説明

磁気ヘッドスライダ

【課題】熱アシスト記録用の加熱機構が起因の熱突出は、記録発熱と環境温度差に起因する熱突出に上乗せされることになり、今後の10nm以下の浮上量では非常に大きな問題となり、磁気ヘッドと磁気ディスクの接触を引き起こす可能性もある。
【解決手段】熱アシスト記録を行う磁気ヘッドスライダ1は、スライダ1aの端面に設けられた絶縁膜26と、絶縁膜26の中に設けられた再生素子3と、記録素子2と、記録媒体を加熱する加熱機構25とを有する。加熱機構25は光導波路23と近接場光発生素子24とで構成される。加熱機構25の近傍に、一端面が浮上面9に露出し、熱伝導率が前記絶縁膜26よりも高い材料で構成された放熱膜4を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置の高記録密度化を実現するための磁気ヘッドスライダに係り、特に熱アシスト記録のための磁気ヘッドスライダに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置は、回転する磁気ディスクと、記録再生素子を搭載しサスペンションを備える磁気ヘッド支持機構によって支持され、磁気ディスクの径方向に位置決めされる磁気ヘッドスライダを有し、磁気ヘッドスライダが相対的に磁気ディスク上を走行して磁気ディスク上に記録された磁気情報を読み書きする。磁気ヘッドスライダは空気潤滑軸受として空気のくさび膜効果によって浮上し、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダが直接は固体接触しないようになっている。
【0003】
磁気記録の記録密度を高めるためには、磁気記録パターンの微細化と磁気記録媒体の記録膜の保磁力を高める必要がある。通常、磁気記録ヘッドから発生する記録磁界により、磁気記録媒体へ磁気情報を記録するためには、記録膜の保磁力の2倍程度の記録磁界を印加する必要があると言われている(特許文献1)。しかしながら、磁気記録パターンの微細化に伴って、記録素子を構成する磁極の先端サイズも微小化していくことで、記録素子が発生する磁界の大きさも制限されるため、今後の更なる記録密度化を達成するためには、記録膜の保磁力の2倍程度の記録磁界を印加することが困難になるという問題が起こることが予想される。
【0004】
上記の問題を解決するために、磁気記録素子から記録媒体に記録磁界を印加する際に、記録膜を加熱することにより記録膜の保磁力を低下させて、加熱無しでは記録ができない程度の磁界でも磁気情報の記録を可能にする熱アシスト記録という記録方法が提案されている。熱アシスト記録の方法に関しては、スライダ内に熱源を搭載したもの(特許文献2)や、スライダ内にレーザ光の光導波路を設けて、磁気記録素子近傍に形成された近接場光発生素子をレーザ光が通過する際に発生する近接場光を利用して、記録膜を加熱する方法(特許文献3)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006-185548号公報
【特許文献2】特許第3471285号公報
【特許文献3】特許第3441417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、磁気ヘッド内部に熱アシスト記録のための加熱機構を有する場合、加熱機構から発生する熱が磁気ヘッドの記録再生素子近辺を加熱し、熱膨張させることによるナノメートルオーダの熱突出が起こる。
【0007】
磁気ディスク装置の高記録密度化には、スライダと磁気ディスクの距離、すなわちスライダ浮上量を縮め、線記録密度を上げることが有効であるため、近年では、スライダ浮上量は10nm以下まで小さくなってきている。従来からスライダ浮上量の設計においては、加工ばらつきや使用環境気圧差、使用環境温度差などによる浮上量低下を見込み、最悪条件でもスライダとディスクが接触しないように、浮上量マージンを設けてきた。
【0008】
使用環境温度差による浮上量低下には二種類あり、一つは記録電流がコイルに流れる時の電磁誘導によって磁極で発生する渦電流損による発熱(鉄損)と記録電流によるコイル発熱(銅損)の和がヘッドの記録再生素子近辺を加熱し、熱膨張させることによるナノメートルオーダの熱突出である。もう一つは、記録再生素子近辺の磁気シールドや磁極の金属材料や樹脂材料と、それ以外の部分のセラミックス材料との線膨張係数差が原因で、環境温度の上昇によって起こるナノメートルオーダの局所的な熱突出である。
【0009】
熱アシスト記録用の加熱機構が起因の熱突出は、これらの記録発熱と環境温度差に起因する熱突出に上乗せされることになり、今後の10nm以下の浮上量では非常に大きな問題となり、磁気ヘッドと磁気ディスクの接触を引き起こす可能性もある。
【0010】
本発明の目的は、熱アシスト記録用の加熱機構が起因の熱突出を低減できる磁気ヘッドスライダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の磁気ヘッドスライダにおいては、記録再生素子及び加熱機構を包み込むアルミナ等の絶縁膜よりも熱伝導率が高い材料からなる放熱膜を、加熱機構に密着するほど近くに設けるものである。これにより熱アシスト記録用加熱機構の熱を放熱し、熱突出を低減することができる。さらに、放熱膜の浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなるような形状にすることで、放熱効率をより良くすることができ、熱突出の低減効果を上げることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、熱アシスト記録用加熱機構が起因の熱突出を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
まず、図2を参照して、本発明に係る磁気ヘッドスライダが搭載される磁気ディスク装置の概略構成を説明する。磁気ディスク装置10は、磁気情報が格納されスピンドルモータ14によって回転する磁気ディスク15と、記録再生素子を搭載しサスペンションを有する磁気ヘッド支持機構(ロードビーム)16によって支持され、磁気ディスク15の径方向に位置決めされた磁気ヘッドスライダ1を有し、磁気ヘッドスライダ1が相対的に磁気ディスク15上を走行して磁気ディスク上に記録された磁気情報を読み書きする。前記磁気ヘッドスライダ1は空気潤滑軸受として空気のくさび膜効果によって浮上し、磁気ディスク15と磁気ヘッドスライダ1が直接は固体接触しないようになっている。回転する磁気ディスク15と対面し、空気流を受ける磁気ヘッドスライダ1の後端がスライダの流出端面となる。
【0014】
磁気ディスク装置10の高記録密度化と、それによる装置の大容量化あるいは小型化を実現するためには、磁気ヘッドスライダ1と磁気ディスク15の距離、すなわちスライダ浮上量を縮め、線記録密度を上げることが有効である。近年、スライダ浮上量は10nm程度あるいは10nm以下まで縮められている。
【0015】
磁気ヘッドスライダ1は、ロードビーム16に取り付けられており、ロードビーム16によって磁気ディスク面への押し付け荷重を与えられ、ロードビーム16とともにボイスコイルモータ30によって磁気ディスク15の径方向にシーク動作し、磁気ディスク面全体で記録再生を行う。磁気ヘッドスライダ1は、装置の停止時あるいは読み書き命令が一定時間無い時に、リフトタブ32を介してランプ34上に待避する。
【0016】
なお、ここではロード・アンロード機構を備えた装置を示したが、装置停止中は磁気ヘッドスライダ1が磁気ディスク15のある特定の領域で待機するコンタクト・スタート・ストップ方式の磁気ディスク装置であっても良い。
【0017】
図2における磁気ヘッドスライダ1のみを拡大して図3に示す。磁気ヘッドスライダ1は、アルミナとチタンカーバイドの焼結体(以後アルチックと略す)に代表される材料の基板部分(スライダ)1aと、薄膜磁気ヘッド部分1bとから成る。薄膜磁気ヘッド部分1bは、基板部分1a上に薄膜プロセスで形成された磁気記録素子2、磁気再生素子3および絶縁膜26などから成る。磁気記録素子2および磁気再生素子3は絶縁膜26の中に形成される。
【0018】
磁気ヘッドスライダ1は、例えば従来のピコと呼ばれるスライダでは、長さ1.25mm、幅1.0mm、厚さ0.3mmのほぼ直方体形状をしており、浮上面9、空気流入端面12、空気流出端面13、両側の側面、背面の計6面から構成される。また、ピコを約70パーセントの大きさにしたフェムトスライダと呼ばれるスライダは、長さ0.85mm、0.7mm、厚さ0.23mmのスライダである。
【0019】
浮上面9にはイオンミリングやエッチングなどのプロセスによって微細な段差(ステップ軸受)が設けられており、図示されていないディスクと対向して空気圧力を発生し、背面に負荷される荷重を支える空気軸受の役目を果たしている。本発明のスライダは厚み0.1mmのスライダに対しても有効であることを確認した。スライダ厚み0.1mmは、後述のスライダとサスペンションの接着・配線における、サスペンションの端子とスライダの端子の形成において、一辺80μmの大きさの端子をスライダの流出端面に設けることを可能にするのに十分な厚さである。
【0020】
浮上面9には前記のように段差が設けられ、実質的に平行な3種類の面に分類される。最もディスクに近いレール面5(5a,5b,5c)、レール面より約100nm乃至200nm深いステップ軸受面である浅溝面7(7a,7b)、レール面5より約1μm深くなっている深溝面8の3種類である。ディスクが回転することで生じる空気流が、ステップ軸受である浅溝面7bからレール面5b,5cへ進入する際に、先すぼまりの流路によって圧縮され、正の空気圧力を生じる。一方、レール面5b,5cや浅溝面7bから深溝面8へ空気流が進入する際には流路の拡大によって、負の空気圧力が生じる。なお、図3は溝の深さを強調して示してある。
【0021】
磁気ヘッドスライダ1は空気流入端12側の浮上量が空気流出端側13の浮上量より大きくなるような姿勢で浮上するように設計されている。従って流出端近傍のレール面(素子設置面)5aがディスクに最も接近する。流出端近傍では、素子設置面5aが周囲の浅溝面7a、深溝面8に対して突出しているので、スライダピッチ姿勢およびロール姿勢が一定限度を超えて傾かない限り、素子設置面5aが最もディスクに近づくことになる。磁気記録素子2および磁気再生素子3は、素子設置面5aの薄膜ヘッド部分1bに属する部分に形成されている。ロードビーム16から押し付けられる荷重と、浮上面9で生じる正負の空気圧力とがうまくバランスし、磁気記録素子2および磁気再生素子3からディスクまでの距離を10nm程度の適切な値に保つよう、浮上面9の形状が設計されている。
【0022】
磁気ヘッド(磁気記録素子2、磁気再生素子3、および絶縁層26などから構成される)は、素子設置面5aの、薄膜ヘッド部分1bに形成されている。また少なくとも素子設置面5aは、磁気記録再生素子の腐食を防ぐためにカーボン等の保護膜で被覆されている。
【0023】
次に図1を参照して実施例1による磁気ヘッドスライダの構成を説明する。基本構成は図3に示した構成と同じであるので、図1には特徴部分である素子設置面5aと薄膜ヘッド部分1bを拡大して示す。薄膜ヘッド部分1bには、コイルを流れる電流で磁極間に磁界を発生して磁気情報を記録するインダクティブ記録素子2と、磁界によって抵抗値が変化するのを測る磁気抵抗型の再生素子3と、熱アシスト記録用加熱機構25と、熱を拡散するための放熱膜4が薄膜プロセスを用いて形成されている。具体的には、アルチック基板1a上に、メッキ、スパッタリング、研磨などの薄膜プロセスを用いて形成された、下部磁気シールド17、磁気抵抗素子18、上部磁気シールド19で構成される再生素子2と、下部磁極20、下部磁極20と浮上面9の反対側で磁気的に接続された上部磁極22、下部磁極20と上部磁極22で構成される磁気回路を周回するライトコイル21で構成される記録素子3と、これらを包み込む絶縁膜26と、熱アシスト記録用加熱機構25を構成する光導波路23と近接場光発生素子24とを有する。熱アシスト記録用加熱機構25を構成する光導波路23と近接場光発生素子24は、上部磁極22の中に設けられている。近接場光発生素子24では光導波路23を伝わってきた光の大部分が損失として熱に変わるため、磁気記録素子部2の近傍では熱が発生してしまう。熱アシスト記録用加熱機構25によって磁気記録素子部近傍が加熱されると数nmの熱突出27が起こり、素子部が磁気ディスク15側に近づき、素子部の浮上低下が起こる。しかし、図1に示すように、発熱個所である近接場光発生素子24に最も接近するように、上部磁極22に密着するほど近くに放熱膜4を形成することで、熱アシスト記録用加熱機構25の熱を効率よく放熱でき、熱突出による浮上量低下を低減できる。放熱膜4を磁気ヘッドスライダ1の流出端13側から見た図を図4に示す。
【0024】
放熱膜4の材質は、スライダ基板1a上に形成されたアルミナ(Al)等の材料からなる絶縁膜26よりも高い熱伝導係数の材料、例えばAu、Cu、NiFe、W等の金属、又は、Al-TiC、SiC、等のセラミックスからなる群から選ばれた材料(例えば、金属単体、合金又は、化合物)により形成される必要がある。
【0025】
上記実施例の放熱膜構造の有効性を確認するために、有限要素法を用いて近接場光発生素子24が発熱した場合を仮定した熱変形解析を行い、放熱膜4の有無によって熱突出量を比較した結果を図5に示す。図5のZ方向の突出量は、放熱膜無しの最大突出量で規格化した値で示している。図5より、放熱膜4を形成することにより、熱アシスト記録用加熱機構25による熱突出を36%低減していることが確認できる。
【0026】
次に図6を参照して実施例2による磁気ヘッドスライダの放熱膜の配置構成を説明する。図1に示す実施例1では、上部磁極22の上部(流出端側)にのみ放熱膜4を形成したが、実施例2では、図6に示すように近接場光発生素子24と上部磁極22の上下に第1放熱膜、第2放熱膜として放熱膜4を形成するものである。これにより放熱効果を増加させることができる。第1放熱膜、第2放熱膜の材質は、実施例1の放熱膜と同じである。
【0027】
次に図7を参照して実施例3による磁気ヘッドスライダの放熱膜の配置構成を説明する。図7に示す構成は、近接場光発生素子24と上部磁極22の左右に放熱膜4を形成するものである。この配置構成においても実施例1及び2の場合と同様の効果を得ることができる。
【0028】
次に図8を参照して実施例4による磁気ヘッドスライダの放熱膜の配置構成を説明する。図8は記録再生素子部を浮上面9側から見た図である。図8に示す構成は、近接場光発生素子24と上部磁極22の上下左右を包み込むように放熱膜4を形成するものである。この構成によれば、より高い放熱効果を得ることができる。
【0029】
次に図9を参照して実施例5による磁気ヘッドスライダの放熱膜の構成を説明する。実施例5の特徴は、放熱膜4の形状を放熱膜4の浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなる形状にしていることである。磁気ヘッドスライダ1が浮上状態では、浮上面9の熱伝達係数はスライダの他の5つの面に対して非常に大きくなるため、記録再生素子近傍で発生する熱は主に浮上面9から逃げていく。そのため、素子近傍で発生した熱を浮上面9側に効率よく放熱される形状に放熱膜4を形成することで、放熱効果が増加し熱突出を低減する効果も増加する。本実施例のように放熱膜4の形状を放熱膜4の浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなるような形状にすることで、熱は浮上面9とは反対方向(浮上高さ方向)へは拡散されにくくなり、浮上面9側へ拡散されやすくなるため、放熱効果が増加し熱突出を低減する効果も増加させることができる。
【0030】
次に、放熱膜形状の違いによる熱突出低減の効果を確認するために、有限要素法を用いて近接場光発生素子24が発熱した場合を仮定した熱変形解析を行い、放熱膜4の形状の違いによって熱突出量を比較した結果を図10に示す。図10のZ方向の突出量は、実施例1(図4)の放熱膜形状の最大突出量で規格化した値で示している。図10より、放熱膜4の形状を放熱膜4の浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなる形状にすることにより、熱アシスト記録用加熱機構による熱突出を6.4%低減できていることが確認できる。
【0031】
上記の結果から図11に示すように、実施例3(図7)の構成において、スライダの幅方向(図のY方向)に関して、上部磁極22の左右に浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなるように放熱膜4を形成したり、図12に示すように、実施例5(図9)の構成において、スライダの幅方向(図のY方向)だけでなく、スライダの長手方向(図のX方向)に広がる(厚くなる)形状に放熱膜4を形成したりすることにより、熱突出をさらに低減することができる。
【0032】
次に、図13を参照して、実施例5(図9)において、放熱膜4の浮上面に対向する面を浮上面9からZ方向に遠ざけていった場合の突出量低減効果の変化について説明する。図13のZ方向の突出量は、放熱膜無しの最大突出量で規格化した値で示している。図13に示すように、放熱膜4の浮上面に対向する面を浮上面9から遠ざけるにつれて突出量低減効果は減少する。したがって、放熱膜4の浮上面に対向する面は、浮上面9に露出させることにより突出量低減効果を最大にすることができる。
【0033】
次に、図14を参照して、実施例5において、放熱膜4を上部磁極22から流出端側(X方向)に遠ざけていった場合の突出量低減効果の変化について説明する。図14のZ方向の突出量は、放熱膜無しの最大突出量で規格化した値で示している。図14に示すように、放熱膜4を上部磁極22から遠ざけるにつれて突出量低減効果は減少する。したがって、放熱膜4は、上部磁極22に密着するほどに近づけることにより突出量低減効果を最大にすることができる。
【0034】
以上説明したように、本発明の実施例によれば、熱アシスト記録用加熱機構の熱を放熱し、熱突出を低減するための放熱膜を、加熱機構に密着するほど近くに形成し、さらに放熱膜の形状が浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなるような形状にすることによって、熱アシスト記録用加熱機構が起因の熱突出を低減することができ、磁気ヘッドと磁気ディスクとの接触を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1による磁気ヘッドスライダの薄膜ヘッド部分の断面図である。
【図2】本発明に係る磁気ヘッドスライダを搭載する磁気ディスク装置の構成図である。
【図3】本発明に係る磁気ヘッドスライダの斜視図である。
【図4】実施例1における放熱膜の形状を示す図である。
【図5】実施例1の効果を示す解析結果の図である。
【図6】実施例2における放熱膜の配置構成を示す図である。
【図7】実施例3における放熱膜の配置構成を示す図である。
【図8】実施例4におけるの放熱膜の配置構成を示す図である。
【図9】実施例5における放熱膜の形状を示す図である。
【図10】実施例5の効果を示す解析結果の図である。
【図11】実施例3における放熱膜の他の形状を示す図である。
【図12】実施例5における放熱膜の他の形状を示す図である。
【図13】放熱膜の浮上面からの距離と突出量との関係を示す図である。
【図14】放熱膜の上部磁極からの距離と突出量との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1…磁気ヘッドスライダ、1a…スライダ、1b…薄膜ヘッド部分、2…磁気記録素子、3…磁気再生素子、4…放熱膜、5a,5b…レール面、5c…レール面(素子設置面)、7a,7b…浅溝面、8…深溝面、9…浮上面、10…磁気ディスク装置、12…空気流入端面、13…空気流出端面、14…スピンドルモータ、15…磁気ディスク、16…ロードビーム、17…下部磁気シールド、18…磁気抵抗素子、19…上部磁気シールド、20…下部磁極、21…ライトコイル、22…上部磁極、23…光導波路、24…近接場光発生素子、25…熱アシスト記録加熱機構、26…絶縁膜、27…熱突出、30…ボイスコイルモータ、32…リフトタブ、34…ランプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライダの端面に設けられた絶縁膜と、該絶縁膜の中に設けられた再生素子、記録素子および記録媒体を加熱する加熱機構を有し、熱アシスト記録を行う磁気ヘッドスライダにおいて、
前記加熱機構の近傍に、一端面が浮上面に露出し、熱伝導率が前記絶縁膜よりも高い材料で構成された放熱膜を有することを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
【請求項2】
前記記録素子は、下部磁極と、浮上面と反対側において前記下部磁極と磁気的に接続された上部磁極と、前記下部磁極と上部磁極で構成される磁気回路を周回するライトコイルとを有し、前記加熱機構は前記上部磁極の中に実装され、前記放熱膜は前記上部磁極の上側に配置されることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項3】
前記記録素子は、下部磁極と、浮上面と反対側において前記下部磁極と磁気的に接続された上部磁極と、前記下部磁極と上部磁極で構成される磁気回路を周回するライトコイルとを有し、前記加熱機構は前記上部磁極の中に実装され、前記放熱膜は前記上部磁極の上側に配置される第1放熱膜と、下側に配置される第2放熱膜であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項4】
前記絶縁膜はAlであり、前記放熱膜はAu、Cu、NiFeおよびWの中から選択される一種類の金属あるいは二種類以上の金属合金、またはAl−TiCおよびSiCのいずれかあるいはこれらの化合物であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項5】
前記放熱膜は、浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項6】
前記放熱膜は、浮上面に対向する面の幅が浮上面に近づくほど徐々に広がっていることを特徴とする請求項5記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項7】
前記放熱膜は、浮上面に近づくほど徐々に厚くなっていることを特徴とする請求項6記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項8】
前記放熱膜は、前記加熱機構の両側に設けられることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項9】
前記加熱機構の両側に設けられる放熱膜は、浮上面に対向する面の断面積が浮上面に近づくほど徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項8記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項10】
前記放熱膜は、前記加熱機構の周囲を取り囲むように設けられることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−59417(P2009−59417A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225768(P2007−225768)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】