説明

磁気ディスク装置および磁気ディスク装置製造方法

【課題】フォーマット容量を向上させるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることを課題とする。
【解決手段】磁気ディスク装置に組み込まれる磁気ディスク10は、半径方向に複数の領域に分けられて、一つの領域には、インナ用に低い周波数でサーボ情報が書き込まれ(実線で囲まれる領域)、もう一つの領域には、アウタ用に高い周波数でサーボ情報が書き込まれている(点線で囲まれる領域)。このような磁気ディスク10を保持すると、磁気ディスク装置は、磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定する。そして、磁気ディスク装置は、境界トラック7により分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除する。そして、切り替えトラックを含む3トラックを未使用領域とし、削除した領域をデータ領域として再利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置および磁気ディスク装置製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、磁気ディスク装置のサーボ情報(ヘッドの位置制御または速度制御をおこなうための情報)は、媒体上からシーク動作を行いながら、一定のサンプル周期で読み出す必要があるため、磁気ディスク装置の全半径範囲(インナ側、アウタ側)に渡り、同じ周波数(低いビット密度)で書き込まれていた(図8参照)。そして、このような磁気ディスク装置のフォーマット容量を改善する技術や書き込まれたサーボ情報を正確に読み出す技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平5−205419号公報)では、磁気ディスクの半径位置に応じてサーボ情報の書込み周波数を変更することで、つまり、アウタ側ではビット密度を上げてサーボ情報を書き込むことで、トラック容量に占めるサーバ情報の割合を減少させ、磁気ディスクのフォーマット容量を改善する技術が開示されている。
【0004】
図9を用いて、具体的に説明すると、同図に示すように、周波数切り替えトラックを境にして、インナ側では低い周波数でサーボ情報が書き込まれ、アウタ側では高い周波数でサーボ情報が書き込まれている。このように、磁気ディスクのインナ側とアウタ側で周波数を変えてサーボ情報を書き込むことにより、同じ周波数でサーボ情報を書き込む場合に比べて、磁気ディスク全体のフォーマット容量を大きくすることができる。
【0005】
また、特許文献2(特開2003−323772号公報)では、サーボ情報が書き込まれた複数の媒体を磁気ディスク装置に組み込んだ場合、サーボ情報の中心と媒体の回転中心がずれることで発生する偏心により、媒体毎のヘッドチェンジに時間がかかることを改善するために、装置に組み込んだ状態で同心円状の軌道を生成して、この軌道にヘッドを追従させる技術が開示されている。
【0006】
これを、図10を用いて、具体的に説明すると、同図に示すように、媒体の回転中心とサーボ情報が書き込まれたときの中心とが異なる場合に、装置に組み込んだ状態で同心円状の軌道(点線A)を生成し、かかる軌道にヘッドを追従させる。このようにすることで、書き込まれたサーボ情報を上手く読込めないといった問題や媒体毎のヘッドチェンジに時間がかかるなどの問題を改善することができる。
【0007】
また、上記した特許文献2とは異なり、書き込んだサーボ情報自身に追従させる技術がある。ここで、特許文献1に開示されている技術を用いた媒体、つまり、インナ側とアウタ側で周波数を変えてサーボ情報が書き込まれた媒体を、磁気ディスク装置に組み込み、媒体の回転中心とサーボ情報が書き込まれたときの中心とが異なる場合に、このサーボ情報にヘッドを追従させる技術を用いた例を説明する。
【0008】
図11に示すように、偏心量により周波数の切り替わりの影響を受けるトラックは切り替えトラック(点線B)とそれを挟む2本の合計3本である。この場合、使用できないトラックを最小限に抑えてフォーマット容量を大きくすることができ、磁気ディスクのフォーマット容量を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−205419号公報
【特許文献2】特開2003−323772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、インナ側とアウタ側で周波数を変えてサーボ情報が書き込まれた媒体(特許文献1参照)を磁気ディスク装置に組み込み、媒体の回転中心とサーボ情報が書き込まれたときの中心とが異なる場合に、同心円状の軌道を生成し、サーボ情報を追従させるとすると(特許文献2参照)、フォーマット容量を改善できないという課題があった。
【0011】
この課題を具体的に説明すると、図12に示すように、トラックをサーボ情報の偏心の影響を受けないように読み替えている場合、周波数の切り替えトラック(点線C)に加え、偏心量分のトラックで異なる周波数のサーボ情報が読み出されるため、正常なトラックとして使用できない部分が多くなり、フォーマット容量を損してしまう。
【0012】
さらに、図13を用いて、詳細に説明すると、媒体の回転中心を中心とした軌道にサーボ情報を追従させると、場所によってアウタ用のサーボ情報が読み出されたり、インナ用のサーボ情報が読み出されたりするため、トラックとして使用できない領域が発生し、フォーマット容量を改善することができない。
【0013】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、フォーマット容量を向上させるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることが可能である磁気ディスク装置および磁気ディスク装置製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の磁気ディスク装置は、複数の領域に対して異なる周波数を用いてサーボ情報書き込み装置によってサーボ情報が第1回転中心を中心として書き込まれた磁気ディスクを保持する磁気ディスク装置であって、前記第1回転中心とは異なる回転中心である第2回転中心で前記磁気ディスクを保持する磁気ディスク保持手段と、前記磁気ディスク保持手段により保持される前記磁気ディスクの回転中心である前記第2回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、前記第1回転中心と前記第2回転中心とがずれることによって発生する偏心を、前記第2回転中心を中心とした軌道となるように読み替えて、読込むサーボ情報を切り替える境界となる軌道を境界トラックとして決定するトラック決定手段と、前記トラック決定手段により決定された前記境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するサーボ削除手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の磁気ディスク装置製造方法は、サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持する磁気ディスク装置を製造することに適する磁気ディスク装置製造方法であって、複数の領域に対して異なる周波数を用いてサーボ情報書き込み装置によってサーボ情報を第1回転中心を中心として書き込むサーボ情報書込み工程と、前記サーボ情報書込み工程により前記サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを前記第1回転中心とは異なる回転中心である第2回転中心で保持する磁気ディスク保持工程と、前記磁気ディスク保持工程により、保持される前記磁気ディスクの回転中心である前記第2回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、前記第1回転中心と前記第2回転中心とがずれることによって発生する偏心を、前記第2回転中心を中心とした軌道となるように読み替えて、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定するトラック決定工程と、前記トラック決定工程により決定された前記境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するサーボ削除工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、半径方向に分けられた複数の領域に対して、隣接する領域間で異なる周波数を用いて前記サーボ情報が書き込まれた前記磁気ディスクを保持し、保持される磁気ディスクの回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定し、決定された境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するので、アウタ側での周波数をあげることができ、サーボ情報の切り替え影響を受けるトラックを3トラックに収めることができる結果、フォーマット容量を向上させることが可能であるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例1に係る磁気ディスク装置の概要と特徴を説明するための図である。
【図2】図2は、実施例1に係る磁気ディスク装置の特徴を説明するための図である。
【図3】図3は、実施例1に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例1に係る磁気ディスク装置におけるサーボ情報削除処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施例1に係る磁気ディスク装置におけるサーボ情報読み取り処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施例2に係る磁気ディスク装置を説明するための図である。
【図7】図7は、磁気ディスク制御プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【図8】図8は、従来技術を説明するための図である。
【図9】図9は、従来技術を説明するための図である。
【図10】図10は、従来技術を説明するための図である。
【図11】図11は、従来技術を説明するための図である。
【図12】図12は、従来技術を説明するための図である。
【図13】図13は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る磁気ディスク装置および磁気ディスク装置製造方法の実施例を詳細に説明する。
【0019】
[実施例1]
以下の実施例1では、本発明に係る磁気ディスク装置の概要および特徴、磁気ディスク装置の構成および処理の流れ、実施例1による効果等を順に説明する。
【0020】
[磁気ディスク装置の概要および特徴]
まず最初に、図1と図2を用いて、実施例1に係る磁気ディスク装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る磁気ディスク装置の概要と特徴を説明するための図であり、図2は、実施例1に係る磁気ディスク装置の特徴を説明するための図である。
【0021】
実施例1に係る磁気ディスク装置は、磁気ディスク10からサーボ情報を読み込むことを概要とするものであり、特に、磁気ディスクのフォーマット容量を向上させるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることが可能であることに主たる特徴がある。
【0022】
この主たる特徴を具体的に説明すると、図1の(1)に示すように、磁気ディスク装置に組み込まれる磁気ディスク10は、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、また、当該サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で当該周波数とは異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれている、具体的には、半径方向に複数の領域に(扇型に)分けられて、一つの領域には、インナ用に低い周波数でサーボ情報が書き込まれ(実線で囲まれる領域)、もう一つの領域には、アウタ用に高い周波数でサーボ情報が書き込まれている(点線で囲まれる領域)。なお、サーボ情報書き込み装置によって、かかるサーボ情報はバーストパターンで磁気ディスク10に書き込まれる。また、磁気ディスクは、磁気ディスク以外にもフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にも代用することができる。
【0023】
このような磁気ディスク10を保持すると、磁気ディスク装置は、磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定する。具体的には、磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道を一定間隔で複数作成するとともに、アウタ用のサーボ情報(点線で囲まれる領域)が安定に復調できる位置を境界として境界トラック13を決定して、磁気ディスク10をアウタ用の高い周波数で制御される領域とインナ用の低い周波数で制御される領域とに分ける(図1の(2))。なお、一定間隔とは、磁気ディスク10の同心円状に形成される多数のトラックに応じて決定される。
【0024】
そして、磁気ディスク装置は、境界トラック13により分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除する。具体的には、磁気ディスク装置は、境界トラック13により分けられたインナ用の低い周波数で制御される領域(網掛け部分)では、アウタ用の高い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除し、アウタ用の高い周波数で制御される領域では、インナ用の低い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除する(図1の(3))。
【0025】
図2を用いて、これら図1の(1)〜(3)をさらに詳細に説明すると、磁気ディスク装置は、アウタ用の周波数の高いサーボ情報が書き込まれている領域とインナ用の周波数の低いサーボ情報が書き込まれている領域に、磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに(図2の(1))、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラック13を決定する(図2の(2))。なお、ここで、磁気ディスク装置は、サーボ情報の中心と磁気ディスク10の回転中心がずれることによって発生する偏心11を、媒体の回転中心を中心とした軌道となるように読み替える制御を行う。
【0026】
そして、磁気ディスク装置は、境界トラック13よりインナ側の領域では、アウタ用の高い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除し、アウタ側の領域では、インナ用の低い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除する。そして、切り替えトラックを含む3トラックを未使用領域とし、削除した領域をデータ領域として再利用する(図2の(3))。
【0027】
このように、実施例1に係る磁気ディスク装置は、アウタ側での周波数をあげることができ、サーボ情報の切り替え影響を受けるトラックを3トラックに収めることができる結果、上記した主たる特徴のごとく、フォーマット容量を向上させることが可能であるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることが可能である。
【0028】
[磁気ディスク装置の構成]
次に、図3を用いて、磁気ディスク装置20の構成を説明する。図3は、磁気ディスク装置20の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この磁気ディスク装置20は、通信制御部21と、磁気ディスク保持部22と、ヘッド23と、サーボ制御部24と、サーボ復調部25と、データ制御部26とから構成される。
【0029】
このうち、通信制御部21は、磁気ディスク装置20で処理する各種情報に関する通信を制御する手段であり、具体的に例を挙げれば、磁気ディスク装置20に接続される他の装置(例えば、ホストコンピュータなど)からデータ読み取り要求やデータ読み書き要求を受信したり、データ読み取り要求に応じたデータを送信したりする。
【0030】
磁気ディスク保持部22は、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、また、当該サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で当該周波数とは異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持する手段である。具体的に例を挙げれば、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、また、当該サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で当該周波数とは異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクが、製造メーカや利用者などにより組み込まれた場合に、利用者などにより組み込みが解除されるまで、当該磁気ディスクを保持する。なお、磁気ディスク保持部22は、特許請求の範囲に記載の「磁気ディスク保持手段」に対応する。
【0031】
そして、ヘッド23は、サーボ情報の読み取りやデータの読み書きを行う手段であり、具体的には、一定間隔のサンプル周期で磁気ディスク10に書き込まれたサーボ情報の読み取りを行ったり、磁気ディスク装置20に接続される他の端末装置などから受信したデータ書込み要求またはデータ読み取り要求に応じて、データの書き込みや読み取りを行う。
【0032】
また、サーボ制御部24は、磁気ディスクに書き込まれたサーボ情報に関する各種処理を行う手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、トラック決定部24aと、サーボ情報削除部24bと、サーボ情報処理部24cとを備える。なお、トラック決定部24aは、特許請求の範囲に記載の「トラック決定手段」に対応し、サーボ情報削除部24bは、同様に、「サーボ情報削除手段」に対応する。
【0033】
このうち、トラック決定部24aは、磁気ディスク保持部22により、保持される磁気ディスクの回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定する手段である。具体的に例を挙げれば、磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道15を一定間隔で複数作成するとともに、アウタ用のサーボ情報が安定に復調できる位置を境界として境界トラック13を決定して磁気ディスク10をアウタ用の高い周波数で制御される領域とインナ用の低い周波数で制御される領域とに分ける(図1の(2)参照)。なお、最アウタと最インナとの半径比は、「2:1」であることから、アウタとインナの2つの領域に分割する場合、アウタ領域はインナ領域の約1.5倍の周波数を用いることができる。
【0034】
そして、サーボ情報削除部24bは、トラック決定部24aにより決定された境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除する手段である。具体的に例を挙げれば、磁気ディスク装置20は、境界トラック13により分けられたインナ用の低い周波数で制御される領域(網掛け部分)では、アウタ用の高い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除し、アウタ用の高い周波数で制御される領域では、インナ用の低い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除する(図1の(3)参照)。
【0035】
また、サーボ情報処理部24cは、読み出されたサーボ情報を処理する手段であり、具体的には、ヘッド23により一定間隔のサンプル周期で読み出されたサーボ情報を受信し、受信したサーボ情報に基づいて、ヘッド23の位置や速度を制御する。
【0036】
サーボ復調部25は、読み取るサーボ情報を復調する手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、アウタ用PLL(位相同期回路)25aとインナ用25bを備える。このうち、アウタ用PLL25aには、アウタ用のサーボ情報の周波数を設定しておき、インナ用PLL25bには、インナ用のサーボ情報の周波数を設定しておく。境界トラックを横切る際に、これらのPLL25a、25bを切り替えてサーボ情報を読み取る。また、サーボ復調部25は、これらPLL25a、25bの切り替えを、例えば、レジスタの値を変更するといった容易な方法で実行する。なお、サーボ復調部25は、特許請求の範囲に記載の「サーボ復調手段」に対応する。
【0037】
そして、データ制御部26は、データの書き込みまたは読み出しを行う手段であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、データ書き込み部26aと、データ読み出し部26bとを備える。
【0038】
このうち、データ書き込み部26aは、磁気ディスクにデータを書き込む手段であり、具体的に例を挙げれば、通信制御部21により受信されたデータ書き込み要求に応じて、磁気ディスク10にデータを書き込む。
【0039】
また、データ読み出し部26bは、磁気ディスクからデータを読み出す手段であり、具体的に例を挙げれば、通信制御部21により受信されたデータ読み出し要求に応じて、磁気ディスク10からデータを読み出す。
【0040】
[磁気ディスク装置によるサーボ情報削除処理]
次に、図4を用いて、磁気ディスク装置によるサーボ情報削除処理を説明する。図4は、磁気ディスク装置20におけるサーボ情報削除処理の流れを示すフローチャートである。
【0041】
同図に示すように、磁気ディスク装置20は、磁気ディスク10が組み込まれると(ステップS401肯定)、組み込まれた磁気ディスク10を磁気ディスク保持部22によって保持する(ステップS402)。
【0042】
そして、磁気ディスク装置20のトラック決定部24aは、保持される磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道15を作成するとともに(ステップS403)、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラック13を決定する(ステップS404)。
【0043】
そして、磁気ディスク装置10のサーボ情報削除部24bは、トラック決定部24aにより決定された境界トラック13により分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除する(ステップS405)。具体的に例を挙げれば、境界トラック13により分けられたインナ用の低い周波数で制御される領域では、アウタ用の高い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除し、アウタ用の高い周波数で制御される領域では、インナ用の低い周波数で書き込まれたサーボ情報を削除する。
【0044】
[磁気ディスク装置によるサーボ情報読み取り処理]
次に、図5を用いて、磁気ディスク装置によるサーボ情報読み取りを説明する。図5は、磁気ディスク装置20におけるサーボ情報読み取り処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
同図に示すように、磁気ディスクが組み込まれてシーク動作が開始されると(ステップS501肯定)、磁気ディスク装置20は、次のサンプル周期で境界トラックを越えるか否かを判定する(ステップS502)。
【0046】
そして、次のサンプル周期で境界トラックを越えると判定した場合(ステップS502肯定)、磁気ディスク装置20は、インナ側を読み取るか否かを判定する(ステップS503)。
【0047】
そして、インナ側を読み取ると判定した場合(ステップS503肯定)、サーボ復調部25は、インナ用PLL25bの値を設定する(ステップS504)。一方、インナ側を読み取ると判定しなかった場合(ステップS503否定)、つまり、アウタ側を読み取ると判定した場合、サーボ復調部25は、アウタ用PLL25aの値を設定する(ステップS505)。
【0048】
その後、磁気ディスク装置20は、目標トラックに到達したか否かを判定する(ステップS506)。そして、目標トラックに到達した場合(ステップS506肯定)、磁気ディスク装置20のヘッド23は、磁気ディスク10に書き込まれているサーボ情報を読み取る(ステップS507)。
【0049】
一方、目標トラックに到達していない場合(ステップS506否定)、磁気ディスク装置20は、再びシーク動作を開始する(ステップS501)。
【0050】
上記ステップS502に戻り、次のサンプル周期で境界トラックを越えると判定しなかった場合(ステップS502否定)、磁気ディスク装置20は、上記した目標トラックに到達したか否かの判定を行う(ステップS506)。
【0051】
[実施例1による効果]
このように実施例1によれば、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、また、当該サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で当該周波数とは異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた磁気ディスク10を保持し、保持される磁気ディスク10の回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラック13を決定し、決定された境界トラック13により分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するので、アウタ側での周波数をあげることができ、サーボ情報の切り替え影響を受けるトラックを3トラックに収めることができる結果、フォーマット容量を向上させることが可能であるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることが可能である。
【0052】
また、実施例1によれば、磁気ディスク10にサーボ情報を書き込む周波数に応じた複数の位相同期回路を備えるので、ヘッド23のシーク開始時に通過する領域の周波数をあらかじめサーボ復調器に設定し、簡易に位相同期回路(PLL)を切り替えることができることになり、境界を横切る場合に発生する位相同期回路(PLL)の引き込みに要する時間を短縮することができる結果、サーボ情報の読み込みミスを防止することが可能である。
【0053】
[実施例2]
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として、本発明に含まれる他の実施例について説明する。
【0054】
(1)領域の区分数
例えば、実施例1では、半径方向に分けられた2つの領域(インナ側、アウタ側)に対して、異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた磁気ディスク10の例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、半径方向に分けられた複数の領域(例えば、3つなど)に対して、異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを用いてもよい。
【0055】
例を挙げれば、図6に示したように、最インナ、インナ、アウタの3つの領域に分けて、それぞれ異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを用いてもよい。この場合、磁気ディスク装置20は、最インナとインナの境界、インナとアウタの境界の2つの境界トラックを決定し、それぞれの領域では、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除する。なお、サーボ情報書き込み装置によって、これらの3つの領域に分けてサーボ情報が磁気ディスクに書き込まれる。
【0056】
(2)サーボ情報の書き込み方法
また、磁気ディスクに書き込まれるサーボ情報は、磁気ディスク10におけるアウタ側ではアウタからインナへサーボ情報が書き込まれ、インナ側ではインナからアウタへサーボ情報が書き込まれるようにしてもよい。これにより、サーボ情報を削除する領域で発生するサイドクリンチの影響を減少させることが可能である。なお、サーボ情報書き込み装置によって、これらのサーボ情報が磁気ディスクに書き込まれる。
【0057】
(3)境界トラックの決定方法
また、トラック決定部24aは、磁気ディスク装置のヘッドを評価し、評価された情報を基に、サーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定するようにしてもよい。これにより、例えば、最もマージンが少ないヘッドに合わしてトラックを決定するなど、サーボ情報をより安定して読み込むことができる結果、書き込まれたサーボ情報の内容を保証することが可能である。
【0058】
(4)PLLの所持数
また、実施例1では、PLLを2つ所持する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気ディスク10に書き込まれたサーボ情報の周波数の数に応じて、所持するPLLの数を変更するようにしてもよい。
【0059】
(5)システム構成等
また、図3に示した磁気ディスク装置20の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、磁気ディスク装置20の分散・統合(例えば、サーボ制御部24とデータ制御部26を統合するなど)の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0060】
(6)プログラム
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。
【0061】
図7は、磁気ディスク制御プログラムを実行するコンピュータシステム70を示す図である。同図に示すように、コンピュータシステム70は、RAM71と、HDD72と、サーボ復調部73と、ROM74、CPU75とから構成される。ここで、ROM74には、上記の実施例と同様の機能を発揮するプログラム、つまり、図7に示すように、トラック決定プログラム74a、サーボ情報削除プログラム74b、サーボ情報処理プログラム74c、データ書き込みプログラム74d、データ読み出しプログラム74eがあらかじめ記憶されている。
【0062】
そして、CPU75には、これらのプログラム74a〜74eを読み出して実行することで、図7に示すように、トラック決定プロセス75a、サーボ情報削除プロセス75b、サーボ情報処理プロセス75c、データ書き込みプロセス75d、データ読み出しプロセス75eとなる。なお、トラック決定プロセス75aは、図3に示した、トラック決定部24aに対応し、同様に、サーボ情報削除プロセス75bは、サーボ情報削除部24bに対応し、サーボ情報処理プロセス75cは、サーボ情報処理部24cに対応し、データ書き込みプロセス75dは、データ書き込み部26aに対応し、データ読み出しプロセス75eは、データ読み出し部26bに対応する。
【0063】
また、HDD72には、サーボ復調部73がサーボ情報を復調する際に周波数を切り替えるサーボ復調テーブル72aが設けられる。なお、サーボ復調テーブル72aは、図3に示した、インナ用PLL25aおよびアウタ用PLL25bに対応する。
【0064】
ところで、上記したプログラム74a〜74eは、必ずしもROM74に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータシステム70に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム70の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらに、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータシステム70に接続される「他のコンピュータシステム」に記憶させておき、コンピュータシステム70がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0065】
(付記1)サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持して構成される磁気ディスク装置であって、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、また、前記サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で前記周波数とは異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた前記磁気ディスクを保持する磁気ディスク保持手段と、前記磁気ディスク保持手段により保持される前記磁気ディスクの回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定するトラック決定手段と、を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
【0066】
(付記2)前記トラック決定手段により決定された前記境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するサーボ削除手段とをさらに備えたことを特徴とする付記1に記載の磁気ディスク装置。
【0067】
(付記3)前記磁気ディスク保持手段は、前記磁気ディスクにおけるアウタ側ではアウタからインナへサーボ情報が書き込まれ、インナ側ではインナからアウタへサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持することを特徴とする付記1または2に記載の磁気ディスク装置。
【0068】
(付記4)前記磁気ディスクからサーボ情報の読み込みを行うヘッドを評価するヘッド評価手段をさらに備え、前記トラック決定手段は、前記ヘッド評価手段により評価された情報を基に、前記サーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の磁気ディスク装置。
【0069】
(付記5)前記磁気ディスクにサーボ情報を書き込む周波数に応じた複数の位相同期回路を備えるサーボ復調手段をさらに備えたことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の磁気ディスク装置。
【0070】
(付記6)磁気ディスク装置に組み込まれる磁気ディスクにサーボ情報を書き込むサーボ情報書込み装置であって、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報を書き込み、前記サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で前記周波数と異なる周波数を用いてサーボ情報を書き込むサーボ情報書込み手段を備えたことを特徴とするサーボ情報書込み装置。
【0071】
(付記7)前記サーボ情報書込み手段は、前記磁気ディスクにおけるアウタ側ではアウタからインナへサーボ情報を書き込み、インナ側ではインナからアウタへサーボ情報を書き込むことを特徴とする付記6に記載のサーボ情報書込み装置。
【0072】
(付記8)磁気ディスク装置のヘッドの位置制御または速度制御をおこなうためのサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクであって、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた領域と、前記サーボ情報とは回転方向が異なる場所に所定の間隔で前記周波数と異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた領域とを備えたことを特徴とする磁気ディスク。
【0073】
(付記9)前記磁気ディスクにおけるアウタ側ではアウタからインナへ前記サーボ情報が書き込まれ、インナ側ではインナからアウタへ前記サーボ情報が書き込まれたことを特徴とする付記8に記載の磁気ディスク。
【0074】
(付記10)前記磁気ディスクは、回転方向に対して所定の間隔で前記磁気ディスクのインナからアウト側に扇型に区切られた領域に対して所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、前記サーボ情報とは回転方向が異なる場所に所定の間隔で前記磁気ディスクのインナからアウト側に扇型に区切られた領域に対して前記周波数と異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれたことを特徴とする付記8または9に記載の磁気ディスク。
【0075】
(付記11)読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックより、インナ側では、読み取りとして採用するインナ用の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた領域と、アウタ側では、読み取りとして採用するアウタ用の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれた領域とを備えたことを特徴とする付記8〜10のいずれか一つに記載の磁気ディスク。
【0076】
(付記12)サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持して構成される磁気ディスク装置を製造することに適する磁気ディスク装置製造方法であって、前記磁気ディスクの回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報を書き込み、前記サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で前記周波数と異なる周波数を用いてサーボ情報とを書き込むサーボ情報書込み工程と、前記サーボ情報書込み工程により前記サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持する磁気ディスク保持工程と、前記磁気ディスク保持工程により、保持される前記磁気ディスクの回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定するトラック決定工程と、前記トラック決定工程により決定された前記境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するサーボ削除工程と、を含んだことを特徴とする磁気ディスク装置製造方法。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明に係る磁気ディスク装置および磁気ディスク装置製造方法は、磁気ディスクからサーボ情報を読み込むことに有用であり、特に、磁気ディスクのフォーマット容量を向上させるとともに、使用できなくなるトラック数を最小にすることに適する。
【符号の説明】
【0078】
10 磁気ディスク
11 偏心
13 境界トラック
15 軌道
20 磁気ディスク装置
21 通信制御部
22 磁気ディスク保持部
23 ヘッド
24 サーボ制御部
24a トラック決定部
24b サーボ削除部
24c サーボ処理部
25 サーボ復調部
25a アウタ用PLL
25b インナ用PLL
26 データ制御部
26a データ書き込み部
26b データ読み出し部
70 コンピュータシステム
71 RAM
72 HDD
72a サーボ復調テーブル
73 サーボ復調部
74 ROM
74a トラック決定プログラム
74b サーボ削除プログラム
74c サーボ情報処理プログラム
74d データ書き込みプログラム
74e データ読み出しプログラム
75 CPU
75a トラック決定プロセス
75b サーボ削除プロセス
75c サーボ情報処理プロセス
75d データ書き込みプロセス
75e データ読み出しプロセス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域に対して異なる周波数を用いてサーボ情報書き込み装置によってサーボ情報が第1回転中心を中心として書き込まれた磁気ディスクを保持する磁気ディスク装置であって、
前記第1回転中心とは異なる回転中心である第2回転中心で前記磁気ディスクを保持する磁気ディスク保持手段と、
前記磁気ディスク保持手段により保持される前記磁気ディスクの回転中心である前記第2回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、前記第1回転中心と前記第2回転中心とがずれることによって発生する偏心を、前記第2回転中心を中心とした軌道となるように読み替えて、読込むサーボ情報を切り替える境界となる軌道を境界トラックとして決定するトラック決定手段と、
前記トラック決定手段により決定された前記境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するサーボ削除手段と、
を備えたことを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記磁気ディスクは、回転方向に対して所定の間隔で所定の周波数を用いてサーボ情報が書き込まれ、また、当該サーボ情報とは回転方向が異なる場所に対して所定の間隔で当該周波数とは異なる周波数を用いてサーボ情報が書き込まれている、
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記磁気ディスク保持手段は、前記磁気ディスクにおけるアウタ側ではアウタからインナへサーボ情報が書き込まれ、インナ側ではインナからアウタへサーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記磁気ディスクからサーボ情報の読み込みを行うヘッドを評価するヘッド評価手段をさらに備え、
前記トラック決定手段は、前記ヘッド評価手段により評価された情報を基に、前記サーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記磁気ディスクにサーボ情報を書き込む周波数に応じた複数の位相同期回路を備えるサーボ復調手段をさらに備えた、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを保持する磁気ディスク装置を製造することに適する磁気ディスク装置製造方法であって、
複数の領域に対して異なる周波数を用いてサーボ情報書き込み装置によってサーボ情報を第1回転中心を中心として書き込むサーボ情報書込み工程と、
前記サーボ情報書込み工程により前記サーボ情報が書き込まれた磁気ディスクを前記第1回転中心とは異なる回転中心である第2回転中心で保持する磁気ディスク保持工程と、
前記磁気ディスク保持工程により、保持される前記磁気ディスクの回転中心である前記第2回転中心を中心とした同心円状の軌道を作成するとともに、前記第1回転中心と前記第2回転中心とがずれることによって発生する偏心を、前記第2回転中心を中心とした軌道となるように読み替えて、読込むサーボ情報を切り替える境界となる境界トラックを決定するトラック決定工程と、
前記トラック決定工程により決定された前記境界トラックにより分けられる領域ごとに、読み取りとしては採用しないサーボ情報を削除するサーボ削除工程と、
を含んだことを特徴とする磁気ディスク装置製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−182415(P2010−182415A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118628(P2010−118628)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【分割の表示】特願2006−152898(P2006−152898)の分割
【原出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】