説明

移動通信端末

【課題】データ通信を行っている移動通信端末が音声通話システムへ切り替えられた場合に、音声通話サービスが終了したときに速やかにデータ通信を再開することができるようにする。
【解決手段】データ通信システムに呼接続中の移動通信端末100が音声通話システムへ切り替わった時、移動通信端末が、音声通話のパケット送信を破棄して空いた時間を利用して、データ通信の呼接続を維持または解除する制御信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末に係り、特に、音声通話とデータ通信とを異なる移動通信システムを使用して実現している移動通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
音声通信システムとデータ通信システムとの両方を用いた通信を提供することができる移動通信端末に関する従来技術として、例えば、特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術は、データ通信システムの伝送機を制御しているデータ伝送制御機が、データ通信を行っている移動通信端末で、データ通信システムとの間での呼接続の解除を行う等により、前記移動通信端末から所定レベル以下の信号しか受信することができなくなると、音声通信システムの移動通信交換局に前記移動通信端末における音声信号または低速データの着信の有無を照会するメッセージを伝送し、音声信号または低速データの着信の有無を確認したメッセージを受信して、前記移動通信端末の呼接続の音声通信システムへの切り替わりをリアルタイムに認知するというものである。
【0003】
また、他の従来技術として、例えば、特許文献2等に記載された技術が知られている。この従来技術は、音声通話とデータ通信の両方が同一回線を通じて提供される通信端末において、有音無音検出部が無音を検出すると通信I/F部と変復調部とを接続し、有音を検出すると音声処理部と変復調部とを接続することにより、無音時にはデータ端末としてのデータ通信、有音時には送受話器による音声通信を行うというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4089977号公報
【特許文献2】特開平8−84201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音声通話を行う機能とデータ通信を行う機能とを備えた移動通信端末の中には、音声通話とデータ通信とを、それぞれ異なる移動通信システムを使用して実現しているものが存在し、その一例が、前述した特許文献1に記載されているものである。すなわち、主として音声通話サービスとして利用されるCDMA(Code Division Multiple Access)2000 1Xシステム(以下、1Xシステムという)と、データ通信サービスとして利用されるCDMA2000 1xEV−DOシステム(以下、1xEV−DOシステムという)とを、単一の移動通信端末に実装したハイブリッド端末である。
【0006】
このような移動通信端末は、一般に、データ通信サービスの利用中に音声通話の呼び出しを受けることにより、音声通話サービスへ切り替える機能を有する。このとき、移動通信端末は、データ通信システムに対する呼接続の正常な解除の手続を行わずにデータ通信システムから音声通話システムへの切り替えを行ってしまう。このため、データ通信システムの基地局は、所定以上の品質の無線信号を移動通信端末から受けられない状態が一定時間継続した後に呼接続の解除を行って、システムリソースを解放する。
【0007】
特許文献1に記載の従来技術は、データ通信システムが、呼接続の解除を行ってシステムリソースを解放した時点で、送受信が完了していないデータがあるとそのデータを破棄しなければならない場合が発生するという問題点(問題点1)を有している。
【0008】
また、従来技術は、全てのデータの送受信が完了しており、データ通信システムの呼接続を解除しても問題ない場合であっても、以下に説明するような別の問題を生じる場合がある。
【0009】
一般に、データ通信システムは、音声通話システムへの切り替えに要する時間を短縮するため、呼接続の解除の原因をネットワーク(データ通信システムの基地局)に提供しないように構成されている。すなわち、従来技術のデータ通信システムを含む一般的なデータ通信システムは、データ通信システムに呼接続中の移動通信端末が電波の微弱な地域へ移動する、通信システムに機能障害が発生する、あるいは、音声通話システムへ切り替えが行われる等、呼接続の解除が生じる原因が複数考えられるが、呼接続の解除の原因に関する情報をデータ通信システムの基地局に提供していない。
【0010】
このため、従来技術のデータ通信システムは、通信中であった移動通信端末が、音声通話システムへの切り替えによってデータ通信システムの呼接続を既に継続できない場合でも、データ通信基地局が、呼接続中の移動通信端末が電波の微弱な地域へ移動した場合と区別することができないため、移動通信端末が音声通話システムへ切り替わってから呼接続の解除を行うまでの一定時間呼接続を維持したり、呼接続の解除が行われた後にデータ通信システムに対する呼び出し(ページング)を行ったりして、データ通信システムの通信リソースを不必要に確保することになってしまうという問題点(問題点2)を生じさせる。
【0011】
さらに、従来技術のデータ通信システムは、その基地局が呼接続の解除の原因が提供されないことにより、音声通話システムへの切り替えによってデータ通信システムの呼接続の解除が行われても、通信システムに機能障害が発生した場合と区別することができないため、通信事業者の保守作業に支障をきたす恐れがあるという問題点(問題点3)を生じさせる。
【0012】
特許文献1に記載の従来技術は、問題点2として説明したようなデータ通信システムの通信リソースの不必要な確保を抑止することを可能としたものである。そして、この従来技術は、移動通信端末がデータ通信サービスを利用中に呼接続を解除すると、データ通信システムが移動通信交換局に問い合わせを行い、音声通信システムへ切り替わったことをリアルタイムに認知することができものであり、これにより通信リソースの速やかな解放を行うことを可能としている。
【0013】
しかし、この従来技術は、データ通信システムの呼接続を維持することができないため、送受信が完了していないデータを破棄しなければならないという前述した問題点1を解決することができず、また、この機能がコアネットワークが主導して実現される機能であるため、データ通信システムと音声通話システムとの間を接続する必要があると同時に、データ呼と音声呼との対応を知るための制御が必要になるという問題点(問題点4)をも生じさせてしまう。
【0014】
本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点に鑑みて、音声通話サービスを維持しつつ、データ通信システムに呼接続中の移動通信端末が音声通話システムへ切り替わったときに、送受信が完了していないデータが存在すればデータ通信システムの呼接続を維持して、音声通話サービスが終了した時に速やかにデータ通信を再開できるようにし、送受信が完了していないデータが存在しなければ、データ通信システムの呼接続の正常な解除を行い、通信リソースを速やかに解放させることができるようにした移動通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば前記目的は、音声コーデックを有し、音声通話サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信による音声通話を行う音声パケット送受信装置と、未送受信データの有無を検出する未送受信データ認識装置を有し、データ通信サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信によるデータ通信を行うデータパケット送受信装置と、音声通話の音量を検出する音量検出部と、音声通話の呼接続が確立してから一定時間を計測するタイマと、音声通話とデータ通信とを切り替える切り替え装置と、呼処理を行う呼制御処理部とを備えて構成され、前記呼制御処理部は、データ通信呼接続が確立されていてデータ通信中に音声通話の呼接続要求があった場合に音声通話の呼接続を確立させて、音声通話及びデータ通信の両方の呼接続を確立させた状態で前記切り替え装置を音声パケット送受信装置側に切り替えて音声通話を開始させ、前記タイマが一定時間を計時するまでの間に、前記音量検出部が音声通話の音量が一定値以下になったことを検出すると、音声通話のための音声パケットを破棄して音声パケットの送信を停止し、前記切り替え装置をデータパケット送受信側に切り替えて、前記未送受信データ認識装置からの未送受信データの有無の検出結果に基づいて、音声パケットの送信を停止して空いた時間を利用してデータ通信呼接続制御信号を送信することにより達成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、データ通信システムに呼接続中でデータ通信を行っている移動通信端末が音声通話システムへ切り替えられた場合にも、音声通話サービスが終了したときに速やかにデータ通信を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態による移動通信端末の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による移動通信端末の処理動作を説明するフローチャートである。
【図3A】音声通話時の音声波形と音声コーデックが音声波形をデジタル変換して出力する音声パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。
【図3B】本発明の第1の実施形態における音声通話時の音声波形と音声コーデックが音声波形をデジタル変換して出力する音声パケット及び図2により説明した呼接続制御信号パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態による移動通信端末の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による移動通信端末の処理動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態における音声通話時の音声波形と音声コーデックが音声波形をデジタル変換して出力する音声パケット及び図5により説明した呼接続制御信号パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態による移動通信端末の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による移動通信端末の処理動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態における音声通話時の音声波形と音声コーデックが音声波形をデジタル変換して出力する音声パケット及び図8により説明した呼接続制御信号パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明による移動通信端末の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の第1の実施形態による移動通信端末の構成を示すブロック図である。ここに示す本発明の第1の実施形態による移動通信端末は、音声通話の無音となる時間を利用してデータ通信の呼接続を維持または解除するための処理を実施するように構成した例である。
【0020】
本発明の第1の実施形態による移動通信端末100は、音声通話システム及びデータ通信システムを構成する基地局と無線通信を行うアンテナ101と、音声通話に用いられる無線インターフェイスである音声通話無線I/F102と、データ通信に用いられる無線インターフェイスであるデータ通信無線I/F103と、音声通話の音量を検出する音量検出部113をその内部に有して呼処理を行う呼制御処理部104と、音声通話とデータ通信とを切り替えるために、呼制御処理部104により制御されて音声通話無線I/F102またはデータ通信無線I/F103の一方をアンテナ101に接続するように切り替える切り替えスイッチにより構成された切り替え装置105と、アナログ音声信号をデジタル信号に変換し、かつ、デジタル信号をアナログ信号に変換する音声コーデック107を内部に有する音声処理部106と、データ通信システムに呼接続中の移動通信端末が音声通話システムへ切り替わったときに、送受信が完了していないデータが存在するか否かを判断し記憶する未送受信データ認識装置109を内部に有するデータ処理部108と、スピーカやマイク等の音声入出力部110と、液晶ディスプレイに代表される表示部111と、音声通話システムとの呼接続が確立してから一定時間を計測するタイマ112と、書き換え可能な不揮発性メモリ等による記憶装置114とを備えて構成されている。
【0021】
図1に示す本発明の第1の実施形態による移動通信端末は、アンテナ101介して電波により接続される相手局としての図示しない音声通信基地局及びデータ通信基地局を経て他の移動または固定の端末との間での通信を行うことができる。また、図示しない音声通信基地局及びデータ通信基地局のそれぞれには、それぞれの基地局の監視・制御を行う上位装置である基地局制御装置が接続されると共に、他の移動または固定の端末を接続する交換機が接続されている。
【0022】
なお、図1に示している本発明の第1の実施形態による移動通信端末の構成は、本発明の説明に必要に構成についてのみ示しており、本発明の説明に必要のない従来から備えられている構成及び制御信号の伝送経路等については省略して示していない。また、音量検出部113は、呼制御処理部104の内部に設けられることなく、呼制御処理部104に接続されて呼制御処理部104の外部に設けられていてもよい。
【0023】
そして、呼制御処理部104は、CPU、メモリ等を有して構成され、記憶装置114に格納された呼処理のためのプログラムをメモリにロードしてCPUに実行させることにより呼処理制御を行うと共に、同様に、記憶装置114に格納された後述する本発明での制御処理のためのプログラムをメモリにロードしてCPUに実行させることにより、本発明の実施形態による各機能を構築している。
【0024】
前述したように構成される移動通信端末は、音声通信を行う場合、スピーカやマイク等の音声入出力部110を、音声処理部106内の音声コーデック107、音声通話無線I/F102、切り替え装置105を介して図示しない音声通信基地局と接続することにより、音声通信基地局を経て接続される他の端末との間で音声による通話を行うことができる。また。図1に示す移動通信端末は、データ通信を行う場合、表示部111、図示しないキーボード等の入力装置を、データ処理部108、データ通信無線I/F103、切り替え装置105を介して図示しないデータ通信基地局と接続することにより、データ通信基地局を経て接続される他の端末との間でデータの授受を行うことができる。
【0025】
前述したは本発明の第1の実施形態による移動通信端末、主として音声通話サービスとして利用されるCDMA(Code Division Multiple Access)2000 1Xシステムと、データ通信サービスとして利用されるCDMA2000 1xEV−DOシステムとを、実装したハイブリッド端末として構成することができる。また、本発明の第1の実施形態による移動通信端末は、音声通話サービス及びデータ通信サービスの利用のために、前述した多元接続方式のCDMA2000システム以外にTDMA(Time Division Multiple Access)方式のシステム、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式のシステム、WCDMA方式のシステム、LTE法式のシステム、WiMAX法式のシステム等の多元接続方式のシステムを実装して構成することができる。これらのことは、後述する本発明の第2の実施形態、第3の実施形態の場合も同様である。
【0026】
図2は本発明の第1の実施形態による移動通信端末の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、図1に示す本発明の第1の実施形態の各部の機能とその動作を説明する。
【0027】
(1)いま、移動通信端末100は、データ通信基地局を含むデータ通信システムと呼接続状態にあり、データパケットの送受信を行ってデータ通信を行っているものとする(ステップ201)。
【0028】
(2)呼制御処理部104は、移動通信端末100がデータ通信を行っている状態で、アンテナ101及び図示していない制御信号用のインターフェイスを介して音声通信基地局から、あるいは、自身に備えられている音声通信へ切り替えるための図示しないスイッチ等から音声通話への切り替えのための呼接続要求があるか否かを監視し、呼接続要求がなければ、ステップ201からの処理に戻って、移動通信端末100にデータ通信を続けさせる(ステップ202)。
【0029】
(3)ステップ202の監視で、呼接続要求ありを検出した場合、呼制御処理部104は、自移動通信端末でのデータパケットの送受信を中断させ、切り替え装置105を制御して音声通話無線I/F102をアンテナ101を介して音声通信基地局に接続して音声通話システムとの呼接続を確立させる。なお、この時点では、データ通信システムの呼接続は維持されたまま継続される(ステップ203、204)。
【0030】
(4)音声通話の呼接続が確立した後、呼制御処理部104は、内部の音量検出部113に、音声入出力部110から音声処理部106へ送られてくる通話音声の音量を検出する処理を開始させる(ステップ205)。
【0031】
(5)また、呼制御処理部104は、音声通話システムとの呼接続が確立した時刻を0としてタイマ112をリセットし、時間の計測を開始させる(ステップ206、207)。
【0032】
(6)呼制御処理部104は、タイマ112が計測している時間を参照し、時間の経過が予め定めた一定値を経過したか否かを監視し、時間の経過が予め定めた一定値を経過していない間、音量検出部113が検出している通話音声の音量を観測し、通話音声の音量が予め定めた一定値を越えていないか否か、すなわち、一定値以下であるか否かを判定する(ステップ208、209)。
【0033】
(7)呼制御処理部104は、ステップ209の判定で、音量が一定値を超えていた場合、ステップ208からのタイマ112が計測している時間を参照する処理に戻って処理を繰り返す。
【0034】
(8)ステップ209の判定で、音量が一定値以下になる前に、ステップ208のタイマ112の監視で時間の経過が一定値に達した場合、呼制御処理部104は何もしない。この結果、一定時間後に、図示しないデータ通信基地局は、所定値以上の通信レベルのデータパケットが移動通信端末100から受信できないことを検知して、自身が主導してデータ通信システムの呼接続を解除する。この動作は、従来技術による動作である。そして、この場合の経過時間の一定値とは、ネットワークがデータ通信システムの呼接続を解除する判断を行う時間より十分に短い時間である(ステップ211)。
【0035】
(9)呼制御処理部104は、ステップ208のタイマ112の監視で時間の経過が一定値に達する前に、ステップ209の判定で、音量検出部113が通話音声の音量が一定値以下になったことを検出した場合、切り替え装置105をアンテナ101とデータ通信無線I/F103とを接続するように切り替えて、音声パケットの送信を一時的にデータパケットの送信に切り替える。このときの音声パケットは、無音状態と判断されているので、欠落しても音声通話に支障はない(ステップ210)。
【0036】
(10)呼制御処理部104は、データパケットの送信に切り替えた後、データ処理部108内の未送受信データ認識装置109を参照して未送受信データパケットが存在するか否かを確認し、未送受信データパケットが存在しなかった場合、音声パケットの送信を中断して空いた時間を使用して、データ通信の呼接続を解除する信号(メッセージ)をデータ通信基地局へ送信する。その後、呼制御処理部104は、切り替え装置105を制御してデータパケットの送信を元の音声パケットの送信に切り替える(ステップ212、217、218)。
【0037】
(11)そして、ステップ217の処理で送信した信号(メッセージ)によって、データ通信の呼接続がデータ通信基地局の処理により解除される(ステップ219)。
【0038】
(12)ステップ211またはステップ219の処理でデータ通信の呼接続が解除された後、呼制御処理部104は、音声通話の呼接続があるか否かを判定し、音声通話の呼接続があった場合、音声通話の呼接続を継続して、音声通話を続けさせる(ステップ220)。
【0039】
(13)呼制御処理部104は、ステップ220の判定で、音声通話の呼接続がなかった場合、データ通信の呼接続を回復させ、データパケットの送受信を再開して、ここでの処理を終了する(ステップ221、216)。
【0040】
(14)一方、ステップ212の確認で、未送受信データパケットが存在していた場合、呼制御処理部104は、音声パケットの送信を中断して空いた時間を使用して、データ通信の呼接続を維持する信号(例えば、KeepAlive メッセージ等)をデータ通信基地局へ送信し、その後、データパケットの送信を元の音声パケットの送信に切り替える(ステップ213、214)。
【0041】
(15)データ通信の呼接続を維持するためには、一定時間の間隔でデータ通信の呼接続を維持する信号(メッセージ)を送信し続ける必要がある。このため、呼制御処理部104は、音声通話の呼接続があるか否かを監視し、呼接続が維持されていた場合、ステップ206からの処理に戻って、再びタイマをリセットする処理以降の処理を繰り返し、音声通話の呼接続が解除されていた場合、データパケットの送受信を再開して、ここでの処理を終了する(ステップ215、216)。
【0042】
図3Aは音声通話時の音声波形と音声コーデック107が音声波形をデジタル変換して出力する音声パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。図3Aに示すタイミングチャートは、後述する本発明の第1の実施形態での同様なタイミングチャートとの比較を容易にするために示すもので従来技術の場合におけるタイミングチャートである。そして、図3A(a)は音声波形の例を示しており、縦軸は音声波形の振幅、横軸は時間を示している。また、図3A(b)は音声パケットの例を示しており、縦軸は情報量、横軸は時間を示している。
【0043】
図3A(a)に示すような音声入出力部110から入力された音声の音声波形301は、ある一定の時間間隔302でフレームと呼ばれる時間単位に分割される。そして、音声波形301は、ある一定の振幅303を基準に、フレーム毎に有音、無音に分類される。各フレームの音声波形は、音声コーデック107によってデジタル信号に変換され、情報圧縮が行われる。すなわち、有音、無音のフレームの波形は、図3(B)に示すように、それぞれ音声パケット(有音)305、音声パケット(無音)304に変換される。一般に、音声パケット(無音)304は、音声パケット(有音)305より情報量の少ないパケットとなる。音声コーデック107は、実際には、1フレーム分の音声波形を全て受け取らないと前述した情報圧縮までの処理を完了することができないので、1フレーム以上の遅延時間が存在するが、図3Aに示す例では、音声波形と音声パケットとの対応関係を明確にするために遅延時間を表現していない。従来技術によれば、この図に示したようなパケットが移動通信端末から基地局へ送信されることになる。
【0044】
図3Bは本発明の第1の実施形態における音声通話時の音声波形と音声コーデック107が音声波形をデジタル変換して出力する音声パケット及び図2により説明した呼接続制御信号パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。そして、図3B(a)は音声波形の例を示しており、図3B(b)は音声パケット及び呼接続制御信号パケットの例を示している。図3B(a)、図3B(b)の縦軸、横軸の意味は、図3Aの場合と同様である。
【0045】
図3Bにおいて、いま、タイマ112が一定時間を計測し終わる前に、音量検出部113が、フレーム302Aの通話音声の音量が一定値303以下になったことを検出したものとする。この検出は、図2に示して説明したフローのステップ209での判定で、YESとして出力されたものである。呼制御処理部104は、この判定の結果として音声通話の状態が無音状態であると判断し、タイマ112が計測している時間の経過が一定値306以下であったことにより、切り替え装置105を、音声パケットの送信から一時的にデータパケットの送信に切り替える制御を行う。この処理が図2に示すフローのステップ210での処理である。
【0046】
次に、呼制御処理部104は、未送受信データパケットが存在するか否か(図2のステップ212の判断)によって、音声パケットの送信を中断して空いたフレーム302Aの時間を使用して、データ通信の呼接続を解除する信号(メッセージ)またはデータ通信の呼接続を維持する信号(例えば、KeepAlive メッセージ)のいずれかをデータ通信呼接続制御信号307Aとしてデータ通信基地局へ送信する。この処理が図2に示して説明したフローのステップ217、213での処理である。
【0047】
図4は本発明の第2の実施形態による移動通信端末の構成を示すブロック図である。ここに示す本発明の第2の実施形態による移動通信端末は、音声通話を中断してデータ通信の呼接続を維持または解除するための処理を実施するように構成した例である。
【0048】
本発明の第2の実施形態による移動通信端末400は、基本的に図1に示して説明した本発明の第1の実施形態による移動通信端末100と同様に構成される。そして、本発明の第2の実施形態による移動通信端末400が第1の実施形態による移動通信端末100と相違する点は、呼制御処理部104内に音量検出部113が設けられていない点だけである。従って、本発明の第2の実施形態による移動通信端末400の構成の詳細についての説明は省略する。
【0049】
図5は本発明の第2の実施形態による移動通信端末の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、図4に示す本発明の第2の実施形態の各部の機能とその動作を説明する。
【0050】
(1)いま、移動通信端末400は、データ通信基地局を含むデータ通信システムと呼接続状態にあり、データパケットの送受信を行ってデータ通信を行っているものとする(ステップ501)。
【0051】
(2)呼制御処理部104は、移動通信端末400がデータ通信を行っている状態で、アンテナ101及び図示していない制御信号用のインターフェイスを介して音声通信基地局から、あるいは、自身に備えられている音声通信へ切り替えるための図示しないスイッチ等から音声通話への切り替えのための呼接続要求があるか否かを監視し、呼接続要求がなければ、ステップ501からの処理に戻って、移動通信端末400にデータ通信を続けさせる(ステップ502)。
【0052】
(3)ステップ502の監視で、呼接続要求ありを検出した場合、呼制御処理部104は、自移動通信端末でのデータパケットの送受信を中断させ、切り替え装置105を制御して音声通話無線I/F102をアンテナ101を介して音声通信基地局に接続して音声通話システムとの呼接続を確立させる。なお、この時点では、データ通信システムの呼接続は維持されたまま継続される(ステップ503、504)。
【0053】
(4)呼制御処理部104は、音声通話システムとの呼接続が確立した時刻を0としてタイマ112をリセットし、時間の計測を開始させ、タイマ112が計測している時間を参照し、時間の経過が予め定めた一定値を経過したか否かを監視する(ステップ506〜508)。
【0054】
(5)ステップ508の監視で、時間が一定値を経過したことを検出した場合、呼制御処理部104は、切り替え装置105をアンテナ101とデータ通信無線I/F103とを接続するように切り替えて、音声パケットの送信を一時的に中断しデータパケットの送信に切り替える。この場合の経過時間の一定値とは、ネットワークがデータ通信システムの呼接続を解除する判断を行う時間より十分に短い時間である。また、このときの音声パケットは、ごく短時間中断するだけであるので、欠落しても音声通話に支障はない(ステップ510)。
【0055】
(6)呼制御処理部104は、データパケットの送信に切り替えた後、データ処理部108内の未送受信データ認識装置109を参照して未送受信データパケットが存在するか否かを確認し、未送受信データパケットが存在しなかった場合、音声パケットの送信を中断して空いた時間を使用して、データ通信の呼接続を解除する信号(メッセージ)をデータ通信基地局へ送信する。その後、呼制御処理部104は、切り替え装置105を制御してデータパケットの送信を元の音声パケットの送信に切り替える(ステップ512、517、518)。
【0056】
(7)そして、ステップ517の処理で送信した信号(メッセージ)によって、データ通信の呼接続がデータ通信基地局の処理により解除される(ステップ519)。
【0057】
(8)ステップ519の処理でデータ通信の呼接続が解除された後、呼制御処理部104は、音声通話の呼接続があるか否かを判定し、音声通話の呼接続があった場合、音声通話の呼接続を継続して、音声通話を続けさせる(ステップ520)。
【0058】
(9)呼制御処理部104は、ステップ520の判定で、音声通話の呼接続がなかった場合、データ通信の呼接続を回復させ、データパケットの送受信を再開して、ここでの処理を終了する(ステップ521、516)。
【0059】
(10)一方、ステップ512の確認で、未送受信データパケットが存在していた場合、呼制御処理部104は、音声パケットの送信を中断して空いた時間を使用して、データ通信の呼接続を維持する信号(例えば、KeepAlive メッセージ等)をデータ通信基地局へ送信し、その後、データパケットの送信を元の音声パケットの送信に切り替える(ステップ513、514)。
【0060】
(11)データ通信の呼接続を維持するためには、一定時間の間隔でデータ通信の呼接続を維持する信号(メッセージ)を送信し続ける必要がある。このため、呼制御処理部104は、音声通話の呼接続があるか否かを監視し、呼接続が維持されていた場合、ステップ506からの処理に戻って、再びタイマをリセットする処理以降の処理を繰り返し、音声通話の呼接続が解除されていた場合、データパケットの送受信を再開して、ここでの処理を終了する(ステップ515、516)。
【0061】
図6は本発明の第2の実施形態における音声通話時の音声波形と音声コーデック107が音声波形をデジタル変換して出力する音声パケット及び図5により説明した呼接続制御信号パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。そして、図6(a)は音声波形の例を示しており、図6(b)は音声パケット及び呼接続制御信号パケットの例を示している。図6(a)、図6(b)の縦軸、横軸の意味は、図3Aの場合と同様である。
【0062】
図6において、いま、タイマ112で計測している時間の経過が一定値306に達したことを検出したものとする。この検出は、図5に示して説明したフローのステップ508での判定で、YESとして出力されたものである。呼制御処理部104は、この判定の結果、切り替え装置105を、音声パケットの送信から一時的にデータパケットの送信に切り替える制御を行う。この処理が図5に示すフローのステップ510での処理である。
【0063】
次に、呼制御処理部104は、未送受信データパケットが存在するか否か(図5のステップ512の判断)によって、音声パケットの送信を中断して空いたフレーム302Bの時間を使用して、データ通信の呼接続を解除する信号(メッセージ)またはデータ通信の呼接続を維持する信号(例えば、KeepAlive メッセージ)のいずれかをデータ通信呼接続制御信号307Bとしてデータ通信基地局へ送信する。この処理が図5に示して説明したフローのステップ517、513での処理である。
【0064】
図7は本発明の第3の実施形態による移動通信端末の構成を示すブロック図である。ここに示す本発明の第3の実施形態による移動通信端末は、音声通話を中断することなくデータ通信の呼接続を維持または解除するための処理を実施するように構成した例である。
【0065】
本発明の第3の実施形態による移動通信端末700は、図4に示して説明した本発明の第2の実施形態による移動通信端末400の音声処理部106内に、音声コーデック107に対して音声データの圧縮率を調整する指示を与える圧縮率調整装置107Aを設けて構成したものであり、それ以外は、本発明の第2の実施形態と同様に構成される。従って、本発明の第3の実施形態による移動通信端末700の構成の詳細についての説明は省略する。
【0066】
図8は本発明の第3の実施形態による移動通信端末の処理動作を説明するフローチャートであり、以下、図7に示す本発明の第3の実施形態の各部の機能とその動作を説明する。
【0067】
(1)いま、移動通信端末700は、データ通信基地局を含むデータ通信システムと呼接続状態にあり、データパケットの送受信を行ってデータ通信を行っているものとする(ステップ801)。
【0068】
(2)呼制御処理部104は、移動通信端末700がデータ通信を行っている状態で、アンテナ101及び図示していない制御信号用のインターフェイスを介して音声通信基地局から、あるいは、自身に備えられている音声通信へ切り替えるための図示しないスイッチ等から音声通話への切り替えのための呼接続要求があるか否かを監視し、呼接続要求がなければ、ステップ801からの処理に戻って、移動通信端末700にデータ通信を続けさせる(ステップ802)。
【0069】
(3)ステップ802の監視で、呼接続要求ありを検出した場合、呼制御処理部104は、自移動通信端末でのデータパケットの送受信を中断させ、切り替え装置105を制御して音声通話無線I/F102をアンテナ101を介して音声通信基地局に接続して音声通話システムとの呼接続を確立させる。なお、この時点では、データ通信システムの呼接続は維持されたまま継続される(ステップ803、804)。
【0070】
(4)呼制御処理部104は、音声通話システムとの呼接続が確立した時刻を0としてタイマ112をリセットし、時間の計測を開始させ、タイマ112が計測している時間を参照し、時間の経過が予め定めた一定値を経過したか否かを監視する(ステップ806〜808)。
【0071】
(5)ステップ808の監視で、時間の経過が予め定めた一定値を経過した場合、呼制御処理部104は、音声処理部106の圧縮率調整装置107Aに音声コーデック107での音声をデジタル化する際の圧縮率を上げさせるように指示する。この場合の時間経過の一定値とは、ネットワークがデータ通信システムの呼接続を解除する判断を行う時間より十分に短い時間である。また、この圧縮率を上げた音声パケットは、ごく短時間音質が悪化するだけであるので、音質が悪化しても音声通話に支障はない(ステップ810)。
【0072】
(6)呼制御処理部104は、その後、データ処理部108内の未送受信データ認識装置109を参照して未送受信データパケットが存在するか否かを確認し、未送受信データパケットが存在しなかった場合、音声パケットの圧縮率を上げることにより利用可能となる時間を使用して、データ通信の呼接続を解除する信号(メッセージ)をデータ通信基地局へ送信する(ステップ812、817)。
【0073】
(7)その後、呼制御処理部104は、圧縮率を上げて圧縮された音声パケットを送信した後、音声パケットの圧縮率を変更前の値に戻すように、音声処理部106の圧縮率調整装置107Aに指示する(ステップ817A、818)。
【0074】
(8)そして、ステップ817の処理で送信した信号(メッセージ)によって、データ通信の呼接続がデータ通信基地局の処理により解除される(ステップ819)。
【0075】
(9)ステップ819の処理でデータ通信の呼接続が解除された後、呼制御処理部104は、音声通話の呼接続があるか否かを判定し、音声通話の呼接続があった場合、音声通話の呼接続を継続して、音声通話を続けさせる(ステップ820)。
【0076】
(10)呼制御処理部104は、ステップ820の判定で、音声通話の呼接続がなかった場合、データ通信の呼接続を回復させ、データパケットの送受信を再開して、ここでの処理を終了する(ステップ821、816)。
【0077】
(11)一方、ステップ812の確認で、未送受信データパケットが存在していた場合、呼制御処理部104は、音声パケットの圧縮率を上げることにより利用可能となる時間を使用して、データ通信の呼接続を維持する信号(例えば、KeepAlive メッセージ等)をデータ通信基地局へ送信し、その後、圧縮率を上げて圧縮された音声パケットを送信し、音声パケットの圧縮率を変更前の値に戻す(ステップ813、813A、814)。
【0078】
(12)データ通信の呼接続を維持するためには、一定時間の間隔でデータ通信の呼接続を維持する信号(メッセージ)を送信し続ける必要がある。このため、呼制御処理部104は、音声通話の呼接続があるか否かを監視し、呼接続が維持されていた場合、ステップ806からの処理に戻って、再びタイマをリセットする処理以降の処理を繰り返し、音声通話の呼接続が解除されていた場合、データパケットの送受信を再開して、ここでの処理を終了する(ステップ815、816)。
【0079】
図9は本発明の第3の実施形態における音声通話時の音声波形と音声コーデック107が音声波形をデジタル変換して出力する音声パケット及び図8により説明した呼接続制御信号パケットとの関係を概念的に説明するタイミングチャートである。そして、図9(a)は音声波形の例を示しており、図9(b)は音声パケット及び呼接続制御信号パケットの例を示している。図9(a)、図9(b)の縦軸、横軸の意味は、図3Aの場合と同様である。
【0080】
図9において、いま、タイマ112で計測している時間の経過が一定値306に達したことを検出したものとする。この検出は、図8に示して説明したフローのステップ808での判定で、YESとして出力されたものである。呼制御処理部104は、この判定の結果を受けて、音声処理部106の圧縮率調整装置107Aに音声コーデック107での音声をデジタル化する際の圧縮率を上げさせるように指示して、音声パケットの圧縮率を一時的に上げさせる。この処理が図8に示すフローのステップ810での処理である。
【0081】
次に、呼制御処理部104は、未送受信データパケットが存在するか否か(図8のステップ812の判断)によって、音声パケットの圧縮率を上げて空いたフレーム302Cの時間を使用して、データ通信の呼接続を解除する信号(メッセージ)またはデータ通信の呼接続を維持する信号(例えば、KeepAlive メッセージ)のいずれかをデータ通信呼接続制御信号307Cとしてデータ通信基地局へ送信する。この処理が図8に示して説明したフローのステップ817、813での処理である。このような信号送信によって、フレームの利用可能な時間が短くなるが、圧縮率が上がっているので、音質は悪化するが音声パケット305A、304Aを、ステップ817A、813Aの処理により欠けることなく送信することができる。
【0082】
前述した本発明の実施形態によれば、データ通信システムに呼接続中でデータ通信を行っている移動通信端末が音声通話システムへ切り替えられた場合に、送受信が完了していないデータが存在すればデータ通信システムの呼接続を維持して、音声通話サービスが終了したときに速やかにデータ通信を再開することができ、また、送受信が完了していないデータが存在しなければ、音声通話サービスが開始されたときにデータ通信システムの通信リソースを速やかに解放するようにすることができる。この場合、データ通信システムの呼接続の解除を正常に行わせることができるので、通信事業者の保守作業に対しても好適である。また、前述した本発明の各実施形態で説明した機能は、移動通信端末が主導して行われるものであるから、任意のシステム間で容易に実現させることができる。
【符号の説明】
【0083】
100 本発明の第1の実施形態による移動通信端末
101 無線通信を行うアンテナ
102 音声通話無線インターフェイス(I/F)
103 データ通信無線インターフェイス(I/F)
104 呼制御処理部
105 切り替え装置
106 音声処理部
107 音声コーデック
107A 圧縮率調整装置
108 データ処理部
109 未送受信データ認識装置
110 音声入出力部
111 表示部
112 タイマ
113 音量検出部
114 記憶装置
400 本発明の第2の実施形態による移動通信端末
700 本発明の第3の実施形態による移動通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声コーデックを有し、音声通話サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信による音声通話を行う音声パケット送受信装置と、
未送受信データの有無を検出する未送受信データ認識装置を有し、データ通信サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信によるデータ通信を行うデータパケット送受信装置と、
音声通話の音量を検出する音量検出部と、
音声通話の呼接続が確立してから一定時間を計測するタイマと、
音声通話とデータ通信とを切り替える切り替え装置と、
呼処理を行う呼制御処理部とを備えて構成され、
前記呼制御処理部は、
データ通信呼接続が確立されていてデータ通信中に音声通話の呼接続要求があった場合に音声通話の呼接続を確立させて、音声通話及びデータ通信の両方の呼接続を確立させた状態で前記切り替え装置を音声パケット送受信装置側に切り替えて音声通話を開始させ、前記タイマが一定時間を計時するまでの間に、前記音量検出部が音声通話の音量が一定値以下になったことを検出すると、音声通話のための音声パケットを破棄して音声パケットの送信を停止し、前記切り替え装置をデータパケット送受信側に切り替えて、前記未送受信データ認識装置からの未送受信データの有無の検出結果に基づいて、音声パケットの送信を停止して空いた時間を利用してデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする移動通信端末。
【請求項2】
前記呼制御処理部は、
前記未送受信データ認識装置が未送信データありを検出していた場合、データ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記呼制御処理部は、
前記未送受信データ認識装置が未送信データなしを検出していた場合、データ通信の呼接続を解除するためのデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする請求項1記載の移動通信端末。
【請求項4】
音声コーデックを有し、音声通話サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信による音声通話を行う音声パケット送受信装置と、
未送受信データの有無を検出する未送受信データ認識装置を有し、データ通信サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信によるデータ通信を行うデータパケット送受信装置と、
音声通話の呼接続が確立してから一定時間を計測するタイマと、
音声通話とデータ通信とを切り替える切り替え装置と、
呼処理を行う呼制御処理部とを備えて構成され、
前記呼制御処理部は、
データ通信呼接続が確立されていてデータ通信中に音声通話の呼接続要求があった場合に音声通話の呼接続を確立させて、音声通話及びデータ通信の両方の呼接続を確立させた状態で前記切り替え装置を音声パケット送受信装置側に切り替えて音声通話を開始させ、前記タイマが一定時間を計時したときに、音声通話のための音声パケットを破棄して音声パケットの送信を停止し、前記切り替え装置をデータパケット送受信側に切り替えて、前記未送受信データ認識装置からの未送受信データの有無の検出結果に基づいて、音声パケットの送信を停止して空いた時間を利用してデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする移動通信端末。
【請求項5】
前記呼制御処理部は、
前記未送受信データ認識装置が未送信データありを検出していた場合、データ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする請求項4記載の移動通信端末。
【請求項6】
前記呼制御処理部は、
前記未送受信データ認識装置が未送信データなしを検出していた場合、データ通信の呼接続を解除するためのデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする請求項4記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記呼制御処理部は、
データ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信した後、前記切り替え装置を音声パケット送受信装置側に切り替えて音声通話を再開させると共に、音声通話の呼接続を続ける場合に前記タイマをリセットして計時を再開させ、前記タイマが一定時間を計時したときに、前記未送受信データ認識装置が未送信データありを検出していた場合、音声通話のための音声パケットを破棄して音声パケットの送信を停止し、前記切り替え装置をデータパケット送受信側に切り替えて、音声パケットの送信を停止して空いた時間を利用してデータ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信する処理を繰り返すことを特徴とする請求項5記載の移動通信端末。
【請求項8】
音声コーデック及び該音声コーデックの音声データの圧縮率を調整する圧縮率調整手段を有し、音声通話サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信による音声通話を行う音声パケット送受信装置と、
未送受信データの有無を検出する未送受信データ認識装置を有し、データ通信サービスを提供する無線通信基地局との間で無線通信によるデータ通信を行うデータパケット送受信装置と、
音声通話の呼接続が確立してから一定時間を計測するタイマと、
音声通話とデータ通信とを切り替える切り替え装置と、
呼処理を行う呼制御処理部とを備えて構成され、
前記呼制御処理部は、
データ通信呼接続が確立されていてデータ通信中に音声通話の呼接続要求があった場合に音声通話の呼接続を確立させて、音声通話及びデータ通信の両方の呼接続を確立させた状態で前記切り替え装置を音声パケット送受信装置側に切り替えて音声通話を開始させ、前記タイマが一定時間を計時したときに、音声通話のための音声パケットの圧縮率を上げて音声通話のための音声パケットの送信を行わない空き時間を生成し、前記切り替え装置をデータパケット送受信側に切り替えて、前記未送受信データ認識装置からの未送受信データの有無の検出結果に基づいて、前記生成した空き時間を利用してデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする移動通信端末。
【請求項9】
前記呼制御処理部は、
前記未送受信データ認識装置が未送信データありを検出していた場合、データ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする請求項8記載の移動通信端末。
【請求項10】
前記呼制御処理部は、
前記未送受信データ認識装置が未送信データなしを検出していた場合、データ通信の呼接続を解除するためのデータ通信呼接続制御信号を送信することを特徴とする請求項8記載の移動通信端末。
【請求項11】
前記呼制御処理部は、
データ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信した後、前記切り替え装置を音声パケット送受信装置側に切り替えて音声通話を再開させると共に、音声通話の呼接続を続ける場合に前記タイマをリセットして計時を再開させ、前記タイマが一定時間を計時したときに、前記未送受信データ認識装置が未送信データありを検出していた場合、音声通話のための音声パケットの圧縮率を上げて音声通話のための音声パケットの送信を行わない空き時間を生成し、前記切り替え装置をデータパケット送受信側に切り替えて、前記生成した空き時間を利用してデータ通信の呼接続を維持するためのデータ通信呼接続制御信号を送信する処理を繰り返すことを特徴とする請求項9記載の移動通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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