説明

神経応答刺激及び刺激属性共鳴推定装置

【解決手段】システムは、神経応答刺激と刺激属性共鳴とを決定する。通信、概念、経験、伝言、画像、オーディオ、価格設定、包装のような刺激材料と刺激材料属性とは、イベント関係電位(ERP)、脳波記録法(EEG)、電気皮膚応答(GSR)、心電図(EKG)、眼電図法(EOG)、眼球追跡(eye tracking)、及び顔面感情エンコーディングのような機構で収集された神経応答データを使用して評価される。神経応答データは解析され、刺激と刺激属性共鳴とが決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「Neuro-Physiological And Neuro-Behavioral Stimulus And Stimulus Attribute Resonance Estimator」の題名でAnantha Pradeep, Robert T. Knight, and Ramachandra Gurumoorthyによって2007年7月30日に提出された米国暫定特許出願60/952723号を基に優先権を主張するものである。
【0002】
此処に開示するものは刺激、及び刺激属性共鳴推定装置に関する。
【背景技術】
【0003】
刺激、及び刺激属性共鳴を推定するための従来の装置は限定的なものであった。聴衆共鳴測定システムの或るものは人口統計的情報、統計的データ、及び調査に基づく応答の収集によるものであるが、従来のシステムは意味論的、統語論的、隠喩的、文化的、及び、解釈法的の誤謬に影響される。
【発明の概要】
【0004】
従って、刺激、及び刺激属性共鳴を推定するための改善された方法及び装置が望まれて居る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
特定の実施例を示す以下の図を参照することによって、発明の開示は容易に理解されることであろう。
【0006】
【図1】刺激、及び刺激属性共鳴を推定するためのシステムの一例を示す図である。
【0007】
【図2】刺激属性収納装置に含められる刺激属性の例を示す図である。
【0008】
【図3】刺激、及び応答収納装置と共に使用され得るデータモデルの例を示す図である。
【0009】
【図4】共鳴推定システムと共に使用し得る質問の一例を示す図である。
【0010】
【図5】共鳴推定システムを使用して生成される報告の一例を示す図である。
【0011】
【図6】データ解析実施のテクニクの一例を示す図である。
【0012】
【図7】刺激、及び刺激属性共鳴を推定するテクニクの一例を示す図である。
【0013】
【図8】一個以上の機構を実施するために使用し得るシステムの一例を提供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するに当たり、発明者が最良とみなす形態を含めた実施例を、爾後詳細に参照することにする。これらの特定の実施例は添付された図に示されてある。本発明はこれらの実施例によって記述されるものではあるが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、後述の請求項で定義されるように、本発明の精神に則った代案、変化案、均等案などを含むものとする。
【0015】
例えば、本発明のテクニック及び機構などは中枢神経系、自律神経系、及び作動体データのような特定のデータに関して記述されるが、本発明のテクニックや機構などは、異なる各種のデータに応用されるものと銘記されるべきものである。各種の機構やテクニックは各種の刺激に応用されるものであることに留意されるべきものである。爾後の記述に於いては、本発明が十分に理解されるべく、詳細な実施例が開示される。これら特定の詳細例には、特定の実施に使用されないものも含まれる。別の例として、本発明の実際の内容を不明確にしない目的から、周知の工程作動などの記述は割愛することとする。
【0016】
又、本発明に於ける各種のテクニックや機構は明確化のために単数形で記述されることがあるが、特に断って居ない実施例の場合にはテクニックが複数回繰り返されたり、機構が複数回の具体化をされることがあると留意されるべきものである。一例として、システムとは処理装置を多くの状況下で使用するものであるが、特に断りのない限り、本発明によるシステムは複数個の処理装置を有するものであってもよいと理解すべきものである。更に、本発明のテクニックや機構は二個の物体の接続を記述する場合があるが、二個の物体の接続とは必ずしもこれら二個の物体が途中邪魔されることなしに直接接続されると言う意味ではない。一例として、処理装置はメモリに接続されると言っても、その処理装置とメモリの間に各種のブリッジとか制御装置が介在することもあり得るのである。即ち、接続と言うのは、特筆されない限り、途中に介在するもののない直接の接続を意味するものではない。
【0017】
概要
【0018】
システムは神経応答刺激と刺激属性共鳴とを決定する。通信、概念、経験、伝言、画像、オーディオ、価格設定、包装のような刺激材料及び刺激材料属性は、イベント関係電位(ERP)、脳波記録法(EEG)、電気皮膚応答(GSR)、心電図(EKG)、眼電図法(EOG)、眼球追跡(eye tracking)、及び顔面感情記号化のような機構で収集された神経応答データを使用して推定される。神経応答データは解析され、刺激と刺激属性共鳴とが決定される。
【0019】
実施例
【0020】
刺激及び刺激属性共鳴推定装置は永年使用されて来たものである。典型的に、刺激及び刺激属性共鳴推定装置は人口統計的情報、統計的データ、及び調査に基づく応答の収集による聴衆共鳴計測に基づくものである。従来の刺激及び刺激属性共鳴推定装置に於ける問題の一つは、従来の共鳴推定装置では刺激に起因する必然的伝言共鳴が測定されないことである。これらには意味論的、統語論的、隠喩的、文化的、及び、解釈法的の誤謬が起こり易く、正確に繰り返し可能的に聴衆を目的化することが阻まれる。
【0021】
従来のシステムは使用者応答の推定に神経行為的及び神経生理学的応答混成明示を使用せず、刺激に対する個別にカストマイズされた神経生理学的及び/又は神経行為的応答を引き出すものでもない。
【0022】
従来例の装置は複数のデータセット、個人及びモダリティに亘り複数のデータセット及び複数モード応答の混合提示を混合し、引き出された優先測定値や刺激及び刺激属性を開示したり確認することはない。
【0023】
この観点に於いて、本発明による神経生理学的及び神経行為的刺激及び刺激属性共鳴推定装置は従来例の概念及び従来技術のデザインと著しく相違するものであり、それによって、聴衆応答及び通信、概念、経験、伝言、画像、オーディオ、価格設定、包装を含み、しかもそれに限定されないマーケティング、広告、及びその他の聴覚的/視覚的/触覚的/嗅覚的刺激の属性との共鳴の測定に基づく神経生理学的及び神経行為的応答のための方法とシステムとを提供する目的を第一義として開発された装置を提供するものである。
【0024】
本発明のテクニックと機構とは、共鳴推定を改善する目的により、中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動体測定のような神経応答測定を使用する。中枢神経系システム測定機構の例には機能的磁気共鳴画像処理(fMRI)及び脳波記録法(EEG)が含まれる。fMRIは神経活動の増加に関連する脳での血液酸化を測量するものであるが、現行fMRIの実施に於いては時間的分解能が数秒であり良好ではない。EEGはミリ秒の領域で起こるシナプス後電流に関する電気的活動を測定するものである。頭蓋下EEGは骨や皮膚の層が広範囲の周波数領域に於いて脆弱化するので、電気的活動を最も正確に測定することが出来る。しかし適当に解析されるならば表面EEGによって豊富な電気生理学的情報を得ることが可能である。乾燥電極を有する携帯用EEGでも、多量の神経応答情報が提供される。
【0025】
自律神経系システム測定機構には電気皮膚応答(GSR)、心電図(EKG)、瞳孔拡張などが含まれる。作動体測定機構には眼電図法(EOG)、眼球追跡(eye tracking)、顔面感情記号化、反応時間などが含まれる。
【0026】
種々の実施例に於いて、本発明のテクニク及び機構は、認知前(precognitive)神経的特徴の複数のモード及び明示を、認知的(cognitive)神経的特徴及び認知後(post cognitive)神経的特徴に賢明に混合し、より正確に共鳴推定を実施する。或る例に於いては、自律神経系システム測定値そのものが中枢神経系システム測定値の確認に使用される。作動体及び行為的応答はその他の測定値と混合や結合がされる。種々の実施例に於いて、中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動体システム測定値は刺激及び刺激属性共鳴を決定させる或る測定値へと集成される。
【0027】
特定の実施例に於いて、被験者は刺激材料に露出され、中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動体データのようなデータは露出の間に収集される。種々の実施例に於いて、共鳴データを推定する複数成分測定値を集成する共鳴測定値を決定するためにデータが収集される。特定の実施例に於いて、特定のイベント関係電位(ERP)解析及び/或はイベント関係電力スペクトル摂動(ERPSP)が、被験者が刺激に露出される前と被験者が刺激に露出された後毎回の両方に於いて脳の異なる領域で推定される。
【0028】
脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の刺激前と刺激後の差分、及び、ターゲット・ディストラクタ(target and distracter)の差分の計測が決定される(DERP)。テータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及び高ガンマを含み、それに限定されない複数の周波数帯に亘り注意力、感情、及び記憶保持を推定する差分応答(DERPSP)のイベント関係時間−周期解析が実施される。特定の実施例に於いては、共鳴測定の向上のため、単一の試行及び/又は平均DERP及び/又はDERPSPを使用することが出来る。
【0029】
共鳴推定は実物/関係に関連する刺激のセグメントの脳領域可干渉性測定値、EEG計測の時間−周期解析を含む神経生理学的測定値に基づく注意力、感情用務及び記憶保持推定を合成するセグメント効率測定値、及び非連結相互作用を有するセグメントと比較して連結/関係パターンが出現するセグメントの間の差分衝撃運動に関連する神経的測定値を使用する関係査定を更に編入してもよい。
【0030】
種々の実施例に於いて、共鳴推定装置は対象/個人の組み分け可能性を引き出すために、人為行為の有無を問わず自動的のシステムを含むことが出来る。例えば、これにはパターン認知及び対象特定のテクニックが含まれる。これらサブシステムにはハードウエア実施及び/或はソフトウエア実施が含まれてもよい。
【0031】
エンタテインメント及びマーケティング材料、メディアストリーム、広告板、印刷広告、テキストストリーム、音楽、上演、感覚的経験などの種々の刺激材料が解析され得る。種々の実施例に於いて、モダリティ間(cross−modality)測定機構向上とモダリティ内(intra−modality)測定向上の両方を実施するデータ解析装置を使用することによって向上された神経応答データが生成される。種々の実施例に於いて、活性のある領域を決定するためのみならず、異なる領域間の相互作用及び作用のタイプを決定するために脳活動が測定される。本発明のテクニック及び機構に於いては、神経的部位間の反応が入念に準備されて組織化された動作を支持するものであると認識されて居る。注意力、感情、記憶、及びその他の能力は単に脳の一部分によるものでなく、脳部位間のネットワーク反応によるものである。
【0032】
本発明のテクニック及び機構に於いては更に、複数の部位の間の交信に使用される異なる周波数帯が刺激の効率を示すものであると認識されて居る。特定の実施例に於いて、推定に当って各被験者はキャリブレーションが行われ、被験者全体が同時化される。また、特定の実施例に於いて、刺激前後の差分の計測のためのベースラインを生成するために被験者用のテンプレイトが作成される。種々の実施例に於いて、刺激生成装置は情報処理機能を有するもの(intelligent)であり、露出時間とか、各被験者が解析される時間長などの特定のパラメータを適応的に変化させるものである。
【0033】
EEG、GSR、EKG、瞳孔拡張、EOG、眼球追跡、顔面感情記号化、反応時間など、種々なモダリティが使用され得る。EEGのような個々の形態は、神経部位交信通路を情報処理機能をもって認識することによって向上される。モダリティ間解析は、中枢神経系統、自律神経系統、及び作動体の特徴の合成と解析的混合によって向上することが出来る種々の時間シフト及び位相シフト、相互関係及びモダリティ内決定のような機構による合成及び解析によって、効率よく共鳴推定を実施するように各種のデータ応答の意義を特徴付ける合成出力を生成することが出来る。
【0034】
図1は、中枢神経系統、自律神経系統、及び/或は作動体(effector)測定を使用して共鳴推定を実施するシステムの一例を示すものである。種々の実施例に於いて、共鳴推定装置は刺激提示装置101を含む。特定の実施例の場合、刺激提示装置101は、使用者に刺激材料を示す単なる陳列、モニタ、画面などである。刺激材料とはメディアクリップ、広告放送、文書の頁、ブランド画像、演技、雑誌広告、映画、オーディオ上演、などであり、特種な味、匂い、組織及び/或は音などが含まれてもよい。刺激は種々の感覚に関するものであってよく、人的監督の如何に関係しない。連続的なもの、不連続的なもの、両方が含まれる。種々な実施例に於いて、刺激提示装置101は、異なるある市場に於ける複数の被験者に与えられる刺激を特注生産出来るようなプロトコル生成の機能も有する。
【0035】
種々の実施例に於いて、刺激提示装置101には異なるネットワーク、ローカルネットワーク、ケーブルチャンネル、連合企業源、ウエブサイト、インターネットコンテンツ集成装置、ポータル、サービス企業などからの広告やエンタテインメントを含み、それに制限されない刺激を呈上するためのテレビジョン、ケーブルコンソル、コンピュータ及びモニタ、投影システム、ディスプレイ装置、スピーカ、触覚面などを含むことが出来る。
【0036】
種々の実施例に於いて、被験者はデータ収集装置105に接続される。このデータ収集装置105は、EEG、EOG、GSR、EKG、瞳孔拡張、眼球追跡、顔面感情記号化、反応時間装置など各種の神経学的及び神経生理学的測定機構を含む各種の神経応答測定機構を含んでも良い。種々の実施例に於いて、神経応答データには中枢神経系システム、自律神経系システム、及び作動体データが含まれる。特定の実施例に於いて、データ収集装置105は、EEG111、EOG113、GSR115を有して居る。場合によっては、只一個のデータ収集装置が使用される。データの収集には人的監督があっても、なくても良い。
【0037】
データ収集装置105は複数個の源から神経生理学的データを収集する。これには中枢神経系統源(EEG)、自律神経系統源(GSR,EKG、瞳孔拡張)、及び作動体源(EOG、眼球追跡、顔面感情記号化、反応時間)が含まれる。特定の実施例に於いて、収集されたデータはデジタルにサンプリングされ、後段の解析に保存される。特定の実施例に於いて、収集されたデータはリアルタイムに解析されることも出来る。特定の実施例に於いて、ディジタルサンプリングの速度は測定されて居る神経学的及び神経生理学的データに基づいて適応的に選択される。
【0038】
特定の一実施例に於いて、共鳴推定システムは頭皮レベル電極を使用して行うEEG111計測、目のデータを追跡する遮蔽電極を使用して行うEOG113計測、差分計測システムを使用して行うGSR115計測、顔の上の特定の箇所に設置された遮蔽電極による顔面筋肉計測、及び個人別に適応的に得られた顔面作用画面及びビデオ解析装置を含むものである。
【0039】
特定の実施例に於いて、データ収集装置はプロトコル生成及び提出装置101と同期化されたクロックである。特定の実施例に於いて、データ収集装置105は更にデータの収集につれて連続的に被験者の状態を監視する自動的トリガ、警告、及び状態監視可視化部品を提供する状態推定サブシステム、及びデータ収集用具を含む。この状態推定サブシステムは更に可視警告を提供し、自動的に矯正行為のトリガとなるものでもよい。種々の実施例に於いて、データ収集装置は被験者の刺激材料に対する神経応答を監視する機構を含むのみならず、刺激材料を特定したり監視したりする機構をも含むものである。例えばデータ収集装置105はチャンネルの変更を監視するセットトップボクス(set-top box)と同期されて居ても良い。別の例として、データ収集装置105は被験者が刺激材料に注意を払わなくなった時をモニタするために、方向的に同期されてもよい。更に異なる例として、データ収集装置105は刺激がプログラム、広告放送、印刷物、或は窓からの景色であるかに拘らず、一般的に被験者に観察される刺激材料を受けて保存するものでもよい。収集されたデータにより、単に被験者が気をそらしていることの解析だけでなく、神経応答情報、及び、その情報と実際の刺激材料との相関性の解析が可能となる。
【0040】
種々の実施例に於いて、共鳴推定システムはデータ洗浄装置121をも含むものである。特定の実施例に於いて、このデータ洗浄装置121とは、収集されたデータを濾過して、固定或は適応的濾過、加重平均法、高等成分抽出(例えばPCA,ICA)、ベクトル及び成分分離法などにより、ノイズ、アーチファクト、及びその他の無用なデータを除去するものである。この装置は外因性のノイズ(原因が被験者の生理以外の場合)も内因性のアーチファクト(原因が筋肉運動、目の瞬きなどのような神経整理学的なものであ場合)も除去することによってデータを洗浄するものである。
【0041】
アーチファクト除去サブシステムは、応答データを選択的に分離して検査し、線周波数、目の瞬き、及び筋肉運動のようなアーチファクトに対応する時間領域属性及び/又は周波数領域属性で出来事(epoch)を特定する機構を含むものである。そうして、アーチファクト除去サブシステムは、これらの出来事を除き、或はこれらの出来事のデータをその他のクリーンなデータ(例えばEEGの最隣接による加重平均方法)による予想値で置き換えて、アーチファクトを洗浄するものである。
【0042】
種々の実施例に於いて、データ洗浄装置121はハードウエア、ファームウエア、及び/或はソフトウエアを使用して実現し得る。データ洗浄装置121はデータ収集装置105の後でデータ解析装置181の前の位置に示されて居るが、その他の装置と同様に、データ洗浄装置121はシステムの実施に基づいた位置及び機能を持つことが出来ると理解すべきものである。例えば、システムによっては自動的データ洗浄装置を全然使用しなくてもよい。その一方、その他のシステムに於いては、データ洗浄装置が個別のデータ収集装置に組み込まれて居てもよい。
【0043】
種々の実施例に於いて、複数の被験者に呈示される刺激材料に関する情報が任意の刺激属性収納装置131で提供される。種々の実施例に於いて、刺激属性には目的、呈示属性、報告生成属性などと共に刺激材料の特徴も含まれる。特定の実施例に於いて、刺激属性には時間的期間、チャンネル、推定、メディア、タイプ、その他が含まれる。刺激属性には更に種々の枠内の物体の位置、対象間関係、対象の位置、陳列持続期間が含まれても良い。目的属性には抱負,及び興奮、記憶保持、連想、その他を含む刺激の対象が含まれる。呈示属性にはオーディオ、ビデオ、形象、及び強化或は回避に必要なメッセージが含まれる。その他の属性は刺激属性収納装置或はその他の収納装置に含まれても含まれなくても良い。
【0044】
データ洗浄装置121と刺激属性収納装置131とはデータ解析装置181にデータを通す。データ解析装置181は各種の機構を使用してシステム中の基礎をなすデータを解析し、共鳴を決定する。種々の実施例に於いて、データ解析装置は各モダリティの個人毎に独立の神経学的及び神経生理学的パラメータをカストマイズして抽出し、モダリティ間のみならずモダリティ内の推定を混合して提出された刺激への向上された応答を引き出すように構成されて居る。特定の実施例に於いて、データ解析装置181はデータセット内の異なる被験者に亘る応答データを集成する。
【0045】
種々の実施例に於いて、神経学的及び神経生理学的特徴は時間領域解析及び周波数領域解析を使用して測定される。これらの解析には、各個人に独特のパラメータのみならず、個人間に共通のパラメータも使用される。解析には統計パラメータ抽出及び合成された応答の時間成分及び周波数成分両方からのファジイロジックに基づく属性推定も含むことが出来る。
【0046】
或る例に於いては、融合された効率推定に使用される統計パラメータに、注意力、感情及び記憶保持のファジイ推定のみならず、歪み,頂点,第一及び第二モーメント、人口分布が含まれる。
【0047】
種々の実施例に於いて、データ解析装置181はモダリティ内応答合成装置及びモダリティ間応答合成装置を含んでもよい。特定の実施例に於いて、モダリティ内応答合成装置は各モダリティの各個人用に独立した神経学的及び神経生理学的パラメータをカストマイズして抽出し、モダリティ内の推定を解析的に混合して呈上された刺激への向上された応答を引き出すように構成されて居る。特定の実施例に於いて、モダリティ内応答合成装置は更にデータセット内の異なる被験者からのデータを集成する。
【0048】
種々の実施例に於いて、モダリティ間応答合成装置或は融合装置は未加工信号及び信号出力を含む異なるモダリティ間応答を融合する。信号の結合はモダリティ内での効率の測定を向上する。モダリティ間応答融合装置は更にデータセット内の異なる被験者からのデータを集成することが出来る。
【0049】
種々の実施例に於いて、データ解析装置181は各モダリティからの向上された応答や推定を結合し各種の目的の為の効率の混合推定を提出する合成向上効率推定装置(CEEE=composite enhanced effectiveness estimator)を更に含むものである。特定の例に於いて、混合推定は被験者の刺激材料への露出ごとに与えられる。混合推定は時間をかけて推定され、共鳴の特徴が査定される。種々の実施例に於いて、混合推定の各々には数値が割り当てられる。これらの数値は神経応答の強度、頂点の意義、頂点間の変更などに対応するものでもよい。高い数値が神経応答の強度に於ける意義の高いことに対応するものであってもよい。低い数値は神経応答の意義が低いこと、或いは神経応答活動が無意義であることに対応するもであってもよい。更に別の例として、神経応答意義の混合推定は露出が繰り返された後の変化を示すためにグラフとして示される。
【0050】
種々の実施例に於いて、データ解析装置181は解析され向上された応答データをデータ通信装置183に供給する。特定の場合に於いてはデータ通信装置183が不要である点に注意されたい。種々の実施例に於いて、データ通信装置183は未加工及び/或は解析後データ及び洞察結果を供給する。特定の実施例として、データ通信装置183は収納と交信の保障のためにデータの圧縮及びコード化する機構を含んでも良い。
【0051】
種々の実施例に於いて、データ通信装置183は種々の従来のバス、有線ネットワーク、無線ネットワーク、衛星及び専用通信プロトコルのみならず、ファイル転送プロトコル(FTP),ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)のようなプロトコルを使用してデータを送信する。送信されるデータには、データ全部、部分データ、転換データ、及び/或は引き出された応答測定値が含まれてもよい。種々の実施例に於いて、データ通信装置はデータ収集装置から共鳴推定装置185に得られたデータを送信するセットトップボクス、無線装置、コンピュータシステムなどである。特定例に於いて、データ通信装置はデータ洗浄或いはデータ解析以前にデータを送信してもよい。その他の例に於いて、データ通信装置はデータ洗浄或いはデータ解析の後にデータを送信してもよい。
【0052】
特定の実施例に於いて、データ通信装置183は共鳴推定装置185にデータを送信する。種々の実施例に於いて、共鳴推定装置185は共鳴パターンにアクセスしてそれを抽出する。特定の実施例に於いて、共鳴推定装置185は種々の刺激セグメントの中に於いて実体位置を決定し、衝動性運動を注意力、記憶保持、感情用務の神経的評価と相関させながら位置情報を眼球追跡軌跡と照合する。特定の実施例の場合、共鳴推定装置185は更に使用者の行為を収集して統合し、応答を解析した応答を査定して共鳴をより効率的に推定する。
【0053】
爾後の解析、管理、取り扱い及び検索のために、各種のデータを収納することが出来る。特定の実施例に於いて、収納装置は刺激属性、呈示属性、聴衆応答の追跡のため、また任意的に聴衆計測情報を統合するために使用することが出来る。
【0054】
システムの中の各種の部品の場合と同様、共鳴推定装置はシステムのその他の部分及び使用者と共に位置されてもよく、遠隔地に実施されてもよい。又任意的に、集中されてよく、供給者或いは刺激材料の供給者に分布されてもよい査定収納システムの中へと分離されてもよい。その他の実施例に於いて、共鳴推定装置は刺激材料供給者及び/或は使用者にとって接触可能な第三者であるサービス提供者の施設に収容される。
【0055】
図2は、刺激属性収納装置を供給されたデータモデルの例を示すものである。種々の実施例に於いて、刺激属性データモデル201はチャンネル203、メディアタイプ205、時間間隔207、聴衆209、及び人口統計学的情報211を含む。刺激目的データモデル215は意図217及び目標219を含んでもよい。種々の実施例に於いて、刺激属性データモデル201は更に実体に関する空間的及び時間的情報221及び実体間の発生関係を含む。
【0056】
種々の実施例に於いて、別の刺激属性データモデル222は創造属性223、所有権属性225、放送属性227、及び統計的、人口統計的、及び/又は神経生理学的及び神経行為的応答を刺激に関係するその他の属性及びメタ情報(meta-information)を自動的に統合する査定に基づく識別子を含む。
【0057】
図3は、共鳴の追跡及び測定に関する情報の収納に使用され得るデータモデルの例を示す。種々の実施例に於いて、データセットデータモデル301は実験名303及び/又は識別子、顧客属性305、被験者群307、テストの位置、日付、時間のようなロジスティクス情報309、及び刺激材料属性を含む刺激材料311を含む。
【0058】
特定の実施例に於いて、刺激属性データモデル315は被験者名317及び/又は識別子、コンタクト情報321、及び神経学的及び神経生理学的データの検査に便利となり得る人口統計学的属性319を含む。関係のある人口統計学的属性の例には結婚状態、就職状態、職業、家族の収入、家族のサイズ及び構成、民族性、地理的位置、性別、人種がある。その他の分野でデータモデル315に含まれてよいものには、ショッピングに関する選択、エンタテインメントに関する選択、及び財政に関する選択がある。ショッピングに関する選択には、好みの店舗、ショッピングの頻度、購買のカテゴリ、好みのブランドがある。エンタテインメントに関する選択には、ネットワーク/ケーブル/衛星放送へのアクセス機能、気に入りの演劇、気に入りのジャンル、及び気に入りの俳優が含まれる。財政に関する選択には、気に入りの保険会社、選択される投資の実行、銀行に関する選択、及び気に入りのオンラインの財政手段が含まれる。刺激属性データモデル315には種々の被験者属性が含まれてよく、データモデルは事前設定でもよく、特定の目的に合わせて生成されてもよい。
【0059】
種々の実施例に於いて、神経フィードバック関連データモデル325は実験プロトコル327、EEG,EOG,GSRのような含まれたモダリティ329、実施された査定、及び、セグメント及びセグメント属性のような実験設計パラメータを特定する。その他の分野には実験呈示原稿、セグメント長さ、使用された刺激材料のようなセグメントの詳細、被験者間の変動、被験者内の変動、指示、呈示順序、使用された調査質問などが含まれてもよい。その他のデータモデルにはデータ収集データモデル337が含まれてもよい。種々の実施例に於いて、データ収集データモデル337には、局(station)及び位置識別子のような記録属性339、記録のデータ及び時間、及び操作人に関する詳細が含まれる。種々の実施例に於いて、用具属性341には増幅器識別子及びセンサ識別子が含まれる。
【0060】
記録モダリティ343にはEEGキャップ設計、活性チャンネル、サンプリング周期、及び使用フィルタのようなモダリティ特有属性が含まれてもよい。EOGに特有の属性には使用されるセンサの数と種類、設置されたセンサの位置などが含まれる。眼球追跡に特有な属性には使用された追跡用具の種類、データの記録周期、記録されて居るデータ、記録様式などが含まれる。種々の実施例に於いて、データ収納属性345にはファイル収納方法(様式、名付け方法、日付方法)、収納位置、アーカイブ属性、満期属性などが含まれる。
【0061】
既成質問データモデル349は、質問名351及び/又は識別子、関係するデータセグメント(モデル、データベース/キューブ、表など)のようなアクセスされたデータ群353、誰がどのようなタイプのアクセスを持つかを含むアクセス安全属性355、及び質問の期限のようなリフレッシュ属性357、リフレッシュ周期などを含む。その他、プルプッシュ選択(pull-push preference)のような分野も、自動プッシュ報告ドライバ或は使用者駆動の報告検索システムを特定するために含まれてよい。
【0062】
図4は、共鳴推定に関するデータ獲得のために実施され得る質問の例を示すものである。種々の実施例に於いて、質問とは、一般的或はカストマイズされたスクリプト言語及び構成法、視覚的構成、既定質問のライブラリ、ドリルダウン診断を含む診断的質問、及び、種々の場合に応じたシナリオの誘発、から定義されるものである。 種々の実施例によれば、被験者属性質問415は、位置417或は地理的情報、試験時刻と日付のような活動期間情報421、及び人口統計属性419などを使用してデータを神経情報収納装置から取得するように構成されたものでもよい。人口統計属性には、家族収入、家族の人数及び地位、教育程度、子供の年齢などが含まれる。
【0063】
その他の質問は、関係被験者の購買選択、支持、生理的査定、完成状態に基づいて刺激材料を検索するものであってもよい。例えば、使用者は製品カテゴリ、購入された製品、頻繁に購買する商店、被験者の眼修正状態、色盲、被験者状態、測定応答の信号強度、アルファ周波数バンドリンガ、筋肉動作査定、完成セグメントなどに関係するデータについて質問してもよい。実験的デザインに基づいた質問によって、神経情報収納装置から、実験的プロトコル427、製品カテゴリ429、含まれた調査431、及び供給された刺激433に基づいたデータが得られるかもしれない。その他、使用されたプロトコルの繰り返し数、使用されたプロトコルの結合、及び調査の使用構成のような分野も使用出来よう。
【0064】
クライエント及び産業に基づいた質問によっては、テスティングに含まれた産業のタイプ、テストされた特定のカテゴリ、関係したクライエントの会社、及びテストされたブランドに基づいたデータが得られるかもしれない。質問に基づいた応答査定437には、集中力得点439、感情得点441、保持力得点443、及び効果力得点445が含まれてもよい。これらの質問によって、特定の得点(score)を引き出す材料が得られるかも知れない。
【0065】
応答測定プロファイルに基づいた質問は、平均測定閾値、分散度、検出された頂点の数などを使用するものでもよい。グループ応答質問には、平均、分散、尖度、p値などのグループ統計、グループサイズ、異常値査定度などが含まれてもよい。更に別の質問には、テスト位置、テスト期間、テスト繰返し回数、テストステイション、及びテスト操作者フィールドのような試験特性が関係してもよい。効率よくデータを抽出するために、質問の各種の結合やタイプが使用されてよい。
【0066】
図5は、生成され得る報告の例を示すものである。種々の実施例に於いて、クライエント査定概略報告501には、効率測定値503、成分査定測定値505、及び共鳴測定値507が含まれる。効率査定測定値には、合成査定測定値、産業/カテゴリ/クライエントに独特な配置(百分比、等級など)、材料除去、セグメントの変更、或は特種要素の最終的調整のような作用的グルーピング査定、及び効率プロファイルの時間的変化などが含まれる。特定の実施例に於いて、報告には材料の査定回数、使用された複数呈示の属性、複数呈示に亘る応答査定測定値の進化、及び使用推薦などが含まれる。
【0067】
種々の実施例に於いて、クライエント累積報告511は、査定された総ての刺激のメディアグループ報告513、及び査定された刺激のキャンペーングループ報告515及び査定された刺激の時間/位置でグループされた報告517が含まれる。種々の実施例に於いて、産業累積的及び協調報告521は、集合査定応答測定値523、上位演技者リスト525、下位演技者リスト527、異常値529、及び流行報告531が含まれる。特定の実施例に於いては、追跡及び報告に、特定の製品、カテゴリ、会社、ブランドが含まれる。
【0068】
図6は、共鳴推定の一例を示す。601に於いて刺激材料が複数の地理的市場の複数人の被験者に与えられる。種々の実施例に於いて、刺激には放送テレビ、ケーブルテレビ、衛星などの機構を通じて供給されるビデオやオーディオが含まれる。異なる地理的市場での使用者に、刺激は同時に或は異なった時間に与えられてよい。特定の実施例に於いては、刺激を被験者は自宅に於いてグループで見たり、個別の環境で見たりする。603に於いて、被験者応答はEEG,ERP,EOG,GSR,などのような各種のモダリティを使用して収集される。或る例に於いては、口頭及び筆答での応答も収集され、神経学的及び神経生理学的応答と共に関連付けられることが出来る。605に於いてデータはデータ洗浄装置を通過され、データの解釈を難しくする元となるノイズ及びアーチファクトが除去される。種々の実施例に於いて、データ洗浄装置は、瞬きやその他の外因的/内因的アーチファクトに関するEEG電気活動を除去する。
【0069】
種々の実施例に於いて、データ解析が実施される。データ解析に於いては効率測定の向上のためにモダリティ内応答合成とモダリティ間応答合成とを含んで良い。或る特定の場合に於いては、他の種類の合成を行わずに一種の合成を行ってもよいことを銘記すべきものである。その例として、モダリティ間応答合成を行うのにモダリティ内応答合成を行っても、行わなくてもよい。
【0070】
データ解析を実施する為に、種々の機構が使用され得る。特定の実施例によれば、目的、意図,目標などと共に刺激材料の属性及び特徴を獲得するために刺激属性収納装置131が検索される。特定の実施例に於いて、EEG応答データが向上された効率検索を提供するために合成される。種々の実施例に於いて、EEGは脳の異なる部位に関係する何千もの同時的神経工程の結果である電気的活動を測定するものである。EEGデータは幾つかのバンド(帯)に分級することが出来るものであり、種々の実施例に於いて、脳波周期はデルタ、テータ、アルファ、ベータ、及びガンマ周波数帯を含むものである。デルタ波は4Hz以下のものであり、熟睡中に顕著なものである。テータ波は周波数が3.5から7.5Hzの間のものであり、記憶力、注意力、感情、及び感覚に関係する。テータ波は典型的に内的集中の時に顕著となる。
【0071】
アルファ周波数は7.5と13Hzの間であり、典型的に10Hzで頂上に達する。アルファ波は寛ぎの状態で顕著である。ベータ波の周波数範囲は14から30Hzであり、ベータ波は運動制御、脳部位間の広範囲の同期、解析問題の解決、判断、決断などの期間に顕著である。ガンマ波は30から60Hzの間に起こり、認知的或は運動機能及び注意力、記憶力の実行の為に異なるニューロン群をネットワークに結合することに関与するものである。頭蓋及び皮膚層はこの周波数範囲の波を減衰するため、75−80Hzの範囲の脳波は検出が難しいため、刺激応答の評価には使用されないことが多い。
【0072】
しかし、本発明のテクニックや機構に於いては、テータ、アルファ、ベータ、及び低ガンマ帯の計測に加えて高ガンマ帯(カッパ帯:60Hz以上)の計測が、神経学的注意力成分推定、感情関与(emotional engagement)成分推定、記憶(retention)成分推定を向上することが認識されて居る。特定の実施例に於いて、取得するのが難しい高ガンマ帯或はカッパ帯測定値をも含めたEEG測定値が301に於いて取得され、向上され、評価される。テータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及びカッパ帯での被験者及びタスクに合わせた部分帯が303で向上された応答推定のために特定される。種々の実施例に於いて、80Hz以上の高ガンマ波(カッパ帯)(典型的に頭蓋下EEG及び脳磁図によって検出可能)が刺激の周波応答のインバースモデルに基づく向上(inverse model−based enhancement)に使用される。
【0073】
本発明の種々の実施例に於いて、或る活動の際、各周波数範囲の特定の部分帯が特に顕著になることが認知されて居る。特定の帯内の周波数の部分集合のことを此処では部分帯と呼称する。例えば、部分帯とはガンマ帯の中の40−45Hzの範囲を含むものでもよい。特定の実施例に於いては、複数の部分帯が異なる帯から選択され、残りの周波は帯域通過フィルタにかけられる。特定の実施例に於いては、複数の部分帯応答が向上され、残りの周波数応答が減衰される。
【0074】
情報理論に基づくバンド調整モデルが、選択的データセット、被験者及びタスクに独特な帯の適応的抽出して神経情報収納データを向上すべく使用される。適応的抽出は、ファジイスケイリングを使用することで実施されてもよい。複数回に亘って刺激が提供され向上された測定値が決定され、複数の呈上に亘っての変化プロファイルを決定することが出来る。変化プロファイルを決定することにより、一次的応答の向上応答ならびにマーケティング及びエンタテインメント刺激の長命(消耗)を提供することが出来る。複数の個人から協調的に提出される刺激への同期的応答が測定されて、被験者に亘る向上された効率の同期程度が提供される。種々の実施例に於いて、同期的応答は離れた位置に住む複数の被験者或は同じ地区に住む複数の被験者に対して決定されてよい。
【0075】
種々の合成機構が記述されて居るが、機構間に於ける反応の有無に拘らず、何個の機構を順番的に、或は並列的に適応してもよいことを銘記すべきである。
【0076】
モダリティ内合成機構は向上された意味(significance)データを供給するものであるが、追加的にモダリティ間合成機構も適応出来るものである。EEG、眼球追跡、GSR、EOG,及び顔面運動符号化など各種の機構がモダリティ間合成機構に接続される。その他の機構及び現存の機構の変形及び向上品も含まれてよい。種々の実施例に於いて、特定のモダリティからのデータが一個以上の他のモダリティからのデータを使用して向上させられる。特定の実施例に於いては、 EEGが典型的にアルファ、ベータ、及びガンマのような異なる帯でしばしば計測して、効率の推定を供給する。しかし、効率の計測価は他のモダリティからの情報を使用することによって更に向上し得るものであると言うことを、本発明のテクニックは認めるものである。
【0077】
例えば、顔面感情エンコーディング測定はEEG感情関与測定の数価を向上するのに使用可能である。対象実体のEOGと眼球追跡衝動計測は、注意力、感情的関与、及び記憶保持を含み且つそれに限定されない効率のEEG推定を向上させるのに使用可能である。種々の実施例に於いて、モダリティ間合成機構は異なるモダリティからのデータを整列させるようにデータの時間シフト及び位相シフトを行う。或る例に於いては、顔面感情測定値が変化する数百ミリ秒前にEEG応答がしばしば起こることが認められて居る。相関性が得られ、時間シフト及び位相シフトがグループによってのみならず、個別にも行い得る。別の例に於いては、衝動的眼球運動を特定のEEG応答の前後に起こるものとして決定してもよい。種々の実施例に於いては、時間的に関連したGSR測定値が注意力、感情的関与及び記憶保持測定を含む効率のEEG推定の規模変更及び向上に使用される。
【0078】
特定の部位での特定の時間領域差イベント関連電位成分(例えばDERP)の発生或は不発生の証拠は特定の刺激への被験者の感応度に関連する。種々の実施例に於いて、ERP計測値はマーケティング及びエンタテインメントの刺激の提出に応じ、EEG時間−周波数計測値(ERPSP)を使用して向上される。特定の部分が抽出され、分離されて実行されるERP,DERP,及びERPSPが特定される。特定の実施例に於いては、注意力、感情、及び記憶保持(ERPSP)のEEG周波数推定が共因子としてERP,DERP,及び時間−領域応答解析の向上に使用される。
【0079】
EOGは眼球衝動を計測して刺激の特定した対象への注意力の存在を決定する。眼球追跡は被験者の熟視経路、刺激の特定対象の上の位置及び滞留を計測する。種々の実施例に於いて、EOG及び眼球追跡は、眼球衝動到来の勾配で誘発された後頭部及び線条体外領域内の現行EEG内のラムダ波(眼球衝動効率の 神経生理学的指数)の存在を計測し、EOG及び眼球追跡計測値の効率を推測することにより向上される。特定の実施例に於いては、眼球衝動到来に先行した緩慢な電位移動及びFEF(Frontal Eye Field)領域での時間−周波数コヒーレンスの値が計測され眼球衝動活動のデータの効率が向上される。
【0080】
GSRは典型的に提供された刺激に応じた一般的興奮の変化を測定する。種々の実施例に於いて、GSRはEEG/ERP応答及びGSR計測を関連して被験者の用務を向上することで向上される。GSR潜在ベースラインが刺激への時間的相関GSR応答の構成に使用される。時間的相関GSR応答はEEG計測と共因子化されてGSR計測値が向上される。
【0081】
種々の実施例に於いて、顔面感情エンコーディングには試験前に種々の感情を表現する個人の顔面筋肉位置及び運動を計測して生成されるテンプレートが使用される。これらの個人に独特な顔面感情記号化テンプレートは個々の応答と比較され、被験者の感情的応答が特定される。特定の実施例に於いては、特定周波数帯でのEEG応答に於ける半球間非対称を評価し、周波数帯相互作用を測定することによって、これら顔面感情エンコーティング測定が向上される。本発明のテクニックに於いては、特定の周波数帯がEEG応答に於いて有意義であるのみならず、脳の特定領域間の交信に使用される特定の周波数帯が有意義であることが、認められて居る。従って、これらのEEG応答はEMG,図形的、及びビデオに基づく顔面感情特定を向上する。
【0082】
種々の実施例に於いて、脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の刺激前と刺激後の差分(DERP)が607に於いて計測される。この差分測定は刺激に起因する応答を引き出す機構を与えるものである。例えば広告に起因する伝言応答或は複数のブランドに起因するブランド応答は共鳴前及び共鳴後推定を使用して決定される。
【0083】
609に於いて、脳の複数領域に於けるターゲット対ディストラクタ刺激差分応答(target versus distracter stimulus differential responses, DERP)が決定される。611に於いて、差分応答のイベント関係時間−周波数解析(DERPSP)が使用されて複数の周波数帯に亘って注意力、感情及び記憶保持測定値がアクセスされる。種々の実施例に於いて、この複数の周波数帯にはテータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及び高ガンマ、或はカッパが含まれる。613に於いて、複数の試行が実施されて共鳴測定が向上される。
【0084】
615に於いて、無線、有線、衛星或はデータ送信可能なその他の種類の通信ネットワークにより送信するデータ通信装置にプロセスされたデータが供給される。データは617に於いて共鳴推定装置に供給される。種々の実施例に於いて、データ通信装置は種々の従来のバス、有線ネットワーク、無線ネットワーク、衛星及び専用通信プロトコルのみならず、ファイル転送プロトコル(FTP),ハイパテキスト転送プロトコル(HTTP)のようなプロトコルを使用してデータを送信する。種々の実施例に於いて、データはテレコミュニケイション、無線、インタネット、衛星、或はデータ統合及び解析のために複数の被験者位置から情報を搬送可能なその他の通信機構を使用して送られる。この機構はセットトップボクス、コンピュータシステム、受信機、可動装置などに統合されて居てもよい。
【0085】
特定の実施例に於いて、データ通信装置は共鳴推定装置にデータを送信する。種々の実施例に於いて、共鳴推定装置は種々の実体及び対象物の位置、運動、加速度及び空間関係のような刺激材料属性に関する情報を使用して解析され向上された応答と刺激材料と結合する。特定の実施例に於いて、共鳴推定装置は更に効果的に共鳴パターンが評価されるように、使用者行為及び調査応答を解析され向上された応答データと共に収集し統合する。
【0086】
図7は、共鳴を推定するテクニックを示す。種々の実施例に於いて、異なるモダリティからの測定値が701で獲得される。種々の実施例に於いて、微分イベント関係電位(DERP)、微分イベント関係電力スペクトラル摂動(DERPSP)、瞳孔応答などを含む測定値が融合され結合測定値が703に於いて得られる。特定の実施例に於いて、融合のために各測定値は適当に整列することが必要かもしれない。種々の実施例に於いて、共鳴推定装置はモダリティに亘ってデータ解析装置からの異なる測定値を使用し融合する機構を含む。特定の実施例に於いて、データはDERP測定値、DERPSP、瞳孔応答、GSR、眼球運動、コヒーレンス、及びラムダ波に基づく応答を含む。モダリティに亘る測定値は融合されて使用者共鳴の合成測定値が引き出される。
【0087】
705に於いてDERP、DERPSP、瞳孔応答などのような神経応答測定値が統計的、人口統計的及び/或は調査に基づく情報と結合される。装置は713に於ける追加的刺激準備/呈示のために神経生理学的及び神経行為的応答を(統計的、人口統計的及び/或は調査に基づく)刺激に関するその他の属性及び情報と統合する機構を含む。
【0088】
共鳴推定装置は更にプロフィルを洗練し時間に亘って特定の刺激或は刺激の連続への返答の変化を追跡する適応的習得部を含むことが出来る。この情報は呈示属性を決定するための情報の使用のようなその他の目的に利用可能にすることが出来る。種々の実施例に於いて、共鳴推定装置は評価使用のためのインデクスを生成する。データ及び測定値は後の時点での検索及び解析の為に収納される。
【0089】
種々の実施例に於いて、データ収集機構、モダリティ内合成機構、モダリティ間合成機構などのような種々の機構は複数の装置に実装される。しかし、これらの種々の機構は単一システムにハードウエア、ファームウエア及び/或はソフトウエアとして実装することも可能である。図8は。一個以上の機構を実装するのに使用出来るシステムの一例である。例えば図8に示されるシステムは共鳴測定システムに使用が出来る。
【0090】
特定の実施例に於いて、本発明の特定の実施例を実施するのに好適なシステム800はプロセサ801、メモリ803、インタフェイス811及びバス815(例えばPCIバス)を含むものである。適当なソフトウエア或はファームウエアの制御のもとで運行して居る場合、パタン生成のようなタスクの責任はプロセサ801にある。プロセサ801の代わりとし、或はプロセサ801に追加的に、種々の特別に構成された装置も使用可能である。カストマイズされたハードウエアによっても完全実施は可能である。インタフェイス811は典型的にネットワークを通じてデータパケット或はデータ切片を送信したり受信したりするように構成されて居る。装置に支持される特種例のインタフェイスにはホストバスアダプタ(host bus adapter(HBA))インタフェイス、エサネットイインタフェイス、フレイムリレイ(frame relay)インタフェイス、ケーブルインタフェイス、DSLインタフェイス、トークンリング(token ring)インタフェイスなどが含まれる。
【0091】
更に、高速エサネットインタフェイス、ギガビットエサネットインタフェイス、ATMインタフェイス、HSSIインタフェイス、POSインタフェイス、FDDIインタフェイス、などのような種々の非常に高速のインタフェイスが供されてもよい。一般に、これらのインタフェイスは適当なメディアとの交信に適当なポートを含んでもよい。場合によっては独立プロセサを含んでもよく、揮発性RAMであってもよい。独立プロセサはデータ合成のような交信集中的タスクを制御することが出来る。
【0092】
特定の実施例に於いて、システム800はデータ、アルゴリズム、及びプログラム使用法の記録にメモリ803を使用する。プログラム使用法とは、例えばオペレイティングシステムの操作、及び/或は一つ以上のアプリケイションを制御するものであってよい。一個以上のメモリは受信されたデータ及び作用受信データを記録するように構成されたものであってよい。
【0093】
このような情報やプログラム使用法は此処で記述されたシステム/方法を実施するのに使用され得るので、本発明は此処に記載された種々の操作を実施するためのプログラム使用法、状態情報などを含む有形な機械で読む事の出来るメディアに関するものである。機械で読む事の出来るメディアの例にはハードディスク、フロッピイディスク、及び磁気テープのような磁気メディア、CD−ROMディスクやDVDのような光学メディア、光学ディスクのような磁気光学的メディア、及びROMやRAMのようなプログラム使用法の記録及び実施用に特に構成されたハードウエア装置を含むが、それに限られるものではない。プログラム使用法はコンパイラによって生成される機械コード及び翻訳機を使用してコンピュタによって実施され得る高レベルのコードの双方を含むものである。
【0094】
本発明は明確に理解されるべく詳細に亘って記述されたものであるが、此処に添付するクレームの範囲内に於いて、若干の変更が可能であることは明白であろう。従って、この開示は例示的なもので、限定的なものではないと解釈されるべきものであり、発明は此処に示された詳細に限定されず、添付されたクレームと均等の範囲内で変更され得るものと解釈すべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者に刺激材料を与えるように動作可能な刺激提示装置と、
刺激前及び刺激後のイベント関係電位(ERP)測定値を含む神経応答データを獲得し、脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の差分測定値(DERP)を決定するように動作可能なデータ収集装置と、
前記刺激材料と前記刺激材料の属性への被験者共鳴測定値を決定するように動作可能な共鳴評価装置と、
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
上記データ収集装置が、脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の差分測定値(DERP)を決定するために、ターゲット・ディストラクタERP測定値を得るように更に動作可能である、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、
上記データ収集装置が、前記差分応答のイベント関係時間−周波数解析を獲得し、複数の周波数帯に亘って注意力、感情、及び記憶保持を査定する(DERPSP)ように更に動作可能である、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、
上記複数の周波数帯がテータ、アルファ、ベータ、ガンマ、及び高ガンマを含むものである、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、
上記刺激材料の属性が、通信、概念、経験、伝言、画像、オーディオ、価格設定、包装を含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記被験者共鳴測定値が、追加的マーケティング、広告、及びその他の聴覚的/視覚的/触覚的/嗅覚的刺激の為の選択的対象を特定するために使用される、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、更に、
前記DERPを決定するように動作可能なデータ解析装置を備える、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
上記データ収集装置が、更に、前記被験者の瞳孔拡張、電気的皮膚応答(GSR)、及び心拍数測定値を獲得するように動作可能である、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記神経応答データ、が中枢神経系システムデータ及び自律神経系システムデータを含む、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記神経応答データが、中枢神経系システムデータ及び作動体データを含む、システム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、
注意力、感情、及び記憶保持を含む神経学的及び神経生理学的測定値の組み合わせが、共鳴評価の実施に使用される、システム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、
前記神経応答データが、複数人の被験者から乾燥電極を有する携帯用脳波記録法(EEG)を使用して獲得される、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、
第一モダリティからの神経応答データが第二モダリティからの神経応答データと整列されて組み合わされるものである、システム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムであって、
第一モダリティからの神経応答データの第二モダリティからの神経応答データへの整列が、時間シフト及び位相シフトから成るものである、システム。
【請求項15】
被験者に刺激材料を与える工程と、
刺激前及び刺激後のイベント関係電位(ERP)測定値を含む神経応答データを獲得し、脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の差分測定値(DERP)を決定する工程と、
前記刺激材料と前記刺激材料の属性への被験者共鳴測定値を決定する工程と、
を備える方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、更に、
脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の差分測定値(DERP)を決定するためにターゲット・ディストラクタERP測定値を得る工程、
を備える方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記差分応答のイベント関係時間−周波数解析を獲得し、複数の周波数帯に亘って注意力、感情、及び記憶保持を査定する(DERPSP)工程、
を備える方法。
【請求項18】
被験者に刺激材料を与える手段と、
刺激前及び刺激後のイベント関係電位(ERP)測定値を含む神経応答データを獲得し、脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の差分測定値(DERP)を決定する手段と、
前記刺激材料と前記刺激材料の属性への被験者共鳴測定値を決定する手段と、
を備える装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、更に、
脳の複数領域に於けるERP時間領域成分の差分測定値(DERP)を決定するためにターゲット・ディストラクタERP測定値を得る手段、
を備える装置。
【請求項20】
請求項18に記載の装置であって、更に、
前記差分応答のイベント関係時間−周波数解析を獲得し、複数の周波数帯に亘って注意力、感情、及び記憶保持を査定する(DERPSP)手段、
を備える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−535083(P2010−535083A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520159(P2010−520159)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/071639
【国際公開番号】WO2009/018374
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(509191137)ニューロフォーカス・インコーポレーテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】NeuroFocus Incorporated
【Fターム(参考)】