説明

神経芽腫を処置するためのラパマイシン誘導体

所望により第2の薬剤と一緒に、神経芽細胞腫の処置において使用するためのラパマイシン誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラパマイシン誘導体の使用による神経芽腫処置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラパマイシン誘導体は、急性同種移植片拒絶反応の処置における、例えば、免疫抑制剤として有用であることが発見されており、さらに、特に固形腫瘍、とりわけ進行した固形腫瘍の処置のための、癌化学療法として役立つ強い抗増殖特性を有する。
【0003】
神経芽腫は、悪性(癌)細胞が副腎、首、胸部、または脊髄の神経組織において形成される疾患である。
神経芽腫は最も一般的な頭蓋外小児癌および幼児期に発生する最も一般的な腫瘍である。それは神経芽細胞(多能性交感神経細胞)から生じる自立神経系の胚性悪性腫瘍である。発育している胚において、これらの細胞は陥入し、中枢神経軸に沿って拡散し、そして交感神経節、副腎髄質、および他の部位に居住し、例えば、副腎、首、胸、または脊髄の神経組織における悪性(癌)細胞を形成する。
【0004】
神経芽腫は、しばしば副腎の神経組織において発生する。上腹部の背中側のそれぞれの腎臓の上に1個ずつ、2個の副腎が存在する。副腎は心拍、血圧、血糖、およびストレスに対する身体の応答の仕方の制御を助ける重要なホルモンを生産する。神経芽腫は、また、胸部、首の脊椎近くの神経組織、または脊髄で発生し得る。
多数の神経芽腫は、しばしば幼児期、通常、5歳未満の幼い子供で発症する。それはときどき誕生前に形成されるが、通常、遅れて、腫瘍が増殖し始め、症状を発症および引き起こすときに発見される。
【0005】
胎児生育中の神経芽細胞の起源および移動パターンは、これらの腫瘍が発生する多数の解剖学的部位を説明する;腫瘍の位置は年齢で変化するようである。腫瘍が腹腔(例えば、40%副腎、25%傍脊椎神経節)または他の部位(例えば、15%胸部、5%骨盤、3%頸部腫瘍、12%混合型)で発生する。
神経芽腫と診断されるまでに、癌は通常、ほとんどのとき、リンパ節、骨、骨髄、肝臓および皮膚に転移(拡散)している。
小さい腫瘍が出生前超音波検査で幼児で検出されるが、多数の患者は腫瘍増殖に関連した徴候および症状を示す。大きな腹部腫瘍は、しばしば、腹部周りの増加および他の局所症状(例えば、疼痛)をもたらす。傍脊椎ダンベル状腫瘍は脊柱管へ伸長し、脊髄を侵し、そして神経機能障害を引き起こし得る。
【発明の開示】
【0006】
本発明により、驚くべきことに、ラパマイシン誘導体が神経芽腫およびそれに関連する障害を処置する傾向があることを見いだした。
【0007】
第1の局面において、本発明は下記を提供する:
1.1 神経芽腫を処置するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
1.2 神経芽腫の増殖を阻害するための方法であって、それらの処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
1.3 神経芽腫の緩解、例えば、腫瘍質量低減を誘導するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
1.4 神経芽腫侵襲性または腫瘍増殖と関連する症状を処置するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
【0008】
1.5 神経芽腫の転移拡散を予防するまたは転移の増殖を予防もしくは阻害するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
1.6 神経芽腫と関連する障害を処置するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
1.7 神経芽腫を阻止または制御するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
1.8 神経芽腫に対する化学療法剤の活性を増強するか、または化学療法剤の耐性を克服するための方法であって、その処置を必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。;
(例えば、ここで、上記1.1から1.8のラパマイシン誘導体は好ましくは単一の活性剤として使用する)
【0009】
本発明の神経芽腫を処置するための方法は、上記1.2から1.8の下に定義されているいずれかの方法を含む。
【0010】
他の局面において、本発明は下記を提供する:
2.1 神経芽腫を処置するために使用するためのラパマイシン誘導体。
2.2 神経芽腫の増殖を阻害するためのラパマイシン誘導体。
2.3 神経芽腫の緩解、例えば、腫瘍質量低減を誘導するために使用するためのラパマイシン誘導体。
2.4 神経芽腫侵襲性または腫瘍増殖と関連する症状を処置するために使用するためのラパマイシン誘導体。
2.5 神経芽腫の転移拡散を予防するまたは転移の増殖を予防もしくは阻害するために使用するためのラパマイシン誘導体。
2.6 神経芽腫と関連する障害を処置するために使用するためのラパマイシン誘導体。
2.7 神経芽腫を抑制または制御するために使用するためのラパマイシン誘導体。
2.8 化学療法剤の活性を増強するか、または神経芽腫に対する化学療法剤の抵抗性を克服するために使用するためのラパマイシン誘導体;
(例えば、ここで、上記2.1から2.8のラパマイシン誘導体は好ましくは単一の活性剤として使用する)。
【0011】
本発明に従って神経芽腫を処置するために使用するためのラパマイシン誘導体は、上記2.2から2.8の下に定義されているいずれかの方法を含む。
さらなる局面において、本発明は下記を提供する:
3.1 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、上記1.1から1.8または2.1から2.8の下に定義されているいずれかの方法または使用で使用するための、薬剤の製造において使用するためのラパマイシン誘導体。
3.2 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、上記1.1から1.8または2.1から2.8の下に定義されているいずれかの方法または使用で使用するための、薬剤の製造のためのラパマイシン誘導体の使用。
【0012】
本発明により提供される方法または使用において、ラパマイシン誘導体は、好ましくは、医薬組成物の形態で使用する。
【0013】
他の局面において、本発明は、下記を提供する:
4.1 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、上記1.1から1.8または2.1から2.8の下に定義されているいずれかの方法または使用で使用するための、ラパマイシン誘導体を少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば、増量剤、結合剤、崩壊剤、流動調節剤、滑剤、糖または甘味剤、芳香剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節するための塩および/バッファーを含む、例えば、適当な担体および/または希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
【0014】
本明細書で使用される神経芽腫は、例えば下記を含む:
−脱力、跛行、麻痺、および膀胱および大腸機能障害さえを含む神経症状の存在をもたらし得る、脊髄小孔を介して脊柱管へ傍脊椎交感神経節が成長し、脊髄を侵す腫瘍;
−無症候性であり得て、通常、他の理由のために得られた画像試験により診断される胸部神経芽腫(縦隔後部)。示される徴候または症状は、ほんのわずかであり得て、胸部X線検査に至る軽度の気道閉塞または慢性咳を含む;
−ホルネル症候群を発症し得る首へ伸長する胸部腫瘍。原発性頸部神経芽腫はまれであるが、とりわけ摂食または呼吸困難を有する1歳未満の幼児においては、首の塊の鑑別診断を考慮すべきである;
−6か月未満の幼児の低い割合で、神経芽腫は肝臓、皮膚および骨髄に限定された原発性小腫瘍および転移疾患を示す。腫瘍のこの型が新生児で発症したとき、皮膚損傷は先天性風疹と混同され得、患者が重度の皮膚への浸潤を有するとき、ブルーベリーマフィンなる用語を使用し得る;
−少数の患者はミオクローヌス痙攣およびランダムな眼球運動の存在により特徴付けられる腫瘍随伴症候群である眼球クローヌスおよびミオクローヌスを示す。
【0015】
神経芽腫の最も一般的な症状は腫瘍が増殖するときの近くの組織への圧力、または骨へ拡散する癌により引き起こされる。神経芽腫の症状は、例えば、腹部(腹部腫瘤)、首、または胸における塊、眼球突出、腫瘍により引き起こされる制御できない眼球運動、転移(腫瘍拡散)により引き起こされる眼の周辺の膨張および挫傷、眼の周辺のくま(“眼瞼皮下出血”)、骨疼痛、幼児の腹部腫脹および呼吸障害、無痛、幼児の皮膚下の青みがかった塊、例えば、脊髄障害があるときに示される脱力または麻痺(身体の一部の運動する能力の喪失)疼痛を含む。神経芽腫のあまり一般的ではない症状は、例えば、熱、息切れ、疲労感、易内出血または易出血(貧血または内出血は、例えば骨髄障害があるときに存在し得る)、点状出血(出血により引き起こされる皮膚下の平らな細かい点)、高血圧、心拍数増加、重度の水様性下痢(腫瘍による腎臓または膀胱の圧迫が排尿の変化を引き起こし得る)、腫瘍により生産される物質により引き起こされる下痢(血管活性腸管ペプチドまたはVIP)、痙攣的な筋肉運動、制御できない眼球運動、足、足関節、足部または陰嚢の腫脹を含む。
前記および下記腫瘍、腫瘍疾患、癌腫または癌が記載されているとき、元の臓器もしくは組織および/またはなんらかの他の位置の転移も、腫瘍および/または転移の位置がどこであれ、代わりにまたは加えて意味する。
【0016】
本発明の方法または使用で提供されるラパマイシン誘導体は、40および/または16および/または32位で置換されているラパマイシンを含む。
このようなラパマイシン誘導体は、40−O−アルキル−ラパマイシン誘導体、例えば、40−O−ヒドロキシアルキル−ラパマイシン誘導体、例えば、40−O−(2−ヒドロキシ)−エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、
40位をヘテロシクリルにより置換されているラパマイシン誘導体、例えば、40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT578としても既知)、
32−デオキソ−ラパマイシン誘導体および32−ヒドロキシ−ラパマイシン誘導体、例えば、32−デオキソラパマイシン、
16−O−置換ラパマイシン誘導体、例えば、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、
酸素基で40位をアシル化されているラパマイシン誘導体、例えば、40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)−2−プロピオン酸メチル]−ラパマイシン(CCI779またはテムシロリムスとしても既知)、
例えば、AP23573、例えば、40−O−ジメチルホスフィニル−ラパマイシンを含む、WO9802441またはWO0114387に記載されているようなラパマイシン誘導体(ときどきラパログとも称される)
40−O−(2−エトキシ)エチル−ラパマイシン、およびTAFA−93、AP23464、AP23675またはAP23841の名の下に記載されている化合物を含むバイオリムス(バイオリムスA9)の下に記載されている化合物;または
例えば、WO2004101583、WO9205179、WO9402136、WO9402385およびWO9613273に記載されているようなラパマイシン誘導体を含む。
【0017】
本発明の方法または使用で提供される好ましいラパマイシン誘導体は、式
【化1】

で示される化合物、
例えば、式
【化2】

〔式中、
はCHまたはC3−6アルキニルであり、
はH、−CH−CH−OHまたは−CH−CH−O−(C1−8)アルキル、例えば−CH−CH−O−CH−CHであり、
そして、
Xは=O、(H、H)または(H、OH)である
(ただし、Xが=Oであり、そしてRがCHであるときRはH以外である)〕
で示される化合物または化合物ABT578(例えばゾタロリムスとも称される)、化合物CCI779(例えばテムシロリムスとも称される)、化合物AP23573(Ariadの)、例えば、40−(ジメチルホスフィニル)−ラパマイシンまたは化合物TAFA−93(Isotechnikaの)を含む。
本発明の方法または使用において提供される好ましいラパマイシン誘導体は、R、RおよびXが上記定義のとおりである(ただし、Xが=Oであり、そしてRがCHであるときRはH以外である)式Iの化合物を含む。
【0018】
式Iの化合物は、バイオリムス、例えば、Rがメチルであり、Xが=Oであり、そしてRが−CH−CH−O−CH−CHである式Iの化合物であるバイオリムス−9を含む。
【0019】
好ましくは式Iの化合物は、
ラパマイシン、および/または
40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、および/または
32−デオキソラパマイシン、および/または
16−ペンタ−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、および/または
16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、および/または
16−ペンタ−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、例えば、
40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシンおよび/または32−デオキソラパマイシン、
例えば、40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン(エバロリムスとしても既知)を含む。
【0020】
本発明の方法または使用において提供されるラパマイシン誘導体は、“本発明の(による)化合物”としても本明細書に記載されている。
【0021】
本発明のすべての化合物は、単独または1種またはそれ以上、少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせて、例えば、上記1.1から1.8、2.1から2.8、3.1、3.2または4で定義のとおりの、本発明により提供されるすべての方法、すべての使用およびすべての医薬組成物で使用できる(例えば、ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【0022】
他の局面において、本発明は下記を提供する:
5.1 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用のための、本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤の組合せ。
5.2 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用のための、本発明の化合物を少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせて含む医薬組合せ。
5.3 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用の下に定義の通りの方法または使用のための、本発明の化合物を少なくとも1種の第2の薬剤および1種またはそれ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物。
5.4 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用で使用するための、第2の薬剤と組み合わせて使用するための薬剤を製造するための本発明の化合物の使用。
5.5 例えば、上記定義の好ましい局面を含む、例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用で使用するための、薬剤の製造のための少なくとも1種の第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物。
5.6 例えば、医薬組合せまたは組成物の形態で、同時にまたは連続して、治療有効量の本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤を共投与することを含む、上記定義の好ましい局面を含む、1.1から1.8または2.1から2.8の下に定義されているいずれかの方法。
5.7 本発明の化合物を断続的に投与する、上記5.6のいずれかに記載の方法。
(例えば、ここで、上記5.1から5.7において、好ましくはラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【0023】
組合せは本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が同じ製剤中である固定された組合せ;別々の製剤で本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤を同じパッケージで、例えば、共投与の指示書と一緒に提供されるキット;および本発明の化合物および少なくとも1種の第2の薬剤が別々にパッケージングされているが、同時にまたは連続して投与するための指示書が与えられる、自由な組合せを含む。
【0024】
他の局面において、本発明は、下記を提供する:
例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用で使用するための、
5.8 本発明の化合物である第1の薬剤および少なくとも1種の第2の薬剤と組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
5.9 本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤と組合せ投与するための指示書を含む医薬パッケージ;
5.10 少なくとも1種の第2の薬剤と本発明の化合物と組合せ投与するための指示書を含む医薬パッケージ
(例えば、ここで、上記5.8から5.10において、好ましくはラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【0025】
本発明の組合せ処置は単剤処置と比較しての改善を提供する。
他の局面において、本発明は、下記を提供する:
例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用で使用するための、
5.11 相乗治療効果を得るために適当な量の本発明の化合物および第2の薬剤を含む医薬組合せ。
5.12 例えば、同時にまたは連続して、治療有効量の本発明の化合物および第2の薬剤を共投与することを含む本発明の化合物の治療有用性を改良するための方法。
5.13 例えば、同時にまたは連続して、治療有効量の本発明の化合物および第2の薬剤を共投与することを含む、第2の薬剤の治療有用性を改良するための方法
(例えば、ここで、上記5.11から5.13において、好ましくはラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【0026】
上記5.1から5.13の下に定義されている医薬組合せ、組成物、パッケージまたは方法において、本発明の化合物または第2の薬剤の活性を単剤処置と比較して増強することができ、例えば、上記1.1から1.8または2.1から2.8のいずれかの下に定義されている方法または使用で使用するとき、例えば、組合せ処置は相乗効果をもたらすか、または本発明の化合物または化学療法剤に対する耐性を克服できる。
【0027】
5.1から5.13の下に定義されている(医薬)組合せ、パッケージまたは組成物は下記を含む
a)本発明の化合物である第1の薬剤および
b)例えば、上記または下記に定義の化学療法剤である、共薬剤としての第2の薬剤
(例えば、ここで、ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【0028】
本発明により提供される処置は防止(予防)を含む。本明細書で使用される障害は疾患を含む。
このような処置に関して、適当な用量はもちろん、例えば、使用される本発明の化合物の化学的性質および薬物動態学的データ、個々の宿主、投与経路および処置される状態の性質および重症度に依存して変化する。しかし、一般に、大型哺乳類、例えばヒトにおいて満足のいく結果のための指示される1日用量は
−約0.0001gから約1.5g、例えば0.001gから1.5g、
−約0.001mg/kg体重から約20mg/kg体重、例えば0.01mg/kg体重から20mg/kg体重、
の範囲を含み、
例えば1日に4回までの分割用量で投与される。
【0029】
本発明により提供される方法、使用、組合せ、医薬組合せまたは医薬組成物において、本発明の化合物は、適当、例えば、本発明の化合物に対して既知である用量で、投与形路、例えば、経腸的、例えば、経口的、または非経腸的のいずれかにより投与できる。例えば、エベロリムスは、例えば、経口的に、0.1mgから15mg、例えば、0.1mgから10mg、例えば、0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、2.5mg、5mg、または10mg、より好ましくは0.5mgから10mgの用量で、例えば、(分散できる)錠剤で;例えば、固体分散体の形態でエベロリムスを含んで投与でき;例えば、1週間の用量は処置すべき疾患に依存して70mgまで、例えば、10から70、例えば、30から50mgであり得る。本発明の他のラパマイシン誘導体は同じ用量範囲で投与できる。
【0030】
第2の薬剤は、適当に、例えば、慣用の方法に従って、例えば、特定の薬剤で単剤処置のために与えられた投与指示に準じて、組合せ治療において投与できる。
【0031】
本明細書で使用される第2の薬剤は、なんらかの慣用の経路で、例えば、経鼻、経口内、経直腸、経口投与を例えば含む経腸;静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内注入、経皮(表皮を介する拡散)、経粘膜(粘膜を介する拡散)、吸入投与を含む非経腸で;腹腔内(腹腔への注入または注射)に;硬膜外(epidural)(硬膜上腔への注射または注入)に;髄腔内(髄液への注射または注入)に;硝子体内(眼を介する投与)に;または、例えば、局所送達のための医療デバイス、例えば、ステントを介して
例えば、被覆または非被覆錠剤、カプセル、(注射)溶液、注入溶液、固溶体、懸濁液、分散体、固体分散体の形態で;例えば、アンプル剤、バイアルの形態で、クリーム、ゲル、ペースト、吸入粉末、泡状物、チンキ剤、リップスティック、ドロップ、スプレー状の形態で、または座薬の形態で投与できる。
【0032】
本明細書で使用される第2の薬剤は、薬学的に許容される塩形、または遊離形;所望により溶媒和物形で投与できる。
本発明の医薬組成物は、慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、例えば、混合、造粒、被覆、溶解または凍結乾燥法により製造できる。単位用量形は、例えば、約0.1mgから約1500mg、例えば、1mgから約1000mgを含み得る。
本発明の組合せを含む医薬組成物および本明細書に記載のとおりの第2の薬剤を含む医薬組成物は、適当なとき、例えば、慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、または本発明の医薬組成物に対して本明細書で記載のとおりで提供され得る。
【0033】
本明細書で使用される“第2の薬剤”なる用語は本発明の化合物以外の化学療法剤を意味する(ただし、ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【0034】
例えば、本明細書で使用される第2の薬剤は、例えば、抗癌剤、抗炎および/または免疫調節および/または抗アレルギー剤を含む。
例えば、本明細書で使用される第2の薬剤は例えば、神経芽腫またはそれらに関連する症状の処置において有用である薬剤を含む。
【0035】
本発明の化合物との組合せパートナーとして有用でありそうな、例えば、本発明で有用でありそうな抗癌剤は、例えば、下記を含む
i.ステロイド;例えば、プレドニゾン。
ii.アデノシンキナーゼ阻害剤;これは核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝物を標的、減少または阻害する、例えば、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、5−ヨード−7−β−D−リボフラノシル−(9Cl)としても既知である5−ロドツベルシジン(lodotubercidin)。
iii.アジュバント;これは5−FU−TS結合ならびにアルカリホスファターゼを標的、減少または阻害する化合物を増強する、例えば、ロイコボリン、レバミゾール。
【0036】
iv.副腎皮質アンタゴニスト;これは副腎皮質の活性を標的、減少または阻害し、コルチコステロイドの末梢代謝を変化させ、17−ヒドロキシコルチコステロイドの減少をもたらす、例えば、ミトタン。
v.AKT経路阻害剤;例えば、タンパク質キナーゼB(PKB)としても既知であるAktを標的、減少または阻害する化合物;例えば、3H−ビス[1]ベンゾピラノ[3,4−b:6’,5’−e]ピラン−7(7aH)−オン、13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−、(7aS、13aS)−(9Cl)としても既知であるデグエリンおよび1,4,5,6,8−ペンタアザアセナフチレン−3−アミン、1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシル;KP372−1(QLT394)としても既知であるトリシリビン。
【0037】
vi.アルキル化剤;これはDNAのアルキル化を中断し、DNA分子ならびに二重らせんの架橋の破壊をもたらし、DNA複製およびRNAの転写を妨げる、例えば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、エストラムスチン;ニトロソウレア、例えば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(ストレプトゾトシン、STZ)、BCNU;Gliadel;ダカルバジン、例えば、塩酸塩形態のメクロレタミン、例えば、塩酸塩形態のプロカルバジン、チオテパ、テモゾロマイド、窒素マスタード、マイトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、エストラムスチン、ウラムスチン。シクロホスファミドはCYCLOSTIN(登録商標);イフォスファミドは、HOLOXAN(登録商標)の下に、テモゾロマイドは、TEMODAR(登録商標)の下に、窒素マスタードは、MUSTARGEN(登録商標)の下に、エストラムスチンは、EMYCT(登録商標)の下に、ストレプトゾシンは、ZANOSAR(登録商標)の下に、例えば市販の形態で投与できる。
【0038】
vii.血管形成阻害剤;これは新規血管の製造を標的、減少または阻害するか、例えば、これはメチオニンアミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1α)、CCL5、TGF−β、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ、およびトポイソメラーゼを標的とするか、またはこれはp21、p53、CDK2およびコラーゲン合成を間接的に標的とする、例えば、2,4,6,8−デカテトラエン二酸、モノ[(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクタ−6−イル]エステル、(2E,4E,6E,8E)−(9CI)としても既知であるフマギリン;1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても既知であるシコニン;安息香酸、2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]−(9Cl)としても既知であるトラニラスト;スラミン;ベンガミドまたはその誘導体、サリドマイド、TNP−470を含む。
【0039】
viii.抗アンドロゲン;これは良性および悪性前立腺組織の増殖を刺激する副腎および精巣起源のアンドロゲンの作用をブロックする、例えば、ニルタミド;例えば、US4636505に記載のとおりに製造できるビカルタミド(CASODEX(登録商標))。
【0040】
ix.抗エストロゲン;これはエストロゲン受容体濃度でエストロゲンの作用に拮抗する、例えば、エストロゲン生産、例えば、エストロンおよびエストラジオール各々に対する基質であるアンドロステンジオンおよびテストステロンの変換を阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、アタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、トレミフェン;ビカルタミド;フルタミド;タモキシフェン、クエン酸タモキシフェン;タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェン、塩酸ラロキシフェン。タモキシフェンは、例えば、市販されている形態、例えば、NOLVADEX(登録商標)で;および塩酸ラロキシフェンはEVISTA(登録商標)として投与できる。フルベストラントはUS4659516に記載のとおりに調剤でき、FASLODEX(登録商標)として販売されている。
【0041】
x.抗高カルシウム血症剤;これは高カルシウム血症を処置するために使用する、例えば、硝酸ガリウム(III)水和物;およびパミドロン酸ナトリウム。
【0042】
xi.代謝拮抗剤;これは細胞死をもたらすDNAの合成を阻害または崩壊させる、例えば、6−メルカプトプリン;シタラビン;フルダラビン;フレクスリジン;フルオロウラシル;5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスリジン(5−FUdR)、カペシタビン;ラルチトレキセド;メトトレキサート;クラドリビン;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;チオグアニン;6−チオグアニン、ヒドロキシウレア;DNA脱メチル化剤、例えば、5−アザシチジンおよびデシタビン;エダトレキサート;葉酸アンタゴニスト、例えば、ペメトレキセド。カペシタビンおよびゲムシタビンは、例えば、市販の形態、例えば、XELODA(登録商標)およびGEMZAR(登録商標)で投与できる。
【0043】
xii.アポトーシス誘導物;これは、例えば、X連鎖アポトーシスタンパク質の哺乳動物の阻害剤(XIAP)を選択的に誘導するか、または、例えば、BCL−xLを下方制御し細胞死へ導く細胞の正常な一組の事象を誘導する;例えば、エタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ]−(9Cl);ガンボジック酸;2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン、2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシルとしても既知であるエンベリン;三酸化ヒ素(TRISENOX(登録商標))。
【0044】
xiii.オーロラキナーゼ阻害剤;これはG2/Mチェックポイントから有糸分裂チェックポイントおよび後期有糸分裂までの細胞周期の後期を標的、減少または阻害する;例えば、メタンイミドアミド、N’−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−5−イル]−N,N−ジメチル−(9CI)としても既知であるビヌクレイン(binucleine)2。
【0045】
xiv.ブルートンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;これはヒトおよびマウスB細胞成長を標的、減少または阻害する;例えば、テレイック酸。
【0046】
xv.カルシニューリン阻害剤;これはT細胞活性化経路を標的、減少または阻害する、例えば、シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−,シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(9Cl)としても既知であるシペルメトリン;シクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル、(1R,3R)−(9Cl)としても既知であるデルタメトリン;ベンゼン酢酸、4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−,シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(9Cl)としても既知であるフェンバレレート;およびチルホスチン8(ただし、シクロスポリンまたはFK506を除く)。
【0047】
xvi.CaMキナーゼII阻害剤;これはホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む構造的に関連のある酵素のファミリーを構成するCaMキナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ−(9Cl)。
【0048】
xvii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;これは様々な炎症性および免疫性障害の処置において働くSrc−ファミリータンパク質−チロシンキナーゼにおける脱リン酸調節pTyr残基を標的、減少または阻害する;例えば、ホスホン酸、[[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]−(9Cl)。
【0049】
xviii.CDC25ホスファターゼ阻害剤;これは腫瘍において過剰発現した脱リン酸化サイクリン依存性キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロキシエチル)チオ]−(9Cl)。
【0050】
xix.CHKキナーゼ阻害剤;これは抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の過剰発現を標的、減少または阻害する;例えば、デブロモヒメニアルジシン。CHKキナーゼ阻害剤の標的はCHK1および/またはCHK2である。
【0051】
xx.ゲニステイン、オロモウシンおよび/またはチルホスチンを調節するための調節剤;例えば、4H−1−ベンゾピラン−4−オン、7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−(9Cl)としても既知であるダイゼイン;イソ−オロモウシン、およびチルホスチン1。
【0052】
xxi.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;例えば、Cox−2阻害剤;これは酵素cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的、減少または阻害する;例えば、1H−インドール−3−アセトアミド、1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル)−(9Cl);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えば、セレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;およびセレコキシブ。
【0053】
xxii.cRAFキナーゼ阻害剤;これはTNFにより誘導されるEセレクチンおよび血管接着分子1の上方制御を標的、減少または阻害する;例えば、3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドル−2−オン;およびベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−(9Cl)。Rafキナーゼは細胞分化、増殖およびアポトーシスにおいて細胞外シグナル調節キナーゼとして重要な役割を果たす。cRAFキナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、RAF1を含む。
【0054】
xxiii.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;これは哺乳動物細胞周期の調節において役割を果たすサイクリン依存性キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、N9−イソプロピル−オロモウシン;オロモウシン;安息香酸、2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても既知であるプラバラノールB;ロスコビチン(roascovitine);2H−インドル−2−オン、3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドル−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−(9CI)としても既知であるインディルビン;インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン、9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−(9CI)としても既知であるケンパウロン;1−ブタノール、2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−、(2R)−(9CI)としても既知であるプラバラノールA;インディルビン−3’−モノオキシム。細胞周期進行はサイクリン依存性キナーゼ(Cdks)およびサイクリンの活性化そしてその後不活性化を含む一連の事象により調節される。Cdksはサイクリンである制御サブユニットに結合することにより活性ヘテロ二量体複合体を形成するセリン/スレオニンキナーゼのグループである。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3βおよびERKを含む。
【0055】
xxiv.システインプロテアーゼ阻害剤;これは哺乳動物の細胞代謝回転およびアポトーシスにおける不可欠な役割を果たすシステインプロテアーゼを標的、減少または阻害する;例えば、4−モルホリンカルボキサミド,N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]−(9Cl)。
【0056】
xxv.DNA挿入剤;これはDNAに結合し、DNA、RNAおよびタンパク質合成を阻害する;例えば、プリカマイシン、ダクチノマイシン。
【0057】
xxvi.DNA鎖破壊剤;これはDNA鎖切断を引き起こし、DNA合成の阻害、RNAおよびタンパク質合成の阻害をする;例えば、ブレオマイシン。
【0058】
xxvii.E3リガーゼ阻害剤;これはプロテアソームでそれらを崩壊するためにマーキングするユビキチン鎖のタンパク質への移動を阻害するE3リガーゼを標的、減少または阻害する;例えば、N−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミド。
【0059】
xxviii.内分泌ホルモン;主に下垂体腺において作用するこれは男性において、正味の影響は去勢レベルまでのテストステロンの減少であるホルモンの抑制を引き起こす、;女性において、卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン両方の合成が阻害される;例えば、ロイプロライド;メゲストロール、酢酸メゲストロール。
【0060】
xxix.上皮細胞増殖因子ファミリーの受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えば、EGF受容体チロシンキナーゼファミリー、例えば、EGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4のメンバーを阻害するか、またはEGFまたはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、特にWO9702266、例えば、実施例39の化合物に一般的に具体的に記載されている化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、EP0564409、WO9903854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5747498、WO9810767、WO9730034、WO9749688、WO9738983および、とりわけ、WO9630347、例えば、CP358774として既知の化合物、WO9633980、例えば、ZD1839として既知の化合物;およびWO9503283、例えば、ZM105180として既知の化合物に記載されているもの、例えば、トラスツマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、例えば、WO03013541に記載されている7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、エルロチニブ、ゲフィチニブ。エルロチニブは、例えば、TARCEVA(登録商標)として、ゲフィチニブはイレッサ(登録商標)として市販されている形態、ABX−EGFRを含む上皮細胞増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体を投与できる。
【0061】
xxx.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;例えば、チルホスチン23、チルホスチン25、チルホスチン47、チルホスチン51およびチルホスチンAG825を含むEGFRキナーゼ阻害剤;2−プロペンアミド、2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−(2E)−(9Cl);チルホスチンAg1478;ラベンダスチンA;3−ピリジンアセトニトリル、α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−、(αZ)−(9Cl);EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は、例えば、チルホスチン46を含む。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤はチルホスチン46を含む。EGFRキナーゼ阻害剤の標的はグアニル酸シクラーゼ(GC−C)HER2、EGFR、PTKおよびチューブリンを含む。
【0062】
xxxi.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;これはRasタンパク質を標的、減少または阻害する;例えば、a−ヒドロキシファーネシルホスホン酸;ブタン酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−,1−メチルエチルエステル、(2S)−(9cl);マヌマイシンA;L−744,832またはDK8G557、ティピファニブ(R115777)、SCH66336(ロナファニブ)、BMS−214662。
【0063】
xxxii.Flk−1キナーゼ阻害剤;これはFlk−1チロシンキナーゼ活性を標的、減少または阻害する;例えば、2−プロペンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−(2E)−(9Cl)。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、KDRを含む。
【0064】
xxxiii.グリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK3)阻害剤;これはグリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK3)を標的、減少または阻害する;例えば、インディルビン−3’−モノオキシム。高度に保存され、普遍的に発現するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼであるグリコーゲン合成キナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)は多数の細胞過程のシグナル形質導入カスケードに関連する。これらはタンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管重合/分解、およびアポトーシスを含む様々な細胞機能の調節に関することを示したタンパク質キナーゼである。
【0065】
xxxiv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;これはヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖活性を有する;例えば、WO0222577に記載の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドル−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドル−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびそれらの薬学的に許容される塩;スベロイラニリドハイドロザミック酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびその誘導体;酪酸、ペロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド;デプデシン;トラポキシン、シクロ[L−アラニル−D−アラニル−(□S,2S)−□−アミノ−□−オキソオキシランオクラノイル−D−プロリル](9CI)としても既知であるHCトキシン;フェニル酪酸ナトリウム、ビスヒドロキサム酸スベロイル;トリコスタチンA、BMS−27275、ピロキサミド、FR−901228、バルプロ酸。
【0066】
xxxv.HSP90阻害剤;これはHSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的、減少または阻害する;ユビキチンプロテアソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解、標的、減少または阻害する。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的、減少または阻害する化合物は、とりわけHSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば、17−アリルアミノ、17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の可能性のある間接的な標的は、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A5*3および/またはNQ01*2を含む。
【0067】
xxxvi.I−κB−αキナーゼ阻害剤(IKK);これはNF−κBを標的、減少または阻害する、例えば、2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(2E)−(9Cl)。
【0068】
xxxvii.インスリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;これはホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管関連タンパク質およびS6キナーゼの活性を調節する;例えば、ヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸、LY294002。
【0069】
xxxviii.c−Jun N−末端キナーゼ(JNK)阻害剤;これはJun N−末端キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、ピラゾールアントロンおよび/またはエピガロカテキンガレート。Jun N−末端キナーゼ(JNK)、セリン−指向性タンパク質キナーゼはc−JunおよびATF2のリン酸化および活性化に関連し、代謝、成長、細胞分化およびアポトーシスにおける重要な役割を果たす。JNKキナーゼ阻害剤に対する対象は、限定はしないが、DNMTを含む。
【0070】
xxxix 微小管結合剤;これは有糸分裂および間期細胞機能に対して必須である微少管ネットワークを崩壊させることにより作用する;例えば、ビンブラスチン、ビンブラスチン硫酸塩;ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンクリスチン硫酸塩;ビンデシン;ビノレルビン;タキサン類、例えば、ドセタキセル;パクリタキセル;ディスコデルモライド;コルヒチン、エポチロンおよびその誘導体、例えば、エポチロンBまたはその誘導体。パクリタキセルはTAXOL(登録商標)として;ドセタキセルはTAXOTERE(登録商標)として;硫酸ビンブラスチンはVINBLASTIN R.P(登録商標)として;および硫酸ビンクリスチンはFARMISTIN(登録商標)として市販されている。また、一般形式のパクリタキセルならびに様々な投与形のパクリタキセルを含む。一般形式のパクリタキセルは、限定はしないが、塩化ベタキソロールを含む。様々な投与形のパクリタキセルは、限定はしないが、ABRAXANE(登録商標); ONXOL(登録商標)、CYTOTAX(登録商標)として市販されているアルブミンナノ粒子パクリタキセルを含む。ディスコデルモライドは、例えば、US5010099に記載のとおりに得ることができる。また、US6194181、WO98/0121、WO9825929、WO9808849、WO9943653、WO9822461およびWO0031247に記載されているエポチロン誘導体を含む。とりわけ好ましくはエポチロンAおよび/またはBである。
【0071】
xl.マイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼ−阻害剤;これはマイトージェン−活性タンパク質を標的、減少または阻害する、例えば、ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ−(9Cl)。マイトージェン−活性タンパク質(MAP)キナーゼは様々な細胞外刺激に対する応答において活性化するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼのグループであり、細胞表面から核へのシグナル形質導入を仲介する。それらは炎症、アポトーシス細胞死、発癌性形質転換、腫瘍細胞浸潤および転移を含むいくつかの生理学および病理学細胞現象を調節する。
【0072】
xli.MDM2阻害剤;これはMDM2とp53腫瘍サプレッサーの相互作用を標的、減少または阻害する;例えば、トランス−4−ヨード、4’−ボラニル−カルコン。
【0073】
xlii.MEK阻害剤;これはMAPキナーゼMEKのキナーゼ活性を標的、減少または阻害する;例えば、Nexavar(登録商標)(ソラフェニブ トシラート)、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]−(9Cl)。MEK阻害剤の標的は、限定はしないが、ERKを含む。MEK阻害剤の間接的な標的は、限定はしないが、サイクリンD1を含む。
【0074】
xliii:マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤;これは腫瘍の周りの組織構造の喪失の促進ならびに腫瘍増殖、血管形成および転移の促進に関連する酵素MMP−2およびMMP−9を含むポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラスを標的、減少または阻害する、例えば、ブタンジアミド、N−4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−、(2R)−(9CI);エピガロカテキンガレートとしても既知であるアクチノニン;コラーゲンペプチド模倣および非ペプチド模倣阻害剤;テトラシクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣薬阻害剤、バチマスタット;およびその生物学的に経口利用可能な類似体、マリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、ネオバスタット、タノマスタット、TAA211、BMS−279251、BAY12−9566、MMI270BまたはAAJ996. MMP阻害剤の標的は、限定はしないが、ポリペプチド脱ホルミル酵素を含む。
【0075】
xliv.NGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤;これは神経増殖因子依存p140c−trkチロシンリン酸化を標的、減少または阻害する;例えば、チルホスチンAG879。NGFRチロシン−キナーゼ−阻害剤の標的は、限定はしないが、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCを含む。間接的な目的はRAF1の発現を阻害する。
【0076】
xlv.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含むp38MAPキナーゼ阻害剤;これはMAPKファミリーメンバーであるp38−MAPKを標的、減少または阻害する、例えば、フェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾール−2−イル]−(9Cl)。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]−(9Cl)を含む。MAPKファミリーメンバーはチロシンおよびスレオニン残基のリン酸化により活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼはリン酸化され、多数の細胞ストレスおよび炎症性刺激により活性化され、重要な細胞応答、例えば、アポトーシスおよび炎症応答の調節に関連すると考えられる。
【0077】
xlvi.p56チロシンキナーゼ阻害剤;これはT細胞成長および活性化に対して重要であるリンパ特異的srcファミリーチロシンキナーゼである酵素であるp56チロシンキナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、2−アントラセンカルボキシアルデヒド,9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1メトキシ−9,10−ジオキソ−(9Cl)、チルホスチン46としても既知であるダムナカンタール。p56チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、Lckを含む。LckはCD4、CD8およびIL−2受容体のβ鎖の細胞質ドメインと関連し、そしてTCR介在T細胞活性化の最初の段階に関連すると考えられる。
【0078】
xlvii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的、減少または阻害する、例えば、c−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的、減少または阻害する、とりわけc−Kit受容体を阻害する。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、PDGFR、FLT3および/またはc−KIT;例えば、チルホスチンAG1296;チルホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル,2−アミノ−4−(1H−インドル−5−イル)−(9Cl);N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えば、イマチニブ、イレッサ(登録商標)を含む。PDGFは細胞増殖、走化性、および正常細胞の生存ならびに様々な疾患状態、例えば、癌、アテローム性動脈硬化症および線維症の調節において中心的な役割を果たす。PDGFファミリーは二量体アイソフォーム(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CCおよびPDGF−DD)からなり、これは特異的に2個の受容体チロシンキナーゼに結合することによりこれらの細胞性効果を発揮する。PDGFR−およびPDGFR−βはそれぞれ170および180kDaの分子量を有する。
【0079】
xlviii.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;これはPI3−キナーゼを標的、減少または阻害する;例えば、3H−フロ[4,3,2−de]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン、11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−、(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI)としても既知であるウォルトマンニン;8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン;ケルセチン、ケルセチン二水和物。PI3−キナーゼ活性は、インスリン、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、上皮細胞増殖因子、コロニー刺激因子および肝細胞増殖因子を含む多くのホルモンおよび成長因子刺激に対する応答の増加を示し、細胞増殖および形質転換に関連するプロセスに影響を与えている。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、Pi3Kを含む。
【0080】
xlix.ホスファターゼ阻害剤;これはホスファターゼを標的、減少または阻害する;例えば、カンタリジン酸;カンタリジン;およびL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)−(9Cl)。ホスファターゼはホスホリル基を除去し、タンパク質を最初の脱リン酸化状態に戻す。したがって、リン酸化−脱リン酸化サイクルは分子の“オン−オフ”のスイッチと見なすことができる。
【0081】
l.白金剤;これは白金を含み、DNA分子のインターストランドおよびインターストランド架橋を形成することによるDNA合成を阻害する;例えば、カルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラスチン;サトラプラチンおよびZD0473のような白金剤。例えば、カルボプラチンは、例えば、CARBOPLAT(登録商標)の下に、例えば市販の形態で;および、オキサリプラチンは、ELOXATIN(登録商標)の下に、例えば市販の形態で投与できる。
【0082】
li.PP1およびPP2阻害剤ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤;これはタンパク質ホスファターゼを標的、減少または阻害する。PP1およびPP2A阻害剤の例はカンタリジン酸および/またはカンタリジンを含む。チロシンホスファターゼ阻害剤の例は、限定はしないが、シュウ酸L−P−ブロモテトラミソール;2(5H)−フラノン,4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−、(5R)−(9Cl);およびベンジルホスホン酸を含む。
【0083】
本明細書で使用される“PP1またはPP2阻害剤”なる用語は、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。PP1を含むI型ホスファターゼは阻害剤1(I−1)および阻害剤2(I−2)として既知である2つの熱安定なタンパク質により阻害される。これらは選択的にホスホリラーゼキナーゼのサブユニットを脱リン酸化する。II型ホスファターゼは自然反応性(PP2A)、CA2+依存(PP2B)およびMg2+依存(PP2C)ホスファターゼクラスに分類される。
【0084】
本明細書で使用される“チロシンホスファターゼ阻害剤”なる用語は、チロシンホスファターゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は比較的最近ホスファターゼファミリーに加えられた。それらはタンパク質のリン酸化チロシン残基由来のリン酸基を除去する。PTPは様々な構造特性を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動の制御、ならびに細胞骨格機能における重要な役割を果たす。チロシンホスファターゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPase、および/または前立腺酸性ホスファターゼを含む。
【0085】
lii.PKC阻害剤およびPKCδキナーゼ阻害剤:本明細書で使用される“PKC阻害剤”なる用語は、タンパク質キナーゼCならびにそのイソ酵素を標的、減少または阻害する化合物に関する。遍在するリン脂質依存酵素であるタンパク質キナーゼC(PKC)は、細胞増殖、分化およびアポトーシスと関連するシグナル形質導入に関連する。PKC阻害剤の標的の例は、限定はしないが、MAPKおよび/またはNF−κBを含む。PKC阻害剤の例は、限定はしないが、1−H−ピロロ−2,5−ジオン,3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドル−3−イル]−4−(1H−インドル−3−イル)−(9Cl);ビスインドリルマレイミドIX;4−オクタデカン−1,3−ジオール、2−アミノ−、(2S,3R,4E)−(9CI)としても既知であるスフィンゴシン;9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3’,2’,1’−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オンとしても既知であるスタウロスポリン、例えば、EP0296110に記載のスタウロスポリン誘導体、例えば、ミドスタウリン;2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−、(9S,10R,11R,13R)−(9CI);チルホスチン51;およびフェナントロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン、1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−、立体異性体(6CI,7CI,8CI,9CI)としても既知であるヒペリシン、UCN−01、サフィンゴール、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン;イルモフォジン;RO318220およびRO320432;GO6976;Isis3521;LY333531/LY379196を含む。本明細書で使用される“PKCδキナーゼ阻害剤”なる用語は、PKCのδイソ酵素を標的、減少または阻害する化合物に関する。δイソ酵素は慣用のPKCイソ酵素であり、Ca2+依存である。PKCδキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、2−プロペン−1−オン、1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−、(2E)−(9CI)としても既知であるロッテルリンを含む。
【0086】
liii.ポリアミノ合成阻害剤;これはポリアミンスペルミジンを標的、減少または阻害する;例えば、(−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても既知であるDMFO;N1、N12−ジエチルスペルミン4HCl。ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンは細胞増殖に対して非常に重要であるが、それらの作用の正確なメカニズムは明らかでない。腫瘍細胞は生合成酵素の活性を増加することおよびポリアミンプールを増加することにより影響する変化したポリアミンホメオスタシスを有する。
【0087】
liv.プロテアソーム阻害剤;これはプロテアソームを標的、減少または阻害する、例えば、アクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN341;ボルテゾミブ;ベルケイド。プロテアソーム阻害剤の標的の例は、限定はしないが、O(2)(−)−産生NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファーネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルトランスフェラーゼIを含む。
【0088】
lv.PTP1B阻害剤;これはPTP1Bを標的、減少または阻害するタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;例えば、L−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−,(E)−(9Cl)。
【0089】
lvi.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;ならびにJAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤を含むタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤。
本明細書で使用される“タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、タンパク質チロシンキナーゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は細胞増殖、分化、代謝、遊走および生存の調節において重要な役割を果たす。それらは受容体PTKおよび非受容体PTKとして分類されている。受容体PTKは膜貫通領域を有する単ポリペプチド鎖を含む。この細胞外末端部分は高い親和力のリガンド結合ドメインを含み、一方、細胞質末端は触媒コアおよび調節塩基配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、ERK1、ERK2、ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3を含む。間接的な標的の例は、限定はしないが、TNFα、NO、PGE2、IRAK、iNOS、ICAM−1、および/またはE−セレクチンを含む。チロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、チルホスチンAG126;チルホスチンAg1288;チルホスチンAg1295;ゲルダナマイシン;およびゲニステインを含む。
【0090】
非受容体チロシンキナーゼはSrc、Tec、JAK、Fes、Abl、FAK、CskおよびSykファミリーメンバーを含む。それらは細胞質ならびに核に位置する。それらは明確なキナーゼ制御、基質リン酸化および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御はまたいくつかのヒト疾患に関連してきた。
【0091】
本明細書で使用される“SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、SRCを標的、減少または阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、1H−ピラゾール[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)−(9CI)としても既知であるPP1;および1H−ピラゾール[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−(9CI)としても既知であるPP2を含む。
【0092】
本明細書で使用される“Sykチロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、Sykを標的、減少または阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤に対する標的の例は、限定はしないが、Syk、STAT3、および/またはSTAT5を含む。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、1,2−ベンゼンジオール、4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]−(9CI)としても既知であるピセアタンノールを含む。
【0093】
本明細書で使用される“Janus(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤”なる用語は、janusチロシンキナーゼを標的、減少または阻害する化合物に関する。Janusチロシンキナーゼ阻害剤は抗血栓、抗アレルギーおよび免疫抑制特性を有する抗白血病剤を示す。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、限定はしないが、JAK2、JAK3、STAT3を含む。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的な標的は、限定はしないが、CDK2を含む。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定はしないが、チルホスチンAG490;および2−ナフチルビニルケトンを含む。
【0094】
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物の活性を標的、減少または阻害する化合物、例えば、PD180970;AG957;またはNSC680410。
【0095】
lvii.レチノイド;これはレチノイド依存性受容体を標的、減少または阻害する;例えば、イソトレチノイン、トレチノイン、アリトレチノイン、ベキサロテン、例えば、DNAのレチノイン酸応答因子と相互作用する薬剤、例えば、イソトレチノイン(13−シス−レチノイン酸)を含む。
【0096】
lviii.RNAポリメラーゼII伸長阻害剤;これはCHO細胞のインスリン刺激核および細胞質p70S6キナーゼを標的、減少または阻害する;カゼインキナーゼIIに依存しているRNAポリメラーゼII転写を標的、減少または阻害する;そしてウシ卵母細胞の卵核胞崩壊を標的、減少または阻害する;例えば、5,6−ジクロロ−1−β−D−リボフラノシルベンゾイミダゾール。
【0097】
lvix.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;これはセリン/スレオニンキナーゼを阻害する;例えば、1H−プリン−2−アミン(9Cl)としても既知である2−アミノプリン。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例は、限定はしないが、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)を含む。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的な標的の例は、限定はしないが、MCP−1、NF−κB、elF2α、COX2、RANTES、IL8,CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポエチン、および/またはCYP1A1を含む。
【0098】
lx.ステロール生合成阻害剤;これはステロール、例えば、コレステロールの生合成を阻害する;例えば、テルビナフォン(terbinadine)。ステロール生合成阻害剤の標的の例は、限定はしないが、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6を含む。
【0099】
lxi.トポイソメラーゼ阻害剤;トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む。トポイソメラーゼI阻害剤の例は、限定はしないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテカンおよびその類似体、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトセシン接合体PNU−166148(WO99/17804のA1として記載されている化合物);10−ヒドロキシカンプトテシン酢酸塩;エトポシド;塩酸イダルビシン;塩酸イリノテカン;テニポシド;トポテカン、塩酸トポテカン;ドキソルビシン;エピルビシン、塩酸エピルビシン;ミトキサントロン、塩酸ミトキサントロン;ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、ダサチニブ(BMS−354825)を含む。イリノテカンは、例えば、CAMPTOSAR(登録商標)の名の下に販売されている形態で投与できる。トポテカンは、例えば、HYCAMTIN(登録商標)の名の下に販売されている形態で投与できる。本明細書で使用する“トポイソメラーゼII阻害剤”は、限定はしないが、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYX(登録商標)を含む)、ダウノルビシン(リポソーム製剤、例えば、DAUNOSOME(登録商標)を含む)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン;アントラキノン類ミトキサントロンおよびロソキサントロン;ならびにポドフィロトキシン類エトポシドおよびテニポシドを含む。エトポシドはETOPOPHOS(登録商標)として;テニポシドはVM26−BRISTOL(登録商標)は;ドキソルビシンはADRIBLASTIN(登録商標)またはADRIAMYCIN(登録商標)として;エピルビシンはFARMORUBICIN(登録商標)として、イダルビシンはZAVEDOS(登録商標)として;およびミトキサントロンはNOVANTRON(登録商標)として販売されている。
【0100】
lxii.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;これは既知の血管生成成長因子ならびに正常なおよび病的な血管形成の調節に関与しているサイトカインを標的、減少および/または阻害する。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)、およびVEGFR−3(Flt−4)]は血管生成およびリンパ管生成過程の多相の調節における主要なおよび必要不可欠な役割を果たす。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例は3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンを含む。VEGFRの活性を標的、減少または増加する化合物は、とりわけVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害するか、VEGF受容体を阻害するか、またはVEGFに結合する化合物、タンパク質または抗体であり、特にWO9835958に一般的に具体的に記載されている化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体であり、例えば、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその医薬的に許容される塩、例えば、コハク酸塩、またはWO0009495、WO0027820、WO0059509、WO9811223、WO0027819およびEP0769947に記載のもの;例えば、M. Prewett et al in Cancer Research 59 (1999) 5209-5218、F. Yuan et al in Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996、Z. Zhu et al in Cancer Res. 58,1998,3209-3214、およびJ. Mordenti et al in Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999;WO0037502およびWO9410202に記載のもの; M. S. O'Reilly et al, Cell 79,1994,315-328に記載のアンジオスタチン; M. S. O'Reilly et al, Cell 88,1997,277-285に記載のエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えば、RhuMab(ベバシズマブ)である。それらが所望の生物学的活性を示す限り、抗体は完全モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の完全抗体から形成される多特異的抗体、および抗体フラグメントを意味する。VEGF−R2阻害剤の例は、例えば、アクシチニブを含む。
【0101】
lxiii.ゴナドレリンアゴニスト、例えば、アバレリクス、ゴセレリン、酢酸ゴセレリン。
lxiv.細胞分化工程を誘導する化合物、例えば、レチノイン酸、α−、γ−もしくは8−トコフェロールまたはα−、γ−もしくは8−トコトリエノール。
lxv.ビスホスホネート、例えば、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸。
lxvi.ヘパラナーゼ阻害剤、これはヘパリン硫酸塩分解を阻害する、例えば、PI−88。
【0102】
lxvii.生体応答修飾物質、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えば、インターフェロンα。
lxviii.テロメラーゼ阻害剤、例えば、テロメスタチン。
lxix.カテコール−O−メチルトランスフェラーゼのメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、エンタカポン。
lxx:イスピネシブ、ペメトリキセド(Alimta(登録商標))、スニチニブ(SU11248)、ジエチルスチルベストロール(DES)、BMS224818(LEA29Y)。
lxxi.ソマトスタチンまたはソマトスタチン類似体、例えば、オクトレオチド(サンドスタチン(登録商標)またはサンドスタチンLAR(登録商標))。
【0103】
lxxii.成長ホルモン受容体アンタゴニスト、例えば、ペグビソマント、フィルグラスチムまたはペグフィルグラスチム、またはインターフェロンα。
【0104】
例えば、本明細書に記載の、抗癌剤と組み合わせての処置は、放射線治療と関連し得る。
【0105】
本発明の化合物と組み合わせて有用でありそうな、例えば、本発明にしたがって有用でありそうな抗炎症剤および/または免疫調節剤は、例えば、下記を含む、
−カルシニューリンのメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、シクロスポリンA、FK506;
−免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えば、ABT−281、ASM981;
−コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;レフルノミド;ミゾルビン;
−ミコフェノール酸または塩;ミコフェノール酸モフェチル;
−15−デオキシスペルグアリンまたはそれらの免疫抑制性相同物、類似体もしくは誘導体;
−bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤;
−PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、グリーベック(イマチニブ);
−p38MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−PKC活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、WO0238561またはWO0382859に記載されているような、例えば、実施例56または70の化合物;
−JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、N−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナムアミド(チルホスチンAG490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えば、一クエン酸塩の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル(CP−690,550とも呼ばれる)、またはWO2004052359またはWO2005066156に記載されているような化合物;
−S1P受容体活性のメディエーター、例えば、アゴニストまたはモジュレーター、例えば、所望によりリン酸化されているFTY720またはそれらの類似体、例えば、所望によりリン酸化されている2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
−免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば、白血球受容体、例えば、Blys/BAFF受容体、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD52、CD58、CD80、CD86、IL6受容体(例えばトシリズマブ)、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;
−他の免疫調節化合物、例えば、CTLA4の少なくとも細胞外部分またはそれらの変異体を有する、例えば、非CTLA4タンパク質配列に結合しているCTLA4の少なくとも細胞外ドメイン部分またはそれらの変異体を有する、組み換え結合分子、例えば、CTLA4Ig(例えば、ATCC68629で示される)またはそれらの変異体、例えば、LEA29Y;または抗CTLA4剤、例えば、イピリムマブ:
【0106】
−接着分子活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、LFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
−CCR9活性のメディエーター、例えば、アンタゴニスト、
−MIF活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−5−アミノサリチル酸(5−ASA)剤、例えば、スルファサラジン、アザルフィジン(登録商標)、アサコール(登録商標)、ジペンタム(登録商標)、ペンタサ(登録商標)、ロワサ(登録商標)、カナサ(登録商標)、コラザール(登録商標)、例えば、メサラジン含有薬剤;例えば、ヘパリンと組み合わせたメサラジン;
−TNF−α活性のメディエーター、例えば、阻害剤、例えば、TNF−αに結合する抗体、例えば、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、サリドマイド、レナリドマイド、ゴリムマブ、アダリムマブ(ヒュミラ(登録商標)、ヒトTNFαに対して特異的な完全ヒト免疫グロブリンG(IgG1)モノクローナル抗体)、エタネルセプト(エンブレル(登録商標))、セルトリズマブペゴル(シムジア(登録商標)、CDP 870)、
−酸化窒素放出非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えば、NO供与型COX阻害剤(CINOD);
−ホスホジエステラーゼ、例えば、PDE4B活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−カスパーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−Gタンパク質共役受容体、GPBAR1のメディエーター、例えば、アゴニスト、
−セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば、阻害剤、
−‘多機能性抗炎症’剤(MFAID)、例えば、グリコサミノグリカンと関連している細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えば、膜結合型ホスホリパーゼA2阻害剤;
−抗生物質、例えば、ペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラシクリン、スルホンアミド、例えば、スルファジアジン、スルフイソキサゾール;スルホン、例えば、ダプソーン;プレウロムチリン、フルオロキノロン、例えば、メトロニダゾール、キノロン、例えば、シプロフロキサシン;レボフロキサシン;プロバイオティクスおよび共生細菌、例えば、乳酸菌;
−抗ウイルス剤、例えば、リビビリン、ビダラビン、アシクロビア、ガンシクロビル、ザナミビル、リン酸オセルタミビル、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ディダノシン、エファビレンツ、フォスカルネット、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、シバシル(civacir)、ジドブジン、
−血液タンパク質“補体5a”の調節剤、例えば、阻害剤、例えば、ペキセリズマブ、
−血清リン調節剤、例えば、炭酸セベラマー(Renagel(登録商標))、;腎臓疾患の患者における高い血清リンレベルを減少させるリン結合剤、例えば、炭酸ランタン(フォスレノール(登録商標))。
【0107】
本発明の化合物と組み合わせて有用でありそうな、例えば、本発明にしたがって有用でありそうな抗炎症剤は、例えば、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えば、プロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロクス酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナック、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナック、フェンクロジン酸、フェンチアザク、フロフェナック、イブフェナック、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、およびゾメピラック)、フェナム酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナミン酸、メフェナム酸、ニフルム酸およびトルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサール)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカン)、サリチレート(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えば、セレコキシブ;ホスホジエステラーゼIV型(PDE−IV)の阻害剤;ケモカイン受容体のアンタゴニスト、とりわけCCR−1、CCR−2、およびCCR−3;コレステロール低下剤、例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、および他のスタチン)、金属イオン封鎖剤(コレスチラミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリック酸誘導体(ジェムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブレートおよびベンザフィブレート)、およびプロブコール;抗コリン剤、例えば、ムスカリン性アンタゴニスト(臭化イプラトロピウム);他の化合物、例えば、テオフィリン、スルファサラジンおよびアミノサリチル酸、例えば、5−アミノサリチル酸およびそれらのプロドラッグ、抗リウマチ剤を含む。
【0108】
本発明の化合物と組み合わせて有用でありそうな、例えば、本発明にしたがって有用でありそうな抗アレルギー剤は、例えば、抗ヒスタミン剤(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えば、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、デクスクロフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、サイプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン、および非ステロイド系抗喘息剤、例えば、β2−アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロールおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、アトロピン、臭化イプラトロピウム、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジレウトン、BAY−1005);気管支拡張剤、抗喘息剤(肥満細胞安定剤)を含む。
【0109】
本発明の方法における好ましい化学療法剤は、例えば、下記を含む、
−アルキル化剤、例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、メルファラン、
−白金剤、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、
−トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤、例えば、ドキソルビシン、エトポシド;
−微小管結合剤;例えば、ビンクリスチン、
−レチノイド;例えば、イソトレチノイン(13−シス−レチノイン酸)、
−成長ホルモン−受容体アンタゴニスト、例えば、フィルグラスチム、
−AKT経路阻害剤;例えば、デグエリン、KP372−1(QLT394)、
−HSP90阻害剤;例えば、ゲルダナマイシン、
−Flk−1キナーゼ阻害剤;
−チロシンキナーゼ受容体、
−受容体チロシンキナーゼの上皮細胞増殖因子ファミリー(EGFR、ErbB2)の活性を標的、減少または阻害する化合物。
【0110】
2種またはそれ以上の組合せ化合物、例えば、本発明の化合物および1種またはそれ以上の化学療法剤は、一緒にまたは連続して使用できる。
【0111】
上記神経芽腫を処置するための、例えば、第2の薬剤と組み合わせた本発明の化合物の有用性は、例えば、適当な神経芽腫細胞系試験(神経芽腫組織における神経芽細胞のアポトーシスアッセイ、細胞増殖アッセイおよびレーザーマイクロダイセクション)により、インビトロで動物試験法ならびに臨床的法で証明できる。このようなアッセイは既知であるか、または、例えば、慣用の方法にしたがって、例えば、準じて、適宜提供され得る。
【0112】
特許出願または科学刊行物が引用されたそれぞれの場合において、その化合物に関連する主題発明を、出典明示により本明細書に包含する、例えば、薬学的に許容されるそれらの塩、対応するラセミ体、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体ならびに、存在するとき上記化合物の対応する結晶変態、例えば、溶媒和物、水和物および多形(これらはそれらの中に開示されている)を同様に含む。本発明の組合せにおける活性成分として使用される化合物は、それぞれ、引用文献または商品の説明書きにおいて記載されたように製造および投与され得る。また、上記2を超える別々の活性成分の組合せも本発明の範囲内である、すなわち、本発明の範囲内の医薬組合せは、3またはそれ以上の活性成分を含み得る。さらに、第1の剤および共薬剤の両方が同一の成分ということはない。
【0113】
コードナンバー、一般名または商標名により特定される活性化剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)または上記および下記文献から得ることができる。それらの対応する内容を出典明示により本明細書に包含させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経芽腫を処置するための方法であって、それを必要とする対象に治療有効量のラパマイシン誘導体を投与することを含む方法。
【請求項2】
神経芽腫を処置するために使用するためのラパマイシン誘導体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法または使用における、薬剤の製造において使用するためのラパマイシン誘導体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の方法または使用で使用するための、ラパマイシン誘導体と少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を一緒に含む医薬組成物。
【請求項5】
ラパマイシン誘導体を単一の活性剤として使用する、請求項1から4のいずれかに記載の方法、使用または医薬組成物。
【請求項6】
ラパマイシン誘導体を第2の薬剤と組み合わせて使用する(ここで、ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)、請求項1から5のいずれかに記載の方法、使用または医薬組成物。
【請求項7】
ラパマイシン誘導体である第1の薬剤および少なくとも1種の第2の薬剤と組合せ投与するための指示書を含む医薬パッケージ(ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【請求項8】
ラパマイシン誘導体と少なくとも1種の第2の薬剤と組合せ投与するための指示書を含む医薬パッケージ(ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【請求項9】
少なくとも1種の第2の薬剤とラパマイシン誘導体と組合せ投与するための指示書を含む医薬パッケージ(ラパマイシン誘導体とLFA−1阻害剤、またはMEK阻害剤および/またはチロシンキナーゼ阻害剤の組合せを除く)。
【請求項10】
ラパマイシン誘導体が式
【化1】

〔式中、
はCHまたはC3−6アルキニルであり、
はH、−CH−CH−OHまたは−CH−CH−O−(C1−8)アルキル、例えば−CH−CH−O−CH−CHであり、
そして、
Xは=O、(H、H)または(H、OH)である
(ただし、Xが=Oであり、そしてRがCHであるときRはH以外である)〕
で示される化合物または化合物ABT578、化合物CCI779、化合物AP23573または化合物TAFA−93から選択される、請求項1から9のいずれかに記載の方法、使用、医薬組成物または医薬パッケージ。

【公表番号】特表2009−527520(P2009−527520A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555703(P2008−555703)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001551
【国際公開番号】WO2007/096174
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】