説明

磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法

【課題】レーザ磁区制御した一方向性電磁鋼板において、地鉄表面粗度に関係なく、鉄損特性が安定かつの優れた、一方向性電磁鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】レーザビームを照射することにより磁区制御を行った、表面皮膜を有する一方向性電磁鋼板であって、1μmから2.1μmの範囲内の波長のレーザビームに対して、表面皮膜を通した拡散反射率が30%以下、0%以上であるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方向性電磁鋼板にレーザビームを照射することにより磁区制御した、交流励磁したときの鉄損特性の優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の一方向電磁鋼板の表面皮膜は、最終仕上げ焼鈍中に形成されたグラス皮膜(フォルステライト系皮膜)とその上に処理される絶縁皮膜とからなる。この時、グラス皮膜は地鉄を浸食しアンカーのように形成されるので、地鉄(鋼板)表面の凹凸は大きくなり、その凹凸のばらつきも大きく不規則な状態である。
【0003】
絶縁皮膜として良好な材質の例としては、特許文献6に開示されたものがある。
【0004】
ところで、一定の印加磁場で高い磁束密度を持つ、例えば磁場800A/mで磁化されたときに1.93T程度の高磁束密度を生ずる一方向性電磁鋼板を実現するため、地鉄表面の粗度を極力小さくした一方向性電磁鋼板がある。その例として、酸化物形成抑制剤を塗布してグラス皮膜を形成しないグラスレス材や、形成されたグラス皮膜を酸洗で除去した後に化学研磨や電解研磨した鏡面材がある。両方の材料ともその上に絶縁皮膜を施して用いる。
【0005】
省エネルギーの観点から、一方向性電磁鋼板の鉄損を低減することが要望されている。そのために、特許文献1には一方向性電磁鋼板の製造方法として、YAGレーザのレーザビームを照射することにより圧延方向にほぼ垂直な線状で、圧延方向に周期的な歪みを導入し、鉄損を低減する方法が開示されている。レーザ磁区制御と呼ばれるこの方法の原理は、レーザビームを一方向性電磁鋼板の表面に照射、走査して、グラス皮膜及び絶縁皮膜、又は絶縁皮膜のみからなる表面皮膜を介して表面歪みを鋼板に導入することにより、一方向性電磁鋼板内の180°磁壁間隔が小さくして(磁区の細分化)、鉄損の一つ異常渦電流損が低減されるというものである。
【0006】
ところで、絶縁皮膜に関しては、絶縁性に加え、耐食性、張力付与性、すべり性、密着性、および耐焼鈍性の向上を目的として、従来から研究,開発が進められてきた。絶縁皮膜には、特許文献2、3、4に開示されているものがある。これらの絶縁皮膜は、YAGレーザやファイバレーザに代表される波長1μm帯のレーザビームに対しては透明で、ほぼ透過率100%であり、かつグラス皮膜(フォルステライト系皮膜)もほぼ透明なので、照射したレーザビームの殆どが地鉄に到達する。この時、グラス皮膜付きの電磁鋼板の場合、地鉄表面の凹凸、粗度が大きく、且つそれらのばらつきもあるので、鋼板の位置によって地鉄表面近傍に不規則な大きさの歪が導入されて、鉄損改善の度合いが場所によりばらついて、不安定となる問題があった。
【0007】
特に近年、波長1μm帯で集光特性の極めて優れたファイバレーザの照射による磁区制御法が本発明者らによって開発されており、ファイバレーザのビームの集光スポットを0.1mm以下の値まで極小化することで、優れた鉄損特性を有する一方向性電磁鋼板を実現している(特許文献5)。レーザビームの集光スポットの極小化に伴い、地鉄表面粗度や凹凸の影響を受けやすくなり、鉄損がばらつく問題があった。一方、地鉄粗度の小さいグラスレス材や鏡面材の場合は、磁区制御による安定な鉄損改善が期待できる。しかしながら、地鉄の反射率が非常に高いため、レーザビームが吸収されにくく、磁区細分化効果を生み出す十分な歪の導入するには強力なレーザビームが必要であり、鉄損の低減が得にくいという問題があった。
【0008】
【特許文献1】特公平6−19112号公報
【特許文献2】特公昭53−28375号公報
【特許文献3】特開昭50−79442号公報
【特許文献4】特開平04−222879号公報
【特許文献5】特願2003−075930号公報
【特許文献6】特開2005−200705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、集光特性の優れたレーザを用いたレーザ磁区制御法による一方向性電磁鋼板の鉄損改善において、地鉄表面粗度に関係なく、安定的に鉄損特性の優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、レーザビームを照射することで磁区制御を施した低鉄損一方向性電磁鋼板について効果的なレーザビーム照射を鋭意研究の結果、新たに拡散反射率という指標に着目した。すなわち、拡散反射率とは、レーザビームを被測定表面に入射させたとき、当該表面による散乱光を半球に渡って積算した値と入射ビーム強度との比で定義される。
【0011】
なお、本発明で拡散反射率に着目したのは、粗度を有する鋼板表面の実効的吸収率を正確に精度よく定量化できるためである。一般に行われている反射率の測定は、入射光に対する正反射光のみを測定する。しかし、この方法は、測定対象物の表面が鏡面状態においてのみ有効で、電磁鋼板のような測定対象物の表面に粗度を有する場合、反射光は正反射以外にも散乱してしまい、過小評価となり正確に定量化できない。積分球による拡散反射率測定では、散乱光を含めて全ての反射光を捕捉できるので、正確な反射率を得ることができる。
【0012】
拡散反射率の測定には、図5(a),(b)に示す積分球11を用いた。積分球はその内面に金が蒸着されほぼ完全拡散反射が得られる。図中の入射口から数mWのレーザビーム12を入射し、サンプル13に約45度の角度で照射する。反射光は表面皮膜や地鉄に一部吸収され、残りは反射して積分球の内面を、拡散反射を繰り返し均一に拡散される。その均一に拡散されたレーザパワーの一部をフォトディテクタセンサー14で検出し、その検出量で拡散反射率を求めるものである。なお、拡散均一場を正確に検出するためにフォトディテクタの位置は、正反射位置近傍以外とし、センサー前面数cmには金蒸着した遮蔽板を取り付ける。今回の測定では、レーザビームを入射しない時の検出量を0%、多層膜の反射ミラーにレーザビームを入射した時の検出量を100%として、各種皮膜塗布サンプルの拡散反射率を定量化した。
【0013】
レーザビームの波長1μm帯近傍に対して、吸収率が一定以上に高くなるような所定の拡散反射率を有する絶縁皮膜を施すことによって、地鉄の表面粗度に関係なく磁区細分化の要因となる歪を安定かつ効率的に導入することができることにより、従来よりも安定して磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板を実現できることを見出した。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
【0014】
本発明の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板は、レーザビームを照射することにより磁区制御を行った、表面皮膜を有する一方向性電磁鋼板であって、1μmから2.1μmの波長範囲内のレーザビームに対して、表面皮膜を通した拡散反射率が30%以下、0%以上であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板は、上記表面皮膜は絶縁皮膜を含み、この絶縁皮膜はリン酸塩と水酸化第二鉄とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法は、レーザビームを照射することにより磁区制御を行う、表面皮膜を有する一方向性電磁鋼板の製造方法であって、レーザビームは、その波長が1μm〜2.1μmの間にあり、且つファイバレーザにより発生されたものであり、レーザビームの照射に対する拡散反射率が30%以下、0%以上となるように表面皮膜を形成することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法は、上記表面皮膜は絶縁皮膜を含み、該絶縁皮膜はリン酸塩と水酸化第二鉄とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、地鉄粗度の大きいグラス皮膜材では安定かつ効率的な磁区制御が可能となり、地鉄粗度の小さいグラスレス材、鏡面材においては、工業的に耐えうるコスト、生産性を実現しつつ、両者ともに優れた鉄損特性を有する一方向性電磁鋼板を製造することができる。そして、本発明の一方向性電磁鋼板を用いることで、高効率で小型のトランスが製造可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明者らは、一方向性電磁鋼板の表面に、圧延方向にほぼ垂直で、一定間隔で線状の歪みをレーザビームにより導入して鉄損を改善する方法において、拡散反射率および絶縁皮膜の成分について着目して、安定且つ工業的に実現可能な、鉄損特性が均一で優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法を見出した。
【0020】
以下、図を用いて、本発明の一方向性電磁鋼板およびその製造方法について、実施の形態を詳細に説明する。
(素材)
本発明者らは、最終仕上げ焼鈍を行った鋼板地鉄表面にグラス皮膜を有する板厚0.23mmの方向性電磁鋼板コイルからサンプルを切り出し、水洗後850℃×4時間の歪み取り焼鈍を行ったグラス材とこのグラス材を酸洗によりグラス皮膜を除去した後、電解研磨により粗度を改善した鏡面材を準備した。この時点で磁束密度B8と鉄損W17/50を測定した。ここで、B8は800A/mで磁化されたときに生ずる磁束密度である。W17/50は周波数50Hz、最大磁束密度1.7Tのときの鉄損である。磁束密度B8=1.925Tにおける鉄損W17/50はグラス材0.90 W/kg、鏡面材0.85 W/kgであった。
(皮膜作成)
表1に示すように水酸化第二鉄等の添加条件を変更して添加した処理剤を、コーテイングロールを用いて乾燥、焼き付け後の質量で5g/m2になるよう塗布し、850℃×30秒間の焼き付け処理を行った。各種絶縁皮膜材料について、積分球を用いた拡散反射率の測定を行い、さらにレーザビームを照射し、鉄損特性を調査した。
【表1】

(レーザ磁区制御)
図2は、本実施の形態で用いたレーザ照射装置の一組の例である。レーザ発振器3で発生したレーザビームを、走査光学系4,5,6で一方向性電磁鋼板1上を走査する。磁区細分化を行うレーザビーム照射条件は種々考えられるが、工業化を念頭に100Wレーザで、照射間隔4mm、ビーム走査速度20m/sとした。平均照射エネルギー密度Ua(mJ/mm2)で表わすと、1.25となる。なお、Ua(mJ/mm2)は、鋼板長手方向の照射間隔PL(mm)、ビーム走査速度Vc(m/s)、レーザパワーをP(W)として、Ua(mJ/mm2)=P/(Vc×PL)で定義される。レーザビームの集光径は、圧延方向径dlを60μm、ビーム走査方向径を400μmにして行った。レーザ発振器としては種々考えられるが、集光特性の優れたファイバレーザを使用した。レーザ発振させるすなわち、誘導放出を起こさせるのに希土類金属をファイバに添加する必要がある。添加する希土類金属により発振波長が異なり、例えばイッテリビウム(Yb)は波長1.0から1.1μm、エルビウム(Er)は1.2から1.5μm、ツリウム(Tm)は1.8から2.1μmとなる。本実施の形態では、波長1.08μmであるイッテリビウムファイバレーザを使用したが、波長1.0から2.1μmの範囲のファイバレーザであれば同様の集光特性が得られる。
(拡散反射率と鉄損の相関)
表1に示した条件で作成したサンプルの拡散反射率及び鉄損の測定結果を、表2にグラス材、表3に鏡面材についてそれぞれ示す。その結果、水酸化第二鉄を添加していない場合、材料に含まれる元素や添加物の含有量にほとんど関係なく、拡散反射率がグラス材では30から32%、グラスレス鏡面材では72から75%であり、レーザビーム照射後の鉄損は各実施例サンプル間でほぼ同等であった。グラス材とグラスレス鏡面材に拡散反射率の違いが現れるのは、粗度が影響しており、粗度があると等価的に表面積が増えるため、拡散反射率は小さくなる。
【表2】

【表3】

【0021】
一方、水酸化第二鉄を添加した場合、添加物の量が多くなるにしたがい、拡散反射率が小さくなり、それに応じて鉄損も小さくなる。この要因として、水酸化第二鉄を添加した場合に、鋼板表面が焼き付け処理後に黒色に着色されることが挙げられる。すなわち、拡散反射率を下がり、レーザビームを効率よく吸収した結果、磁区細分化に必要な歪み導入が効率的に行われ、鉄損が下がったと考えられる。
【0022】
本発明者らは、さらに添加する水酸化第二鉄の量と拡散反射率、鉄損の関係を詳細に検討した。図3に水酸化第二鉄の燐酸塩1モル当りのモル数と拡散反射率の関係を、図4に水酸化第二鉄の燐酸塩1モル当りのモル数と鉄損の関係を示す。図中内の点線は比較例である。図3の結果から、水酸化第二鉄のモル数が増えると、拡散反射率は小さくなり、0.1モルになると、グラス材と鏡面グラスレス材の拡散反射率が30%と同等になる。これは、絶縁皮膜でのレーザビームの吸収が支配的となり、地鉄の状態やグラス皮膜の粗度の影響がなくなったためである。さらにモル数が増えると、拡散反射率は下がり続ける。
図4の結果も同様に、水酸化第二鉄のモル数が増えると、鉄損改善は大きく、0.1モル以上になると、改善の割合は小さくなり、ほぼ飽和する。拡散反射率が小さくなることで、レーザビームの吸収は効率的に歪み導入すなわち磁区細分化に寄与するものと推測していたが、異なることが分かった。推測の域は出ないが、これを考察すると、拡散反射率が20%までは、レーザビームエネルギーは皮膜および地鉄両方で吸収されているが、20%以下の領域になると、レーザエネルギービームはほぼ皮膜のみで吸収されるものと考えられる。磁区細分化に必要な歪みは地鉄へ導入しなければならないことを考慮すると、レーザビームは地鉄に直接作用したほうが効率がよいのであるが、地鉄の拡散反射率が高いので限界がある。
一方、皮膜の拡散反射率を小さくすることは、レーザビームが皮膜を介して間接的に地鉄に歪みを導入することになる。この場合、レーザビームが地鉄に直接作用する場合に比較し効率は下がる。したがって皮膜の拡散反射率が例えば20%より低下しても地鉄への歪み導入の観点では、その効果が飽和してしまう。この結果、鉄損の改善はある点でバランスして、飽和するものと考えられる。このように、水酸化第二鉄の燐酸塩1モル当りのモル数を0.1以上にすることにより、優れた鉄損特性を得ることができる。
【0023】
なお、水酸化第二鉄が、2 . 1 0 モル% 超の場合には、特許文献6にも開示されているように、皮膜張力の若干の低下が生じる。また、上記の実施例においては、絶縁皮膜の付着量は5g/m2とした。本発明の皮膜材の場合には、2〜10g/m2であれば皮膜性能の優れた方向性電磁鋼板が得られる。
【0024】
図1に拡散反射率とレーザビーム照射後の鉄損の関係を示す。拡散反射率を30%以下にすることにより、優れた鉄損特性を得ることができる。
【0025】
絶縁皮膜により拡散反射率を小さくすることで鉄損改善を向上させる効果を示したが、さらに、今回の検討でグラス材において鉄損の安定性の向上に効果があることが判明した。図6に水酸化第二鉄を0.5モル添加した場合の磁束密度B8とレーザビーム照射前後の鉄損の分布を示す。また、図7に比較例について示す。図6、7を比較することにより、レーザビーム照射後のばらつきに明確な違いがあり、ばらつきを表すR2乗値で約0.1以上の差があり、本発明例は1に近い値である。これは、レーザビームの吸収が主に絶縁皮膜で行われ、地鉄の粗度の影響がなくなり、磁区制御に必要なひずみの導入が均一に行われた結果と考えられる。
【0026】
また、今回の実施の形態の水酸化第二鉄を0.5モル添加した絶縁皮膜の焼付け温度に対する拡散反射率の測定結果を図8に示す。これより、450℃以上の焼付け温度が必要である。これは、450℃以下の場合、皮膜の色が黄色ないし赤茶色であるためレーザビーム波長に対して、拡散反射率が高くなるためである。
【0027】
本発明によれば、拡散反射率を30%以下にすることにより、優れた鉄損特性をもつ一方向性電磁鋼板を得ることができるとともに、その安定性も得られ、歩留まり向上につながる。特に、これまでレーザ設備のコストが高いため工業化が困難であったグラスレス材や鏡面材に関しては、既存のグラス材の設備で飛躍的に優れた鉄損特性をもつ一方向性電磁鋼板を得ることができることから、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】拡散反射率とレーザビーム照射後の鉄損W17/50の関係図である。
【図2】本発明の電磁鋼板製造方法に用いる装置の模式図である。
【図3】水酸化第二鉄の燐酸塩1モル当りのモル数と拡散反射率の関係図である。
【図4】水酸化第二鉄の燐酸塩1モル当りのモル数とレーザビーム照射後の鉄損W17/50の関係図である。
【図5】(a)は拡散反射率を測定するための装置の模式図であり、(b)はその装置の写真である。
【図6】水酸化第二鉄を0.5モル添加した場合の磁束密度B8とレーザビーム照射前後の鉄損W17/50の分布を示す関係図である。
【図7】比較例として、燐酸アルミを主成分とする場合の磁束密度B8とレーザビーム照射前後の鉄損W17/50の分布を示す関係図である。
【図8】水酸化第二鉄を0.5モル添加した絶縁皮膜の焼付け温度に対する拡散反射率の関係図である。
【符号の説明】
【0029】
1 電磁鋼板
2 レーザビーム照射痕
3 レーザ装置
4 走査ミラー、ポリゴンミラー
5 集光レンズ、fθレンズ
6 円柱レンズ、組円柱レンズ
11 積分球
12 レーザビーム
13 サンプル
14 フォロディテクタ
LB レーザビーム
P レーザパワー
Vc スキャン速度
PL 圧延方向照射ピッチ
dl ビーム集光の圧延方向径
dc ビーム集光のスキャン方向径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームを照射することにより磁区制御を行った、表面皮膜を有する一方向性電磁鋼板であって、1μmから2.1μmの波長範囲のレーザビームに対して、表面皮膜を通した拡散反射率が30%以下、0%以上であることを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板。
【請求項2】
前記表面皮膜は絶縁皮膜を含み、該絶縁皮膜はリン酸塩と水酸化第二鉄とを含むことを特徴とする請求項1記載の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板。
【請求項3】
レーザビームを照射することにより磁区制御を行う、表面皮膜を有する一方向性電磁鋼板の製造方法であって、レーザビームは、その波長が1μmから2.1μmの間にあり、且つファイバレーザにより発生されたものであり、前記レーザビームの照射に対する拡散反射率が30%以下、0%以上の表面皮膜を形成することを特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。
【請求項4】
前記表面皮膜は絶縁皮膜を含み、該絶縁皮膜はリン酸塩と水酸化第二鉄とを含むことを特徴とする請求項3記載の磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−119821(P2007−119821A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311528(P2005−311528)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】