説明

磁気共鳴イメージングのための過分極造影剤ディスペンサ

ディスペンサ132、磁気共鳴イメージングシステム100、及び磁気共鳴イメージング検査中に過分極造影剤304を使用するための方法。ディスペンサはフェイスピース138のための取付部品136を有する。フェイスピースは、被験者が吸入するときに過分極造影剤が被験者の呼吸器系に入るよう、被験者114の表面を受けるように構成される。ディスペンサは過分極造影剤を受けるように構成される容器300をさらに有する。ディスペンサは取付部品に接続される気体流管406と、気体流管内の過分極造影剤を過分極蒸気に蒸発させるための気化器406,408,412,510,602,606とをさらに有する。ディスペンサは気化器が過分極造影剤を蒸発させるときを制御するためのコントローラ402をさらに有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンサ、磁気共鳴イメージングシステム、及び磁気共鳴イメージングにおいて過分極造影剤を使用するための方法に関し、特に本発明は磁気共鳴イメージング検査中に蒸発した過分極造影剤を使用する機器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者若しくは被験者の体内の画像を生成するための手順の一部として、原子の核スピンを整列させるためにMRIスキャナによって静磁場が使用される。この大きな静磁場はB場と呼ばれる。MRIスキャンを実行するために使用されるB場の強度を増加させることは、診断画像の空間分解能とコントラスト分解能を増加させる機会を与えることが一般に知られている。この分解能とコントラストの増加は患者を診断するためにMRI画像を使用する医師にとって有益である。
【0003】
磁気共鳴イメージングシステムは通常、被験者におけるプロトンすなわち水素原子の濃度を画像化するために使用される。結果として磁気共鳴イメージングシステムは被験者の軟組織を画像化するために非常に有用になっている。肺の構造及びその血管新生もまた関心対象である。しかしながら肺は大部分が空気であり、磁気共鳴イメージングによって容易に画像化できない。注入される磁気共鳴イメージング造影剤の使用が知られている。
【0004】
しかしながら、静脈注射される物質が肺血管に達するために通常は約15秒かかる。多くの過分極造影剤は緩和時間が非常に短く、造影剤の大部分がこの15秒以内にその偏極を失う。例えば、過分極13Cは約60秒のT緩和時間を持つ。学術論文Ishii et. al.,Magnetic Resonance in Medicine 57:459‐463(2007)は、肺かん流を評価するための過分極13C血管造影法の使用を示す。過分極プロピオン酸ヒドロキシエチルがこの実験研究において豚の大腿動脈に注入された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、過分極蒸気を分配するためのディスペンサ、磁気共鳴イメージングシステム、及び磁気共鳴画像を取得する方法を独立請求項において提供する。本発明の実施形態は従属請求項に与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は液体若しくは固体の過分極造影剤を蒸発させることによってこれらの問題に対処する。ディスペンサは過分極造影剤を霧若しくは蒸気に蒸発させるために使用され、そしてこれらは被験者によって吸入される。これは過分極造影剤を直接肺に運び、過分極造影剤の有効性を増加させる。
【0007】
本発明は過分極イメージングに適した任意のMRIシステムに適用されることができる。より具体的には、病変及び異常機能過程の検出のために肺イメージングにおいて適用可能である。2〜3の物質が偏極のために使用される可能性がある。さらなる消化を受ける異なる代謝産物の中でも、酵素、治療薬若しくは標的剤が、高速分光13Cイメージングを用いてその生体内分布と運命をin‐vivoで研究するために過分極され得る。
【0008】
本明細書で使用される通り、コイルという語は磁気共鳴イメージングデータを取得するために使用される高周波数アンテナをあらわす。コイルという語は単一のアンテナが磁気共鳴イメージングデータの取得中に高周波数信号の送信と受信の両方を実行する場合をあらわし得るか、又は送信及び受信アンテナをあらわし得る。さらに多数の単一素子から成る上述のいずれの場合のアレイ構成も考慮される。
【0009】
本明細書で使用される通り、過分極造影剤という語は磁気共鳴イメージングデータの取得中に造影剤として使用される過分極材料をあらわす。過分極造影剤は蒸発する前に液体若しくは固体の形であり得る。使用前、過分極造影剤は動的核分極(DNP)などのプロセス若しくは任意の他の適切なプロセスを用いて分極し得る。過分極造影剤の偏極核は、He及びXeなどの希ガスを除き、生体適合性分子に組み込まれ得る。過分極造影剤を作るために使用され得る同位体は、Li,13C,14N,15N,17O,19F,23Na,31Pを含む。生体適合性分子に同位体を埋め込むことが有益であるため、13Cは身体の分子の多くにおける炭素の存在のために特に興味深い。14Nと17Oもまた生体適合性分子により容易に組み入れられる可能性を提供する。
【0010】
磁気共鳴イメージング(MRI)データは、磁気共鳴イメージングスキャン中の磁気共鳴装置のアンテナによる原子スピンによって放出される高周波数信号の記録された測定であると本明細書で定義される。磁気共鳴イメージング(MRI)画像は、磁気共鳴イメージングデータ内に含まれる原子データの再構成された2次元若しくは3次元視覚化であると本明細書で定義される。この視覚化はコンピュータシステムを用いて実行されることができる。
【0011】
コンピュータシステムは1つのコンピュータ若しくはコンピュータの集合と本明細書で定義される。磁気共鳴イメージングのために、単一のコンピュータが磁気共鳴イメージングデータの分析を操作し実行するために使用され得る。しかしながら、この機能はしばしば多くの異なるコンピュータに分散され、磁気共鳴イメージングデータは後にコンピュータ若しくはコンピュータシステムによる分析のために保存され得る。
【0012】
本発明は磁気共鳴イメージング検査中に被験者に過分極蒸気を分配するためのディスペンサを提供する。ディスペンサは、被験者が吸入するときに過分極蒸気が被験者の呼吸器系に入るよう、被験者の表面を受けるように構成されるフェイスピースのための取付部品を有する。ディスペンサはさらに過分極造影剤を受けるように構成される容器を有する。ディスペンサはさらに取付部品に接続される気体流管を有する。ディスペンサはさらに気体流内の過分極造影剤を過分極蒸気に蒸発させるための気化器を有する。ディスペンサはさらに気化器が過分極造影剤を蒸発させるときを制御するためのコントローラを有する。取付部品はフェイスピース若しくは管内のフェイスピースがディスペンサに取り付けられることを可能にする。これは、1人より多くの患者が磁気共鳴イメージング装置システムを用いて処置され得るため、有益である。この場合除去され洗浄されることができる使い捨てフェイスピースを使用することが有益である。
【0013】
容器は過分極造影剤を受けるように構成され、後者は固体若しくは液体の形のいずれかである。過分極造影剤が蒸発する気体流管がある。コントローラは気化器が過分極造影剤を蒸発させるときを制御する。これは過分極造影剤が極めて高価であり、一度にごく少量しか利用可能でないかもしれないので、特に有益である。これは検査中に使用される過分極造影剤の量を最小化する。コントローラは複数の異なる方法で動作することができ、例えばこれはいつ過分極造影剤の分配を可能にするか磁気共鳴イメージングシステムからの信号を受信することができる。コントローラはまた被験者の呼吸周期が検出されるような何らかのセンサシステムを持つことによっても動作することができる。例えば圧力若しくは流量若しくは温度が、被験者が呼吸しているときを検出するためにフェイスピース若しくは気体流管若しくは取付部品をフェイスピースに接続する管の中の複数の点において測定されることができる。コントローラはまた磁気共鳴イメージングシステムからの信号を受信することによって、及びセンサシステムを用いることによっても動作することができる。
【0014】
本発明の一実施形態において、ディスペンサはさらに容器に隣接する核磁気共鳴コイルを有する。核磁気共鳴コイルは核磁気共鳴装置に接続されるときに過分極造影剤の偏極度を測定するように構成される。これは過分極造影剤の偏極度が測定されることができるため有利である。核磁気共鳴装置は試料の材料特性を測定するために核磁気共鳴を使用する装置と本明細書で定義される。
【0015】
本発明の一実施形態において、容器は過分極造影剤を液体の形で保存するのに適している。これは、過分極造影剤が固体状態で生成されることができ、そして液化して容器の中に置かれ、それから蒸発するため、有利である。
【0016】
一実施形態において容器は過分極造影剤を固体の形で保存するのに適している。ディスペンサはさらに過分極造影剤を蒸発前に液化するのに適したヒータを有する。この実施形態は、過分極造影剤が固体のままであるとき過分極造影剤の寿命が長くなるため、有利である。過分極プロセス中、過分極造影剤は分極プロセスを促進する化学物質で強化され得る。これらの化学物質は有毒であり得る。液体過分極造影剤が用意されるとき、固体過分極造影剤は融解し、いかなる有毒化学物質も被験者に投与する前にフィルタ除去される。固体造影剤が使用される場合、ディスペンサ、又は過分極造影剤のために使用されるディスペンサの容器に適合するカートリッジのいずれかにフィルタを組み込むことが有益であり得る。固体過分極造影剤は融解し、有毒化学物質を除去するためにフィルタを通過して、そして蒸発する。
【0017】
別の実施形態においてヒータは過分極造影剤が蒸発する速度と等しい速度で過分極造影剤を融解させるように構成される。この実施形態は、過分極造影剤が全く正確な速度で固体から離れるため、特に有利である。これは過分極造影剤がより長い寿命を持つことになることを意味する。
【0018】
別の実施形態においてディスペンサはさらに被験者による吸気と呼気を検出するのに適した呼吸センサを有する。コントローラは被験者による吸気中にのみ過分極造影剤が蒸発するように気化器を制御するように構成される。この実施形態は、過分極造影剤が浪費されないため有利である。呼吸センサは様々な方法で実現されることができ、例えば気体流管を通る気体流が測定されることができ、被験者が呼吸していないときを検出するために圧力センサが使用されることができ、又はさらに被験者の呼吸器系から出る気体の温度を決定することによって温度センサが使用されることができる。
【0019】
呼吸センサは温度センサ、気体流センサ、及び/又は圧力センサを使用して実現されることができる。
【0020】
別の実施形態においてコントローラは磁気共鳴イメージングシステムのコンピュータから命令を受信するように構成される。コンピュータシステムは気化器が過分極造影剤を蒸発させることを可能にするときをコントローラに指示するように構成される。この実施形態は、過分極造影剤がイメージングシーケンス中必要なときのみ投与されるため、有利である。過分極造影剤の寿命が極めて短い場合、磁気共鳴イメージングシステムが過分極造影剤の濃度を画像化する目的で磁気共鳴イメージングデータを取得していない限り、過分極蒸気を分配することは有用ではない。
【0021】
別の実施形態において、過分極造影剤はキャブレタを用いて蒸発する。キャブレタは蒸発若しくは気化の目的で液体を気体流に噴射する装置と本明細書で理解される。この実施形態は、液体過分極造影剤が気体流に噴射されて蒸発することができるので有利である。
【0022】
別の実施形態において、過分極造影剤は圧電振動子を用いて蒸発する。これは過分極造影剤で充填される容器の形であることができ、又は過分極造影剤を気体流管に噴射する圧電ノズルの形であることができる。
【0023】
別の実施形態において容器は過分極造影剤を固体の形で保存するのに適している。気化器は過分極造影剤を、粒子が被験者によって吸入される前に融解若しくは蒸発するのに十分に小さな粒子に切り刻むように構成されるチョッパを有する。この実施形態は被験者による吸入の前に過分極造影剤の寿命を最大化するため有利である。
【0024】
別の実施形態において容器は過分極造影剤を含むカートリッジを受けるように構成される。これは、カートリッジが過分極造影剤をディスペンサに入れる便利な方法を提供するため、有利な実施形態である。
【0025】
別の実施形態においてディスペンサは少なくとも2つのカートリッジを保持するように構成されるカートリッジホルダをさらに有する。カートリッジホルダはどのカートリッジが容器の中に取り付けられるかを自動的に変えるように構成される。この実施形態は、過分極造影剤が長期間にわたる使用のために備えることができるので有利である。1つの検査の経過中又は複数の異なる検査の経過中に過分極造影剤は自動的に容器にロードされることができる。
【0026】
別の実施形態においてディスペンサは、気体流管を通る気体流がフェイスピースに向けられるか、又は自己洗浄手順中に排出のために使用される洗浄出口に向けられるかどうかを選択するように構成されるバイパス弁をさらに有する。制御システムは自己洗浄手順中に洗浄出口へ気体流を向けるためにバイパス弁を制御するように構成される。この実施形態は、システムが分解されて洗浄される必要がない場合、システムが長期間にわたって使用されることができるため、有利である。
【0027】
別の実施形態において気体流管の少なくとも一部は過分極蒸気の凝縮体を再蒸発させるように構成される電気ヒータを持つ。この実施形態は、過分極材料が気体流管において凝縮し得るため有利である。この実施形態は過分極造影剤をより効率的に使用し、自己洗浄手順と併用されることができる。
【0028】
別の実施形態において、ディスペンサ、フェイスピース、及び/又はカートリッジは識別用のRFIDタグを持ち得る。
【0029】
別の実施形態において、ディスペンサ、フェイスピース、及び/又はカートリッジはバーコードを持ち得る。
【0030】
別の実施形態において、ディスペンサ、カートリッジ、及び/又はフェイスピースは使い捨てである。
【0031】
別の態様において、本発明は、核の磁気スピンを方向付けるための磁場を発生させるための磁石を有する磁気共鳴イメージング画像を取得するように構成される磁気共鳴イメージングシステムを提供する。磁石は超電導、常伝導磁石、又は超電導及び常伝導磁石の組み合わせであり得る。トロイダル磁石若しくはいわゆるオープン磁石もまた使用され得る。磁気共鳴イメージングシステムはプロトンの磁気共鳴イメージングデータを取得するために較正される第1のコイルを有する高周波数システムをさらに有する。高周波数システムは過分極造影剤に対する磁気共鳴イメージングデータを取得するために較正される第2のコイルをさらに有する。第1のコイルと第2のコイルは単一コイル装置に組み込まれ得るか、又は共通部品を共有し得ることが理解される。本質的に第1のコイルと第2のコイルは同じコイルであることができる。磁気共鳴イメージングシステムは核の磁気スピンの方位を空間エンコードし操作するための傾斜磁場コイルをさらに有する。磁気共鳴イメージングシステムは傾斜磁場コイルに電流を供給するための傾斜磁場電源をさらに有する。磁気共鳴イメージングシステムは磁気共鳴イメージングデータから画像を構成するため、及び磁気共鳴イメージングシステムの動作を制御するためのコンピュータシステムをさらに有する。コンピュータシステムは1つ以上のコンピュータ埋め込みシステム若しくはコントローラをあらわすことができると本明細書では理解される。前述した通り、場合によっては1つのコンピュータが磁気共鳴イメージングシステムを制御し、別のコンピュータ若しくはコンピュータシステムがデータから画像を再構成する。磁気共鳴イメージングシステムは本発明の一実施形態にかかるディスペンサをさらに有する。
【0032】
別の実施形態においてディスペンサの容器は磁石の磁場に対して固定された位置で取り付けられる。位置は磁石の磁場が過分極造影剤の過分極を保存するように選ばれる。この実施形態は、磁場が過分極造影剤の寿命を増加させるのを助けるため、有利である。
【0033】
別の態様において本発明は、本発明の一実施形態にかかる磁気共鳴イメージングシステムを用いて被験者の磁気共鳴イメージング画像を取得する方法を提供する。方法は第1のコイルを用いて被験者の関心領域内から磁気共鳴イメージングデータの第1のセットを取得するステップを有する。第1のコイルはプロトン磁気共鳴イメージングデータを取得するために較正される。プロトン磁気共鳴イメージングデータは水素原子を用いる磁気共鳴イメージングデータの取得をあらわす。被験者内で水素分子は水、脂肪、若しくは身体組織などの分子内に組み込まれる。
【0034】
方法は磁気共鳴イメージングデータの第1のセットとモデルを用いてコンピュータシステムで第2の高周波数コイルを較正するステップをさらに有する。このステップは過分極造影剤の寿命がごくわずかであるため特に有利であり、第2のコイルを較正することは必ずしも実用的でないかもしれないが、代わりに較正を構成するために磁気共鳴イメージングデータの第1のセットと合わせてモデルを使用することがより実用的であり得る。モデルは複数の異なる方法で構成されることができ、これは第1のコイルからの磁気共鳴イメージングデータを、第2の高周波数コイルを作る、とられた測定結果と関連付けることによって経験的になされることができる。較正はまた、被験者の高周波数モデルを使用し、ならびに、第1のコイルを用いて被験者について得られる情報を用いて、周波数範囲において起こり得る反応がどうなるかをモデル化して、構成されることもできる。方法はディスペンサを用いて被験者に過分極蒸気を投与するステップをさらに有する。方法は第2のコイルを用いて関心領域内の磁気共鳴イメージングデータの第2のセットを取得するステップをさらに有する。方法はコンピュータシステムを用いて磁気共鳴イメージングデータの第2のセットから磁気共鳴イメージング画像を構成するステップをさらに有する。コンピュータシステムは必ずしも磁気共鳴イメージングシステムと同じ物理的位置にないことが本明細書で理解される。例えばコンピュータの集合はネットワーク接続によって磁気共鳴イメージングシステムに取り付けられることができる。
【0035】
ほんの一例として、図面を参照して以下に本発明の好適な実施形態が記載される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態にかかる磁気共鳴イメージングシステムを図示する。
【図2】本発明の一実施形態にかかる方法のフローチャートを示す。
【図3】本発明の一実施形態にかかるディスペンサを図示する。
【図4】本発明のさらなる一実施形態にかかるディスペンサを図示する。
【図5】本発明のさらなる一実施形態にかかるディスペンサを図示する。
【図6】本発明のさらなる一実施形態にかかるディスペンサを図示する。
【図7】本発明の一実施形態にかかるカートリッジホルダを持つディスペンサを図示する。
【図8】本発明のさらなる一実施形態にかかるカートリッジホルダを持つディスペンサを図示する。
【図9】本発明のさらなる一実施形態にかかるカートリッジホルダを持つディスペンサを図示する。
【図10】本発明の一実施形態にかかる磁気共鳴イメージングシステムの機能ブロック図を図示する。
【図11】本発明の一実施形態にかかるさらなる方法のフローチャートを示す。
【図12】本発明のさらなる一実施形態にかかるディスペンサを図示する。
【図13】自己洗浄動作中に使用されるバイパス弁の動作を説明する図を図示する。
【図14】本発明の一実施形態にかかる気体流管に組み込まれる加熱システムを図示する。
【図15】本発明の一実施形態にかかるさらなる方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
これらの図において類似する番号の要素は同一要素であるか又は同じ機能を実行する。前に論じられた要素は機能が同一である場合はその後の図において必ずしも論じられない。
【0038】
図1は本発明の一実施形態にかかる磁気共鳴イメージングシステム100を示す。磁石内の核のスピンを整列させるための高磁場を発生させる磁石102がある。磁石のボアの内部に傾斜磁場コイル110と第1のコイル104と第2のコイル106がある。傾斜磁場コイル110は傾斜磁場コイル電源112に接続される。第1のコイル104と第2のコイル106は高周波数送受信機108に接続される。個別の励起及び受信コイル若しくはアンテナが使用されることができ、又は複合アンテナもまた使用されることができることが理解される。他の実施形態において108は送信機と個別の受信機であることができる。被験者支持台116の上に座っている被験者114もまた磁石102のボア内にある。関心領域118があり、それに対して磁気共鳴イメージングデータが取得される。過分極蒸気を被験者114に分配するのに適したディスペンサ132が磁石102に隣接する。ディスペンサ132は2つのカートリッジ134と共に示される。ディスペンサ132はまたディスペンサ132にフェイスピース138を接続するために使用される取付部品136も持つ。フェイスピース138は被験者114の鼻と口の上にあるように示される。このように被験者114は磁気共鳴イメージングデータの取得中に過分極蒸気を吸入することができる。ディスペンサ132は領域140内に位置し、その位置は磁石102の磁場に対して固定される。領域140は磁場がカートリッジ134内に過分極材料を維持するために十分であるように選ばれる。
【0039】
コンピュータシステム120もまた示される。コンピュータシステムは磁気共鳴イメージングシステムを制御するのに適したハードウェアインターフェース122を持つ。ハードウェアインターフェースはディスペンサ132、傾斜磁場コイル電源112、及び高周波数送受信機108に接続される。ハードウェアインターフェースはまたマイクロプロセッサ126にも接続される。マイクロプロセッサは磁気共鳴イメージングシステムを制御し操作するための機械実行可能命令を含むコンピュータプログラム128を持つ。コンピュータプログラムのコンポーネントはモデルモジュール130である。モデルモジュールは第2のコイル106に対する較正を計算するために第1のコイルを用いて取得される磁気共鳴イメージングデータを使用することができるモジュールである。コンピュータシステム120はまたユーザインターフェース124と共に示され、ここで情報がユーザ若しくはオペレータに表示されることができ、またここで命令若しくはコマンドがオペレータから受信されることができる。ディスペンサは磁気共鳴イメージングを実行するために十分に大きい磁場の領域内に位置するので、選ばれる材料と部品はそれらがB場によって引きつけられるのを防ぐために非磁性である。
【0040】
図2は本発明にかかる方法の一実施形態を示す。ステップ200においてMRIデータの第1のセットが関心領域に対して第1のコイルを用いて取得される。第1のコイルはプロトン磁気共鳴イメージングデータを取得するために較正される。ステップ202において第2のコイルが磁気共鳴イメージングデータの第1のセットとモデルを用いて較正される。過分極材料の速い減衰速度のためにこれは有利である、なぜなら、較正が何であるかを決定するために通常のプロトン磁気共鳴イメージングデータが使用され、これは必要な過分極造影剤の量を生じ、手順をより迅速に進行させるためである。ステップ204において、過分極蒸気がディスペンサを用いて被験者に投与される。ステップ206において関心領域内の磁気共鳴イメージングデータの第2のセットが第2のコイルを用いて取得される。最後にステップ208において磁気共鳴イメージング画像がコンピュータシステムを用いて磁気共鳴イメージングデータの第2のセットから構成される。磁気共鳴イメージングデータの構成中、磁気共鳴イメージングデータの第1のセットもまた使用され得る。この場合過分極造影剤の濃度がプロトン磁気共鳴イメージング画像の上に重ね合わされる。
【0041】
図3は本発明の一実施形態にかかるディスペンサの一実施形態を示す。被験者114が示され、フェイスピース138が被験者114の顔の上にある。フェイスピース138は取付部品136に取り付けられる。取付部品136はディスペンサ132の一部であるように示される。ディスペンサ132の中に気体入口302が入っている。これは気体をディスペンサ132へ供給する。気体入口302の隣に沿ってディスペンサ132を制御するための電気的若しくは光学的若しくは無線接続もまたあり得る。ディスペンサ132の上部に容器300がある。容器は過分極造影剤304を受けるのに適している。これは過分極造影剤が液体、固体の形であることができるように、又は液体若しくは固体のいずれかを含むカートリッジの形でもあることができるように理想化された図である。無線接続若しくは光学的接続、例えば光ファイバ接続が、ディスペンサ132を遠隔制御するために使用され得る。ディスペンサは磁気共鳴イメージングシステムの磁場内に位置し得るため、ディスペンサ132を遠隔制御するための電気接続を利用することは難しく、これは同時に安全である。
【0042】
図4は気化システムを用いるディスペンサ132を示す。液体過分極造影剤304を含むカートリッジ134が示される。カートリッジ134はこの場合容器300を形成する。液体流管408への液体過分極造影剤304の流れを制御する弁404がある。支持器414がカートリッジ134に隣接し、正しいカートリッジ/薬剤の使用を確実にするキーイング機構としてはたらくか、又はそれを含むこともできる。過分極造影剤304が代わりに固体である一実施形態においてはヒータが支持器414内に位置することができる。弁404に隣接してコントローラ及び任意の考えられるセンサのための電子機器402が示される。電子機器402をコントローラへ接続する、又は電子機器402から制御信号を送受信するための、電気的若しくは光学的若しくは無線制御線400がある。液体流管408の下に気体流体流管406があり、ここで液体流管408は気体管406に入り、過分極造影剤304を気体流管406に噴射するノズル412がある。過分極蒸気若しくは霧が形成され、そしてこれは出口410を通ってディスペンサ132から取付部品へと出て行く。送受信核磁気共鳴(NMR)コイルが支持器414の中に組み込まれ得る。このNRMコイルは容器300内の過分極材料の偏極度をプローブするためにNMR分光計に接続され得る。このNMRプローブの信号はまたイメージングシーケンスと気化器の動作を制御するトリガアルゴリズムにも組み込まれ得る。例えば過分極材料の偏極度が減衰するにつれて過分極材料の用量は補正するために増加され得る。
【0043】
図5は過分極造影剤304を蒸発させるために圧電アクチュエータ510を使用するディスペンサ132を示す。ディスペンサ132の中央に気体流管406がある。下部に圧電アクチュエータ510がある。圧電アクチュエータ510の上部に過分極造影剤304の容器300がある。過分極造影剤は液体流管408を通って圧電アクチュエータ510の上に滴り落ちる。矢印504は気体流管406を通る気体流の方向を示す。506と標識された矢印は圧電アクチュエータ510の振動の振幅を示す。圧電アクチュエータ510は上下に振動し過分極造影剤の液滴508を気体流管内に形成させる。これは過分極造影剤304を過分極蒸気に変化させる。そしてこの過分極造影剤は出口410を通って取付部品へと出て行く。この実施形態にはバイパス弁500も示され、これは自己洗浄手順中に使用される洗浄出口502へ進む。
【0044】
図6は圧電アクチュエータ510によって駆動される振動ノズル606を用いるディスペンサ132の別の実施形態を示す。ここでもやはり気体流管406がある。矢印504は気体流管406を通る気流の方向を示す。過分極造影剤304で充填される容器300がある。この実施形態においては容器300の上部にカバー600が示される。液体流管408を通る過分極造影剤304の流れを制御する弁404がある。液体流管408は圧電アクチュエータのための支持器602を通過し、そして圧電アクチュエータ510を通って最後に振動先端606に入る。圧電アクチュエータは圧電アクチュエータのための支持器602の上に取り付けられ、振動ノズル606は圧電アクチュエータ510の上に取り付けられる。圧電アクチュエータ510が駆動されると振動先端が前後に動き、本質的に振動する。過分極造影剤304が液体流管408から出て気体流管406に入ると、振動ノズルは過分極造影剤の液滴508を気体流管406内に形成させる。そして蒸発した過分極造影剤は出口410を通ってディスペンサから取付部品へと出て行く。
【0045】
図7において回転カートリッジホルダ700を持つディスペンサ132が示される。ディスペンサ132の一端に気体入口302がある。もう一方の端に取付部品136がある。ディスペンサ132の上部にカートリッジホルダ700が取り付けられる。カートリッジホルダ700の中に複数のカートリッジ134がある。カートリッジホルダは回転によってどのカートリッジがディスペンサ132の中に挿入されるかを変える。回転の方向は矢印702を用いて示される(反対方向であることもできる)。
【0046】
図8は図7に示したものと同様のカートリッジホルダ700を持つディスペンサ132の一実施形態を示す。図7においてカートリッジホルダ700の回転の軸はディスペンサ132のすぐ上にあった。図8において回転の軸はディスペンサ132を通過しない。これは別として、図8及び図7に示した実施形態の機能は同一である。
【0047】
図9は内部フィードカートリッジホルダ900を持つディスペンサの一実施形態を示す。ディスペンサの一端に入口302があり、反対側に取付部品136がある。カートリッジホルダ900は過分極造影剤の個々のカートリッジ134のための場所を含む。カートリッジホルダは直線的に動き、各カートリッジ134をディスペンサ132によって使用されることができる位置に動かす。
【0048】
図10は本発明の一実施形態にかかる磁気共鳴イメージングシステム100の機能ブロック図を示す。磁気共鳴イメージング磁石及び傾斜磁場1004に接続される磁気共鳴イメージング分光計1002がある。磁気共鳴イメージングシステム100から来るデータを制御し分析するために使用されるコンソール1000若しくはコンピュータシステムがある。磁気共鳴イメージング分光計1002は気化器電子機器402に接続される。気化器電子機器402はディスペンサ132を制御する。過分極造影剤をディスペンサ132に与える容器300がある。そして最後にディスペンサ132はフェイスピース138に接続される。
【0049】
図11は過分極蒸気が被験者に投与されるときに磁気共鳴イメージング画像を取得するための磁気共鳴イメージングシステムを制御するための方法の一実施形態を示す。ステップ100においてフェイスピースとコイルが被験者に取り付けられる。ディスペンサがフェイスピースに接続される。ステップ1102において被験者が磁石内に置かれる。ステップ1104において磁気共鳴イメージングが開始される。このステップにおいて視野のプロトン画像が用意される。ステップ1106において過分極造影剤が容器若しくはディスペンサ内に置かれる。ステップ1108において過分極造影剤が蒸発する。ステップ1110において過分極造影剤の磁気共鳴イメージングが実行される。ステップ1112において画像が分析され、過分極造影剤の第2の試料が被験者に投与される。ステップ1114において被験者が磁石から離される。
【0050】
図12は固体過分極造影剤1200を粒子1210に切り刻むのに適したチョッパを有する気化器を用いるディスペンサ132を示す。気体流管406がある。気体流管406を通る機体流の方向を示す矢印がある。気体流管406内に回転チョッパ1206が位置する。矢印1208は回転チョッパ1206の回転の方向を示す。チョッパの方向は逆転してもよい。回転チョッパ1206は固体過分極造影剤1200を過分極造影剤の粒子1210に切り刻む。過分極造影剤の粒子1210は十分に小さいのでそれらが被験者の呼吸器系に達する前に融解し蒸発する。固体過分極造影剤1200のための容器300は回転チョッパ1206のすぐ上に位置する。過分極造影剤1200を回転チョッパ1206の中へ移動させるためのアクチュエータ1202がある。固体過分極造影剤1200を固体のまま維持するために使用される冷却システム1204がアクチュエータ1202に隣接して取り付けられる。有害化学物質が固体過分極造影剤に組み込まれる場合、前述した通り、過分極造影剤が被験者の呼吸器系に達する前にフィルタすることが有益である。固体過分極造影剤はフィルタされることができないので、粒子1210の融解によって生じる蒸気がフィルタされるはずである。これはフィルタをディスペンサの気体流管、取付部品の中に置くか、又はフェイスピースに組み込まれることによって達成されることができる。
【0051】
図13はバイパス弁500の動作を示す。バイパス弁500は自己洗浄手順中に使用される。気体はディスペンサ132から出る。気体流の考えられる方向が504と標識された矢印で示される。この図において弁は、フェイスピースへ向かう気体流が全くなく、気体の全てが高圧洗浄を用いて洗浄出口502へ向けられるような位置にある。
【0052】
図14は流管406における凝縮を減らすために使用される電気加熱システム1400を示す。矢印504は気体流管406を通る気体の移動方向を示す。過分極造影剤を蒸発させるために使用されるディスペンサ132は電気加熱システム1400の上部に示される。電気加熱システムがオンになると、これは気体流管406において凝縮した過分極造影剤を再蒸発させる。電気加熱システムはまた気体流管における凝縮を防ぐためにもオンにされることができる。これは、過分極造影剤の凍結粒子が示される図13に示した実施形態にとって特に有利である。過分極造影剤の粒子の低温は気体流管を通って流れる気体の局所冷却を起こしやすい。
【0053】
図15は本発明の一実施形態にかかる磁気共鳴イメージング画像を取得する方法を示す。ステップ1500において関心領域のプロトン画像が取得される。ステップ1502において過分極造影剤のMRI信号を受信するのに適したコイルが、ステップ1500において取得されたプロトン画像を用いて較正される。ステップ1504において過分極造影剤が投与のために用意される。ステップ1506においてMRI画像が取得され、過分極造影剤が投与される。そして方法は2つの考えられるバリエーションに分岐する。第1のバリエーションではステップ1508において過分極造影剤に対する磁気共鳴イメージングデータのみが取得される。そしてステップ1514において、ステップ1500で取得されたプロトン画像に対するデータと、ステップ1508で取得された磁気共鳴イメージングデータとが融合されて、過分極造影剤及びプロトン画像データの両方を視覚化する。これに代わる別の代案において、過分極造影剤とプロトンデータはステップ1506の直後にステップ1510において同時に画像化される。そしてステップ1512において運動補正などといったことが適用され、これは呼吸運動を観察するため、又は心拍の所定位相中のトリガリングのためにナビゲータを使用するなどといったことであり得る。過分極造影剤からの信号はプロトン信号よりもかなり少なくなりやすいので、プロトン信号を同時に画像化することは運動補正を実行するために有利である。そして1512の後のステップにおいて、プロトンMRIイメージングデータと過分極造影剤に対するMRIデータが視覚化のために合成される。
【符号の説明】
【0054】
100 磁気共鳴イメージングシステム
102 磁石
104 第1のコイル
106 第2のコイル
108 高周波数送受信機
110 傾斜磁場コイル
112 傾斜磁場コイル電源
114 被験者
116 被験者支持台
118 関心領域
120 コンピュータシステム
122 ハードウェアインターフェース
124 ユーザインターフェース
126 マイクロプロセッサ
128 コンピュータプログラム
130 モデルモジュール
132 ディスペンサ
134 カートリッジ
136 取付部品
138 フェイスピース
140 位置が102の磁場に固定された領域
300 容器
302 気体入口
304 過分極造影剤
400 電気制御
402 コントローラ及びセンサ用電子機器
404 弁
406 気体流管
408 液体流管
410 取付部品への出口
412 ノズル
414 支持器
500 バイパス弁
502 洗浄出口
504 気体流の方向を示す矢印
506 振動の振幅を示す矢印
508 液滴
510 圧電アクチュエータ
600 カバー
602 圧電アクチュエータ用支持器
606 振動ノズル
700 カートリッジホルダ
702 回転の方向
900 カートリッジホルダ
1000 コンソール
1002 磁気共鳴イメージング分光計
1004 磁気共鳴イメージング磁石と傾斜磁場
1200 凍結過分極造影剤
1202 アクチュエータ
1204 冷却システム
1206 回転チョッパ
1208 回転の方向
1210 凍結粒子
1400 電気加熱システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴イメージング検査中に被験者に過分極蒸気を分配するためのディスペンサであって、
前記被験者が吸入するときに前記過分極蒸気が前記被験者の呼吸器系に入るように前記被験者の表面を受けるように構成されるフェイスピースのための取付部品と、
過分極造影剤を受けるように構成される容器と、
前記取付部品に接続される気体流管と、
前記気体流管内の前記過分極造影剤を前記過分極蒸気に蒸発させるための気化器と、
前記気化器が前記過分極造影剤を蒸発させるときを制御するためのコントローラとを有する、ディスペンサ。
【請求項2】
前記ディスペンサが前記容器に隣接する核磁気共鳴コイルをさらに有し、前記核磁気共鳴コイルが核磁気共鳴装置に接続されるときに前記過分極造影剤の偏極度を測定するように構成される、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記容器が前記過分極造影剤を液体の形で保存するように構成される、請求項1又は2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記容器が前記過分極造影剤を固体の形で保存するように構成され、前記容器が蒸発前に前記過分極造影剤を液化させるように構成されるヒータをさらに有する、請求項1又は2に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記ヒータが前記過分極造影剤を蒸発する速度と等しい速度で融解させるように構成される、請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記ディスペンサが前記被験者による吸気と呼気を検出するように構成される呼吸センサをさらに有し、前記コントローラが、前記過分極造影剤が前記被験者による吸気中にのみ蒸発するように、検出した吸気と呼気に基づいて前記気化器を制御するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記コントローラが磁気共鳴イメージングシステムのコンピュータシステムからの命令を受信するように構成され、前記コンピュータシステムが、前記コントローラに、前記気化器が前記過分極造影剤を蒸発させることを可能にするときを指示するように構成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項8】
前記容器が前記過分極造影剤を固体の形で保存するように構成され、前記気化器が、前記過分極造影剤を、前記被験者によって吸入される前に粒子が融解し蒸発するほど十分に小さい粒子に切り刻むように構成されるチョッパを有する、請求項1又は2に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記容器が前記過分極造影剤を含むカートリッジを受けるように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記ディスペンサが少なくとも2つのカートリッジを保持するように構成されるカートリッジホルダをさらに有し、前記カートリッジホルダが、どのカートリッジが前記容器内に取り付けられるかを自動的に変えるように構成される、請求項9に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記ディスペンサが、前記気体流管を通って流れる気体が前記フェイスピースに向けられるか、又は洗浄出口に向けられるかどうかを選択するように構成されるバイパス弁をさらに有し、前記制御システムが、前記気体流を自己洗浄手順中に前記洗浄出口へ向けるために前記バイパス弁を制御するように構成される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項12】
前記気体流管の少なくとも一部が前記過分極蒸気の凝縮体を再蒸発させるように構成される電気ヒータを持つ、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のディスペンサ。
【請求項13】
磁気共鳴イメージング画像を取得するように構成される磁気共鳴イメージングシステムであって、
核の磁気スピンを方向付けるための磁場を発生させるための磁石と、
プロトンの磁気共鳴イメージングデータを取得するために較正される第1のコイルと、過分極造影剤に対する磁気共鳴イメージングデータを取得するために較正される第2のコイルとを有する高周波数システムと、
核の磁気スピンの方位を空間エンコード及び操作するための傾斜磁場コイルと、
前記傾斜磁場コイルに電流を供給するための傾斜磁場コイル電源と、
前記磁気共鳴イメージングデータから画像を構成するため、及び前記磁気共鳴メージングシステムの動作を制御するためのコンピュータシステムと、
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のディスペンサとを有する、磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項14】
前記ディスペンサの容器が前記磁石の磁場に対して固定された位置で取り付けられ、前記位置が、前記磁石の磁場が前記過分極造影剤の過分極を保存するように選ばれる、請求項13に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の磁気共鳴イメージングシステムを用いて被験者の磁気共鳴イメージング画像を取得する方法であって、
前記第1のコイルを用いて前記被験者の関心領域の磁気共鳴イメージングデータの第1のセットを取得するステップと、
前記磁気共鳴イメージングデータの第1のセットとモデルとを用いて前記コンピュータシステムで前記第2のコイルを較正するステップと、
前記ディスペンサを用いて前記被験者に過分極蒸気を投与するステップと、
前記第2のコイルを用いて前記関心領域内の磁気共鳴イメージングデータの第2のセットを取得するステップと、
前記コンピュータシステムを用いて前記磁気共鳴イメージングデータの第2のセットから磁気共鳴イメージング画像を構成するステップとを有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−531241(P2012−531241A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516943(P2012−516943)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052864
【国際公開番号】WO2010/150209
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】