移動式クレーンへの補助リフトユニットの組み付け
【課題】組み付け作業性を改善する移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付けシステム及び組み付け方法を提供する。
【解決手段】補助リフトユニット10は、補助リフトユニットのフレームに組込まれ、且つ、補助リフトユニットをクレーンへ固定するように機能し、前記組み付けシステムは、前記補助リフトユニットのフレームおよび/または前記組み付け固定具16を組み付け位置へ動かすことができる組み付けユニット32,40を備えている。移動式クレーンの補助リフトユニットのための組み付け設備は、上記のような組み付けシステムと適切且つ/または適合する基礎28とを備える。
【解決手段】補助リフトユニット10は、補助リフトユニットのフレームに組込まれ、且つ、補助リフトユニットをクレーンへ固定するように機能し、前記組み付けシステムは、前記補助リフトユニットのフレームおよび/または前記組み付け固定具16を組み付け位置へ動かすことができる組み付けユニット32,40を備えている。移動式クレーンの補助リフトユニットのための組み付け設備は、上記のような組み付けシステムと適切且つ/または適合する基礎28とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、移動式クレーンへの補助リフトユニットの組み付けに関する。特に、本発明は、移動式クレーンの補助リフトユニットのための組み付けシステムと、移動式クレーンの補助リフトユニットを組み付けるための方法とに関し、さらには移動式クレーンの補助リフトユニットのための足元支持部材が開示される。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンの組立てにおいて、メインリフトユニットを補い、あるいは補助するために、補助リフトユニットを使用することが知られている。多くの場合、補助リフトユニットは、クレーンに組み付けて必要に応じて使用するために、特定の使用目的のための別のユニットとして設けられる。この目的のために、そのようなリフトユニットは、組み付け固定具を有しており、該組み付け固定具は、多くの場合にリフトユニットのフレーム部品に配置され、補助リフトユニットをクレーンに固定するように機能する。
【0003】
従来、補助リフトユニットは、その重量および寸法ゆえに動力を借りて移動させなければならないため、多くの場合に、現存するカウンタウェイトリフトシステムの助けを借りて移動され且つ組み立てられ、すなわち持ち上げられ、次いで回転テーブル受け部に固定される。
【0004】
不都合なことに、この手法は、実際にはカウンタウェイトを移動させるために設計されたリフトユニットにより補助リフトユニットの正確な適用を達成するために、運転作業員による多くの作業および注意を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景に鑑み、本発明の目的は、上記のような補助リフトユニットの組み付けの構成が改良された移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付けシステムと、組み付け方法とを提供することにある。特に、前記組み付けは、妥当な量の労力、時間、および注意力をもたらし得るものでなくてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の組み付けシステム、請求項9に記載の組み付け設備、ならびに請求項14に記載の移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付け方法によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を定める。
【0007】
本発明に係る組み付けシステムは、補助リフトユニットのフレームに宛がわれ且つ補助リフトユニットをクレーンへ固定するように機能する補助リフトユニット組み付け固定具を有する組み付けシステムであって、補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具を組み付け位置へ動かすことができる組み付けユニットを有している。換言すると、本発明に係る組み付けシステムは、補助リフトユニットの必要な部分または補助リフトユニット自体を動かすことができ、すなわち、組み付け作業を実行可能な位置へそれらを動かすことができる自身の取り付け設備を備えている。この意味で、組み付けユニットを、補助リフトユニットのフレームまたは組み付け固定具のための移動または調節手段と考えることもできる。
【0008】
好都合なことに、本発明に係る組み付けユニットは、非常に小規模でかつ労働集約的な態様で、多くの場合にはさらに自動化または半自動化された態様で実行され得るように組み付け作業を支援する。もはやカウンタウェイトリフトシステムを、補助リフトユニットの組み付け作業に誤用したり、あるいはこの作業に適合させる必要がない。特に自動または半自動の組み付けユニットは常に同一の正しい動作を再現的に実行するため、補助リフトユニットの組み付け作業を、迅速かつきわめて安全なやり方で実行することができる。
【0009】
組み付け位置は、クレーンの上部構造上の固定位置であってもよく、この固定位置において、補助リフトユニット組み付け固定具と、クレーンの上部構造、特にメインリフトユニットに配置された相手方の固定具との係合が生じる。当然ながら、組み付け位置は、補助リフトユニットを取り付けるに際してクレーンの構成に応じて理にかなった場所であれば、移動式クレーン上の任意の適当な場所であってもよい。組み付けユニットは、きわめてさまざまなやり方および方向に動作または機能することができ、例えば、補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具を、特に上方、下方、斜め上方または下方、あるいは側方に向かって組み付け位置へ移動させることができる。さらに、さまざまな駆動および動作の種類、すなわち、例えば電気、油圧、空気圧、またはそれらの組み合わせがそれぞれ考えられ、当然ながら機械的な駆動部が、上述の駆動の種類の各々において役割を果たし、個別または単独で使用することも可能である。当然ながら、基本的には、クランク駆動部またはギア式の伝達機構などの手動操作の機械的な駆動部も使用可能である。組み付け作業は、特に「組み付けユニット」という用語によっても表現されるように、再現可能な態様で分かりやすく繰り返し行われることが重要である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態において、組み付けユニットは、補助リフトユニットのフレームを基礎部材から遠ざかるように持ち上げ、あるいは基礎部材から離すように持ち上げる油圧リフトシリンダ装置を備えている。そのような基礎部材は、補助リフトユニットの一部であってもよい。きわめて一般的には、本発明によれば、補助リフトユニットと補助リフトユニットの組み付けユニットとが、1つのユニット、すなわち別々の構成部品または個別かつ分離可能な構成部品をそれぞれ好都合に構成する。
【0011】
本発明に係る組み付けシステムの構成においては、前記基礎部材が、組み付けユニットまたはリフトシリンダ装置を介してフレームに宛がわれた、特にフレームに結合された支持ベースまたはベースプレートであり、フレームは、組み付けユニットまたはリフトシリンダ装置によって、支持ベースまたはベースプレートから離れるように組み立て位置へ持ち上げられ得る。換言すると、基礎部材は、対応するクレーン部分上に存在し、該部分に適するように構成された部分であってもよく、組み付けユニットは補助リフトユニットの残りの部分をこの基礎構造から離れるように組み付け位置へ持ち上げる。この場合、組み付けユニットまたはリフトシリンダ装置を、圧縮に耐え得るように、特に引張りと圧縮とに耐え得るように、支持ベースまたはベースプレートに結合することができる。後者の場合(引張りと圧縮とに耐え得る場合)、フレームを基礎構造から離すことができるだけでなく、実際には、その後、組み付け作業の後に、補助リフトユニットがその取り付け場所から離れるように、基礎構造もフレームに向かって引き寄せることができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、複数の足部(特に、位置調節可能であり且つ/又は位置を補償する足部)が、前記フレームに離間して対向する支持ベースまたはベースプレートの底面または側面に配置される。当然ながら、そのような足部は、例えば組み付けユニットの下方に支持ベースまたはベースプレートが存在しない場合、組み付けユニットの底部上に直接配置され得る。
【0013】
本発明に係る移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付け設備は、種々の実施形態において大まかに上述し且つさらにはより詳細にも説明されるような組み付けシステムを備え、さらに、補助リフトユニットあるいは補助リフトユニットの支持ベースまたはベースプレートに適合するように構成された基礎を有する。そのような基礎は、最上部に取付けられたカウンタウェイト要素、および/または、カウンタウェイト支持部上またはカウンタウェイト要素上に配置された取付ラックであってもよい。
【0014】
この組み付け設備の設計上の一態様によれば、基礎上、特にカウンタウェイト支持部上または取付ラック上に、前記支持ベースまたはベースプレートの足部に対して、相手方の足元支持部材、特に足受け部が相補的に設けられる。
【0015】
移動式クレーンの補助リフトユニットの足部または足元支持部材については、すでにいくつかの箇所で上述した。そのような足元支持部材は、本明細書において単独で開示され、すなわち本発明の一ユニットを単独で確立する装置として開示されるが、上述され且つ特に後に詳述されるような組み付けシステムまたは組み付け設備の一部を構成してもよい。いずれの場合も、足元支持部材は、下方へ突出した足元支持要素を有しており、この足元支持要素は、補助リフトユニットに対して、少なくとも一方向について、制限された可動性および/または調節機能を備えるように配置されている。
【0016】
従来、そのような足元支持部材は、多くの場合、別個に存在する基礎の受け穴に挿入可能な鋼製ピンを用いた尖端ピン構造として実現されている。しかしながら、そのような硬い支持具は、きわめて柔軟性を欠き、正確な挿入が必要になるがゆえに、組み付け作業を遅くて複雑なものにする。しかしながら、本発明によるとおり、補助リフトユニットに対して少なくとも一方向について制限された可動性が存在する場合、この方向について、製造および基礎上への補助リフトユニットの配置の両方について許容差が大きくなる。可動性の組み付けは、この意味において、構造的な手法だけでなく材料の選択によっても達成できる一方向の調節機能および可動性の両方を含む。例えば、足元支持要素は、縦方向の軸に対して垂直な2つの軸における可動性が存在するように、特に足元支持要素の縦方向の軸に対して垂直な方向または足元支持要素の取り付け方向に対して直角な方向において弾性変形可能に設計され得る。
【0017】
別の又はさらなる可能性は、補助リフトユニット上あるいは補助リフトユニットの支持ベースまたはベースプレート上の足元支持要素に、足部材の長手軸に沿って又は足部材の取り付けの方向において調節可能であるロック可能な支持具を設けることであり、該ロック可能な支持具は、ロック可能なねじ山接続であってもよい。そのような接続は、シンプルな高さ調整を可能にする。足元支持要素の可動性または調節機能は、満足すべき構成部品の公差を大きくすることができるため、製造コストを下げることができる。加えて、機械加工も少なくなる。隣接の構成部品についても、例えば鋳造プレートの受け穴の使用において、大きな製造公差が許容され、特に、仮に鋳造プレート(基礎)が中心に配置されていない場合であっても、組み付け作業においても大きな製造公差が許容される。受け地点をより大きく設計することができ、したがってクレーンの運転者が受け地点をよりよく視認できるため、組み付け作業をより迅速に実行することができ、充分な設置空間において、上述した尖端ピン構造などの受けの補助構造を、部分的または完全に省くことができる。
【0018】
補助リフトユニット組み付け固定具を備えた移動式クレーンの補助リフトユニットを組み付けるための本発明に係る方法において、補助リフトユニット組み付け固定具は、補助リフトユニットのフレームに割り当てられ且つ補助リフトユニットをクレーンに固定するように機能し、補助リフトユニットあるいは前記補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具が組み付け位置に移動される。このとき、この移動は、補助リフトユニットに取り付けられた組み付けユニットによってもたらされ、この組み付けユニットが、補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具を組み付け位置へ移動させる。当然ながら、本発明に係る方法も、組み付けシステムおよび組み付け設備のそれぞれにもとづいてすでに上述された利点および任意の特徴を有している。さらに、本発明に係る方法において、さまざまな実施形態において、上述されたとおり、または詳しく後述されるとおりの組み付けシステム、組み付け設備、または足元支持部材を、組み付けにおいて使用または採用することができる。
【0019】
さらに、本発明は、実施形態によってさらに詳しく説明される。本発明は、本明細書に記載されるすべての特徴を単独および任意の妥当な組み合わせにて含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に従って設計された補助リフトユニットを斜視図にて示している。
【図2】本発明に従って設計された補助リフトユニットを上面図にて示している。
【図3】本発明に従って設計された補助リフトユニットを側面図にて示している。
【図4】本発明に従って設計された補助リフトユニットを正面図にて示している。
【図5】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図6】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図7】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図8】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図9】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図10】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図11】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図12】基礎として取付ラックを使用する組み付けシステムの例を示している。
【図13】基礎として取付ラックを使用する組み付けシステムの例を示している。
【図14】基礎として取付ラックを使用する組み付けシステムの例を示している。
【図15】移動式クレーンの補助リフトユニットのための本発明に係る足元支持部材の詳細を、自由に切断した図で示している。
【図16】移動式クレーンの補助リフトユニットのための本発明に係る足元支持部材の詳細を、自由に切断した図で示している。
【図17】移動式クレーンの補助リフトユニットのための本発明に係る足元支持部材の詳細を、自由に切断した図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る組み付けユニットを備える移動式クレーンの補助リフトユニットの実施形態を、図1〜図4に見て取ることができる。そこでは、図1が、左上方からの斜めの斜視図を示しており、図2が、上面図を示しており、図3が、側面図を示しており、図4が、正面図を示している。
【0022】
補助リフトユニットの全体に、参照符号10が付されている。この点で、図面において継続的に使用される参照符号が、同一または少なくとも機能的に同等な部分も指すことに、注意すべきである。
【0023】
補助リフトユニット10は、ロープウインチ12を回転可能に支持する鋼製のフレーム14を有している。正面側(図4の観察側である)において、ウインチ12のための接続部品36が、フレーム14から突き出している。
【0024】
補助リフトユニット10は、3つのさらなる要素(module)、すなわち組み付け固定具の要素と、組み付けユニットの要素と、足元支持部材の要素とをさらに備えている。補助リフトユニットは、組み付け固定具によってクレーンの上部構造(例えば、メインリフトユニット)に取り付けられる一方で、組み付けユニットは、組み付け固定具によってフレーム内の組み付け位置へ移動することができる。この点で、ごく一般的には、補助リフトユニット自体、補助リフトユニットのフレームのみ、または組み付け固定具のみを、組み付け位置に到達するように組み付けユニットと一緒に移動させることができることに、注意すべきである。しかしながら、本実施例の場合のように、これらの構成部品の組み合わせを移動させることも可能である。
【0025】
図1〜図4の補助リフトユニットを作動位置に固定するための組み付け固定具が、リフトユニット10において、それぞれ斜め前方および前方からの図である図1および図3に見て取ることができる側に位置している。組み付け固定具は、両側の縁に同様に取り付けられ、鏡像反転であり、ボルト16を両側から保持する突起18を上部に有している。次いで、下部には、ピストン−シリンダユニット24からボルト26を延ばすことができるすき間22を形成する二連突起20が形成されている。すでに述べたように、ボルト16,26は、補助リフトユニットのフレーム10をクレーンの上部構造、すなわちメインリフトユニットへ固定するように機能し、この機能については後にさらに詳しく説明する。
【0026】
リフトユニット10の機能にとって重要な第2の要素は、リフトユニット10をリフトユニット10のフレーム14において持ち上げ、ボルト16,26により取り付け係合がなされる組み付け位置へリフトユニットを移動させることができる組み付けユニットである。フレーム10の各々の前側に配置されたピストン−シリンダユニットがリフト動作を担い、シリンダに参照符号32が付され、ピストンに参照符号40が付されている。図1および図4において良好に視認できるとおり、シリンダは、横板34(図1)によってフレーム10へ取り付けられる一方で、ピストン40は、端部ピース38を介してベースプレート28に取り付けられている。ピストン40をシリンダ32から延ばすことによって、フレーム10がプレート28から遠ざかるように上方に移動し、ピストン40をシリンダ32に引き込むことで、プレート28とフレーム10とが接近する。これにより、当然ながら、組み付け固定具のボルト16,26の高さも、これらの位置における取り付け係合を達成できるように変化する。この機械的なシステムを、さらに詳しく説明する。
【0027】
図1〜図4において明らかになる補助リフトユニット10の第3の要素は、ここでは図1、図3、および図4に明らかな足部30と共に実現される足元支持部材である。足元支持部材および足部30についてさらに詳しく説明すると、足元支持部材と足部とは、下方に向かって先細りであり且つ弾性材料からなる足元支持要素を有し、該足元支持要素は、相手側の支持具へきわめて簡単に挿入でき、大きな公差および配置の不正確さを許容または調整できる。足部30は、ベースプレート28の底部の(4つの)角に配置され、図には前側のものが明示されている。ここで、基本的には、足部30のうちの少なくとも1つを公差の補償のために弾性的または可動あるいは調節可能に構成すればよいが、当然ながら、足部のうちの2つ、3つ、または4つ、すなわちきわめて一般的には個々の足部、複数の足部、またはすべての足部を、本発明に係る足元支持部材の定義に従って構成できることにも、注意すべきである。
【0028】
さらに、図5〜図11に基づき、本発明を用いた補助リフトユニットの取り付けの作業、すなわち組み付けの作業を、例として説明する。この例では、補助リフトユニットが、組み付け作業のための準備として、図5によく表れたカウンタウェイトパッケージ44上に配置される。カウンタウェイトパッケージ44は、移動式クレーンのクレーン下部架台42に載せられ、円形の凹所として形成された足受け部48を備える最上部のカウンタウェイトが、組み付け作業のための基礎として使用される。
【0029】
図6が、組み付け作業の準備のために、足部(この図では、もはやほとんど見て取ることができない)が足受け部48へ挿入されるように、一番上のカウンタウェイト板46上に補助リフトユニット10がどのように配置されるのかを示している。同じ状態が、図7に反対側からの斜視図にて示されており、すでに述べた足部30が、その足元支持部材の参照符号とともに示されている。クレーン下部架台42に対する「前方」方向は、図6においては斜め左上方向であり、図7においては斜め右下方向であり、したがって補助リフトユニット10が、クレーン上の組み付け固定具16,18,20,24を前方に向けて一番上のカウンタウェイト要素46上に配置されると言うことができる。
【0030】
さらなる組み付け作業が、図8によく表れており、図8の観察方向は、先と同様、図5および図6の観察方向に一致する。図8において、補助リフトユニット10は、図6および図7に示された状態と同様、依然として一番上のカウンタウェイト要素46上に位置している。しかしながら、メインリフトユニット52が取り付けられるリフトユニット保持具50を備えるクレーン上部構造48が、前後方向に真っ直ぐに向けられてクレーン下部架台42の上方に位置するよう、後方へ向けられている。この状態において、メインリフトユニット52に取り付けられた補助リフトユニットの相手側の固定具54,56が、組み付け固定具16,18,20の上に自由な状態で配置される位置に、メインリフトユニット52が配置されている。相手側の固定具54,56は、両側に取り付けられた上部フック部材(upper hook elements)54と、下部において両側に取り付けられた係合センタリング突起(catching and centering lugs)56とを備えている。図8の状態では、依然としてフレーム10がプレート28上に密接するように、シリンダ32を備えたピストン−シリンダユニット、ひいては組み付けユニットは、完全に引き込まれた状態にある。
【0031】
この状態で、補助リフトユニット10のメインリフトユニット52への取り付けを実行するために組み付けユニットが作動させられ、この工程の後の状態が、図9に示されている。組み付けユニットのピストン40がシリンダ32から延ばされ、補助リフトユニット10のフレームをベースプレート28から上方に向かって持ち上げていることを、見て取ることができる。この作業において、一方では、ボルト16がメインリフトユニット52の上側後部で(メインリフトユニットの支持部18の間において)フック54に入り込み、他方では、最初はボルト26が解放されていない状態で、両側において係合センタリング突起(catching and centering lugs)56の下側に突起20が係合される。この状態で、ボルト26を、ピストン/シリンダユニット24(例えば、図1を参照)の助けを借りてすき間22へ導入でき、センタリングされ固定されたボルト接続が、底部においてメインリフトユニット52と補助リフトユニット10との間において達成される。固定具16,18,54は、両側の頂部における先端部の安定をもたらす。
【0032】
図10に完了状態が示されているさらなる作業段階では、足部30が足元支持部材48から離れ、且つ、メインリフトユニット52と補助リフトユニット10との複合体の自由な回転が保証されるように、やはり組み付けユニット、すなわちピストン/シリンダユニット32,40の助けを借りて、今や固定的に取り付けられた補助リフトユニット10に向かってベースプレート28が引き寄せられる。
【0033】
カウンタウェイトをクレーンの上部構造へ取り付ける必要がある場合、図11から明らかなように、固定具60によってカウンタウェイトパッケージに係合してまとめて上方へ持ち上げるピストン−シリンダユニット58を使用することができる。このとき、補助リフトユニット10は再び足元支持部材に配置され、カウンタウェイトパッケージ全体が、上部構造上のリフトユニットと共に移動され得る。
【0034】
本発明のさらなる実施形態が、図12〜図14に示されている。図8および図9を簡単に見直すと、ここに示されている本発明の実施例においては、組み付けユニットで持ち上げることによって結合の組み付け位置へメインリフトユニット52を近付け、補助リフトユニットを動かすことができるように、補助リフトユニット10を所定の高さでクレーンの下部架台42上に配置しなければならないことを確認することができる。図5〜図11の例では、設置高さが、ほぼ、最上部のカウンタウェイト要素の高さであったが、組み付けられるカウンタウェイトがより少ない場合や、カウンタウェイトが組み付けられない場合も存在しうる。そのような場合に、本発明の一実施例によれば、図12に示され、参照符号64が与えられているような取付ラックを設けることができる。取付ラック64は、その2本の柱66によってカウンタウェイト支持部62上に位置しており、例えば図5に見られる足受け部48に配置および構成に関して類似する4つの足受け部70が上部に実現されたフレーム68を支持している。
【0035】
ここで、図13が、どのようにして補助リフトユニット10を取付ラック46上に相応に配置できるのかを示しており、この状態では、まさに図8〜図10に示したような態様で成し遂げられる組み付け作業のための準備がすでに達成されており、補助リフトユニット10の載置面として、取付ラック64が最上部のカウンタウェイトプレート46の機能を引き継いでいる。最後に、取付ラックを備えた実施形態が図14に示され、この実施形態は、カウンタウェイトをまったく備えない状況で機能するだけでなく、複数のカウンタウェイト72が組み付けられた状態でも機能し、該カウンタウェイトは、柱66を通すための切り欠き(recesses)74を有している。
【0036】
すでに上述したように、ここで図15および図16を参照し、本発明に従って設けられる足元支持部材の足部がどのように設計されるのかを、詳しく説明する。ここで、図15が、本発明に係る足元支持部材の4分の1を切断した図を示している一方で、半分を切断した図が、図16から明らかである。
【0037】
足部30が、ベースプレート28の角に取り付けられ、足部30の足元支持要素92が、カウンタウェイトプレート46の凹所すなわち足受け部48に位置する。足元支持要素92は、弾性変形可能な材料で製作され、それによって比較的大きい製造公差をすでに補償することができ、凸状の円錐形の足元支持要素92が、相応に反転させて形成された凹状の足受け部48に進入するときに、自動的なセンタリングが挿入において生じる。足元支持要素92および足受け部48の直径が比較的大きいことが、受け地点をクレーンの運転者が良好に視認できることとも相俟って、組み付け作業または補助リフトユニットの設置を迅速に達成できるようにする。特殊ゴムの弾性要素として構成することができる足元支持要素92が、配置の不正確さの自動的な補償、ならびに水平方向における半径方向のすき間の補償を提供する。
【0038】
足元支持要素92の弾性によってもたらされる上述の水平方向の調節機能または可動性は、主として、ボルト82によって決定される足部固定具(the foot fastening)の縦方向の軸に垂直に働く。ボルト82は、一番上の頭部をディスク84の上方に位置させつつスリーブ内にセンタリングされた状態で支持されるねじ山付きのボルトであり、前記スリーブは、上半分86と下半分88とで構成され、ベースプレート28を両側において囲んでいる。スリーブ下半分88の下方において、ボルト82は、さらなるディスク90を貫通して足元支持要素92内へ通され、それによって螺合した状態に保たれる。ディスク90は、金属材料で製作され、ボルト82の下部領域の雄ねじと係合する雌ねじを保持しており、足元支持要素92の弾性材料に固定されて結合されている。
【0039】
この構成において、ボルト82を回転させることで、足部30をベースプレート28から見て上げ下げできるように、足元支持要素92とベースプレート28との間の距離の増加または減少が達成される。これにより、足元支持要素92または足部30に、その固定の長手方向について、すなわちボルトの長手方向について、水平な固定の平面に対して垂直に、さらなる可動性または調節機能がもたらされる。
【0040】
弾性的な足元支持要素による2方向(x、y)の水平な機械的な調節機能および可動性、ならびにボルト82による高さzの調節機能の結果として、この実施形態においては、足部30が三方向に可動または調節可能であり、したがって大きな製造公差を補償することができ、常に適切な補助リフトユニットの設定角度をもたらすことができる。この調節機能は、ねじ、ディスク、およびナットなどの標準的な部品によって達成され、したがって単純なやり方で実現可能であり、水平面および水平面に対して垂直な長手方向の両方に、例えば+/−15mmという大きな調節範囲ももたらすことができる。特に、図17に示されるように、溝付きのスリーブ(または、ボス)87を、このために使用することができ、スリーブ半分86,87を回転させることによって方向の調節機能が保証される。半分86,87が開口が同じ方向を向くように一方向に回転させられる場合、ボルト82をこの方向に変位させ、その後に再び締め付けることができる。半分86,87が互いにねじれている場合、フィットした嵌合により変位が排除される(最適な変位防止)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、移動式クレーンへの補助リフトユニットの組み付けに関する。特に、本発明は、移動式クレーンの補助リフトユニットのための組み付けシステムと、移動式クレーンの補助リフトユニットを組み付けるための方法とに関し、さらには移動式クレーンの補助リフトユニットのための足元支持部材が開示される。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンの組立てにおいて、メインリフトユニットを補い、あるいは補助するために、補助リフトユニットを使用することが知られている。多くの場合、補助リフトユニットは、クレーンに組み付けて必要に応じて使用するために、特定の使用目的のための別のユニットとして設けられる。この目的のために、そのようなリフトユニットは、組み付け固定具を有しており、該組み付け固定具は、多くの場合にリフトユニットのフレーム部品に配置され、補助リフトユニットをクレーンに固定するように機能する。
【0003】
従来、補助リフトユニットは、その重量および寸法ゆえに動力を借りて移動させなければならないため、多くの場合に、現存するカウンタウェイトリフトシステムの助けを借りて移動され且つ組み立てられ、すなわち持ち上げられ、次いで回転テーブル受け部に固定される。
【0004】
不都合なことに、この手法は、実際にはカウンタウェイトを移動させるために設計されたリフトユニットにより補助リフトユニットの正確な適用を達成するために、運転作業員による多くの作業および注意を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景に鑑み、本発明の目的は、上記のような補助リフトユニットの組み付けの構成が改良された移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付けシステムと、組み付け方法とを提供することにある。特に、前記組み付けは、妥当な量の労力、時間、および注意力をもたらし得るものでなくてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の組み付けシステム、請求項9に記載の組み付け設備、ならびに請求項14に記載の移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付け方法によって達成される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態を定める。
【0007】
本発明に係る組み付けシステムは、補助リフトユニットのフレームに宛がわれ且つ補助リフトユニットをクレーンへ固定するように機能する補助リフトユニット組み付け固定具を有する組み付けシステムであって、補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具を組み付け位置へ動かすことができる組み付けユニットを有している。換言すると、本発明に係る組み付けシステムは、補助リフトユニットの必要な部分または補助リフトユニット自体を動かすことができ、すなわち、組み付け作業を実行可能な位置へそれらを動かすことができる自身の取り付け設備を備えている。この意味で、組み付けユニットを、補助リフトユニットのフレームまたは組み付け固定具のための移動または調節手段と考えることもできる。
【0008】
好都合なことに、本発明に係る組み付けユニットは、非常に小規模でかつ労働集約的な態様で、多くの場合にはさらに自動化または半自動化された態様で実行され得るように組み付け作業を支援する。もはやカウンタウェイトリフトシステムを、補助リフトユニットの組み付け作業に誤用したり、あるいはこの作業に適合させる必要がない。特に自動または半自動の組み付けユニットは常に同一の正しい動作を再現的に実行するため、補助リフトユニットの組み付け作業を、迅速かつきわめて安全なやり方で実行することができる。
【0009】
組み付け位置は、クレーンの上部構造上の固定位置であってもよく、この固定位置において、補助リフトユニット組み付け固定具と、クレーンの上部構造、特にメインリフトユニットに配置された相手方の固定具との係合が生じる。当然ながら、組み付け位置は、補助リフトユニットを取り付けるに際してクレーンの構成に応じて理にかなった場所であれば、移動式クレーン上の任意の適当な場所であってもよい。組み付けユニットは、きわめてさまざまなやり方および方向に動作または機能することができ、例えば、補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具を、特に上方、下方、斜め上方または下方、あるいは側方に向かって組み付け位置へ移動させることができる。さらに、さまざまな駆動および動作の種類、すなわち、例えば電気、油圧、空気圧、またはそれらの組み合わせがそれぞれ考えられ、当然ながら機械的な駆動部が、上述の駆動の種類の各々において役割を果たし、個別または単独で使用することも可能である。当然ながら、基本的には、クランク駆動部またはギア式の伝達機構などの手動操作の機械的な駆動部も使用可能である。組み付け作業は、特に「組み付けユニット」という用語によっても表現されるように、再現可能な態様で分かりやすく繰り返し行われることが重要である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態において、組み付けユニットは、補助リフトユニットのフレームを基礎部材から遠ざかるように持ち上げ、あるいは基礎部材から離すように持ち上げる油圧リフトシリンダ装置を備えている。そのような基礎部材は、補助リフトユニットの一部であってもよい。きわめて一般的には、本発明によれば、補助リフトユニットと補助リフトユニットの組み付けユニットとが、1つのユニット、すなわち別々の構成部品または個別かつ分離可能な構成部品をそれぞれ好都合に構成する。
【0011】
本発明に係る組み付けシステムの構成においては、前記基礎部材が、組み付けユニットまたはリフトシリンダ装置を介してフレームに宛がわれた、特にフレームに結合された支持ベースまたはベースプレートであり、フレームは、組み付けユニットまたはリフトシリンダ装置によって、支持ベースまたはベースプレートから離れるように組み立て位置へ持ち上げられ得る。換言すると、基礎部材は、対応するクレーン部分上に存在し、該部分に適するように構成された部分であってもよく、組み付けユニットは補助リフトユニットの残りの部分をこの基礎構造から離れるように組み付け位置へ持ち上げる。この場合、組み付けユニットまたはリフトシリンダ装置を、圧縮に耐え得るように、特に引張りと圧縮とに耐え得るように、支持ベースまたはベースプレートに結合することができる。後者の場合(引張りと圧縮とに耐え得る場合)、フレームを基礎構造から離すことができるだけでなく、実際には、その後、組み付け作業の後に、補助リフトユニットがその取り付け場所から離れるように、基礎構造もフレームに向かって引き寄せることができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、複数の足部(特に、位置調節可能であり且つ/又は位置を補償する足部)が、前記フレームに離間して対向する支持ベースまたはベースプレートの底面または側面に配置される。当然ながら、そのような足部は、例えば組み付けユニットの下方に支持ベースまたはベースプレートが存在しない場合、組み付けユニットの底部上に直接配置され得る。
【0013】
本発明に係る移動式クレーンの補助リフトユニットの組み付け設備は、種々の実施形態において大まかに上述し且つさらにはより詳細にも説明されるような組み付けシステムを備え、さらに、補助リフトユニットあるいは補助リフトユニットの支持ベースまたはベースプレートに適合するように構成された基礎を有する。そのような基礎は、最上部に取付けられたカウンタウェイト要素、および/または、カウンタウェイト支持部上またはカウンタウェイト要素上に配置された取付ラックであってもよい。
【0014】
この組み付け設備の設計上の一態様によれば、基礎上、特にカウンタウェイト支持部上または取付ラック上に、前記支持ベースまたはベースプレートの足部に対して、相手方の足元支持部材、特に足受け部が相補的に設けられる。
【0015】
移動式クレーンの補助リフトユニットの足部または足元支持部材については、すでにいくつかの箇所で上述した。そのような足元支持部材は、本明細書において単独で開示され、すなわち本発明の一ユニットを単独で確立する装置として開示されるが、上述され且つ特に後に詳述されるような組み付けシステムまたは組み付け設備の一部を構成してもよい。いずれの場合も、足元支持部材は、下方へ突出した足元支持要素を有しており、この足元支持要素は、補助リフトユニットに対して、少なくとも一方向について、制限された可動性および/または調節機能を備えるように配置されている。
【0016】
従来、そのような足元支持部材は、多くの場合、別個に存在する基礎の受け穴に挿入可能な鋼製ピンを用いた尖端ピン構造として実現されている。しかしながら、そのような硬い支持具は、きわめて柔軟性を欠き、正確な挿入が必要になるがゆえに、組み付け作業を遅くて複雑なものにする。しかしながら、本発明によるとおり、補助リフトユニットに対して少なくとも一方向について制限された可動性が存在する場合、この方向について、製造および基礎上への補助リフトユニットの配置の両方について許容差が大きくなる。可動性の組み付けは、この意味において、構造的な手法だけでなく材料の選択によっても達成できる一方向の調節機能および可動性の両方を含む。例えば、足元支持要素は、縦方向の軸に対して垂直な2つの軸における可動性が存在するように、特に足元支持要素の縦方向の軸に対して垂直な方向または足元支持要素の取り付け方向に対して直角な方向において弾性変形可能に設計され得る。
【0017】
別の又はさらなる可能性は、補助リフトユニット上あるいは補助リフトユニットの支持ベースまたはベースプレート上の足元支持要素に、足部材の長手軸に沿って又は足部材の取り付けの方向において調節可能であるロック可能な支持具を設けることであり、該ロック可能な支持具は、ロック可能なねじ山接続であってもよい。そのような接続は、シンプルな高さ調整を可能にする。足元支持要素の可動性または調節機能は、満足すべき構成部品の公差を大きくすることができるため、製造コストを下げることができる。加えて、機械加工も少なくなる。隣接の構成部品についても、例えば鋳造プレートの受け穴の使用において、大きな製造公差が許容され、特に、仮に鋳造プレート(基礎)が中心に配置されていない場合であっても、組み付け作業においても大きな製造公差が許容される。受け地点をより大きく設計することができ、したがってクレーンの運転者が受け地点をよりよく視認できるため、組み付け作業をより迅速に実行することができ、充分な設置空間において、上述した尖端ピン構造などの受けの補助構造を、部分的または完全に省くことができる。
【0018】
補助リフトユニット組み付け固定具を備えた移動式クレーンの補助リフトユニットを組み付けるための本発明に係る方法において、補助リフトユニット組み付け固定具は、補助リフトユニットのフレームに割り当てられ且つ補助リフトユニットをクレーンに固定するように機能し、補助リフトユニットあるいは前記補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具が組み付け位置に移動される。このとき、この移動は、補助リフトユニットに取り付けられた組み付けユニットによってもたらされ、この組み付けユニットが、補助リフトユニットのフレームおよび/または組み付け固定具を組み付け位置へ移動させる。当然ながら、本発明に係る方法も、組み付けシステムおよび組み付け設備のそれぞれにもとづいてすでに上述された利点および任意の特徴を有している。さらに、本発明に係る方法において、さまざまな実施形態において、上述されたとおり、または詳しく後述されるとおりの組み付けシステム、組み付け設備、または足元支持部材を、組み付けにおいて使用または採用することができる。
【0019】
さらに、本発明は、実施形態によってさらに詳しく説明される。本発明は、本明細書に記載されるすべての特徴を単独および任意の妥当な組み合わせにて含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に従って設計された補助リフトユニットを斜視図にて示している。
【図2】本発明に従って設計された補助リフトユニットを上面図にて示している。
【図3】本発明に従って設計された補助リフトユニットを側面図にて示している。
【図4】本発明に従って設計された補助リフトユニットを正面図にて示している。
【図5】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図6】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図7】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図8】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図9】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図10】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図11】前記リフトユニット組み付けシステムのための基礎としてのカウンタウェイトが露出した状態から、補助リフトユニットがカウンタウェイトから離れるように持ち上げられてメインリフトユニットに組み付けられる状態に至るまで、カウンタウェイトを備えた本発明に係る組み付けシステムによる組み付け作業を示す。
【図12】基礎として取付ラックを使用する組み付けシステムの例を示している。
【図13】基礎として取付ラックを使用する組み付けシステムの例を示している。
【図14】基礎として取付ラックを使用する組み付けシステムの例を示している。
【図15】移動式クレーンの補助リフトユニットのための本発明に係る足元支持部材の詳細を、自由に切断した図で示している。
【図16】移動式クレーンの補助リフトユニットのための本発明に係る足元支持部材の詳細を、自由に切断した図で示している。
【図17】移動式クレーンの補助リフトユニットのための本発明に係る足元支持部材の詳細を、自由に切断した図で示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る組み付けユニットを備える移動式クレーンの補助リフトユニットの実施形態を、図1〜図4に見て取ることができる。そこでは、図1が、左上方からの斜めの斜視図を示しており、図2が、上面図を示しており、図3が、側面図を示しており、図4が、正面図を示している。
【0022】
補助リフトユニットの全体に、参照符号10が付されている。この点で、図面において継続的に使用される参照符号が、同一または少なくとも機能的に同等な部分も指すことに、注意すべきである。
【0023】
補助リフトユニット10は、ロープウインチ12を回転可能に支持する鋼製のフレーム14を有している。正面側(図4の観察側である)において、ウインチ12のための接続部品36が、フレーム14から突き出している。
【0024】
補助リフトユニット10は、3つのさらなる要素(module)、すなわち組み付け固定具の要素と、組み付けユニットの要素と、足元支持部材の要素とをさらに備えている。補助リフトユニットは、組み付け固定具によってクレーンの上部構造(例えば、メインリフトユニット)に取り付けられる一方で、組み付けユニットは、組み付け固定具によってフレーム内の組み付け位置へ移動することができる。この点で、ごく一般的には、補助リフトユニット自体、補助リフトユニットのフレームのみ、または組み付け固定具のみを、組み付け位置に到達するように組み付けユニットと一緒に移動させることができることに、注意すべきである。しかしながら、本実施例の場合のように、これらの構成部品の組み合わせを移動させることも可能である。
【0025】
図1〜図4の補助リフトユニットを作動位置に固定するための組み付け固定具が、リフトユニット10において、それぞれ斜め前方および前方からの図である図1および図3に見て取ることができる側に位置している。組み付け固定具は、両側の縁に同様に取り付けられ、鏡像反転であり、ボルト16を両側から保持する突起18を上部に有している。次いで、下部には、ピストン−シリンダユニット24からボルト26を延ばすことができるすき間22を形成する二連突起20が形成されている。すでに述べたように、ボルト16,26は、補助リフトユニットのフレーム10をクレーンの上部構造、すなわちメインリフトユニットへ固定するように機能し、この機能については後にさらに詳しく説明する。
【0026】
リフトユニット10の機能にとって重要な第2の要素は、リフトユニット10をリフトユニット10のフレーム14において持ち上げ、ボルト16,26により取り付け係合がなされる組み付け位置へリフトユニットを移動させることができる組み付けユニットである。フレーム10の各々の前側に配置されたピストン−シリンダユニットがリフト動作を担い、シリンダに参照符号32が付され、ピストンに参照符号40が付されている。図1および図4において良好に視認できるとおり、シリンダは、横板34(図1)によってフレーム10へ取り付けられる一方で、ピストン40は、端部ピース38を介してベースプレート28に取り付けられている。ピストン40をシリンダ32から延ばすことによって、フレーム10がプレート28から遠ざかるように上方に移動し、ピストン40をシリンダ32に引き込むことで、プレート28とフレーム10とが接近する。これにより、当然ながら、組み付け固定具のボルト16,26の高さも、これらの位置における取り付け係合を達成できるように変化する。この機械的なシステムを、さらに詳しく説明する。
【0027】
図1〜図4において明らかになる補助リフトユニット10の第3の要素は、ここでは図1、図3、および図4に明らかな足部30と共に実現される足元支持部材である。足元支持部材および足部30についてさらに詳しく説明すると、足元支持部材と足部とは、下方に向かって先細りであり且つ弾性材料からなる足元支持要素を有し、該足元支持要素は、相手側の支持具へきわめて簡単に挿入でき、大きな公差および配置の不正確さを許容または調整できる。足部30は、ベースプレート28の底部の(4つの)角に配置され、図には前側のものが明示されている。ここで、基本的には、足部30のうちの少なくとも1つを公差の補償のために弾性的または可動あるいは調節可能に構成すればよいが、当然ながら、足部のうちの2つ、3つ、または4つ、すなわちきわめて一般的には個々の足部、複数の足部、またはすべての足部を、本発明に係る足元支持部材の定義に従って構成できることにも、注意すべきである。
【0028】
さらに、図5〜図11に基づき、本発明を用いた補助リフトユニットの取り付けの作業、すなわち組み付けの作業を、例として説明する。この例では、補助リフトユニットが、組み付け作業のための準備として、図5によく表れたカウンタウェイトパッケージ44上に配置される。カウンタウェイトパッケージ44は、移動式クレーンのクレーン下部架台42に載せられ、円形の凹所として形成された足受け部48を備える最上部のカウンタウェイトが、組み付け作業のための基礎として使用される。
【0029】
図6が、組み付け作業の準備のために、足部(この図では、もはやほとんど見て取ることができない)が足受け部48へ挿入されるように、一番上のカウンタウェイト板46上に補助リフトユニット10がどのように配置されるのかを示している。同じ状態が、図7に反対側からの斜視図にて示されており、すでに述べた足部30が、その足元支持部材の参照符号とともに示されている。クレーン下部架台42に対する「前方」方向は、図6においては斜め左上方向であり、図7においては斜め右下方向であり、したがって補助リフトユニット10が、クレーン上の組み付け固定具16,18,20,24を前方に向けて一番上のカウンタウェイト要素46上に配置されると言うことができる。
【0030】
さらなる組み付け作業が、図8によく表れており、図8の観察方向は、先と同様、図5および図6の観察方向に一致する。図8において、補助リフトユニット10は、図6および図7に示された状態と同様、依然として一番上のカウンタウェイト要素46上に位置している。しかしながら、メインリフトユニット52が取り付けられるリフトユニット保持具50を備えるクレーン上部構造48が、前後方向に真っ直ぐに向けられてクレーン下部架台42の上方に位置するよう、後方へ向けられている。この状態において、メインリフトユニット52に取り付けられた補助リフトユニットの相手側の固定具54,56が、組み付け固定具16,18,20の上に自由な状態で配置される位置に、メインリフトユニット52が配置されている。相手側の固定具54,56は、両側に取り付けられた上部フック部材(upper hook elements)54と、下部において両側に取り付けられた係合センタリング突起(catching and centering lugs)56とを備えている。図8の状態では、依然としてフレーム10がプレート28上に密接するように、シリンダ32を備えたピストン−シリンダユニット、ひいては組み付けユニットは、完全に引き込まれた状態にある。
【0031】
この状態で、補助リフトユニット10のメインリフトユニット52への取り付けを実行するために組み付けユニットが作動させられ、この工程の後の状態が、図9に示されている。組み付けユニットのピストン40がシリンダ32から延ばされ、補助リフトユニット10のフレームをベースプレート28から上方に向かって持ち上げていることを、見て取ることができる。この作業において、一方では、ボルト16がメインリフトユニット52の上側後部で(メインリフトユニットの支持部18の間において)フック54に入り込み、他方では、最初はボルト26が解放されていない状態で、両側において係合センタリング突起(catching and centering lugs)56の下側に突起20が係合される。この状態で、ボルト26を、ピストン/シリンダユニット24(例えば、図1を参照)の助けを借りてすき間22へ導入でき、センタリングされ固定されたボルト接続が、底部においてメインリフトユニット52と補助リフトユニット10との間において達成される。固定具16,18,54は、両側の頂部における先端部の安定をもたらす。
【0032】
図10に完了状態が示されているさらなる作業段階では、足部30が足元支持部材48から離れ、且つ、メインリフトユニット52と補助リフトユニット10との複合体の自由な回転が保証されるように、やはり組み付けユニット、すなわちピストン/シリンダユニット32,40の助けを借りて、今や固定的に取り付けられた補助リフトユニット10に向かってベースプレート28が引き寄せられる。
【0033】
カウンタウェイトをクレーンの上部構造へ取り付ける必要がある場合、図11から明らかなように、固定具60によってカウンタウェイトパッケージに係合してまとめて上方へ持ち上げるピストン−シリンダユニット58を使用することができる。このとき、補助リフトユニット10は再び足元支持部材に配置され、カウンタウェイトパッケージ全体が、上部構造上のリフトユニットと共に移動され得る。
【0034】
本発明のさらなる実施形態が、図12〜図14に示されている。図8および図9を簡単に見直すと、ここに示されている本発明の実施例においては、組み付けユニットで持ち上げることによって結合の組み付け位置へメインリフトユニット52を近付け、補助リフトユニットを動かすことができるように、補助リフトユニット10を所定の高さでクレーンの下部架台42上に配置しなければならないことを確認することができる。図5〜図11の例では、設置高さが、ほぼ、最上部のカウンタウェイト要素の高さであったが、組み付けられるカウンタウェイトがより少ない場合や、カウンタウェイトが組み付けられない場合も存在しうる。そのような場合に、本発明の一実施例によれば、図12に示され、参照符号64が与えられているような取付ラックを設けることができる。取付ラック64は、その2本の柱66によってカウンタウェイト支持部62上に位置しており、例えば図5に見られる足受け部48に配置および構成に関して類似する4つの足受け部70が上部に実現されたフレーム68を支持している。
【0035】
ここで、図13が、どのようにして補助リフトユニット10を取付ラック46上に相応に配置できるのかを示しており、この状態では、まさに図8〜図10に示したような態様で成し遂げられる組み付け作業のための準備がすでに達成されており、補助リフトユニット10の載置面として、取付ラック64が最上部のカウンタウェイトプレート46の機能を引き継いでいる。最後に、取付ラックを備えた実施形態が図14に示され、この実施形態は、カウンタウェイトをまったく備えない状況で機能するだけでなく、複数のカウンタウェイト72が組み付けられた状態でも機能し、該カウンタウェイトは、柱66を通すための切り欠き(recesses)74を有している。
【0036】
すでに上述したように、ここで図15および図16を参照し、本発明に従って設けられる足元支持部材の足部がどのように設計されるのかを、詳しく説明する。ここで、図15が、本発明に係る足元支持部材の4分の1を切断した図を示している一方で、半分を切断した図が、図16から明らかである。
【0037】
足部30が、ベースプレート28の角に取り付けられ、足部30の足元支持要素92が、カウンタウェイトプレート46の凹所すなわち足受け部48に位置する。足元支持要素92は、弾性変形可能な材料で製作され、それによって比較的大きい製造公差をすでに補償することができ、凸状の円錐形の足元支持要素92が、相応に反転させて形成された凹状の足受け部48に進入するときに、自動的なセンタリングが挿入において生じる。足元支持要素92および足受け部48の直径が比較的大きいことが、受け地点をクレーンの運転者が良好に視認できることとも相俟って、組み付け作業または補助リフトユニットの設置を迅速に達成できるようにする。特殊ゴムの弾性要素として構成することができる足元支持要素92が、配置の不正確さの自動的な補償、ならびに水平方向における半径方向のすき間の補償を提供する。
【0038】
足元支持要素92の弾性によってもたらされる上述の水平方向の調節機能または可動性は、主として、ボルト82によって決定される足部固定具(the foot fastening)の縦方向の軸に垂直に働く。ボルト82は、一番上の頭部をディスク84の上方に位置させつつスリーブ内にセンタリングされた状態で支持されるねじ山付きのボルトであり、前記スリーブは、上半分86と下半分88とで構成され、ベースプレート28を両側において囲んでいる。スリーブ下半分88の下方において、ボルト82は、さらなるディスク90を貫通して足元支持要素92内へ通され、それによって螺合した状態に保たれる。ディスク90は、金属材料で製作され、ボルト82の下部領域の雄ねじと係合する雌ねじを保持しており、足元支持要素92の弾性材料に固定されて結合されている。
【0039】
この構成において、ボルト82を回転させることで、足部30をベースプレート28から見て上げ下げできるように、足元支持要素92とベースプレート28との間の距離の増加または減少が達成される。これにより、足元支持要素92または足部30に、その固定の長手方向について、すなわちボルトの長手方向について、水平な固定の平面に対して垂直に、さらなる可動性または調節機能がもたらされる。
【0040】
弾性的な足元支持要素による2方向(x、y)の水平な機械的な調節機能および可動性、ならびにボルト82による高さzの調節機能の結果として、この実施形態においては、足部30が三方向に可動または調節可能であり、したがって大きな製造公差を補償することができ、常に適切な補助リフトユニットの設定角度をもたらすことができる。この調節機能は、ねじ、ディスク、およびナットなどの標準的な部品によって達成され、したがって単純なやり方で実現可能であり、水平面および水平面に対して垂直な長手方向の両方に、例えば+/−15mmという大きな調節範囲ももたらすことができる。特に、図17に示されるように、溝付きのスリーブ(または、ボス)87を、このために使用することができ、スリーブ半分86,87を回転させることによって方向の調節機能が保証される。半分86,87が開口が同じ方向を向くように一方向に回転させられる場合、ボルト82をこの方向に変位させ、その後に再び締め付けることができる。半分86,87が互いにねじれている場合、フィットした嵌合により変位が排除される(最適な変位防止)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式クレーンの補助リフトユニット(10)のための組み付けシステムであって、
該補助リフトユニットは、該補助リフトユニットのフレーム(14)に宛がわれ且つ該補助リフトユニットを前記クレーンに固定するように機能する補助リフトユニット組み付け固定具(16,24,26)を備え、
前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を組み付け位置へ動かすことができる組み付けユニット(32,40)を備えたことを特徴とする組み付けシステム。
【請求項2】
前記組み付け位置は、前記クレーンの上部構造(48)上の固定位置であり、該固定位置において、前記補助リフトユニット組み付け固定具(16,24,26)と、前記クレーンの上部構造(48)上、特にメインリフトユニット(52)上に位置する相手方の固定具(54,56)との係合が生じることを特徴とする請求項1に記載の組み付けシステム。
【請求項3】
前記組み付けユニット(32,40)は、前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を、前記組み付け位置へ、特に上方、下方、斜め上方もしくは斜め下方、又は側方に向かって前記組付け位置へ移動させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の組み付けシステム。
【請求項4】
前記組み付けユニット(32,40)は、電気、油圧、空気圧、またはこれらの組み合わせによって駆動され且つ/又は作動されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組み付けシステム。
【請求項5】
前記組み付けユニットは、前記補助リフトユニットのフレーム(14)を基礎部材(28)から離れるように持ち上げる油圧式のリフトシリンダ装置(32,40)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組み付けシステム。
【請求項6】
前記基礎部材は、前記組み付けユニットまたは前記リフトシリンダ装置を介して前記フレーム(10)に宛がわれ、特に前記フレーム(10)に結合された支持ベースまたはベースプレート(28)であり、
前記フレーム(10)は、前記組み付けユニットまたは前記リフトシリンダ装置によって、前記支持ベースまたはベースプレート(28)から離れるように前記組付け位置へ持ち上げられ得るものであることを特徴とする請求項5に記載の組み付けシステム。
【請求項7】
前記組み付けユニットまたは前記リフトシリンダ装置(32,40)は、圧縮に耐え得るように、特に引張りと圧縮とに耐え得るように、前記支持ベースまたはベースプレート(28)に結合されていることを特徴とする請求項6に記載の組み付けシステム。
【請求項8】
前記フレームに離間して対向する前記支持ベースまたはベースプレート(28)の底面または側面、特に、位置調節可能であり且つ/又は位置を補償する足元支持部材上に、複数の足部(30)が配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載の組み付けシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み付けシステムを備えた移動式クレーンの補助リフトユニット(10)のための組み付け設備であって、
前記補助リフトユニット、又は、前記補助リフトユニットの支持ベース若しくはベースプレート(28)を設置するのに適した基礎を備え、
該基礎は、
最上部のカウンタウェイト要素(46)、および/または、
カウンタウェイト支持部(62)上またはカウンタウェイト要素上に配置された取付ラック(64)を有している組み付け設備。
【請求項10】
前記基礎上、特に前記カウンタウェイト支持部(62)上又は前記取付ラック(68)上の前記支持ベースまたはベースプレート(28)の足部(30)に対して、相手方の足元支持部材、特に足受け部(48)が相補的に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の組み付け設備。
【請求項11】
移動式クレーンの補助リフトユニット(10)用、特に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み付けシステム用、或いは、請求項9または10に記載の組み付け設備用の足元支持部材であって、
下方へ突出した足元支持要素(92)を有する少なくとも1つの足部を備え、
前記足元支持要素(92)は、前記補助リフトユニットに対して、少なくとも一方向について、制限された可動性または調節機能を有するように配置されていることを特徴とする足元支持部材。
【請求項12】
前記足元支持要素(92)は、特に該足元支持要素(92)の縦方向の軸に対して垂直な方向または該足元支持要素(92)の取り付け方向に対して直角な方向に、弾性変形可能であり、かつ/または、
前記足元支持要素(92)は、前記縦方向の軸に対して直角な方向に移動可能に取り付けられたボルト(82)に据え付けられ、該ボルト(82)は、特に360°回転可能な開口付きまたは溝付きのスリーブ(87)内に、特にスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項11に記載の足元支持部材。
【請求項13】
前記足元支持要素(92)は、該足元支持要素の縦方向の軸に沿って又は該足元支持要素の取付方向において調節可能であるロック可能支持部材により、特にロック可能なねじ接続により、前記補助リフトユニット(10)又は該補助リフトユニット(10)の前記支持ベースまたはベースプレート(28)に取り付けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の足元支持部材。
【請求項14】
補助リフトユニット組み付け固定具(16,24,26)を用いて補助リフトユニット(10)を組み付ける方法であって、
前記補助リフトユニット組み付け固定具は、前記補助リフトユニットのフレーム(14)に宛がわれ、且つ、前記補助リフトユニットを前記クレーンに固定するように機能するものであり、
前記補助リフトユニットに取り付けられ、且つ、前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を組み付け位置へ移動させる組み付けユニット(32,40)によって、前記補助リフトユニット(10)あるいは前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を前記組付け位置へ移動させる方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み付けシステム、請求項9または10に記載の組み付け設備、あるいは請求項11〜13のいずれか一項に記載の足元支持部材が、組み付けに用いられる請求項14に記載の方法。
【請求項1】
移動式クレーンの補助リフトユニット(10)のための組み付けシステムであって、
該補助リフトユニットは、該補助リフトユニットのフレーム(14)に宛がわれ且つ該補助リフトユニットを前記クレーンに固定するように機能する補助リフトユニット組み付け固定具(16,24,26)を備え、
前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を組み付け位置へ動かすことができる組み付けユニット(32,40)を備えたことを特徴とする組み付けシステム。
【請求項2】
前記組み付け位置は、前記クレーンの上部構造(48)上の固定位置であり、該固定位置において、前記補助リフトユニット組み付け固定具(16,24,26)と、前記クレーンの上部構造(48)上、特にメインリフトユニット(52)上に位置する相手方の固定具(54,56)との係合が生じることを特徴とする請求項1に記載の組み付けシステム。
【請求項3】
前記組み付けユニット(32,40)は、前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を、前記組み付け位置へ、特に上方、下方、斜め上方もしくは斜め下方、又は側方に向かって前記組付け位置へ移動させるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の組み付けシステム。
【請求項4】
前記組み付けユニット(32,40)は、電気、油圧、空気圧、またはこれらの組み合わせによって駆動され且つ/又は作動されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の組み付けシステム。
【請求項5】
前記組み付けユニットは、前記補助リフトユニットのフレーム(14)を基礎部材(28)から離れるように持ち上げる油圧式のリフトシリンダ装置(32,40)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の組み付けシステム。
【請求項6】
前記基礎部材は、前記組み付けユニットまたは前記リフトシリンダ装置を介して前記フレーム(10)に宛がわれ、特に前記フレーム(10)に結合された支持ベースまたはベースプレート(28)であり、
前記フレーム(10)は、前記組み付けユニットまたは前記リフトシリンダ装置によって、前記支持ベースまたはベースプレート(28)から離れるように前記組付け位置へ持ち上げられ得るものであることを特徴とする請求項5に記載の組み付けシステム。
【請求項7】
前記組み付けユニットまたは前記リフトシリンダ装置(32,40)は、圧縮に耐え得るように、特に引張りと圧縮とに耐え得るように、前記支持ベースまたはベースプレート(28)に結合されていることを特徴とする請求項6に記載の組み付けシステム。
【請求項8】
前記フレームに離間して対向する前記支持ベースまたはベースプレート(28)の底面または側面、特に、位置調節可能であり且つ/又は位置を補償する足元支持部材上に、複数の足部(30)が配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載の組み付けシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み付けシステムを備えた移動式クレーンの補助リフトユニット(10)のための組み付け設備であって、
前記補助リフトユニット、又は、前記補助リフトユニットの支持ベース若しくはベースプレート(28)を設置するのに適した基礎を備え、
該基礎は、
最上部のカウンタウェイト要素(46)、および/または、
カウンタウェイト支持部(62)上またはカウンタウェイト要素上に配置された取付ラック(64)を有している組み付け設備。
【請求項10】
前記基礎上、特に前記カウンタウェイト支持部(62)上又は前記取付ラック(68)上の前記支持ベースまたはベースプレート(28)の足部(30)に対して、相手方の足元支持部材、特に足受け部(48)が相補的に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の組み付け設備。
【請求項11】
移動式クレーンの補助リフトユニット(10)用、特に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み付けシステム用、或いは、請求項9または10に記載の組み付け設備用の足元支持部材であって、
下方へ突出した足元支持要素(92)を有する少なくとも1つの足部を備え、
前記足元支持要素(92)は、前記補助リフトユニットに対して、少なくとも一方向について、制限された可動性または調節機能を有するように配置されていることを特徴とする足元支持部材。
【請求項12】
前記足元支持要素(92)は、特に該足元支持要素(92)の縦方向の軸に対して垂直な方向または該足元支持要素(92)の取り付け方向に対して直角な方向に、弾性変形可能であり、かつ/または、
前記足元支持要素(92)は、前記縦方向の軸に対して直角な方向に移動可能に取り付けられたボルト(82)に据え付けられ、該ボルト(82)は、特に360°回転可能な開口付きまたは溝付きのスリーブ(87)内に、特にスライド可能に支持されていることを特徴とする請求項11に記載の足元支持部材。
【請求項13】
前記足元支持要素(92)は、該足元支持要素の縦方向の軸に沿って又は該足元支持要素の取付方向において調節可能であるロック可能支持部材により、特にロック可能なねじ接続により、前記補助リフトユニット(10)又は該補助リフトユニット(10)の前記支持ベースまたはベースプレート(28)に取り付けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の足元支持部材。
【請求項14】
補助リフトユニット組み付け固定具(16,24,26)を用いて補助リフトユニット(10)を組み付ける方法であって、
前記補助リフトユニット組み付け固定具は、前記補助リフトユニットのフレーム(14)に宛がわれ、且つ、前記補助リフトユニットを前記クレーンに固定するように機能するものであり、
前記補助リフトユニットに取り付けられ、且つ、前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を組み付け位置へ移動させる組み付けユニット(32,40)によって、前記補助リフトユニット(10)あるいは前記補助リフトユニットのフレーム(14)および/または前記組み付け固定具(16,24,26)を前記組付け位置へ移動させる方法。
【請求項15】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組み付けシステム、請求項9または10に記載の組み付け設備、あるいは請求項11〜13のいずれか一項に記載の足元支持部材が、組み付けに用いられる請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−51732(P2012−51732A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−180365(P2011−180365)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(507186322)マニトワック・クレーン・グループ・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ (12)
【氏名又は名称原語表記】Manitowoc Crane Group France SAS
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180365(P2011−180365)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(507186322)マニトワック・クレーン・グループ・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ (12)
【氏名又は名称原語表記】Manitowoc Crane Group France SAS
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]