説明

示温ラベル

【課題】示温ラベルが一定温度以上に加温された際にも、示温ラベルが発火しにくく、万が一発火した際にも周囲への延焼を抑制することが可能な示温ラベルを提供すること。
【解決手段】難燃性を有する支持体上に粘着剤層を設け、該粘着剤層上の少なくとも一部に、あらかじめ設定された任意の温度で発色または変色する示温部材を設け、その上に、難燃性を有する透明フィルムを積層した示温ラベルとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、示温ラベルに関する。さらに詳しくは温度管理が必要な製品類、機器類に貼付し、温度履歴や加温積算量の計測、温度の確認などの温度管理を行うために用いる示温ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、温度履歴や加温積算量の計測、温度の確認をするために、示温部材をフィルム等の支持体上の一部に粘着剤層を介して設け、その上に表面フィルムを積層した構成の示温ラベルが知られている(例えば特許文献1参照)。これらのラベルは、安価な割に感知精度が高く、誤動作の恐れが少なく、電源等の付帯設備が不要であることなどから、温度管理を必要とする各種産業分野において利用されている。
【0003】
例えば、温度管理が必要な製品類や機器類などの中で、あらかじめ設定された温度以上に加温が必要であるものや、一定温度以上に加温されると、劣化や誤動作を起こすなど不都合を生じるものがある。これらの温度管理を行うために、示温ラベルが実際に使用されている。
【0004】
しかしながら、前記の通り、示温ラベルが一定温度以上に加温される可能性がある条件下で使用される為、加温される温度によっては、示温ラベルを構成する材料が外部からの熱により発火する危険性を有していた。さらに、ラベルが発火した場合には、示温ラベルを貼付した製品類や機器類などに延焼する恐れがあり、延焼した際には、製品類や機器類などが使用できなくなる他、火災などの大事に至る可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−83020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、示温ラベルが発火しにくく、万が一発火した際にも延焼を抑制することが可能な示温ラベルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、難燃性を有する支持体上に粘着剤層を設け、該粘着剤層上の少なくとも一部に示温部材を設け、その上に難燃性を有する透明フィルムを積層した示温ラベルとしたことなどにより上記課題が解決され、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
「1.難燃性を有する支持体上に粘着剤層を設け、該粘着剤層上の少なくとも一部に、あらかじめ設定された任意の温度で発色または変色する示温部材を設け、その上に難燃性を有する透明フィルムを積層したことを特徴とする示温ラベル。
2.前記粘着剤層が難燃性を有することを特徴とする第1項に記載の示温ラベル。」に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、示温ラベルの難燃性が向上し、一定温度以上に加温された際にも、ラベルが発火しにくくなる。また、万が一外部からの熱により示温部材などが発火した際にも、難燃性を有する支持体と難燃性を有する透明フィルムを積層することなどにより、示温ラベルの燃焼を抑えることができ、ラベルを貼付したものなど周囲への延焼を抑制することが可能となるなど優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の示温ラベルの一例を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の示温ラベルの一例を図1と共に説明する。本発明の示温ラベル(1)の構成としては、難燃性を有する支持体(2)上に粘着剤層(3)を設け、該粘着剤層の一部に示温部材(4)を設け、さらにその上に難燃性を有する透明フィルム(5)を設けた構成となっている。
【0011】
本発明でいう難燃性とは、UL94規格に準ずるものであり、その規格で決められている5V〜V2またはVTM0〜VTM2でランク付けされるものである。
【0012】
前記構成とすることで、示温ラベルに難燃性を持たせ、発火した際の延焼の抑制が可能となる。
【0013】
本発明において、示温ラベルが発火した際に、延焼を抑制することができるメカニズムとしては以下のように考えている。示温部材には、可燃性の物質が多く使用されているため、示温ラベルを使用する環境として熱源等が周辺に存在する場合には、熱源を起因として、すなわち、外部からの熱により、示温ラベルが燃焼してしまう恐れがあり、示温ラベルが燃焼した際には、周辺材料へ延焼する恐れがある。しかしながら、支持体や示温部材の上に積層する透明フィルムなどの周辺材料に難燃性を有する材料を用いることにより、万が一、示温部が燃焼する事態に陥っても、材料の自己消化性などにより示温部材以外の燃焼を抑えることができ、周囲への延焼を抑制することが出来るものと考えている。
【0014】
本発明に用いる難燃性を有する支持体としては、そのもの自身が難燃性を有する材料から作られているフィルムや、材料自身は難燃性を有していない材料を用いてフィルムを作製する際に、難燃剤を配合してフィルムに難燃性が付与されたものや、可燃性の紙類やフィルムなどの表面に、難燃剤を積層したものなどを用いることができる。具体的には、難燃性を有する材料から作られているフィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、フッ素系フィルムなどが挙げられ、難燃剤を配合してフィルムに難燃性が付与されたものとしては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの樹脂の混合物に難燃剤を配合してフィルムとしたものが挙げられ、可燃性の紙類やフィルムなどの表面に難燃剤を積層したものなどとしては、上質紙、クラフト紙、コート紙、アート紙などの紙類、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの樹脂の混合物、または積層物からなるフィルムなどに、難燃剤を積層したものが挙げられる。また、前記支持体は、後述する表面フィルムと材質や厚みが同じものを用いても良い。
【0015】
前記難燃剤としては、難燃剤としては、一般に使用されている難燃剤を用いることができ、ハロゲン系、リン系、無機系、などの難燃剤が挙げられる。具体的には、ハロゲン系としては、テトラブロモビスフェノールAおよびその誘導体、多ベンゼン環化合物類、臭素化ポリスチレン類、フタル酸系、環状脂肪族系などが挙げられ、リン系としては、芳香族リン酸エステル類、芳香族縮合リン酸エステル類、含ハロゲンリン酸エステル類などが挙げられる。無機系としては、アンチモン系、金属水酸化物系などが挙げられる。
【0016】
本発明に用いる粘着剤層は、難燃性を有する支持体上に粘着剤を塗工、印刷などにより配設することで形成することができる。用いる粘着剤としては、示温部材を固定することができ、粘着剤層と示温部材の上に難燃性を有する透明フィルムを積層することができれば、特に限定されないが、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0017】
また、前記粘着剤層は、難燃性を有する粘着剤層とすることが特に好ましい。粘着剤層が難燃性を有すると、示温ラベルがさらに発火しにくくなり、示温ラベルを貼付した製品類や機器類などへの延焼を抑制する効果がさらに大きくなるため、好ましい。粘着剤層が難燃性を有するには、粘着剤に難燃剤を含有させることや、そのもの自身が、難燃性を有する粘着剤とするなどして、なす事が出来る。そのもの自身が、難燃性を有する粘着剤としては、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。
【0018】
前記粘着剤層は、上述の通り、難燃性を有する粘着剤層とする場合に、粘着剤に難燃剤を含有する構成とすることができるが、粘着剤に含有させる難燃剤としては、一般に使用されている難燃剤を用いることができ、ハロゲン系、リン系、無機系、などの難燃剤が挙げられる。具体的には、ハロゲン系としては、テトラブロモビスフェノールAおよびその誘導体、多ベンゼン環化合物類、臭素化ポリスチレン類、フタル酸系、環状脂肪族系などが挙げられ、リン系としては、芳香族リン酸エステル類、芳香族縮合リン酸エステル類、含ハロゲンリン酸エステル類などが挙げられる。無機系としては、アンチモン系、金属水酸化物系などが挙げられる。該難燃剤は、粘着剤に均一に分散または溶解して含有させ、難燃性を有する粘着剤層とすることができる。
【0019】
前記粘着剤層の厚みとしては、10〜100μm程度が好ましい。この範囲にあると、示温ラベルを貼付した機器類などから示温部材へ熱の伝わりを落とすことなく伝えることができ、透明フィルムが加温などにより剥がれることがないなど、示温ラベルの性能を十分発揮することができるため好ましい。
【0020】
本発明に用いる示温部材としては、着色紙などの有色の基材上に、あらかじめ設定された温度で融解するワックス類や有機化合物を、粗粒状態で積層した構成のもの(以下ワックス型示温部材という)を使用することができる。
【0021】
前記ワックス型示温部材は、あらかじめ設定された温度に達するまでは、ワックス類や有機化合物が光を散乱させて不透明状態となり、有色の基材の色を隠蔽しているが、あらかじめ設定された温度に達すると、粗粒状態で積層したワックス類や有機化合物が融解し、有色の基材に浸み込むことで、それまで隠蔽されていた有色の基材が視認可能となり発色状態となるメカニズムを持つ。
【0022】
前記ワックス型示温部材において、有色の基材上に粗粒状態のワックス類や有機化合物を積層する方法としては、ワックス類や有機化合物を有機溶剤中でボールミルなどを用いて分散することで粗粒状態のワックス類や有機化合物が得られる。該粗粒状態のワックス類や有機化合物を有色の基材上に塗工し乾燥することで、有色の基材上に粗粒状態のワックス類や有機化合物を積層することができる。
【0023】
前記ワックス型示温部材が発色状態となる設定温度は、前記ワックス類や有機化合物の融点により決まってくる。従って所望の温度に設定する為には、ワックス類や有機化合物を適宜選択すればよいが、本発明の用いられるワックス類としては、天然ワックス類、合成ワックス類などが挙げられ、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、などが用いられる。また、有機化合物としては、長鎖脂肪酸類及びそのエステル類、アミド類などが挙げられ、例えば、トリラウリン、ミリスチン酸、ベヘン酸、ステアリン酸アミドなどが用いられる。
【0024】
前記ワックス型示温部材に用いることができる基材としては、示温ラベルが、あらかじめ設定された温度に到達して、粒状状態で積層したワックス類や有機化合物が融解した際に浸み込むことができれば特に限定はなく、着色紙、有色の布類や不織布などを用いることができる。
【0025】
また、前記基材は、難燃性を有する基材を用いることが特に好ましい。基材が難燃性を有すると、示温ラベルがさらに発火しにくくなり、示温ラベルを貼付した製品類や機器類などへの延焼を抑制する効果がさらに大きくなる為、好ましい。難燃性を有する基材としては、難燃性繊維を用いた布や不織布、不燃紙、難燃パルプ不織布などが挙げられる。前記難燃性繊維としては、パラアミド系繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリアクリル酸系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いる示温部材の厚みとしては、50〜150μm程度であることが好ましい。この範囲にあると、示温部材の感度が良く認識しやすいため、好ましい。この範囲より厚いと、温度管理が必要な示温ラベルを貼り付けた製品類や機器類からの熱の伝わりが遅くなり、実際の温度履歴を示すことが出来なくなる恐れがある。
【0027】
また、この範囲より示温部材の厚みが薄いと、ワックス型示温部材を用いた場合、示温部材の温度変化による発色状態などを認識しにくくなる傾向が見られる。以上のことからも前記範囲程度であることが好ましい。
【0028】
前記ワックス型示温部材の他に、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を、樹脂中に分散させたものや、マイクロカプセルに封入したものを、紙やフィルムなどの基材上に積層した構成のもの(以下化学反応型示温部材という)を用いることもできる。この構成の示温部材は、あらかじめ設定した温度に達すると化学反応による発色状態への変化の他、消色状態あるいは変色状態に変化させることにより、あらかじめ設定した温度に達したことを確認することができる。
【0029】
前記化学反応型示温部材に用いることができる基材としては、特に限定はないが、前記ワックス型示温部材の基材と同様に、難燃性を有する基材を用いると特に好ましい。さらに、前記難燃性を有する支持体や、後述する難燃性を有する透明フィルムと同じ材料を基材として用いてもよい。
【0030】
本発明に用いる示温部材としては、前記ワックス型示温部材と化学反応型示温部材とを組み合わせて用いることができる。示温部材は、粘着剤層の少なくとも一部に設けられているが、粘着剤層の全部を覆うように構成することもできる。
【0031】
本発明に用いる難燃性を有する透明フィルムとしては、透明性を有し、示温部材が発色または消色あるいは変色したことなどを、透明フィルム側から認識できれば良いが、難燃性を有している必要がある。前記透明フィルムとしては、そのもの自身が難燃性を有する材料から作られているフィルムや、材料自身は難燃性を有していない材料を用いてフィルムを作製する際に、難燃剤を配合してフィルムに難燃性が付与されたものや、可燃性フィルムなどの表面に、難燃剤が積層されたものなどを用いることができる。具体的には、難燃性を有する材料から作られているフィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、フッ素系フィルムなどが挙げられ、難燃剤を配合してフィルムに難燃性が付与されたものとしては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの樹脂の混合物に難燃剤を配合してフィルムとしたものが挙げられ、可燃性のフィルムなどの表面に難燃剤が積層されたものとしては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びこれらの樹脂の混合物、または積層物からなるフィルムなどに、難燃剤を積層したものが挙げられる。
【0032】
前記難燃剤としては、一般に使用されている難燃剤を用いることができ、ハロゲン系、リン系、無機系、などの難燃剤が挙げられる。具体的には、ハロゲン系としては、テトラブロモビスフェノールAおよびその誘導体、多ベンゼン環化合物類、臭素化ポリスチレン類、フタル酸系、環状脂肪族系などが挙げられ、リン系としては、芳香族リン酸エステル類、芳香族縮合リン酸エステル類、含ハロゲンリン酸エステル類などが挙げられる。無機系としては、アンチモン系、金属水酸化物系などが挙げられる。
【0033】
本発明に用いる難燃性を有する透明フィルムの透明とは、無色または有色で、示温部材が発色または消色あるいは変色したなどの変化を認識できる程度の光透過性を有することを意味する。
【0034】
本発明の示温ラベルの製造方法の一例としては、粘着剤を塗工、印刷などにより難燃性を有する支持体(2)上に積層し、粘着剤層(3)を形成し、粘着剤層上に、示温部材(4)を設ける。設ける示温部材は円状、多角形状など任意の形状で形成できる。粘着剤層と示温部材層の上に、難燃性を有する透明フィルム(5)を、ラミネーターなどを用いて貼り合わせ、示温ラベルを形成する。
【0035】
本発明の示温ラベルは、温度管理が必要な製品類や機器類などに、温度管理を行うため貼付して使用されることが多いが、示温ラベルの支持体の裏面に、粘着剤、磁石などの磁性材などを設け、前記製品類や機器類などに貼付することができる。
【0036】
本発明の示温ラベルを製造する際に、前記のように使用されることを考慮して、難燃性の支持体に粘着剤層が積層されたものとして、難燃性両面粘着テープなどを用いても良い。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
(示温部材の作製)
ポリエチレンワックス(融点100℃) 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
上記成分をボールミルにて1時間攪拌混合をし、粗粒状態のワックス塗工液を得た。
次に、基材としてφ5mm赤色に着色した不燃紙(DTP社製 ノーメックス410 難燃性レベルV0)を、有色面を表面側に配設する。この不燃紙の有色面上に、前記ワックス塗工液を塗工し、室温で乾燥することにより、有色面が、粗粒状態のワックスで白色に隠蔽された、基材とワックス層からなる示温部材を得た。得られた示温部材の厚みは、25μmであった。
(示温ラベルの製造)
難燃性を有する支持体と粘着剤層として15mm×15mm角の難燃性アクリル系粘着剤を用いた両面粘着テープ(寺岡製作所(株)製 難燃性両面テープ750F 粘着剤層60μm 支持体40μm不織布 難燃性レベルVTM0)ののほぼ中央部に、前記の示温部材を配設した。次いで、粘着剤層と示温部材の上に、厚さ50μmの透明フィルム(ダイキン工業(株)製 ネオフロンETFE フッ素系フィルム 難燃性レベルV0)を、ラミネーターを用いて積層し、示温ラベルを得た。
【0038】
実施例2
示温部材に用いる基材を赤色に着色した上質紙とした以外は、実施例1と同じ方法で示温ラベルを得た。
【0039】
比較例1
(示温部材の作製)
ポリエチレンワックス(融点100℃) 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
上記成分をボールミルにて1時間攪拌混合をし、粗粒状態のワックス塗工液を得た。
次に、基材としてφ5mm赤色に着色した上質紙を、有色面を表面側に配設する。この上質紙の有色面上に、前記ワックス塗工液を塗工し、室温で乾燥することにより、有色面が、粗粒状態のワックスで白色に隠蔽された、基材とワックス層からなる示温部材を得た。得られた示温部材の厚みは、25μmであった。
(示温ラベルの製造)
支持体と粘着剤層として15mm×15mm角のアクリル系粘着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム(株)製 両面粘着テープY−9479 第1の粘着剤層25μm 支持体12μmポリエチレンテレフタレート)ののほぼ中央部に、前記の示温部材を配設した。次いで、粘着剤層と示温部材の上に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを、ラミネーターを用いて積層し、示温ラベルを得た。
【0040】
比較例2
難燃性を有する透明フィルムの代わりに、透明フィルムとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートを用いた以外は、実施例1と同じ方法で示温ラベルを得た。
【0041】
比較例3
難燃性を有する支持体と粘着剤層の代わりに、支持体と粘着剤層として15mm×15mm角のアクリル系粘着剤を用いた両面粘着テープ(住友スリーエム(株)製 両面粘着テープY−9479 第1の粘着剤層25μm 支持体12μmポリエチレンテレフタレート)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で示温ラベルを得た。
【0042】
実施例1、2比較例1〜3で得た示温ラベルについて、下記要領にて評価を行った。結果を(表1)に示す。
【表1】

【0043】
燃焼性:得られた示温ラベルに、10秒間ガスバーナーの炎を接炎し、示温ラベルの状態を目視により確認した。
◎:燃焼が15秒以内に終わり、下部への滴下物は発生しない。
○:燃焼が30秒以内に終わり、下部への滴下物は発生しない。
×:30秒以上燃焼し、下部への滴下物による延焼が発生した。
【0044】
前記(表1)の結果から明らかなように、実施例1、2の示温ラベルは、燃焼が30秒以内に止まり、周囲への延焼を抑制することができている。
【0045】
一方、比較例1〜3の示温ラベルは、30秒以上燃焼し続けており、周囲への延焼が見られた。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の示温ラベルは、温度管理が必要な製品類や機器類に貼付け、温度履歴や温度の確認を行うことができることから、温度管理を必要とする各種分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…示温ラベル
2…難燃性を有する支持体
3…粘着剤層
4…示温部材
5…難燃性を有する透明フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性を有する支持体上に粘着剤層を設け、該粘着剤層上の少なくとも一部に、あらかじめ設定された任意の温度で発色または変色する示温部材を設け、その上に難燃性を有する透明フィルムを積層したことを特徴とする示温ラベル。
【請求項2】
前記粘着剤層が難燃性を有することを特徴とする請求項1に記載の示温ラベル。

【図1】
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