説明

磁気ディスク媒体、磁気ディスク媒体の製造方法および磁気ディスク装置

【課題】ディスクリートトラックが形成された磁気ディスク媒体にサーボデータを磁気的に書き込むことが可能な、磁気ディスク装置の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の磁気ディスク媒体は、所定の周期で放射状に配列した複数のサーボ部21と、複数のサーボ部21の間で同心円状に配列した複数のトラック部27と、複数のトラック部27の間に形成され、複数のトラック部27同士を磁気的に分離する非磁性部28と、一部のトラック部27に形成され、当該トラック部27に磁気ヘッドを追従させるためのデータと、当該トラック部27の所定位置の到来を知らせるためのデータとを磁性層の有無のパターンにより表すパターン部25と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクリートトラックが形成された磁気ディスク媒体の製造方法および磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク装置に用いられる磁気ディスク媒体の記録密度を向上させるのに有力な技術の一つとして、ディスクリートトラックメディア(DTM)が研究されている。このDTMでは、磁性層を含んだ複数のトラックの間に非磁性部を形成することで、磁気的に分離されたトラック(ディスクリートトラック)を形成している。これにより、元来トラック同士の境界部分が磁気記録に及ぼしていた悪影響を抑制することができ、高記録密度化が可能になる。
【0003】
こうしたディスクリートトラックが形成された磁気ディスク媒体では、磁気ヘッドの位置決めに用いられるサーボデータを、磁性層の有無のパターンとして、ディスクリートトラックと共に形成する方法が採られる。
【特許文献1】特開平4−103023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サーボデータを磁性層の有無のパターンとして形成する場合、このパターンから得られる信号の強度が、サーボデータを磁気的に書き込む場合に得られる信号の強度と比して半減してしまうという問題がある。
【0005】
すなわち、サーボデータを磁性層の有無のパターンとして形成する場合、パターンに含まれる磁性層の磁化の向きを同一方向に揃えることで、磁性層が有る部分と磁性層が無い部分とでサーボデータを表す。これに対し、サーボデータを磁気的に書き込む場合、磁性層に相反する方向の磁化を交互に記録することによりサーボデータを表す。これによると、磁気ヘッドが検知する磁界の強度比が倍近く異なることになる。
【0006】
このため、サーボデータを磁気的に書き込む方が好ましいが、ディスクリートトラックが形成された磁気ディスク媒体では、ディスクリートトラックの曲率中心と回転中心とがずれてしまうことが少なくなく、ディスクリートトラックに対して適切なサーボデータを磁気的に書き込むことが困難である。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであり、ディスクリートトラックが形成された磁気ディスク媒体にサーボデータを磁気的に書き込むことが可能な、磁気ディスク媒体の製造方法および磁気ディスク装置を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の磁気ディスク媒体は、磁性層を含み、所定の周期で放射状に配列した、サーボデータが磁気的に書き込まれる複数のサーボ部と、磁性層を含み、前記複数のサーボ部の間で同心円状に配列した、ユーザデータが磁気的に書き込まれる複数のトラック部と、前記複数のトラック部の間に形成され、前記複数のトラック部同士を磁気的に分離する非磁性部と、前記複数のトラック部のうち少なくとも一部のトラック部に形成され、当該トラック部に対する磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータと、当該トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータとを前記磁性層の有無のパターンにより表すパターン部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様において、前記パターン部は、前記複数のトラック部のうち内周側の一部のトラック部に形成される。
【0010】
本発明の一態様において、前記パターン部は、サーボデータを前記磁性層の有無のパターンにより表す。
【0011】
この態様において、前記トラック部に対する前記磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータは、前記サーボデータに含まれるディスク半径方向の位置信号とすることができる。
【0012】
また、この態様において、前記トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータは、前記サーボデータに含まれるサーボマークとすることができる。
【0013】
次に、本発明の磁気ディスク媒体の製造方法は、データの書き込み及び読み出しを行う磁気ヘッドと、磁性層を含み、所定の周期で放射状に配列した、サーボデータが磁気的に書き込まれる複数のサーボ部と、磁性層を含み、前記複数のサーボ部の間で同心円状に配列した、ユーザデータが磁気的に書き込まれる複数のトラック部と、前記複数のトラック部の間に形成され、前記複数のトラック部同士を磁気的に分離する非磁性部と、前記複数のトラック部のうち少なくとも一部のトラック部に形成され、当該トラック部に対する磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータと、当該トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータとを前記磁性層の有無のパターンにより表すパターン部と、を含む磁気ディスク媒体と、前記磁気ディスク媒体を回転させるスピンドルモータと、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスク媒体に対して相対移動させるヘッドアクチュエータと、を用い、前記磁気ヘッドが前記パターン部から読み出したデータに基づいて、当該パターン部を含む前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させつつ、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込む、ことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様では、前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを接触させた状態で前記磁気ヘッドが前記パターン部から読み出したデータに基づき、前記磁気ヘッドを初めに追従させるトラック部を決定する。
【0015】
この態様において、前記パターン部は、前記トラック部のトラック番号を更に表し、前記ストッパに前記ヘッドアクチュエータを接触させた状態で前記磁気ヘッドが前記パターン部からデータを読み出すことができる、前記磁気ディスク媒体の中心から最も離れた前記トラック部を、前記初めに追従させるトラック部として決定するようにしてもよい。
【0016】
また、この態様において、前記磁気ヘッドは、再生素子と、該再生素子よりも前記磁気ディスク媒体の外周側に位置する記録素子とを含み、前記パターン部は、前記複数のトラック部のうち、前記再生素子が前記初めに追従させるトラック部に位置決めされるときの前記記録素子の位置よりも内周側のトラック部に少なくとも形成されるようにしてもよい。
【0017】
また、この態様において、前記パターン部は、前記複数のトラック部のうち、該複数のトラック部の中心から下記数式1を満たす距離RCSの範囲内に含まれるトラック部に形成されるようにしてもよい。
【0018】
【数1】

【0019】
但し、Dは、前記複数のトラック部の中心と前記磁気ディスク媒体の回転中心との距離を表し、CCSは、前記磁気ディスク媒体の回転中心と、前記ヘッドアクチュエータが前記ストッパから離れるときの前記磁気ヘッドに含まれる再生素子との距離を表し、RWは、前記磁気ヘッドに含まれる再生素子と記録素子とのディスク半径方向の距離(以後RWオフセットと記述する)を表す。
【0020】
本発明の一態様において、前記磁気ディスク媒体は、前記サーボ部および前記トラック部がACイレーズされており、前記磁気ヘッドにより前記パターン部をDCイレーズし、前記DCイレーズされたパターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、当該パターン部を含む前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させる。
【0021】
この態様では、前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを押し付けた状態で、前記磁気ディスク媒体を回転させながら少なくとも1周に亘って前記磁気ヘッドによりDCイレーズする工程を、前記ヘッドアクチュエータの押し付け力を段階的に弱めながら、少なくとも前記ストッパから前記ヘッドアクチュエータが離れるまで繰り返すようにしてもよい。
【0022】
また、この態様では、DCイレーズされた前記パターン部のうち、前記磁気ディスク媒体の回転角の一部に対応するパターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、前記ヘッドアクチュエータの押し付け力を調整するようにしてもよい。
【0023】
また、この態様では、前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを接触させた状態で、前記磁気ディスク媒体を回転させながら少なくとも1周に亘って前記磁気ヘッドによりDCイレーズし、DCイレーズされた前記パターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、前記磁気ディスク媒体の回転角に応じた前記トラック部の形状の情報を生成するようにしてもよい。
【0024】
また、この態様では、前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを接触させた状態で、前記磁気ディスク媒体を回転させながら少なくとも1周に亘って前記磁気ヘッドによりDCイレーズし、DCイレーズされた前記パターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、前記磁気ヘッドの書き込み幅の情報を生成するようにしてもよい。
【0025】
本発明の一態様において、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込んだ後、前記磁気ヘッドが当該サーボ部から読み出したデータに基づいて、前記パターン部を含まない前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させつつ、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込む。
【0026】
次に、本発明の磁気ディスク装置は、データの書き込み及び読み出しを行う磁気ヘッドと、磁性層を含み、所定の周期で放射状に配列した、サーボデータが磁気的に書き込まれる複数のサーボ部と、磁性層を含み、前記複数のサーボ部の間で同心円状に配列した、ユーザデータが磁気的に書き込まれる複数のトラック部と、前記複数のトラック部の間に形成され、前記複数のトラック部同士を磁気的に分離する非磁性部と、前記複数のトラック部のうち少なくとも一部のトラック部に形成され、当該トラック部に対する磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータと、当該トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータとを前記磁性層の有無のパターンにより表すパターン部と、を含む磁気ディスク媒体と、前記磁気ディスク媒体を回転させるスピンドルモータと、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスク媒体に対して相対移動させるヘッドアクチュエータと、前記磁気ヘッドが前記パターン部から読み出したデータに基づいて、当該パターン部を含む前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させつつ、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込む制御回路と、を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、パターン部の存在により、磁気ヘッドをトラック部に追従させつつ、サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1に、本発明の一実施形態に係る磁気ディスク媒体2を備えた磁気ディスク装置1の斜視図を示す。この磁気ディスク装置1は、後述する磁気ディスク装置の製造方法を実行するための磁気ディスク装置の製造装置としても機能する。
【0030】
磁気ディスク装置1は、筐体10(DE:Disk Enclosure)内に、磁気ディスク媒体2及びヘッド支持部6などを収納している。磁気ディスク媒体2は、ディスクを回転させるスピンドルモータ3に取り付けられている。ヘッド支持部6は、磁気ディスク媒体2の隣に支承されている。なお、図1では、筐体10の一部であるカバーの図示を省略している。
【0031】
ヘッド支持部6のアーム状の先端部には、磁気ヘッド4が支持されている。磁気ヘッド4は、回転する磁気ディスク媒体2上に近接浮上し、データの書き込み及び読み出しを行う。他方、ヘッド支持部6の後端部には、ヘッドアクチュエータとしてのボイスコイルモータ7が設けられている。ボイスコイルモータ7は、ヘッド支持部6を旋回駆動し、磁気ヘッド4を磁気ディスク媒体2の略半径方向に移動させる。
【0032】
これら磁気ヘッド4及びボイスコイルモータ7は、ヘッド支持部6に取り付けられたFPC(Flexible Printed Circuits)8を介して、筐体10の裏側に設けられた回路基板(不図示)と電気的に接続されている。
【0033】
また、ボイスコイルモータ7には、可動域を規制するストッパ(クラッシュストップ)5が取り付けられている。ボイスコイルモータ7の一部を為すヘッド支持部6の後端部がストッパ5に突き当たることで、ヘッド支持部6の先端部に支持された磁気ヘッド4が、磁気ディスク媒体2の所定の半径位置よりも内周側に移動しないようになっている。
【0034】
図2に、磁気ディスク媒体2の一例を示す。同図では、説明のため、後述するシードパターン部25が形成された範囲を強調して示している。また、図3は、図2の部分拡大図である。同図では、シードパターン部25が形成された範囲の境界付近を直線状に示している。
【0035】
磁気ディスク媒体2は、いわゆるディスクリートトラックメディア(DTM)であり、ディスク基板の表面に形成された磁性層がパターニングされている。この磁気ディスク媒体2には、所定の周期で放射状に配列した複数のサーボ部21が形成されている。これらサーボ部21は、磁性層を含んだ部分であり、磁気ディスク媒体2の内周から外周まで径方向に連続して形成されている。これらサーボ部21には、後述するように、磁気ヘッド4によりサーボデータが磁気的に書き込まれる。なお、データを磁気的に書き込むとは、データを表す交流磁界により磁性層に相反する方向の磁化を交互に記録することをいう。
【0036】
また、隣り合うサーボ部21の間の領域は、データエリア23とされており、このデータエリア23には、同心円状に配列する複数のトラック部27が形成されている。これらトラック部27は、磁性層を含んだ部分であり、磁気ディスク媒体2の周方向に伸長してサーボ部21と繋がっている。これらトラック部27には、磁気ヘッド4によりユーザデータが磁気的に書き込まれる。なお、図2に示す2Cは、磁気ディスク媒体2の中心、すなわちトラック部27の曲率中心(以下、トラック中心という)を表す。
【0037】
また、隣り合うトラック部27の間には、非磁性部28が形成されている。この非磁性部28は、磁性層を含まない部分であり、磁気ディスク媒体2の周方向に沿って形成されている。具体的には、隣り合うトラック部27の間に溝が形成されており、この溝の底に非磁性材料が露出している。本実施形態では、溝の底に露出した非磁性材料の部分を、非磁性部28としている。また、この溝を非磁性材料で埋めるようにしてもよい。こうした非磁性部28が形成されることで、トラック部27同士が磁気的に分離されて、いわゆるディスクリートトラックが実現する。
【0038】
シードパターン部25は、磁気ディスク媒体2の内周側の一部のトラック部27に形成されている。このシードパターン部25は、隣り合うサーボ部21の間の中央部に形成されている。このシードパターン部25は、磁気ヘッド4の位置決めに用いられるサーボデータと同様のサーボデータを、磁性層の有無のパターンにより表している。このシードパターン部25は、磁性層の磁化が所定方向に揃っている場合に、磁気ヘッド4によりサーボデータが読み出される。このシードパターン部25は、後述するように、サーボ部21にサーボデータを磁気的に記録する際に用いられる。
【0039】
具体的には、シードパターン部25には、磁気ヘッド4に読み出される順に、プリアンブル部25a、サーボマーク部25b、サーボアドレス部25c及びバースト部25dが形成されている。
【0040】
サーボマーク部25bは、サーボデータの始まりを知らせるためのデータを表す。このデータを磁気ヘッド4が読み出すと、再生信号に所定形状の波形が表れるので、磁気ディスク装置1の制御回路は、サーボデータの始まりを検知することができる。ここで、サーボデータの始まりを知らせるためのデータは、換言すると、トラック部27の中でサーボマーク部25bが形成された位置の到来を知らせるためのデータということができる。これにより、制御回路は、サーボマーク部25bの位置を基準として周方向の各位置が到来するタイミングを把握することができる。特に、サーボ部21が到来するタイミングを把握することで、サーボ部21にサーボデータを磁気的に記録することが可能となる。
【0041】
サーボアドレス部25cは、トラック番号およびセクタ番号のデータを表す。このトラック番号は、同心円状に配列するトラック部27の順番を、トラック中心2Cからの距離に応じて表す。
【0042】
バースト部25dは、トラック部27に対する磁気ヘッド4の偏差を知らせるためのデータを表す。磁気ディスク装置1の制御回路は、このバースト部25dから磁気ヘッド4が読み出したバースト信号により、トラック部27に対する磁気ヘッド4の偏差を算出することができる。従って、制御回路は、この偏差に応じて磁気ヘッド4の位置を制御することで、シードパターン部25が形成されたトラック部27に磁気ヘッド4を追従させることが可能となる。
【0043】
図4は、シードパターン部25が形成される範囲を説明するための図である。磁気ディスク媒体2は、上記スピンドルモータ3に取り付けられて回転するが、その回転中心3Cがトラック中心2Cと通常一致しない。同図では、シードパターン部25が形成された範囲やトラック中心2Cと回転中心3Cのずれを強調して示している。
【0044】
図4中の破線35iは、上記ストッパ5にボイスコイルモータ7を押し付けて、磁気ヘッド4が最内周に到達したときの、磁気ヘッド4の再生素子の軌跡を表す。そして、ボイスコイルモータ7の押し付け力を徐々に弱めていくと、磁気ヘッド4が徐々に外周側へ移動していき、一定距離移動したところでストッパ5からボイスコイルモータ7が離れる。破線35eは、ストッパ5からボイスコイルモータ7が離れるときの、磁気ヘッド4の再生素子の軌跡を表す。
【0045】
このように、ストッパ5にボイスコイルモータ7が接触している間、磁気ヘッド4の位置が固定されることから、軌跡35i,35eは、回転中心3Cを中心とする円形状となる。他方、上記トラック部27は、トラック中心2Cを中心とする円形状であるため、ストッパ5にボイスコイルモータ7が接触している間、磁気ヘッド4を一つのトラック部27上に位置させることができない。そこで、ストッパ5からボイスコイルモータ7が離れるときから磁気ヘッド4の再生素子をトラック部27に追従させるようにする。
【0046】
このため、ストッパ5にボイスコイルモータ7が接触している間に磁気ヘッド4の再生素子がシードパターン部25から読み出したサーボデータに基づいて、ストッパ5からボイスコイルモータ7が離れるときに磁気ヘッド4の再生素子を最初に追従させるトラック部27rを決定する。
【0047】
具体的には、ストッパ5にボイスコイルモータ7が接触している間に磁気ヘッド4の再生素子がシードパターン部25からサーボデータを読み出すことができる、トラック中心2Cから最も離れたトラック部27を、最初に追従させるトラック部27rとする。このトラック中心2Cから最も離れたトラック部27のトラック番号は、ストッパ5からボイスコイルモータ7が離れる直前に、トラック中心2Cから回転中心3Cが偏心した側(図4中の左側)のシードパターン部25から読み出される。
【0048】
この場合、最初に追従させるトラック部27rは、トラック中心2Cから回転中心3Cが偏心した側(図4中の左側)で、ボイスコイルモータ7がストッパ5から離れるときの磁気ヘッド4の再生素子の軌跡35eと重なる。すなわち、最初に追従させるトラック部27rは、磁気ヘッド4を全周に亘って追従させることができる最も内周側のトラック部27である。
【0049】
また、図4中の破線27wは、最初に追従させるトラック部27rに磁気ヘッド4の再生素子を追従させたときの、磁気ヘッド4の記録素子の位置を表す。シードパターン部25は、この破線27wよりも内周側のトラック部27に少なくとも形成される。具体的には、シードパターン部25は、トラック中心2Cから下記数式1を満たす距離RCSの範囲内に含まれるトラック部27に形成される。
【0050】
【数1】

【0051】
但し、Dは、トラック中心2Cと回転中心3Cとの距離を表し、CCSは、回転中心3Cと破線35eとの距離を表し、RWは、磁気ヘッド4に含まれるRWオフセットを表す。
【0052】
すなわち、最初に追従させるトラック部27rに磁気ヘッド4の再生素子を追従させた状態で、磁気ヘッド4の記録素子によりサーボデータを記録する場合、サーボデータは破線27w上のサーボ部21に記録される。そして、磁気ヘッド4の再生素子が外周側へ移動し、この破線27w上まで到達すると、この破線27w上のサーボ部21に記録されているサーボデータを読み出すことができるようになる。
【0053】
従って、破線27wから外周側の範囲では、磁気ヘッド4の記録素子がサーボ部21に記録したサーボデータを、それよりも内周側にある再生素子が読み出すことができるので、シードパターン部25は破線27wよりも内周側のトラック部27に少なくとも形成されていればよい。これにより、データ領域23においてユーザデータを記録できる部分を十分に確保できる。なお、本実施形態では、この破線25wの位置よりも数トラック分外周側のトラック部27にまでシードパターン部25が形成されている。
【0054】
図5に、磁気ディスク装置1の構成例を示す。磁気ディスク装置1は、筐体10外の回路基板40に、制御回路42、メモリ43、R/Wチャネル45及びモータドライバ47を有している。制御回路42は、マイクロプロセッシングユニット(MPU)及びハードディスクコントローラ(HDC)を含んでおり、メモリ43に格納されたプログラムを読み出して実行する。これにより、制御回路42は、筐体10内に収納されている磁気ヘッド4及びボイスコイルモータ7を制御して、磁気ディスク媒体2にサーボデータを書き込む、いわゆるセルフサーボライト(SSW)を行う。
【0055】
この制御回路42は、磁気ヘッド4が磁気ディスク媒体2から読み出したサーボデータをヘッドアンプ49及びR/Wチャネル45を介して取得すると、このサーボデータに応じた制御信号をモータドライバ47を介してボイスコイルモータ7に出力する。具体的には、制御回路42は、サーボデータから磁気ヘッド4の現在位置を特定し、目標トラックに対する磁気ヘッド4の偏差を求めて、この偏差を抑制するような制御信号を生成する。これにより、磁気ヘッド4をトラック部27に追従させることができる。
【0056】
また、制御回路42は、磁気ディスク媒体2に書き込むべきサーボデータをヘッドアンプ49及びR/Wチャネル45を介して磁気ヘッド4に出力することで、磁気ヘッド4によりサーボ部21にサーボデータを書き込む。この際、制御回路42は、サーボデータに含まれるサーボマークを基準とした所定のタイミングでサーボデータを出力することで、サーボ部21にサーボデータを磁気的に記録することができる。
【0057】
図6に、磁気ディスク装置1が行うセルフサーボライトの工程例を示す。
【0058】
上記シードパターン部25を設けた磁気ディスク媒体2において、シードパターン部25からサーボデータを読み出せるようにするには、シードパターン部25に含まれる磁性層の磁化の向きを所定方向に揃える(DCイレーズの状態にする)必要がある。最も簡単な方法として、磁気ディスク媒体2の全体をDCイレーズする方法があるが、特に垂直磁気記録の場合、全ての磁性層の磁化が同じ方向(上向きまたは下向き)に揃っていると磁気的に不安定であるため好ましくない。また、この状態でサーボデータを記録すると、磁性層の磁化の向きが上向きと下向きとで非対称になってしまう。そこで、本実施形態では、磁気ディスク媒体2の全体をACイレーズの状態にしてから、以下の工程を行う。
【0059】
まず、制御回路42は、ボイスコイルモータ7を駆動してストッパ5に押し付け、この状態で、磁気ディスク媒体2を回転させながら1周に亘って磁気ヘッド4によりDCイレーズする(S1)。このとき、図7に示すように、磁気ヘッド4の再生素子4Rが破線35i上に位置し、記録素子4Wがそれよりも数トラック分外周側にずれて位置するので、この記録素子4Wの位置が1周に亘ってDCイレーズされる。同図では、DCイレーズされる領域を一点鎖線Mで囲んでいる。なお、上述したように、ストッパ5にボイスコイルモータ7を押し付けている間、磁気ヘッド4の軌跡は回転中心3Cを中心とする円形状となるため、DCイレーズされる領域Mは、常にトラック部27に沿うわけではなく、磁気ディスク媒体2の回転角に応じてトラック部27からずれる。
【0060】
次に、制御回路42は、ボイスコイルモータ7の駆動電流を調整することで再生素子4RをDCイレーズされた領域Mまで移動させて、トラック部27の形状の情報および記録素子4Wの書き込み幅の情報を得る(S2)。すなわち、再生素子4RがDCイレーズされた領域Mまで移動すると、その中のDCイレーズされたシードパターン部25からサーボデータを読み出せるようになる。そこで、この辺りで再生素子4Rの位置を少しずつ変えながら、DCイレーズされたシードパターン部25からサーボデータを読み出すことで、磁気ディスク媒体2の回転角に応じたトラック部27の形状の情報を得ることができる。また、このときに読み出したサーボデータに基づいて、記録素子4Wの書き込み幅の情報を得ることができる。
【0061】
次に、制御回路42は、上記S1と同様に、ボイスコイルモータ7を駆動してストッパ5に押し付け、この状態で、磁気ディスク媒体2を回転させながら1周に亘って磁気ヘッド4によりDCイレーズする(S3及びS4)。そして、ボイスコイルモータ7の押し付け力を段階的に弱めて、磁気ヘッド4を徐々に外周側へ移動させながら、この動作を繰り返す(S3ないしS6)。これにより、図8に示すように、DCイレーズされた領域Mが外周側に広がっていく。ここで、ボイスコイルモータ7の駆動電流を調整して磁気ヘッド4をずらす距離は、上記S2で求めた記録素子4Wの書き込み幅よりも小さくする。
【0062】
その後、最初にDCイレーズされた領域Mまで再生素子4Rが移動すると、DCイレーズされたシードパターン部25からサーボデータを読み出せるようになるので(S5:YES)、制御回路42は、このサーボデータに応じてボイスコイルモータ7を制御し、磁気ディスク媒体2を回転させながら1周に亘って磁気ヘッド4によりDCイレーズする動作を更に繰り返す(S7〜S9)。ここで、ストッパ5にボイスコイルモータ7を押し付けた状態では、再生素子4Rをトラック部27の全周に亘って追従させることができないので、制御回路42は、磁気ディスク媒体2の特定の回転角に対応するシードパターン部25から読み出したサーボデータに基づいて再生素子4Rの位置を特定しながら、磁気ヘッド4の位置を外周側へずらしていく。
【0063】
なお、上記S2において、磁気ディスク媒体2の回転角に応じたトラック部27の形状の情報を得ているので、制御回路42は、この情報に基づいてボイスコイルモータ7を制御して、再生素子4Rをトラック部27に部分的に追従させるようにしてもよい。この場合、例えば、トラック中心2Cから回転中心3Cが偏心した側(上記図4中の左側)ではボイスコイルモータ7がストッパ5に接触し、これとは反対の側ではボイスコイルモータ7がストッパ5から離れて磁気ヘッド4がトラック部27に部分的に追従する。
【0064】
その後、図8に示すように、再生素子4Rが上述した最初に追従させるトラック部27rまで移動すると、ストッパ5からボイスコイルモータ7が離れて、再生素子4Rをこのトラック部27rに全周に亘って追従させることができるので(S8:YES)、制御回路42は、シードパターン部25から読み出したサーボデータに基づいて、再生素子4Rをこのトラック部27rに全周に亘って追従させつつ(S10)、記録素子4Wによりサーボ部21にサーボデータを磁気的に書き込む(S11)。また、制御回路42は、記録素子4Wによりサーボ部21にサーボデータを磁気的に書き込むとともに、記録素子4Wによりシードパターン部25をDCイレーズする。
【0065】
なお、図8では、ボイスコイルモータ7がストッパ5から離れるときの再生素子4Rの軌跡35eと、最初に追従させるトラック部27rとが重なる部分を図示している。また、図8では、サーボデータが磁気的に記録される領域を一点鎖線Sで囲んでいる。
【0066】
そして、ボイスコイルモータ7の駆動電流を調整し、磁気ヘッド4を徐々に外周側へ移動させて、この動作を繰り返す(S10〜S13)。これにより、図9に示すように、サーボ部21にサーボデータが磁気的に記録された領域Sが外周側に広がっていく。
【0067】
その後、図10に示すように、サーボ部21にサーボデータが磁気的に記録された領域Sまで再生素子4Rが移動すると、サーボ部21からサーボデータを読み出せるようになるので(S12:YES)、制御回路42は、サーボ部21から読み出したサーボデータに基づいて、再生素子4Rをトラック部27に追従させつつ(S14)、記録素子4Wによりサーボ部21にサーボデータを磁気的に書き込む(S15)。そして、ボイスコイルモータ7の駆動電流を調整し、磁気ヘッド4を徐々に外周側へ移動させて、この動作を繰り返す(S14〜S17)。これにより、図10に示すように、サーボ部21にサーボデータが磁気的に記録された領域Sが外周側に広がっていく。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク媒体を備えた磁気ディスク装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク媒体の一例を表す図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】シードパターン部が形成される範囲を説明するための図である。
【図5】磁気ディスク装置の構成例を表す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の製造方法の工程例を表すフローチャートである。
【図7】S1及びS2の説明図である。
【図8】S3ないしS11の説明図である。
【図9】S10ないしS13の説明図である。
【図10】S14ないしS17の説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 磁気ディスク装置、2 磁気ディスク媒体、3 スピンドルモータ、4 磁気ヘッド、5 ストッパ、6 ヘッド支持部、7 ボイスコイルモータ、8 FPC、10 筐体、21 サーボ部、23 データエリア、25 シードパターン部、25a プリアンブル部、25b サーボマーク部、25c サーボアドレス部、25d バースト部、27 トラック部、28 非磁性部、40 回路基板、42 制御回路、43 メモリ、45 R/Wチャネル、47 モータドライバ、49 ヘッドアンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性層を含み、所定の周期で放射状に配列した、サーボデータが磁気的に書き込まれる複数のサーボ部と、
磁性層を含み、前記複数のサーボ部の間で同心円状に配列した、ユーザデータが磁気的に書き込まれる複数のトラック部と、
前記複数のトラック部の間に形成され、前記複数のトラック部同士を磁気的に分離する非磁性部と、
前記複数のトラック部のうち少なくとも一部のトラック部に形成され、当該トラック部に対する磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータと、当該トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータとを前記磁性層の有無のパターンにより表すパターン部と、
を含む磁気ディスク媒体。
【請求項2】
前記パターン部は、前記複数のトラック部のうち内周側の一部のトラック部に形成される、
請求項1に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項3】
前記パターン部は、サーボデータを前記磁性層の有無のパターンにより表す、
請求項1に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項4】
前記トラック部に対する前記磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータは、前記サーボデータに含まれるディスク半径方向の位置信号である、
請求項3に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項5】
前記トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータは、前記サーボデータに含まれるサーボマークである、
請求項3に記載の磁気ディスク媒体。
【請求項6】
データの書き込み及び読み出しを行う磁気ヘッドと、
磁性層を含み、所定の周期で放射状に配列した、サーボデータが磁気的に書き込まれる複数のサーボ部と、磁性層を含み、前記複数のサーボ部の間で同心円状に配列した、ユーザデータが磁気的に書き込まれる複数のトラック部と、前記複数のトラック部の間に形成され、前記複数のトラック部同士を磁気的に分離する非磁性部と、前記複数のトラック部のうち少なくとも一部のトラック部に形成され、当該トラック部に対する磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータと、当該トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータとを前記磁性層の有無のパターンにより表すパターン部と、を含む磁気ディスク媒体と、
前記磁気ディスク媒体を回転させるスピンドルモータと、
前記磁気ヘッドを前記磁気ディスク媒体に対して相対移動させるヘッドアクチュエータと、
を用い、
前記磁気ヘッドが前記パターン部から読み出したデータに基づいて、当該パターン部を含む前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させつつ、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込む、
磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項7】
前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを接触させた状態で前記磁気ヘッドが前記パターン部から読み出したデータに基づき、前記磁気ヘッドを初めに追従させるトラック部を決定する、
請求項6に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項8】
前記パターン部は、前記トラック部のトラック番号を更に表し、
前記ストッパに前記ヘッドアクチュエータを接触させた状態で前記磁気ヘッドが前記パターン部からデータを読み出すことができる、前記磁気ディスク媒体の中心から最も離れた前記トラック部を、前記初めに追従させるトラック部として決定する、
請求項7に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項9】
前記磁気ヘッドは、再生素子と、該再生素子よりも前記磁気ディスク媒体の外周側に位置する記録素子とを含み、
前記パターン部は、前記複数のトラック部のうち、前記再生素子が前記初めに追従させるトラック部に位置決めされるときの前記記録素子の位置よりも内周側のトラック部に少なくとも形成される、
請求項7に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項10】
前記パターン部は、前記複数のトラック部のうち、該複数のトラック部の中心から下記数式1を満たす距離RCSの範囲内に含まれるトラック部に形成される、
請求項9に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【数1】

但し、Dは、前記複数のトラック部の中心と前記磁気ディスク媒体の回転中心との距離を表し、CCSは、前記磁気ディスク媒体の回転中心と、前記ヘッドアクチュエータが前記ストッパから離れるときの前記磁気ヘッドに含まれる再生素子との距離を表し、RWは、前記磁気ヘッドに含まれる再生素子と記録素子とのディスク半径方向の距離を表す。
【請求項11】
前記磁気ディスク媒体は、前記サーボ部および前記トラック部がACイレーズされており、
前記磁気ヘッドにより前記パターン部をDCイレーズし、
前記DCイレーズされたパターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、当該パターン部を含む前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させる、
請求項6に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項12】
前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを押し付けた状態で、前記磁気ディスク媒体を回転させながら少なくとも1周に亘って前記磁気ヘッドによりDCイレーズする工程を、前記ヘッドアクチュエータの押し付け力を段階的に弱めながら、少なくとも前記ストッパから前記ヘッドアクチュエータが離れるまで繰り返す、
請求項11に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項13】
DCイレーズされた前記パターン部のうち、前記磁気ディスク媒体の回転角の一部に対応するパターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、前記ヘッドアクチュエータの押し付け力を調整する、
請求項12に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項14】
前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを接触させた状態で、前記磁気ディスク媒体を回転させながら少なくとも1周に亘って前記磁気ヘッドによりDCイレーズし、
DCイレーズされた前記パターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、前記磁気ディスク媒体の回転角に応じた前記トラック部の形状の情報を生成する、
請求項11に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項15】
前記ヘッドアクチュエータの可動域を規制するストッパに該ヘッドアクチュエータを接触させた状態で、前記磁気ディスク媒体を回転させながら少なくとも1周に亘って前記磁気ヘッドによりDCイレーズし、
DCイレーズされた前記パターン部から前記磁気ヘッドが読み出したデータに基づいて、前記磁気ヘッドの書き込み幅の情報を生成する、
請求項11に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項16】
前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込んだ後、前記磁気ヘッドが当該サーボ部から読み出したデータに基づいて、前記パターン部を含まない前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させつつ、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込む、
請求項6に記載の磁気ディスク媒体の製造方法。
【請求項17】
データの書き込み及び読み出しを行う磁気ヘッドと、
磁性層を含み、所定の周期で放射状に配列した、サーボデータが磁気的に書き込まれる複数のサーボ部と、磁性層を含み、前記複数のサーボ部の間で同心円状に配列した、ユーザデータが磁気的に書き込まれる複数のトラック部と、前記複数のトラック部の間に形成され、前記複数のトラック部同士を磁気的に分離する非磁性部と、前記複数のトラック部のうち少なくとも一部のトラック部に形成され、当該トラック部に対する磁気ヘッドの偏差を知らせるためのデータと、当該トラック部の所定位置の到来を知らせるためのデータとを前記磁性層の有無のパターンにより表すパターン部と、を含む磁気ディスク媒体と、
前記磁気ディスク媒体を回転させるスピンドルモータと、
前記磁気ヘッドを前記磁気ディスク媒体に対して相対移動させるヘッドアクチュエータと、
前記磁気ヘッドが前記パターン部から読み出したデータに基づいて、当該パターン部を含む前記トラック部に前記磁気ヘッドを追従させつつ、前記磁気ヘッドにより前記サーボ部にサーボデータを磁気的に書き込む制御回路と、
を含む磁気ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−151882(P2009−151882A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−330138(P2007−330138)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】