説明

磁気ヘッドサスペンション及びその製造方法

【課題】3部材を重合させて溶接させることなく圧電素子を支持部の開口領域内において支持する先端側支持プレート及び基端側支持プレートを備える。
【解決手段】フレクシャ金属プレート410が支持部10の開口領域内の先端側及び基端側に位置する先端側及び基端側中央支持プレート形成領域414,415を有する。支持部のうち開口領域より先端側の先端領域及び基端側の基端領域には先端側及び基端側中央支持プレート形成領域より幅方向外方側に位置する第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)並びに第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)が固着され、第1及び第2先端側金属プレートが先端側中央支持プレート形成領域と共働して先端側支持プレートを形成し、第1及び第2基端側金属プレートが基端側中央支持プレート形成領域と共働して基端側支持プレートを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク等の記憶媒体に対してデータをリード及び/又はライトする磁気ヘッドスライダを支持する為の磁気ヘッドサスペンション及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置の大容量化に伴って磁気ヘッドスライダの目的トラックに対する位置決め精度の向上が求められており、その為、ボイスコイルモータ等のメインアクチュエータによる磁気ヘッドスライダのシーク方向への粗動に加えて、サブアクチュエータとして作用する圧電素子による磁気ヘッドスライダのシーク方向の微動を可能とした磁気ヘッドサスペンションが提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、前記圧電素子を備えた磁気ヘッドサスペンションにおいて、ディスク面に直交する方向の厚さを可及的に狭める為に、下記構成を備えることが提案されている。
【0004】
即ち、前記特許文献1に記載された磁気ヘッドサスペンションは、磁気ヘッドスライダをディスク面へ向けて押し付ける為の荷重を発生する荷重曲げ部と、前記荷重を磁気ヘッドスライダに伝達するためのロードビーム部と、前記荷重曲げ部を介して前記ロードビーム部を支持し且つメインアクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りに揺動される支持部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に支持されるフレクシャ部と、前記支持部に装着される左右一対の圧電素子とを備えている。
【0005】
前記支持部は、前記メインアクチュエータに直接又は間接的に連結される基端領域と、前記荷重曲げ部が連結される先端領域と、サスペンション長手方向に関し前記基端領域及び前記先端領域の間に位置する開口領域と、前記開口領域よりサスペンション幅方向外方向側において前記基端領域及び前記先端領域の間を連結する左右一対の連結梁とを有している。
【0006】
前記圧電素子は、前記先端領域及び前記基端領域のディスク対向面にそれぞれ溶接によって固着される先端側支持プレート及び基端側支持プレートを利用して、前記ディスク面に直交する平面視において前記開口領域内に位置するように前記支持部に装着されている。
【0007】
詳しくは、前記先端側支持プレートは、前記先端領域のディスク対向面に重合された状態で固着される先端側固着領域と、前記開口領域内に位置するように前記先端側固着領域から延びる先端側支持領域とを有している。
同様に、前記基端側支持プレートは、前記基端領域のディスク対向面に重合された状態で固着される基端側固着領域と、前記開口領域内に位置するように前記基端側固着領域から延びる基端側支持領域とを有している。
【0008】
斯かる構成において、前記圧電素子は、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域の基端側端面及び前記基端領域の先端側の端面に絶縁性接着剤が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記先端側支持プレートの前記先端側支持領域に絶縁性接着剤が介挿された状態で載置され且つディスク対向面の基端側が前記基端側支持プレートの前記基端側支持領域に絶縁性接着剤が介挿された状態で載置されている。
【0009】
斯かる構成の前記磁気ヘッドサスペンションにおいては、厚み方向に関し前記圧電素子の少なくとも一部が前記支持部とオーバーラップした状態で前記圧電素子が前記支持部に装着されている為、前記圧電素子を備えることによる磁気ヘッドサスペンションの厚み増加を可及的に防止することができる。
【0010】
しかしながら、前記フレクシャ部のフレクシャ金属プレートの固着構造に関しては改善の余地があった。
即ち、前記フレクシャ部は、前記支持部及び前記ロードビーム部のディスク対向面に溶接される前記フレクシャ金属プレートと、前記フレクシャ金属プレートのディスク対向面に積層された樹脂等の絶縁層と、前記絶縁層のディスク対向面に積層された導体部材からなる信号配線とを含んでいる。
【0011】
前記フレクシャ金属プレートは、少なくとも前記開口領域を挟んでサスペンション長手方向両側において前記支持部に溶接によって固着されているが、前記開口領域よりサスペンション長手方向先願側及び基端側には、前述の通り、前記先端側支持プレート及び前記基端側支持プレートが溶接によって固着されている。
【0012】
つまり、前記特許文献1に記載の磁気ヘッドサスペンションにおいては、前記フレクシャ金属プレートのうち前記開口領域の先端側に隣接する領域は、前記先端側支持プレートのディスク対向面に重合された状態で、前記先端側支持プレートの前記固着領域及び前記支持部の前記先端領域の双方に溶接されている。
同様に、前記フレクシャ金属プレートのうち前記開口領域の基端側に隣接する領域は、前記基端側支持プレートのディスク対向面に重合された状態で、前記基端側支持プレートの前記固着領域及び前記支持部の前記基端領域の双方に溶接されている。
【0013】
このように、斯かる前記特許文献1に記載の磁気ヘッドサスペンションにおいては、前記開口領域の先端側に隣接する部分において、前記フレクシャ金属プレート,前記先端側支持プレート及び前記支持部の3部材が重合されて溶接され、且つ、前記開口領域の基端側に隣接する部分において、前記フレクシャ金属プレート,前記基端側支持プレート及び前記支持部の3部材が重合されて溶接されており、従って、磁気ヘッドサスペンションの薄肉化及び軽量化が困難であるという問題があった。
【0014】
さらに、3部材が重合された状態で溶接されている為に、溶接強度を上げる必要があり、これにより、前記磁気ヘッドサスペンションに歪みが生じ易いという問題もあった。前記歪みは、前記磁気ヘッドスライダの浮上姿勢や前記磁気ヘッドサスペンションの振動特性に悪影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−050140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、フレクシャ部のフレクシャ金属プレートが支持部及びロードビーム部に溶接によって固着され且つ圧電素子がディスク面に直交する平面視において前記支持部に形成された開口領域内に位置するように配置された磁気ヘッドサスペンションにおいて、3部材を重合させた状態で溶接させることなく、前記圧電素子を前記開口領域内において支持する先端側支持プレート及び基端側支持プレートを備えることができる磁気ヘッドサスペンションの提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、前記目的を達成する為に、磁気ヘッドスライダをディスク面へ向けて押し付ける為の荷重を発生する荷重曲げ部と、前記荷重を磁気ヘッドスライダに伝達するためのロードビーム部と、前記荷重曲げ部を介して前記ロードビーム部を支持し且つメインアクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りに揺動される支持部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に支持されるフレクシャ部と、前記磁気ヘッドスライダをシーク方向に微動させる為にサスペンション長手方向中心線を基準にして互いに対して対称で且つ互いに対して伸縮方向が異なるように前記支持部に装着される左右一対の第1及び第2圧電素子とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記支持部は、前記メインアクチュエータに直接又は間接的に連結される基端領域と前記荷重曲げ部が連結される先端領域とサスペンション長手方向に関し前記基端領域及び前記先端領域の間に位置する開口領域と前記開口領域よりサスペンション幅方向外方向側において前記基端領域及び前記先端領域の間を連結する左右一対の連結梁とを有し、前記荷重曲げ部は、板面が前記ディスク面と対向する状態でサスペンション長手方向中心線を挟んで互いにサスペンション幅方向に離間された一対の弾性板であって、基端部が前記先端領域に連結され且つ先端部が前記ロードビーム部の基端側を支持する一対の弾性板を有し、前記フレクシャ部は、前記ロードビーム部及び前記支持部のディスク対向面に溶接されるフレクシャ金属プレートと前記フレクシャ金属プレートのディスク対向面に積層される絶縁層と前記絶縁層のディスク対向面に積層される信号配線とを含み、前記フレクシャ金属プレートは、前記ロードビーム部のディスク対向面に重合された状態で溶接されるロードビーム部重合領域とサスペンション幅方向に関し前記一対の弾性板の間において前記先端領域のディスク対向面に重合された状態で溶接される支持部先端側重合領域とサスペンション幅方向に関し前記一対の弾性板の間において前記ロードビーム部重合領域及び前記支持部先端側重合領域を連結する荷重曲げ対応領域と前記基端領域のディスク対向面に重合された状態で溶接される支持部基端側重合領域と前記開口領域内に位置するように前記支持部先端側重合領域から延びた先端側中央支持プレート形成領域と前記先端側中央支持プレート形成領域とはサスペンション長手方向に離間された状態で前記開口領域内に位置するように前記支持部基端側重合領域から延びた基端側中央支持プレート形成領域とを有し、前記絶縁層は、前記フレクシャ金属プレートの前記ロードビーム部重合領域、前記荷重曲げ対応領域、前記支持部先端側重合領域、前記先端側中央支持プレート形成領域、前記基端側中央支持プレート形成領域及び前記支持部基端側重合領域のディスク対向面にそれぞれ積層されるロードビーム対応領域、荷重曲げ対応領域、支持部先端側対応領域、先端側中央支持プレート対応領域、基端側中央支持プレート対応領域及び支持部基端側対応領域を有すると共に、さらに、前記先端側中央支持プレート対応領域及び前記基端側中央支持プレート対応領域の間を連結する連結領域を有しており、前記先端領域のディスク対向面には左右一対の第1及び第2先端側金属プレートが固着され、前記基端領域のディスク対向面には左右一対の第1及び第2基端側金属プレートが固着されており、前記一対の先端側金属プレートは、前記支持部先端側重合領域よりサスペンション幅方向外方側において前記先端領域のディスク対向面に重合された状態で固着される先端側固着領域と前記先端側中央支持プレート形成領域よりサスペンション幅方向外方側において前記開口領域内に位置するように前記先端側固着領域から延びる先端側サイド支持プレート形成領域とを有し、前記一対の基端側金属プレートは、前記支持部基端側重合領域よりサスペンション幅方向外方側において前記基端領域のディスク対向面に重合された状態で固着される基端側固着領域と前記基端側中央支持プレート形成領域よりサスペンション幅方向外方側において前記開口領域内に位置するように前記基端側固着領域から延びる基端側サイド支持プレート形成領域とを有し、前記第1圧電素子は、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域の基端側端面及び前記基端領域の先端側の端面に端面側絶縁性接着剤が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記先端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向一方側の先端側第1幅方向部分及び前記第1先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域によって形成される第1圧電素子用先端側支持プレートに先端側絶縁性接着剤が介挿された状態で載置され且つディスク対向面の基端側が前記基端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向一方側の基端側第1幅方向部分及び前記第1基端側金属プレートの前記基端側サイド支持プレート形成領域によって形成される第1圧電素子用基端側支持プレートに基端側絶縁性接着剤が介挿された状態で載置され、前記第2圧電素子は、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域の基端側端面及び前記基端領域の先端側の端面に端面側絶縁性接着剤が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記先端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向他方側の先端側第2幅方向部分及び前記第2先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域によって形成される第2圧電素子用先端側支持プレートに先端側絶縁性接着剤を介して載置され且つディスク対向面の基端側が前記基端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向他方側の基端側第2幅方向部分及び前記第2基端側金属プレートの前記基端側支持プレート形成領域によって形成される第2圧電素子用基端側支持プレートに基端側絶縁性接着剤を介して載置されている磁気ヘッドサスペンションを提供する。
【0018】
一形態においては、前記フレクシャ金属プレートは、サスペンション幅方向に関し前記一対の第1及び第2圧電素子の間において前記先端側中央支持プレート形成領域及び基端側中央支持プレート形成領域の間を連結するブリッジ領域を有し得る。
【0019】
他形態においては、前記先端側中央支持プレート形成領域及び前記基端側中央支持プレート形成領域の間には前記フレクシャ金属プレートが存在しないように構成される。この場合、前記先端側中央支持プレート形成領域及び前記基端側中央支持プレート形成領域の相対位置は、前記フレクシャ部の前記絶縁層及び前記信号配線によって保持される。
【0020】
好ましくは、前記連結領域は、平面視において前記第1及び第2圧電素子と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置され、前記フレクシャ部は、前記絶縁層のディスク対向面に積層される第1及び第2電圧供給配線を有し、前記第1及び第2電圧供給配線は、基端部が外部電源に電気接続可能とされ且つ先端部が対応する前記圧電素子と平面視においてオーバーラップされ、前記絶縁層の前記連結領域には前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部に対応した位置に開口が形成され、前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部は導電性接着剤を介して対応する前記圧電素子のディスク面側の電極層に電気的に接続される。
【0021】
より好ましくは、前記絶縁層のディスク面とは反対側には前記導電性接着剤を囲繞するように金属リングが配置される。
前記金属リングは、前記フレクシャ金属プレートを形成する金属板を用いて形成され得る。
【0022】
前記種々の構成において、好ましくは、前記第1圧電素子用の前記導電性接着剤のサスペンション幅方向両側には、サスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第1圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように配置された一対の第1密閉空間形成絶縁性接着剤が設けられ、前記第2圧電素子用の前記導電性接着剤のサスペンション幅方向両側には、サスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第2圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように配置された一対の第2密閉空間形成絶縁性接着剤が設けられる。
【0023】
これに代えて、前記第1圧電素子用の前記導電性接着剤よりサスペンション幅方向外方側に、サスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第1圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように外方側絶縁性接着剤を設け、前記第2圧電素子用の前記導電性接着剤よりサスペンション幅方向外方側に、サスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第2圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように外方側絶縁性接着剤を設けることも可能である。
【0024】
より好ましくは、前記第1圧電素子側の前記先端側絶縁性接着剤,前記第2圧電素子側の前記先端側絶縁性接着剤,前記第1圧電素子側の前記基端側絶縁性接着剤,前記第2圧電素子側の前記基端側絶縁性接着剤,前記第1圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤,前記第2圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤,前記絶縁層の前記連結領域,前記第1圧電素子の前記下面側電極層及び前記第2圧電素子の前記下面側電極層によって画される空間に封止用絶縁性接着剤が充填される。
【0025】
前記種々の構成において、好ましくは、前記第1及び第2圧電素子のサスペンション幅方向外方側の外側面をそれぞれ覆うように外側面側絶縁性接着剤が設けられ、前記外側面側絶縁性接着剤は、対応する側の前記連結梁の少なくとも一部に連結される。
【0026】
前記種々の構成において、好ましくは、前記先端側中央支持プレート形成領域は、前記支持部先端側重合領域から基端側へ延びた先端側中央部分と、前記先端側中央部分からサスペンション幅方向一方側へ延びて前記第1先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第1圧電素子用先端側支持プレートを形成する前記先端側第1幅方向部分と、前記先端側中央部分からサスペンション幅方向他方側へ延びて前記第2先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第2圧電素子用先端側支持プレートを形成する前記先端側幅方向第2部分とを有し得る。前記基端側中央支持プレート形成領域は、前記支持部基端側重合領域から先端側へ延びた基端側中央部分と、前記基端側中央部分からサスペンション幅方向一方側へ延びて前記第1基端側金属プレートの前記基端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第1圧電素子用基端側支持プレートを形成する前記基端側第1幅方向部分と、前記基端側中央部分からサスペンション幅方向他方側へ延びて前記第2基端側金属プレートの前記基端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第2圧電素子用基端側支持プレートを形成する前記基端側第2幅方向部分とを有し得る。前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートの先端側エッジと前記先端領域の基端側エッジとの間には隙間が存在するように前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートが構成され、前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートの基端側エッジと前記基端領域の先端側エッジとの間には隙間が存在するように前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートが構成される。
【0027】
前記種々の構成において、好ましくは、前記ロードビーム部,前記荷重曲げ部及び前記一対の先端側金属プレートは一体形成される。
【0028】
前記種々の構成に係る磁気ヘッドサスペンションは、さらに、前記第1圧電素子よりサスペンション幅方向外方側において前記第1先端側金属プレート及び前記第1基端側金属プレートを連結する第1連結片と、前記第2圧電素子よりサスペンション幅方向外方側において前記第2先端側金属プレート及び前記第2基端側金属プレートを連結する第2連結片とを備え得る。前記第1及び第2連結片は平面視において蛇腹状とされる。
【0029】
前記第1及び第2連結片を備えることに代えて、前記種々の構成に係る磁気ヘッドサスペンションは、さらに、前記第1圧電素子よりサスペンション幅方向外方側においてサスペンション長手方向に延びる第1延在片と、前記第2圧電素子よりサスペンション幅方向外方側においてサスペンション長手方向に延びる第2延在片とを備え得る。
前記第1延在片は、前記第1先端側金属プレートに連結された第1先端側部分と前記第1基端側金属プレートに連結された第1基端側部分とを有し、前記第1先端側部分及び前記第1基端側部分は隙間を介して対向される。
前記第2延在片は、前記第2先端側金属プレートに連結された第2先端側部分と前記第2基端側金属プレートに連結された第2基端側部分とを有し、前記第2先端側部分及び前記第2基端側部分は隙間を介して対向される。
【0030】
前記第1及び第2延在片が備えられる構成において、前記基端領域に連結される前記連結梁の基端部が前記先端領域に連結される先端部よりサスペンション幅方向外方に位置する場合には、前記磁気ヘッドサスペンションには、先端部が前記第1先端側部分に連結され且つ基端部が前記先端部よりサスペンション幅方向外方において前記第1基端側金属プレートに連結された第1補助連結片と、先端部が前記第2先端側部分に連結され且つ基端部が前記先端部よりサスペンション幅方向外方において前記第2基端側金属プレートに連結された第2補助連結片とが備えられ得る。
【0031】
又、本発明は、前記種々の構成に係る磁気ヘッドサスペンションの製造方法であって、ロードビーム基板から、前記ロードビーム部,前記荷重曲げ部及び前記一対の先端側金属プレートを一体的に有する複数のサスペンション先端側本体と複数の前記一対の基端側金属プレートとを含む中間金属シートであって、前記複数のサスペンション先端側本体が第1支持片を介してキャリアに連結され、且つ、前記複数の一対の基端側金属プレートが第2支持片を介して直接又は間接的に前記キャリヤに連結されている中間金属シートを形成する工程と、前記サスペンション先端側本体及び対応する前記一対の基端側金属プレートに前記支持部を固着させる工程と、前記第1及び第2支持片を切断することによって、前記サスペンション先端側本体,前記一対の基端側金属プレート及び前記支持部が一体化されたアッセンブリを前記キャリアから分離する工程とを含む磁気ヘッドサスペンションの製造方法を提供する。
【0032】
一形態においては、前記製造方法は、前記アッセンブリを前記中間金属シートから分離する前に前記アッセンブリに前記フレクシャ部を固着させる工程を含み得る。
これに代えて、前記製造方法は、前記アッセンブリを前記中間金属シートから分離した後に前記アッセンブリに前記フレクシャ部を固着させる工程を含み得る。
【0033】
又、本発明は、前記封止用絶縁性接着剤を備えた前記磁気ヘッドサスペンションの製造方法であって、前記支持部,前記荷重曲げ部,前記ロードビーム部,前記フレクシャ部,前記一対の先端側金属プレート及び前記一対の基端側金属プレートが一体化されたサスペンション中間体を用意する工程と、前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートに前記先端側絶縁性接着剤を塗布し且つ前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートに前記基端側絶縁性接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程と、前記第1圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤及び前記第2圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、前記第1及び第2圧電素子用の前記導電性接着剤を塗布する第3の接着剤塗布工程と、前記第1から第3の接着剤塗布工程の後に前記第1及び第2圧電素子を前記開口領域内の所定位置に設置する圧電素子設置工程と、前記圧電素子設置工程の前又は後に前記端面側絶縁性接着剤を塗布する第4の接着剤塗布工程と、前記第1から第4接着剤塗布工程によって塗布された接着剤を硬化させて前記第1及び第2圧電素子を固定する硬化工程と、前記ディスク面とは反対側からからサスペンション幅方向における前記第1及び第2圧電素子の間の間隙を介して前記空間に前記封止用絶縁性接着剤を充填する工程とを含む磁気ヘッドサスペンションの製造方法を提供する。
本発明に係る前記製造方法は、さらに、前記第1及び第2圧電素子のそれぞれの前記ディスク面とは反対側の電極層と前記支持体の前記先端領域とに跨るように導電性接着剤を塗布する第5の接着剤塗布工程を含み得る。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る磁気ヘッドサスペンションによれば、ロードビーム部及び支持部に固着されるフレクシャ部のフレクシャ金属プレートが前記支持部の開口領域内の先端側及び基端側に位置する先端側中央支持プレート形成領域及び基端側中央支持プレート形成領域を有し、前記支持部のうち前記開口領域より先端側の先端領域には前記先端側中央支持プレート形成領域よりサスペンション幅方向外方側に位置する左右一対の第1及び第2先端側金属プレートが固着され、前記支持部のうち前記開口領域より基端側の基端領域には前記基端側中央支持プレート形成領域よりサスペンション幅方向外方側に位置する左右一対の第1及び第2基端側金属プレートが固着され、前記第1及び第2先端側金属プレートが前記先端側中央支持プレート形成領域と共働してそれぞれ第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートを形成し、前記第1及び第2基端側金属プレートが前記基端側中央支持プレート形成領域と共働してそれぞれ第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートを形成しているので、3部材を重合させた状態で溶接させることなく、前記先端側支持プレート及び前記基端側支持プレートを形成することができる。従って、磁気ヘッドサスペンションの薄肉化及び軽量化を図り得ると共に、溶接に起因して前記磁気ヘッドサスペンションに歪みが生じることを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1A】図1Aは、本発明の実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図1B】図1Bは、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの下面図である。
【図2A】図2Aは、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションのフレクシャ部の上面図である。
【図2B】図2Bは、前記フレクシャ部の下面図である。
【図3】図3は、一対の第1及び第2圧電素子を取り除いた状態の前記磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図4】図4は、図1AにおけるIV-IV線に沿った断面図である。
【図5】図5は、図1AにおけるV-V線に沿った断面図である。
【図6】図6は、図1AにおけるVI-VI線に沿った断面図である。
【図7】図7は、前記実施の形態1の第1変形例に係る磁気ヘッドサスペンションの断面図であって、図1AのVI-VI線に相当する切断面に沿った断面図である。
【図8】図8は、図1BにおけるVIII部拡大図である。
【図9】図9は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの製造方法の第1例を示す平面図である。
【図10】図10は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの製造方法の第2例を示す平面図である。
【図11】図11は、前記実施の形態1の第2変形例に係る磁気ヘッドサスペンションにおけるフレクシャ部の上面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態3に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図14】図14は、前記実施の形態3の変形例に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態4に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図16】図16は、図15におけるXVI-XVI線に沿った断面図である。
【図17】図17は、図15におけるXVII-XVII線に沿った断面図である。
【図18】図18は、図15におけるXVIII-XVIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施の形態1
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1A及び図1Bに、それぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aの上面図(ディスク面とは反対側から見た平面図)及び下面図(ディスク面側から視た底面図)を示す。なお、図1Bにおける○印は溶接点を示している。
【0037】
図1A及び図1Bに示すように、前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、磁気ヘッドスライダ50をディスク面へ向けて押し付ける為の荷重を発生する荷重曲げ部20と、前記荷重を磁気ヘッドスライダ50に伝達するためのロードビーム部30と、前記荷重曲げ部20を介して前記ロードビーム部30を支持し且つメインアクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りに揺動される支持部10と、前記磁気ヘッドスライダ50を支持した状態で前記ロードビーム部30及び前記支持部10に支持されるフレクシャ部40と、前記磁気ヘッドスライダ50をシーク方向に微動させる為にサスペンション長手方向中心線CLを基準にして互いに対して対称で且つ互いに対して伸縮方向が異なるように前記支持部10に装着された左右一対の第1及び第2圧電素子60(1),60(2)とを備えている。
【0038】
前記支持部10は、ボイスコイルモータ等の前記メインアクチュエータに直接又は間接的に連結された状態で、前記荷重曲げ部20を介して前記ロードビーム部30を支持する部材であり、比較的高剛性を有するものとされる。
【0039】
本実施の形態においては、前記支持部10は、前記メインアクチュエータに連結されるキャリッジアーム(図示せず)の先端にかしめ加工によって接合されるボス部15を備えたベースプレートとされている。
前記支持部10は、例えば、厚さ0.1mm〜0.8mmのステンレス板によって好適に形成される。
当然ながら、前記支持部10として、基端部が前記メインアクチュエータの揺動中心に連結されるアームを採用することも可能である。
【0040】
前記支持部10は、前記メインアクチュエータに直接又は間接的に連結される基端領域11と、前記荷重曲げ部20が連結される先端領域12と、サスペンション長手方向に関し前記基端領域11及び前記先端領域12の間に位置する開口領域13と、前記開口領域13のサスペンション幅方向両側において前記基端領域11及び前記先端領域12の間を連結する左右一対の連結梁14とを有している。
【0041】
前記ロードビーム部30は、前述の通り、前記荷重曲げ部20によって発生される荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達する為の部材であり、従って、所定の剛性が要求される。
本実施の形態においては、図1A及び図1Bに示すように、前記ロードビーム部30は、平板状の本体部31と、前記本体部31の幅方向両端部からディスク面とは反対側に曲げ形成されたフランジ部32とを有しており、前記フランジ部32によって剛性を確保している。
前記ロードビーム部30は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって好適に形成される。
【0042】
詳しくは、前記ロードビーム部30は、先端部に、所謂ディンプルと呼ばれる突起33を有している。
前記突起33は、ディスク面に近接する方向に、例えば、0.05mm〜0.1mm程度突出されている。この突起33は、前記フレクシャ部40におけるヘッド搭載領域43の裏面(ディスク面とは反対側の面)に接触しており、前記荷重はこの突起33を介して前記フレクシャ部40のヘッド搭載領域418に伝達される。
【0043】
本実施の形態においては、前記ロードビーム部30は、さらに、前記本体部31の先端からサスペンション長手方向先端側へ延びるリフトタブ34を一体的に有している。前記リフトタブ34は、前記磁気ヘッドスライダ50がディスク面の径方向外方へ位置するように前記磁気ヘッドサスペンション1Aが前記メインアクチュエータによって揺動された際に、磁気ディスク装置に備えられたランプと係合して前記磁気ヘッドスライダ50をz方向(前記ディスク面と直交する方向)に沿って前記ディスク面から離間させる為の部材である。
【0044】
前記荷重曲げ部20は、基端部が前記支持部10に連結され且つ先端部が前記ロードビーム部30に連結されており、自己の弾性変形に基づいて前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面へ向けて押し付ける押し付け荷重を発生する。
【0045】
図1A及び図1Bに示すように、本実施の形態においては、前記荷重曲げ部20は、板面が前記ディスク面と対向する状態でサスペンション長手方向中心線CLを挟んで互いに対して離間配置された左右一対の板バネ21を有している。
好ましくは、前記一対の板バネ21は、前記磁気ヘッドサスペンション1Aが前記磁気ディスク装置へ実装される前の段階において前記磁気ヘッドスライダ50が前記ディスク面に近づく方向に予め折り曲げられ、且つ、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの前記磁気ディスク装置への実装時には曲げ戻されることで前記押し付け荷重を発生するように、構成される。
【0046】
前記荷重曲げ部20は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって形成される。
なお、本実施の形態においては、図1A及び図1Bに示すように、前記荷重曲げ部20は前記ロードビーム部30と一体形成されている。
【0047】
即ち、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aは、ロードビーム基板から形成された前記ロードビーム部30及び前記荷重曲げ部20を一体形成するロードビーム/荷重曲げ形成体300を有しており、前記ロードビーム/荷重曲げ形成体300は、前記ディスク面とは反対側の上面が前記支持部10の前記先端領域12における前記ディスク面と対向する下面に当接された状態で、前記支持部10に溶接によって接合されている。
【0048】
前記フレクシャ部40は、前記磁気ヘッドスライダ50を支持した状態で前記ロードビーム部30及び前記支持部10に溶接によって接合されている。
本実施の形態においては前記フレクシャ部40は、前記磁気ヘッドスライダ50を外部部材に電気的に接続する為の信号配線430を一体的に有している。
【0049】
図2A及び図2Bに、それぞれ、前記フレクシャ部40の上面図及び下面図を示す。
図1B,図2A及び図2Bに示すように、前記フレクシャ部40は、前記ロードビーム部30及び前記支持部10のディスク対向面に溶接されるフレクシャ金属プレート410と、前記フレクシャ金属プレート410のディスク対向面に積層される絶縁層420と、前記絶縁層420のディスク対向面に積層される信号配線430とを含んでいる。
好ましくは、前記フレクシャ部40は、前記信号配線430を囲繞する絶縁性のカバー層(図示せず)を有し得る。
【0050】
前記フレクシャ金属プレート410は、前記ロードビーム部30のディスク対向面に重合された状態で溶接されるロードビーム部重合領域411と、サスペンション幅方向に関し前記一対の弾性板21の間において前記先端領域12のディスク対向面に重合された状態で溶接される支持部先端側重合領域413と、サスペンション幅方向に関し前記一対の弾性板21の間において前記ロードビーム部重合領域411及び前記支持部先端側重合領域413を連結する荷重曲げ対応領域412と、前記基端領域11のディスク対向面に重合された状態で溶接される支持部基端側重合領域416とを有しており、さらに、前記開口領域13内に位置するように前記支持部先端側重合領域413から延びた先端側中央支持プレート形成領域414と、前記先端側中央支持プレート形成領域414とはサスペンション長手方向に離間された状態で前記開口領域13内に位置するように前記支持部基端側重合領域416から延びた基端側中央支持プレート形成領域415とを有している。
【0051】
なお、前記フレクシャ金属プレート410は、さらに、前記ロードビーム部重合領域411のサスペンション幅方向両側から先端側へ延びる一対の支持片417と、前記支持片417によって支持された前記ヘッド搭載領域418とを有している。
【0052】
前記ヘッド搭載領域418は、図1Bに示すように、ディスク面と対向する対向面において前記磁気ヘッドスライダ50を支持している。
前述の通り、前記ヘッド搭載領域418の裏面には前記突起33が接触しており、従って、前記ヘッド搭載領域418は前記突起33を支点としてロール方向及びピッチ方向に柔軟に揺動し得るようになっている。
【0053】
前記フレクシャ金属プレート410は、前記ヘッド搭載領域418がロール方向及びピッチ方向に揺動し得るように、前記ロードビーム部30を形成する部材(本実施の形態においては前記ロードビーム基板)よりも低剛性とされる。
前記フレクシャ金属プレート410は、例えば、厚さ0.01mm〜0.025mm程度のステンレス板とされる。
【0054】
前述の通り、前記フレクシャ金属プレート410は、前記先端側中央支持プレート形成領域414及び前記基端側中央支持プレート形成領域415の間においてサスペンション長手方向に分断されている。
即ち、前記フレクシャ金属プレート410は、図2A及び図2Bに示すように、前記ヘッド搭載領域418、前記一対の支持片417、前記ロードビーム部重合領域411、前記荷重曲げ対応領域412、前記支持部先端側重合領域413及び前記先端側中央支持プレート形成領域414を含む先端側セクション410aと前記基端側中央支持プレート形成領域及415び前記支持部基端側重合領域416を含む基端側セクション410bとを備えており、前記先端側セクション410a及び前記基端側セクション410bは前記先端側中央支持プレート形成領域414及び前記基端側中央支持プレート形成領域415の間において離間されている。
【0055】
前記先端側セクション410a及び前記基端側セクション410bは前記絶縁層420によって連結されている。
即ち、前記絶縁層420は、図2Bに示すように、前記フレクシャ金属プレート410の前記ロードビーム部重合領域411、前記荷重曲げ対応領域412、前記支持部先端側重合領域413、前記先端側中央支持プレート形成領域414、前記基端側中央支持プレート形成領域415及び前記支持部基端側重合領域416のディスク対向面にそれぞれ積層されるロードビーム対応領域421、荷重曲げ対応領域422、支持部先端側対応領域423、先端側中央支持プレート対応領域424、基端側中央支持プレート対応領域425及び支持部基端側対応領域426を有すると共に、さらに、前記先端側中央支持プレート対応領域424及び前記基端側中央支持プレート対応領域425の間を連結する連結領域429(図1B及び図2Aも併せて参照)を有している。
【0056】
図1Bに示すように、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記構成要素に加えて、さらに、前記先端領域12のディスク対向面に固着された左右一対の第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)と、前記基端領域11のディスク対向面に固着された左右一対の第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)とを備えている。
【0057】
図3に、前記一対の第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を取り除いた状態の前記磁気ヘッドサスペンション1Aの上面図を示す。
なお、図3においては、前記一対の第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を二点鎖線で示している。
【0058】
図1B及び図3に示すように、前記一対の第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)の各々は、前記先端領域12のディスク対向面のうち前記支持部先端側重合領域413よりサスペンション幅方向外方側に位置する部分に重合された状態で固着される先端側固着領域101と、前記先端側中央支持プレート形成領域414よりサスペンション幅方向外方側において前記開口領域13内に位置するように前記先端側固着領域101から延びる先端側サイド支持プレート形成領域105とを有している。
【0059】
詳しくは、前記先端側中央支持プレート形成領域414は、図2A及び図3に示すように、前記支持部先端側重合領域413から基端側へ延びた先端側中央部分414aと、前記先端側中央部分414aからサスペンション幅方向一方側へ延びた先端側第1幅方向部分414(1)と、前記先端側中央部分414aからサスペンション幅方向他方側へ延びた先端側第2幅方向部分414(2)とを有している。
【0060】
そして、前記第1先端側金属プレート100(1)は、図1B及び図3に示すように、前記フレクシャ金属プレート410の前記支持部先端側重合領域413よりサスペンション幅方向一方側において前記先端領域12のディスク対向面に当接された状態で溶接される前記先端側固着領域101と、前記先端側第1幅方向部分414(1)よりサスペンション幅方向一方側においてサスペンション幅方向に沿って延びるように前記先端側固着領域101から延在された前記先端側サイド支持プレート形成領域105とを有している。
【0061】
前記第1先端側金属プレート100(1)の前記先端側サイド支持プレート形成領域105は、前記先端側第1幅方向部分414(1)と共働して前記第1圧電素子60(1)の先端側が載置される第1圧電素子用先端側支持プレートを形成する。
【0062】
前記第2先端側金属プレート100(2)は、サスペンション長手方向中心線CLを基準にして前記第1先端側金属プレート100(1)と対称とされている。
即ち、前記第2先端側金属プレート100(2)は、前記フレクシャ金属プレート410の前記支持部先端側重合領域413よりサスペンション幅方向他方側において前記先端領域のディスク対向面に当接された状態で溶接される前記先端側固着領域101と、前記先端側第2幅方向部分414(2)よりサスペンション幅方向他方側においてサスペンション幅方向に沿って延びるように前記先端側固着領域101から延在された前記先端側サイド支持プレート形成領域105とを有している。
【0063】
前記第2先端側金属プレート100(2)の前記先端側サイド支持プレート形成領域105は、前記先端側第2幅方向部分414(2)と共働して前記第2圧電素子60(2)の先端側が載置される第2圧電素子用先端側支持プレートを形成する。
【0064】
前記先端側第1及び第2幅方向部分414(1),414(2)はサスペンション長手方向中心線CLを基準にして対称とされており、従って、前記第1圧電素子用先端側支持プレート及び前記第2圧電素子用先端側支持プレートはサスペンション長手方向中心線CLを基準にして対称とされる。
【0065】
図1B及び図3に示すように、前記一対の第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)の各々は、前記基端領域11のディスク対向面のうち前記支持部基端側重合領域416よりサスペンション幅方向外方側に位置する部分に重合された状態で固着される基端側固着領域151と、前記基端側中央支持プレート形成領域415よりサスペンション幅方向外方側において前記開口領域13内に位置するように前記基端側固着領域151から延びる基端側サイド支持プレート形成領域155とを有している。
【0066】
詳しくは、前記基端側中央支持プレート形成領域は、図2A及び図3に示すように、前記支持部基端側重合領域416から先端側へ延びた基端側中央部分415aと、前記基端側中央部分415aからサスペンション幅方向一方側へ延びた基端側第1幅方向部分415(1)と、前記基端側中央部分415aからサスペンション幅方向他方側へ延びた基端側第2幅方向部分415(2)とを有している。
【0067】
そして、前記第1基端側金属プレート150(1)は、図1B及び図3に示すように、前記フレクシャ金属プレート410の前記支持部基端側重合領域416よりサスペンション幅方向一方側において前記基端領域11のディスク対向面に当接された状態で溶接される前記基端側固着領域151と、前記基端側第1幅方向部分415(1)よりサスペンション幅方向一方側においてサスペンション幅方向に沿って延びるように前記基端側固着領域151から延在された前記基端側サイド支持プレート形成領域155とを有している。
【0068】
前記第1基端側金属プレート150(1)の前記基端側サイド支持プレート形成領域155は、前記基端側第1幅方向部分415(1)と共働して前記第1圧電素子60(1)の基端側が載置される第1圧電素子用基端側支持プレートを形成する。
【0069】
前記第2基端側金属プレート150(2)は、サスペンション長手方向中心線CLを基準にして前記第1基端側金属プレート150(1)と対称とされている。
即ち、前記第2基端側金属プレート150(2)は、前記フレクシャ金属プレート410の前記支持部基端側重合領域416よりサスペンション幅方向他方側において前記基端領域11のディスク対向面に当接された状態で溶接される前記基端側固着領域151と、前記基端側第2幅方向部分415(2)よりサスペンション幅方向他方側においてサスペンション幅方向に沿って延びるように前記基端側固着領域151から延在された前記基端側サイド支持プレート形成領域155とを有している。
【0070】
前記第2基端側金属プレート150(2)の前記基端側サイド支持プレート形成領域155は、前記基端側第2幅方向部分415(2)と共働して前記第2圧電素子60(2)の基端側が載置される第2圧電素子用基端側支持プレートを形成する。
【0071】
前記基端側第1及び第2幅方向部分415(1),415(2)はサスペンション長手方向中心線CLを基準にして対称とされており、従って、前記第1圧電素子用基端側支持プレート及び前記第2圧電素子用基端側支持プレートはサスペンション長手方向中心線CLを基準にして対称とされる。
【0072】
前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の各々は、PZT(チタン酸ジリコン酸鉛)からなる本体部と、前記本体部の下面(ディスク面に近接する側の面)及び上面(ディスク面とは反対側の面)にそれぞれに配置された下面側電極層及び上面側電極層とを有している。
【0073】
前記本体部は、例えば厚さ0.05mm〜0.3mmとされ、前記電極層は、例えば厚さ0.05μm〜数μmのAgやAuによって形成される。
【0074】
なお、前記一対の圧電素子60(1),60(2)は、前記磁気ヘッドスライダ50をシーク方向に微動させる為のサブアクチュエータとして作用するように電圧の印可に応じて一方が伸長し且つ他方が圧縮するように配置されている。
【0075】
図4〜図6に、それぞれ、図1AにおけるIV-IV線、V-V線及びVI-VI線に沿った断面図を示す。
前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)は、図1A及び図4〜図6に示すように、前記ディスク面と直交する方向に沿って視た平面視において全体が前記開口領域13内に位置するように前記支持部に装着されている。
【0076】
詳しくは、図1A,図4〜図6に示すように、前記第1圧電素子60(1)は、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域12の基端側端面及び前記基端領域11の先端側の端面に端面側絶縁性接着剤71,72が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記第1圧電素子用先端側支持プレート414(1),105に先端側絶縁性接着剤73が介挿された状態で載置され且つディスク対向面の基端側が前記第1圧電素子用基端側支持プレート415(1),155に基端側絶縁性接着剤74が介挿された状態で載置されている。
【0077】
同様に、前記第2圧電素子60(2)は、図1Aに示すように、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域12の基端側端面及び前記基端領域11の先端側の端面に端面側絶縁性接着剤71,72が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記第2圧電素子用先端側支持プレート414(2),105に先端側絶縁性接着剤を介して載置され且つディスク対向面の基端側が前記第2圧電素子用基端側支持プレート415(2),155に基端側絶縁性接着剤を介して載置されている。
【0078】
斯かる構成の前記磁気ヘッドサスペンション1Aにおいては、3つの部材を重合させることなく且つ3部材を溶接によって固着させることなく、前記第1圧電素子60(1)のディスク対向面の先端側及び基端側がそれぞれ載置される前記第1圧電素子用先端側支持プレート414(1),105及び前記第1圧電素子用基端側支持プレート415(1),155を形成し、且つ、前記第2圧電素子60(2)のディスク対向面の先端側及び基端側がそれぞれ載置される前記第2圧電素子用先端側支持プレート414(2),105及び前記第2圧電素子用基端側支持プレート415(1),155を形成することができる。
【0079】
従って、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの薄肉化及び軽量化を図り得ると共に、3部材間の溶接に起因して生じ得る歪みを防ぎ、溶接による前記磁気ヘッドスライダ50の浮上姿勢や前記磁気ヘッドサスペンション1Aの振動特性への悪影響を有効に防止できる。
【0080】
さらに、本実施の形態においては、前記フレクシャ金属プレート410の裏面(ディスク対向面とは反対側の面)、前記一対の先端側金属プレート100(1),100(2)の裏面及び前記一対の基端側金属プレート150(1),150(2)の裏面が前記支持部10のディスク対向面に当接された状態で、これらの部材が前記支持部10に溶接によって固着されている。
【0081】
従って、前記一対の第1及び第2圧電素子60(1),60(2)が載置される面、即ち、前記先端側第1及び第2幅方向部分414(1),414(2)、前記先端側サイド支持プレート形成領域105、前記基端側第1及び第2幅方向部分415(1),415(2)、並びに、前記基端側サイド支持プレート形成領域155の裏面(前記ディスク面とは反対側を向く面)は全て同一の平面(前記支持部のディスク対向面が位置する平面)内に位置することになり、これにより、前記圧電素子60(1),60(2)の姿勢安定化を図ることができる。
【0082】
ところで、前記一対の圧電素子60(1),60(2)による前記磁気ヘッドスライダ50のシーク方向への微動を反応性良く行う為には、前記一対の圧電素子60(1),60(2)がスムースに伸縮動作を行うように構成する必要がある。
【0083】
この点に関し、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは下記構成を備えている。
まず、前述の通り、前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートの一部を形成する前記フレクシャ金属プレート410の前記先端側中央支持プレート形成領域414は、前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートの一部を形成する前記フレクシャ金属プレート410の前記基端側中央支持プレート形成領域415に対して、可撓性を有する前記絶縁層420の前記連結領域429によって連結された状態でサスペンション長手方向に離間されている。
【0084】
さらに、前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートの一部を形成する前記一対の先端側金属プレート100(1),100(2)は、前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートの一部を形成する前記一対の基端側金属プレート150(1),150(2)に対してサスペンション長手方向に離間されている。
【0085】
つまり、前記先端側支持プレート及び前記基端側支持プレートは、両者の間にフレクシャ金属プレート410が存在しない状態で低剛性部材(本実施の形態においては前記絶縁層420及び前記信号配線430)によって連結されている。
従って、前記圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作に応じて、前記先端側支持プレートが対応する前記基端側支持プレートに対してサスペンション長手方向に自由に相対移動することができる。
【0086】
なお、前述の通り、本実施の形態においては、前記フレクシャ部40は前記磁気ヘッドスライダ50と外部部材とを電気的に接続する為の前記信号配線430を一体的に有している。
前記信号配線430は、図1B及び図2Bに示すように、前記絶縁層420の前記連結領域429を跨いでサスペンション長手方向に延びている。
従って、前記信号配線430は前記一対の圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作に対する抵抗となり得る。
【0087】
本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記抵抗を可及的に小さくする為に、下記構成を備えている。
即ち、前記信号配線430は、図1B及び図2Bに示すように、前記開口領域13の先端側エッジを跨いでサスペンション長手方向に延びる開口領域先端側部分431と、前記開口領域13の基端側エッジを跨いでサスペンション長手方向に延びる開口領域基端側部分432と、前記開口領域先端側部分431及び前記開口領域基端側部分432の間を連結する開口領域中央部分435とを有している。
【0088】
前記開口領域先端側部分431及び前記開口領域基端側部分432はサスペンション幅方向中央においてサスペンション長手方向に沿って延びている。
前記開口領域中央部分435は、サスペンション長手方向中心線CLを基準にして左右に振り分けて配置された第1及び第2開口領域中央部分435(1),435(2)を有している。
前記第1及び第2開口領域中央部分435(1),435(2)は、可能な範囲でサスペンション長手方向中心線CLを基準にして対称とされる。
【0089】
図2Bに示すように、前記第1開口領域中央部分435(1)は、前記開口領域先端側部分431の基端部からサスペンション幅方向一方側へ延びる第1先端側幅方向延在部436(1)と、前記開口領域基端側部分432の先端部からサスペンション幅方向一方側へ延びる第1基端側幅方向延在部438(1)と、前記第1先端側幅方向延在部436(1)及び前記第1基端側幅方向延在部438(1)のサスペンション幅方向外端部同士を連結する第1湾曲部437(1)であって、平面視においてサスペンション幅方向一方側に凸状とされた第1湾曲部437(1)とを有する平面視U字状とされている。
【0090】
前記第2開口領域中央部分435(2)は、前記開口領域先端側部分431の基端部からサスペンション幅方向他方側へ延びる第2先端側幅方向延在部436(2)と、前記開口領域基端側部分432の先端部からサスペンション幅方向他方側へ延びる第2基端側幅方向延在部438(2)と、前記第2先端側幅方向延在部436(2)及び前記第2基端側幅方向延在部438(2)のサスペンション幅方向外端部同士を連結する第2湾曲部437(2)であって、平面視においてサスペンション幅方向他方側に凸状とされた第2湾曲部437(2)とを有する平面視U字状とされている。
【0091】
このように、前記信号配線430のうちサスペンション長手方向に関し前記先端側支持プレート及び前記基端側支持プレートの間に位置する前記開口領域中央部分435をサスペンション幅方向外方側に凸状とされた平面視U字状とすることにより、前記一対の圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作方向であるサスペンション長手方向に関する前記信号配線430の剛性を弱めることができ、これにより、前記信号配線430が前記一対の圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作に対して抵抗となることを可及的に防止することができる。
【0092】
なお、前記開口領域中央部分435の前記一対の圧電素子60(1),60(2)に対する絶縁性を確保する為に、前記絶縁層420の前記連結領域429は、平面視において前記一対の圧電素子60(1),60(2)と少なくとも部分的にオーバーラップするようなサスペンション幅方向長さを有している。
【0093】
さらに、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記フレクシャ部40の前記絶縁層420に積層された第1及び第2電圧供給配線440(1),440(2)を介して前記一対の圧電素子60(1),60(2)に電圧供給を行うように構成されている。
【0094】
詳しくは、前記フレクシャ部40の前記絶縁層420のディスク対向面には、前記信号配線430に加えて前記第1及び第2電圧供給配線440(1),440(2)が積層されている。
【0095】
前記第1電圧供給配線440(1)は、図1B及び図2Bに示すように、基端部(図示略)が外部の電圧源に電気接続可能とされ且つ先端部が平面視において対応する前記第1圧電素子60(1)とオーバーラップされている。
同様に、前記第2電圧供給配線440(2)は、基端部(図示略)が前記電圧源に電気接続可能とされ且つ先端部が平面視において対応する前記第2圧電素子60(2)とオーバーラップされている。
【0096】
前記絶縁性420の前記連結領域429は、前記ディスク面と直交する平面視において前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置されている。
そして、前記連結領域429には、図4及び図6に示すように、前記第1及び第2電圧供給配線440(1),440(2)の前記先端部に対応した位置に開口429aが形成されており、前記第1及び第2電圧供給配線440(1),440(2)の先端部は前記開口429aを貫通するように設けられた下面側導電性接着剤75を介して対応する前記圧電素子60(1),60(2)の前記下面側電極層に電気的に接続されている。
【0097】
なお、前記圧電素子60(1),60(2)の前記上面側電極層は、図4に示すように、上面側導電性接着剤76を介して前記支持部10に電気的に接続されることで接地電位とされる。
好ましくは、前記上面側導電性接着剤76は、図1A及び図4に示すように、カバー用絶縁性接着剤77によって囲繞され得る。
【0098】
好ましくは、図2A,図3,図4及び図6に示すように、前記絶縁層420の前記連結領域429のディスク面とは反対側には前記下面側導電性接着剤75を囲繞するように配置された金属リング450が備えられる。
前記金属リング450を備えることにより、前記導電性接着剤75の広がりを抑制でき、前記導電性接着剤75による前記圧電素子60(1),60(2)の前記下面側電極層と前記第1及び第2電圧供給配線440(1),440(2)との電気的接続を確実に行うことができる。さらに、前記導電性接着剤75が広がって前記絶縁性接着剤73,74と混入することも有効に防止できる。
【0099】
前記金属リング450は、前記フレクシャ金属プレート410を形成するフレクシャ金属プレート形成用の金属板を利用して形成され得る。
即ち、前記フレクシャ金属プレート410は、前記金属板のディスク対向面に前記絶縁層420を積層した後に、前記金属板の不要部分をエッチング除去することによって形成される。このエッチングを、前記フレクシャ金属プレート410に加えて前記金属リング450が残るように行うことで、前記金属リング450を容易に形成することができる。
【0100】
図7に、本実施の形態の第1変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1Bの断面図であって、図1AのVI-VI線に相当する切断面に沿った断面図を示す。
なお、図7において、本実施の形態におけると同一部材には同一符号を付している。
【0101】
前記第1変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1Bは、図7に示すように、前記第1圧電素子用の前記下面側導電性接着剤75のサスペンション幅方向両側に設けられた一対の第1密閉空間形成絶縁性接着剤78(1)と、前記第2圧電素子用の前記下面側導電性接着剤のサスペンション幅方向両側に設けられた一対の第2密閉空間形成絶縁性接着剤(図示略)とをさらに有している点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aと相違している。
【0102】
前記一対の第1密閉空間形成絶縁性接着剤78(1)は、図7に示すように、ディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層420及び前記第1圧電素子60(1)の前記下面側電極層の間を連結した状態でサスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤71及び前記基端側絶縁性接着剤72の間を連結している。
【0103】
同様に、前記一対の第2密閉空間形成絶縁性接着剤は、ディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第2圧電素子60(2)の前記下面側電極層の間を連結した状態でサスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤71及び前記基端側絶縁性接着剤72の間を連結している。
【0104】
このように、前記第1変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1Bにおいては、前記下面側導電性接着剤75が実質的に密閉されることになる。従って、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aの効果に加えて、前記下面側導電性接着剤75に含まれるフィラー粒子(主としてAg粒子)がディスク面上に脱落することを有効に防止することができる。
【0105】
図8に、図1BにおけるVIII部拡大図を示す。
図4及び図8に示すように、本実施の形態においては、前記先端側中央支持プレート形成領域414の前記先端側第1幅方向部分414(1)及び前記第1先端側金属プレート100(1)の前記先端側サイド支持プレート形成領域105によって形成される前記第1圧電素子用先端側支持プレート並びに前記先端側中央支持プレート形成領域414の前記先端側第2幅方向部分414(2)及び前記第2先端側金属プレート100(2)の前記先端側サイド支持プレート形成領域105によって形成される前記第2圧電素子用先端側支持プレートは、前記支持部10の前記先端領域12の基端側エッジとの間に隙間16が存するように配置されている。
【0106】
斯かる構成を備えることにより、前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の先端側の端面と前記先端領域12の基端側端面との間に介挿された前記端面側絶縁性接着剤71並びに前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)のディスク対向面の先端側と前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートとの間に介挿された前記先端側絶縁性接着剤73に含まれるフィラーが、前記支持部先端側重合領域413と前記先端領域12との間並びに前記第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)の前記固着領域101と前記先端領域12との間に入り込むことを有効に防止できる。
【0107】
即ち、前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートが前記先端領域12の基端側エッジを跨いでサスペンション長手方向の延在している構成においては、前記端面側絶縁性接着剤71及び前記先端側絶縁性接着剤73が理想的には密着される前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレート及び前記先端領域12の間に入り込む恐れがある。理想的には密着状態とされる前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレート及び前記先端領域12は共にSUS等の剛性部材によって形成されるから、両者の間に前記絶縁性接着剤70が入り込むと、前記一対の圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作に伴って両者の間で前記絶縁性接着剤71,73からフィラーが脱離する恐れがある。
【0108】
これに対し、本実施の形態においては、前述の通り、前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートの先端側エッジと前記先端領域12の基端側エッジとの間に前記隙間16が設けられているので、斯かる不都合を有効に防止できる。
【0109】
同様の理由により、本実施の形態においては、前記基端側中央支持プレート形成領域415の前記基端側第1幅方向部分415(1)及び前記第1基端側金属プレート150(1)の前記基端側サイド支持プレート形成領域155によって形成される前記第1圧電素子用基端側支持プレート並びに前記基端側中央支持プレート形成領域415の前記基端側第2幅方向部分415(2)及び前記第2基端側金属プレート150(2)の前記基端側サイド支持プレート形成領域によって形成される前記第2圧電素子用基端側支持プレートは、前記支持部10の前記基端領域11の先端側エッジとの間に隙間17(図8参照))が存するように配置されている。
【0110】
又、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aにおいては、図1Bに示すように、前記一対の先端側金属プレート100(1),100(2)は前記ロードビーム部30及び前記荷重曲げ部20と一体形成されている。
【0111】
即ち、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記ロードビーム基板から形成された前記ロードビーム/荷重曲げ形成体300は、前記ロードビーム部30及び前記荷重曲げ部20に加えて、前記一対の先端側金属プレート100(1),100(2)を一体的に有しており、サスペンション先端側本体350を形成している。
【0112】
好ましくは、前記一対の第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)も前記ロードビーム基板を用いて形成される。
【0113】
図9に、前記磁気ヘッドサスペンション1Aの製造方法の第1例を示す平面図を示す。
図9に示すように、第1例に係る製造方法は、前記ロードビーム基板から、複数の前記サスペンション先端側本体350と複数の前記サスペンション先端側本体350に対応した複数の前記第1及び第2基端側金属プレート50(1),150(2)のセットとを含む中間金属シート900を形成する工程を含む。
【0114】
前記中間金属シート900はキャリア910を有しており、前記複数のサスペンション先端側本体350は第1支持片911を介して前記キャリア910に連結された状態でサスペンション幅方向に並列されている。
【0115】
前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)は対応する前記サスペンション先端側本体350に対して位置設定された状態で第2支持片912を介して前記キャリア910に連結されている。
【0116】
なお、図9に示す第1例においては、隣接する前記サスペンション先端側本体350の一方に連結される前記第2基端側金属プレート150(2)と隣接する前記サスペンション先端側本体350の他方に連結される前記第1基端側金属プレート150(1)とが単一の前記第2支持片912によって支持されている。
【0117】
前記第1例に係る製造方法は、前記サスペンション先端側本体350並びに前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)が前記キャリア910に連結された状態のままで、前記サスペンション先端側本体350並びに前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)を前記支持部10に溶接等によって固着させる工程を含んでいる。
【0118】
前記第1例に係る製造方法は、その後に、前記第1及び第2支持片911,912を所定位置で切断して、前記サスペンション先端側本体並びに前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)が前記支持部10に連結されてなるアッセンブリを前記キャリア910から分離する工程を含む。
なお、図9中の符号905は位置決め孔である。
【0119】
前記第1例に係る製造方法は、前記キャリア910から前記アッセンブリを分離させる前又は後に、前記アッセンブリに前記フレクシャ部40を溶接等によって固着させる工程を含んでいる。
【0120】
前記第1例に係る製造方法によれば、前記一対の第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)と前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)とがサスペンション長手方向に離間されている前記磁気ヘッドサスペンション1Aを、寸法精度良く且つ材料費を削減しつつ製造することができる。
【0121】
図10に、前記磁気ヘッドサスペンションの製造方法の第2例を示す平面図を示す。
なお、図中、図9におけると同一部材には同一符号を付している。
【0122】
第2例に係る製造方法は、前記中間金属シート900が中間金属シート900’に変更されている点において、前記第1例に係る製造方法と相違している。
【0123】
前記中間金属シート900’は、図10に示すように、前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)が第2支持片912’を介して前記第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)に連結されている点において、前記中間金属シート900と相違している。
この第2例に係る製造方法においても、前記第1例に係る製造方法と同一の効果を得ることができる。
【0124】
なお、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1Aは、前記先端側中央支持プレート形成領域414及び前記基端側中央支持プレート形成領域415の間に前記フレクシャ金属プレート410が存在しないように構成されているが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
【0125】
図11に、本実施の形態の第2変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1Cにおけるフレクシャ部40Cの上面図を示す。
なお、図11においては、理解容易化の為に、前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を二点鎖線で示している。
【0126】
前述の通り、本実施の形態においては、前記フレクシャ金属プレート410の前記先端側中央支持プレート形成領域414及び前記基端側中央支持プレート形成領域415は、両者の間に前記フレクシャ金属プレート410が存在しない状態でサスペンション長手方向に離間されており、可撓性を有する前記絶縁層420の前記連結領域429及び前記信号配線430によって連結されている。
【0127】
これに対し、前記第2変形例に係る磁気ヘッドサスペンション1Cは、前記フレクシャ部40が前記フレクシャ部40Cに変更されている点において、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション1Aと相違している。
そして、前記フレクシャ部40Cは、前記フレクシャ金属プレート410に代えてフレクシャ金属プレート410Cを有している点において、前記フレクシャ部40と相違している。
【0128】
図11に示すように、前記フレクシャ金属プレート410Cは、本実施の形態における前記フレクシャ金属プレート410と同一構成要素を有しつつ、さらに、サスペンション幅方向に関し前記一対の第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の間において前記先端側中央支持プレート形成領域414及び基端側中央支持プレート形成領域415の間を連結するブリッジ領域419を有している。
【0129】
斯かる構成の前記磁気ヘッドサスペンション1Cによれば、前記ブリッジ領域419が前記一対の圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作の妨げとなることを可及的に防止しつつ、前記フレクシャ部40Cの姿勢安定化を図ることができる。
【0130】
実施の形態2
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図12に、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2Aの上面図(ディスク面とは反対側から見た平面図)を示す。
なお、図中、前記実施の形態1における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
又、理解容易化を図る為に図12においては前記フレクシャ部40の図示を省略し、且つ、前記支持部10並びに前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を二点鎖線で示している。
【0131】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2Aは、図12に示すように、前記第1先端側金属プレート100(1)及び前記第1基端側金属プレート150(1)を連結する第1連結片110(1)と前記第2先端側金属プレート100(2)及び前記第2基端側金属プレート150(2)を連結する第2連結片110(2)とをさらに備えている点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aと相違している。
【0132】
前記第1及び第2連結片110(1),110(2)は、対応する前記圧電素子60(1),60(2)よりサスペンション幅方向外方側に位置しており、ディスク面と直交する平面視において蛇腹状とされている。
【0133】
斯かる構成を備えた前記磁気ヘッドサスペンション2Aによれば、前記第1及び第2連結片110(1),110(2)が前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作の妨げとなることを可及的に防止しつつ、製造過程における前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)の取扱性を向上させることができる。
【0134】
さらには、前記圧電素子60(1),60(2)のサスペンション幅方向外方側の外側面を絶縁性接着剤(図示せず)によって覆う場合には、前記絶縁性接着剤が硬化前にサスペンション幅方向外方側へ流れ出ることを前記第1及び第2連結片110(1),110(2)によって防ぐことができる。
【0135】
なお、前記圧電素子60(1),60(2)の外側面を前記絶縁性接着剤によって覆うことにより、ウエハから前記圧電素子60(1),60(2)をダイシングによって切り出す際に生じ得る前記圧電素子60(1),60(2)の電極層の側面のバリが磁気ヘッドサスペンションの使用中に落下すること、及び/又は、前記圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作時に起こり得る前記圧電素子本体の粒子の落下を有効に防止することができる。
【0136】
本実施の形態においては、前記実施の形態1におけると同様に、前記第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)は前記ロードビーム部30及び前記荷重曲げ部20と一体形成されている。
そして、前記第1連結片110(1)は前記第1先端側金属プレート100(1)及び前記第1基端側金属プレート150(1)を一体的に連結し、前記第2連結片110(2)は前記第2先端側金属プレート100(1)及び前記第2基端側金属プレート150(2)を一体的に連結している。
【0137】
即ち、本実施の形態においては、前記ロードビーム部30と前記荷重曲げ部20と前記一対の第1及び第2先端側金属プレート100(1),100(2)と前記第1及び第2連結片110(1),110(2)と前記一対の第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)とが一体形成されている。
【0138】
実施の形態3
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションのさらに他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3Aの上面図(ディスク面と反対側から見た平面図)を示す。
なお、図中、前記実施の形態1及び2における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
又、理解容易化を図る為に図13においては前記フレクシャ部40の図示を省略し、且つ、前記支持部10並びに前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を二点鎖線で示している。
【0139】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3Aは、前記第1圧電素子60(1)よりサスペンション幅方向外方側においてサスペンション長手方向に延びる第1延在片120(1)と前記第2圧電素子60よりサスペンション幅方向外方側においてサスペンション長手方向に延びる第2延在片120(2)とを備えている点において、前記実施の形態1及び2に係る磁気ヘッドサスペンション1A,2Aと相違している。
【0140】
前記第1延在片120(1)は、前記第1先端側金属プレート100(1)に連結された第1先端側部分121(1)と前記第1基端側金属プレート150(1)に連結された第1基端側部分122(1)とを有し、前記第1先端側部分121(1)及び前記第1基端側部分122(1)は隙間を介して対向している。
【0141】
同様に、前記第2延在片120(2)は、前記第2先端側金属プレート100(2)に連結された第2先端側部分121(2)と前記第2基端側金属プレート150(2)に連結された第2基端側部分122(2)とを有し、前記第2先端側部分121(2)及び前記第2基端側部分122(2)は隙間を介して対向している。
【0142】
斯かる構成を備えた本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション3Aによれば、前記圧電素子60(1),60(2)のサスペンション幅方向外方側の外側面を絶縁性接着剤によって覆う際に前記絶縁性接着剤が硬化前にサスペンション幅方向外方側へ流れ出ることを前記第1及び第2延在片120(1),120(2)によって防ぐことができる。
【0143】
図14に、本実施の形態の変形例に係る磁気ヘッドサスペンション3Bの上面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1〜3における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
又、理解容易化を図る為に図14においては前記フレクシャ部40の図示を省略し、且つ、前記支持部10並びに前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を二点鎖線で示している。
【0144】
前記変形例に係る磁気ヘッドサスペンション3Bにおいては、前記実施の形態1〜3に係る磁気ヘッドサスペンション1A〜3Aと同様に、前記一対の連結梁14の各々は前記基端領域11に連結される基端部が前記先端領域12に連結される先端部よりサスペンション幅方向外方に位置するように配置されている。
即ち、前記開口領域13は、サスペンション長手方向に関し先端側から基端側へ行くに従って幅広となる部分を有している。
【0145】
前記変形例に係る磁気ヘッドサスペンション3Bは、前記連結梁14を含む本実施の形態3に係る磁気ヘッドサスペンション3Aと同一構成を有しつつ、さらに、先端部が前記第1先端側部分121(1)に連結され且つ基端部が前記先端部よりサスペンション幅方向外方において前記第1基端側金属プレート150(1)に連結された第1補助連結片123(1)と、先端部が前記第2先端側部分121(2)に連結され且つ基端部が前記先端部よりサスペンション幅方向外方において前記第2基端側金属プレート150(2)に連結された第2補助連結片123(2)とを備えている。
【0146】
前記変形例に係る磁気ヘッドサスペンション3Bによれば、本実施の形態3に係る磁気ヘッドサスペンション3Aと同一効果を奏しつつ、前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作の妨げとなることを可及的に防止しながら、製造過程における前記第1及び第2基端側金属プレート150(1),150(2)の取扱性を向上させることができる。
【0147】
実施の形態4
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションのさらに他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図15に、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4Aの上面図(ディスク面と反対側から見た平面図)を示す。
又、図16〜図18に、それぞれ、図15におけるXVI-XVI線,XVII-XVII線及びXVIII-XVIII線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1〜3における同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0148】
本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4Aは、第1圧電素子側の外方側絶縁性接着剤80と第2圧電素子側の外方側絶縁性接着剤(図示せず)とをさらに備えている点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aと相違している。
【0149】
図18に示すように、前記第1圧電素子側の外方側絶縁性接着剤80は、前記第1圧電素子用の前記導電性接着剤75よりサスペンション幅方向外方側において前記絶縁層420及び前記第1圧電素子60(1)の前記下面側電極層の間を連結した状態で、前記先端側絶縁性接着剤73及び前記基端側絶縁性接着剤74(図16参照)の間を連結している。
【0150】
同様に、前記第2圧電素子側の外方側絶縁性接着剤は、前記第2圧電素子用の前記導電性接着剤75よりサスペンション幅方向外方側において前記絶縁層420及び前記第2圧電素子60(2)の前記下面側電極層の間を連結した状態で、前記先端側絶縁性接着剤73及び前記基端側絶縁性接着剤74の間を連結している。
【0151】
即ち、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4Aにおいては、前記第1圧電素子側の前記先端側絶縁性接着剤73,前記第2圧電素子側の前記先端側絶縁性接着剤73,前記第1圧電素子側の前記基端側絶縁性接着剤74,前記第2圧電素子側の前記基端側絶縁性接着剤74,前記第1圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤80,前記第2圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤80,前記絶縁層420の前記連結領域429,前記第1圧電素子60(1)の前記下面側電極層及び前記第2圧電素子60(2)の前記下面側電極層によって、前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)間の間隙において前記ディスク面とは反対側へ開放されている以外は実質的に閉塞されており且つ前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の双方の前記下側導電性接着剤75が収容される空間が形成されている。
【0152】
斯かる構成の前記磁気ヘッドサスペンション4Aによれば、前記導電性接着剤75に包含されるフィラー粒子(主としてAg粒子)がディスク面上に脱落することを有効に防止することができる。
【0153】
さらに、本実施の形態においては、図16及び図18に示すように、前記空間に封止用絶縁性接着剤85が充填されている。
斯かる構成によれば、前記導電性接着剤75に含まれるフィラー粒子(主としてAg粒子)の脱落をより確実に防止できると共に、Agのイオンマイグレーションの発生を有効に防止することができる。
【0154】
詳しく説明すると、前記磁気ヘッドサスペンション4Aが長期間に亘って使用されると、前記下側導電性接着剤75に含まれる金属(主としてAg)がイオン化(主に、Agプラスイオン)して絶縁物(この場合には前記導電性接着剤75の樹脂)の内部を成長しながら移動する現象(イオンマイグレーション)が生じ得る。この現象は、前記イオンが雰囲気中の水分と化学反応を起こすと活発化する。
【0155】
この点に関し、本実施の形態におけるように、前記下側導電性接着剤75が前記封止用絶縁性接着剤85で密閉されていると、Agのイオンマイグレーションを抑えると共に、Agイオンの成長を可及的に防止することができる。
【0156】
前記封止用絶縁性接着剤85を備えた前記磁気ヘッドサスペンション4Aは、例えば、下記製造方法によって効率的に製造され得る。
【0157】
即ち、前記製造方法は、前記支持部10,前記荷重曲げ部20,前記ロードビーム部30,前記フレクシャ部40,前記一対の先端側金属プレート100(1),100(2)及び前記一対の基端側金属プレート150(1),150(2)が一体化されたサスペンション中間体を用意する工程と、前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートに前記先端側絶縁性接着剤73を塗布し且つ前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートに前記基端側絶縁性接着剤74を塗布する第1の接着剤塗布工程と、前記第1圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤80及び前記第2圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、前記第1及び第2圧電素子用の前記導電性接着剤75を塗布する第3の接着剤塗布工程と、前記第1から第3の接着剤塗布工程の後に前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を前記開口領域13内の所定位置に設置する圧電素子設置工程と、前記圧電素子設置工程の前又は後に前記端面側絶縁性接着剤71,72を塗布する第4の接着剤塗布工程と、前記第1から第4接着剤塗布工程によって塗布された接着剤を硬化させて前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)を固定する硬化工程と、前記ディスク面とは反対側からからサスペンション幅方向における前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)の間の間隙を介して前記空間に前記封止用絶縁性接着剤85を充填する工程とを含み得る。
前記製造方法は、さらに、前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)のそれぞれの前記ディスク面とは反対側の前記上面側電極層と前記支持体10の前記先端領域12とに跨るように前記上面側導電性接着剤76を塗布する第5の接着剤塗布工程を含み得る。
【0158】
又、本実施の形態においては、図15及び図17に示すように、前記第1及び第2圧電素子60(1),60(2)のサスペンション幅方向外方側の外側面をそれぞれ覆うように外側面側絶縁性接着剤79が設けられている。
前記外側面側絶縁性接着剤79は、対応する側の前記連結梁14の少なくとも一部に連結されている。
【0159】
前記外側面側絶縁性接着剤79を設けることにより、ウエハから前記圧電素子60(1),60(2)をダイシングによって切り出す際に前記圧電素子60(1),60(2)の電極層の外側面に生じ得るバリが前記磁気ヘッドサスペンション4Aの使用中に落下すること、及び/又は、前記圧電素子60(1),60(2)の伸縮動作時に圧電素子本体の粒子が落下することを有効に防止することができる。
なお、前記外側面側絶縁性接着剤79の適用は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1Aにも可能である。
【符号の説明】
【0160】
1A〜1C,2A,3A〜3B,4A 磁気ヘッドサスペンション
10 支持部
11 基端領域
12 先端領域
13 開口領域
14 連結梁
16,17 隙間
20 荷重曲げ部
21 弾性板
30 ロードビーム部
40 フレクシャ部
50 磁気ヘッドスライダ
60(1),60(2) 第1及び第2圧電素子
71,72 端面側絶縁性接着剤
73 先端側絶縁性接着剤
74 基端側絶縁性接着剤
75 導電性接着剤
78(1),78(2) 第1及び第2密閉空間形成絶縁性接着剤
80 外方側絶縁性接着剤
85 封止用絶縁性接着剤
100(1),100(2) 第1及び第2先端側金属プレート
101 先端側固着領域
105 先端側サイド支持プレート形成領域
110(1),110(2) 第1及び第2連結片
120(1),120(2) 第1及び第2延在片
121(1),121(2) 第1及び第2先端側部分
122(1),122(2) 第1及び第2基端側部分
123(1),123(2) 第1及び第2補助連結片
150(1),150(2) 第1及び第2基端側金属プレート
151 基端側固着領域
155 基端側サイド支持プレート形成領域
350 サスペンション先端側本体
410 フレクシャ金属プレート
411 ロードビーム部重合領域
412 荷重曲げ対応領域
413 支持部先端側重合領域
414 先端側中央支持プレート形成領域
414a 先端側中央部分
414(1) 先端側第1幅方向部分
414(2) 先端側第2幅方向部分
415 基端側中央支持プレート形成領域
415a 基端側中央部分
415(1) 基端側第1幅方向部分
415(2) 基端側第2幅方向部分
416 支持部基端側重合領域
419 ブリッジ領域
420 絶縁層
421 ロードビーム対応領域
422 荷重曲げ対応領域
423 支持部先端側対応領域
424 先端側中央支持プレート対応領域
425 基端側中央支持プレート対応領域
429 連結領域
429a 開口
430 信号配線
440(1),440(2) 第1及び第2電圧供給配線
450 金属リング
900,900’ 中間金属シート
910 キャリア
911,912 第1及び第2支持片
CL サスペンション長手方向中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドスライダをディスク面へ向けて押し付ける為の荷重を発生する荷重曲げ部と、前記荷重を磁気ヘッドスライダに伝達するためのロードビーム部と、前記荷重曲げ部を介して前記ロードビーム部を支持し且つメインアクチュエータによって直接又は間接的に揺動中心回りに揺動される支持部と、前記磁気ヘッドスライダを支持した状態で前記ロードビーム部及び前記支持部に支持されるフレクシャ部と、前記磁気ヘッドスライダをシーク方向に微動させる為にサスペンション長手方向中心線を基準にして互いに対して対称で且つ互いに対して伸縮方向が異なるように前記支持部に装着される左右一対の第1及び第2圧電素子とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、
前記支持部は、前記メインアクチュエータに直接又は間接的に連結される基端領域と、前記荷重曲げ部が連結される先端領域と、サスペンション長手方向に関し前記基端領域及び前記先端領域の間に位置する開口領域と、前記開口領域よりサスペンション幅方向外方向側において前記基端領域及び前記先端領域の間を連結する左右一対の連結梁とを有し、
前記荷重曲げ部は、板面が前記ディスク面と対向する状態でサスペンション長手方向中心線を挟んで互いにサスペンション幅方向に離間された一対の弾性板であって、基端部が前記先端領域に連結され且つ先端部が前記ロードビーム部の基端側を支持する一対の弾性板を有し、
前記フレクシャ部は、前記ロードビーム部及び前記支持部のディスク対向面に溶接されるフレクシャ金属プレートと、前記フレクシャ金属プレートのディスク対向面に積層される絶縁層と、前記絶縁層のディスク対向面に積層される信号配線とを含み、
前記フレクシャ金属プレートは、前記ロードビーム部のディスク対向面に重合された状態で溶接されるロードビーム部重合領域と、サスペンション幅方向に関し前記一対の弾性板の間において前記先端領域のディスク対向面に重合された状態で溶接される支持部先端側重合領域と、サスペンション幅方向に関し前記一対の弾性板の間において前記ロードビーム部重合領域及び前記支持部先端側重合領域を連結する荷重曲げ対応領域と、前記基端領域のディスク対向面に重合された状態で溶接される支持部基端側重合領域と、前記開口領域内に位置するように前記支持部先端側重合領域から延びた先端側中央支持プレート形成領域と、前記先端側中央支持プレート形成領域とはサスペンション長手方向に離間された状態で前記開口領域内に位置するように前記支持部基端側重合領域から延びた基端側中央支持プレート形成領域とを有し、
前記絶縁層は、前記フレクシャ金属プレートの前記ロードビーム部重合領域、前記荷重曲げ対応領域、前記支持部先端側重合領域、前記先端側中央支持プレート形成領域、前記基端側中央支持プレート形成領域及び前記支持部基端側重合領域のディスク対向面にそれぞれ積層されるロードビーム対応領域、荷重曲げ対応領域、支持部先端側対応領域、先端側中央支持プレート対応領域、基端側中央支持プレート対応領域及び支持部基端側対応領域を有すると共に、さらに、前記先端側中央支持プレート対応領域及び前記基端側中央支持プレート対応領域の間を連結する連結領域を有しており、
前記先端領域のディスク対向面には左右一対の第1及び第2先端側金属プレートが固着され、前記基端領域のディスク対向面には左右一対の第1及び第2基端側金属プレートが固着されており、
前記一対の先端側金属プレートは、前記支持部先端側重合領域よりサスペンション幅方向外方側において前記先端領域のディスク対向面に重合された状態で固着される先端側固着領域と、前記先端側中央支持プレート形成領域よりサスペンション幅方向外方側において前記開口領域内に位置するように前記先端側固着領域から延びる先端側サイド支持プレート形成領域とを有し、
前記一対の基端側金属プレートは、前記支持部基端側重合領域よりサスペンション幅方向外方側において前記基端領域のディスク対向面に重合された状態で固着される基端側固着領域と、前記基端側中央支持プレート形成領域よりサスペンション幅方向外方側において前記開口領域内に位置するように前記基端側固着領域から延びる基端側サイド支持プレート形成領域とを有し、
前記第1圧電素子は、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域の基端側端面及び前記基端領域の先端側の端面に端面側絶縁性接着剤が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記先端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向一方側の先端側第1幅方向部分及び前記第1先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域によって形成される第1圧電素子用先端側支持プレートに先端側絶縁性接着剤が介挿された状態で載置され且つディスク対向面の基端側が前記基端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向一方側の基端側第1幅方向部分及び前記第1基端側金属プレートの前記基端側サイド支持プレート形成領域によって形成される第1圧電素子用基端側支持プレートに基端側絶縁性接着剤が介挿された状態で載置され、
前記第2圧電素子は、先端側の端面及び基端側の端面がそれぞれ前記先端領域の基端側端面及び前記基端領域の先端側の端面に端面側絶縁性接着剤が介挿された状態で対向し、さらに、ディスク対向面の先端側が前記先端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向他方側の先端側第2幅方向部分及び前記第2先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域によって形成される第2圧電素子用先端側支持プレートに先端側絶縁性接着剤を介して載置され且つディスク対向面の基端側が前記基端側中央支持プレート形成領域のサスペンション幅方向他方側の基端側第2幅方向部分及び前記第2基端側金属プレートの前記基端側支持プレート形成領域によって形成される第2圧電素子用基端側支持プレートに基端側絶縁性接着剤を介して載置されていることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
【請求項2】
前記フレクシャ金属プレートは、サスペンション幅方向に関し前記一対の第1及び第2圧電素子の間において前記先端側中央支持プレート形成領域及び基端側中央支持プレート形成領域の間を連結するブリッジ領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項3】
前記連結領域は、平面視において前記第1及び第2圧電素子と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置されており、
前記フレクシャ部は、前記絶縁層のディスク対向面に積層される第1及び第2電圧供給配線を有し、
前記第1及び第2電圧供給配線は、基端部が外部電源に電気接続可能とされ且つ先端部が対応する前記圧電素子と平面視においてオーバーラップされ、
前記絶縁層の前記連結領域には前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部に対応した位置に開口が形成され、前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部は導電性接着剤を介して対応する前記圧電素子のディスク面側の電極層に電気的に接続されており、
前記絶縁層のディスク面とは反対側には前記導電性接着剤を囲繞するように金属リングが配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項4】
前記連結領域は、平面視において前記第1及び第2圧電素子と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置されており、
前記フレクシャ部は、前記絶縁層のディスク対向面に積層される第1及び第2電圧供給配線を有し、
前記第1及び第2電圧供給配線は、基端部が外部電源に電気接続可能とされ且つ先端部が対応する前記圧電素子と平面視においてオーバーラップされ、
前記絶縁層の前記連結領域には前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部に対応した位置に開口が形成され、前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部は導電性接着剤を介して対応する前記圧電素子のディスク面側の下面側電極層に電気的に接続されており、
前記第1圧電素子用の前記導電性接着剤のサスペンション幅方向両側には、サスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第1圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように配置された一対の第1密閉空間形成絶縁性接着剤が設けられ、
前記第2圧電素子用の前記導電性接着剤のサスペンション幅方向両側には、サスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第2圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように配置された一対の第2密閉空間形成絶縁性接着剤が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項5】
前記連結領域は、平面視において前記第1及び第2圧電素子と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置されており、
前記フレクシャ部は、前記絶縁層のディスク対向面に積層される第1及び第2電圧供給配線を有し、
前記第1及び第2電圧供給配線は、基端部が外部電源に電気接続可能とされ且つ先端部が対応する前記圧電素子と平面視においてオーバーラップされ、
前記絶縁層の前記連結領域には前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部に対応した位置に開口が形成され、前記第1及び第2電圧供給配線の前記先端部は導電性接着剤を介して対応する前記圧電素子のディスク面側の下面側電極層に電気的に接続されており、
前記第1圧電素子用の前記導電性接着剤よりサスペンション幅方向外方側にはサスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第1圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように外方側絶縁性接着剤が設けられ、
前記第2圧電素子用の前記導電性接着剤よりサスペンション幅方向外方側にはサスペンション長手方向に関し前記先端側絶縁性接着剤及び前記基端側絶縁性接着剤の間を連結し且つディスク面と直交する方向に関し前記絶縁層及び前記第2圧電素子の前記下面側電極層の間を連結するように外方側絶縁性接着剤が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項6】
前記第1圧電素子側の前記先端側絶縁性接着剤,前記第2圧電素子側の前記先端側絶縁性接着剤,前記第1圧電素子側の前記基端側絶縁性接着剤,前記第2圧電素子側の前記基端側絶縁性接着剤,前記第1圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤,前記第2圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤,前記絶縁層の前記連結領域,前記第1圧電素子の前記下面側電極層及び前記第2圧電素子の前記下面側電極層によって画される空間に封止用絶縁性接着剤が充填されていることを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項7】
前記第1及び第2圧電素子のサスペンション幅方向外方側の外側面をそれぞれ覆うように外側面側絶縁性接着剤が設けられ、前記外側面側絶縁性接着剤は、対応する側の前記連結梁の少なくとも一部に連結されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項8】
前記先端側中央支持プレート形成領域は、前記支持部先端側重合領域から基端側へ延びた先端側中央部分と、前記先端側中央部分からサスペンション幅方向一方側へ延びて前記第1先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第1圧電素子用先端側支持プレートを形成する前記先端側第1幅方向部分と、前記先端側中央部分からサスペンション幅方向他方側へ延びて前記第2先端側金属プレートの前記先端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第2圧電素子用先端側支持プレートを形成する前記先端側幅方向第2部分とを有し、
前記基端側中央支持プレート形成領域は、前記支持部基端側重合領域から先端側へ延びた基端側中央部分と、前記基端側中央部分からサスペンション幅方向一方側へ延びて前記第1基端側金属プレートの前記基端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第1圧電素子用基端側支持プレートを形成する前記基端側第1幅方向部分と、前記基端側中央部分からサスペンション幅方向他方側へ延びて前記第2基端側金属プレートの前記基端側サイド支持プレート形成領域と共に前記第2圧電素子用基端側支持プレートを形成する前記基端側第2幅方向部分とを有し、
前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートの先端側エッジと前記先端領域の基端側エッジとの間には隙間が存在し、
前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートの基端側エッジと前記基端領域の先端側エッジとの間には隙間が存在することを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項9】
前記ロードビーム部,前記荷重曲げ部及び前記一対の先端側金属プレートは一体形成されていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項10】
前記第1圧電素子よりサスペンション幅方向外方側において前記第1先端側金属プレート及び前記第1基端側金属プレートを連結する第1連結片と、
前記第2圧電素子よりサスペンション幅方向外方側において前記第2先端側金属プレート及び前記第2基端側金属プレートを連結する第2連結片とを備え、
前記第1及び第2連結片は平面視において蛇腹状とされていることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項11】
前記第1圧電素子よりサスペンション幅方向外方側においてサスペンション長手方向に延びる第1延在片と、
前記第2圧電素子よりサスペンション幅方向外方側においてサスペンション長手方向に延びる第2延在片とを備え、
前記第1延在片は、前記第1先端側金属プレートに連結された第1先端側部分と前記第1基端側金属プレートに連結された第1基端側部分とを有し、前記第1先端側部分及び前記第1基端側部分は隙間を介して対向し、
前記第2延在片は、前記第2先端側金属プレートに連結された第2先端側部分と前記第2基端側金属プレートに連結された第2基端側部分とを有し、前記第2先端側部分及び前記第2基端側部分は隙間を介して対向していることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項12】
前記連結梁は前記基端領域に連結される基端部が前記先端領域に連結される先端部よりサスペンション幅方向外方に位置するように配置されており、
先端部が前記第1先端側部分に連結され且つ基端部が前記先端部よりサスペンション幅方向外方において前記第1基端側金属プレートに連結された第1補助連結片と、
先端部が前記第2先端側部分に連結され且つ基端部が前記先端部よりサスペンション幅方向外方において前記第2基端側金属プレートに連結された第2補助連結片とを備えていることを特徴とする請求項11に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項13】
請求項1〜12の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法であって、
ロードビーム基板から、前記ロードビーム部,前記荷重曲げ部及び前記一対の先端側金属プレートを一体的に有する複数のサスペンション先端側本体と複数の前記一対の基端側金属プレートとを含む中間金属シートであって、前記複数のサスペンション先端側本体が第1支持片を介してキャリアに連結され、且つ、前記複数の一対の基端側金属プレートが第2支持片を介して直接又は間接的に前記キャリヤに連結されている中間金属シートを形成する工程と、
前記サスペンション先端側本体及び対応する前記一対の基端側金属プレートに前記支持部を固着させる工程と、
前記第1及び第2支持片を切断することによって、前記サスペンション先端側本体,前記一対の基端側金属プレート及び前記支持部が一体化されたアッセンブリを前記キャリアから分離する工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項14】
前記アッセンブリを前記中間金属シートから分離する前に前記アッセンブリに前記フレクシャ部を固着させる工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項15】
前記アッセンブリを前記中間金属シートから分離した後に前記アッセンブリに前記フレクシャ部を固着させる工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
【請求項16】
請求項6に記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法であって、
前記支持部,前記荷重曲げ部,前記ロードビーム部,前記フレクシャ部,前記一対の先端側金属プレート及び前記一対の基端側金属プレートが一体化されたサスペンション中間体を用意する工程と、
前記第1及び第2圧電素子用先端側支持プレートに前記先端側絶縁性接着剤を塗布し且つ前記第1及び第2圧電素子用基端側支持プレートに前記基端側絶縁性接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程と、
前記第1圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤及び前記第2圧電素子側の前記外方側絶縁性接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、
前記第1及び第2圧電素子用の前記導電性接着剤を塗布する第3の接着剤塗布工程と、
前記第1から第3の接着剤塗布工程の後に前記第1及び第2圧電素子を前記開口領域内の所定位置に設置する圧電素子設置工程と、
前記圧電素子設置工程の前又は後に前記端面側絶縁性接着剤を塗布する第4の接着剤塗布工程と、
前記第1から第4接着剤塗布工程によって塗布された接着剤を硬化させて前記第1及び第2圧電素子を固定する硬化工程と、
前記ディスク面とは反対側からからサスペンション幅方向における前記第1及び第2圧電素子の間の間隙を介して前記空間に前記封止用絶縁性接着剤を充填する工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−222075(P2011−222075A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89418(P2010−89418)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(000175722)サンコール株式会社 (96)
【Fターム(参考)】