説明

移動体デジタル放送受信装置、デジタル放送受信方法およびデジタル放送受信プログラム

【課題】 番組特定情報(NITあるいはPMT)を頻繁に送出できない比較的低ビットレートの放送システムにおいて、チャンネル切替え後の番組特定情報取得時間を短縮し映像/音声の提示を早くする。
【解決手段】 トランスポートストリームに含まれ得る第1の情報(PMT)を全て抽出できるように設定し、チャンネルを切換えてから最初に抽出した第1の情報から番組構成データ(ES)のPIDを取得する。そして、当該番組構成データをトランスポートストリームから抽出して復号し、映像/音声を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置、デジタル放送受信方法およびデジタル放送受信プログラムに関し、より特定的には物理周波数を基準に選局を行うチャンネルプリセット型デジタル放送受信装置においてチャンネル切替え後の番組特定情報取得に要する時間を短縮するデジタル放送受信装置およびデジタル放送受信方法およびデジタル放送受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送のような地域密着型のローカルな県域放送を受信するデジタル放送受信装置は、放送局が伝送する放送信号を所定の周波数で送信する親局や親局からの受信電波を増幅し再送信する中継局からの放送波をアンテナにより受信する。そして、デジタル放送受信装置は、受信した放送波を復調・多重分離・復号して放送局の送信する番組(以下、サービスと称す)を利用者に提示する。したがって、利用者は、所望のサービスを視聴するには、放送局に割り当てられた周波数(以下、チャンネルと称す)を指定しなければならない。そのためには、利用者は、チャンネルを予め知っている必要があり、更には、該当地域で受信可能なすべてのチャンネルを把握しておく必要がある。そこで、一般的には、利用者の操作を簡略化するため、該当地域での受信可能チャンネルのリスト(以下、チャンネルリストと称す)を予め不揮発メモリに格納しておき、チャンネルリストから1つのチャンネルを選択することによって所望の放送局を受信できるようにしている。
【0003】
ところで、地上デジタル放送では、全ての映像・音声データがMPEG2−TS形式で送られる。MPEG2−TS形式では、映像・音声、データ放送をTSパケットと呼ばれるパケットに分割する。そして、これらのTSパケットが複数個集まって、トランスポートストリーム(以下、TSと称す)を構成する。このTSが、放送波として放送局から送信されるものである。上記の各TSパケットには、各TSパケットの種類(後述するNITやPMTやES等)を識別できるように、PID(パケットID)と呼ばれる番号が振られる。そして、あるサービスを構成する符号化された映像・音声データ(以下、ES:エレメンタリーストリームと称す)には、それぞれ同じ番号のPIDが付される。また、TSは最大3つのサービスを同時に伝送できるため、TSに含まれているサービスと、そのサービスを構成するESとの関係を表す番組特定情報が規定されている。この番組特定情報は、NIT(Network Information Table)やPMT(Program Map Table)と呼ばれる(例えば、非特許文献1)。
【0004】
図11は、NIT、PMTおよびESの関連を模式的に示す図である。図11において、NIT110には、現在放送されているサービスの一覧を示すサービス一覧情報111が含まれている。当該サービス一覧情報111には、各サービス毎に対応するサービス識別情報120が含まれている。図12は、サービス識別情報120を示す図である。図12において、サービス識別情報120は、16bitの情報であり、上位6bitに受信中チャンネルの放送エリアを示す地域識別番号が記載される。また、下位3bitに、各サービス毎に個別に割り振られるサービス番号121が記載される。当該サービス番号121と、各PMTのPIDとは一意になるように予め対応付けられている。図11に戻り、サービス番号121の値が0であるサービス識別情報120は、PIDが0であるPMT(以下、PMT0と称す)と対応付けられている(実際は、例えば、サービス番号121の値が0のサービス識別情報に対応するPMTのPIDは”0x1FC8”のように規定されているが、ここでは説明の簡略化のために、サービス番号121の値とPMTのPIDを同じ値にして説明する。)。そして、各PMTには、それぞれのサービスを構成するESのPIDが含まれている。つまり、特定のESを取得するためには、先にPMTを取得する必要があり、更に、特定のPMTを取得するためには、事前にNITを取得しておく必要がある。
【0005】
次に、地上波デジタル放送でのチャンネル切替え動作について図13を用いて説明する。図13は、従来のチャンネル切替え手順を示したフローである。まず、利用者によるチャンネル切替え操作により、デジタル放送受信装置は、所定の放送局から放送波の受信を開始する。受信した放送波は、TSに復調される(ステップS101)。次に、デジタル放送受信装置は、復調したTSからNITを抽出する設定を行う(ステップS102)。次に、デジタル放送受信装置は、NITの抽出ができたかどうかを判定する(ステップS103)。NITが抽出できたならば(ステップS103でYES)、デジタル放送受信装置は、NITに含まれるサービス一覧情報122(図12参照)を解析し、放送中のサービスの一覧を作成する(ステップS104)。次に、デジタル放送受信装置は、作成したサービス一覧から、例えばサービス番号の一番小さいもの(図12では、サービス番号0)を視聴サービスとして選択する(ステップS105)。次に、デジタル放送受信装置は、サービス番号に対応するPMT(図12ではPMT0)をTSから抽出するための設定を行い、当該PMTの抽出を開始する(ステップS106)。次に、デジタル放送受信装置は、PMTが抽出できたか否かを判断し(ステップS107)、PMTの抽出が完了した場合(ステップS107でYES)、PMTに含まれるESのPIDを取得する。そして、デジタル放送受信装置は、当該ESのPIDを持つTSパケットの抽出設定を行う(ステップS108)。以上で、選局動作が完了する。一方、上記ステップS103またはS107にて所定時間内にデータが抽出できない場合には(ステップS103、S107でそれぞれNO)、デジタル放送受信装置は、選局不可能であるメッセージをユーザに提示するなどの処理を行う(ステップS109)。
【非特許文献1】「第7編 地上デジタルテレビジョン放送 送出運用規定」、地上デジタルテレビジョン放送運用規定技術資料 第三分冊、第2.1版、社団法人電波産業会、平成16年9月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したようなデジタル放送受信装置において所定のチャンネルを選局して受信しようとする場合、以下に示す問題点があった。
【0007】
まず、地上デジタル放送はローカルな県域放送であるが故に、あるチャンネルで受信できる番組特定情報(NITやPMT)には現在選択されているチャンネルに関する情報しか含まれていない。したがって、他のチャンネルに切替えた場合には、新たに切替え先チャンネルの番組特定情報をTSから抽出する必要がある。一方、番組特定情報は一定周期で送出されるため、抽出するのに最大で周期時間分の時間を要する。特に地上デジタル放送の携帯向け放送(以下、1セグメント放送)など比較的低ビットレートの放送システムでは、番組特定情報を頻繁に送出することができない。そのため、チャンネルを切替えるタイミングによっては、チャンネル切替え後からサービス提示までの遅延が顕著となることがある。
【0008】
図14は、チャンネルを切替えてから番組特定情報が抽出できるまでの時間経過を示した図である。上述のように、NITやPMTなどの番組特定情報は、それぞれ所定の周期時間で再送されている。そのため、例えば、図14における時刻T1にチャンネル切替えが完了した場合、NITの送出が完了した直後であるため、PMTを抽出し、サービスを提示するためには、次のNIT送出(時刻T2)まで待つ必要がある。そして、時刻T2にNITを抽出しても、サービス番号0番のサービスを視聴するためには、PMT0を抽出する必要がある。そのため、更にPMT0が送出される(時刻T3)まで待つことになる。仮にNITの送出周期が1秒、PMTの送出周期が0.5秒だった場合、チャンネル切替え後にサービス番号0番を構成する各ESのデコードが開始できるまで少なくとも1.5秒はかかることになる。すなわち、チャンネルを切替えても、1.5秒間は画面に何も表示されないという問題点がある。
【0009】
上記問題点を回避するため、チャンネル毎の番組特定情報を不揮発メモリに保持しておき、チャンネル切替え直後は過去の番組特定情報を利用して選局完了までの時間を短縮することも考えられる。しかしながら、1セグメント放送のように移動しながら受信する放送システムに上記方法を適用した場合、過去にあるチャンネルで送出されていた番組特定情報が、現在においても有効な情報であるとは限らない。具体的には、過去にチャンネルAで放送局Aのサービスを受信していたとしても、地域を移動したことによりチャンネルAで放送局Bのサービスを提供している場合がある。このとき放送局Aと放送局Bでは番組特定情報が異なっている可能性があり、不揮発メモリに保持している情報が有効ではない。その結果、チャンネルの切替えが正常に行われないという問題がある。
【0010】
それ故に、本発明の目的は、利用者にチャンネルを選択させるチャンネルプリセット型デジタル放送受信装置において、チャンネル切替え後の番組特定情報抽出に要する時間を短縮し、利用者への番組提示を高速化する受信装置、受信方法および受信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は以下のような構成を採用した。
【0012】
第1の発明は、1つの伝送チャンネルで複数のサービスを多重化して伝送する多重化信号を受信するデジタル放送受信装置であって、複数のサービスをそれぞれ構成する符号化データであるサービス構成データと、複数のサービスをそれぞれ示す第1の識別番号を有する第1の情報と、第1の情報の一覧情報を有する第2の情報とを含むトランスポートストリームに多重化信号を復調する復調部と、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報または第2の情報が示すサービスを構成するサービス構成データを抽出することを抽出条件として設定する制御部と、制御部の設定した抽出条件に基づいてトランスポートストリームからデータを抽出する多重分離部と、多重分離部が抽出したサービス構成データを復号する復号部と、復号部により復号されたデータを出力する出力部とを備えることを特徴とする、デジタル放送受信装置である。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、抽出条件は、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報が示すサービスを構成するサービス構成データをトランスポートストリームから抽出することである。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、抽出条件は、トランスポートストリームから抽出する第1の情報のうち、特定の第1の識別番号を有する第1の情報のみを抽出することである。
【0015】
第4の発明は、第1の発明において、第1の情報は、第1の識別番号が示すサービスを構成するサービス構成データを示す第2の識別番号と、チャンネルの放送地域を示す地域情報とをさらに含み、第2の情報は、チャンネルの放送地域を示す地域情報をさらに含み、デジタル放送受信装置は、地域情報と、地域情報毎に最初に復号部が復号すべきサービス構成データを示す第2の識別番号とを対応付けて保存する記憶部をさらに備え、抽出条件は、記憶部に保存された第2の識別番号のうち、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報または第2の情報に含まれる地域情報に対応している記憶部に保存された第2の識別番号に基づいてサービス構成データを抽出することである。
【0016】
第5の発明は、1つの伝送チャンネルで複数のサービスを多重化して伝送する多重化信号を受信するデジタル放送受信方法であって、複数のサービスをそれぞれ構成する符号化データであるサービス構成データと、複数のサービスをそれぞれ示す第1の識別番号を有する第1の情報と、第1の情報の一覧情報を含む第2の情報とを含むトランスポートストリームに復調する復調ステップと、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報または第2の情報が示すサービスを構成するサービス構成データをトランスポートストリームから抽出することを抽出条件として設定する制御ステップと、制御ステップの設定した抽出条件に基づいてトランスポートストリームからデータを抽出する多重分離ステップと、多重分離ステップが抽出したサービス構成データを復号する復号ステップと、復号ステップにより復号されたデータを出力する出力ステップとを備えることを特徴とする、デジタル放送受信方法である。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、抽出条件は、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報が示すサービスを構成するサービス構成データをトランスポートストリームから抽出することである。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、抽出条件は、トランスポートストリームから抽出する前記第1の情報のうち、特定の第1の識別番号を有する第1の情報のみを抽出することである。
【0019】
第8の発明は、第5の発明において、第1の情報は、第1の識別番号が示すサービスを構成する前記サービス構成データを示す第2の識別番号と、チャンネルの放送地域を示す地域情報とをさらに含み、第2の情報は、チャンネルの放送地域を示す地域情報をさらに含み、地域情報と、地域情報毎に最初に復号ステップが復号すべきサービス構成データを示す第2の識別番号とを対応付けて保存されており、抽出条件は、記憶部に保存された第2の識別番号のうち、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報または第2の情報に含まれる地域情報に対応している保存された第2の識別番号に基づいてサービス構成データを抽出することである。
【0020】
第9の発明は、1つの伝送チャンネルで複数のサービスを多重化して伝送する多重化信号を受信するデジタル放送受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、複数のサービスをそれぞれ構成する符号化データであるサービス構成データと、複数のサービスのうちの1つをそれぞれ示す第1の識別番号を有する第1の情報と、第1の情報の一覧情報を含む第2の情報とを含むトランスポートストリームに復調する復調ステップと、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報または第2の情報が示すサービスを構成するサービス構成データをトランスポートストリームから抽出することを抽出条件として設定する制御ステップと、制御ステップの設定した抽出条件に基づいてトランスポートストリームからデータを抽出する多重分離ステップと、多重分離ステップが抽出したサービス構成データを復号する復号ステップと、復号ステップにより復号されたデータを出力する出力ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする、デジタル放送受信プログラムである。
【0021】
第10の発明は、第9の発明において、抽出条件は、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報が示すサービスを構成するサービス構成データをトランスポートストリームから抽出することである。
【0022】
第11の発明は、第10の発明において、抽出条件は、トランスポートストリームから抽出する第1の情報のうち、特定の第1の識別番号を有する第1の情報のみを抽出することである。
【0023】
第12の発明は、第9の発明において、第1の情報は、第1の識別番号が示すサービスを構成するサービス構成データを示す第2の識別番号と、チャンネルの放送地域を示す地域情報とをさらに含み、第2の情報は、チャンネルの放送地域を示す地域情報をさらに含み、デジタル放送受信装置は、地域情報と、地域情報毎に最初に復号ステップが復号すべきサービス構成データを示す第2の識別番号とを対応付けて保存する記憶部をさらに備え、抽出条件は、記憶部に保存された第2の識別番号のうち、トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報または第2の情報に含まれる地域情報に対応している記憶部に保存された第2の識別番号に基づいてサービス構成データを抽出することである。
【発明の効果】
【0024】
上記第1の発明によれば、送出される可能性のある全ての第1の情報(例えばPMT)と第2の情報(例えばNIT)のどちらが送出されても抽出できるため、先に第1の情報が送出された場合、従来行われていた、現在のチャンネルでどのようなサービスが放送されているかを確認するための第2の情報を抽出する手順を省略することができる。そのため、第1の情報と第2の情報との送出間隔に関わらず、利用者への番組提示にかかる時間を短縮することが可能となる。
【0025】
上記第2の発明によれば、従来行われていた、現在のチャンネルでどのようなサービスが放送されているかを確認するための第2の情報を抽出する手順を省略することができる。そのため、先に第1の情報が送出された場合であっても、利用者への番組提示までの時間を短縮することができる。
【0026】
上記第3の発明によれば、1つのチャンネルで複数のサービスが放送されている場合でも、チャンネルを切替えるタイミングによって選択されるサービスにばらつきが生じず、特定のサービスが常に選択される。
【0027】
上記第4の発明によれば、地域情報に関連付けて第2の識別番号を保持しておくため、利用者が放送地域を移動しても、過去に番組を視聴したことのある地域間の移動であれば、過去の情報で代用することにより利用者への番組提示までの時間を短縮することができる。
【0028】
また、本発明のデジタル放送受信方法および受信プログラムによれば、上述した本発明のデジタル放送受信装置と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデジタル放送受信装置を示すブロック図である。図1において、受信アンテナ1は、地上デジタル放送の放送局からOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式で送信される放送電波を受信し、チューナ部2へ出力する。チューナ部2は、放送局ごとに割り当てられた所定の周波数に同調することで所定の放送局を選局し、受信アンテナ1を介して受信した放送電波を復調部3へ出力する。復調部3は、受信した放送電波をトランスポートストリーム(以下、TSと称す)に復調する。多重分離部4は、復調されたTSから、圧縮映像データである映像エレメンタリーストリーム(以下、映像ES)と圧縮音声データである音声エレメンタリーストリーム(以下、音声ES)を分離し、復号部5へ出力する。また、多重分離部4は、番組特定情報をTSから分離し、制御部7へ出力する。復号部5は、映像ESおよび音声ESを原映像データおよび原音声データへの復号を行う。復号された原映像データや原音声データは出力部6にて利用者に提示される。具体的には、映像は液晶ディスプレイに表示され、音声は内蔵スピーカーから出力される。制御部7は、チャンネルリスト8から切替え対象のチャンネル番号を取得し、チューナ部2に設定する。また、制御部7は、多重分離部4から出力される番組特定情報を解析し、多重分離部4が行う上記各ESの抽出設定を行う。
【0030】
本実施形態は、従来行われていた、TSからNITを抽出し、NITを解析してからPMTを特定してPMTを抽出する、という手順を省き、あらかじめ全てのPMTを抽出できる設定を行っておき、NITを抽出せずともPMTを抽出して、最終的にESを抽出するものである。
【0031】
以下、図2を用いて、受信装置が行う受信処理の詳細動作を説明する。図2は、第1の実施形態にかかる受信装置の受信処理のフローチャートである。図2において、まず、チュ−ナ部2は、利用者によるチャンネル切替え操作に基づき、所定のチャンネルに同期して放送電波を受信する。復調部3は、受信した放送電波をTSに復調して、多重分離部4へ出力する(ステップS1)。
【0032】
次に、制御部7は、多重分離部4がTSから抽出すべきTSパケット(PMT)の抽出条件の設定を行う(ステップS2)。当該抽出処理の設定は、1セグメント放送では、送出されるPMTに付されるパケットID(以下、PIDと称す)は高々8種類しか使われないという点に鑑みて、どのPIDが付されたPMTが送出されても抽出できるように、各PIDに対応した8種類の抽出条件の設定を並列に行うものである。具体的には、制御部7は、多重分離部4がTSからTSパケットを分離・抽出する際に参照するテーブルであるフィルタリングテーブルに、PMTのPID8種類全て(例えば0〜7)を登録する。これにより、多重分離部4は、当該フィルタリングテーブルに登録されているPIDを有するPMT、つまり8種類のPMT全てをTSから抽出できる状態になる。
【0033】
次に、多重分離部4は、復調部3から出力されるTSに含まれるTSパケットを順次取得し、当該TSパケットのPIDを上記フィルタリングテーブルに登録されたPIDと照合する。そして、フィルタリングテーブルに登録されているPIDと一致する場合は、多重分離部4は、当該TSパケット(PMT)を抽出する(なお、一致しない場合は破棄する)。すなわち、8種類のIDを有するPMTのうち、いずれか最初に送られて来たPMTをTSから抽出することになる。そして、多重分離部4は、所定の時間内に任意のPMTが抽出できたか否かを判定する(ステップS3)。
【0034】
ステップS3の判定の結果、PMTを抽出できた場合(ステップS3でYES)、多重分離部4は、当該PMTを制御部7に出力する。制御部7は、当該PMTに含まれているESのPIDを取得する。次に、制御部7は、フィルタリングテーブルを一旦クリアし、取得したESのPIDをフィルタリングテーブルに登録しなおす(ステップS4)。そして、多重分離部4は、フィルタリングテーブルに登録されているPIDを有するTSパケット(ES)を復調部3から出力されるTSから順次抽出し、復号部5へ出力していく。復号部5は、出力された各ESを原映像データ・原音声データにデコードし、出力部6へ出力していく。一方、ステップS3の判定の結果、所定時間内にPMTが取得できない場合(ステップS3でNO)には、制御部7は、選局不可能である旨のメッセージをユーザに提示するなどの処理を行う(ステップS5)。例えば、真夜中等の番組放送終了後の時間帯におけるチャンネル切替え等で、所定時間内にPMTが抽出できない場合が該当する。以上で、第1の実施形態にかかる受信処理は終了する。
【0035】
このように、第1の実施形態では、NITの抽出を待たずともPMTを抽出できれば、ESを抽出してデコード処理を開始できるため、従来に比してチャンネル切替え後に番組が提示されるまでの時間を短縮できる。図3は、チャンネルを切替えてからPMTを抽出するまでの時間経過を示す図である。図3において、時刻T1でチャンネルの切替えが完了したとする。時刻T1の直後は、サービス番号2番に対応するPMT(以下、PMT2と称す)が送出されている。一方、フィルタリングテーブルには、PMT2を示すPIDが登録されている。そのため、時刻T3にPMT2が抽出できる。そして、PMT2に含まれるESのPIDに基づいて所定のESを抽出し、デコード処理を行うことで、PMT2すなわちサービス番号2番の番組を画面に表示できる。すなわち、利用者がチャンネルを切替えれば(時刻T1)、NITの抽出(時刻T2)を待たなくても、画面にサービス番号0〜2のうちのいずれかの番組が表示されることになる(時刻T3)。つまり、チャンネルを切替えた後の利用者への番組提示を高速化できる。
【0036】
(第2の実施形態)
以下、図4〜図6を用いて、本発明の第2の実施形態にかかる受信処理を説明する。第1の実施形態では、PMTのみを抽出する設定を行っている。一方、第2の実施形態では、PMTの抽出設定に加え、NITの抽出設定も行い、NIT、PMTのいずれが来ても抽出できるようにする。なお、当該実施形態に係るデジタル放送受信装置は、上述した第1の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
図4は、第2の実施形態にかかるデジタル放送受信装置で行われる受信処理を示すフローチャートである。まず、チュ−ナ部2は、利用者によるチャンネル切替え操作に基づき、所定のチャンネルに同期して放送電波を受信する。復調部3は、受信した放送電波をTSに復調して、多重分離部4へ出力する(ステップS11)。
【0038】
次に、制御部7は、多重分離部4がTSから抽出すべきTSパケットの抽出条件の設定、すなわち抽出処理の設定を行う(ステップS12)。このステップS12の処理をより具体的に説明すると、まず、制御部7は、フィルタリングテーブルに、特定のPMTのPIDを登録する。この特定のPMTには、例えば、非特許文献1の規定に基づき、プライマリサービスとして指定されているサービス番号0番に対応するPMT(以下、PMT0と称す)のPIDを指定することが望ましい。更に、制御部7は、NITであることを示すPIDも登録する。つまり、ステップS12においては、NITとPMT0を抽出できるよう、フィルタリングテーブルを設定することになる。
【0039】
次に、多重分離部4は、復調部3から出力されたTSに含まれるTSパケットを順次取得し、当該TSパケットのPIDを上記フィルタリングテーブルに登録されたPIDと照合する。そして、フィルタリングテーブルに登録されているPIDと一致する場合は、多重分離部4は、当該TSパケット(NITあるいはPMT0)を抽出する(なお、一致しない場合は破棄して、次のTSパケットを取得する)。そして、多重分離部4は、所定時間内にNITおよびPMT0の何れかが抽出できたか否かを判定する(ステップS13)。
【0040】
ステップS13の判定の結果、所定時間内にNITもPMT0も抽出できなかった場合(ステップS13でNO)、制御部7は、選局不可能である旨のメッセージをユーザに提示するなどの処理を行う(ステップS20)。一方、所定時間内にNITまたはPMT0が抽出できていれば(ステップS13でYES)、制御部7は、抽出したTSパケットがNITかPMT0かを判定する(ステップS14)。
【0041】
ステップS14の判定の結果、抽出したTSパケットがNITである場合(ステップS14でYES)は、制御部7は、NITを解析し、サービス一覧情報(図12参照)を取得する(ステップS15)。次に、制御部7は、視聴するサービスとして、一番小さいサービス番号を有するサービスを上記サービス一覧情報から選択する(ステップS16)。そして、制御部7は、フィルタリングテーブルを一旦クリアして、上記サービス一覧情報から選択したサービスに対応するPMTのPIDをフィルタリングテーブルに登録する(ステップS17)。次に、多重分離部4は、復調部3から出力されたTSに含まれるTSパケットを順次取得し、当該TSパケットのPIDを上記フィルタリングテーブルに登録されたPIDと照合する。そして、多重分離部4は、所定時間内にPMTが抽出できたか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定の結果、所定時間内にPMTを抽出できなかった場合(ステップS18でNO)、制御部7は、選局不可能であるメッセージをユーザに提示するなどの処理を行う(ステップS20)。一方、所定時間内にPMTが抽出できていれば、抽出したPMTに含まれているESのPIDを取得する。次に、制御部7は、フィルタリングテーブルを一旦クリアし、取得したESのPIDをフィルタリングテーブルに登録しなおす(ステップS19)。そして、多重分離部4は、フィルタリングテーブルに登録されているPIDを有するTSパケット(すなわち各ES)をTSから抽出し、復号部5へ出力していく。復号部5は、出力された各ESを原映像データ・原音声データにデコードし、出力部6へ出力していく。
【0042】
一方、ステップS14の判定の結果、抽出したTSパケットがNITでない場合(ステップS14でNO)は、抽出したTSパケットはPMT0であるので、制御部7は、抽出したPMT0に含まれているESのPIDを取得する。次に、制御部7は、フィルタリングテーブルを一旦クリアし、取得したESのPIDをフィルタリングテーブルに登録しなおす(ステップS19)。そして、多重分離部4は、フィルタリングテーブルに登録されているPIDを有するTSパケット(すなわち各ES)をTSから抽出し、復号部5へ出力していく。復号部5は、出力された各ESを原映像データ・原音声データにデコードし、出力部6へ出力していく。以上で、第2の実施形態にかかる受信処理は終了する。
【0043】
図5、図6は、第2の実施形態において、チャンネルを切替えてからPMTを抽出するまでの時間経過を示す図である。第2の実施形態では、特定のPMTとNITを並行して抽出している。例えば、特定PMTとしてPMT0を抽出するものとする。この場合、図5においては、サービス番号0、1、2の3つのサービスに対応するPMT0、1、2が送出されている。そして、時刻T1にチャンネル切替えが完了した場合、NITが送出される前(時刻T2)にPMT0が抽出できる。また、図示しないが、PMT0より先にNITが抽出できた場合でも、最小サービス番号を有するPMT0の抽出設定を再度行うのみなので、どちらの場合もPMT0の送出周期分の時間で番組特定情報の抽出が完了する。同様に、図6においては、サービス番号1、2の2つのサービスに対応するPMT1、2が送出されている。そして、時刻T1にチャンネル切替えが完了した場合、サービス番号0に対応したPMT0が送出されていないため、時刻T2の時点でNITの抽出を完了する。そして、一番小さいサービス番号に対応するPMT1の抽出設定がされる。その結果、時刻T3の時点でPMT1が抽出できる。
【0044】
このように、第2の実施形態では、PMTの抽出設定に加えNITの抽出設定も並行して行う。そのため、全てのチャンネルでプライマリサービスのサービス番号が統一されていれば(例えばPMT0)、少なくともプライマリサービスにあたるPMTの送出周期分の時間でPMTの抽出が完了し、さらにはチャンネルを切替えるタイミングによって選択されるサービスが異なるということもない。また、プライマリサービスの番号が統一されていない場合であっても、従来と同様にPMT送出周期とNIT送出周期を加算した時間があれば必ず番組特定情報の抽出が完了する。
【0045】
(第3の実施形態)
以下、図7〜図11を用いて、本発明の第3の実施形態にかかる受信処理を説明する。図7は本発明の第3の実施形態にかかるデジタル放送受信装置のブロック図である。図7において、デジタル放送受信装置700は、第1の実施形態で図1を用いて説明した受信装置100に地域別番組特定情報71を加えたものに相当し、他の構成部は、第1の実施形態と同様である。従って、同一部位に同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0046】
第1の実施形態では、最初に抽出できたPMTからESのPIDを取得し、ESの抽出を行っている。一方、第3の実施形態では、過去の視聴で一度取得したサービスに関する情報(PMTおよびESのPID等)を、放送地域を示す地域識別番号と関連付けて地域別番組特定情報71に保存しておく。そして、後に視聴するときは、受信したPMTに含まれる地域識別番号を基に地域別番組特定情報71を検索し、地域別番組特定情報71に保存されているESのPIDに基づいてESを抽出する。
【0047】
図7において、制御部7は、多重分離部4から出力される番組特定情報(NITあるいはPMT)に含まれる地域識別番号を抽出する。地域識別番号は、上述したように、受信中チャンネルの放送エリアを示す識別番号であり、NITおよびPMTそれぞれが有する情報である。なお、NITの場合は、サービス識別情報(図12参照)に含まれる形で地域識別番号を有している。そして、制御部7は、番組特定情報に含まれる所定の情報、例えば地域識別番号、PMTのIDおよびESのPIDを地域別番組特定情報71に記録する。図8は、地域別番組特定情報71のデータ構造の一例を示す図である。図8では、地域識別番号の120000番には、PMT0(のPID)が関連付けられ、当該PMT0のサービスを構成するESのPIDは8054番であることを示している。
【0048】
図9は、第3の実施形態にかかるデジタル放送受信装置で行われる受信処理を示すフローチャートである。まず、上述した第1の実施形態におけるステップS1と同様に、チュ−ナ部2は所定のチャンネルに同期して放送電波を受信し、復調部3は、受信した放送電波をTSに復調して、多重分離部4へ出力する(ステップS21)。
【0049】
次に、制御部7は、NITおよびPMTの抽出設定を行う(ステップS22)。ステップS22では、上述した第1の実施例におけるステップS2と同様に、制御部7は、8種類のサービスに対応したPMTのPIDをフィルタリングテーブルに登録する。更に、制御部7は、NITのPIDもフィルタリングテーブルに登録する。そして、多重分離部4は、フィルタリングテーブルに基づいてTSパケットを抽出する。
【0050】
次に、多重分離部4は、抽出したTSパケットがPMTか否か判定する(ステップS23)。ステップS23の判定の結果、PMTならば(ステップS23でYES)、当該PMTに含まれている地域識別番号を取得する。更に、地域テーブル(図8参照)の中に、取得した地域識別番号と一致する地域識別番号があるか否かを検索する(ステップS24)。次に、制御部7は、検索結果を判定し(ステップS25)、一致する地域識別番号があった場合(ステップS25でYES)は、当該地域識別番号に関連付けられているPMT0(プライマリサービス)のPIDを検索する。当該検索の結果、PMT0のPIDが存在すれば、当該PMT0のPIDに関連付けられているESのPIDを地域別番組特定情報71から取得して、フィルタリングテーブルに登録する。PMT0のPIDが見つからなければ、順次PMT1、2…とPIDを検索していき、検索できたPMTのPIDに関連付けられているESのPIDをフィルタリングテーブルに登録する(ステップS26)。一方、ステップS25の判定の結果、一致する地域番号が存在しない場合(ステップS25でNO)、制御部7は、多重分離部4がNITを抽出するのを待ち、ステップS27に進む。
【0051】
一方、ステップS23の結果、多重分離部4が抽出したパケットがPMTでない場合(ステップS23でNO)、当該パケットがNITか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27の判定の結果、NITでもない場合は(ステップS27でNO)、制御部7は、選局不可である旨のメッセージの通知等を行う(ステップS34)。一方、ステップS27の判定の結果、NITである場合は、上述した第2の実施例におけるステップS15〜S19と同様の処理でPMTの抽出およびESの抽出を行う(ステップS28〜S32)。更に、制御部7は、番組特定情報に含まれる地域識別番号、PMTのPIDおよびPMTから取得したESのPIDをそれぞれ関連付けて地域別番組特定情報71に登録する(ステップS33)。そして、多重分離部4は、フィルタリングテーブルに登録されているPIDを有するTSパケット(すなわち各ES)をTSから抽出し、復号部5へ出力していく。復号部5は、出力された各ESを原映像データ・原音声データにデコードし、出力部6へ出力していく。以上で、第3の実施形態にかかる受信処理は終了する。
【0052】
このように、第3の実施形態では、過去に視聴した番組の情報を地域識別番号と関連付けて蓄積しておき、地域識別番号がわかれば、蓄積した情報を用いて即座にESの抽出設定を行うことができる。図10は、本実施形態における、チャンネルを切替えてから番組特定情報が取得できるまでの時間経過を示す図である。図10ではサービス番号0、1、2の3つのサービスが送出されており、過去に、プライマリサービス(PMT0)の番組のみ視聴していたとする。この場合、時刻T1にチャンネル切替えが完了すると、直近に送出されるPMT2が時刻T3に抽出できる。そして、PMT2から地域識別番号を取得し、120000番だった場合、地域識別番号が120000番として蓄積されている情報からPMT0に関連付けられているESのPIDを得ることができる。このように、第3の実施形態では、本来ならばプライマリサービスを構成するESのPIDは、PMT0が送出される時刻T3´にならなければ知ることができないところ、過去に蓄積した情報を用いて当該ESのPIDを知ることができる。その結果、過去に視聴したことのあるエリア間の移動では選局時間を短縮することができ、利用者への番組提示、例えばプライマリサービスの番組をすぐに提示できる。
【0053】
なお、上述の第3の実施形態では、地域識別番号、PMTのIDおよびESのPIDを記憶部に記憶しているが、地域識別番号と、例えばPMT0のESのPIDだけを記憶部に記憶するようにしてもよい。これにより、記憶部の容量を削減することができる。
【0054】
また、上述した各実施形態は、コンピュータに実行させるプログラムの形態で提供されてもよい。この場合は、デジタル放送受信装置の記憶部(図示せず)に格納されたデジタル放送受信プログラムを読み込み、制御部7が図2、4、9に示すような処理を実行すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るデジタル放送受信装置、受信方法および受信プログラムは、携帯端末や車載テレビなど移動を伴うテレビ受信機として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタル放送受信装置を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る受信処理を示すフローチャート
【図3】第1の実施形態におけるチャンネルを切替えてからPMTを抽出するまでの時間経過を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る受信処理を示すフローチャート
【図5】第2の実施形態におけるチャンネルを切替えてからPMTを抽出するまでの時間経過を示す図
【図6】第2の実施形態におけるチャンネルを切替えてからPMTを抽出するまでの時間経過を示す図
【図7】本発明の第3の実施形態に係るデジタル放送受信装置を示すブロック図
【図8】地域別番組特定情報71のデータ構造の一例を示す図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る受信処理を示すフローチャート
【図10】第3の実施形態におけるチャンネルを切替えてからPMTを抽出するまでの時間経過を示す図
【図11】NIT、PMTおよびESの関連を模式的に示す図
【図12】サービス識別情報のデータ構造の一例を示す図
【図13】従来の受信処理を示すフローチャート
【図14】従来の受信装置においてチャンネルを切替えてから番組特定情報が抽出できるまでの時間経過を示した図
【符号の説明】
【0057】
1 受信アンテナ
2 チューナ部
3 復調部
4 多重分離部
5 復号部
6 出力部
7 制御部
8 チャンネルリスト
71 地域別番組特定情報
100、700 デジタル放送受信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの伝送チャンネルで複数のサービスを多重化して伝送する多重化信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
前記複数のサービスをそれぞれ構成する符号化データであるサービス構成データと、前記複数のサービスをそれぞれ示す第1の識別番号を有する第1の情報と、前記第1の情報の一覧情報を有する第2の情報とを含むトランスポートストリームに前記多重化信号を復調する復調部と、
前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報または前記第2の情報が示すサービスを構成する前記サービス構成データを前記トランスポートストリームから抽出することを抽出条件として設定する制御部と、
前記制御部の設定した抽出条件に基づいて前記トランスポートストリームからデータを抽出する多重分離部と、
前記多重分離部が抽出したサービス構成データを復号する復号部と、
前記復号部により復号されたデータを出力する出力部とを備えることを特徴とする、デジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記抽出条件は、前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報が示すサービスを構成する前記サービス構成データを前記トランスポートストリームから抽出することである、請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記抽出条件は、前記トランスポートストリームから抽出する前記第1の情報のうち、特定の前記第1の識別番号を有する第1の情報のみを抽出することである、請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記第1の情報は、前記第1の識別番号が示すサービスを構成する前記サービス構成データを示す第2の識別番号と、前記チャンネルの放送地域を示す地域情報とをさらに含み、
前記第2の情報は、前記チャンネルの放送地域を示す地域情報をさらに含み、
前記デジタル放送受信装置は、前記地域情報と、前記地域情報毎に最初に前記復号部が復号すべきサービス構成データを示す前記第2の識別番号とを対応付けて保存する記憶部をさらに備え、
前記抽出条件は、前記記憶部に保存された第2の識別番号のうち、前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報または第2の情報に含まれる地域情報に対応している前記記憶部に保存された第2の識別番号に基づいて前記サービス構成データを抽出することである、請求項1記載のデジタル放送受信装置。
【請求項5】
1つの伝送チャンネルで複数のサービスを多重化して伝送する多重化信号を受信するデジタル放送受信方法であって、
前記複数のサービスをそれぞれ構成する符号化データであるサービス構成データと、前記複数のサービスをそれぞれ示す第1の識別番号を有する第1の情報と、前記第1の情報の一覧情報を含む第2の情報とを含むトランスポートストリームに復調する復調ステップと、
前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報または第2の情報が示すサービスを構成する前記サービス構成データを前記トランスポートストリームから抽出することを抽出条件として設定する制御ステップと、
前記制御ステップの設定した抽出条件に基づいて前記トランスポートストリームからデータを抽出する多重分離ステップと、
前記多重分離ステップが抽出した前記サービス構成データを復号する復号ステップと、
前記復号ステップにより復号されたデータを出力する出力ステップとを備えることを特徴とする、デジタル放送受信方法。
【請求項6】
前記抽出条件は、前記トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報が示すサービスを構成する前記サービス構成データを前記トランスポートストリームから抽出することである、請求項5記載のデジタル放送受信方法。
【請求項7】
前記抽出条件は、前記トランスポートストリームから抽出する前記第1の情報のうち、特定の前記第1の識別番号を有する第1の情報のみを抽出することである、請求項6記載のデジタル放送受信方法。
【請求項8】
前記第1の情報は、前記第1の識別番号が示すサービスを構成する前記サービス構成データを示す第2の識別番号と、前記チャンネルの放送地域を示す地域情報とをさらに含み、
前記第2の情報は、前記チャンネルの放送地域を示す地域情報をさらに含み、
前記地域情報と、前記地域情報毎に最初に前記復号ステップが復号すべきサービス構成データを示す前記第2の識別番号とを対応付けて保存されており、
前記抽出条件は、前記記憶部に保存された第2の識別番号のうち、前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報または第2の情報に含まれる地域情報に対応している前記保存された第2の識別番号に基づいて前記サービス構成データを抽出することである、請求項5記載のデジタル放送受信方法。
【請求項9】
1つの伝送チャンネルで複数のサービスを多重化して伝送する多重化信号を受信するデジタル放送受信装置のコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記複数のサービスをそれぞれ構成する符号化データであるサービス構成データと、前記複数のサービスのうちの1つをそれぞれ示す第1の識別番号を有する第1の情報と、前記第1の情報の一覧情報を含む第2の情報とを含むトランスポートストリームに復調する復調ステップと、
前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報または第2の情報が示すサービスを構成する前記サービス構成データを前記トランスポートストリームから抽出することを抽出条件として設定する制御ステップと、
前記制御ステップの設定した抽出条件に基づいて前記トランスポートストリームからデータを抽出する多重分離ステップと、
前記多重分離ステップが抽出した前記サービス構成データを復号する復号ステップと、
前記復号ステップにより復号されたデータを出力する出力ステップとを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする、デジタル放送受信プログラム。
【請求項10】
前記抽出条件は、前記トランスポートストリームから最初に抽出した第1の情報が示すサービスを構成する前記サービス構成データを前記トランスポートストリームから抽出することである、請求項9記載のデジタル放送受信プログラム。
【請求項11】
前記抽出条件は、前記トランスポートストリームから抽出する前記第1の情報のうち、特定の前記第1の識別番号を有する第1の情報のみを抽出することである、請求項10記載のデジタル放送受信プログラム。
【請求項12】
前記第1の情報は、前記第1の識別番号が示すサービスを構成する前記サービス構成データを示す第2の識別番号と、前記チャンネルの放送地域を示す地域情報とをさらに含み、
前記第2の情報は、前記チャンネルの放送地域を示す地域情報をさらに含み、
前記デジタル放送受信装置は、前記地域情報と、前記地域情報毎に最初に前記復号ステップが復号すべきサービス構成データを示す前記第2の識別番号とを対応付けて保存する記憶部をさらに備え、
前記抽出条件は、前記記憶部に保存された第2の識別番号のうち、前記トランスポートストリームから最初に抽出した前記第1の情報または第2の情報に含まれる地域情報に対応している前記記憶部に保存された第2の識別番号に基づいて前記サービス構成データを抽出することである、請求項9記載のデジタル放送受信プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−173760(P2006−173760A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−360037(P2004−360037)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】