説明

移動機及び方法

【課題】電力消費を抑制しながら、移動機のセル移行時の接続失敗を回避すること。
【解決手段】本発明の一態様は、第1帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する第1帯域幅測定部と、前記第1帯域幅より大きな第2帯域幅により前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態を測定する第2帯域幅測定部と、前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とを選択的に起動する制御部と、前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とにより測定された前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態に基づき、前記サービングセルから前記隣接セルへのセル移行を実行するセル移行部とを有する移動機であって、前記制御部は、第1切替頻度により前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とを切り替える移動機に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、より詳細にはセル移行時における測定帯域を制御する移動機及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラ方式の無線通信システムでは、移動機は、通信状態のより良好なセルに移行するため、移動機が在圏するサービングセルとサービングセルに隣接するセルとの通信品質を定期的に測定している。例えば、サービングセルとの接続を確立し、サービング基地局と通信している間に通信状態がより良好なセルが検出されると、移動機は、システムとの通信を維持したまま検出されたセルに移行する(ハンドオーバ)。また、サービング基地局と通信していないアイドル状態にある間も、移動機は、サービングセルと隣接セルとの通信状態を定期的に測定し、通信状態がより良好なセルが検出されると、検出されたセルに移行する(セル再選択)。
【0003】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)によるLTE(Long Term Evolution)規格では、移動機が在圏するサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する際、移動機は少なくとも1.06MHz以上の周波数範囲を測定することが規定されている。バッテリセービングの観点から広帯域の測定を回避するため、移動機の測定帯域幅は1.06MHz近傍に設定されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011−502368
【特許文献2】特表2010−539766
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LTEでは、5MHzや10MHzなどの異なる帯域幅を有するセルを利用することが許容されている。また、隣接セル間には、相互の干渉を防ぐために一定の帯域幅の周波数帯域(ガード区間)が設定される。この場合、例えば、10MHzのセルから5MHzのセルに移行する際、以下のような問題が生じる可能性がある。すなわち、図1に示されるように、移動機が10MHzのサービングセルに在圏し、2つの5MHzの隣接セルの通信品質を6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅で測定しているケースを考える。図示されたケースでは、サービングセルの測定帯域は、これら2つの隣接セルの間のガード区間に対応するものとなっている。この場合、隣接セルの測定結果に基づき推定される干渉は、干渉を回避するためのガード区間の影響を受け、実際の通信状態よりも良好な測定結果が検出される可能性がある。このため、この検出結果に依拠してセル移行を実行した場合、移行先セルにおいて実際の通信環境が不良であるなどの理由から、移行先セルへの接続に失敗してしまう可能性がある。
【0006】
この問題を回避するためには、より広帯域な測定帯域によって隣接セルの通信状態を測定すればよい。しかしながら、これは、バッテリセービングの観点からは望ましくない。
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明の課題は、電力消費を抑制しながら、移動機のセル移行時の接続失敗を回避するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、第1帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する第1帯域幅測定部と、前記第1帯域幅より大きな第2帯域幅により前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態を測定する第2帯域幅測定部と、前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とを選択的に起動する制御部と、前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とにより測定された前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態に基づき、前記サービングセルから前記隣接セルへのセル移行を実行するセル移行部とを有する移動機であって、前記制御部は、第1切替頻度により前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とを切り替える移動機に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、電力消費を抑制しながら、移動機のセル移行時の接続失敗を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、異なる帯域幅のセル間の測定帯域の関係を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。
【図8】図8は、本発明の第4実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の第4実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。
【図10】図10は、本発明の第5実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の第5実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。
【図12】図12は、本発明の第6実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、本発明の第6実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。
【図14】図14は、本発明の第7実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は、本発明の第7実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。
【図16】図16は、本発明の第8実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、本発明の第8実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。
【図18】図18は、本発明の第9実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図19】図19は、本発明の第9実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。
【図20】図20は、本発明の第10実施例による移動機の構成を示すブロック図である。
【図21】図21は、本発明の第10実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、添付した図面において、同一機能を有するものは同一又は対応する符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0012】
以下に説明される各実施例による移動機は、無線通信システムを構成する基地局と無線接続することによって、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。典型的には、無線通信システムでは、当該システムのサービスエリアをカバーするよう複数の基地局が配置される。各基地局は、ある地理的エリアをカバーし、当該エリアに在圏する移動機と無線通信することによって、移動機に各種通信サービスを提供する。なお、以下の実施例では、基地局が提供するセルとして、5MHzのLTE又は3Gセルと10MHzのLTEセルとが例示的に説明されるが、本発明はこれに限定されるものでない。本発明は、同一の又は異なる帯域幅を有するセルに適用可能である。
【0013】
各実施例による移動機は、典型的には、携帯電話端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどのユーザ装置(UE)である。移動機は、典型的には、補助記憶装置、メモリ装置、CPU、通信装置、表示装置、入力装置などの各種ハードウェアリソースの1以上から構成される。補助記憶装置は、ハードディスクやフラッシュメモリなどから構成され、後述される各種処理を実現するプログラムやデータを格納する。メモリ装置は、RAM(Random Access Memory)などから構成され、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置からプログラムを読み出して格納する。CPUは、情報を処理するプロセッサとして機能し、メモリ装置に格納されたプログラムに従って後述される各種機能を実現する。通信装置は、ネットワークを介しサーバなどの他の装置と通信するために、基地局と無線接続するための各種通信回路から構成される。表示装置及び入力装置は、移動機とユーザとの間のユーザインタフェースを提供する。
【0014】
図2及び3を参照して、本発明の第1実施例による移動機を説明する。本実施例では、アイドル状態で10MHzのLTEセルに在圏する移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域とシステム帯域幅の測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのセル再選択を実行する。
【0015】
図2は、本発明の第1実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、本実施例による移動機100は、セル再選択制御部110と、6リソースブロック(RB)測定部120と、システム帯域幅測定部130と、記憶部140と、セル再選択判定部150と、セル再選択実行部160とを有する。
【0016】
セル再選択制御部110は、アイドル状態中の移動機100によるセル再選択処理全体を制御する。具体的には、セル再選択制御部110は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部120に指示する。一般に、各移動機では、電力消費を低減させるためアイドル状態において間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)機能が適用可能である。従って、アイドル状態中の移動機100においてDRX機能が適用されている場合、セル再選択制御部110は、DRXサイクル長に応じて測定サイクルを設定するようにしてもよい。
【0017】
さらに、セル再選択制御部110は、定期的に1.08MHzより大きなシステム帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部においてシステム帯域幅測定部130を起動する。例えば、セル再選択制御部110は、X回の測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部130を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状態などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。
【0018】
6RB測定部120は、セル再選択制御部110から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部140に提供する。例えば、6RB測定部120は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQ(Reference Signal Received Quality)を決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0019】
システム帯域幅測定部130は、セル再選択制御部110から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部140に提供する。例えば、システム帯域幅測定部130は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0020】
記憶部140は、6RB測定部120及びシステム帯域幅測定部130から提供される通信状態の測定結果と共に、セル再選択処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部140は、移動機100の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0021】
セル再選択判定部150は、6RB測定部120及びシステム帯域幅測定部130により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断すると、セル再選択判定部150は、セル再選択実行部160にセル再選択を実行するよう指示する。ここで、セル再選択判定部150は、測定機会X回毎に測定されるシステム帯域幅や後述される5MHzの帯域幅などの広帯域の測定結果がセル再選択判定に考慮されるようにするため、1.08MHzの帯域幅の測定結果と共に、記憶部140に格納されている過去のシステム帯域幅や5MHzの帯域幅の測定結果を参照して、セル再選択判定を実行する。このセル再選択の適否判定については、いくつかの判定基準が考えられる。1つの判定基準として、サービングセルのRSRQが所定の閾値Threshserving,low(−130dBmなど)を下回り、隣接セルのRSRQがThreshserving,lowより大きな所定の閾値Threshx,low(−111dBmなど)を上回った状態が、Treselection以上の期間継続したら、隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断される。また、他の判定基準として、隣接セルのRSRQがサービングセルのRSRQを所定の閾値以上上回った状態が、Treselection以上の期間継続したら、隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断される。また、他の判定基準として、隣接セルのRSRQが閾値Threshx,high(−124dBmなど)を上回った状態が、Treselection以上の期間継続したら、隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断される。また、他の判定基準として、サービングセルのRSRQが閾値Threshserving,low(−130dBm)を下回り、隣接セルのRSRQが閾値Threshserving,lowより大きな閾値Threshx,low(−111dBm)を上回った状態が、Treselection以上の期間継続したら、隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでなく、何れか適切な広帯域による測定結果を利用したセル再選択適否基準が適用されてもよい。
【0022】
セル再選択実行部160は、セル再選択判定部150からサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、セル再選択を実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0023】
図3は、本発明の第1実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。図3に示されるように、ステップS101において、移動機100は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0024】
ステップS102において、移動機100がアイドル状態に移行すると、セル再選択制御部110は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、セル再選択制御部110は、各測定機会において6RB測定部120に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回はシステム帯域幅測定部130にシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。このため、測定機会X回毎に、セル再選択制御部110はシステム帯域幅測定部130を起動する。
【0025】
ステップS103において、セル再選択制御部110から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部130は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0026】
ステップS104において、セル再選択判定部150は、6RB測定部120及びシステム帯域幅測定部130により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、セル再選択を実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判定すると、セル再選択判定部150は、セル再選択実行部160にセル再選択を実行するよう指示する。このセル再選択指示信号を受信すると、セル再選択実行部160は、指定された隣接セルへのセル再選択を実行する。
【0027】
次に、図4及び5を参照して、本発明の第2実施例による移動機を説明する。本実施例では、10MHzのLTEセルにおいて基地局とのRRC(Radio Resource Control)接続が確立された通信中の移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域とシステム帯域幅の測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのハンドオーバを実行する。
【0028】
図4は、本発明の第2実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図4に示されるように、本実施例による移動機200は、ハンドオーバ制御部210と、6リソースブロック(RB)測定部220と、システム帯域幅測定部230と、記憶部240と、ハンドオーバ判定部250と、ハンドオーバ実行部260とを有する。
【0029】
ハンドオーバ制御部210は、基地局とのRRC接続が確立された通信中の移動機200によるハンドオーバ処理全体を制御する。具体的には、ハンドオーバ制御部210は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部220に指示する。一般に、各移動機は、通信中のサービングセル及び隣接セルの通信状態を所定の測定サイクルにより測定する。
【0030】
さらに、ハンドオーバ制御部210は、定期的に1.08MHzより大きなシステム帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部においてシステム帯域幅測定部230を起動する。例えば、ハンドオーバ制御部210は、X回の測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部230を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状態などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。
【0031】
6RB測定部220は、ハンドオーバ制御部210から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部240に提供する。例えば、6RB測定部220は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0032】
システム帯域幅測定部230は、ハンドオーバ制御部210から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部240に提供する。例えば、システム帯域幅測定部230は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0033】
記憶部240は、6RB測定部220及びシステム帯域幅測定部230から提供される通信品質の測定結果と共に、ハンドオーバ処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部240は、移動機200の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0034】
ハンドオーバ判定部250は、6RB測定部220及びシステム帯域幅測定部230により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断すると、ハンドオーバ判定部250は、ハンドオーバ実行部260にハンドオーバを実行するよう指示する。ここで、ハンドオーバ判定部250は、測定機会X回毎に測定されるシステム帯域幅や後述される5MHzの帯域幅などの広帯域の測定結果がハンドオーバ判定に考慮されるようにするため、1.08MHzの帯域幅の測定結果と共に、記憶部240に格納されている過去のシステム帯域幅や5MHzの帯域幅の測定結果を参照して、ハンドオーバ判定を実行する。このハンドオーバの適否判定については、いくつかの判定基準が考えられる。1つの判定基準として、ハンドオーバ候補となる隣接セルのRSRQがサービングセルのRSRQより所定のオフセット値RSRQRelativeOffset(−5dBmなど)以上大きい状態がThandover以上の期間継続した場合、隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断される。また、他の判定基準として、隣接セルのRSRQが所定の閾値RSRQAbsoluteThreshold(−17dBmなど)以上である状態がThandover以上の期間継続した場合、隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものでなく、何れか適切な広帯域による測定結果を利用したハンドオーバ適否基準が適用されてもよい。
【0035】
ハンドオーバ実行部260は、ハンドオーバ判定部250からサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、ハンドオーバを実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0036】
図5は、本発明の第2実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。図5に示されるように、ステップS201において、移動機200は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルと設定する。
【0037】
ステップS202において、移動機200が基地局とRRC接続を確立して通信状態に移行すると、ハンドオーバ制御部210は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルとハンドオーバ候補セルである隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、ハンドオーバ制御部210は、各測定機会において6RB測定部220に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回はシステム帯域幅測定部230にシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。このため、測定機会X回毎に、ハンドオーバ制御部210はシステム帯域幅測定部230を起動する。
【0038】
ステップS203において、ハンドオーバ制御部210から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部230は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0039】
ステップS204において、ハンドオーバ判定部250は、6RB測定部220及びシステム帯域幅測定部230により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、ハンドオーバを実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判定すると、ハンドオーバ判定部250は、ハンドオーバ実行部260にハンドオーバを実行するよう指示する。このハンドオーバ指示信号を受信すると、ハンドオーバ実行部260は、指定された隣接セルへのハンドオーバを実行する。
【0040】
次に、図6及び7を参照して、本発明の第3実施例による移動機を説明する。本実施例では、アイドル状態で10MHzのLTEセルに在圏する移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域な測定帯域幅としてシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのセル再選択を実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、移動機のバッテリ残量に応じて決定される。
【0041】
図6は、本発明の第3実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図6に示されるように、本実施例による移動機300は、セル再選択制御部310と、バッテリ残量判定部315と、6リソースブロック(RB)測定部320と、5MHz幅測定部325と、システム帯域幅測定部330と、記憶部340と、セル再選択判定部350と、セル再選択実行部360とを有する。
【0042】
セル再選択制御部310は、アイドル状態中の移動機300によるセル再選択処理全体を制御する。具体的には、セル再選択制御部310は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部320に指示する。一般に、各移動機では、電力消費を低減させるためアイドル状態において間欠受信(DRX)機能が適用可能である。従って、アイドル状態中の移動機300においてDRX機能が適用されている場合、セル再選択制御部310は、DRXサイクル長に応じて測定サイクルを設定するようにしてもよい。
【0043】
さらに、セル再選択制御部310は、定期的に1.08MHzより大きなシステム帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部325又はシステム帯域幅測定部330を起動する。例えば、セル再選択制御部310は、X回の測定機会のうち1回において5MHz帯域幅測定部325又はシステム帯域幅測定部330を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部325とシステム帯域幅測定部330との何れを起動するかは、移動機300のバッテリ残量に基づき決定される。一般に、セル再選択判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機300のバッテリ残量が少ないときは、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、セル再選択の要否を判定する。
【0044】
バッテリ残量判定部315は、セル再選択制御部310からバッテリの残量を判定するよう要求されると、移動機300のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定する。Yの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。検出されたバッテリの残量がY%より大きい場合、バッテリ残量判定部315は、検出されたバッテリの残量がY%より大きいことをセル再選択制御部310に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部310は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリの残量があると判断し、システム帯域幅測定部330を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、検出されたバッテリの残量がY%以下である場合、バッテリ残量判定部315は、検出されたバッテリの残量がY%以下であることをセル再選択制御部310に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部310は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリ残量がないと判断し、5MHz幅測定部325を起動し、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。
【0045】
6RB測定部320は、セル再選択制御部310から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部340に提供する。例えば、6RB測定部320は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0046】
5MHz幅測定部325は、セル再選択制御部310から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部340に提供する。例えば、5MHz幅測定部325は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0047】
システム帯域幅測定部330は、セル再選択制御部310から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部340に提供する。例えば、システム帯域幅測定部330は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0048】
記憶部340は、6RB測定部320、5MHz幅測定部325及びシステム帯域幅測定部330から提供される通信状態の測定結果と共に、セル再選択処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部340は、移動機300の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0049】
セル再選択判定部350は、6RB測定部320、5MHz幅測定部325及びシステム帯域幅測定部330により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したセル再選択の適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断すると、セル再選択判定部350は、セル再選択実行部360にセル再選択を実行するよう指示する。
【0050】
セル再選択実行部360は、セル再選択判定部350からサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、セル再選択を実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0051】
図7は、本発明の第3実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。図7に示されるように、ステップS301において、移動機300は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0052】
ステップS302において、移動機100がアイドル状態に移行すると、セル再選択制御部310は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、セル再選択制御部310は、各測定機会において6RB測定部320に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部325又はシステム帯域幅測定部330に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部325とシステム帯域幅測定部330との何れを起動するかは、移動機300のバッテリ残量に基づき決定される。このため、測定機会X回毎に、セル再選択制御部310はバッテリ残量判定部315にバッテリ残量が十分であるか問い合わせ、検出されたバッテリ残量に応じて5MHz幅測定部325又はシステム帯域幅測定部330を起動する。
【0053】
ステップS303において、セル再選択制御部310から判定指示信号を受信すると、バッテリ残量判定部315は、移動機300のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定し、セル再選択制御部310に判定結果を通知する。検出した残量がY%以下である場合(S303:YES)、セル再選択制御部310は、移動機300のバッテリ残量は十分でないと判断し、5MHz幅測定部325を起動する。他方、検出した残量がY%より大きい場合(S303:NO)、セル再選択制御部310は、移動機300のバッテリ残量は十分であると判断し、システム帯域幅測定部330を起動する。
【0054】
ステップS304において、セル再選択制御部310から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部325は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0055】
ステップS305において、セル再選択制御部310から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部330は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0056】
ステップS306において、セル再選択判定部350は、6RB測定部320、5MHz幅測定部325及びシステム帯域幅測定部330により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、セル再選択を実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判定すると、セル再選択判定部350は、セル再選択実行部360にセル再選択を実行するよう指示する。このセル再選択指示信号を受信すると、セル再選択実行部360は、指定された隣接セルへのセル再選択を実行する。
【0057】
次に、図8及び9を参照して、本発明の第4実施例による移動機を説明する。本実施例では、10MHzのLTEセルにおいて基地局とのRRC接続が確立された通信中の移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのハンドオーバを実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、移動機のバッテリ残量に応じて決定される。
【0058】
図8は、本発明の第4実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図8に示されるように、本実施例による移動機400は、ハンドオーバ制御部410と、バッテリ残量判定部415と、6リソースブロック(RB)測定部420と、5MHz幅測定部425と、システム帯域幅測定部430と、記憶部440と、ハンドオーバ判定部450と、ハンドオーバ実行部460とを有する。
【0059】
ハンドオーバ制御部410は、基地局とのRRC接続が確立された通信中の移動機400によるハンドオーバ処理全体を制御する。具体的には、ハンドオーバ制御部410は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部420に指示する。一般に、各移動機は、通信中のサービングセル及び隣接セルの通信状態を所定の測定サイクルにより測定する。
【0060】
さらに、ハンドオーバ制御部410は、定期的に1.08MHzより大きなシステム帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部425又はシステム帯域幅測定部430を起動する。例えば、ハンドオーバ制御部410は、X回の測定機会のうち1回において5MHz幅測定部425又はシステム帯域幅測定部430を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部425とシステム帯域幅測定部430との何れを起動するかは、移動機400のバッテリ残量に基づき決定される。一般に、ハンドオーバ判定には、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機400のバッテリ残量が少ないときは、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、ハンドオーバの要否を判定する。
【0061】
バッテリ残量判定部415は、ハンドオーバ制御部410からバッテリの残量を判定するよう要求されると、移動機400のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定する。Yの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。検出されたバッテリの残量がY%より大きい場合、バッテリ残量判定部415は、検出されたバッテリの残量がY%より大きいことをハンドオーバ制御部410に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部410は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリの残量があると判断し、システム帯域幅測定部430を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、検出されたバッテリの残量がY%以下である場合、バッテリ残量判定部315は、検出されたバッテリの残量がY%以下であることをハンドオーバ制御部410に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部410は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリ残量がないと判断し、5MHz幅測定部425を起動し、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。
【0062】
6RB測定部420は、ハンドオーバ制御部410から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部440に提供する。例えば、6RB測定部420は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0063】
5MHz幅測定部425は、ハンドオーバ制御部410から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部440に提供する。例えば、5MHz幅測定部425は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0064】
システム帯域幅測定部430は、ハンドオーバ制御部410から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部440に提供する。例えば、システム帯域幅測定部430は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0065】
記憶部440は、6RB測定部420、5MHz幅測定部425及びシステム帯域幅測定部430から提供される通信状態の測定結果と共に、ハンドオーバ処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部440は、移動機400の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0066】
ハンドオーバ判定部450は、6RB測定部420、5MHz幅測定部425及びシステム帯域幅測定部430により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したハンドオーバの適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断すると、ハンドオーバ判定部450は、ハンドオーバ実行部460にハンドオーバを実行するよう指示する。
【0067】
ハンドオーバ実行部460は、ハンドオーバ判定部450からサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、ハンドオーバを実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0068】
図9は、本発明の第4実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。図9に示されるように、ステップS401において、移動機400は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0069】
ステップS402において、移動機400が基地局とRRC接続を確立して通信状態に移行すると、ハンドオーバ制御部410は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルとハンドオーバ候補セルである隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、ハンドオーバ制御部410は、各測定機会において6RB測定部420に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部425又はシステム帯域幅測定部430に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部425とシステム帯域幅測定部430との何れを起動するかは、移動機400のバッテリ残量に基づき決定される。このため、測定機会X回毎に、ハンドオーバ制御部410はバッテリ残量判定部415にバッテリ残量が十分であるか問い合わせ、検出されたバッテリ残量に応じて5MHz幅測定部425又はシステム帯域幅測定部430を起動する。
【0070】
ステップS403において、ハンドオーバ制御部410から判定指示信号を受信すると、バッテリ残量判定部415は、移動機400のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定し、ハンドオーバ制御部410に判定結果を通知する。検出した残量がY%以下である場合(S403:YES)、ハンドオーバ制御部410は、移動機400のバッテリ残量は十分でないと判断し、5MHz幅測定部425を起動する。他方、検出した残量がY%より大きい場合(S403:NO)、ハンドオーバ制御部410は、移動機400のバッテリ残量は十分であると判断し、システム帯域幅測定部430を起動する。
【0071】
ステップS404において、ハンドオーバ制御部410から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部425は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0072】
ステップS405において、ハンドオーバ制御部410から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部430は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0073】
ステップS406において、ハンドオーバ判定部450は、6RB測定部420、5MHz幅測定部425及びシステム帯域幅測定部430により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、ハンドオーバを実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判定すると、ハンドオーバ判定部450は、ハンドオーバ実行部460にハンドオーバを実行するよう指示する。このハンドオーバ指示信号を受信すると、ハンドオーバ実行部460は、指定された隣接セルへのハンドオーバを実行する。
【0074】
次に、図10及び11を参照して、本発明の第5実施例による移動機を説明する。本実施例では、アイドル状態で10MHzのLTEセルに在圏する移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのセル再選択を実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、移動機がバッテリセービングモードに設定されているか否かに応じて決定される。
【0075】
図10は、本発明の第5実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図10に示されるように、本実施例による移動機500は、セル再選択制御部510と、バッテリセービングモード判定部515と、6リソースブロック(RB)測定部520と、5MHz幅測定部525と、システム帯域幅測定部530と、記憶部540と、セル再選択判定部550と、セル再選択実行部560とを有する。
【0076】
セル再選択制御部510は、アイドル状態中の移動機500によるセル再選択処理全体を制御する。具体的には、セル再選択制御部510は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部520に指示する。一般に、各移動機では、電力消費を低減させるためアイドル状態において間欠受信(DRX)機能が適用可能である。従って、アイドル状態中の移動機500においてDRX機能が適用されている場合、セル再選択制御部510は、DRXサイクル長に応じて測定サイクルを設定するようにしてもよい。
【0077】
さらに、セル再選択制御部510は、定期的に1.08MHzより大きなシステム帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部525又はシステム帯域幅測定部530を起動する。例えば、セル再選択制御部510は、X回の測定機会のうち1回において5MHz帯域幅測定部525又はシステム帯域幅測定部530を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部525とシステム帯域幅測定部530との何れを起動するかは、移動機500がバッテリセービングモードに設定されているか否かに応じて決定される。一般に、セル再選択判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機500がバッテリセービングモードに設定されている場合は、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、セル再選択の要否を判定する。
【0078】
バッテリセービングモード判定部515は、セル再選択制御部510から移動機500にバッテリセービングモードが設定されているか判定するよう要求されると、移動機500に設定されている電力モードがバッテリセービングモードであるか否かを判定する。移動機500の電力モードは、ユーザにより設定されてもよいし、通信状況に応じて動的に移動機500により設定されてもよい。バッテリセービングモードが設定されている場合、バッテリセービングモード判定部515は、移動機500がバッテリセービングモードに設定されていることをセル再選択制御部510に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部510は、通信状態の測定に要する電力を低減するため、5MHz幅測定部525を起動し、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、バッテリセービングモードが設定されていない場合、バッテリセービングモード判定部515は、移動機500がバッテリセービングモードに設定されていないことをセル再選択制御部510に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部510は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部530を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。
【0079】
6RB測定部520は、セル再選択制御部510から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部540に提供する。例えば、6RB測定部520は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0080】
5MHz幅測定部525は、セル再選択制御部510から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部540に提供する。例えば、5MHz幅測定部525は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0081】
システム帯域幅測定部530は、セル再選択制御部510から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部540に提供する。例えば、システム帯域幅測定部530は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0082】
記憶部540は、6RB測定部520、5MHz幅測定部525及びシステム帯域幅測定部530から提供される通信品質の測定結果と共に、セル再選択処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部540は、移動機500の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0083】
セル再選択判定部550は、6RB測定部520、5MHz幅測定部525及びシステム帯域幅測定部530により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したセル再選択の適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断すると、セル再選択判定部550は、セル再選択実行部560にセル再選択を実行するよう指示する。
【0084】
セル再選択実行部560は、セル再選択判定部550からサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、セル再選択を実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0085】
図11は、本発明の第5実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。図11に示されるように、ステップS501において、移動機500は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0086】
ステップS502において、移動機100がアイドル状態に移行すると、セル再選択制御部510は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、セル再選択制御部510は、各測定機会において6RB測定部520に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部525又はシステム帯域幅測定部530に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部525とシステム帯域幅測定部530との何れを起動するかは、移動機500に設定されている電力モードに応じて決定される。このため、測定機会X回毎に、セル再選択制御部510はバッテリセービングモード判定部515に移動機500がバッテリセービングモードに設定されているか問い合わせ、電力モードがバッテリセービングモードに設定されているか否かに応じて5MHz幅測定部525又はシステム帯域幅測定部530を起動する。
【0087】
ステップS503において、セル再選択制御部510から判定指示信号を受信すると、バッテリセービングモード判定部515は、移動機500がバッテリセービングモードに設定されているか判定し、セル再選択制御部510に判定結果を通知する。移動機500がバッテリセービングモードに設定されている場合(S503:YES)、セル再選択制御部510は、通信状態の測定に要する電力を低減するため、5MHz幅測定部525を起動する。他方、移動機500がバッテリセービングモードに設定されていない場合(S503:NO)、セル再選択制御部510は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部530を起動する。
【0088】
ステップS504において、セル再選択制御部510から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部525は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0089】
ステップS505において、セル再選択制御部510から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部530は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0090】
ステップS506において、セル再選択判定部550は、6RB測定部520、5MHz幅測定部525及びシステム帯域幅測定部530により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、セル再選択を実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判定すると、セル再選択判定部550は、セル再選択実行部560にセル再選択を実行するよう指示する。このセル再選択指示信号を受信すると、セル再選択実行部560は、指定された隣接セルへのセル再選択を実行する。
【0091】
次に、図12及び13を参照して、本発明の第6実施例による移動機を説明する。本実施例では、10MHzのLTEセルにおいて基地局とのRRC接続が確立された通信状態中の移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのハンドオーバを実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、移動機がバッテリセービングモードに設定されているか否かに応じて決定される。
【0092】
図12は、本発明の第6実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図12に示されるように、本実施例による移動機600は、ハンドオーバ制御部610と、バッテリセービングモード判定部615と、6リソースブロック(RB)測定部620と、5MHz幅測定部625と、システム帯域幅測定部630と、記憶部640と、セル再選択判定部650と、セル再選択実行部660とを有する。
【0093】
セル再選択制御部610は、基地局とのRRC接続が確立された通信中の移動機600によるハンドオーバ処理全体を制御する。具体的には、ハンドオーバ制御部610は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部620に指示する。一般に、各移動機は、通信中のサービングセル及び隣接セルの通信状態を所定の測定サイクルにより測定する。
【0094】
さらに、ハンドオーバ制御部610は、定期的に1.08MHzより大きなシステム帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部625又はシステム帯域幅測定部630を起動する。例えば、ハンドオーバ制御部610は、X回の測定機会のうち1回において5MHz幅測定部625又はシステム帯域幅測定部630を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部625とシステム帯域幅測定部630との何れを起動するかは、移動機600がバッテリセービングモードに設定されているか否かに応じて決定される。一般に、ハンドオーバ判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機600がバッテリセービングモードに設定されている場合は、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、ハンドオーバの要否を判定する。
【0095】
バッテリセービングモード判定部615は、ハンドオーバ制御部610から移動機600にバッテリセービングモードが設定されているか判定するよう要求されると、移動機600に設定されている電力モードがバッテリセービングモードであるか否かを判定する。移動機600の電力モードは、ユーザにより設定されてもよいし、通信状況に応じて動的に移動機により設定されてもよい。バッテリセービングモードが設定されている場合、バッテリセービングモード判定部615は、移動機600がバッテリセービングモードに設定されていることをハンドオーバ制御部610に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部610は、通信状態の測定に要する電力を低減するため、5MHz幅測定部625を起動し、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、バッテリセービングモードが設定されていない場合、バッテリセービングモード判定部615は、移動機600がバッテリセービングモードに設定されていないことをハンドオーバ制御部610に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部610は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部630を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。
【0096】
6RB測定部620は、ハンドオーバ制御部610から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部640に提供する。例えば、6RB測定部620は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0097】
5MHz幅測定部625は、ハンドオーバ制御部610から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部640に提供する。例えば、5MHz幅測定部625は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0098】
システム帯域幅測定部630は、ハンドオーバ制御部610から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部640に提供する。例えば、システム帯域幅測定部630は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0099】
記憶部640は、6RB測定部620、5MHz幅測定部625及びシステム帯域幅測定部630から提供される通信品質の測定結果と共に、ハンドオーバ処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部640は、移動機600の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0100】
ハンドオーバ判定部650は、6RB測定部620、5MHz幅測定部625及びシステム帯域幅測定部630により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したハンドオーバの適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断すると、ハンドオーバ判定部650は、ハンドオーバ実行部660にハンドオーバを実行するよう指示する。
【0101】
ハンドオーバ実行部660は、ハンドオーバ判定部650からサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、ハンドオーバを実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0102】
図13は、本発明の第6実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。図13に示されるように、ステップS601において、移動機600は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0103】
ステップS602において、移動機600が基地局とRRC接続を確立して通信状態に移行すると、ハンドオーバ制御部610は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルとハンドオーバ候補セルである隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、ハンドオーバ制御部610は、各測定機会において6RB測定部620に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部625又はシステム帯域幅測定部630に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部625とシステム帯域幅測定部630との何れを起動するかは、移動機600に設定されている電力モードに応じて決定される。このため、測定機会X回毎に、ハンドオーバ制御部610はバッテリセービングモード判定部615に移動機600がバッテリセービングモードに設定されているか問い合わせ、電力モードがバッテリセービングモードに設定されているか否かに応じて5MHz幅測定部625又はシステム帯域幅測定部630を起動する。
【0104】
ステップS603において、ハンドオーバ制御部610から判定指示信号を受信すると、バッテリセービングモード判定部615は、移動機600がバッテリセービングモードに設定されているか判定し、ハンドオーバ制御部610に判定結果を通知する。移動機600がバッテリセービングモードに設定されている場合(S603:YES)、ハンドオーバ制御部610は、通信状態の測定に要する電力を低減するため、5MHz幅測定部625を起動する。他方、移動機600がバッテリセービングモードに設定されていない場合(S603:NO)、ハンドオーバ制御部610は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部630を起動する。
【0105】
ステップS604において、ハンドオーバ制御部610から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部625は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0106】
ステップS605において、ハンドオーバ制御部610から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部630は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0107】
ステップS606において、ハンドオーバ判定部650は、6RB測定部620、5MHz幅測定部625及びシステム帯域幅測定部630により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、ハンドオーバを実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判定すると、ハンドオーバ判定部650は、ハンドオーバ実行部660にハンドオーバを実行するよう指示する。このハンドオーバ指示信号を受信すると、ハンドオーバ実行部660は、指定された隣接セルへのハンドオーバを実行する。
【0108】
次に、図14及び15を参照して、本発明の第7実施例による移動機を説明する。本実施例では、アイドル状態で10MHzのLTEセルに在圏する移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのセル再選択を実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、移動機のバッテリ残量と共に、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かに応じて決定される。このシステム帯域幅強制測定モードが設定されている場合、バッテリ残量に関わらずシステム帯域幅による定期的な測定が強制的に実行される。
【0109】
図14は、本発明の第7実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図14に示されるように、本実施例による移動機700は、セル再選択制御部710と、バッテリ残量判定部715と、6リソースブロック(RB)測定部720と、5MHz幅測定部725と、システム帯域幅測定部730と、モード選択部735と、記憶部740と、セル再選択判定部750と、セル再選択実行部760とを有する。
【0110】
セル再選択制御部710は、アイドル状態中の移動機700によるセル再選択処理全体を制御する。具体的には、セル再選択制御部710は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部720に指示する。一般に、各移動機では、電力消費を低減させるためアイドル状態において間欠受信(DRX)機能が適用可能である。従って、アイドル状態中の移動機700においてDRX機能が適用されている場合、セル再選択制御部710は、DRXサイクル長に応じて測定サイクルを設定するようにしてもよい。
【0111】
さらに、セル再選択制御部710は、定期的に1.08MHzより大きな帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部725又はシステム帯域幅測定部730を起動する。例えば、セル再選択制御部710は、X回の測定機会のうち1回において5MHz帯域幅測定部725又はシステム帯域幅測定部730を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部725とシステム帯域幅測定部730との何れを起動するかは、移動機700のバッテリ残量と、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに基づき決定される。一般に、セル再選択判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機700のバッテリ残量が少ないときは、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、セル再選択の要否を判定する。しかしながら、移動機700のバッテリ残量が少ない場合でも、干渉推定精度を向上させるため、5MHzの帯域幅による測定機会の一部においてシステム帯域幅を強制的に測定させるよう移動機700を設定するようにしてもよい(システム帯域幅強制測定モード)。例えば、セル再選択制御部710は、5MHz帯域幅測定部725によるX'回の測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部730を起動するようにしてもよい。この場合、設定された測定サイクルにより規定される測定機会XX'回毎に、強制的にシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態が測定されることになる。ここで、この切替頻度を指定するX'の値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。例えば、X'=2に設定された場合、X回のうちの1回の広帯域による測定機会において、5MHz幅測定部725とシステム帯域幅測定部730とが交互に起動されることになる。これにより、バッテリ残量が十分でない場合に、通信状態の測定に要する電力消費を抑えながら、干渉推定精度を向上させることが可能となる。
【0112】
バッテリ残量判定部715は、セル再選択制御部710からバッテリの残量を判定するよう要求されると、移動機700のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定する。Yの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。検出されたバッテリの残量がY%より大きい場合、バッテリ残量判定部715は、検出されたバッテリの残量がY%より大きいことをセル再選択制御部710に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部710は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリの残量があると判断し、システム帯域幅測定部730を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、検出されたバッテリの残量がY%以下である場合、バッテリ残量判定部715は、検出されたバッテリの残量がY%以下であることをセル再選択制御部710に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部710は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリ残量がないと判断すると共に、移動機700に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているかモード選択部735に問い合わせる。
【0113】
モード選択部735は、セル再選択制御部710から測定モード判定信号を受信すると、移動機700に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をセル再選択制御部710に通知する。モード選択部735からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていると通知されると、セル再選択制御部710は、X'回の広帯域による測定機会のうち(X'−1)回では5MHz幅測定部725を起動し、X'回の広帯域による測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部730を起動する。他方、モード選択部735からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていないと通知されると、セル再選択制御部710は、広帯域による測定機会のすべてで5MHz幅測定部725を起動する。
【0114】
6RB測定部720は、セル再選択制御部710から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部740に提供する。例えば、6RB測定部720は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0115】
5MHz幅測定部725は、セル再選択制御部710から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部740に提供する。例えば、5MHz幅測定部725は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0116】
システム帯域幅測定部730は、セル再選択制御部710から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部740に提供する。例えば、システム帯域幅測定部730は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0117】
記憶部740は、6RB測定部720、5MHz幅測定部725及びシステム帯域幅測定部730から提供される通信品質の測定結果と共に、セル再選択処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部740は、移動機700の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0118】
セル再選択判定部750は、6RB測定部720、5MHz幅測定部725及びシステム帯域幅測定部730により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したセル再選択の適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断すると、セル再選択判定部750は、セル再選択実行部760にセル再選択を実行するよう指示する。
【0119】
セル再選択実行部760は、セル再選択判定部750からサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、セル再選択を実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0120】
図14は、本発明の第7実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。図14に示されるように、ステップS701において、移動機700は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0121】
ステップS702において、移動機700がアイドル状態に移行すると、セル再選択制御部710は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、セル再選択制御部710は、各測定機会において6RB測定部720に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部725又はシステム帯域幅測定部730に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部725とシステム帯域幅測定部730との何れを起動するかは、移動機700のバッテリ残量と、移動機700に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに応じて決定される。このため、測定機会X回毎に、セル再選択制御部710はバッテリ残量判定部715にバッテリ残量が十分であるか問い合わせる。
【0122】
ステップS703において、セル再選択制御部710から判定指示信号を受信すると、バッテリ残量判定部715は、移動機700のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定し、セル再選択制御部710に判定結果を通知する。検出した残量がY%以下である場合(S703:YES)、セル再選択制御部710はさらに、モード選択部735にシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか問い合わせる。他方、検出した残量がY%より大きい場合(S703:NO)、セル再選択制御部710は、移動機700のバッテリ残量は十分であると判断し、システム帯域幅測定部730を起動する。
【0123】
ステップS704において、モード選択部735は、セル再選択制御部710から測定モード判定信号を受信すると、移動機700に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をセル再選択制御部710に通知する。システム帯域幅強制測定モードが設定されていない場合(S704:Mode 1)、セル再選択制御部710は、すべての広帯域測定機会において5MHz幅測定部725を起動する。他方、システム帯域幅強制測定モードが設定されている場合(S704:Mode 2)、セル再選択制御部710は、広帯域測定機会X'回毎にシステム帯域幅測定部730を起動する。
【0124】
ステップS705において、セル再選択制御部710から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部730は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0125】
ステップS706において、セル再選択制御部710から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部725は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0126】
ステップS707において、セル再選択制御部710から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部730は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0127】
ステップS708において、セル再選択判定部750は、6RB測定部720、5MHz幅測定部725及びシステム帯域幅測定部730により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、セル再選択を実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判定すると、セル再選択判定部750は、セル再選択実行部760にセル再選択を実行するよう指示する。このセル再選択指示信号を受信すると、セル再選択実行部760は、指定された隣接セルへのセル再選択を実行する。
【0128】
次に、図16及び17を参照して、本発明の第8実施例による移動機を説明する。本実施例では、10MHzのLTEセルにおいて基地局とのRRC接続が確立された通信状態中の移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのハンドオーバを実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、移動機のバッテリ残量と共に、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かに応じて決定される。このシステム帯域幅強制測定モードが設定されている場合、バッテリ残量に関わらずシステム帯域幅による定期的な測定が強制的に実行される。
【0129】
図16は、本発明の第8実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図16に示されるように、本実施例による移動機800は、ハンドオーバ制御部810と、バッテリ残量判定部815と、6リソースブロック(RB)測定部820と、5MHz幅測定部825と、システム帯域幅測定部830と、モード選択部835と、記憶部840と、ハンドオーバ判定部850と、ハンドオーバ実行部860とを有する。
【0130】
ハンドオーバ制御部810は、基地局とのRRC接続が確立された通信中の移動機800によるハンドオーバ処理全体を制御する。具体的には、ハンドオーバ制御部810は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部820に指示する。一般に、各移動機は、通信中のサービングセル及び隣接セルの通信状態を所定の測定サイクルにより測定する。
【0131】
さらに、ハンドオーバ制御部810は、定期的に1.08MHzより大きな帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部825又はシステム帯域幅測定部830を起動する。例えば、ハンドオーバ制御部810は、X回の測定機会のうち1回において5MHz帯域幅測定部825又はシステム帯域幅測定部830を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部825とシステム帯域幅測定部830との何れを起動するかは、移動機800のバッテリ残量と、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに基づき決定される。一般に、ハンドオーバ判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機800のバッテリ残量が少ないときは、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、ハンドオーバの要否を判定する。しかしながら、移動機800のバッテリ残量が少ない場合でも、干渉推定精度を向上させるため、5MHzの帯域幅による測定機会の一部においてシステム帯域幅を強制的に測定させるよう移動機800を設定するようにしてもよい(システム帯域幅強制測定モード)。例えば、ハンドオーバ制御部810は、5MHz帯域幅測定部825によるX'回の測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部830を起動するようにしてもよい。この場合、設定された測定サイクルにより規定される測定機会XX'回毎に、強制的にシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態が測定されることになる。ここで、この切替頻度を指定するX'の値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。例えば、X'=2に設定された場合、X回のうちの1回の広帯域による測定機会において、5MHz幅測定部825とシステム帯域幅測定部830とが交互に起動されることになる。これにより、バッテリ残量が十分でない場合に、通信状態の測定に要する電力消費を抑えながら、干渉推定精度を向上させることが可能となる。
【0132】
バッテリ残量判定部815は、ハンドオーバ制御部810からバッテリの残量を判定するよう要求されると、移動機800のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定する。Yの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。検出されたバッテリの残量がY%より大きい場合、バッテリ残量判定部815は、検出されたバッテリの残量がY%より大きいことをハンドオーバ制御部810に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部810は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリの残量があると判断し、システム帯域幅測定部830を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、検出されたバッテリの残量がY%以下である場合、バッテリ残量判定部815は、検出されたバッテリの残量がY%以下であることをハンドオーバ制御部810に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部810は、システム帯域幅を測定するのに十分なバッテリ残量がないと判断すると共に、移動機800に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているかモード選択部835に問い合わせる。
【0133】
モード選択部835は、ハンドオーバ制御部810から測定モード判定信号を受信すると、移動機800に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をハンドオーバ制御部810に通知する。モード選択部835からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていると通知されると、ハンドオーバ制御部810は、X'回の広帯域による測定機会のうち(X'−1)回では5MHz幅測定部825を起動し、X'回の広帯域による測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部830を起動する。他方、モード選択部835からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていないと通知されると、ハンドオーバ制御部810は、広帯域による測定機会のすべてで5MHz幅測定部825を起動する。
【0134】
6RB測定部820は、ハンドオーバ制御部810から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部840に提供する。例えば、6RB測定部820は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0135】
5MHz幅測定部825は、ハンドオーバ制御部810から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部840に提供する。例えば、5MHz幅測定部825は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0136】
システム帯域幅測定部830は、ハンドオーバ制御部810から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部840に提供する。例えば、システム帯域幅測定部830は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0137】
記憶部840は、6RB測定部820、5MHz幅測定部825及びシステム帯域幅測定部830から提供される通信品質の測定結果と共に、ハンドオーバ処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部840は、移動機800の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0138】
ハンドオーバ判定部850は、6RB測定部820、5MHz幅測定部825及びシステム帯域幅測定部830により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したハンドオーバの適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断すると、ハンドオーバ判定部850は、ハンドオーバ実行部860にハンドオーバを実行するよう指示する。
【0139】
ハンドオーバ実行部860は、ハンドオーバ判定部850からサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、ハンドオーバを実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0140】
図17は、本発明の第8実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。図17に示されるように、ステップS801において、移動機800は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0141】
ステップS802において、移動機800が基地局とRRC接続を確立して通信状態に移行すると、ハンドオーバ制御部810は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルとハンドオーバ候補セルである隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、ハンドオーバ制御部810は、各測定機会において6RB測定部820に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部825又はシステム帯域幅測定部830に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部825とシステム帯域幅測定部830との何れを起動するかは、移動機800のバッテリ残量と、移動機800に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに応じて決定される。このため、測定機会X回毎に、ハンドオーバ制御部810はバッテリ残量判定部815にバッテリ残量が十分であるか問い合わせる。
【0142】
ステップS803において、ハンドオーバ制御部810から判定指示信号を受信すると、バッテリ残量判定部815は、移動機800のバッテリの残量を検出し、検出した残量が所定の閾値Y%以下であるか判定し、ハンドオーバ制御部810に判定結果を通知する。検出した残量がY%以下である場合(S803:YES)、ハンドオーバ制御部810はさらに、モード選択部835にシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか問い合わせる。他方、検出した残量がY%より大きい場合(S803:NO)、ハンドオーバ制御部810は、移動機800のバッテリ残量は十分であると判断し、システム帯域幅測定部830を起動する。
【0143】
ステップS804において、モード選択部835は、セル再選択制御部810から測定モード判定信号を受信すると、移動機800に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をハンドオーバ制御部810に通知する。システム帯域幅強制測定モードが設定されていない場合(S804:Mode 1)、ハンドオーバ制御部810は、すべての広帯域測定機会において5MHz幅測定部825を起動する。他方、システム帯域幅強制測定モードが設定されている場合(S804:Mode 2)、ハンドオーバ制御部810は、広帯域測定機会X'回毎にシステム帯域幅測定部830を起動する。
【0144】
ステップS805において、ハンドオーバ制御部810から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部830は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0145】
ステップS806において、ハンドオーバ制御部810から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部825は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0146】
ステップS807において、ハンドオーバ制御部810から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部830は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0147】
ステップS808において、ハンドオーバ判定部850は、6RB測定部820、5MHz幅測定部825及びシステム帯域幅測定部830により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、ハンドオーバを実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判定すると、ハンドオーバ判定部850は、ハンドオーバ実行部860にハンドオーバを実行するよう指示する。このハンドオーバ指示信号を受信すると、ハンドオーバ実行部860は、指定された隣接セルへのハンドオーバを実行する。
【0148】
次に、図18及び19を参照して、本発明の第9実施例による移動機を説明する。本実施例では、アイドル状態で10MHzのLTEセルに在圏する移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのセル再選択を実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、バッテリセービングモードが設定されているか否かと共に、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かに応じて決定される。このシステム帯域幅強制測定モードが設定されている場合、バッテリセービングモードの設定に関わらずシステム帯域幅による定期的な測定が強制的に実行される。
【0149】
図18は、本発明の第9実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図18に示されるように、本実施例による移動機900は、セル再選択制御部910と、バッテリセービングモード判定部915と、6リソースブロック(RB)測定部920と、5MHz幅測定部925と、システム帯域幅測定部930と、モード選択部935と、記憶部940と、セル再選択判定部950と、セル再選択実行部960とを有する。
【0150】
セル再選択制御部910は、アイドル状態中の移動機900によるセル再選択処理全体を制御する。具体的には、セル再選択制御部910は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部920に指示する。一般に、各移動機では、電力消費を低減させるためアイドル状態において間欠受信(DRX)機能が適用可能である。従って、アイドル状態中の移動機900においてDRX機能が適用されている場合、セル再選択制御部910は、DRXサイクル長に応じて測定サイクルを設定するようにしてもよい。
【0151】
さらに、セル再選択制御部910は、定期的に1.08MHzより大きな帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部925又はシステム帯域幅測定部930を起動する。例えば、セル再選択制御部910は、X回の測定機会のうち1回において5MHz帯域幅測定部925又はシステム帯域幅測定部930を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部925とシステム帯域幅測定部930との何れを起動するかは、移動機900にバッテリセービングモードが設定されているか否かと、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに基づき決定される。一般に、セル再選択判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機900がバッテリセービングモードに設定されているときは、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、セル再選択の要否を判定する。しかしながら、移動機900がバッテリセービングモードに設定されている場合でも、干渉推定精度を向上させるため、5MHzの帯域幅による測定機会の一部においてシステム帯域幅を強制的に測定させるよう移動機900を設定するようにしてもよい(システム帯域幅強制測定モード)。例えば、セル再選択制御部910は、5MHz帯域幅測定部925によるX'回の測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部830を起動するようにしてもよい。この場合、設定された測定サイクルにより規定される測定機会XX'回毎に、強制的にシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態が測定されることになる。ここで、この切替頻度を指定するX'の値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。例えば、X'=2に設定された場合、X回のうちの1回の広帯域の測定機会において、5MHz幅測定部925とシステム帯域幅測定部930とが交互に起動されることになる。これにより、バッテリセービングモードに設定されている場合に、通信状態の測定に要する電力消費を抑えながら、干渉推定精度を向上させることが可能となる。
【0152】
バッテリセービングモード判定部915は、セル再選択制御部910から移動機900にバッテリセービングモードが設定されているか判定するよう要求されると、移動機900に設定されている電力モードがバッテリセービングモードであるか否かを判定する。移動機900の電力モードは、ユーザにより設定されてもよいし、通信状況に応じて動的に移動機により設定されてもよい。バッテリセービングモードが設定されていない場合、バッテリセービングモード判定部915は、移動機900がバッテリセービングモードに設定されていないことをセル再選択制御部910に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部910は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部930を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、バッテリセービングモードが設定されている場合、バッテリセービングモード判定部915は、移動機900がバッテリセービングモードに設定されていることをセル再選択制御部910に通知する。この通知を受信すると、セル再選択制御部910はさらに、移動機900に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているかモード選択部935に問い合わせる。
【0153】
モード選択部935は、セル再選択制御部910から測定モード判定信号を受信すると、移動機900に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をセル再選択制御部910に通知する。モード選択部935からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていると通知されると、セル再選択制御部910は、X'回の広帯域による測定機会のうち(X'−1)回では5MHz幅測定部925を起動し、X'回の広帯域による測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部930を起動する。他方、モード選択部935からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていないと通知されると、セル再選択制御部910は、広帯域による測定機会のすべてで5MHz幅測定部925を起動する。
【0154】
6RB測定部920は、セル再選択制御部910から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部940に提供する。例えば、6RB測定部920は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0155】
5MHz幅測定部925は、セル再選択制御部910から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部940に提供する。例えば、5MHz幅測定部925は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0156】
システム帯域幅測定部930は、セル再選択制御部910から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部940に提供する。例えば、システム帯域幅測定部930は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0157】
記憶部940は、6RB測定部920、5MHz幅測定部925及びシステム帯域幅測定部930から提供される通信品質の測定結果と共に、セル再選択処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部940は、移動機900の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0158】
セル再選択判定部950は、6RB測定部920、5MHz幅測定部925及びシステム帯域幅測定部930により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したセル再選択の適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判断すると、セル再選択判定部950は、セル再選択実行部960にセル再選択を実行するよう指示する。
【0159】
セル再選択実行部960は、セル再選択判定部950からサービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、セル再選択を実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0160】
図19は、本発明の第9実施例による移動機のセル再選択処理を示すフロー図である。図19に示されるように、ステップS901において、移動機900は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0161】
ステップS902において、移動機900がアイドル状態に移行すると、セル再選択制御部910は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、セル再選択制御部910は、各測定機会において6RB測定部920に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部925又はシステム帯域幅測定部930に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部925とシステム帯域幅測定部930との何れを起動するかは、移動機900に対してバッテリセービングモードが設定されているか否かと、移動機900に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに応じて決定される。このため、測定機会X回毎に、セル再選択制御部910はバッテリセービングモード判定部915にバッテリセービングモードが設定されているか問い合わせる。
【0162】
ステップS903において、セル再選択制御部910から判定指示信号を受信すると、バッテリセービングモード判定部915は、移動機900がバッテリセービングモードに設定されているか判定し、セル再選択制御部910に判定結果を通知する。移動機900がバッテリセービングモードに設定されている場合(S903:YES)、セル再選択制御部910はさらに、モード選択部935にシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか問い合わせる。他方、移動機900がバッテリセービングモードに設定されていない場合(S903:NO)、セル再選択制御部910は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部930を起動する。
【0163】
ステップS904において、モード選択部935は、セル再選択制御部910から測定モード判定信号を受信すると、移動機900に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をセル再選択制御部910に通知する。システム帯域幅強制測定モードが設定されていない場合(S904:Mode 1)、セル再選択制御部910は、すべての広帯域測定機会において5MHz幅測定部925を起動する。他方、システム帯域幅強制測定モードが設定されている場合(S904:Mode 2)、セル再選択制御部910は、広帯域測定機会X'回毎にシステム帯域幅測定部930を起動する。
【0164】
ステップS905において、セル再選択制御部910から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部930は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0165】
ステップS906において、セル再選択制御部910から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部925は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0166】
ステップS907において、セル再選択制御部910から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部930は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0167】
ステップS908において、セル再選択判定部950は、6RB測定部920、5MHz幅測定部925及びシステム帯域幅測定部930により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、セル再選択を実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのセル再選択を実行すべきと判定すると、セル再選択判定部950は、セル再選択実行部960にセル再選択を実行するよう指示する。このセル再選択指示信号を受信すると、セル再選択実行部960は、指定された隣接セルへのセル再選択を実行する。
【0168】
次に、図20及び21を参照して、本発明の第10実施例による移動機を説明する。本実施例では、基地局とのRRC接続を確立した通信中に10MHzのLTEセルに在圏する移動機が、6リソースブロック(すなわち、1.08MHz)の帯域幅の測定帯域と、より広帯域なシステム帯域幅又は5MHzの測定帯域とを所定のサイクルで切替ながら、サービングセル及び隣接セルの通信状態を測定し、測定された通信状態に基づき5MHzのLTEセル又は3Gセルなどの隣接セルへのハンドオーバを実行する。ここで、システム帯域幅を測定帯域とするか、又は5MHzの帯域幅を測定帯域とするかは、バッテリセービングモードが設定されているか否かと共に、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かに応じて決定される。このシステム帯域幅強制測定モードが設定されている場合、バッテリセービングモードの設定に関わらずシステム帯域幅による定期的な測定が強制的に実行される。
【0169】
図20は、本発明の第10実施例による移動機の構成を示すブロック図である。図20に示されるように、本実施例による移動機1000は、ハンドオーバ制御部1010と、バッテリセービングモード判定部1015と、6リソースブロック(RB)測定部1020と、5MHz幅測定部1025と、システム帯域幅測定部1030と、モード選択部1035と、記憶部1040と、ハンドオーバ判定部1050と、ハンドオーバ実行部1060とを有する。
【0170】
ハンドオーバ制御部1010は、基地局とのRRC接続が確立された通信中の移動機1000によるハンドオーバ処理全体を制御する。具体的には、ハンドオーバ制御部1010は、所定の測定サイクルに従って1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するよう6RB測定部1020に指示する。一般に、各移動機は、通信中のサービングセル及び隣接セルの通信状態を所定の測定サイクルにより測定する。
【0171】
さらに、ハンドオーバ制御部1010は、定期的に1.08MHzより大きな帯域幅でサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するため、設定された測定サイクルにより規定される測定機会の一部において5MHz幅測定部1025又はシステム帯域幅測定部1030を起動する。例えば、ハンドオーバ制御部1010は、X回の測定機会のうち1回において5MHz帯域幅測定部1025又はシステム帯域幅測定部1030を起動するようにしてもよい。この切替頻度を指定するXの値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。5MHz帯域幅測定部1025とシステム帯域幅測定部1030との何れを起動するかは、移動機1000にバッテリセービングモードが設定されているか否かと、システム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに基づき決定される。一般に、ハンドオーバ判定では、システム帯域幅の測定結果を利用することが望ましいが、システム帯域幅による測定は大きな消費電力を要する。他方、5MHzの帯域幅の測定結果を利用しても、許容される精度により干渉を推定できる。従って、移動機1000がバッテリセービングモードに設定されているときは、5MHzの帯域幅の測定結果を代用して、ハンドオーバの要否を判定する。しかしながら、移動機1000がバッテリセービングモードに設定されている場合でも、干渉推定精度を向上させるため、5MHzの帯域幅による測定機会の一部においてシステム帯域幅を強制的に測定させるよう移動機1000を設定するようにしてもよい(システム帯域幅強制測定モード)。例えば、ハンドオーバ制御部1010は、5MHz帯域幅測定部1025によるX'回の測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部1030を起動するようにしてもよい。この場合、設定された測定サイクルにより規定される測定機会XX'回毎に、強制的にシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態が測定されることになる。ここで、この切替頻度を指定するX'の値は、所定の定数であってもよいし、通信状況などに応じて動的に移動機により設定されてもよい。例えば、X'=2に設定された場合、X回のうちの1回の広帯域の測定機会において、5MHz幅測定部1025とシステム帯域幅測定部1030とが交互に起動されることになる。これにより、バッテリセービングモードに設定されている場合に、通信状態の測定に要する電力消費を抑えながら、干渉推定精度を向上させることが可能となる。
【0172】
バッテリセービングモード判定部1015は、ハンドオーバ制御部1010から移動機1000にバッテリセービングモードが設定されているか判定するよう要求されると、移動機1000に設定されている電力モードがバッテリセービングモードであるか否かを判定する。移動機1000の電力モードは、ユーザにより設定されてもよいし、通信状況に応じて動的に移動機により設定されてもよい。バッテリセービングモードが設定されていない場合、バッテリセービングモード判定部1015は、移動機1000がバッテリセービングモードに設定されていないことをハンドオーバ制御部1010に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部1010は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部1030を起動し、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。他方、バッテリセービングモードが設定されている場合、バッテリセービングモード判定部1015は、移動機1000がバッテリセービングモードに設定されていることをハンドオーバ制御部1010に通知する。この通知を受信すると、ハンドオーバ制御部1010はさらに、移動機1000に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているかモード選択部1035に問い合わせる。
【0173】
モード選択部1035は、ハンドオーバ制御部1010から測定モード判定信号を受信すると、移動機1000に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をハンドオーバ制御部1010に通知する。モード選択部1035からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていると通知されると、ハンドオーバ制御部1010は、X'回の広帯域による測定機会のうち(X'−1)回では5MHz幅測定部1025を起動し、X'回の広帯域による測定機会のうち1回においてシステム帯域幅測定部1030を起動する。他方、モード選択部1035からシステム帯域幅強制測定モードが設定されていないと通知されると、ハンドオーバ制御部1010は、広帯域による測定機会のすべてで5MHz幅測定部1025を起動する。
【0174】
6RB測定部1020は、ハンドオーバ制御部1010から測定指示信号を受信すると、6リソースブロック(RB)に相当する1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部1040に提供する。例えば、6RB測定部1020は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、1.08MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される1.08MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0175】
5MHz幅測定部1025は、ハンドオーバ制御部1010から測定指示信号を受信すると、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部1040に提供する。例えば、5MHz幅測定部1025は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、5MHzの帯域幅におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。測定される5MHzの帯域は、典型的には、当該測定帯域の中心周波数がサービングセルの中心周波数となるよう設定される。
【0176】
システム帯域幅測定部1030は、ハンドオーバ制御部1010から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定し、測定された通信状態を記憶部1040に提供する。例えば、システム帯域幅測定部1030は、サービングセルと隣接セルとの各基地局から送信されるリファレンス信号について、システム帯域全体におけるリファレンス信号の受信レベルを測定し、測定した受信レベルに基づき受信品質RSRQを決定する。
【0177】
記憶部1040は、6RB測定部1020、5MHz幅測定部1025及びシステム帯域幅測定部1030から提供される通信品質の測定結果と共に、ハンドオーバ処理に用いられる各種データを格納する。また、記憶部1040は、移動機1000の他の構成要素からの要求に応答して、格納されたデータを提供する。
【0178】
ハンドオーバ判定部1050は、6RB測定部1020、5MHz幅測定部1025及びシステム帯域幅測定部1030により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信状態に基づき、上述したハンドオーバの適否判定基準などを用いてサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判断すると、ハンドオーバ判定部1050は、ハンドオーバ実行部1060にハンドオーバを実行するよう指示する。
【0179】
ハンドオーバ実行部1060は、ハンドオーバ判定部1050からサービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行するよう指示されると、サービングセルの基地局及び隣接セルの基地局とやりとりし、ハンドオーバを実行して当該隣接セルを新たなサービングセルに設定する。
【0180】
図21は、本発明の第10実施例による移動機のハンドオーバ処理を示すフロー図である。図21に示されるように、ステップS1001において、移動機1000は、10MHzのLTEセルに在圏し、当該セルをサービングセルに設定する。
【0181】
ステップS1002において、移動機1000が基地局とRRC接続を確立して通信状態に移行すると、ハンドオーバ制御部1010は、所定の測定サイクルに従ってサービングセルとハンドオーバ候補セルである隣接セルとの通信状態を測定する。上述したように、ハンドオーバ制御部1010は、各測定機会において6RB測定部1020に1.08MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる一方、X回の測定機会のうち1回は5MHz幅測定部1025又はシステム帯域幅測定部1030に5MHzの帯域幅又はシステム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定させる。5MHz帯域幅測定部1025とシステム帯域幅測定部1030との何れを起動するかは、移動機1000に対してバッテリセービングモードが設定されているか否かと、移動機1000に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか否かとに応じて決定される。このため、測定機会X回毎に、ハンドオーバ制御部1010はバッテリセービングモード判定部1015にバッテリセービングモードが設定されているか問い合わせる。
【0182】
ステップS1003において、ハンドオーバ制御部1010から判定指示信号を受信すると、バッテリセービングモード判定部1015は、移動機1000がバッテリセービングモードに設定されているか判定し、ハンドオーバ制御部1010に判定結果を通知する。移動機1000がバッテリセービングモードに設定されている場合(S1003:YES)、ハンドオーバ制御部1010はさらに、モード選択部1035にシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか問い合わせる。他方、移動機1000がバッテリセービングモードに設定されていない場合(S1003:NO)、ハンドオーバ制御部1010は、より精度の高い干渉測定を実行するため、システム帯域幅測定部1030を起動する。
【0183】
ステップS1004において、モード選択部1035は、ハンドオーバ制御部1010から測定モード判定信号を受信すると、移動機1000に対してシステム帯域幅強制測定モードが設定されているか判定し、判定結果をハンドオーバ制御部1010に通知する。システム帯域幅強制測定モードが設定されていない場合(S1004:Mode 1)、ハンドオーバ制御部1010は、すべての広帯域測定機会において5MHz幅測定部1025を起動する。他方、システム帯域幅強制測定モードが設定されている場合(S1004:Mode 2)、ハンドオーバ制御部1010は、広帯域測定機会X'回毎にシステム帯域幅測定部1030を起動する。
【0184】
ステップS1005において、ハンドオーバ制御部1010から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部1030は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0185】
ステップS1006において、ハンドオーバ制御部1010から測定指示信号を受信すると、5MHz幅測定部1025は、5MHzの帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0186】
ステップS1007において、ハンドオーバ制御部1010から測定指示信号を受信すると、システム帯域幅測定部1030は、システム帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する。
【0187】
ステップS1008において、ハンドオーバ判定部1050は、6RB測定部1020、5MHz幅測定部1025及びシステム帯域幅測定部1030により測定されたサービングセルと隣接セルとの通信品質に基づき、ハンドオーバを実行するべきか判定する。サービングセルから隣接セルへのハンドオーバを実行すべきと判定すると、ハンドオーバ判定部1050は、ハンドオーバ実行部1060にハンドオーバを実行するよう指示する。このハンドオーバ指示信号を受信すると、ハンドオーバ実行部1060は、指定された隣接セルへのハンドオーバを実行する。
【0188】
上述した実施例では、通信状態を示す指標としてRSRQが使用されたが、本発明は、これに限定されるものでない。RSRP(Reference Signal Received Power)やRSSI(Received Signal Strength Indicator)などの他の何れか適切な指標が使用されてもよい。
【0189】
また、上述した実施例では、各測定機会において測定される通常の測定帯域幅として、1.08MHzの帯域幅が使用された。しかしながら、本発明は、これに限定されるものでなく、適用される無線通信システムの規格に規定された下限の帯域幅以上であって、バッテリセービングの観点から好ましい何れか適切な帯域幅が利用されてもよい。また、この通常の測定帯域幅より広帯域な測定帯域幅として、5MHzの帯域幅が使用された。しかしながら、本発明は、これに限定されるものでなく、通常の測定帯域幅より大きく、システム帯域幅より小さい他の何れか適切な帯域幅が利用されてもよい。好ましくは、広帯域測定帯域幅は、隣接セルである5MHzのLTEセル又は3Gセルのガード区間(0.96MHzなど)より大きな何れか適切な帯域幅に設定される。
【0190】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0191】
100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000 移動局
110,310,510,710,910 セル再選択制御部
210,410,610,810,1010 ハンドオーバ制御部
120,220,320,420,520,620,720,820,920,1020 6RB測定部
125,225,325,425,525,625,725,825,925,1025 5MHz幅測定部
130,230,330,430,530,630,730,830,930,1030 システム帯域幅測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定する第1帯域幅測定部と、
前記第1帯域幅より大きな第2帯域幅により前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態を測定する第2帯域幅測定部と、
前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とを選択的に起動する制御部と、
前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とにより測定された前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態に基づき、前記サービングセルから前記隣接セルへのセル移行を実行するセル移行部と、
を有する移動機であって、
前記制御部は、第1切替頻度により前記第1帯域幅測定部と前記第2帯域幅測定部とを切り替える移動機。
【請求項2】
前記第1帯域幅と前記第2帯域幅との間の大きさの第3帯域幅により前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態を測定する第3帯域幅測定部と、
当該移動機のバッテリ残量を検出し、前記検出されたバッテリ残量が所定の閾値以下であるか判定するバッテリ残量判定部と、
をさらに有し、
前記検出されたバッテリ残量が前記所定の閾値以下であると前記バッテリ残量判定部が判定すると、前記制御部は、前記第1切替頻度により前記第1帯域幅測定部と前記第3帯域幅測定部とを切り替え、
前記セル移行部は、前記第3帯域幅測定部により測定された前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態にさらに基づき、前記サービングセルから前記隣接セルへのセル移行を実行する、請求項1記載の移動機。
【請求項3】
前記第1帯域幅と前記第2帯域幅との間の大きさの第3帯域幅により前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態を測定する第3帯域幅測定部と、
当該移動機がバッテリセービングモードに設定されているか判定するバッテリセービングモード判定部と、
をさらに有し、
当該移動機が前記バッテリセービングモードに設定されていると前記バッテリセービングモード判定部が判定すると、前記制御部は、前記第1切替頻度により前記第1帯域幅測定部と前記第3帯域幅測定部とを切り替え、
前記セル移行部は、前記第3帯域幅測定部により測定された前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態にさらに基づき、前記サービングセルから前記隣接セルへのセル移行を実行する、請求項1記載の移動機。
【請求項4】
当該移動機が第2帯域幅強制測定モードに設定されているか判定するモード選択部をさらに有し、
当該移動機が前記第2帯域幅強制測定モードに設定されていると前記モード選択部が判定すると、前記制御部は、前記第1切替頻度より低い第2切替頻度により前記第2帯域幅測定部と前記第3帯域幅測定部とを切り替える、請求項2又は3記載の移動機。
【請求項5】
所定の回数だけ第1帯域幅によりサービングセルと隣接セルとの通信状態を測定するステップと、
前記前記第1帯域幅より大きな第2帯域幅により前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態を測定するステップと、
前記第1帯域幅と前記第2帯域幅とにより測定された前記サービングセルと前記隣接セルとの通信状態に基づき、前記サービングセルから前記隣接セルへのセル移行を実行するステップと、
を有する移動機における方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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