説明

移動通信端末機の映像信号処理装置及び方法

【課題】端末機に2つのカメラモジュールが装着された場合、各カメラモジュールを制御するための回路の設計を簡素化できる移動通信端末機の映像信号処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】移動通信端末機の映像信号処理装置は、被写体を撮影する第1及び第2のカメラモジュール100、101と、使用者が選択した撮影モードによって、スイッチ制御信号と前記第1及び第2のカメラモジュール100、101を制御するための制御信号を出力し、映像信号をデジタル信号に処理するデジタル信号処理部102と、前記デジタル信号処理部102の制御信号を前記第1及び第2のカメラモジュール100、101に分配し、前記デジタル信号処理部102のスイッチ制御信号によって、前記第1及び第2のカメラモジュール100、101で撮影された映像信号を前記デジタル信号処理部102に選択して出力するスイッチモジュール104とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末機に関し、特に、デュアルカメラ付き移動通信端末機における映像信号処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術の発達と消費者の欲求の増大につれて多様な機能を有する移動通信端末機が市販されているが、近来、カメラ付き移動通信端末機が爆発的な人気を集めている。
【0003】
図3は、従来のカメラ付き移動通信端末機を示す図である。
【0004】
図3に示すように、カメラモジュール10は、移動通信端末機のヒンジ部に装着され、図示していないが、上側筐体12に装着することもできる。カメラモジュール10のレンズは、端末機を開いた状態では撮影する被写体に向き、つまみ11の回動によって前後に移動する。従って、使用者は、端末機のカメラ撮影機能を選択した後、つまみ11を利用してレンズが撮影する被写体に向くようにして撮影動作を行う。
【0005】
図4は、カメラ撮影時のカメラモジュール10とデジタル信号処理部(Digital
Signal Processor;以下、DSPと称する)13間の信号の流れを示す。図4において、カメラモジュール10とDSP13間の信号ライン(データライン及び制御ライン)は、フレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit Board;以下、FPCBと称す)を介して接続される。前記FPCBは、厚さ10μmの薄い絶縁フィルム(ポリイミド(PI))上に銅箔を貼り付けた回路基板であって、通常、材質が薄くて曲がりやすい特性のため、高機能端末機の基板又はコネクタとして主に使用されている。
【0006】
従って、使用者が撮影動作を開始すると、DSP13から出力された制御信号がFPCBの制御ラインを介してカメラモジュール10に入力され、カメラモジュール10は、該当制御信号によって被写体を撮影した後、撮影した映像データを前記FPCBのデータラインを介してDSP13に伝送する。次に、DSP13は、前記伝送された映像データをデジタルフォーマットのイメージデータに変換した後、必要に応じて保存及び伝送する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来の移動通信端末機は、1つのカメラモジュールのみを装着しているため、カメラモジュールとDSP間の信号線及び信号の制御が複雑でないが、今後、テレビ電話や使用者の要求により1つの端末機に2つのカメラが装着される場合、回路の設計及び制御が複雑になる。
【0008】
例えば、折り畳み型端末機(端末機の上側筐体)に2つのカメラモジュール、即ち、撮影用カメラモジュール(カメラモジュール1)とテレビ電話用カメラモジュール(カメラモジュール2)が装着される場合を仮定する。図5に示すように、2つのカメラモジュールが装着される場合、カメラモジュールとDSP間の信号線及びコネクタピンの数は、図4に示す1つのカメラモジュールが装着される場合に比べて2倍程度必要であり、制御方法もさらに複雑になる。特に、前記信号線が形成されるFPCBは、部品が高価であるため、前記信号線及びコネクタピンの数が増加するとパターンの数が増加して、生産コストもそれだけ増加する。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、2つのカメラモジュールを装着する場合に適した、高効率及び低コストの信号線の設計及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明による移動通信端末機の映像信号処理装置は、被写体を撮影する第1及び第2のカメラモジュールと、前記第1及び第2のカメラモジュールの各動作を制御し、前記第1及び第2のカメラモジュールで撮影された映像信号を処理するデジタル信号処理部と、前記デジタル信号処理部から入力された制御信号を前記第1及び第2のカメラモジュールに分配し、前記第1及び第2のカメラモジュールで撮影された映像信号を前記デジタル信号処理部に選択して出力するスイッチモジュール(スイッチチップ)とを含む。
【0011】
上記の目的を達成するために、第1のカメラモジュールと、前記第1のカメラモジュールの動作を制御し前記第1のカメラモジュールで撮影された映像信号を処理して制御部に出力するデジタル信号処理部とを含む移動通信端末機において、本発明による移動通信端末機の映像信号処理方法は、第2のカメラモジュールが装着されると、前記第1のカメラモジュールと前記デジタル信号処理部間の信号ラインをスイッチチップを介して接続し、前記スイッチチップを利用して前記第1及び第2のカメラモジュールを制御するための制御信号を分配し、前記第1及び第2のカメラモジュールで撮影された映像信号を前記デジタル信号処理部に選択して出力することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記スイッチチップはFPCB上に位置する。
【0013】
好ましくは、前記第1のカメラモジュールは端末機の外部方向(使用者の反対側)の被写体を撮影するために使用され、前記第2のカメラモジュールは端末機の内部方向(使用者側)の被写体を撮影するために使用される。
【0014】
好ましくは、前記第1のカメラモジュールは一般カメラモードで動作し、前記第2のカメラモジュールはテレビ電話モードで動作する。
【0015】
好ましくは、前記第1及び第2のカメラモジュールが、両方とも一般カメラモード/テレビ電話モードで動作する。
【0016】
好ましくは、使用者が前記一般カメラモード/テレビ電話モードのうち一般カメラモードを選択すると、前記第1のカメラモジュールが自動で選択され、さらにその状態から前記第1又は第2のカメラモジュールを選択して撮影動作を行う。
【0017】
好ましくは、使用者が前記一般カメラモード/テレビ電話モードのうちテレビ電話モードを選択すると、前記第2のカメラモジュールが自動で選択され、さらにその状態から前記第1又は第2のカメラモジュールを選択して撮影動作を行う。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
【0019】
(項目1) 被写体を撮影する複数のカメラモジュールと、
撮影モードによってスイッチ制御信号と前記複数のカメラモジュールを制御するための制御信号を出力し、映像信号をデジタル信号に処理するデジタル信号処理部と、
前記スイッチ制御信号によって、前記複数のカメラモジュールで撮影された映像信号を前記デジタル信号処理部に選択して出力するスイッチモジュールと、
を含むことを特徴とする移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0020】
(項目2) 使用者が選択した撮影モードによって前記デジタル信号処理部を制御し、前記デジタル信号処理部から入力されたデジタル映像信号を処理する制御部をさらに含むことを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0021】
(項目3) 前記撮影モードが、一般カメラモード及びテレビ電話モードであることを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0022】
(項目4) 第1のカメラモジュールが端末機の外部方向の被写体を撮影するために使用され、第2のカメラモジュールが端末機の内部方向の被写体を撮影するために使用されることを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0023】
(項目5) 第1のカメラモジュールが一般カメラモードで動作し、第2のカメラモジュールがテレビ電話モードで動作することを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0024】
(項目6) 第1及び第2のカメラモジュールが、両方とも一般カメラモード/テレビ電話モードで動作することを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0025】
(項目7) 使用者が前記一般カメラモード/テレビ電話モードのうち一般カメラモードを選択すると、前記第1のカメラモジュールが自動で選択され、さらにその状態から前記第1又は第2のカメラモジュールを選択して撮影動作を行うことを特徴とする項目6に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0026】
(項目8) 使用者が前記一般カメラモード/テレビ電話モードのうちテレビ電話モードを選択すると、前記第2のカメラモジュールが自動で選択され、さらにその状態から前記第1又は第2のカメラモジュールを選択して撮影動作を行うことを特徴とする項目6に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0027】
(項目9) 前記スイッチモジュールがフレキシブルプリント基板上に位置することを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0028】
(項目10) 前記撮影された映像信号が静止画像又は動画像であることを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0029】
(項目11) 前記スイッチモジュールが、前記スイッチ制御信号によって、第1及び第2のカメラモジュールで撮影された映像信号を前記デジタル信号処理部に選択して出力するスイッチで構成されることを特徴とする項目1に記載の移動通信端末機の映像信号処理装置。
【0030】
(項目12) 複数のカメラモジュールを備えた移動通信端末機において、
撮影モードの選択によって前記複数のカメラモジュールを制御するための制御信号を出力する段階と、
前記制御信号を前記複数のカメラモジュールに分配する段階と、
前記制御信号によって前記複数のカメラモジュールで撮影された映像信号を選択して出力する段階と、
を含むことを特徴とする移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0031】
(項目13) 前記制御信号が、前記複数のカメラモジュールのいずれか1つを選択する制御信号であることを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0032】
(項目14) 前記制御信号が、前記複数のカメラモジュールで撮影された映像信号のいずれか1つを出力するためのスイッチモジュールを制御するためのスイッチモジュール制御信号であることを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0033】
(項目15) 前記撮影モードが、一般カメラモード及びテレビ電話モードのいずれか1つであることを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0034】
(項目16) 第1のカメラモジュールが端末機の外部方向の被写体を撮影するために使用され、第2のカメラモジュールが端末機の内部方向の被写体を撮影するために使用されることを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0035】
(項目17) 第1のカメラモジュールが一般カメラモードで動作し、第2のカメラモジュールがテレビ電話モードで動作することを特徴とする項目12に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0036】
(項目18) 複数のカメラモジュールを備えた移動通信端末機において、
使用者が1つの撮影モードを選択すると、制御信号と第1のスイッチ制御信号を出力する段階と、
前記制御信号を第1及び第2のカメラモジュールに分配し、前記第1のスイッチ制御信号によって前記第1又は第2のカメラモジュールで撮影された第1の映像信号を出力する段階と、
前記撮影モードで使用者が再び前記第1及び第2のカメラモジュールのいずれか1つを選択すると、第2のスイッチ制御信号を出力する段階と、
前記第2のスイッチ制御信号によって前記第1又は第2のカメラモジュールで撮影された第2の映像信号を出力する段階と、
を含むことを特徴とする移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0037】
(項目19) 前記1つの撮影モードが、一般カメラモード及びテレビ電話モードのいずれか1つであることを特徴とする項目18に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0038】
(項目20) 前記第1及び第2のカメラモジュールが、両方とも一般カメラモード/テレビ電話モードで動作することを特徴とする項目18に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0039】
(項目21) 使用者が前記一般カメラモード/テレビ電話モードのうち一般カメラモードを選択すると、前記第1のカメラモジュールが自動で選択され、さらにその状態から前記第1又は第2のカメラモジュールを選択して撮影動作を行うことを特徴とする項目20に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0040】
(項目22) 使用者が前記一般カメラモード/テレビ電話モードのうちテレビ電話モードを選択すると、前記第2のカメラモジュールが自動で選択され、さらにその状態から前記第1又は第2のカメラモジュールを選択して撮影動作を行うことを特徴とする項目20に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0041】
(項目23) 前記第1及び第2のスイッチ制御信号が、同一に又は異なるように設定されることを特徴とする項目18に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【0042】
(項目24) 前記第1の映像信号が静止画像信号又は動画像信号であり、前記第2の映像信号が静止画像信号であることを特徴とする項目18に記載の移動通信端末機の映像信号処理方法。
【発明の効果】
【0043】
本発明による移動通信端末機の映像信号処理装置及び方法においては、2つのカメラモジュールが装着された場合、各カメラモジュールをFPCB上の1つのスイッチモジュールを介してDSPに接続することにより、各カメラモジュールを制御するための回路の設計を簡素化して生産コストを削減できるという効果がある。特に、このような接続構造は、制御信号又は映像信号の送受信に要求される信号線の数を大幅に減らし、データの送受信時、信号線から発生し得るノイズを抑制するので、製品の信頼性を大幅に向上できるという効果がある。
【0044】
また、本発明は、テレビ電話モードでも端末機の内部又は外部方向の被写体を撮影して保存及び伝送することができ、一般カメラモードでも端末機の内部又は外部方向の被写体を撮影して保存及び伝送することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、図面を参照して、本発明による移動通信端末機の映像信号処理装置及び方法の好ましい実施形態を説明する。
【0046】
本発明は、2つのカメラモジュールが装着された移動通信端末機を提案し、特に、2つのカメラモジュールが装着された場合、1つのカメラモジュールが装着された場合と同様の手間で制御できる回路の設計及び制御方法を提案する。
例えば、2つのカメラモジュールを装着する場合、各カメラモジュールの信号線は、コネクタとFPCBを介してDSPに接続される。この場合、本発明においては、1つのカメラモジュールを適用する際と同数の信号線をコネクタとFPCBを介してDSPに接続し、前記FPCB上に位置したスイッチチップを利用して制御信号を2つのカメラモジュールにそれぞれ分配することにより、1つのカメラモジュールを使用した際と同様の方法で2つのカメラモジュールを制御する。
【0047】
このような本発明による回路の設計を行う場合は、相対的にピン数の少ないコネクタを使用することができ、少ない数のパターンを使用することによりFPCBのコストを削減することができ、何よりも、技術的実現が容易であるという利点がある。
【0048】
図1は、本発明によるデュアルカメラ付き移動通信端末機の映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【0049】
図1に示すように、本発明による移動通信端末機の映像信号処理装置は、第1及び第2のカメラモジュール100、101と、DSP102と、各種の制御動作を行う制御部103と、第1及び第2のカメラモジュール100、101とDSP102の間に位置し、制御部103の制御信号を第1及び第2のカメラモジュール100、101にスイッチングし、第1及び第2のカメラモジュール100、101で撮影された映像信号をDSP102にスイッチングするスイッチモジュール104と、キー入力部106と、撮影された映像及び端末機の各種動作を表示する表示部105と、映像データを送受信する通信モジュール107とを含む。
【0050】
第1及び第2のカメラモジュール100、101は、特定撮影モードで個別に使用できるカメラモジュールであり、それぞれ異なる方向の被写体を撮影するために使用される。例えば、第1のカメラモジュール100は、端末機の外部方向の被写体を撮影するために使用され、第2のカメラモジュール101は、端末機の内部方向の被写体を撮影するために使用される。
【0051】
好ましくは、第1及び第2のカメラモジュール100、101は、異なる撮影モード又は同じ撮影モードで使用することができる。例えば、第1のカメラモジュール100は一般カメラモードで、第2のカメラモジュール101はテレビ電話モードで動作するようにしてもよく、第1及び第2のカメラモジュール100、101が両方とも一般カメラモード/テレビ電話モードで動作するようにしてもよい。
【0052】
DSP102は、制御部103から出力された制御信号を第1及び第2のカメラモジュール100、101に伝送し、スイッチモジュール104を介して各カメラモジュール100、101から受信した映像信号をイメージデータに変換して制御部103に出力する。
【0053】
図2は、第1及び第2のカメラモジュール100、101、スイッチモジュール104、DSP102間の信号線の接続関係を示す図である。
【0054】
図2に示すように、スイッチモジュール104は、DSP102から出力されたスイッチ制御信号によって、第1及び第2のカメラモジュール100、101で撮影された各映像信号をDSP102にスイッチングするスイッチ50を含み、スイッチ50を中心とする信号線はFPCBを利用して接続される。従って、1つ以上のカメラモジュールが装着された場合、スイッチモジュール104とDSP102間に接続される信号線の数を1つのカメラモジュールを使用する場合と同様に維持することにより、信号線の増加によるコスト及びノイズの増加を減らすことができる。
【0055】
以下、このように構成されたデュアルカメラ付き移動通信端末機において、本発明による映像信号処理方法の第1実施形態を説明する。
【0056】
本発明による移動通信端末機の映像信号処理方法の第1実施形態は、第1のカメラモジュールは一般カメラモードで使用され、第2のカメラモジュールはテレビ電話モードで使用される場合を示す。
【0057】
まず、電源が供給されると、移動通信端末機は、ネックワークと基地局登録を行った後、待機状態となる。待機状態で使用者が被写体を撮影するためにキー入力部106により一般カメラモードを選択すると、制御部103は、使用者によるキーの入力を認識し、DSP102に制御信号を出力する。好ましくは、前記一般カメラモードは、第1のカメラモジュール100で被写体を撮影する撮影メニュー、撮影されたデータを編集する編集メニュー、撮影して保存されるか又は編集されたイメージデータを他の機器(例えば、端末機)に伝送する伝送メニューなどで構成される。本発明においては、使用者が撮影メニューを選択した場合を例に説明する。
【0058】
制御部103から制御信号が入力されると、DSP102は、制御ラインを介して第1のカメラモジュール100に動作制御信号CAM_DSP_CLK、CAM_RST、12_SCL、12_SDAを出力すると共に、スイッチモジュール104にスイッチ制御信号を出力して、第1のカメラモジュール100を選択する。
【0059】
その後、使用者が第1のカメラモジュール100を移動させて端末機の内部又は外部の被写体に向けて前記被写体を撮影すると、撮影された映像信号は、スイッチモジュール104を介してDSP102に出力される。
【0060】
次に、DSP102は、該当映像信号をイメージデータに変換して制御部103に出力し、制御部103は、DSP102からのイメージデータを表示部105に表示すると共にメモリ(図示せず)に保存する。もし、使用者が前記撮影された映像を伝送しようとする場合、制御部103は、メモリに保存されたイメージデータを読み出して通信モジュール107に出力する。
【0061】
これに対し、使用者がキー入力部106を操作してテレビ電話モードを選択すると、制御部103は、これを認識してDSP102に制御信号を出力する。DSP102は、制御部103の制御信号によって第2のカメラモジュール101に動作制御信号CAM_DSP_CLK、CAM_RST、12_SCL、12_SDAを出力すると共に、スイッチモジュール104にスイッチ制御信号を出力して、第2のカメラモジュール101を選択する。
【0062】
その後、使用者がテレビ電話を開始すると、第2のカメラモジュール101で撮影された動画像信号がスイッチモジュール104のスイッチ50を介してDSP102に出力され、DSP102は、該当動画像をイメージデータに変換して制御部103に出力する。また、前記動画像の入力中にマイクから入力された音声信号は、DSP102によりデジタル信号に変換され、デジタル信号に変換された映像及び音声信号は、通信モジュール107により相手の端末機に伝送される。
【0063】
前述したように、本発明による移動通信端末機の映像信号処理方法の第1実施形態は、2つのカメラモジュールが異なる通話モードで使用される場合に適用される。しかしながら、本発明は、2つのカメラモジュールが両方とも同じ通話モードで使用される場合にも有効な映像信号処理方法を提供することができる。
【0064】
即ち、第1及び第2のカメラモジュール100、101は、両方とも一般カメラモード/テレビ電話モードで使用することができる。この場合、第1及び第2のカメラモジュール100、101は、それぞれ異なる方向の被写体を撮影するために使用される。例えば、第1のカメラモジュール100は、端末機の外部方向の被写体を撮影するために使用され、第2のカメラモジュール101は、端末機の内部方向の被写体を撮影するために使用される。
【0065】
従って、使用者が一般カメラモードを選択すると、第2のカメラモジュール101が自動で選択され、テレビ電話モードを選択すると、第1のカメラモジュール100が自動で選択される。この状態で使用者は、再び第1及び第2のカメラモジュール100、101を適宜選択して、テレビ電話モードで外部映像撮影を、又は一般カメラモードでセルフ撮影などを行うことができる。
【0066】
以下、本発明による移動通信端末機の映像信号処理方法の第2実施形態を説明する。
【0067】
使用者が一般カメラモードを選択すると、制御部103は、使用者によるキーの入力を認識してDSP102に制御信号を出力し、DSP102は、制御ラインを介して第1のカメラモジュール100に動作制御信号CAM_DSP_CLK、CAM_RST、12_SCL、12_SDAを出力し、スイッチモジュール104にスイッチ制御信号を出力する。これにより、使用者が一般カメラモードを選択すると、第1のカメラモジュール100が自動で選択される。
【0068】
この状態で使用者は、第1のカメラモジュール100を利用して端末機の外部方向の被写体を撮影するか、又は第2のカメラモジュール101を利用して端末機の内部方向の被写体を撮影して保存及び伝送することができる。例えば、使用者が内部方向の被写体(自分の姿)を撮影するために第2のカメラモジュール101を選択すると、DSP102は、制御部103の制御によってスイッチモジュール104に新しいスイッチ制御信号を出力することにより、一般通話モードでも、第2のカメラモジュール101で撮影された映像信号がスイッチモジュール104及びDSP102を通して制御部102に入力されるようにする。
【0069】
次に、制御部103は、DSP102から入力されたイメージデータを表示部105に表示すると共にメモリ(図示せず)に保存する。もし、使用者が前記撮影された映像を伝送しようとする場合、制御部103は、メモリに保存されたイメージデータを読み出して通信モジュール107に出力する。
【0070】
これに対し、使用者がテレビ電話モードを選択すると、制御部103は、使用者によるキーの入力を認識してDSP102に制御信号を出力し、DSP102は、制御ラインを介して第2のカメラモジュール101に動作制御信号CAM_DSP_CLK、CAM_RST、12_SCL、12_SDAを出力すると共に、スイッチモジュール104にスイッチ制御信号を出力する。このように、使用者がテレビ電話モードを選択すると、第2のカメラモジュール101が自動で選択される。
【0071】
この状態で使用者は、第2のカメラモジュール101を利用して端末機の内部方向の被写体を撮影するか、又は第1のカメラモジュール100を利用して端末機の外部方向の被写体を撮影して保存及び伝送することができる。例えば、使用者が端末機の外部方向の被写体を撮影するために第1のカメラモジュール100を選択すると、DSP102は、制御部103の制御によってスイッチモジュール104に新しいスイッチ制御信号を出力することにより、テレビ電話モードでも、第1のカメラモジュール100で撮影された映像信号がスイッチモジュール104及びDSP102を通して制御部102に入力されるようにする。
【0072】
次に、制御部103は、DSP102から入力されたイメージデータを表示部105に表示すると共にメモリに保存する。もし、使用者が前記撮影された映像を伝送しようとする場合、制御部103は、メモリに保存されたイメージデータを読み出して通信モジュール107に出力する。
【0073】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【0074】
端末機に2つのカメラモジュールが装着された場合、各カメラモジュールを制御するための回路の設計を簡素化できる移動通信端末機の映像信号処理装置及び方法を提供する。
【0075】
移動通信端末機の映像信号処理装置は、被写体を撮影する第1及び第2のカメラモジュール100、101と、使用者が選択した撮影モードによって、スイッチ制御信号と前記第1及び第2のカメラモジュール100、101を制御するための制御信号を出力し、映像信号をデジタル信号に処理するデジタル信号処理部102と、前記デジタル信号処理部102の制御信号を前記第1及び第2のカメラモジュール100、101に分配し、前記デジタル信号処理部102のスイッチ制御信号によって、前記第1及び第2のカメラモジュール100、101で撮影された映像信号を前記デジタル信号処理部102に選択して出力するスイッチモジュール104とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明によるデュアルカメラ付き移動通信端末機の映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】デュアルカメラモジュールとDSP間の信号線及び信号の流れを示す図である。
【図3】1つのカメラモジュールが装着された従来の移動通信端末機を示す図である。
【図4】従来の1つのカメラモジュールとDSP間の信号線及び信号の流れを示す図である。
【図5】従来の2つのカメラモジュールとDSP間の信号線及び信号の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0077】
50 スイッチ
100 第1のカメラモジュール
101 第2のカメラモジュール
102 DSP(Digital Signal Processor)
103 制御部
104 スイッチモジュール
105 表示部
106 キー入力部
107 通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末機の映像信号処理装置であって、
該装置は、
該移動通信端末機の外部方向において1つ以上の被写体を撮影することを可能にするように該移動通信端末機の裏面に装着された第1のカメラモジュールと、
該移動通信端末機の内部方向において1つ以上の被写体を撮影することを可能にするように該移動通信端末機の表面に装着された第2のカメラモジュールと
を備え、
該第1のカメラモジュールおよび該第2のカメラモジュールの各々は、異なる方向において該1つ以上の被写体を撮影するために、使用者により選択された撮影モードに基づいて作動され、
該撮影モードは、一般カメラモードまたはテレビ電話モードのうちの1つであり、
該撮影モードが該一般カメラモードである場合に、該第1のカメラモジュールおよび該第2のカメラモジュールが作動され得る、装置。
【請求項2】
前記第1のカメラモジュールによる前記1つ以上の撮影された被写体と、前記第2のカメラモジュールによる前記1つ以上の撮影された被写体とは、同一または異なる被写体に対する異なる画像である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記撮影モードは、撮影メニューと、編集メニューと、伝送メニューとのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のカメラモジュールが高解像度カメラであり、前記第2のカメラモジュールが低解像度カメラであるか、または、
該第1のカメラモジュールが低解像度カメラであり、該第2のカメラモジュールが高解像度カメラである、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のカメラモジュールおよび前記第2のカメラモジュールは、前記1つ以上の被写体の1つ以上の静止画像を取得するために、および/または該1つ以上の被写体の1つ以上の動画像を記録するために、用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の静止画像は、前記一般カメラモードにおいて取得され、前記1つ以上の動画像は、前記テレビ電話モードにおいて記録される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のカメラモジュールは、前記1つ以上の被写体を横長モードにおいて撮影するために用いられ、前記第2のカメラモジュールは、該1つ以上の被写体を縦長モードにおいて撮影するために用いられる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のカメラモジュールと前記第2のカメラモジュールとのうちの少なくとも1つは、前記使用者により選択された前記撮影モードに従って自動的に作動される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記テレビ電話モードが前記使用者の入力により選択された場合に、自動的に前記第1のカメラモジュールが作動され、前記一般カメラモードが該使用者の入力により選択された場合に、自動的に前記第2のカメラモジュールが作動される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のカメラモジュールが前記1つ以上の被写体を撮影するために用いられた後に前記一般カメラモードを終了した場合に、前記使用者の入力により該一般カメラモードが再起動されたときに、同一または異なる1つ以上の被写体を撮影するために該第2のカメラモジュールが自動的に再作動される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記撮影された1つ以上の被写体の1つ以上の画像信号を処理して、対応する1つ以上のデジタル信号にするデジタル信号処理部(DSP)をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記撮影された1つ以上の被写体の前記1つ以上の画像信号を前記デジタル信号処理部(DSP)に選択的に出力するスイッチモジュールをさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記スイッチモジュールは、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)上に位置する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
使用者の入力により前記一般カメラモードが選択された場合に、前記第1のカメラモジュールが自動的に作動されるか、または、
使用者の入力により前記テレビ電話モードが選択された場合に、前記第2のカメラモジュールが自動的に作動される、請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のカメラモジュールおよび前記第2のカメラモジュールは、異なる撮影モードにおいて作動される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
移動通信端末機の複数のカメラモジュールを用いて複数の被写体を撮影する方法であって、
該方法は、
該移動通信端末機の裏面に装着された第1のカメラモジュールを用いて、該移動通信端末機の外部方向において該複数の被写体のうちの少なくとも1つを撮影することと、
該移動通信端末機の表面に装着された第2のカメラモジュールを用いて、該移動通信端末機の内部方向において該複数の被写体のうちの少なくとも1つを撮影することと
を包含し、
該第1のカメラモジュールおよび該第2のカメラモジュールの各々は、異なる方向において該少なくとも1つの被写体を撮影するために、使用者により選択された撮影モードに基づいて作動され、
該撮影モードは、一般カメラモードまたはテレビ電話モードのうちの1つであり、
該撮影モードが該一般カメラモードである場合に、該第1のカメラモジュールおよび該第2のカメラモジュールが作動され得る、方法。
【請求項17】
前記第1のカメラモジュールによる前記少なくとも1つの撮影された被写体と、前記第2のカメラモジュールによる前記少なくとも1つの撮影された被写体とは、同一または異なる被写体に対する異なる画像である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記撮影モードは、撮影メニューと、編集メニューと、伝送メニューとのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のカメラモジュールが高解像度カメラであり、前記第2のカメラモジュールが低解像度カメラであるか、または、
該第1のカメラモジュールが低解像度カメラであり、該第2のカメラモジュールが高解像度カメラである、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のカメラモジュールおよび前記第2のカメラモジュールは、前記複数の被写体の1つ以上の静止画像を取得するために、および/または該複数の被写体の1つ以上の動画像を記録するために、用いられる、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のカメラモジュールは、前記複数の被写体のうちの少なくとも1つを横長モードにおいて撮影するために用いられ、前記第2のカメラモジュールは、該複数の被写体のうちの少なくとも1つを縦長モードにおいて撮影するために用いられる、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のカメラモジュールと前記第2のカメラモジュールとのうちの少なくとも1つは、前記使用者により選択された前記撮影モードに従って自動的に作動される、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記一般カメラモードが前記使用者の入力により選択された場合に、自動的に前記第2のカメラモジュールが作動され、前記テレビ電話モードが該使用者の入力により選択された場合に、自動的に前記第1のカメラモジュールが作動される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記一般カメラモードが前記使用者の入力により選択された場合に、自動的に前記第1のカメラモジュールが作動され、前記テレビ電話モードが該使用者の入力により選択された場合に、自動的に前記第2のカメラモジュールが作動される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のカメラモジュールが前記複数の被写体のうちの少なくとも1つを撮影するために用いられた後に前記一般カメラモードを終了した場合に、前記使用者の入力により該一般カメラモードが再起動されると、同一または異なる複数の被写体のうちの少なくとも1つを撮影するために該第2のカメラモジュールが自動的に再作動される、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記複数の撮影された被写体の1つ以上の画像信号を対応する1つ以上のデジタル信号にするように、該複数の撮影された被写体の該1つ以上の画像信号をデジタル信号処理部(DSP)に選択的に出力することをさらに包含する、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−306768(P2008−306768A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232721(P2008−232721)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【分割の表示】特願2005−213528(P2005−213528)の分割
【原出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】