説明

磁気ヘッドテスト装置およびその駆動方法

【課題】ヘッドが偏心したトラックをたどることに関係したトラック追従ずれを最小化することによって磁気ヘッドテスト装置におけるサーボ精度を改善する方法を提供する。
【解決手段】高いサーボ制御周波数帯域幅で装置を駆動させている間に生成されたPESから、サーボ制御周波数帯域幅を限定して動作させて先に計算された1または複数のサーボセクタの位置の平均オフセット値を減じることにより補正されたPESを生成する。これにより、一の装置で書き込んだディスクを他の装置へ移動させることに関連して生じるRRO問題をなくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気読出書込ヘッドの検査用の磁気ヘッドテスト装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気読出書込ヘッドは、直接アクセス記憶装置(Direct Access Storage Device;DASD)に実装される前に、まず、検査工程用に特別に設計されたヘッドテスタで検査される。このヘッドテスタは、基本的には、ドライブモータと、それに接続されたスピンドルと、このスピンドル上に装着され、それによって回転可能となっている1または複数の磁気ディスクと、検査対象のヘッドが装着されるアクチュエータと、磁気ディスクの回転に応じてアクチュエータ(およびこれに装着されるヘッド)を精確に位置決めするサーボ機構(またはサーボ制御機構)と呼ばれる電気機械システムとを含むルディメンタリーディスクドライブ(いわゆるスピンスタンド)である。このヘッドテスタはまた、マイクロポジショナと、これに接続されると共にサーボトラックを磁気ディスク上に書き込むための回路機構とを含んでいる。ここで、サーボトラックは、以下で述べるように、ヘッドを磁気ディスク上の検査対象位置に精確に位置決めすることができるようにするためのものである。
【0003】
ヘッドの読出および(または)書込の能力を検査するためには、ヘッドテスタ内に装着された磁気ディスク上の様々な場所にヘッドを精確に位置決めすることが必要である。この位置決め精度を保証するために、ヘッドテスタ内に装着された磁気ディスクには、サーボ情報と呼ばれる埋め込み情報が書き込まれている。このサーボ情報は、磁気ディスク上に、径方向の幅が狭い同心円環状のトラックに沿って周期的に分布した小さな角度幅のサーボセクタ内に(磁気が移り変わるバーストとして)書き込まれたデータであり、磁気ディスクがヘッドテスタに装着されている間に、ヘッドテスタ内に設けられたマイクロポジショナとヘッドとを用いて磁気ディスク上に書き込まれる。なお、マイクロポジショナは、サーボ情報を書き込むのに適した位置にヘッドを微小量ずつ移動させることの可能なデバイスである。
【0004】
このサーボ情報は、トラックセンタを精確に見つけることができるように、トラックの円環幅内で径方向の位置を特定するものであり、また、トラック内のデータフリーセクタの角度方向の位置を特定するものでもある。なお、データフリーセクタは、典型的には、検査工程の間、ヘッドによって読み書きされるサーボ情報を含むサーボセクタに隣接して設けられている。このサーボ情報は、検査工程の間、トラックセンタに応じてヘッドを精確に位置決めしたり、ヘッドの位置を維持する際に極めて重要な役割を担っている。このように、サーボ情報はトラック特定情報および位置決め情報を提供している。
【0005】
ヘッドに装着されたアクチュエータが磁気ディスク上の特定の位置(検査対象位置)、典型的には、トラックに沿ったある角度方向の位置におけるトラックセンタを探すとき、その位置に隣接して設けられたサーボセクタ内のサーボ情報が検査対象のヘッドによって読み出され、ヘッドが実際に位置すべきところに位置しているか否か測定するために使われる。このサーボ情報はヘッドが所定位置に到達する前に直ちに読み出され、ヘッドテスタのサーボ機構における重要な要素であるいわゆるサーボループ回路機構に伝達される。アクチュエータの意図した位置(検査対象位置)と、隣接するサーボセクタ内のサーボ情報によって示された実際の位置とがずれる場合があるが、この位置ずれから位置ずれ信号(Position Error Signal;PES) が生成される。このPESはトラック上のアクチュエータの位置を補正するために用いられる。このPESはデジタルデータであり、デジタルデータに比例した電流を生成するデジタルアナログコンバータ(Digital-Analog Converter; DAC) に供給され、永久磁石の間に配置された電流伝送コイルであるボイスコイルモータ(Voice Coil Motor; VCM)を駆動する。従って、このVCMは電流を生成するDACに制御されてアクチュエータの位置を補正する。
【0006】
アクチュエータが不精確に位置決めされる理由は多数存在する。アクチュエータはランダム振動によって検査対象位置から僅かにずれ易いが、多くの位置ずれは、代表的な磁気ディスクがわずかに反っているか、またはスピンドル上で全般的に精確に回転することができないことが原因で生じている。従って、磁気ディスクの反りや不精確な回転が原因で位置ずれが生じている場合には、アクチュエータを検査対象位置のトラックセンタの径方向の所定位置にロックしたとしても、ヘッドが追跡する磁気ディスク上の領域は磁気ディスクの中心と同心円とならないので、ヘッドは検査対象位置のトラックセンタにたどることができず、実際には、複数のトラック上を重複して追跡してしまう。
【0007】
このサーボ情報は、本来、小さな径方向の幅(円環幅)の同心円となっているトラック上に位置している。それ故に、磁気ディスクが不適当に回転するとき、アクチュエータがたどっているトラックと、サーボ情報を書き込む工程で示されたトラックとの間に食い違いが生じる。それにも拘わらず、埋め込まれたサーボ情報は生成されたPESによって不適当なトラッキングを修正するようになっている。
【0008】
磁気ディスク上に精確なサーボ情報を書き込むことは重要な作業ではあるが、コストが高く、時間のかかる作業である。そのため、この作業はオープンループまたはクローズドループのマイクロポジショナとヘッドテスタのヘッドとを用いて付加的に行われる。
【0009】
サーボ情報を書き込むのに必要とされるヘッドテスタ内の付加的な要素としてはマイクロポジショナとそれに接続された回路機構があるが、これら付加的要素はヘッドテスタの費用を大きく押し上げる。加えて、これら付加的要素を使用すると、検査工程に要する時間が増大する。しかし、追加された時間と費用によって多くの磁気ディスクの上のサーボパターンが再現できるか否かは極めて疑わしく、しかも、パターン精度について確かめるのは難しい。これはヘッドテスタがサーボ情報を書き込むのに最適なデバイスではないからである。
【0010】
特許文献1において、Takano等は磁気ディスク評価装置について記述している。この磁気ディスク評価装置では、サーボ情報が磁気ディスク上に書き込まれ、さらにパターン精度を確認するために検査されている。このようなディスク評価工程において、サーボ情報はまず、一時的なフォームで、または別の磁気ディスクからそれを単純に複製して磁気ディスク上に書き込まれる。このとき、このサーボ情報が充分なパターン精度を持っている場合にはその磁気ディスクは各種工業規格に従って検査され、これらの工業規格に合格した場合にはその磁気ディスクはより精確なサーボ情報が書き込まれるファイナルハードディスクドライブ内に装着される。これにより、Takano等は評価装置のアームが許容できない程に磁気ディスク上の所定位置から離れて配置されているか否かを測定するために、測定デバイスとポジショナを使って一時的なサーボ信号を評価するシステムを提供している。
【0011】
特許文献2において、Shitara等はヘッドの位置決め制御について記述している。この位置決め制御はヘッドや磁気ディスクの精度を保証する装置に対して適用されるものであり、その装置にはサスペンションスプリングとヘッドキャリッジとの間に設けられたピエゾアクチュエータが含まれている。Shitara等は、ヘッドに装着されたアクチュエータがヘッドを精確に位置決めするために用いられるサーボ情報に応答しなければならい程の高速動作時に関係する問題を解決することを目的としている。Shitara等は、ピエゾアクチュエータによって、サーボ情報に応じてヘッドをより早くそしてより精確に位置決めすることができると主張している。
【0012】
しかし、本発明は一時的なサーボ情報を書き込んだりアクチュエータの位置を精確に制御するために改良されたメカニズムを提供するものではない。Takano等やShitara等はこれらの工程に関係する困難さについて指摘しており、その意味において、ヘッドテスタそのものからそのようなメカニズムをなくすることが極めて有益であるとの我々の主張に対してさらなる理由付けと立証を提供している。
【0013】
そこで、本発明は、サーボ情報が専用のサーボトラックライタによって事前に書込まれた磁気ディスクをヘッドテスタにおいて使用することを提案する。この専用のサーボトラックライタは、磁気ディスク上にサーボ情報を効率的に、精確に、再三再四、書き込むことを唯一の作業としており、サーボトラックライタとして機能するマイクロポジショナを含んだヘッドテスタを用いた場合よりもより一層精度良く、再現性も良く作業をすることができる。その上、そのような作業を実行するために特別に設計されたサーボトラックライタにサーボ情報を書き込ませる仕事を割り当てることにより、ヘッドテスタがわざわざ、あまり精確でなく、再現可能な、効率のよいやり方で同様の作業を実行する必要がなくなる。これにより、ヘッドテスタを簡素化することができるだけでなく、ヘッドの検査に専念させることができる。
【0014】
しかし、ある装置で書き込みの行われたサーボトラックを有する磁気ディスクが他の装置に移されたときに問題が発生する。サーボ情報は最初に磁気ディスク上に書き込まれるとき、実質的に同心円となっている環状のトラックに書き込まれる。しかし、移転される装置(ホスト装置)のドライブモータで磁気ディスクを回転するとき、これらのトラックは全般的に偏心しており、その結果、問題が生じると思われる。もちろん、これは、最初のサーボトラックライタのドライブモータですらわずかなうねりを持っていたり、ディスクそのものがスピンドル上で滑ったり、反っていたり、ディスクの中心が回転中心からずれていたりする場合には避けられない問題である。また、サーボトラックライタが書込工程の間、熱や機械的な衝撃の影響を受けやすい場合や、ホスト装置が検査工程の間、熱や機械的な衝撃の影響を受けやすい場合にも避けられない問題である。
【0015】
現在の3.5インチディスクは1インチあたりおよそ100,000トラック(100,000TPI)というトラックピッチとなっており、それぞれのトラックの径方向の幅は極めて狭い。そのため、トラックの同心円にわずかなばらつきがある場合には、装置間のばらつきや外部の摂動によって悪影響を受けやすい。従って、ディスク上にサーボ情報を書き込む際に専用のサーボトラックライタを用いる場合には、ヘッドテスタは、サーボ情報があらかじめ書き込まれた磁気ディスク上のトラックが偏心していることによって生じる影響を除去するか、または補償する能力を持っていなければならない。
【0016】
トラックが同心円環状となっている磁気ディスク1上のトラックからデータを読み出そうとしたとき、ヘッドから見て磁気ディスク1上のトラックが同心円環状となっていないことを、繰り返し心振れ(Repeatable Runout;RRO)があるという。そして、このRROが生じている場合に、ヘッドを検査対象位置のトラックセンタの径方向の所定位置に固定して、磁気ディスク1上のトラックに書き込みを行ったときには、このヘッドは複数のトラック上を重複して追跡してしまい、その結果、先に書き込みを行ったトラック上に上書きしてしまう可能性がある。このようなRRO問題はヘッドテスタに限られるものではないが、実際のDASD自身のディスクドライブにおいてはごく一般的な問題である。RROが生じた場合には、ヘッドをトラック上の精確な位置に案内する付加的な情報を用いない限りヘッドを精確に位置決めすることはほとんど不可能である。仮に可能であったとしても、ある系統的な方法を用いてRROを補正することが必要である。ここで、上記した付加的な情報は、トラック自身に書き込まれているサーボ情報であり、ドライブユニット内にあるサーボ機構を駆動するために使われる。
【0017】
上記したRROは、スピンドルの回転中心がずれている場合や、磁気ディスクが反っている場合などと関係していたが、ドライブシステムおよび(または)磁気ディスクの機械、電気および温度のランダムな摂動と関係した、非繰り返し心振れ(Non-Repeatable Runout;NRRO)というより困難な問題がある。理論的には、RROは、ヘッドテスタが駆動している間、変化しない安定した周期的なものであるが、これに反して、NRROは、これの原因となる外部の影響によって変化し得る。もしRROによる一定の影響がドライブシステムから取り除かれた場合には、より容易にNRROの解決に取り組むことができる。一般的に、ディスク上に書き込まれたサーボ情報はRROの影響を特徴付けるのに充分な情報を提供しており、それ故、これらRROおよびNRROの影響を取り除くか充分に抑えるのに充分な情報を提供している。
【0018】
(ヘッドテスタに対立するものとしての)DASDのディスクドライブにおけるRROは、サーボ情報がその後に続けて使う装置と同じ装置によって書き込まれている場合、またはサーボ情報がその後に続けて使う装置と異なる装置によって書き込まれている場合について、従来技術において特徴付けられている。DASDのディスクドライブにおいては、このディスクドライブの製造業者がその後の通常動作の間、ディスクを駆動する際に用いるドライブ機構を用いてサーボ情報をディスク上に書き込むのが最も一般的である。この場合において、一の装置から他の装置へディスクを移動させる際に上記したような問題は生じない。
【0019】
特許文献3において、Nazarian等はサーボ情報を書き込む工程において避けることのできない欠陥によって生じるRROを取り除く方法について記述している。この方法では、まず、ディスク上に書き込まれた全てのサーボセクタの心振れ値を、サンプリングを繰り返すことにより、偏心した検査対象位置のデータトラックの実際の位置を学び、そして記憶する。次に、それぞれのセクタに実際に書き込まれているサーボ情報から、それぞれのセクタの計測された心振れ値を減ずることによりRROの影響を効果的にキャンセルすることができる。要するに、RROの影響は既にPESから取り除かれているので、サーボ機構はNRROを補正することだけに集中することができる。
【0020】
特許文献4において、Sri-Jayantha等はRRO成分が無視され追従されないNRROサーボ機構について記述している。この方法では、サーボ機構の出力を生成することよりも優先して、固定されたアームのRROを取り除くことによりPESからのRRO成分を除去している。言い換えれば、アクチュエータの実際の径方向の位置情報がアクチュエータの真下のサーボセクタに書き込まれた位置情報から取り除かれている。このように、ディスクドライブのアームは偏心したトラックをたどることを継続的に試みていない。PESはディスクの動きによるNRRO成分だけにサーボ機構を効果的に提供している。NazarianとSri-Jayanthaは、少なくとも技術的な思想としては似ているが、心振れデータを集め、PESから減じる実際の工程の細部において異なっている。
【0021】
特許文献5において、Kermiche等はホストディスクドライブDASDユニットのスピンドルを用いないで(例えば外部のサーボライタを用いて)書き込んだサーボ情報を有するディスクを用いる方法について記述している。そのディスクがその後にホストドライブに装着されるときにディスクのRROを補正するために、一組の仮想トラックが、ホストドライブ内に提供された環状の場所と、外部のサーボトラックライタによって事前に書き込まれた物理トラック内との間の一組の交線によってディスク上に規定される。この仮想トラックはホストの読出書込ヘッドが物理トラック上のサーボトラックのエッジと交差する場所として記憶装置内に規定される。
【0022】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0018314号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0128456号明細書
【特許文献3】米国特許第6310742号明細書
【特許文献4】米国特許第6097565号明細書
【特許文献5】米国特許第6611396号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の第1の目的は読出書込ヘッドを検査するために用いられるディスク上にサーボ情報を書くことをより精確に、再現可能な、かつ能率的にすることにある。
本発明の第2の目的は磁気ヘッドテスト装置が通常通り動作している間、データトラックの精確な位置を特定可能なサーボ情報を犠牲にすることなく第1の目的を達成することにある。
本発明の第3の目的はサーボ情報が別のデバイスによってディスクに書き込まれたとき、テスタ内に装着されたディスクの回転に関係するRROを継続的に補正するサーボ機構をなくする方法を提供することにある。
本発明の第4の目的はヘッドが偏心したトラックをたどることに関係したトラック追従ずれを最小化することによって磁気ヘッドテスト装置におけるサーボ精度を改善することにある。
本発明の第5の目的はRROの影響を含む偏心したトラックをたどるためにアクチュエータに装着されたヘッドが早い動作を要求するときに生じる機械的なヒステリシスや共鳴の問題をなくすることにある。
本発明の第6の目的はテスタそのものの内部からマイクロポジショナのようなサーボ書込み部品をなくすることによりコストの安いテスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法は、以下の(A1)〜(A6)の各ステップを含むものである。
(A1)径方向および角度方向の位置を規定するサーボ情報が埋め込まれた複数のサーボセクタを規則正しく配列してなる複数の同心円環状のトラックが専用のサーボトラックライタを用いて形成された磁気ハードディスクを用意するステップ
(A2)モータ駆動回転スピンドルと、可動ヘッドアクチュエータアセンブリと、可動ヘッドアクチュエータアセンブリに取り付けられ、可動ヘッドアクチュエータアセンブリの動作によって磁気ハードディスク上の選択された検査対象位置に位置決めされると共にその検査対象位置のサーボセクタに書き込まれた情報を読み出すことの可能な検査対象の読出書込ヘッドと、読出書込ヘッドを前記検査対象位置に制御可能に位置決めするために、位置ずれ信号に応答して様々なサーボ制御周波数帯域幅で動作可能な電気機械サーボ制御システムとを備えた磁気ヘッドテスト装置を用意するステップ
(A3)用意された磁気ハードディスクをモータ駆動回転スピンドルに装着するステップ
(A4)選択されたサーボセクタの位置のオフセット値を計測すると共に平均化するステップ
(A5)得られた平均オフセット値を用いて、各サーボセクタごとに位置ずれ信号を補正するステップ
(A6)相対的に高いサーボ制御周波数帯域幅で電気機械サーボ制御システムを駆動させ、補正された位置ずれ信号を用いて可動ヘッドアクチュエータアセンブリの位置変動を最小化し、この可動ヘッドアクチュエータアセンブリが実質的に円環状のトラックをたどるようにするステップ
【0025】
ここで、平均オフセット値を求めるプロセスは、以下の(B1)〜(B6)の各ステップを含むことが可能である。
(B1)電気機械サーボ制御システムを相対的に低いサーボ周波数帯域幅で動作するように設定するステップ
(B2)可動ヘッドアクチュエータアセンブリおよび読出書込ヘッドを、磁気ハードディスク上の選択された径方向位置における選択されたサーボセクタの位置のみを読み出すようにロックするステップ
(B3)磁気ハードディスクの初回の1回転の間に、サーボセクタに埋め込まれたサーボ情報を基に各サーボセクタの位置を読み出し、これを初期位置rとして記憶するステップ
(B4)磁気ハードディスクを連続回転させる間に、各回転ごとに、サーボセクタに埋め込まれたサーボ情報を基に各サーボセクタの位置rを読み出し、これを記憶するステップ
(B5)磁気ハードディスクの最後の1回転の間に、サーボセクタに埋め込まれたサーボ情報を基に各サーボセクタの位置を読み出し、これを最終位置rとして記憶するステップ
(B6)各サーボセクタごとに、初期位置rと最終位置rとを比較し、両者の差が設定値(a programmable amount)よりも小さい場合に、最低限度規格(a minimal closure specification)が満たされたと判断し、この最低限度規格を満たすすべてのサーボセクタをサンプリングして、それらの位置の平均値を求め、これを記憶するステップ
【0026】
また、最低限度規格を満たす平均値は、サーボセクタの繰り返し心振れ(Repeatable Runout;RRO)を精確に近似する値であることが好ましい。また、磁気ハードディスクを1000回転させてサンプリングし、平均値を求めてもよい。
【0027】
オフセット値を計測する際に、1つのサーボセクタのみを選択するようにしてもよいし、複数のサーボセクタを選択するようにしてもよいし、または、全てのサーボセクタを選択するするようにしてもよい。
【0028】
本発明の磁気ヘッドテスト装置は、ベースと、ベース上に設けられたモータ駆動回転スピンドルと、モータ駆動回転スピンドル上に装着された磁気ハードディスクと、モータ駆動回転スピンドルに隣接して設けられた可動ヘッドアクチュエータアセンブリと、電気機械サーボ制御システムとを備えたものである。磁気ハードディスクには、径方向および角度方向の位置を規定するサーボ情報が埋め込まれた複数のサーボセクタを規則正しく配列してなる複数の同心円環状のトラックが予め外部で形成されている。可動ヘッドアクチュエータアセンブリは、磁気ハードディスク上の選択された検査対象位置に読出書込ヘッドを位置決めすると共にその検査対象位置のサーボセクタに書き込まれた情報を読み出すことが可能である。電気機械サーボ制御システムは、読出書込ヘッドを前記検査対象位置に制御可能に位置決めするために、位置ずれ信号に応答して様々なサーボ制御周波数帯域幅で動作可能であり、複数のサーボセクタの位置の平均オフセット値を決定するのに用いられるデータを記憶すると共に、平均オフセット値と読出書込ヘッド現在位置との差に基づいて位置ずれ信号を生成するようになっている。
【発明の効果】
【0029】
本発明の目的はサーボ情報があらかじめを書き込まれた1または複数のディスクを磁気ヘッドテスト装置に装着し、これによってテスタそのものの内部にサーボ情報を書き込む装置を設ける必要がなくなることにより達成される。このサーボ情報は専用のサーボトラックライタを用いてディスク上に書き込まれる。これにより、サーボ情報の質を改善することができ、ヘッドテスト工程における精度、再現性および能率性を改善することができる。その結果、専用のライタを含むサーボライタ装置はもはや磁気ヘッドテスト装置の一部を構成する必要がなくなる。これにより、ヘッドテスト工程に要する時間およびテスタのコストを顕著に削減することができる。あらかじめ書き込まれたディスクを用いることに関連するRROはテスタ内でサーボ機構によって生成されたPESから効果的になくすることができる。RROを効果的に無視することができ、アクチュエータに装着されたヘッドは偏心した路に追従しない。このRROはアクチュエータが低いサーボ帯域幅で駆動されている間、選択されたサーボトラックセクタの心振れ値(ヘッドの所定位置とサーボトラックの位置との間の差異)を平均化することによってRROの優れた近似値を簡単に得ることによってテスタのサーボ機構によって無視可能となる。トラック振れに優れた近似を行うことによって得られた平均値はサーボ機構が全バンド幅で駆動される間、サーボ機構のPESから減じられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、磁気読出書込ヘッドテスト装置(一般的にはスピンスタンドと呼ばれる。)の駆動方法であり、この磁気読出書込ヘッドテスト装置とは別体の専用のサーボトラックライタであらかじめサーボトラック情報を書き込んでおいた磁気ディスクを用いている。そのため、この磁気読出書込ヘッドテスト装置は、専用のサーボトラックライタの一部をなすサーボトラック書込機構を備えていない。
【0031】
図1は、本発明の一実施の形態に係るヘッドテスト装置(スピンスタンド)の概略構成を表すものである。このヘッドテスト装置は、マイクロポジショナのようなサーボトラック書込機構を備えていないが、このヘッドテスト装置とは別体の専用のサーボトラックライタであらかじめサーボトラック情報を書き込んでおいた磁気ディスク1を備えている。つまり、このヘッドテスト装置は、マイクロポジショナのようなサーボトラック書込機構を備える必要がない。
【0032】
このヘッドテスト装置は、ベース11と、ベース11上に設けられたスピンドルモータ12と、スピンドルモータ12上に装着され、このスピンドルモータ12によって任意の速度で回転可能な磁気ディスク1とを備えている。この磁気ディスク1には、図2に誇張して示したように、円環状のトラック21を横切るようにサーボセクタ22が設けられており、このサーボセクタ22には、必要なサーボ情報が専用のサーボトラックライタによってあらかじめ書き込まれている。
【0033】
また、このヘッドテスト装置は、磁気ディスク1に書き込まれた情報を読み出したり磁気ディスク1に情報を書き込む検査対象のヘッド13と、スピンドルモータ12に隣接して設けられ、ヘッド13を支持するアクチュエータ14と、ヘッド13によって磁気ディスク1上のサーボセクタ22から読み出されたサーボ情報に基づいて円環状のトラック21に沿ってアクチュエータ14の位置を補正する電気機械サーボ機構(図示せず)とを備えている。
【0034】
この電気機械サーボ機構は、従来からその特徴がよく知られた機構であるが、位置ずれ信号(PES)に応答して様々なサーボ制御周波数帯域幅で動作可能な電気機械サーボ制御システムである。ここで、電気機械サーボ機構の帯域幅とは、磁気ディスク1から読み出され、アクチュエータ14の位置を補正するために実際に使われるサーボ情報の量に関係したものである。
【0035】
この電気機械サーボ機構は、PESに比例した電流を生成するデジタルアナログコンバータ(DAC)と、このDACで生成された電流の大きさに応じてアクチュエータを移動させるボイスコイルモータ(VCM)と、データを記憶する記憶手段(例えばRAM(Random Access Memory))と、各種演算を行う演算手段とを有している。PESは、ヘッド13が送られた検査対象位置(トラックセンタ)と、ヘッド13によって読み出された、ヘッド13の真下にあるサーボセクタ22内に書き込まれているサーボ情報によって示された位置(典型的にはトラックセンタからずれた位置)との差を示すデジタルデータである。この差は、ヘッド13の実際の位置における特定位置からのオフセット値とも関係している。VCMは、PESに比例した電流の大きさに応じてアクチュエータ14を移動させることによりヘッド13の位置ずれをなくするようになっている。PESはPROおよびNRROの双方の影響を含んでいる。
【0036】
図2は、図1のヘッドテスト装置のスピンドルモータ12上に装着された磁気ディスク1の概略構成を誇張して表すものである。図2に示したように、磁気ディスク1が専用のサーボトラックライタに装着されたときの回転中心23がスピンドルモータ12上に装着されたときの回転中心24と一致していない。このように双方の回転中心23,24がずれるのは、少なくともディスク1にRROが存在することが原因の1つと考えられる。図2には、サーボセクタ22が放射状に延在する8つの線セグメントとなっている場合が例示されている。この線セグメントの幅は図2では数本のセクタの角度幅と等しくなっているが、実際には、もっと多数のセクタの角度幅と等しくなっていてもよい。これらサーボセクタ22は、多数のトラック21を横切っており、さらに、サーボ情報をそれぞれ含んでいる。これらトラック21は専用のサーボトラックライタで書き込まれたときには同心円環状となっていた。いくつかの破線のトラック25は、ディスク1がヘッドテスト装置のスピンドルによって回転中心24で回転した場合に、ヘッド13を特定の径方向の位置に固定したときにヘッドがたどった環状の路を表している。これら破線のトラック25のそれぞれがトラック21と比べて偏心しているのがわかる。図2には、一のトラック15が、異なる径方向の位置(22a〜22f)で各サーボセクタ22を横切っている様子を例示している。このように各サーボセクタ22を異なる径方向の位置(22a〜22f)でヘッド13が横切るということは、このディスク1が異なる装置に装着されるとき、本来は同心円状のトラック21にRROがあることを示している。アクチュエータ14が本来は同心円状のトラック25に存在するRROおよびNRROの両方を追跡しようとする場合に、最も高いサーボ制御周波数帯域幅で駆動するサーボ機構がその追跡を許容しうるときには、アクチュエータ14は望ましくない一定の動作状態にあるだろう。
【0037】
図3は、本実施の形態のヘッドテスト装置の駆動方法の一具体例を表すものである。この駆動方法では、専用のサーボトラックライタによって書き込まれたディスク1上のサーボトラック22に埋め込まれたサーボ情報を用いて、ヘッドテスト装置における偏心したトラック25に関係するRROをアクチュエータ14によって継続的に追跡するのをなくするようにしている。この流れ図における各工程は、この駆動方法によって得られる効果と共に説明される。
【0038】
(ステップa:ヘッドテスト装置にディスク1を装着する)
あらかじめを書き込まれたディスク1を図1のヘッドテスト装置のスピンドル上に装着する。
【0039】
(ステップb:ヘッド13を単一セクタに固定し、低帯域幅の条件にサーボ機構を設定する)
ヘッドテスト装置内のヘッド13を単一セクタにロックして、スピンドルモータ12と同心円の実質的に環状のトラック25に追従させる。サーボ機構は低いサーボ制御周波数帯域幅の条件に設定される。そのため、ヘッド13は相対的に安定した静止状態であり、ほとんど動かない。これにより、ヘッド13はトラック25と交差する位置でサーボセクタ22の位置を繰り返しサンプルしたものを取得することができるので、サーボ機構によってこれらの読出値を平均することができる。
【0040】
(ステップc:サーボセクタ22の位置のオフセット値を繰り返し読み出す)
ヘッド13が上記したように固定されている間、あらかじめ書き込まれたサーボ情報を含むサーボセクタ22はヘッド13の真下の偏心の路に移動する。ディスク1を連続回転させた状態でサーボセクタ22の位置のオフセット値が繰り返しサンプルされる。なお、ディスク1を1000回転させてサンプリングしてもよい。ここで、このオフセット値は、ヘッド13の特定位置で現在追跡されている同心円環状のトラック25とサーボセクタ22との交差位置と、専用のサーボトラックライタによってあらかじめ書き込まれたサーボセクタ22内のサーボ情報によって特定される交差位置との差分である。
【0041】
(ステップd:サンプルの平均オフセット値演算する)
選択された数(1つ、複数または全て)のオフセット値のサンプルを得たのち、そのサーボセクタの平均オフセット値を計算する。このサンプルの平均オフセット値はサーボ情報の偏心の精確な値、すなわち、トラック21そのもののRROのとても良い近似値である。このヘッドテスト装置はオフセット値としてデータを記憶するための手段を備えている。このような記憶手段としては、好ましくはサーボ機構内に設けられたRAMが挙げられるが、ディスク1上に記憶領域を設けることが可能であれば、ディスク1上の記憶領域が挙げられる。サーボ制御周波数帯域幅を低く設定したので、ヘッドテスト装置(例えばアクチュエータ14およびヘッド13)はRROまたはNRROに応答しない。このNRROはゼロに平均化されるので、平均オフセット値がRROになる。
【0042】
(ステップe:サンプリング工程の初期と終期のそれぞれのオフセット値を比較する)
サンプリング工程の初回の1回転と最後の1回転におけるそれぞれのオフセット値を比較する。全体の組の収集したオフセット値は、サンプリング工程の初回の1回転と最後の1回転におけるそれぞれのオフセット値が設定値(a programmable amount)の範囲内となっている場合には、最低限度規格(a minimal closure specification)が満たされたと判断され、この最低限度規格を満たす全てのオフセット値だけを記憶する。サンプリング工程の初回の1回転と最後の1回転におけるそれぞれのオフセット値があまりにもかけ離れていた場合には、そのヘッド13はディスクを回転させている間に大幅にドリフトしたとみなされる。このようにヘッド13が大幅にドリフトすると、そのドリフトが観測されたRROに追加され、測定結果が不正確になってしまうので、我々はヘッド13がほとんど動かないときに得られたオフセット値のサンプルを記憶することを望んでいる。
【0043】
(ステップf:平均オフセット値を記憶する)
利用可能なサーボセクタ22の最も高いサーボ制御周波数帯域幅の能力を用いるために、平均オフセット値をサーボ機構内のRAMに記憶し、セクタの偏心に対して参照値として用いる。
【0044】
(ステップg:望むなら多くのサーボセクタ22に対して上記ステップa〜fを繰り返す)
このサンプリング工程は、専用のサーボトラックライタを使って形成されたサーボセクタ22の数に関係なく適用可能である。
【0045】
(ステップh:最も高いサーボ制御周波数帯域幅で駆動している間に生成されたPESから、記憶された平均オフセット値を減じてPESを補正する。補正後のPESを用いてサーボ機構を最も高いサーボ制御周波数帯域幅で駆動する)
DACおよびボイスコイルモータに送られた補正後のPESを通じてサーボ機構を最も高いサーボ制御周波数帯域幅で駆動し、そのサーボ機構の出力がアクチュエータ14に加えられる。PESがDACに送られる前に、最も高いサーボ制御周波数帯域幅で駆動している間に生成されたPESから、記憶された平均オフセット値が減じられるので、DACは平均オフセット値から検査対象位置のトラック位置の位置ずれを補正する。なお、DACは、全てのサーボセクタ22がヘッド13の真下を通過するようにアクチュエータ14を駆動し、その結果、オフセット値がPESから取り除かれ、オフセット値から実際のヘッドの位置の偏差を補正するのに充分な電流が加えられるようにすることが必要である。
【0046】
なお、各サーボセクタ22ごとに、サンプリング工程の初回の1回転と最後の1回転におけるそれぞれの位置を比較し、両者の差が設定値(a programmable amount)よりも小さい場合に、最低限度規格(a minimal closure specification)が満たされたと判断し、この最低限度規格を満たすすべてのサーボセクタをサンプリングして、それらの位置の平均値を求め、これを記憶したのちに、平均オフセット値を求めるようにしてもよい。
【0047】
最後に、技術に熟達した人によって理解されているように、本発明の好ましい実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の理解を助けるために具体的に説明したものである。改訂および修正は、サーボ情報がヘッドテスト装置のスピンドルモータ12以外の装置であらかじめ書き込まれた磁気ハードディスクを使うと共に、ヘッドテスト装置をRRO無しで駆動するような方法、構成概念、材料、構造および局面においてなされてもよい。その一方で、特許文献に記載されているようなテスタと調和するヘッドテスト装置の駆動方法を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】サーボ機構を含んでいないヘッドテスト装置(スピンスタンド)の概略構成図である。
【図2】専用のサーボトラックライタでサーボ情報が書き込まれたディスクの上面構成図である。
【図3】RROを補正する工程を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
【0049】
1…磁気ディスク、11…ベース、12…スピンドルモータ、13…ヘッド、14…アクチュエータ、21,25…トラック、22…サーボセクタ、22a〜22g…各サーボセクタにおいてヘッドが横切る径方向の位置、23,24…回転中心。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向および角度方向の位置を規定するサーボ情報が埋め込まれた複数のサーボセクタを規則正しく配列してなる複数の同心円環状のトラックが専用のサーボトラックライタを用いて形成された磁気ハードディスクを用意し、
モータ駆動回転スピンドルと、可動ヘッドアクチュエータアセンブリと、前記可動ヘッドアクチュエータアセンブリに取り付けられ、前記可動ヘッドアクチュエータアセンブリの動作によって前記磁気ハードディスク上の選択された検査対象位置に位置決めされると共にその検査対象位置のサーボセクタに書き込まれた情報を読み出すことの可能な検査対象の読出書込ヘッドと、前記読出書込ヘッドを前記検査対象位置に制御可能に位置決めするために、位置ずれ信号に応答して様々なサーボ制御周波数帯域幅で動作可能な電気機械サーボ制御システムとを備えた磁気ヘッドテスト装置を用意し、
前記用意された磁気ハードディスクを前記モータ駆動回転スピンドルに装着し、
選択されたサーボセクタの位置のオフセット値を計測すると共に平均化し、
得られた平均オフセット値を用いて、各サーボセクタごとに位置ずれ信号を補正し、
相対的に高いサーボ制御周波数帯域幅で前記電気機械サーボ制御システムを駆動させ、前記補正された位置ずれ信号を用いて前記可動ヘッドアクチュエータアセンブリの位置変動を最小化し、この可動ヘッドアクチュエータアセンブリが実質的に円環状のトラックをたどるようにする
ことを特徴とする磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項2】
前記平均オフセット値を求めるプロセスは、
前記電気機械サーボ制御システムを相対的に低いサーボ周波数帯域幅で動作するように設定するステップと、
前記可動ヘッドアクチュエータアセンブリおよび前記読出書込ヘッドを、前記磁気ハードディスク上の選択された径方向位置における選択されたサーボセクタの位置のみを読み出すようにロックするステップと、
前記磁気ハードディスクの初回の1回転の間に、サーボセクタに埋め込まれた前記サーボ情報を基に各サーボセクタの位置を読み出し、これを初期位置rとして記憶するステップと、
前記磁気ハードディスクを連続回転させる間に、各回転ごとに、サーボセクタに埋め込まれた前記サーボ情報を基に各サーボセクタの位置rを読み出し、これを記憶するステップと、
前記磁気ハードディスクの最後の1回転の間に、サーボセクタに埋め込まれた前記サーボ情報を基に各サーボセクタの位置を読み出し、これを最終位置rとして記憶するステップと、
各サーボセクタごとに、前記初期位置rと前記最終位置rとを比較し、両者の差が設定値(a programmable amount)よりも小さい場合に、最低限度規格(a minimal closure specification)が満たされたと判断し、この最低限度規格を満たすすべてのサーボセクタをサンプリングして、それらの位置の平均値を求め、これを記憶するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項3】
前記最低限度規格を満たす前記平均値は、前記サーボセクタの繰り返し心振れ(Repeatable Runout;RRO)を精確に近似する値である
ことを特徴とする請求項2に記載の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項4】
前記磁気ハードディスクを1000回転させてサンプリングし、前記平均値を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項5】
1つのサーボセクタのみを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項6】
複数のサーボセクタを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項7】
全てのサーボセクタを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドテスト装置の駆動方法。
【請求項8】
ベースと、
前記ベース上に設けられたモータ駆動回転スピンドルと、
前記モータ駆動回転スピンドルに装着され、径方向および角度方向の位置を規定するサーボ情報が埋め込まれた複数のサーボセクタを規則正しく配列してなる複数の同心円環状のトラックが予め外部で形成された磁気ハードディスクと、
前記モータ駆動回転スピンドルに隣接して前記ベース上に設けられ、前記磁気ハードディスク上の選択された検査対象位置に読出書込ヘッドを位置決めすると共にその検査対象位置のサーボセクタに書き込まれた情報を読み出すことの可能な可動ヘッドアクチュエータアセンブリと、
前記読出書込ヘッドを前記検査対象位置に制御可能に位置決めするために、位置ずれ信号に応答して様々なサーボ制御周波数帯域幅で動作可能な電気機械サーボ制御システムと
を備え、
前記電気機械サーボ制御システムは、複数のサーボセクタの位置の平均オフセット値を決定するのに用いられるデータを記憶すると共に、前記平均オフセット値と前記読出書込ヘッドの現在位置との差に基づいて前記位置ずれ信号を生成する
ことを特徴とする磁気ヘッドテスト装置。
【請求項9】
前記前記電気機械サーボ制御システムに記憶された前記データは、前記磁気ハードディスクにおける特定位置の複数のサーボセクタの位置の平均値であって、前記電気機械サーボ制御システムを低いサーボ制御周波数帯域幅で動作するように設定した状態で前記磁気ハードディスクを繰り返し回転させたときに得られ、前記磁気ハードディスクの最初の1回転の際に得られた初期位置と最後の1回転の際に得られた最終位置との差が設定値(a programmable amount)よりも小さい場合に記憶される
ことを特徴とする請求項8に記載の磁気ヘッドテスト装置。
【請求項10】
前記(最低限度規格を満たす前記)平均値は、前記サーボセクタの繰り返し心振れ(Repeatable Runout;RRO)を精確に近似する値である
ことを特徴とする請求項9に記載の磁気ヘッドテスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−66510(P2007−66510A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238340(P2006−238340)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(500475649)ヘッドウェイテクノロジーズ インコーポレイテッド (251)
【Fターム(参考)】