磁気記録方法および磁気ディスク装置
【課題】高抗磁力の磁気記録媒体に安定且つ高密度な記録を実現する。
【解決手段】高密度記録装置のハードディスクに用いられる高抗磁力用情報記録媒体に情報を記録し、さらに後にその情報を読み出す動作を磁気ヘッドで行う磁気記録方法において、情報の記録および読み出しに該当する媒体部分の温度を局所的に変化させ、情報の記録あるいは読み出しを行う磁気記録方法。高密度記録媒体の磁性膜の抗磁力を、レーザー照射にて加熱することによって、磁気ヘッドにて記録可能な抗磁力まで低減させ、確実に記録する。
【解決手段】高密度記録装置のハードディスクに用いられる高抗磁力用情報記録媒体に情報を記録し、さらに後にその情報を読み出す動作を磁気ヘッドで行う磁気記録方法において、情報の記録および読み出しに該当する媒体部分の温度を局所的に変化させ、情報の記録あるいは読み出しを行う磁気記録方法。高密度記録媒体の磁性膜の抗磁力を、レーザー照射にて加熱することによって、磁気ヘッドにて記録可能な抗磁力まで低減させ、確実に記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気変化を用いて情報記録する磁気記録方法およびそれを用いたコンピュータの情報記憶装置としての磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記憶装置としてハード磁気ディスク装置や光ディスク装置が重要になっており、その高性能化が強く要求されている。特に、磁気記録媒体上に情報をいかに高密度で記録し、読みだせるかが重要となっている。高密度記録に適した、記録媒体の磁性膜は、スパッタリングなどの手法で形成されるが、微小な磁性粒子の集合体となっている。
【0003】
磁性粒子が微細になり、その直径が約10nm程度(現状は、約30nm)となると熱擾乱の影響を受け、情報の安定記録状態保持が困難であると予想されている。記録状態の安定な状態を保つには、媒体磁性膜の抗磁力(Hc)を4〜5000Oeと従来の2〜3倍の大きな記録磁性材料を使用しなければならない。そのような媒体では、情報記録に必要な磁場(Hcの2〜3倍)が莫大なものとなり通常の磁性体を使用した磁気ヘッドでは、記録が困難な状況になってしまう。
【特許文献1】特開平6−243527号公報 特許文献1には熱アシスト記録を行うために、スライダに半導体レーザを設ける技術および、スライダに高周波または温風を導く技術が開示されている。
【特許文献2】特開平5−307783号公報 特許文献2には熱アシスト記録を行う際に、記録媒体を挟んで対向して配置される磁気ヘッドと光学ヘッドを有し、光学ヘッドの位置決めを行うことで磁気ヘッドを位置決めする技術が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このように高抗磁力(Hc)の記録媒体では、情報を記録する手法が無く、高記録密度媒体の実用化が危ぶまれている。本発明は、安定な情報記録が実施出来る、高密度磁気記録方式を提供し、廉価で高性能な情報記録装置を製造可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
高密度記録媒体に用いる磁性膜の抗磁力(Hc)をレーザー照射加熱し、記録可能なHcまで低減させ、確実に記録する。一般的に、磁性体を加熱することにより、そのHcは低下する傾向にあり、キューリー温度まで昇温するとHc=0となる。通常の磁気記録に使用されているCoCrPtでは、約500度K程度である。レーザー照射位置と記録ヘッドが連動して動き、加熱領域と記録磁場領域とが合致する。記録情報を保持する時点では、室温なので、熱擾乱の影響を受けず、安定な記録状態が保たれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高密度記録に適し、安定した記録情報保持の可能な、情報記録方式が提供出来る。高密度記録に適したサーボ情報まで兼ね備えた情報記録方式が提供出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態を図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の磁気記録方式の全体を概念的に示した図である。本発明の構成は、大きく分類して、磁気ヘッド、記録媒体、局所変温手法の3要素で構成されている。磁気ヘッドは、記録媒体へ情報を記録または再生を行う。記録媒体は、磁気ヘッドからの磁場で情報を記録し保持する。変温手法は、この実施形態では、熱線や熱ガスの集光、集束により加熱或いは冷却ガスの吹きつけなどの手法を記述した。この構成に於て、本発明は、記録媒体の一部を加熱或いは冷却し、その部分に磁気ヘッドで情報を記録或いは再生を行うものである。記録媒体上の記録領域の概念図を図2に示した。媒体表面の一部を加熱或いは冷却しその領域の一部を磁気ヘッドで記録或いは読みだしを行う。磁性材料は、一般的に温度が上がると、その抗磁力(Hc)は、低下する傾向にあるため加熱が有効な手段となる。
【0008】
〔第二実施形態〕
第一実施形態に於て、予め、溝や突起を設けた基板を使用し、媒体上の情報の位置ぎめが容易な磁気記録方式。その実施形態を図3に示した。
【0009】
〔第三実施形態〕
第三実施形態の概念図を図4、図5に示した。
【0010】
図4は、本実施形態の磁気記録方式の全体を概念的に示した図である。本発明の構成は、大きく分類して、磁気ヘッド、記録媒体、加熱手法の3要素で構成されている。磁気ヘッドは、記録媒体へ情報を記録または再生を行う。記録媒体は、磁気ヘッドからの磁場で情報を記録し保持する。加熱手法は、この実施形態では、レーザー光の集光により加熱する手法を記述した。加熱手法には、この他にヒーターによるものやマイクロウェープなどの電磁波による局所加熱などの手法がある。この構成に於て、本発明は、記録媒体の一部を加熱し、その部分に磁気ヘッドで情報を記録或いは再生を行うものである。記録媒体上の記録領域の概念図を図5に示した。媒体表面の一部を例えばレーザー光の集光により加熱する、その領域の一部を磁気ヘッドで記録或いは読みだしを行う。一般的に、磁性体のキューリー温度は、400〜500度Cに分布しており、ここで使用する記録媒体は、約450度Cでキューリー点を持つ。図6にその温度変化を示した。加熱温度は、記録層に用いる磁性膜の磁化 温度変化曲線と磁気ヘッド記録磁場との関係で決められる。図6では、400度Cの温度で記録層の抗磁力(Hc)は、適度な記録磁場(2000Oe)となる。記録が保存されるのは、室温であり、その時の記録層の抗磁力(Hc)は4500Oeと非常に大きく、熱擾乱の影響を受けずに安定に記録状態を保持することができる。
【0011】
〔その他の実施形態〕
第一実施形態に於て、記録媒体が透明の場合、磁気ヘッドと反対側の面よりの加熱手法が可能となり、装置の実装上有利になる。この透明の意味は、光学的に更に電磁気学的に透過すると言う意味である。また、媒体記録層の磁性膜を多層化した場合、温度変化や抵磁力などの変化を持つ薄膜の組み合わせが可能であり、より本特許の有効性が発揮される。更に、磁気ヘッドは、変温領域を発生させる機構とが、図4に示す位置関係となるよう常時連携移動することにより有効性が増す。
【0012】
〔磁気ディスク装置の全体像〕
磁気ディスク装置は、磁気ディスク媒体(記録媒体)、磁気ヘッド、ヘッド制御部、電子回路部とで構成されている。記録媒体上に磁気ヘッドで情報を記録或いは再生するものであり、ヘッド制御部は、磁気ヘッドを、媒体上の所定の位置に移動させる制御、機構を持つ。また、電子回路部は、記録または再生(読みだし)をする電気信号を情報信号に変換する部分である。本発明に関わりの深い、磁気ヘッドと記録媒体部分については、通常、記録媒体は、数枚重ねて配置され、記録媒体それぞれの両面にヘッドが1個づつ配置されており、そのヘッドは、ヘッド機構部により記録媒体全面を移動して、情報を記録あるいは再生する。
【0013】
ヘッド─記録媒体の情報を記録/再生を行う際の模式図を図7に示した。ヘッド及び記録媒体の間隔は、記録媒体の回転数(7600RPM)に伴う空気流により浮上スライダにより約600Åの微小な隙間を形成している。情報の記録は、浮上スライダの端部に配置したヘッド素子により、記録媒体は、図中に矢印で示したように磁化情報として情報が記録される。
【0014】
〔磁気ディスク装置への応用例〕
1.磁気ディスク装置に於て、本発明を適用した第一の応用例を図8に示した。図8では、微細な、光ファイバーを支持ばねおよび浮上ヘッドの側面に沿わせる構成を示した。この光ファイバーは、レーザー光を導き、記録領域を図5で示すように加熱する。また、この光ファイバーに変え、微小パイプとして、冷却ガスを導入すれば、局所的な低温領域を形成することが出来る。
【0015】
2.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第二の応用例を図9に示した。磁気ディスク装置に使用される磁気ヘッドは、通常MRヘッドが使用されており、薄膜技術を用いて作成される。そのMRヘッドの保護膜として、約30μm厚みのアルミナのスパッタ成膜した透明で、硬い材料が用いられている。この材料は、MRヘッドの周囲を覆っており、その保護膜にレーザー光を導入する事により、図8に示したのと同様な効果を示すことができる。
【0016】
3.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第三の応用例を図10に示した。1,2項で示した光ファイバーで導入されたレーザー光の記録媒体面よりの反射光を受光し、記録媒体面にすでに形成してある位置情報を見いだし、ヘッド制御部への信号として、ヘッドの位置決め情報を得る。この位置決め情報により、磁気ヘッドを所望の記録媒体上の位置へ動かす。
【0017】
4.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第四の応用例を図11に示した。記録媒体の基板として透明、半透明なものを使用した場合に、磁気ヘッド側と反対側の面に光学系を設けることが可能となる。すなわち、記録媒体を挟み磁気ヘッドと変温機構を対に設置し、本発明を実施する。
【0018】
5.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第五の応用例を図12に示した。記録媒体の記録層の磁性膜を二層とすることにより、記録層構成に自由度がまし、変温度の設定が容易になり、その記録状態の安定化をはかることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施形態の説明図(断面図)
【図2】磁気記録媒体表面の拡大模式図
【図3】本発明の第二の実施形態の説明図(断面図)
【図4】本発明の第三の実施形態の説明図(断面図)
【図5】磁気記録媒体表面の拡大模式図
【図6】記録媒体の抗磁力(Hc)の温度変化を示す図
【図7】磁気ヘッド及び磁気記録媒体の要部拡大断面図
【図8】磁気ディスク装置への第一の応用例の説明図(断面図)
【図9】磁気ディスク装置への第二の応用例の説明図(断面図)
【図10】磁気ディスク装置への第三の応用例の説明図(断面図)
【図11】磁気ディスク装置への第四の応用例の説明図(断面図)
【図12】磁気ディスク装置への第五の応用例の説明図(断面図)
【符号の説明】
【0020】
1.磁気ヘッド
2.変温機構
3.磁気記録層
4.基板
5.記録媒体表面
6.変温領域
7.記録・読み出し領域
8.溝
9.突起
10.加温領域
11.記録・読み出し領域
12.光ファイバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気変化を用いて情報記録する磁気記録方法およびそれを用いたコンピュータの情報記憶装置としての磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記憶装置としてハード磁気ディスク装置や光ディスク装置が重要になっており、その高性能化が強く要求されている。特に、磁気記録媒体上に情報をいかに高密度で記録し、読みだせるかが重要となっている。高密度記録に適した、記録媒体の磁性膜は、スパッタリングなどの手法で形成されるが、微小な磁性粒子の集合体となっている。
【0003】
磁性粒子が微細になり、その直径が約10nm程度(現状は、約30nm)となると熱擾乱の影響を受け、情報の安定記録状態保持が困難であると予想されている。記録状態の安定な状態を保つには、媒体磁性膜の抗磁力(Hc)を4〜5000Oeと従来の2〜3倍の大きな記録磁性材料を使用しなければならない。そのような媒体では、情報記録に必要な磁場(Hcの2〜3倍)が莫大なものとなり通常の磁性体を使用した磁気ヘッドでは、記録が困難な状況になってしまう。
【特許文献1】特開平6−243527号公報 特許文献1には熱アシスト記録を行うために、スライダに半導体レーザを設ける技術および、スライダに高周波または温風を導く技術が開示されている。
【特許文献2】特開平5−307783号公報 特許文献2には熱アシスト記録を行う際に、記録媒体を挟んで対向して配置される磁気ヘッドと光学ヘッドを有し、光学ヘッドの位置決めを行うことで磁気ヘッドを位置決めする技術が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このように高抗磁力(Hc)の記録媒体では、情報を記録する手法が無く、高記録密度媒体の実用化が危ぶまれている。本発明は、安定な情報記録が実施出来る、高密度磁気記録方式を提供し、廉価で高性能な情報記録装置を製造可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
高密度記録媒体に用いる磁性膜の抗磁力(Hc)をレーザー照射加熱し、記録可能なHcまで低減させ、確実に記録する。一般的に、磁性体を加熱することにより、そのHcは低下する傾向にあり、キューリー温度まで昇温するとHc=0となる。通常の磁気記録に使用されているCoCrPtでは、約500度K程度である。レーザー照射位置と記録ヘッドが連動して動き、加熱領域と記録磁場領域とが合致する。記録情報を保持する時点では、室温なので、熱擾乱の影響を受けず、安定な記録状態が保たれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高密度記録に適し、安定した記録情報保持の可能な、情報記録方式が提供出来る。高密度記録に適したサーボ情報まで兼ね備えた情報記録方式が提供出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態を図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の磁気記録方式の全体を概念的に示した図である。本発明の構成は、大きく分類して、磁気ヘッド、記録媒体、局所変温手法の3要素で構成されている。磁気ヘッドは、記録媒体へ情報を記録または再生を行う。記録媒体は、磁気ヘッドからの磁場で情報を記録し保持する。変温手法は、この実施形態では、熱線や熱ガスの集光、集束により加熱或いは冷却ガスの吹きつけなどの手法を記述した。この構成に於て、本発明は、記録媒体の一部を加熱或いは冷却し、その部分に磁気ヘッドで情報を記録或いは再生を行うものである。記録媒体上の記録領域の概念図を図2に示した。媒体表面の一部を加熱或いは冷却しその領域の一部を磁気ヘッドで記録或いは読みだしを行う。磁性材料は、一般的に温度が上がると、その抗磁力(Hc)は、低下する傾向にあるため加熱が有効な手段となる。
【0008】
〔第二実施形態〕
第一実施形態に於て、予め、溝や突起を設けた基板を使用し、媒体上の情報の位置ぎめが容易な磁気記録方式。その実施形態を図3に示した。
【0009】
〔第三実施形態〕
第三実施形態の概念図を図4、図5に示した。
【0010】
図4は、本実施形態の磁気記録方式の全体を概念的に示した図である。本発明の構成は、大きく分類して、磁気ヘッド、記録媒体、加熱手法の3要素で構成されている。磁気ヘッドは、記録媒体へ情報を記録または再生を行う。記録媒体は、磁気ヘッドからの磁場で情報を記録し保持する。加熱手法は、この実施形態では、レーザー光の集光により加熱する手法を記述した。加熱手法には、この他にヒーターによるものやマイクロウェープなどの電磁波による局所加熱などの手法がある。この構成に於て、本発明は、記録媒体の一部を加熱し、その部分に磁気ヘッドで情報を記録或いは再生を行うものである。記録媒体上の記録領域の概念図を図5に示した。媒体表面の一部を例えばレーザー光の集光により加熱する、その領域の一部を磁気ヘッドで記録或いは読みだしを行う。一般的に、磁性体のキューリー温度は、400〜500度Cに分布しており、ここで使用する記録媒体は、約450度Cでキューリー点を持つ。図6にその温度変化を示した。加熱温度は、記録層に用いる磁性膜の磁化 温度変化曲線と磁気ヘッド記録磁場との関係で決められる。図6では、400度Cの温度で記録層の抗磁力(Hc)は、適度な記録磁場(2000Oe)となる。記録が保存されるのは、室温であり、その時の記録層の抗磁力(Hc)は4500Oeと非常に大きく、熱擾乱の影響を受けずに安定に記録状態を保持することができる。
【0011】
〔その他の実施形態〕
第一実施形態に於て、記録媒体が透明の場合、磁気ヘッドと反対側の面よりの加熱手法が可能となり、装置の実装上有利になる。この透明の意味は、光学的に更に電磁気学的に透過すると言う意味である。また、媒体記録層の磁性膜を多層化した場合、温度変化や抵磁力などの変化を持つ薄膜の組み合わせが可能であり、より本特許の有効性が発揮される。更に、磁気ヘッドは、変温領域を発生させる機構とが、図4に示す位置関係となるよう常時連携移動することにより有効性が増す。
【0012】
〔磁気ディスク装置の全体像〕
磁気ディスク装置は、磁気ディスク媒体(記録媒体)、磁気ヘッド、ヘッド制御部、電子回路部とで構成されている。記録媒体上に磁気ヘッドで情報を記録或いは再生するものであり、ヘッド制御部は、磁気ヘッドを、媒体上の所定の位置に移動させる制御、機構を持つ。また、電子回路部は、記録または再生(読みだし)をする電気信号を情報信号に変換する部分である。本発明に関わりの深い、磁気ヘッドと記録媒体部分については、通常、記録媒体は、数枚重ねて配置され、記録媒体それぞれの両面にヘッドが1個づつ配置されており、そのヘッドは、ヘッド機構部により記録媒体全面を移動して、情報を記録あるいは再生する。
【0013】
ヘッド─記録媒体の情報を記録/再生を行う際の模式図を図7に示した。ヘッド及び記録媒体の間隔は、記録媒体の回転数(7600RPM)に伴う空気流により浮上スライダにより約600Åの微小な隙間を形成している。情報の記録は、浮上スライダの端部に配置したヘッド素子により、記録媒体は、図中に矢印で示したように磁化情報として情報が記録される。
【0014】
〔磁気ディスク装置への応用例〕
1.磁気ディスク装置に於て、本発明を適用した第一の応用例を図8に示した。図8では、微細な、光ファイバーを支持ばねおよび浮上ヘッドの側面に沿わせる構成を示した。この光ファイバーは、レーザー光を導き、記録領域を図5で示すように加熱する。また、この光ファイバーに変え、微小パイプとして、冷却ガスを導入すれば、局所的な低温領域を形成することが出来る。
【0015】
2.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第二の応用例を図9に示した。磁気ディスク装置に使用される磁気ヘッドは、通常MRヘッドが使用されており、薄膜技術を用いて作成される。そのMRヘッドの保護膜として、約30μm厚みのアルミナのスパッタ成膜した透明で、硬い材料が用いられている。この材料は、MRヘッドの周囲を覆っており、その保護膜にレーザー光を導入する事により、図8に示したのと同様な効果を示すことができる。
【0016】
3.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第三の応用例を図10に示した。1,2項で示した光ファイバーで導入されたレーザー光の記録媒体面よりの反射光を受光し、記録媒体面にすでに形成してある位置情報を見いだし、ヘッド制御部への信号として、ヘッドの位置決め情報を得る。この位置決め情報により、磁気ヘッドを所望の記録媒体上の位置へ動かす。
【0017】
4.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第四の応用例を図11に示した。記録媒体の基板として透明、半透明なものを使用した場合に、磁気ヘッド側と反対側の面に光学系を設けることが可能となる。すなわち、記録媒体を挟み磁気ヘッドと変温機構を対に設置し、本発明を実施する。
【0018】
5.磁気ディスク装置に於いて、本発明を適用した第五の応用例を図12に示した。記録媒体の記録層の磁性膜を二層とすることにより、記録層構成に自由度がまし、変温度の設定が容易になり、その記録状態の安定化をはかることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施形態の説明図(断面図)
【図2】磁気記録媒体表面の拡大模式図
【図3】本発明の第二の実施形態の説明図(断面図)
【図4】本発明の第三の実施形態の説明図(断面図)
【図5】磁気記録媒体表面の拡大模式図
【図6】記録媒体の抗磁力(Hc)の温度変化を示す図
【図7】磁気ヘッド及び磁気記録媒体の要部拡大断面図
【図8】磁気ディスク装置への第一の応用例の説明図(断面図)
【図9】磁気ディスク装置への第二の応用例の説明図(断面図)
【図10】磁気ディスク装置への第三の応用例の説明図(断面図)
【図11】磁気ディスク装置への第四の応用例の説明図(断面図)
【図12】磁気ディスク装置への第五の応用例の説明図(断面図)
【符号の説明】
【0020】
1.磁気ヘッド
2.変温機構
3.磁気記録層
4.基板
5.記録媒体表面
6.変温領域
7.記録・読み出し領域
8.溝
9.突起
10.加温領域
11.記録・読み出し領域
12.光ファイバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録媒体に情報を記録し、更にその情報を読みだす動作を磁気ヘッドで行う磁気記録方法に於て、情報の記録及び読みだしに該当する媒体部分の温度を局所的に変化させ、情報の記録あるいは読みだしを行うことを特徴とする磁気記録方法。
【請求項2】
請求項1の方法に用いる磁気記録媒体に於て、記録ヘッド或いは読みだしヘッドの位置ぎめに用いる位置情報となる突起や溝を予め備えている媒体を使用することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項3】
請求項1の方法に於て、レーザー光により記録媒体を局所的に加温することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項4】
請求項1の方法に於て、情報記録媒体として透明ないしは、半透明の磁性材料を使用することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項5】
請求項4の磁性材料を二層以上の積層膜で構成することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項6】
請求項3,4の記録媒体用基板に、当該使用レーザー光波長領域に透明な材料を使用することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項7】
請求項1乃至6記載の磁気記録方法を用いた磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記記録ヘッド、読みだしヘッドの少なくともその一方が、前記変温機構と連動して移動する請求項7記載の磁気ディスク装置。
【請求項1】
情報記録媒体に情報を記録し、更にその情報を読みだす動作を磁気ヘッドで行う磁気記録方法に於て、情報の記録及び読みだしに該当する媒体部分の温度を局所的に変化させ、情報の記録あるいは読みだしを行うことを特徴とする磁気記録方法。
【請求項2】
請求項1の方法に用いる磁気記録媒体に於て、記録ヘッド或いは読みだしヘッドの位置ぎめに用いる位置情報となる突起や溝を予め備えている媒体を使用することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項3】
請求項1の方法に於て、レーザー光により記録媒体を局所的に加温することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項4】
請求項1の方法に於て、情報記録媒体として透明ないしは、半透明の磁性材料を使用することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項5】
請求項4の磁性材料を二層以上の積層膜で構成することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項6】
請求項3,4の記録媒体用基板に、当該使用レーザー光波長領域に透明な材料を使用することを特徴とする磁気記録方法。
【請求項7】
請求項1乃至6記載の磁気記録方法を用いた磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記記録ヘッド、読みだしヘッドの少なくともその一方が、前記変温機構と連動して移動する請求項7記載の磁気ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−184092(P2007−184092A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−911(P2007−911)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【分割の表示】特願2005−350397(P2005−350397)の分割
【原出願日】平成9年3月26日(1997.3.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【分割の表示】特願2005−350397(P2005−350397)の分割
【原出願日】平成9年3月26日(1997.3.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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