説明

磁気及び/又は電気ラベル補助検出システム並びに方法

流体サンプル中の検体を検出するための検出システム100が説明される。検出システム100は、サンプル流体と試剤との間の相互作用の後で、磁気及び/又は電気ラベル5を検出レセプタクル1へ向けて輸送する輸送手段6を有する。検出レセプタクル1は、最初は磁気及び/又は電気ラベル5を実質的に含まない。反応の後に磁気及び/又は電気ラベル5を輸送することによって、未反応の試剤と磁気及び/又は電気ラベル補助検出との間の干渉が低減されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ、特にバイオセンサの分野に関する。より詳しくは、本発明は、例えば、生物学的、化学的若しくは生物化学的化合物の定性的又は定量的な検出に用いられるような、検体を検出するための方法及びシステムに関し、さらに、そのような検出方法及びシステムを改善するための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオセンサは一般的に、液体(例えば血液、血清、血漿、尿、唾液、組織抽出物、間質体液、細胞培養抽出物、食品又は飼料抽出物、飲料水のような液体など)中の、例えばタンパク質、細胞、ウイルス、細菌、原生動物、細胞成分、細胞薄膜、胞子、DNA、RNAなどのような、"検体"とも呼ばれるターゲット分子の検出を定性的に又は定量的に可能にする装置である。測定原理の一つは、バイオセンサ上の予め定められた部位に取り付けられる標識分子を数えることである。例えば、分子は、磁性粒子又はビーズによってラベルをつけられることができて、これらの磁性粒子又はビーズは、磁気センサによって検出されることができる。あるいは、検体の量は、光学的方法(例えば蛍光)によって検出されることができる。この場合には、検体自体が蛍光ラベルを持っていることができ、あるいは、蛍光ラベルをつけられた別の認識要素との追加の培養が実行されることができる。分析されるいくつかの分子は、自己蛍光性である。
【0003】
ターゲットの分析的検出に用いられる複数のラベルベースアッセイがある。これらは、サンドイッチアッセイ、競合アッセイ及び抑制アッセイを含む。これらのアッセイのためのいくつかの形式において、アッセイ反応は、ラベルの検出から時間的に分離されなければならない。いくつかのアッセイにおいて、最初にセンサ面上でアッセイ反応を完了して、その後で、検出のためのラベルを取り付けることが望ましい。この反応のシーケンスはイムノアッセイのためにしばしば用いられ、例えばビオチン化二次抗体を用いて、一次抗体と二次抗体との間のターゲットのサンドイッチが最初に表面上に形成されて、その後で、例えばストレプトアビジンを含むラベルが、そのサンドイッチを通してセンサに結合される。他のアッセイにおいて、最初にラベル上のアッセイ反応を完了して、それから、検出のためのセンサにラベルを持ってくることが、より有効である。例として、センサ表面へのラベルの取り付けのための強結合対に基づくアッセイがある。このアッセイにおいて、一次抗体と二次抗体との間のターゲットのサンドイッチは、ラベル上に最初に形成され、その後で、ラベルは検出のためのセンサ表面に結合される。そのようなアッセイにおいて、未反応の試剤(例えば、サンドイッチを形成するように反応しなかった試剤)がラベル又はセンサ表面に結合してラベルが検出されることを阻害することを防止することが望ましい。これを実行するための方法は、反応容器を洗浄することによって、又は、センサ以外の反応性表面上へそれらを結合することによって、試剤を除去することを含む。洗浄は、追加の流体操作ステップを必要として、検出されるべきラベルが除去される結果を招く可能性があるので、都合が悪い。未反応の試剤用として意図された反応性表面にラベルも結合してしまうことを回避することも難しい。
【0004】
磁気バイオセンサは、磁性粒子によってラベル付けされた生物学的ターゲットを検出する。US2006/0011552A1は、流体中の予め定められた量の磁性粒子を分離するための装置及び方法を開示する。このシステムでは、流体からの磁性粒子は、流体運搬部で捕獲される。後者は、流体供給チャネル及び送出チャネルの断面に配置される流体運搬部において、磁場を用いて実行される。その後、磁性粒子は、第2の流動チャネルに導入される媒体によって排出される。このようにして、予め定められた量の磁性粒子が、流体に供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、生物学的、化学的及び/又は生物化学的粒子を検出するための良好な方法、装置並びにシステムを得ることである。上記の目的は、本発明による装置及び方法によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも1つのターゲット分子を検出するために作成される検出システムに関し、当該検出システムは、検出面を有し、使用の前には磁気及び/又は電気ラベルを実質的に含まない少なくとも1つの第1レセプタクル、磁気及び/又は電気ラベル補助検出を可能にする少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを使用の前に含む少なくとも1つの第2レセプタクルを有し、前記少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルは、少なくとも1つのターゲット分子と相互作用するように適応され、当該検出システムはさらに、少なくとも第2レセプタクルから少なくとも第1レセプタクルへの少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能にし、それによって、磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号の検出を可能にするための磁場及び/又は電場発生器を有する。ターゲット又はターゲット同族体に関わるアッセイ反応が、センサによる磁気及び/又は電気ラベルの検出から時間的に分離されることが、本発明による実施の形態の利点である。例えばリンスステップの回数及び/又は強さが従来の技術システムと比較して低減されることができるので、バルク流体駆動ステップが最小限に抑えられることができることが、本発明による実施の形態の利点であり、例えば、好ましくはわずか一回の一方向バルク流体駆動ステップが実行される。未反応の試剤が検出レセプタクルに入ることを防止することができることも、いくつかの実施の形態の利点である。磁気及び/又は電気ラベルは、例えば磁気ラベル補助検出を補助する磁気ラベルであることができる。
【0007】
本検出システムは、前記少なくとも一つの第1レセプタクルから前記少なくとも一つの第2レセプタクルへの流動を可能にするように適応される。磁場及び/又は電場発生器は、第1チャネルを通した少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能にすることができる。磁気及び/若しくは電気粒子又は磁化可能粒子の輸送が、第2レセプタクルへのバルク流体操作に逆らうことが、そのような実施の形態の利点である。後者は、不必要な成分(例えば未反応の試剤)の第1レセプタクル中の検出面への輸送をさらに防止することができる。本検出システムは、前記少なくとも1つの第1レセプタクル及び前記少なくとも1つの第2レセプタクルを接続するための少なくとも1つの第1チャネルを有することができる。
【0008】
本検出システムは、前記少なくとも1つの第1レセプタクル及び前記少なくとも1つの第2レセプタクルを接続するための少なくとも1つの第1チャネルを有することができ、第1チャネルは、毛細管作用によって、前記少なくとも1つの第1レセプタクルから前記少なくとも1つの第2レセプタクルへの前記流動を可能にするように適応されている。予め定められた流動を可能にするための外部の力手段(force means)が全く又はほとんど必要無いことが、そのような実施の形態の利点である。
【0009】
少なくとも1つの第1レセプタクル及び/又は少なくとも1つの第2レセプタクルは、混合手段を有することができる。局所的な混合によって、アッセイ反応の速度を高めることができることが、そのような実施の形態の利点である。
【0010】
少なくとも1つの第1レセプタクル及び/又は少なくとも1つの第2レセプタクルは、流動速度変更部分と接触していることができる。レセプタクルの中の流動が個別に制御されることができることが、その利点である。少なくとも1つの第1レセプタクル及び/又は少なくとも1つの第2レセプタクルは、接続チャネルを通して、流動速度変更部分に直接接続されていることができる。流動速度変更部分は、予め定められた流体吸収率を有する吸収体物質であることができる。
【0011】
少なくとも1つの第2レセプタクルは、複数の検体を検出するための複数の異なる試剤を有することができる。
【0012】
少なくとも1つの第1レセプタクルは、磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号の検出を可能にするための検出面を有することができ、検出面は、異なるターゲットの検出のための異なる場所を持つ。多重化が実行されることができ、効率的かつ迅速なサンプルの分析が可能であることが、そのような実施の形態の利点である。少なくとも1つの第1レセプタクルの検出面は、指定されたターゲットを検出するための異なる指定された領域を有することができる。少なくとも1つの第2レセプタクルは、少なくとも1つの第1レセプタクルに接続される一セットの第2レセプタクルからなることができ、各々のレセプタクルは、多重アッセイにおいて検査される各々のターゲット用の特定の試剤を有する。
【0013】
少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルは、複数の異なる磁気及び/又は電気ラベルを含むことができ、磁場及び/又は電場発生器は、異なる磁気及び/又は電気ラベルの輸送を選択的に可能にするように適応される。前記異なる磁気及び/又は電気ラベルは、好ましくは、選択されることができる少なくとも1つの固有の磁気及び/又は電気特性を持つことができる。多重化のためのラベルの選択的な輸送が容易に実行されることができることが、そのような実施の形態の利点である。
【0014】
本検出システムは、少なくとも1つの第1レセプタクル及び/又は少なくとも1つの第2レセプタクル中に、流体検出器を有することができる。アッセイ試剤とのターゲットの培養時間が決定されて制御されることができることが、その利点である。
【0015】
本検出システムは、第2の磁気及び/又は電気ラベルを含む更なるレセプタクル、並びに、更なるレセプタクルから少なくとも一つの第1レセプタクルへの更なる磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能にするための更なる磁場及び/又は電場発生器を有することができる。本検出システムが、第2の磁気及び/又は電気ラベルの追加による信号増幅をさらに可能にすることが、そのような実施の形態の利点である。
【0016】
少なくとも1つの第1レセプタクルは、サンプルとアッセイ試剤との間の相互作用を可能にするように適応されることができる。本検出システムは、少なくとも1つの第2レセプタクルから少なくとも1つの第1レセプタクルへと磁気及び/又は電気ラベルを輸送し、少なくとも1つの第1レセプタクルにおける、磁気及び/又は電気ラベルと、反応したサンプル及びアッセイ試剤のパーツとの間の相互作用を可能にするように適応されることができる。アッセイ反応が所望の時間の間進行するまで、試剤と磁気及び/又は電気ラベルとの間の良好な分離を達成することができることが、本発明の利点である。
【0017】
少なくとも1つの第2レセプタクルは、サンプル、アッセイ試剤並びに磁気及び/又は電気ラベル間の相互作用を可能にするように適応されていることができる。本検出システムは、サンプル、アッセイ試剤並びに磁気及び/又は電気ラベル間の相互作用の後、少なくとも1つの第2レセプタクルから少なくとも1つの第1レセプタクルへと、サンプルのターゲット成分に接続された磁気及び/又は電気ラベルを輸送するように適応されていることができる。未反応の試剤が少なくとも1つの第1レセプタクルにおけるラベル検出を妨害する可能性がないことが、本発明の利点である。
【0018】
本検出システムはさらに、少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを検出するための、任意の磁気及び/若しくは電気又は光検出器を有することができる。少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルは、好ましくは、検出の前に検出面に結合されることができる。本検出システムは、さらに、少なくとも1つのターゲット分子の量を決定するための分析手段を有することができる。少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルは、磁気及び/若しくは電気粒子又は磁化可能粒子に取り付けられることができる。検出面は、少なくとも1つのラベルを結合するための捕捉プローブを有することができる。少なくとも1つのターゲット分子が、サンプル中の検体の有無を示すことが、本検出システムの利点である。少なくとも1つのターゲット分子は、前記サンプル中の前記検体と同一であることができる。ラベルが迅速に輸送されることができることが、本検出システムの利点である。
【0019】
本発明は、さらに、少なくとも1つのターゲット分子を検出するための方法に関し、当該方法は、サンプルと少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルとの間の相互作用を可能にして、それによって少なくとも1つの磁気的に及び/又は電気的にラベルをつけられたターゲット分子を得るステップ、少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを検出面へ磁気的に又は電気的に輸送するステップ、前記相互作用を可能にするステップ及び前記少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを輸送するステップの後、少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号を検出するステップを有する。本方法はさらに、例えば、それに照射することによって、又は電場及び/若しくは磁場を用いて磁気及び/若しくは電気ラベルの物理特性の方位を変えることによって、少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを励起することを含むことができる。本方法は、磁気的及び/又は電気的な輸送方向と異なる方向に、例えば磁気的及び/又は電気的な輸送方向に対して実質的に反対の方向に、すなわち実質的にカウンターフローで、流動を提供する。
【0020】
少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを輸送することは、前記相互作用を可能にすることによって得られる少なくとも1つの磁気的に及び/又は電気的にラベルをつけられたターゲット分子を輸送することを含むことができる。
【0021】
相互作用を可能にすることは、磁気及び/又は電気ラベルを検出面へ輸送した後で、サンプルと少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルとの間の相互作用を可能にすることを含むことができる。
【0022】
本方法は、検出システムを較正するために、相互作用を可能にする前に検出信号を測定することを含むことができる。較正は、特定の磁気及び/又は電気ラベル感度のための較正であることができる。
【0023】
本方法はさらに、検出面上に少なくとも1つのターゲット分子を捕捉することを含むことができる。本方法はさらに、例えば、それに照射することによって、又は電場及び/若しくは磁場を用いて磁気及び/若しくは電気ラベルの物理特性の方位を変えることによって、少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを励起することを含むことができる。
【0024】
本方法はさらに、磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号を検出する前に、結合された磁気及び/又は電気ラベルと結合していない磁気及び/又は電気ラベルとを分離することを含むことができる。少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルは、磁気及び/若しくは電気粒子又は磁化可能粒子に取り付けられることができる。
【0025】
本発明は、さらに、少なくとも1つのターゲット分子を検出するための検出システム用に作成されるセンサコンポーネントに関し、当該センサコンポーネントは、検出面を備え、使用の前には実質的にラベル含まない少なくとも1つの第1レセプタクル、並びに、磁気及び/又は電気ラベル補助検出を可能にするための少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを使用の前に含む少なくとも1つの第2レセプタクルを有し、少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルは、少なくとも1つのターゲット分子と相互作用するように適応され、当該センサコンポーネントは、磁場及び/又は電場を用いて、少なくとも1つの第2レセプタクルから少なくとも1つの第1レセプタクルへの、少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能にするように適応される。センサコンポーネントはさらに、少なくとも1つの第1レセプタクルから少なくとも1つの第2レセプタクルへの流動を可能にするように適応されている。
【0026】
検出面は、少なくとも1つの第1捕捉プローブを有することができる。コンポーネントはさらに、緩衝溶液中に予め定められた量の少なくとも1つのターゲット分子を有することができる。緩衝溶液中の予め定められた量の少なくとも1つのターゲット分子は、陽性対照として及び/又は基準として用いられることができる。このコンポーネントは、さらに、少なくとも1つのターゲット分子に結合することを可能にされた、予め定められた量の少なくとも1つの磁気及び/又は電気ラベルを有することができる。コンポーネントはさらに、少なくとも1つのターゲット分子を含まず、陰性対照として提供される緩衝溶液を有することができる。このコンポーネントはさらに、磁気及び/若しくは電気粒子又は磁化可能粒子を有することができる。このセンサコンポーネントは、使い捨て可能な装置であることができる。
【0027】
ターゲット分子との相互作用後にラベルが迅速に分離されることが、本検出システムの利点である。
【0028】
ターゲット又はターゲット同族体に関わるアッセイ反応が、センサによる磁気及び/又は電気ラベルの検出から時間的に分離されることが、本検出システム及び/又は方法の実施の形態の利点である。
【0029】
バルク流体操作ステップが最小限に抑えられることが、本検出システム及び/又は方法の実施の形態の利点である。
【0030】
未反応の試剤が検出レセプタクルに入ることを防止できることが、本検出システム及び/又は方法の実施の形態の利点である。後者は、反応レセプタクルから検出レセプタクルへと磁気及び/又は電気ラベルを輸送する方法及びシステムの利点である。
【0031】
少なくとも1つのターゲット分子がサンプル中の検体の有無を示すことが、本検出システム及び/又は方法の実施の形態の利点である。少なくとも1つのターゲット分子は、前記サンプル中の前記検体と同一でありえる。
【0032】
本発明の特定の及び好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項において述べられる。従属請求項の特徴は、適切に、請求項中に明示的に述べられているようにのみではなく、独立請求項の特徴及び他の従属請求項の特徴と組み合わせられることができる。本発明の教示は、化学的、生物学的及び/又は生化学粒子を検出するための改善された方法及び装置の設計を可能にする。
【0033】
本発明の上記の及び他の特性、特徴及び利点は、一例として本発明の原理を図示する添付の図面と共に考慮される以下の詳細な説明から明らかになる。この説明は、単に一例として与えられ、本発明の範囲を制限しない。以下で引用される参照図は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1a】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による例示的な検出システムの模式図。
【図1b】センサコンポーネントの拡大図。
【図2】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、磁気及び/又は電気ラベルの輸送前の検出装置コンポーネントの模式図。
【図3】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、磁気及び/又は電気ラベルの輸送後の検出装置コンポーネントの模式図。
【図4】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、流体制御手段を有する検出装置コンポーネントの模式図。
【図5】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、流動制御部分を有する検出装置コンポーネントの模式図。
【図6】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、複数の反応レセプタクルを有する検出装置コンポーネントの概略図。
【図7】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、複数の検出レセプタクルを有する検出装置コンポーネントの模式図
【図8】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、流体検出手段を有する検出装置コンポーネントの概略図。
【図9】本発明の第1の態様の特定の実施の形態による、ラベル増幅を提供する検出装置コンポーネントの模式図。
【図10a】本発明の第2の態様による、サンプル中のターゲット分子を検出する方法のフローチャート。
【図10b】本発明の第2の態様による、サンプル中のターゲット分子を検出する方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0035】
異なる図において、同じ参照符号は、同じ又は類似した要素を参照する。
【0036】
本発明は、特定の実施の形態に関して、特定の図面を参照して説明されるが、本発明はそれらには限定されず、特許請求の範囲のみによって制限される。特許請求の範囲中のいかなる参照符号も、範囲を制限するものとして解釈されてはならない。記載される図面は、単なる概要であって非限定的である。図面において、いくつかの要素のサイズは、説明の便宜上、誇張されていてスケール通りに描かれていない場合がある。「有する、含む」との用語が本明細書及び請求の範囲において用いられる場合、それは他の要素又はステップを除外しない。単数形の名詞が用いられる場合、特に別途述べられない限り、その名詞が指すものが複数存在する場合を除外しない。
【0037】
さらに、明細書及び請求の範囲中の「第1」「第2」「第3」などの用語は、同様の要素を区別するために用いられ、必ずしも逐次的又は時間的な順序を表すためのものではない。そのように用いられる用語は、適切な状況の下で相互に交換可能であり、本願明細書において記載される本発明の実施の形態は、本願明細書に記載又は図示されるものとは別の順序での動作が可能であることが理解されるべきである。
【0038】
以下の用語又は定義は、単に本発明の理解の補助のためだけに提供される。これらの定義は、当業者によって理解されるより狭い範囲を持つものとして解釈されてはならない。本願明細書において用いられるように、「レセプタクル」という用語は、アッセイ又はサンプルの成分が存在することができる空間(例えば反応ボリューム及び検出ボリューム)に関する。したがって、レセプタクルは、物体を受け入れる又は収容する何らかのものである。レセプタクルは、密閉されていることができ、又は開放されていることができる。それは、例えばチャンバを指す場合がある。それは、壁が存在する必要があることを必ずしも意味しないが、存在してもよい。それはさらに、ウェル(例えばマイクロタイタープレート構成中のウェル)、又は任意の他の適切な容器に関連することができる。
【0039】
本願明細書において用いられるように、「サンプル」という用語は、少なくとも1つの関心検体を含むことができる組成物に関する。サンプルは好ましくは、「サンプル流体」とも呼ばれる流体である(例えば水性の組成物)。
【0040】
本願明細書において用いられるように、「検体」という用語は、その有無又は濃度が本発明によって決定される物質に関連する。典型的な検体は、小有機分子、代謝物質(例えばブドウ糖若しくはエタノール)、タンパク質、ペプチド、核酸セグメント、例えば小分子医薬、抗生物質若しくは薬剤のような分子、酵素プロセスにおける調整効果を有する分子(例えばプロモータ、アクティベータ、阻害物質若しくはコファクター)、ウイルス、細菌、細胞、細胞成分、細胞薄膜、胞子、DNA、RNA、微生物並びにその断片及び生成物、又は、付着部位、結合部分若しくは受容体(例えば抗体)が作成されることができる任意の物質を含むことができる(但しそれらに限られない)。検体の有無又は濃度は、検体自体の有無又は濃度を評価することによって直接的に決定されることができ、或いは、ターゲット若しくはターゲット分子の有無又は濃度を評価することによって間接的に決定されることができる。
【0041】
本願明細書において用いられるように、「ターゲット」又は「ターゲット分子」という用語は、その有無又は濃度が、本発明によって実際に決定される物質に関連する「ターゲット分子」という用語は、広く解釈されなければならず、例えば、個々の分子であることができ、分子のクラスタであることができ、分子の複合体であることができ、他の材料(例えば基板)に埋め込まれた分子などであることができる。ターゲットと検体は同一であることができ、又は、ターゲットは検体の有無を示すことができる。特に、タンパク質又はDNAのようなターゲットは、ウイルス、細菌又は他の生体のような検体の特徴的な成分又は生成物であり、したがってそれらの存在を示すことができる。検出が酵素アッセイを伴う場合、ターゲットは、酵素による基質の酵素変換の生成物であることができ、したがって、基質の量又は酵素の活性を示すことができる。ターゲット分子はさらに、ポリマー、金属イオン及び低分子重量の有機化学種(例えば毒素、違法薬剤及び爆発物)であることができる(本発明は明確にそれらに制限されない)。検出アッセイの間、ターゲットは、検出可能な信号を発するためにラベルをつけられることができる。ターゲットはさらに、生物学的活性コーティングの一部としての検出面上に保持又は固定されることができる。
【0042】
本願明細書において用いられるように、「ラベル」という用語は、検出可能な信号を生成することが可能であるか、又は他の分子に結合して検出可能な信号を生成する複合体を形成することが可能な分子又は材料に関連する。本発明の異なる検出システム及び方法に用いられる適切なラベルは多数あり、この技術において詳細にわたって記載される。これらは光学ラベル、放射性ラベル、磁気及び/又は電気ラベルなどであることができる。ラベルは、センサによって直接検出されることができる直接ラベルであることができる。あるいは、ラベルは、後続の発現プロセスの後で検出可能になる間接ラベルであることができる。一般的に、本発明の方法に用いられるラベルは、ターゲット特異的ラベルであり、すなわち、ターゲットに特異的に結合することができる。しかしながら、ターゲットが精製された形態で存在する場合には、ラベルがターゲットに結合すれば十分である。本発明の文脈の中で構想される磁気ラベルは、金属若しくは磁気ビーズ又はナノ粒子を含む(但しそれらに限られない)。磁気ラベルは、任意の適切な形の一つ以上の磁性粒子又は磁化可能粒子(例えば、不変に又は一時的に、磁場中の磁性モーメントを生成する磁性の任意の形である磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、強磁性)を含むことができる。適切な磁気ラベル材料の例は、例えばFe3O4ビーズである。磁気ラベルのサイズは、ほとんどの実施の形態において重要ではないが、好ましくは小さいサイズ(例えば最大直径が5nm〜5000nm、より好ましくは50nm〜1000nmの範囲)である。磁性ラベルの検出は、一般に、電場、磁場又は電磁場の印加によって、磁気センサや非磁気センサ(例えば光学センサや音響センサ)を用いて実行される。ラベルの音響及び/又は音波検出も用いられることができる。明示されない限り、磁気ラベルは、プローブに共有結合しない分子又は材料を指す。磁気ラベルは、好ましくは共有結合によって、プローブ、捕捉プローブ、基質、ターゲット又は検体に取り付けられることができるが、水素結合のような他の種類の結合も可能である。実行されるアッセイの種類に応じて、ラベル付けされたターゲット分子は、固定された捕捉プローブに結合し(サンドイッチアッセイ)、又は捕獲プローブへの結合をターゲット類似体と競合する(競合アッセイ)。過剰な(結合していない)磁気ラベルの除去の後、結合された磁気ラベルの量が測定される。したがって、結合アッセイは一般的に、ターゲット分子の濃度又は存在を反映する、固体基板への磁気ラベル結合分子の多数の付着を伴う。あるいは、磁気的にラベルをつけられた結合分子(例えば磁気的にラベルをつけられたターゲット類似体)が検出面に結合されることができ、そして、ターゲット分子による磁気的にラベルをつけられたターゲット類似体の置換又は阻害は、結果として検出面の近くの磁気ラベルの減少をもたらす。結合アッセイ方法論に関する多数のバリエーションが記載され、すべて本発明の範囲内である。様々な種類の結合及び放出アッセイは、例えば蛍光ラベル、発色性ラベル、散乱ラベル、吸収ラベル、屈折ラベル、反射ラベル、SERRS活性ラベル若しくは(バイオ)化学発光ラベル、分子ビーコン、放射性ラベル又は酵素ラベルのような、光学特性を備える磁気ラベルを用いることができる。光学活性ラベルは一般的に、例えば可視、赤外又は紫外波長域で、検出器によって検出可能な光を放射することができる。しかし、本発明はそれらに制限されず、光学ラベルは、本出願において、任意の適切な検出可能な波長領域の電磁スペクトラムにおいて放射するラベルに関連することができる。磁気ラベルの代わりに又はそれに加えて、電気ラベルが用いられることができる。電気ラベルは、検出可能な電荷特性、誘電特性、電荷移動特性又は(例えば酸化還元活性部分による)電荷生成特性を持つラベルに関連する。電気ラベルはさらに、上記のラベルと同様又は同じ特性及び特徴を備えることができる。
【0043】
本願において使用される用語「プローブ」は、特異的にターゲット分子に結合する結合分子を意味する。本発明の文脈の中で構想されるプローブは、潜在的なターゲット分子に選択的に結合することが可能な生物学的活性部分(例えば全抗体、Fab'フラグメントのような抗体フラグメント、単鎖Fv、単一可変領域、VHH、重鎖抗体、ペプチド、エピトープ、薄膜受容体若しくは任意の種類の受容体又はそれらの部分、基質補獲酵素変異体、全抗原性分子(ハプテン)若しくは抗原性断片、オリゴペプチド、オリゴヌクレオチド、ミミトープ(mimitopes)、核酸及び/又はそれらの混合物)を含む。抗体は、タンパク質又はペプチドに対してと同様に、非タンパク化合物に対して産出されることができる。プローブは一般的に、結合対の免疫活性又は親和反応性メンバーである。プローブの性質は、検出されるべきターゲットの性質によって決定される。最も一般には、プローブは、ターゲットとの特異的相互作用(例えば、抗原-抗体結合、相補的ヌクレオチド配列、炭水化物-レクチン、相補的ペプチド配列、リガンド-レセプタ、助酵素-酵素、酵素阻害物質-酵素など(但しそれらに限られない))に基づいて作成される。プローブはさらに、認識又は結合事象を介して検出面上にターゲット及び/又はラベル付きターゲットを固定する「捕捉プローブ」を含む。プローブ及び捕捉プローブは、ラベルをつけられることができる。ターゲット分子が捕捉プローブへの結合によって固定される場合、結果として生じる複合体は、「ターゲット捕捉複合体」と呼ばれる。本発明の装置及び方法に用いられるラベルがターゲット特異ラベルである場合、これは、ラベルに結合されたターゲット特異プローブを用いることにより保証されることができる。ターゲットがタンパク質である場合、ターゲット特異プローブは、抗ターゲット抗体であることができる。あるいは、ターゲットがヌクレオチド配列である場合、ターゲット特異プローブは、相補的オリゴヌクレオチドシーケンスであることができる。
【0044】
本願明細書において用いられるように、「ターゲット類似体」という用語は、ターゲットほど最適にではないものの、プローブ又は捕捉プローブに結合することができる物質に関する。ターゲット類似体は、ターゲット類似体との競合(例えばプローブ又は捕捉プローブに対する競合結合)に基づいてターゲットが決定される競合アッセイにおいて用いられる。特に、ターゲット類似体は、ターゲットのプローブ又は捕捉プローブへの結合に比べて低い結合力で、プローブ又は捕捉プローブに結合する。
【0045】
第1の態様によれば、本発明は、サンプル中の少なくとも1つのターゲット分子、ひいては検体を検出及び/又は定量化するための検出システム100を提供する。そのような検出システムは、例えば化学的、生物学的又は生物化学的粒子を検出するための検出システムであることができるが、本発明はそれらに制限されない。検出システムは、ターゲット分子の存在を示すことができ、又はそこからサンプル中の検体を導き出す。検出システムは、少なくとも1つの第1レセプタクルと少なくとも1つの第2レセプタクルとを有する。これらは、好ましくは、第1チャネルによって相互に連結している。少なくとも第1レセプタクルには、ターゲット分子の検出がその上で実行されることができる検出面が具備されている。第1レセプタクルはさらに、使用前には磁気ラベルを実質的に含まず、すなわち、検出システムの使用前には、磁気ラベルは実質的に存在しない。少なくとも第2レセプタクルは、磁気ラベル補助検出を可能にするための少なくとも1つの磁気ラベルを含む。後者は、使用前に、第2レセプタクル中に存在するか、又は、例えば検出システムの使用を開始するときに、磁気ラベル供給源から第2レセプタクルへと追加されることができ、又は、チャネル中に存在して、輸送力によって第2レセプタクル中に導入されることができる。少なくとも1つの磁気ラベルは、例えばターゲット分子への結合によってターゲット分子と相互作用するように適応されている。検出システムはさらに、例えば少なくとも一つの第1チャネルを通した、少なくとも1つの第2レセプタクルから少なくとも1つの第1レセプタクルへの少なくとも1つの磁気ラベルの輸送を可能にし、それによって、磁気ラベル補助検出信号の検出を可能にするための磁場発生器を有する。磁場発生器は、磁気粒子又は磁化可能粒子を動かすための磁場勾配を生成することができる。本明細書の説明において、磁気ラベル、磁場、磁場発生器などを参照する場合、本発明の実施の形態及び態様の範囲によって又はその範囲内で、電気ラベル、電場、電場発生器などに関連した同様の方法及び装置も構想されることに留意すべきである。本発明による例示的な検出システム100の標準的な及びオプションのコンポーネントが図1a及び図1bに示され、以下でさらに詳細に記載されるが、本検出システムはそれらに制限されない。
【0046】
検出システム100は、少なくとも1つの第1レセプタクル1及び少なくとも1つの第2レセプタクル2を備える。少なくとも1つの第1レセプタクル1及び少なくとも1つの第2レセプタクル2は、好ましくは、例えば少なくとも1つの第1チャネル3によって互いに接続される。少なくとも1つの第1レセプタクル1は、検出面4を有する。検出面4の少なくとも一部は、ラベル補助検出に適応されている。検出面4は、例えばセンサチップの表面であることができ、使い捨て可能であってもよいし、そうでなくてもよい。ラベル補助検出に適応させる一つの態様は、検出面4上に保持され、取り付けられ及び/又は固定された捕捉プローブを用いることである。捕捉プローブは、ターゲット又はラベルつきプローブと結合することができる、又はそれらと反応する、生物学的活性部分又は生化学的活性部分の層に関連することができる。それらは、従来技術において周知の任意の方法によって、表面に保持又は固定されることができる。例えば、捕捉プローブは、これらの捕捉プローブの特定の部位が搬送チップとの結合に関与することを意味する部位特異的態様で、検出面4に取り付けられることができる。検出面4は、表面対体積比を高めるために、多孔質面であることができる。使用前には、少なくとも1つの第1レセプタクル1は、ラベルを含まず、言い換えると、実質的に磁気ラベルフリーである。後者は、試剤とサンプル流体との間の相互作用の後までそのままである。
【0047】
一方、少なくとも1つの第2レセプタクル2は、ターゲット分子との相互作用後の磁気ラベル補助検出のための少なくとも1つの磁気ラベル5を含む。好ましい実施の形態において、磁気ラベルは、乾燥した、迅速に溶解できる形で提供されることができる。これは、バイオセンサがカートリッジ又は使い捨て可能な形で供給されることを可能にする。少なくとも1つの磁気ラベル5は、一般的に結合アッセイを通じてのターゲット分子との相互作用のために提供される。磁気的にラベルをつけられた結合分子を用いることにより、結合又は認識事象は、一般的に検出可能な信号を生成することができ、ターゲット分子の有無又は活性を示すことができる。本発明において構想される結合及び解放アッセイは、イムノアッセイ、DNAハイブリッド形成アッセイ、及び、広範囲のターゲット分子のための診断検査として医療コミュニティにおいて広く用いられるレセプタに基づくアッセイを含む。考えられるアッセイはさらに、サンドイッチアッセイ、抗複合体アッセイ及びブロッキング剤アッセイを含む(例えば、"The Immunoassay Handbook",Elsevier Science出版、David Wild編を参照)。例えば、サンドイッチアッセイにおいて、ターゲット分子は、検出面4に取り付けられた捕捉プローブと相互作用し、少なくとも1つの磁気ラベル5がターゲット分子に結合して、センサチップの近くの磁気ラベルの検出が可能になる。
【0048】
使用中に、アッセイ反応は、第2レセプタクル2中で(すなわち検出面4から離れたところで)、磁気ラベル5上で又はその近傍で発生することができる。あるいは、アッセイ反応は、少なくとも1つの磁気ラベル5が近傍に無い状態で、検出面4の近傍で又はその上で(すなわち第1レセプタクル1中で)発生することができる。言い換えると、少なくとも1つの第2レセプタクル2と同様に少なくとも1つの第1レセプタクル1は、反応レセプタクルとして作用することができる。反応レセプタクル中に、サンプル流体及び試剤の両方が相互作用するように供給される。少なくとも1つの第1レセプタクル1及び/又は少なくとも1つの第2レセプタクル2は、ターゲットと反応して、サンプル中の検体の存在の検出を可能にすることを補助する生物学的、化学的又は生化学的性質の試剤を含むことができる。本発明のそれぞれの検出システム及び方法に用いられる適切な試剤は、様々な検体の存在及び/又は濃度の決定を補助するように選択される様々な有効成分を含む。適切な試剤の選択は、十分に従来技術の範囲である。従来技術において十分に周知であるように、様々なターゲットの各々と共に用いることができる数多くの成分がある。好ましい実施の形態において、試剤は、乾燥した迅速に溶解できる形で、例えば溶解可能な試剤層として供給されることができる。
【0049】
上記した要素は、センサコンポーネント300(時々センサチップと呼ばれる)にグループ化されることができ、それは、検出システムの再使用可能なパーツ又は使い捨て可能なパーツであることができる。
【0050】
検出システム100はさらに、第2レセプタクル2から第1レセプタクル1への少なくとも1つの磁気ラベル5の輸送を可能にする磁場発生器6を有する。アッセイが行われたところに応じて、少なくとも1つの磁気ラベル5それ自体、又は少なくとも1つのターゲット分子に結合された少なくとも1つの磁気ラベル5(磁気ラベル付きターゲット分子とも呼ばれる)が、輸送されることができる。したがって、少なくとも1つの磁気ラベル5の輸送は、好ましくは、磁気ラベル5の輸送を可能にするように適応される方位を持つ磁場を印加することによって(例えば適切に方向を定められた傾斜磁場を提供することによって)実行される。好ましくは、磁場発生器は、適切な場合に少なくとも1つの磁気ラベル5の輸送が実行されることができるように制御されること、すなわち、ON若しくはOFFにされること、又は予め決められた磁場特性に設定されることができる。印加磁場は、例えば、永久磁石、例えば磁気コアがその中に存在する電磁石、又は、例えば電流がその中で制御されることができるコイル若しくは複数のコイルなどのいずれかを用いて、印加されることができる。永久磁石は、生成される磁場を制御するために、機械的に動かされることができる。そのような磁場発生器6は、流体レセプタクルを備えたセンサコンポーネント300の一部であることができ、そのようなセンサコンポーネント300を備えた使い捨て可能なカートリッジ50の一部であることができ、又は、検出システム100の他の部分に、例えば使い捨て可能なカートリッジのための再使用可能な読取り機中に、一体化されることができる。例えば、磁気ペンが用いられることができ、その先に少なくとも一つの磁気ラベル5が付着されて、例えばチャネル3を通して、少なくとも一つの磁気ラベル5を輸送する。例えば電流ワイヤのような磁場発生器6では、磁場の広がりが限られている場合があり、したがって、いくつかの磁場発生器6(例えば電流ワイヤ)が、レセプタクル1及び/又はレセプタクル2中に、あるいは、存在するならばこれらのレセプタクル1と2との間の接続チャネル3中に、配置されることができる。磁場は、少なくとも1つの磁気ラベルがレセプタクル1の方へ、そして最後に検出面4に向けて推進されるようなシーケンスで、動かされることができる。例えば、電流ワイヤの場合、電流ワイヤは、磁気ラベル5を輸送するためのシーケンスで動かされることができる。磁場は、直流又は交流であることができる。磁気ラベルの非可逆的なクラスタ化を防止するために、交流がしばしば好まれる。
【0051】
磁気ラベル補助信号を検出するために、検出システム100は、検出面4上の又はその近くの磁気ラベルを検出するための少なくとも1つの検出器80を有することができる。検出器80は、センサコンポーネント300に組み込まれて、一般的なラボオンチップ(lab-on-chip)バイオセンサなることができ、又は、検出システム100中であるが、検出面4を備えるセンサコンポーネント300の外側に組み込まれることができる。一般的にラボオンチップ構成において、検出器80の能動素子は、検出面4を含むセンサチップのチップキャリア中に配置されて、被検出信号は一般的に、変換されて、センサコンポーネント300の外部の読み出し装置に伝達されることができる。少なくとも1つの検出器80は、例えばホール検出器のような磁気検出器、又は、例えばAMR(異方性磁気抵抗)検出器、GMR(巨大磁気抵抗)検出器若しくはTMR(トンネル効果磁気抵抗)検出器のような磁気抵抗検出器であることができる。請求された検出システム100におけるアプリケーションのために、SQUIDSのような他の原理に基づく磁気センサ素子も使用できる。検出器80はさらに、磁気粒子又は磁化可能粒子を検出するための他の原理に基づくことができ、したがって、力増幅生体センサ(FABS)、片持梁力トランスデューサ、微量天秤、インピーダンス計、又はAFMであることもでき、磁気粒子若しくは磁化可能粒子からの力若しくはそれらにかかる力が検出される。磁気ビーズの検出は、光学的原理(例えば吸収、散乱、蛍光など)に基づいて行われることもできる。あるいは又はそれに加えて、磁気ビーズの検出は、音響及び/又は音波原理に基づいて行われることもできる。このように、検出器80は、光学的検出手段(例えば吸収、散乱、蛍光など)、電気的検出手段(例えばインピーダンス)、音響検出器、質量検出手段などであることができる。これは、磁気ラベル5の直接的な特性の測定によって実行されることができ、或いは、例えば、酵素ラベル(例えばペルオキシダーゼ、ホスファターゼ若しくはオキシダーゼ)、電気化学的ラベル又は蛍光ラベル(例えばコアが磁気化学種を含みシェルが蛍光色素を持つ(あるいはその逆の)コアシェル磁気ラベル)のような別のラベルの取り付けによる磁気ラベル5の修飾に由来した特性の測定の結果として生じることができる。言い換えると、ラベル多重化も実行されることができ、それによって、異なるラベル種のラベルが、検出プロセス中の磁気ラベルの何らかの使用と組み合わせて用いられて、検出される。例えば、異なる光学特性(蛍光、形状、色など)、磁気特性(緩和時間)又は電気的特性(例えば酸化還元電位)を有するラベルが、第2のラベルとして用いられることができる。
【0052】
検出器80は、検出器80を駆動する(例えば制御する)ための検出器駆動回路84に接続されることができる。検出器80は、検出面4における磁気ラベル若しくはその検出可能信号を検出するように、例えば適切な位置に、又は追加の焦点調節コンポーネントを提供することによって、適応される。
【0053】
検出システム100は、さらに、用いられる少なくとも1つの磁気ラベル5を励起するように適応される励起手段82を含むことができる。どの磁気ラベルが用いられるかに応じて、励起手段82は、例えば光学的励起手段、機械的励起手段、又は、交流及び直流磁気励起手段を含む磁気励起手段であることができる。励起手段82は、励起手段駆動回路86によって制御されることができる。磁気励起手段は、例えば、少なくとも1つの磁気ラベル5を配向させるために少なくとも1つの磁気ラベル5を含むサンプルに電場又は磁場を印加するための電磁場を生成する電磁ユニット(例えば、電磁石、空心ワイヤコイル、ストレートワイヤ、導電性微細配線、永久磁石、コイル)であることができる。磁気励起手段82は、例えば、少なくとも1つの磁気ラベル5を磁化して配向させるための磁場を発生させる第2の磁場発生器であることができる。あるいは、磁場発生器6が、少なくとも1つの磁気ラベル5を輸送する他に、磁気ラベルを励起するためにも用いられることができる。磁気励起手段は、検出システム100の外側に配置されることもできる。それは、外部磁気励起手段82であることができ、検出システム100の再使用可能な又は使い捨て可能なコンポーネント(例えばセンサコンポーネント300を含むカートリッジ50)中に一体化されることができる。検出システム100は、検出信号又はそれに対応する信号を処理するように適応される分析回路40をさらに有することができる。それは一般的に、得られた検出器結果を処理するための予め定められたアルゴリズムを実行するように適応されることができる。分析回路40は、サンプル中の検体の濃度若しくは分布を決定するように、及び/又は、例えば酵素活性を決定するために得られた検出結果を処理するように適応されることができる。
【0054】
検出システム100の更なるオプションの及び/又は好ましいコンポーネントは、当業者によって知られており、アッセイを実行する前にサンプルを収容するためのサンプル収容手段10と、オプションとして流動制御手段70を用いて制御されるサンプル供給手段20を含むことができる。サンプル供給手段20は、流体の重量フィードを含むことができ、さらに、サンプル流体を収容する手段11及び対照サンプルを収容するための手段12からセンサチップ4への流体の供給を可能にするために、パイプ/管路及びバルブ(例えば選択可能かつ制御可能なバルブ)の配置を含むことができる。あるいは、流体は、手段11, 12からセンサチップ4へと、能動的に又は受動的にポンピングされることができる。検出システム100はさらに、レセプタクルを適切に満たすために、ガスが流出することを可能にするための通気孔を有することができる。一般的に、サンプル収容手段10は、検査されるサンプルを保持するためのサンプル容器14を含むことができ、オプションとしてさらに、参照サンプル又は対照サンプルを保持するためのリファレンス容器を含むことができる。他のオプションのコンポーネントは、溶解性の試剤層の溶解を援助して、検出面4上での又はその近くでの溶解した成分の拡散を援助し、そして反応物の様々な成分(例えば磁気ラベル、ターゲット分子、捕捉プローブなど)の間のアッセイ反応を促進するアッセイ促進手段64、レセプタクル1, 2中の適切な温度を確保するように温度を制御する温度制御手段66、検出システム又はその一部(例えばレセプタクル1, 2及び存在するならばチャネル3)を洗浄するためのクリーニング手段68などを含むことができる。しばしば検出面4は、いわゆるセンサ多重化のために、異なる検出面4のアレイを有することができる。あるいは、それぞれのレセプタクルは、異なる成分又は特性を検出するための異なる検出面4を各々有することができる。異なる検出面4は、異なる生物学的分子を検出するために用いられることができ、それらは陽性対照又は陰性対照として用いられることができ、又は較正目的のために用いられることができる。第1の態様による更なる実施の形態及び実施例が以下に提供される(本発明はそれに制限されない)。
【0055】
第1及び第2の特定の実施の形態の原理は、図2及び図3によってさらに図示され、図2は少なくとも一つの磁気ラベル5の輸送前の状況を示し、図3は少なくとも一つの磁気ラベル5の輸送後の状況を示す。
【0056】
第1の特定の実施の形態において、第1の態様として上に述べたような検出システム100が提供されて、同じ特徴及び利点を含み、アッセイ反応が少なくとも1つの磁気ラベル5上で発生する。したがって、検出システム100では、第2レセプタクル2は、少なくとも1つの磁気ラベル5を備え、又は少なくとも一つの磁気ラベル5のための入口を備える。一旦第2レセプタクル2がサンプル流体及び試剤で満たされて、少なくとも1つの磁気ラベル5が第2レセプタクル2内に放出され又は存在すると、アッセイ反応が始まる。後の検出のために検出面4に結合した磁気ラベルが必要とされる場合、好ましくは、試剤のうちの少なくとも一つは、少なくとも一つの磁気ラベル5と(輸送のあとで)検出面4との両方に結合することができるように設計される。そのような結合は、磁気ラベル5及び/若しくは検出面4に対して直接、又は、捕捉プローブのような、それに取り付けられる分子を通して行われる。第2レセプタクル2における一定の時間の相互作用の後、少なくとも1つの磁気ラベル5は、試剤及びサンプル流体と反応して、第2レセプタクル2から第1レセプタクル1まで、例えば相互接続チャネル3を通して、磁場発生器6を用いて輸送される。磁性粒子又は磁化可能粒子の輸送は、図3において矢印7によって示される。ターゲット又はターゲット同族体の存在下で試剤と反応した少なくとも1つの磁気ラベル5は、次に、第1レセプタクル1中の検出面4で検出されることができる。検出面4への結合が必要とされる場合、この結合は、第2レセプタクル2から第1レセプタクル1への輸送の後で行われる。試剤は、非磁性であるので、それらが磁気ラベル5に取り付けられない場合にはレセプタクル2中に残り、したがって、第1レセプタクル1における磁気ラベル検出を妨害することはない。言い換えると、未反応の試剤は、第2レセプタクル2中に残って、第1レセプタクル1における磁気ラベル補助検出を妨害しない。検出面4で検出される磁気ラベル5の量は、ターゲット又はターゲット同族体の濃度に関連がある。上記のアッセイのためのこのソリューションの利点は、第2レセプタクル2中の未反応の試剤が、磁気ラベルに基づく検出を妨害せず、又は、第1レセプタクル1において検出面4へ磁気ラベルが結合することを妨害しないことである。磁気ラベルに結合されない試剤の拡散が遅いので、ごくわずかな試剤しか第2レセプタクル2を出て第1レセプタクル1に入ることができない。試剤の拡散特性はそれらの拡散距離によって一般的に表現されることができ、拡散係数と拡散時間との積の平方根によって与えられる。例えば、タンパク質が静的流体の中でミリメートルの距離をこえて拡散するためには、数時間かかる可能性がある。レセプタクル間拡散流は、第1レセプタクル1と第2レセプタクル2との間の相互接続チャネル3の長さを増加させることによって及び/又は相互接続チャネル3の断面積を減少させることによって、さらに低減されることができる。対照的に、磁気ラベル5の動きは、磁力によるそれらの能動輸送によって急速である。上で述べたように、本発明はさらに、電気的な力によって(例えば電気泳動及び誘電泳動によって)輸送される電気ラベルの使用に関する。
【0057】
第2の特定の実施の形態において、第1の態様として上に述べたような検出システムが提供され、同じ特徴及び利点を含み、アッセイ反応は、第1レセプタクル1中の検出面4で発生する。第1レセプタクル1は、したがって、サンプル流体で満たされ、そして試剤を備えるように適応される。一旦レセプタクル1がサンプルで満たされて、試剤が第1レセプタクル1中に放出されると、アッセイ反応が始まる。一定の反応時間の後、第2レセプタクル2中に提供され又は存在する少なくとも1つの磁気ラベル5は、磁場発生器6を用いて、すなわち磁力によって引っ張られて、例えば相互接続チャネル3を通して第2レセプタクル2から第1レセプタクル1まで輸送される。ターゲット又はターゲット同族体の存在下で試剤と反応した検出面4は、次いで少なくとも1つの磁気ラベル5と結合することができる。このソリューションの利点は、第1レセプタクル1中の未反応の試剤が、第2レセプタクル2中の少なくとも1つの磁気ラベル5と早まって結合せず、したがって、利用できない磁気ラベル結合の数を低減することである。例えば、サンプル流体が利用できるようになる前に試剤が少なくとも1つの磁気ラベルと結合してしまうことが回避される。試剤の拡散が遅いので、非常に少数しか第1レセプタクル1を出て第2レセプタクル2に入り、磁気ラベルと結合することができない。さらに、能動輸送の前には、すなわち所望の時間の間アッセイ反応が進行して能動輸送が開始されるまでは、非常に少数の磁気ラベル5しか第2レセプタクル2を出て第1レセプタクル1に入ることができない。
【0058】
第3の実施の形態において、例えば第1の実施の形態において上述されたような(但しそれに限られない)検出システムが提供され、同様の特徴及び利点を有し、第2レセプタクル2から第1レセプタクル1への未反応の試剤の拡散は、チャネル中のバルブによって又は第1レセプタクル1から第2レセプタクル2の方向への流動によって、さらに抑制されることができる。そのような流動は、任意の適切な手段で流動制御装置9によって生成されることができ、例えばレセプタクルを満たすことによる毛細管作用を用いて、又は、第1レセプタクル1への超過圧及び/若しくは第2レセプタクル2に印加される負圧を適用することによって得られる。流動制御装置は、チャネル外部に又はチャネル内部に配置されることができる。チャネル内部の流動装置の例は、流体に動きを与えることができる微小機械フラップのアレイである。流動制御装置9はポンプであることができる。後者は矢印8を用いて図4中に図示される。第1及び第2レセプタクル1, 2中の並びに/又はそれらの間の流動はオプションとして、個別に即ちレセプタクル毎に制御されることができる。この実施の形態の特定の例において、流動制御装置9は、第1レセプタクル及び/又は第2レセプタクルを、チャネル61, 62を通して流動速度変更部分71, 72に接続することによって、具体化されることができる。後者は図5に図示される。これらの流動変更部分71, 72は、例えば様々な流体吸収率を有する吸収体材料であることができる。アッセイ反応がセンサチップ4の表面上で最初に発生する場合、未反応の試剤が第2レセプタクル2に入ることを防止又は抑制して、磁気ラベル5が第2レセプタクル2から第1レセプタクル1へ輸送される前に第1レセプタクル1中の未反応の試剤の量を除去又は低減するために、第1レセプタクル1から部分72に向かう流動(例えば弱い流動)を発生させることは有利である。第1及び/又は第2レセプタクルからの流動が導入される時刻を個別に制御するために、71, 72に向けた第1レセプタクル1及び第2レセプタクル2の開口におけるバルブが含まれることができる。例えば、部分72に向けた流動が開始される前に、しばらくの間、サンプルが第1レセプタクル1中で試剤と培養されることを可能にすることが望ましい。チャネル61, 62の長さ及び直径は、試剤材料の損失を防止するために小さくされることができる。試剤がすでに磁気ラベル5上にあり、検体の追加によって、磁気ラベル5が溶液中で検出されること又は検出面4への結合によって検出されることを可能にする部分が解放される場合、例えば阻害アッセイ、競合アッセイ、置換アッセイ又は酵素アッセイの場合、図4に図示されるような、第1レセプタクル1から第2レセプタクル2への、そして第2レセプタクル2からチャネル55を通してのサンプルの流動が有利である。このように、解放された部分は洗い流されて、それがレセプタクル1に入ってセンサチップ4の表面に結合する可能性は大幅に低減される。磁気ラベル5も洗い流されることを回避するために、第2レセプタクル2中に磁気ラベル5を保つために磁力が用いられることができる。そして所望の反応時間の後、磁気ラベル5は、第1レセプタクル1へ輸送されることができる。言い換えると、流動制御手段9は、磁気ラベル5と試剤との間の相互作用及び/又は分離を制御するために流動を制御するように適応されて提供されることができる。
【0059】
第4の特定の実施の形態において、上に述べたような検出システム100が提供され、例えば、上述の特定の実施の形態のいずれにも制限されることなく、第1レセプタクル1及び/又は第2レセプタクル2中のアッセイ反応の速度は、局所的な混合を通して適応される(例えば増加される)。検出システム100は、したがって、第1レセプタクル及び/又は第2レセプタクル中に混合手段を含むことができる。そのような混合手段は、例えば、好ましくは磁気的撹拌手段及び磁気アクチュエータを含む磁気的混合手段、機械的撹拌手段のような任意の適切な混合手段であることができ、又は、例えば熱的攪拌手段であることができる。
【0060】
第5の特定の実施の形態において、例えば先の実施の形態のいずれにも制限されることなく、上に述べたような検出システム100が提供され、同様の特徴及び利点を有し、検出システムは、複数の検体の検出のために適応されている。いくつかの考えられる装置の構成があり、それらのいくつかが図によって図6及び図7に示される。一つの構成は、いくつかの異なる場所で(各々のターゲットに対して少なくとも1つの領域で)磁気ラベル5と結合することが可能な検出面4を有する第1レセプタクル1と、相互接続チャネル3によって第1レセプタクル1に接続された第2レセプタクル2とを有する。反応がレセプタクル1中で発生する場合には、ターゲットが検出面4上の特定の場所のみに結合することができるように、試剤が選択される。第2レセプタクルは、反応した検出面と結合することができる少なくとも1つの磁性粒子又は磁化可能粒子5を収容する。反応がレセプタクル2中で行われる場合、第2レセプタクル2は、各々のターゲットに特異的な試剤を収容し、各々のターゲットに対して特異的な少なくとも1つの磁性粒子又は磁化可能粒子5を収容し、例えば、磁性粒子は、ターゲットに特異的な捕捉プローブを含む。好ましくは、磁性粒子又は磁化可能粒子5がターゲットと反応する場合に、磁性粒子又は磁化可能粒子5が好ましくは検出面4の指定された部分にのみ結合する能力を持つように、試剤が選択される。ターゲットとの反応が発生した後で、磁気ラベル5は、磁場発生器6を用いて、すなわち磁力によって第1レセプタクル1へ輸送されて、検出面4上の対応する領域に結合することを可能にされる。の構造は、図6に示されるように、複数の結合領域を有する検出面4を含む第1レセプタクル1と、チャネル31, 32, 33によって第1レセプタクル1に接続される一セットの第2レセプタクル21, 22, 23から成る。これらのチャネルは、第1レセプタクルに入るための一つのチャネルを形成するために統合することができる。各々の第2レセプタクル21, 22, 23は、各々のターゲットに特異的な試剤と、ターゲットに特異的であってもなくてもよい磁気ラベル5とを含む。さらに又はあるいは、図7に示されるように、検出システムは、測定される各々のターゲットに特異的な検出面41, 42, 43を各々含むいくつかの第1レセプタクル11, 12, 13を持つことができる。これは、単一の第2レセプタクル2又は複数の第2レセプタクル21, 22, 23と組み合わせられることができる。複数の11, 12, 13が用いられる場合、サンプルがレセプタクル11, 12, 13に個別に分配される必要がないように、サンプル用の一つの単一の入力にそれらを接続させることが望ましい。
【0061】
第6の特定の実施の形態において、本発明の検出システム100は、上述のように複数の検体を検出するために設計され、さらに、予め定められたターゲットを検出するための異なる磁気的特性を有する磁気ラベル5を用いるように設計された、上記した検出システムのいずれかであることができる。各々のターゲットのために、磁気ラベル51, 52, 53は、選択されることができる少なくとも1つの固有の磁気特性によって選択される。例えば、粒子磁化の周波数依存性は、この周波数に応答する磁気ラベルのみをレセプタクル1に引き寄せるために用いられることができる。そして磁場発生器6は、異なる磁気的特性を持つ異なる磁気ラベルを選択的に輸送するように適応されることができる。例えば、磁場発生器6は、選択可能な磁場周波数を持つことができる。その代わりに又はそれに加えて、予め定められた磁気特性を有する磁気ラベルを輸送するための磁力を生成するように各々適応された異なる磁場発生器6が、提供されることができる。
【0062】
第7の特定の実施の形態において、本発明の検出システム100は、図8に示されるように、アッセイ試剤を含むレセプタクル内に、ターゲットを含む流体の到達時刻を測定することができる流体検出器302を含むことができる。このようにして、磁気ラベル検出前のアッセイ試剤とのターゲットの正確な培養時間が決定されることができる。アッセイ反応が検出面4の表面上で起こるアッセイのためには、流体検出器は第1レセプタクル1中になければならず、反応が磁気ラベル上であるアッセイでは、流体検出器は第2レセプタクル2中に配置されなければならない。培養時間は、流体到達と第2レセプタクル2からの磁気ラベル5の輸送との間の時間である。流体到着と磁気ラベルの輸送との間にアッセイ試剤を除去するステップが存在する場合、培養時間は、流体到着と試剤除去との間の時間である。流体検出器は、流体の到達を決定するために、電気的技術(例えばインピーダンス)、光学的技術又は音響/音波技術を使用することができる。流体の到達による表面からの磁気ラベル5の溶出及び置換を決定するために、磁気検出(例えばバルク高感度GMR、ホールセンサ、磁気コイルなど)が、第2レセプタクル2において用いられることができる。
【0063】
第8の特定の実施の形態において、本発明の検出システム100はさらに、第2の磁気ラベルの追加による信号増幅と併せて用いられることができる。第1レセプタクル1と第2の磁気ラベルを含む第2レセプタクル3との間の相互接続チャネル3に接続される更なるレセプタクルの追加によって、第一のラベリングステップは、第二のラベリングステップから時間的に分離されることができる。アッセイ反応が発生し、第1のラベルが磁力によって検出のための検出面4に運ばれた後で、第2の磁気ラベルは、更なる磁場発生器によって、すなわち磁力を用いて、それらの更なるレセプタクルから第1レセプタクルまで輸送される。そこで、それらは第1の磁気ラベルに結合する能力を持ち、検出されることができる。第2の磁気ラベルが第1レセプタクル1に輸送される前に、検出面4に結合されていない第1の磁気ラベルを磁力によって除去して、例えばそれらを輸送して第2レセプタクルに戻すことが望ましい。このようにして、第2のラベルは、検出面4に取り付けられた第1の磁気ラベルのみに結合する。例示的な検出システムが図9に示され、更なるレセプタクル402、第2の磁気ラベル404、及び、第2の磁気ラベル404を能動的に輸送するように適応される更なる磁場発生器406を示す。
【0064】
第2の態様によれば、本発明は、サンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出するための検出方法を提供する。後者はさらに好ましくは、サンプル中のターゲット分子を定量化することを可能にする。ターゲットを検出するためのそのような方法は、一般的に、サンプルと少なくとも1つの磁気ラベルとの間の相互作用を可能してそれによって少なくとも1つの磁気的にラベルをつけられたターゲット分子を得ること、及び磁気ラベルを検出面へ輸送することを含む。それによって、少なくとも1つの磁気ラベルの輸送は、少なくとも1つの磁気ラベルとサンプルとの相互作用の前又はその後に行われることができる。本方法はさらに、磁気ラベル補助検出信号を検出することを含む。本態様によるサンプル中の少なくとも1つのターゲット分子を検出するための例示的な方法が、図10a及び図10bに一例として示される。方法200の標準的な及びオプションの特徴は、例示的な検出方法の標準的な及びオプションのステップを示す図10a及び図10bに示されるフローチャートを用いて説明される。
【0065】
検出方法200の一つのステップは、サンプルと少なくとも1つの磁気ラベルとの相互作用を可能して(202, 212)、少なくとも1つの磁気的にラベルをつけられたターゲット分子をもたらすことを含む。これは、例えば重力又は毛細管力によって、検出システムのレセプタクルのうちの1つにサンプル流体(例えばサンプル流体の滴)を導入することを含むことができる。あるいは、サンプル流体は、装置のレセプタクルに向けて能動的に又は受動的にポンピングされることもできる。したがって、サンプルと少なくとも1つの磁気ラベルとの間の相互作用を可能にすることは、サンプル供給手段を制御することを含むことができる。サンプルと磁気ラベルとの間の相互作用を可能にすることは、例えば磁気アクチュエータによって相互作用を促進することを含むこともできる。したがって、相互作用を可能にすることは、磁気的にラベルをつけられたターゲット分子をもたらす。
【0066】
他のステップにおいて、方法200は、磁気ラベルを検出面へ輸送すること(204, 214)を含む。磁気ラベルの輸送(204, 214)は、一つのレセプタクルから検出面を有する他のレセプタクルへと磁気ラベルを輸送することを含むことができる。サンプルと磁気ラベルとの間の相互作用が既に可能にされたかによって、輸送される磁気ラベルは、輸送の時点において、既にターゲット分子に接続されている場合もあるし、接続されていない場合もある。
【0067】
サンプルと少なくとも1つの磁気ラベルとの相互作用を可能にすること(202, 212)及び磁気ラベルを輸送すること(204, 214)は、異なるシーケンスに従って実行されることができる。すなわち、サンプルと少なくとも一つの磁気ラベルとの間の相互作用を可能にすること(202)は、輸送204に先立って実行されることができ、同様に、輸送214は、サンプルと少なくとも一つの磁気ラベルとの間の相互作用を可能にすること(212)に先立って実行されることができる。後者は、2つの特定の実施の形態によって図示される。そのステップが図10aに示される一つの実施の形態において、方法200は、一つのレセプタクル中でサンプル、試剤及び少なくとも1つの磁気ラベル間の相互作用を可能にすること(202)、並びに、磁気ラベルを含む磁気的にラベルをつけられたターゲット分子を、例えば相互接続チャネルを通して、検出面が配置されている他のレセプタクルに輸送すること(204)を含む。未反応の試剤がラベル補助検出ステップに干渉しないので、後者は有利である。第2の実施の形態において、方法200は、試剤とサンプルとが一つのレセプタクル中で相互作用することを可能にし(201)、例えばサンプルと試剤のための予め定められた相互作用時間の後で、第1レセプタクルから、試剤とサンプルとの間の相互作用が発生した前記レセプタクルへと、少なくとも一つの磁気ラベルを輸送し(214)、そして、サンプルと少なくとも一つの磁気ラベルとの間の相互作用を可能にする(212)。
【0068】
検出方法200において好ましくは行われる他のオプションのステップは、検出面4上でのターゲット分子の捕捉(203)である。後者は、例えば、検出面への又はその上の生物学的若しくは生化学的活性部分への、ターゲット分子又はそれに結合される試剤成分の結合によって実行されることができる。後者は、少なくとも1つの磁気ラベルと少なくとも1つのターゲット分子との相互作用202の後、すなわち、磁気的にラベルをつけられたターゲットの輸送204の後で、又は、少なくとも一つの磁気ラベルと少なくとも一つのターゲット分子との相互作用の前に、すなわち、磁気ラベルの輸送214の前に、実行されることができる。
【0069】
更なるステップにおいて、磁気レベルと少なくとも一つのターゲット分子との間の相互作用を可能にして(202, 212)、磁気ラベルを輸送した(204, 214)後で、磁気ラベル補助検出信号の検出207が実行されることができる。それは、選択された磁気ラベルに従う任意の適切な検出方法を用いて実行されることができる。想定される適切な検出方法は、蛍光検出、SERRS及び吸収及び/又は散乱信号の検出のような(但しそれらに限られない)光検出メカニズム、電気的信号検出(例えばインピーダンス)、質量検出、音響/音波検出、並びに例えばホールセンサ、GMR、TMR又はAMRを用いる磁気検出方法を含む。検出は、磁気ラベルの直接的な特性の測定によって実行されることができ、或いは、例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ若しくはオキシダーゼのような酵素ラベル、電気化学的ラベル、又はコアが磁気化学種を含みシェルが蛍光色素を持つ(若しくはその逆)コアシェル磁気ラベルのような蛍光ラベルのような第2のラベルの取り付けによるラベルの修飾から結果として生じる特性の測定によって実行されることができる。特定の実施の形態において、本方法はさらに、磁気ラベルを励起して(206)、検出されるべき磁気ラベル補助信号の生成を可能にすることを含むことができる。用いられる磁気ラベルの種類に応じて、そのような励起は、例えば、ルミネセンスを誘導するためにサンプルに照射すること、又は磁気ラベルの配向を誘導するために電磁場をサンプルへ供給すること等である。
【0070】
検出及び/又は定量化のための検出方法200は、磁気ラベル補助検出信号を処理するステップ208をさらに含むことができる。この処理は、磁気ラベル補助検出信号から定性的な結果を得ることを含み、またさらに好ましくは、定量的な結果を得ることを含むことができる。この処理は、予め定められたアルゴリズムを用いること、ニューラルネットワークを用いること又は任意の他の適切な態様に基づくことができる。それは、自動的な及び/又は自動化された態様で実行されることができる。
【0071】
一実施例において、検出ステップの前に、結合していない又は弱く結合された磁気ラベルを結合された磁気ラベルから分離するために、オプションの分離ステップ205が実行されることができる。後者は、結合していない又は弱く結合された磁気ラベルによる検出結果への影響を回避するので、より正確な測定を得るために有利である。結合していない又は弱く結合された磁気ラベルの除去は、結合していない又は弱く結合された磁気ラベルを、捕捉プローブ又はタグを介して検出面に結合された結合磁気ラベルから分離及び除去することによって、保証されることができる。後者は、結合していない磁気ラベルを動かし及び/又は除去するための、流動場、音響場、重力、電磁場のような物理的又は化学的力を印加することによって実行されることができる。例示的な分離技術は、リンス、沈降分離、沈澱、遠心分離、超音波処理、磁場及び/又は電場の印加並びに傾斜磁場を含む。
【0072】
検出方法200は、さらに較正ステップを含むことができる。したがって、センサ信号は、磁気ラベルに対するセンサチップの感度を較正するように、湿潤の前後で測定されることができる。そのような較正ステップは、予め定められたアルゴリズムを用いて実行又は処理されることができ、そのような較正ステップの結果は、信号処理ステップにおいて、例えば検出結果の定量化の際に考慮されることができる。較正は、特定の磁気ラベル感度の較正であることができる。本発明による検出方法200は、磁気抽出及び溶液が磁性粒子又は磁化可能粒子と予め培養されるキャッチアッセイと組み合わせられることができる。
【0073】
第3の態様において、本発明は、本発明の第1の態様による検出システム用のセンサコンポーネントに関する。センサコンポーネントは、一般的に、検出面を有し、少なくとも使用前には、すなわちサンプルとラベルとの間の相互作用の前にはラベルを含まない第1レセプタクルと、少なくとも使用前に、少なくとも一つの磁気ラベルを含む第2レセプタクルとを有し、磁気ラベルは、検出されるべき少なくとも1つのターゲット分子と相互作用するように適応されている。センサコンポーネントは、少なくとも1つの第2レセプタクルから少なくとも1つの第1レセプタクルへの、磁場を用いた少なくとも1つの磁気ラベルの輸送を可能にするようにさらに適応されている。第1レセプタクル、第2レセプタクル、相互接続チャネル、供給及び/又は除去チャネル、供給及び/又は除去レセプタクル並びにその中に含まれる要素の他の特徴は同じであり、本発明の第1の態様において説明されたものと同じ特徴や利点を備える。磁場発生器と同様に、検出面におけるラベル補助検出のための検出器は、完全に若しくは部分的にセンサコンポーネントの外部であるか、又はその一部であることができる。磁場発生器と同様に、ラベル補助検出のための検出器は、センサコンポーネントに対して静止していることができ、又はスキャンすることができる。センサコンポーネントは使い捨てであることができる。それは、センサチップと呼ばれることができる。センサコンポーネントは、上述の検出システムの一部であることができる。センサコンポーネント300は、緩衝溶液中に、ある量の(例えば予め定められた量の)少なくとも一つのターゲット分子を有することができる。後者は、陽性対照として及び/又は基準として用いられることができる。緩衝溶液中の選択された少なくとも1つのターゲット分子は、一般的に、センサチップ4によって実行されるアッセイの種類によって決まる。オプションとして、本装置は、他のコンポーネント(例えば、予め定められた量の陰性対照測定の実行を可能にする対照流体)を更に含むパーツのキットとして与えられることができ、それによって、センサチップは特に、検査されるターゲット分子の不在を示す陰性の検出信号を提供することを必要とする。
【0074】
本発明を実施する移動可能な磁気ラベルを用いた検出システムの目的を達成するための他の配置は、当業者にとって明らかである。好ましい実施の形態、特定の構造及び構成並びに物質が、本発明による装置のために本願明細書において論じられたが、形状及び細部における様々な変更又は修正が、本発明の範囲及び精神を逸脱しない範囲で行われることができることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのターゲット分子を検出するための検出システムであって、
検出面を有し、使用の前には磁気及び/又は電気ラベルを実質的に含まない少なくとも一つの第1レセプタクル、
磁気及び/又は電気ラベル補助検出を可能にして前記少なくとも一つのターゲット分子と相互作用する少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを、使用の前に含む少なくとも一つの第2レセプタクル、
少なくとも前記第2レセプタクルから少なくとも前記第1レセプタクルへの前記少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能して、それによって磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号の検出を可能にする磁場及び/又は電場発生器、
を有する検出システム。
【請求項2】
前記磁気及び/又は電気ラベルが磁気ラベルである請求項1に記載の検出システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの第1レセプタクルから前記少なくとも一つの第2レセプタクルへの流動を可能にする、請求項1又は請求項2に記載の検出システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第1レセプタクルと前記少なくとも一つの第2レセプタクルを接続する少なくとも一つの第1チャネルを有し、前記第1チャネルは、毛細管作用によって前記少なくとも一つの第1レセプタクルから前記少なくとも一つの第2レセプタクルへの前記流動を可能にする、請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つの第1レセプタクル及び/又は前記少なくとも一つの第2レセプタクルが、流動速度変更部分に接触している、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つの第1レセプタクルが、磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号の検出を可能にする検出面を有し、前記検出面が、異なるターゲットの検出のための異なる場所を持つ、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つの第1レセプタクル及び/又は前記少なくとも一つの第2レセプタクル中に流体検出器を有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項8】
更なる磁気及び/又は電気ラベルを含む更なるレセプタクル、並びに、前記更なるレセプタクルから前記少なくとも一つの第1レセプタクルへの前記更なる磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能にする更なる磁場及び/又は電場発生器を有する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項9】
前記少なくとも一つの第1レセプタクルが、サンプルとアッセイ試剤との間の相互作用を可能にする、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項10】
前記少なくとも一つの第2レセプタクルが、サンプル、アッセイ試剤並びに前記磁気及び/又は電気ラベルの間の相互作用を可能にする、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項11】
少なくとも一つのターゲット分子を検出するための方法であって、
サンプルと少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルとの間の相互作用を可能にし、それによって少なくとも一つの磁気的及び/又は電気的にラベルをつけられたターゲット分子を得るステップ、
前記少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを磁気的及び/又は電気的に検出面に輸送するステップ、
前記相互作用を可能にするステップ、並びに、前記少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを輸送するステップの後、少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベル補助検出信号を検出するステップ、
を有する方法。
【請求項12】
前記少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを輸送するステップが、前記相互作用を可能にすることによって得られた前記少なくとも一つの磁気的及び/又は電気的にラベルをつけられたターゲット分子を輸送することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
相互作用を可能にするステップが、前記磁気及び/又は電気ラベルを検出面に輸送した後で、サンプルと少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルとの間の相互作用を可能にすることを含む、請求項11又は請求項12に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも一つのターゲット分子を検出するための検出システムに使用されるセンサコンポーネントであって、
検出面を有し、使用の前には磁気及び/又は電気ラベルを実質的に含まない少なくとも一つの第1レセプタクル、
磁気及び/又は電気ラベル補助検出を可能にして前記少なくとも一つのターゲット分子と相互作用する少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルを、使用の前に含む少なくとも一つの第2レセプタクルを有し、
磁場及び/又は電場を用いた前記少なくとも一つの第2レセプタクルから前記少なくとも一つの第1レセプタクルへの前記少なくとも一つの磁気及び/又は電気ラベルの輸送を可能にする、センサコンポーネント。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【公表番号】特表2010−506190(P2010−506190A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531948(P2009−531948)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054055
【国際公開番号】WO2008/044174
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】