説明

磁気記録装置、および磁気記録装置の検査方法

【課題】ディスクリートトラック媒体上で、従来の連続膜からなる磁気記録層を含む磁気記録媒体と同様の検査が可能な磁気記録装置を提供する。
【解決手段】記録再生素子を含むヘッドスライダと、磁気記録可能な幅L1の記録トラックと、前記記録トラックの幅L1より広い幅L2をもつワイドランドトラックと、隣接する記録トラック間に設けられた幅G1の非記録部とを有する磁気記録媒体とを具備し、前記記録トラックの幅L1は前記記録再生素子の再生裾幅BRWより狭く、前記ワイドランドトラックの幅L2は前記記録再生素子の再生裾幅BRWより広い磁気記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録装置、および磁気記録装置の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録媒体の記録密度を向上させるためには、記録トラック間の磁気記録層を除去するかまたは変性させて非記録部を形成し、隣接する記録トラック間の記録再生に関する干渉を抑えたディスクリートトラック媒体を用いるディスクリートトラック型磁気記録装置が有効である。
【0003】
ところで、磁気記録装置においては、ヘッドスライダの浮上高検査、記録再生素子の電圧電流検査、および信号劣化検査を行う。これらの検査の結果に基づいて、磁気記録装置のパラメータを調整する。
【0004】
従来の磁気記録装置に搭載されている磁気記録媒体は、非記録部をもたない連続膜からなる磁気記録層を含んでいるので、上記の検査および検査結果に基づくパラメータ調整を容易に行うことができる。
【0005】
しかし、ディスクリートトラック媒体上のディスクリートトラックを用いて、ヘッドスライダの浮上高検査、記録再生素子の電圧電流検査、および信号劣化検査を行うことは困難である。
【0006】
これまでに、ディスクリートトラックが形成されているデータ領域に対して外側領域または内側領域に磁気ヘッドに加わる揚力を調整するための溝を設けたディスクリートトラック媒体が開示されている。
【0007】
しかし、このような媒体では、ヘッドスライダの浮上高以外のパラメータの調整は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−38476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ディスクリートトラック媒体上で、従来の連続膜からなる磁気記録層を含む磁気記録媒体と同様の検査が可能な磁気記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、記録再生素子を含むヘッドスライダと、磁気記録可能な幅L1の記録トラックと、前記記録トラックの幅L1より広い幅L2をもつワイドランドトラックと、隣接する記録トラック間に設けられた幅G1の非記録部とを有する磁気記録媒体とを具備し、前記記録トラックの幅L1は前記記録再生素子の再生裾幅BRWより狭く、前記ワイドランドトラックの幅L2は前記記録再生素子の再生裾幅BRWより広い磁気記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る磁気記録媒体の平面図。
【図2】記録トラックおよびワイドランドトラックの配置の一例を示す平面図。
【図3】サーボ領域およびデータ領域の模式図。
【図4】サーボ領域およびデータ領域における磁性パターンの一例を示す平面図。
【図5】実施形態に係る磁気記録装置のブロック図。
【図6】実施形態に係る第1の磁気記録媒体の平面図。
【図7】再生裾幅BRWの測定方法を説明する図。
【図8】実施形態に係る第2の磁気記録媒体の平面図。
【図9】実施形態に係る第3の磁気記録媒体の平面図。
【図10】実施形態に係る第4の磁気記録媒体の平面図。
【図11】実施形態に係る第5の磁気記録媒体の平面図。
【図12】実施形態に係るDTR媒体の製造方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。
図1に実施形態に係る磁気記録媒体(DTR媒体)1の概略的な平面図を示す。図1にはデータ領域2とサーボ領域3を示している。データ領域2はユーザーデータが記録される領域である。後により詳細に説明するように、データ領域2にはパターン化された磁気記録層からなる記録トラック(ディスクリートトラック)が形成されるとともに、記録トラックの幅L1より広い幅L2を有するワイドランドトラック12が形成されている。図1では、ワイドランドトラック12を媒体の中周部のみに形成しているが、複数の領域、たとえば内周部、中周部および外周部の3つ領域に形成してもよい。媒体面上でのサーボ領域3の形状は、ヘッドスライダがアクセスする際に描く軌跡に対応する円弧状となっている。サーボ領域3の周方向長さは、半径位置が外周側になるほど長くなっている。図1では15のサーボ領域3を図示しているが、実際の媒体では100以上のサーボ領域3が形成されている。
【0013】
図2は、記録トラックおよびワイドランドトラックの配置の一例を示す平面図である。データ領域2はサーボ領域3によってセクタ分割されている。データ領域2には、周方向に延びる多数の幅L1の記録トラック(ディスクリートトラック)11と幅L2のワイドランドトラック12が形成されている。記録トラック11はユーザーデータの磁気記録に用いられ、ワイドランドトラック12は媒体の検査に用いられる。径方向に沿って隣接する記録トラック11どうしの間および記録トラック11とワイドランドトラック12との間の領域は非記録部20となっている。ワイドランドトラック12の幅L2は、記録トラック11の幅L1よりも広い。
【0014】
図3はサーボ領域およびデータ領域の模式図である。図4はサーボ領域およびデータ領域における磁性パターンの一例を示す平面図である。
【0015】
サーボ領域3は、プリアンブル部31、アドレス部32、バースト部33などを含む。サーボ領域3のプリアンブル部31、アドレス部32およびバースト部33には、サーボ信号を与える磁性パターンおよび非記録部が形成されている。これらの部分は以下のような機能を有する。
【0016】
プリアンブル部31は、メディアの回転偏心などにより生ずる時間ズレに対し、サーボ信号再生用クロックを同期させるPLL処理や、信号再生振幅を適正に保つAGC処理を行うために設けられている。プリアンブル部31では、半径方向に分断されることなく連続して放射状に略円弧をなして凸部の記録部が、周方向に繰返して形成されている。
【0017】
アドレス部32は、サーボマークと呼ばれるサーボ信号認識コードや、セクタ情報、シリンダ情報などが、プリアンブル部31の周方向ピッチと同一ピッチで、マンチェスタコードにより形成されている。特に、シリンダ情報は、サーボトラック毎にその情報が変化するパターンとなるため、シーク動作時のアドレス判読ミスの影響が小さくなるように、隣接トラックとの変化が最小となるグレイコードに変換してから、マンチェスタコード化して記録されている。
【0018】
バースト部33は、シリンダアドレスのオントラック状態からのオフトラック量を検出するためのオフトラック検出用領域で、径方向にパターン位相をずらした4種のマーク(A、B、C、Dバーストと呼ばれる)が形成されている。各バーストには、周方向に複数個のマークがプリアンブル部と同一のピッチで配置されている。各バーストの径方向周期は、アドレスパターンが変化する周期、換言すればサーボトラック周期に比例する。各バーストは、周方向に約10周期分形成され、径方向にサーボトラック周期の2倍長の周期で繰返すように形成されている。
【0019】
バースト部33のマーク形状は長方形、または厳密にはヘッドアクセス時のスキュー角を考慮した平行四辺形になるように設計されるが、スタンパ加工精度や転写形成などの加工性能によっては多少丸みを帯びた形状になる。なお、マークは非記録部として形成してもよいし、記録部として形成してもよい。バースト部33から位置を検出する原理については詳細を省略するが、各ABCDバーストの再生信号の平均振幅値を演算処理してオフトラック量を算出する。
【0020】
図4に示すように、記録トラック11およびワイドランドトラック12のいずれにおいても、サーボパターンを用いて記録再生素子の位置決めが行われる。
【0021】
実施形態において、記録トラック、ワイドランドトラックおよびサーボパターンを構成する磁性パターンと非記録部は、磁気記録層の厚みの違いによって区別してもよいし、磁気記録層の特性変化たとえば結晶状態の違いにより区別してもよい。磁性パターンと非記録部を磁気記録層の厚みの違いによって区別する場合、凹部の磁気記録層を全て除去してもよいし、凹部の磁気記録層を一部残してもよい。また、磁性パターン間の凹部に非磁性材料を埋め込んだ後に表面を平坦化してもよい。
【0022】
次に、実施形態に係る磁気記録装置について説明する。図5に実施形態に係る磁気記録装置のブロック図を示す。この図では磁気記録媒体の上面にのみヘッドスライダを示しているが、磁気記録媒体の両面にディスクリートトラックを有する垂直磁気記録層が形成されており、この磁気記録媒体の上下面にダウンヘッド/アップヘッドがそれぞれ設けられる。
【0023】
ディスクドライブは、ヘッド・ディスクアセンブリ(HDA)100と呼ばれる本体部と、プリント回路基板(PCB)200とからなる。
【0024】
ヘッド・ディスクアセンブリ(HDA)100は、磁気記録媒体(DTR媒体)1と、磁気記録媒体1を回転させるスピンドルモータ101と、ピボット102を中心に回動するアクチュエータアーム103と、アクチュエータアーム103の先端に取り付けられたサスペンション104と、サスペンション104に支持され再生ヘッドおよび記録ヘッドを含むヘッドスライダ105と、アクチュエータアーム103を駆動するボイスコイルモータ(VCM)106と、ヘッドの入出力信号を増幅するヘッドアンプ(図示せず)などを有する。ヘッドアンプ(HIC)はアクチュエータアーム103上に設けられ、フレキシブルケーブル(FPC)120を通してプリント回路基板(PCB)200に接続されている。なお、上記のようにヘッドアンプ(HIC)をアクチュエータアーム103上に設ければヘッド信号のノイズを有効に低減できるが、ヘッドアンプ(HIC)はHDA本体に固定してもよい。
【0025】
上述したように磁気記録媒体1には両面に垂直磁気記録層が形成され、両面のそれぞれにおいて、ヘッドが移動する軌跡に一致するようにサーボ領域が円弧をなして形成されている。磁気記録媒体の仕様は、ドライブに適応した外径および内径、記録再生特性などを満足する。サーボ領域がなす円弧の半径は、ピボットから磁気ヘッド素子までの距離として与えられる。
【0026】
プリント回路基板(PCB)200は、4つの主要なシステムLSIを搭載している。これらは、ディスクコントローラ(HDC)210、リード/ライトチャネルIC220、MPU230およびモータドライバIC240である。
【0027】
MPU230はドライブ駆動システムの制御部であり、本実施形態に係るヘッド位置決め制御システムを実現するROM、RAM、CPUおよびロジック処理部を含む。ロジック処理部はハードウェア回路で構成された演算処理部であり、高速演算処理が行われる。また、その動作ソフト(FW)はROMに保存されており、このFWに従ってMPUがドライブを制御する。
【0028】
ディスクコントローラ(HDC)210はハードディスク内のインターフェース部であり、ディスクドライブとホストシステム(たとえばパーソナルコンピュータ)とのインターフェースや、MPU、リード/ライトチャネルIC、モータドライバICとの情報交換を行い、ドライブ全体を管理する。
【0029】
リード/ライトチャネルIC220はリード/ライトに関連するヘッド信号処理部であり、ヘッドアンプ(HIC)のチャネル切替えやリード/ライトなどの記録再生信号を処理する回路で構成される。
【0030】
モータドライバIC240は、ボイスコイルモータ(VCM)77およびスピンドルモータ72の駆動ドライバ部であり、スピンドルモータ72を一定回転に駆動制御したり、MPU230からのVCM操作量を電流値としてVCM77に与えてヘッド移動機構を駆動したりする。
【0031】
次に、実施形態に係る磁気記録媒体における記録トラック、ワイドランドトラック、および非記録部のパターンについてより詳細に説明する。
【0032】
図6に実施形態に係る第1の磁気記録媒体の平面図を示す。図6においては、データ領域に、周方向に延びる多数の幅L1の記録トラック11と幅L2のワイドランドトラック12が形成されており、ワイドランドトラックの幅L2は記録トラックの幅L1よりも広い。記録トラックの幅L1は記録再生素子の再生裾幅BRWより狭く、ワイドランドトラックの幅L2は記録再生素子の再生裾幅BRWより広い。径方向に沿って隣接する記録トラック11どうしおよび記録トラック11とワイドランドトラック12は、同じ幅の非記録部20によって分断されている。上述したように、記録トラック11はユーザーデータの磁気記録に用いられ、ワイドランドトラック12は媒体の検査に用いられる。
【0033】
記録再生素子の再生裾幅BRW(bottom read width)とは、クロストラック方向において、記録再生素子が媒体上の磁気記録信号を検知可能な幅を示す値である。
【0034】
図7(a)および(b)を参照して、BRWの測定方法を具体的に説明する。
【0035】
(1)記録ヘッドによりワイドランドトラック12に一定周波数の信号を記録する。
【0036】
(2)図7(a)に示すように、再生素子50をクロストラック方向に移動させて、(1)で記録した信号を読み取り、再生素子50の中心位置から信号が記録されたワイドランドトラック12の再生素子50側の端部までの距離をオフセットと定義する。図7(b)に、オフセットに対する信号強度のプロファイルを示す。
【0037】
(3)(2)で得られたプロファイルにおいて、再生素子50により信号が検知され始めるオフセット距離が、再生素子50の中心から信号を検知可能なワイドランドトラック12の端部までの距離に相当する。この距離を2倍した値がBRWである。
【0038】
なお、BRWの測定方法は上記の方法に限定されない。たとえば再生素子50の両側で上記と同等の測定を行い、再生素子50の両側のオフセット距離を足し合わせてもよい。また、非常に狭い幅の記録トラックに対する再生素子の信号強度プロファイルを取得し、プロファイルの両端で信号強度が立ち上がる位置の距離を測定してもよい。
【0039】
実施形態に係る磁気記録装置においては、ワイドランドトラック12上で検査された再生信号の特性に基づいてパラメータ調整が行われる。ワイドランドトラック12上で検査された再生信号の特性は、連続膜からなる磁気記録層を有する媒体上で検査された再生信号と同等の特性であることが要求される。したがって、ワイドランドトラック12の幅L2は再生素子の再生裾幅BRWより広いことが望ましい。
【0040】
一方、記録トラック11上では再生信号の検査を行わないので、記録トラック11の幅L1を再生裾幅BRWより広くする必要がない。逆に、記録トラック11に記録されたユーザーデータを、感度の高い再生素子の中央部分を用いて読み取ることにより、高い信号強度で読み取るために、再生素子の再生裾幅BRWを記録トラック11の幅L1より広くすることが望ましい。
【0041】
図8に実施形態に係る第2の磁気記録媒体の平面図を示す。図8の磁気記録媒体において図6の磁気記録媒体と異なるのは、隣接する2つの記録トラック11間の第1の非磁性部21(厳密には記録トラック11の両側の非磁性部のうち狭い方を、第1の非磁性部21と定義する)の幅をG1としたとき、ワイドランドトラック12の両側に、第1の非磁性部21の幅G1よりも広い幅G2をもつ第2の非磁性部22が設けられている点である。
【0042】
実施形態に係る磁気記録媒体の製造方法には、後述するように磁気記録層上に塗布されたレジストにスタンパを押し付けて凹凸パターンを転写するインプリント工程が含まれる。インプリント工程では、非記録部に相当する部分のレジストがスタンパの凸部によって押し込まれ、押し出されたレジストが当該非記録部に隣接した記録部に相当するスタンパ凹部に移動する結果、レジストに凹凸パターンが転写される。こうして形成されたレジストパターンは磁気記録層を加工する際にマスクとして機能するため、凸部のレジストの厚さが不十分であると磁気記録層の加工ができなくなる。
【0043】
ワイドランドトラックに対応するスタンパの凹部の幅は記録トラックに対応するスタンパの凹部の幅よりも広いため、ワイドランドトラック上のレジストの凸部の厚さを確保するためには、記録トラックの場合よりも多くのレジストを必要とする。すなわち、ワイドランドトラックに対応するスタンパの凹部に対して、近傍のスタンパ凸部からより多くのレジストを供給する必要がある。この目的のために、ワイドランドトラック12の両側に、隣接する2つの記録トラック11間の第1の非磁性部21の幅G1よりも広い幅G2をもつ第2の非磁性部22を設けることが好ましい。
【0044】
図9に実施形態に係る第3の磁気記録媒体の平面図を示す。図9に示すように、幅G2をもつ第2の非磁性部22を必ずしもワイドランドトラック12の両側に設ける必要はなく、ヘッドスライダ105の掃引幅内でワイドランドトラック12の近傍に幅G2をもつ第2の非記録部22を設ければよい。
【0045】
ここで、ヘッドスライダの浮上高は、その下の媒体表面の凹凸によって影響を受ける。具体的には、凹部が凸部と比較して広いほどヘッドスライダの浮上高は下がり、凸部が凹部と比較して広いほどヘッドスライダの浮上高は上がる。実施形態に係る磁気記録媒体では、ワイドランドトラック12の幅L2が記録トラック11の幅L1と比較して広いため、ヘッドスライダ105の下方にワイドランドトラック12が位置していると、ヘッドスライダ105の浮上高が上がる可能性がある。このようなヘッドスライダ105の浮上高の変動を避けるには、ヘッドスライダ105の掃引幅内でワイドランドトラック12の近傍に幅G2をもつ第2の非記録部22を設けることが好ましい。ヘッドスライダ105の掃引幅Wとは、図9に示すように、ヘッドスライダ105にスキュー角が生じている場合には、媒体上に投影したヘッドスライダ105の径方向の長さをいう。したがって、スキュー角ゼロの位置でヘッドスライダ105の掃引幅Wが最も小さくなる。実施形態においては、スキュー角ゼロの位置で、ヘッドスライダ105の掃引幅内でワイドランドトラック12の近傍に幅G2をもつ第2の非記録部22が含まれていればよい。
【0046】
通常のヘッドスライダは媒体に面したサイズが縦横1mm×1mmの矩形以下であることが一般的であるため、ワイドランドトラック12から媒体の径方向に1mm以内の範囲に幅G2の非記録部22を設けることが好ましい。
【0047】
なお、ワイドランドトラック12と第2の非記録部22とでは半径位置が異なるため、両者が離れてすぎていると片方のみがヘッドスライダ105の掃引幅内に入ることが多くなる。このため、ワイドランドトラック12と第2の非記録部22との径方向の距離は短い方が好ましい。したがって、図8に示したように、ワイドランドトラック12と第2の非記録部22とが互いに隣接していることが好ましい。
【0048】
図10に実施形態に係る第4の磁気記録媒体の平面図を示す。図10の磁気記録媒体では、ワイドランドトラック12の近傍に設けられた第2の非記録部22の幅G2が記録再生素子の再生裾幅BRWより広くなっている。
【0049】
DTR媒体においては、非記録部に磁気記録がなされないという特性が要求されるが、媒体作製時に生じる加工ばらつきによっては、非記録部が磁気記録可能な状態になることがあり得る。装置出荷時に非記録部の信号検査を行うことにより、不良品の媒体を選別することができる。
【0050】
図10に示したように、第2の非記録部22の幅G2が記録再生素子の再生裾幅BRWより広くなっていると、磁気記録ヘッドを第2の非記録部22にアクセスさせて、隣接する磁性パターンからの影響を受けずに、第2の非記録部22のみの信号を読み取ることができ、非記録部の特性を評価することができる。
【0051】
図11に実施形態に係る第5の磁気記録媒体の平面図を示す。図11の磁気記録媒体では、ワイドランドトラック12の幅L2と、記録トラック11の幅L1および第1の非記録部の21幅G1とが、下記の関係
L2≧L1+2G1
を満たしている。
【0052】
再生素子により目的とする記録トラック11で再生することを考えると、隣接する記録トラック11からの再生信号の干渉を抑えるために、再生素子の再生裾幅BRWは記録トラック11の幅L1およびその両側の2つの非記録部21の幅G1の合計よりも狭いことが望まれ、BRW<L1+2G1となる。一方、上述したように、再生素子の再生裾幅BRWはワイドランドトラック22の幅L2よりも狭いことが望まれ、BRW<L2となる。
【0053】
実施形態の磁気記録装置においては、ワイドランドトラック12における検査の結果に基づいて、ヘッドスライダの浮上高および記録再生素子の電流電圧を調整する。調整前の記録素子の記録幅MWW(magnetic write width)はヘッドスライダの浮上高および記録再生素子の電流電圧等によって変動する。当該検査において調整時の測定値を正しく把握するためには、ワイドランドトラック12の幅L2をある程度広くすることが必要である。一方、記録トラック11では、ワイドランドトラック12での検査および調整後の最適値で記録再生を行うので、記録トラック11および両端の非記録部21の幅に余裕を取る必要はない。また、記録密度を上げるためには、媒体上で大部分の面積を占める記録トラック11を狭いトラックピッチで形成することが望ましい。これらの理由から、ワイドランドトラック12の幅L2は、記録トラック11の幅l1とその両側の2つの非記録部21の幅との和L1+2G1と同じか広いことが好ましい。
【0054】
実施形態の磁気記録媒体において、ワイドランドトラックの本数は記録トラックの本数より少ないことが好ましい。ワイドランドトラックは検査工程に用いられるが、ユーザーデータの磁気記録には用いられないため、ワイドランドトラックの占有面積が大きいほど記録容量が減少する。また、ワイドランドトラックを用いた検査工程は媒体全面で行う必要はなく、媒体の中周部、または内周部、中周および外周など、媒体の一部分で実施できればよい。したがって、記録容量を確保するために、ワイドランドトラックの本数は記録トラックの本数より少ないことが好ましい。
【0055】
実施形態の磁気記録媒体において、ワイドランドトラックの内周側および外周側に1つ以上の記録トラックを有していることが好ましい。実施形態の磁気記録装置は、回転する磁気記録媒体上で浮上するヘッドスライダを有する。ヘッドスライダの浮上高は媒体表面の凹凸形状の影響を受ける。特に、ワイドランドトラック近傍では磁性パターン(凸部)の幅と第2の非記録部(凹部)の幅が、記録トラック(凸部)と第1の非記録部(凹部)と比較して急激に変化するので、ヘッドスライダの浮上高が影響を受けやすい。この影響を最小限にするため、ワイドランドトラック近傍の媒体形状は、記録トラックに近いことが望ましい。具体的には、ワイドランドトラックの両側に記録トラックが形成されていることが好ましい。したがって、図6に示したように、ワイドランドトラック12の内周側および外周側に1つ以上の記録トラック11を有していることが好ましい。
【0056】
実施形態の磁気記録装置においては、再生ヘッドと記録ヘッドがヘッドスライダ上でトラック方向に距離を置いて並んでいるため、スキュー角に応じて傾いたスライダのトラック方向に対する角度の分、記録再生時にヘッドの位置調整を必要とする。記録再生ヘッドのスキュー角ゼロの位置にワイドランドトラックを設けることによってオフセット量を減らした位置で評価をすることが好ましい。
【0057】
実施形態の磁気記録装置においては、図5に示したように、記録再生素子を含むヘッドスライダ105はアクチュエータアーム103を介してサスペンション104の先端に取り付けられており、ヘッドの軌跡はボイスコールモータ(VCM)106によって駆動されるアクチュエータアーム103の回転に沿って円弧状になる。このため、記録トラックに対する記録再生素子の角度すなわちスキュー角はアクチュエータアーム103の位置により変動する。
【0058】
実施形態の磁気記録装置の検査は、記録再生素子のスキュー角ゼロの位置で実施することが好ましい。したがって、実施形態の磁気記録媒体において、検査を実施するワイドランドトラックはスキュー角ゼロの位置に設けることが好ましい。ただし、実施形態の磁気記録媒体におけるワイドランドトラックは、必ずしもスキュー角ゼロの位置のみに限定して設ける必要はなく、内周部から外周部までの種々の領域で検査を行えるように複数の領域に設けてもよい。
【0059】
実施形態の磁気記録装置においては、ワイドランドトラック上で記録再生ヘッドを浮上させて記録再生を行うことにより、ヘッドスライダの浮上高検査、記録再生素子の電圧電流検査および信号劣化検査のいずれかの検査を行い、その検査結果に基づいて磁気記録装置の各種パラメータを調整する。
【0060】
図12(a)〜(g)を参照しながら、実施形態に係るDTR媒体の製造方法を説明する。
【0061】
まず、図12(a)〜(c)のようにして、インプリントスタンパを製造する。図12(a)に示すように、スタンパ用の基板41上に電子線レジスト42を塗布する。基板としてはSi基板またはガラス基板を用いることが好ましい。図12(b)に示すように、記録トラック間および記録トラックとワイドランドトラックとの間の非記録部に対応するパターンを電子線描画し、現像処理を行うことにより、レジスト42の表面に凹凸パターンを形成する。図12(c)に示すように、基板41上の電子線レジスト42上にNi電鋳層を形成し、これを剥離することによって凹凸パターンを有するスタンパ43を得る。スタンパ43表面に転写された凹凸パターンは、レジスト42の凹凸パターンが反転した形態になっている。なお、スタンパの材料としてはNiが好ましいが、これに限定されない。
【0062】
次に、図12(d)〜(g)のようにして、インプリント法を用いてDTR媒体を製造する。スタンパ43表面の凹部は磁性パターン(記録トラックまたはワイドランドトラック)、凸部は非記録部に対応する。スタンパ上において、ワイドランドトラックに相当する部分は記録トラックより幅の広い凹部、ワイドランドトラックの近傍に設けられる第2の非記録部に相当する部分は記録トラック間の第1の非記録部より幅の広い凸部である。
【0063】
図12(d)に示すように、媒体基板51上に磁気記録層52を成膜する。磁気記録層52上にインプリント用のレジスト53を塗布する。図12(e)に示すように、媒体基板51表面のレジスト53にスタンパ43を対向させ、スタンパ43と媒体基板51との間に圧力をかけて押し付け、スタンパ43表面の凹凸パターンをレジスト53に転写した後、スタンパ43を剥離する。
【0064】
インプリントの際、ワイドランドトラックと幅の広い第2の非記録部との距離が1mm以上であると、第2の非記録部に対応するスタンパ上の幅の広い凸部によって周囲に押しのけられたレジストが、ワイドランドトラックに対応するスタンパ上の幅の広い凹部まで到達しなくなる。この結果、ワイドランドトラックに対応するレジストの凸部は十分な高さにならないおそれがある。この場合、後工程でレジスト凹部の磁気記録層をエッチングする際に、ワイドランドトラック表面の磁気記録層もエッチングされることがある。
【0065】
これに対して、ワイドランドトラックと幅の広い第2の非記録部の距離が1mm以内であれば、ワイドランドトラックに対応するレジストの凸部で十分な高さになる。この場合、
後工程でレジスト凹部の磁気記録層をエッチングする際に、ワイドランドトラック表面の磁気記録層がエッチングされることはない。
【0066】
図12(f)に示すように、凹凸パターンが転写されたレジスト53をマスクとして、磁気記録層52をエッチングして非記録部に対応する凹部を形成する。図12(g)に示すように、凹部を非磁性体で埋め込み、表面を平坦化することにより、非記録部54を形成する。なお、媒体表面を完全に平坦化する必要はなく、媒体表面に凹凸が残っていてもよい。その後、全面にカーボン保護膜55を成膜する。さらにカーボン保護膜55上に潤滑剤を塗布してDTR媒体を製造する。
【実施例】
【0067】
以下、実施例における磁気記録装置の検査方法および調整方法について説明する。
【0068】
[ヘッド浮上高の調整]
記録再生素子をワイドランドトラック上に位置決めし、記録波長λ1[nm]で無変調の連続矩形波を記録した。ヘッドの最大浮上高がH0[nm]となるように、浮上高調整量をD0に設定して、位置決め誤差量PE0を取得した。最大浮上高H0よりも少しずつ低くなるようにヘッドの浮上高調整量を逐次設定しながら、位置決め誤差量PEを取得し、PE>PE0となった最初の浮上高調整量を、浮上高H1=0[nm]に相当する浮上高調整量D1とした。先に記録した無変調の連続矩形波を再生し、再生信号を逐次A/D変換し、高速フーリエ変換によって再生信号中の記録波長λ1[nm]の信号成分(基本波成分)の振幅V1と、再生信号中のλ3=λ1÷3[nm]の信号成分(第3次高調波成分)の振幅V3を算出し、振幅比R0=V1/V3を取得した。ヘッド浮上高が最小浮上高H1よりも少しずつ高くなるように、浮上高調整量Dを逐次設定しながら、同様に振幅比Rを取得した。また、次式により、振幅比がRであるときの浮上高さH[nm]を逐次推定した。
【0069】
H=K(3・λ3)log(R/R0)/4π (1)
(1)式において、Rは取得した振幅比、R0は最小浮上高H0における振幅比、logは自然対数を示す。Kは測定補正係数を表し、個々の媒体の凹凸パターンの設計に依存する。
【0070】
ここで、従来のDTR媒体に組み込んだ磁気記録装置では、記録トラックの凹凸パターンの設計に応じて補正係数Kが変化したため、凹凸パターンの設計変更毎に補正係数Kを算定する必要があった。このため、ヘッド浮上高の調整に長時間を要した。
【0071】
これに対して、実施形態に係るワイドランドトラックを有するDTR媒体を組み込んだ磁気記録装置では、凹凸パターンの設計に依らずワイドランドトラックの補正係数Kを一意に決定できた。このため、ヘッド浮上高を調整している間に補正係数Kを導出する必要がなく、ヘッド浮上高の調整時間を短縮できた。
【0072】
逐次推定した浮上高H[nm]と目標浮上高H1[nm]とを比較して、H≧H1[nm]となった時点での浮上高調整量D1を取得し、これに基づいてヘッド浮上高を調整することができた。
【0073】
[再生素子のバイアス電圧調整]
記録再生素子をワイドランドトラック上に位置決めし、線記録密度LD[Mbit/mm2]で変調信号を記録した。再生素子のバイアス電圧をVB0[mV]からVB2[mV](VB0<VB2)まで変化させながら、先に記録した信号を再生・復調し、誤り率ERを算出した。得られた誤り率のうち最低値ER1に対応するVB1を再生素子のバイアス電圧とした。このようにして、誤り率が最も低くなる、最適な再生素子バイアス電圧を決定できた。
【0074】
[記録素子の電流調整]
記録再生素子をワイドランドトラックでない記録トラック上に位置決めし、記録電流をIw0[mA]からIw2[mA](Iw0<Iw2)まで変化させ、線記録密度LD[Mbit/mm2]で変調信号を記録した。それぞれの記録電流で記録した信号を再生・復調し、誤り率ERを算出した。得られた誤り率のうち最低値ER1を求めたところ、磁気記録装置の記録再生性能として許容される誤り率ERtと比較してER1>ERtであったため、当該ヘッドと媒体の組み合わせでは記録再生性能が不足することがわかった。
【0075】
ここで、従来のDTR媒体に組み込んだ磁気記録装置では、記録再生性能が不足する原因が、記録再生素子の設計もしくは品質に依存するのか、または媒体の設計もしくは品質に起因するのか、特定することが不可能であった。
【0076】
実施形態に係るワイドランドトラックを有するDTR媒体を組み込んだ磁気記録装置で、記録再生素子をワイドランドトラック上に位置決めして、上記と同様な検査を行ったところER1<ERtとなり、磁気記録装置の所望の記録再生性能を満足した。この検査の結果から、媒体の設計または品質に問題があることが明確になり、記録再生性能を満足するためには媒体の設計または品質を向上させればよいことが判断できた。
【0077】
[信号劣化検査]
記録再生素子をワイドランドトラックでない記録トラック上に位置決めし、線記録密度LD[Mbit/mm2]で変調信号を記録した。記録後間もない経過時刻t0において、先に記録した信号を再生・復調し、誤り率ER0を算出した。経過時刻t0からt1(t0<t1)の間、一定時間間隔で先に記録した信号を再生・復調し、誤り率ERを逐次算出した。記録品質の劣化速度を推定するために、t0からt1の間の単位時間当たりの誤り率の増大速度ΔER/tを、逐次算出した誤り率ERの結果から近似により導出した。導出した誤り率の増大速度を所望の製品寿命t2まで外挿して、誤り率ER0+(ΔER/t×t2)を算出した。この誤り率を、磁気記録装置の記録保持性能を保証するために許容される誤り率ERTと比較したときに、ER0+(ΔER/t×t2)>ERTとなり、当該ヘッドと媒体の組み合わせでは磁気記録装置の記録保持性能が不足することがわかった。
【0078】
ここで、従来のDTR媒体に組み込んだ磁気記録装置では、記録保持性能が不足する原因が、記録再生素子の設計もしくは品質に依存するのか、または媒体の設計もしくは品質に起因するのか、特定することが不可能であった。
【0079】
実施形態に係るワイドランドトラックを有するDTR媒体を組み込んだ磁気記録装置で、記録再生素子をワイドランドトラック上に位置決めして、上記と同様な検査を行ったところER1<ERTとなり、磁気記録装置の所望の記録保持性能を満足した。この検査の結果から、媒体の設計または品質に問題があることが明確となり、記録保持性能を満足するためには媒体の設計または品質を向上させればよいことが判断できた。
【0080】
[非記録部の検査]
記録媒体AまたはBを組み込んだ磁気記録装置AまたはBにおいて、記録再生素子をワイドランドトラック上、およびワイドランドトラックの両側にあるBRWより広い幅G2を有する第2の非記録部上に位置決めし、それぞれ、一定周波数の信号を記録した後に再生して信号強度を測定した。ワイドランドトラックでの信号強度に対する非記録部での信号強度の比が、装置Aでは0.0%、装置Bでは30%となった。
【0081】
次に、記録トラックにおいて複数回隣接記録テストを行った。その結果、装置Aは合格、装置Bは不合格であった。記録媒体A、Bの構造を分析したところ、記録媒体Aでは凹部の磁気記録層が完全に除去されていたのに対し、記録媒体Bでは凹部に磁気記録層が残っていることが確認された。
【0082】
上記の複数回隣接記録テストの実施には約1時間を要する。これに対して、ワイドランドトラックの両側にあるBRWより広い幅G2を有する第2の非記録部上に位置決めして行う非記録部の検査は約1分で完了する。したがって、非記録部の検査に基づく評価を事前に行って不良品を排除することにより、複数回隣接記録テストでの合格率を上昇させることができ、検査時間を短縮できた。
【0083】
[DTR媒体の製造例]
製造したDTR媒体は1.8インチ径である。磁性パターンと非記録部が形成された表面の凹凸は10nmであった。幅50μmのワイドランドトラックを形成した。第2の非記録部の設計を変えて、以下の3種のDTR媒体を製造した。
【0084】
(1)幅G2の第2の非記録部を設けていないDTR媒体。(2)ワイドランドトラックから1mm離れた位置に幅G2が25μmである第2の非記録部を設けたDTR媒体。(3)幅50μmのワイドランドトラックの両側に幅G2が25μmである第2の非記録部を設けたDTR媒体。
【0085】
1mm×1mmのヘッドスライダを用い、媒体表面から10nmの浮上高で記録再生を行った。(1)のDTR媒体では、ワイドランドトラックを含む領域にヘッドスライダがアクセスしたときに、浮上高が0.05nm上がり、信号強度が低下した。(2)のDTR媒体では、ワイドランドトラックおよび1mm離れた第2の非磁性部を含む領域にヘッドスライダがアクセスしたときには、浮上高さは変わらなかった。(3)のDTR媒体では、ワイドランドトラックおよび両側の第2の非磁性部を含む領域にヘッドスライダがアクセスしたときに、ほとんどの領域で浮上高の変化はなかった。
【0086】
さらに、別のDTR媒体を製造した。製造したDTR媒体は1.8インチ径である。記録トラックのトラックピッチを325kTPI(78nm)、記録トラックの幅L1を52nm、記録トラック間の第1の非記録部の幅G1を26nmとした。ワイドランドトラックの幅L2を300nmとし、ワイドランドトラックの両側に設けた第2の非記録部の幅G2を150nmとした。再生素子の再生裾幅BRWは120nmであった。記録領域を媒体中心から9mmの内周から媒体中心から23mmの外周まで形成した。ワイドランドトラックは半径位置10mm、17mm、21mmの領域に3本ずつ記録トラック100本の間隔で形成した。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1…磁気記録媒体(DTR媒体)、2…データ領域、3…サーボ領域、11…記録トラック、12…ワイドランドトラック、20…非記録部、21…第1の非記録部、22…第2の非記録部、31…プリアンブル部、32…アドレス部、33…バースト部、41…スタンパ用の基板、42…電子線レジスト、43…スタンパ、50…再生素子、51…媒体基板、52…磁気記録層、53…レジスト、54…非記録部、55…カーボン保護膜、100…ヘッド・ディスクアセンブリ(HDA)、101…スピンドルモータ、102…ピボット、103…アクチュエータアーム、104…サスペンション、105…ヘッドスライダ、106…ボイスコイルモータ(VCM)、120…フレキシブルケーブル(FPC)、200…プリント回路基板(PCB)、210…ディスクコントローラ(HDC)、220…リード/ライトチャネルIC、230…MPU、240…モータドライバIC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録再生素子を含むヘッドスライダと、
磁気記録可能な幅L1の記録トラックと、前記記録トラックの幅L1より広い幅L2をもつワイドランドトラックと、隣接する記録トラック間に設けられた幅G1の非記録部とを有する磁気記録媒体と
を具備し、前記記録トラックの幅L1は前記記録再生素子の再生裾幅BRWより狭く、前記ワイドランドトラックの幅L2は前記記録再生素子の再生裾幅BRWより広い磁気記録装置。
【請求項2】
前記ヘッドスライダの掃引幅内に、前記ワイドランドトラックと、前記非記録部の幅G1より広く、前記記録再生素子の再生裾幅BRWより広い幅G2を有する第2の非記録部とを有する請求項1に記載の磁気記録装置。
【請求項3】
前記第2の非記録部は前記ワイドランドトラックに隣接している請求項2に記載の磁気記録装置。
【請求項4】
請求項1に記載の磁気記録装置の検査方法であって、前記ワイドランドトラックを用いて、前記ヘッドスライダの浮上高検査、前記記録再生素子の電圧電流検査、および信号劣化検査から選択される検査を行う磁気記録装置の検査方法。
【請求項5】
請求項2に記載の磁気記録装置の検査方法であって、前記第2の非記録部を用いて、非記録部の磁気特性検査を行う磁気記録装置の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−14795(P2012−14795A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150354(P2010−150354)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】