の配設位置と、図2に示す点Aにおける磁束密度との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。また、図4は、シールド板の配設位置と、図2に示す点Bにおける磁束密度との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。
【0016】
図2に示すように、点Aは、磁気シールド装置3の前面(第1のシールド部材3a)から、操作領域1bの方向に1[m]離れた位置の点であって、磁気シールド装置3の前面を介してMRI2が備える励磁コイルの中心点Oと正対する位置にある点である。この点Aにおける磁束密度を評価したのは、MRI2に対する操作を行うための装置等の精密機器や、MRI2に対する操作を行うオペレータ等が受ける磁界を評価するためのである。
また、図2に示すように、点Bは、磁気シールド装置3の前面から、シールドルーム1の側方向に0.1[m]離れた位置の点であって、MRI2が備える励磁コイルの中心点Oと同じ高さの点である。この点Bにおける磁束密度を評価したのは、シールドルーム1の脇にいる人(歩行者等)が受ける磁界を評価するためのである。
【0017】
図3及び図4において、「なし」は、シールドルーム1にシールド板を全く設けていないことを示す。「前面のみ」は、第2のシールド部材3bを設けずに、図1、図2に示した第1のシールド部材3aのみを設けたことを示す。「前面+側面(L=0.15m)」は、第1のシールド部材3aを設けると共に、長手方向の長さが0.15[m]のシールド板群を第2のシールド部材として設けたことを示す。同様に、「前面+側面(L=0.5m)、(L=1.1m)、(L=2.1m)、(L=4.5m)、(L=6.5m)」は、夫々、図1、図2に示した第1のシールド部材3aを設けると共に、長手方向の長さが0.5[m]、1.1[m]、2.1[m]、4.5[m]、6.5[m]のシールド板群を第2のシールド部材として設けたことを示す。尚、「前面+側面(L=4.5m)」は、図1、図2に示した磁気シールド装置3であることを示す。また、「前面+側面(L=6.5m)」は、シールドルーム1の測定領域1aの前面及び側面全体に亘ってシールド板を設けていることを示す。
【0018】
また、「前面+側面(L=6.5m)+後面1/4」は、図1、図2に示した第1のシールド部材3aを設けると共に、長手方向の長さが6.5[m]のシールド板群を第2のシールド部材として設け、更に、第2のシールド部材を構成するシールド板群の他端から後面の中央方向に向けて、長手方向の長さが、後面の幅の1/4(=1.125[m])のシールド板群を延設させていることを示している。
更に、「4面」は、図1、図2に示した第1のシールド部材3aを設けると共に、長手方向の長さが6.5[m]のシールド板群を第2のシールド部材として設け、更に、第2のシールド部材を構成する各シールド板群の他端の間に、長手方向の長さが、後面の幅と同じシールド板群を設けたことを示している。すなわち、「4面」は、シールドルーム1の測定領域1aの前面、側面、及び後面全体に亘ってシールド板を設けていることを示す。
【0019】
図3に示すように、第2のシールド部材を設けても、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、2.1[m]になるまでは、図1、図2に示した第1のシールド部材3aのみを設けた場合と、点Aにおける磁束密度は、大きく変わらない。これに対して、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが4.5[m]になると、点Aにおける磁束密度は大きく減少する。そして、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さを4.5[m]より長くしたり、後面にシールド板群を設けたりしても、点Aにおける磁束密度は大きく変化しない。
【0020】
図3に示す現象は、次の理由によって生じると考えられる。
まず、第2のシールド部材3bを設けても、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、MRI2が備える励磁コイルの側方に達しない長さであると、MRI2が備える励磁コイル、第1のシールド部材3a、及び第2のシールド部材による閉磁路が形成されない。したがって、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、MRI2が備える励磁コイルの側方に達していない場合には、第1のシールド部材3aのみを設けた場合と、点Aにおける磁束密度はそれ程変わらない。そして、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、MRI2が備える励磁コイルの側方に達すると、MRI2が備える励磁コイル、第1のシールド部材3a、及び第2のシールド部材による閉磁路が形成されるようになる。このため、点Aにおける磁束密度は大きく減少する。そして、このようにして閉磁路が一旦形成されると、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さを長くしたり、後面にシールド板群を設けたりしても、点Aにおける磁束密度はそれ程変わらないことになる。
【0021】
以上のように、第1のシールド部材3aを設けると共に、MRI2が備える励磁コイルの側方(好ましくは励磁コイルの中心の側方)に達する長さを有する第2のシールド部材を設けるようにすれば、その他にシールド板を設けなくても、MRI2に対する操作を行うための装置等の精密機器や、MRI2に対する操作を行うオペレータ等、操作領域1b内にある人や物が、MRI2が備える励磁コイルから発生する磁界によって悪影響を受けることを防止することができる。
【0022】
また、図4に示すように、第1のシールド部材3aを設けると、点Bにおける磁束密度は大きく増加する。また、第1のシールド部材3aに加え、第2のシールド部材を設けると、点Bにおける磁束密度は、更に大きく増加する。そして、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが2.1[m]になるまでは、点Bにおける磁束密度は大きく変化しない。これに対して、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが4.5[m]になると、点Bにおける磁束密度は大きく減少する。そして、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さを4.5[m]よりも長くしたり、後面にシールド板群を設けたりしても、点Aにおける磁束密度は大きく変化しない。
【0023】
図4に示す現象は、次の理由によって生じると考えられる。
まず、第1の磁気シールド部材3aを設けると、MRI2が備える励磁コイルから発生する磁界が第1の磁気シールド部材3aに捕捉される。この場合、前述した閉磁路が形成されないため、捕捉された磁界がシールドルーム1の外部に漏洩する。これにより、点Bにおける磁束密度が増大する。また、第2のシールド部材を設けても、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、MRI2が備える励磁コイルの側方に達しない長さである場合、捕捉される磁界は増大するが、前述した閉磁路が形成されない。したがって、この場合の点Bにおける磁束密度は、第1の磁気シールド部材3aのみを設けた場合よりも大きくなる傾向となる。そして、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、MRI2が備える励磁コイルの側方に達すると、前述したように閉磁路が形成される。このため、シールドルーム1の外部に漏洩する磁界が減少し、点Bにおける磁束密度は大きく減少する。そして、このようにして閉磁路が一旦形成されると、第2のシールド部材3bを構成するシールド板群の長手方向の長さを長くしたり、後面にシールド板群を設けたりしても、点Bにおける磁束密度はそれ程変わらないことになる。
【0024】
以上のように、第1のシールド部材3aを設けると共に、MRI2が備える励磁コイルの側方(好ましくは励磁コイルの中心の側方)に達する長さを有する第2のシールド部材を設けるようにすれば、その他にシールド板を設けなくても、シールドルーム1の脇にいる人(歩行者等)やシールドルーム1の脇にある物が、MRI2が備える励磁コイルから発生する磁界によって悪影響を受けることを防止することができる。
【0025】
図5は、シールド板における磁束密度を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。図6は、図5に示すグラフの一部分(原点付近の部分)を拡大して示す図である。図5及び図6では、図1、図2に示す第1のシールド部材3a及び第2のシールド部材3bを構成するシールド板群のうち、真ん中のシールド板群における磁束密度を示している。また、図5及び図6に示すα、β、γ、δは、夫々、図1に示す点α、β、γ、δに対応する。
【0026】
図5及び図6に示すように、第2のシールド部材を設けても、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが、2.1[m]になるまでは、シールド板における磁束密度は小さく、MRI2が備える励磁コイルから発生された磁界が、シールド板にあまり捕捉されない。これに対して、第2のシールド部材を構成するシールド板群の長手方向の長さが4.5[m]になると、前述した閉磁路が形成されるため、シールド板における磁束密度が大きくなり、MRI2が備える励磁コイルから発生された磁界が、シールド板によく捕捉されるようになる。そして、第2のシールド部材3bを構成するシールド板群の長手方向の長さを4.5[m]よりも長くしたり、後面にシールド板群を設けたりしても、シールド板における磁束密度は大きく変化しない。
以上のように、第1のシールド部材3aを設けると共に、MRI2が備える励磁コイルの側方(好ましくは励磁コイルの中心の側方)に達する長さを有する第2のシールド部材3bを設けるようにすれば、その他にシールド板を設けなくても、MRI2が備える励磁コイルから発生された磁界を、シールド板に、出来るだけ確実に捕捉させることができる。
【0027】
図7は、シールド板の配設位置と、磁束密度の分布との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。尚、図7の「磁気シールド装置より1m外側のYZ面」とは、図2に示すように、操作領域1b内の点Aを含む面であって、磁気シールド装置3の前面と平行な面Sを指す。図7からも、図3〜図6を用いて説明したことと同じ結論を導き出すことができる。
【0028】
以上のように本実施形態では、磁気シールド装置3の前面(MRI2と操作領域1bとの間の面)に第1のシールド部材3aを設けると共に、第1のシールド部材3aの両端から、MRI2が備える励磁コイルの側方(好ましくは励磁コイルの中心の側方)まで延設される第2のシールド部材3bを設けるようにした。このようにすることによって、出来るだけ少ないシールド板で、実用上十分な磁気シールド性能が得ることができる。したがって、実用上十分な磁気シールド性能を有する磁気シールド装置を低コストで構成することができる。
【0029】
尚、本実施形態では、厚さが0.35[mm]のシールド板を20枚重ねたものを、概ね300[mm]間隔で、高さ方向に9つ配設するようにしたが、必ずしもこのようにする必要はない。磁気シールド装置3の前面に磁性体が設けられ、且つその前面に設けられた磁性体の両端からMRI2が備える励磁コイルの側方まで延設される磁性体が、磁気シールド装置3の側面に設けられるようにしていれば、必ずしも図1、図2に示したようにして磁気シールド装置3を構成する必要はない。
【0030】
例えば、シールドルーム1の測定領域1aの前面をシールド板で覆うと共に、その前面を覆うシールド板の両端からMRI2が備える励磁コイルの側方まで延設されるシールド板でシールドルーム1の測定領域1aの側面の一部を覆うようにしてもよい。すなわち、図1、図2に示したように開放型の磁気シールド装置でなく、密閉型の磁気シールド装置(シールドルーム1の測定領域1aの前面と側面の一部の領域とがシールド板で覆われた磁気シールド装置)であってもよい。更に、例えば、第1及び第2のシールド部材3a、3bと、シールドルーム1の測定領域1aの上面及び底面を覆うシールド板とを有する磁気シールド装置としてもよい。すなわち、開放型と密閉型とのハイブリッド型の磁気シールド装置としてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、シールド板の面がシールドルーム1の底面(及び上面)と平行になるようにして、開放型の磁気シールド装置を構成するようにしたが、必ずしもこのようにする必要はなく、例えば、シールド板の面がシールドルーム1の側面と平行になるようにしてもよい。
その他、シールド板を積み重ねる枚数は20枚に限定されない。更に、シールド板を積み重ねなくてもよい。すなわち、シールド板を、1枚ずつ間隔を空けて配設するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、磁界発生源が励磁コイルである場合を例に挙げて説明したが、磁界発生源は励磁コイルに限定されない。例えば、磁界発生源が永久磁石であってもよい。
【0033】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、第1のシールド部材3a及び第2のシールド部材3bを用いて磁気シールド装置3を構成するようにした。これに対し、本実施形態では、第1のシールド部材3aの両端に、直方体形状(棒状)の磁性体を用いて構成される第3のシールド部材を更に設けるようにしている。また、前述した第1の実施形態では、第2のシールド部材3bを構成するシールド板群を、第1のシールド部材3aと同様に、300[mm]間隔で、高さ方向に配設するようにした。これに対し、本実施形態では、第2のシールド部材3bを構成するシールド板群を高さ方向に積み重ねるようにしている(すなわち、シールド板を、間隔を空けずに高さ方向に積み重ねるようにしている)。以上のように本実施形態と前述した第1の実施形態とは、磁気シールド装置を構成するシールド部材の一部が主として異なる。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図7に付した符号と同一の符号を付すこと等によって、詳細な説明を省略する。
【0034】
図8は、本実施形態の磁気シールド装置が設けられたシールドルームの概略構成の一例を示す斜視図である。図9は、図8に示すシールドルームをA方向及びB方向から見た場合のシールドルームの概略構成の一例を示す図である。尚、図8及び図9では、説明の都合上、シールドルーム及び磁気シールド装置を簡略化して示している。また、本実施形態でも、MRIによる診断を行うためのシールドルームを例に挙げて説明する。
【0035】
図8、図9において、測定領域1aには、磁気シールド装置71が設置されている。この磁気シールド装置71は、その前面(MRI2と操作領域1b(点A)との間の面)に設けられた第1のシールド部材71aと、その側面に設けられた第2のシールド部材71bと、第1のシールド部材71aの両端に設けられた第3のシールド部材71cとを備えている。
【0036】
図8、図9に示す第1のシールド部材71aは、図1、図2に示した第1のシールド部材3aと長手方向の長さが異なるが、図1、図2に示した第1のシールド部材3aと同様に、厚さが0.35[mm]のシールド板を、その面がシールドルーム1の底面と平行になるようにして20枚積み重ねたシールド板群を、概ね300[mm]間隔で、高さ方向に9つ配設することにより構成される。
第3のシールド部材71cは、直方体形状を有し、磁性体を用いて構成されている。第3のシールド部材71cは、第1のシールド部材71aを構成するシールド板群の両端に接続されている。
【0037】
第2のシールド部材71bは、厚さが0.35[mm]のシールド板を、その面がシールドルーム1の底面と平行になるようにして高さ方向に20枚積み重ねたシールド板群を、高さ方向に9つ更に積み重ねることにより構成される。すなわち、第2のシールド部材71bは、厚さが0.35[mm]のシールド板を、その面がシールドルーム1の底面と平行になるようにして高さ方向に180(=20×9)枚積み重ねたシールド板群により構成される。
【0038】
このような第2のシールド部材71を構成するシールド板群の一端は、第3のシールド部材71cに接続されている。その際、図8、図9に示すように、第2のシールド部材71を構成するシールド板群の高さ方向における中心が、MRI2が備える励磁コイルの中心点Oと同じ高さになるようにしている。また、第1の実施形態と同様に、第2のシールド部材71bを構成するシールド板群は、MRI2が備える励磁コイル(磁場発生源)の中心点Oの側方まで延設されている。
【0039】
以上のように本実施形態では、第1の実施形態と同様に、シールドルーム1の内外の磁界をシールド(遮蔽)するためのシールド板を、前面と側面にだけ設けるようにしている。そして、側面に設ける複数のシールド板を、間隔を有さないように積み重ねるようにしている。更に、側面の複数のシールド板が、棒状もしくは直方体形状の磁性体を介して、前面に設けたシールド板の両端から、MRI2が備える励磁コイルの中心点Oの側方まで延設されるようにしている。
このように本実施形態では、第1のシールド部材71aにより第1の磁気シールド部材が構成され、第2のシールド部材71bにより第2の磁気シールド部材が構成され、第3のシールド部材71cにより第3の磁気シールド部材が構成される。また、本実施形態では、第2のシールド部材71を構成するシールド板群により、高さ方向に積み重ねられている複数の磁性体の板からなる磁性体群が構成される。
【0040】
本願発明者らは、電磁場解析を行うことにより、このようにしてシールド板を配設して磁気シールド装置71を構成しても、実用上十分な磁気シールド性能が得られることを、今回初めて見出した。
【0041】
図10は、シールド板の配設位置と、磁束密度の分布との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。尚、図10において、「前面のみ」は、第2のシールド部材71b及び第3のシールド部材71cを設けずに、図8、図9に示した第1のシールド部材71aのみを設けたことを示す。「前面+側面(床)」は、第1のシールド部材71aを設けると共に、シールドルーム1の床面に180枚のシールド板を積み重ねることにより構成されたシールド板群を第2のシールド部材として設けたことを示す。尚、「前面+側面(床)」では、第3のシールド部材71cを設けていない。
【0042】
「前面+前面両端柱+側面(床)」は、第1のシールド部材71aを設けると共に、シールドルーム1の床面に180枚のシールド板を積み重ねることにより構成されたシールド板群を第2のシールド部材として設け、更に、第3のシールド部材71cを設けたことを示す。「前面+前面両端柱+側面(中)」は、第1のシールド部材71aを設けると共に、高さ方向における中心が、MRI2が備える励磁コイルの中心点Oと同じ高さになるように180枚のシールド板を積み重ねることにより構成されたシールド板群を第2のシールド部材として設け、更に、第3のシールド部材71cを設けたことを示す。すなわち、図8、図9に示した「前面+前面両端柱+側面(中)」は、図8、図9に示した磁気シールド装置71であることを示す。
尚、これらの第2のシールド部材は、何れも、MRI2が備える励磁コイルの中心点Oの側方まで延設されたものである。
【0043】
図10に示すように、第1のシールド部材71a、第2のシールド部材71b、及び第3のシールド部材71cを設けるようにすれば、その他にシールド板を設けなくても、MRI2に対する操作を行うための装置等の精密機器や、MRI2に対する操作を行うオペレータ等が、MRI2が備える励磁コイルから発生する磁界によって悪影響を受けることを防止することができることが分かる。
【0044】
そして、図10の「前面+前面両端柱+側面(中)」に示す結果から、第2のシールド部材71bの高さ方向の位置を、MRI2が備える励磁コイル(好ましくは励磁コイルの中心点O)と同じ高さにすると、操作領域1bにおける磁束密度はより低くなり、シールド板における磁束密度はより高くなることが分かる。MRI2が備える励磁コイルにより発生した磁界による閉磁路が形成され易くなるからである。よって、第2のシールド部材71bの高さ方向の位置を、MRI2が備える励磁コイル(好ましくは励磁コイルの中心点O)と同じ位置にするのが好ましいといえる。
【0045】
しかしながら、図10の「前面+側面(床)」、「前面+前面両端柱+側面(床)」に示す結果から、第2のシールド部材をシールドルーム1の床面に形成しても、シールド板にある程度の磁界を捕捉させることができ、操作領域1bにおける磁束密度を、実用上十分な範囲にまで低減できることが分かる。よって、第2のシールド部材の高さ方向の位置を、MRI2が備える励磁コイルと同じ位置にしなくても、磁気シールド性能の低下を抑制できるといえる。
【0046】
また、図10の「前面+側面(床)」、「前面+前面両端柱+側面(床)」に示す結果から、第3のシールド部材71cを設けない場合よりも、第3のシールド部材71cを設けた場合の方が、シールド板に捕捉される磁界を増大させることができ、操作領域1bにおける磁束密度を低減できることが分かる。よって、第3のシールド部材71cを設けることによっても、磁気シールド性能の低下を抑制できるといえる。
【0047】
以上のように本実施形態では、積み重ねられた複数のシールド板が、棒状もしくは直方体形状の磁性体を介して、前面に設けたシールド板の両端から、MRI2が備える励磁コイル(好ましくは中心点O)の側方まで延設されるようにした。このようにすることによって、第1の実施形態で説明した効果に加え、シールドルーム1に磁気シールド装置71を設定するための施工をより容易に行えるという効果が得られる。特に、積み重ねられた複数のシールド板の高さを、MRI2が備える励磁コイルの高さに合わせるようにすれば、高い磁気シールド効果が得られる。したがって、実用上十分な磁気シールド性能を有する磁気シールド装置を、より低コストで構成することができる。
また、前面に設けたシールド板の両端に、直方体形状の磁性体を設けるようにしたので、磁気シールド性能をより向上させることができると共に、磁気シールド装置71をシールドルーム1に設定するための施工をより容易に行うことができる。
【0048】
尚、本実施形態では、複数のシールド板が積み重ねられて構成されたシールド板群を第2のシールド部材71bとして側面に設けるようにしたが、ブロック状(例えば直方体形状や円柱形状等)の磁性体を第2のシールド部材として用いてもよい。また、1枚のシールド板で第2のシールド部材を構成するようにしてもよい。
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、前面に設けられる第1のシールド部材71aを密閉型にしてもよい。更に、本実施形態においても、磁界発生源は、励磁コイルに限定されず、例えば、永久磁石であってもよい。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第1及び第2の実施形態では、20枚のシールド板が積み重ねられることにより構成されたシールド板群を用いて、第1のシールド部材3a、71aを構成するようにしている。本実施形態では、この積み重ねられるシールド板の枚数の範囲を規定する。このように、本実施形態と前述した第1及び第2の実施形態とでは、第1のシールド部材3a、71aにおけるシールド板の枚数の決定方法が異なるだけである。したがって、本実施形態の説明において、前述した第1及び第2の実施形態と同一の部分については、図1〜図10に付した符号と同一の符号を付すこと等によって、詳細な説明を省略する。
【0050】
図11は、第1のシールド部材3a、71aが備える各シールド板群を構成するシールド板の枚数と、点Aにおける磁束密度との関係を示す曲線の一例を示す図である。尚、点Aは、図2及び図9に示したものである。また、図11に示す曲線1001は、図1、図8に示したシールドルーム1に、第2のシールド部材3b、71b及び第3のシールド部材71cを設けずに、第1のシールド部材3a、71aのみを設けたモデルを電磁場解析した結果から得たものである。
【0051】
図11に示す曲線1001おいて、シールド板の枚数を増やしても磁束密度が減少しなくなり、シールド板の枚数に関わらず磁束密度が一定とみなせる領域が存在する。このような領域が存在するのは、第1のシールド部材3a、71aとMRI2との距離が大きく、第1のシールド部材3a、71aとMRI2との間の磁気抵抗が大きくなるため、第1のシールド部材3a、71aの特性を良くしても、全体の磁気抵抗に影響を与えないからであると考えられる。
【0052】
このような曲線1001において、磁束密度の変化がないとみなせるようになった点1001aにおけるシールド板の枚数は65枚であり、磁束密度は0.293[mT]である。したがって、第1及び第2の実施形態で説明したようにして、第1のシールド部材3a、71aを設ける場合、各シールド板群を構成するシールド板の枚数を65枚より多くしても、磁気シールド特性を向上させることができず、シールド板を無駄に使用してしまうことになる。
尚、本実施形態において、磁束密度の変化がないとみなせるようになった点1001aとは、曲線1001の傾きが−0.0005[mT/枚]以上0[mT/枚]以下の所定の値になった点をいう。
【0053】
一方、図11に示す曲線1001おいて、磁束密度の変化がないとみなせるようになった点1001aにおける磁束密度よりも2[%](≒0.299[mT](=0.293×1.02))大きな磁束密度に対応するシールド板の枚数は、15枚である。
点Aにおける磁束密度が、点1001aにおける磁束密度よりも3[%]、好ましくは2[%]大きな磁束密度を越えると、シールド板の枚数の変化に対する磁束密度の変化が急峻になり、シールド板の枚数だけでなく、シールド板の特性のバラツキ等によっても、磁束密度が大きく変化し、実用上十分な磁気シールド特性が得られなくなる虞があると考えられる。したがって、第1及び第2の実施形態で説明したようにして、第1のシールド部材3a、71aを設ける場合、各シールド板群を構成するシールド板の枚数を15枚より少なくすると、磁気シールド特性が著しく低下する虞があると考えられる。
【0054】
以上のことから、本実施形態では、第1及び第2の実施形態で説明したようにして、第1のシールド部材3a、71aを設ける場合、各シールド板群を構成するシールド板の枚数が、15枚以上65枚以下となるようにしている。このように、本実施形態では、磁気シールド装置3、71に要求される磁気シールド性能及びコスト等に応じて、第1のシールド部材3a、71aを構成するシールド板の枚数を調節することができ、ユーザのニーズにより合致した磁気シールド装置3、71を構成することができる。
【0055】
尚、本実施形態では、第1のシールド部材3a、71aが備える各シールド板群を構成するシールド板の枚数と、点Aにおける磁束密度との関係を示す曲線1001を電磁場解析の結果に基づいて作成し、各シールド板群を構成するシールド板の枚数の範囲を決定するようにした。しかしながら、第1のシールド部材3a、71aが備えるシールド板の総数と、点Aにおける磁束密度との関係を示す曲線を作成し、第1のシールド部材3a、71aが備えるシールドの総数の範囲を決定するようにしてもよい。また、磁気シールド装置3、71の外部の位置であって、磁界を低減させたい位置であれば、曲線1001を作成するに際し、必ずしも点Aを採用する必要はない。例えば、操作領域1b内の所定の位置や、点Bを採用することもできる。
また、本実施形態においても、前述した第1及び第2の実施形態で説明した種々の変形例をとることができる。
【0056】
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、磁気シールド装置が設けられたシールドルームの概略構成の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、図1に示すシールドルームをA方向及びB方向から見た場合のシールドルームの概略構成の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、シールド板の配設位置と、図2に示す点Aにおける磁束密度との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、シールド板の配設位置と、図2に示す点Bにおける磁束密度との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、シールド板における磁束密度を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、図5に示したグラフの一部分を拡大して示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、シールド板の配設位置と、磁束密度の分布との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示し、磁気シールド装置が設けられたシールドルームの概略構成の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示し、図7に示すシールドルームをA方向及びB方向から見た場合のシールドルームの概略構成の一例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示し、シールド板の配設位置と、磁束密度の分布との関係を、電磁場解析により求めた結果の一例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態を示し、第1のシールド部材が備える各シールド板群を構成するシールド板の枚数と、点Aにおける磁束密度との関係を示す曲線の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 シールドルーム
2 MRI
3、71 磁気シールド装置
3a、71a 第1のシールド部材
3b、71b 第2のシールド部材
71c 第3のシールド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界発生源から外部に漏洩する磁界をシールドする磁気シールド装置であって、
前記磁気シールド装置の前面に、磁性体を用いて構成された第1の磁気シールド部材と、
前記磁気シールド装置の側面に、磁性体を用いて構成された第2の磁気シールド部材とを有し、
前記第2の磁気シールド部材を構成する磁性体は、前記第1の磁気シールド部材を構成する磁性体の両端から、前記磁界発生源の側方まで延設されていることを特徴とする磁気シールド装置。
【請求項2】
前記第2の磁気シールド部材を構成する磁性体は、前記第1の磁気シールド部材を構成する磁性体の両端から、前記磁界発生源の中心の側方まで延設されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気シールド装置。
【請求項3】
前記第1の磁気シールド部材は、複数の磁性体の板を有し、それら複数の磁性体の板の少なくとも一部が間隔を有して配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気シールド装置。
【請求項4】
前記第2の磁気シールド部材は、複数の磁性体の板を有し、それら複数の磁性体の板の少なくとも一部が間隔を有して配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気シールド装置。
【請求項5】
前記第2の磁気シールド部材は、複数の磁性体の板を有し、それら複数の磁性体の板が、高さ方向に積み重ねられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気シールド装置。
【請求項6】
前記高さ方向に積み重ねられている複数の磁性体の板からなる磁性体群は、前記磁界発生源の中心と同じ高さに位置していることを特徴とする請求項5に記載の磁気シールド装置。
【請求項7】
前記第1の磁気シールド部材の両端に、棒状の磁性体を用いて構成された第3の磁気シールド部材を有し、
前記第2の磁気シールド部材を構成する磁性体は、前記第3の磁気シールド部材を構成する棒状の磁性体を介して、前記第1の磁気シールド部材を構成する磁性体の両端から、前記磁界発生源の側方まで延設されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の磁気シールド装置。
【請求項8】
前記第1の磁気シールドは、複数の磁性体の板を有し、
前記複数の磁性体の板の枚数は、磁気シールド装置の外部の所定の位置における磁束密度と、磁性体の板の枚数との関係を示す曲線において、前記磁束密度の変化がないと見なせるようになった点における磁束密度を1.02倍した磁束密度に対応する枚数以上、前記磁束密度の変化がないと見なせるようになった点における枚数以下であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の磁気シールド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−111030(P2009−111030A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279389(P2007−279389)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(306022513)新日鉄エンジニアリング株式会社 (897)
【Fターム(参考)】