説明

移動通信装置の管理をウェブブラウジングに統合する方法および装置

方法は、ブラウジング・セッション中に、HTTP応答メッセージを装置に送信することを含む。HTTP応答メッセージは、装置管理セッションが起動されたことを示す専用MIMEタイプを含み、HTTP応答メッセージの一部を構成する識別子により、装置管理セッションが識別される。装置は、装置の詳細および識別子を含む装置管理セッション返答により、HTTP応答メッセージに返答する。装置の詳細を用いて、システムは、装置と互換性のある少なくとも1つのダウンロード・オプションを含むリストを生成して、リストを装置に送信する。ユーザが、少なくとも1つのダウンロード・オプションをリストから選択したことに応答して、装置管理セッション中に、システムは、選択した少なくとも1つのダウンロード・オプションを装置に配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、移動通信装置および方法に関し、特に詳しくは、無線通信端末や機器を用いて、コンテント・デリバリ、ウェブ・ブラウザおよびデバイスソフトウェアを無線で配信することに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置内のソフトウェアの量が増え、複雑さが増すにつれて、製造業者、サービスプロバイダおよびソフトウェア開発業者にとって、製造後にモバイル装置の構成やそのソフトウェアの構成要素を維持する必要がますます高くなっている。例えば、アドオン・アプリケーションまたは商用コンテンツをモバイル装置のユーザに販売するには、理想的には、ソフトウェア・モジュールの互換性を検証することと、相互に関連する従属性を管理することとが必要である。比較的簡単なコンテント・デリバリ(例えば、音楽のダウンロード等)については、装置の汎用プロファイルまたは型式情報を提供することで十分であるが、アプリケーションのインストールや、特にファームウェアの更新については、配信するバージョンおよびダウンロードパッケージを正確に選択するためには、詳細なモバイル装置情報を得ることが不可欠である。しかしながら、多くの場合、これらの重要な詳細についてユーザが知らなかったり、ユーザ・インターフェースを介してユーザには非表示になっていたり、その両方であったりする。
【0003】
オープン・モバイル・アライアンス(Open Mobile Alliance(OMA))は、サービス・イネーブラのセットを標準化して、デジタル製品に関する装置の管理およびダウンロードの必要性を実現できるようにした。しかしながら、規格の多くは、モバイル領域について高い関心が置かれているので、アーキテクチャ構成要素としてより汎用のデジタル配信システムエンティティに統合することを、直接行えるものではない。
【0004】
多くの場合、モバイル装置に対してデジタル配信を行うには、電子商取引が重視されている。従って、技術レベルでの装置管理タスクに加えて、需要の創出、メニューの閲覧、選択、ユーザの要求および支払いといった、ユーザレベルの側面がいくつかある。当然の技術選択およびユーザ・インターフェースを実行する現在の事実上の方法とは、ウェブ技術、特にHTTPブラウジングおよびウェブ・アプリケーションを介して行うことである。従って、前述の問題に対処する試みとしてすべてのものが、理想的には、ウェブ・ブラウザを含む、既存のそして将来のウェブ関連技術と互換性があり、かつ相互運用する必要がある。
【0005】
ユーザ側を更新する汎用インターフェースとして、次の米国特許が挙げられる。すべてリチャード・R・レイズマン(Richard R. Reisman)による。米国特許第5,694,546号、"マニフェスト・リストを用いたベンダ提供トランスポート・ソフトウェアによるサーバとクライアントとの間での自動無人化電子情報伝送システム(System for Automatic Unattended Electronic Information Transport Between a Server and a Client by a Vendor Provided Transport Software with a Manifest List)"、米国特許第6,125,388号、"ユーザ局に記憶したユーザ変更可能マニフェストに基づくユーザ局と複数のリモート・ソースとの間で情報オブジェクトを送信するシステム(System for Transporting Information Objects Between a User Station and Multiple Remote Sources Based upon User Modifiable Object Manifest Stored in the User Station)"、米国特許第6,594,692号、"電子商取引処理方法(Methods for Transacting Electronic Commerce)"、米国特許第6,658,464号、"リモート・ソースから送信、記憶、コンテンツ提示を制御するユーザ局ソフトウエア(User Station Software that Controls Transport, Storage, and Presentation of Content from a Remote Source)"。
【特許文献1】米国特許第5,694,546号公報
【特許文献2】米国特許第6,125,388号公報
【特許文献3】米国特許第6,594,692号公報
【特許文献4】米国特許第6,658,464号公報
【好適な実施形態のまとめ】
【0006】
これらの教示の現在の好適な実施の形態により、前述の問題と他の問題とを克服し、他の利点を実現する。
【0007】
一側面では、本発明は、ユーザがサーバと相互作用することを組み合わせて、装置セッションを自動化する方法およびシステムを提供する。方法は、ブラウジング・セッション中に特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージを装置から受信したことに応答して、HTTP応答メッセージを装置に送信することを含む。HTTP応答メッセージは、装置管理セッションが起動されたことを示す専用MIMEタイプを含み、HTTP応答メッセージの一部を構成する識別子により、装置管理セッションが識別される。装置は、装置の詳細および識別子を含む装置管理セッション返答により、HTTP応答メッセージに返答する。装置の詳細を用いて、システムは、装置と互換性のある少なくとも1つのダウンロード・オプションを含むリストを生成して、リストをユーザに送信する。ユーザが少なくとも1つのダウンロード・オプションをリストから選択したことに応答して、装置管理セッション中に、システムは、選択した少なくとも1つのダウンロード・オプションを装置に配信する。
【0008】
別の側面では、本発明は、無線ネットワークを介して、方法に基づいて動作するコントローラを有する装置に、情報をダウンロードさせる方法を提供する。方法は、無線HTTPセッション中に、ダウンロード可能な情報について、装置で問い合わせを行うステップと、問い合わせに応答して、装置とのセキュアな装置管理無線ダイアローグを開始して、装置の少なくともある機能を記述する装置に特有のパラメータを得るステップと、装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述する、少なくとも1つのエントリを含むリストを生成して、リストを装置に送信するステップと、無線HTTPセッション中に、少なくとも1つのエントリをリストから選択して、装置にダウンロードするステップとを含む。
【0009】
本発明のさらに別の側面では、無線ネットワークを介して装置に情報をダウンロードする装置と動作可能な装置管理サーバを提供する。装置管理サーバは、装置と接続する第1のインターフェースと、ワークフロー・マネージャと接続する第2のインターフェースと、装置が、無線HTTPセッション中に、ダウンロード可能な情報について問い合わせを行なうことに応答して起動する動作を行うプログラムで動作するコントローラとを備える。装置管理サーバではさらに、ワークフロー・マネージャが装置とのセキュアな装置管理無線セッションを開始して、装置の少なくともある機能を記述する装置に特有のパラメータを得て、第2のインターフェースを介して、ワークフロー・マネージャと協働して、装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述する、少なくとも1つのエントリを含むリストを生成して、前記第1のインターフェースを介してリストを装置に送信して、無線HTTPセッション中に、装置のユーザが選択したリストからの少なくとも1つのエントリに対応する情報を装置にダウンロードする。
【0010】
本発明のさらに別の側面では、装置と、無線ネットワークを介して装置に情報をダウンロードする装置管理サーバと動作可能なワークフロー・マネージャを提供する。ワークフロー・マネージャは、ウェブ・サイトを介して装置と接続し、装置管理サーバに接続する第1のインターフェースと、少なくとも1つのバック・エンド・システムと接続する第2のインターフェースと、装置が、無線HTTPセッション中に、ダウンロード可能な情報についてウェブ・サイトに問い合わせを行なうことに応答して起動する動作を行うプログラムで動作するコントローラとを備える。ワークフロー・マネージャは、装置とのセキュアな装置管理無線セッションを開始して、装置の少なくともある機能を記述する装置に特有のパラメータを得て、第1のインターフェースを介して装置管理サーバと、第2のインターフェースを介して少なくとも1つのバック・エンド・システムと協働して、装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述する、少なくとも1つのエントリを含むリストを生成する。ワークフロー・マネージャはさらに、第1のインターフェースとウェブ・サーバとを介して、リストを装置に送信する。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0011】
添付の図面を参照して、本発明による教示に関する前述の側面および他の側面について、以下の好適な実施の形態に関する詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【0012】
現在の本発明の好適な実施の形態に対し、現在の前記当するウェブ関連技術を記載している文献例として、次のものが挙げられる。RFC2616:ハイパテキスト転送プロトコル‐HTTP/1.1、IETF、1999年6月、RFC2109:HTTP状態管理メカニズム、IETF、1997年2月、SyncML装置管理プロトコル、バージョン1.1.2(OMA‐SyncML‐DMProtocol‐Vl_1_2‐20030612‐C)、オープン・モバイル・アライアンス、2003年6月。
【0013】
デジタル配信トランザクションをユーザが快適に行えるようにするために、発明者らは、詳細なレベルの装置情報収集および管理手順を自動化して、シームレスでデジタル配信トランザクションと統合することを実現している。本発明の好適な実施の形態では、ウェブブラウジングベースのデジタル配信トランザクションに統合したサブコンポーネントとして、OMAサービス・イネーブラ、好ましくはOMA装置管理およびOMAダウンロードを利用するモデルを用いる。現在の本発明の好適な実施の形態を用いると、ファームウェア・アップデートのユースケースに特に利点があるが、これを他のデジタル配信アプリケーションに適用して、利点を得ることもできる。
【0014】
本発明の目的のために、装置10間接的の一部を構成するデータ・プロセッサで、直接または間接的に(例えば、コンパイラまたはインタープリタを介して実行した後で)実行可能な比較的下位レベルの言語で記述したコンピュータ・コードを備える"ファームウェア"について考えることが可能である。ファームウェア、またはファームウェアのアップグレードの一例として、非限定的な例として、オペレーティング・システム・モジュール、HTTPプロトコル・スタック・インプリメンテーションの変更、または基礎となる通信規格の変更により必要な、あるいはオプションの、無線ネットワークアクセスおよび/または走査手順の改良が挙げられる。比較対照すると、"アプリケーション"を、改良したインターネットブラウザ、または異なるインターネットブラウザ、またはメディア・プレーヤ、またはあるネットワークに備えられた画像データベースに取り込んだ画像を記憶するための画像取込プログラム(装置10がデジタルカメラを含むと仮定する場合)等の装置10に、新規の、選択可能な機能を付与する上位のレベルのプログラムと考えることもできる。理解できるように、そのオペレーティング・システムソフトウェアの変更レベル、インストールしたメモリの量、そのデジタルカメラの型式(例えば、モデル番号)および他の形式のパラメータ等の装置10の構成および動作の詳細は、装置10にダウンロードするファームウェアまたはアプリケーション・ソフトウェアの型式および/または変更レベル大きな影響を与えることがある。一例であるが、装置10のハードウェアと互換性のないファームウェアまたはアプリケーション、または装置10にインストールしたメモリより多くメモリを必要とするもの、またはオペレーティング・システムのバージョンが装置10の製造日より後でリリースしたものと考えられるものを、ユーザがダウンロードしたい場合がある。これらのいずれの場合も、ユーザがリクエストしたファームウェアまたはアプリケーションを単にダウンロードすることにより、ユーザに重大な問題を引き起こし、ウェブ・サイト30で、ユーザが最適とは言えない経験をする場合もある。このことは、装置10の製造業者、またはユーザ1が加入しているネットワークのオペレータに関連する場合もある。本発明の動機の1つは、このような問題を回避して、ユーザに与える影響を最小限にすることである。好ましくは、ユーザが、ユーザ相互作用型および非ユーザ相互作用(例えば、バックグラウンド)型の動作を最適な形で行えるようにすることである。
【0015】
はじめに、以下に述べる本発明の好適な一例としての実施の形態は、OMAフレームワークにあるが、本発明は、OMAベースのイネーブラおよび技術に限定して用いられるものではないことを理解されたい。
【0016】
はじめに、論理レベルシーケンス図の型式で、電子商取引向けのユースケースの一部として、デジタル配信の典型的なシーケンスを図1に示す。図1は、移動局(MS)10に対応付けられたエンド・ユーザ1と、DMサーバ20と、ウェブ・サーバ30とを示す。ユーザセッションはエンド・ユーザ1とウェブ・サーバ30との間で行われると仮定し、装置セッションは、MS10とDMサーバ20との間で行われる。図1MS10に対する従来のデジタル配信セッションに発生する問題を説明するのに役立つので、本発明の好適な実施の形態による改良をよく理解することを促進する。
【0017】
本発明の教示を、多数のユーザ・インターフェース技術に適用することができ、ウェブ・インターフェース技術に限定されるものではないことに留意されたい。非限定的な例として、本発明の教示はまた、無線アプリケーションプロトコル(WAP)技術およびJAVA(登録商標)ベースのアプリケーションに適用することもできる。
【0018】
図1を参照すると、順調なマーケティングが正常に行われた結果と、ウェブリンク情報とにより、ユーザ1が移動局で購入できるダウンロード可能なアイテムを有するウェブ・サイト30にたどり着いたと仮定する。この相互作用を、汎用ブラウジング40として示す。ユーザ1に示す選択肢が、ユーザのMS10と実際に互換性があって確実に動作するようにするために、サーバ側のシステムは、MS10の機能をわかっている必要がある。このことを行うための従来のマニュアルの手順では、MS10モデルの範囲の多様なデジタル製品範囲に限定されていて、ユーザ相互作用の開始点として、ユーザ1にMS10型式情報の入力を要求するものである。しかしながら、従来のアプローチには固有の欠点が多数ある。いくつかの例として、まずはじめに、このアプローチでは、ユーザ1はつまらないデータ・エントリ・タスクを実行することを要求されるという、不快な経験をすることになる。さらに、ユーザに対する命令を完璧に行わない限り、ユーザ1は、ウェブ・サーバ30を見限って、所望のデジタル配信を求めて別のところへ行ってしまうこともある。第2に、ユーザ1に情報の入力を要求することにより、情報信頼性を脅かすことになる。正常に配信するために(そして、特に、配信したアプリケーションまたはファームウェアを正常に起動させるために)、装置情報の正確さが非常に重要な場合もある。第3に、そして第1の2つの問題に関連して、要求される情報の複雑さは、ユーザ1が情報を知らず、MS10の従来のユーザ・インターフェースを用いて検索することができないというようなものである。
【0019】
ユーザセッション40の他に、別の装置セッション42を用いて、十分な装置情報を収集して、ユーザ1に別のダウンロード可能なアイテムのメニューを生成する。このメニューを、ウェブ・ベースのユーザセッション44で提示することもできる。ユーザ1がメニューを介して閲覧し、別の情報を読み取り、選択して配信を行うことが可能である。最後に、ユーザ1が選択を行うことにより、第2の装置セッション46を介して、配信および関連装置管理タスクを完了する。
【0020】
発明者らは、図1に示す一例のシナリオで発生する問題とは、2つの異なるセッション(ユーザセッションおよび装置セッション)を組み合わせて、それらセッションの間でデータを送信する最も良い方法は何かというものであると認識した。例えば、ユーザ1がウェブ・ブラウザを用いてウェブ・サーバ30にたどり着いて、適切なアイテムのリストを要求した後で、OMA装置管理セッションを開始して、装置(MS10)機能および互換性情報を得るのに最も良い方法は何か?そして、この自動情報収集を完了したとすると、ウェブセッションの結果をユーザのブラウザに返信する最も良い技術は何か、と言うことである。換言すれば、ユーザのウェブブラウジング・セッションとOMA DMセッションを統合する、あるいは起動する最もタイミングのよい方法は何かと言うことである。
【0021】
統合ユーザブラウザとOMA DMセッションとを統合する際に固有の、基礎となる問題をさらに深く理解するために、ウェブ技術(HTTPの場合)およびOMA装置管理の前記当する基本原理について、いくつか簡単に説明する。
【0022】
HTTPは、簡単で強力な、ウェブのネットワーク・プロトコルである。通常、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)ソケットの最上部で実行され、リソース(ファイル、アプリケーション出力)をHTTPサーバ(通常はウェブサーバ)からHTTPクライアント(ウェブ・ブラウザ等)へ伝送する。
【0023】
HTTPはステートレスプロトコルなので、元々は、ウェブセッションの概念はHTTPには存在しない。すなわち、リクエストおよび応答という2つのメッセージを有し、別の方法として、GET、POSTおよびHEADを含んでいる。元々の意味では、リクエスト・メッセージが送信された時にHTTP"セッション"を開始して、応答・メッセージを受信した時にHTTPセッションを終了する。
【0024】
はじめに、各対のリクエスト・応答・メッセージの後で、基礎となるTCP/IPセッションはクローズした。しかしながら、ウェブ技術が進歩して、より広範囲にわたって用いられるようになると、ウェブ・ページ大きさと複雑さとが劇的に増加して、数十または数百の異なるHTTPリソースを有する、典型的な現在のようなウェブ・ページとなっている(点滅するGIFアイコン、明滅するバナーおよび動画サムネイル広告等)。HTTPウェブ・ページ複雑さが増加した結果、クライアントおよびサーバの両方で、各HTTPリクエスト用専用TCP/IPソケットの開始および閉止を行うリソース算出費用が膨大になっている。それに応じて、プロトコルの専門家が、継続するTCP/IP接続を用いる技術を規格化した(HTTP1.1)。しかしながら、適した継続するTCP/IPソケット用いたとしても、前のHTTPリクエスト・メッセージを用いないと、サーバが応答・メッセージをクライアントに送信することはできない。換言すれば、ウェブ・サーバが情報をブラウザに送ることができない(RPC2616:ハイパテキスト転送プロトコルHTTP/1.1、IETF、(1999年6月)を参照)。
【0025】
HTTPがステートレス指向であるにもかかわらず、さらにウェブアプリケーションが現れるようになると、ウェブセッションの必要性が早くも明らかになった。HTTP状態管理メカニズム(RFC2109:HTTP状態管理メカニズム、IETF、(1997年2月)参照)により、ウェブアプリケーション開発業者に対していくつかのHTTP・メッセージをある特定のユーザセッションと組み合わせるHTTP上の機能を、提供している。インプリメンテーションとして、全メッセージ内のユーザおよびセッション関連情報をクライアントからサーバに送信するクッキーを含んでいる。典型的には、サーバがクッキーを暗号化して、不正なクライアントがそのコンテンツを改ざんすることを防止する。
【0026】
OMA DMに移ると、OMA DMの省略されていない名称は、SyncML装置管理プロトコルが、装置管理ドメインにSyncMLを用いていることを示している。これは、DMクライアントおよびDMサーバで実行するクライアントサーバプロトコルである。
【0027】
DMクライアントは、扱いやすいオブジェクトを含む木形式のデータ構造の管理木を含んでいる。要求される装置管理タスクを実行するために、DMサーバは、管理木内のオブジェクトに対するターゲットとなるGet、ReplaceおよびExec等のコマンドを用いる。
【0028】
OMA DMにより、サーバと、図1のMS10等の装置との間の相互作用を最適化する。ユーザ相互作用に対して、通知およびユーザ選択等の機能を実行する簡単なコマンドがあるが、一般に、OMA DMのユーザ・インターフェース機能は非常に制限されている。
【0029】
OMA装置管理セッションを設定する前に、装置を"立ち上げる"必要がある。SyncML装置管理プロトコル規格により、2つの立ち上げ方法が規定されている。(a)製造する際に、装置にSyncML DMブートストラップ情報をロードするカスタマイズブートストラップ(工場ブートストラップとも呼ぶ)と、(b)例えばWAPPushまたはOBEXといったあるプッシュメカニズムを介してサーバがブートストラップ情報を送信する、サーバ起動ブートストラップとである。この方法では、サーバを、装置のアドレス/電話番号を事前に通知する必要がある。ブートストラップ手順を行う間、サーバアドレスおよびIDとともにクライアントおよびサーバ関連認証情報を含む、多数のパラメータを装置に設定する。現在の本発明の好適な実施の形態では工場ブートストラップ手順を用いるようになっているが、サーバ起動ブートストラップ手順を用いてもよい。
【0030】
従って、本発明の現在の好適な(非限定的な)実施の形態に最も密接に関係する、HTTPおよびOMA DM環境について説明したので、本発明による方法および装置の現在の好適な実施の形態について説明する。
【0031】
本発明の注目すべき側面は、OMA DMセッションを開始し、ブートストラップパラメータを装置に送信するHTTP応答メッセージに専用MIMEタイプを用いることと、クライアント供給メッセージのブートストラップ情報を秘密鍵で暗号化すること(ブートストラップの代わりに通知を用いることもできる)と、上位層のデジタル配信セッションおよびそのIDを用いて、ウェブセッションおよび装置セッションを1つの全体的な論理トランザクションにまとめることとを含む。本発明の別の側面は、待機中のHTTPリクエストを用いることにより、装置セッション後のウェブセッションに制御を戻す手順と、定義済みのURLを有するウェブ・ブラウザオブジェクトに対するOMA DMExecコマンドと、前に送信した起動プロンプトに対するユーザ・応答とに関する。
【0032】
特に詳しくは、この本発明の別の側面が意味することは、次のことである。
1.待機中のHTTPリクエスト
HTTP応答(以下に述べる図2のメッセージ(g))に対する反応として、DMセッション確立(以下に述べる図2のメッセージ(h))の他に、装置10はウェブ・サーバ30に対するHTTPリクエストを生成する。ウェブ・サーバ30は、ユーザオプション・メッセージ(以下に述べる図2のメッセージ(o))を受信するまでリクエストを待ち行列に入れて、次に応答をブラウザ10Bに送信する(以下に述べる図2のメッセージ(p))。
2.OMA DMExec
メニューを生成した後で(以下に述べる図2のアクティビティ(n))、ワークフロー・マネージャ50が、DMサーバ20にExecコマンドを装置10のDMクライアント10Aに送信するように要求して、このように、装置のウェブ・ブラウザ10Bを起動して、HTTPリクエストをウェブ・サーバ30に送信するように要求する。選択肢(以下に述べる図2のメッセージ(o))をHTTP応答(以下に述べる図2のメッセージ(p))でウェブ・ブラウザ10Bに送信することにより、ウェブ・サーバ30はこのHTTPリクエストに応答する。
3.起動プロンプトに対するユーザ・応答
HTTP応答(以下に述べる図2のメッセージ(g))の一部として、ウェブ・ブラウザ10Bに存在させるユーザ・インターフェース情報がある。このユーザ・インターフェースアクティビティは、ユーザにプロンプト(例えば"お待ちください。装置情報を収集しています。")および発信(例えば、"ok")ボタンを提示することを含む。ユーザが情報(例えば、"ok"ボタンを押すこと)を確定すると、ウェブ・ブラウザ10BがHTTPリクエストをウェブ・ブラウザ30に送信する。次に、このリクエストを選択肢1(待機中のHTTPリクエスト)として処理する。
【0033】
一般に、MIMEは元々は、メッセージヘッダ内の非US‐ASCIIテキスト・メッセージ、非テキスト・メッセージ、マルチ・パート・メッセージ・ボディおよび非US‐ASCII情報を行えるように意図した、インターネット・メールの拡張フォーマットである。次のRFCは、MIMEを定義している。RFC2045:MIME第1部:インターネット・メッセージ・ボディのフォーマット、RFC2046:MIME第2部:メディアタイプ、RFC2047:MIME第3部:非ASCIIテキスト用メッセージヘッダ拡張、RFC2048:MIME第4部:登録手続き、およびRFC2049:MIME第5部:準拠基準および例である。インターフェースにもRFC1341(1992年6月)が合ったが、RFC1521により廃止されている。MIME(汎用インターネット・メール拡張)第1部:インターネット・メッセージ・ボディのフォーマットを指定し手記述するメカニズム(1993年9月)、およびRFC1342:MIME(汎用インターネット・メール拡張)第2部:非ASCIIテキスト用メッセージヘッダ拡張(1993年9月)である。
【0034】
図2の実施の形態を参照して、システム記述について説明する。これは、ユーザ1、図1のMS10等の装置、ウェブ・サイト(またはウェブ・サーバ)30、DMサーバ20、上述のワークフロー・マネージャ50および1つ以上のバック・エンド・システム60の間の信号およびメッセージ・フローを示している。ここで作用主体とも呼ぶ、これら各種の構成要素の機能および役割について以下に説明して、次に図2に示す使用シーケンスについて説明する。
【0035】
本発明の現在の好適な実施の形態では、本発明の手法をまったく限定するものではないが、装置10とウェブ・サイト30との間のリンクは、少なくとも部分的に、セルラー式RFリンク、またはBluetooth(登録商標)リンク等の、または無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)リンク、または光リンク等の無線リンクを介して行われ、おそらくは、装置10のネットワークプロバイダ(例えば、セルラー式ネットワーク・オペレータ、またはWLANホット・スポットオペレータ)を介して行われることに留意されたい。
【0036】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、ユーザ1は、装置10を使用する人間である。ユーザ1は、コンテンツ、アプリケーションおよび/またはファームウェアの更新等の、ネットワークで入手可能な(おそらくは商用)デジタル製品に興味を持つ場合がある。ウェブ・ブラウザは、デジタル製品を見つけ、選択して配信を行うのに好適なアプリケーションである。ユーザ1は、装置10を所有する必要はない。
【0037】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、装置10は、OMA DMクライアント・アプリケーション・インプリメンテーション10Aのインスタンスと、HTTP1.1準拠ウェブ・ブラウザ10Bとを有するモバイル構成要素であるか、モバイル構成要素を含んでいる。ファームウェアを更新するために、一例の非限定的な例として、装置10は、OMAファームウェアオーバー・エア(FOTA)機能を有していてもよい。一例の非限定的な実施の形態として、装置10は、携帯電話または非携帯電話、またはローカルおよび/またはワイド・エリア・ネットワーク(LANおよび/またはWAN)の無線インターフェース(RFおよび/またはIR)を有するコンピュータ、またはLANおよび/またはWANの無線インターフェース(RFおよび/またはIR)を有するパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、またはユーザ1がブラウザを操作して、ウェブ・サーバまたはサイト30に接続することが可能な任意の適したインターネット機器とすることもできる。この場合は、装置10は典型的には、無線(RFまたは光)送受信機を備える。
【0038】
図3を参照して、図2のメッセージ・フロー・シーケンスに用いるのに適した、非限定的な例としての装置10のブロック図を示す。装置10は、メモリ12に接続され、オペレーティング・システムおよび他の典型的なソフトウェアの他に、本発明によるOMA‐DMクライアント10Aを実行するソフトウェアを記憶するメモリに接続された、マイクロプロセッサ等のコントローラ11とともにウェブ・ブラウザ10Bを含むと考えられる。また、メモリ12には、装置の詳細(例えば、ハードウェア機能、オペレーティング・システムバージョン、メモリ容量)を記憶する装置テーブル10Cがあり、これは、製造時、または装置を初めて起動した際にロードされたものである。また、ユーザ・インターフェース(UI)13、または適したUIのインターフェースが備えられている。ある非限定的な実施の形態では、UI13は、ユーザ・ディスプレイ(例えば、LCDディスプレイ)13Aおよびキーボードまたはキーパッド13Bのユーザデータエントリ装置を含んでいる。また、コントローラ11は、典型的には携帯電話ネットワーク・オペレータ、または無線LANネットワーク等の無線ネットワーク/オペレータを介して、ウェブ・サイト30およびDMサーバ20と通信を行う、適したRFまたは光送受信機14に接続している。実施の形態の装置10が有線の場合は、送受信機14を、電気または光ケーブルまたは他の配線に接続してもよいことに留意されたい。
【0039】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、ウェブ・サイト30は、ユーザ1に対して、ユーザ・インターフェース(HTMLページ)を実行するHTTP1.1準拠ウェブ・サーバを含んでいたり、これにリンクしたりしている。ウェブ・サイト30は好ましくは、他のサーバ側の構成要素(例えば、20、50、60)に対して、ウェブアプリケーションおよびインターフェースを実行するアプリケーション・プログラム・インターフェース(API)を有している。
【0040】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、DMサーバ20は、OMASyncML DMプロトコルスタックを実行し、装置10のDMクライアント10Aと通信を行い、他のサーバ側の構成要素(30、50、60)のインターフェースを有している。SyncMLのインターフェースは、例として、SyncML装置管理プロトコル、バージョン1.1.2(OMA‐SyncML‐DMプロトコル‐Vl_1_2‐20030612‐C、オープン・モバイル・アライアンス、2003年6月)とともにSyncML装置情報DTD(バージョン1.1、2002年2月)を備える必要がある。(DTDは文書種類定義を表す。)
【0041】
図4を参照すると、図2のメッセージ・フロー・シーケンスに用いるのに適したDMサーバ20の、非限定的な例としてのブロック図を示している。DMサーバ20は、オペレーティング・システムおよび他の典型的なソフトウェア(SW)の他に、OMASyncML DMプロトコルスタックを実行するソフトウェアと、装置10のOMA‐DMクライアント10Aと通信を行うソフトウェアを記憶するメモリ21に接続した、マイクロプロセッサ等のコントローラ21を含むと考えられる。DMサーバ20は、装置10およびワークフロー・マネージャ50と通信を行う、入出力インターフェース(I/O)22Aおよび22B(論理および/または物理I/Oであってもよい)を含んでいる。I/Oインターフェース22A、22Bの2つを、インターネットでTCP/IPを介して通信を行う論理インターフェースとして実施することもできることに留意されたい。
【0042】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、ワークフロー・マネージャ50は、全体的なデジタル配信処理、例えば、ファームウェア・アップデート・トランザクションを追跡する。ワークフロー・マネージャ50は、一意のトランザクションID(TID)を生成して、ユーザ1および装置10のインターフェースとしてウェブ・サーバ30およびDMサーバ20を用いて、個別の下位レベルのセッションを1つの論理トランザクションにまとめる。ワークフロー・マネージャ50は好ましくは、バック・エンド・システム60のサービスを用いて、装置10とのトランザクション中に、ある特定のタスクを完了する。
【0043】
図5を参照すると、図2のメッセージ・フロー・シーケンスに用いるのに適した、ワークフロー・マネージャ50の非限定的な例としてのブロック図を示している。ワークフロー・マネージャ50は、オペレーティング・システムおよび他の典型的なソフトウェア(SW)の他に、TIDを生成して、各種のトランザクションを管理して、装置10および他のシステム構成要素と相関させるソフトウェアを記憶するメモリ51Aに接続した、マイクロプロセッサ等のコントローラ51を含むと考えられる。ワークフロー・マネージャ50は、ウェブ・サイト30、DMサーバ20およびバックエンド・サーバおよびシステム60と通信を行うI/O52Aおよび52B(論理および/または物理I/Oであってもよい)を含んでいる。DMサーバ20のように、インターネットでTCP/IPを介して通信を行う論理インターフェースとして、1つのI/Oインターフェース52A、52Bを実施することもできる。
【0044】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、バックエンド・サーバおよびシステム60は、ワークフロー・マネージャ50のサービスを提供する。これらに限定するものではないが、サービスは、認証、暗号化および署名のセキュリティサービス、法的および保証ステータス情報等の装置10関連サービスとともに、製品データ管理(PDM)情報等の詳細な製品管理サービスを含んでもよい。
【0045】
本発明を限定しないが、現在の本発明の好適な実施の形態を説明するために、ウェブ・サイト30およびDMサーバ20を制御する同じエンティティにより、ワークフロー・マネージャ50およびバック・エンド・システム60を制御する。しかしながら、これは、本発明の手法を限定するものではなく、これら構成要素の一方または両方を、サード・パーティで制御してもよい。例えば、バック・エンド・システム60の一方が、サード・パーティのデジタル署名オーセンティケータ、またはサード・パーティのデジタル支払いファシリテータであってもよい。
【0046】
図2の一例のシーケンス図に戻ると、本発明の実施の形態により、次のステップを実行する。(a)で、ユーザ1は、競合するウェブ・サイトを閲覧して、所望のベンダのファームウェア(FW)アップデートページを検索する。(b)で、ユーザ1はFWアップデートページのリンクをクリックして、装置10に利用可能な新規のFWアップデート選択肢(もしあれば)を確定する。(c)で、ウェブ・サイト30は、装置10を介してページをユーザ1に送信して、装置10を介してHTTP応答を用いて、自動装置情報収集をまもなく開始することをユーザ1に通知する。次のものが適したメッセージの例として考えられる。"お待ちください。閲覧者の電話用の要求されたファームウェアを検索中です。"(d)で、ユーザ1は、装置10のユーザ・インターフェースを介して、自動装置セッションが確立したことを承認すると、HTTPリクエストを生成して、ブラウザ10Bからウェブ・サーバ30に送信する。(e)で、ウェブ・サーバ30は、ファームウェア・アップデート・トランザクション(FWupdトランザクション)を開始して、OMA DMセッションを確立するユーザリクエストがあることを、ワークフロー・マネージャ50に通知する。応答として、ワークフロー・マネージャ50は、一意のTIDを用いて新規のトランザクションを生成する。(f)でバックエンドサービス60を用いて、ワークフロー・マネージャ50は、適したOMAクライアント供給(CP)メッセージを生成して、秘密鍵で署名を行う。INIT DMメッセージを、暗号化したCPでウェブ・サイト30に送信する。(g)で、HTTP応答の一部として、ウェブ・サイト10は、OMA装置管理専用のMIMEタイプの署名を行ったCPメッセージを装置10に送信する。TIDを、HTTP応答メッセージに埋め込む。MIMEタイプ情報および署名を行ったCPメッセージに基づいて、ステップ(h)で、装置101は、DMブートストラップ情報の妥当性を検証して、相当するパラメータを設定して、OMA DMクライアントアプリケーション10Aを開始する。(i)で、OMA DMクライアント10Aは、OMA DMセッションを確立して、装置10の情報の詳細をDMサーバ20に送信する。これら装置の詳細装置10のメモリ12のテーブル10Cに記憶してもよいし、製造時、または装置を初めて起動した際に、ロードしてもよい。このステップ(i)は好ましくは、ユーザ1が介在することなく、自動的に発生するので、いずれの場合も、ユーザ1は、装置10の情報を知っている必要はない。好ましくは、TIDは、DMサーバ20に返送するこの情報の一部として含まれる。(j)で、DMサーバは、TIDと受信した装置情報とをワークフロー・マネージャ50に送信して、(k)で、ワークフロー・マネージャ50は、バックエンドサービス60と通信を行って、装置10の情報の詳細の量とレベルとが選択肢リスト(ファームウェア・ダウンロード・オプション・メニュー)を生成するのに十分であるかどうか、判定する。詳細なおよび特定の装置10の情報がさらに必要な場合は、(l)で、ワークフロー・マネージャ50が、DMサーバ20に適切なデータを装置10から取り出すように要求する。この場合は、(m)で、OMA DMプロトコルを用いることにより、DMサーバ20は、装置10の情報をさらに取得して、ワークフロー・マネージャ50に返送する。(n)で、ワークフロー・マネージャ50は、入手可能な選択肢のリスト、すなわち、エンド・ユーザ1に対するファームウェア・ダウンロード・オプション・メニューを生成する(あるいは、1つ以上のバックエンドサービス60を用いて生成する)。(o)で、ワークフロー・マネージャ50は、ファームウェア・ダウンロード・オプション・メニューをウェブ・サイト30に送信して、(p)で、ウェブ・サイト30は、メニューをユーザ1のブラウザ10Bに返送して、製品を選択したり、さらに(ウェブ定式化)情報を要求したりする。このことは、(p)で、少なくとも3つの技術を介して行うことができる。前に待機中のHTTPリクエストと、ウェブオブジェクトに対するOMA DMexecと、または前に送信したウェブ・ページ内でのユーザ・アクションとである。(p)でどの技術を用いるとしても、さらにウェブブラウジングを行って、HTTPリクエストおよび応答(ユーザ1がウェブ・サイト30で装置10を介して行う)が行われて、結果として、要求されたファームウェアおよび装置管理(装置10およびDMサーバ20)配信されることが、ステップ(q)および(r)それぞれで発生する。任意の適した技術およびメカニズムを用いて、ファームウェアを装置10に実際にダウンロードできることに留意されたい。
【0047】
本発明の実施の形態により、ウェブセッションを自動DMセッションと組み合わせる側面には、HTTP応答メッセージ内でOMA DM通知メッセージを送信する必要がある(図2のメッセージ(g))。図6を参照すると、HTTP応答メッセージは一般に、Status Lineフィールド102、General Headersフィールド104、Response Headersフィールド106、Entity Headersフィールド108、キャリッジ・リターン・ライン・フィード(CRLF)109で示すデリミタまたはセパレータ、Message Bodyフィールド110とを含んでいる。非限定的な本発明の実施の形態で最も興味深いものは、Entity Headersフィールド108で、Content-Typeフィールド108Aと、Content-Lengthフィールド108と、Last- Modifiedフィールド108Cとを含んでいる。特に興味深いものは、上述の所定のMIMEタイプを伝達するContent-Typeフィールド108である。非限定的な例として、一般通知起動セッションアラート・メッセージ用の所定のMIMEタイプは、Content-Type 108A:"application/vnd.syncml.information"であってもよいし、Content-Typeコードは、0x44であってもよい。
【0048】
図6に示すHTTP応答メッセージの構造の現在の好適な、非限定的な実施の形態では、OMA DM通知を、Message Bodyフィールド110で送信する。
【0049】
一例のHTTP応答メッセージコンテンツとして、次のようなものが挙げられる。

【0050】
OMA DM通知メッセージ120の一例の実施の形態のフィールドについて、図7に示す。

【0051】
1つの非限定的な例としてのDM装置の詳細・メッセージ(図2のメッセージ(i))について、以下に示す(インターフェースにはやはり次のものが必要である。SyncML装置管理プロトコル、バージョン1.1.2(SyncML Device Management Protocol,
Version 1.1.2(OMA‐SyncML‐DMProtocol‐Vl_l_2‐20030612‐C)、オープン・モバイル・アライアンス、2003年6月)


【0052】
前述の一例のおよび非限定的な例により、本発明を実施するために、発明者らが現在考える最も良い方法および装置について、十分に有益な説明を行ってきた。しかしながら、添付の図面および添付の請求の範囲を読むことにより、前述の記述から、各種の変更例および適用例当業者にとって明らかになるであろう。いくつかの例として、他の類似のまたは同等のダウンロードシナリオ、アプリケーション・プログラムおよびファームウェア・ダウンロード技術(例えば、ファームウェア・ダウンロードにOMA FOTA技術以外を用いることもできる)、メッセージング・タイプおよび装置管理プロトコルおよび方法を用いることにより、当業者が試みることも可能である。しかしながら、本発明の教示によるこのような類似の変更例については、やはり本発明の範囲に前記当するものである。
【0053】
さらに、他の機能を対応して用いることなく、本発明のいくつかの機能を有利に用いることができる。従って、前述の記述は、本発明の原理を単に説明するものであって、これを制限するものではないと考える必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】電子商取引向けのユースケースの部分的なデジタル配信の典型的なシーケンスを示す論理レベルシーケンス図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態による、装置を用いて発生する、一例のファームウェアのメッセージ・フロー・シーケンス図を示す。
【図3】図2のメッセージ・フロー・シーケンスに用いるのに適した装置のブロック図を示す。
【図4】図2のメッセージ・フロー・シーケンス用いるのに適したDMサーバのブロック図を示す。
【図5】図2のメッセージ・フロー・シーケンスに用いるのに適したワークフロー・マネージャのブロック図を示す。
【図6】本発明の教示の一側面による、装置管理通知メッセージが有するHTTPメッセージの非限定的な例としての構造を示す。
【図7】図6のHTTP応答メッセージが有する装置管理通知メッセージの非限定的な例としての構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのサーバとの相互作用を組み合わせることにより装置セッションを自動化する方法であって、
ブラウジング・セッション中に前記装置から特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージを受信したことに応答して、HTTP応答メッセージの一部を含む識別子により識別される装置管理セッションが起動されたことを示す専用MIMEタイプを含む前記HTTP応答メッセージを前記装置に送信するステップと、
装置の詳細および前記識別子を含む装置管理セッション返答により前記HTTP応答メッセージに返答するステップと、
前記装置の詳細を用いて、前記装置と互換性を有する少なくとも1つのダウンロード・オプションを含むリストを生成するステップと、
前記リストを前記装置に送信するステップと、
ユーザが前記少なくとも1つのダウンロード・オプションを前記リストから選択したことに応答して、装置管理セッション中に、前記選択した少なくとも1つのダウンロード・オプションを前記装置に配信するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記HTTP応答メッセージが、暗号化したクライアント供給(CP)メッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージが、前記識別子を設定するワークフロー・マネージャとのトランザクションをトリガして、前記ワークフロー・マネージャが前記CPメッセージを生成して、秘密鍵で暗号化する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リストを前記装置に送信するステップが、ブラウジング・セッションを用いて、前記リストを送信することである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記装置が、無線送受信機通信を行うウェブ・サーバを有する装置を備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するアプリケーション・プログラムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記装置が、無線送受信機通信を行うウェブ・サーバを有する装置を備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するファームウェアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
無線リンクを介して装置とウェブ・サーバとが互いに接続しているシステムであって、
前記ウェブ・サーバに接続され、ブラウジング・セッション中に、特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージを前記装置から受信することに応答してHTTP応答メッセージを前記装置に送信する装置管理サーバを備え、ここで該送信されるHTTP応答メッセージは、該HTTP応答メッセージの一部を含む識別子により識別される装置管理セッションが起動されたことを示す専用MIMEタイプを含むメッセージであり、
前記装置は、装置の詳細および前記識別子を含む装置管理セッション返答により、前記HTTP応答メッセージに返答する、装置管理クライアントを備え、
前記装置管理サーバは、ワークフロー・マネージャと協働して、前記装置の詳細を用いることにより、前記装置と互換性を有する少なくとも1つのダウンロード・オプションを含むリストを生成して前記リストを前記装置に送信し、
前記装置管理サーバは、ユーザが前記少なくとも1つのダウンロード・オプションを前記リストから選択したことに応答して、装置管理セッション中に、前記選択した少なくとも1つのダウンロード・オプションを前記装置に配信する、
システム。
【請求項8】
前記HTTP応答メッセージが、暗号化したクライアント供給(CP)メッセージを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージが、前記識別子を設定するワークフロー・マネージャによりトランザクションをトリガし、前記ワークフロー・マネージャが前記CPメッセージを生成して、秘密鍵で暗号化する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ワークフロー・マネージャが、少なくとも1つのバック・エンド・システムを有するインターフェースを備え、少なくとも1つのバック・エンド・システムと協働して、前記CPメッセージを暗号化する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
ブラウジング・セッションおよびHTTPプロトコルを用いて、前記リストを前記装置に送信する、請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記装置が、無線送受信機通信を行う前記ウェブ・サーバを備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するアプリケーション・プログラムを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記装置が、無線送受信機通信を行う前記ウェブ・サーバを備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するファームウェアを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記装置が、無線送受信機通信を行う前記ウェブ・サーバを有する通信装置を備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するプログラムを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
無線ネットワークを介して情報をダウンロードするように装置を動作させる方法であって、
無線HTTPセッション中に、ダウンロード可能な情報について、前記装置で問い合わせを行うステップと、
前記問い合わせに応答し、前記装置の少なくともある機能を記述する装置に特有のパラメータを得るべく前記装置とのセキュアな装置管理無線ダイアローグを開始するステップと、
前記装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述する、少なくとも1つのエントリを含むリストを生成して、前記リストを前記装置に送信するステップと、
無線HTTPセッション中に、少なくとも1つのエントリを前記リストから選択して、前記装置にダウンロードするステップとを含む方法。
【請求項16】
前記前記装置とのセキュアな装置管理無線ダイアローグを開始するステップが、HTTP応答メッセージの一部を含む識別子により識別される装置管理セッションが起動されたことを示す、所定のMIMEタイプを含む前記HTTP応答メッセージを用いる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
無線ネットワークを介して情報を得る、前記無線ネットワーク内で動作する装置であって、ユーザ・インターフェースと、以下の動作:
ユーザおよび前記ユーザ・インターフェースが関係する無線HTTPセッション中に、ダウンロード可能な情報についての問い合わせを前記装置から送信すること;
前記問い合わせの送信と、前記無線ネットワークを介して受信した返信とに応答して、前記装置の少なくともある機能を記述する装置に特有のパラメータを送信すべく、セキュアな装置管理セッションを確立すること;
前記装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述する少なくとも1つのエントリを有するリストの受信に応答して、無線HTTPセッション中に、前記ユーザ・インターフェースを介して、前記装置にダウンロードされるべき少なくとも1つのエントリを前記リストから選択すること;
を行うプログラムと共に動作するコントローラと、
を備える装置。
【請求項18】
前記コントローラが、HTTP応答メッセージの一部を含む識別子により識別される前記セキュアな装置管理セッションが起動したことを示す、所定のMIMEタイプを含むHTTP応答メッセージを受信する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
無線ネットワークを介して装置に情報をダウンロードするために前記装置と共に動作可能な装置管理サーバであって、前記装置と接続する第1のインターフェースと、ワークフロー・マネージャと接続する第2のインターフェースと、プログラムで動作するコントローラとを備え、前記プログラムは、前記装置が無線HTTPセッション中にダウンロード可能な情報について問い合わせを行うことに応答して、また、前記装置の少なくともある機能を記述する該装置に特有のパラメータを得るために前記ワークフロー・マネージャが前記装置とのセキュアな装置管理無線セッションを開始することに応答して、起動される動作を行い;前記第2のインターフェースを介して前記ワークフロー・マネージャと協働し、前記装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述するリストを生成すると共に、該リストを前記第1のインターフェースを介して前記リストを前記装置に送信し;無線HTTPセッション中に、前記装置のユーザが前記リストから選択した少なくとも1つのエントリに対応する情報を前記装置にダウンロードする;サーバ。
【請求項20】
前記装置管理サーバを、前記装置のコントローラが実行する装置管理クライアントと接続する、請求項19に記載の装置管理サーバ。
【請求項21】
前記装置管理サーバおよび前記装置管理クライアントが、SyncML装置管理プロトコルと互換性がある、請求項20に記載の装置管理サーバ。
【請求項22】
装置、及び、無線ネットワークを介して前記装置に情報をダウンロードする装置管理サーバと共に動作可能なワークフロー・マネージャであって、ウェブ・サイトを介して前記装置と接続すると共に前記装置管理サーバに接続する第1のインターフェースと、少なくとも1つのバック・エンド・システムと接続する第2のインターフェースと、前記装置が無線HTTPセッション中にダウンロード可能な情報についてウェブサイトに問い合わせを行うことに応答して動作を行うプログラムと共に動作するコントローラとを備え、該コントローラは、前記装置の少なくともある機能を記述する装置に特有のパラメータを得るために、前記装置とのセキュアな装置管理無線セッションを開始し;前記第1のインターフェースを介して前記装置管理サーバと、前記第2のインターフェースを介して前記少なくとも1つのバック・エンド・システムと協働し;前記装置の機能と互換性のあるダウンロード可能な情報を記述する、少なくとも1つのエントリを含むリストを生成して、前記第1のインターフェース及び前記ウェブ・サーバを介して、前記リストを前記装置に送信する、ワークフロー・マネージャ。
【請求項23】
前記装置管理セッションが起動されたことを示す所定のMIMEタイプを含み、さらに暗号化したクライアント供給(CP)メッセージを含む、HTTP応答メッセージにより、前記HTTP応答メッセージの一部を含む識別子により識別される、前記セキュアな装置管理無線セッションを起動する、請求項22に記載のワークフロー・マネージャ。
【請求項24】
前記装置に特有のパラメータを、前記識別子とともに、前記装置管理サーバを介して前記装置から受信する、請求項23に記載のワークフロー・マネージャ。
【請求項25】
コンピュータ読み取り可能プログラムを含むコンピュータ読み取り可能媒体を備え、前記コンピュータ読み取り可能プログラムを前記コンピュータ上で実行する際に前記コンピュータに次の動作:
ブラウジング・セッション中に、特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージを前記装置から受信することに応答して、HTTP応答メッセージの一部を含む識別子により識別される装置管理セッションが起動されたことを示す専用MIMEタイプを含む、前記HTTP応答メッセージを前記装置に送信すること;
装置の詳細および前記識別子を含む装置管理セッション返答により前記HTTP応答メッセージに返答すること;
前記装置の詳細を用いて、前記装置と互換性を有する少なくとも1つのダウンロード・オプションを含むリストを生成すること;
前記リストを前記装置に送信すること;
ユーザが前記少なくとも1つのダウンロード・オプションを前記リストから選択したことに応答して、装置管理セッション中に、前記選択した少なくとも1つのダウンロード・オプションを前記装置に配信すること;
を行わせる、コンピュータプログラム製品。
【請求項26】
前記HTTP応答メッセージが、暗号化したクライアント供給(CP)メッセージを含む、請求項25に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記特定のタイプのHTTPリクエスト・メッセージが、前記識別子を設定するワークフロー・マネージャとのトランザクションをトリガして、前記ワークフロー・マネージャが、前記CPメッセージを生成して、秘密鍵で暗号化する、請求項26に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記リストを前記装置に送信するステップが、ブラウジング・セッションを用いて前記リストを送信する、請求項25に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
前記装置が、無線送受信機通信を行うウェブ・サーバを有する装置を備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するアプリケーション・プログラムを含む、請求項25に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
前記装置が、無線送受信機通信を行うウェブ・サーバを有する装置を備え、前記配信したダウンロード・オプションが、次の実行で前記装置にダウンロードして記憶するファームウェアを含む、請求項25に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−511049(P2008−511049A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526602(P2007−526602)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/IB2005/002448
【国際公開番号】WO2006/018707
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】