説明

移動無線通信システム

【課題】使用するスロット数が4の場合と同程度の通信速度を有すると共に、制御コマンドのやりとりができる移動無線通信システム及び無線移動局の複数スロット通信制御方法を提供する。
【解決手段】1通信に使用するスロット数が4の場合には、上下(下り無線キャリアのスロットと上り無線キャリアのスロット)で、常時、衝突が起きてしまい、制御コマンドの通信ができない。そこで、下り無線キャリアで所定時間4スロットで制御コマンドの送信を行った後、次の4スロットの送信では所定のスロット番号の1〜3スロット分での制御コマンドの送信を停止する。例えば、3スロットでの送信、2スロットでの送信、若しくは1スロットでの制御コマンドの送信を行い、上り無線キャリアで1スロット〜3スロット分を制御コマンドの送信スロットとして使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル移動無線通信システムに関わり、特に、無線移動局の複数スロット通信制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ARIB STD−T79規格等で運用されている都道府県、市町村デジタル移動システム(TDMA:Time Division Multiple Access 、時分割多重方式)等のデジタル移動無線通信システムは、1つの自治体(市町村、若しくは都道府県)を基本単位として、統制局設備、基地局設備、固定局設備、及び移動局設備で構成される。そして、基地局を経由した統制局−移動局(若しくは、統制局−固定局)間での通信や、基地局又は直接通信によって移動局−移動局(固定局−移動局、若しくは、移動局−固定局)間で通信を行うシステムである。
【0003】
時分割多重通信方式においては、1つの無線キャリアに複数のタイムスロットを有し、移動局の要求に応じて割り当てられたタイムスロット(以降、単にスロットと称する)を使って、他の移動局、固定局、基地局、若しくは統制局と通信を行う(特許文献1参照。)。
【0004】
図1〜図3を用いて、従来の都道府県防災移動通信システム、若しくは、市町村デジタル移動通信システムについて説明する。なお、一般的には、複数の基地局、中継局(中継端末局)、及び多数の移動局からなるシステムが普通である。しかし、説明の都合上、最も簡単な構成を用いて説明する。
なお、本書では、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
【0005】
図1は、従来の都道府県防災、若しくは、市町村デジタル移動通信システムの概略構成を示す図である。なお、図1は、デジタル移動通信システムとしては、最小のシステム構成例を示すもので、1つの基地局で移動局の運用エリアをカバーする1つの基地局ゾーンを示している。101は統制局、102は基地局ゾーン、103−1、103−2、103−3、103−4、103−5、103−6、103−7、・・・、103−nは移動局である(nは自然数)。また、統制局101において、104は制御装置、105は無線装置、106−1、106−2、・・・、106−mは統制台である(mは自然数)。この図1では、基地局ゾーン102内を通信エリアとする無線装置105とその制御装置104とを基地局という。基地局は、統制局内に設けられる場合と、統制局とは別の場所に設けられる場合とがある。
【0006】
なお、統制台106−1〜106−m相互間は、例えば、公衆電話回線と接続された内線電話、イントラネット、LAN( Local Area Network )、WAN( Wide Area Network )等のネットワーク回線などで接続されている。同様に、統制台106−1〜106−mは、例えば、公衆電話回線と接続された内線電話、イントラネット、LAN、WAN等のネットワーク回線などで制御装置105等と接続されている。また、基地局が複数(即ち、基地局ゾーンが複数)ある場合には、複数の基地局のそれぞれの制御装置104が、統制台106〜106−mと接続される。
また、固定局については、位置が移動しないことを除いて、移動局103−1〜1−3−nと同様なので、図1では特に図示していない。
【0007】
図1のシステムは、基地局ゾーン102内において、複数の移動局103−1、103−2、103−3、・・・、103−nと統制局101間の通信接続サービス、あるいは統制局101を経由した移動局間の通信接続サービスあるいは移動局間の直接通信等の通信接続サービス、あるいは、通信エリア102の外の移動局103−6と通信エリア102内の移動局103−5との通信接続サービスが行なわれるように構成されたシステムである。
【0008】
図2は、図1の無線通信システムの通信接続サービスにおけるスロットの構成について説明するための図である。
図2(a)は、下り無線キャリア(周波数:f1)と上り無線キャリア(周波数:f2)の構成を説明する図で、どちらも4スロット構成で、S1〜S3が通信用スロット、Cが制御用スロットである。
例えば、図1の移動局103−3は、無線装置105及び制御装置104を介して、統制局101の統制台106−1と通信する。この場合、図2(c)に示すように、通信用スロットとして、通信用スロットS2が設定されている。
また例えば、図1の移動局103−1は、無線装置105及び制御装置104を介して、移動局103−2と通信する。この場合、図2(b)に示すように、通信用スロットとして、通信用スロットS1が設定されている。
なお、基地局若しくは統制局101を使用しない通信手段として、図1の移動局103−4のように、基地局ゾーン102外(基地局の通信圏外)に位置する移動局103−5と直接通信することができる。この場合、図2(d)に示すように、周波数f3の無線キャリアが通信用回線に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平4−323922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のデジタル移動無線通信システムの移動局は、TDMAによる4スロット時分割多重方式で通信が行われている。基地局のように、共用器が実装される場合は、上下の無線キャリアが衝突してもデータの送受信のやりとりが可能である。しかし、製作コスト上の問題から、移動局は共用器を実装しないことが多く、本発明で使用する移動局においても共用器を実装していない。
移動局は、共用器を実装していないため、上下の波が衝突しないように20[ms]のオフセットが設けられている。
例えば、ARIB STD−T79で規定されている通信方式は、TDMAの4スロット時分割多重方式であり、伝送速度は、6.4[kbps/slot]である。上下のスロットタイミングを、図3に示す。図3は、1通信回線当たりに使用するスロットの数が1の場合に対応した送受信のやりとりを説明するための図である。横軸は、各スロットが10[ms]ずつ(1フレーム40[ms])で、左から右に時間が経過していくことを示す。図3内のS0、S1、S2、及びS3は、スロットの番号を示している。
図3に示すように、下りの無線キャリアがスロットS0を使用中には、上り無線キャリアがスロットS2を使用するようにして、上下のスロット間を20[ms]ずらすようにしている。また、次の下りの無線キャリアがスロットS1を使用中には、上り無線キャリアがスロットS3を使用するようにして、上下のスロット間を20[ms]ずらしている。また、次の下りの無線キャリアがスロットS2を使用中には、上り無線キャリアがスロットS0を使用するようにして、上下のスロット間を20[ms]ずらしている。また、次の下りの無線キャリアがスロットS3を使用中には、上り無線キャリアがスロットS1を使用するようにして、上下のスロット間を20[ms]ずらしている。
【0011】
上記無線通信システムにおける移動局の通信は、1通信回線当たり1スロットで使用することが基本である。しかし、1通信回線に複数スロットを使用して通信速度を増やした高速データ通信を行うことも可能である。
1通信回線に複数スロットを使用する場合の伝送速度を図4に示す。図4は、使用するスロットの数に対応する伝送速度を示す図である。
図4に示すように、使用するスロット数が1(1スロットモード)の場合には、上りの伝送速度が6.4[kbps]、スロット数が2(2スロットモード)の場合には、上りの伝送速度が12.8[kbps]、スロット数が3(3スロットモード)の場合には、上りの伝送速度が19.2[kbps]、スロット数が4(4スロットモード)の場合には、上りの伝送速度が25.6[kbps]である。
上述のように、移動局は、通常の通信では、1通信回線当たり1スロットのみ使用する1スロットモードで運用するが、状況に応じて複数スロットを用いて通信する場合がある。複数のスロット(2スロットモード、3スロットモード、若しくは4スロットモード)を用いて通信する場合には、衝突が生ずる場合がある。
【0012】
図5に、移動局同士のデータ伝送方式の一例を示す。106−2は統制台、103−1と103−2は移動局である(図1参照)。また、303−1は移動局103−1の送信装置、303−2は移動局103−2の送信装置である。図5では、上方向から下方向になるほど時刻が経過する。
図5において、時刻t1に、送信装置303−1から、送信コマンドC1として制御電文が送られる。その送信コマンド応答C2として受信装置303−2から応答電文が返される。その後、送信装置303−1側から受信装置303−2側へデータがデータ送信コマンドC3として送信されるだけでなく、受信装置303−2側から送信装置303−1側へデータ結果応答C4として応答電文を送信する必要がある。
なお、制御コマンド(送信コマンドC1、送信コマンド応答C2、及び、データ結果応答C4)は、伝送量が少ないので、1スロットあれば十分である。従って、高速にデータ伝送を行うためには、データ送信コマンドC3を伝送する速度が早いことが望ましい。
また、図5では、データの送受が1回で終了している。しかし、データ送信コマンドC3とデータ結果応答C4は、データの送信が終わるまで、何度も繰り返される。
【0013】
次に、1通信回線当たりに使用する通信用スロットの使用数に応じて送受信が可能であることを、以下、図6によって説明する。図6は、使用するスロット数(スロットモード)に対応した送受信のやりとりを説明するための図である。
図6は、図4と同様に、上下のスロットタイミングを示した図である。下り無線キャリアを送信側から受信側への通信回線に使用し、上り無線キャリアを受信側から送信側への通信回線に使用する。また、太枠で囲ったスロットは通信スロットであることを示す。
図6(a)は、使用するスロット数が1(1スロットモード)の場合の一例であり、図6(b)は、使用するスロット数が2(2スロットモード)の場合の一例である。図6(a)、図6(b)、どちらの場合も、通信スロットの他に空きスロットがあり、空きスロットを使って制御コマンドの送受信のやりとりが可能である。
次に、図6(c)に示すように、使用するスロット数が3(3スロットモード)の場合には、下り無線キャリアのスロットS0と上り無線キャリアのスロットS2が衝突する。そこで、図6(d)のように制御コマンドの数を非対称となるように配置することによって衝突を防止する。これによって、制御コマンドのやりとりを可能とすることができる。
しかし、使用するスロット数が4(4スロットモード)の場合には、図6(e)に示すように、上下(下り無線キャリアのスロットと上り無線キャリアのスロット)で、常時、衝突が起きてしまい、制御コマンドの通信ができない。これは、上下の制御コマンドの数を非対称としても不可能である。
【0014】
本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、使用するスロット数が4の場合と同程度の通信速度を有すると共に、制御コマンドのやりとりができる移動無線通信システム及び無線移動局の複数スロット通信制御方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明は、下り無線キャリアで所定時間若しくは所定の数のフレームについて4スロットモードで制御コマンドの送信を行った後、次のフレームの送信では、3スロットモード、2スロットモード、若しくは1スロットモードでの送信を行うことにより、所定のスロットでの制御コマンドの送信を停止する。例えば、下り無線キャリアでは、3スロットモード、2スロットモード、若しくは1スロットモードで制御コマンドの送信を行い、上り無線キャリアでは、下り無線キャリアの空きスロットのスロットタイミング時のスロットを制御コマンドの送信スロットとして使用するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、下り無線キャリアに空きスロットがあるにもかかわらず、4スロットのみを用いた場合とほぼ同等の伝送速度で通信が可能となる。
本発明によれば、共用器の追加等のハードの変更によらず、伝送速度を上げることができる。また、PC( Personal Computer )等の外部装置においても、通常の手順でデータ伝送ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来の都道府県防災、若しくは、市町村デジタル移動通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】無線通信システムの通信接続サービスにおけるスロットの構成について説明するための図である。
【図3】使用するスロットの数が1の場合に対応した送受信のやりとりを説明するための図である。
【図4】使用するスロットの数に対応する伝送速度を示す図である。
【図5】移動局同士のデータ伝送方式の一例を示す図である。
【図6】使用するスロット数に対応した送受信のやりとりを説明するための図である。
【図7】本発明の一実施例の1[s]当たりの4スロット送信フレームの回数T1が1の場合送受信のやりとりを説明するための図である。
【図8】本発明の一実施例の1[s]当たりの4スロット送信フレームの回数T1が24の場合送受信のやりとりを説明するための図である。
【図9】本発明の移動無線通信システムの一実施例において、制御コマンドを送信する場合の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の移動無線通信システムにおいて、下り無線キャリアでは、予め定められた所定の時間若しくは所定の数のフレームについて、全てのスロットを下り無線キャリアで使用して送信を行い、その直後のフレームでは、空きスロットを少なくとも1スロット設け、該少なくとも1スロットは送信をしない。そして、上り無線キャリアでは、この空きスロットのスロットタイミングで送信を行う。この結果、制御コマンドのやりとりに必要な空きスロットを確保するものである。
また好ましくは、本発明の移動無線通信システムにおいて、は、予め定められた所定の時間若しくは所定の数のフレーム数について、4スロットモードで送信を行い、その直後の少なくとも1フレームでは、3スロットモード、2スロットモード、若しくは1スロットモードの送信を行う。この結果、制御コマンドのやりとりに必要な空きスロットを確保するものである。
さらに好ましくは、本発明の移動無線通信システムは、下り無線キャリアでは、予め定められた所定の時間若しくは所定の数のフレーム数について、4スロット送信を行い、その直後の少なくとも1フレームでは、3スロットモードで送信を行う。この結果、制御コマンドのやりとりに必要な空きスロットを確保するものである。
また、本発明の移動無線通信システムは、統制台と基地局を備えた統制局と、複数の移動局を有し、移動局間、及び移動局と基地局間の通信を行うTDMA方式の移動無線通信システムにおいて、前記統制台は、4スロットを用いて送信する場合に、下り無線キャリアで所定時間若しくは所定のフレーム数で4スロットで制御コマンドの送信を行った後、次の4スロットの送信では所定のスロット番号の1〜3スロット分での制御コマンドの送信を停止することを特徴とする。
【0019】
以下図7〜図9によって本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【0020】
図1及び図2で説明した移動無線通信システムの1基地局ゾーン内において、4スロットモードでの送信での1[s]当たりの最大の送信フレーム数をT0とする。1フレームの伝送速度を40[ms]とすると、T0=25となる。従って、1[s]当たりに送信可能なフレーム数T1(0〜T0)は、0〜25[回/s]となる。
T1が0の場合は、3スロットモード〜1スロットモードのいずれかであり、T1が25の場合は、全て4スロットモード(図4のスロット数4の項を参照)のみの伝送速度となるので、説明を省略する。
【0021】
伝送速度Vは、次の式(1)をによって算出する。即ち、
V=A1−A2×T3・・・式(1)
ここで、A1は4スロットモードのみでの伝送速度、A2は4スロットモードと3スロットモードの各1回分のデータ量の差、T3は3スロットモードの回数である。
図4から、A1=25.6[kbps]、
A2=(25.6−19.2)/T0=0.256[kbps]
また、T3は、(最大回数T0)−(送信できるフレーム数T1)であるので、式(1)から、
V=25,6−0.256×(T0−T1)
=25,6−0.256×(25−T1)で算出される。
【0022】
ここで、T1が1[回]と24[回]の場合を考え、式(1)に代入する。
T1=1の場合の伝送速度V1は、
V1=19.46[kbps]
T1=24の場合の伝送速度V24は、
V24=25.34[kbps]
となり、伝送速度VはこのV1〜V24の範囲内で調節できることになる。
【0023】
この結果、空きスロットがあるにも関わらず、通信に4スロットを用いた(4スロットモード)の場合の伝送速度25.6[kbps]に、ほぼ等しい伝送速度25.34[kbps]で伝送することが可能となる。
【0024】
このときの、スロットタイミングの一実施例を、図7及び図8で示す。図7と図8は、図4と同様に、上下のスロットタイミングを示した図である。また、太枠で囲ったスロットは通信スロットであることを示す。
図7は、本発明の一実施例の1[s]当たりの4スロットモードでの送信フレーム数T1が1の場合の送受信のやりとりを説明するための図である。また図8は、本発明の一実施例の1[s]当たりの4スロットモードでの送信フレーム数T1が24の場合の送受信のやりとりを説明するための図である。なお、iは自然数である。
図7で示すように、T1=1の場合には、1フレーム(i+1フレーム)目は図4と同様であるが、2(i+2)〜24(i+24)フレーム目では、下り無線キャリアのスロットS3の時に制御コマンドの送信を行わず、上り無線キャリアのスロットS1の時に送信を行う。
また、図8で示すように、T1=24の場合には、1フレーム(i+1フレーム)〜24フレーム(i+24フレーム)目は図4と同様であるが、25(n+25)フレーム目では、下り回線のスロットS3の時に制御コマンドの送信を行わず、上り回線のスロットS1の時に送信を行う。
【0025】
図9は、本発明の移動無線通信システムの一実施例において、1[s]当たりの4スロット送信の送信フレーム数T1をdとしたときの、統制局(例えば、図1の統制台106−1)が、連続して制御コマンドを送信する場合の処理動作を説明するためのフローチャートである。T1の値dは、予め定められている。
【0026】
統制台が、移動局と制御コマンドの通信を開始した場合には、まず、ステップ901で、現在の送信フレーム数bを1とする(b=1)。
ステップ902では、現在の送信フレーム数bがd以上か否かを判定する。現在の送信フレーム数bがd以下(b≦d)ならばステップ903に移行する。また、現在の送信フレーム数bがd超(b>d)ならばステップ904に移行する。
ステップ903では、送信モードを4スロットモードとして、1フレーム分の送信を実行し、ステップ905に移行する。
またステップ904では、送信モードを3スロットモードとして、1フレーム分の送信を実行し、ステップ905に移行する。
【0027】
次に、ステップ905では、現在の送信フレーム数bを1増加し(b=b+1)、ステップ906に移行する。
ステップ906では、現在の送信フレーム数bが25超か否かを判定する。現在の送信フレーム数bが25以下(b≦25)ならばステップ902に戻る。また、現在の送信フレーム数bが25超(b>25)ならばステップ907に移行する。
【0028】
ステップ907では、統制台が、移動局と制御コマンドの通信が終了したか否かを判定する。通信が終了していなければステップ901に戻り、終了していれば処理を終了する。
この結果、移動局に共用器を実装しなくても、上下の無線キャリアが衝突しないようにすることが可能となった。
なお、上述のステップ907は、図9の処理のすべての処理(ステップ901〜906)の後段に設けて、通信が終了したと判定した場合には、処理を終了するようにしても良い。
【0029】
上記実施例によれば、衝突を回避するように制御コマンドの送信を行っても、4スロット全部を1通信回線に用いた場合とほぼ同等の伝送速度で通信が可能となる。
本発明によれば、共用器の追加等のハードの変更によらず、伝送速度を上げることができる。また、PC( Personal Computer )等の外部装置においても、通常の手順でデータ伝送ができる。
【符号の説明】
【0030】
101:統制局、 102:基地局ゾーン、 103−1、・・・、103−n:移動局、 103’は固定局、 104:制御装置、 105:無線装置、 106−1、106−2、・・・、106−m:統制台、 303−1:送信装置、 303−2受信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
統制台と基地局を備えた統制局と、複数の移動局を有し、移動局間、及び移動局と基地局間の通信を行うTDMA方式の移動無線通信システムにおいて、前記統制台は、4スロットを用いて送信する場合に、下り無線キャリアで所定時間若しくは所定のフレーム数で4スロットで制御コマンドの送信を行った後、次の4スロットの送信では所定のスロット番号の1〜3スロット分での制御コマンドの送信を停止することを特徴とする移動無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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