移動局装置の無線リンク障害回復方法、移動局装置および基地局装置
【課題】無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順の途中で要素周波数帯域の接続を解放しないように再接続処理を保留する。
【解決手段】いずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定し、複数の要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域である場合は、移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域でない場合は、アンカー要素周波数帯域において、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、基地局装置に対して行なう。
【解決手段】いずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定し、複数の要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域である場合は、移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域でない場合は、アンカー要素周波数帯域において、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、基地局装置に対して行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける移動局装置について、特に複数の要素周波数帯域に対しての無線リンク障害回復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化団体プロジェクト3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、第3世代の移動通信方式を進化させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)、さらにその発展形のAdvanced EUTRA(LTE-Advancedとも呼ばれる)の検討が進められている。
EUTRAでは、物理層、媒体アクセス制御層、無線リンク制御層で無線リンク障害の検出方法が提案されている(非特許文献1)。Advanced EUTRAでは、上りリンク通信方式としてSC−FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)方式が提案されている。
【0003】
Advanced EUTRAでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、より高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:周波数帯域集約)が提案されている(非特許文献2)。キャリアアグリゲーションとは、送信装置と受信装置を有する移動通信システムにて、送信装置と、前記送信装置の送信帯域幅を超える受信帯域幅を持つ受信装置とを用意し、それぞれ異なる複数の要素周波数帯域(コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)やキャリア要素と称することもある)が設定された複数の送信装置からデータを送信し、受信装置において、前記複数の送信装置から送信されたデータを受信することで、データレートを向上させる技術である。また、前記送信装置と受信装置を有する移動通信システムにて、受信装置と、前記受信装置の受信帯域幅を超える送信帯域幅を持つ送信装置を用意し、それぞれ異なる周波数帯域が設定された複数の受信装置が、前記送信装置から送信されたデータを受信することで、データレートを向上させる技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS36.331,Radio Resource Control(RRC) Protocol specification.V8.5.0http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/36331.htm
【非特許文献2】Ericsson,R1-082468,3GPP TSG-RAN1 Meeting #53bis,Warsaw,Poland,June 30-July 4,2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と通信を行なう移動局装置において、EUTRAでは要素周波数帯域が処理されている階層によって無線リンク障害の検出方法が異なり、これをAdvanced EUTRAにそのまま適用すると、要素周波数帯域毎に無線リンク障害が検出される可能性がある。つまり、1つの要素周波数帯域から無線リンク障害が検出されることによって、移動局装置に割り当てられた全ての要素周波数帯域が解放され、再接続処理を行なうことになる。
【0006】
これは、無線リソースや再割り当ての時間の無駄が生じると共に、複数の要素周波数帯域について、異なるタイミングで無線リンク障害を検出する可能性があり、予期せぬタイミングで無線リソースを失う可能性がある。以上の理由から、Advanced EUTRAに適した無線リンク障害回復方法を検討する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と通信を行なう移動局装置が複数の異なる要素周波数帯域から無線リンク障害を検出する場合に、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順の途中で要素周波数帯域の接続を解放しないように再接続処理を保留することができる移動局装置の無線リンク障害回復方法、移動局装置および基地局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、前記基地局装置との無線接続に用いられるいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するステップと、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定するステップと、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放するステップと、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうステップと、前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0009】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域でない場合は、アンカー要素周波数帯域において、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、基地局装置に対して行なうので、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。さらに、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、移動局装置と基地局装置の接続を維持しやすくすることが可能となる。
【0010】
(2)また、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するステップと、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0011】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するので、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。特に、自動再送要求中に再接続処理を保留することにより、移動局装置は、下りリンクチャネル品質情報などのデータを基地局装置に伝送できたり、要素周波数帯域の処理手順完了を基地局装置に通知したりすることができる。
【0012】
(3)また、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法において、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
このように、特定の処理を行なっている場合は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するので、無線リンク障害が発生した要素周波数帯域を解放してしまうことで特定の処理に影響を及ぼす事態を回避することが可能となる。また、同期回復などのように、無線リンク障害が回復した場合に余計な処理が不要となる。
【0014】
(4)また、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、前記要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0015】
このように、移動局装置は、基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するので、所定の時間だけ再接続処理を保留することができ、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順に対する影響を小さくすることができる。
【0016】
(5)また、本発明の移動局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、前記基地局装置との無線接続に用いたいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するスケジューリング部と、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定し、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放する無線リソース制御部と、前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域である場合は、移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放するので、移動局装置は、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。さらに、移動局装置と基地局装置の接続を維持しやすくすることが可能となる。
【0018】
(6)また、本発明の移動局装置において、前記無線リソース制御部は、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうことを特徴とする。
【0019】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域でない場合は、アンカー要素周波数帯域において、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、基地局装置に対して行なうので、移動局装置は、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。
【0020】
(7)また、本発明の移動局装置において、前記無線リソース制御部は、前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうことを特徴とする。
【0021】
このように、基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、要素周波数帯域の再設定を行なうので、基地局装置は、移動局装置が指定した要素周波数帯域の送信周波数とは異なる送信周波数を有する別の要素周波数帯域を新たに設定することができる。また、移動局装置が指定した要素周波数帯域の要素周波数帯域IDは同じで送信周波数だけ再設定することもできる。
【0022】
(8)また、本発明の移動局装置において、前記無線リソース制御部は、前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする。
【0023】
このように、要素周波数帯域の再設定が完了したことを基地局装置に対して通知するので、基地局装置は移動局装置に対する再設定に問題がないことを把握することができる。
【0024】
(9)また、本発明の移動局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するスケジューリング部と、前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
このように、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するので、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。
【0026】
(10)また、本発明の移動局装置において、前記スケジューリング部は、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留することを特徴とする。
【0027】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するので、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。特に、自動再送要求中に再接続処理を保留することにより、移動局装置は、下りリンクチャネル品質情報などのデータを基地局装置に伝送できたり、要素周波数帯域の処理手順完了を基地局装置に通知したりすることができる。
【0028】
(11)また、本発明の移動局装置は、前記スケジューリング部は、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留することを特徴とする。
【0029】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するので、無線リンク障害が発生した要素周波数帯域を解放してしまうことで特定の処理に影響を及ぼす事態を回避することが可能となる。また、同期回復などのように、無線リンク障害が回復した場合に余計な処理が不要となる。
【0030】
(12)また、本発明の移動局装置において、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴とする。
【0031】
このように、基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するので、移動局装置は、所定の時間だけ再接続処理を保留することができる。
【0032】
(13)また、本発明の基地局装置は、前記スケジューリング部は、前記要素周波数帯域を不活性モードする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする。
【0033】
このように、要素周波数帯域を不活性モードする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するので、基地局装置は移動局装置に対する再設定に問題がないことを把握することができる。
【0034】
(14)また、本発明の基地局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を受信した場合は、送信周波数情報を含むパラメータを再設定して、要素周波数帯域の再設定情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、前記無線送受信部は、前記再設定情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域の再設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする。
【0035】
このように、移動局装置から、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を受信した場合は、送信周波数情報を含むパラメータを再設定して、要素周波数帯域の再設定情報を生成するので、移動局装置は、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。さらに、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、移動局装置と基地局装置の接続を維持しやすくすることが可能となる。
【0036】
(15)また、本発明の基地局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、前記無線送受信部は、前記指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする。
【0037】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を受信した場合は、不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報を生成するので、移動局装置は、所定の時間だけ再接続処理を保留することができ、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順に対する影響を小さくすることができる。
【0038】
(16)また、本発明の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、不活性モード要素周波数帯域を前記基地局装置との通信に利用する再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、前記活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の活性モード設定情報に基づいて、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するステップと、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴としている。
【0039】
このように、無線リンク障害を検出した場合に、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、基地局装置に対して行ない、不活性モード要素周波数帯域を基地局装置との通信に利用する再設定要求を、基地局装置に対して行ない、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を、基地局装置に対して行ない、不活性化要求に対して基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定し、活性化要求に対して基地局装置から送信された要素周波数帯域の活性モード設定情報に基づいて、不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するので、無線リンク障害を検出した場合、元々不活性モードになっていた要素周波数帯域を、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりとして、通信に再利用することが可能となる。
【0040】
(17)また、本発明の移動局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と、不活性モード要素周波数帯域を前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求とを、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求と前記再設定要求と前記活性化要求とに対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報と再設定情報と活性モード設定情報とに基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モード、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴としている。
【0041】
このように、無線リンク障害を検出した場合に、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と、不活性モード要素周波数帯域を無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する再設定要求と、不活性モードを活性モードにする活性化要求とを、基地局装置に対して行なう一方、不活性化要求と再設定要求と活性化要求とに対して基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報と再設定情報と活性モード設定情報とに基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モード、不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するので、無線リンク障害を検出した場合、元々不活性モードになっていた要素周波数帯域を、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりとして、通信に再利用することが可能となる。
【0042】
(18)また、本発明の基地局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに不活性モード要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうようにする再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報と、前記活性化要求に示された要素周波数帯域を、不活性モードから活性モードへ切り替える指示情報と、を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、前記無線送受信部は、前記2つの指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定と不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴としている。
【0043】
このように、移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに不活性モード要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうようにする再設定要求と、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を受信した場合は、不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報と、活性化要求に示された要素周波数帯域を、不活性モードから活性モードへ切り替える指示情報と、を生成し、するので、無線リンク障害を検出した場合、元々不活性モードになっていた要素周波数帯域を、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりとして、通信に再利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、移動局装置が複数の異なる要素周波数帯域から無線リンク障害を検出する場合に、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順の途中で要素周波数帯域の接続を解放しないように再接続処理を保留することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る移動局装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態において、アンカー要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合の移動局装置と基地局装置で行なわれる要素周波数帯域の再設定要求を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。
【図7A】本発明の第3の実施形態において、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードから不活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図7B】不活性モード要素周波数帯域を活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】EUTRAにおける無線リソース制御層の接続確立手順の概略を示したシーケンスチャートである。
【図9A】EUTRAにおける移動局装置の物理層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。
【図9B】EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御(MAC)層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。
【図9C】EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御(RLC)層における無線リンク障害(RLF)の検出方法を示した図である。
【図10】EUTRAにおける移動局装置の物理層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。
【図11】EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。
【図12】EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
各実施の形態の具体的な説明に入る前に、本発明で用いられる通信技術の概要について簡単に説明する。
【0047】
(1)各層のインタフェースプロトコル
移動局装置とネットワークとの間の無線インタフェースプロトコルの各層は、開放型システム相互間連結(Open System Interconnection、以下OSIと称する)の参照モデルに基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に分類される。第1層に属する物理層は、物理チャネルを使用して上位層に情報伝達サービスを提供する。また、トランスポートチャネル(伝送チャネルとも呼ばれる)を通して第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control、以降MACと称する)層に連結される。そして、データはトランスポートチャネルを通して、MAC層と物理層の間で伝達される。
【0048】
第2層に属するMAC層は、論理チャネルを通して無線リンク制御(Radio Link Control、以降RLCと称する)層に、論理チャネルとトランスポートチャネル間のリソース割り当てなどのサービスを提供する。RLC層は、信頼性のあるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC層内の機能ブロックによって具現されることもあるため、RLC層が存在しない場合もある。また、第2層には、MAC層とRLC層の他に、パケット-データ収束プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、以降PDCPと称する)層とがある。PDCP層は、パケット・データに付加されたヘッダ情報を圧縮して無線リンクで効率的に伝送できるようにしたり、パケットの順序管理を行なってデータ欠落を防いだりする。
【0049】
第3層に属する無線リソース制御(Radio Resource Control、以降RRCと称する)層は、無線ベアラの設定、再設定、および解除に関連してトランスポートチャネルおよび物理チャネルを制御する。RRC層は、ネットワークから移動局装置に対するシステム情報や呼び出し情報の報知などを行ない、それらに必要な第1層や第2層の制御も行なう。また、移動局装置とネットワーク間の無線リソースの制御も行なう。
【0050】
(2)物理チャネル
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される物理チャネルには、物理報知情報チャネル、物理上りリンクデータチャネル、物理下りリンクデータチャネル、物理下りリンク制御チャネル、物理上りリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネル、下りリンク参照信号、上りリンク参照信号などが含まれる。EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおいて、物理チャネルの種類が今後追加されたり、または、チャネル構造が変更されたりする可能性もあるが、このような変更がなされた場合でも、後述する本発明の各実施形態を適用可能である。
【0051】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)は、基地局装置から移動局装置へ送信される下りリンクチャネルであり、複数の移動局装置に対して共通に使用される。基地局装置は、送信タイミング情報やスケジューリング情報(上りリンク/下りリンクリソース割り当て情報)の送信に物理下りリンク制御チャネルを用いる。物理下りリンクデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。
【0052】
下りリンク参照信号(DL-RS:Downlink Reference Signal、またはCell-specific Reference Signal)は、基地局装置から移動局装置へ物理下りリンクチャネルを利用して送信される。移動局装置は下りリンク参照信号を測定することで下りリンクの受信品質を判定する。受信品質は、品質情報指標であるCQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)として物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)を用いて基地局装置へ通知される。基地局装置は移動局装置から通知されたCQIに基づいて、移動局装置に対する下りリンク通信のスケジューリングを行なう。
【0053】
なお、受信品質としては、SIR(Signal-to-Interference Ratio:信号対干渉電力比)、SINR(Signal-to-Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音電力比)、SNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音電力比)、CIR(Carrier-to-Interference Ratio:搬送波対干渉電力比)、BLER(Block Error Rate:ブロック誤り率)、パスロスなどを使用することができる。
【0054】
物理報知情報チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、物理下りリンクデータチャネルを用いて送信される。報知情報として、セル個別のID(Identity)を示すセルグローバルIDなどが通知される。
【0055】
物理上りリンクデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータ(UL-SCH:Uplink Shared Channel)を送信するために使用されるチャネルである。基地局装置が、移動局装置をスケジューリングした場合には、チャネル状態情報(下りリンクのチャネル品質指標CQI、プレコーディングマトリックス指標(PMI:Precoding Matrix Indicator)、ランク指標(RI:Rank Indicator)や下りリンク送信に対するハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)の肯定応答(ACK:Acknowledgement)/否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)も物理上りリンクデータチャネル(PUSCH)を使用して送信される。
【0056】
ここで、上りリンクデータ(UL-SCH)とは、例えば、ユーザデータを示しており、UL−SCHは、トランスポートチャネルである。UL−SCHでは、HARQ、動的適応無線リンク制御がサポートされ、また、ビームフォーミングが利用可能である。UL−SCHは、動的なリソース割り当て、および、準静的なリソース割り当てがサポートされる。
【0057】
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、制御データを送信するために使用されるチャネルである。ここで制御データとは、例えば、移動局装置から基地局装置へ送信(フィードバック)されるチャネル状態情報(CQI、PMI、RI)、移動局装置が、上りリンクデータを送信するためのリソースの割り当てを要求する(UL-SCHでの送信を要求する)スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、下りリンク送信に対するHARQのACK/NACKなどが含まれる。
【0058】
上りリンク参照信号(UL-RS:Uplink Reference Signal)は、移動局装置から基地局装置へ上りリンクチャネルを利用して送信される。基地局装置は上りリンク参照信号を測定することで、移動局装置の上りリンク無線送信信号の受信品質を判定する。基地局装置は、受信品質に基づいて上りリンク通信のスケジューリングを行なう。上りリンク参照信号は、物理上りリンクデータチャネルの振幅、位相や周波数の変動量を計算し、物理上りリンクデータチャネルを利用して送信された信号を復調するための参照信号としても使用される。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用される物理チャネルであり、ガードタイムを持つ。PRACHは、移動局装置が基地局装置と同期をとることを最大の目的とし、その他に、初期アクセス、ハンドオーバ、再接続要求、およびスケジューリング要求に用いられる。
【0059】
(3)無線リソース制御層接続確立
図8は、EUTRAにおける無線リソース制御層の接続確立手順の概略を示したシーケンスチャートである。無線リソース制御層接続要求とは、アイドル状態(基地局装置と無線接続されていない状態、待ち受け状態)の移動局装置に対する着呼時や移動局装置からの発呼時に、移動局装置が基地局装置と一対一の通信(個別チャネルを使用した移動局装置個別の通信)を行なうために必要な移動局装置情報(UE CONTEXT)を基地局装置およびその上位制御局に提供し、無線リソース接続確立を要求することである。移動局装置は、基地局装置とのランダムアクセス(初期アクセス)が完了した後、無線リソース制御層接続要求を基地局装置に対して送信する(ステップS101)。基地局装置は、受信した無線リソース制御層接続要求に応じて、移動局装置に対する接続を設定し、無線リソース接続設定を移動局装置に送信する(ステップS102)。移動局装置は、受信した無線リソース接続設定に問題がなければ、無線リソース制御層接続設定完了を基地局装置に対して通知する(ステップS103)。
【0060】
(4)移動局装置の各層における無線リンク障害通知方法
図9は、EUTRAにおける移動局装置の各層の無線リンク障害(Radio Link Failure;RLF)の通知方法を示した図である。図9Aは、EUTRAにおける移動局装置の物理層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。物理層においては、移動局装置が基地局装置と接続中であり、下りリンク信号を受信している時に無線リンク障害が通知される。物理層は、基地局装置から送信された下りリンク信号の受信品質を監視している。物理層には、2つの受信品質閾値(下りリンク同期回復判定用閾値(Qin)と下りリンク同期誤り判定用閾値(Qout))が設定されている。
【0061】
移動局装置は、下りリンク信号の受信品質がQin以上を測定すれば、基地局装置と同期するのに十分な電力が送信されている(同期回復検出)と認識し、下りリンク信号の受信品質がQout未満を測定すると基地局装置と同期するのに不十分な電力が送信されている(同期誤り検出)と認識する。物理層は、同期回復または同期誤りを無線リソース制御層へ毎回通知する。同期誤り検出が所定の回数連続して通知された場合、無線リソース制御層は、同期保護タイマを起動し、同期保護タイマが満了時間に達するまでに同期回復が物理層から通知されなければ、無線リソース制御層は、物理層において無線リンク障害が発生したと判断する。物理層は、QinとQoutの間で受信品質が測定された場合は、同期回復/同期誤りを無線リソース制御層へ通知しない。
【0062】
図9Bは、EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御(MAC)層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。MAC層では、ランダムアクセスを行なう時に無線リンク障害が通知される。移動局装置が、基地局装置に対してプリアンブルを送信する時、プリアンブル送信カウンタを用いて、プリアンブル送信回数を計測する。移動局装置は、プリアンブルを送信してからある一定時間でプリアンブルに対する応答が返ってこないと、再び基地局装置に対してプリアンブルを送信する。移動局装置のMAC層は、プリアンブル送信回数が事前に基地局装置より設定される閾値に達した場合、プリアンブル送信回数が閾値に達したことをRRC層に通知する。プリアンブル送信回数が閾値に達したことを通知された無線リソース制御層は、MAC層において無線リンク障害が発生したと判断する。
【0063】
図9Cは、EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御(RLC)層における無線リンク障害(RLF)の検出方法を示した図である。RLC層では、自動再送要求手順を行なう時に無線リンク障害が検出される。移動局装置が、確認モードデータプロトコルデータ単位(AMD PDU:Acknowledgement Mode Data Protocol Data Unit)を送信した時に、基地局装置からNACK(Negative Acknowledgement)が返ってくると、移動局装置はAMD PDUを再び送信し、AMD PDUの送信回数を計測する。移動局装置のRLC層は、AMD PDUの送信回数が閾値に達した場合に、AMD PDUの送信回数が閾値に達したことを無線リソース制御層に通知する。AMD PDUの送信回数が閾値に達したことを通知された無線リソース制御層は、RLC層において無線リンク障害が発生したと判断する。ここで、PDUとは、ある層(ここではRLC層)におけるプロトコル制御情報を付加したデータのことである。各層における無線リンク障害の検出手順の詳細な説明については、フローチャート図を用いて行なう。
【0064】
図10は、EUTRAにおける移動局装置の物理層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。移動局装置の物理層は、基地局装置から送信された下りリンク信号を受信した際に、下りリンク信号の同期回復を検出したかどうかを判断する(ステップS201)。そして、下りリンク同期回復判定用閾値(Qin)未満であれば(ステップS201:NO)、移動局装置の物理層は、移動局装置のRRC層に同期回復を検出したことを通知する。次に、移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達していないか確認する(ステップS202)。移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達していなければ(ステップS202:NO)、移動局装置のRRC層は、同期回復検出回数を初期化する(ステップS203)。移動局装置のRRC層は、同期誤り検出回数を計測し(ステップS204)、同期誤り検出回数が閾値以上連続して検出されたかを確認する(ステップS205)。
【0065】
移動局装置のRRC層は、同期誤り検出回数が閾値以上連続して検出されていた場合(ステップS205:YES)、同期保護タイマを起動する(ステップS206)。移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達しているか否かを確認する(ステップS205)。移動局装置の物理層は、下りリンク信号の同期回復を検出した場合(S201:YES)、同期回復を移動局装置のRRC層に通知し、移動局装置のRRC層は、その通知を受けて、同期誤り検出回数を初期化する(ステップS207)。移動局装置のRRC層は、同期回復検出回数を計測する(ステップS208)。移動局装置のRRC層は、同期回復の検出回数が閾値以上連続して検出されたかを確認する(ステップS209)。移動局装置のRRC層は、同期回復検出回数が閾値以上連続して検出された場合(ステップS209:YES)、同期保護タイマを停止し、初期化する(ステップS210)。移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達した場合(ステップS202:YES)、無線リンク障害(RLF)が検出されたと認識する(ステップS211)。
【0066】
図11は、EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。移動局装置は、ランダムアクセスプリアンブル(単にプリアンブルと称することもある)を基地局装置に送信する時、プリアンブル送信カウンタを起動する(ステップS301)。移動局装置は、ランダムアクセスが失敗したか否かを判断する(ステップS302)。ランダムアクセスが失敗した場合(ステップS302:YES)、移動局装置は、プリアンブル送信回数を計測する(ステップS303)。移動局装置は、プリアンブル送信回数が閾値以上であるか否かを確認する(ステップS304)。プリアンブル送信回数が閾値以上の場合(ステップS304:YES)、移動局装置の媒体アクセス制御層は、無線リソース制御層にプリアンブル送信回数が閾値に達したことを通知し(ステップS305)、無線リンク障害が検出される(ステップS306)。
【0067】
図12は、EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。移動局装置は、無線リンク制御層のデータ単位である確認モードデータプロトコルデータ単位を基地局装置に対して送信する際に、送信カウンタを起動する(ステップS401)。移動局装置は、基地局装置からACKが返ってくることでAMD PDUの送信に成功したことを確認する(ステップS402)。AMD PDUの送信に失敗した場合(ステップS402:YES)、すなわち、基地局装置からNACKが返ってきた場合、移動局装置は、送信回数を計測する(ステップS403)。移動局装置は、送信回数が閾値以上であるかを確認する(ステップS404)。送信回数が閾値以上であれば(ステップS404:YES)、移動局装置の無線リンク制御層は、送信回数が閾値に達したことを無線リソース制御層に通知し(ステップS405)、無線リンク障害が検出される(ステップS406)。
【0068】
以上の事項を考慮しつつ、以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、移動局装置に割り当てられる要素周波数帯域は、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が同じであれば、下りリンクと上りリンクでそれぞれ対応しているが、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が異なる場合は、複数の下りリンク要素周波数帯域が1つの上りリンク要素周波数帯域に対応したり、複数の上りリンク要素周波数帯域が1つの下りリンク要素周波数帯域に対応したりする。また、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が同じであっても、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が異なる場合のように複数の下りリンク要素周波数帯域が1つの上りリンク要素周波数帯域に対応したり、複数の上りリンク要素周波数帯域が1つの下りリンク要素周波数帯域に対応したりする場合もある。以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0069】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について以下に説明する。第1の実施形態では、無線リソース制御層接続確立に用いた要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定し、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合のみ全ての要素周波数帯域を解放する。
【0070】
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置1の概略機能構成を示すブロック図である。移動局装置1は、送信部101と、受信部103と、スケジューリング部105と、アンテナ107とを含んでいる。送信部101は、データ制御部1011と、変調部1013と、無線送信部1015とを含んでいる。また、受信部103は、無線受信部1031と、復調部1033と、データ抽出部1035とを含んでいる。
【0071】
ユーザデータと制御データは、上位層(無線リソース制御部)109からデータ制御部1011に入力される。データ制御部1011は、入力されたデータをスケジューリング部105からの指示により、PUSCHやPUCCHに配置する。また、この時、上りリンク参照信号も配置される。変調部1013は、データ変調を行ない、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform、以降DFTと称する)、サブキャリアマッピング、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、以降IFFTと称する)、CP(Cyclic Prefix)挿入、フィルタリングなどの信号処理を行ない、送信信号を生成する。そして、変調部1013は、変調された信号を無線送信部1015に出力する。無線送信部1015は、変調されたデータを無線周波数にアップコンバートした後に、アンテナ107を介して、基地局装置3に送信する。無線受信部1031は、基地局装置3からの下りリンク信号を受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信信号を復調部1033に出力する。
【0072】
復調部1033は、受信データを復調する。データ抽出部1035は、受信データをユーザデータと制御データに分離する。また、データ抽出部1035は、スケジューリング情報、ランダムアクセス応答メッセージや間欠受信制御に関する制御データやその他の第2層の制御データはスケジューリング部105に出力し、ユーザデータを上位層109に出力する。スケジューリング部105は、データ抽出部1035から入力された制御データを解析し、上りリンクのスケジューリング情報を生成し、そのスケジューリング情報を基に、ユーザデータや制御データをPUSCHやPUCCHに割り当てることをデータ制御部1011に指示する。また、スケジューリング部105は、カウンタ制御部1051とタイマ制御部1053を有し、上位層109からのスケジューリング情報に基づいて、前記スケジューリング情報に関連したカウンタやタイマを起動したり、停止したりする。上位層109は、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層の処理を行なう。上位層109は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層109と、スケジューリング部105、アンテナ107、送信部101、受信部103との間のインターフェースが存在する(ただし、図示しない)。
【0073】
図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の概略機能構成を示すブロック図である。基地局装置3は、送信部(無線送受信部)201と、受信部(無線送受信部)203と、スケジューリング部(基地局側スケジューリング部)205と、アンテナ207とを含んでいる。送信部201は、データ制御部2011と、変調部2013と、無線送信部2015とを含んでいる。また、受信部203は、無線受信部2031と、復調部2033と、データ抽出部2035とを含んでいる。データ制御部2011は、ユーザデータと制御データとを入力し、スケジューリング部205からの指示により、制御データをPDCCHに配置し、各移動局装置1に対する送信データや制御データをPDSCHに配置する。変調部2013は、データ変調、入力信号の直列/並列変換、IFFT、CP挿入、フィルタリングなどの信号処理を行ない、送信信号を生成する。無線送信部2015は、変調されたデータを無線周波数にアップコンバードした後に、アンテナを介して、移動局装置1に送信する。
【0074】
無線受信部2031は、移動局装置1からの上りリンクの信号を受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データを復調部2033に出力する。データ抽出部2035は、受信データの正誤を確認し、確認結果をスケジューリング部205に通知する。データ抽出部2035は、受信データが正しい場合、受信データをユーザデータと制御データに分離する。データ抽出部2035は、制御データの中で下りリンクのチャネル品質指示情報、下りリンクデータの成/否(ACK/NACK)などの第2層の制御データはスケジューリング部205に出力し、その他の第3層等の制御データとユーザデータは上位層に出力する。データ抽出部2035は、受信データが誤りの場合、再送データと合成するために保存しておき、再送データを受信した時に合成処理を行なう。スケジューリング部205は、ユーザデータや制御データをPDSCHやPDCCHに配置するためのスケジューリングを行なう。上位層209は、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層の処理を行なう。上位層209は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層209と、スケジューリング部205、アンテナ、送信部201、受信部203との間のインターフェースが存在する(ただし、図示しない)。
【0075】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。移動局装置1は、図8に示した無線リソース制御層接続確立手順に使用した要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域(Anchor Component Carrier)として設定する(ステップS501)。
【0076】
アンカー要素周波数帯域とは、例えば、移動局装置1が最初にアクセスする下りリンク要素周波数帯域のことである。あるいは、基地局装置3がRRCメッセージを用いて移動局装置1に対して個別に指定する下りリンク/上りリンク要素周波数帯域のことである。あるいは、報知情報に含まれる下りリンク要素周波数帯域の優先度の最も高い下りリンク要素周波数帯域である。あるいは、移動局装置1が受信している下りリンク要素周波数帯域のうち、移動局装置1の判断で選択した任意の下りリンク要素周波数帯域のことである。あるいは、移動局装置1に割り当てられている全ての下りリンク/上りリンク要素周波数帯域の制御情報を割り当てて送受信することのできる要素周波数帯域である。即ち、複数の要素周波数帯域を送受信可能な移動局装置1において、移動局装置1の処理を簡略化するために、または、移動局装置1でセルサーチや無線リンクなどを監視する要素周波数帯域を予め制限し、受信電力を低減することで移動局装置1の負担を軽減するために、設定される要素周波数帯域である。
【0077】
そのため、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出されると、他の要素周波数帯域のデータや制御に関する情報を確認することができなくなるため、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合には、全ての要素周波数帯域を解放する必要がある。その後、移動局装置1は、基地局装置3の指示に従い、キャリアアグリゲーションにより複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置3と接続される。ここで、移動局装置1が基地局装置3との接続に使用される複数の要素周波数帯域の中のいずれかから無線リンク障害を検出した場合(ステップS502)、移動局装置1は、無線リンク障害がアンカー要素周波数帯域で検出されたか否かを確認する(ステップS503)。
【0078】
無線リンク障害は、図9に示したいずれの方法で検出されても良い。移動局装置1は、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合(ステップS503:YES)、全ての要素周波数帯域の接続を解放する(ステップS504)。また、移動局装置1はアンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出されなかった場合(ステップS503:NO)、アンカー要素周波数帯域を用いて基地局装置3に無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の再設定要求を行なう(ステップS505)。ここで、再設定要求とは、移動局装置1は、基地局装置3に対して、移動局装置1が指定した要素周波数帯域の送信周波数の再設定(変更)を要求することである。ただし、要素周波数帯域の再設定項目は、送信周波数だけに限定されない。基地局装置3は再設定要求を受けて、移動局装置1が指定した要素周波数帯域の送信周波数とは異なる送信周波数を有する別の要素周波数帯域を新たに設定しても良いし、移動局装置1が指定した要素周波数帯域の要素周波数帯域IDは同じで送信周波数だけ再設定しても良い。
【0079】
本実施形態において、移動局装置1は、無線リンク障害の検出について要素周波数帯域毎に判断することもできるし、無線リンク障害を検出してからどの要素周波数帯域で検出されたかを判断することもできる。移動局装置1は、再設定要求に少なくとも移動局装置1が再設定を要求する要素周波数帯域の識別情報(例えば、要素周波数帯域ID、ここでは、特に無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の要素周波数帯域IDを指している)と再設定を要求するパラメータ(項目)を含める。ここで、移動局装置1が再設定を要求するパラメータとは、主に送信周波数であるが、その他に、再設定される要素周波数帯域の下りリンク/上りリンクの送信周期や下りリンク/上りリンクリソース割り当て情報などを含む場合もある。
【0080】
移動局装置1は、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害を検出した際に再接続を行なう一方、アンカー要素周波数帯域以外で無線リンク障害を検出した際に再設定要求を行なうことで、基地局装置3との接続状態を解放せずに、要素周波数帯域(無線リソース)の再設定を行なうことができる。ハンドオーバが行なわれる場合、アンカー要素周波数帯域は、初期アクセスに使用した要素周波数帯域か、あるいは、ハンドオーバ先の基地局装置3から新たに指示された要素周波数帯域に再設定されても良い。無線リンク障害による再接続処理が行なわれる場合、アンカー要素周波数帯域は、無線リソース制御層接続要求に使用した要素周波数帯域に再設定されても良い。
【0081】
図4は、本発明の第1の実施形態において、アンカー要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合の移動局装置1と基地局装置3で行なわれる要素周波数帯域の再設定要求を示すシーケンスチャートである。移動局装置1は、アンカー要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で無線リンク障害が検出されると(ステップS601)、基地局装置3に対して、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の再設定を要求する(ステップS602)。基地局装置3は、移動局装置1からの再設定要求を受けて、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域のパラメータ(送信周波数や送信タイミングなど)を再設定する(ステップS603)。基地局装置3は、再設定した内容を移動局装置1に対して送信し(ステップS604)、移動局装置1で、基地局装置3から送信された情報を基に、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域のパラメータを再設定し、完了すれば、基地局装置3に対して、要素周波数帯域の再設定が完了したことを通知する(ステップS605)。
【0082】
第1の実施形態では、アンカー要素周波数帯域以外で無線リンク障害が検出された場合、アンカー要素周波数帯域を用いて再設定要求を行なうため、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質が向上する。さらに、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、移動局装置1と基地局装置3の接続を維持しやすくする。
【0083】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における機器の機能構成は、第1の実施形態において示したものと同様であるので、ここではその説明を省略する。ただし、スケジューリング部105が無線リンク障害を検出したときに、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で特定の処理を検出するための機能を有することが異なる。第2の実施形態では、無線リンク障害が検出されてもすぐに再接続処理に移行するのではなく、他の要素周波数帯域で実施中の処理によって一時的に再接続処理の開始を保留し、他の要素周波数帯域の処理を優先させる。ここで、再接続処理とは、移動局装置1が、移動局装置1に割り当てられたすべての要素周波数帯域の接続を解放し、セルの選択から無線リソース制御層接続確立まで行なう処理のことである。
【0084】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。移動局装置1は、無線リンク障害を検出した場合(ステップS701)、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で、特定の処理をしているか否かを確認する(ステップS702)。無線リンク障害は、図9に示したいずれの方法で検出されても良い。移動局装置1は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で、特定の処理を行なっている場合(ステップS702:YES)、特定の処理が完了するまで、再接続処理の開始を保留する(ステップS703)。移動局装置1は、特定の処理の実施を検出した要素周波数帯域における特定の処理が完了した場合(ステップS704)、全ての要素周波数帯域の接続を解放し、保留していた再接続処理を開始する(ステップS705)。
【0085】
一方、移動局装置1が、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外で特定の処理を行なっていないと判断した場合(ステップS702:NO)、即座に全ての要素周波数帯域の接続を解放して再接続処理を行なう。ここで、特定の処理とは、ランダムアクセスや自動再送要求などである。ランダムアクセス中に再接続処理を保留することで、例えば、基地局装置3との同期確立処理中に移動局装置1のアイドル状態への遷移を防ぐことができる。また、自動再送要求中に再接続処理を保留することで移動局装置1が送信すべき重要な情報を基地局装置3に全て送信することができる。
【0086】
本実施形態において、移動局装置1は、無線リンク障害の検出について要素周波数帯域毎に判断することもできるし、無線リンク障害を検出してからどの要素周波数帯域で検出されたかを判断することもできる。第2の実施形態では、無線リンク障害が検出された時に、接続中の他の要素周波数帯域の状況を鑑みることで、移動局装置1が確保した無線リソース(要素周波数帯域)を解放することなく、無線リンク障害の検出後の再接続処理の開始を保留することで、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。特に、自動再送要求中に再接続処理を保留することにより、移動局装置1は、下りリンクチャネル品質情報などのデータを基地局装置3に伝送できたり、要素周波数帯域の処理手順完了を基地局装置3に通知したりすることができる。
【0087】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における機器の機能構成は、第1の実施形態において示したものと同様であるので、ここではその説明を省略する。第3の実施形態では、下りリンク要素周波数帯域または、上りリンク要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域に対して、不活性モードに切り替えることで、再接続処理手順への遷移を回避する。また、複数の要素周波数帯域を送受信する移動通信システムにおいては、無線リンク障害が偶発的に発生したと考えることもできるため、すぐに再接続処理に遷移して、要素周波数帯域の接続を全て解放して、新しい要素周波数帯域を設定するよりも現状の要素周波数帯域の接続を維持した方が通信効率は維持できる。
【0088】
本実施形態では、無線リンク障害が検出された際に、即座に再接続処理へ遷移しないで、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにし、所定の時間だけ再接続処理を保留することで、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順に対する影響を小さくする。
【0089】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。移動局装置1は、無線リンク障害を検出すると(ステップS801)、基地局装置3に対して、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにするために、活性/不活性モード切替要求を行ない、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードに切り替える(ステップS802)。移動局装置1は、不活性モードにした要素周波数帯域以外の要素周波数帯域の処理手順が完了した場合には、再接続処理へ遷移する。ここで、不活性モードとは、要素周波数帯域(無線リソース)の解放や変更をせずに、要素周波数帯域のパラメータがすべて保存されている状態で、要素周波数帯域の送受信を一時的に停止することである。
【0090】
図7Aは、本発明の第3の実施形態において、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードから不活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【0091】
移動局装置1で無線リンク障害が検出されると、移動局装置1は、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードから不活性モードに切り替える要素周波数帯域として選択する(ステップS901)。次に、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにするために、活性/不活性モード切替要求(不活性化要求)を基地局装置3に行なう(ステップS902)。基地局装置3は、その要求を受けて、移動局装置1から送信された要素周波数帯域を不活性モードに設定する(ステップS903)。そして、基地局装置3は、不活性モードにした要素周波数帯域を移動局装置1に対して通知する(ステップS904)。移動局装置1は、基地局装置3からの通知を受けて、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにする(ステップS905)。ここで、活性/不活性モード切替要求には、移動局装置1が活性モードまたは不活性モードにしたい要素周波数帯域の情報が含まれている。移動局装置1は、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の不活性モードへの切り替えが完了すると、基地局装置3に、活性/不活性モード切替設定完了の通知をする(ステップS906)。
【0092】
本発明の第3の実施形態において、送信電力等の制限により移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうことのできない場合があり、移動局装置と基地局装置間の無線通信に一時的に使用しない要素周波数帯域はすべて不活性モードとして取り扱われることになる。そこで、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにして無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する。図7Bは、不活性モード要素周波数帯域を活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【0093】
移動局装置1で無線リンク障害が検出されると、移動局装置1は、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードに切り替える活性/不活性モード切替要求(不活性化要求)を基地局装置に対して行ない、さらに不活性モード要素周波数帯域を無線通信に使用するための再設定要求と、不活性モード要素周波数帯域を活性モードへと切り替える活性/不活性モード切替要求(活性化要求)を基地局装置に対して行なう。移動局装置1は、1つ以上の不活性モード要素周波数帯域の中から活性モードに切り替える要素周波数帯域を1つ選択する(ステップS1001)。次に、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにするために、活性/不活性モード切替要求(活性化要求)を基地局装置3に行なう(ステップS1002)。基地局装置3は、その要求を受けて、移動局装置1から送信された要素周波数帯域を活性モードに設定する(ステップS1003)。そして、基地局装置3は、活性モードにした要素周波数帯域を移動局装置1に対して通知する(ステップS1004)。移動局装置1は、基地局装置3からの通知を受けて、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードにする(ステップS1005)。ここで、活性/不活性モード切替要求には、移動局装置1が活性モードまたは不活性モードにしたい要素周波数帯域の情報が含まれている。移動局装置1は、選択した不活性モード要素周波数帯域の活性モードへの切り替えが完了すると、基地局装置3に、活性/不活性モード切替設定完了の通知をする(ステップS1006)。
【0094】
第3の実施形態では、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにすることで一時的に再接続処理を保留し、基地局装置3との接続状態を維持する。
【0095】
なお、上述した実施形態における基地局装置3と移動局装置1の一部の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0096】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0097】
1 移動局装置
3 基地局装置
105 スケジューリング部
205 スケジューリング部
109 上位層
1015 無線送信部
1031 無線受信部
2015 無線送信部
2031 無線受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける移動局装置について、特に複数の要素周波数帯域に対しての無線リンク障害回復方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化団体プロジェクト3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、第3世代の移動通信方式を進化させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降EUTRAと称する)、さらにその発展形のAdvanced EUTRA(LTE-Advancedとも呼ばれる)の検討が進められている。
EUTRAでは、物理層、媒体アクセス制御層、無線リンク制御層で無線リンク障害の検出方法が提案されている(非特許文献1)。Advanced EUTRAでは、上りリンク通信方式としてSC−FDMA(Single Carrier-Frequency Division Multiple Access)方式が提案されている。
【0003】
Advanced EUTRAでは、EUTRAとの互換性を維持しつつ、より高速なデータ伝送が可能な技術として、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:周波数帯域集約)が提案されている(非特許文献2)。キャリアアグリゲーションとは、送信装置と受信装置を有する移動通信システムにて、送信装置と、前記送信装置の送信帯域幅を超える受信帯域幅を持つ受信装置とを用意し、それぞれ異なる複数の要素周波数帯域(コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)やキャリア要素と称することもある)が設定された複数の送信装置からデータを送信し、受信装置において、前記複数の送信装置から送信されたデータを受信することで、データレートを向上させる技術である。また、前記送信装置と受信装置を有する移動通信システムにて、受信装置と、前記受信装置の受信帯域幅を超える送信帯域幅を持つ送信装置を用意し、それぞれ異なる周波数帯域が設定された複数の受信装置が、前記送信装置から送信されたデータを受信することで、データレートを向上させる技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS36.331,Radio Resource Control(RRC) Protocol specification.V8.5.0http://www.3gpp.org/ftp/Specs/html-info/36331.htm
【非特許文献2】Ericsson,R1-082468,3GPP TSG-RAN1 Meeting #53bis,Warsaw,Poland,June 30-July 4,2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と通信を行なう移動局装置において、EUTRAでは要素周波数帯域が処理されている階層によって無線リンク障害の検出方法が異なり、これをAdvanced EUTRAにそのまま適用すると、要素周波数帯域毎に無線リンク障害が検出される可能性がある。つまり、1つの要素周波数帯域から無線リンク障害が検出されることによって、移動局装置に割り当てられた全ての要素周波数帯域が解放され、再接続処理を行なうことになる。
【0006】
これは、無線リソースや再割り当ての時間の無駄が生じると共に、複数の要素周波数帯域について、異なるタイミングで無線リンク障害を検出する可能性があり、予期せぬタイミングで無線リソースを失う可能性がある。以上の理由から、Advanced EUTRAに適した無線リンク障害回復方法を検討する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と通信を行なう移動局装置が複数の異なる要素周波数帯域から無線リンク障害を検出する場合に、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順の途中で要素周波数帯域の接続を解放しないように再接続処理を保留することができる移動局装置の無線リンク障害回復方法、移動局装置および基地局装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、前記基地局装置との無線接続に用いられるいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するステップと、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定するステップと、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放するステップと、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうステップと、前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0009】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域でない場合は、アンカー要素周波数帯域において、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、基地局装置に対して行なうので、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。さらに、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、移動局装置と基地局装置の接続を維持しやすくすることが可能となる。
【0010】
(2)また、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するステップと、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0011】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するので、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。特に、自動再送要求中に再接続処理を保留することにより、移動局装置は、下りリンクチャネル品質情報などのデータを基地局装置に伝送できたり、要素周波数帯域の処理手順完了を基地局装置に通知したりすることができる。
【0012】
(3)また、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法において、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
このように、特定の処理を行なっている場合は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するので、無線リンク障害が発生した要素周波数帯域を解放してしまうことで特定の処理に影響を及ぼす事態を回避することが可能となる。また、同期回復などのように、無線リンク障害が回復した場合に余計な処理が不要となる。
【0014】
(4)また、本発明の移動局装置の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、前記要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0015】
このように、移動局装置は、基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するので、所定の時間だけ再接続処理を保留することができ、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順に対する影響を小さくすることができる。
【0016】
(5)また、本発明の移動局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、前記基地局装置との無線接続に用いたいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するスケジューリング部と、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定し、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放する無線リソース制御部と、前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域である場合は、移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放するので、移動局装置は、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。さらに、移動局装置と基地局装置の接続を維持しやすくすることが可能となる。
【0018】
(6)また、本発明の移動局装置において、前記無線リソース制御部は、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうことを特徴とする。
【0019】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、アンカー要素周波数帯域でない場合は、アンカー要素周波数帯域において、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、基地局装置に対して行なうので、移動局装置は、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。
【0020】
(7)また、本発明の移動局装置において、前記無線リソース制御部は、前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうことを特徴とする。
【0021】
このように、基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、要素周波数帯域の再設定を行なうので、基地局装置は、移動局装置が指定した要素周波数帯域の送信周波数とは異なる送信周波数を有する別の要素周波数帯域を新たに設定することができる。また、移動局装置が指定した要素周波数帯域の要素周波数帯域IDは同じで送信周波数だけ再設定することもできる。
【0022】
(8)また、本発明の移動局装置において、前記無線リソース制御部は、前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする。
【0023】
このように、要素周波数帯域の再設定が完了したことを基地局装置に対して通知するので、基地局装置は移動局装置に対する再設定に問題がないことを把握することができる。
【0024】
(9)また、本発明の移動局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するスケジューリング部と、前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする。
【0025】
このように、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するので、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。
【0026】
(10)また、本発明の移動局装置において、前記スケジューリング部は、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留することを特徴とする。
【0027】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するので、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。特に、自動再送要求中に再接続処理を保留することにより、移動局装置は、下りリンクチャネル品質情報などのデータを基地局装置に伝送できたり、要素周波数帯域の処理手順完了を基地局装置に通知したりすることができる。
【0028】
(11)また、本発明の移動局装置は、前記スケジューリング部は、前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留することを特徴とする。
【0029】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における特定の処理が完了するまで、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するので、無線リンク障害が発生した要素周波数帯域を解放してしまうことで特定の処理に影響を及ぼす事態を回避することが可能となる。また、同期回復などのように、無線リンク障害が回復した場合に余計な処理が不要となる。
【0030】
(12)また、本発明の移動局装置において、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴とする。
【0031】
このように、基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するので、移動局装置は、所定の時間だけ再接続処理を保留することができる。
【0032】
(13)また、本発明の基地局装置は、前記スケジューリング部は、前記要素周波数帯域を不活性モードする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする。
【0033】
このように、要素周波数帯域を不活性モードする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するので、基地局装置は移動局装置に対する再設定に問題がないことを把握することができる。
【0034】
(14)また、本発明の基地局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を受信した場合は、送信周波数情報を含むパラメータを再設定して、要素周波数帯域の再設定情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、前記無線送受信部は、前記再設定情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域の再設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする。
【0035】
このように、移動局装置から、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を受信した場合は、送信周波数情報を含むパラメータを再設定して、要素周波数帯域の再設定情報を生成するので、移動局装置は、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質を向上させることができる。さらに、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、移動局装置と基地局装置の接続を維持しやすくすることが可能となる。
【0036】
(15)また、本発明の基地局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、前記無線送受信部は、前記指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする。
【0037】
このように、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を受信した場合は、不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報を生成するので、移動局装置は、所定の時間だけ再接続処理を保留することができ、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順に対する影響を小さくすることができる。
【0038】
(16)また、本発明の無線リンク障害回復方法は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、不活性モード要素周波数帯域を前記基地局装置との通信に利用する再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、前記活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の活性モード設定情報に基づいて、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するステップと、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴としている。
【0039】
このように、無線リンク障害を検出した場合に、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、基地局装置に対して行ない、不活性モード要素周波数帯域を基地局装置との通信に利用する再設定要求を、基地局装置に対して行ない、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を、基地局装置に対して行ない、不活性化要求に対して基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定し、活性化要求に対して基地局装置から送信された要素周波数帯域の活性モード設定情報に基づいて、不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するので、無線リンク障害を検出した場合、元々不活性モードになっていた要素周波数帯域を、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりとして、通信に再利用することが可能となる。
【0040】
(17)また、本発明の移動局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と、不活性モード要素周波数帯域を前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求とを、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求と前記再設定要求と前記活性化要求とに対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報と再設定情報と活性モード設定情報とに基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モード、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴としている。
【0041】
このように、無線リンク障害を検出した場合に、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と、不活性モード要素周波数帯域を無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する再設定要求と、不活性モードを活性モードにする活性化要求とを、基地局装置に対して行なう一方、不活性化要求と再設定要求と活性化要求とに対して基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報と再設定情報と活性モード設定情報とに基づいて、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モード、不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するので、無線リンク障害を検出した場合、元々不活性モードになっていた要素周波数帯域を、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりとして、通信に再利用することが可能となる。
【0042】
(18)また、本発明の基地局装置は、複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに不活性モード要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうようにする再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報と、前記活性化要求に示された要素周波数帯域を、不活性モードから活性モードへ切り替える指示情報と、を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、前記無線送受信部は、前記2つの指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定と不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴としている。
【0043】
このように、移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに不活性モード要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうようにする再設定要求と、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を受信した場合は、不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報と、活性化要求に示された要素周波数帯域を、不活性モードから活性モードへ切り替える指示情報と、を生成し、するので、無線リンク障害を検出した場合、元々不活性モードになっていた要素周波数帯域を、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりとして、通信に再利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、移動局装置が複数の異なる要素周波数帯域から無線リンク障害を検出する場合に、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順の途中で要素周波数帯域の接続を解放しないように再接続処理を保留することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る移動局装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態において、アンカー要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合の移動局装置と基地局装置で行なわれる要素周波数帯域の再設定要求を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。
【図7A】本発明の第3の実施形態において、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードから不活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図7B】不活性モード要素周波数帯域を活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【図8】EUTRAにおける無線リソース制御層の接続確立手順の概略を示したシーケンスチャートである。
【図9A】EUTRAにおける移動局装置の物理層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。
【図9B】EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御(MAC)層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。
【図9C】EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御(RLC)層における無線リンク障害(RLF)の検出方法を示した図である。
【図10】EUTRAにおける移動局装置の物理層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。
【図11】EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。
【図12】EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
各実施の形態の具体的な説明に入る前に、本発明で用いられる通信技術の概要について簡単に説明する。
【0047】
(1)各層のインタフェースプロトコル
移動局装置とネットワークとの間の無線インタフェースプロトコルの各層は、開放型システム相互間連結(Open System Interconnection、以下OSIと称する)の参照モデルに基づいてL1(第1層)、L2(第2層)、L3(第3層)に分類される。第1層に属する物理層は、物理チャネルを使用して上位層に情報伝達サービスを提供する。また、トランスポートチャネル(伝送チャネルとも呼ばれる)を通して第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control、以降MACと称する)層に連結される。そして、データはトランスポートチャネルを通して、MAC層と物理層の間で伝達される。
【0048】
第2層に属するMAC層は、論理チャネルを通して無線リンク制御(Radio Link Control、以降RLCと称する)層に、論理チャネルとトランスポートチャネル間のリソース割り当てなどのサービスを提供する。RLC層は、信頼性のあるデータ送信を支援する。RLC層の機能は、MAC層内の機能ブロックによって具現されることもあるため、RLC層が存在しない場合もある。また、第2層には、MAC層とRLC層の他に、パケット-データ収束プロトコル(Packet Data Convergence Protocol、以降PDCPと称する)層とがある。PDCP層は、パケット・データに付加されたヘッダ情報を圧縮して無線リンクで効率的に伝送できるようにしたり、パケットの順序管理を行なってデータ欠落を防いだりする。
【0049】
第3層に属する無線リソース制御(Radio Resource Control、以降RRCと称する)層は、無線ベアラの設定、再設定、および解除に関連してトランスポートチャネルおよび物理チャネルを制御する。RRC層は、ネットワークから移動局装置に対するシステム情報や呼び出し情報の報知などを行ない、それらに必要な第1層や第2層の制御も行なう。また、移動局装置とネットワーク間の無線リソースの制御も行なう。
【0050】
(2)物理チャネル
EUTRAおよびAdvanced EUTRAで使用される物理チャネルには、物理報知情報チャネル、物理上りリンクデータチャネル、物理下りリンクデータチャネル、物理下りリンク制御チャネル、物理上りリンク制御チャネル、物理ランダムアクセスチャネル、下りリンク参照信号、上りリンク参照信号などが含まれる。EUTRAおよびAdvanced EUTRAにおいて、物理チャネルの種類が今後追加されたり、または、チャネル構造が変更されたりする可能性もあるが、このような変更がなされた場合でも、後述する本発明の各実施形態を適用可能である。
【0051】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)は、基地局装置から移動局装置へ送信される下りリンクチャネルであり、複数の移動局装置に対して共通に使用される。基地局装置は、送信タイミング情報やスケジューリング情報(上りリンク/下りリンクリソース割り当て情報)の送信に物理下りリンク制御チャネルを用いる。物理下りリンクデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)は、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。
【0052】
下りリンク参照信号(DL-RS:Downlink Reference Signal、またはCell-specific Reference Signal)は、基地局装置から移動局装置へ物理下りリンクチャネルを利用して送信される。移動局装置は下りリンク参照信号を測定することで下りリンクの受信品質を判定する。受信品質は、品質情報指標であるCQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)として物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)を用いて基地局装置へ通知される。基地局装置は移動局装置から通知されたCQIに基づいて、移動局装置に対する下りリンク通信のスケジューリングを行なう。
【0053】
なお、受信品質としては、SIR(Signal-to-Interference Ratio:信号対干渉電力比)、SINR(Signal-to-Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音電力比)、SNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音電力比)、CIR(Carrier-to-Interference Ratio:搬送波対干渉電力比)、BLER(Block Error Rate:ブロック誤り率)、パスロスなどを使用することができる。
【0054】
物理報知情報チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)は、セル内の移動局装置で共通に用いられる制御パラメータ(報知情報)を通知する目的で送信される。物理報知情報チャネルで通知されない報知情報は、物理下りリンク制御チャネルで無線リソースが通知され、物理下りリンクデータチャネルを用いて送信される。報知情報として、セル個別のID(Identity)を示すセルグローバルIDなどが通知される。
【0055】
物理上りリンクデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)は、主に上りリンクデータ(UL-SCH:Uplink Shared Channel)を送信するために使用されるチャネルである。基地局装置が、移動局装置をスケジューリングした場合には、チャネル状態情報(下りリンクのチャネル品質指標CQI、プレコーディングマトリックス指標(PMI:Precoding Matrix Indicator)、ランク指標(RI:Rank Indicator)や下りリンク送信に対するハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)の肯定応答(ACK:Acknowledgement)/否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)も物理上りリンクデータチャネル(PUSCH)を使用して送信される。
【0056】
ここで、上りリンクデータ(UL-SCH)とは、例えば、ユーザデータを示しており、UL−SCHは、トランスポートチャネルである。UL−SCHでは、HARQ、動的適応無線リンク制御がサポートされ、また、ビームフォーミングが利用可能である。UL−SCHは、動的なリソース割り当て、および、準静的なリソース割り当てがサポートされる。
【0057】
物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、制御データを送信するために使用されるチャネルである。ここで制御データとは、例えば、移動局装置から基地局装置へ送信(フィードバック)されるチャネル状態情報(CQI、PMI、RI)、移動局装置が、上りリンクデータを送信するためのリソースの割り当てを要求する(UL-SCHでの送信を要求する)スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、下りリンク送信に対するHARQのACK/NACKなどが含まれる。
【0058】
上りリンク参照信号(UL-RS:Uplink Reference Signal)は、移動局装置から基地局装置へ上りリンクチャネルを利用して送信される。基地局装置は上りリンク参照信号を測定することで、移動局装置の上りリンク無線送信信号の受信品質を判定する。基地局装置は、受信品質に基づいて上りリンク通信のスケジューリングを行なう。上りリンク参照信号は、物理上りリンクデータチャネルの振幅、位相や周波数の変動量を計算し、物理上りリンクデータチャネルを利用して送信された信号を復調するための参照信号としても使用される。物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用される物理チャネルであり、ガードタイムを持つ。PRACHは、移動局装置が基地局装置と同期をとることを最大の目的とし、その他に、初期アクセス、ハンドオーバ、再接続要求、およびスケジューリング要求に用いられる。
【0059】
(3)無線リソース制御層接続確立
図8は、EUTRAにおける無線リソース制御層の接続確立手順の概略を示したシーケンスチャートである。無線リソース制御層接続要求とは、アイドル状態(基地局装置と無線接続されていない状態、待ち受け状態)の移動局装置に対する着呼時や移動局装置からの発呼時に、移動局装置が基地局装置と一対一の通信(個別チャネルを使用した移動局装置個別の通信)を行なうために必要な移動局装置情報(UE CONTEXT)を基地局装置およびその上位制御局に提供し、無線リソース接続確立を要求することである。移動局装置は、基地局装置とのランダムアクセス(初期アクセス)が完了した後、無線リソース制御層接続要求を基地局装置に対して送信する(ステップS101)。基地局装置は、受信した無線リソース制御層接続要求に応じて、移動局装置に対する接続を設定し、無線リソース接続設定を移動局装置に送信する(ステップS102)。移動局装置は、受信した無線リソース接続設定に問題がなければ、無線リソース制御層接続設定完了を基地局装置に対して通知する(ステップS103)。
【0060】
(4)移動局装置の各層における無線リンク障害通知方法
図9は、EUTRAにおける移動局装置の各層の無線リンク障害(Radio Link Failure;RLF)の通知方法を示した図である。図9Aは、EUTRAにおける移動局装置の物理層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。物理層においては、移動局装置が基地局装置と接続中であり、下りリンク信号を受信している時に無線リンク障害が通知される。物理層は、基地局装置から送信された下りリンク信号の受信品質を監視している。物理層には、2つの受信品質閾値(下りリンク同期回復判定用閾値(Qin)と下りリンク同期誤り判定用閾値(Qout))が設定されている。
【0061】
移動局装置は、下りリンク信号の受信品質がQin以上を測定すれば、基地局装置と同期するのに十分な電力が送信されている(同期回復検出)と認識し、下りリンク信号の受信品質がQout未満を測定すると基地局装置と同期するのに不十分な電力が送信されている(同期誤り検出)と認識する。物理層は、同期回復または同期誤りを無線リソース制御層へ毎回通知する。同期誤り検出が所定の回数連続して通知された場合、無線リソース制御層は、同期保護タイマを起動し、同期保護タイマが満了時間に達するまでに同期回復が物理層から通知されなければ、無線リソース制御層は、物理層において無線リンク障害が発生したと判断する。物理層は、QinとQoutの間で受信品質が測定された場合は、同期回復/同期誤りを無線リソース制御層へ通知しない。
【0062】
図9Bは、EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御(MAC)層における無線リンク障害(RLF)の通知方法を示した図である。MAC層では、ランダムアクセスを行なう時に無線リンク障害が通知される。移動局装置が、基地局装置に対してプリアンブルを送信する時、プリアンブル送信カウンタを用いて、プリアンブル送信回数を計測する。移動局装置は、プリアンブルを送信してからある一定時間でプリアンブルに対する応答が返ってこないと、再び基地局装置に対してプリアンブルを送信する。移動局装置のMAC層は、プリアンブル送信回数が事前に基地局装置より設定される閾値に達した場合、プリアンブル送信回数が閾値に達したことをRRC層に通知する。プリアンブル送信回数が閾値に達したことを通知された無線リソース制御層は、MAC層において無線リンク障害が発生したと判断する。
【0063】
図9Cは、EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御(RLC)層における無線リンク障害(RLF)の検出方法を示した図である。RLC層では、自動再送要求手順を行なう時に無線リンク障害が検出される。移動局装置が、確認モードデータプロトコルデータ単位(AMD PDU:Acknowledgement Mode Data Protocol Data Unit)を送信した時に、基地局装置からNACK(Negative Acknowledgement)が返ってくると、移動局装置はAMD PDUを再び送信し、AMD PDUの送信回数を計測する。移動局装置のRLC層は、AMD PDUの送信回数が閾値に達した場合に、AMD PDUの送信回数が閾値に達したことを無線リソース制御層に通知する。AMD PDUの送信回数が閾値に達したことを通知された無線リソース制御層は、RLC層において無線リンク障害が発生したと判断する。ここで、PDUとは、ある層(ここではRLC層)におけるプロトコル制御情報を付加したデータのことである。各層における無線リンク障害の検出手順の詳細な説明については、フローチャート図を用いて行なう。
【0064】
図10は、EUTRAにおける移動局装置の物理層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。移動局装置の物理層は、基地局装置から送信された下りリンク信号を受信した際に、下りリンク信号の同期回復を検出したかどうかを判断する(ステップS201)。そして、下りリンク同期回復判定用閾値(Qin)未満であれば(ステップS201:NO)、移動局装置の物理層は、移動局装置のRRC層に同期回復を検出したことを通知する。次に、移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達していないか確認する(ステップS202)。移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達していなければ(ステップS202:NO)、移動局装置のRRC層は、同期回復検出回数を初期化する(ステップS203)。移動局装置のRRC層は、同期誤り検出回数を計測し(ステップS204)、同期誤り検出回数が閾値以上連続して検出されたかを確認する(ステップS205)。
【0065】
移動局装置のRRC層は、同期誤り検出回数が閾値以上連続して検出されていた場合(ステップS205:YES)、同期保護タイマを起動する(ステップS206)。移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達しているか否かを確認する(ステップS205)。移動局装置の物理層は、下りリンク信号の同期回復を検出した場合(S201:YES)、同期回復を移動局装置のRRC層に通知し、移動局装置のRRC層は、その通知を受けて、同期誤り検出回数を初期化する(ステップS207)。移動局装置のRRC層は、同期回復検出回数を計測する(ステップS208)。移動局装置のRRC層は、同期回復の検出回数が閾値以上連続して検出されたかを確認する(ステップS209)。移動局装置のRRC層は、同期回復検出回数が閾値以上連続して検出された場合(ステップS209:YES)、同期保護タイマを停止し、初期化する(ステップS210)。移動局装置のRRC層は、同期保護タイマが満了時間に達した場合(ステップS202:YES)、無線リンク障害(RLF)が検出されたと認識する(ステップS211)。
【0066】
図11は、EUTRAにおける移動局装置の媒体アクセス制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。移動局装置は、ランダムアクセスプリアンブル(単にプリアンブルと称することもある)を基地局装置に送信する時、プリアンブル送信カウンタを起動する(ステップS301)。移動局装置は、ランダムアクセスが失敗したか否かを判断する(ステップS302)。ランダムアクセスが失敗した場合(ステップS302:YES)、移動局装置は、プリアンブル送信回数を計測する(ステップS303)。移動局装置は、プリアンブル送信回数が閾値以上であるか否かを確認する(ステップS304)。プリアンブル送信回数が閾値以上の場合(ステップS304:YES)、移動局装置の媒体アクセス制御層は、無線リソース制御層にプリアンブル送信回数が閾値に達したことを通知し(ステップS305)、無線リンク障害が検出される(ステップS306)。
【0067】
図12は、EUTRAにおける移動局装置の無線リンク制御層の無線リンク障害検出方法を示したフローチャートである。移動局装置は、無線リンク制御層のデータ単位である確認モードデータプロトコルデータ単位を基地局装置に対して送信する際に、送信カウンタを起動する(ステップS401)。移動局装置は、基地局装置からACKが返ってくることでAMD PDUの送信に成功したことを確認する(ステップS402)。AMD PDUの送信に失敗した場合(ステップS402:YES)、すなわち、基地局装置からNACKが返ってきた場合、移動局装置は、送信回数を計測する(ステップS403)。移動局装置は、送信回数が閾値以上であるかを確認する(ステップS404)。送信回数が閾値以上であれば(ステップS404:YES)、移動局装置の無線リンク制御層は、送信回数が閾値に達したことを無線リソース制御層に通知し(ステップS405)、無線リンク障害が検出される(ステップS406)。
【0068】
以上の事項を考慮しつつ、以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、移動局装置に割り当てられる要素周波数帯域は、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が同じであれば、下りリンクと上りリンクでそれぞれ対応しているが、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が異なる場合は、複数の下りリンク要素周波数帯域が1つの上りリンク要素周波数帯域に対応したり、複数の上りリンク要素周波数帯域が1つの下りリンク要素周波数帯域に対応したりする。また、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が同じであっても、下りリンク要素周波数帯域数と上りリンク要素周波数帯域数が異なる場合のように複数の下りリンク要素周波数帯域が1つの上りリンク要素周波数帯域に対応したり、複数の上りリンク要素周波数帯域が1つの下りリンク要素周波数帯域に対応したりする場合もある。以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0069】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について以下に説明する。第1の実施形態では、無線リソース制御層接続確立に用いた要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定し、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合のみ全ての要素周波数帯域を解放する。
【0070】
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置1の概略機能構成を示すブロック図である。移動局装置1は、送信部101と、受信部103と、スケジューリング部105と、アンテナ107とを含んでいる。送信部101は、データ制御部1011と、変調部1013と、無線送信部1015とを含んでいる。また、受信部103は、無線受信部1031と、復調部1033と、データ抽出部1035とを含んでいる。
【0071】
ユーザデータと制御データは、上位層(無線リソース制御部)109からデータ制御部1011に入力される。データ制御部1011は、入力されたデータをスケジューリング部105からの指示により、PUSCHやPUCCHに配置する。また、この時、上りリンク参照信号も配置される。変調部1013は、データ変調を行ない、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform、以降DFTと称する)、サブキャリアマッピング、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform、以降IFFTと称する)、CP(Cyclic Prefix)挿入、フィルタリングなどの信号処理を行ない、送信信号を生成する。そして、変調部1013は、変調された信号を無線送信部1015に出力する。無線送信部1015は、変調されたデータを無線周波数にアップコンバートした後に、アンテナ107を介して、基地局装置3に送信する。無線受信部1031は、基地局装置3からの下りリンク信号を受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信信号を復調部1033に出力する。
【0072】
復調部1033は、受信データを復調する。データ抽出部1035は、受信データをユーザデータと制御データに分離する。また、データ抽出部1035は、スケジューリング情報、ランダムアクセス応答メッセージや間欠受信制御に関する制御データやその他の第2層の制御データはスケジューリング部105に出力し、ユーザデータを上位層109に出力する。スケジューリング部105は、データ抽出部1035から入力された制御データを解析し、上りリンクのスケジューリング情報を生成し、そのスケジューリング情報を基に、ユーザデータや制御データをPUSCHやPUCCHに割り当てることをデータ制御部1011に指示する。また、スケジューリング部105は、カウンタ制御部1051とタイマ制御部1053を有し、上位層109からのスケジューリング情報に基づいて、前記スケジューリング情報に関連したカウンタやタイマを起動したり、停止したりする。上位層109は、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層の処理を行なう。上位層109は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層109と、スケジューリング部105、アンテナ107、送信部101、受信部103との間のインターフェースが存在する(ただし、図示しない)。
【0073】
図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の概略機能構成を示すブロック図である。基地局装置3は、送信部(無線送受信部)201と、受信部(無線送受信部)203と、スケジューリング部(基地局側スケジューリング部)205と、アンテナ207とを含んでいる。送信部201は、データ制御部2011と、変調部2013と、無線送信部2015とを含んでいる。また、受信部203は、無線受信部2031と、復調部2033と、データ抽出部2035とを含んでいる。データ制御部2011は、ユーザデータと制御データとを入力し、スケジューリング部205からの指示により、制御データをPDCCHに配置し、各移動局装置1に対する送信データや制御データをPDSCHに配置する。変調部2013は、データ変調、入力信号の直列/並列変換、IFFT、CP挿入、フィルタリングなどの信号処理を行ない、送信信号を生成する。無線送信部2015は、変調されたデータを無線周波数にアップコンバードした後に、アンテナを介して、移動局装置1に送信する。
【0074】
無線受信部2031は、移動局装置1からの上りリンクの信号を受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データを復調部2033に出力する。データ抽出部2035は、受信データの正誤を確認し、確認結果をスケジューリング部205に通知する。データ抽出部2035は、受信データが正しい場合、受信データをユーザデータと制御データに分離する。データ抽出部2035は、制御データの中で下りリンクのチャネル品質指示情報、下りリンクデータの成/否(ACK/NACK)などの第2層の制御データはスケジューリング部205に出力し、その他の第3層等の制御データとユーザデータは上位層に出力する。データ抽出部2035は、受信データが誤りの場合、再送データと合成するために保存しておき、再送データを受信した時に合成処理を行なう。スケジューリング部205は、ユーザデータや制御データをPDSCHやPDCCHに配置するためのスケジューリングを行なう。上位層209は、MAC層、RLC層、PDCP層、RRC層の処理を行なう。上位層209は、下位層の処理部を統合して制御するため、上位層209と、スケジューリング部205、アンテナ、送信部201、受信部203との間のインターフェースが存在する(ただし、図示しない)。
【0075】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。移動局装置1は、図8に示した無線リソース制御層接続確立手順に使用した要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域(Anchor Component Carrier)として設定する(ステップS501)。
【0076】
アンカー要素周波数帯域とは、例えば、移動局装置1が最初にアクセスする下りリンク要素周波数帯域のことである。あるいは、基地局装置3がRRCメッセージを用いて移動局装置1に対して個別に指定する下りリンク/上りリンク要素周波数帯域のことである。あるいは、報知情報に含まれる下りリンク要素周波数帯域の優先度の最も高い下りリンク要素周波数帯域である。あるいは、移動局装置1が受信している下りリンク要素周波数帯域のうち、移動局装置1の判断で選択した任意の下りリンク要素周波数帯域のことである。あるいは、移動局装置1に割り当てられている全ての下りリンク/上りリンク要素周波数帯域の制御情報を割り当てて送受信することのできる要素周波数帯域である。即ち、複数の要素周波数帯域を送受信可能な移動局装置1において、移動局装置1の処理を簡略化するために、または、移動局装置1でセルサーチや無線リンクなどを監視する要素周波数帯域を予め制限し、受信電力を低減することで移動局装置1の負担を軽減するために、設定される要素周波数帯域である。
【0077】
そのため、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出されると、他の要素周波数帯域のデータや制御に関する情報を確認することができなくなるため、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合には、全ての要素周波数帯域を解放する必要がある。その後、移動局装置1は、基地局装置3の指示に従い、キャリアアグリゲーションにより複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置3と接続される。ここで、移動局装置1が基地局装置3との接続に使用される複数の要素周波数帯域の中のいずれかから無線リンク障害を検出した場合(ステップS502)、移動局装置1は、無線リンク障害がアンカー要素周波数帯域で検出されたか否かを確認する(ステップS503)。
【0078】
無線リンク障害は、図9に示したいずれの方法で検出されても良い。移動局装置1は、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合(ステップS503:YES)、全ての要素周波数帯域の接続を解放する(ステップS504)。また、移動局装置1はアンカー要素周波数帯域で無線リンク障害が検出されなかった場合(ステップS503:NO)、アンカー要素周波数帯域を用いて基地局装置3に無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の再設定要求を行なう(ステップS505)。ここで、再設定要求とは、移動局装置1は、基地局装置3に対して、移動局装置1が指定した要素周波数帯域の送信周波数の再設定(変更)を要求することである。ただし、要素周波数帯域の再設定項目は、送信周波数だけに限定されない。基地局装置3は再設定要求を受けて、移動局装置1が指定した要素周波数帯域の送信周波数とは異なる送信周波数を有する別の要素周波数帯域を新たに設定しても良いし、移動局装置1が指定した要素周波数帯域の要素周波数帯域IDは同じで送信周波数だけ再設定しても良い。
【0079】
本実施形態において、移動局装置1は、無線リンク障害の検出について要素周波数帯域毎に判断することもできるし、無線リンク障害を検出してからどの要素周波数帯域で検出されたかを判断することもできる。移動局装置1は、再設定要求に少なくとも移動局装置1が再設定を要求する要素周波数帯域の識別情報(例えば、要素周波数帯域ID、ここでは、特に無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の要素周波数帯域IDを指している)と再設定を要求するパラメータ(項目)を含める。ここで、移動局装置1が再設定を要求するパラメータとは、主に送信周波数であるが、その他に、再設定される要素周波数帯域の下りリンク/上りリンクの送信周期や下りリンク/上りリンクリソース割り当て情報などを含む場合もある。
【0080】
移動局装置1は、アンカー要素周波数帯域で無線リンク障害を検出した際に再接続を行なう一方、アンカー要素周波数帯域以外で無線リンク障害を検出した際に再設定要求を行なうことで、基地局装置3との接続状態を解放せずに、要素周波数帯域(無線リソース)の再設定を行なうことができる。ハンドオーバが行なわれる場合、アンカー要素周波数帯域は、初期アクセスに使用した要素周波数帯域か、あるいは、ハンドオーバ先の基地局装置3から新たに指示された要素周波数帯域に再設定されても良い。無線リンク障害による再接続処理が行なわれる場合、アンカー要素周波数帯域は、無線リソース制御層接続要求に使用した要素周波数帯域に再設定されても良い。
【0081】
図4は、本発明の第1の実施形態において、アンカー要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合の移動局装置1と基地局装置3で行なわれる要素周波数帯域の再設定要求を示すシーケンスチャートである。移動局装置1は、アンカー要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で無線リンク障害が検出されると(ステップS601)、基地局装置3に対して、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の再設定を要求する(ステップS602)。基地局装置3は、移動局装置1からの再設定要求を受けて、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域のパラメータ(送信周波数や送信タイミングなど)を再設定する(ステップS603)。基地局装置3は、再設定した内容を移動局装置1に対して送信し(ステップS604)、移動局装置1で、基地局装置3から送信された情報を基に、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域のパラメータを再設定し、完了すれば、基地局装置3に対して、要素周波数帯域の再設定が完了したことを通知する(ステップS605)。
【0082】
第1の実施形態では、アンカー要素周波数帯域以外で無線リンク障害が検出された場合、アンカー要素周波数帯域を用いて再設定要求を行なうため、無線リンク障害による要素周波数帯域の接続が解放されなくなり、通信品質が向上する。さらに、アンカー要素周波数帯域以外の無線リンク障害の検出では無線接続の解放が行なわれなくなるため、移動局装置1と基地局装置3の接続を維持しやすくする。
【0083】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における機器の機能構成は、第1の実施形態において示したものと同様であるので、ここではその説明を省略する。ただし、スケジューリング部105が無線リンク障害を検出したときに、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で特定の処理を検出するための機能を有することが異なる。第2の実施形態では、無線リンク障害が検出されてもすぐに再接続処理に移行するのではなく、他の要素周波数帯域で実施中の処理によって一時的に再接続処理の開始を保留し、他の要素周波数帯域の処理を優先させる。ここで、再接続処理とは、移動局装置1が、移動局装置1に割り当てられたすべての要素周波数帯域の接続を解放し、セルの選択から無線リソース制御層接続確立まで行なう処理のことである。
【0084】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。移動局装置1は、無線リンク障害を検出した場合(ステップS701)、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で、特定の処理をしているか否かを確認する(ステップS702)。無線リンク障害は、図9に示したいずれの方法で検出されても良い。移動局装置1は、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域で、特定の処理を行なっている場合(ステップS702:YES)、特定の処理が完了するまで、再接続処理の開始を保留する(ステップS703)。移動局装置1は、特定の処理の実施を検出した要素周波数帯域における特定の処理が完了した場合(ステップS704)、全ての要素周波数帯域の接続を解放し、保留していた再接続処理を開始する(ステップS705)。
【0085】
一方、移動局装置1が、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外で特定の処理を行なっていないと判断した場合(ステップS702:NO)、即座に全ての要素周波数帯域の接続を解放して再接続処理を行なう。ここで、特定の処理とは、ランダムアクセスや自動再送要求などである。ランダムアクセス中に再接続処理を保留することで、例えば、基地局装置3との同期確立処理中に移動局装置1のアイドル状態への遷移を防ぐことができる。また、自動再送要求中に再接続処理を保留することで移動局装置1が送信すべき重要な情報を基地局装置3に全て送信することができる。
【0086】
本実施形態において、移動局装置1は、無線リンク障害の検出について要素周波数帯域毎に判断することもできるし、無線リンク障害を検出してからどの要素周波数帯域で検出されたかを判断することもできる。第2の実施形態では、無線リンク障害が検出された時に、接続中の他の要素周波数帯域の状況を鑑みることで、移動局装置1が確保した無線リソース(要素周波数帯域)を解放することなく、無線リンク障害の検出後の再接続処理の開始を保留することで、特定の処理を実施している要素周波数帯域に与える影響を最小限に留めることができる。特に、自動再送要求中に再接続処理を保留することにより、移動局装置1は、下りリンクチャネル品質情報などのデータを基地局装置3に伝送できたり、要素周波数帯域の処理手順完了を基地局装置3に通知したりすることができる。
【0087】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における機器の機能構成は、第1の実施形態において示したものと同様であるので、ここではその説明を省略する。第3の実施形態では、下りリンク要素周波数帯域または、上りリンク要素周波数帯域で無線リンク障害が検出された場合、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域に対して、不活性モードに切り替えることで、再接続処理手順への遷移を回避する。また、複数の要素周波数帯域を送受信する移動通信システムにおいては、無線リンク障害が偶発的に発生したと考えることもできるため、すぐに再接続処理に遷移して、要素周波数帯域の接続を全て解放して、新しい要素周波数帯域を設定するよりも現状の要素周波数帯域の接続を維持した方が通信効率は維持できる。
【0088】
本実施形態では、無線リンク障害が検出された際に、即座に再接続処理へ遷移しないで、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにし、所定の時間だけ再接続処理を保留することで、無線リンク障害が検出されていない要素周波数帯域の処理手順に対する影響を小さくする。
【0089】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る無線リンク障害回復方法を示したフローチャートである。移動局装置1は、無線リンク障害を検出すると(ステップS801)、基地局装置3に対して、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにするために、活性/不活性モード切替要求を行ない、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードに切り替える(ステップS802)。移動局装置1は、不活性モードにした要素周波数帯域以外の要素周波数帯域の処理手順が完了した場合には、再接続処理へ遷移する。ここで、不活性モードとは、要素周波数帯域(無線リソース)の解放や変更をせずに、要素周波数帯域のパラメータがすべて保存されている状態で、要素周波数帯域の送受信を一時的に停止することである。
【0090】
図7Aは、本発明の第3の実施形態において、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードから不活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【0091】
移動局装置1で無線リンク障害が検出されると、移動局装置1は、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードから不活性モードに切り替える要素周波数帯域として選択する(ステップS901)。次に、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにするために、活性/不活性モード切替要求(不活性化要求)を基地局装置3に行なう(ステップS902)。基地局装置3は、その要求を受けて、移動局装置1から送信された要素周波数帯域を不活性モードに設定する(ステップS903)。そして、基地局装置3は、不活性モードにした要素周波数帯域を移動局装置1に対して通知する(ステップS904)。移動局装置1は、基地局装置3からの通知を受けて、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにする(ステップS905)。ここで、活性/不活性モード切替要求には、移動局装置1が活性モードまたは不活性モードにしたい要素周波数帯域の情報が含まれている。移動局装置1は、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の不活性モードへの切り替えが完了すると、基地局装置3に、活性/不活性モード切替設定完了の通知をする(ステップS906)。
【0092】
本発明の第3の実施形態において、送信電力等の制限により移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうことのできない場合があり、移動局装置と基地局装置間の無線通信に一時的に使用しない要素周波数帯域はすべて不活性モードとして取り扱われることになる。そこで、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにして無線リンク障害が検出された要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する。図7Bは、不活性モード要素周波数帯域を活性モードへ切り替えるための処理手順を示すシーケンスチャートである。
【0093】
移動局装置1で無線リンク障害が検出されると、移動局装置1は、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードに切り替える活性/不活性モード切替要求(不活性化要求)を基地局装置に対して行ない、さらに不活性モード要素周波数帯域を無線通信に使用するための再設定要求と、不活性モード要素周波数帯域を活性モードへと切り替える活性/不活性モード切替要求(活性化要求)を基地局装置に対して行なう。移動局装置1は、1つ以上の不活性モード要素周波数帯域の中から活性モードに切り替える要素周波数帯域を1つ選択する(ステップS1001)。次に、不活性モード要素周波数帯域を活性モードにするために、活性/不活性モード切替要求(活性化要求)を基地局装置3に行なう(ステップS1002)。基地局装置3は、その要求を受けて、移動局装置1から送信された要素周波数帯域を活性モードに設定する(ステップS1003)。そして、基地局装置3は、活性モードにした要素周波数帯域を移動局装置1に対して通知する(ステップS1004)。移動局装置1は、基地局装置3からの通知を受けて、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を活性モードにする(ステップS1005)。ここで、活性/不活性モード切替要求には、移動局装置1が活性モードまたは不活性モードにしたい要素周波数帯域の情報が含まれている。移動局装置1は、選択した不活性モード要素周波数帯域の活性モードへの切り替えが完了すると、基地局装置3に、活性/不活性モード切替設定完了の通知をする(ステップS1006)。
【0094】
第3の実施形態では、無線リンク障害が検出された要素周波数帯域を不活性モードにすることで一時的に再接続処理を保留し、基地局装置3との接続状態を維持する。
【0095】
なお、上述した実施形態における基地局装置3と移動局装置1の一部の機能をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0096】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0097】
1 移動局装置
3 基地局装置
105 スケジューリング部
205 スケジューリング部
109 上位層
1015 無線送信部
1031 無線受信部
2015 無線送信部
2031 無線受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
前記基地局装置との無線接続に用いられるいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するステップと、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放するステップと、
前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうステップと、
前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項2】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項3】
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2記載の移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項4】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、
前記要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項5】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、
前記基地局装置との無線接続に用いたいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するスケジューリング部と、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定し、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放する無線リソース制御部と、
前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項6】
前記無線リソース制御部は、
前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうことを特徴とする請求項5記載の移動局装置。
【請求項7】
前記無線リソース制御部は、
前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうことを特徴とする請求項6記載の移動局装置。
【請求項8】
前記無線リソース制御部は、
前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする請求項7記載の移動局装置。
【請求項9】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するスケジューリング部と、
前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項10】
前記スケジューリング部は、
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留することを特徴とする請求項9記載の移動局装置。
【請求項11】
前記スケジューリング部は、
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留することを特徴とする請求項10記載の移動局装置。
【請求項12】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項13】
前記スケジューリング部は、前記要素周波数帯域を不活性モードする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする請求項12記載の移動局装置。
【請求項14】
複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、
前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、
前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を受信した場合は、送信周波数情報を含むパラメータを再設定して、要素周波数帯域の再設定情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、
前記無線送受信部は、前記再設定情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域の再設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする基地局装置。
【請求項15】
複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、
前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、
前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、
前記無線送受信部は、前記指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする基地局装置。
【請求項16】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
不活性モード要素周波数帯域を前記基地局装置との通信に利用する再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、
前記活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の活性モード設定情報に基づいて、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するステップと、
前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、
前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項17】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と、不活性モード要素周波数帯域を前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求とを、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求と前記再設定要求と前記活性化要求とに対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報と再設定情報と活性モード設定情報とに基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モード、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項18】
複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、
前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、
前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに不活性モード要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうようにする再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報と、前記活性化要求に示された要素周波数帯域を、不活性モードから活性モードへ切り替える指示情報と、を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、
前記無線送受信部は、前記2つの指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定と不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする基地局装置。
【請求項1】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
前記基地局装置との無線接続に用いられるいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するステップと、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放するステップと、
前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうステップと、
前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項2】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項3】
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2記載の移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項4】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、
前記要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項5】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、
前記基地局装置との無線接続に用いたいずれか一つの要素周波数帯域をアンカー要素周波数帯域として設定するスケジューリング部と、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出し、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域であるか否かを判定し、前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域である場合は、前記移動局装置に割り当てられたすべての要素周波数帯域を解放する無線リソース制御部と、
前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項6】
前記無線リソース制御部は、
前記判定の結果、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域が、前記アンカー要素周波数帯域でない場合は、前記アンカー要素周波数帯域において、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうことを特徴とする請求項5記載の移動局装置。
【請求項7】
前記無線リソース制御部は、
前記再設定要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の再設定情報に基づいて、前記要素周波数帯域の再設定を行なうことを特徴とする請求項6記載の移動局装置。
【請求項8】
前記無線リソース制御部は、
前記要素周波数帯域の再設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする請求項7記載の移動局装置。
【請求項9】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
前記基地局装置から、前記複数の要素周波数帯域を受信する無線受信部と、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっているか否かを判定するスケジューリング部と、
前記基地局装置に対して、前記複数の要素周波数帯域を送信する無線送信部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項10】
前記スケジューリング部は、
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、再接続処理を保留することを特徴とする請求項9記載の移動局装置。
【請求項11】
前記スケジューリング部は、
前記判定の結果、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域において、特定の処理を行なっている場合は、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域以外の要素周波数帯域における前記特定の処理が完了するまで、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の無線リソースの解放を保留することを特徴とする請求項10記載の移動局装置。
【請求項12】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項13】
前記スケジューリング部は、前記要素周波数帯域を不活性モードする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知することを特徴とする請求項12記載の移動局装置。
【請求項14】
複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、
前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、
前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した要素周波数帯域に代替する要素周波数帯域の再設定要求を受信した場合は、送信周波数情報を含むパラメータを再設定して、要素周波数帯域の再設定情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、
前記無線送受信部は、前記再設定情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域の再設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする基地局装置。
【請求項15】
複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、
前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、
前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、
前記無線送受信部は、前記指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする基地局装置。
【請求項16】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置の無線リンク障害回復方法であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出するステップと、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
不活性モード要素周波数帯域を前記基地局装置との通信に利用する再設定要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を、前記基地局装置に対して行なうステップと、
前記不活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報に基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードに設定するステップと、
前記活性化要求に対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の活性モード設定情報に基づいて、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するステップと、
前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、
前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを前記基地局装置に対して通知するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする移動局装置の無線リンク障害回復方法。
【請求項17】
複数の要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なう移動局装置であって、
複数の前記要素周波数帯域毎に無線リンク障害を検出する無線リソース制御部と、
無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と、不活性モード要素周波数帯域を前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに基地局装置との無線通信に使用する再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求とを、前記基地局装置に対して行なう一方、前記不活性化要求と前記再設定要求と前記活性化要求とに対して前記基地局装置から送信された要素周波数帯域の不活性モード設定情報と再設定情報と活性モード設定情報とに基づいて、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モード、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードに設定するスケジューリング部と、を備えることを特徴とする移動局装置。
【請求項18】
複数の要素周波数帯域を用いて移動局装置と無線通信を行なう基地局装置であって、
前記移動局装置と前記複数の要素周波数帯域を送信および受信する無線送受信部と、
前記移動局装置から、無線リンク障害を検出した場合に、前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域を不活性モードにする不活性化要求と前記無線リンク障害を検出した要素周波数帯域の代わりに不活性モード要素周波数帯域を用いて基地局装置と無線通信を行なうようにする再設定要求と、前記不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする活性化要求を受信した場合は、前記不活性化要求に示された要素周波数帯域を、活性モードから不活性モードへ切り替える指示情報と、前記活性化要求に示された要素周波数帯域を、不活性モードから活性モードへ切り替える指示情報と、を生成する基地局側スケジューリング部と、を備え、
前記無線送受信部は、前記2つの指示情報を前記移動局装置へ送信する一方、前記移動局装置から要素周波数帯域を不活性モードにする設定と不活性モード要素周波数帯域を活性モードにする設定が完了したことを示す情報を受信することを特徴とする基地局装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−40851(P2011−40851A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184141(P2009−184141)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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