説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】複数の先行パルスを用いる撮像において、使用する先行パルスの種類、数によらず、撮像の効率化、高品質化を図る技術を提供する。
【解決手段】本発明は、合成する先行パルスを特定するパラメータを、視覚的に把握しやすい状態で設定可能なユーザインタフェースを提供するとともに、複数の先行パルスを用いる場合、設定された先行パルスを合成して印加する手段を提供する。ユーザインタフェースは、テキスト入力領域と画像上入力領域とを備え、相互に入力を反映させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング技術に関する。特に、本撮像に先立ち、画像コントラストの装飾、不要信号の除去等を行う先行パルスの設定支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージングは、被検体に均一な静磁場を作用させた状態で、特定の基本周波数を持った高周波励パルス(励起用RFパルス)の照射を、撮像部位を特定する1軸方向のスライス選択傾斜磁場の印加とともに行ったあと、スライス方向に互いに直交する2軸方向(位相方向、周波数方向)の傾斜磁場を印加して、励起により発生する磁気共鳴信号(エコー信号)に2次元的な位置情報を付与して計測し、得られたエコー信号を再構成することにより、欲しい断層の画像データを得る。通常、2次元的な位置情報を付与する傾斜磁場を、それぞれ位相エンコード傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場と称する。
【0003】
このような磁気共鳴イメージングにおいて、エコー信号の収集のための励起用RFパルスの印加に先立って、画像コントラストの装飾、不要信号除去などの目的でRFパルスが印加されることがある。このようなRFパルスは、先行パルスと呼ばれ、目的に応じて異なる種々の先行パルスが複数印加されることがある。
【0004】
例えば、撮像部位に血流が存在したり、特定の周期で動く部分が存在したりすると、得られる断層像にアーチファクトが生じることがある。これは、スライス選択傾斜磁場を印加し、励起したあと、位相エンコード傾斜磁場又は周波数エンコード傾斜磁場を印加するまでの間に撮像部位の状態が変化するためである。このようなアーチファクトを回避するため、本撮像前に、アーチファクトを発生させる部分の信号を抑制するプリサチュレーションという技術がある。これは、本撮像前に、アーチファクトを発生させる部位の核スピンの位相をばらばらにしてランダムにすることで、本撮像時にこの部位から得られる信号を十分に小さくし、アーチファクトを抑制する技術である。
【0005】
例えば、互いに逆向きに流れる2つの血管が存在する部位を撮像する場合、2箇所の部位にプリサチュレーションを施す必要があり、抑制対象領域の異なる2つの先行パルスの印加が必要となる。従って、本撮像のシーケンスの前にプレサチュレーションシーケンスを2回実行する必要がある。このとき、撮像の繰り返し時間TRを一定とすると、撮像可能なスライス数が減少する。一方、スライス数を一定にすると、TRが延長し、画像コントラストが変化したり、撮像時間が長引いたりする。これを回避するため、2つの先行パルスを合成して印加することにより、1回のプレサチュレーションシーケンスで2回分のプレサチュレーション効果を得る手法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−360539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行パルスは、上述のように、取得される画像のコントラストを変えたり、診断に不要な信号の除去を行ったり、画像に大きな影響を与えるもので、そのパラメータの設定は煩雑であり、かつ、高い精度を要し、難しい。従って、上記のように、先行パルスを合成し、撮像時間の延長や撮像スライス数の減少による画質低下を抑制したとしても、先行パルスのパラメータの設定に時間がかかったり、適切な設定ができず、合成による効果が低減する。
【0008】
また、パルス種によっては、RFパルス1つ1つの印加では、パルス間に時間差が生じ、信号強度の違いなど、描出具合や画質に影響を与えることがある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複数の先行パルスを用いる撮像において、使用する先行パルスの種類、数によらず、撮像の効率化、高品質化を図る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、合成する先行パルスを特定するパラメータを、視覚的に把握しやすい状態で設定可能なユーザインタフェースを提供するとともに、設定された先行パルスを合成して同時に印加する手段を提供する。ユーザインタフェースは、テキスト入力領域と画像上入力領域とを備え、相互に入力を反映させる。
【0011】
具体的には、撮像条件設定手段を介して設定された撮像条件と予め設定されるパルスシーケンスとに従って各部を動作させて収集したエコー信号から画像を再構成する撮像手段を備える磁気共鳴イメージング装置であって、前記撮像条件設定手段は、複数の先行パルスそれぞれを特定するパラメータの入力を受け付ける先行パルス設定手段と、前記先行パルス設定手段で受け付けた複数の先行パルスを合成し合成先行パルスを生成する先行パルス合成手段と、を備え、前記撮像手段は、本撮像の実行前に、前記合成先行パルスを印加するよう制御し、前記先行パルス設定手段は、各先行パルスそれぞれの励起領域を独立して把握可能な先行パルス設定画面上で前記パラメータの入力を受け付けることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の先行パルスを用いる撮像において、使用する先行パルスの種類、数によらず、撮像の効率化、高品質化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態のMRI装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の制御処理系の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の撮像条件設定初期画面を説明するための説明図である。
【図4】本発明の実施形態の先行パルス設定画面を説明するための説明図である。
【図5】先行パルスの合成手法を説明するための説明図である。
【図6】本発明の実施形態のパルスシーケンスのシーケンス図である。
【図7】本発明の実施形態の撮像処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の先行パルス設定処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の第一の先行パルス設定画面を説明するための説明図である。
【図10】本発明の実施形態の第二の先行パルス設定画面を説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施形態の第三の先行パルス設定画面を説明するための説明図である。
【図12】実施例1の第二入力領域に表示されるROIインジケータを説明するための説明図である。
【図13】実施例2の第二入力領域に表示されるROIインジケータを説明するための説明図である。
【図14】実施例3の第二入力領域に表示されるROIインジケータを説明するための説明図である。
【図15】実施例4の第二入力領域に表示されるROIインジケータを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用する実施形態について説明する。以下、本発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0015】
最初に、本実施形態のMRI装置について説明する。図1は、本実施形態のMRI装置10の全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMRI装置10は、磁気共鳴現象を利用して被検体11の断層像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生系20と、傾斜磁場発生系30と、送信系50と、受信系60と、制御処理系70と、シーケンサ40と、とを備える。
【0016】
静磁場発生系20は、垂直磁場方式であれば、被検体11の周りの空間にその体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば、体軸方向に、均一な静磁場を発生させるもので、被検体11の周りに配置される永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源を備える。
【0017】
傾斜磁場発生系30は、MRI装置10の座標系(静止座標系)であるX、Y、Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル31と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源32とを備え、後述のシーケンサ40からの命令に従ってそれぞれの傾斜磁場コイル31の傾斜磁場電源32を駆動することにより、X、Y、Zの3軸方向に傾斜磁場Gx、Gy、Gzを印加する。
【0018】
送信系50は、被検体11の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるために、被検体11に高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」と呼ぶ。)を照射するもので、高周波発振器(シンセサイザ)52と変調器53と高周波増幅器54と送信側の高周波コイル(送信コイル)51とを備える。高周波発振器52はRFパルスを生成し、シーケンサ40からの指令によるタイミングで出力する。変調器53は、出力されたRFパルスを振幅変調し、高周波増幅器54は、この振幅変調されたRFパルスを増幅し、被検体11に近接して配置された送信コイル51に供給する。送信コイル51は供給されたRFパルスを被検体11に照射する。
【0019】
受信系60は、被検体11の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出される核磁気共鳴信号(エコー信号、NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル(受信コイル)61と信号増幅器62と直交位相検波器63と、A/D変換器64とを備える。受信コイル61は、被検体11に近接して配置され、送信コイル51から照射された電磁波によって誘起された被検体11の応答のNMR信号を検出する。検出されたNMR信号は、信号増幅器62で増幅された後、シーケンサ40からの指令によるタイミングで直交位相検波器63により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器64でディジタル量に変換されて、制御処理系70に送られる。
【0020】
シーケンサ40は、RFパルスと傾斜磁場パルスとを所定のパルスシーケンスに従って繰り返し印加する。なお、パルスシーケンスは、高周波磁場、傾斜磁場、信号受信のタイミングや強度を記述したもので、予め制御処理系70に保持される。シーケンサ40は、制御処理系70からの指示に従って動作し、被検体11の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系50、傾斜磁場発生系30、および受信系60に送信する。
【0021】
制御処理系70は、MRI装置10全体の制御、各種データ処理、処理結果の表示及び保存等を行うもので、CPU71と記憶装置72と表示装置73と入力装置74とを備える。記憶装置72は、ハードディスクと、光ディスク、磁気ディスクなどの外部記憶装置とにより構成される。表示装置73は、CRT、液晶などのディスプレイ装置である。入力装置74は、MRI装置10の各種制御情報や制御処理系70で行う処理の制御情報の入力のインタフェースであり、例えば、トラックボールまたはマウスとキーボードとを備える。入力装置74は、表示装置73に近接して配置される。操作者は、表示装置73を見ながら入力装置74を通してインタラクティブにMRI装置10の各種処理に必要な指示、データを入力する。
【0022】
CPU71は、操作者が入力した指示に従って、記憶装置72に予め保持されるプログラムを実行することにより、MRI装置10の動作の制御、各種のデータ処理等の制御処理系70の各処理を実現する。図2は、本実施形態の制御処理系70において、CPU71が、プログラムを実行することにより実現する各機能を説明するための機能ブロック図である。
【0023】
本実施形態の制御処理系70は、プログラムにより、撮像条件の設定を支援し、設定された撮像条件に従って各部を制御して撮像を実現する。これらを実現するため、本実施形態の制御処理系70は、MRI装置10の各部を制御して撮像を行う撮像部410と、撮像条件の設定を支援する撮像条件設定部420とを備える。また、この撮像条件設定部420は、先行パルスを特定するパラメータ以外の撮像条件(以後、基本条件と呼ぶ。)を設定する基本条件設定部421と、先行パルスを特定するパラメータ(先行パルスパラメータと呼ぶ。)を設定する先行パルス設定部422と、先行パルス設定部422でパラメータを設定した先行パルスを合成して1の先行パルスとし、そのパラメータを算出する先行パルス合成部423と、を備える。
【0024】
撮像条件設定部420は、予め定めた位置決め画像を用い、撮像条件を受け付ける。図3は、本実施形態の撮像条件設定部420が、撮像条件の設定を受け付けるために生成し、表示装置73に表示される撮像条件設定初期画面500の一例である。本図に示すように、本実施形態の撮像条件設定初期画面500は、位置決め画像を表示する位置決め画像表示領域510と、基本条件の設定を行う意思を受け付ける基本条件設定ボタン520と、先行パルスパラメータの設定の意思を受け付ける先行パルス条件設定ボタン530と、撮像開始の指示を受け付ける撮像ボタン540と、を備える。
【0025】
位置決め画像表示領域510には、予め取得した位置決め画像が表示される。基本条件設定ボタン520の押下を受け付けると、撮像条件設定部420は、基本条件設定部421に後述の基本条件設定処理を行わせる。また、先行パルス条件設定ボタン530の押下を受け付けると、撮像条件設定部420は、先行パルス条件設定部に後述の先行パルス設定処理を行わせる。撮像ボタン540の押下を受け付けると、撮像条件設定部420は、撮像部410に設定した撮像条件で撮像を開始させる。
【0026】
基本条件設定部421は、撮像条件設定部420の指示に従って、基本条件の入力を受け付け、撮像パラメータとして設定する基本条件設定処理を行う。本処理は、従来の先行パルス以外の撮像条件設定と同様である。
【0027】
先行パルス設定部422は、撮像条件設定部420の指示に従って、先行パルスパラメータの入力を受け付け、先行パルスパラメータとして設定する先行パルス設定処理を行う。先行パルス設定部422は、先行パルス設定画面を生成し、表示装置73に表示する。
【0028】
図4に本実施形態の先行パルス設定画面600の一例を示す。本図に示すように、本実施形態の先行パルス設定画面600は、先行パルスパラメータのテキスト等による入力を受け付ける第一の入力領域610と、位置決め画像上で入力を受け付ける第二の入力領域620と、入力された値を先行パルスパラメータとして設定する指示を受け付ける決定ボタン630と、を備える。先行パルス設定部422は、両入力領域を介して操作者が入力したパラメータを相互に反映し、先行パルス設定画面600の表示を更新する。
【0029】
先行パルス合成部423は、先行パルス設定部422でパラメータを受け付けた先行パルスを合成し、1の先行パルスとする。
【0030】
なお、合成は、特許文献1に開示の手法でなされる。その手法の概略は以下のとおりである。通常、先行パルス(RFパルス)および本撮像の励起RFパルスには、スライス位置に対応する基本周波数f0、f1、f2を有する高周波をsinc関数などで振幅変調した波形の高調波パルスを用いる。そして、一般に、sinc関数の最大振幅位置において、基本周波数の波形の位相が照射毎に一定になるよう制御する。ここで、sinc関数の最大振幅位置は、sinc関数を時間tの関数とすると、t=0のときである。
【0031】
振幅の和が大きくなり、送信系50の装置の容量限界を超えないように、図5に示すように、先行パルス(RFパルス)の複数の基本波成分の位相をずらして合成する。図5に示すように、低い周波数を基本周波数とするRFパルス201は、そのまま位相をずらさず、高い周波数を基本周波数とするRFパルス202は、基本波成分の位相を90°ずらす。これにより、両者の和であるRFパルス203は、両者をそのまま合成した場合に比べ、振幅は小さくなる。なお、RFパルス201、202の振幅変調関数であるsinc関数の位相は同じである。また、ずらす位相は必ずしも90°が最適ではなく、基本周波数に応じて最適な位相差を持たせる。
【0032】
撮像部410は、撮像条件設定部420で設定された撮像条件と、予め記憶装置72に保持されるパルスシーケンスに従って、各部を制御し、取得したエコー信号から画像を再構成する。
【0033】
ここで実行されるパルスシーケンス300の例を図6に示す。本図において、RF、Gs、Gp、Gf信号はそれぞれ、RFパルス、スライス傾斜磁場、第一の読み出し傾斜磁場、第二の読み出し傾斜磁場、エコー信号の軸を表す。
【0034】
本実施形態では、本撮像シーケンス310に先立ち、先行パルスを印加する先行パルスシーケンス320が実行される。先行パルスシーケンスでは、印加予定の複数の先行パルスが合成され、1の先行パルス321として印加される。本撮像シーケンス310では、撮像スライスを選択する撮像スライス選択傾斜磁場312とともに励起RFパルス311が印加され、エコー信号に位置情報を付与するエンコード傾斜磁場313、314が2方向に印加され、エコー信号315が収集される。
【0035】
ここで、上記の各部による、本実施形態の撮像処理の流れを説明する。なお、先に位置決め画像は取得してあるものとする。ここでは、基本条件の設定を行い、その後、先行パルスパラメータの設定を行う場合を例にあげて説明する。図7は、本実施形態の撮像処理の処理フローである。
【0036】
操作者からの指示を受け付けると、撮像条件設定部420は、撮像条件設定初期画面500を表示し、操作者による基本条件設定ボタン520の押下を受け付けると、撮像条件設定部420は、基本条件設定部421に基本条件設定処理を行わせ、基本条件の設定を受け付ける(ステップS1101)。そして、再度、撮像条件設定初期画面500を表示する。
【0037】
次に、操作者による先行パルス条件設定ボタン530の押下を受け付けると、撮像条件設定部420は、先行パルス設定部422に先行パルス設定処理を行わせ、先行パルスパラメータを受け付ける(ステップS1102)。そして、先行パルス合成部423に先行パルス合成処理を行わせる(ステップS1103)。そして、再度、撮像条件設定初期画面500表示する。
【0038】
操作者による撮像ボタン540の押下を受け付けると、撮像部410は、撮像を行う(ステップS1104)。
【0039】
次に、上記ステップS1102の、先行パルス設定部422による先行パルス設定処理の詳細を説明する。ここでは、複数の異なる種類の先行パルスのパラメータを設定する。設定対象の先行パルスは、励起領域の異なる2つのパルスを1組として印加するものとする。設定するパラメータは、例えば、先行パルスの種類(パルス種)、形状、サイズ、FA(フリップアングル)、印加回数、印加位置とする。パルス種および形状は、パルス種毎に、サイズ、FA、印加回数、印加位置は、パルス毎に設定する。図8は、本実施形態の先行パルス設定処理の処理フローである。
【0040】
先行パルス設定部422は、先行パルス設定処理開始の指示を受け付けると、先行パルス設定画面600の初期画面(第一の先行パルス設定画面601)を生成し、表示装置73に表示する(ステップS1201)。このとき、表示装置73に表示される第一の先行パルス設定画面601の画面例を図9に示す。本図に示すように、第一の先行パルス設定画面601では、第一の入力領域610には、撮像で使用する先行パルスの種類の数を入力する先行パルス種数入力領域611が表示され、第二の入力領域620には位置決め画像がそれぞれ表示される。
【0041】
なお、第一の先行パルス設定画面601データを生成するために必要な各種のデータは予め記憶装置72に保持される。
【0042】
操作者が先行パルス種数入力領域611を介して先行パルスの種類の数(先行パルス種数)を入力すると、先行パルス設定部422は、入力された先行パルス種数を受け付ける。(ステップS1202)そして、受け付けた先行パルス種数に応じた第二の先行パルス設定画面602を生成し、表示装置73に表示する(ステップS1203)。生成される第二の先行パルス設定画面602は、第一の入力領域610に、先行パルス種数分の、種毎パラメータ入力領域615を備える。各種毎パラメータ入力領域615は、先行パルス種数のパルス種を入力するパルス種入力領域612と先行パルスの形状を入力する形状入力領域613とを備える。
【0043】
先行パルス種数として2が入力された際、ここで表示装置73に表示される第二の先行パルス設定画面602の画面例を図10に示す。本図に示すように、第二の先行パルス設定画面602には、第一の入力領域610に、先行パルス種数のパルス種入力領域612と形状入力領域613とを備える種毎パラメータ入力領域615が先行パルス種毎に表示され、第二の入力領域620には、位置決め画像が表示される。
【0044】
なお、第二の先行パルス設定画面602を生成するために必要な各種のデータは予め記憶装置72に保持される。また、パルス種および形状は、設定可能なパルス種を操作者に提示し、操作者が選択できるよう構成してもよい。設定可能なパルス種は、例えば、後述の各実施例に挙げる先行パルス(例えば、MRS、Black Blood、プリサチ、ラベリング)およびその他とし、形状は、楕円、円、帯状、などとする。これらのデータは、予め記憶装置72に保持される。提示は、例えば、プルダウンメニューなどで行う。
【0045】
また、パルス種毎に標準的な形状を記憶装置72に保持しておき、その他以外のパルス種が選択された場合、パルス種の選択に応じて標準的な形状が提示されるよう構成してもよい。標準的な形状は、例えば、後述の各実施例にあげる形状である。また、提示後、形状を操作者が変更可能とする。
【0046】
操作者がパルス種入力領域612と形状入力領域613とを介して、先行パルス種数分のパルス種および先行パルスの形状を入力すると、先行パルス設定部422は、それを受けつける(ステップS1204)。そして、先行パルス設定部422は、第三の先行パルス設定画面603を生成し、表示装置73に表示する(ステップS1205)。生成される第三の先行パルス設定画面603は、各種毎パラメータ入力領域615に、個々の先行パルス毎のパラメータを設定する個別パラメータ入力領域614を2つ、さらに備える。これは、本実施形態で設定する先行パルスが、それぞれ、励起領域の異なる2つの先行パルスを1組とするためである。また、このとき、第二の入力領域620の位置決め画像上に、パルス種入力領域612および形状入力領域613で入力したパルス種および形状に応じた先行パルスにより励起される領域(ROI)を、その初期位置に表示する。
【0047】
先行パルス種がMRS、形状が楕円と入力された場合の第三の先行パルス設定画面603の画面例を図11に示す。ここでは、個別パラメータ入力領域614において先行パルスパラメータとして設定するパラメータを、サイズ、FA(フリップアングル)、回数、とした場合を例示する。本図に示すように、第三の先行パルス設定画面603では、第一の入力領域610には、先行パルス種毎に、種毎パラメータ入力領域615が表示される。種毎パラメータ入力領域615には、パルス種入力領域612と形状入力領域613と個別パラメータ入力領域614とが表示される。また、第二の入力領域620には、位置決め画像上に、パルス種入力領域612および形状入力領域613で入力したパルス種および形状に応じた先行パルスにより励起される領域(ROI)を特定するインジケータ(ROIインジケータ)621が初期位置に表示される。
【0048】
なお、第一の入力領域610に入力するパラメータのうち、サイズは、形状により異なる。すなわち、円であれば、その直径を、楕円であれば、短軸および長軸の長さを、帯状であれば、幅の入力を受け付ける。
【0049】
また、第二の入力領域620に表示されるROIインジケータ621は、表示色を変えるなど、パルス種毎に特定可能な表示態様とする。また、第一の入力領域610を介して設定するパラメータのうち、FAなど位置決め画像上でその特性を表示できないパラメータについても同様にROIインジケータ621の表示態様を変更し、特定可能なようにしてもよい。例えば、FAに応じて、予め定めたパターンを当該ROIインジケータ621に配置して表示する。また、対応するROIインジケータ621の近傍に、第一の入力領域610に入力された数値を表示してもよい。
【0050】
ROIの初期位置を含む第三の先行パルス設定画面603を生成するために必要な各種のデータは予め記憶装置72に保持される。
【0051】
なお、上記ステップS1204において、操作者がパルス種を入力すると、形状だけでなく、各個別パラメータも自動的に提示されるよう構成してもよい。形状同様、後述の各実施例で使用される個別パラメータを予め記憶装置72に保持し、操作者のパルス種の選択を受け、表示する。この場合も、提示後、形状を操作者が変更可能とする。なお、パルス種としてその他が選択された場合は、形状、個別パラメータ全てを操作者が入力するものとし、入力された形状、パラメータに基づき、先行パルスが印加される。
【0052】
操作者は、第三の先行パルス設定画面603を介して、印加する先行パルス毎に独立にパラメータを入力する。すなわち、第一の入力領域610に直接数値等を入力する。また、第二の入力領域620に表示されるROIインジケータ621に対し、入力装置74を用いて変更指示を与えることによりROIのサイズ、位置を設定する。先行パルス設定部422は、第一の入力領域610に入力されたデータと、第二の入力領域620を介して指示されたデータとが整合するよう、制御する。
【0053】
例えば、第一の入力領域610にサイズが入力されると、先行パルス設定部422は、それに従って、第二の入力領域620に表示されるROIを算出し、入力されたサイズに応じた表示に更新する。また、逆に、第二の入力領域620でサイズが変更されると、先行パルス設定部422は、変更後のサイズを算出し、第一の入力領域610に表示する。また、第一の入力領域610でFAが入力されると、第二の入力領域620の対応するROIの近傍に数値を表示させる。
【0054】
一例として、第二の入力領域620の位置決め画像上で位置とサイズとを設定し、その後、第一の入力領域610でサイズ、FA、回数を設定する場合を例にあげて、本フローを説明する。なお、本フローにおいて、N(1以上の整数)は先行パルス数、n(1≦n≦Nを満たす整数)はカウンタである。
【0055】
先行パルス毎に(ステップS1206)、まず、操作者は、第二の入力領域620において、位置決め画像上のROIインジケータ621を操作することにより、ROIの位置とサイズとを入力する。先行パルス設定部422は、入力を受けつけ、パラメータ値を算出し、保持するとともに、第一の入力領域610で入力可能なパラメータについては、第一の入力領域610に反映する(ステップS1207)。そして、操作者は、第一の入力領域610において、パラメータ(ここでは、サイズ、FA、回数)を入力する。先行パルス設定部422は、入力を受けつけ、第二の入力領域620に反映する(ステップS1208)。
【0056】
ステップS1206およびステップS1207の処理を、全先行パルスについて繰り返し(ステップS1209、1210)、所望の値の入力を終えると、操作者は、決定ボタン630を押下し、設定終了を指示する。決定ボタン630の押下を受け付けると、先行パルス設定部422は、その時点で入力されているパラメータを先行パルスパラメータとして設定し(ステップS1211)、処理を終了する。
【0057】
なお、上記実施形態では、先行パルスのパラメータとして、パルス種、形状、位置、サイズ、FA、回数を設定する場合を例にあげて説明したが、設定するパラメータはこれに限られない。例えば、TIなども設定するよう構成してもよい。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の先行パルスを印加するにあたり、そのパラメータの設定が容易となる。従って、効率的かつ正確に複数の先行パルスのパラメータを設定することができる。このため、精度よく先行パルスが印加され、得られる画像の品質が向上する。
【0059】
また、本実施形態によれば、操作者が設定したその複数の先行パルスが合成されて印加されるため、さらに撮像の効率化を図ることができる。特に、撮像において、Nullポイントなど、本撮像の励起RFパルスとの間の印加タイミングが重要な先行パルスで、同じNullタイムが同じ先行パルスを複数印加する場合、それらが合成されて1の先行パルスとして印加されるため、全て、最良の印加タイミングで印加することができ、画像の品質を高めることができる。
【0060】
また、パルス種によっては、RFパルス1つ1つの印加ではパルス間に時間差が生じ、信号強度の違いなど、描出具合や画質に影響を与えることがある。しかし、本実施形態によれば、複数のRFパルスを同時に印加するため、このような影響を改善できる。
【0061】
上記実施形態を用いた実施例を以下に説明する。
【0062】
<実施例1>
MRS(magnetic resonance spectroscopy)による脳撮像において、脳の頭皮下脂肪を抑制するために印加する先行パルス(MRS先行パルス)のパラメータを設定する実施例を説明する。
【0063】
この場合、操作者は、先行パルスの種数として1を、パルス種としてMRSを入力する。また、形状として楕円形を選択する。
【0064】
このとき第二の入力領域620に表示されるROIインジケータ621の例を図12に示す。本図に示すように、位置決め画像上の予め定めた位置に2つのROIインジケータ621(ROI1、ROI2)が表示される。操作者は、それぞれのROI1、ROI2を、大きさの異なる同心円状に重なるようにそれぞれの位置を設定する。ここで、内側のROIインジケータをROI1、外側のROIインジケータをROI2とする。その際、図12に示すように、頭皮下の脂肪部分が、ROI1の楕円の外側で、ROI2の楕円の内側となるように、また、脳の中の部分は両ROI1、ROI2の楕円の内側となるよう、両ROI1、ROI2の楕円のサイズおよび位置をマウス等の入力装置を用い設定する。
【0065】
先行パルス設定部422は、位置決め画像上で操作者が設定した各ROI1、ROI2から、そのサイズを読み取り、数値として、個別パラメータ入力領域614に表示する。
【0066】
操作者は、個別パラメータ入力領域614において、FAおよび回数を設定する。ここでは、ROI1については、FAを90度、ROI2については、−90度とし、回数は1回とする。このとき、サイズを微調整してもよい。
【0067】
先行パルス設定部422は、設定されたFAを、第二の入力領域620に表示する。
【0068】
なお、パルス種としてMRSが入力された際、これに対応づけて記憶装置72に保持されるデータベースから、対応する形状、サイズ、FA、回数といったパラメータの初期値を種毎パラメータ入力領域615に表示し、それに対応する初期励起領域を第二の入力領域620に表示するよう構成してもよい。
【0069】
以上の手順で、1種類の先行パルスであって、励起領域の異なる2つの先行パルスの設定を終える。先行パルス合成部423は、設定された先行パルスを合成し、パルスシーケンスに反映させる。撮像部410は、パルスシーケンスに従って、撮像を行う。
【0070】
以上のように先行パルスのパラメータを設定すると、両ROI1、ROI2の内側となった領域の脂肪の信号は本撮像で取得され、ROI1の外側かつROI2の内側となる領域の脂肪信号は抑制されるため、脳の頭皮下の脂肪を円形に抑制できる。さらに、このとき、2つのRFパルスを合成したRFパルスを先行パルスとして照射しているため、先行パルスにかかる時間が、従来の約半分となり、撮像時間が短縮される。
【0071】
<実施例2>
Black Blood撮像において撮像断面内に流入してくる血液の信号を落として画像化するための先行パルス(Black Blood先行パルス)のパラメータを設定する実施例を説明する。
【0072】
ここでは、操作者は、先行パルス種数として1を、パルス種としてBlack Bloodを入力する。また、形状は帯状を入力する。
【0073】
このとき第二の入力領域620に表示されるROIインジケータ621の例を図13に示す。ここでは、本図に示すように、位置決め画像上の予め定めた位置に2つのROI(ROI1、ROI2)が表示される。操作者は、幅の異なる2つのROI1、ROI2を、それぞれの体軸方向の中心が重なるように位置を設定する。その際、図13に示すように、それぞれの体軸方向の幅を、ROI1は位置決め画像上で設定可能な最大の幅とする。また、ROI2は撮像スライスが含まれる最小の幅とする。
【0074】
先行パルス設定部422は、位置決め画像上で操作者が設定した各ROI1、ROI2から、その幅を読み取り、数値として個別パラメータ入力領域614に表示する。
【0075】
操作者は、個別パラメータ入力領域614において、FAおよび回数を設定する。ここでは、ROI1を180度、ROI2を−180度とし、回数は1回とする。このとき、サイズを微調整してもよい。
【0076】
先行パルス設定部422は、設定されたFAを、第二の入力領域620に表示する。
【0077】
なお、パルス種としてBlack Bloodが入力された際、これに対応づけて記憶装置72に保持されるデータベースから、対応する形状、サイズ、FA、回数といったパラメータの初期値を種毎パラメータ入力領域615に表示し、それに対応する初期励起領域を第二の入力領域620に表示するよう構成してもよい。
【0078】
以上の手順で、1種類の先行パルスであって、励起領域の異なる2つの先行パルスの設定を終える。先行パルス合成部423は、設定された先行パルスを合成し、パルスシーケンスに反映させる。また、このとき、先行パルスから本撮像の励起用RFパルスまでの時間を、先行パルスにより反転した血流の磁化のnull pointになるようにTIを設定する。
【0079】
以上のように先行パルスのパラメータを設定すると、ROI1とROI2とが重なる部分のスライスの撮像において、スライス部位の両側から流入してくる血流が信号値0の状態で画像化され、血液が黒く表示される画像が得られる。さらに、このとき、2つのRFパルスを合成して照射しているため、先行パルスにかかる時間が、従来の約半分となり、撮像時間が短縮される。
【0080】
<実施例3>
腹部撮像において上下からの動静脈流によるアーチファクトを抑制するための先行パルス(プリサチ先行パルス)のパラメータを設定する実施例を説明する。
【0081】
ここでは、操作者は、先行パルス種数として1を、パルス種としてプリサチを入力する。また、形状は帯状を設定する。
【0082】
このとき第二の入力領域620に表示されるROIインジケータ621の例を図14に示す。ここでは、本図に示すように、位置決め画像上の予め定めた位置に2つのROI(ROI1、ROI2)が表示される。操作者は、ROI1、ROI2が、目的とするスライスの両側に位置するよう、それぞれの位置および幅を設定する。
【0083】
先行パルス設定部422は、位置決め画像上で操作者が設定した各ROI1、ROI2から、その幅を読み取り、数値として個別パラメータ入力領域614に表示する。
【0084】
操作者は、個別パラメータ入力領域614において、FAおよび回数を設定する。ここでは、ROI1、ROI2ともにFAは90度と設定する。また、回数は2回と設定する。このとき、サイズ(幅)を微調整してもよい。
【0085】
先行パルス設定部422は、設定されたFAを、第二の入力領域620に表示する。
【0086】
なお、パルス種としてプリサチが入力された際、これに対応づけて記憶装置72に保持されるデータベースから、対応する形状、サイズ、FA、回数といったパラメータの初期値を種毎パラメータ入力領域615に表示し、それに対応する初期励起領域を第二の入力領域620に表示するよう構成してもよい。
【0087】
以上の手順で、1種類の先行パルスであって、励起領域の異なる2つの先行パルスの設定を終える。先行パルス合成部423は、設定された先行パルスを合成し、パルスシーケンスに反映させる。
【0088】
以上のように先行パルスパラメータを設定すると、本撮像時に、先行パルスにより励起された部分から撮像スライスに流入する血流の信号は抑制され、血流によるアーチファクトが抑制される。さらに、本実施例では、2つのRFパルスを合成して照射するが、同じRFパルスを同じ位置に2回照射する。従って、従来と同じ先行パルスの印加時間で、約2倍の抑制効果が得られる。
【0089】
<実施例4>
頭部の左右の動脈や、腎動脈撮像における、それぞれの血液の流入経路などを調べるラベリングのための先行パルス(ラベリング先行パルス)のパラメータを設定する実施例を説明する。
【0090】
ここでは、操作者は、先行パルス種数として1を、パルス種としてラベリングを入力する。また、形状は円形を設定する。
【0091】
このとき第二の入力領域620に表示されるROIインジケータ621の例を図15に示す。ここでは、本図に示すように、位置決め画像上の予め定めた位置に2つのROI(ROI1、ROI2)が表示される。ここでは、図15に示すように、ラベリングしたい2つの血管の根元に、それぞれROI1およびROI2の位置を設定する。また、目的の血管の根元のみを励起するよう、それぞれの大きさを調整する。
【0092】
先行パルス設定部422は、位置決め画像上で操作者が設定した各ROI1、ROI2から、その幅を読み取り、数値として個別パラメータ入力領域614に表示する。
【0093】
操作者は、個別パラメータ入力領域614において、FAおよび回数を設定する。ここでは、ROI1、ROI2ともにFAは180度と設定する。また、回数は2回と設定する。このとき、サイズ(幅)を微調整してもよい。
【0094】
先行パルス設定部422は、設定されたFAを、第二の入力領域620に表示する。
【0095】
なお、パルス種としてラベリングが入力された際、これに対応づけて記憶装置72に保持されるデータベースから、対応する形状、サイズ、FA、回数といったパラメータの初期値を種毎パラメータ入力領域615に表示し、それに対応する初期励起領域を第二の入力領域620に表示するよう構成してもよい。
【0096】
以上の手順で、1種類の先行パルスであって、励起領域の異なる2つの先行パルスの設定を終える。先行パルス合成部423は、設定された先行パルスを合成し、パルスシーケンスに反映させる。このとき、先行パルスから本撮像の励起用RFパルスまでの時間を、先行パルスにより反転した血流の磁化のnull pointになるようにTIを設定する。
【0097】
以上のように先行パルスを設定すると、本撮像の励起までの時間に先行パルスで励起された血流が進んだ分だけ、信号が落ちた画像が得られる。すなわち、ラベリングした血管の根元から血液がどれだけ流入したかを把握可能な画像が得られる。従来では、RFパルスの同時印加ができなかったため、左右のRFパルスの印加時間分、血液のラベリングにもずれが生じていた。しかし、RFパルスを合成して印加することにより、2つの先行パルスの同時印加が可能とり、先行パルスの効果が均一な画像の取得が可能となる。さらに、このとき、2つのRFパルスを合成して照射しているため、先行パルスにかかる時間が、従来の約半分となり、撮像時間が短縮される。
【0098】
なお、上記実施形態では、撮像条件設定部は、MRI装置10の制御処理系70が実現するよう構成しているが、これに限られない。例えば、MRI装置10とデータの送受信が可能な、独立した情報処理装置上に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10:MRI装置、11:被検体、20:静磁場発生系、30:傾斜磁場発生系、31:傾斜磁場コイル、32:傾斜磁場電源、40:シーケンサ、50:送信系、51:送信コイル、52:シンセサイザ、53:変調器、54:高周波増幅器、60:受信系、61:受信コイル、62:信号増幅器、63:直交位相検波器、64:A/D変換器、70:制御処理系、71:CPU、72:記憶装置、73:表示装置、74:入力装置、201:RFパルス、202:RFパルス、203:RFパルス、300:パルスシーケンス、310:本撮像シーケンス、311:励起RFパルス、312:撮像スライス選択傾斜磁場、313:エンコード傾斜磁場、314:エンコード傾斜磁場、315:エコー信号、320:先行パルスシーケンス、321:先行パルス、410:撮像部、420:撮像条件設定部、421:基本条件設定部、422:先行パルス設定部、423:先行パルス合成部、500:撮像条件設定初期画面、510:位置決め画像表示領域、520:基本条件設定ボタン、530:先行パルス条件設定ボタン、540:撮像ボタン、600:先行パルス設定画面、601:第一の先行パルス設定画面、602:第二の先行パルス設定画面、603:第三の先行パルス設定画面、610:第一の入力領域、611:先行パルス種数入力領域、612:パルス種入力領域、613:形状入力領域、614:個別パラメータ入力領域、615:種毎パラメータ入力領域、620:第二の入力領域、621:ROIインジケータ、630:決定ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像条件設定手段を介して設定された撮像条件と予め設定されるパルスシーケンスとに従って各部を動作させて収集したエコー信号から画像を再構成する撮像手段を備える磁気共鳴イメージング装置であって、
前記撮像条件設定手段は、
複数の先行パルスそれぞれを特定するパラメータの入力を受け付ける先行パルス設定手段と、
前記先行パルス設定手段で受け付けた複数の先行パルスを合成し合成先行パルスを生成する先行パルス合成手段と、を備え、
前記撮像手段は、本撮像の実行前に、前記合成先行パルスを印加するよう制御し、
前記先行パルス設定手段は、各先行パルスそれぞれの励起領域を独立して把握可能な先行パルス設定画面上で前記パラメータの入力を受け付けること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記先行パルス設定画面は、テキストデータで前記パラメータの入力を受け付ける第一の入力領域と、位置決め画像上で前記パラメータの入力を受け付ける第二の入力領域と、を備え、
前記先行パルス設定手段は、
前記第一の入力領域と前記第二の入力領域とのいずれか一方を介して前記パラメータの入力を受け付ける毎に、受け付けたパラメータを他方に反映させること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記第一の入力領域は、
使用する先行パルスの種類数の入力を受け付けるパルス種数設定領域と、
前記先行パルスの種類数の先行パルス種の入力を受け付けるパルス種設定領域と、
前記先行パルス種毎に、形状の入力を受け付ける形状設定領域と、
先行パルス毎に、FA、幅、印加回数の入力を受け付けるパルス毎パラメータ設定領域と、を備えること
を特徴する磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項3項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記先行パルス設定手段は、前記パルス種数を受け付けると、受け付けた数の前記パルス種設定領域および前記形状設定領域と、2つの前記パルス毎パラメータ設定領域と、を生成して表示すること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項2から4いずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記先行パルス設定手段は、前記画像上入力領域に、前記先行パルス毎に、当該先行パルスで励起される領域を、異なる表示態様で表示すること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項2から5いずれか1項記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
前記先行パルス設定手段は、前記直接入力領域でFAが入力されると、予め定めた表示態様で、先行パルス毎に当該FAを識別可能なように表示すること
を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−147920(P2012−147920A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8490(P2011−8490)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】