説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】操作者の負担を軽減することを課題とする。
【解決手段】MRI装置は、撮像プラン毎に実行される撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象としてプラン画面上に表現されるROIを、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する。また、MRI装置は、プラン画面上で、異なるプロトコルに対応する複数のROI同士を結合することを指定する結合操作を受け付ける。また、MRI装置は、結合操作を受け付けると、プラン画面上で、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置)による撮像は、一般に、撮像条件の一群によって予め定義された撮像計画に従って実行される。このため、操作者は、撮像計画段階において、撮像計画(以下、撮像プラン)を設定するための撮像計画画面(以下、プラン画面)を表示部に表示し、各撮像条件を編集する。ここで、撮像プラン毎に実行される撮像の単位を「プロトコル」と定義すると、撮像によっては、複数のプロトコル間に関連性がある場合がある。以下、非造影で血流を撮像する手法の一例を挙げて説明する。
【0003】
非造影で血流を撮像する手法の一つに、例えばASL(Arterial Spin Labeling)がある。例えば、ASLを用いて血流の動態画像を生成する場合、MRI装置は、撮像条件の一つであるTI(反転時間:Inversion Time)を変更しながら、撮像を繰り返し行う。このような場合、撮像の単位一つ一つを1プロトコルとすると、撮像条件のうちTIのみが異なり、大半の撮像条件は一致もしくは類似するという意味で、複数のプロトコル間には関連性があることになる。なお、特許文献1には、MRI装置による撮像のためのプラン画面が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−255189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、操作者は、撮像プラン毎、すなわちプロトコル毎にプラン画面を表示部に表示し、撮像プランを設定しなければならず、操作者の負担が大きいという課題があった。複数のプロトコル間に関連性がある場合であっても同様である。
【0006】
例えば、操作者が、撮像条件の一つであるTIのみを変更したい場合、操作者は、あるプラン画面を表示部に表示し、TIを変更すると、プラン画面を閉じ、次のプラン画面を表示部に表示し、TIを変更すると、プラン画面を閉じる、といった操作や編集を繰り返し行わなければならなかった。操作者が、撮像条件の一つを複数のプロトコル間で共通に変更したい場合にも、操作者は、対象となるプロトコルのいずれかのプラン画面を表示部に表示し、目的の撮像条件を変更し、プラン画面を閉じ、また対象となるプロトコルのいずれかのプラン画面を表示部に表示し、同じ撮像条件を同じように変更し、プラン画面を閉じる、といった操作や編集を繰り返し行わなければならなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、操作者の負担を軽減することが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、撮像計画毎に実行される撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象として撮像計画画面上に表現される設定領域を、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、異なるプロトコルに対応する複数の設定領域同士を結合することを指定する結合操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段によって結合操作が受け付けられると、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、結合された複数の設定領域に対する編集を連動して受け付ける編集受付手段とを備える。
【0009】
また、請求項5に記載の本発明は、画像化される磁気共鳴信号を収集するために印加されるRFパルスの他に、撮像対象物にタグを付加するためにプレパルス(Pre Pulse)が印加される撮像において、印加されるRFパルスまたはプレパルス毎の撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象として撮像計画画面上に表現される撮像領域およびプレパルス領域を、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する表示制御手段と、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、異なるプロトコルに対応する複数の撮像領域および/またはプレパルス領域同士を結合することを指定する結合操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段によって結合操作が受け付けられると、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、結合された複数の撮像領域および/またはプレパルス領域に対する編集を連動して受け付ける編集受付手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1又は5に記載の本発明によれば、操作者の負担を軽減することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施例1に係るMRI装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1に係る計算機システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、撮像プランの一例を説明するための図である。
【図4】図4は、実施例1におけるプロトコル選択画面の一例を説明するための図である。
【図5】図5は、実施例1におけるプラン画面の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、ROIの結合及び分離の一例を説明するための図である。
【図7】図7は、ROIの結合及び分離の一例を説明するための図である。
【図8】図8は、ROIの結合及び分離の一例を説明するための図である。
【図9】図9は、結合されたROIに対する編集受付の一例を説明するための図である。
【図10】図10は、結合されたROIに対する編集受付の一例を説明するための図である。
【図11】図11は、プラン画面上のプロトコル指定の一例を説明するための図である。
【図12】図12は、実施例3におけるプラン画面の一例を説明するための図である。
【図13】図13は、実施例3におけるプラン画面の一例を説明するための図である。
【図14】図14は、実施例3におけるプラン画面の一例を説明するための図である。
【図15】図15は、実施例3におけるプラン画面の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るMRI装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0013】
[実施例1に係るMRI装置の構成]
図1を用いて、実施例1に係るMRI装置100の構成を説明する。図1は、実施例1に係るMRI装置100の構成を示すブロック図である。図1に例示するように、実施例1に係るMRI装置100は、特に、静磁場磁石1と、傾斜磁場コイル2と、傾斜磁場電源3と、寝台4と、寝台制御部5と、送信コイル6と、送信部7と、受信コイル8と、受信部9と、シーケンス制御部10と、計算機システム20とを備える。
【0014】
静磁場磁石1は、中空の円筒形状に形成され、内部の空間に一様な静磁場を発生する。静磁場磁石1は、例えば、永久磁石、超伝導磁石などである。傾斜磁場コイル2は、中空の円筒形状に形成され、内部の空間に傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場コイル2は、静磁場磁石1の内側に配置され、傾斜磁場電源3から電流の供給を受けて、スライス方向、位相エンコード方向、及び周波数エンコード方向の傾斜磁場を発生する。傾斜磁場電源3は、シーケンス制御部10から送られるパルスシーケンス実行データに従って、傾斜磁場コイル2に電流を供給する。
【0015】
寝台4は、被検体Pが載置される天板4aを備え、天板4aを、被検体Pが載置された状態で傾斜磁場コイル2の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台4は、長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部5は、寝台4を駆動して、天板4aを長手方向及び上下方向へ移動する。
【0016】
送信コイル6は、高周波磁場を発生する。具体的には、送信コイル6は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、送信部7からRF(Radio Frequency)パルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信部7は、シーケンス制御部10から送られるパルスシーケンス実行データに従って、ラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル6に送信する。
【0017】
受信コイル8は、磁気共鳴信号を受信する。具体的には、受信コイル8は、傾斜磁場コイル2の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから放射される磁気共鳴信号を受信する。また、受信コイル8は、受信した磁気共鳴信号を受信部9に出力する。
【0018】
受信部9は、シーケンス制御部10から送られるパルスシーケンス実行データに従って、受信コイル8から出力された磁気共鳴信号に基づき磁気共鳴信号データを生成する。具体的には、受信部9は、受信コイル8から出力された磁気共鳴信号をデジタル変換することによって磁気共鳴信号データを生成し、生成した磁気共鳴信号データをシーケンス制御部10を介して計算機システム20に送信する。
【0019】
シーケンス制御部10は、傾斜磁場電源3、送信部7、及び受信部9を制御する。具体的には、シーケンス制御部10は、計算機システム20から送信されたパルスシーケンス実行データを、傾斜磁場電源3、送信部7、及び受信部9に送信する。
【0020】
計算機システム20は、特に、インタフェース部21と、画像再構成部22と、記憶部23と、入力部24と、表示部25と、制御部26とを備える。インタフェース部21は、シーケンス制御部10に接続され、シーケンス制御部10と計算機システム20との間で送受信されるデータの入出力を制御する。画像再構成部22は、シーケンス制御部10から送信された磁気共鳴信号データから画像データを再構成し、再構成した画像データを記憶部23に格納する。
【0021】
記憶部23は、画像再構成部22によって格納された画像データや、MRI装置100において用いられるその他のデータを記憶する。例えば、記憶部23は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどである。
【0022】
入力部24は、プラン画面に対する操作や編集などを操作者から受け付ける。例えば、入力部24は、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。表示部25は、画像データやプラン画面などを表示する。例えば、表示部25は、液晶表示器などの表示デバイスである。
【0023】
制御部26は、上記各部を制御することによってMRI装置100を総括的に制御する。例えば、制御部26は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0024】
[実施例1に係る計算機システム20の構成]
ところで、実施例1に係るMRI装置100は、撮像プラン毎に実行される撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象としてプラン画面上に表現される設定領域(以下、ROI(Region Of Interest))を、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示する。また、実施例1に係るMRI装置100は、プラン画面上で、結合操作を受け付ける。結合操作とは、異なるプロトコルに対応する複数のROI同士を結合することを指定する操作である。また、実施例1に係るMRI装置100は、結合操作が受け付けられると、プラン画面上で、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。このようなMRI装置100の機能は、実施例1において、主に計算機システム20において実現される。そこで、以下では、実施例1における計算機システム20を詳細に説明する。
【0025】
図2は、実施例1に係る計算機システム20の構成を示すブロック図である。図2に例示するように、実施例1に係る記憶部23は、特に、撮像プラン記憶部23aを有する。撮像プラン記憶部23aは、例えば、プラン画面の定義情報や、撮像条件のプリセット情報、編集された撮像プランなどを記憶し、記憶したこれらの情報は、後述するプラン画面表示制御部26bによる処理に用いられる。また、撮像プラン記憶部23aは、プラン画面の定義情報や撮像条件のプリセット情報などを、例えば予め操作者によって入力されることで記憶し、編集された撮像プランなどを、例えば後述する操作編集受付部26cによって格納されることで記憶する。
【0026】
ここで、実施例1においては、非造影で血流を撮像する場合の撮像プランを一例に挙げて説明する。まず、図3を用いて、実施例1の説明に用いる撮像プランを説明する。図3は、撮像プランの一例を説明するための図である。
【0027】
非造影で血流を撮像する手法の一例として、ASLを説明する。実施例1に係るMRI装置100は、タグモードで撮像されたタグ画像と、コントロールモードで撮像されたコントロール画像との差分画像を生成することで、静止組織が消された血流成分のみの画像を生成する。また、実施例1に係るMRI装置100は、撮像条件の一つであるTIを変更しながら撮像を繰り返し行い、例えばタグ画像とコントロール画像との差分画像をTI毎に複数生成することで、血流の動態画像を生成する。
【0028】
タグモードとは、例えば、撮像領域(例えば診断用の画像として画像化される領域)を通過する動脈の上流部分にRFパルスを印加することで、撮像領域に流入する血液にタグと呼ばれる標識(ラベルとも称する)を付加し、RFパルスを印加してから撮像条件TIに設定された所定時間が経過すると、撮像領域の磁気共鳴信号を収集するモードである。なお、このようなRFパルスは、撮像領域の磁気共鳴信号を収集するためのRFパルスと区別する目的で、プレパルスなどと称される。以下では、他のプレパルスと区別する目的で、ASLパルスと称する。
【0029】
一方、コントロールモードとは、タグモード以外のモードであり、例えば、タグを付加せずに、所定時間が経過すると撮像領域の磁気共鳴信号を収集するモードや、撮像領域内の血液や撮像領域の下流部分の血液にタグを付加し、所定時間が経過すると撮像領域の磁気共鳴信号を収集するモードなどである。
【0030】
このような撮像を想定する場合、繰り返し行われる撮像の一つ、すなわち1プロトコルに対応する撮像プランのプラン画面は、例えば、図3に例示するようなプラン画面となる。まず、図3において、符号aの枠は、プラン画面の外枠である。また、符号bの枠は、位置決め画像を示す枠である。また、符号cは、動脈を示す。
【0031】
図3において、撮像領域は、符号S01の枠によってプラン画面上に表現される。また、ASLパルスを印加する領域は、符号S02の枠によってプラン画面上に表現される。なお、符号S03の枠及び符号S04の枠は、プレパルスの一つである信号抑制パルスを印加する領域を示す。すなわち、信号抑制パルスを印加する領域は、符号S03の枠及び符号S04の枠によってプラン画面上に表現される。
【0032】
このように、実施例1に係る撮像プランにおいて、1プロトコルに対応する設定対象としてプラン画面(符号a)上に表現されるROIは、撮像領域(符号S01)、ASLパルスを印加する領域(符号S02)、及び信号抑制パルスを印加する領域(符号S03及び符号S04)の組合せである。また、実施例1に係る撮像プランにおいては、撮像条件TIを変更しながら撮像を繰り返し行うことを想定するので、撮像条件のうちTIのみが異なる複数のプロトコル(実施例1においては例えば4プロトコル)間に関連性があることになる。
【0033】
さて、図2に戻り、実施例1に係る制御部26は、特に、プロトコル選択受付部26aと、プラン画面表示制御部26bと、操作編集受付部26cとを有する。
【0034】
プロトコル選択受付部26aは、プラン画面に表示する撮像プランに対応するプロトコルの選択を受け付ける。具体的には、プロトコル選択受付部26aは、入力部24を介して操作者からプロトコルの選択を受け付けると、受け付けた選択情報をプラン画面表示制御部26bに通知する。
【0035】
図4は、実施例1におけるプロトコル選択画面の一例を説明するための図である。図4に例示するように、プロトコル選択受付部26aは、例えば、プロトコル選択画面を表示部25に表示し、プロトコル選択画面上で、入力部24を介してプロトコルの選択を受け付ける。例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いてプロトコル選択画面上に表示されたボタンをクリックすることにより、プロトコル選択受付部26aは、プロトコルの選択を受け付ける。なお、図4は、関連性を有する4プロトコルのうち、『プロトコル1』、『プロトコル2』、及び『プロトコル3』の選択が受け付けられたことを示す。
【0036】
プラン画面表示制御部26bは、プロトコルが複数選択されると、プロトコル毎の設定対象としてプラン画面上に表現されるROIを、選択されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する。具体的には、プラン画面表示制御部26bは、プロトコル選択受付部26aから選択情報を受け付けると、受け付けた選択情報を用いて撮像プラン記憶部23aを参照し、選択されたプロトコルに対応する撮像プランをプラン画面に表示するための情報を取得する。そして、プラン画面表示制御部26bは、取得した情報を用いて、選択された全てのプロトコルに対応するROIを一画面内に表示する。
【0037】
図5は、実施例1におけるプラン画面の一例を説明するための図である。図5に例示するように、プラン画面表示制御部26bは、選択された3プロトコル全てについて、撮像領域(符号S01)、ASLパルスを印加する領域(符号S02)、及び信号抑制パルスを印加する領域(符号S03及び符号S04)の組合せを、一画面内に表示する。
【0038】
なお、実施例1においては、撮像領域(符号S01)、ASLパルスを印加する領域(符号S02)、及び信号抑制パルスを印加する領域(符号S03及び符号S04)のいずれも、それぞれは、全てのプロトコルにおいて同じ空間的位置にあるものとする。図5においては、あたかも少しずつずれた位置にあるように表現されているが、必ずしも位置が異なることを示すものではなく、3プロトコル分の情報が重複して表現されていることを示すものである。もっとも、開示の技術はこれに限られるものではなく、プロトコル毎に位置が異なる場合には、プロトコル毎のROIは、異なる位置に表現されることになる。
【0039】
操作編集受付部26cは、プラン画面上で操作を受け付け、また、編集を受け付ける。具体的には、操作編集受付部26cは、プラン画面表示制御部26bによって表示部25に表示されたプラン画面に対する操作者による操作や編集を、入力部24を介して受け付け、受け付けた操作内容や編集内容を、プラン画面表示制御部26bに通知したり、撮像プラン記憶部23aに格納したりする。プラン画面表示制御部26bは、通知された操作内容や編集内容に従って表示部25に表示するプラン画面を変更し、また、撮像プラン記憶部23aは、編集後の撮像プランを記憶する。
【0040】
ここで、図6〜10を用いて、「操作」及び「編集」の一例を説明する。図6〜8は、ROIの結合及び分離の一例を説明するための図であり、図9及び10は、結合されたROIに対する編集受付の一例を説明するための図である。実施例1において、「操作」には、特に、「結合操作」及び「分離操作」が含まれる。「結合操作」とは、プラン画面上で、異なるプロトコルに対応する複数のROI同士を結合して操作対象とすることを指定する操作である。また、「分離操作」とは、結合された複数のROIを分離して個別に操作対象とすることを指定する操作である。
【0041】
また、「結合操作」によって結合された複数のROIに対する「編集」とは、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付けることである。また、「分離操作」によって分離された個別のROIに対する「編集」とは、分離された個別のROIに対する編集を個別に受け付けることである。
【0042】
例えば、図6及び図7を用いて、ASLパルスを印加する領域(符号S02)同士を結合し、分離する例を説明する。図6に例示するように、プラン画面上には、ASLパルスを印加する領域(符号S02)が3つ表示されている。なお、説明の便宜上、図6においては他のROIの図示を省略するが、実際は、他のROIもプラン画面上に表示されている。
【0043】
例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いてプラン画面上に表示されたASLパルスを印加する領域(符号S02)3つそれぞれを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『ジョイント』を左クリックにより選択したとする。操作者による例えばこのような操作により、操作編集受付部26cは、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つを結合することを指定する「結合操作」を受け付ける。
【0044】
続いて、操作編集受付部26cは、「結合操作」に対応する「編集」として、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。例えば、図6に例示するように、操作者が、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つ全ての位置を変更したいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスのドラッグ操作によりプラン画面上を移動させると、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つ全てが同時に移動する。なお、図6において、点線で示すASLパルスを印加する領域(符号S02)3つが、移動前を意味し、実線で示すASLパルスを印加する領域(符号S02)3つが、移動後を意味し、白抜き矢印が、移動を意味する。
【0045】
また、例えば、図7に例示するように、結合されたASLパルスを印加する領域(符号S02)3つを一旦分離し、その後、一部にあたる2つのASLパルスを印加する領域(符号S02)同士を改めて結合するとする。例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、結合されたASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『ジョイント解除』を左クリックにより選択したとする。操作者による例えばこのような操作により、操作編集受付部26cは、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つを分離することを指定する「分離操作」を受け付ける。
【0046】
また、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いてプラン画面上に表示されたASLパルスを印加する領域(符号S02)2つそれぞれを左クリックし、3つのうちの2つを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『ジョイント』を左クリックにより選択したとする。操作者による例えばこのような操作により、操作編集受付部26cは、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちの2つを結合することを指定する「結合操作」を受け付ける。
【0047】
続いて、操作編集受付部26cは、「結合操作」に対応する「編集」として、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。例えば、図7に例示するように、操作者が、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちの2つの位置を変更したいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、ASLパルスを印加する領域(符号S02)2つのうちのいずれかを左クリックし、2つを被選択状態にした上で、例えばマウスのドラッグ操作によりプラン画面上を移動させると、ASLパルスを印加する領域(符号S02)2つが同時に移動する。
【0048】
また、実施例1においては、撮像領域(符号S01)、ASLパルスを印加する領域(符号S02)、及び信号抑制パルスを印加する領域(符号S03及び符号S04)の組合せが、1プロトコルに対応するROIであるが、異なる領域同士であっても、結合することができる。
【0049】
例えば、図8に例示するように、撮像領域(符号S01)及びASLパルスを印加する領域(符号S02)全てを結合するとする。プラン画面上には、撮像領域(符号S01)3つ及びASLパルスを印加する領域(符号S02)3つが表示されている。なお、撮像領域(符号S01)3つは既に結合されており、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つも既に結合されているとする。
【0050】
例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いてプラン画面上に表示された撮像領域(符号S01)3つのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にし、また、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にする。このように、操作者が、6つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『ジョイント』を左クリックにより選択したとする。操作者による例えばこのような操作により、操作編集受付部26cは、撮像領域(符号S01)及びASLパルスを印加する領域(符号S02)6つ全てを結合することを指定する「結合操作」を受け付ける。
【0051】
続いて、操作編集受付部26cは、「結合操作」に対応する「編集」として、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。例えば、図8に例示するように、操作者が、撮像領域(符号S01)及びASLパルスを印加する領域(符号S02)6つ全ての位置を変更したいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、撮像領域(符号S01)及びASLパルスを印加する領域(符号S02)6つのうちのいずれかを左クリックし、6つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスのドラッグ操作によりプラン画面上を移動させると、撮像領域(符号S01)及びASLパルスを印加する領域(符号S02)6つ全てが同時に移動する。
【0052】
ところで、「編集」は、ROIの移動に限られず、例えば、図9及び図10に例示するように、撮像条件の設定値の設定なども含まれる。例えば、図9において、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つは既に結合されているとする。例えば、図9に例示するように、操作者が、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つ全てについて、撮像条件TIの設定値を変更したいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『TI変更』を左クリックにより選択したとする。
【0053】
すると、図9に例示するように、例えば、プラン画面上には、撮像条件TIの設定値を変更するためのウィンドウが表示される。例えば、図9に例示するように、ウィンドウ内には、『プロトコル1』、『プロトコル2』、及び『プロトコル3』それぞれの撮像条件TIの設定値を変更するバーが表示される。このため、例えば、操作者は、それぞれのバーを少しずつずらすなどして設定値を変更することで、撮像条件TIを少しずつ変更するというプロトコル毎の撮像プランを容易に設定することができる。操作者による例えばこのような操作により、操作編集受付部26cは、「結合操作」に対応する「編集」として、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。
【0054】
また、例えば、図10において、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つは既に結合されているとする。例えば、図10に例示するように、操作者が、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちの1つについて、撮像条件TIの設定値を変更したいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『プロトコル3のTI変更』を左クリックにより選択したとする。
【0055】
すると、図10に例示するように、例えば、プラン画面上には、『プロトコル3』の撮像条件TIの設定値を変更するためのウィンドウが表示される。例えば、図10に例示するように、ウィンドウ内には、『プロトコル3』の撮像条件TIの設定値を変更するバーが表示される。このため、例えば、操作者は、このバーをずらすなどして設定値を変更することで、『プロトコル3』に対応する撮像プランを設定することができる。操作者による例えばこのような操作により、操作編集受付部26cは、結合された複数のROIに対する編集として、個別のROIに対する編集も受け付ける。
【0056】
なお、例えば、操作者が、ASLパルスを印加する領域(符号S02)3つのうちの1つについて、ある撮像条件の設定値を変更したいと考えた場合、その撮像条件が、プロトコル毎に個別に設定されるべき撮像条件として予め定義されていた場合には、自動的に、個別のプロトコルについて撮像条件の設定値を変更するためのウィンドウが表示されてもよい。
【0057】
[実施例1の効果]
上述したように、実施例1に係るMRI装置100は、撮像プラン毎に実行される撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象としてプラン画面上に表現されるROIを、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する。また、実施例1に係るMRI装置100は、プラン画面上で、異なるプロトコルに対応する複数のROI同士を結合することを指定する結合操作を受け付ける。また、実施例1に係るMRI装置100は、結合操作が受け付けられると、プラン画面上で、結合された複数のROIに対する編集を連動して受け付ける。
【0058】
このようなことから、実施例1によれば、操作者の負担を軽減することが可能になる。従来であれば、例えば、操作者が、撮像条件の一つであるTIのみを変更したい場合であっても、操作者は、あるプラン画面を表示部に表示し、TIを変更すると、プラン画面を閉じ、次のプラン画面を表示部に表示し、TIを変更すると、プラン画面を閉じる、といった操作や編集を繰り返し行わなければならなかった。この点、実施例1によれば、操作者は、プラン画面上で複数のROI(例えばプレパルス領域(タグを付加する領域))を結合し、かつ、結合された複数のROIの撮像条件(例えばTI)の編集を一度に行うことができるので、操作者の利便性や効率性が向上し、負担を軽減することが可能になる。ひいては、操作にかかる時間やミスを減らすことも可能になる。
【0059】
特に、プレパルス領域に設定されるTIのように、異なるプロトコル間で相互に類似する撮像条件を、相互の関連性に留意しながら設定しなければならない場合、実施例1によれば、全てのプロトコルについて一画面内で同時に編集することができるので、操作者は、相互の関連性を確認しながら設定することができ、有効である。
【0060】
また、実施例1に係るMRI装置100は、結合された複数のROIを分離することを指定する分離操作をさらに受け付け、分離操作を受け付けると、プラン画面上で、分離された個別の設定領域に対する編集を個別に受け付ける。
【0061】
このように、実施例1によれば、プラン画面上に表示された複数のROIについて、結合操作も分離操作も任意に行うことが可能になり、結合された複数のROIに対する1つの編集を全てのROIに反映すること、結合された複数のROIに対する1つの編集を1つのROIに反映すること、結合された複数のROIを分離して個別のROIに編集をすることなど、自由かつ柔軟にできる。
【0062】
また、実施例1によれば、一連のプロトコルについて撮像プランの編集が完了すると、連続して撮像を行うことが可能になるため、その意味においても、操作者の負担を軽減することになり、ワークフローの時間短縮も可能になる。すなわち、従来であれば、例えば、『プロトコル1』の撮像プランを編集し、撮像し、次に、『プロトコル2』の撮像プランを編集し、撮像し、続いて、『プロトコル3』の撮像プランを編集し、撮像する、といったワークフローなどであった。この点、実施例1によれば、例えば、『プロトコル1』、『プロトコル2』、及び『プロトコル3』の撮像プランを同時に編集し、『プロトコル1』、『プロトコル2』、及び『プロトコル3』を連続して撮像する、といったワークフローが可能になる。
【実施例2】
【0063】
次に、実施例2に係るMRI装置100を説明する。実施例2に係るMRI装置100は、実施例1に係るMRI装置100の機能に加え、プラン画面上にプロトコルの指定を受け付けるボタンをさらに表示し、ボタンが押下されると、押下されたプロトコルに対応するROI以外のROIをプラン画面上に表示しない機能を有する。以下、図11を用いて、実施例2に係るプラン画面を説明する。
【0064】
実施例2に係るプラン画面表示制御部26bは、プラン画面上で、プロトコルの指定を受け付ける。また、実施例2に係るプラン画面表示制御部26bは、指定されたプロトコルに対応するROI以外のROIをプラン画面上に表示しない。
【0065】
図11は、プラン画面上のプロトコル指定の一例を説明するための図である。例えば、プラン画面表示制御部26bは、図11の(A)に例示するように、プロトコルの指定を受け付けるためのボタンを表示する。そして、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いてプラン画面上に表示されたボタン『プロトコル3』を左クリックにより押下したとする。すると、プラン画面表示制御部26bは、図11の(B)に例示するように、プラン画面上に表示されているROIのうち、指定された『プロトコル3』に対応するROI以外のROI、すなわち、『プロトコル1』及び『プロトコル2』に対応するROIをプラン画面上に表示しないように、制御する。
【0066】
例えば、プラン画面表示制御部26bは、『プロトコル3』を用いて撮像プラン記憶部23aを参照し、撮像プラン記憶部23aに記憶された『プロトコル3』を改めて読み出して、表示部25に表示すればよい。
【0067】
なお、実施例2においては、プラン画面表示制御部26bが、押下されたプロトコルに対応するROI以外のROIをプラン画面上に表示しない手法を説明したが、開示の技術はこれに限られるものではない。例えば、プラン画面表示制御部26bが、押下されたプロトコルに対応するROIをプラン画面上で強調表示する手法であってもよい。強調表示とは、例えば、ハイライト表示や、点滅表示などである。
【実施例3】
【0068】
次に、実施例3に係るMRI装置100を説明する。実施例3に係るMRI装置100は、実施例1や実施例2に係るMRI装置100の機能に加え、位置決め画像の表示方向の切り替えにも対応し、スライス枚数の設定やスライス厚の設定にも対応する機能を有する。以下、図12〜15を用いて、実施例3に係るプラン画面を説明する。図12〜15は、実施例3におけるプラン画面の一例を説明するための図である。
【0069】
実施例3に係るプラン画面表示制御部26bは、例えば、図3に例示した撮像領域(符号S01)の表示方向を切り替え、図12に例示するように表示することができる。すなわち、図3に例示した撮像領域(符号S01)がスライス面を表示するものであるとし、かつ複数のスライス面によって構成されるスラブを表示するものであるとする。すると、プラン画面表示制御部26bは、図3に例示するプラン画面の右から左に向かう方向に表示方向を切り替えると、図12に例示するように、厚みをもったスラブを表示することができる。なお、このとき、切り替え前に結合操作が行われていた場合には、プラン画面表示制御部26bは、その結合関係を保持したまま表示を切り替えることができる。
【0070】
ここで、実施例1と同様、操作編集受付部26cは、プラン画面上で操作を受け付け、また、編集を受け付ける。そこで、例えば、図12において、3つのスラブが既に結合されているとする。すると、例えば、図13に例示するように、操作者が、3つのスラブ全てについてスライス数の設定をしたいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、3つのスラブのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『スライス数の設定』を左クリックにより選択したとする。
【0071】
すると、例えば、プラン画面上に、スライス数を設定するためのウィンドウが表示され(図13において図示を省略)、例えば、操作者は、入力部24であるキーボードを用いて『3』の数を入力するなどスライス数を設定することで、撮像プランを設定することができる。また、図13に例示するように、プラン画面上の3つのスラブは、いずれも、スライス数が『3』に設定されたことを表示する。
【0072】
また、例えば、図14に例示するように、操作者が、3つのスラブのうちの1つについてスライス数を変更したいと考えた場合、例えば、操作者が、入力部24であるマウスを用いて、3つのスラブのうちのいずれかを左クリックし、3つ全てを被選択状態にした上で、例えばマウスの右クリックによりプルダウンメニューを表示し、プルダウンメニュー中の『プロトコル3のスライス数の設定』を左クリックにより選択したとする。
【0073】
すると、図14に例示するように、例えば、プラン画面上において、『プロトコル3』に対応するスラブのみがハイライト表示され、例えば、操作者は、入力部24であるキーボードを用いて『4』の数を入力するなどスライス数を設定することで、撮像プランを設定することができる。また、図14に例示するように、プラン画面上の1つのスラブは、スライス数が『4』に設定されたことを表示する。
【0074】
なお、例えば、図15に例示するように、プラン画面表示制御部26bは、プロトコル毎にROIの線種(例えば、太線、実線、点線など)を替えて表示したり、その他、ROIの色やパターンを替えて表示することもできる。
【実施例4】
【0075】
その他、本発明は、上記実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0076】
すなわち、上記実施例1〜3に記載したプラン画面は、一例にすぎず、開示の技術は、これに限られるものではない。まず、撮像プランとして、非造影で血流を撮像する手法であるASLを例に挙げて説明したが、開示の技術が対象とする撮像プランは、これに限られるものではなく、MRI装置による撮像プランであれば、同様に適用することが可能である。したがって、1プロトコルに対応するROIとしてプラン画面上に表示されるものも、上記実施例1〜3に記載したROIに限られるものではなく、撮像プランに応じて任意に変更されるものである。また、設定対象となる撮像条件としてプラン画面上に表示されるものも、上記実施例1〜3に記載した撮像条件に限られるものではなく、例えば、FOV(Filed Of View)やオフセットなど、撮像プランに応じて任意に変更されるものである。
【0077】
また、結合操作、分離操作、編集操作などについても、マウスやキーボードを用いた操作を具体的に説明したが、これも一例にすぎず、開示の技術は、これに限られるものではない。どのような操作により複数のROIを結合するか、どのような操作により結合されたROIを分離するか、どのような操作によりROIの撮像条件を編集するか、どのような操作を簡略化するか、などは、任意に変更されるものである。
【0078】
同様に、プロトコル選択画面や撮像条件を設定するためのウィンドウなども、一例にすぎず、開示の技術は、これに限られるものではない。例えば、プロトコル選択は、操作者によって直接プロトコル番号等が入力される手法であってもよいし、プロトコル選択画面を用いるとしても、図4に例示した画面に限られない。また、例えば、図9に例示したウィンドウにおいて、それぞれのバーを少しずつずらして設定できる旨を説明したが、撮像プランによっては、全てのバーが連動して動く仕組みになっていてもよい。また、図9に例示したウィンドウに限られず、操作者によって直接設定値が入力されるものであってもよいし、図9に例示したウィンドウに加えて設定値も表示されるものであってもよい。
【0079】
また、一部の操作を簡略化してもよい。例えば、上記実施例1〜3においては、プラン画面上で任意のROIの結合や分離ができる旨を説明したが、例えば、予め、結合すべきと考えられる複数のROIや分離すべきと考えられるROIが記憶部に情報として定義されている場合などには、プラン画面表示制御部26bが、まず、そのような定義情報に従って、結合もしくは分離された状態でROIを表示してもよい。
【0080】
編集についても同様であり、予め、結合して編集されるべきと考えられる撮像条件や、個別に編集されるべきと考えられる撮像条件が記憶部に情報として定義されている場合などには、編集する撮像条件を指定した際に、自動的に、結合された状態や分離された状態のウィンドウが表示されたりしてもよい。
【0081】
また、実施例3において、プロトコル毎にROIの線種(例えば、太線、実線、点線など)を替えて表示したり、その他、ROIの色やパターンを替えて表示することもできる旨を説明したが、このような機能は実施例3に限られるものではなく、実施例1や実施例2においても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
100 MRI装置
20 計算機システム
21 インタフェース部
22 画像再構成部
23 記憶部
23a 撮像プラン記憶部
24 入力部
25 表示部
26 制御部
26a プロトコル選択受付部
26b プラン画面表示制御部
26c 操作編集受付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像計画毎に実行される撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象として撮像計画画面上に表現される設定領域を、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、異なるプロトコルに対応する複数の設定領域同士を結合することを指定する結合操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段によって結合操作が受け付けられると、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、結合された複数の設定領域に対する編集を連動して受け付ける編集受付手段と
を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記操作受付手段は、結合された複数の設定領域を分離することを指定する分離操作をさらに受け付け、
前記編集受付手段は、前記操作受付手段によって分離操作が受け付けられると、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、分離された個別の設定領域に対する編集を個別に受け付けることを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記撮像計画画面上で、プロトコルの指定をさらに受け付け、指定されたプロトコルに対応する設定領域以外の設定領域を該撮像計画画面上に表示しない、または、指定されたプロトコルに対応する設定領域を該撮像計画画面上で強調表示するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、指定されたプロトコル全てに対応する設定領域を一画面内に表示する場合に、プロトコル毎に、色または線種を変えて表示するように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
画像化される磁気共鳴信号を収集するために印加されるRFパルスの他に、撮像対象物にタグを付加するためにプレパルスが印加される撮像において、印加されるRFパルスまたはプレパルス毎の撮像単位としてのプロトコルが複数指定されると、プロトコル毎の設定対象として撮像計画画面上に表現される撮像領域およびプレパルス領域を、指定されたプロトコル全てについて一画面内に表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、異なるプロトコルに対応する複数の撮像領域および/またはプレパルス領域同士を結合することを指定する結合操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段によって結合操作が受け付けられると、前記表示制御手段によって表示された撮像計画画面上で、結合された複数の撮像領域および/またはプレパルス領域に対する編集を連動して受け付ける編集受付手段と
を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−182988(P2011−182988A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52151(P2010−52151)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】