説明

磁気ラッチ機構

2つの回転磁石を備えたラッチを提供する。本発明のラッチは、コンパートメントの2ドアを開放可能なように閉止位置に固定するのに特に適している。各回転磁石は、磁力により各ドアに取り付けられた磁気インサートを閉止位置に保持し、両ドアをコンパートメントに関する閉止位置に固定する。機械的なフック状回転爪は磁石のその作用を補助する。更に、本ラッチには、ラッチを搭載する車両が衝突に巻き込まれた場合でもラッチ開きを防止する安全機能が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパートメントの1つ又はそれ以上の密閉パネルを閉止位置に固定する際に磁石を使用するラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
数多くの用途には、パネルをコンパートメント開口部や他のパネルに関して閉止位置に固定する必要がある。例えば、自動車産業分野において、車両の室内コンパートメントのクロージャーとして作用するパネルは、コンパートメント自体の用がない時には閉止位置に固定されていなければならない。このようなコンパートメント例としては、車両のグローブボックス、車両の前座席間のセンターコンソールボックスなどがある。コンパートメントの中身に用がある際にはユーザーがクロージャー部材を選択的に開けるのを可能にする一方で、そのようなコンパートメントのクロージャー部材は、コンパートメントの中身を保護するべくラッチによって閉止位置に選択的に固定される。本分野においてはこのような目的のため数多くのラッチが提案されてきた。例えば特許文献1や特許文献2に見られるラッチがそうである。しかしながら、公知のラッチには本発明のように新規かつユニークなラッチを教示・提案するものはない。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,927,772号
【特許文献2】米国特許第6,761,278号
【発明の開示】
【0004】
本発明は、それに限定されるものではないが、コンパートメントの2ドアを開放可能なように閉止位置に固定するのに特に好都合なラッチ機構を提供することを目的とする。そのラッチは2個の回転磁石を備え、更に各回転磁石は、夫々のドアに取り付けられた磁気インサートを磁気的に引き付けることによりコンパートメントに関する閉止位置にドアの夫々をしっかりと保持する。機械的なフック状回転爪は磁石のその作用を補助する。本発明によるラッチは、2つのドアが連携されるような用途に適している。このような用途では、一方のドアの閉じ動作は他方のドアを閉止位置へと移動させる。しかしながらドア間の機械的リンケージは完全ではなく、両ドアの閉じ動作は必ずしも同期するものではない。往々にして、一方のドアが閉じ動作中のドアに僅かに遅れる。本発明のラッチは、一方のドアが他方のドアよりも遅れる時でさえも閉止位置にドアを適切に固定するように設計される。更に、本ラッチには、ラッチを搭載する車両が衝突に巻き込まれた場合でもラッチ開きを防止するといったような安全機能が設けられる。
【0005】
本発明は、第1部材を第2部材に関した閉止位置に固定するための磁気ラッチ機構であって、第1部材は閉止位置と第2部材に関した開放位置との間で移動可能な磁気ラッチ機構を提供することを目的としている。例えば第1部材はドアでもよく、第2部材は例えばコンパートメントやドア枠でもよい。図示した例では1つ又はそれ以上のドアがコンパートメントのクロージャーを提供する。本発明によるラッチは、特に、機械的に連携した2つのドアが閉止位置で固定されるべき用途に適している。このような用途では、一方のドアの閉じ動作は、他方のドアを閉止位置へと移動させる。しかしながら、ドア間の機械的リンケージは完全ではなく、両ドアの閉じ動作は必ずしも同期するものではない。往々にして、一方のドアが閉じ動作中のドアに僅かに遅れる。本発明の磁気ラッチでは、ひとたびドアがラッチ磁石の磁場の影響域内に位置したならば、そのドアは磁力によって最終閉止位置へと引きつけられる。従って、2つドアの適用例においてドアがそれぞれの閉止位置へと接近する際に、両ドアの相対位置にかなりバラツキがあっても、最終閉止位置への各ドアの移動は確実に達成される。すなわち、本発明のラッチは一方のドアが他方のドアより遅れることがあっても両ドアを確実に閉止位置に固定するように設計される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
2005年2月12日付け出願の米国特許仮出願番号第60/652,295号、2005年3月29日付け出願の米国特許仮出願番号第60/666,694号、2005年5月8日付け出願の米国特許仮出願番号第60/679,274号及び2005年5月23日付け出願の米国特許仮出願番号第60/683,9815号の開示が本願に引用して援用される。
【0007】
図1乃至図71に、本発明による2個の回転磁石付き磁気ラッチ機構100の一実施形態を示す。ラッチ機構100は、2つのドア102,104をほぼ同時に閉止位置に固定するように設計された遠隔操作式のラッチ機構であり、2個の回転磁石106,108を使用する。ラッチ機構100は、その回転磁石106,108を平行かつ隔置された回転軸周りで回転可能に支持し、ドア102,104のピボットやヒンジの間に装着されるように設計される。また、回転磁石106,108は同一方向に回転する。各回転磁石106,108は分離したマグネットキャリア118,119に夫々支持される。各マグネットキャリア118,119はハウジング132に回転可能に支持される。回転磁石106,108の夫々は、回転磁石と夫々のマグネットキャリアが1ユニットとして回転するように、各マグネットキャリア118,119に取り付けられる。各回転磁石106,108と夫々のマグネットキャリア118,119は夫々、係止位置と非係止位置との間で回動可能である。
【0008】
磁気ラッチ機構100はまた、1組のフック爪134,136を備える。各フック爪134,136は、爪134,136と夫々のマグネットキャリア118,119が1ユニットとして回転するようにマグネットキャリア118,119に支持される。フック爪134,146の各々は、夫々のマグネットキャリア118,119から離れる方向に面するベベルカム面138と、マグネットキャリア118,119に対面する捕捉面144とを備えたフックヘッド122を有する。
【0009】
磁気ラッチ機構100はまた、ドア102,104に夫々取り付け可能な磁気インサート114,116を備える。磁気インサート114,116の夫々は、回転磁石106,108の夫々に対応する。回転磁石106,108が夫々の係止位置にあって、ドア102,104が夫々の閉止位置にある時、各磁気インサート114,116に対向する回転磁石106,108夫々の各極は、各回転磁石106,108に対面する磁気インサート114,116の磁極とは反対のタイプ(即ち、N極、S極)となる。図示した例においては、磁気インサート114,116は、ドア102,104が閉止位置にある時、夫々のS極が各回転磁石106,108に対面するように配置される。図示例ではまた、回転磁石106,108は、磁石106,108とそれらのキャリアが係止位置にあり、かつ各ドア102,104が閉止位置にある時、各磁石のN極が各磁気インサート114,116に対面するように各キャリア118,119内に配置される。従って、磁気インサート114,116を取り付けたドア102,104が閉止位置に保持された場合、各回転磁石106,108と各磁気インサート114,116との間には引力が働く。
【0010】
更に、フック爪134,136はドア102,104の閉止位置から開放位置への運動を機械的に阻止する受座124,126と夫々係合する。この特徴により、ドア102,104によって固定されたコンパートメントの外側から強制的にドア102,104をこじ開けられるのを防いでいる。
【0011】
磁気ラッチ機構100は、1組の受座124,126を有し、その夫々は1組のフック爪134,136の夫々に対応している。各受座124,126は、受座が各ドアの内面から離れて置かれ、フック爪134,136のヘッド122が各受座124,126と各ドア102,104との間で適合できるように、各ドア102,104により支持される。各受座124,126は各ドア102,104から離れた方向に面するカム面128と、各ドア102,104に対向する捕捉面130とを備える。各受座のカム面128は、各フック爪134,136のカム面138と相互作用し、爪を受座124,126の軌道の外に移動することができ、各ドアが閉止位置に向けて移動している時、たまたま各フック爪が係止位置にあるならば、各ドアをその閉止位置へと移動することができる。一旦ドア102,104が閉止位置に至ると、各回転磁石106,108・各磁気インサート114、116間の磁力により各フック爪134,136が係止位置に移動する。係止位置では、各フック爪134,136のヘッド122は各受座124,126と、各ドア102,104との間に位置し、そこでは各フック爪134,136の捕捉面144が各受座124,126の捕捉面130に係合でき、各ドア102,104の閉止位置から開放位置への移動を機械的に阻止するようになっている。
【0012】
回転磁石106,108が非係止位置(図14及び図44参照)にあって、かつドア102,104が夫々閉止位置(図1参照)にある時、磁気インサート114,116の磁極とは反対の回転磁石106,108夫々の各極は、各磁気インサート114,116から離れて位置する一方、回転磁石106,108に対面する磁気インサート114,116の磁極と同じ回転磁石106,108夫々の各極は、回転磁石106,108の係止位置に比例して、各磁気インサート114,116により近く位置することになる。この非係止位置においては、各回転磁石106,108と各磁気インサート114,116の同極との間に働く反発力が、各回転磁石106,108と各磁気インサート114,116の反対極との間に働く引力に打ち勝つ。従って、正味反発力が各磁石106,108と各磁気インサート114,116の間に作用する。更に、フック爪134,136は、回転磁石106,108や磁石キャリア118,119と共に夫々の非係止位置へと回転し、それは磁気インサート114,116を取り付けたドア102,104が閉止位置から開放位置へと移動される結果をもって、ドア102,104の開放への機械的な障害を排除する。
【0013】
ここでは、図示した例において、磁気インサート114,116は、ドア102,104が閉止位置にあるとき、夫々のS極が各回転磁石106, 108に対面するように配置されることを想起されたい。図示した例においては、回転磁石106,108と夫々のキャリア118,119が係止位置から非係止位置へと移動した際には、回転磁石106,108のN極は、磁気インサート114,116のS極から離れる方向に移動し、回転磁石106,108のS極が磁気インサート114,116に向かって移動することになり、その結果、回転磁石106,108がそれぞれの非係止位置に到達した際には正味引力が各回転磁石106, 108と磁気インサート114,116との間に作用する。
【0014】
回転磁石106, 108とキャリア118,119が係止位置から非係止位置まで移動する時には、それらは10°より大きくかつ180°以下の範囲の角度で移動する。より好ましくは、回転磁石106, 108とキャリア118,119は、それらが係止位置から非係止位置まで移動する時には、30°以上、180°以下の範囲の角度をもって移動する。また更に好ましくは、回転磁石106, 108とキャリア118,119が係止位置から非係止位置まで移動した時には、45°以上、145°以下の範囲の角度をもって移動する。又、より好ましくは、回転磁石106, 108とキャリア118,119は、それらが係止位置から非係止位置まで移動する時には、60°以上、120°以下の範囲の角度をもって移動する。更に好ましくは、回転磁石106, 108とキャリア118,119は、それらが係止位置から非係止位置まで移動する時には、80°以上、115°以下の範囲の角度をもって移動する。図示した例では、回転磁石106, 108とキャリア118,119が係止位置から非係止位置まで移動した際、それらはおおよそ110°(110°±10°)の角度をもって移動する。より正確に言えば、図示した例で、回転磁石106, 108とキャリア118,119が係止位置から非係止位置まで移動した際、それらは約110°の角度で移動する。
【0015】
回転磁石106, 108の反対側の極は、係止位置において各回転磁石106, 108に対面する磁気インサート114,116の極に直接向かい合う必要はない。回転磁石106,108は、回転磁石の反対側の極と、磁気インサートの反対側の極との間の直接対面関係から、0°≦θ<90°の範囲内の角度θで逸脱してもよい。この場合、回転磁石106, 108に対するフック爪の位置は当然それに従って調整されなければならない。当然ながら、回転磁石の反対側の極と、磁気インサートの反対側の極との間の直接対面関係(即ち、0°又は約0°)は、ラッチ機構に対しては最も大きな保持力を提供するため、回転磁石106,108のN極が、その係止位置において、回転磁石の反対側の極・磁気インサートの反対側の極間の直接対面関係に出来るだけ近づくことは好ましいことである。考慮すべきキーポイントは、回転磁石106, 108のN極がそれぞれのS極よりも、ある程度(即ち、回転磁石がドア102,104を引張り、ここで述べた閉止位置に保持するのに十分な程の正味引力が、回転磁石106,108と各磁気インサートとの間に発生するくらい)磁気インサートのS極に近くなるように、係止位置にある回転磁石106, 108の角度位置が選択されなければならないということである。図示した例では係止位置において、回転磁石106,108のN極は、夫々の磁気インサートのS極との直接対面関係から数度ずれている。
【0016】
各磁気インサート114,116は、夫々磁気インサートハウジング176,178に挿入されることでドア102,104の各々に取り付けられるが、言い換えれば、それはドア102,104の夫々に取り付けられることである。図示した例では、磁気インサートハウジング176,178はネジ180によってドア102,104に取り付けられる。
【0017】
磁気インサートハウジング176,178をドア102,104に取り付ける手段は本発明においては重要ではなく、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。更に、磁気インサートハウジング176,178をドア102,104と一体形成してもよい。磁気インサートハウジング176,178をそのまま省略し、磁気インサート114,116を直接ドア102,104に取り付けてもよい。ハウジング176,178と同様に、磁気インサート114,116をドア102,104に取り付けるのに、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。また別の方法として、磁気インサート114,116をドア102,104の材料に埋め込むようにしても良い。
【0018】
図示実施形態では、受座124,126は夫々磁気インサートハウジング176,178と一体形成されている。ハウジング176,178と同様に、受座124,126をドア102,104に取り付ける手段は本発明において重要ではない。フック爪134,136のヘッド122を各受座124,126と各ドア102,104との間で適合させるべく各ドアの内面から受座を十分な距離をもって隔てるように受座124,126を支持するならば、どんな適切な構造でもよく、その構造を各ドアに取り付けるに当たってはネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。更に、受座124,126をドア102,104と一体形成してもよい。
【0019】
磁気ラッチ機構100は、夫々回転磁石106,108を取り付けたマグネットキャリア118,119を回転自在に支持するハウジング132を備える。ハウジング132の上部開口部101,105(実施形態によっては2つの開口部101,105の代りに1つの大きな上部開口部105でもよい)によって、フック爪134,136はハウジング132の外に延び、係止位置にある受座124,126と係合する。
【0020】
各マグネットキャリア118,119は各回転磁石106, 108を受け入れる受容部184,186を備える。各マグネットキャリア118,119はそれぞれ1組のスピンドル140,142及び150,152を備え、スピンドルの各組は各受容部184,186の反対側で外側に突出する。受容部184,186、即ちキャリア118,119はハウジング132の長手軸に沿って縦一列に並び、ハウジング132の長手軸に直角な横の回転軸をもつ。スピンドル140,142,150,152は夫々ハウジング132に受容され、その側部の穴154,156,158,160によって回転自在に支持される。穴154,156,158,160には夫々導入ランプ163,165,167,169が設けられ、穴154,156,158,160にスピンドル140,142,150,152をはめ込んだ形でキャリア118,119をハウジング132にスナップ嵌合できるようになっている。ハウジング132はモータ室141を持つ。このモータ室141用としてカバー133が設けられる。このようにしてマグネットキャリア118,119がハウジング132により回転自在に支持される。ハウジング132においてマグネットキャリア118,119を回転支持するために用いられる特定要素は本発明にとって重要なものではない。ハウジング132おいてキャリア118,119を回転自在に支持するべく図示した形態は組み付けの容易性という観点から選択されたものである。あるいはこれとは別に、キャリア118,119を、心棒やシャフトやピン、又は穴154,156,158,160の代りに使用できる他の支持機構を介してハウジング132によって回転支持することもできる。また別の例としては、ハウジング132をクラムシェル型にし、クラムシェルの半体同士を組み付けた際に、スピンドルを回転自在に支持する適当な支持構造にスピンドル140,142,150,152が挿入されるようにすることも可能である。
【0021】
各フック爪134,136は各マグネットキャリア118,119に一体形成される。従って、各受容部184,186と各フック爪134,136との間には相対回転がなく、各フック爪134,136及び各受容部184,186、即ち各マグネットキャリア118,119は1つのユニットとして回転する。
【0022】
或いは、フック爪134,136をマグネットキャリア118,119と別に形成し、各フック爪が各マグネットキャリアと共に1ユニットとして回転するようにフック爪をマグネットキャリアに取り付けるようにしてもよい。又、別の例としては、フック爪とマグネットキャリアを夫々独立した部品で形成した場合において、各キャリア118,119と各フック爪134,136との間にある範囲の相対運動があるようにしてもよい。このような場合、各キャリア118,119に対し図示した現在位置に向けて各フック爪134,136をバネ付勢する必要がある。この相対運動によって、各フック爪134,136が各受座124,126の軌道外へと移動することが可能となり、ドアが閉止位置に向けて移動中にある時、各フック爪がたまたま係止位置にあるならば、必ずしも回転磁石106,108を動かすことなく、ドアを閉止位置に向かって移動させることが可能になる。
【0023】
各マグネットキャリア118,119は又、それぞれ複数の歯187,189を有する。各組の歯187,189は、各マグネットキャリア118,119の回転軸を中心とした円の一部からなる円弧に沿って分配される。各マグネットキャリア118,119の回転軸は、当然ながら、各マグネットキャリア118,119の各組のスピンドル140,142又は150,152の中心軸によって定められる。各マグネットキャリア118,119の歯187,189は、マグネットキャリアの各受容部184,186によって支持され、かつ一体化される。ラックバー117の歯113が、これらの歯187,189と噛み合う。
【0024】
ラッチ機構100は、その長さ方向に沿って配置された1組の歯113を持つラックバー117を備える。1組の歯113は複数の歯からなる。歯113は、マグネットキャリア118,119がラックバー117によって連携するように歯187,189と連続して噛み合う。ラックバー117は、図12,35,38,42に示す係止位置と、図14,31,44に示す非係止位置との間でその長手軸方向において前後に直線運動できるように支持される。このラックバー117によりマグネットキャリア118,119が同時に移動でき、以ってキャリアと回転磁石106,108が共通の作動機構によって係止位置から非係止位置へ移動して2つのドア102,104を同時開放する。ラックバー117は、その直線運動を制限するためのスライドバー115を支持する。歯113がスライドバー115と歯187,189の中間に位置するように、スライドバー115の一部がラックバー117によって少なくとも部分的に囲まれる。スライドバー115の他の部分はラックバー117のスロットから外側に突き出ており、更にラッチ機構100を作動するためのボーデンケーブル120の端部において円筒ダボ109を受け入れるように形成された受容部107を備える。スライドバー115は、ラックバー117に対しロック位置と非ロック位置との間で直線的に移動可能である。バネ170がスライドバー115とラックバー117の中間に設けられ、スライドバー115をロック位置に向けて付勢する。スライドバー115がロック位置にある時、ボールベアリング172がラックバー117の両側から外側に突き出すように、バネはラックバー117の両側にある開口部174から外側へと1個又はそれ以上のボールベアリング172を押圧する。スライドバー115がロック位置にあり、かつラックバー117が係止位置にある時、ボールベアリング172はハウジング132内の凹部173に係合し、スライドバー115が非ロック位置に移動しない限りロックバー117が移動できないようにする。バネ170については、衝突の際に予想される力のもと、スライドバー115が自分自身の慣性によって動くことができないようなバネ定数が選択される。このようにして、ボールベアリング172と凹部173との係合により、実質的にラッチ100が衝突中に非係止状態になることを回避し、ラッチ100を衝突による非係止に対し強くする。
【0025】
スライドバー115は、同バー115が非ロック位置にある時、開口部174と位置が一致する凹部175を有する。一旦スライドバー115が非ロック位置に位置したならば、凹部175によりボールベアリング172はラックバー117内に引き込むことができ、ラックバー117は非係止位置への移動が自由になる。
【0026】
受容部107は、円筒形のバレル又はスリーブ状であり、少なくとも一端が開口している。L字状スロット111がバレル状の受容部107の壁を貫く。L字状スロット111は受容部107の長さ方向に沿って受容部107の開口端からその約中間地点まで延びる。その位置からL字状スロット111が受容部107の長手方向に垂直な円弧に沿って延びることにより“L”の形ができる。スロット111はボ−デンケーブル120がスロット111を通って延びるほど充分広い。ダボ109は、スロット111を通って適合しないで受容部107内に適合するならば、球状であってもよく、或いは他の形状寸法を有してもよい。
【0027】
ハウジング132は、ボーデンケーブル120のカバー123の一端を支持できるU字状スロット110を備えたブラケット103を有する。ボーデンケーブル120によりラッチ機構100の遠隔操作が可能になる。ボーデンケーブル120のカバー123の一端をブラケット103のU字状スロット110内に装着し、ダボ109を受容部107に配置し、ボーデンケーブル120の遠い方の端部(図示せず)を引っ張ることで、スライドバー115をそのロック位置から非ロック位置へと直線移動することができる。スライドバー115のこの初期動作によりラックバー117は自由に非係止位置へと移動できるようになる。ロック位置から非ロック位置へのスライドバー115の移動範囲は相対的に制限されるが、ボーデンケーブル120の遠い方の端部(図示せず)を更に引っ張ると、スライドバー115とラックバー117が共に直線移動し、この結果ラックバー117はその係止位置から非係止位置まで移動する。この結果、回転磁石106,108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、仮にこれらが初め係止位置にあると仮定すると、それぞれの係止位置から非係止位置へと回転することになる。
【0028】
ボーデンケーブル120の遠い方の端部は手動で引いても、或いは電気アクチュエータを使用して引くようにしてもよい。一般に、このラッチ機構100の手動又は電気操作のためのユーザーインターフェースとして、幾つかの種類のリモートハンドルやプッシュボタンが夫々提供される。
【0029】
ラッチ機構100は、そのハウジング132をフレームやコンパートメント194に搭載することにより、フレームやコンパートメント194に据え付けられる。回転磁石106, 108は、磁気インサート114,116の位置から見て、露出したり見える必要はない。しかしながら、フック爪134,136がドア枠194を通って延び、係止位置まで回転したときに受座124,126と係合するように、スロット196,198等をドア枠194に設けなければならない。ハウジング132をドア枠194に取り付ける手段に関しては本発明では重要ではなく、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含むいかなる固定手段を用いてもよい。更に、ハウジング132はドア枠194と一体形成してもよい。
【0030】
正確かつ確実に両ドアが係止するために磁石106, 108は、ドア102,104を引っ張る。磁石106, 108は、最終的な動作位置と閉止位置にあるドア102,104の間隙状態を制御する。また磁石106,108は、機構が非係止の際のドア102,104の開放を補助する。
【0031】
ラッチ機構100を開放するため、例えばボタン(図示せず)が押される。これによりボーデンケーブル120の遠い方の端部が前述した機構の1つによって引っ張られる。ボーデンケーブル120を引くことにより、回転磁石106,108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136が夫々の係止位置から非係止位置へと回転する。この動作は、フック爪134,136を夫々の受座124,126より係合解除し、ドア102,104を機械的に開放する。加えて、磁石106,108が夫々の非係止位置へと回転され、そこで磁石はドア102,104に付けられた磁気インサート114,116をはねかえし、ドアを旋回開放する。一旦、磁石106,108が磁気インサート114,116の磁場の影響を受けなくなり、ボーデンケーブル120が解放されたならば、磁石106,108の内、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同様)によって、回転磁石106,108、磁気インサート114,116及びフック爪134,136が非係止位置近くの第1の中間位置(図15,41参照)に保持されることになり、この中間位置は閉止位置に向かってドア102,104が移動した際にドア102,104をラッチするための準備位置となる。図示した実施形態では、回転磁石108のS極に対する回転磁石106のN極の磁力が、回転磁石106,108、磁気インサート114,116及びフック爪134,136を第1の中間位置に保持する。
【0032】
ドア102,104を閉じるためドア102,104の一方が押され閉止される。この動作はドア間の機械的連携(図示せず)を介して他方のドアを閉止位置へと引くことになるが、連携の遊びのために一方のドアが他方のドアに遅れをとることになる。一旦、ドア102,104が殆ど閉じられた状態になると、回転磁石106,108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、磁気インサート114,116の磁場の影響下で夫々の係止位置に向けて回転し始めることになり、結果としてこれらは係止位置近くの第2中間位置に位置するようになる。この時点で磁気インサート114,116と夫々の回転磁石106,108との間の極力な磁力が、遅れていたドアを加速し、双方のドアを同時に閉じさせると共に、回転磁石106,108とフック爪134,136が係止位置へ同時に回転する。この時点ではフック爪134,136は受座124,126に係合し、磁気インサート114,116と回転磁石106,108との間には強力な磁力が生じている。これにより双方のドアは閉止位置において機械的かつ磁気的に保持される。従って、磁気ラッチ機構100は、ドア102,104の機械的連携の遊びと閉止位置近くのドア間の位置的差異を許容しつつもドアをきっちりかつ同時に閉じるラッチシステムを提供する。
【0033】
仮にドア102,104間のラグがかなり大きい場合には、遅れ側のドアが閉止位置に到着する前に一方のドアを完全に閉め、回転磁石106,108とフック爪134,136の双方を夫々の係止位置に移動させてもよい。そのような場合、遅れ側ドアの受座は、フック爪を前述した軌道の外へと移動させることになり、遅れ側ドアを閉止位置へと移動させ、ここでフック爪と回転磁石が夫々の係止位置に戻り、遅れ側ドアを閉止位置に固定することになる。マグネットキャリア118,119の連携により、既に閉じられている先行側ドアに対応するフック爪が一時的に受座より外れるかもしれない。しかしながら、一旦遅れ側ドアが完全に閉じたならば先行側ドアのフック爪が再び受座と係合できるくらいの磁力により、この先行側ドアは閉じたままの状態となる。遅れ側ドアの閉じ動作中の全ての時において、遅れ側ドアの受座と回転磁石との間には充分強力な磁力が存在し、上述したように遅れ側ドアの閉じ動作を達成できるほど遅れ側ドアの閉じ動作中の回転磁石移動は僅かであるということが、フック爪とそれぞれの受座の相対的比率から明らかである。
【0034】
磁気ラッチ機構100は、ラックバー117をその長手軸方向に係止位置と非係止位置との間で選択的に移動するモータドライブ121を備えてもよい。即ち、モータドライブ121はボーデンケーブル120と同じ機能を果たし、例えば、モータドライブ121によって磁気ラッチ機構100を電気的に作動可能にする一方でボーデンケーブルにより手動のオーバーライドを可能にするといったような用途で用いる際のボーデンケーブル120の付加システムとして提供される。またこのボーデンケーブル120は、余剰の電気作動システムが所望されるような用途に対して電気的に作動することが可能である。
【0035】
モータドライブ121は出力ギア127を駆動するモータ125を備える。ギア127は幾つかの図面ではディスクとして示されているが、当然ながらその周囲に歯を配したギアである。ギヤ127はモータ125の出力軸によって駆動される。ギヤ127はギヤ129と定常的に噛み合っている。ギヤ129は駆動ネジ131と一体構造である。駆動ネジ131はハウジング132に回転自在に支持されている。駆動ネジ131は、スライダ143に形成されたボアの相手側雌溝や雌ネジと係合関係にある少なくとも1つの雄ヘリカルネジを有する。スライダ143は、ハウジング132に支持され、駆動ネジ131の回転に応じて直線的な運動をする。スライダ143はスライドバー115の突起147と係合可能な突起155を有する。
【0036】
ラックバー117が係止位置にあり、スライドバー115がロック位置にある時、スライドバー115の突起147は突起155近くに位置し、スライダ143はギヤ129から離れた位置にある。これがスライダ143の係止位置である。モータ125が起動するとギヤ127が回転し、ギヤ129と駆動ネジ131が回転する。この第1方向の駆動ネジ131の回転によりスライダ143が直線的に移動し、突起155を突起147に係合させる。駆動ネジ131の回転が継続することでスライダ143のギヤ129に向かう直線運動も継続することとなり、スライドバー115はロック位置から非ロック位置へと直線運動する。スライドバー115のこの初期移動はラックバー117の非係止位置への移動を自由にする。ロック位置から非ロック位置に向かうスライドバー115の移動範囲は相対的に制限され、駆動ネジ131の更なる回転によりスライダ143はギヤ129に向かう直線移動を継続し、ラックバー117が係止位置から非係止位置へと移動されるようにスライドバー115とラックバー117の双方を直線移動させる。この結果、回転磁石106,108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、最初に係止位置にあると仮定した場合、夫々の係止位置から非係止位置への回転を余儀なくされる。この時スライダ143は非係止位置にある。非係止位置へのラックバー117とマグネットキャリア118,119の移動によりドア102,104が開くことになる。
【0037】
非係止作動が終了したならば、適当な制御回路やソフトウエアを用いてモータ125の電流を反転し、第1方向とは逆の第2方向へと駆動ネジ131を回転させてスライダ143を係止位置へと戻し、再び係止サイクルを繰り返す用意をさせる。スライダ143を係止位置に戻すと突起155が突起147よりはずれ、磁石106,108の内の一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同じ)により、回転磁石106,108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、閉止位置に向かってドア102,104を移動する際にドア102,104を係止するための第1中間位置に保持される。
【0038】
前述したように、非係止位置では磁石106,108の反対極間の磁力により、ドア102,104が再び夫々の閉止位置へと移動されるまで、マグネットキャリア118,119は夫々の非係止位置近くに保持される。その時、ラッチ100は、次にドア102,104が夫々の閉止位置へと移動される場合に備え、その作動サイクルを繰り返す用意をする。
【0039】
図72乃至図105に本発明の第2実施形態100aを示す。本実施形態100aは、以下記述する差異点を除き、先の実施形態100と本質的に同様である。
【0040】
ラッチ機構100aは、その長さ方向に沿って配置された1組の歯113を持つラックバー117aを備える。1組の歯113は複数の歯からなる。歯113は、マグネットキャリア118,119がラックバー117aによって連結されるように歯187,189と連続して噛み合う。ラックバー117aは、図90及び図93に示す係止位置と、図94に示す非係止位置との間でその長手軸方向において前後に直線運動できるように支持される。このラックバー117aによりマグネットキャリア118,119が同時に移動でき、以ってキャリアと回転磁石106, 108が共通の作動機構によって係止位置から非係止位置へ移動して2つのドア102,104を同時開放する。ラックバー117aは、ラッチ機構100aを作動するためのボーデンケーブル120の端部において円筒ダボ109を受け入れるように形成された受容部107を備える。ダボ109を受容部107に配置し、ボーデンケーブル120の遠い方の端部(図示せず)を引っ張ることで、ラックバー117aをその係止位置から非係止位置へと直線移動することができる。この結果、回転磁石106, 108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、これらが初めに係止位置にあると仮定して、それぞれの係止位置から非係止位置への回転を余儀なくされる。
【0041】
磁気ラッチ機構100は又、ラックバー117aをその長手軸方向に係止位置と非係止位置との間で選択的に移動するモータドライブ121aを備える。モータドライブ121aは遠心クラッチ127aを駆動するモータ125を備える。遠心クラッチ127aは公知のものであり、ここでは詳しくは記述しない。遠心クラッチ127aはモータ125の出力軸によって駆動される。モータ125の出力軸が回転すると、細長いロッド(図示せず)が遠心クラッチ127aの両側にある開口部から突出し、弓状フィン129aと噛み合い、モータ125の出力軸を駆動ネジに接続する。モータ125の出力軸が回転しない時には、細長いロッドが遠心クラッチ127a内へと引き込まれ、駆動ネジ131がモータ125からの如何なる抵抗なく自由に回転できるように駆動ネジ131をモータ125から切り離す。弓状フィン129aは駆動ネジ131と一体構造である。駆動ネジ131は、ハウジング132aにより回転自在に支持される。駆動ネジ131は、スライダ143aに形成されたボアの相手側雌溝や雌ネジと係合関係にある少なくとも1つの雄ヘリカルネジを有する。スライダ143aは、駆動ネジ131の回転に応じて直線的な運動をするようにハウジング132aに支持されている。スライダ143aはラックバー117aの突起147aと係合可能な突起155aを有する。
【0042】
ラックバー117aが係止位置にある時、スライダ143aもまた係止位置にある。モータ125が起動することで遠心クラッチ127aは弓状フィン129aと係合し、駆動ネジ131を回転させる。この第1方向の駆動ネジ131の回転により、スライダ143aはモータ125に向かって直線運動し、次いでラックバー117aをその係止位置から非係止位置へと直線移動させることになる。この結果、回転磁石106, 108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、これらが初めに係止位置にあると仮定して、それぞれの係止位置から非係止位置への回転を余儀なくされる。ラックバー117aとマグネットキャリア118,119の非係止位置への移動によりドア102,104が開放可能になる。
【0043】
非係止動作が完了すると、モータ125の電流はオフとなり、モータ125への電源供給が停止され、結果としてクラッチ127aは弓状フィン129aや駆動ネジ131との接続が解除される。磁石106,108の内の一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同じ)により、回転磁石106,108、マグネットキャリア118,119及びフック爪134,136は、閉止位置に向かってドア102,104を移動する際にドア102,104を係止するための第1中間位置に保持される。
【0044】
ドア102,104が開放される際には回転磁石106,108とフック爪134,136は夫々係止位置に回転する。この動作によりスライダ143aは係止位置に戻る。係止位置へのスライダ143aの直線移動の間、クラッチ127aがネジ131から接続解除されるため駆動ネジ131は自由に回転し、モータ125によるスライダ143aの係止位置への移動には抵抗がない。
【0045】
ラックバー117aを非係止位置まで押圧し、ラッチを解除するほど大きな慣性力を持つ圧壊や衝突の際には、例えばエアバッグセンサや適切な制御回路に一体化された傾きセンサを用いて、通常の非係止時のモータ125の出力軸の回転方向とは逆の方向にモータ125が駆動される。この反転モータ作動によってクラッチ127aはフィン129aと駆動ネジ131と係合し、爪と回転磁石をそれぞれの係止位置に保持し、ラッチ100aを衝突による非係止状態化に対して抵抗させる。
【0046】
図106乃至図113に本発明の第3実施形態100bを示す。本実施形態100bは、以下記述する差異点を除き、先の実施形態100と本質的に同様である。実施形態100bにおいては、モータ125の出力軸の長手軸が駆動ネジ131の長手軸と一致し、モータ125の出力軸が直接、ギヤ127,129が要らない駆動ネジ131に取り付けられる。また、スライダ143aはスライダ143とは若干形状が異なるが、まったく同様に機能する。その他の点では実施形態100,100bは同一である。
【0047】
提示したこれら実施形態に加え、衝突時、非係止状態になるのに抵抗するラッチを作る沢山の方法が本発明の一部として検討された。限定されるものではないが、これらは:
1) ラックバーにシリコンダンパーを一体化する。これによりシステムは開閉時、減衰される。ラックバーの移動に対するダンパーの抵抗は、圧壊時に直面する衝撃力に応じてかなり大きいものである。これにより、圧壊条件下における有効システム質量慣性を増加することになる。
2) 磁石を備えた完全なアセンブリの質量中心が同アセンブリのピボット軸に出来るだけ近づくようにフック、マグネットキャリア及び回転磁石アセンブリを設計する。これは、圧壊の際に回転磁石アセンブリを非係止状態にしがちな慣性モーメントを最小に抑える。また、直線移動するラックをバランスのとれた回転移動ギヤと交換することも可能である。これにより圧壊時、自身の慣性によって移動しがちな部品をさらに排除することができる(図114参照)
3) 図114に示すようにフックが互いに向かい合うように、1つの係止点を180度回転させる。1個のフックを非係止状態にさせがちな力は、他のフックを係止状態に保持しがちになる。これにより、確実に少なくとも1個のフックと回転磁石が常時係止されたままになる。この時ドア間のリンケージは圧壊の際にドアがパッと開くのを防止する。
4) ドアがパッと開き傾向にある時、キーパーがフックを係止位置に引き戻すように、凹部/アンダーカット197を備えたフックやキーパーを設計する(図117参照)。
5) 通常の開閉の際、フックや回転磁石が動き出す前にモータ走行を介して開く第2捕捉部を加える。幾つかの実施例では、フックを移動することなくラックバーを数ミリ動かす必要がある可能性がある。図115に一例を示す。ここでは閉塞てこ181が、非係止方向にマグネットホルダが回転するのを阻止する。閉塞てこはモータにより軌道の外に押される。
6) 図116に示したように独立したソレノイド185によって作動される第2捕捉部材183を加える。捕捉部材は、通常の開閉時、フックや回転磁石が移動する前にラックバー117cとの係合解除に向けて移動される。ラックバーを移動させがちな力が捕捉部材を動かしたりしないように(逆の場合も同様)、捕捉部材183の移動方向はラックバーの移動方向に垂直である。
7) 通常の開閉時、フックや回転磁石が移動する前にモータ作動により開く第2捕捉部を加える。実施形態100はこの一例になる。図118は別の例を示す。ここでは、スライドバー115dがラックバー117dを少なくとも部分的に包囲する。ラックバー117dは片持ちスプリングアーム185dによって支持されるボールベアリングの代りとなる捕捉部材172dを有する。スライドバー115dには捕捉部材172を通過させる穴174dが設けられ、スライドバー115dがロック位置にある時、捕捉部材はハウジング132dの凹部173dに係合する。スライドバー115dが非係止位置へ移動する際、穴174dのエッジはカムのように作用し、ラックバー117dを移動から自由にするべく、捕捉部材172dを凹部173dより係合解除させる(尚、捕捉部材172dはラックバー117dの両側に設けられることが好ましい)。
【0048】
図119乃至図174を参照し、本発明は、第1部材を第2部材に対し閉止位置に固定するための磁気ラッチ機構を対象としており、第1部材は閉止位置と第2部材に対する開放位置との間で移動可能になっている。第1部材は、例えばドアからなり、第2部材は例えばコンパートメントやドア枠であってもよい。図示した例では、1つ又はそれ以上のドアがコンパートメントを閉じるものとして提供される。本発明によるラッチは特に、機械的に連携された2つのドアが閉止位置で固定されるような用途に適している。そのような用途では、2つのドアの内、閉じている側のドアが他方のドアを閉止位置へと移動させる。しかしながら、ドア間の機械的連携は完全ではなく、両ドアの閉じは必ずしも同期しない。閉じの際に一方のドアが他方のドアより僅かに遅れることが往々にしてある。本発明の磁気ラッチでは、ひとたびドアがラッチ磁石の磁場の影響域内に位置したならば、ドアは磁力によって最終的な閉止位置に引かれることになる。従って、2つドアの用途において、ドアがそれらの閉止位置に接近する際、ドアの相対的な位置にかなりの変動があろうとなかろうと各ドアの最終的な閉止位置への移動は、適切に達成される。即ち、本発明のラッチは、仮に一方のドアが他方のドアに対し遅れをとったとしても両ドアを確実に閉止位置に固定するように設計される。
【0049】
図119乃至図174に、本発明による2個の回転磁石付き磁気ラッチ機構200の実施形態を示す。ラッチ機構200は、2つのドア202,204をほぼ同時に閉止位置に固定するように設計された遠隔操作式のラッチ機構であり、2個の回転磁石206,208を使用する。ラッチ機構200は、その回転磁石206,208を平行かつ隔置された回転軸周りで回転可能に支持し、ドア202,204のピボットやヒンジの間に装着されるように設計される。また、回転磁石206,208は同一方向に回転する。各回転磁石206,208は分離したマグネットキャリア218,219に夫々支持される。各マグネットキャリア218,219はハウジング232に回転可能に支持される。回転磁石206,208の夫々は、回転磁石と夫々のマグネットキャリアが1ユニットとして回転するように、各マグネットキャリア218,219に取り付けられる。各回転磁石206,208と夫々のマグネットキャリア218,219は夫々、係止位置と非係止位置との間で回動可能である。
【0050】
磁気ラッチ機構200はまた、1組のフック爪234,236を備える。各フック爪234,236は、爪234,236と夫々のマグネットキャリア218,219が1ユニットとして回転するようにマグネットキャリア218,219に支持される。フック爪234,236の各々は、夫々のマグネットキャリア218,219から離れる方向に面するベベルカム面238と、マグネットキャリア218,219に対面する捕捉面244とを備えたフックヘッド222を有する。
【0051】
磁気ラッチ機構200はまた、ドア202,204に夫々取り付け可能な磁気インサート214,216を備える。磁気インサート214,216の夫々は、回転磁石206,208の夫々に対応する。回転磁石206,208が夫々の係止位置にあって、ドア202,204が夫々の閉止位置にある時、各磁気インサート214,216に対向する回転磁石206,208夫々の各極は、各回転磁石206,208に対面する磁気インサート214,216の磁極とは反対のタイプ(即ち、N極、S極)になる。図示した例においては、磁気インサート214,216は、ドア202,204が閉止位置にある時、夫々のS極が各回転磁石206,208に対面するように配置される。図示例ではまた、回転磁石206,208は、磁石206,208とそれらのキャリアが係止位置にあり、かつ各ドア202,204が閉止位置にある時、各磁石のN極が各磁気インサート214,216に対面するように各キャリア218,219内に配置される。従って、磁気インサート214,216を取り付けたドア202,204が閉止位置に保持された場合、各回転磁石206,208と各磁気インサート214,216との間には引力が働く。
【0052】
更に、フック爪234,236はドア202,204の閉止位置から開放位置への運動を機械的に阻止する受座224,226と夫々係合する。この特徴により、ドア202,204によって固定されたコンパートメントの外側から強制的にドア202,204をこじ開けられるのを防いでいる。
【0053】
磁気ラッチ機構200は、1組の受座224,226を有し、夫々は1組のフック爪234,236の夫々に対応している。各受座224,226は、受座が各ドアの内面から離れて置かれ、フック爪234,236のヘッド222が各受座224,226と各ドア202,204との間で適合できるように、各ドア202,204により支持される。各受座224,226は各ドア202,204から離れた方向に面するカム面228と、各ドア202,204に対向する捕捉面230とを備える。各受座のカム面228は、各フック爪234,236のカム面238と相互作用し、爪を受座224,226の軌道の外に移動することができ、各ドアが閉止位置に向けて移動している時、図128乃至図131に示すようにたまたま各フック爪が係止位置にあるならば、各ドアをその閉止位置へと移動することができる。一旦ドア202,204が閉止位置に至ると、各回転磁石206,208・各磁気インサート214、216間の磁力により各フック爪234,236が係止位置に移動する。係止位置では、各フック爪234,236のヘッド222は各受座224,226と、各ドア202,204との間に位置し、そこでは各フック爪234,236の捕捉面244が各受座224,226の捕捉面230に係合でき、各ドア202,204の閉止位置から開放位置への移動を機械的に阻止するようになっている。
【0054】
回転磁石206,208が非係止位置(図132及び図162参照)にあって、かつドア202,204が夫々閉止位置(図119参照)にある時、磁気インサート214,216の磁極とは反対の回転磁石206,208夫々の各極は、各磁気インサート214,216から離れて位置する一方、回転磁石206,208に対面する磁気インサート214,216の磁極と同じ回転磁石206,208夫々の各極は、回転磁石206,208の係止位置に対して、各磁気インサート214,216により近く位置することになる。この非係止位置においては、各回転磁石206,208と各磁気インサート214,216の同極との間に働く反発力が、各回転磁石206,208と各磁気インサート214,216の反対極との間に働く引力に打ち勝つ。従って、正味反発力が各磁石206,208と各磁気インサート214,216の間に作用する。更に、フック爪234,236は、回転磁石206,208や磁石キャリア218,219と共に夫々の非係止位置へと回転し、それは磁気インサート214,216を取り付けたドア202,204が閉止位置から開放位置へと移動される結果をもって、ドア202,204の開放への機械的な障害を排除する。
【0055】
ここでは、図示した例において、磁気インサート214,216は、ドア202,204が閉止位置にあるとき、夫々のS極が各回転磁石206,208に対面するように配置されることを想起されたい。図示した例においては、回転磁石206,208と夫々のキャリア218,219が係止位置から非係止位置へと移動した際には、回転磁石206,208のN極は、磁気インサート214,216のS極から離れる方向に移動し、回転磁石206,208のS極が磁気インサート214,216に向かって移動することになり、その結果、回転磁石206,208がそれぞれの非係止位置に到達した際には正味引力が各回転磁石206,208と磁気インサート214,216との間に作用する。
【0056】
回転磁石206,208とキャリア218,219が係止位置から非係止位置まで移動する時には、それらは10°より大きくかつ180°以下の範囲の角度で移動する。より好ましくは、回転磁石206,208とキャリア218,219は、それらが係止位置から非係止位置まで移動する時には、30°以上、180°以下の範囲の角度をもって移動する。また更に好ましくは、回転磁石206,208とキャリア218,219が係止位置から非係止位置まで移動した時には、45°以上、145°以下の範囲の角度をもって移動する。又、より好ましくは、回転磁石206,208とキャリア218,219は、それらが係止位置から非係止位置まで移動する時には、60°以上、120°以下の範囲の角度をもって移動する。更に好ましくは、回転磁石206,208とキャリア218,219は、それらが係止位置から非係止位置まで移動する時には、80°以上、115°以下の範囲の角度をもって移動する。図示した例では、回転磁石206,208とキャリア218,219が係止位置から非係止位置まで移動した際、それらはおおよそ110°(110°±10°)の角度をもって移動する。より正確に言えば、図示した例で、回転磁石206,208とキャリア218,219が係止位置から非係止位置まで移動した際、それらは約110°の角度で移動する。
【0057】
回転磁石206,208の反対側の極は、係止位置において各回転磁石206,208に対面する磁気インサート214,216の極に直接向かい合う必要はない。回転磁石206,208は、回転磁石の反対側の極と、磁気インサートの反対側の極との間の直接対面関係から、0°≦θ<90°の範囲内の角度θで逸脱してもよい。この場合、回転磁石206,208に対するフック爪の位置は当然それに従って調整されなければならない。当然ながら、回転磁石の反対側の極と、磁気インサートの反対側の極との間の直接対面関係(即ち、0度又は約0°)は、ラッチ機構に対しては最も大きな保持力を提供するため、回転磁石206,208のN極が、その係止位置において、回転磁石の反対側の極・磁気インサートの反対側の極間の直接対面関係に出来るだけ近づくことは好ましいことである。考慮すべきキーポイントは、回転磁石206,208のN極がそれぞれのS極よりも、ある程度(即ち、回転磁石がドア202,204を引張り、ここで述べた閉止位置に保持するのに十分な程の正味引力が、回転磁石206,208と各磁気インサートとの間に発生するくらい)磁気インサートのS極に近くなるように、係止位置にある回転磁石206,208の角度位置が選択されなければならないということである。図示した例では係止位置において、回転磁石206,208のN極は、夫々の磁気インサートのS極との直接対面関係から数度ずれている。
【0058】
各磁気インサート214,216は、夫々を磁気インサートハウジング276,278に挿入し、さらにハウジングをドア202,204の各々に取り付けることでドア202,204の夫々に取り付けられる。図示した例では、磁気インサートハウジング276,278はネジ280によってドア202,204に取り付けられる。
【0059】
磁気インサートハウジング276,278をドア202,204に取り付ける手段は本発明においては重要ではなく、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。更に、磁気インサートハウジング276,278をドア202,204と一体形成してもよい。磁気インサートハウジング276,278をそのまま省略し、磁気インサート214,216を直接ドア202,204に取り付けてもよい。ハウジング276,278と同様に、磁気インサート214,216をドア202,204に取り付けるのに、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。また別の方法として、磁気インサート214,216をドア202,204の材料に埋め込むようにしても良い。
【0060】
図示実施形態では、受座224,226は夫々磁気インサートハウジング276,278と一体形成されている。ハウジング276,278と同様に、受座224,226をドア202,204に取り付ける手段は本発明において重要ではない。フック爪234,236のヘッド222を各受座224,226と各ドア202,204との間で適合させるべく各ドアの内面から受座を十分な距離をもって隔てるように受座224,226を支持するならば、どんな適切な構造でもよく、その構造を各ドアに取り付けるに当たってはネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。更に、受座224,226をドア202,204と一体形成してもよい。
【0061】
磁気ラッチ機構200は、夫々回転磁石206,208を取り付けたマグネットキャリア218,219を回転自在に支持するハウジング132を備える。ハウジング232の上部開口部205によって、フック爪234,236はハウジング232の外に延び、係止位置にある受座224,226と係合する。
【0062】
各マグネットキャリア218,219は各回転磁石206, 208を受け入れる受容部284,286を備える。各マグネットキャリア218,219はそれぞれ1組のスピンドル240,242及び250,252を備え、スピンドルの各組は各受容部284,286の反対側で外側に突出する。受容部284,286、即ちキャリア218,219はハウジング232の長手軸に沿って縦一列に並び、ハウジング232の長手軸に直角な横の回転軸をもつ。スピンドル240,242,250,252は夫々ハウジング232の側部の穴254,256,258,260に受容され、回転自在に支持される。穴254,256,258,260には夫々導入ランプ263,265,267,269が設けられ、穴254,256,258,260にスピンドル240,242,250,252をはめ込んだ形でキャリア218,219をハウジング232にスナップ嵌合できるようになっている。ハウジング232はモータ室241を持つ。このモータ室241用としてカバー233が設けられる。このようにしてマグネットキャリア218,219がハウジング232により回転自在に支持される。ハウジング232においてマグネットキャリア218,219を回転支持するために用いられる特定要素は本発明にとって重要なものではない。ハウジング232おいてキャリア218,219を回転自在に支持するべく図示した形態は組み付けの容易性という観点から選択されたものである。あるいはこれとは別に、キャリア218,219を、心棒やシャフトやピン、又は穴254,256,258,260の代りに使用できる他の支持機構を介してハウジング232によって回転支持することもできる。また別の例としては、ハウジング232をクラムシェル型にし、クラムシェルの半体同士を組み付けた際に、スピンドルを回転自在に支持する適当な支持構造にスピンドル240,242,250,252が挿入されるようにすることも可能である。
【0063】
各フック爪234,236は各マグネットキャリア218,219に一体形成される。従って、各受容部284,286と夫々のフック爪234,236との間、及び各フック爪234,236と夫々の受容部284,286との間には相対回転がなく、即ち各マグネットキャリア218,219は1つのユニットとして回転する。
【0064】
或いは、フック爪234,236をマグネットキャリア218,219と別に形成し、各フック爪が各マグネットキャリアと共に1ユニットとして回転するようにフック爪をマグネットキャリアに取り付けるようにしてもよい。又、別の例としては、フック爪とマグネットキャリアを夫々独立した部品で形成した場合において、各キャリア218,219と各フック爪234,236との間にある範囲の相対運動があるようにしてもよい。このような場合、各キャリア218,219に対し図示した現在位置に向けて各フック爪234,236をバネ付勢する必要がある。この相対運動によって、各フック爪234,236が各受座224,226の軌道外へと移動することが可能となり、ドアが閉止位置に向けて移動中にある時、各フック爪がたまたま係止位置にあるならば、必ずしも回転磁石206,208を動かすことなく、ドアを閉止位置に向かって移動させることが可能になる。
【0065】
各マグネットキャリア218,219は又、それぞれ複数の歯287,289を有する。各組の歯287,289は、各マグネットキャリア218,219の回転軸を中心とした円の一部からなる円弧に沿って分配される。各マグネットキャリア218,219の回転軸は、当然ながら、各マグネットキャリア218,219の各組のスピンドル240,242又は250,252の中心軸によって定められる。各マグネットキャリア218,219の歯287,289は、マグネットキャリアの各受容部284,286によって支持され、かつ一体化される。ラックバー217の歯213が、これらの歯287,289と噛み合う。
【0066】
ラッチ機構200は、その長さ方向に沿って配置された1組の歯213を持つラックバー217を備える。1組の歯213は複数の歯からなる。歯213は、マグネットキャリア218,219がラックバー217によって連携するように歯287,289と連続して噛み合う。ラックバー217は、図130,153,156,160に示す係止位置と、図132,149,162に示す非係止位置との間でその長手軸方向において前後に直線運動できるように支持される。このラックバー217によりマグネットキャリア218,219が同時に移動でき、以ってキャリアと回転磁石206,208が共通の作動機構によって係止位置から非係止位置へ移動して2つのドア202,204を同時開放する。ラックバー217は、その直線運動を制限するためのスライドバー215を支持する。歯213がスライドバー215と歯287,289の中間に位置するように、スライドバー215の一部がラックバー217によって少なくとも部分的に囲まれる。スライドバー215の他の部分はラックバー217のスロットから外側に突き出ており、更にラッチ機構200を作動するためのボーデンケーブル220の端部において円筒ダボ209を受け入れるように形成された受容部207を備える。スライドバー215は、ラックバー217に対しロック位置と非ロック位置との間で直線的に移動可能である。バネ270がスライドバー215とラックバー217の中間に設けられ、スライドバー215をロック位置に向けて付勢する。スライドバー215がロック位置にある時、ボールベアリング272がラックバー217の両側から外側に突き出すように、バネはラックバー217の両側にある開口部274から外側へと1個又はそれ以上のボールベアリング272を押圧する。スライドバー215がロック位置にあり、かつラックバー217が係止位置にある時、スライドバー215が非ロック位置に移動しない限りロックバー217が移動できないように、ボールベアリング272はハウジング232内の凹部273に係合する。バネ270については、衝突の際に予想される力のもと、スライドバー215が自分自身の慣性によって動くことができないようなバネ定数が選択される。このようにして、ボールベアリング272と凹部273との係合により、実質的にラッチ200が衝突の際に非係止状態になることを回避し、ラッチ200を衝突による非係止に対し強くする。図示実施形態では、1個のボールベアリング272と、単一の開口部274及び単一の凹部273が設けられる。
【0067】
スライドバー215は、同バー215が非ロック位置にある時、開口部274とぴったり合う1つ又はそれ以上の凹部275を有する。一旦スライドバー215が非ロック位置に位置したならば、凹部275によりボールベアリング272はラックバー217内に引き込むことができ、ラックバー217は非係止位置への移動が自由となる。図示実施形態では単一の凹部275だけが設けられる。
【0068】
受容部207は、円筒形のバレル又はスリーブ状であり、少なくとも一端が開口している。L字状スロット211がバレル状の受容部207の壁を貫く。L字状スロット211は受容部207の長さ方向に沿って受容部207の開口端からその約中間地点まで延びる。その位置からL字状スロット211が受容部207の長手方向に垂直な円弧に沿って延びることにより“L”の形ができる。スロット211はボ−デンケーブル220がスロット211を通って延びるほど充分広い。球状の拡大部209は、スロット211を通って適合せずに受容部207内に適合するような他の形状寸法を有してもよい。
【0069】
ハウジング232は、ボーデンケーブル220のカバー223の一端を支持できるU字状スロット210を備えたブラケット203を有する。ボーデンケーブル220によりラッチ機構200の遠隔操作が可能になる。ボーデンケーブル220のカバー223の一端をブラケット203のU字状スロット210内に装着し、ダボ209を受容部207に配置し、ボーデンケーブル220の遠い方の端部(図示せず)を引っ張ることで、スライドバー215をそのロック位置から非ロック位置へと直線移動することができる。スライドバー215のこの初期動作によりラックバー217は自由に非係止位置へと移動できるようになる。ロック位置から非ロック位置へのスライドバー215の移動範囲は相対的に制限されるが、ボーデンケーブル220の遠い方の端部(図示せず)を更に引っ張ると、スライドバー215とラックバー217が共に直線移動し、この結果ラックバー217はその係止位置から非係止位置まで移動する。この結果、回転磁石206,208、マグネットキャリア218,219及びフック爪234,236は、仮にこれらが初め係止位置にあると仮定すると、それぞれの係止位置から非係止位置へと回転することになる。
【0070】
ボーデンケーブル220の遠い方の端部は手動で引いても、或いは電気アクチュエータを使用して引くようにしてもよい。この場合、一般に、このラッチ機構300の手動又は電気操作のためのユーザーインターフェースとして、幾つかの種類のリモートハンドルやプッシュボタンが夫々提供されるだろう。
【0071】
ラッチ機構200は、そのハウジング232をフレームやコンパートメント294に搭載することにより、フレームやコンパートメント294に据え付けられる。回転磁石206, 208は、磁気インサート214,216の位置から見て、露出したり見える必要はない。しかしながら、フック爪234,236がドア枠294を通って延び、係止位置まで回転したときに受座224,226と係合するように、スロット296,298等をドア枠294に設けなければならない。ハウジング232をドア枠294に取り付ける手段に関しては本発明では重要ではなく、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含むいかなる固定手段を用いてもよい。更に、ハウジング232はドア枠294と一体形成してもよい。
【0072】
正確かつ確実に両ドアが係止するために磁石206, 208は、ドア202,204を引っ張る。磁石206, 208は、最終的な動作位置と閉止位置にあるドア202,204の間隙状態を制御する。また磁石206,208は、機構が非係止の時のドア202,204の開放を補助する。
【0073】
ラッチ機構200を開放するため、例えばボタン(図示せず)が押される。これによりボーデンケーブル220の遠い方の端部が前述した機構の1つによって引っ張られる。ボーデンケーブル220を引くことにより、回転磁石206,208、マグネットキャリア218,219及びフック爪234,236が夫々の係止位置から非係止位置へと回転する。この動作は、フック爪234,236を夫々の受座224,226より外し、ドア202,204を機械的に解放するものである。加えて、磁石206,208が夫々の非係止位置へと回転され、そこで磁石はドア202,204に付けられた磁気インサート214,216をはねかえし、ドアを旋回開放する。一旦、磁石206,208が磁気インサート214,216の磁場の影響を受けなくなり、ボーデンケーブル220が解放されたならば、磁石206,208の内、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同様)によって、回転磁石206,208、磁気インサート214,216及びフック爪234,236が非係止位置近くの第1の中間位置(図124乃至図126に示した磁気ラッチ機構の、開放するも不作動な状態に相当)に保持されることになり、そこで閉止位置に向かってドア202,204が移動する際にドア202,204を係止する用意をすることになる。図示した実施形態では、回転磁石208のS極に対する回転磁石206のN極の磁力が、回転磁石206,208、磁気インサート214,216及びフック爪234,236を第1の中間位置に保持する。
【0074】
ドア202,204を閉じるためドア202,204の一方が押されて閉止される。この動作はドア間の機械的連携(図示せず)を介して他方のドアを閉止位置へと引くことになるが、連携の遊びのために一方のドアが他方のドアに遅れをとることになる。一旦、ドア202,204が殆ど閉じられた状態になると、回転磁石206,208、マグネットキャリア218,219及びフック爪234,236は、磁気インサート214,216の磁場の影響下で夫々の係止位置に向けて回転し始めることになり、結果としてこれらは係止位置近くの第2中間位置に位置するようになる。この時点で磁気インサート214,216と夫々の回転磁石206,208との間の極力な磁力が、遅れていたドアを加速し、双方のドアを同時に閉じさせると共に、回転磁石206,208とフック爪234,236が係止位置へ同時に回転する。この時点ではフック爪234,236は受座224,226に係合し、磁気インサート214,216と回転磁石206,208との間には強力な磁力が生じている。これにより双方のドアは閉止位置において機械的かつ磁気的に保持される。この状態は図133乃至図141に示されている。従って、磁気ラッチ機構200は、ドア202,204の機械的連携の遊びと閉止位置近くのドア間の位置的差異を許容しつつもドアをきっちりかつ同時に閉じるラッチシステムを提供する。さらにこの時点では、ラックバー217が定位置にロックされ、スライドバー215が非ロック位置に移動されなくともラックバーが移動できないように、ボールベアリング272はハウジング232の凹部273と係合する。
【0075】
仮にドア202,204間のラグがかなり大きい場合には、遅れ側のドアが閉止位置に到着する前に一方のドアを完全に閉め、回転磁石206,208とフック爪234,236の双方を夫々の係止位置に移動させてもよい。この状態は図130及び図131に示されている。そのような場合、ボールベアリング272がラックバー217をロックすることになり、結果として係止位置にあるフック爪234,236をロックする。遅れ側のドアの受座は各フック爪の上部に当たり、完全な閉止位置へ移動不可能となる。このような結果にならないため制御ピン281,282が設けられる。制御ピン281,282の夫々は、その一端に突出ラグ285を有する細長い軸283の形態をとる。制御ピン281,282は、ハウジング232に支持され、進出位置と後退位置との間で軸283の長手軸方向に直線移動する。制御ピン281,282は、夫々スプリング288,290によってその進出位置に向けてばね付勢される。受座224,226には夫々、パッド部291,292が設けられ、対応するドア202,204が完全閉止位置に移動された時、これらのパッド部は各制御ピン281,282と係合し、後退位置へと移動させる。
【0076】
制御ピン281,282が後退位置にあって初めてラックバー217が係止位置と非係止位置との間を自由に移動できるようなる。ラックバー217には切欠293,295が設けられる。部分的に閉じられた磁気ラッチ機構の形態と、図128乃至図132に示すようなフック爪234,236のほぼ係止位置とに対応する第2中間位置にラックバー217がある時、上記切欠の夫々は各制御ピン281,282のラグ285にぴったり合う。切欠293,295の夫々は、ラックバー217の直線運動方向に垂直な側部と、ラックバー217の直線運動方向に対し緩やかに傾斜した側部を有する。どちらかの制御ピン281,282が進出位置にある時、各々のラグ285は夫々の切欠293,295内に位置し、その際ラグは切欠の最も深い部分に着座し、ラックバー217の直線動作方向に垂直な切欠の側部とラグ285とが係合することで、係止位置に近い第2中間位置から係止位置へのラックバー217の移動を防止する。各切欠293,295の緩傾斜な側部はカムとして作用することができ、対応する制御ピン281,282を後退位置へと移動することができる。即ち、制御ピン281,282はラックバー217の非係止位置への移動を防止できない。従って、ドア202,204の片方又は両方が完全閉止位置の外にある時には、その夫々の制御ピンがラックバー217の係止位置(ここではボールベアリング272と凹部273の係合によりラックバーを定位置にロック可能である)への移動を阻止することになり、遅れ側ドア202,204の受座が、ラックバー217を係止位置にロックした状態でそれぞれ対応したフック爪234,236と衝突するといったような状況は回避されることになる。
【0077】
前述したように、ほぼ係止状態か第2中間位置においてフック爪234,236は、受座224,226の軌道外へと押し出され、遅れ側ドアを閉止位置に移動することができる。この結果、制御ピン281,282は共に後退位置に位置することとなり、フック爪と回転磁石の両方は係止位置に移動して両ドアを閉止位置に固定することができる。先行側ドアはこの遅れ側ドアが完全に閉じられるまでは磁力によって閉じたままとなる。遅れ側ドアの閉じ動作中の全ての時において、遅れ側ドアの受座と回転磁石との間には充分強力な磁力が存在し、仮にあるとしても、上述したように遅れ側ドアの閉じ動作を達成できるほど遅れ側ドア閉じ動作中の回転磁石移動は僅かであるということが、フック爪とそれぞれの受座の相対的比率から明らかである。
【0078】
磁気ラッチ機構200は、ラックバー217をその長手軸方向に係止位置と非係止位置との間で選択的に移動するモータドライブ221を備えてもよい。即ち、モータドライブ221はボーデンケーブル220と同じ機能を果たし、例えば、モータドライブ221によって磁気ラッチ機構200を電気的に作動可能にする一方でボーデンケーブルにより手動のオーバーライドを可能にするといったような用途で用いる際のボーデンケーブル220の付加システムとして提供される。またこのボーデンケーブル220は、余剰の電気作動システムが好ましい適用例に向けて電気的に作動することが可能である。
【0079】
モータドライブ221は、駆動ネジ231に接続された出力軸227を有するモータ225を備える。駆動ネジ231はハウジング232に回転自在に支持されている。駆動ネジ231は、スライダ243に形成されたボアの相手側雌溝や雌ネジと係合関係にある少なくとも1つの雄ヘリカルネジを有する。駆動ネジ231の雄ヘリカルネジは図示実施形態のように連続型でも断続型でもよい。スライダ243はハウジング232に支持され、駆動ネジ231の回転に応じて直線的な運動をする。スライダ243はスライドバー215の突起247と係合可能な突起255を有する。
【0080】
ラックバー217が係止位置にあり、スライドバー215がロック位置にある状態でスライドバー215の突起247は突起255近くに位置し、スライダ243はギヤ229から離れた位置にある。これがスライダ243の係止位置である。モータ225が起動すると駆動ネジ231が回転する。この第1方向の駆動ネジ231の回転によりスライダ243が直線的に移動し、突起255を突起247に係合させる。駆動ネジ231の回転が継続することでスライダ243のモータ225に向かう直線運動も継続することとなり、スライドバー215はロック位置から非ロック位置へと直線運動する。スライドバー215のこの初期移動はラックバー217の非係止位置への移動を自由にする。ロック位置から非ロック位置に向かうスライドバー215の移動範囲は相対的に制限され、駆動ネジ231の更なる回転によりスライダ243はモータ225に向かう直線移動を継続し、ラックバー217が係止位置から非係止位置へと移動されるようにスライドバー215とラックバー217の双方を直線移動させる。この結果、回転磁石206,208、マグネットキャリア218,219及びフック爪234,236は、最初に係止位置にあると仮定した場合、夫々の係止位置から非係止位置への回転を余儀なくされる。この時スライダ243は非係止位置にある。非係止位置へのラックバー217とマグネットキャリア218,219の移動によりドア202,204が開くことになる。
【0081】
非係止作動が終了したならば、適当な制御回路やソフトウエアを用いてモータ225の電流を反転し、第1方向とは逆の第2方向へと駆動ネジ231を回転させてスライダ243を係止位置へと戻し、再び係止サイクルを繰り返す用意をさせる。スライダ243を係止位置に戻すと突起255が突起247よりはずれ、磁石206,208の内の一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同じ)により、回転磁石206,208、マグネットキャリア218,219及びフック爪234,236は図124乃至図126に示す第1中間位置に保持される。この位置は、ドア202,204を閉止位置に向けて移動する際にドア202,204の係止するためのものである。
【0082】
前述したように、一旦ドア202,204が開いたならば、磁石206,208の反対極間の磁力によって、ドア202,204が再び夫々の閉止位置へと移動されるまで、マグネットキャリア218,219が夫々の非係止位置近くに保持される。このようにして、ラッチ200は、ドア202,204が夫々の閉止位置へと移動される次の時に、その作動サイクルを繰り返す用意がある。
【0083】
ラックバー217の下側からフィン297が突き出す。更にセンサ299がハウジング232に設けられる。センサ299は、例えば光ダイオードを発する発光ダイオード(LED)を有するものでもよい。ラックバー217が第2中間位置、即ち係止位置へのラック移動が進出位置にある制御ピン281,282の1つによって阻止される係止位置の近くにある時、フィン297がセンサ299のLED(図示せず)による光ダイオードの照射を妨害し、これにより進出位置にある制御ピンの1つを示す信号が出力される。この信号は、例えば閉止位置への1ドアの動きを妨害するグローブボックスの中身などにより適切に閉じられないドア202,204の1つに対応する。この信号は、磁気ラッチ機構の作動を制御する制御回路やプリント回路基板(PCB)(図示せず)に送られる。仮に、ドア202,204の一方が半開きであることを示す信号が、所定のタイムリミット、又はそれ以上継続して出力されているならば、モータ225を作動させてドア202,204を開き、ユーザー、即ち車両の占有者にドアを再び閉めさせ、確実かつ適当にドアが閉められるように制御回路をプログラミングすることが可能である。
【0084】
図175乃至図297を参照し、本発明は、第1部材を第2部材に対し閉止位置に固定するための磁気ラッチ機構を対象としており、第1部材は閉止位置と第2部材に対する開放位置との間で移動可能になっている。第1部材は、例えばドアからなり、第2部材は例えばコンパートメントやドア枠であってもよい。図示した例では、1つ又はそれ以上のドアがコンパートメントを閉じるものとして提供される。本発明によるラッチは特に、機械的に連携された2つのドアが閉止位置で固定されるような用途に適している。そのような用途においては、2つのドアの内、閉じている側のドアが他方のドアを閉止位置へと移動させる。しかしながら、ドア間の機械的連携は完全ではなく、両ドアの閉じは必ずしも同期しない。閉じの際に一方のドアが他方のドアより僅かに遅れることが往々にしてある。本発明の磁気ラッチでは、ひとたびドアがラッチ磁石の磁場の影響域内に位置したならば、ドアは磁力によって最終的な閉止位置に引かれることになる。従って、2つドアの用途において各ドアの最終的な閉止位置への移動は、ドアがそれらの閉止位置に接近する際、ドアの相対的な位置にかなりの変動があろうとなかろうと適切に達成される。即ち、本発明のラッチは、仮に一方のドアが他方のドアに対し遅れをとったとしても両ドアを確実に閉止位置に固定するように設計される。
【0085】
図175乃至図297に、本発明による2個の回転磁石付き磁気ラッチ機構300の実施形態を示す。ラッチ機構300は、2つのドア302,304をほぼ同時に閉止位置に固定するように設計された遠隔操作式のラッチ機構であり、2個の回転磁石306,308を使用する。ラッチ機構300は、その回転磁石306,308を平行かつ隔置された回転軸周りで回転可能に支持し、ドア302,304のピボットやヒンジの間に装着されるように設計される。また、回転磁石306,308は同一方向に回転する。各回転磁石306,308は分離したマグネットキャリア318,319に夫々支持される。各マグネットキャリア318,319はハウジング332に回転可能に支持される。回転磁石306,308の夫々は、回転磁石と夫々のマグネットキャリアが1ユニットとして回転するように、各マグネットキャリア318,319に取り付けられる。各回転磁石306,308と夫々のマグネットキャリア318,319は夫々、係止位置と非係止位置との間で回動可能である。
【0086】
磁気ラッチ機構300はまた、1組のフック爪334,336を備える。各フック爪334,336は、爪334,336と夫々のマグネットキャリア318,319が1ユニットとして回転するようにマグネットキャリア318,319に支持される。フック爪334,336の各々は、夫々のマグネットキャリア318,319から離れる方向に面するカム面338と、マグネットキャリア318,319に対面する捕捉面244とを備えたフックヘッド322を有する。
【0087】
磁気ラッチ機構300はまた、ドア302,304に夫々取り付け可能な磁気インサート314,316を備える。磁気インサート314,316の夫々は、回転磁石306,308の夫々に対応する。回転磁石306,308が夫々の係止位置にあって、ドア302,304が夫々の閉止位置にある時、各磁気インサート314,316に対向する回転磁石306,308夫々の各極は、各回転磁石306,308に対面する磁気インサート314,316の磁極とは反対のタイプ(即ち、N極、S極)になる。例えば、磁気インサート314,316は、ドア302,304が閉止位置にある時、夫々のS極が各回転磁石306,308に対面するように配置されてもよい。この場合、回転磁石306,308は、磁石306,308とそれらのキャリアが係止位置にあり、かつ各ドア302,304が閉止位置にある時、各磁石のN極が実質的に各磁気インサート314,316に対面するように各キャリア318,319内に配置されるだろう。従って、磁気インサート314,316を取り付けたドア302,304が閉止位置に保持された場合、各回転磁石306,308と各磁気インサート314,316との間には引力が働く。
【0088】
更に、フック爪334,336はドア302,304の閉止位置から開放位置への運動を機械的に阻止する受座324,326と夫々係合する。この特徴により、ドア302,304によって固定されたコンパートメントの外側から強制的にドア302,304をこじ開けられるのを防いでいる。
【0089】
磁気ラッチ機構300は、1組の受座324,326を有し、その夫々は1組のフック爪334,336の夫々に対応している。各受座324,326は、受座が各ドアの内面から離れて置かれ、フック爪334,336のヘッド322が各受座324,326と各ドア302,304との間で適合できるように、各ドア302,304により支持される。各受座324,326は各ドア302,304から離れた方向に面するカム面328と、各ドア302,304に対向する捕捉面330とを備える。各受座のカム面328は、各フック爪334,336のカム面338と相互作用し、爪を受座324,326の軌道の外に移動することができ、各ドアが閉止位置に向けて移動している時、図280に示すようにたまたま各フック爪が係止位置にあるならば、各ドアをその閉止位置へと移動することができる。一旦ドア302,304が閉止位置に至ると、各回転磁石306,308・各磁気インサート314、316間の磁力により各フック爪334,336が係止位置に移動する。係止位置では、各フック爪334,336のヘッド322は各受座324,326と、各ドア302,304との間に位置し、そこでは各フック爪334,336の捕捉面344が各受座324,326の捕捉面330に係合でき、各ドア302,304の閉止位置から開放位置への移動を機械的に阻止するようになっている。
【0090】
回転磁石306,308が非係止位置(図278及び図289参照)にあって、かつドア302,304が夫々閉止位置(図282乃至図284参照)にある時、磁気インサート314,316の磁極とは反対の回転磁石306,308夫々の各極は、各磁気インサート314,316から離れて位置する一方、回転磁石306,308に対面する磁気インサート314,316の磁極と同じ回転磁石306,308夫々の各極は、回転磁石306,308の係止位置に比較して、各磁気インサート314,316により近く位置することになる。この非係止位置においては、各回転磁石306,308と各磁気インサート314,316の同極との間に働く反発力が、各回転磁石306,308と各磁気インサート314,316の反対極との間に働く引力に打ち勝つ。従って、正味反発力が各磁石306,308と各磁気インサート314,316の間に作用する。更に、フック爪334,336は、回転磁石306,308や磁石キャリア318,319と共に夫々の非係止位置へと回転し、それは磁気インサート314,316を取り付けたドア302,304が閉止位置から開放位置へと移動される結果をもって、ドア302,304の開放への機械的な障害を排除する。
【0091】
例えば、再度、磁気インサート314,316は、ドア302,304が閉止位置にあるとき、夫々のS極が各回転磁石306,308に対面するように配置されると仮定する。この場合、回転磁石306,308と夫々のキャリア318,319が係止位置から非係止位置へと移動した際には、回転磁石306,308のN極は、磁気インサート314,316のS極から離れる方向に移動し、回転磁石306,308のS極が磁気インサート314,316に向かって移動することになり、その結果、回転磁石306,308がそれぞれの非係止位置に到達した際には正味引力が各回転磁石306,308と磁気インサート314,316との間に作用する。
【0092】
回転磁石306,308の反対側の極は、係止位置において各回転磁石306,308に対面する磁気インサート314,316の極に直接向かい合う必要はない。非係止位置では、回転磁石306,308は、回転磁石の反対側の極と、磁気インサートの反対側の極との間の直接対面関係から逸脱してもよい。但し、前述したように閉止動作中に一方のドアが他方のドアに遅れているときでも、回転磁石306,308と夫々の磁気インサート314,316との間の正味引力が、信頼性の高いドア302,304の同時係止を成すのに充分大きいという条件付である。この結果が達成される限りにおいては、磁石306,308に対面する各磁気インサート314,316の極と反対側の極性を持つ回転磁石306,308の極は、磁石306,308に対面する各磁気インサート314,316の極に実質上対面しているということができる。当然ながら、回転磁石の反対側の極と、磁気インサートの反対側の極との間の直接対面関係は、ラッチ機構に対しては最も大きな保持力を提供するため、回転磁石306,308のN極が、その係止位置において、回転磁石の反対側の極・磁気インサートの反対側の極間の直接対面関係に出来るだけ近づくことは好ましいことである。考慮すべきキーポイントは、回転磁石306,308のN極がそれぞれのS極よりも、ある程度磁気インサートのS極に近くなるように(即ち、回転磁石がドア302,304を引張り、ここで述べた閉止位置に保持するのに十分な程の正味引力が、回転磁石306,308と各磁気インサートとの間に発生するくらい)、係止位置にある回転磁石306,308の角度位置が選択されなければならないということである。考えられている例では、係止位置において、回転磁石306,308のN極は、夫々の磁気インサートのS極との直接対面関係から数度ずれる。
【0093】
各磁気インサート314,316は、磁気インサートハウジング376,378に挿入され、更にハウジングをドア302,304の夫々に取り付けることで、ドア302,304の各々に取り付けられる。図示した例では、磁気インサートハウジング376,378はネジ380によってドア302,304に取り付けられ、ネジの頭は磁気インサートハウジング376,378の材料内に埋め込まれる。ネジ380はドア302,304のネジ穴と係合し、ネジ380を回すことにより、ドア302,304の内面上での磁気インサートハウジング376,378の高さ、言い換えれば受座324,326の高さを調整できる。
【0094】
磁気インサートハウジング376,378をドア302,304に取り付ける手段は本発明においては重要ではなく、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。更に、磁気インサートハウジング376,378をドア302,304と一体形成してもよい。磁気インサートハウジング376,378をそのまま省略し、磁気インサート314,316を直接ドア302,304に取り付けてもよい。ハウジング376,378と同様に、磁気インサート314,316をドア302,304に取り付けるのに、ネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。また別の方法として、磁気インサート314,316をドア302,304の材料に埋め込むようにしても良い。
【0095】
しかしながら、磁気インサート314,316をドア302,304に取り付けるにあたっては図示した手段を使用するのが好ましい。何故なら、図示手段はドア302,304の内面上の受座324,326の高さ調整が可能であり、それによって閉止位置のドア302,304とハウジング332との間にできた間隙のバラツキを抱き込むことができるからである。
【0096】
図示実施形態では、受座324,326は夫々磁気インサートハウジング376,378と一体形成されている。ハウジング376,378と同様に、受座324,326をドア302,304に取り付ける手段は本発明において重要ではない。フック爪334,336のヘッド222を各受座324,326と各ドア302,304との間で適合させるべく各ドアの内面から受座を十分な距離をもって隔てるように受座324,326を支持するならば、どんな適切な構造でもよく、その構造を各ドアに取り付けるに当たってはネジ、リベット、ピン、釘、接着剤を含む他のいかなる固定手段を用いてもよい。更に、受座324,326をドア302,304と一体形成してもよい。
【0097】
磁気ラッチ機構300は、夫々回転磁石306,308を取り付けたマグネットキャリア318,319を回転自在に支持するハウジング332を備える。ハウジング332の上部開口部305によって、フック爪334,336はハウジング332の外に延び、係止位置にある受座324,326と係合する。
【0098】
各マグネットキャリア318,319は各回転磁石306,308を受け入れる受容部384,386を備える。各マグネットキャリア318,319はそれぞれ1組のスピンドル340,342及び350,352を備え、スピンドルの各組は各受容部384,386の反対側で外側に突出する。受容部384,386、即ちキャリア318,319はハウジング332の長手軸に沿って縦一列に並び、ハウジング332の長手軸に直角な横の回転軸をもつ。スピンドル340,342,350,352はハウジング332の側部の穴354,356,358,360に受容され、回転自在に支持される。このようにして、マグネットキャリア318,319はハウジング332によって回転自在に支持される。図示例では、スピンドル340,342,350,352は角張っている。ハウジング332はモータ室341を持つ。回路基板363のためのカバー335が設けられる。穴356,360がハウジング332を部分的に構成するカバープレート333に設けられる。また、ハウジング332においてマグネットキャリア318,319を回転支持するために用いられる特定要素は本発明にとって重要なものではない。
【0099】
各フック爪334,336は各マグネットキャリア318,319に一体形成される。従って、各受容部384,386と夫々のフック爪334,336との間、及び各フック爪334,336と夫々の受容部384,386との間には相対回転がなく、即ち各マグネットキャリア318,319は1つのユニットとして回転する。
【0100】
各マグネットキャリア318,319は又、それぞれ複数の歯387,389を有する。各組の歯387,389は、各マグネットキャリア318,319の回転軸を中心とした円の一部からなる円弧に沿って分配される。各マグネットキャリア318,319の回転軸は、当然ながら、各マグネットキャリア318,319の各組のスピンドル340,342又は350,352の中心軸によって定められる。各マグネットキャリア318,319の歯387,389は、マグネットキャリアの各受容部384,386によって支持され、かつ一体化される。ラックバー317の歯313,337が、マグネットキャリア318,319の歯387,389と夫々噛み合う。
【0101】
ラッチ機構300は、その長さ方向に沿って配置された第1組及び第2組の歯313,337を持つラックバー317を備える。歯313,337の各組は複数の歯からなる。歯313,337は、マグネットキャリア318,319がラックバー317によって連携するように歯387,389と連続して噛み合う。ラックバー317は、図175、図282乃至図286に示す係止位置と、図278,289に示す非係止位置との間でその長手軸方向において前後に直線運動できるように支持される。このラックバー317によりマグネットキャリア318,319が同時に移動でき、以ってキャリアと回転磁石306,308が共通の作動機構によって係止位置から非係止位置へ移動して2つのドア302,304を同時開放する。ラックバー317は、その直線運動を制限するためのスライドバー315を支持する。歯313がスライドバー315と歯387,389の中間に位置するように、スライドバー315の一部がラックバー317によって少なくとも部分的に囲まれる。突起307がスライドバー315から突き出し、フレキシブルリンク339と係合可能になっている。フレキシブルリンク339は、可撓性のリボン又はストラップ部345と、ボーデンケーブル220へ取り付けるための受容部369と、スライドバー315の突起307と係合し、スライドバー315をラックバー317に対するロック位置から非ロック位置へと移動し、次いでラックバー317が非係止位置に位置するスライドバー315とラックバー317を引っ張るためのバーブ又は突起349とを備える。リンク339のストラップ部345は、曲がり易くも、ラックバー317に対してスライドバー315を非係止位置に引っ張り、かつその後降伏点に至ることなくラックバー317が非係止位置に至るまでスライドバー315とラックバー317の両方を引くのに充分なくらい高い引張り強さを有している。受容部369はラッチ機構300を作動するためのボーデンケーブル220の端部の球形拡大部209を受け入れるように形成されている。リンク339のストラップ部345は、ハウジング332のU字軌道351内に位置する。この配置構造により、スライドバー315とラックバー317を、ハウジング332外部へボーデンケーブル220を引く方向とは反対の方向に引くことができるようになる。別実施形態として、ボーデンケーブルをスライドバー315に直接係合させ、ハウジング332のU字軌道を介して配索することもした可能であるが、図示した形態が組み付け及び製造の容易性という観点から好ましい。スライドバー315は、ラックバー317に対しロック位置と非ロック位置との間で直線的に移動可能である。バネ370がスライドバー315とラックバー317の間で作用し、スライドバー315をロック位置に向けて付勢する。スプリング370はラックバー317のキャビティ353内に収納される。スライドバー315がロック位置にある時、ボールベアリング372がラックバー317の上部側から外側に突き出すように、上記バネはボールベアリング372をラックバー317の上部側にある開口部274の外側へと押圧する。スライドバー315がロック位置にあり、かつラックバー317が係止位置にある時、スライドバー315が最初に非ロック位置に移動しない限りロックバー317が移動できないように、ボールベアリング372はハウジング332内の凹部373に係合する。バネ370については、衝突の際に予想される力のもと、スライドバー315が自分自身の慣性によって動くことができないようなバネ定数が選択される。このようにして、ボールベアリング372と凹部373との係合により、実質的にラッチ300が衝突の際に非係止状態になることを回避し、ラッチ300を衝突による非係止に対し強くする。
【0102】
スライドバー315は、同バー315が非ロック位置にある時、開口部274とぴったり合う凹部375を有する。一旦スライドバー315が非ロック位置に位置したならば、凹部375によりボールベアリング372はラックバー317内に引き込むことができ、ラックバー317は非係止位置への移動が自由となる。
【0103】
受容部369は、その一端が開口しており、受容部369の底より一方の側にある程度下方に延びるスロット311を備える。スロット311は、受容部369の開口端からその底部へと受容部369の長さに沿って延び、かつ受容部の底部の直径部分に沿って延びる。スロット311はボ−デンケーブル220がスロット311を通って延びるほど充分広い。球状の拡大部209は、スロット311を通って適合せずに受容部307内に適合するような他の形状寸法を有してもよい。
【0104】
ハウジング332は、ボーデンケーブル220のカバー223の一端を支持できるU字状スロット310を備えたブラケット303を有する。ボーデンケーブル220によりラッチ機構300の遠隔操作が可能になる。ボーデンケーブル220のカバー223の一端をブラケット303のU字状スロット310内に装着し、球状の核大部209を受容部307に配置し、ボーデンケーブル220の遠い方の端部(図示せず)を引っ張ることで、スライドバー315をそのロック位置から非ロック位置へと直線移動することができる。スライドバー315のこの初期動作によりラックバー317は自由に非係止位置へと移動できるようになる。ロック位置から非ロック位置へのスライドバー315の移動範囲は相対的に制限されるが、ボーデンケーブル220の遠い方の端部(図示せず)を更に引っ張ると、スライドバー315とラックバー317が共に直線移動し、この結果ラックバー317はその係止位置から非係止位置まで移動する。この結果、回転磁石306,308、マグネットキャリア318,319及びフック爪334,336は、仮にこれらが初め係止位置にあると仮定すると、それぞれの係止位置から非係止位置へと回転することになる。
【0105】
ボーデンケーブル220の遠い方の端部は手動で引いても、或いは電気アクチュエータを使用して引くようにしてもよい。この場合、一般に、このラッチ機構300の手動又は電気操作のためのユーザーインターフェースとして、幾つかの種類のリモートハンドルやプッシュボタンが夫々提供されるだろう。
【0106】
ラッチ機構300は、ドア302,304により固定されるコンパートメントに据え付けられる。
【0107】
正確かつ確実に両ドアが係止するために磁石306,308は、ドア302,304を引っ張る。磁石306,308は、ドア302,304を閉じる際のそれらの最終的な移動と最終位置を制御する。磁石306,308は、機構が非係止の時のドア302,304の開放をも補助する。
【0108】
ラッチ機構300を開放するため、例えばボタン(図示せず)が押される。これによりボーデンケーブル220の遠い方の端部が前述した機構の1つによって引っ張られる。ボーデンケーブル220を引くことにより、回転磁石306,308、マグネットキャリア318,319及びフック爪334,336が夫々の係止位置から非係止位置へと回転する。この動作は、フック爪334,336を夫々の受座324,326から外し、ドア302,304を機械的に解放するものである。加えて、磁石306,308が夫々の非係止位置へと回転され、そこで磁石はドア302,304に付けられた磁気インサート314,316をはねかえし、ドアを旋回開放する。一旦、磁石306,308が磁気インサート314,316の磁場の影響を受けなくなり、ボーデンケーブル220が解放されたならば、磁石306,308の内、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同様)によって、回転磁石306,308、磁気インサート314,316及びフック爪334,336が非係止位置近くの第1の中間位置(図177,178、290に示した磁気ラッチ機構の、開放するも不作動で静止している状態に相当)に保持されることになり、そこで閉止位置に向かってドア302,304が移動する際にドア302,304を係止するための用意をする。図示した実施形態では、回転磁石308のS極に対する回転磁石306のN極の磁力が、回転磁石306,308、磁気インサート314,316及びフック爪334,336を第1の中間位置に保持している。
【0109】
ドア302,304を閉じるためドア302,304の一方が押されて閉止される。この動作はドア間の機械的連携(図示せず)を介して他方のドアを閉止位置へと引くことになるが、連携の遊びのために一方のドアが他方のドアに遅れをとることになる。一旦、ドア302,304が殆ど閉じられた状態になると、回転磁石306,308、マグネットキャリア318,319及びフック爪334,336は、磁気インサート314,316の磁場の影響下で夫々の係止位置に向けて回転し始めることになり、結果としてこれらは係止位置近くの第2中間位置に位置するようになる。この時点で磁気インサート314,316と夫々の回転磁石306,308との間の極力な磁力が、遅れていたドアを加速し、双方のドアを同時に閉じさせると共に、回転磁石306,308とフック爪334,336が係止位置へ同時に回転する。この時点ではフック爪334,336は受座334,326に係合し、磁気インサート314,316と回転磁石306,308との間には強力な磁力が生じている。これにより双方のドアは閉止位置において機械的かつ磁気的に保持される。この状態は図282乃至図286に示されている。従って、磁気ラッチ機構300は、ドア302,304の機械的連携の遊びと閉止位置近くのドア間の位置的差異を許容しつつもドアをきっちりかつ同時に閉じるラッチシステムを提供する。さらにこの時点では、ラックバー317が定位置にロックされ、スライドバー315が非ロック位置に移動されなくともラックバーが移動できないように、ボールベアリング372はハウジング332の凹部373と係合する。
【0110】
仮にドア302,304間のラグがかなり大きい場合には、遅れ側のドアが閉止位置に到着する前に一方のドアを完全に閉め、回転磁石306,308とフック爪334,336の双方を夫々の係止位置に移動させてもよい。そのような場合、ボールベアリング372がラックバー317をロックすることになり、結果として係止位置にあるフック爪334,336をロックする。遅れ側のドアの受座は各フック爪の上部に当たり、完全な閉止位置へ移動不可能となる。このような結果にならないため制御ピン381,382が設けられる。制御ピン381,382の夫々は、その一端に突出ラグ385を有する細長い軸383の形態をとる。制御ピン381,382は、ハウジング332に支持され、進出位置と後退位置との間で軸383の長手軸方向に直線移動する。制御ピン381,382は、夫々スプリング388,390によってその進出位置に向けてばね付勢される。受座324,326には夫々、パッド部391,392が設けられ、対応するドア302,304が完全閉止位置に移動された時、これらのパッド部は各制御ピン381,382と係合し、後退位置へと移動させる。
【0111】
制御ピン381,382が後退位置にあって初めてラックバー317が係止位置と非係止位置との間を自由に移動できるようなる。ラックバー317にはタブ393,395が設けられ、部分的に閉じられた磁気ラッチ機構の形態と図280に示すようなフック爪334,336のほぼ係止位置とに対応する第2中間位置にラックバー317がある時、上記タブの夫々は各制御ピン381,382のラグ385に係合される。タブ393,395の夫々は、ラックバー317の直線運動方向に垂直な側部を有する。どちらかの制御ピン381,382が進出位置にある時、各々のラグ385は、夫々のタブ393,395を妨害するように位置する。これによりラグ385は、ラックバー317の直線動作方向に垂直なタブ側部と係合することで、係止位置に近い第2中間位置から係止位置にラックバー317が移動するのを防止する。従って、ドア302,304の片方又は両方が完全閉止位置の外にある時には、その夫々の制御ピンがラックバー317の係止位置(ここではボールベアリング372と凹部373の係合によりラックバーを定位置にロック可能である)への移動を阻止することになり、遅れ側ドア302,304の受座が、ラックバー317を係止位置にロックした状態でそれぞれ対応したフック爪334,336と衝突するといったような状況は回避されることになる。
【0112】
前述したように、ほぼ係止状態か第2中間位置においてフック爪334,336は、受座334,326の軌道外へと押し出され、遅れ側ドアを閉止位置に移動することができる。この結果、制御ピン381,382は共に後退位置に位置することとなり、フック爪と回転磁石の両方は係止位置に移動して両ドアを閉止位置に固定することができる。先行側ドアはこの遅れ側ドアが完全に閉じられるまでは磁力によって閉じたままとなる。遅れ側ドアの閉じ動作中の全ての時において、遅れ側ドアの受座と回転磁石との間には充分強力な磁力が存在し、仮にあるとしても、上述したように遅れ側ドアの閉じ動作を達成できるほど遅れ側ドア閉じ動作中の回転磁石移動は僅かであるということが、フック爪とそれぞれの受座の相対的比率から明らかである。
【0113】
磁気ラッチ機構300は、ラックバー317をその長手軸方向に係止位置と非係止位置との間で選択的に移動するモータドライブ321を備えてもよい。即ち、モータドライブ321はボーデンケーブル220と同じ機能を果たし、例えば、モータドライブ321によって磁気ラッチ機構300を電気的に作動可能にする一方でボーデンケーブルにより手動のオーバーライドを可能にするといったような用途で用いる際のボーデンケーブル220の付加システムとして提供される。またこのボーデンケーブル220は、余剰の電気作動システムが好ましい適用例に向けて電気的に作動することが可能である。
【0114】
モータドライブ321は、駆動ネジ331に接続された出力軸327を有するモータ325を備える。駆動ネジ331はハウジング332に回転自在に支持されている。駆動ネジ331は、スライダ343に形成されたボアの相手側雌溝や雌ネジと係合関係にある少なくとも1つの雄ヘリカルネジを有する。駆動ネジ331の雄ヘリカルネジは図示実施形態のように連続型でも断続型でもよい。スライダ343はハウジング332に支持され、駆動ネジ331の回転に応じて直線的な運動をする。スライダ343はスライドバー315のフォーク347と係合し、フォークは駆動ネジ331に跨って、スライドバー315を非ロック位置に移動させ、次いでラックバー317が非係止位置に移動されるようにスライドバー315とラックバー317を直線移動させる。
【0115】
モータ325と駆動ネジ331とのカップリングは、出力軸327に固定されてリングギヤ359の内側歯と噛み合うピニオンギヤ355からなり、リングギヤ359は駆動ネジ331の一端に固定されている。駆動ネジ331とリングギヤ359とはそれらが1つのユニットとして回転するように取り付けられるが、これらを一体構造化してもよい。この構造は、モータ325に必要な出力トルクを減じる。
【0116】
ラックバー317が係止位置にあり、スライドバー315がロック位置にある状態でスライドバー315のフォーク347は、モータ325から離れたスライダ343近くに位置することになる。これがスライダ343の係止位置である。モータ325が起動すると駆動ネジ331が回転する。この第1方向の駆動ネジ331の回転によりスライダ343が直線的に移動し、スライダを突フォーク347に係合させる。駆動ネジ331の回転が継続することでスライダ343のモータ325に向かう直線運動も継続することとなり、スライドバー315はロック位置から非ロック位置へと直線運動する。スライドバー315のこの初期移動は、ラックバー317の非係止位置への移動を自由にする。ロック位置から非ロック位置に向かうスライドバー315の移動範囲は相対的に制限され、駆動ネジ331の更なる回転によりスライダ343はモータ325に向かう直線移動を継続し、ラックバー317が係止位置から非係止位置へと移動されるようにスライドバー315とラックバー317の双方を直線移動させる。この結果、回転磁石306,308、マグネットキャリア318,319及びフック爪334,336は、最初に係止位置にあると仮定した場合、夫々の係止位置から非係止位置への回転を余儀なくされる。この時スライダ343は非係止位置にある。非係止位置へのラックバー317とマグネットキャリア318,319の移動によりドア302,304が開くことになる。
【0117】
非係止作動が終了したならば、適当な制御回路やソフトウエアを用いてモータ325の電流を反転し、第1方向とは逆の第2方向へと駆動ネジ331を回転させてスライダ343を係止位置へと戻し、再び係止サイクルを繰り返す用意をさせる。スライダ343を係止位置に戻すとスライダ343がフォーク347よりはずれ、磁石306,308の内の一方の磁石のN極と他方の磁石のS極との間の磁力(逆の場合も同じ)により、回転磁石306,308、マグネットキャリア318,319及びフック爪334,336は図290に示す第1中間位置に保持される。この中間位置は、ドア302,304を閉止位置に向けて移動する際にドア302,304を係止するべく用意した位置である。
【0118】
前述したように、一旦ドア302,304が開いたならば、磁石306,308の反対極間の磁力によって、ドア302,304が再び夫々の閉止位置へと移動されるまで、マグネットキャリア318,319が夫々の非係止位置近くに保持される。このようにして、ラッチ300は、ドア302,304が夫々の閉止位置へと移動される次の時に、その作動サイクルを繰り返す用意がある。
【0119】
ラックバー317の一側からフィン397が突き出す。更にセンサ399,361がハウジング332によって支持された回路基板363上に設けられる。センサ399,361は、例えば光ダイオードを発する発光ダイオード(LED)を有するものでもよい。ラックバー317が第2中間位置、即ち係止位置へのラック移動が進出位置にある制御ピン381,382の1つによって阻止される係止位置の近くにある時、フィン397がセンサ399,361のLED(図示せず)による光ダイオードの照射を妨害し、これにより進出位置にある制御ピンの1つに対応した故障状態を示す信号が出力される。この信号は、例えば閉止位置への1ドアの動きを妨害するグローブボックスの中身などにより適切に閉じられないドア302,304の1つに対応する。この信号は、磁気ラッチ機構の作動を制御する制御回路やプリント回路基板(PCB)363に送られる。制御回路はマイクロプロセッサをベースとし、プログラミング可能となっている。仮に、ドア302,304の一方が半開きであることを示す信号が、所定のタイムリミット、又はそれ以上継続して出力されているならば、モータ325を作動させてドア302,304を開き、ユーザー、即ち車両の占有者にドアを再び閉めさせ、確実かつ適当にドアが閉められるように制御回路をプログラミングすることが可能である。
【0120】
回路基板363は、モータ325に差し込まれ電源をモータ325に供給するための突起365も携える。また、回路基板363は電源と信号線とを接続するジャック367も携える。
【0121】
ラックバー317が係止位置にある時、フィン397は、両センサ399,361の対応LEDによる光ダイオードの照射を妨害することで、ドア302,304が閉じられていることを示す信号が出力される。この信号により、回路基板363は、ドアを開ける次の信号が入力されるまでスリープモードに入ることになる。
【0122】
ラックバー317が非係止位置にある時には、対応LEDを介したどちらのセンサ399,361による光ダイオードの照射もフィン397によっては妨害されず、結果としてドア302,304が開いていることを示す信号が出力される。この時、回路基板363は動作中のままであり、ドアが閉じられるまではコンパートメントライトのオン状態をキープする。ドアが開いた状態での電源異常後は、回路基板363は電源オン後にコンパートメントライトを点灯する。
【0123】
バネ371はフレキシブルリンク339を図175に示す係止位置に付勢する。
【0124】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。更に、上述した本発明の実施形態は、その精神と基本的な特徴から逸脱することなく当業者により種々の改良、変更、応用が可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図13】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図15】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図16】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図17】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図18】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図19】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図20】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図21】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図22】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図23】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図24】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図25】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図26】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図27】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図28】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図29】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図30】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図31】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図32】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図33】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図34】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図35】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図36】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図37】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図38】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図39】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図40】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図41】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図42】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図43】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図44】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図45】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図46】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図47】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図48】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図49】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図50】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図51】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図52】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図53】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図54】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図55】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図56】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図57】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図58】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図59】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図60】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図61】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図62】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図63】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図64】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図65】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図66】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図67】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図68】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図69】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図70】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図71】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図72】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図73】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図74】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図75】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図76】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図77】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図78】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図79】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図80】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図81】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図82】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図83】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図84】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図85】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図86】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図87】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図88】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図89】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図90】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図91】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図92】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図93】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図94】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図95】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図96】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図97】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図98】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図99】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図100】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図101】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図102】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図103】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図104】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図105】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図106】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図107】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図108】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図109】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図110】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図111】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図112】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図113】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図114】本発明の第4実施形態を示す図である。
【図115】本発明の第5実施形態を示す図である。
【図116】本発明の第6実施形態を示す図である。
【図117】本発明の第7実施形態を示す図である。
【図118】本発明の第8実施形態を示す図である。
【図119】自動車のグローブボックスに使用された本発明の更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は作動された状態、いわゆる非係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図120】自動車のグローブボックスに使用された本発明の更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は作動された状態、いわゆる非係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図121】自動車のグローブボックスに使用された本発明の更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は作動された状態、いわゆる非係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図122】自動車のグローブボックスに使用された本発明の更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は作動された状態、いわゆる非係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図123】作動された、いわゆる非係止状態にある図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す斜視図である。
【図124】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は開放されるも不作動状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図125】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は開放されるも不作動状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図126】開放されるも不作動状態にある、図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す斜視図である。
【図127】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は部分的に閉じられた状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図128】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は部分的に閉じられた状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図129】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は部分的に閉じられた状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図130】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は部分的に閉じられた状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図131】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。開放位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は部分的に閉じられた状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図132】部分的閉止状態にある図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す斜視図である。
【図133】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。完全に閉じられた位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図134】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。完全に閉じられた位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図135】自動車のグローブボックスに使用された図119乃至図122の磁気ラッチ機構を示す周辺図である。完全に閉じられた位置にあるグローブボックスのドアが示される一方、磁気ラッチ機構は完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある。磁気ラッチ機構の作動を説明するのに充分なグローブボックスドアの一部だけを示す。
【図136】図119乃至図122の磁気ラッチ機構であって、完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある磁気ラッチ機構を示す図である。
【図137】図119乃至図122の磁気ラッチ機構であって、完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある磁気ラッチ機構を示す図である。
【図138】図119乃至図122の磁気ラッチ機構であって、完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある磁気ラッチ機構を示す図である。
【図139】図119乃至図122の磁気ラッチ機構であって、完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある磁気ラッチ機構を示す図である。
【図140】図119乃至図122の磁気ラッチ機構であって、完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある磁気ラッチ機構を示す図である。
【図141】図119乃至図122の磁気ラッチ機構であって、完全に閉じられた、いわゆる係止状態にある磁気ラッチ機構を示す図である。
【図142】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のハウジングを示す図である。
【図143】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のハウジングを示す図である。
【図144】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のモータドライブカバーを示す図である。
【図145】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のモータドライブカバーを示す図である。
【図146】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のラックバーを示す図である。
【図147】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のラックバーを示す図である。
【図148】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のラックバーを示す図である。
【図149】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のラックバーを示す図である。
【図150】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のスライドバーを示す図である。
【図151】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のスライドバーを示す図である。
【図152】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のスライドバーを示す図である。
【図153】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のスライドバーを示す図である。
【図154】図119乃至図122の磁気ラッチ機構のスライドバーを示す図である。
【図155】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の作動を説明する図である。
【図156】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の作動を説明する図である。
【図157】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の作動を説明する図である。
【図158】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の作動を説明する図である。
【図159】分離して示された図119乃至図122の磁気ラッチ機構の回転磁石を示す図である。
【図160】分離して示された図119乃至図122の磁気ラッチ機構の回転磁石を示す図である。
【図161】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の受座の1つを示す図である。
【図162】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の受座の1つを示す図である。
【図163】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の受座の1つを示す図である。
【図164】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の受座の1つを示す図である。
【図165】分離して示された図119乃至図122の磁気ラッチ機構の受座の磁気インサートを示す図である。
【図166】分離して示された図119乃至図122の磁気ラッチ機構の受座の磁気インサートを示す図である。
【図167】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図168】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図169】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図170】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図171】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図172】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図173】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図174】図119乃至図122の磁気ラッチ機構の制御ピンを示す図である。
【図175】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図176】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図177】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図178】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図179】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図180】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図181】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図182】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図183】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図184】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図185】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図186】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図187】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図188】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図189】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図190】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図191】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図192】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図193】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図194】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図195】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図196】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図197】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図198】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図199】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図200】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図201】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図202】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図203】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図204】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図205】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図206】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図207】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図208】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図209】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図210】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図211】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図212】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図213】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図214】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図215】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図216】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図217】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図218】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図219】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図220】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図221】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図222】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図223】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図224】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図225】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図226】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図227】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図228】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図229】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図230】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図231】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図232】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図233】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図234】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図235】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図236】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図237】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図238】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図239】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図240】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図241】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図242】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図243】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図244】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図245】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図246】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図247】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図248】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図249】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図250】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図251】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図252】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図253】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図254】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図255】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図256】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図257】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図258】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図259】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図260】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図261】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図262】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図263】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図264】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図265】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図266】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図267】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図268】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図269】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図270】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図271】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図272】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図273】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図274】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図275】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図276】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図277】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図278】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図279】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図280】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図281】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図282】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図283】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図284】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図285】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図286】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図287】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図288】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図289】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図290】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図291】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図292】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図293】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図294】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図295】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図296】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。
【図297】本発明による更にもう1つの磁気ラッチ機構を示す図である。 類似した参照番号は、複数の図を通して類似した要素を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材を、第2部材に関した閉止位置に固定するための磁気ラッチ機構であって、前記第1部材は前記第2部材に関した前記閉止位置と開放位置との間で移動可能であるような磁気ラッチ機構であって、
前記第1部材に取付けることができる磁気インサート;
前記第2部材に取り付けるためのハウジング;
前記ハウジングにより回転自在に支持された少なくとも1つの磁石であって、該少なくとも1つの磁石は係止位置と非係止位置との間で回動可能であり、前記係止位置においては、第2部材に関した前記閉止位置に前記第1部材が位置した状態で、前記少なくとも1つの磁石と前記磁気インサートとの間の磁力により、前記少なくとも1つの磁石が、磁気インサートを取り付けた前記第1部材を閉止位置に保持するように配置されると共に、前記非係止位置においては、第2部材に関した閉止位置に前記第1部材が位置した状態で、第1部材を前記閉止位置から第2部材に関する開放位置へと移動させるように、前記少なくとも1つの磁石が前記第1部材に取り付けられた前記磁気インサートを反撥するように配置された、少なくとも1個の磁石;及び
ユーザーからの入力に応じて、前記少なくとも1つの磁石を、前記係止位置から前記非係止位置へと選択的に移動可能な作動機構、を有することを特徴とする磁気ラッチ機構。
【請求項2】
更に、前記第1部材に取付け可能な受座;及び
前記少なくとも1つの磁石と共に回転自在に支持されたフック爪であって、前記少なくとも1つの磁石が前記係止位置にある時、前記受座に係合して前記第1部材が前記開放位置に移動するのを阻止するフック爪を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項3】
更に、前記少なくとも1つの磁石と共に回転自在に支持された歯車を有し、
前記作動手段は、直線移動自在に前記ハウジングに支持されたラックバーを有し、該ラックバーは、前記磁石と共に回転する前記歯車と係合可能な複数の歯を有し、前記ラックバーが前記ハウジングに関してその係止位置と非係止位置との間で直線移動する際には、前記磁石と前記フック爪が前記係止位置と非係止位置との間で一緒に回転することを特徴とする請求項2に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項4】
更に、前記ラックバーに支持されたボールベアリングを有し、
前記作動機構は更に、ラックバーに関するロック位置と非ロック位置との間で、ラックバーに対し直線移動するように支持されたスライドバーを有し、前記ボールベアリングは前記ラックバーに対する前記スライドバーの動きに応じてラックバーに対して移動可能であり、ラックバーが前記ハウジングに関する前記係止位置に位置すると共にスライドバーがラックバーに関する前記ロック位置に位置する時、前記ボールベアリングは移動してハウジングと係合し、ラックバーが前記係止位置から非係止位置に移動するのを阻止し、スライドバーがラックバーに関する前記非ロック位置にある時、ボールベアリングはハウジングとの係合を解除でき、ハウジングに対する更なるスライドバーの直線移動に応じてラックバーはハウジングに関してその係止位置から非係止位置へと移動することを特徴とする請求項3に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項5】
更に、前記スライドバーを駆動するモータを有することを特徴とする請求項4に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項6】
第1ドア及び第2ドアを、第3部材に関した閉止位置に固定するための磁気ラッチ機構であって、前記第1及び第2ドアは前記第3部材に関した夫々の前記閉止位置と夫々の開放位置との間で移動可能であるような磁気ラッチ機構であって、
前記第1ドアに取付けることができる第1磁気インサート;
前記第2ドアに取付けることができる第2磁気インサート;
前記第3部材に取り付けるためのハウジング;
前記ハウジングにより回転自在に支持された第1磁石であって、該第1磁石は係止位置と非係止位置との間で回動可能であり、前記係止位置においては、第3部材に関した前記閉止位置に前記第1ドアが位置した状態で、前記第1磁石と前記第1磁気インサートとの間の磁力により、前記第1磁石が、前記第1磁気インサートを取り付けた前記第1ドアを閉止位置に保持するように配置されると共に、前記非係止位置においては、第3部材に関した閉止位置に前記第1ドアが位置した状態で、第1ドアを前記閉止位置から第3部材に関する開放位置へと移動させるように、前記第1磁石が前記第1ドアに取り付けられた前記第1磁気インサートを反撥するように配置された、第1磁石;
前記ハウジングにより回転自在に支持された第2磁石であって、該第2磁石は係止位置と非係止位置との間で回動可能であり、前記係止位置においては、第3部材に関した前記閉止位置に前記第2ドアが位置した状態で、前記第2磁石と前記第2磁気インサートとの間の磁力により、前記第2磁石が、前記第2磁気インサートを取り付けた前記第2ドアを閉止位置に保持するように配置されると共に、前記非係止位置においては、第3部材に関した閉止位置に前記第2ドアが位置した状態で、第2ドアを前記閉止位置から第3部材に関する開放位置へと移動させるように、前記第2磁石が前記第2ドアに取り付けられた前記第2磁気インサートを反撥するように配置された、第2磁石;及び
ユーザーからの入力に応じて、前記第1磁石及び第2磁石を、前記係止位置から前記非係止位置へと選択的に移動可能な作動機構、を有することを特徴とする磁気ラッチ機構。
【請求項7】
更に、
前記第1ドアに取付け可能な第1受座;
前記第1磁石と共に回転自在に支持された第1フック爪であって、前記第1磁石がその係止位置にある時、前記第1受座に係合して前記第1ドアが前記開放位置に移動するのを阻止する第1フック爪;
前記第2ドアに取付け可能な第2受座;及び
前記第2磁石と共に回転自在に支持された第2フック爪であって、前記第2磁石がその係止位置にある時、前記第2受座に係合して前記第2ドアが前記開放位置に移動するのを阻止する第2フック爪、を有することを特徴とする請求項6に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項8】
更に、前記第1磁石と共に回転自在に支持された第1組の歯車と、前記第2磁石と共に回転自在に支持された第2組の歯車とを有し、
前記作動手段は、直線移動自在に前記ハウジングに支持されたラックバーを有し、
該ラックバーは、前記第1磁石と共に回転する前記第1組の歯車と係合可能な第1の複数歯を有し、前記ラックバーが前記ハウジングに関してその係止位置と非係止位置との間で直線移動する際には、前記第1磁石と前記第1フック爪がそれらの係止位置と非係止位置との間で一緒に回転し、
該ラックバーは、前記第2磁石と共に回転する前記第2組の歯車と係合可能な第2の複数歯を有し、前記ラックバーが前記ハウジングに関してその係止位置と非係止位置との間で直線移動する際には、前記第2磁石と前記第2フック爪がそれらの係止位置と非係止位置との間で一緒に回転することを特徴とする請求項7に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項9】
更に、前記ラックバーに支持されたボールベアリングを有し、
前記作動機構は更に、ラックバーに関するロック位置と非ロック位置との間で、ラックバーに対し直線移動するように支持されたスライドバーを有し、前記ボールベアリングは前記ラックバーに対する前記スライドバーの動きに応じてラックバーに対して移動可能であり、ラックバーが前記ハウジングに関する前記係止位置に位置すると共にスライドバーがラックバーに関する前記ロック位置に位置する時、前記ボールベアリングは移動してハウジングと係合し、ラックバーが前記係止位置から非係止位置に移動するのを阻止し、スライドバーがラックバーに関する前記非ロック位置にある時、ボールベアリングはハウジングとの係合を解除でき、ハウジングに対する更なるスライドバーの直線移動に応じてラックバーはハウジングに関してその係止位置から非係止位置へと移動することを特徴とする請求項8に記載の磁気ラッチ機構。
【請求項10】
更に、前記スライドバーを駆動するモータを有することを特徴とする請求項9に記載の磁気ラッチ機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図297】
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【公表番号】特表2008−540880(P2008−540880A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511288(P2008−511288)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/017985
【国際公開番号】WO2006/122151
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507369567)サウスコ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】