説明

移動端末及び移動通信方法

【課題】リダイレクション技術によりUMTSセルからLTEセルに移行する移動端末UEが、LTE方式での通信を開始できない場合に、UMTS方式での通信を開始可能とする。
【解決手段】本発明の移動端末UEは、UMTS方式で通信可能なUMTSセルとLTE方式で通信可能なLTEセルとの重複エリアにおいて、LTE方式をサポートすることを示すLTEサポート識別子を含むコネクション要求信号をUMTS方式の無線制御装置RNCに送信することによって、UMTSセルからLTEセルに移行するように無線制御装置RNCから指示される。また、移動端末UEは、LTE方式のトラッキングエリアへの位置登録に失敗したことを示す位置登録失敗信号が受信された場合、LTE方式を非サポート状態にして無線制御装置RNCとのコネクション設定処理を行うコネクション設定処理部を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UMTS方式で通信可能なセルとLTE方式で通信可能なセルとの重複エリアにおいて通信を行う移動端末及び移動通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式で通信可能なセル(以下、UMTSセルという)とLTE(Long Term Evolution)方式で通信可能なセル(以下、LTEセルという)との重複エリアにおいて、UMTSセルに在圏する移動端末UEをより高機能な通信サービスを提供するLTEセルに迅速に移行させるリダイレクション技術が検討されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
図11は、リダイレクション技術の一例を示す図である。図11において、UMTSセルに在圏している移動端末UEは、LTEセルとの重複エリアにおいて通信を開始しようとする場合、RRC(Radio Resource Control)コネクションの設定を要求する「RRC CONNECTION REQUEST」をUMTS方式の無線制御装置RNCに送信する(ステップS1001)。
【0004】
無線制御装置RNCは、移動端末UEからの「RRC CONNECTION REQUEST」に、LTE方式をサポートすることを示すLTEサポート識別子が含まれる場合、移動端末UEをLTEセルに移行させるべきであると判断し、RRCコネクションの設定を拒否する「RRC CONNECTION REJECT」を移動端末UEに送信する(ステップS1002)。
【0005】
移動端末UEは、無線制御装置RNCからの「RRC CONNECTION REJECT」に含まれるLTEセルへの移行指示に従ってLTEセルに移行し、「RRC CONNECTION REQUEST」をLTE方式の無線基地局eNBに送信する(ステップS1003)。移動端末UEは、無線基地局eNBとの間でRRCコネクションを設定する(ステップS1004)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS25.331 v8.9.0:Radio Resource Control (RRC)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のリダイレクション技術によりLTEセルに移行する移動端末UEは、無線基地局eNBとRRCコネクションの設定後に、トラッキングエリアへの位置登録を行うことにより、LTE方式での通信が可能となる。しかしながら、例えば、移動端末UEがホームPLMN(Public Land Mobile Network)のLTEセルに在圏していても、移動端末UEとホームPLMNとの間でLTE方式の通信サービスを提供するための契約が行われていない場合や、移動端末UEがローミング先のPLMNのLTEセルに在圏していても、ローミング先のPLMNとホームPLMNとの間でLTE方式のローミングサービスを提供するための契約が行われていない場合、移動端末UEは、トラッキングエリアへの位置登録に失敗してしまい、LTE方式での通信を開始できない。
【0008】
この場合、移動端末UEは、UMTSセルに戻り、UMTS方式の無線制御装置RNCとの間でRRCコネクションの再設定を試みる。しかしながら、この移動端末UEは、上述のリダイレクション技術によりLTEセルに移行されてしまうため、移動端末UEは、移行先のLTEセルで通信を開始できずにUMTSセルに戻り、リダイレクション技術によりUMTSセルでの通信を開始できずにLTEセルに移行するという動作を繰り返してしまう。
【0009】
このように、リダイレクション技術によりUMTSセルからLTEセルに移行する移動端末UEがLTE方式での通信を開始できない場合、LTEセルとUMTSセルとの間での移行を繰り返す結果、UMTS方式又はLTE方式のいずれでも通信を開始できなくなってしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、リダイレクション技術によりUMTSセルからLTEセルに移行する移動端末UEが、LTE方式での通信を開始できない場合に、UMTS方式での通信を開始可能とする移動端末及び移動通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の移動端末は、第1方式で通信可能な第1セルと第2方式で通信可能な第2セルとの重複エリアにおいて、前記第2方式をサポートすることを示すサポート識別子を含むコネクション要求信号を前記第1方式の第1無線アクセス装置に送信することによって、前記第1セルから前記第2セルに移行するように前記第1無線アクセス装置から指示される移動端末であって、前記第2方式の第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示す位置登録失敗信号が受信された場合、前記第2方式を非サポート状態にして前記第1無線アクセス装置とのコネクション設定処理を行うコネクション設定処理部を具備する。
【0012】
この構成によれば、第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示す位置登録失敗信号が受信された場合、第2方式を非サポート状態にして第1無線アクセス装置とのコネクション設定処理を行うので、移動端末は、第2方式での通信を開始できずに第1セルに戻ったあと、再通信要求を行った場合でも、第2セルに再移行されることなく、第1方式での通信を開始することができる。
【0013】
また、本発明は、上記移動端末において、前記コネクション設定処理部は、前記サポート識別子を含まないコネクション要求信号を前記第1無線アクセス装置に送信するとともに、前記第1無線アクセス装置からのコネクション設定信号に応じて前記第1無線アクセス装置との間のコネクションを設定した後に、前記第2方式をサポートしないことを示す非サポート識別子と前記第1方式から前記第2方式へのシステム間ハンドオーバをサポートしないことを示すハンドオーバ非サポート識別子とを含むコネクション設定完了信号を前記第1無線アクセス装置に送信することにより、前記第2方式を非サポート状態にして前記コネクション設定処理を行ってもよい。
【0014】
また、本発明は、上記移動端末において、前記コネクション設定処理部は、他の公衆移動通信網(PLMN)が選択された場合、又は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記第2方式をサポート状態にして前記コネクション設定処理を行ってもよい。
【0015】
また、本発明は、上記移動端末において、該移動端末の電源がオフに設定される場合、前記第2方式をサポート状態とすることを示すサポート状態識別子を記憶する記憶部を更に具備し、前記コネクション設定処理部は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記記憶部に記憶されたサポート状態識別子に応じて、前記第2方式をサポート状態にして前記コネクション設定処理を行ってもよい。
【0016】
また、本発明は、上記移動端末において、前記コネクション設定処理部は、前記第1無線アクセス装置に対して前記サポート識別子を含むコネクション要求信号を送信することにより、前記第2方式をサポート状態にして前記コネクション設定処理を行ってもよい。
【0017】
また、本発明は、上記移動端末において、前記位置登録失敗信号が受信された場合、前記第2方式をサポートしていることを示す関連情報を含まない位置登録要求信号を前記第1方式の交換機に送信することにより、前記第2方式を非サポート状態にして前記第1方式の第1位置登録エリアへの位置登録処理を行う位置登録処理部を更に具備してもよい。
【0018】
また、本発明は、上記移動端末において、前記位置登録処理部は、他の公衆移動通信網(PLMN)が選択された場合、又は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記関連情報を含む位置登録要求信号を前記第1方式の交換機に送信することにより、前記第2方式をサポート状態にして前記位置登録処理を行ってもよい。
【0019】
また、本発明は、上記移動端末において、該移動端末の電源がオフに設定される場合、前記第2方式をサポート状態とすることを示すサポート状態識別子を記憶する記憶部を更に具備し、前記位置登録処理部は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記記憶部に記憶されたサポート状態識別子に応じて、前記関連情報を含む位置登録要求信号を前記第1方式の交換機に送信することにより、前記第2方式をサポート状態にして前記位置登録処理を行ってもよい。
【0020】
また、本発明は、上記移動端末において、前記位置登録失敗信号は、前記第2位置登録エリア内に適切な第2セルがないことを原因として前記第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示してもよい。
【0021】
また、本発明の移動通信方法は、第1方式で通信可能な第1セルと第2方式で通信可能な第2セルとの重複エリアにおいて、移動端末が、前記第2方式をサポートすることを示すサポート識別子を含むコネクション要求信号を前記第1方式の第1無線アクセス装置に送信することによって、前記第1無線アクセス装置が、前記第1セルから前記第2セルに移行するように前記移動端末に指示する移動通信方法であって、前記移動端末は、前記第2方式の第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示す位置登録失敗信号が受信された場合、前記第2方式を非サポート状態にして、前記第1無線アクセス装置とのコネクション設定処理を行う。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、リダイレクション技術によりUMTSセルからLTEセルに移行する移動端末UEが、LTE方式での通信を開始できない場合に、UMTS方式での通信を開始可能とする移動端末及び移動通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動端末の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る「RRC CONNECTION REQUEST」のメッセージフォーマットの一例である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る「RRC CONNECTION REQUEST」のメッセージフォーマットの別の例である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」のメッセージフォーマットの一例である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」のメッセージフォーマットの別の例である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」のメッセージフォーマットの一例である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」のメッセージフォーマットの別の例である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る移動通信方法を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る移動通信方法を示すシーケンス図である。
【図11】従来の移動通信方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。
【0025】
<移動通信システムの全体概略構成>
図1は、第1の実施形態に係る移動通信システムの構成図である。図1に示すように、移動通信システムは、無線基地局NB、無線制御装置RNC及び交換機SGSNを含むUMTSシステムと、無線基地局eNB及び交換機MMEを含むLTEシステムと、UMTSシステム及びLTEシステムに接続可能な移動端末UEと、移動端末UEの属する位置登録エリアを管理する加入者管理サーバHSSとから構成される。
【0026】
UMTSシステムの無線基地局NBは、UMTS方式(第1方式)で通信可能なUMTSセル(第1セル)を形成する。無線制御装置RNC(第1無線アクセス装置)は、UMTSセルに在圏する移動端末UEとRRCコネクションを設定する。交換機SGSNは、加入者管理サーバHSSに対して、ルーティングエリア(第1位置登録エリア)への移動端末UEの位置登録処理を行う。ここで、ルーティングエリアとは、UMTS方式の位置登録エリアであり、1つ以上のUMTSセルから構成される。
【0027】
LTEシステムの無線基地局eNB(第2無線アクセス装置)は、LTE方式(第2方式)で通信可能なLTEセル(第2セル)を形成し、LTEセルに在圏する移動端末UEとRRCコネクションを設定する。交換機MMEは、加入者管理サーバHSSに対して、トラッキングエリア(第2位置登録エリア)への移動端末UEの位置登録処理を行う。ここで、トラッキングエリアとは、LTE方式の位置登録エリアであり、1つ以上のLTEセルから構成される。
【0028】
移動端末UEは、UMTSセルとLTEセルとの重複エリアにおいて、UMTSセルに在圏する場合、UMTSシステムの無線制御装置RNCに対して、LTE方式をサポートすることを示すLTEサポート識別子(サポート識別子)を含む「RRC CONNECTION REQUEST(コネクション要求信号)」を送信することによって、UMTSセルからLTEセルに移行するように、無線制御装置RNCから指示される。
【0029】
<移動端末UEの構成>
次に、第1の実施形態に係る移動端末UEの構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係る移動端末UEの構成図である。図2に示すように、移動端末UEは、送受信部10と、通信制御部20と、記憶部30とから構成される。なお、移動端末UEは、通信インターフェース、プロセッサ、メモリ、ディスプレイ、入力キーを含むハードウェアを有しており、メモリには、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールが記憶されている。以下の送受信部10や通信制御部20の機能は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。また、記憶部30の機能は、上述のメモリでだけでなく、移動端末UEに挿入されるUSIM(Universal Subscriber Identity Module)などによって実現されてもよい。
【0030】
送受信部10は、無線基地局NB又は無線基地局eNBとの間で無線チャネルを設定し、設定した無線チャネルを介して無線信号を送受信するものである。具体的には、送受信部10は、通信制御部20によって生成された信号に対して符号化処理、変調処理などを施し、無線チャネルを介して無線基地局NB又は無線基地局eNBに送信する。また、送受信部10は、無線基地局NB又は無線基地局eNBからの受信信号に対して復調処理、復号化処理などを施し、通信制御部20に通知する。
【0031】
通信制御部20は、送受信部10を制御することにより、無線制御装置RNC、交換機SGSN、無線基地局eNB、交換機MMEとの間で、論理的に信号の送受信を行うものである。通信制御部20は、UMTSコネクション設定処理部21、UMTS位置登録処理部22、LTEコネクション設定処理部23、LTE位置登録処理部24、状態決定部25を具備する。
【0032】
UMTSコネクション設定処理部21は、後述する状態決定部25によってLTE方式を非サポート状態にすることが決定された場合、LTE方式を非サポート状態にして、無線制御装置RNCとのコネクション設定処理を行う。
【0033】
具体的には、UMTSコネクション設定処理部21は、LTE方式を非サポート状態にすることが決定された場合、LTEサポート識別子を含まない「RRC CONNECTION REQUEST」を無線制御装置RNCに送信する。
【0034】
ここで、「RRC CONNECTION REQUEST」とは、RRCコネクションの設定を要求するコネクション要求信号である。また、LTEサポート識別子(サポート識別子)とは、LTE方式をサポートすることを示すものであり、例えば、「Pre−redirection info」が用いられてもよいし、「TRUE」に設定された「Support of E−UTRA FDD」が用いられてもよい。
【0035】
図3は、「RRC CONNECTION REQUEST」のメッセージフォーマットの一例である。図3に示すメッセージフォーマットには、「Pre−redirection info」が含まれる。UMTSコネクション設定処理部21は、図3に示すメッセージフォーマットを使用し、かつ「Pre−redirection info」を設定しないことによって、LTEサポート識別子を含まない「RRC CONNECTION REQUEST」を生成してもよい。
【0036】
図4は、「RRC CONNECTION REQUEST」のメッセージフォーマットの別の例である。図4に示すメッセージフォーマットには、「Pre−redirection info」が含まれていない。UMTSコネクション設定処理部21は、図4に示すメッセージフォーマットを使用することによって、LTEサポート識別子を含まない「RRC CONNECTION REQUEST」を生成してもよい。
【0037】
また、UMTSコネクション設定処理部21は、LTE方式を非サポート状態にすることが決定された場合、無線制御装置RNCからの「RRC CONNECTION SETUP」に応じて、LTE非サポート識別子とLTE−HO非サポート識別子とを含む「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を無線制御装置RNCに送信する。また、UMTSコネクション設定処理部21は、LTE方式を非サポート状態にすることが決定された場合、LTEサポート識別子及びLTE−HOサポート識別子を含まない「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を無線制御装置RNCに送信してもよい。
【0038】
ここで、「RRC CONNECTION SETUP」とは、RRCコネクションを設定するネクション設定信号である。また、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」とは、RRCコネクションの設定完了を通知するコネクション設定完了信号である。
【0039】
また、LTE−HOサポート識別子(ハンドオーバサポート識別子)とは、UMTS方式からLTE方式へのシステム間ハンドオーバをサポートすることを示すものであり、例えば、「TRUE」に設定された「Support of Inter‐RAT PS Handover to E−UTRAN」が用いられる。また、LTE非サポート識別子(非サポート識別子)とは、LTE方式をサポートしないことを示すものであり、例えば、「FALSE」に設定された「Support of E−UTRA FDD」が用いられる。また、LTE−HO非サポート識別子(ハンドオーバ非サポート識別子)とは、UMTS方式からLTE方式へのシステム間ハンドオーバをサポートしないことを示すものであり、例えば、「FALSE」に設定された「Support of Inter‐RAT PS Handover to E−UTRAN」が用いられる。
【0040】
図5は、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」のメッセージフォーマットの一例である。図5(a)に示すメッセージフォーマットには、「UE radio access capability」が含まれており、「UE radio access capability」は、図5(b)に示すように、「UE Multi‐mode/Multi−RAT capability」を含む。さらに、「UE Multi‐mode/Multi−RAT capability」は、図5(c)に示すように、「Support of E−UTRA FDD」及び「Support of Inter‐RAT PS Handover to E−UTRA FDD」を含む。UMTSコネクション設定処理部21は、図5(a)〜(c)に示すメッセージフォーマットを使用し、かつ「Support of E−UTRA FDD」及び「Support of Inter‐RAT PS Handover to E−UTRA FDD」を「FALSE」に設定することによって、LTE非サポート識別子とLTE−HO非サポート識別子とを含む「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を生成してもよい。
【0041】
図6は、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」のメッセージフォーマットの別の例である。図6(a)〜(c)に示すメッセージフォーマットにおいて、図6(c)に示す「UE Multi‐mode/Multi−RAT capability」は、「Support of E−UTRA FDD」及び「Support of Inter‐RAT PS Handover to E−UTRA FDD」を含んでいない。UMTSコネクション設定処理部21は、図6(a)〜(c)に示すメッセージフォーマットを使用することによって、LTEサポート識別子とLTE−HOサポート識別子とを含まない「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を生成してもよい。
【0042】
また、UMTSコネクション設定処理部21は、状態決定部25によってLTE方式をサポート状態にすることが決定された場合、LTEサポート識別子を含む「RRC CONNECTION REQUEST」を無線制御装置RNCに送信する。例えば、UMTSコネクション設定処理部21は、図3に示すメッセージフォーマットを使用し、かつ「Pre−redirection info」を設定することによって、LTEサポート識別子を含む「RRC CONNECTION REQUEST」を生成してもよい。
【0043】
また、UMTSコネクション設定処理部21は、状態決定部25によってLTE方式をサポート状態にすることが決定された場合、無線制御装置RNCからの「RRC CONNECTION SETUP」に応じて、LTEサポート識別子を含む「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を無線制御装置RNCに送信する。UMTSコネクション設定処理部21は、図5(a)〜(c)に示すメッセージフォーマットを使用し、かつ「Support of E−UTRA FDD」を「TRUE」に設定することによって、LTEサポート識別子を含む「RRC CONNECTION REQUEST」を生成してもよい。なお、UMTSコネクション設定処理部21は、移動端末UEがUMTSシステムからLTEシステムへのシステム間ハンドオーバを行う機能を備えている場合、LTEサポート識別子に加えてLTE−HOサポート識別子(例えば、「TRUE」に設定された「Support of Inter−RAT PS Handover to E−UTRA FDD」)を含む「RRC CONNECTION SETUP」を無線制御装置RNCに送信してもよい。
【0044】
また、UMTSコネクション設定処理部21は、LTEサポート識別子を含むRRC CONNECTION REQUEST」を無線制御装置RNCに送信する場合、LTEセルへの移行指示を含む「RRC CONNECTION REJECT」を無線制御装置RNCから受信する。ここで、「RRC CONNECTION REJECT」とは、RRCコネクションの設定を拒否するコネクション拒否信号である。また、LTEセルへの移行指示としては、例えば、「Redirection info」が用いられる。
【0045】
UMTS位置登録処理部22は、状態決定部25によってLTE方式を非サポート状態にすることが決定された場合、LTE方式を非サポート状態にして、ルーティングエリアへの移動端末UEの位置登録処理を行う。
【0046】
具体的には、UMTS位置登録処理部22は、状態決定部25によってLTE方式を非サポート状態にすることが決定された場合、LTEサポート関連情報を含まない「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」を交換機SGSNに送信する。
【0047】
ここで、「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」は、ルーティングエリアへの位置登録を要求する位置登録要求信号である。なお、UMTS位置登録処理部22は、ルーティングエリアへの位置登録状態(初回登録又は更新)に応じて、「ATTACH」又は「ROUTING AREA UPDATE」のいずれかを行う。以下では、これらの処理を「ATTACH/ROUTING AREA UPDATE」と総称して説明を行う。
【0048】
また、LTEサポート関連情報(関連情報)とは、LTE方式をサポートしていることを示す関連情報であり、例えば、「1(サポート)」に設定された「PS inter−RAT HO to E−UTRAN S1 mode capability」、「CSFB capability」、「ISR support」、「SRVCC to GERAN/UTRAN capability」及び「EPC capability」などを含む。
【0049】
図7は、「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」のメッセージフォーマットの一例である。図7(a)(b)に示すメッセージフォーマットには、「MS network capability」が含まれており、「MS network capability」は、図7(c)に示すように、上述のLTEサポート関連情報を含む。UMTSコネクション設定処理部21は、図7(a)又は(b)に示すメッセージフォーマットを使用し、かつ、図7(c)のLTEサポート関連情報を設定しないことによって、LTEサポート関連情報を含まない「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」を生成してもよい。
【0050】
図8は、「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」のメッセージフォーマットの別の例である。図8(c)に示すメッセージフォーマットには、LTEサポート関連情報が含まれていない。UMTSコネクション設定処理部21は、図8に示すメッセージフォーマットを使用することによって、LTEサポート関連情報を含まない「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」を生成してもよい。
【0051】
また、UMTS位置登録処理部22は、状態決定部25によってLTE方式をサポート状態にすることが決定された場合、LTEサポート関連情報を含む「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」を交換機SGSNに送信する。UMTS位置登録処理部22は、図7(a)〜(c)に示すメッセージフォーマットを使用し、かつ、「LTEサポート関連情報」を設定することによって、LTEサポート関連情報を含む「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」を生成してもよい。
【0052】
LTEコネクション設定処理部23は、無線基地局eNBとのコネクション設定処理を行う。具体的には、LTEコネクション設定処理部23は、「RRC CONNECTION REQUEST」を無線基地局eNBに送信する。また、LTEコネクション設定処理部23は、無線基地局eNBからの「RRC CONNECTION SETUP」の受信に応じて、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を無線基地局eNBに送信する。
【0053】
LTE位置登録処理部24は、トラッキングエリアへの移動端末UEの位置登録処理を行う。具体的には、UMTS位置登録処理部22は、「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」を交換機MMEに送信する。ここで、「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」は、トラッキングエリアへの位置登録を要求する位置登録要求信号である。
【0054】
また、LTE位置登録処理部24は、交換機MMEからの「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REJECT」を受信する。ここで、「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REJECT」は、トラッキングエリアへの位置登録の失敗を示す位置登録失敗信号である。また、「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REJECT」は、「Failure Cause」を含む。「Failure Cause」は、トラッキングエリアへの位置登録の失敗原因を示すものであり、例えば、「#15(トラッキングエリア内に適切なセルがない)」などがある。
【0055】
なお、UMTS位置登録処理部22は、トラッキングエリアへの位置登録状態(初回登録又は更新)に応じて、「ATTACH」又は「TRACKNG AREA UPDATE」のいずれかを行う。以下では、以下では、これらの処理を「ATTACH/TRACKING AREA UPDATE」と総称して説明を行う。
【0056】
状態決定部25は、LTE方式をサポートするサポート状態(Activated)にするか、LTE方式をサポートしない非サポート状態(Deactivated)にするかを決定する。具体的には、状態決定部25は、「Failure Cause #15」を含む「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」が交換機MMEから受信された場合、LTE方式を非サポート状態にすることを決定する。なお、状態決定部25は、LTE方式をサポート状態にすることが決定されるまでは、LTE方式を非サポート状態に維持する。
【0057】
また、状態決定部25は、他のPLMNが選択された場合、又は、移動端末UEの電源がオンに設定された場合、LTE方式をサポート状態にすることを決定する。また、状態決定部25は、移動端末UEの電源がオフに設定された場合、LTE方式をサポート状態とすることを示すサポート状態識別子を記憶部30に記憶させてもよい。この場合、状態決定部25は、移動端末UEの電源がオンに設定された場合、記憶部30に記憶されたサポート状態識別子によってLTE方式をサポート状態にすることを決定してもよい。
【0058】
ここで、移動端末UEの電源のオン、オフは、移動端末UEのユーザからの指示を受け付けることによって設定されてもよいし、タイマーなどによって所定時間に自動的に設定されるものであってもよい。また、状態決定部25は、LTE方式を非サポート状態にすることが決定されるまでは、LTE方式をサポート状態に維持する。
【0059】
<移動通信システムの動作>
次に、以上のように構成された移動通信システムの動作について説明する。
(1)非サポート状態(Deactivated)
図9は、移動端末UEが、LTE方式を非サポート状態にして通信を開始する動作を示すシーケンス図である。図9において、移動端末UEは、UMTSセルとLTEセルとのいずれでも通信可能な機能を備えている。また、移動端末UEは、ホームPLMN又はローミング先のPLMNのいずれかに在圏しているものとする。ホームPLMN及びローミング先のPLMNは、いずれもUMTSセルとLTEセルを提供する。なお、移動端末UEがホームPLMNに在圏している場合、移動端末UEとホームPLMNとの間では、UMTS方式の通信サービスを提供するための契約(以下、UMTS契約)が行われているが、LTE方式の通信サービスを提供するための契約(以下、LTE契約)が行われていないものとする。一方、移動端末UEがローミング先のPLMNに在圏している場合、ローミング先のPLMNとホームPLMNとの間では、UMTS方式のローミングサービスを提供するための契約(以下、UMTSローミング契約)が行われているが、LTE方式のローミングサービスを提供するための契約(以下、LTEローミング契約)が行われていないものとする。
【0060】
UMTSセルとLTEセルとの重複エリアにおいて、UMTSセルに在圏する移動端末UEは、LTEサポート識別子である「Pre−redirection info」を含む「RRC CONNECTION REQUEST」を無線制御装置RNCに送信する(ステップS101)。無線制御装置RNCは、移動端末UEからの「RRC CONNECTION REQUEST」にLTEサポート識別子が含まれるので、LTEセルへの移行指示である「Redirection info」を含む「RRC CONNECTION REJECT」を移動端末UEに送信する(ステップS102)。
【0061】
移動端末UEは、無線制御装置RNCからの「RRC CONNECTION REJECT」に含まれる移行指示に従って、LTEセルに移行し、「RRC CONNECTION REQUEST」を無線基地局eNBに送信する(ステップS103)。無線基地局eNBは、移動端末UEからの「RRC CONNECTION REQUEST」に応じて、「RRC CONNECTION SETUP」を移動端末UEに送信する(ステップS104)。移動端末UEは、無線基地局eNBからの「RRC CONNECTION SETUP」に応じて、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を無線基地局eNBに送信し、無線基地局eNBとのコネクション設定処理を完了する(ステップS105)。なお、「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」には、LTEシステムでの通信を開始するためにトラッキングエリアへの位置登録を要求する「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」が含まれている。
【0062】
無線基地局eNBは、移動端末UEからの「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」に含まれる「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」を交換機MMEに送信する(ステップS106)。交換機MMEは、移動端末UEからの「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」に応じて、加入者管理サーバHSS(図示なし)との間でトラッキングエリアへの位置登録処理を行う(S107)。
【0063】
本シーケンス図では、上述のように、移動端末UEがホームPLMNに在圏する場合は、移動端末UEとホームPLMNとの間でLTE契約が行われておらず、移動端末UEがローミング先のPLMNに在圏する場合は、ローミング先のPLMNとホームPLMNとの間でLTEローミング契約が行われていないので、移動端末UEのトラッキングエリアへの位置登録処理が失敗する。交換機MMEは、「Failure Cause #15(トラッキングエリア内に適切なセルがない)」により位置登録に失敗したことを示す「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REJECT」を移動端末UEに送信する(ステップS108)。
【0064】
無線基地局eNBは、交換機MMEからの指示(図示なし)に応じて、ステップS103〜S105で設定したRRCコネクションの解放を要求する「RRC CONNECTION RELEASE」を移動端末UEに送信する(ステップS109)。なお、「RRC CONNECTION RELEASE」には、UMTSセルの移行指示が含まれている。UMTSセルへの移行指示としては、例えば、「Redirection info」が用いられる。
【0065】
移動端末UEは、無線基地局eNBからの「RRC CONNECTION RELEASE」に応じて、RRCコネクションを解放する「RRC CONNECTION RELEASE COMPLETE」を無線基地局eNBに送信する(ステップS110)。また、移動端末UEは、無線基地局eNBからの「RRC CONNECTION RELEASE」に含まれる移行指示に従って、UMTSセルに移行する。
【0066】
移動端末UEは、ステップS108における「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」の受信に応じて、LTE方式を非サポート状態にすることを決定する(ステップS111)。
【0067】
移動端末UEは、LTEサポート識別子を含まない「RRC CONNECTION REQUEST」を無線制御装置RNCに送信する(ステップS112)。無線制御装置RNCは、移動端末UEからの「RRC CONNECTION REQUEST」にLTEサポート識別子が含まれないので、RRCコネクションを設定する「RRC CONNECTION SETUP」を移動端末UEに送信する(ステップS113)。
【0068】
移動端末UEは、無線制御装置RNCからの「RRC CONNECTION SETUP」に応じて、LTE非サポート識別子及びLTE−HO非サポート識別子を含む「RRC CONNECTION SETUP COMPLETE」を送信し、無線制御装置RNCとのコネクション設定処理を完了する(ステップS114)。
【0069】
移動端末UEは、UMTSシステムでの通信を開始するために、ルーティングエリアへの位置登録を要求する「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」を交換機SGSNに送信する(ステップS115)。交換機SGSNは、移動端末UEからの「ATTACH REQUEST/ROUTING AREA UPDATE REQUEST」に応じて、加入者管理サーバHSS(図示なし)との間でルーティングエリアへの位置登録処理を行う(S116)。
【0070】
本シーケンス図では、上述のように、移動端末UEがホームPLMNに在圏する場合は、移動端末UEとホームPLMNとの間でUMTS契約が行われており、移動端末UEがローミング先のPLMNに在圏する場合は、ローミング先のPLMNとホームPLMNとの間でUMTSローミング契約が行われているので、移動端末UEのルーティングエリアへの位置登録処理が成功する。交換機SGSNは、ルーティングエリアへの位置登録の成功を通知する「ATTACH ACCEPT/ROUTING AREA UPDATE ACCEPT」を移動端末UEに送信する(ステップS117)。
【0071】
移動端末UEは、交換機SGSNからの「ATTACH ACCEPT/ROUTING AREA UPDATE ACCEPT」に応じて「ATTACH COMPLETE/ROUTING AREA UPDATE COMPLETE」を交換機SGSNに送信する(ステップS118)。移動端末UEは、ルーティングエリアへの位置登録処理を完了し、UMTSシステムでの通信を行う(ステップS119)。
【0072】
(2)サポート状態(Activated)
図10は、LTE方式をサポート状態にして通信を開始する動作を示すシーケンス図である。図10において、移動端末UEは、LTE方式を非サポート状態にされているものとする。
【0073】
移動端末UEは、PLMN選択処理が行われた場合、LTE方式をサポート状態にすることを決定する(ステップS201)。ここで、PLMN選択処理とは、UMTSセル及びLTEセルを提供するPLMNを選択する処理であり、例えば、ローミング先のPLMNから、ローミング元(ホーム)のPLMNに移行する場合などに行われる。本シーケンスにおいては、移動端末UEは、PLMN選択処理において選択されたPLMNとの間で、UMTS方式及びLTE方式の双方の通信サービスを提供するための契約が行われているものとする。
【0074】
選択されたPLMNのUMTSセルとLTEセルとの重複エリアにおいて、UMTSセルに在圏する移動端末UEは、図9のステップS101〜S105で説明したように、無線制御装置RNCからのLTEセルへの移行指示に従って、LTEセルに移行し、無線基地局eNBとのコネクション設定処理を行う(ステップS202〜S206)。
【0075】
移動端末UEは、選択されたPLMNのLTEシステムでの通信を開始するために、トラッキングエリアへの位置登録を要求する「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」を交換機MMEに送信する(ステップS207)。交換機MMEは、移動端末UEからの「ATTACH REQUEST/TRACKING AREA UPDATE REQUEST」に応じて、加入者管理サーバHSS(図示なし)との間でトラッキングエリアへの位置登録処理を行う(S208)。
【0076】
本シーケンス図では、上述のように、移動端末UEとPLMNとの間でLTE方式の通信サービスを提供するための契約が行われているので、交換機MMEは、トラッキングエリアへの位置登録処理に成功する。交換機MMEは、トラッキングエリアへの位置登録の成功を通知する「ATTACH ACCEPT/TRACKING AREA UPDATE ACCEPT」を移動端末UEに送信する(ステップS209)。
【0077】
移動端末UEは、交換機MMEからの「ATTACH ACCEPT/TRACKING AREA UPDATE ACCEPT」に応じて「ATTACH COMPLETE/TRACKING AREA UPDATE COMPLETE」を交換機MMEに送信する(ステップS210)。移動端末UEは、トラッキングエリアへの位置登録処理を完了し、LTEシステムでの通信を行う(ステップS211)。
【0078】
なお、図10のステップS201においては、移動端末UEが、PLMN選択処理が行われた場合に、LTE方式をサポート状態にすることを決定したが、移動端末UEの電源がオンに設定された場合に、LTE方式をサポート状態にすることを決定してもよい。また、移動端末UEの電源がオフに設定された場合に記憶部30に記憶されたサポート状態識別子を参照して、移動端末UEは、LTE方式をサポート状態にすることを決定してもよい。
【0079】
<作用・効果>
第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、トラッキングエリアへの位置登録に失敗したことを示す「ATTACH REJECT/TRACKING AREA UPDATE REJECT(位置登録失敗信号)」が受信された場合、LTE方式を非サポート状態にして無線制御装置RNCとのコネクション設定処理を行うので、移動端末UEは、LTE方式での通信を開始できずにUMTSセルに戻ったときにも、リダイレクション技術によりLTEセルに移行してしまうことなく、UMTS方式での通信を開始することができる。
【0080】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0081】
UE…移動端末、NB、eNB…無線基地局、RNC…無線制御装置、SGSN、MME…交換機、HSS…加入者管理サーバ、10…送受信部、20…通信制御部、30…記憶部、21…UMTSコネクション設定処理部、22…UMTS位置登録処理部、23…LTEコネクション設定処理部、24…LTE位置登録処理部、25…状態決定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方式で通信可能な第1セルと第2方式で通信可能な第2セルとの重複エリアにおいて、前記第2方式をサポートすることを示すサポート識別子を含むコネクション要求信号を前記第1方式の第1無線アクセス装置に送信することによって、前記第1セルから前記第2セルに移行するように前記第1無線アクセス装置から指示される移動端末であって、
前記第2方式の第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示す位置登録失敗信号が受信された場合、前記第2方式を非サポート状態にして前記第1無線アクセス装置とのコネクション設定処理を行うコネクション設定処理部を具備することを特徴とする移動端末。
【請求項2】
前記コネクション設定処理部は、
前記サポート識別子を含まないコネクション要求信号を前記第1無線アクセス装置に送信するとともに、
前記第1無線アクセス装置からのコネクション設定信号に応じて前記第1無線アクセス装置との間のコネクションを設定した後に、前記第2方式をサポートしないことを示す非サポート識別子と前記第1方式から前記第2方式へのシステム間ハンドオーバをサポートしないことを示すハンドオーバ非サポート識別子とを含むコネクション設定完了信号を前記第1無線アクセス装置に送信することにより、
前記第2方式を非サポート状態にして前記コネクション設定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記コネクション設定処理部は、他の公衆移動通信網(PLMN)が選択された場合、又は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記第2方式をサポート状態にして前記コネクション設定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項4】
該移動端末の電源がオフに設定される場合、前記第2方式をサポート状態とすることを示すサポート状態識別子を記憶する記憶部を更に具備し、
前記コネクション設定処理部は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記記憶部に記憶されたサポート状態識別子に応じて、前記第2方式をサポート状態にして前記コネクション設定処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項5】
前記コネクション設定処理部は、前記第1無線アクセス装置に対して前記サポート識別子を含むコネクション要求信号を送信することにより、前記第2方式をサポート状態にして前記コネクション設定処理を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の移動端末。
【請求項6】
前記位置登録失敗信号が受信された場合、前記第2方式をサポートしていることを示す関連情報を含まない位置登録要求信号を前記第1方式の交換機に送信することにより、前記第2方式を非サポート状態にして前記第1方式の第1位置登録エリアへの位置登録処理を行う位置登録処理部を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の移動端末。
【請求項7】
前記位置登録処理部は、他の公衆移動通信網(PLMN)が選択された場合、又は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記関連情報を含む位置登録要求信号を前記第1方式の交換機に送信することにより、前記第2方式をサポート状態にして前記位置登録処理を行うことを特徴とする請求項6に記載の移動端末。
【請求項8】
該移動端末の電源がオフに設定される場合、前記第2方式をサポート状態とすることを示すサポート状態識別子を記憶する記憶部を更に具備し、
前記位置登録処理部は、該移動端末の電源がオンに設定された場合、前記記憶部に記憶されたサポート状態識別子に応じて、前記関連情報を含む位置登録要求信号を前記第1方式の交換機に送信することにより、前記第2方式をサポート状態にして前記位置登録処理を行うことを特徴とする請求項7に記載の移動端末。
【請求項9】
前記位置登録失敗信号は、前記第2位置登録エリア内に適切な第2セルがないことを原因として前記第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示すことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の移動端末。
【請求項10】
第1方式で通信可能な第1セルと第2方式で通信可能な第2セルとの重複エリアにおいて、移動端末が、前記第2方式をサポートすることを示すサポート識別子を含むコネクション要求信号を前記第1方式の第1無線アクセス装置に送信することによって、前記第1無線アクセス装置が、前記第1セルから前記第2セルに移行するように前記移動端末に指示する移動通信方法であって、
前記移動端末は、前記第2方式の第2位置登録エリアへの位置登録に失敗したことを示す位置登録失敗信号が受信された場合、前記第2方式を非サポート状態にして、前記第1無線アクセス装置とのコネクション設定処理を行うことを特徴とする移動通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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