説明

神経変性疾患の処置のための1−フェニルアルカンカルボン酸の誘導体

本発明は、1−フェニルアルカンカルボン酸の新規な誘導体、それらの製薬学的組成物、それらの製造方法、並びに神経変性疾患、例えばアルツハイマー病の処置および/または予防のためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−フェニルアルカンカルボン酸の新規な誘導体、それらの製薬学的組成物、それらの製造方法、並びに神経変性疾患、特にアルツハイマー病の処置のためのそれらの使用に関する。
【0002】
序論
アルツハイマー病は、解剖学的観点からは大脳皮質の萎縮によりそして皮質に対する核基底の皮質ニューロンおよびコリン作用性投射路の大きな損失により特徴づけられる、中枢神経系(C.N.S.)の神経変性障害である。組織病理学的観点からは患者の大脳実質中の細胞外および脈管周囲の神経炎斑並びに細胞内神経細線維もつれの拡散存在が観察される。
【0003】
神経炎斑は主として、β−アミロイド(βA)としてそしてアミノ酸類の数によってAβ39、Aβ40、Aβ42およびAβ43として知られる39−43アミノ酸基を有するペプチドの集合体から構成される。
【0004】
これらの組織病理学的病変の他に、ある種の神経伝達物質、特にアセチルコリン、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、グルタメートおよび基質Pの欠損がある。薬理学的方式は主としてアセチルコリン−エステラーゼ阻害剤による増加するアセチルコリン大脳水準に目標をおいており、臨床観点から劣悪な結果またはいずれにしても疾患の進行を有意に予防できない結果を得た。この理由のために、最近の数年間では患者の脳内の主な病原性病変の発生の機構、すなわち神経炎斑および神経細線維もつれが研究されており、そしてより有効な治療方式が求められてきた。
【背景技術】
【0005】
先行技術
疫学研究は、非−ステロイド性の抗−炎症薬品(NSAID類)の慢性的投与がこれらの薬品を規則的に摂取している集団においてアルツハイマー病の開始の危険性を減少させることを証明した。そのようなNSAID類の予防作用の基礎をなす機構はまだ完全には解明されていないが、初期の仮説では、それはそれらの固有の抗−炎症活性と、すなわちシクロオキシゲナーゼ(COX)酵素を阻害するそれらの能力と関連していた。
【0006】
特許文献1には、アルツハイマー病を包含する多くの疾患の処置に有用なシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤としての抗−炎症活性を有する新規なビアリール−酢酸誘導体が特許請求されている。
【0007】
さらに最近では、ある種の非ステロイド性の抗−炎症薬品(NSAID類)の新規な薬理学的作用が記載されており、インドメタシン(indomethacin)、スリンダック(sulindac)、イブプロフェン(ibuprofen)およびフルルビプロフェン(flurbiproefn)は、細胞培養物中のβ−アミロイドペプチドのほとんどの神経毒性イソ形態、すなわち42個のアミノ酸類を含有する形態(Aβ42)、の生成を選択的に減少させることができ、より有害性が少ないイソ形態であるAβ38の放出を与える(非特許文献1)。しかしながら、これらの薬品とγ−セクレターゼ酵素(アルパルチル−プロテアーゼ活性を有する高分子/多種蛋白質複合体)との相互作用の結果とみなしうるAβ42の生成の阻害がインビトロで非常に高い濃度において観察された。インビトロ実験で使用される薬用量に対応する血漿および大脳水準が、処置した患者においてCOX阻害剤に典型的な副作用、例えば胃腸出血および穿孔性潰瘍の危険性を有意に増加させることができた。
【0008】
特許文献2は、Aβ38の水準が増加しそしてAβ42の水準が未変化のままである条件下でAβ42低下剤を投与することによりアルツハイマー病の進行を予防、遅延または逆転させる方法を特許請求している。さらに、Aβ42低下剤を同定しそして開発するための方法および物質並びにアルツハイマー病の進展の危険性を高めるかまたは進行を促進させる剤を同定するための方法が開示されている。実施例はインドメタシンおよびフルフェナミック酸誘導体に関するが、フルルビプロフェン誘導体に関する実施例は報告されていない。
【0009】
非特許文献2には、酸化窒素を放出しうるフルルビプロフェン誘導体が記載されている。この論文はβ−アミロイド沈積物の浄化においてフルルビプロフェン誘導体は明らかに他のNSAID類より有効であることを総称的に述べているが、Aβ42低下選択的活性に関する言及はない。
【0010】
現在出願継続中の国際出願である特許文献3において、出願人は、1−フェニルアルカンカルボン酸類並びにそれらの官能性誘導体、例えばエステル類、アミド類、スルホンアミド類、およびバイオイソエステル類を、ペプチドAβ42上でシクロオキシゲナーゼ酵素上より選択的で且つより有効な阻害活性を有する化合物として特許請求している。
【0011】
他方、C.N.S.疾患、例えばアルツハイマー病の処置に目標をおく薬品は、それらの治療活性を有効に働かせるためには、血液−脳障壁を越える必要がある。例えばカルボン酸およびそれらの誘導体の如き有極性薬品のC.N.S.中の通過および分布は該障壁の存在により強く制限される。
【特許文献1】国際公開第99/41224号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/78721号パンフレット
【特許文献3】PCT/EP第2004/001596号明細書
【非特許文献1】Weggen et al., Nature 2001; 414 (6860): 212−6
【非特許文献2】Jantzen et al, J Neurosci 2002; 22: 2246−2254
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、血液−脳障壁をさらに効果的に越えそして次にその場で分子の活性部分を放出して脳内でのその分布を可能にするプロ−ドラッグとして作用する新規な化合物を得るような方法で該1−フェニルアルカンカルボン酸類を結合するための担体分子を提供することが非常に有利である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の要旨
本発明は、1−フェニルアルカンカルボン酸の新規な誘導体、それらの製薬学的組成物、それらの製造方法、並びに神経毒性ペプチドAβ42の増加した生成に関連する神経変性疾患、特にアルツハイマー病の予防または治療処置のためのそれらの使用に関する。
【0014】
特に、本発明は、カルボン酸基が血液−脳障壁の通過および脳内での活性部分の分布を可能にする基に結合されている1−フェニルアルカンカルボン酸の誘導体に関する。
【0015】
本発明の態様において、該基はアルファ−アミノ酸のアミドにより代表されそして好ましくはグリシンアミドである。
発明の詳細な記述
本発明は、一般式(I):
【0016】
【化1】

[式中、
BはHまたはアルファ−アミノ酸の側鎖であり、
RおよびRは同一でありそして直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキルであるか、
或いはそれらはそれらが結合される炭素原子と共に炭素数3〜6の環を形成し、
はH、CF、OCFまたはF、Cl、Br、Iの群から選択されるハロゲン、好ましくは弗素であり、
Arは1個もしくはそれ以上の基Rで置換されたフェニルであり、ここでR
−上記で定義されたハロゲン;CF;場合により1個もしくはそれ以上のC−Cアルキルおよび/もしくはオキソ基で置換されていてもよいC−Cシクロアルキル;CH=CH;NO;CHOH;CN;メチレンジオキシ;エチレンジオキシ;
−場合により1個もしくはそれ以上の下記の群:上記で定義されたハロゲン;CF;OCF;OH;直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル;少なくとも4個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和複素環;場合により1個もしくはそれ以上の直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル基、CFおよび/もしくはOHで置換されていてもよいC−Cシクロアルキルで置換されていてもよいフェニル;
−ORまたはNHCOR、ここでRは;CF、直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルケニルまたはアルキニル;ベンジル;場合により1個もしくはそれ以上の下記の群:上記で定義されたハロゲン、CF、OCF、OH、直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキルで置換されていてもよいフェニル;少なくとも4個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和複素環;場合により1個もしくはそれ以上の直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル基、CFおよび/もしくはOHで置換されていてもよいC−Cシクロアルキルである;
−SR、SOまたはCOR、ここでRは直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキルである、
を表すか、
或いはArはピロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアンスレン、カルバゾール、ピリダジン、シノリン、フタラジン、1,5−ナフチリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ベンゾジオキソールよりなる群から選択される複素環であり、該複素環は場合により1個もしくはそれ以上の上記で定義された基Rで置換されていてもよい]
の化合物に関する。
【0017】
本発明のアルファ−アミノ酸の代表例のアミドは、好ましくはグリシンアミド、アラニルアミド、セリンアミド、およびバリンアミドよりなる群、さらにより好ましくはレボ形態から選択される。
【0018】
好ましいアミドはグリシンアミド(HNCHCONH)である。
【0019】
好ましい化合物の第一群は、
BがHであり、
RおよびRが炭素数3の環を形成し、
が弗素であり、
Arが上記で定義されたフェニルである
ものである。
【0020】
好ましい化合物の第二群は、
BがHであり、
RおよびRが両方ともメチルであり、
が弗素であり、
Arが上記で定義されたフェニルである
ものである。
【0021】
好ましい化合物の第三群は、
BがHであり、
RおよびRが炭素数3の環を形成し、
が弗素であり、
Arが上記で定義された複素環である
ものである。
【0022】
好ましい化合物の第四群は、
BがHであり、
RおよびRが両方ともメチルであり、
が弗素であり、
Arが上記で定義された複素環である
ものである。
【0023】
本発明は、また、エナンチオマー、金属および有機塩並びに製薬学的に許容可能な他のエステルも包含する。
【0024】
本発明の別の目的は、神経毒性ペプチドAβ42の増加した生成に関連する神経変性疾患、例えばアルツハイマー病の治療処置および/または予防のための上記化合物の使用である。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、少なくとも1種の式(I)の化合物を製薬学的に許容可能な賦形剤および/またはビヒクル、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences Handbook, XVII Ed., Mack Pub., N.Y., U.S.A.に記載されたものとの混合物の状態で含んでなる、好ましくは経口使用のための、固体または液体の製薬学的組成物である。
【0026】
一般式(I)の化合物は、文献から既知である方法に従い、式(II)
【0027】
【化2】

[式中、R、R、R、およびArは上記で定義された通りである]
の酸の対応するアシルクロリドへの転化およびその後の適当なアルファ−アミノ酸のアミドとの反応により製造することができる。
【0028】
或いは、該化合物は、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、重合体に担持されたDCC、もしくはN,N’カルボニルジイミダゾールの如きカップリング剤の存在下における式(II)の酸と適当なアルファ−アミノ酸のアミドとの直接的反応により、またはトリメチルアルミニウムおよび適当なアルファ−アミノ酸のアミドを反応させることによりその場で生成した化合物で対応するエステルを処理することにより製造することができる。
【0029】
式(II)の酸は現在出願継続中の国際出願であるPCT/EP第2004/001596号明細書中に記載された通りにして製造することができるものである。
【実施例】
【0030】
以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明するものである。
【0031】
1−[2−フルオロ−4’−[[4−(トリフルオロメチル)−シクロヘキシル]オキシ]−1,1’−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸のグリシンアミドの製造
1−(2−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸の製造
CO(447mg、3.2ミリモル)のジオキサン(30ml)および水(3ml)中溶液に、250mlの1−(4−ブロモ−3−フルオロ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸(1.0ミリモル)および265mgのヒドロキシフェニルボロン酸(1.9ミリモル)を撹拌下で加える。窒素雰囲気下で、39mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(PdCl−DPPF)を加える。生じた混合物を1時間にわたり65℃に加熱し、次に10%w/vHCl溶液を加えることにより反応をクエンチする。
【0032】
酢酸エチルを用いる抽出、水および食塩水を用いる洗浄並びに蒸発が粗製生成物を与え、それを酢酸エチル/ヘキサンから結晶化させて、1−(2−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸を与える。収率:85%。
【0033】
1−[2−フルオロ−4’−(4−トリフルオロメチル−シクロヘキシルオキシ)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸の製造
アゾジカルボン酸ジエチル(370μl、2.4ミリモル)を200mgの1−(2−フルオロ−4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸(0.8ミリモル)、トリフェニルホスフィン(623mg、2.4ミリモル)および4−トリフルオロメチルシクロヘキサノール(400mg、2.4ミリモル)の乾燥THF(3mL)中溶液に0℃において窒素雰囲気下で加える。生じた透明な橙色溶液を撹拌下で一晩にわたり放置し、次に水でクエンチしそして酢酸エチルで抽出する。有機相を10%w/vHCl溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥しそして蒸発させる。塩化メチレン:メタノール 98:2 v/vを用いて溶離することによるシリカゲル上のクロマトグラフィーによる精製が1−[2−フルオロ−4’−(4−トリフルオロメチル−シクロヘキシルオキシ)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸を白色固体状で与える。
収率:26%。
HPLC純度(254nm):98%
【0034】
1−[2−フルオロ−4’−(4−トリフルオロメチル−シクロヘキシルオキシ)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸のグリシンアミドの製造
塩化オキサリル(530μL、6.0ミリモル)を1−[2−フルオロ−4’−(4−トリフルオロメチル−シクロヘキシルオキシ)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸(480mg、1.0ミリモル)の5mlの塩化メチレン中溶液に窒素下で滴下する。生じた溶液を室温において2時間にわたり撹拌し、次に蒸発乾固しそして塩化メチレン中に再溶解させる。グリシンアミド塩酸塩(133mg、1.3ミリモル)およびトリエチルアミン(3ml)の5mlの塩化メチレン中懸濁液を溶液に加えそして生じた混合物を2時間にわたり室温において撹拌する。水の添加後に、有機相を2N KCO溶液および食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、そして蒸発させる。得られた固体をクロマトグラフィーにより精製する。酢酸エチル/石油エーテルからの再結晶化後に、白色固体が得られる。
HPLC純度(254nm):98%。
MS (ESI): 479.2 (MH).
H NMR(CDCl): 7.47 (dd, 2H); 7.43 (dd, 1H); 7.25 (dd, 1H); 7.19 (dd, 1H); 6.97 (dd, 2H); 6.05 (t, 1H); 5.94 (s, 1H); 5.34 (s, 1H); 4.23 (m, 1H); 3.88 (d, 2H); 2.35−2.25 (m, 2H); 2.15−2.01 (m, 3H); 1.64 (m, 2H); 1.48 (dd, 4H); 1.14 (m, 2H)。凡例:dd=二重項の二重項;t=三重項;d=二重項;s=一重項;m=多重項。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[式中、
BはHまたはアルファ−アミノ酸の側鎖であり、
RおよびRは同一でありそして直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキルであるか、
或いはそれらはそれらが結合される炭素原子と共に炭素数3〜6の環を形成し、
はH、CF、OCFまたはF、Cl、Br、Iの群から選択されるハロゲン、好ましくは弗素であり、
Arは1個もしくはそれ以上の基Rで置換されたフェニルであり、ここでR
−上記で定義されたハロゲン;CF;場合により1個もしくはそれ以上のC−Cアルキルおよび/もしくはオキソ基で置換されていてもよいC−Cシクロアルキル;CH=CH;NO;CHOH;CN;メチレンジオキシ;エチレンジオキシ;
−場合により1個もしくはそれ以上の下記の群:上記で定義されたハロゲン;CF;OCF;OH;直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル;少なくとも4個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和複素環;場合により1個もしくはそれ以上の直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル基、CFおよび/もしくはOHで置換されていてもよいC−Cシクロアルキルで置換されていてもよいフェニル;
−ORまたはNHCOR、ここでRはCF、直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルケニルまたはアルキニル;ベンジル;場合により1個もしくはそれ以上の下記の群:上記で定義されたハロゲン、CF、OCF、OH、直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキルで置換されていてもよいフェニル;少なくとも4個の炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和複素環;場合により1個もしくはそれ以上の直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキル基、CFおよび/もしくはOHで置換されていてもよいC−Cシクロアルキルである;
−SR、SOまたはCOR、ここでRは直鎖状もしくは分枝鎖状のC−Cアルキルである、
を表すか、
或いはArはピロール、ピラゾール、フラン、チオフェン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、チアンスレン、カルバゾール、ピリダジン、シノリン、フタラジン、1,5−ナフチリジン、1,3−ジオキソール、1,3−ベンゾジオキソールよりなる群から選択される複素環であり、該複素環は場合により1個もしくはそれ以上の上記で定義された基Rで置換されていてもよい]
の化合物。
【請求項2】
BがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
BがHであり、RおよびRが炭素数3の環を形成し、Rが弗素であり、Arが請求項1で定義されたフェニルである請求項1および2に記載の化合物。
【請求項4】
BがHであり、RおよびRが両方ともCHであり、Rが弗素であり、Arが請求項1で定義されたフェニルである請求項1および2に記載の化合物。
【請求項5】
BがHであり、RおよびRが炭素数3の環を形成し、Rが弗素であり、Arが請求項1で定義された複素環である請求項1および2に記載の化合物。
【請求項6】
BがHであり、RおよびRが両方ともCHであり、Rが弗素であり、Arが請求項1で定義された複素環である請求項1および2に記載の化合物。
【請求項7】
薬品としての請求項1〜6に記載の化合物。
【請求項8】
式(I)の化合物を製薬学的に許容可能なビヒクルおよび/または賦形剤との混合物の状態で含有する製薬学的組成物。
【請求項9】
経口投与のための請求項8に記載の製薬学的組成物。
【請求項10】
神経毒性ペプチドAβ42の増加した生成に関連する神経変性疾患の処置用の薬品の製造のための請求項1〜6に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
アルツハイマー病の処置のための請求項10に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−509124(P2008−509124A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524411(P2007−524411)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002189
【国際公開番号】WO2006/016219
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(591095465)キエシ・フアルマチエウテイチ・ソチエタ・ペル・アチオニ (12)
【Fターム(参考)】