移動式クレーン
【課題】分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる移動式クレーンを提供する。
【解決手段】ベイルユニット40をマストトップ151の先端から着脱可能に構成した。これにより、クレーン1の輸送時に、マストベース152に設けられた起伏ウインチ18とともに、ベイルユニット40を一緒に輸送できるようになるので、ブライドルユニット30との間で掛け回されたブーム起伏ロープ23を抜き取る必要がなく、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。
【解決手段】ベイルユニット40をマストトップ151の先端から着脱可能に構成した。これにより、クレーン1の輸送時に、マストベース152に設けられた起伏ウインチ18とともに、ベイルユニット40を一緒に輸送できるようになるので、ブライドルユニット30との間で掛け回されたブーム起伏ロープ23を抜き取る必要がなく、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンでは、機体本体(上部旋回体)に取り付けられたブームを所定の姿勢で維持するため、一端がブームの先端に取り付けられたペンダントの他端を後方に牽引して、ブームの転倒防止のモーメントを与えている。大型の移動式クレーンのようにブームの長さが長くなる場合、ブームの転倒防止のためのモーメントを有効に与えるために全長の長いブームマスト(マスト)を用いる。そして、マストの先端に取り付けられたベイルとペンダントの他端に取り付けられたブライドルとの間に掛け回されたブーム起伏ロープをウインチで巻き上げまたは繰り出すことでブームを起伏する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−227076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大型の移動式クレーンでは、輸送の制約上、上部旋回体、ブーム、およびマストがそれぞれ分離されて輸送される。そして、作業現場に搬入された後、再び組み立てられる。上述した移動式クレーンでは、輸送に際しての長さの制限から、マストを複数の部分に分離する必要がある。そのため、ベイルとブライドルとの間に掛け回されたブーム起伏ロープを抜き取って、マスト基端近傍に設けられたブーム起伏用ウインチと、マストの先端に取り付けられたベイルとを別々に輸送していた。そして、クレーンの組み立ての際、ベイルとブライドルとの間にブーム起伏ロープを再び掛け回す作業を行っていた。そのため、クレーンの分解、組み立て作業に時間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による移動式クレーンは、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に起伏可能に支持されるブームと、上部旋回体に取り付けられるマストと、マストの先端に着脱可能に設けられるシーブユニットと、シーブユニットとの間でブーム起伏用のロープが掛け回されるブライドルユニットと、ブライドルユニットとブームの先端とを接続するブームペンダントとを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、マストは、先端部分近傍にシーブユニットを着脱可能に支持する溝状の支持部が設けられ、シーブユニットは、マストの先端部分に取り付けられる際に、支持部の溝に嵌挿される嵌挿部を有することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の移動式クレーンにおいて、ブーム起伏用のロープをシーブユニットとブライドルユニットとの間に掛け回したままシーブユニットとブライドルユニットとを一体化する一体化手段をさらに備えることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載の移動式クレーンにおいて、一体化手段は、シーブユニットおよびブライドルユニットのいずれか一方に設けられて、先端側に溝を有する腕と、腕の溝に嵌挿されて溝の底部と当接する、シーブユニットおよびブライドルユニットのいずれか他方に設けられた当接部とを有することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載の移動式クレーンにおいて、マストに設けられて、ブーム起伏用のロープを巻き取りおよび繰り出すブーム起伏用ウインチをさらに備え、マストは、一体化手段で一体化されたシーブユニットとブライドルユニットとを、輸送時に載置する載置部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、移動式クレーンの輸送に際して、シーブユニットとブライドルユニットとの間で掛け回されるブーム起伏用のロープを抜き取る必要がなくなるので、クレーンの分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】移動式クレーンの側面図である。
【図2】マストトップの先端に取り付けられたベイルユニットと、輸送のためにベイルユニットと一体化されたブライドルユニットとを示す図である。
【図3】ブライドルユニットの側面図である。
【図4】マストトップの先端近傍を示す側面図である。
【図5】ブライドルユニットとベイルユニットとが一体化された状態でマストベースの背面側に載置されて固定された状態を示す図である。
【図6】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図7】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図8】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図9】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図10】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図11】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜11を参照して、本発明による移動式クレーンの一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の移動式クレーンの側面図である。この移動式のクレーン1は、下部走行体(走行体)11と、走行体11上に旋回可能に搭載される上部旋回体(旋回体)13と、旋回体13の先端部に回動可能に軸支されたブーム14およびロングマスト(リヤマスト)15と、旋回体13の後端部に取り付けられたカウンタウエイト16と、ライブマスト19とを有する。リヤマスト15は、先端側のマストトップ151と、基端側のマストベース152と、マストトップ151とマストベース152との間のマストエクステンション153とを備えている。
【0009】
ブーム14の先端には主フック21aおよび補フック21bが吊り下げられ、フックロープがブーム14の基端近傍に設けられたウインチユニット17a,17bへ巻装されている。また、ブーム14の先端後部にはブームペンダントロープ22の一端が繋着されており、該ブームペンダントロープ22の他端がブライドルユニット30に接続されている。ブライドルユニット30とリヤマスト15の先端に取り付けられたベイルユニット40との間にはブーム起伏ロープ23が掛け回されている。なお、ブライドルユニット30およびベイルユニット40については、後に詳述する。ブーム起伏ロープ23はリヤマスト15の先端近傍に設けられたガイドシーブ151cを経由してリヤマスト15の基端近傍に設けられた起伏ウインチ18へ巻装されている。ブーム起伏ロープ23は起伏ウインチ18の駆動により巻き取りまたは繰り出され、これによりブライドルユニット30とベイルユニット40との間の距離が変化するので、ブームペンダントロープ22を介してブーム14が起伏する。
【0010】
24は、リヤマスト15の支持ペンダントである。支持ペンダント24は、一端がリヤマスト15の先端に接続され、他端がライブマスト19に接続されている。ライブマスト19の先端部と旋回体13の後端部にはそれぞれシーブ25,26が設けられ、各シーブ25,26間に起伏ロープ27が掛け回されている。起伏ロープ27は起伏ドラム28の駆動により巻き取りまたは繰り出される。
【0011】
図2は、マストトップ151の先端に取り付けられたベイルユニット40と、後述するように、輸送のためにベイルユニット40と一体化されたブライドルユニット30とを示す図である。図2(a)は、マストトップ151の背面側(図1における図示左側)から見たときの図であり、図2(b)は、マストトップ151の側方から見たときの図である。図3は、ブライドルユニット30の側面図である。なお、図2(a),(b)では、ブーム起伏ロープ23の図示を省略している。
【0012】
ブライドルユニット30は、ブーム起伏ロープ23が掛け回される複数のシーブ31と、これら複数のシーブ31を軸32aで軸支するユニットフレーム32とを備えている。ユニットフレーム32には、ブームペンダントロープ22の他端が接続されるペンダント接続部33と、シーブ31に対してペンダント接続部33とは反対方向へ向かって延在する腕34と、後述するように輸送時にマストベース152の不図示の孔に嵌挿されるピン36とが設けられている。腕34の先端は、二股に分かれていてU字状の溝35が形成されている。
【0013】
ベイルユニット40は、ブーム起伏ロープ23が掛け回される複数のシーブ41と、これら複数のシーブ41を軸42aで軸支するユニットフレーム42とを備えたシーブユニットである。
【0014】
本実施の形態では、ベイルユニット40は、リヤマスト15の先端から着脱可能である。すなわち、図4に示すように、マストトップ151の先端部分は、二股に分かれていてU字状の溝151aが形成されている。後述するように、ベイルユニット40は、マストトップ151の先端に取り付けられると、軸42aがマストトップ151の先端部分の溝151aに嵌挿されて支持される。また、輸送時には、軸42aがマストトップ151の先端部分の溝151aから抜き出されて、ベイルユニット40がマストトップ151の先端から取り外される。
【0015】
クレーン1の輸送時には、ブライドルユニット30とベイルユニット40とは、一体化された状態で、図5(a),(b)に示すように、マストベース152の背面側に載置されて固定される。図5(a)は、マストベース152の背面側(図1における図示左側)から見たときの図であり、図5(b)は、マストベース152の側方から見たときの図である。なお、図5(a),(b)では、ブーム起伏ロープ23の図示を省略している。
【0016】
クレーン1の輸送時には、ブーム起伏ロープ23が起伏ウインチ18によって巻き取られることで、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを接近させる。これにより、ベイルユニット40の軸42aがブライドルユニット30の腕34の溝35に嵌挿され、溝35の底部に当接して支持される。このように、軸42aが腕34の溝35で支持され、かつ、ブーム起伏ロープ23が各シーブ31,41に掛け回されているので、ブライドルユニット30とベイルユニット40とは、一体化する。このように一体化されたブライドルユニット30とベイルユニット40とは、マストベース152の背面側に設けられたブライドルユニット30とベイルユニット40とを載置するための載置部152bに載置されると、図5(b)に示す保持部材152aで保持されるとともに、図3に示すブライドルユニット30のピン36がマストベースの152の不図示の孔に嵌挿されて、マストベース152に固定される。そして、ブライドルユニット30とベイルユニット40とは、マストベース152とともに一体的に輸送される。
【0017】
このようにして輸送されたブライドルユニット30とベイルユニット40とは、次のようにして組み立てられる。まず、図6に示すように、走行体11上に旋回体13を搭載する。そして、マストトップ151とマストベース152との間のマストエクステンション153を接続してブーム15を組み立て、旋回体13にブーム15を取り付ける。次いで、図7に示すように、マストベース152の背面側に載置されているブライドルユニット30とベイルユニット40とに玉掛けをし、別途用意しておいた補助クレーン2にて吊り上げる。なお、図7のベイルユニット40近傍の拡大図において、42bは、後述するように、ベイルユニット40のユニットフレーム42をマストトップ151に固定するためのピンを挿入するピン孔である。
【0018】
そして、図8に示すように、補助クレーン2によってブライドルユニット30とベイルユニット40とを、マストトップ151の先端まで移動させる。このとき、ブライドルユニット30とベイルユニット40との移動に合わせて、起伏ウインチ18を駆動してブーム起伏ロープ23を適宜繰り出す。そして、図9に示すように、ブーム起伏ロープ23をガイドシーブ151cに掛け、ロープ外れ止め151dとピン151eを取り付け、ロックピン151fで抜け止めをする。
【0019】
その後、図10に示すように、ベイルユニット40の軸42a(図10において不図示)をマストトップ151の先端部分の溝151aに嵌挿させて、ベイルユニット40をマストトップ151に取り付ける。そして、マストトップ151の先端部分に設けられたピン孔151gと、ベイルユニット40のユニットフレーム42のピン孔42bと、支持ペンダント24の先端のピン孔24aとの位置合わせをして、固定ピン45を挿入する。その後、補助クレーン2を巻き下げてブライドルユニット30を接地させて、玉掛けを外し、図11に示すように、固定ピン45にロックピン46を挿入する。以上で、マストトップ151へのベイルユニット40の取り付けが完了する。
【0020】
輸送のためにクレーン1を分解する際には、上述した手順と逆の手順によってベイルユニット40をマストトップ151から取り外し、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを一体化した状態で、図5(a),(b)に示すように、マストベース152の背面側に載置する。
【0021】
上述したクレーン1では、次の作用効果を奏する。
(1) ベイルユニット40をマストトップ151の先端から着脱可能に構成した。これにより、クレーン1の輸送時に、マストベース152に設けられた起伏ウインチ18とともに、ベイルユニット40を一緒に輸送できるようになるので、ブライドルユニット30との間で掛け回されたブーム起伏ロープ23を抜き取る必要がなく、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。また、クレーン1の分解、組み立て作業で複数のシーブ31,41にブーム起伏ロープ23を掛け回す作業がなくなるので、ブーム起伏ロープ23掛け回す順番を誤るという機会がなくなり、クレーン1の破損を防止できる。
【0022】
(2) マストトップ151の先端部分にU字状の溝151aを形成した。そして、ベイルユニット40がマストトップ151の先端に取り付けられると、軸42aがマストトップ151の先端部分の溝151aに嵌挿されて支持されるように構成した。これにより、マストトップ151の先端にベイルユニット40を容易に着脱できるので、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。また、簡単な構造となるので、破損等の不具合が発生する可能性を低く抑えられる。
【0023】
(3) ブーム起伏ロープ23を起伏ウインチ18で巻き取り、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを接近させると、ベイルユニット40の軸42aがブライドルユニット30の腕34の溝35に嵌挿され、溝35の底部に当接して支持されるように構成した。これにより、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを容易に一体化できる。そして、輸送の際に、ブライドルユニット30とベイルユニット40とをマストベース152に容易に固定できるので、ブライドルユニット30とベイルユニット40とをマストベース152に固定する作業や取り外す作業が容易となる。したがって、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。
【0024】
(4) ブーム起伏ロープ23が掛け回されていて一体化されたブライドルユニット30とベイルユニット40とを、マストベース152の背面側の載置部152bに載置すると、保持部材152aで保持されるとともに、図3に示すブライドルユニット30のピン36がマストベースの152の不図示の孔に嵌挿されて、マストベース152に固定されるように構成した。これにより、マストベース152、起伏ウインチ18、ライドルユニット30、およびベイルユニット40を一体的に容易に輸送できる。
【0025】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、ブライドルユニット30のユニットフレーム32に腕34を設け、この腕34の溝35でベイルユニット40の軸42aが支持されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ベイルユニット40のユニットフレーム42に腕を設け、この腕に設けた溝でブライドルユニット30の軸が支持されるように構成してもよい。また、ユニットフレーム32に腕34を設ける代わりに、ブライドルユニット30およびベイルユニット40とは独立した部材であって、両端に溝35に相当する部位を設けた腕34に相当する部材を用いてもよい。そして、この部材をブライドルユニット30の軸とベイルユニット40の軸42aとの間に介在させて、ブライドルユニット30の軸とベイルユニット40の軸42aとを支持するようにしてもよい。
【0026】
(2) 上述の説明では、リヤマスト15、およびリヤマスト15の先端に設けられるベイルユニット40について説明したが、本発明はこれに限定されず、リヤマスト15以外のブーム等、およびこのブーム等の先端に設けられるシーブユニットについても適用できる。
【0027】
(3) 上述の説明では、ブライドルユニット30とベイルユニット40とが一体化された状態でマストベース152の背面側に載置されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ブライドルユニット30とベイルユニット40との間にブーム起伏ロープ23が掛け回されたままであって、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを一体化せずに、それぞれをマストベース152の背面側に載置されるように構成してもよい。
(4) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0028】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に起伏可能に支持されるブームと、上部旋回体に取り付けられるマストと、マストの先端に着脱可能に設けられるシーブユニットと、シーブユニットとの間でブーム起伏用のロープが掛け回されるブライドルユニットと、ブライドルユニットとブームの先端とを接続するブームペンダントとを備えることを特徴とする各種構造の移動式クレーンを含むものである。
【符号の説明】
【0029】
1 クレーン 13 上部旋回体(旋回体)
15 ロングマスト(リヤマスト) 18 起伏ウインチ
23 ブーム起伏ロープ 30 ブライドルユニット
34 腕 35 溝
40 ベイルユニット 42a 軸
151 マストトップ 151a 溝
152 マストベース 153 マストエクステンション
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動式クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンでは、機体本体(上部旋回体)に取り付けられたブームを所定の姿勢で維持するため、一端がブームの先端に取り付けられたペンダントの他端を後方に牽引して、ブームの転倒防止のモーメントを与えている。大型の移動式クレーンのようにブームの長さが長くなる場合、ブームの転倒防止のためのモーメントを有効に与えるために全長の長いブームマスト(マスト)を用いる。そして、マストの先端に取り付けられたベイルとペンダントの他端に取り付けられたブライドルとの間に掛け回されたブーム起伏ロープをウインチで巻き上げまたは繰り出すことでブームを起伏する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−227076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大型の移動式クレーンでは、輸送の制約上、上部旋回体、ブーム、およびマストがそれぞれ分離されて輸送される。そして、作業現場に搬入された後、再び組み立てられる。上述した移動式クレーンでは、輸送に際しての長さの制限から、マストを複数の部分に分離する必要がある。そのため、ベイルとブライドルとの間に掛け回されたブーム起伏ロープを抜き取って、マスト基端近傍に設けられたブーム起伏用ウインチと、マストの先端に取り付けられたベイルとを別々に輸送していた。そして、クレーンの組み立ての際、ベイルとブライドルとの間にブーム起伏ロープを再び掛け回す作業を行っていた。そのため、クレーンの分解、組み立て作業に時間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による移動式クレーンは、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に起伏可能に支持されるブームと、上部旋回体に取り付けられるマストと、マストの先端に着脱可能に設けられるシーブユニットと、シーブユニットとの間でブーム起伏用のロープが掛け回されるブライドルユニットと、ブライドルユニットとブームの先端とを接続するブームペンダントとを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、マストは、先端部分近傍にシーブユニットを着脱可能に支持する溝状の支持部が設けられ、シーブユニットは、マストの先端部分に取り付けられる際に、支持部の溝に嵌挿される嵌挿部を有することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の移動式クレーンにおいて、ブーム起伏用のロープをシーブユニットとブライドルユニットとの間に掛け回したままシーブユニットとブライドルユニットとを一体化する一体化手段をさらに備えることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載の移動式クレーンにおいて、一体化手段は、シーブユニットおよびブライドルユニットのいずれか一方に設けられて、先端側に溝を有する腕と、腕の溝に嵌挿されて溝の底部と当接する、シーブユニットおよびブライドルユニットのいずれか他方に設けられた当接部とを有することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載の移動式クレーンにおいて、マストに設けられて、ブーム起伏用のロープを巻き取りおよび繰り出すブーム起伏用ウインチをさらに備え、マストは、一体化手段で一体化されたシーブユニットとブライドルユニットとを、輸送時に載置する載置部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、移動式クレーンの輸送に際して、シーブユニットとブライドルユニットとの間で掛け回されるブーム起伏用のロープを抜き取る必要がなくなるので、クレーンの分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】移動式クレーンの側面図である。
【図2】マストトップの先端に取り付けられたベイルユニットと、輸送のためにベイルユニットと一体化されたブライドルユニットとを示す図である。
【図3】ブライドルユニットの側面図である。
【図4】マストトップの先端近傍を示す側面図である。
【図5】ブライドルユニットとベイルユニットとが一体化された状態でマストベースの背面側に載置されて固定された状態を示す図である。
【図6】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図7】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図8】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図9】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図10】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【図11】クレーンの組み立て時にマストトップの先端にベイルユニットを取り付ける手順を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜11を参照して、本発明による移動式クレーンの一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の移動式クレーンの側面図である。この移動式のクレーン1は、下部走行体(走行体)11と、走行体11上に旋回可能に搭載される上部旋回体(旋回体)13と、旋回体13の先端部に回動可能に軸支されたブーム14およびロングマスト(リヤマスト)15と、旋回体13の後端部に取り付けられたカウンタウエイト16と、ライブマスト19とを有する。リヤマスト15は、先端側のマストトップ151と、基端側のマストベース152と、マストトップ151とマストベース152との間のマストエクステンション153とを備えている。
【0009】
ブーム14の先端には主フック21aおよび補フック21bが吊り下げられ、フックロープがブーム14の基端近傍に設けられたウインチユニット17a,17bへ巻装されている。また、ブーム14の先端後部にはブームペンダントロープ22の一端が繋着されており、該ブームペンダントロープ22の他端がブライドルユニット30に接続されている。ブライドルユニット30とリヤマスト15の先端に取り付けられたベイルユニット40との間にはブーム起伏ロープ23が掛け回されている。なお、ブライドルユニット30およびベイルユニット40については、後に詳述する。ブーム起伏ロープ23はリヤマスト15の先端近傍に設けられたガイドシーブ151cを経由してリヤマスト15の基端近傍に設けられた起伏ウインチ18へ巻装されている。ブーム起伏ロープ23は起伏ウインチ18の駆動により巻き取りまたは繰り出され、これによりブライドルユニット30とベイルユニット40との間の距離が変化するので、ブームペンダントロープ22を介してブーム14が起伏する。
【0010】
24は、リヤマスト15の支持ペンダントである。支持ペンダント24は、一端がリヤマスト15の先端に接続され、他端がライブマスト19に接続されている。ライブマスト19の先端部と旋回体13の後端部にはそれぞれシーブ25,26が設けられ、各シーブ25,26間に起伏ロープ27が掛け回されている。起伏ロープ27は起伏ドラム28の駆動により巻き取りまたは繰り出される。
【0011】
図2は、マストトップ151の先端に取り付けられたベイルユニット40と、後述するように、輸送のためにベイルユニット40と一体化されたブライドルユニット30とを示す図である。図2(a)は、マストトップ151の背面側(図1における図示左側)から見たときの図であり、図2(b)は、マストトップ151の側方から見たときの図である。図3は、ブライドルユニット30の側面図である。なお、図2(a),(b)では、ブーム起伏ロープ23の図示を省略している。
【0012】
ブライドルユニット30は、ブーム起伏ロープ23が掛け回される複数のシーブ31と、これら複数のシーブ31を軸32aで軸支するユニットフレーム32とを備えている。ユニットフレーム32には、ブームペンダントロープ22の他端が接続されるペンダント接続部33と、シーブ31に対してペンダント接続部33とは反対方向へ向かって延在する腕34と、後述するように輸送時にマストベース152の不図示の孔に嵌挿されるピン36とが設けられている。腕34の先端は、二股に分かれていてU字状の溝35が形成されている。
【0013】
ベイルユニット40は、ブーム起伏ロープ23が掛け回される複数のシーブ41と、これら複数のシーブ41を軸42aで軸支するユニットフレーム42とを備えたシーブユニットである。
【0014】
本実施の形態では、ベイルユニット40は、リヤマスト15の先端から着脱可能である。すなわち、図4に示すように、マストトップ151の先端部分は、二股に分かれていてU字状の溝151aが形成されている。後述するように、ベイルユニット40は、マストトップ151の先端に取り付けられると、軸42aがマストトップ151の先端部分の溝151aに嵌挿されて支持される。また、輸送時には、軸42aがマストトップ151の先端部分の溝151aから抜き出されて、ベイルユニット40がマストトップ151の先端から取り外される。
【0015】
クレーン1の輸送時には、ブライドルユニット30とベイルユニット40とは、一体化された状態で、図5(a),(b)に示すように、マストベース152の背面側に載置されて固定される。図5(a)は、マストベース152の背面側(図1における図示左側)から見たときの図であり、図5(b)は、マストベース152の側方から見たときの図である。なお、図5(a),(b)では、ブーム起伏ロープ23の図示を省略している。
【0016】
クレーン1の輸送時には、ブーム起伏ロープ23が起伏ウインチ18によって巻き取られることで、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを接近させる。これにより、ベイルユニット40の軸42aがブライドルユニット30の腕34の溝35に嵌挿され、溝35の底部に当接して支持される。このように、軸42aが腕34の溝35で支持され、かつ、ブーム起伏ロープ23が各シーブ31,41に掛け回されているので、ブライドルユニット30とベイルユニット40とは、一体化する。このように一体化されたブライドルユニット30とベイルユニット40とは、マストベース152の背面側に設けられたブライドルユニット30とベイルユニット40とを載置するための載置部152bに載置されると、図5(b)に示す保持部材152aで保持されるとともに、図3に示すブライドルユニット30のピン36がマストベースの152の不図示の孔に嵌挿されて、マストベース152に固定される。そして、ブライドルユニット30とベイルユニット40とは、マストベース152とともに一体的に輸送される。
【0017】
このようにして輸送されたブライドルユニット30とベイルユニット40とは、次のようにして組み立てられる。まず、図6に示すように、走行体11上に旋回体13を搭載する。そして、マストトップ151とマストベース152との間のマストエクステンション153を接続してブーム15を組み立て、旋回体13にブーム15を取り付ける。次いで、図7に示すように、マストベース152の背面側に載置されているブライドルユニット30とベイルユニット40とに玉掛けをし、別途用意しておいた補助クレーン2にて吊り上げる。なお、図7のベイルユニット40近傍の拡大図において、42bは、後述するように、ベイルユニット40のユニットフレーム42をマストトップ151に固定するためのピンを挿入するピン孔である。
【0018】
そして、図8に示すように、補助クレーン2によってブライドルユニット30とベイルユニット40とを、マストトップ151の先端まで移動させる。このとき、ブライドルユニット30とベイルユニット40との移動に合わせて、起伏ウインチ18を駆動してブーム起伏ロープ23を適宜繰り出す。そして、図9に示すように、ブーム起伏ロープ23をガイドシーブ151cに掛け、ロープ外れ止め151dとピン151eを取り付け、ロックピン151fで抜け止めをする。
【0019】
その後、図10に示すように、ベイルユニット40の軸42a(図10において不図示)をマストトップ151の先端部分の溝151aに嵌挿させて、ベイルユニット40をマストトップ151に取り付ける。そして、マストトップ151の先端部分に設けられたピン孔151gと、ベイルユニット40のユニットフレーム42のピン孔42bと、支持ペンダント24の先端のピン孔24aとの位置合わせをして、固定ピン45を挿入する。その後、補助クレーン2を巻き下げてブライドルユニット30を接地させて、玉掛けを外し、図11に示すように、固定ピン45にロックピン46を挿入する。以上で、マストトップ151へのベイルユニット40の取り付けが完了する。
【0020】
輸送のためにクレーン1を分解する際には、上述した手順と逆の手順によってベイルユニット40をマストトップ151から取り外し、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを一体化した状態で、図5(a),(b)に示すように、マストベース152の背面側に載置する。
【0021】
上述したクレーン1では、次の作用効果を奏する。
(1) ベイルユニット40をマストトップ151の先端から着脱可能に構成した。これにより、クレーン1の輸送時に、マストベース152に設けられた起伏ウインチ18とともに、ベイルユニット40を一緒に輸送できるようになるので、ブライドルユニット30との間で掛け回されたブーム起伏ロープ23を抜き取る必要がなく、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。また、クレーン1の分解、組み立て作業で複数のシーブ31,41にブーム起伏ロープ23を掛け回す作業がなくなるので、ブーム起伏ロープ23掛け回す順番を誤るという機会がなくなり、クレーン1の破損を防止できる。
【0022】
(2) マストトップ151の先端部分にU字状の溝151aを形成した。そして、ベイルユニット40がマストトップ151の先端に取り付けられると、軸42aがマストトップ151の先端部分の溝151aに嵌挿されて支持されるように構成した。これにより、マストトップ151の先端にベイルユニット40を容易に着脱できるので、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。また、簡単な構造となるので、破損等の不具合が発生する可能性を低く抑えられる。
【0023】
(3) ブーム起伏ロープ23を起伏ウインチ18で巻き取り、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを接近させると、ベイルユニット40の軸42aがブライドルユニット30の腕34の溝35に嵌挿され、溝35の底部に当接して支持されるように構成した。これにより、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを容易に一体化できる。そして、輸送の際に、ブライドルユニット30とベイルユニット40とをマストベース152に容易に固定できるので、ブライドルユニット30とベイルユニット40とをマストベース152に固定する作業や取り外す作業が容易となる。したがって、クレーン1の分解、組み立て作業に要する時間を短縮化できる。
【0024】
(4) ブーム起伏ロープ23が掛け回されていて一体化されたブライドルユニット30とベイルユニット40とを、マストベース152の背面側の載置部152bに載置すると、保持部材152aで保持されるとともに、図3に示すブライドルユニット30のピン36がマストベースの152の不図示の孔に嵌挿されて、マストベース152に固定されるように構成した。これにより、マストベース152、起伏ウインチ18、ライドルユニット30、およびベイルユニット40を一体的に容易に輸送できる。
【0025】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、ブライドルユニット30のユニットフレーム32に腕34を設け、この腕34の溝35でベイルユニット40の軸42aが支持されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ベイルユニット40のユニットフレーム42に腕を設け、この腕に設けた溝でブライドルユニット30の軸が支持されるように構成してもよい。また、ユニットフレーム32に腕34を設ける代わりに、ブライドルユニット30およびベイルユニット40とは独立した部材であって、両端に溝35に相当する部位を設けた腕34に相当する部材を用いてもよい。そして、この部材をブライドルユニット30の軸とベイルユニット40の軸42aとの間に介在させて、ブライドルユニット30の軸とベイルユニット40の軸42aとを支持するようにしてもよい。
【0026】
(2) 上述の説明では、リヤマスト15、およびリヤマスト15の先端に設けられるベイルユニット40について説明したが、本発明はこれに限定されず、リヤマスト15以外のブーム等、およびこのブーム等の先端に設けられるシーブユニットについても適用できる。
【0027】
(3) 上述の説明では、ブライドルユニット30とベイルユニット40とが一体化された状態でマストベース152の背面側に載置されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ブライドルユニット30とベイルユニット40との間にブーム起伏ロープ23が掛け回されたままであって、ブライドルユニット30とベイルユニット40とを一体化せずに、それぞれをマストベース152の背面側に載置されるように構成してもよい。
(4) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0028】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、上部旋回体に起伏可能に支持されるブームと、上部旋回体に取り付けられるマストと、マストの先端に着脱可能に設けられるシーブユニットと、シーブユニットとの間でブーム起伏用のロープが掛け回されるブライドルユニットと、ブライドルユニットとブームの先端とを接続するブームペンダントとを備えることを特徴とする各種構造の移動式クレーンを含むものである。
【符号の説明】
【0029】
1 クレーン 13 上部旋回体(旋回体)
15 ロングマスト(リヤマスト) 18 起伏ウインチ
23 ブーム起伏ロープ 30 ブライドルユニット
34 腕 35 溝
40 ベイルユニット 42a 軸
151 マストトップ 151a 溝
152 マストベース 153 マストエクステンション
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と、
前記走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、
前記上部旋回体に起伏可能に支持されるブームと、
前記上部旋回体に取り付けられるマストと、
前記マストの先端に着脱可能に設けられるシーブユニットと、
前記シーブユニットとの間でブーム起伏用のロープが掛け回されるブライドルユニットと、
前記ブライドルユニットと前記ブームの先端とを接続するブームペンダントとを備えることを特徴とする移動式クレーン。
【請求項2】
請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、
前記マストは、先端部分近傍に前記シーブユニットを着脱可能に支持する溝状の支持部が設けられ、
前記シーブユニットは、前記マストの先端部分に取り付けられる際に、前記支持部の溝に嵌挿される嵌挿部を有することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の移動式クレーンにおいて、
前記ブーム起伏用のロープを前記シーブユニットと前記ブライドルユニットとの間に掛け回したまま前記シーブユニットと前記ブライドルユニットとを一体化する一体化手段をさらに備えることを特徴とする移動式クレーン。
【請求項4】
請求項3に記載の移動式クレーンにおいて、
前記一体化手段は、前記シーブユニットおよび前記ブライドルユニットのいずれか一方に設けられて、先端側に溝を有する腕と、前記腕の前記溝に嵌挿されて前記溝の底部と当接する、前記シーブユニットおよび前記ブライドルユニットのいずれか他方に設けられた当接部とを有することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の移動式クレーンにおいて、
前記マストに設けられて、前記ブーム起伏用のロープを巻き取りおよび繰り出すブーム起伏用ウインチをさらに備え、
前記マストは、前記一体化手段で一体化された前記シーブユニットと前記ブライドルユニットとを、輸送時に載置する載置部を有することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項1】
走行体と、
前記走行体上に旋回可能に設けられる上部旋回体と、
前記上部旋回体に起伏可能に支持されるブームと、
前記上部旋回体に取り付けられるマストと、
前記マストの先端に着脱可能に設けられるシーブユニットと、
前記シーブユニットとの間でブーム起伏用のロープが掛け回されるブライドルユニットと、
前記ブライドルユニットと前記ブームの先端とを接続するブームペンダントとを備えることを特徴とする移動式クレーン。
【請求項2】
請求項1に記載の移動式クレーンにおいて、
前記マストは、先端部分近傍に前記シーブユニットを着脱可能に支持する溝状の支持部が設けられ、
前記シーブユニットは、前記マストの先端部分に取り付けられる際に、前記支持部の溝に嵌挿される嵌挿部を有することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の移動式クレーンにおいて、
前記ブーム起伏用のロープを前記シーブユニットと前記ブライドルユニットとの間に掛け回したまま前記シーブユニットと前記ブライドルユニットとを一体化する一体化手段をさらに備えることを特徴とする移動式クレーン。
【請求項4】
請求項3に記載の移動式クレーンにおいて、
前記一体化手段は、前記シーブユニットおよび前記ブライドルユニットのいずれか一方に設けられて、先端側に溝を有する腕と、前記腕の前記溝に嵌挿されて前記溝の底部と当接する、前記シーブユニットおよび前記ブライドルユニットのいずれか他方に設けられた当接部とを有することを特徴とする移動式クレーン。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の移動式クレーンにおいて、
前記マストに設けられて、前記ブーム起伏用のロープを巻き取りおよび繰り出すブーム起伏用ウインチをさらに備え、
前記マストは、前記一体化手段で一体化された前記シーブユニットと前記ブライドルユニットとを、輸送時に載置する載置部を有することを特徴とする移動式クレーン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−116605(P2012−116605A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267346(P2010−267346)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【Fターム(参考)】
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