説明

移動通信端末及び充電システム

【課題】 移動通信端末が備える電池の充電中の劣化を防ぐ。
【解決手段】 移動通信端末10は、移動体通信機能を実行する移動体通信部11と、移動体通信部11が機能するための電気を供給する電池108と、電池108が充電可能なように充電器20と接続して、当該充電器20から前記電池108の充電を行う充電部12と、充電部12による充電器20との接続、又は充電部12による充電を検出して、自端末10を電源オフする電源オフ部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能な電池を備える移動通信端末、及び当該移動通信端末を含む充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機等の小型のポータブルデバイスである携帯端末に対して、非接触インターフェースが用いられて充電を行うことができることが知られている(例えば、特許文献1参照)。現在、非接触充電の国際的な標準仕様が策定されている。その中では電磁誘導方式での非接触充電時の、充電器(充電するための置き台)と携帯端末との間での充電開始前の認証や充電時の電力制御方法、及び充電器や携帯端末のデザインが規定されており、本仕様に基づき商品化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−30299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話機のように通信を行う移動通信端末は、ユーザが使用していないときであっても電源がオンされている場合、放置しているだけで電池が消費される。特に圏外状態では、移動通信端末はセルサーチし続けるため、通常の待受時よりも電池を数十倍消費し、短時間の放置でも電池内の電気が無くなる。充電器に移動通信端末が接続されている場合、電源オン時の電池の消費が大きいと、電池の消費と充電が自動で繰り返されるため、長時間放置していると電池自体の劣化を引き起こす。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、移動通信端末が備える電池の充電中の劣化を防ぐことができる移動通信端末及び充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る移動通信端末は、移動体通信機能を実行する移動体通信手段と、移動体通信手段が機能するための電気を供給する電池と、電池が充電可能なように充電器と接続して、当該充電器から電池の充電を行う充電手段と、充電手段による充電器との接続、又は充電手段による充電を検出して、自端末を電源オフする電源オフ手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る充電システムは、上記の移動通信端末と、充電器とを含んで構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明では、移動通信端末が充電器から充電しえる状態、あるいは実際に充電が行なわれる状態となった場合に、移動通信端末の電源を自動的にオフにすることができる。従って、移動通信端末が圏外状態であった場合であってもセルサーチ等で電池が消費されることがない。これにより、本発明によれば、移動通信端末が充電器に接続されていても電池の消費と充電の繰り返しが起きず電池の劣化を防ぐことができる。
【0009】
電源オフ手段は、充電手段により接続された充電器から当該充電器の種類を示す第1の種類情報を取得して、当該第1の種類情報に応じて自端末を電源オフすることが望ましい。
【0010】
また、充電システムは、上記の移動通信端末と、充電器とを含んで構成される充電システムであって、充電器は、接続された移動通信端末に第1の種類情報を送信する第1の種類情報送信手段を備える、ことを特徴とする。
【0011】
これらの構成によれば、移動通信端末が圏外となる場所、あるいは映画館やコンサート会場等の移動通信端末を電源オフとすべき場所等に設けられる充電器に移動通信端末が接続されたときのみに移動通信端末の電源を自動的にオフにすることができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0012】
移動通信端末は、電源オフ手段により電源オフがされた後、充電手段による充電器との接続が切断されたことを検出して、自端末を電源オンする電源オン手段を更に備えることが望ましい。この構成によれば、電池の消費と充電の繰り返しによる電池の劣化のおそれが無くなった際に移動通信端末の電源を自動的にオンできる。これにより、ユーザが手動で電源を入れなくても済み、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
移動通信端末は、電源オフ手段により電源オフがされた後、設定された時間後に自端末を電源オンする電源オン手段を更に備えることが望ましい。この構成によれば、ユーザが設定した適切なタイミングで移動通信端末の電源を自動的にオンできる。これにより、ユーザが手動で電源を入れなくても済み、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
電源オン手段は、充電手段により接続された充電器から当該充電器の種類を示す第2の種類情報を取得して、当該第2の種類情報に応じて自端末を電源オンすることが望ましい。
【0015】
また、充電システムは、上記の移動通信端末と、充電器とを含んで構成される充電システムであって、充電器は、接続された移動通信端末に第2の種類情報を送信する第2の種類情報送信手段を備える、ことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、充電後にユーザが移動通信端末を利用しないことが多い充電器を用いて充電した場合等に電池の消費を防止することができる。
【0017】
充電手段は、充電器と非接触方式によって接続して電池の充電を行うことが望ましい。この構成によれば、非接触充電の場合であっても本発明を実施することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、移動通信端末が充電器から充電しえる状態となった場合、あるいは実際に充電が行なわれる状態に、移動通信端末の電源を自動的にオンにすることができ、移動通信端末が圏外状態であった場合であってもセルサーチ等で電池が消費されることがない。これにより、本発明によれば、移動通信端末が充電器に接続されていても電池の消費と充電の繰り返しが起きず電池の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信端末の機能構成、及び当該移動通信端末を含む充電システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る移動通信端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る充電器のハードウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る充電システムで充電時に実行される処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る充電システムで充電時に実行される別の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る移動通信端末の電源オンに係る処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る移動通信端末の電源オンに係る別の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る移動通信端末の電源オンに係る更に別の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面と共に本発明に係る移動通信端末及び充電システムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1に本実施形態に係る移動通信端末10、及び当該移動通信端末10と充電器20とを含んで構成される充電システム1を示す。移動通信端末10は、ユーザによって携帯(所持)され移動体通信機能を備えている装置である。移動通信端末10は、充電可能な電池(バッテリ)を備えており、当該電池の電力によって動作する。移動通信端末10の電池は、充電器20によって充電される。本発明は、移動通信端末10の充電に係るものである。本実施形態では、移動通信端末10の電池の充電は、より詳細には後述するように非接触方式(電磁誘導方式)によって行われる。
【0022】
図2に移動通信端末10のハードウェア構成を示す。図2に示すように、移動通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(RandomAccess Memory)102及びROM103(Read Only Memory)、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106、アンテナ107等のハードウェアにより構成されている。また、移動通信端末10は、上記のハードウェアに加えて、電池108及びコイル109等のハードウェアを備えている。電池108は、移動通信端末10を機能するための電力を供給するための充電可能な電池であり、具体的には例えば、リチウムイオン二次電池等の種類のものである。コイル109は、充電器20からの電力を電磁誘導方式により受け取るため等のものである。なお、上記のハードウェア自体は、従来の移動通信端末と同様のものを用いることができる。これらの構成要素が動作することにより、後述する移動通信端末10の各機能が発揮される。
【0023】
図3に充電器20のハードウェア構成を示す。図3に示すように、充電器20は、CPU201、主記憶装置であるRAM202及びROM103、操作部204、電源部205、コイル206等のハードウェアにより構成されている。電源部205は、移動通信端末10に供給するための電力、及び充電器20を機能させるための電源となるものであり、例えば、電源コンセントに差し込むプラグあるいは乾電池等によって構成させる。コイル206は、電磁誘導方式により電力を移動通信端末10に送信するため等のものである。また、充電器20は、従来の充電器と同様に移動通信端末10が充電可能なよう(互いのコイル109,206が充電可能な位置関係となるように)に位置決めされて置かれることが可能な置き台を備えている。なお、上記のハードウェア自体は、従来の充電器と同様のものを用いることができる。これらの構成要素が動作することにより、後述する充電器20の各機能が発揮される。
【0024】
引き続いて、移動通信端末10及び充電器20の本発明に係る機能について説明する。図1に示すように、移動通信端末10は、移動体通信部11と、電池108と、充電部12と、電源オフ部13と、電源オン部14とを備えて構成される。
【0025】
移動体通信部11は、移動体通信機能を実行する移動体通信手段である。具体的には、移動体通信部11は、ユーザの操作に応じて基地局等と無線通信を行い、音声データやパケットデータの送受信を行う。移動体通信部11は、電池108から供給される電力が供給によって動作する。
【0026】
また、移動通信端末10は電源のオンオフがなされ、移動体通信部11には、電源オンの場合のみに電力が供給される。電源オフの場合には、移動体通信部11への電力の供給を禁止される。電源のオンオフは、ユーザによる移動通信端末10が備える電源ボタンの押下等の操作によって行われる他、後述するように本発明の機能に係る電源オフ部13及び電源オン部14によっても行われる。
【0027】
電池108は、移動体通信部11が機能するための電気を供給する電池である。電池108は、移動体通信部11が動作することによって消費される。また、上述したように、電池108は、移動通信端末10が充電器20に接続されて充電器20から充電される。
【0028】
充電部12は、電池108が充電可能なように充電器20と接続して、当該充電器20から電池の充電を行う充電手段である。充電部12は、充電用のコイル109を含んで構成され、充電器20と非接触方式によって接続して電池108の充電を行う。具体的には、充電部12は、コイル109により、充電器20側からの磁界変化から充電用の電流を取り出す。上記の充電器20との接続とは、充電器20との間で充電用の電力の送受信が可能となることをいう。
【0029】
また、充電部12は、電池108に電力を入力する電力制御や、充電器20との間で、充電器20側での認証や電力制御に使用する情報等の送受信を行う。これらの情報は、必要に応じて変調される。また、充電部12は、充電器20のコイル206を検出して充電器20との接続を検出することが可能である。コイルの検出は、具体的には、移動通信端末10が備える共振回路が用いられて、規定の周波数の共振によって行われる。これらの機能は、従来の移動通信端末が有する充電に係る機能と同様の機能である。
【0030】
また、充電部12は、必要に応じて電源オフ部13及び電源オン部14に情報を出力する。
【0031】
電源オフ部13は、充電部12による充電器20との接続、又は充電部12による充電を検出して、自端末10を電源オフする電源オフ手段である。具体的には、電源オフ部13は、充電部12を監視しておき、充電部12が電池108への充電を開始したら電源オフする。あるいは、充電部12が充電器20と接続して、電池108への充電をしえる状態となった場合に電源オフすることとしてもよい。電源オフが行われると、ユーザによる操作によって電源オフとなる場合と同様に移動体通信部11への電力の供給を禁止される。
【0032】
また、電源オフ部13は、充電部12により接続された充電器20から当該充電器20の種類を示す第1の種類情報を取得して、当該第1の種類情報に応じて自端末10を電源オフする構成としてもよい。即ち、電源オフ部13は、充電器20に応じて選択的に自端末10を電源オフすることとしてもよい。ここで、第1の種類情報は、例えば、充電時に移動通信端末10を電源オフする充電器20であることを示す情報と、充電時に移動通信端末10を電源オフしない充電器20であることを示す情報との2種類の情報である。これらの情報の何れかが第1の種類情報として、充電器20に設定されており、充電開始時等の所定のタイミングで充電器20から移動通信端末10に送信される。移動通信端末10では、電源オフ部13が、充電部12を介して第1の種類情報を受信する。
【0033】
電源オフ部13は、受信した第1の受信情報が充電時に移動通信端末10を電源オフする充電器20であることを示す情報であった場合、自端末10を電源オフする処理を行う。電源オフ部13は、受信した第1の受信情報が充電時に移動通信端末10を電源オフしない充電器20であることを示す情報であった場合、自端末10を電源オフする処理を行わない(特段の処理を行わない)。
【0034】
第1の種類情報が、充電時に移動通信端末10を電源オフする充電器20であることを示す情報に設定される充電器20は、移動通信端末10の通信エリア外(圏外)の場所に設けられている充電器20とすることが望ましい。また、電源オフすることが望ましい場所、例えば、映画館やコンサート会場においても上記の設定とすることが望ましい。
【0035】
また、第1の種類情報は、個々の充電器20を特定する情報(例えば、充電器20のID等)であってもよい。その場合、電源オフ部13は、個々の充電器20を特定する情報毎に充電時に移動通信端末10を電源オフするか否かの情報を予め記憶しておき、その情報に基づいて自端末10を電源オフするか否かを判断することとしてもよい。即ち、電源オフ部13は、受信した第1の受信情報に対応して、充電時に移動通信端末10を電源オフするという情報を記憶していた場合には、自端末10を電源オフする処理を行う。電源オフ部13は、受信した第1の受信情報に対応して、充電時に移動通信端末10を電源オフしない情報を記憶していた場合には、自端末10を電源オフする処理を行わない(特段の処理を行わない)。
【0036】
電源オン部14は、電源オフ部13により電源オフがされた後、所定のタイミングで自端末10を電源オンする電源オン手段である。なお、電源オン部14は、必ずしも移動通信端末10に備えられていなくてもよい任意的な構成要素である。また、電源オン部14は、電源オフ部13により電源オフがされると電源オフ部13からその旨が通知される。また、電源オン部14は、自端末10が電源オフされている状態で機能する構成であることから、例えば、電池108以外の移動通信端末10が備える補助電池によって動作させることが望ましい。
【0037】
電源オン部14は、電源オフ部13により電源オフがされた後、充電部12による充電器20との接続が切断されたことを検出して、自端末10を電源オンする。具体的には、電源オン部14は、充電部12による充電器20のコイル206の検出状態を監視しておき、充電器20のコイル206が検出されなくなったタイミングで自端末10を電源オンする。
【0038】
また、電源オン部14は、電源オフ部13により電源オフがされた後、設定された時間後に自端末10を電源オンすることとしてもよい。設定される時間は、予めユーザ等によって設定され電源オン部14に記憶されている。具体的には、電源オン部14は、電源オフ部13により自端末10が電源オフされるとタイマによる計時を開始し、タイマが満了したら(設定された時間が経過したら)、電源オンする。
【0039】
また、電源オン部14は、タイマの満了時に充電部12によって充電器20と接続されていない、即ち、充電部12により充電器20のコイル206が検出されていないことを確認してから、電源オンすることとしてもよい。即ち、タイマの満了時にコイル206が検出されていない場合のみに電源オンする。タイマの満了時にコイル206が検出された場合には、電源オン部14は、再度、タイマによる計時を開始し、タイマが再度満了したら電源オンする。
【0040】
更に、電源オン部14は、充電部12により接続された充電器20から当該充電器20の種類を示す第2の種類情報を取得して、当該第2の種類情報に応じて自端末10を電源オンする構成としてもよい。即ち、電源オン部14は、充電器20に応じて選択的に自端末10を電源オンすることとしてもよい。ここで、第2の種類情報は、例えば、移動通信端末10を電源オンする充電器20であることを示す情報と、移動通信端末10を電源オンしない充電器20であることを示す情報との2種類の情報である。これらの情報の何れかが第2の種類情報として、充電器20に設定されており、充電開始時等の所定のタイミングで充電器20から移動通信端末10に送信される。移動通信端末10では、電源オン部14が、充電部12を介して第2の種類情報を受信する。
【0041】
電源オン部14は、受信した第2の受信情報が移動通信端末10を電源オンする充電器20であることを示す情報であった場合、上記のように自端末10を電源オンする処理を行う。電源オン部14は、受信した第2の受信情報が移動通信端末10を電源オンしない充電器20であることを示す情報であった場合、自端末10を電源オンする処理を行わない(特段の処理を行わない)。
【0042】
第2の種類情報が、移動通信端末10を電源オンする充電器20であることを示す情報に設定される充電器20は、充電器20から取り外した際にユーザがすぐに移動通信端末を利用する場所に設けられている充電器20とすることが望ましい。また、例えば、映画館やコンサート会場において、本発明の機能により強制的に電源オフされた場所においても上記の設定とすることが望ましい。その一方で、第2の種類情報が、移動通信端末10を電源オンしない充電器20であることを示す情報に設定される充電器20は、充電器20から取り外した際にユーザがすぐに移動通信端末を利用しない場所に設けられている充電器20とすることが望ましい。
【0043】
また、第2の種類情報は、個々の充電器20を特定する情報(例えば、充電器20のID等)であってもよい。その場合、電源オン部14は、個々の充電器20を特定する情報毎に移動通信端末10を電源オンするか否かの情報を予め記憶しておき、その情報に基づいて自端末10を電源オンするか否かを判断することとしてもよい。即ち、電源オン部14は、受信した第2の受信情報に対応して、移動通信端末10を電源オンするという情報を記憶していた場合には、自端末10を電源オンする処理を行う。電源オン部14は、受信した第2の受信情報に対応して、移動通信端末10を電源オンしない情報を記憶していた場合には、自端末10を電源オンする処理を行わない(特段の処理を行わない)。以上が、移動通信端末10の本発明に係る機能である。
【0044】
図1に示すように、充電器20は、充電器側充電部21と、送信部22とを備えて構成される。
【0045】
充電器側充電部21は、移動通信端末10と接続して、当該移動通信端末10に、当該移動通信端末10が備える電池を充電するための電力を送信する充電器側の充電手段である。具体的には、充電器側充電部21は、電源部205から供給される電力によってコイル206に交流電流を流すことで、当該移動通信端末10側のコイル109に誘導電流を起こさせる。また、充電器側充電部21は、充電を行う前に適切に充電が行われるように、移動通信端末10のコイル109と充電器20のコイル206との位置あわせを行う。位置合わせは、例えば、コイル206を物理的に動かしたり、複数のコイル206のうち充電可能なコイル206を選択したりすることで行われる。なお、コイルの位置合わせは、従来の充電システムと同様に行われる。また、コイルの位置合わせは、移動通信端末10側で行われてもよい。
【0046】
また、充電器側充電部21は、接続された移動通信端末10との間で、充電器20側での認証や電力制御に使用する情報等の送受信を行う。更に、充電器側充電部21は、移動通信端末10から受信した情報の復調や、当該情報を用いた移動通信端末10の認証、コイル206に流す電流制御や変調等を行う。これらの機能は、従来の充電器が有する充電に係る機能と同様の機能である。
【0047】
送信部22は、本発明に係る機能に利用される情報を、充電器側充電部21を介して、接続された移動通信端末10に送信する手段である。具体的には、送信部22は、接続された移動通信端末10に、充電器20自身に係る第1の種類情報を送信する第1の種類情報送信手段である。あるいは、送信部22は、接続された移動通信端末10に、充電器20自身に係る第2の種類情報を送信する第2の種類情報送信手段である。送信される第1の種類情報及び第2の種類情報は、予め充電器20の管理者等によって設定されて送信部22に記憶されている。なお、この設定は、充電器20に設けられる機械的なスイッチで行われてもよいし、ソフトウェアによって行われてもよい。このように種類情報を設定可能にすることで、1台の充電器20で複数の動作を移動通信端末10側にさせることができる。以上が、充電器20の本発明に係る機能である。
【0048】
引き続いて、図4〜図8のフローチャートを用いて、本実施形態に係る充電システム1で実行される処理を説明する。本説明では、移動通信端末10の電源オフを行う場合と電源オンを行う場合とに分けて説明する。また、それぞれの場合で充電システム1の機能毎に説明する。まず、図4のフローチャートを用いて、電源オフを行う場合について説明する。本処理では、移動通信端末10が電源オン状態で開始される。
【0049】
まず、移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれる(S10)。これは、移動通信端末10のユーザによって、電池108の充電を行うために行われる。移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれると、充電器20では充電器側充電部21によって、移動通信端末10のコイル109の検出が行われる(S11)。続いて、移動通信端末10のコイル109と充電器20のコイル206との位置合わせが行われる(S12)。
【0050】
続いて、移動通信端末10では、充電部12によって、充電開始のための認証情報が生成されて充電器20に送信される(S13)。充電器20では、充電器側充電部21によって、送信された情報が受信されて、受信された情報に基づいて認証が実施される(S14)。認証によって移動通信端末10の充電が可能であると判断されると、充電が開始される(S15)。具体的には、充電器20のコイル206に充電用の交流電流が流される。
【0051】
移動通信端末10では、充電部12によって、充電器20側からの磁界変化から充電用の電流が取り出されて、電池108の充電が行われる。電池108の充電が開始されると、電源オフ部13によって充電が検出される(S16)。充電が検出されると、電源オフ部13によって移動通信端末10が電源オフされる(S17)。移動通信端末10では、電源オフされると移動体通信部11への電力の供給が禁止されて移動体通信機能が停止しセルサーチも行われない。以上が、電源オフを行う場合の処理である。
【0052】
図4で説明した処理では、移動通信端末10において、充電が検出されると一律に電源オフとする態様であった。引き続いて、図5のフローチャートを用いて、充電器20に設定された第1種類情報に応じて、選択的に電源オフとする態様について説明する。本処理では、移動通信端末10が電源オン状態で開始される。
【0053】
まず、S10と同様に、移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれる(S20)。移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれると、S11と同様に、充電器20では充電器側充電部21によって、移動通信端末10のコイル109の検出が行われる(S21)。続いてS12と同様に、移動通信端末10のコイル109と充電器20のコイル206との位置合わせが行われる(S22)。
【0054】
続いてS23と同様に、移動通信端末10では、充電部12によって、充電開始のための認証情報が生成されて充電器20に送信される(S23)。充電器20ではS24と同様に、充電器側充電部21によって、送信された情報が受信されて、受信された情報に基づいて認証が実施される(S24)。
【0055】
続いて、充電器20では、送信部22によって充電器側充電部21を介して、第1種類情報が移動通信端末10に送信される(S25)。移動通信端末10では、充電部12を介して電源オフ部13によって、充電器20から送信された第1種類情報が受信され記憶される(S26)。また、S24における認証によって移動通信端末10の充電が可能であると判断されると、S15と同様に充電が開始される(S27)。
【0056】
移動通信端末10では、充電部12によって、充電器20側からの磁界変化から充電用の電流が取り出されて、電池108の充電が行われる。電池108の充電が開始されると、電源オフ部13によって充電が検出される(S28)。充電が検出されると続いて、S26において受信された第1受信情報が、充電時に移動通信端末10を電源オフする充電器20であることを示す情報であるか否かが、電源オフ部13によって判断される(S29)。
【0057】
第1受信情報が、充電時に移動通信端末10を電源オフする充電器20であることを示す情報であると判断されると、電源オフ部13によって移動通信端末10が電源オフされる(S30)。第1受信情報が、充電時に移動通信端末10を電源オフする充電器20であることを示す情報でない(第1受信情報が、充電時に移動通信端末10を電源オフしない充電器20であることを示す情報である)と判断されると、電源オフは行われない。選択的に電源オフとする態様の処理である。
【0058】
引き続いて、図4又は図5に示されるフローによって移動通信端末10が電源オフとされた後、図6〜図8のフローチャートを用いて移動通信端末10が電源オンされる処理について説明する。まず、図6を用いて、移動通信端末10が充電器20から取り出されることをトリガとして電源オンされる態様について説明する。本処理では、図4又は図5に示されるフローによって移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれており電源オフとなった状態で開始される。
【0059】
まず、移動通信端末10が充電器20の置き台から取り出される(S40)。これは、移動通信端末10のユーザによって移動通信端末10を携帯するために行われる。
【0060】
移動通信端末10が充電器20の置き台から取り出されたことによって、移動通信端末10と充電器20とが物理的に離れた状態となり、移動通信端末10の充電部12と充電器20との接続が切断される。即ち、充電部12による充電器20のコイル206の検出状態が、不検出の状態となる。移動通信端末10では、電源オン部14によって、充電器20のコイル206の当該不検出が検知される(S41)。このように、充電器20のコイル206が検出されなくなると、電源オン部14によって自端末10が電源オンされる(S42)。以上が、移動通信端末10が充電器20から取り出されることをトリガとして電源オンされる態様の処理である。
【0061】
引き続いて、図7を用いて、本発明の機能によって移動通信端末10が電源オフとされた後、設定された時間が経過したことをトリガとして電源オンされる態様について説明する。
【0062】
本処理では、まず、移動通信端末10が電源オン状態から、図4又は図5に示されるフローによって移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれて電源オフとなる(S50)。この後、図4又は図5に示されるフローと同様に充電器20と移動通信端末10との間では、移動通信端末10の電池108の充電が実施される(図示せず)。移動通信端末10では、電源オフになると電源オン部14によってタイマによる計時が開始される(S51)。設定された時間が経過すると、タイマが満了する(S52)。なお、タイマの満了までにユーザの操作等、本発明に係る機能以外で移動通信端末10の電源がオンされた場合には、電源オン部14による電源オンの機能は停止される。
【0063】
タイマが満了すると、電源オン部14によって、充電部12と充電器20との接続が確認される(S53)。即ち、充電部12により充電器20のコイル206が検出されているかいないかが確認される。
【0064】
ここで、タイマが満了するまでに、移動通信端末10が充電器20の置き台から取り出されていなければ、移動通信端末10は充電器20の置き台に置かれたままになっている。その場合、従って、充電部12により充電器20のコイル206が検出されている。コイル206が検出されている場合(S54のYES)は、電源オン部14によって上記のタイマがリセットされる(S55)。続いて、再度、電源オン部14によってタイマによる計時が開始され、以降の処理が繰り返し行われる(S51〜S54)。
【0065】
S51からS52のタイマの満了までに、移動通信端末10が充電器20の置き台から取り出されていれば、移動通信端末10と充電器20とが物理的に離れた状態となる。その場合、S53の時点では、移動通信端末10の充電部12と充電器20との接続が切断されており、充電部12により充電器20のコイル206が検出されない。コイル206が検出されない場合(S54のNO)は、電源オン部14によって自端末10が電源オンされる(S56)。
【0066】
なお、上述の処理では、S53においてコイル206の検出の確認を行って、当該確認の結果に応じて移動通信端末10を電源オンにしているが、S53においてコイル206の検出の確認を行わず、設定された時間が経過した場合に一律に電源オンすることとしてもよい。以上が、設定された時間が経過したことをトリガとして電源オンされる態様の処理である。
【0067】
引き続いて、図8のフローチャートを用いて、本発明の機能によって移動通信端末10が電源オフとされた後、充電器20に設定された第2種類情報に応じて選択的に電源オンとする態様について説明する。
【0068】
本処理では、まず、移動通信端末10が電源オン状態から、図4又は図5に示されるフローによって移動通信端末10が充電器20の置き台に置かれて電源オフとなる(S61)。この電源オフの処理の際に、充電器20では、送信部22によって充電器側充電部21を介して、第2種類情報が移動通信端末10に送信される。移動通信端末10では、充電部12を介して電源オン部14によって、充電器20から送信された第2種類情報が受信され記憶される(S60)。第2種類情報の送受信のタイミングは、例えば、図5に示す第1種類情報の送受信のタイミングと同様のものにすることができる。
【0069】
移動通信端末10が電源オフとなった後、図4又は図5に示されるフローと同様に充電器20と移動通信端末10との間では、移動通信端末10の電池108の充電が実施される(図示せず)。その後、図6に示されるフローチャートのS40と同様に移動通信端末10が充電器20の置き台から取り出される(S62)。
【0070】
移動通信端末10が充電器20の置き台から取り出されたことによって、移動通信端末10と充電器20とが物理的に離れた状態となり、移動通信端末10の充電部12と充電器20との接続が切断される。即ち、充電部12による充電器20のコイル206の検出状態が、不検出の状態となる。移動通信端末10では、電源オン部14によって、充電器20のコイル206の当該不検出が検知される(S63)。
【0071】
移動通信端末10においてコイル206が不検出となると、続いて、S60において受信された第2受信情報が、移動通信端末10を電源オンする充電器20であるであることを示す情報であるか否かが、電源オン部14によって判断される(S64)。
【0072】
第2受信情報が、移動通信端末10を電源オンする充電器20であるであることを示す情報であると判断されると、電源オン部14によって移動通信端末10が電源オンされる(S65)。第2受信情報が、移動通信端末10を電源オンする充電器20であることを示す情報でない(第1受信情報が、移動通信端末10を電源オンしない充電器20であることを示す情報である)と判断されると、電源オンは行われない。以上が、充電器20に設定された第2種類情報に応じて選択的に電源オンとする態様の処理である。
【0073】
なお、上記の第2種類情報に応じて選択的に電源オンとする処理は、図6に示されるフローチャートのように、移動通信端末10が充電器20から取り出されることをトリガとして電源オンされる態様を基にしている。しかしながら、図7に示されるフローチャートのように、設定された時間が経過したことをトリガとして電源オンされる態様を基にしてもよい。
【0074】
また、上述した処理は、第2受信情報に基づく電源オンを行うか否かの判断については、電源オフを行うタイミングで行っていたが必ずしもこのタイミングで行う必要はない。例えば、第2種類情報を受信したタイミング等の自端末10が電源オフされる前のタイミングで行うこととしてもよい。
【0075】
上述したように、本実施形態では、移動通信端末10が充電器20から充電しえる状態、あるいは実際に充電が行なわれる状態となった場合に、移動通信端末10の電源を自動的にオフにすることができる。従って、移動通信端末10が圏外状態であった場合であってもセルサーチ等で電池108が消費されることがない。これにより、本実施形態によれば、移動通信端末10が充電器20に接続されていても電池108の消費と充電の繰り返しが起きず電池の劣化を防ぐことができる。
【0076】
また、上述した実施形態で説明したように、充電器20に設定される第1種類情報に基づいて選択的に移動通信端末10の電源オフを行うこととしてもよい。この構成によれば、移動通信端末10が圏外となる場所、あるいは映画館やコンサート会場等の移動通信端末を電源オフとすべき場所等に設けられる充電器20に移動通信端末10が接続されたときのみに移動通信端末10の電源を自動的にオフにすることができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。但し、選択的な電源オフは必ずしも行われる必要はなく、どの充電器20に対しても一律に電源オフが行われてもよい。
【0077】
また、上述した実施形態で説明したように、自動的に電源オフが行われた後、充電器20との接続が切断された場合に移動通信端末10を電源オンすることが望ましい。この構成によれば、電池108の消費と充電の繰り返しによる電池の劣化のおそれが無くなった際に移動通信端末10の電源を自動的にオンできる。これにより、ユーザが手動で電源を入れなくても済み、ユーザの利便性を向上させることができる。例えば、映画館やコンサート会場等を出た後で、手動で移動通信端末10を電源オンする必要がない。なお、電源オンは必ずしも行われる必要はない。
【0078】
あるいは、上述した実施形態で説明したように、自動的に電源オフが行われた後、設定した時間後に移動通信端末10を電源オンすることとしてもよい。この構成によっても、ユーザが手動で電源を入れなくても済み、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0079】
また、上述した実施形態で説明したように、充電器20に設定される第2種類情報に基づいて選択的に移動通信端末10の電源オンを行うこととしてもよい。この構成によれば、充電後にユーザが移動通信端末10を利用しないことが多い充電器20を用いて充電した場合等には、移動通信端末10の電源をオフにしたままにすることができる。従って、ユーザが移動通信端末10を利用しない場合に電源オンされていることによる電池108の消費を防止することができる。但し、選択的な電源オンは必ずしも行われる必要はなく、どの充電器20に対しても一律に電源オンが行われてもよい。
【0080】
なお、上述した実施形態では、充電器20が情報処理を行う構成となっているが必ずしも充電器には情報処理を行う構成となっていなくてもよい。即ち、機械的に移動通信端末10に充電をする構成となっていてもよい。
【0081】
また、本実施形態では電池108の充電を、非接触方式によって行うこととしていたが、必ずしも非接触方式でなくてもよい。例えば、移動通信端末10と充電器20とが、ケーブルや接点で接触して接続して充電を行う方式に本発明を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…充電システム、10…移動通信端末、11…移動体通信部、12…充電部、13…電源オフ部、14…電源オン部、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、107…アンテナ、108…電池、109…コイル、20…充電器、21…充電器側充電部、22…送信部、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…操作部、205…電源部、206…コイル。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信機能を実行する移動体通信手段と、
前記移動体通信手段が機能するための電気を供給する電池と、
前記電池が充電可能なように充電器と接続して、当該充電器から前記電池の充電を行う充電手段と、
前記充電手段による前記充電器との前記接続、又は前記充電手段による前記充電を検出して、自端末を電源オフする電源オフ手段と、
を備える移動通信端末。
【請求項2】
前記電源オフ手段は、前記充電手段により接続された前記充電器から当該充電器の種類を示す第1の種類情報を取得して、当該第1の種類情報に応じて自端末を電源オフする請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記電源オフ手段により電源オフがされた後、前記充電手段による前記充電器との接続が切断されたことを検出して、自端末を電源オンする電源オン手段を更に備える請求項1又は2に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記電源オフ手段により電源オフがされた後、設定された時間後に自端末を電源オンする電源オン手段を更に備える請求項1又は2に記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記電源オン手段は、前記充電手段により接続された前記充電器から当該充電器の種類を示す第2の種類情報を取得して、当該第2の種類情報に応じて自端末を電源オンする請求項3又は4に記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記充電手段は、前記充電器と非接触方式によって接続して前記電池の充電を行う請求項1〜5の何れか一項に記載の移動通信端末。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の移動通信端末と、前記充電器とを含んで構成される充電システム。
【請求項8】
請求項2に記載の移動通信端末と、前記充電器とを含んで構成される充電システムであって、
前記充電器は、前記充電器自身に係る前記第1の種類情報を記憶しており、接続された移動通信端末に当該第1の種類情報を送信する第1の種類情報送信手段を備える、充電システム。
【請求項9】
請求項5に記載の移動通信端末と、前記充電器とを含んで構成される充電システムであって、
前記充電器は、前記充電器自身に係る前記第2の種類情報を記憶しており、接続された移動通信端末に前記第2の種類情報を送信する第2の種類情報送信手段を備える、充電システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−257044(P2012−257044A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128371(P2011−128371)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】