説明

移動通信システム、制御装置、基地局装置、ユーザ端末、システム制御方法、および装置制御方法

【課題】移動通信システムにおいて、データ通信のデータサイズが固定長か可変長かの設定状態が装置間で不一致となるのを防止する技術を提供する。
【解決手段】移動通信システムは、制御装置と基地局装置とを備える。制御装置と基地局装置との間のデータ通信は、固定長のデータサイズと可変長のデータサイズとで行われる。制御装置は、データ通信のデータサイズが固定長か、可変長かを示す情報を送信する。基地局装置は、制御装置から前記情報を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定長あるいは可変長のデータサイズでデータ通信を行う移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、W−CDMA移動通信のHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)の規格が標準化されている(非特許文献1参照)。HSDPAにはMAC(Medium Access Control)レイヤではMAC−hsプロトコルまたはMAC−ehsプロトコルが使用される。このHSDPAによって、RNC(Radio Network Controller)からNode−Bを介してUE(User Equipment)へ向かう下りリンクにおけるパケットによる高速データ通信が実現される。HSDPAのデータ通信では、RNC(Radio Network Controller)とNode−B(Base station)の間でフロー制御が行われる。
【0003】
このフロー制御では、Node−BがRNCに対して許容データ量を通知し、RNCは、その許容データ量以内でデータをNode−Bに送信する。その際に、Node−Bは、無線回線の容量、UEから通知された品質報告、ベアラに割り当てられている優先度、RNCとNode−Bの間の伝送路の状態などをパラメータとして考慮することにより許容データ量を決定する。許容データ量はCAPACITY ALLOCATIONと呼ばれるフレームプロトコルの制御メッセージによって通知される。
【0004】
このHSDPAのデータ通信においては通信形態として3種類のケースが想定されている。そして、RNCやNode−Bには各ケースに合わせたパラメータが設定される。
【0005】
図1は、HSDPAの各ケースにおけるパラメータの設定例を示す表である。図1を参照すると、ケース1〜3のそれぞれにおけるパラメータの設定例が示されている。ケース1は3GPPのリリース5以降で既に定義されており、ケース2、3は3GPPリリース7以降で定義される予定である。
【0006】
ケース1では、RLC(Radio Link Control)レイヤにおけるPDU(Protocol Data Unit)のサイズ(以下「RLC PDUサイズ」という)が固定長であり、かつ、MACレイヤでは、MAC−hsプロトコルが使用される。PDUは、所定のプロトコルにおける送信信号の単位である。例えば、PDUには所定のプロトコルによるヘッダとそのプロトコルにおけるデータを搭載したペイロードとが含まれる。
【0007】
MAC−hsプロトコルでは64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)およびMIMO(Multiple Input Multiple Output)が使用されない。
【0008】
ケース2では、RLC PDUサイズはケース1と同様に固定長であるが、MACレイヤではMAC−ehsプロトコルが使用される。MAC−ehsプロトコルでは、64QAMおよびMIMOの使用が可能である。また、MAC−ehsでは、Improved Layer2 in Downlinkという伝送方式が使用される。
【0009】
64QAMは、デジタル変調方式の1つであり、8種類の位相と8種類の振幅の組み合わせによって64値を表現する。MIMOは、複数のアンテナを同時に用いることにより、データ通信の帯域を拡大する無線通信技術である。Improved Layer2では、Node−Bに配置されたMAC−ehsプロトコルがユーザデータを分割する。Improved Layer2は、RLCでユーザデータを固定長に分割する伝送方式と比べて、より効率的にデータを転送することができる。
【0010】
ケース3では、RLC PDUサイズが可変長であり、かつ、MACレイヤではMAC−ehsプロトコルが使用される。この場合、Node−BはRLC PDUサイズの最大長を指定する。RNCは、Node−Bの指定した最大長以下で、RLC PDUサイズを選択することができる。フロー制御においては、Node−Bは、RLC PDUサイズの最大値を制御することが可能である。
【0011】
MAC−ehsプロトコルが導入された3GPPのリリース7のフロー制御では、3GPPのリリース5で用いられていたCAPACITY ALLOCATION TYPE1と呼ばれるフォーマットに代わって、CAPACITY ALLOCATION TYPE2と呼ばれるフォーマットが用いられる。
【0012】
CAPACITY ALLOCATION TYPE2のフレームでは、NodeBは、下記の4つの要素を制御することができる。
(1) Maximum MAC− d/c PDU Length(MAC−d PDU長)
(2) HS−DSCH Credit(HS−DSCHの送信間隔中に、送信できるMAC−d PDUの数)
(3) HS−DSCH interval(HS−DSCH Creditによって示されるMAC−d PDU数が送信される期間)
(4) HS−DSCH Repetition Period(上記の期間が何回、繰り返されるのかを示す、繰り返し数)
例えば、無線回線が輻輳してきた場合、下りデータ量を抑制するために、MAC−d/c PDU長(Maximum MAC−d/c PDU Length)を小さくしたり、HS−DSCH Creditを小さくしたりすればよい。なお、HS−DSCH(High−Speed Downlink Shared Channel)は複数のHSDPAのデータ通信に共用されるチャネルである。
【0013】
上述したように、3GPPリリース7以降で定義されるケース2およびケース3では、3GPPリリース6以前は使用できなかった64QAMおよびMIMOが使用可能となる。
【0014】
3GPPリリース7以降で定義されるケース2とケース3には、RLC PDUサイズが固定長か可変長かという違いがある。
【0015】
ケース3ではRLC PDUサイズが可変なので、フロー制御においてRLC PDUサイズの最大値を1504オクテット以下の範囲で変化させることが可能となる。そのようなフロー制御の結果として、変化する通信状況に応じて、より効率よくデータ通信を行うことが可能となる。
【0016】
一方、ケース2では、ケース1と同様にRLC PDUサイズを固定した既存かつシンプルなアルゴリズムを用いてフロー制御を行いつつ、64QAMとMIMOの利用が可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】3GPP TS 25.308 V8.2.0(2008−05); High Speed Downlink Packet Access (HSDPA); Overall description; Stage2(Release 8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
64QAMあるいはMIMOを利用するためにはMAC−ehsプロトコルを使用する必要がある。MAC−ehsプロトコルを使用した場合、RLC PDUサイズが固定長のときと、可変長のときとがあるので、RLCが動作するためにRLC PDUサイズが固定長か可変長かの設定が必要である。
【0019】
しかしながら、現状の呼制御プロトコルであるNBAPプロトコル(Node B Application Part,3GPP TS25.433)では、RNCがNodeBに対して、RLC PDUサイズが固定長であるか可変長であるかを通知することができない。図2は、NBAPプロトコルのパラメータを示す表である。この表は、3GPP TS24.433 9.2.1.31IAに示されたものである。図2を参照すると、RLC PDUサイズが固定長であるか可変長であるかの設定を通知する情報要素が無く、NBAPプロトコルによってその設定を通知することができないことが分かる。そのため、RNCとNode−Bの間で、RLC PDUサイズが固定長か可変長かの設定の状態が不一致となり得るという問題があった。
【0020】
MAC−ehsプロトコルを使用する場合、現状のNBAPは、HS−DSCH MAC−d PDU Size Format IEが“Flexible MAC−d PDU Size”であると仮定している。その結果、RNCがRLC PDUサイズを固定長と設定し、Node−BがRLC PDUサイズを可変長と設定してしまうことにより、RNCとNode−Bの間で状態の不一致となり得る。
【0021】
Node−Bは、RLC PDUサイズが可変長であると設定されていれば、フロー制御において、RNCに対して、RLC PDUサイズの変更を指示することがある。しかし、RNCは、RLC PDUサイズが固定長に設定されているので、RLC PDUサイズを変更することができない。
【0022】
例えば、Node−Bが、RNCに設定されている固定長より大きなサイズをRNCに指示した場合、本来であれば、Node−Bは固定長よりも大きなサイズのPDUを受信できる。しかし、RNCではRLC PDUサイズが固定長に設定されていれば、RNCはデータを固定長に分割してしまうことになる。その場合には帯域等のシステムリソースの利用効率が十分に上がらなくなる。
【0023】
また、例えば、Node−Bが、RNCに設定されている固定長より小さなサイズをRNCに指示した場合、RNC PDU sizeが固定長に設定されているRNCは、Node−Bへデータを送信できなくなるか、あるいはNode−Bへ制限を超えるサイズのデータを送ってしまうことになる。その場合、フロー制御やシステム動作に重大な障害が生じる。
【0024】
図3は、フロー制御の不具合を説明するための、通信形態の一例を示す表である。図4は、フロー制御の不具合が生じるシーケンスの一例を示す図である。
【0025】
図3の例では、RLC−PDUサイズが82バイトであり、MAC−ehsプロトコルが使用され、MIMOおよび64QAMが使用される。
【0026】
この場合、MAC−d PDU sizeの最大値を指定する、NBAPのMaximum MAC−d PDU Size Extended IEには82バイトが設定される。
【0027】
図4のシーケンスを参照すると、まず、RNCは、RLC−PDUサイズを固定長として設定する(ステップ901)。MAC−ehsを使用する場合には、MAC−dレイヤで論理チャネル(Logical Chanel)の多重は行われず、MAC−dヘッダは付与されない。したがって、本例では、MAC−d PDUサイズはRLC PDUサイズと等しくなる(ステップ902)。
【0028】
RNCは、NBAP:RL SETUP REQUESTメッセージを作成し(ステップ903)、NodeBに送信する(ステップ904)。このNBAP:RL SETUP REQUESTメッセージには、MAC−d PDU sizeの最大値である82バイトが設定された、Maximum MAC−d PDU Size Extended IEが含まれている。
【0029】
NodeBは、NBAP:RL SETUP REQUESTメッセージを受信することにより、MAC−d PDU sizeの最大値が82バイトであることを認識し(ステップ904)、その最大値を、64QAM、MIMO、MAC−ehsの情報と共に設定する(ステップ905)。
【0030】
HSDPA確立後にフロー制御が開始される。
【0031】
ここでは、Node−Bは、フロー制御において、無線回線の輻輳により、MAC−d PDUサイズを82バイトよりも小さくすることを決定するものとする(ステップ908)。Node−Bは、MAC−d PDU sizeの最大値を82バイトより小さな新規の値に設定すると共に(ステップ909)、その値を設定した、Maximum MAC−d PDU Size Extended IEを含む、HS−DSCH CAPACITY ALLOCATION TYPE2制御フレームをRNCに送信する(ステップ910)。本フレームは、Node−BがRNCにフロー制御の制御情報を通知するのに用いられるフレームである。フロー制御の制御情報として、MAC−d/c PDU Length、クレジット、および送信間隔がある。
【0032】
RNCは、RLC PDUサイズが固定長に設定されているため、その固定長よりも短いデータを送信することができず、データ通信が停止してしまう(ステップ911)。
【0033】
本発明の目的は、移動通信システムにおいて、データ通信のデータサイズが固定長か可変長かの設定状態が装置間で不一致となるのを防止する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記目的を達成するために、本発明の一態様による移動通信システムは、
制御装置と基地局装置とを備え、
前記制御装置と前記基地局装置との間のデータ通信が固定長のデータサイズと可変長のデータサイズとで行われ、
前記制御装置が、前記データ通信のデータサイズが固定長か、可変長かを示す情報を送信し、
前記基地局装置が、前記制御装置から前記情報を受信する。
【0035】
本発明の制御装置は、基地局装置と、固定長のデータサイズ及び可変長のデータサイズを用いて通信する通信手段と、
前記データ通信のデータサイズが固定長か可変長かを示す情報を、前記基地局装置へ送信する送信手段とを備える。
【0036】
本発明の一態様による基地局装置は、制御装置と、固定長のデータサイズ及び可変長のデータサイズを用いて通信する通信手段と、
前記データ通信のデータサイズが固定長か可変長かを示す情報を、前記制御装置から受信する受信手段とを備える。
【0037】
本発明の一態様によるシステム制御方法は、制御装置と基地局装置とを備える移動通信システムの通信制御方法であって、
前記制御装置と前記基地局装置との間のデータ通信が固定長のデータサイズと可変長のデータサイズとで行われ、
前記制御装置が、前記データ通信のデータサイズが固定長か、可変長かを示す情報を送信し、
前記基地局装置が、前記制御装置から前記情報を受信する。
【0038】
本発明の一態様による装置制御方法は、基地局装置と、固定長のデータサイズ及び可変長のデータサイズを用いて通信し、
前記データ通信のデータサイズが固定長か可変長かを示す情報を、前記基地局装置へ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】HSDPAの各ケースにおけるパラメータの設定例を示す表である。
【図2】NBAPプロトコルのパラメータを示す表である。
【図3】フロー制御の不具合を説明するための、通信形態の一例を示す表である。
【図4】フロー制御の不具合が生じるシーケンスの一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るRNC11の構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態に係るNode−B12の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施形態による移動通信システムの構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態による移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】NBAPプロトコルメッセージの概略について説明するための図である。
【図10】3GPP TS25.433の変更例を示す図である。
【図11】第3の実施形態によるHS−DSCH DATA FRAME TYPE2の一例を示す図である。
【図12】第3の実施形態による移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図13】第4の実施形態によるHS−DSCH MAC−d PDU Size Formatの定義の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明を実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態として示す無線通信システムは、3GPPによるW−CDMA移動通信システムである。
【0041】
(第1の実施形態)
図5に、第1の実施形態に係るRNC11の構成を示す。
【0042】
図5に示すように、RNC11は、基地局装置と、固定長のデータサイズ及び可変長のデータサイズを用いて通信する通信部11Aと、前記データ通信のデータサイズが固定長か可変長かを示す情報を、基地局装置(Node−B12)へ通知(送信)する送信部11Bとを有している。
【0043】
したがって、本実施形態においては、データ通信のデータサイズを固定とするか、可変とするかを示す情報(識別情報)を、RNC11からNode−B12に通知できる。
【0044】
図6に、第1の実施形態に係るNode−B12の構成を示す。
【0045】
図6に示すように、Node−B12は、データ通信のデータサイズが固定長か可変長かを示す情報を、制御装置(RNC11)から受信する受信部12Bと、制御装置と、固定長のデータサイズ及び可変長のデータサイズを用いて通信する通信部12Aとを有している。
【0046】
したがって、本実施形態においては、Node−B12が、RNC11から送信された情報(識別情報)を受信するので、データ通信の送信データサイズが固定長か可変長かの設定状態が装置間で不一致となるのを防止することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態による移動通信システムの構成を示すブロック図である。本実施形態は、図5に示した第1の実施形態に係るRNC11および図6に示したに示した第1の実施形態に係るNode−B11の構成を具体化したものである。図7を参照すると、本実施形態の移動通信システムは、RNC11およびNode−B12を有している。RNC11は、不図示のCN(Core Network)およびNode−B11と接続されており、Node−B12を制御し、不図示のUEによるユーザデータの通信を実現する。Node−B12は、無線回線でUE(不図示)と接続し、UEとRNC11の間でユーザデータを中継する。
【0048】
移動通信システムは、HSDPAによるデータ通信が可能であり、HSDPAによる下りデータの送信データサイズが固定長の場合と可変長の場合の両方に対応している。
【0049】
RNC11は、下りデータの送信データサイズを固定長とするか、可変長とするかを示す識別情報をNode−B12に通知(送信)する。この識別情報は、RNC11とNode−B12により終端される呼制御プロトコルのメッセージによって通知される。識別情報の通知に用いられるメッセージは、無線リンクを設定、変更、または追加するときに、RNC11からNode−B12に送られるメッセージである。
【0050】
Node−B12は、RNC11から通知された識別情報に基づいて動作する。例えば、Node−B12は、識別情報に基づいてデータ通信のフロー制御を行う。フロー制御では、Node−B12は通信状況に応じて複数の要素を適応的に変化させ、それらの要素をRNC11に通知する。
【0051】
RNC11は、通知された各要素による制限の範囲内で、かつ識別情報によってNode−B12へ通知した下りデータサイズの形式(下りデータの送信データサイズを固定長とするか可変長とするか)に従って、Node−B12へ下りデータを送信する。これにより下りデータのデータ量等を通信状況に応じて適切に制御することができ、輻輳などに対して適切に対処することができる。
【0052】
フロー制御の要素には、例えば、許容される送信データサイズ、許容されるデータフレームの送信間隔、または所定時間内に許容されるデータフレームの送信回数などがある。
【0053】
RNC11から通知された識別情報が、送信データサイズが固定長であることを示していれば、Node−B12は、これらの要素のうち送信データサイズを固定して、フロー制御を行う。
【0054】
本実施形態において、識別情報は、例えば1ビットの情報であってもよい。具体的には、ビットが「1」の場合、RLC PDUサイズが可変長であることを示し、「0」の場合、RLC PDUサイズが固定長であることを示す。
【0055】
本実施形態によれば、送信データサイズを固定長とするか、可変長とするかを示す識別情報をRNC11からNode−B12に通知し、Node−B12が、RNC11から通知された識別情報に基づいて動作するので、送信データサイズが固定長か可変長かの設定状態が装置間で不一致となるのを防止することができる。
【0056】
また、無線リンクを設定するときに、送信データサイズが固定長であるか可変長であるかをRNC11からNode−B12に通知すれば、Node−B12は、無線リンクを設定した直後から、RNC11と一致した認識に基づき、送信データサイズを固定したフロー制御を実施することができる。同様に、無線リンクの変更時または追加時に、送信データサイズが固定長であるか可変長であるかが通知されれば、Node−B12は、無線リンクを変更あるいは追加した直後から送信データサイズを固定したフロー制御を実施することができる。
【0057】
再び図7を参照すると、RNC11は、伝送路終端部19と、コントロールプレーンをなす呼制御部13および呼制御プロトコル処理部14と、ユーザプレーンをなす、Iuインタフェース終端部15、RLCプロトコル機能部16、MAC−dプロトコル機能部17、およびフレームプロトコル機能部18と、を有している。
【0058】
呼制御部13は、呼の制御に関する各種処理を行う。呼制御には、UEからの発信あるいはUEへの着信の際の呼の確立と、確立した呼の解放とが含まれる。また、呼制御には、UEによるHSDPA通信の確立と解放が含まれる。呼制御において、呼制御部13は、Node−B12、UE、あるいはCNとの間で呼制御メッセージを送受信する。
【0059】
呼制御プロトコル処理部14は、呼制御部13による制御の下で、Node−B12との間の呼制御プロトコルであるNBAPプロトコルのメッセージ編集および解析を行う。
【0060】
例えば、HSDPA通信を確立する時に、呼制御部13は、呼制御プロトコル処理部14経由でNode−B12とNBAPプロトコルメッセージを送受信し、MIMO、64QAM、あるいはMAC−ehsの設定を行う。
【0061】
Iuインタフェース終端部15は、CNとの間のIuインタフェースを終端する。より具体的には、Iuインタフェース終端部15は、3GPP TS25.323にて規定されているPDCP(Packet Data Convergence Protocol)や、3GPP TS25.415にて規定されているIuユーザープレーンプロトコル、3GPP TS29.060に示される、GTP−Uプロトコル機能等を実現する。
【0062】
下りの例では、Iuインタフェース終端部15は、上位のCNからIuインタフェース経由で受信した下り信号からRLC PDUを取り出してRLCプロトコル機能部16に送信する。上りの例では、Iuインタフェース終端部15は、RLCプロトコル機能部16からの上りデータをIuインタフェース経由でCNに送信する。
【0063】
RLCプロトコル機能部16は、3GPP TS25.322にて規定されるRLCの機能を実現する。RLC機能は無線リンクの制御に関する各種処理を行う機能である。RLCプロトコル機能部16は、このRLC機能により、UEの送受信するデータに対してRLCプロトコルの処理を実行する。RLCの伝送方法として3種類のモードが定義されている。1つ目は、Acknowledged Mode(以下、RLC−AMと略す)である。2つ目は、Unacknowledged Mode(RLC−UM)である。3つ目は、Transparent Mode(RLC−TM)である。
【0064】
RLC−AMモードでは、3GPPリリース6までは、RLC−PDU(Protocol Data Unit)サイズが固定長であり、ユーザデータはRLCレイヤで分割されていた。
【0065】
しかし、3GPPリリース7では、HSDPAに、Improved Layer2と呼ばれる機能が導入された。Node−B12では、MAC−hsプロトコルの代わりに、MAC−ehsプロトコルが使用されることとなった。RNC11のRLCプロトコルがデータを分割するのではなく、Node−B12のMAC−ehsプロトコルが上位データの分割(Segmentation)を実施することにより、固定長のRLC−AMに加えて、柔軟な可変長のRLC−AMデータが可能となった。可変長の場合、RNC11からは最大のRLC PDUサイズとして1503オクテットまでのデータがNode−B12に送信される。
【0066】
MAC−dプロトコル機能部17は、3GPP TS25.321にて規定されるMAC機能の1つである、MAC−dプロトコルを実現する。MAC−dプロトコルはMACレイヤのプロトコルの一部であり、MACレイヤのプロトコルの全体は、このMAC−dプロトコルとMAC−hsプロトコルまたはMAC−ehsプロトコルとで構成される。MAC−dプロトコルは、複数のRLCプロトコル機能部16からの複数の論理チャネルを多重することができる。しかし、Node−B12にてMAC−ehsが使用される場合には論理チャネルの多重は行われない。
【0067】
フレームプロトコル機能部18は、3GPP TS25.435にて規定されるHS−DSCHフレームプロトコル機能を実現する。HS−DSCHフレームプロトコルは、HSDPAに用いられるHS−DSCHのフレームの生成および分解を行うプロトコルである。RNC11のフレームプロトコル機能部18は下リのデータフレームを生成する。
【0068】
64QAMあるいはMIMOによる高速データ伝送では、フレームタイプとして、HS−DSCH DATA FRAME TYPE2が使用される。そのため、フレームプロトコル機能部18は、HS−DSCH DATA FRAME TYPE2のデータフレームを生成する。
【0069】
また、フレームプロトコル機能部18は、Node−B12のフレームプロトコル機能部23との間でフロー制御の処理を行う。
【0070】
例えば、Node−B12のフレームプロトコル機能部23は、無線回線における干渉や送信電力不足や、Iubインタフェースの伝送路上の輻輳を検出すると、HS−DSCH CAPACITY ALLOCATION TYPE2をRNC11のフレームプロトコル機能部18に送信することにより、下りデータフレームの送信を抑制するようにRNC11に指示する。
【0071】
逆に、輻輳等が緩和されると、Node−B12のフレームプロトコル機能部23は、HS−DSCH CAPACITY ALLOCATION TYPE2をRNC11のフレームプロトコル機能部18に送信することにより、下りデータフレームの送信を増やことをRNC11に許可する。
【0072】
下りデータフレームの抑制および増加の指示は、MAC−d/c PDU Length、クレジット、あるいは送信間隔を指示することにより行われる。
【0073】
RNC11のフレームプロトコル機能部18は、Node−B12のフレームプロトコル機能部23から受信したHS−DSCH CAPACITY ALLOCATION TYPE2によって通知された、MAC−d/c PDU Length、クレジット、あるいは送信間隔に従ってHS−DSCH DATA FRAME TYPE2のデータを送信する。
【0074】
伝送路終端部19は、Node−B12との間の伝送路(Iubインタフェース)上のトランスポートベアラ(Transport Bearer)に合ったフォーマットでNode−B12の伝送路終端部20との間でデータを送受信する。トランスポートベアラとしては、例えば、ATM(Asynchronous Transfer Mode)、またはIP(Internet Protocol)が用いられる。
【0075】
例えば、2つのパケットサービスが存在する場合、それぞれのパケットサービスに論理チャネルが存在する。MAC−dプロトコル機能部17では、それらの論理チャネルが多重されないので、トランスポートベアラもそれぞれのパケットサービスに対して存在することになる。
【0076】
再び図7を参照すると、Node−B12は、伝送路終端部20と、無線送受信部25と、コントロールプレーンをなすNBAPプロトコル機能部21および呼制御部22と、ユーザプレーンをなす、フレームプロトコル機能部23およびMAC−ehsプロトコル機能部24と、を有している。
【0077】
伝送路終端部20と、RNC11との間の伝送路(Iubインタフェース)を介してRNC11の伝送路終端部19と対向し、トランスポートベアラに合ったフォーマットでRNC11の伝送路終端部19との間でデータを送受信する。
【0078】
NBAPプロトコル機能部21は、呼制御部22による制御の下で、RNC11と送受信するNBAPプロトコルのメッセージ編集および解析を行う。
【0079】
呼制御部22は、呼制御に関する各種処理を行う。呼制御において、呼制御部22は、RNC11あるいはUEとの間で呼制御メッセージを送受信する。
【0080】
フレームプロトコル機能部23は、RNC11のフレームプロトコル機能部18と対向し、HS−DSCHフレームプロトコル機能を実現する。具体的には、フレームプロトコル機能部23は、HS−DSCH Frame ProtocolのHS−DSCH DATA FRAME TYPE2のデータフレームをRNC11のフレームプロトコル機能部18から受信し、フレーム中のMAC−d PDUを取り出し、MAC−ehsプロトコル機能部24に送信する。
【0081】
また、フレームプロトコル機能部23は、上述したように、RNC11のフレームプロトコル機能部18との間でフロー制御の処理を行う。
【0082】
MAC−ehsプロトコル機能部24は、RNC11からのデータを分割(Segmentation)し、無線送受信部25を介してUEに送信する。データの分割をNode−B12のMAC−ehsプロトコル機能部24が行うことにより、RNC11のRLCレベルでの非効率なパディングを避けることが可能となっている。
【0083】
無線送受信部25は、UEと無線回線で接続し、呼制御部22による呼制御メッセージや、MAC−ehsプロトコル機能部24によるユーザデータを送受信する。
【0084】
図8は、第2の実施形態による移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。本実施形態の移動通信システムでは、無線リンクが設定、変更、または追加されるとき、RLC PDUサイズが固定長なのか可変長なのかがRNC11からNode−B12へ通知される。図8には、無線リンクが設定されるときのシーケンスが例示されている。また、ここでは、RLC PDUサイズが固定長なのか可変長なのかがRNC11からNode−B12へ通知され、Node−B12がその通知に従ってフロー制御を行うまでのシステムの動作を示す。
【0085】
図8を参照すると、RLCモードがRLC−AMモードの場合、RNC11の呼制御部13は、まず、RLC PDUサイズが固定なのか可変なのかを判断する(ステップ101)。
【0086】
RLC PDUサイズが固定ならば、呼制御部13は、RLCプロトコル機能部16に対して、RLC PDUサイズが“固定長”であること示すRLCサイズ識別子を設定する(ステップ102)。次に、呼制御部13は、MAC−d PDUサイズとして、RLC PDUサイズを設定する(ステップ103)。さらに、呼制御部13は、RLCサイズ識別子を“固定長”に設定する(ステップ104)。
【0087】
一方、ステップ101の判定においてRLC PDUサイズが可変ならば、呼制御部13は、RLCプロトコル機能部16に対して、RLC PDUサイズが“可変長”であることを示すRLCサイズ識別子を設定する(ステップ105)。次に、呼制御部13は、MAC−d PDUサイズとして、RLC PDUサイズの最大値を設定する(ステップ106)。さらに、呼制御部13は、RLCサイズ識別子を“可変長”に設定する(ステップ107)。
【0088】
そして、ステップ104またはステップ107の後、呼制御プロトコル処理部14は、例えばMIMOおよび64QAMを使用する旨、MAC−d PDUサイズ、およびRLCサイズ識別子を設定したNBAPのRL SETUP REQUESTメッセージを編集し(ステップ108)、Node−B12に送信する(ステップ109)。このRLCサイズ識別子によって、RLC PDUサイズが固定長なのか可変長なのかを、RNC11からNode−B12に通知することができる。
【0089】
図9は、NBAPプロトコルメッセージの概略について説明するための図である。図9には、3GPP TS25.433 9.2.1.31IAの情報要素の表に対して、新規パラメータである、RLCサイズ識別子(RLC Size Indicator)が追加されることが示されている。このIndicatorに、RLCサイズが固定長か可変長かが設定される。
【0090】
NBAPプロトコルメッセージを受信したNode−B12の呼制御部22は、そのメッセージから、MAC−d PDUサイズを取得する(ステップ110)。呼制御部22は、さらにRLCサイズ識別子を取得し、その識別子の値をフレームプロトコル機能部23におけるフロー制御に適用する(ステップ111)。また、呼制御部22は、さらに、例えば、MAC−ehsプロトコルを使用するか旨の情報をMAC−ehsプロトコル機能部24に設定する(ステップ112)。
【0091】
フロー制御を行うフレームプロトコル機能部23は、例えば無線回線の輻輳が検出されるとフロー制御を起動する(ステップ113)。フロー制御においてフレームプロトコル機能部23は、まずRLCサイズ識別子をチェックする(ステップ114)。
【0092】
RLC PDUサイズが固定長ならば、フレームプロトコル機能部23は、MAC−d PDU Length IEを固定したまま、他のパラメータを制御する(ステップ115)。例えば、MAC−d PDU Length IEを変更せず、クレジット、送信間隔、または繰り返し周期を規制することにより、無線回線の輻輳に対処する。
【0093】
一方、ステップ114の判定でRLC PDUサイズが可変長であれば、フレームプロトコル機能部23は、MAC−d PDU Length IEを含む各種パラメータを制御する(ステップ116)。
【0094】
フレームプロトコル機能部23によるフロー制御の指示は、HS−DSCH CAPACITY ALLOCATION TYPE2メッセージによってRNC11に通知される(ステップ117)。RNC11のフレームプロトコル機能部18は、Node−B12のフレームプロトコル機能部23からの指示に従って、下りデータの送信を制御する(ステップ118)。
【0095】
なお、ここでは無線リンクが設定されるときのシーケンスを例示したため、RLCサイズ識別子は、NBAPのRL SETUP REQUESTメッセージに設定された。他の例として、無線リンクが追加されるときであれば、RCL PDUサイズ識別子は、NBAP RL ADDITION REQUESTメッセージに設定されてもよい。また、無線リンクが変更されるときであれば、NBAPのRL RECONFIGURATION PREPAREメッセージあるいはRL RECONFIGRATION REQUESTメッセージに設定されてもよい。
【0096】
本実施形態によれば、RLC PDUサイズが固定長の場合でも、RNC11とNode−B12の認識を一致させ、MAC−ehsプロトコルを用いたHSDPA通信を良好に実行することができる。その場合、フロー制御において、RLC PDUサイズを可変長にしないので、RLCプロトコル機能部16に既存の処理を流用できる。
【0097】
また、本実施形態の移動通信システムによれば、RLC−PDUサイズが固定長の場合でもMAC−ehsプロトコルを使用できるので、3GPP Release7より前のシステムと互換性が保たれる。例えば、3GPP Release7より前のNode−Bのカバーエリアから、3GPP Release7以降のNode−B12のカバーエリアにUEが移動し、Serving Cell Changeが行われる場合でも、RLC PDUサイズを固定長のままにしておくことができる。RLC処理をリセットする必要がないので、上位ユーザ(例えばUE)におけるデータの損失を低減することができる。
【0098】
なお、RLC PDUサイズの識別情報(RLC PDUサイズ識別子)は、Node−B12によってプライオリティーキュー(Priority Queue)のために用いられる。例えば、Node−B12は、この識別情報を用いてPriority Queue毎にフロー制御を実施する。この例の詳細を以下にて説明する。
【0099】
Node−B12は、RNC11から下りユーザデータを受信すると、MAC−d PDUデータの共通チャネル優先順位インジケータ(CmCH−PI)を評価し、それぞれのMAC−d PDUデータに関連するPriority QueueにMAC−d PDUデータを分配する。ここで、このCmCH−PIは、Node−B12のPriority Queueだけでなく、RLC PDUサイズの識別情報とも関連づけられている。そのため、RLC PDUサイズの識別情報は、Priority Queue毎に実施されるフロー制御における、MAC−d PDU長(Maximum MAC− d/c PDU Length)の選択に影響を与える。
【0100】
このように、Priority Queue毎のMAC−d PDU長が可変長か固定長かを選択できるため、Node−B12がPriority Queue毎に、言い換えれば、関連づけられた優先度(CmCH−PI)ごとに、フロー制御を実施できる。
【0101】
なお、CmCH−PIは、図9のNBAPで通知される、Scheduling Priority Indicatorに相当する。CmCH−PIは、RNC11で設定され、更新される。また、Priority Queueとは、RNC11からの下りユーザデータを一時的に記憶する記憶領域(バッファ)である。各Priority Queueでは、QoSの要求条件が考慮される。QoSの例としてトラフィッククラスやピークレート等がある。
【0102】
また、上記説明における、RLC PDUサイズの識別情報すなわちRLC PDUサイズフォーマットに関する3GPP TS25.433の変更例を図10に示す。
【0103】
本実施形態の上記説明においては、正常動作として、RNC11からNode−B12へ呼制御プロトコルのメッセージにより正常に識別情報が通知される場合を示した。しかしながら、実際のシステムにおいては異常動作についても考慮しておくことが好ましい。以下では、異常動作として、RNC11からNode−B12への通知に異常があった場合の動作例を示す。
【0104】
RNC11からNode−B12へ送られた、通信リンクの設定、変更、または追加を要求するメッセージに含まれる識別情報が、送信データサイズが可変長であることを示す場合において、そのメッセージが、MAC−dのPDUサイズが固定長であること示す情報要素、または、最大MAC−dのPDUサイズを示す情報要素、のいずれかを含む場合、Node−B12は、そのメッセージを正常に解釈することができない。そこでNode−B12は、通信リンクの設定、変更、または追加を拒絶するメッセージをRNC11に送信する。これにより、RNC11からの要求は拒絶され、手順は中止される。
【0105】
以下、想定される具体例について説明する。下記メッセージ1〜3を受信したNede−B12は、「Abnormal Condition」つまり、異常設定であることを検知して、RNC11からの要求を拒絶し、手順を中止する。
【0106】
1.RL SETUP REQUESTメッセージ
(1) RNCから受信する、RADIO LINK SETUP REQUESTメッセージが、RLC PDUサイズが可変長であるとセットされた、所定のpriority Queueの情報要素DL RLC PDU Size Formatを含み、情報要素HS−DSCH MAC−d PDU Size FormatがMAC−d PDUサイズが固定長である値を有する場合において、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK SETUP FAILUREメッセージをRNCに送信する。
(2) RNCから受信するRADIO LINK SETUP REQUESTメッセージが、所定のPriority Queueの情報要素Maximum MAC−d PDU Size Extendedを含まず、情報要素DL RLC PDU Size FormatがRLC PDUサイズが可変長である値を有する場合において、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶する、RADIO LINK SETUP FAILUREメッセージを送信する。
(3) RNCから受信するRADIO LINK SETUP REQUESTメッセージが、MAC−d PDUサイズが可変長であるようセットされた情報要素HS−DSCH MAC−d PDU Size Formatを含み、情報要素DL RLC PDU Size Formatを含まない場合において、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶する、RADIO LINK SETUP FAILUREメッセージを送信する。
【0107】
2.RL ADDITION REQUESTメッセージ
(1) RNCから受信するRADIO LINK ADDITION REQUESTメッセージが、RLC PDUサイズが可変長であるとセットされた、所定のpriority Queueの情報要素DL RLC PDU Size Formatと、MAC−d PDUサイズが固定長である値を有する情報要素HS−DSCH MAC−d PDU Size Formatとを含む場合において、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK ADDITION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
(2) RNCから受信するRADIO LINK ADDITION REQUESTメッセージが、所定のPriority Queueの情報要素Maximum MAC−d PDU Size Extendedを含まず、情報要素DL RLC PDU Size FormatがRLC PDUサイズが可変長である値を有する場合において、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶する、RADIO LINK ADDITION FAILUREメッセージを送信する。
(3) RNCから受信するRADIO LINK ADDITION REQUESTメッセージが、MAC−d PDUサイズが可変長であるようセットされた情報要素HS−DSCH MAC−d PDU Size Formatを含み、情報要素DL RLC PDU Size Formatを含まない場合において、基地局が、RNCからの要求手順を拒絶する、RADIO LINK ADDITION FAILUREメッセージを送信する。
【0108】
3.RL RECONFIGURATION REQUESTメッセージ
[1] 同期無線リンクの再設定において
(1) 新コンフィグレーション(new configuration)において、RLC PDUサイズが可変長であるよう設定され、かつ、Maximum MAC−d PDU Size Extendedを用いるよう設定されていない、priority queueが存在する場合、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK RECONFIGURATION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
(2) 新コンフィグレーション(new configuration)において、該当のNode B Communication Contextが、MAC−d PDUサイズが固定長であるよう設定され、RLC PDUサイズが可変長であるよう設定されたpriority queueが存在する場合、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK RECONFIGURATION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
(3) 新コンフィグレーション(new configuration)において、該当のNode B Communication Contextが、MAC−d PDUサイズが可変長であるよう設定され、所定のpriority queueの情報要素DL RLC PDU Size Formatを含まない場合、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK RECONFIGURATION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
[2]非同期無線リンクの再設定において
(1) 新コンフィグレーション(new configuration)において、RLC PDUサイズが可変長であるよう設定され、かつ、Maximum MAC−d PDU Size Extendedを用いるよう設定されていない、priority queueが存在する場合、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK RECONFIGURATION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
(2) 新コンフィグレーション(new configuration)において、該当のNode B Communication Contextが、MAC−d PDUサイズが固定長であるよう設定され、RLC PDUサイズが可変長であるよう設定されたpriority queueが存在する場合、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK RECONFIGURATION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
(3) 新コンフィグレーション(new configuration)において、該当のNode B Communication Contextが、MAC−d PDUサイズが可変長であるよう設定され、所定のpriority queueの情報要素DL RLC PDU Size Formatを含まない場合、Node−Bが、RNCからの要求手順を拒絶するRADIO LINK RECONFIGURATION FAILUREメッセージをRNCに送信する。
【0109】
ここで、Node B CommunicationContextとは、3GPPに定義された用語であり、移動機(UE)毎に管理されるデータ情報(コンテキスト)である。
【0110】
(第3の実施形態)
上述した第2の実施形態では、図8のように、RLC PDUサイズが固定長か可変長かを示すRLCサイズ識別子を、NBAPプロトコルメッセージで通知する例を示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。第3の実施形態では、TS25.435で規定されている、HS−DSCHフレームプロトコルのHS−DSCH DATA FRAME TYPE2のスペアビットを拡張し、そのビットによってRLCサイズ識別子を通知する例を示す。
【0111】
第3の実施形態による移動通信システムの基本的な構成は、図7に示した第2の実施形態によるシステムの構成と同様である。
【0112】
図11は、第3の実施形態によるHS−DSCH DATA FRAME TYPE2の一例を示す図である。図11を参照すると、第4オクテット目の最上位から2ビット目に、RLCサイズ識別子(RLC Size Indicator)が定義されている。
【0113】
図12は、第3の実施形態による移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。図12を参照すると、RNC11の呼制御部13は、まず、RLC PDUサイズが固定なのか可変なのかを判断する(ステップ201)。RLC PDUサイズが固定ならば、呼制御部13は、フレームプロトコル機能部18に対して、RLC PDUサイズが“固定長”であること示すRLCサイズ識別子を設定する(ステップ202)。一方、ステップ201の判定においてRLC PDUサイズが可変ならば、呼制御部13は、フレームプロトコル機能部18に対して、RLC PDUサイズが“可変長”であることを示すRLCサイズ識別子を設定する(ステップ202)。
【0114】
その後、RNC11のフレームプロトコル機能部18は、HS−DSCH DATA FRAME TYPE2のデータフレームを送信するとき、そのフレームの第4オクテット目の最上位から2ビット目にRLCサイズ識別子を挿入する(ステップ204)。
【0115】
HS−DSCH DATA FRAME TYPE2のデータフレームを受信したNode−B12のフレームプロトコル機能部23は、そのフレームからRLCサイズ識別子を取得し、その識別子の値をフロー制御に適用する(ステップ205)。
【0116】
フロー制御を行うフレームプロトコル機能部23は、例えば無線回線の輻輳が検出されるとフロー制御を起動する(ステップ206)。フロー制御においてフレームプロトコル機能部23は、まずRLCサイズ識別子をチェックする(ステップ207)。
【0117】
RLC PDUサイズが固定長ならば、フレームプロトコル機能部23は、MAC−d PDU Length IEを固定したまま、他のパラメータを制御する(ステップ208)。例えば、MAC−d PDU Length IEを変更せず、クレジット、送信間隔、または繰り返し周期を規制することにより、無線回線の輻輳に対処する。
【0118】
一方、ステップ114の判定でRLC PDUサイズが可変長であれば、フレームプロトコル機能部23は、MAC−d PDU Length IEを含む各種パラメータを制御する(ステップ209)。
【0119】
フレームプロトコル機能部23によるフロー制御の指示は、HS−DSCH CAPACITY ALLOCATION TYPE2メッセージによってRNC11に通知される(ステップ210)。RNC11のフレームプロトコル機能部18は、Node−B12のフレームプロトコル機能部23からの指示に従って、下りデータの送信を制御する(ステップ211)。
【0120】
以上説明したように、本実施形態によれば、RNC11は、HS−DSCH DATA FRAME TYPE2でRLC PDUサイズ識別子をNode−B12に通知し、Node−B12は、HS−DSCH DATA FRAME TYPE2を受信したとき、そのフレームによる通知に従って、RLC PDUサイズ識別子を動的に管理する。そのため、本実施形態では、RLC PDUサイズが固定長か可変長かを動的に制御することができる。
【0121】
(第4の実施形態)
上述した第2の実施形態では、図9のように、RLCサイズ識別子をHS−DSCH MAC−d flow informationに追加する例を示した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。第4の実施形態では、HS−DSCH MAC−d PDU Size Formatの新しい値として、“Fixed MAC−d PDU Size for MAC−ehs”を追加する例を示す。
【0122】
第4の実施形態による移動通信システムの基本的な構成は、図7に示した第2の実施形態によるシステムの構成と同様である。
【0123】
図13は、第4の実施形態によるHS−DSCH MAC−d PDU Size Formatの定義の一例を示す図である。図13を参照すると、HS−DSCH MAC−d PDU Size Formatの値として“Fixed MAC−d PDU Size for MAC−ehs”を設定することができる。
【0124】
3GPPでは、既に、HS−DSCH MAC−d PDU Size Formatの値として、MAC−hs用にはIndexed MAC−d PDU Sizeが用意され、MAC−ehs用にはFlexible MAC−d PDU Sizeが用意されている。本実施形態は、更に、RLC PDUサイズが固定長のMAC−ehs用に、新たに”Fixed MAC−d PDU Size for MAC−ehs”を導入するものである。
【0125】
本実施形態によれば、あるHS−DSCHトランスポートチャネルのHS−DSCH MAC−d PDU Size Formatを“Flexible MAC−d PDU Size”に設定した場合、そのHS−DSCHトランスポートチャネルの全てのMAC−d flowのRLC PDUサイズが可変長となる。
【0126】
また、あるHS−DSCHトランスポートチャネルのHS−DSCH MAC−d PDU Size Formatを“Fixed MAC−d PDU Size”に設定した場合、そのHS−DSCHトランスポートチャネルの全てのMAC−d flowのRLC PDUサイズが固定長となる。
【0127】
第2の実施形態で用いられたHS−DSCH MAC−d flow informationは、Priority Queueにマッピングされる各論理チャネルの性質を示す情報要素であった。HS−DSCH MAC−d flow informationによってRLC PDUサイズ識別子を通知することとしたため、論理チャネル毎にRLC PDUサイズが固定長であるか可変長であるかを示すことができた。つまり、RLC PDUサイズが固定長である論理チャネルと、RLC PDUサイズが可変長である論理チャネルとを混在させることができた。
【0128】
それに対して、第4の実施形態で用いられるHS−DSCH MAC−d PDU Size Formatは、HS−DSCHトランスポートチャネルの性質を指定する情報要素である。HS−DSCH MAC−d PDU Size FormatによってRLC PDUサイズが固定長か可変長かを通知することとしたため、HS−DSCHトランスポートチャネル内に、RLC PDUサイズが固定長である論理チャネルと、RLC PDUサイズが可変長である論理チャネルとの混在は許容されない。
【0129】
本実施形態によれば、RLC PDUサイズが固定長か可変長かをHS−DSCHトランスポートチャネルの単位で管理すればよいので、RNC11およびNode−B12における処理が第2の実施形態と比べて簡素化される。
【0130】
(第5の実施形態)
上述の第2〜4の実施形態では、下りの高速データ通信であるHSDPA通信におけるフロー制御を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。第5の実施形態では、上りの高速データ通信であるHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)通信を実現し、そのフロー制御を行う移動通信システムを例示する。
【0131】
3GPPリリース8では、HSUPAのためにMAC−i/MAC−isプロトコルを導入し、RLC PDUサイズを可変長にする。3GPPでは、リリース8で導入されるMAC−i/MAC−isプロトコルの他に、MAC−e/MAC−esプロトコルが定義されている。
【0132】
MAC−i/MAC−isプロトコルと、MAC−e/MAC−esプロトコルとは排他的であり、UEには、MAC−i/MAC−isプロトコルと、MAC−e/MAC−esプロトコルのいずれか一方だけが存在することになる。RLC PDUサイズを可変長にするのであれば、MAC−i/MAC−isプロトコルを使用する必要がある。
【0133】
また、RNCとUEの間のRRCプロトコルにおいては、RB Mapping Info(3GPP TS25.331)では、RLC PDUサイズが固定長であるか可変長であるかに加え、可変長の場合にはRLC PDUサイズの最小値と最大値を通知することができる。
【0134】
それに対して、RNCとNode−Bの間のNBAPプロトコルでは、RNCからNode−Bへ、MAC−d flowにマッピングされる論理チャネルのそれぞれについて、MAC−d PDUサイズの最大値(Maximum MAC−d PDU Size Extended IE)を通知できるのみである。なお、通常、MAC−dプロトコルにおいて論理チャネルの多重を行わないため、MAC−d PDUサイズはRLC PDUサイズと同じである。
【0135】
一般に、HSUPA通信のフロー制御では、Node−Bが、UEからの上りデータの送信をスケジューリングし、そのスケジューリング結果に基づいてUEに対して、そのUEに使用を許可する電力を通知する(グラント(送信許可)を与える)という方法が採られている。この制御では、UEが使用可能な電力がグラントによって示される。UEは、与えられたグラントに基づいて、上りリンクに送信できるデータ量を判断する。
【0136】
HSUPA通信において、Node−BはMAC−i/MAC−isを使用し、そのフロー制御においてRLC PDUサイズの最大値を考慮することができる。しかしながら、現状のNBAPプロトコルでは、多重される論理チャネルのRLC PDUサイズが固定長なのか可変長なのかを通知することができず、また、RLC PDUサイズが可変長の場合、RLC PDUサイズの最小値を通知することができない。そのため、Node−BとRNCおよびUEとの間でRLC PDUサイズに関する状態の不一致が起こり、Node−BからUEにグラントを適切に付与できない場合があった。
【0137】
Node−BからUEに与られたグラントが、RLC PDUサイズの固定長に相当する値よりも小さければ、UEは上りリンクにデータを送信することができない。また、RLC PDUサイズが可変長であっても、Node−BからUEに与られたグラントが、RLC PDUサイズの最小値に相当する値より小さければ、UEは、やはり、上りリンクにデータを送信することができない。
【0138】
また、制御信号(DCCH : Dedicated Control Channel)のように、RLC PDUサイズを可変長にすることによるメリットが小さいケースも存在する。そのため、パケットサービスのユーザデータのRLC PDUサイズを可変長としつつ、制御信号のRLC PDUサイズを固定長にすることが好ましい場合がある。その場合、制御信号では、RLC PDUサイズを固定長としつつ、MAC−i/MAC−isが使用されるのが好ましいが、現状のNBAPではそのような設定を通知することができない。
【0139】
そこで、本実施形態では、HSUPAを実現する移動通信システムにおいて、RNCはNode−Bに対して、RLC PDUサイズが固定長なのか可変長なのか、さらにRLC PDUサイズが可変長の場合、RLC−PDUサイズの最小値をも通知する。
【0140】
RNCから通知を受けたNode−Bは、HSUPAのフロー制御において、RLC PDUサイズが固定長なのか可変長なのかに基づく判断により、UEに付与するグラントを決定する。また、RLC PDUサイズが可変長の場合、Node−Bは、RLC PDUサイズが可変長の場合、RNCから通知されたRLC PDUサイズの最小値を考慮して、UEに対して付与するグラントを決定する。
【0141】
具体的には例えば、Node−Bは、グラントを付与されたUEがデータを送信できないということが起こらないように、RLC PDUサイズの最小値よりも大きなRLC PDUサイズのデータを送信できるだけのグラントをUEに付与する。
【0142】
本実施形態の移動通信システムは、RNC11およびNode−B12を有している点では図7に示した第2の実施形態のシステムと同様である。ただし、本実施形態は上りリンクのデータ通信に着目しているので、MAC−dプロトコル機能部17およびMAC−ehsプロトコル機能部24は不要であり、その代りにMAC−iプロトコルとMAC−isプロトコルを実現するプロトコル機能部が必要となる。
【0143】
本実施形態の移動通信システムにおけるRNC11の基本的な動作として、RNC11の呼制御部13がRLC PDUサイズが固定なのか可変なのかを判断する。呼制御プロトコル処理部14が、RLC PDUサイズが固定長か可変長か、また可変長の場合の最小値などのRLC PDUサイズに関する情報が設定されたNBAPプロトコルメッセージを編集し、Node−B12に送信する。これらの点において、本実施形態のシステムの動作は第2の実施形態のシステムの動作と同様である。
【0144】
また、Node−B12の基本的な動作として、NBAPプロトコルメッセージを受信した呼制御部22が、そのメッセージから、RLC PDUサイズに関する情報を取得し、その情報をフロー制御部がフロー制御に適用する。この点において、本実施形態のシステムの動作は第2の実施形態のシステムの動作と同様である。ただし、本実施形態におけるフロー制御は、UEから送信される上りのデータに対する制御なので、Node−B12によるフロー制御はUEに対して指示される。具体的には、フロー制御の指示は、上述したグラントの付与としてUEに通知される。
【0145】
以上、本発明の各実施形態について述べてきたが、本発明は、これらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施形態を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりしてもよい。
【0146】
この出願は、2008年8月1日に出願された日本出願特願2008−200277を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と基地局装置とユーザ端末とを備える移動通信システムであって、
前記制御装置は、RLC PDUのデータサイズが固定長か、可変長かを示すサイズフォーマット情報を、RADIO LINK SETUP REQUESTメッセージに含めて送信し、
前記基地局装置は、前記制御装置から前記RADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを受信し、
前記ユーザ端末は、前記基地局装置を介して、前記制御装置と通信する、移動通信システム。
【請求項2】
前記基地局装置は、少なくとも1つのキューを有しており、
前記サイズフォーマット情報が前記キューのために用いられる、請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記サイズフォーマット情報と前記キューとが関連づけられる、請求項2に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記基地局装置は、前記サイズフォーマット情報に基づいて、前記データ通信のフロー制御を行う、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記基地局装置は、前記サイズフォーマット情報と、最大MAC−dのPDUサイズを示す情報要素とに基づいて、前記制御装置に対して、RADIO LINK SETUP FAILUREメッセージを送信する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記フロー制御の要素には、許容されるデータフレームの送信間隔、または所定時間内に許容される前記データフレームの送信回数が含まれる、請求項4に記載の移動通信システム。
【請求項7】
前記データ通信はHSDPAであり、
前記フロー制御において制御される要素には、Maximum MAC− d/c PDU Lengthを含む、請求項4に記載の移動通信システム。
【請求項8】
前記フロー制御において制御される要素には、HS−DSCH Credit、HS−DSCH interval、HS−DSCH Repetition Periodのうち少なくとも1つが含まれる、請求項4に記載の移動通信システム。
【請求項9】
前記サイズフォーマット情報には、前記データサイズが可変長の場合、前記データサイズの最小値が含まれており、
前記基地局装置は、前記データサイズが可変長の場合、前記データサイズの最小値のデータを送信できる分以上の送信許可を前記ユーザ端末に与える、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の移動通信システム。
【請求項10】
移動通信システムの制御装置であって、
RLC PDUのデータサイズが固定長か可変長かを示すサイズフォーマット情報を含む、RADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを、前記基地局装置へ送信する送信手段と、を備える、制御装置。
【請求項11】
前記サイズフォーマット情報が、前記基地局装置の少なくとも1つのキューのために用いられる、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記サイズフォーマット情報と前記キューとが関連づけられる、請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御装置は、前記基地局装置が、前記サイズフォーマット情報と最大MAC−dのPDUサイズを示す情報要素とに基づいて送信する、RADIO LINK SETUP FAILUREメッセージを受信する、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項14】
移動通信システムの基地局装置であって、
RLC PDUのデータサイズが固定長か可変長かを示すサイズフォーマット情報を含むRADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを、制御装置から受信する受信手段と、を備える、基地局装置。
【請求項15】
少なくとも1つのキューを有しており、
前記サイズフォーマット情報が前記キューのために用いられる、請求項14に記載の基地局装置。
【請求項16】
前記サイズフォーマット情報と前記キューとが関連づけられる、請求項15に記載の基地局装置。
【請求項17】
前記サイズフォーマット情報に基づいて前記データ通信のフロー制御を行う、請求項14から16のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項18】
前記サイズフォーマット情報と、最大MAC−dのPDUサイズを示す情報要素とに基づいて、前記制御装置に対して、RADIO LINK SETUP FAILUREメッセージを送信する、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項19】
前記フロー制御の要素には、許容されるデータフレームの送信間隔、または所定時間内に許容される前記データフレームの送信回数が含まれる、請求項17に記載の基地局装置。
【請求項20】
前記データ通信はHSDPAであり、
前記フロー制御において制御される要素には、Maximum MAC− d/c PDU Lengthを含む、請求項17に記載の基地局装置。
【請求項21】
前記フロー制御において制御される要素には、HS−DSCH Credit、HS−DSCH interval、HS−DSCH Repetition Periodのうち少なくとも1つが含まれる、請求項17に記載の基地局装置。
【請求項22】
制御装置と基地局装置とユーザ端末とを備える移動通信システムの通信制御方法であって、
RLC PDUのデータサイズが固定長か、可変長かを示すサイズフォーマット情報を含むRADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを送信し、
前記基地局装置が、前記制御装置から前記RADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを受信し、
前記ユーザ端末が、前記基地局装置を介して、前記制御装置と通信する、移動通信システムの通信制御方法。
【請求項23】
RLC PDUのデータサイズが固定長か可変長かを示すサイズフォーマット情報を含むRADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを、基地局装置へ送信する、装置制御方法。
【請求項24】
制御装置と基地局装置とを有する移動通信システムにおけるユーザ端末であって、
前記制御装置から、RLC PDUのデータサイズが固定長か可変長かを示すサイズフォーマット情報を含むRADIO LINK SETUP REQUESTメッセージを受信する、前記基地局装置と通信する通信手段を有し、
前記通信手段は、前記制御装置から送信されたデータを、前記基地局装置を介して受信する、ユーザ端末。
【請求項25】
前記サイズフォーマット情報は、前記基地局装置が有するキューのために用いられる、請求項24に記載のユーザ端末。
【請求項26】
前記基地局装置は、前記サイズフォーマット情報に基づいて、前記データ通信のフロー制御を行う、請求項24または25に記載のユーザ端末。
【請求項27】
前記基地局装置は、前記サイズフォーマット情報と、最大MAC−dのPDUサイズを示す情報要素とに基づいて、前記制御装置に対して、RADIO LINK SETUP FAILUREメッセージを送信する、請求項24乃至26のいずれか一項に記載のユーザ端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−9376(P2013−9376A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155408(P2012−155408)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【分割の表示】特願2010−522648(P2010−522648)の分割
【原出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】