説明

磁気軸受

【課題】制御性に優れ、より一層の小型化及び軽量化が図れるハイブリッド型の磁気軸受を提供する。
【解決手段】ステータ10と、このステータ10に磁気力によって非接触状態で支持されて回転するロータ20とを有する磁気軸受において、励磁コイル14が巻回された主突極13と主突極13の間の連結部12に、一端がロータ20に向けて連結部12から突出する板状のバイアス用永久磁石15が挿入され、バイアス用永久磁石15の径方向突出部の両面に、バイアス用永久磁石15の着磁面と異極性をロータ20側、同一極性を連結部12側にして第1及び第2の磁束吸収用磁石16,17が配置されている。これら磁束吸収磁石16,17は、バイアス磁束を継鉄11側に閉じ込める機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気力によってロータを非接触状態で支持する磁気軸受に関し、特に永久磁石によるバイアス磁束を用いて電磁石の消費電力を低減させるようにしたハイブリッド型の磁気軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気軸受は、回転体を非接触で支持することができるため、制御技術の発展に伴って各種の軸受に利用されてきている。最近では、性能向上が顕著な永久磁石のバイアス磁束を利用したハイブリッド型の磁気軸受が使用されるようになってきた。ハイブリッド型の磁気軸受は、永久磁石によるバイアス磁束を利用するため、消費電力を低減でき、制御特性の面でも優れているという利点がある。
【0003】
このハイブリッド型の磁気軸受として、例えば、特許文献1に開示された磁気軸受が知られている。この磁気軸受は、中心部でロータを支持する環状のステータが、中心のロータに向かって突出し周方向に所定間隔で配設された複数の突極(電磁石コア)を有し、これら突極の基端部を長手方向に着磁された円弧状の永久磁石で結合することにより、平面内でバイアス磁束の磁気回路を形成している。
【0004】
しかし、この磁気軸受は、磁気回路に沿って延びる長い永久磁石によって磁気回路の大部分が占められているため、全体的に磁気抵抗が大きく、制御磁束のステータ外部への漏れ量が多く、制御効率が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、薄型で面積の大きなバイアス用永久磁石を使用することにより、主極の磁束密度を高めると共に、磁気回路の全体的な磁気抵抗を低減して外部への漏れ磁束を低減するようにしたハイブリッド型磁気軸受も提案されている(非特許文献1)。
【0006】
図6は、このタイプの磁気軸受を示す断面図である。
ステータ110を構成する継鉄111は、中心に配置されたロータ120に先端部が対向するようにロータ120の周囲に90°の角度をなして配置された4つの主突極112と、これら主突極112の基端部を連結する環状の連結部113とを有する。主突極112には、励磁コイル114が巻回されて主極を構成している。連結部113は、隣接する主突極112間で分割されており、この分割端113a間に板状のバイアス用永久磁石116が挿入されている。永久磁石116は、図中点線矢印で示すバイアス磁束を充分に確保することと、図中実線矢印で示す制御磁束への磁気抵抗を低下させるため、薄く広いものを用いており、連結部113の分割端もバイアス用永久磁石116の両面全体を覆うように内側に張り出した形状となっている。この磁気軸受では、励磁コイル114をコントロールして対向する2つの主極間に磁気吸引力の差を発生させることでロータ120の支承制御を行うようにしている。
【特許文献1】特開2001−041238公報(段落0011〜0014、図1)
【非特許文献1】「並列永久磁石型ハイブリッド磁気軸受の開発と応用」,佐川幸治他、日本機械学会論文集、別刷、73巻733号C編,p81〜87,(社)日本機械学会
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の磁気軸受では、充分なバイアス磁束を確保するためには、永久磁石をロータ側に張り出して永久磁石の磁極面を増やす必要があるが、永久磁石をあまりロータ側に張り出しすぎると、ロータ側への漏れ磁束が増加してバイアス磁束を強められなくなると同時に、漏れ磁束による負ばね力が増加して電磁石による制御に悪影響を与えるという問題がある。
また、継鉄の永久磁石を挟持する分割端もロータ側に大きく張り出す必要があるため、主突極への励磁コイルの装着も困難になるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、充分なバイアス磁束が得られ、制御性に優れ、より一層の小型化及び軽量化が図れるハイブリッド型の磁気軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る磁気軸受は、ステータと、このステータに磁気力によって非接触状態で支持されて回転するロータとを有する磁気軸受において、前記ステータは、前記ロータに向けて径方向に突設されて先端の磁束集中部が前記ロータに対して所定のギャップを介して対向する励磁コイルを有する複数の主極と、前記複数の主極の基端を周方向に連結する連結部と、前記連結部に挿入されて一端が前記ロータに向けて前記連結部から突出するように前記径方向に沿って配置され一方の面を第1極性、他方の面を第2極性として厚み方向に着磁された板状のバイアス用永久磁石と、前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記一方の面側に配置され前記ロータ側を第2極性、前記連結部側を第1極性とする第1の磁束吸収用磁石と、前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記他方の面側に配置され前記ロータ側を第1極性、前記連結部側を第2極性とする第2の磁束吸収用磁石とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る磁気軸受は、また、ステータと、このステータに磁気力によって非接触状態で支持されて回転するロータとを有する磁気軸受において、前記ステータは、環状の連結部及びこの連結部の内周側から中心に向けて突出すると共に前記連結部の周方向に一定の間隔で配置された偶数個の主突極を有し前記連結部が前記主突極から周方向にずれた位置で分割された磁性体からなる継鉄と、前記主突極に巻回された励磁コイルと、前記連結部の分割端間に挿入されて一端が前記ロータに向けて前記連結部から突出するように前記径方向に沿って配置され一方の面を第1極性、他方の面を第2極性として厚み方向に着磁されたバイアス磁束を供給する板状のバイアス用永久磁石と、前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記一方の面側に配置され前記ロータ側を第2極性、前記連結部側を第1極性とする第1の磁束吸収用磁石と、前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記他方の面側に配置され前記ロータ側を第1極性、前記連結部側を第2極性とする第2の磁束吸収用磁石とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の一つの実施形態では、前記連結部の分割端は、前記ロータに向けて突出している。また、本発明の他の実施形態では、前記第1及び第2の磁束吸収用磁石は、前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の両面全体を覆うものである。
【0012】
本発明の更に他の実施形態では、前記バイアス用永久磁石は、全周に亘って前記連結部から張り出し、前記第1の磁束吸収用磁石は、前記バイアス用永久磁石の前記張出部の前記一方の面側に配置され、外側を第2極性、内側を第1極性として着磁され、前記第2の磁束吸収用磁石は、前記バイアス用永久磁石の前記張出部の前記他方の面側に配置され、外側を第1極性、内側を第2極性として着磁されたものであることを特徴としている。
【0013】
本発明の更に他の実施形態では、前記第1及び第2の磁束吸収用磁石の前記ロータと対向する面に磁束検出用素子を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、連結部に挿入されて一端がロータに向けて連結部から突出する板状のバイアス用永久磁石の径方向突出部の両面に、バイアス用永久磁石の着磁面と異極性をロータ側、同一極性を連結部側にして第1及び第2の磁束吸収用磁石を配置しているので、バイアス用永久磁石からロータ側に漏れ出そうとする磁束は、第1及び第2の磁束吸収用磁石によってステータ側に戻されることになる。この結果、ロータ側への漏れ磁束は軽減され、ステータ側のバイアス磁束密度をより高めることができるので、バイアス磁束を強められると共に、漏れ磁束による負ばね力が減少し、良好な軸受制御が可能になる。
また、バイアス用永久磁石のロータへの突出部は、第1及び第2の磁束吸収用磁石によって挟持される構造であるため、連結部のロータ側への大きな張出部を形成する必要が無く、主突極への励磁コイルの装着も容易になり、磁気軸受の組立が容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、この発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る4極型の磁気軸受の構成を示す断面図である。
磁気軸受は、外側に配置された環状のステータ10と、このステータ10の内側に配置されたロータ20とを有する。
ステータ10は、環状の継鉄11、励磁コイル14、バイアス用永久磁石15、第1及び第2の磁束吸収用磁石16,17並びに磁束検出用素子18を備えて構成されている。
【0016】
継鉄11は、例えば積層鋼板等の磁性材料からなり、環状の連結部12と、この連結部12の内周側から中心に向けて突出し周方向に90°の間隔で配置された4つの主突極部13とを有する。4つの主突極部13には、それぞれ励磁コイル14が巻回され、この励磁コイル14と主突極部13とで主極が構成されている。4つの主突極部13に対して周方向に45°ずれた位置で連結部12が分割されている。連結部12の分割端12aは、ロータ20に向けて径方向に張り出している。
【0017】
この連結部12の隣接する分割端12a間に板状のバイアス用永久磁石15が挿入されている。バイアス用永久磁石15は、一端(側面)が連結部12の分割端12aの内周側からロータ2に向けて径方向に突出するように、径方向に沿って配置されており、一方の面をS極、他方の面をN極として厚み方向に着磁されている。
【0018】
バイアス用永久磁石15の、連結部12からロータ20側に突出した部分には、その両面から挟み込むように第1及び第2の磁束吸収用磁石16,17が配置されている。第1の磁束吸収用磁石16は、バイアス用永久磁石15のS極面に密着し、ロータ20側をN極、継鉄11側をS極とするようにラジアル方向に着磁されている。また、第2の磁束吸収用磁石17は、バイアス用永久磁石16のN極面に密着し、ロータ20側をS極、継鉄11側をN極とするようにラジアル方向に着磁されている。
これら第1及び第2の磁束吸収用磁石16,17のロータ20側の端面には、ホール素子等の磁束検出用素子18が設置されている。
一方、ロータ20は、少なくとも外周部に積層鋼板や電磁材料等の磁性体を配したもので、主突極部12の先端と所定のギャップを介してステータ10の内側に回転可能に配置されている。
【0019】
このような磁気軸受によれば、図1に点線矢印で示すように、バイアス用永久磁石15によって生成されるバイアス磁束が、バイアス用永久磁石15のN極面、連結部12、主突極13、ロータ20、主突極13及び連結部12を介してバイアス用永久磁石15のS極面に至る磁気回路を形成する。そして、主突極13に巻回された励磁コイル14を制御して、例えば図1に実線矢印で示すような制御磁束を発生させると、図中上側に位置する主極では磁束を強め合い、下側に位置する主極では磁束を弱め合うので、上下の主突極13で磁気吸引力の差を生じ、ロータ20には上向きの力が発生する。これをラジアル2方向に適用することにより、ラジアル方向の制御を行うことができる。
【0020】
本実施形態に係る磁気軸受において、バイアス用永久磁石15の半分は、継鉄11からロータ20側にはみ出しているが、このはみ出した部分の両面には、ラジアル方向に着磁された第1及び第2の磁束吸収用磁石16,17が配置され、この磁束吸収用磁石16,17がバイアス磁束を継鉄11側に閉じ込める機能を有する。このため、ロータ20側に磁束が漏れるのを効果的に防止することができると同時に、磁束吸収用磁石16,17によって継鉄11内のバイアス磁束の磁束密度も高められるので、効率の良い制御が可能になる。この構成によれば、高価な希土類磁石を使用する必要がなく、安価なフェライト磁石でも充分な磁束密度を得ることができる。
【0021】
また、本実施形態の磁気軸受によれば、第1及び第2の磁束吸収用磁石16,17のロータ20側の先端に磁束検出用素子18が装着されているので、制御磁束に影響されずにロータ20の変位を正確に検出することができる。
更に、この実施形態によれば、連結部12の分割端12bの張り出し量が、図6に示した従来例と比べて小さいので、分割状態の継鉄11に励磁コイル14を巻回し易く、励磁コイル14の主突極13への装着後にバイアス用永久磁石15を組み付けることにより、磁気軸受の製作も容易になる。
【0022】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る磁気軸受の構成を示す断面図である。先の実施形態は4極型であったが、この実施形態は6極構造である。
ステータ30は、環状の継鉄31、励磁コイル34、バイアス用永久磁石35並びに第1及び第2の磁束吸収用磁石36,37を備えて構成されている。
継鉄31は、環状の連結部32と、この連結部32の内周側から中心に向けて突出し周方向に60°の間隔で配置された6つの主突極33とを有する。他の構成は先の実施形態と同様である。
【0023】
このように6極構造の場合には、4極構造と異なり、対向する極対が120°毎に配置されるので、x−y方向の制御を2相3相変換し、U,V,W相毎の制御を必要とするが、この制御には、モータ制御用に使用されている一般的な3相インバータを利用することができる。図2では、上の2つの主極で磁束を強め合い、下の2つの主極で磁束を弱め合うことにより、上向きの力を発生する例を示している。このように、主突極の数は偶数個であることが望ましい。
【0024】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る磁気軸受の構成を示す断面図である。この実施形態は4極構造にアキシャル制御を付加した例である。
ステータ50は、環状の継鉄51、ラジアル制御コイル54、アキシャル制御コイル58、バイアス用永久磁石55並びに第1及び第2の磁束吸収用磁石56,57を備えて構成されている。
【0025】
継鉄51は、環状の連結部52と、この連結部52の内周側から中心に向けて突出し周方向に90°の間隔で配置された4つの主突極53とを有する。主突極53は、上述した各実施形態と同様に、ラジアル制御のためのラジアル制御コイル54が巻回されると共に、図3(b)に示すように、主突極53の厚み方向の中央部の外周に溝を形成してアキシャル制御のためのアキシャル制御コイル58を巻回している。ステータ50の厚みをロータ60の厚みよりも若干厚くすることにより、同図(b)の点線矢印で示すバイアス磁束にアキシャル方向成分を持たせる。
図示のように、アキシャル制御コイル58に電流を流すと、図示の実線矢印のような制御磁束が発生し、図中左側の磁束は強め合い、右側の磁束は弱め合う。この結果、アキシャル方向における右向きの力が発生する。これを他の主極でも行うことによりラジアル制御に加えてアキシャル制御を行うことができる。
【0026】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る磁気軸受の構成を示す断面図である。先の実施形態はインナーロータ型であったが、この実施形態はアウターロータ型である。すなわち、本実施形態では、円筒状のロータ80の内側にステータ70が配置されている。
ステータ70は、十字状の継鉄71、励磁コイル74、バイアス用永久磁石75並びに第1及び第2の磁束吸収用磁石76,77を備えて構成されている。
継鉄71は、中心から径方向外側に向けて突出し周方向に90°の間隔で配置された4つの主突極73と、これら主突極73の基端部を連結する連結部72とを有する。連結部72の、主突極73とは周方向に45°ずれた位置が分割されて、そこに板状のバイアス用永久磁石75が挿入されている。そして、バイアス用永久磁石75の一部が連結部72から外側に突出し、その突出した部分の両面に第1及び第2の磁束吸収用磁石76,77が装着されている。
この実施形態においても、先の実施形態と同様、制御性に優れた磁気軸受を実現することができる。
【0027】
図5は、本発明の第5の実施形態に係る磁気軸受の構成を示す断面図である。この実施形態では、バイアス用永久磁石95が全周に亘って連結部92から張り出している。第1の磁束吸収用磁石96は、バイアス用永久磁石95の張出部のS極面側に配置され、外側をN極、内側をS極として着磁された環状の磁石である。第2の磁束吸収用磁石97は、バイアス用永久磁石95の張出部のN極面側に配置され、外側をS極、内側をN極として着磁された環状の磁石である。なお、これらの磁束吸収用磁石96,97は、棒状磁石を組み合わせたものでも良い。
【0028】
本実施形態によれば、バイアス用永久磁石95の全周に亘って磁束漏れを防止することができるので、更に強力なバイアス磁束を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気軸受の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る磁気軸受の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る磁気軸受の断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る磁気軸受の断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る磁気軸受の断面図である。
【図6】従来の磁気軸受の断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10,30,50,70,90,110…ステータ、20,40,60,80,100,120…ロータ、11,,31,51,71,91,111…継鉄、13,33,53,73,93,113…主突極、14,34,74,94,114…励磁コイル、15,35,55,75,95,116…バイアス用永久磁石、16,36,56,76,96…第1の磁束吸収用磁石、17,67,57,77,97…第2の磁束吸収用磁石、18…磁束検出用素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと、このステータに磁気力によって非接触状態で支持されて回転するロータとを有する磁気軸受において、
前記ステータは、
前記ロータに向けて径方向に突設されて先端の磁束集中部が前記ロータに対して所定のギャップを介して対向する励磁コイルを有する複数の主極と、
前記複数の主極の基端を周方向に連結する連結部と、
前記連結部に挿入されて一端が前記ロータに向けて前記連結部から突出するように前記径方向に沿って配置され一方の面を第1極性、他方の面を第2極性として厚み方向に着磁された板状のバイアス用永久磁石と、
前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記一方の面側に配置され前記ロータ側を第2極性、前記連結部側を第1極性とする第1の磁束吸収用磁石と、
前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記他方の面側に配置され前記ロータ側を第1極性、前記連結部側を第2極性とする第2の磁束吸収用磁石と
を有することを特徴とする磁気軸受。
【請求項2】
ステータと、このステータに磁気力によって非接触状態で支持されて回転するロータとを有する磁気軸受において、
前記ステータは、
環状の連結部及びこの連結部の内周側から中心に向けて突出すると共に前記連結部の周方向に一定の間隔で配置された偶数個の主突極を有し前記連結部が前記主突極から周方向にずれた位置で分割された磁性体からなる継鉄と、
前記主突極に巻回された励磁コイルと、
前記連結部の分割端間に挿入されて一端が前記ロータに向けて前記連結部から突出するように前記径方向に沿って配置され一方の面を第1極性、他方の面を第2極性として厚み方向に着磁されたバイアス磁束を供給する板状のバイアス用永久磁石と、
前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記一方の面側に配置され前記ロータ側を第2極性、前記連結部側を第1極性とする第1の磁束吸収用磁石と、
前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の前記他方の面側に配置され前記ロータ側を第1極性、前記連結部側を第2極性とする第2の磁束吸収用磁石と
を有することを特徴とする磁気軸受。
【請求項3】
前記連結部の分割端は、前記ロータに向けて突出していることを特徴とする請求項2記載の磁気軸受。
【請求項4】
前記第1及び第2の磁束吸収用磁石は、前記バイアス用永久磁石の前記連結部からの径方向突出部の両面全体を覆うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の磁気軸受。
【請求項5】
前記バイアス用永久磁石は、全周に亘って前記連結部から張り出し、
前記第1の磁束吸収用磁石は、前記バイアス用永久磁石の前記張出部の前記一方の面側に配置され、外側を第2極性、内側を第1極性として着磁され、
前記第2の磁束吸収用磁石は、前記バイアス用永久磁石の前記張出部の前記他方の面側に配置され、外側を第1極性、内側を第2極性として着磁されたものである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の磁気軸受。
【請求項6】
前記第1及び第2の磁束吸収用磁石の前記ロータと対向する面に磁束検出用素子を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の磁気軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−106908(P2010−106908A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277874(P2008−277874)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(508324433)財団法人大分県産業創造機構 (17)
【Fターム(参考)】